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特開2024-79342顔認証支援装置、システム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079342
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】顔認証支援装置、システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/37 20200101AFI20240604BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20240604BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240604BHJP
   G06V 40/16 20220101ALI20240604BHJP
【FI】
G07C9/37
G07B15/00 M
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192230
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大澤 健一
【テーマコード(参考)】
3E127
3E138
5B043
【Fターム(参考)】
3E127AA02
3E127BA45
3E127BA50
3E127CA02
3E127CA70
3E127FA16
3E127FA24
3E127FA63
3E138AA01
3E138BA20
3E138GA02
3E138JA01
3E138JB16
3E138JC05
3E138JC14
3E138JC19
3E138JD10
5B043BA04
5B043DA05
(57)【要約】
【課題】入退場が管理される領域に対する複数の人物のスムーズな通行を支援すること。
【解決手段】顔認証支援装置(1)は、顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置され、所定の撮影範囲において、通路を通行する人物を撮影する撮影部(11)と、人物を顔認証するために、撮影部(11)により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力部(12)と、を備え、撮影範囲は、第1領域及び第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、第1方向を基準として進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置され、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影手段と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援装置。
【請求項2】
前記通路に設置された複数の顔認証支援装置のうちの一つである
請求項1に記載の顔認証支援装置。
【請求項3】
前記通路に設置された他の顔認証支援装置における第1方向と、自装置における第1方向とが交差しない位置に設置された
請求項2に記載の顔認証支援装置。
【請求項4】
前記通路に設置された他の顔認証支援装置における撮影範囲の死角が、自装置における撮影範囲となるように設置された
請求項2に記載の顔認証支援装置。
【請求項5】
前記通路に設置された他の顔認証支援装置における撮影範囲の第2方向の逆方向が、自装置における撮影範囲の第2方向となるように設置された
請求項2に記載の顔認証支援装置。
【請求項6】
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置された複数の顔認証支援装置を備え、
前記複数の顔認証支援装置のそれぞれは、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影手段と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援システム。
【請求項7】
前記撮影範囲は、前記第1方向を中央とした範囲である
請求項6に記載の顔認証支援システム。
【請求項8】
前記複数の顔認証支援装置のそれぞれは、前記第1方向同士が交差しない位置に設置された
請求項6に記載の顔認証支援システム。
【請求項9】
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置されたコンピュータが、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影し、
前記人物を顔認証するために、前記撮影された画像に基づく認証用情報を出力し、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援方法。
【請求項10】
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置されたコンピュータに、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影処理と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力処理と、
を実行させ、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、顔認証支援装置、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所定の領域における人物の入退場の管理をゲートレスで実現するために、顔認証技術が普及しつつある。例えば、特許文献1には、複数の通路のそれぞれを通行する人物の顔を撮像して顔認証を行う複数の顔認証装置を備える顔認証システムに関する技術が開示されている。特許文献1にかかる技術では、隣接する2つの通路のそれぞれに対応する2つの顔認証装置をペアとし、一方の顔認証装置の撮像視野に他方の通路を通行する人物が入らない(映り込まない)ように目隠し版を設置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-148987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1にかかる技術では、設置される複数の顔認証装置のそれぞれに対応する複数の専用通路のうち隣接する専用通路間に目隠し版が必要となる。そのため、入退場が管理される領域に対して入退場を行う複数の人物のスムーズな通行を阻害し得るという問題点があった。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、入退場が管理される領域に対する複数の人物のスムーズな通行を支援するための顔認証支援装置、システム、方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる顔認証支援装置は、
