(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079384
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
G08G1/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192299
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博基
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 安昭
(72)【発明者】
【氏名】塚本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】野口 真史
(72)【発明者】
【氏名】助光 康大
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181LL01
5H181LL06
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】運転者に対して適切な通知を行うことができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、推定部と、通知部とを備える。推定部は、所定の領域における車両状況に基づいて、前記所定の領域を車両が通過する際の適切な通過方法を推定する。通知部は、推定した通過方法に基づいて、所定の領域を通過予定の車両に対して所定の領域の通過に関する通知を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域における車両状況に基づいて、前記所定の領域を車両が通過する際の適切な通過方法を推定する推定部と、
推定した前記通過方法に基づいて、前記所定の領域を通過予定の車両に対して前記所定の領域の通過に関する通知を行う通知部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記車両の位置情報を取得する取得部と、
取得した前記位置情報に対応する前記所定の領域を特定する特定部と、
をさらに備え、
前記推定部は、
特定した前記所定の領域における前記車両状況に基づいて前記適切な通過方法を推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記所定の領域を前記車両が通過する予定時刻における前記車両状況に基づいて前記適切な通過方法を推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記車両の速度および位置情報と、他車両の速度および位置情報に基づいて前記適切な通過方法を推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
推定した前記適切な通過方法と、前記車両の案内経路とを比較する比較部、
をさらに備え、
前記通知部は、
前記比較部の比較結果に基づいて決定した通知内容の通知を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記比較部は、
前記適切な通過方法の中に、前記案内経路が含まれるか否かを判定し、
前記通知部は、
前記適切な通過方法の中に、前記案内経路が含まれる場合、前記案内経路で案内された通過方法を通知する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記比較部は、
前記適切な通過方法の中に、前記案内経路が含まれるか否かを判定し、
前記通知部は、
前記適切な通過方法の中に、前記案内経路が含まれない場合、前記案内経路で案内された通過方法を行うべきではないことを通知する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知部は、
前記適切な通過方法の中に、前記案内経路が含まれない場合、前記適切な通過方法を通知する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通知部は、
前記適切な通過方法が複数存在する場合、各通過方法について運転の容易性を示す運転レベルを特定し、前記運転レベルが最も高い通過方法を通知する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通知部は、
前記適切な通過方法が複数存在する場合、複数の前記適切な通過方法のうち、目的地までの到着時間が最も短い通過方法を通知する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定の領域における車両状況に基づいて、前記所定の領域を車両が通過する際の適切な通過方法を推定する推定工程と、
推定した前記通過方法に基づいて、前記所定の領域を通過予定の車両に対して前記所定の領域の通過に関する通知を行う通知工程と
を含む情報処理方法。
【請求項12】
所定の領域における車両状況に基づいて、前記所定の領域を車両が通過する際の適切な通過方法を推定する推定手順と、
