(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007935
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】燃焼機
(51)【国際特許分類】
F23N 5/24 20060101AFI20240112BHJP
F24H 15/10 20220101ALI20240112BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240112BHJP
F24H 15/37 20220101ALI20240112BHJP
F24H 15/36 20220101ALI20240112BHJP
F24H 3/04 20220101ALI20240112BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F23N5/24 110B
F24H15/10
F24H15/281
F24H15/37
F24H15/36
F24H3/04 301
F23N5/00 F
F23N5/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109374
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】霜鳥 敏之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 篤
【テーマコード(参考)】
3K003
3L028
【Fターム(参考)】
3K003EA01
3K003FA00
3K003FB00
3K003FC06
3K003GA04
3K003HA02
3K003UA00
3L028AA04
3L028AB05
(57)【要約】
【課題】持ち運び容易な蓄電式の電源装置を使用できる燃焼機を提供する。
【解決手段】気化ヒータ8は容量の異なる複数のヒータ8a、8bからなり、制御部3は、入力電源が商用電源の時は容量の大きいヒータ8aに通電して気化部9を加熱し、入力電源が商用電源以外の時は容量の小さいヒータ8bに通電して気化部9を加熱するので、入力電源が商用電源の時は容量の大きいヒータ8aに通電して気化部9を加熱して、着火するまでの時間を短くすることができ、入力電源が商用電源以外の時は容量の小さいヒータ8bに通電して気化部9を加熱するので、出力電力の小さい蓄電式の電源装置を使用しても蓄電式の電源装置に定格電流よりも大きい電流が流れず、電源装置の出力が停止することなく燃焼機が運転できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃油を気化する気化部を備えた燃焼部と、前記気化部を加熱する気化部加熱手段と、前記気化部に燃油を供給する燃油供給手段と、燃焼用空気を供給する燃焼用送風機と、前記気化部で気化した燃油を着火する着火手段と、前記燃焼部の炎を検知する炎検知手段と、前記気化部の温度を検知する気化部温度検知手段と、前記燃焼部の燃焼を制御する制御部とを備えた燃焼機に於いて、前記気化部加熱手段は容量の異なる複数のヒータからなり、前記制御部は、入力電源が商用電源の時は容量の大きい前記ヒータに通電して前記気化部を加熱し、入力電源が商用電源以外の時は容量の小さい前記ヒータに通電して前記気化部を加熱することを特徴とする燃焼機。
【請求項2】
燃油を気化する気化部を備えた燃焼部と、前記気化部を加熱する気化部加熱手段と、前記気化部に燃油を供給する燃油供給手段と、燃焼用空気を供給する燃焼用送風機と、前記気化部で気化した燃油を着火する着火手段と、前記燃焼部の炎を検知する炎検知手段と、前記気化部の温度を検知する気化部温度検知手段と、前記燃焼部の燃焼を制御する制御部とを備えた燃焼機に於いて、前記気化部加熱手段は複数のヒータからなり、前記制御部は、入力電源が商用電源の時は全ての前記ヒータに通電して前記気化部を加熱し、入力電源が商用電源以外の時は少なくとも1つの前記ヒータには通電せずに前記気化部を加熱することを特徴とする燃焼機。
【請求項3】