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置され、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影手段と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする。
【0007】
本開示にかかる顔認証支援システムは、
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置された複数の顔認証支援装置を備え、
前記複数の顔認証支援装置のそれぞれは、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影手段と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする。
【0008】
本開示にかかる顔認証支援方法は、
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置されたコンピュータが、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影し、
前記人物を顔認証するために、前記撮影された画像に基づく認証用情報を出力し、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする。
【0009】
本開示にかかる顔認証支援プログラムは、
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置されたコンピュータに、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影処理と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力処理と、
を実行させ、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、入退場が管理される領域に対する複数の人物のスムーズな通行を支援するための顔認証支援装置、システム、方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態1にかかる顔認証支援装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態1にかかる顔認証支援方法の流れを示すフローチャートである。
図3】本実施形態2にかかる顔認証支援システムの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態2にかかる顔認証支援装置の構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態2にかかる通路の進行方向と顔認証支援装置のカメラの撮影範囲の関係の例を平面で示す図である。
図6】本実施形態2にかかる通路の進行方向と顔認証支援装置のカメラの撮影範囲の関係の例を平面で示す図である。
図7】本実施形態2にかかる通路のゲートレスゾーンにおける複数の顔認証支援装置の設置例を平面で示す図である。
図8】本実施形態2にかかる顔認証支援処理及び入退場管理処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】本実施形態2にかかる入退場管理装置における入退場管理処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<実施形態1>
図1は、本実施形態1にかかる顔認証支援装置1の構成を示すブロック図である。人物U0-0は第1領域21に入場済みであり、人物U0-1、U0-2及びU0-3は第2領域22から通路23を通って第1領域21へ入場しようとしているものとする。尚、以下の説明において、人物U0-0~U0-3を総称して、単に「人物U」又は「人物U0」と記載する場合がある。
【0014】
ここで、第1領域21は、入場した人物U0が有料又は無料のサービスの提供を受けることができる領域である。第1領域21は、入場時に行われる顔認証に成功した人物U0について入場が記録され、退場時に行われる顔認証に成功した人物U0について退場が記録される領域である。そのため、第1領域21は、入退場する人物U0が管理される領域である。また、第2領域22は、第1領域21の外部であり、第1領域21への入場前又は退場後の人物U0が存在する領域である。そして、第1領域21へ入場し、提供されるサービスを受けようとする人物U0は、事前に、第1領域21の入退場を管理する情報システムへ、顔認証のための照合用の顔特徴情報(マスタ)を登録しているものとする。
【0015】
ここで、「顔特徴情報」とは、人物U0の顔画像から抽出された目、鼻、口等の位置に対応する各特徴点の間の距離等である特徴量の集合を示す特徴ベクトルである。また、「照合用の顔特徴情報」とは、顔認証において認証対象の顔特徴情報(クエリ)と照合する対象となる顔特徴情報である。
【0016】
通路23は、顔認証のための照合用の顔特徴情報を登録済みの人物U0が第1領域21へ入場するために第2領域22から移動する際に歩行する経路である。そのため、図1では、第2領域22から第1領域21への方向を、通路23における進行方向d01とし、第1領域21から第2領域22への方向を、進行方向の逆方向d02として図示している。尚、通路23は、第1領域21への入場時、及び、第1領域21から退場時の少なくともいずれかにおいて利用される経路であればよい。つまり、通路23における進行方向d01と進行方向の逆方向d02とは、入れ替わったものであってもよい。言い換えると、通路23は、第1領域21へ入場済みの人物U0が第1領域21から退場して第2領域22へ移動する際に歩行する経路であってもよい。または、通路23は、双方向を進行方向としてもよい。言い換えると、進行方向d01は、第1領域21及び第2領域22のうち一方の領域から他方の領域への進行方向であればよい。
【0017】
顔認証支援装置1は、顔認証により人物U0の入退場が管理される第1領域21と、第1領域21以外の第2領域22との間を接続する通路23に設置されたコンピュータや情報処理装置である。尚、顔認証支援装置1自体は、顔認証処理や入退場管理処理を行わなくても良い。例えば、顔認証処理や入退場管理処理は、顔認証支援装置1と接続された他の情報システム(顔認証システム)において行われても良い。
【0018】
顔認証支援装置1は、撮影部11と出力部12とを備える。撮影部11は、所定の撮影範囲prにおいて、通路23を通行する人物U0を撮影する。撮影部11は、例えば、カメラ等の撮像装置と撮像された画像を取得及び処理するソフトウェアモジュールとで実現される。尚、顔認証支援装置1は、撮影部11とは別構成として、撮影範囲prに対して撮影を行うカメラを備えても良い。その場合、撮影部11は、当該カメラを制御して撮影範囲prに対して撮影し、画像を取得及び処理するソフトウェアモジュールとなる。
【0019】