推定した前記通過方法に基づいて、前記所定の領域を通過予定の車両に対して前記所定の領域の通過に関する通知を行う通知手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転者に対して運転を支援する技術がある。この種の技術では、例えば、車両に設けられたカメラの画像により歩行者を検出し、検出結果に基づいて運転者に対して報知する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、運転者に対して周囲の状況に合わせてより適切な通知を行う点で改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、運転者に対して適切な通知を行うことができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、推定部と、通知部とを備える。前記推定部は、所定の領域における車両状況に基づいて、前記所定の領域を車両が通過する際の適切な通過方法を推定する。前記通知部は、推定した前記通過方法に基づいて、前記所定の領域を通過予定の車両に対して前記所定の領域の通過に関する通知を行う。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、運転者に対して適切な通知を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理その1を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理その2を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理その1の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理その2の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1Aおよび
図1Bを用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。
図1Aは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理その1を示す図である。
図1Bは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理その2を示す図である。なお、
図1Aおよび
図1Bでは、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。
【0011】
まず、
図1Aを用いて、情報処理システムSが実行する処理その1について説明する。
【0012】
図1Aに示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、車両50と、ユーザ端末100とを含む。なお、以下では、情報処理装置1の通知対象となる車両50を対象車両50と称する場合がある。
【0013】
図1Aに示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、所定の領域における人流情報に基づいて、所定の領域を車両50(対象車両50)が通過する際の適切速度を推定し、推定した適切速度に基づいて、所定の領域を通過予定の対象車両50に対して所定の領域の通過に関する通知を行う。
【0014】
ここでいう、所定の領域は、人等の移動体が存在する領域であり、例えば、公園や、学校、幼稚園、保育園、ショッピングモール等の施設である。言い換えれば、所定の領域は、車両が通過する際に、運転者が運転に注意を要する領域である。なお、所定の領域は、施設に限らず、横断歩道や交差点、通学路等といった特定の場所であってもよい。
【0015】
図1Aに示す処理その1では、情報処理装置1は、まず、通知の対象となる対象車両50から対象車両の走行情報を取得する(ステップS1)。走行情報は、例えば、現在の位置や、現在の速度、走行している道路、走行している車線、ナビゲーション装置によって設定された目的地までの案内経路を取得する(ステップS1)。なお、走行情報は、例えば、対象車両50に搭載されたナビゲーション装置や、車両制御装置等が取得した走行情報を取得してもよく、対象車両50の乗員が所持するスマートフォン等の端末装置が取得した走行情報を取得してもよい。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、取得した対象車両50の走行情報に基づいて、対象車両50の位置に対応する所定の領域を特定する(ステップS2)。例えば、情報処理装置1は、対象車両50の現在の位置から走行予定の経路を予測し、走行予定の経路に位置する所定の領域を特定結果として得る。また、情報処理装置1は、特定した所定の領域を対象車両50が通過する予定時刻を特定する。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザからユーザ端末100を介してユーザの位置情報を取得する(ステップS3)。かかるユーザは、車両(対象車両50以外の車両)に乗っていないユーザであり、歩行者や、自転車に乗っているユーザ等である。つまり、かかるユーザは、車両50が走行する道路を一時的に通る可能性があるユーザである。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、取得した位置情報に基づいて、特定した所定の領域における人流情報を推定する(ステップS4)。人流情報は、所定の領域におけるユーザの将来の流れ(位置の変遷)を示す情報である。例えば、情報処理装置1は、取得した位置情報の履歴から上記予定時刻までの位置情報の変遷を予測することで、各ユーザの上記予定時刻における人流情報を推定する。
【0019】