操作により入力電源が商用電源であるか否かを設定する入力電源設定手段を備え、前記制御部は、前記入力電源設定手段の設定に基づいて入力電源が商用電源か商用電源以外かを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃焼機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は燃油を燃焼する燃焼機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、室内で商用電源に接続され、運転スイッチの運転開始指令により、気化温度センサの検知温度を監視して気化器を燃油が気化可能な温度まで気化ヒータに通電することで加熱し、気化器の温度を燃焼に適する温度まで上昇させると、電磁ポンプ及び燃焼ファンを駆動開始し、点火装置により混合ガスに点火して燃焼を開始させ、フレームロッドによる燃焼センサにより炎を検知し、気化ヒータへの通電を停止すると共に、器具本体背面の対流ファンの近傍に設けられた室温センサの検知室温と室温設定手段で設定された設定室温との偏差に応じて、電磁ポンプ及び燃焼ファンを制御して燃焼火力を可変して室温設定手段で設定された室温になるように制御を行うものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものでは、室内の暖房に使用され、国内の商用電源を主電源としていたので、野外や災害の発生等により長時間停電したときは、商用電源が使用できないために運転することができなかった。
【0005】
そこで、野外や長時間の停電時等でも運転できるように、持ち運び容易な蓄電式の電源装置を電源として使用できるようにしようとすると、燃焼機の気化部のヒータの容量が例えば500Wや700Wなのに対し、持ち運び容易な蓄電式の電源装置は、定格出力電力が例えば200Wや500Wのものがあり、 この定格出力電力が200Wや500Wの蓄電式の電源装置を使用すると、蓄電式の電源装置に定格電流よりも大きい電流が流れ、蓄電式の電源装置内の過電流保護回路が作動して蓄電式の電源装置の出力が停止してしまい、燃焼機が運転できない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、燃油を気化する気化部を備えた燃焼部と、前記気化部を加熱する気化部加熱手段と、前記気化部に燃油を供給する燃油供給手段と、燃焼用空気を供給する燃焼用送風機と、前記気化部で気化した燃油を着火する着火手段と、前記燃焼部の炎を検知する炎検知手段と、前記気化部の温度を検知する気化部温度検知手段と、前記燃焼部の燃焼を制御する制御部とを備えた燃焼機に於いて、前記気化部加熱手段は容量の異なる複数のヒータからなり、前記制御部は、入力電源が商用電源の時は容量の大きい前記ヒータに通電して前記気化部を加熱し、入力電源が商用電源以外の時は容量の小さい前記ヒータに通電して前記気化部を加熱するものである。
【0007】
又、請求項2では、燃油を気化する気化部を備えた燃焼部と、前記気化部を加熱する気化部加熱手段と、前記気化部に燃油を供給する燃油供給手段と、燃焼用空気を供給する燃焼用送風機と、前記気化部で気化した燃油を着火する着火手段と、前記燃焼部の炎を検知する炎検知手段と、前記気化部の温度を検知する気化部温度検知手段と、前記燃焼部の燃焼を制御する制御部とを備えた燃焼機に於いて、前記気化部加熱手段は複数のヒータからなり、前記制御部は、入力電源が商用電源の時は全ての前記ヒータに通電して前記気化部を加熱し、入力電源が商用電源以外の時は少なくとも1つの前記ヒータには通電せずに前記気化部を加熱するものである。
【0008】
又、請求項3では、操作により入力電源が商用電源であるか否かを設定する入力電源設定手段を備え、前記制御部は、前記入力電源設定手段の設定に基づいて入力電源が商用電源か商用電源以外かを判断するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、気化部加熱手段は容量の異なる複数のヒータからなり、制御部は、入力電源が商用電源の時は容量の大きいヒータに通電して気化部を加熱し、入力電源が商用電源以外の時は容量の小さいヒータに通電して気化部を加熱するので、入力電源が商用電源の時は容量の大きいヒータに通電して気化部を加熱して、着火するまでの時間を短くすることができ、入力電源が商用電源以外の時は容量の小さいヒータに通電して気化部を加熱するので、出力電力の小さい蓄電式の電源装置を使用しても蓄電式の電源装置に定格電流よりも大きい電流が流れず、電源装置の出力が停止することなく燃焼機が運転できる。
【0010】