ここで、第1方向d1は、進行方向d01に対して直交する方向である。また、第2方向d2は、第1方向d1を基準として「進行方向の逆方向d02」へ鋭角(角度ag1)をなす方向である。具体的には、角度ag1は、第1方向d1と第2方向d2とのなす角である。つまり、第2方向d2は、進行方向の逆方向d02とは異なる方向である。第3方向d3は、第1方向d1を基準として進行方向d01へ鋭角をなす方向である。尚、第3方向d3は第1方向d1であってもよい。但し、第1方向d1と第2方向d2とは少なくとも異なるものとする。
【0020】
撮影範囲prは、第2方向d2と第3方向d3で囲まれた範囲とする。つまり、撮影範囲prは、一方の境界を第2方向d2とし、他方の境界を第3方向d3とする。そのため、撮影範囲prは、進行方向d01に対して直交する第1方向d1を含む。そして、撮影範囲prは、第1方向d1を基準として「進行方向の逆方向d02」へ鋭角をなす第2方向d2を(撮影範囲prの)一方の境界とする。
【0021】
出力部12は、人物U0を顔認証するために、撮影部11により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する。ここで、認証用情報は、例えば、撮影画像そのもの、撮影画像から人物U0の顔領域が抽出された顔画像、顔画像から抽出された人物U0の顔特徴情報等である。出力部12は、例えば、顔認証処理や入退場管理処理を行う上述した顔認証システムへ、認証用情報を出力するとよい。
【0022】
図2は、本実施形態1にかかる顔認証支援方法の流れを示すフローチャートである。まず、撮影部11は、撮影範囲prにおいて、通路23を通行する人物U0-1を撮影する(S11)。次に、出力部12は、人物U0-1を顔認証するために、ステップS12で撮影された画像に基づく認証用情報を出力する(S12)。これにより、例えば顔認証システムは、認証用情報に基づく認証対象の顔特徴情報と、事前に登録された1以上の照合用の顔特徴情報との照合により顔認証を行うことができる。そして、顔認証システムは、顔認証に成功した人物について第1領域21の入退場を管理できる。
【0023】
ここで、一般に顔認証の照合用の顔特徴情報は、人物の正面の顔画像から抽出されたものが多いため、カメラの撮影方向に対して、人物の顔が正面を向いていることで顔認証の精度を高めることができる。そのため、顔認証精度を維持しようとすると、通路の進行方向の逆方向にカメラを向けて顔認証装置を設置することになる。つまり、一般には、顔認証装置は、被認証者の動線を遮る位置に設置されることになる。その場合、顔認証を行おうとする複数の人物は、顔認証装置の前に列を作り、順番に顔認証を行い、顔認証に成功し次第、顔認証装置をかわして進行方向へ移動することになる。そのため、たとえゲートレスであっても、複数の人物のスムーズな通行を阻害し得るという問題があった。
【0024】
これに対して、本実施形態1にかかる顔認証支援装置1は、上述した撮影範囲prに対して撮影を行うため、通路23上で人物U0の進行方向d01を阻害し難い位置に設置されたものである。つまり、進行方向d01を歩行している人物U0に対して、第1方向d1から第2方向d2の間の方向へ顔を向けさせるような位置及び向きに、敢えて顔認証支援装置1を配置している。言い換えると、顔認証支援装置1は、被認証者の動線上ではなく、動線を遮らない位置(例えば通路23の脇側)に設置される。
【0025】
そのため、例えば図1に示すように、人物U0-1は、進行方向d01を歩行しつつ、顔認証支援装置1を斜め前から真横を通る間に、第2方向d2の逆方向側に体を向け、少なくとも顔の向きを顔認証支援装置1側に向ける。ここで本実施形態にかかる顔認証支援装置1は、進行方向d01と直交する第1方向d1を含む撮影範囲prに対して撮影を行うものである。そして、撮影範囲prは、進行方向の逆方向d02と鋭角をなす第2方向d2を一方の境界とするものである。そのため、顔認証支援装置1は、進行方向の逆方向d02側に人物U0-1を正対させることなく、顔認証に用いる人物U0-1の顔画像を精度良く撮影することができる。よって、顔認証支援装置1は、顔認証の精度を高めるための認証用情報を提供でき、顔認証を支援できる。
【0026】
また、入退場が管理される第1領域21の出入りを行う人物U0に、顔認証を行うことを自覚させ易くなる。そのため、例えば、第1領域21への入場が有料である場合に、悪意のある入退場を抑止できる。言い換えると、顔認証支援装置1は、人物U0が進行方向d01側に顔を向けている場合には、顔認証に成功し難い位置に設置されているといえる。そのため、万が一、顔認証支援装置1と人物U0-1の間に、他の人物U0が割り込んだとしても、その人物については顔認証に失敗することになる。よって、有料領域への不正な又は意図しない入場を抑止できる。一方で、人物U0は進行方向d01へ歩行中に、体や顔の向きを横や斜め前の顔認証支援装置1に短時間だけ向けることで顔認証が行える。そのため、複数人が進行方向d01へ歩行していても、顔認証のために隊列が出来難くなる。それ故、入退場が管理される領域に対する複数の人物のスムーズな通行を支援することができる。
【0027】
尚、顔認証支援装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる顔認証支援方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラム等を前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、撮影部11及び出力部12の機能を実現する。
【0028】
または、顔認証支援装置1の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0029】
<実施形態2>
実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。図3は、本実施形態2にかかる顔認証支援システム1000の構成を示すブロック図である。顔認証支援システム1000は、駅2における改札を、顔認証を用いてゲートレスで実現するための情報システムである。駅2は、改札内21aと改札外22aと通路23aとを備える。改札内21aは、上述した第1領域21の一例であり、鉄道等の交通機関の有料サービスを提供する領域、いわゆる駅構内やプラットフォーム等である。改札外22aは、上述した第2領域22の一例であり、駅2の外や駅2の中で改札口に至る経路等である。通路23aは、上述した通路23の一例であり、いわゆる改札口に相当する。通路23aは、改札ゾーン231とゲートレスゾーン232とを含む。改札ゾーン231は、一般的な改札機101-1から101-n(nは自然数。)が設置された領域である。ここで、以下の説明において、改札ゾーン231を通行する人物U1-1やU1-2を総称して単に「人物U1」、ゲートレスゾーン232を通行する人物U2A、U2A-1、U2A-2、U2B、U2B-1、U2B-2、U2-1、U2-2等を総称して単に「人物U2」と記載する場合がある。尚、「人物U2A」は後述するU2A-1やU2A-2等の総称であり、「人物U2B」は後述するU2B-1やU2B-2等の総称である。また、「人物U1」や「人物U2」を総称して単に「人物U」と記載する場合がある。尚、本実施形態において改札ゾーン231は必須ではない。
【0030】
改札機101は、例えば無人の自動改札機であり、フラッパーゲートを有する。チケットt1は、改札内21aへの入場資格を証明する物理的な券、又は、入場資格情報が記録されたICカードもしくはスマートフォン等のモバイル端末等である。入場資格情報は、具体的には、鉄道等の交通機関の乗車券、定期券、入場券といったものである。例えば、人物U1-1は、チケットt1-1を携帯して改札外22aから歩行して、改札機101-1にチケットt1-1を投入又はかざす。ここで、改札機101-1は、チケットt1-1が有効なものである場合、フラッパーゲートを開ける。これにより、人物U1-1は、改札外22aから改札内21aへ入場できる。また、人物U1-2は、チケットt1-2を携帯して改札内21aから歩行して、改札機101-2にチケットt1-2を投入又はかざす。ここで、改札機101-2は、チケットt1-2が有効なものである場合、フラッパーゲートを開ける。これにより、人物U1-2は、改札内21aから改札外22aへ退場できる。
【0031】
ゲートレスゾーン232は、チケットt1を携帯せずに顔認証により改札内21aへの入退場を許可する領域である。ゲートレスゾーン232は、1以上の顔認証支援装置100Aと、1以上の顔認証支援装置100Bとが設置された領域であり、改札内21aへの入退場を物理的に制限するフラッパーゲート等が設置されていない。顔認証支援装置100A及び100Bは、上述した顔認証支援装置1の一例である。顔認証支援装置100Aは、改札外22aから改札内21aへの方向を進行方向として、改札内21aへ入場しようとする人物U2Aにおける顔認証を支援するための装置である。また、顔認証支援装置100Bは、改札内21aから改札外22aへの方向を進行方向として、改札内21aから退場しようとする人物U2Bにおける顔認証を支援するための装置である。尚、以下の説明において、顔認証支援装置100A及び100Bを総称して、単に「顔認証支援装置100」と記載する場合がある。顔認証支援装置100の詳細な構成及び機能については後述する。
【0032】
顔認証支援システム1000は、改札機101-1~101-n、顔認証支援装置100A・・・及び100B・・・、認証装置200、並びに、入退場管理装置300を備える。改札機101-1~101-n、顔認証支援装置100A・・・及び100B・・・、認証装置200、並びに、入退場管理装置300のそれぞれは、ネットワークNを介して通信可能に接続されている。ここで、ネットワークNは、無線の通信回線を含む通信ネットワークであり、例えばインターネット、無線通信回線網、携帯電話回線網等である。また、ネットワークNは、通信プロトコルの種別を問わない。
【0033】
認証装置200及び入退場管理装置300は、顔認証システム4として総称してもよい。認証装置200は、人物(ユーザ)の顔特徴情報を管理し、顔認証を行う情報処理装置又はサーバ群である。また、認証装置200は、外部から受信した顔認証要求に応じて、当該要求に含まれる顔画像又は顔特徴情報について、各ユーザの顔特徴情報と照合を行い、照合結果(認証結果)を要求元へ返信する。尚、認証装置200は、顔認証支援システム1000に専用のものである必要はなく、様々な顔認証を用いたシステムに対して顔認証サービスを提供する認証基盤システムであってもよい。
【0034】
認証装置200は、顔情報DB(DataBase)210を備える。顔情報DB210は、ユーザID211と当該ユーザIDの顔特徴情報212とを対応付けて記憶する。顔特徴情報212は、人物の目、鼻、口等の位置に対応する各特徴点の間の距離等である特徴量の集合を示す特徴ベクトルである。尚、認証装置200は、顔特徴情報212に対応するユーザや入退場管理装置300等からの要望に応じて、顔情報DB210内の顔特徴情報212を削除してもよい。または、認証装置200は、登録から一定期間経過後に顔特徴情報212を削除してもよい。
【0035】
認証装置200は、顔情報の登録処理と顔認証処理を行う。認証装置200における顔情報の登録処理は、例えば、以下の通りである。まず、認証装置200は、要求元からネットワークNを介して顔情報登録要求を受信する。ここで、顔情報登録要求には、登録対象の人物の顔画像が含まれているものとする。尚、顔情報登録要求には、顔画像の代わりに、顔画像から抽出された人物の顔特徴情報を含んでも良い。また、要求元は、入退場管理装置300や各人物が操作する任意の情報登録端末等である。例えば、情報登録端末は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の情報処理装置である。
【0036】
次に、認証装置200は、顔情報登録要求に含まれる顔画像から顔領域を検出し、検出した顔領域から特徴点を抽出し、抽出した各特徴点間の距離等を特徴量として算出し、算出した特徴点の集合を含めた特徴ベクトルを顔特徴情報として生成(抽出)する。そして、認証装置200は、顔特徴情報の登録に際して、ユーザID211を新規に発行し、発行したユーザID211と、登録画像から抽出した顔特徴情報212とを対応付けて顔情報DB210へ登録する。認証装置200は、発行したユーザID211を含めた登録結果を、ネットワークNを介して要求元へ返信する。
【0037】
続いて、認証装置200における顔認証処理は、例えば、以下の通りである。まず、認証装置200は、入退場管理装置300からネットワークNを介して、顔認証要求を受信する。顔認証要求には、顔認証支援装置100で撮影された人物U2の顔画像が含まれているものとする。尚、顔認証要求には、顔画像の代わりに、顔認証支援装置100で撮影された人物U2の顔を含む撮影画像そのものや、顔画像から抽出された人物U2の顔特徴情報を含んでも良い。次に、認証装置200は、顔認証要求に含まれる顔画像から、上述したように、顔特徴情報を抽出する。そして、認証装置200は、顔画像から抽出された顔特徴情報(クエリ生体情報)と、顔情報DB210内の顔特徴情報212(マスタ生体情報)との1対Nの照合により、各マスタ生体情報との一致度を算出する。例えば、認証装置200は、クエリ生体情報の特徴量と、マスタ生体情報の特徴量との間の類似度を一致度として算出してもよい。例えば、認証装置200は、特徴ベクトルの間の距離が短いほど一致度を高く算出するとよい。そして、認証装置200は、一致度が閾値以上である場合、認証に成功したとし、一致度が閾値未満である場合、認証に失敗したと判定する。認証に成功した場合、認証装置200は、顔情報DB210の中から認証に成功した顔特徴情報212に対応付けられたユーザID211を特定し、認証成功の旨とユーザID211を含めた顔認証結果を顔認証要求の要求元へ返信する。一方、認証に失敗した場合、認証装置200は、認証失敗の旨を含めた顔認証結果を要求元へ返信する。
【0038】