又、請求項2によれば、気化部加熱手段は複数のヒータからなり、制御部は、入力電源が商用電源の時は全てのヒータに通電して気化部を加熱し、入力電源が商用電源以外の時は少なくとも1つのヒータには通電せずに気化部を加熱するので、入力電源が商用電源の時は全てのヒータに通電して気化部を加熱して、着火するまでの時間を短くすることができ、入力電源が商用電源以外の時は通電するヒータ数を少なくして気化部を加熱するので、蓄電式の電源装置を使用しても蓄電式の電源装置に定格電流よりも大きい電流が流れないようにしながら、着火するまでの時間を短くすることができ、電源装置の出力が停止することなく燃焼機が運転できる。
【0011】
又、請求項3によれば、操作により入力電源が商用電源であるか否かを設定する入力電源設定手段を備え、前記制御部は、前記入力電源設定手段の設定に基づいて入力電源が商用電源か商用電源以外かを判断するので、入力電源が商用電源か商用電源以外かを判別する判別部が不要となり、又、制御部が誤判断してしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【0013】
次に、この発明を適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は燃焼機の機器本体で、機器本体1内部に設けられ、燃焼を行う燃焼部であるバーナ2と、この燃焼機の作動を制御するマイコンを主体として構成された制御部3と、機器本体1背面開口部に設けられ、前記バーナ2での燃焼ガスを室内に放出する送風装置である対流ファン4と、機器本体1前面の温風吹出口5と、機器本体1前面側上部の操作部6とを備えているもので、バーナ2での燃焼ガスを対流ファン4により温風吹出口5から室内に吹き出すことで暖房を行うものである。
【0014】
前記バーナ2は、複数の炎孔を有したバーナヘッド7の下部に、気化部加熱手段である気化ヒータ8を有した気化部9を備えて構成され、前記気化ヒータ8は複数の気化ヒータ8a、8bからなる。
前記気化ヒータ8によって加熱された気化部9内に油受け皿10から燃油供給手段である容積型の電磁ポンプ11の駆動で送油ノズル12を通じて液体燃料を供給し、この液体燃料が気化した気化ガスと燃焼用送風機である燃焼ファン13から送風路14を通じて供給される燃焼用空気との混合ガスを前記バーナヘッド7の炎孔で燃焼させ、また燃焼中は前記気化部9の上端に複数の炎孔に対向する如く備えた環状の熱回収リング15によって炎から熱回収を行い気化ヒータ8の通電を低減している。
【0015】
前記操作部6には、運転の開始/停止を指令するための運転スイッチ16と、室温上昇スイッチ17と室温下降スイッチ18とにより構成され所望の室温を設定する室温設定手段19と、タイマースイッチや予熱待機スイッチなどの各種の操作スイッチと、時刻や設定室温や操作案内を表示する表示部20と、複数の入力電源設定ボタン21a、21bからなる入力電源設定手段21が設けられている。
【0016】
22は前記気化ヒータ8で加熱される気化部9の温度を検知する気化部温度検知手段で温度サーミスタからなる気化温度センサで、前記制御部3はこの気化温度センサ22の検知温度が所定の上限温度になると前記気化ヒータ8をオフし、また所定の下限温度になると前記気化ヒータ8をオンして気化部9の温度を液体燃料が良好に気化できる温度範囲内に保持するものである。
【0017】
又、前記制御部3は、運転スイッチ16の運転開始指令により、前記気化温度センサ22の検知温度を監視して前記気化部9を液体燃料が気化可能な温度まで気化ヒータ8により加熱し、気化部9の温度を燃焼に適する温度まで上昇させると、前記電磁ポンプ11及び燃焼ファン13を駆動開始し、着火手段である放電電極23により混合ガスに点火して燃焼を開始させ、炎検知手段であるフレームロッドからなる燃焼センサ24により炎を検知し、機器本体1背面の対流ファン4の近傍に設けられた室温センサ25の検知室温と前記室温設定手段19で設定された設定室温との偏差に応じて、前記電磁ポンプ11及び燃焼ファン13を制御して燃焼火力を可変して前記室温設定手段19で設定された室温になるように制御する。
【0018】
又、前記制御部3は、計時手段であるタイマー手段26を有し、前記タイマー手段26は制御部3から計時開始信号を受けると計時を開始し、計時している時間を制御部3に出力し、制御部3から計時停止信号を受けると計時を停止してリセットするものである。
【0019】
又、前記制御部3は、運転スイッチ16の運転停止指令を受けると、前記対流ファン4と気化ヒータ8と電磁ポンプ11と燃焼ファン13とを前記タイマー手段26のカウントに応じて適宜消火制御して、臭い及び煙のない快適な消火を実現すると共に、燃焼センサ24により不完全燃焼を検出すると運転を停止するものである。
【0020】
27は金属製で中空円筒状の炎筒で、バーナ2の上部を内包するように設けられ、バーナ2の上部の炎形成部分に直接対流ファン4からの空気が当たらないようにして燃焼を安定化させると共に、炎が対流ファン4からの空気にあおられて温風吹出口5から吹き出すのを防止しているものである。
【0021】
28は交流の入力電源部で、国内の商用電源の交流100V又は、持ち運び容易な蓄電式の電源装置の出力電源が接続される。
【0022】
次に、この一実施形態の作動について、第一の実施形態として、
図1及び
図2により説明する。
尚、本実施形態では、気化ヒータ8aを容量の大きい気化ヒータで構成し、気化ヒータ8bを容量の小さい気化ヒータで構成している。
まず、使用者が入力電源部28に国内の商用電源を接続し、次に運転スイッチ16を押すと、表示部20に入力電源を選択する旨、表示される。
【0023】
そこで使用者は、入力電源部28に国内の商用電源を接続したので、操作部6の入力電源設定手段21の複数の入力電源設定ボタンの中から国内の商用電源と表記されている入力電源設定ボタン21aを押す。
【0024】
それにより制御部3は、入力電源が商用電源であると判断し、気化部加熱手段である複数の気化ヒータ8a、8bのうち、容量の大きい気化ヒータ8aに通電して気化部9の加熱を開始する。
【0025】
ここで、入力電源が商用電源のみの室内で使用される従来の燃焼機では、例えば気化ヒータの容量が650Wであるのに対して、本実施形態では、気化ヒータ8aは650W、気化ヒータ8bは気化ヒータ8aより容量の小さい150Wのものが設けられており、本実施形態では制御部3が入力電源が商用電源であると判断した場合は、容量の大きい方の気化ヒータ8aに通電して気化部9の加熱を行うので、気化ヒータが容量650W一本で入力電源が商用電源のみの室内で使用される燃焼機と比べて、運転スイッチ16を押してから着火動作に入るまでの時間が同じで、違和感なく使用することができる。
【0026】
次に、持ち運び容易な蓄電式の電源装置を接続した場合について説明する。
まず、使用者が入力電源部28に持ち運び容易な蓄電式の電源装置を接続し、次に運転スイッチ16を押すと、表示部20に入力電源を選択する旨、表示される。
【0027】
そこで使用者は、入力電源部28に持ち運び容易な蓄電式の電源装置を接続したので、操作部6の入力電源設定手段21の複数の入力電源設定ボタンの中から蓄電式の電源装置と表記されている入力電源設定ボタン21bを押す。
【0028】
それにより制御部3は、入力電源が持ち運び容易な蓄電式の電源装置であると判断し、気化部加熱手段である複数の気化ヒータ8a、8bのうち、容量の小さい気化ヒータ8bに通電して気化部9の加熱を開始する。
【0029】
ここで、入力電源が商用電源のみの室内で使用される従来の燃焼機では、例えば気化ヒータの容量が650Wであるのに対して、本実施形態では、気化ヒータ8aは650W、気化ヒータ8bは気化ヒータ8aより容量の小さい150Wのものが設けられており、本実施形態では制御部3が入力電源が持ち運び容易な蓄電式の電源装置であると判断した場合は、容量の小さい方の気化ヒータ8bに通電して気化部9の加熱を行うので、蓄電式の電源装置の定格出力電力が200Wや500Wの小容量のものでも、蓄電式の電源装置に定格電流以下の電流が流れ、蓄電式の電源装置内の過電流保護回路が作動することなく、燃焼機の運転を行うことができる。
【0030】
次にこの一実施形態の作動について第二の実施形態を説明する。
尚、本実施形態では、気化ヒータ8aを容量の大きい気化ヒータで構成し、気化ヒータ8bを容量の小さい気化ヒータで構成している。
まず、使用者が入力電源部28に国内の商用電源を接続し、次に運転スイッチ16を押すと、表示部20に入力電源を選択する旨、表示される。
【0031】
そこで使用者は、入力電源部28に国内の商用電源を接続したので、操作部6の入力電源設定手段21の複数の入力電源設定ボタンの中から国内の商用電源と表記されている入力電源設定ボタン21aを押す。
【0032】
それにより制御部3は、入力電源が商用電源であると判断し、気化部加熱手段である複数の気化ヒータ8a、8bのうち、容量の大きい気化ヒータ8aと容量の小さい気化ヒータ8bの両方に通電して気化部9の加熱を開始する。
【0033】