入退場管理装置300は、駅2の有料サービス(例えば鉄道の乗車等)を利用する人物(ユーザ)について、改札内21aの入退場を管理するための入退場管理処理を行う情報処理装置又はサーバ群である。入退場管理装置300は、管理情報DB310を備える。管理情報DB310は、ユーザID311、入場資格情報312及び入退場履歴313を対応付けて管理する。ユーザID311は、ユーザの識別情報であり、上述したユーザID211と対応する情報である。入場資格情報312は、改札内21aへ入場する資格を示す情報である。入場資格情報312は、資格の内容や有効期限等を含む。入場資格情報312は、例えば、入場券、乗車券、定期券、特急券等のチケット情報や、その他のサービスの利用資格を示す情報であるとよい。入退場履歴313は、認証成功日時、入退状態等を含む情報である。入退場履歴313は、対応付けられたユーザID311における顔認証の成功の履歴情報ともいえる。入退状態は、例えば、正当な入場、保留(顔認証に成功したが、入場資格情報の期限切れ等)、退場等の状態を示す情報である。尚、入退場履歴313はこれらに限定されない。
【0039】
入退場管理装置300は、顔認証により改札内21aのサービスを利用しようとする人物のユーザID311と入場資格情報312とを対応付けて管理情報DB310に登録する。例えば、人物の顔情報(ユーザID211及び顔特徴情報212)が事前に認証装置200に登録済みの場合、入退場管理装置300は、ユーザIDと入場資格情報を含む入場資格登録要求を所定の情報登録端末から受信し、入場資格登録要求に含まれるユーザID311と入場資格情報312とを対応付けて管理情報DB310に登録する。または、入退場管理装置300は、顔画像と入場資格情報を含む入場資格登録要求を所定の情報登録端末から受信し、顔画像を含めた顔認証要求を認証装置200へ送信する。入退場管理装置300は、認証装置200において顔認証に成功したことにより特定されたユーザID311と入場資格情報312とを対応付けて管理情報DB310に登録する。また、人物の顔情報が未登録の場合、入退場管理装置300は、顔画像と入場資格情報を含む入場資格登録要求を情報登録端末から受信し、顔画像を含めた顔情報登録要求を認証装置200へ送信し、認証装置200から受信した登録結果に含まれるユーザID311と入場資格情報312とを対応付けて管理情報DB310に登録する。
【0040】
本実施形態では、ゲートレスゾーン232を通って、駅2の有料サービス(例えば鉄道の乗車等)を利用する人物(ユーザ)は、事前に、顔特徴情報と入場資格情報とが対応付けられて顔認証システム4で管理されているものとする。例えば、顔認証により改札内21aへ入場することを希望する人物のユーザID211及び顔特徴情報212は、事前に、顔情報DB210内に対応付けて登録されているものとする。そして、当該人物のユーザID311及び入場資格情報312は、事前に、管理情報DB310内に対応付けて登録されているものとする。つまり、顔認証により改札内21aへ入場することを希望する人物の顔特徴情報と入場資格情報とは、ユーザIDを介して対応付けて、事前に登録されていてもよい。
【0041】
また、入退場管理装置300は、ゲートレスゾーン232を歩行する人物について顔認証支援装置100により撮影された認証用情報に基づいて、入退場管理処理を行う。具体亭には、入退場管理装置300は、顔認証支援装置100により撮影された認証用情報を受信し、認証用情報に基づく顔画像について、認証装置200を用いて顔認証処理を制御する。顔認証に成功した場合、入退場管理装置300は、人物の進行方向、入場資格の有効性等に基づき、入退場履歴313に記録を行う。人物の進行方向は、顔認証支援装置100から取得した情報(例えば装置ID)に予め設定された情報や、顔認証支援装置100において検出された人物の移動方向等により特定されてもよい。
【0042】
図4は、本実施形態2にかかる顔認証支援装置100の構成を示すブロック図である。顔認証支援装置100は、上述した顔認証支援装置1の一例である。顔認証支援装置100は、通路23a内のゲートレスゾーン232に設置された情報処理装置である。顔認証支援装置100は、記憶部110、メモリ120、通信部130、制御部140及びカメラ150を備える。尚、顔認証支援装置100は、図示しない構成として、人感センサを備えていても良い。尚、顔認証支援装置100は、柱状の筐体であってもよい。顔認証支援装置100は、通路23aに設置された複数の顔認証支援装置100のうちの一つである。また、顔認証支援装置100は、通路23aのうち進行方向に対する側面(通路の脇や壁面など)に設置されたものであってもよい。
【0043】
記憶部110は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置の一例である。記憶部110は、プログラム111を記憶する。プログラム111は、本実施形態2にかかる顔認証支援処理等が実装されたコンピュータプログラム(顔認証支援プログラム)である。
【0044】
メモリ120は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部140の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。通信部130は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0045】
カメラ150は、撮像装置の一例であり、所定の撮影方向に向けて設置されており、所定の撮影範囲を撮影し、撮影された画像を制御部140へ出力する。
【0046】
制御部140は、顔認証支援装置100の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部140は、記憶部110からプログラム111をメモリ120へ読み込ませ、プログラム111を実行する。これにより、制御部140は、撮影部141及び出力部142の機能を実現する。
【0047】
撮影部141は、上述した撮影部11の一例である。撮影部141は、カメラ150を制御して、所定の撮影範囲において撮影を行い、撮影された画像を取得する。
【0048】
出力部142は、上述した出力部12の一例である。出力部142は、撮影部141により取得された画像から、人物の顔領域を検出した顔画像を抽出する。そして、出力部142は、顔画像を含めた入退場管理要求を、ネットワークNを介して入退場管理装置300へ送信する。尚、入退場管理要求には、顔認証支援装置100の装置ID、画像に含まれる人物の進行方向、又は、カメラ150の撮影方向等を含めても良い。尚、出力部142は、顔認証システム4に対して入退場管理要求を送信することにより認証用情報を出力するものといえる。また、認証用情報は、撮影された画像のうち少なくとも人物の顔領域に基づく情報を含む。
【0049】
ここで、本実施形態2にかかる顔認証支援装置100の設置の向きや撮影範囲について例えば以下のような例が挙げられる。但し、顔認証支援装置100の設置の向きや撮影範囲は、これらに限定されない。
【0050】