ここで、入力電源が商用電源のみの室内で使用される従来の燃焼機では、例えば気化ヒータの容量が650Wであるのに対して、本実施形態では、気化ヒータ8aは500W、気化ヒータ8bは気化ヒータ8aより容量の小さい150Wのものが設けられており、本実施形態では制御部3が入力電源が商用電源であると判断した場合は、容量の大きい気化ヒータ8aと容量の小さい気化ヒータ8bとに通電して気化部9の加熱を行うので、入力電源が商用電源のみの室内で使用される従来の燃焼機と比べて気化ヒータの容量が同じになり、運転スイッチ16を押してから着火動作に入るまでの時間が同じで、違和感なく使用することができる。
【0034】
次に、持ち運び容易な蓄電式の電源装置を接続した場合について説明する。
まず、使用者が入力電源部28に持ち運び容易な蓄電式の電源装置を接続し、次に運転スイッチ16を押すと、表示部20に入力電源を選択する旨、表示される。
【0035】
そこで使用者は、入力電源部28に持ち運び容易な蓄電式の電源装置を接続したので、操作部6の入力電源設定手段21の複数の入力電源設定ボタンの中から蓄電式の電源装置と表記されている入力電源設定ボタン21bを押す。
【0036】
それにより制御部3は、入力電源が持ち運び容易な蓄電式の電源装置であると判断し、気化部加熱手段である複数の気化ヒータ8a、8のうち、容量の小さい気化ヒータ8bのみに通電して気化部9の加熱を開始する。
【0037】
ここで、入力電源が商用電源のみの室内で使用される従来の燃焼機では、例えば気化ヒータの容量が650Wであるのに対して、本実施形態では、気化ヒータ8aは500W、気化ヒータ8bは気化ヒータ8aより容量の小さい150Wのものが設けられており、本実施形態では制御部3が入力電源が持ち運び容易な蓄電式の電源装置であると判断した場合は、容量の小さい方の気化ヒータ8bのみに通電して気化部9の加熱を行うので、蓄電式の電源装置の定格出力電力が200Wや500Wの小容量のものでも、蓄電式の電源装置に定格電流以下の電流が流れ、蓄電式の電源装置内の過電流保護回路が作動することなく、燃焼機の運転を行うことができる。
【0038】
尚、本実施例では複数の気化ヒータを気化ヒータ8a、8bの2つの気化ヒータとしたが、2つより多くの気化ヒータを設けてもよい。
又、全ての気化ヒータの容量を同じにしてもよい。
例えば3つの気化ヒータを備える場合は、全ての気化ヒータの容量を200Wとし、入力電源が商用電源の場合は3つの気化ヒータ全てに通電し、入力電源部28が持ち運び容易な蓄電式の電源装置の場合は入力電源設定手段21の複数の入力電源設定ボタンの数も増やして、蓄電式の電源装置と表記されている入力電源設定ボタンには、定格出力電力が500W未満、500Wから1500W未満、1500W以上の3つの入力電源設定ボタンを設ける。
【0039】
そして、定格出力電力が500W未満の入力電源設定ボタンが押されると、制御部3は、入力電源が定格出力電力が500W未満の持ち運び容易な蓄電式の電源装置であると判断して、1つの気化ヒータに通電し、定格出力電力が500Wから1500W未満の入力電源設定ボタンが押されると、制御部3は、入力電源が定格出力電力が500Wから1500W未満の持ち運び容易な蓄電式の電源装置であると判断して、2つの気化ヒータに通電し、定格出力電力が1500W以上の力電源設定ボタンが押されると、制御部3は、入力電源が定格出力電力が1500W以上の持ち運び容易な蓄電式の電源装置であると判断して、3つの気化ヒータ全てに通電する。
【0040】
これにより、蓄電式の電源装置の容量に合わせて、定格電流を越えない範囲で電流を流すことができ、蓄電式の電源装置内の過電流保護回路が作動することなく、気化部9の加熱をできるだけ早めて、持ち運び容易な蓄電式の電源装置を使用した場合の使い勝手をよくすることができる。
【0041】
尚、本実施形態では、ポンプ噴霧式のバーナで説明したがこれに限定されず、気化ヒータ付きの気化ブンゼン式のバーナでも、気化ヒータ付きの自然蒸発ポット式のバーナでもよい。
【符号の説明】
【0042】
2 バーナ(燃焼部)
3 制御部
8 気化ヒータ(気化部加熱手段)
9 気化部
11 電磁ポンプ(燃油供給手段)
13 燃焼ファン(燃焼用送風機)
16 運転スイッチ
21 入力電源設定手段
22 気化温度センサ(気化部温度検知手段)
23 放電電極(着火手段)
24 燃焼センサ(炎検知手段)
25 タイマー手段(計時手段)
28 入力電源部