図5は、本実施形態2にかかる通路23aの進行方向d01と顔認証支援装置100-1のカメラの撮影範囲pr1の関係の例を平面で示す図である。顔認証支援装置100-1のカメラは、進行方向d01に対して直交する第1方向d1が撮影方向となるように設置されている。例えば、顔認証支援装置100-1全体の正面が、進行方向d01に対して直交する第1方向d1に向けて設置されてもよい。この場合、顔認証支援装置100-1の撮影範囲pr1は、第1方向d1を中央とした範囲であり、当然、第1方向d1を含む。撮影範囲pr1は、第2方向d21と第3方向d31で囲まれた範囲とする。つまり、撮影範囲pr1は、一方の境界を第2方向d21とし、他方の境界を第3方向d31とする。第2方向d21は、第1方向d1を基準として「進行方向の逆方向d02」へ鋭角(角度ag21)をなす方向である。また、第3方向d31は、第1方向d1を基準として進行方向d01へ鋭角(角度ag21)をなす方向である。つまり、第2方向d21と第3方向d31とがなす角度ag20は、角度ag21の2倍である。そして、人物U2-1は、図5のように、進行方向d01を歩行しつつ、顔認証支援装置100-1の前を通り過ぎる際に、顔の向き(及び、必要に応じて体の向き)を顔認証支援装置100-1側(第1方向d1の逆方向、例えば真横方向)へ向ける。これにより、顔認証支援装置100-1のカメラは、撮影範囲pr1において人物U2-1の顔を概ね正面で撮影することができる。
【0051】
図6は、本実施形態2にかかる通路23aの進行方向d01と顔認証支援装置100-2のカメラの撮影範囲pr2の関係の例を平面で示す図である。顔認証支援装置100-2のカメラは、第1方向d1を基準として進行方向の逆方向d02側が撮影方向となるように設置されている。但し、顔認証支援装置100-1全体の正面は、進行方向の逆方向d02ではない。この場合、顔認証支援装置100-2の撮影範囲pr2は、第1方向d1と第2方向d22で囲まれた範囲とする。撮影範囲pr2は、一方の境界を第2方向d22とし、他方の境界を第1方向d1とする。つまり、撮影範囲pr2は、第1方向d1を含む。第2方向d22は、第1方向d1を基準として「進行方向の逆方向d02」へ鋭角(角度ag22)をなす方向である。そして、人物U2-2は、図6のように、進行方向d01を歩行しつつ、顔認証支援装置100-2に近付いた際(真横になる前)に、顔の向き(及び、必要に応じて体の向き)を顔認証支援装置100-2の方向(第1方向d1の逆方向と第2方向d2の逆方向との間)へ向ける。これにより、顔認証支援装置100-2のカメラは、撮影範囲pr2において人物U2-2の顔を概ね正面で撮影することができる。
【0052】
このように、図5図6の設置位置、撮影方向、撮影範囲の例の場合、人物U2が顔認証のために立ち止まる時間を短時間とし、後続の人物による待ち時間や隊列を少なくし、ゲートレスゾーン232における複数の人物のスムーズな通行を支援することができる。
【0053】
図7は、本実施形態2にかかる通路23aのゲートレスゾーンにおける複数の顔認証支援装置の設置例を平面で示す図である。上述した図3では、通路23aが改札ゾーン231とゲートレスゾーン232に分けられていたが、図7では、ゲートレスゾーン232がゲートレス入場ゾーン232Aとゲートレス退場ゾーン232Bとに分けられた例を示す。ゲートレス入場ゾーン232Aは、改札外22aから改札内21aへの移動において利用される経路であり、改札内21aへの入場時に歩行される通路である。ゲートレス退場ゾーン232Bは、改札内21aから改札内21aへの移動において利用される経路であり、改札内21aからの退場時に歩行される通路である。
【0054】
ゲートレス入場ゾーン232Aには、顔認証支援装置100A-1及び100A-2が設置されている。尚、顔認証支援装置100Aは3以上設置されてもよい。図7の例では、顔認証支援装置100A-1は、人物U2A-1とその前後を歩行する人物とについて顔を撮影し、顔認証支援装置100A-2は、人物U2A-2とその前後を歩行する人物とについて顔を撮影する。顔認証支援装置100A-1及び100A-2のそれぞれは、装置IDが改札内21aへの入場時用として、又は、進行方向が改札外22aから改札内21aへの方向として対応付けられている。
【0055】
ゲートレス退場ゾーン232Bには、顔認証支援装置100B-1及び100B-2が設置されている。尚、顔認証支援装置100Bは3以上設置されてもよい。図7の例では、顔認証支援装置100B-1は、人物U2B-1とその前後を歩行する人物とについて顔を撮影し、顔認証支援装置100B-2は、人物U2B-2とその前後を歩行する人物とについて顔を撮影する。顔認証支援装置100B-1及び100B-2のそれぞれは、装置IDが改札内21aからの退場用として、又は、進行方向が改札内21aから改札外22aへの方向として対応付けられている。
【0056】
顔認証支援装置100A-1、100A-2、100B-1及び100B-2のそれぞれは、撮影する度に、顔画像を顔認証システム4へ送信して顔認証処理や入退場管理処理を行わせる。
【0057】
ここで、図7では、顔認証支援装置100A-1、100A-2、100B-1及び100B-2がいわゆるジグザグに設置されている。つまり、複数の顔認証支援装置100のそれぞれは、第1方向同士が交差しない位置に設置されている。例えば、顔認証支援装置100A1-1は、顔認証支援装置100A1-2の第1方向と、自装置における第1方向とが交差しない位置に設置されている。
【0058】
また、複数の顔認証支援装置100のうち第1の顔認証支援装置100A-1は、第2の顔認証支援装置100A-2における第2の撮影範囲の死角が、第1の顔認証支援装置100A-1における第1の撮影範囲となるように設置されている。すなわち、顔認証支援装置100A-1は、通路23aに設置された他の顔認証支援装置100における撮影範囲の死角が、自装置における撮影範囲となるように設置されている。
【0059】
また、複数の顔認証支援装置100のうち顔認証支援装置100A-1は、第2の顔認証支援装置100A-2における第2の撮影範囲の第2方向の逆方向が、第1の顔認証支援装置100A-1における第1の撮影範囲の第2方向となるように設置されている。すなわち、顔認証支援装置100A-1は、通路23aに設置された他の顔認証支援装置100における撮影範囲の第2方向の逆方向が、自装置における撮影範囲の第2方向となるように設置されている。
【0060】
複数の顔認証支援装置が例えば上述したように設置されることで、ゲートレス入場ゾーン232A及びゲートレス退場ゾーン232Bのいずれかを、歩行する人物について網羅して顔認証による入退場管理処理を実現できる。
【0061】
図8は、本実施形態2にかかる顔認証支援処理及び入退場管理処理の流れを示すシーケンス図である。まず、顔認証支援装置100は、顔認証支援処理を行う(S21)。具体的には、顔認証支援装置100は、人物U2を検知する(S211)。例えば、顔認証支援装置100は、内蔵する人感センサ、又は、接続された人感センサにより、顔認証支援装置100の周辺を歩行する人物U2の存在の検知信号を受信する。尚、人感センサは、顔認証支援装置100の撮影範囲prを検知範囲とし、撮影範囲prへ移動体が侵入した場合に検知信号を出力してもよい。
【0062】
次に、顔認証支援装置100は、撮影範囲prを撮影する(S212)。ステップS211で人物U2が検知されたことに応じて撮影することで、撮影画像に人物U2の顔が含まれ易くなる。
【0063】
そして、顔認証支援装置100は、撮影画像から人物U2の顔画像を抽出する(S213)。顔画像の抽出方法は、上述した認証装置200と同様の方法であってもよい。そして、顔認証支援装置100は、抽出した顔画像と顔認証支援装置100の装置IDとを含めた入退場管理要求を、ネットワークNを介して入退場管理装置300へ送信する(S214)。
【0064】
尚、ステップS211の人物検知は省略してもよい。その場合、顔認証支援装置100は、常時、カメラ150による撮影画像を取得し(S212)、都度、撮影画像から人物の顔画像の抽出を試み(S213)、顔画像が抽出された場合に入退場管理要求を入退場管理装置300へ送信する(S214)とよい。また、ステップS213において、顔認証支援装置100は、顔画像から顔特徴情報を抽出し、顔画像の代わりに顔特徴情報を含めた入退場管理要求を入退場管理装置300へ送信してもよい。または、ステップS213は省略してもよい。その場合、顔認証支援装置100は、都度、撮影画像と装置IDとを含めた入退場管理要求を、入退場管理装置300へ送信するとよい。
【0065】
ステップS214に応じて、入退場管理装置300は入退場管理処理を行う(S22)。図9は、本実施形態2にかかる入退場管理装置300における入退場管理処理の流れを示すフローチャートである。入退場管理装置300は、顔認証支援装置100からネットワークNを介して顔画像及び装置IDを含む入退場管理要求を受信する(S220)。次に、入退場管理装置300は、受信した顔画像を含めた顔認証要求を、ネットワークNを介して認証装置200へ送信する(S221)。
【0066】
これに応じて、認証装置200は、入退場管理装置300からネットワークNを介して顔認証要求を受信する(図8のS231)。そして、認証装置200は、受信した顔認証要求に含まれる顔画像について、上述したように顔認証処理を行う(図8のS232)。ここでは、顔認証に成功したものとして以降の説明を続ける。そこで、認証装置200は、顔認証結果を、ネットワークNを介して入退場管理装置300へ送信する(図8のS233)。
【0067】
これに応じて、入退場管理装置300は、認証装置200からネットワークNを介して、顔認証結果を受信する(S222)。そして、入退場管理装置300は、顔認証結果から顔認証に成功したか否かを判定する(S223)。顔認証に失敗した場合、入退場管理装置300は、入退場管理処理を終了する。
【0068】
ステップS223で顔認証に成功した場合、入退場管理装置300は、顔認証に成功したユーザIDを特定する(S224)。具体的には、入退場管理装置300は、ステップS222で受信した顔認証結果に含まれるユーザIDを取得することにより特定する。
【0069】
そして、入退場管理装置300は、入退場管理要求にかかる人物が入場しようとしているか否かを判定する(S225)。つまり、入退場管理装置300は、入退場管理の対象者の進行方向が改札内21aへ入場する方向か、改札内21aから退場する方向かを判定する。例えば、入退場管理装置300は、入退場管理要求に含まれる装置IDに基づき人物が入場しようとしているか否かを判定してもよい。具体的には、入退場管理装置300は、装置IDに対応付けられた顔認証支援装置100が入場用か退場用かにより進行方向を判定してもよい。または、顔認証支援装置100又は入退場管理装置300において連続して撮影された複数の画像を解析することにより、人物の進行方向を判定してもよい。
【0070】
ステップS225で入場と判定した場合、入退場管理装置300は、顔認証に成功した人物が改札内21aへの入場資格を有するか否かを判定する(S226)。具体的には、入退場管理装置300は、ステップS224で特定したユーザID311に対応付けられた入場資格情報312の存在有無、有効期限等から、入場資格の有無を判定するとよい。入場資格がある場合、入退場管理装置300は、入退状態を「入場」と設定する(S227)。一方、入場資格がない場合、入退場管理装置300は、入退状態を「保留」と設定する(S228)。また、ステップS225で退場と判定した場合、入退場管理装置300は、入退状態を「退場」と設定する(S229)。
【0071】
ステップS227、S228又はS229のいずれかの後、入退場管理装置300は、入退状態を含めて入退場履歴313に登録する(S230)。尚、このとき併せて、入退場管理装置300は、入退状態を含めた入退場管理処理の結果を、ネットワークNを介して、入退場管理要求の要求元の顔認証支援装置100へ送信してもよい。この場合、顔認証支援装置100は、受信した入退場管理処理の結果を画面等に出力してもよい。但し、顔認証支援装置100は、入退場管理処理の結果として、認証対象の人物の個人情報を除外した内容を出力することが望ましい。プライバシー保護のためである。
【0072】
また、管理情報DB310にユーザID311に対応付けて人物U2が携帯するユーザ端末が登録されている場合、入退場管理装置300は、入退場管理処理の結果を、ネットワークNを介してユーザ端末へ送信してもよい。これにより、人物U2は、少なくとも自身が入退場における顔認証に成功したことを認識し易くなる。また、顔認証支援装置100やデジタルサイネージに認証結果を表示する場合と比べて、プライバシーの保護をし易くなる。
【0073】
このように、本実施形態により、ゲートレス型の顔認証装置で顔認証を行わせる際に、ゲートレス型の利便性を損なわずに、複数人の同時並行及び連続した顔認証を実現し、かつ、顔認証を行うことをユーザに自覚させることができる。つまり、ゲートレス型の顔認証装置の前で立ち止まる時間を減らせるため、隊列ができることを抑制でき、スムーズな通過を実現できる。
【0074】
特に、ゲートレス型の顔認証装置を用いることで、利用者は手がふさがっていても、立ち止まる時間を短くし、スムーズに改札等を通過することが可能となる。例えば、利用者は、入退場時に、切符、チケット、ICカード、スマートフォンといった物理的なチケット情報を取り出して、かざす必要がない。
【0075】
そして、本実施形態にかかるゲートレスゾーン232では、複数の顔認証支援装置100を、第1方向同士が交差しない位置に設置されるため、撮影範囲の重複を減らし、効率的かつ網羅的に顔認証を行うことを支援できる。また、複数の顔認証支援装置100を、第1方向同士が交差しない位置に設置されるため、通路内に他の顔認証支援装置のための目隠し版等の設置が不要となる。
【0076】
また、本実施形態では、利用者が進行方向から横又は斜め前の方向に顔を向けることになるため、結果として、入退場が管理される領域への入退場を利用者自身に自覚させ、顔認証への意思表示を得やすくなる。
【0077】
また、ゲートレス型の顔認証を精度良く実現することを効果的に支援するため、なりすましを抑止できる。例えば、定期券を知人の間での使いまわすことや、チケットの転売を抑止し易くなる。また、顔認証を精度良く実現できるため、物理的なチケットや定期券を紛失する怖れがない。
【0078】
また、顔認証により人物を特定できるため、不審人物の追跡を支援することも可能となり、悪意の利用の抑止効果がある。
【0079】
<その他の実施形態>
尚、上述した実施形態にかかる出力部は、特定の人物について複数回の顔認証が成功するまで、撮影部により所定間隔で撮影された各画像に基づく認証用情報の出力を継続するとよい。これにより、誤認証を減らし、入退場を適切に管理できる。
【0080】
また、上述した実施形態にかかる出力部は、顔認証支援装置へ顔を向けることを促す情報をさらに出力するとよい。「顔認証支援装置へ顔を向けることを促す情報」とは、例えば、ライトを点滅させることや、「こちらを向いて下さい」等の音声を出力すること等であってもよく、これらに限定されない。これにより、利用者が撮影方向へ顔を向け易くなり、認証精度の高い顔画像を撮影し易くなる。
【0081】
尚、上述した各実施形態は、通勤、通学、業務の必要上、買物、娯楽、外食、病院、役所、郵便局、銀行等の分野に適用可能である。また、上述した各実施形態は、入退場管理処理において、柔軟な料金体系を適用できる。例えば、対キロ区間制、均一制、ダイナミックプライシング等を容易に実現できる。
【0082】
尚、上述した実施形態にかかる顔認証は、虹彩認証に置き換えても良い。その場合、顔特徴情報は、虹彩に関する特徴情報を用いることとなる。
【0083】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0084】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0085】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置され、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影手段と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援装置。
(付記A2)
前記通路に設置された複数の顔認証支援装置のうちの一つである
付記A1に記載の顔認証支援装置。
(付記A3)
前記通路に設置された他の顔認証支援装置における第1方向と、自装置における第1方向とが交差しない位置に設置された
付記A2に記載の顔認証支援装置。
(付記A4)
前記通路に設置された他の顔認証支援装置における撮影範囲の死角が、自装置における撮影範囲となるように設置された
付記A2に記載の顔認証支援装置。
(付記A5)
前記通路に設置された他の顔認証支援装置における撮影範囲の第2方向の逆方向が、自装置における撮影範囲の第2方向となるように設置された
付記A2に記載の顔認証支援装置。
(付記A6)
前記撮影範囲は、前記第1方向を中央とした範囲である
付記A1に記載の顔認証支援装置。
(付記A7)
前記通路のうち前記進行方向に対する側面に設置された
付記A1に記載の顔認証支援装置。
(付記A8)
前記出力手段は、顔認証システムに対して前記認証用情報を送信することにより出力する
付記A1に記載の顔認証支援装置。
(付記A9)
前記認証用情報は、前記撮影された画像のうち少なくとも前記人物の顔領域に基づく情報を含む
付記A1に記載の顔認証支援装置。
(付記A10)
前記出力手段は、
特定の人物について複数回の顔認証が成功するまで、前記撮影手段により所定間隔で撮影された各画像に基づく前記認証用情報の出力を継続する
付記A1に記載の顔認証支援装置。
(付記A11)
前記出力手段は、
前記顔認証支援装置へ顔を向けることを促す情報をさらに出力する
付記A1に記載の顔認証支援装置。
(付記B1)
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置された複数の顔認証支援装置を備え、
前記複数の顔認証支援装置のそれぞれは、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影手段と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援システム。
(付記B2)
前記撮影範囲は、前記第1方向を中央とした範囲である
付記B1に記載の顔認証支援システム。
(付記B3)
前記複数の顔認証支援装置のそれぞれは、前記第1方向同士が交差しない位置に設置された
付記B1に記載の顔認証支援システム。
(付記B4)
前記複数の顔認証支援装置のうち第1の顔認証支援装置は、第2の顔認証支援装置における第2の撮影範囲の死角が、当該第1の顔認証支援装置における第1の撮影範囲となるように設置された
付記B1に記載の顔認証支援システム。
(付記B5)
前記複数の顔認証支援装置のうち第1の顔認証支援装置は、第2の顔認証支援装置における第2の撮影範囲の第2方向の逆方向が、当該第1の顔認証支援装置における第1の撮影範囲の第2方向となるように設置された
付記B1に記載の顔認証支援システム。
(付記C1)
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置されたコンピュータが、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影し、
前記人物を顔認証するために、前記撮影された画像に基づく認証用情報を出力し、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援方法。
(付記D1)
顔認証により人物の入退場が管理される第1領域と、当該第1領域以外の第2領域との間を接続する通路に設置されたコンピュータに、
所定の撮影範囲において、前記通路を通行する人物を撮影する撮影処理と、
前記人物を顔認証するために、前記撮影手段により撮影された画像に基づく認証用情報を出力する出力処理と、
を実行させ、
前記撮影範囲は、
前記第1領域及び前記第2領域のうち一方の領域から他方の領域への進行方向に対して直交する第1方向を含み、
前記第1方向を基準として前記進行方向の逆方向へ鋭角をなす第2方向を一方の境界とする
顔認証支援プログラム。
【0086】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 顔認証支援装置
11 撮影部
12 出力部
21 第1領域
22 第2領域
23 通路
U0 人物
U1 人物
U2 人物
U2A 人物
U2B 人物
d01 進行方向
d02 進行方向の逆方向
d1 第1方向
d2 第2方向
d21 第2方向
d22 第2方向
d3 第3方向
d31 第3方向
pr 撮影範囲
pr1 撮影範囲
pr2 撮影範囲
ag1 角度
ag20 角度
ag21 角度
ag22 角度
1000 顔認証支援システム
2 駅
21a 改札内
22a 改札外
23a 通路
231 改札ゾーン
232 ゲートレスゾーン
232A ゲートレス入場ゾーン
232B ゲートレス退場ゾーン
101 改札機
t1 チケット
100 顔認証支援装置
100A、100B 顔認証支援装置
110 記憶部
111 プログラム
120 メモリ
130 通信部
140 制御部
141 撮影部
142 出力部
150 カメラ
4 顔認証システム
200 認証装置
210 顔情報DB
211 ユーザID
212 顔特徴情報
300 入退場管理装置
310 管理情報DB
311 ユーザID
312 入場資格情報
313 入退場履歴
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9