つづいて、情報処理装置1は、推定した人流情報に基づいて、所定の領域を対象車両50が通過する際の適切速度を推定する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、予定時刻において所定の領域に存在するユーザ数や、所定の領域内を移動するユーザ数、所定の領域に存在する道路を通過するユーザ数、所定の領域内において歩行しているユーザ数または自転車に乗っているユーザ数、所定の領域内に存在する各ユーザの属性情報(年代等)等といった人流情報から抽出される特徴情報に基づいて、適切速度を推定する。具体的には、情報処理装置1は、特徴情報に基づいて、対象車両50が所定の領域を通過する際にユーザが対象車両50に接近する可能性を示す危険レベルを推定し、危険レベルに応じて適切速度を推定する。より具体的には、情報処理装置1は、所定の領域における法定速度に対してどの程度遅い適切速度とするかを危険レベルにより決定する。つまり、情報処理装置1は、危険レベルが高い程(危険性が高い程)、法定速度からの低下量を多くした適切速度を推定する。なお、適切速度(または危険レベル)の推定は、機械学習により生成したモデルを用いてもよい。具体的には、情報処理装置1は、人流情報から抽出される上記特徴情報を説明変数とし、適切速度(または危険レベル)を目的変数として学習を行ってモデルを生成して用いる。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、対象車両50の現在の速度と、推定した適切速度とを比較する(ステップS6)。具体的には、情報処理装置1は、現在の速度と、適切速度と速度差を比較結果として取得する。あるいは、情報処理装置1は、現在の速度が適切速度よりも高いか否かを比較結果として取得してもよい。
【0021】
つづいて、情報処理装置1は、比較結果に基づいて対象車両50への通知内容を決定する(ステップS7)。例えば、情報処理装置1は、現在の速度が適切速度よりも高く、かつ、速度差が所定値以上である場合、適切速度まで速度を遅くする指示を示す通知内容を決定する。また、情報処理装置1は、現在の速度が適切速度よりも高く、かつ、速度差が所定値未満である場合、所定の領域に存在するユーザが対象車両50に接近する可能性が高いことを知らせる通知内容や、人流情報から道路を通過する可能性があるユーザの位置を知らせる通知内容を決定する。つまり、情報処理装置1は、速度差が所定値未満である場合、所定の領域に存在するユーザに関する情報を通知する通知内容を決定する。
【0022】
また、情報処理装置1は、現在の速度が適切速度よりも低い場合、所定の領域に存在するユーザが対象車両50に接近する可能性が高いことを知らせる通知内容や、人流情報から道路を通過する可能性があるユーザの位置を知らせる通知内容を決定する。
【0023】
つづいて、情報処理装置1は、所定の領域を通過予定の対象車両50に対して所定の領域の通過に関する通知を、決定した通知内容で通知する(ステップS8)。具体的には、情報処理装置1は、適切速度まで速度を遅くする指示を示す通知内容の通知や、所定の領域に存在するユーザが対象車両50に接近する可能性が高いことを知らせる通知内容の通知、人流情報から道路を通過する可能性があるユーザの位置を知らせる通知内容の通知を行う。
【0024】
このように、実施形態に係る情報処理装置1によれば、人流情報に基づき推定した適切速度を元にして運転者に対して通知を行うことで、運転者が所定の領域をより安全に通過することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、運転者に対して周囲の状況(人流情報)に合わせたより適切な通知を行うことができる。
【0025】
なお、情報処理装置1は、対象車両50に対して通知を行う場合以外にも、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)等の交通情報を配信するシステムに対して適切速度に関する情報を通知してもよい。他にも、情報処理装置1は、例えば、警察等の外部機関に対して適切速度に関する情報を通知してもよい。あるいは、情報処理装置1は、対象車両50が自動運転車である場合には、対象車両50を適切速度で遠隔制御してもよい。
【0026】
次に、
図1Bを用いて、情報処理システムSが実行する処理その2について説明する。なお、
図1Bに示す処理その2は、
図1Aに示す処理その1と並行して行われてもよい。
【0027】
図1Bに示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、車両50と、ユーザ端末100とを含む。なお、以下では、情報処理装置1の通知対象となる車両50を対象車両50と称する場合がある。
【0028】
図1Bに示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、所定の領域における車両状況に基づいて所定の領域を対象車両50が通過する際の適切な通過方法を推定し、推定した通過方法に基づいて、所定の領域を通過予定の車両50(対象車両50)に対して所定の領域の通過に関する通知を行う。
【0029】
図1Bに示す処理その2では、情報処理装置1は、まず、通知の対象となる対象車両50から対象車両50の走行情報を取得する(ステップS1)。走行情報は、例えば、現在の位置や、現在の速度、走行している道路、走行している車線、ナビゲーション装置によって設定された目的地までの案内経路を取得する(ステップS1)。なお、走行情報は、例えば、対象車両50に搭載されたナビゲーション装置や、車両制御装置等が取得した走行情報を取得してもよく、対象車両50の乗員が所持するスマートフォン等の端末装置が取得した走行情報を取得してもよい。
【0030】
つづいて、情報処理装置1は、取得した対象車両50の走行情報に基づいて、対象車両50の位置に対応する所定の領域を特定する(ステップS2)。例えば、情報処理装置1は、対象車両50の現在の位置から走行予定の経路を予測し、走行予定の経路に位置する所定の領域を特定結果として得る。また、情報処理装置1は、特定した所定の領域を対象車両50が通過する予定時刻を特定する。
【0031】
つづいて、情報処理装置1は、対象車両50以外の他車両の乗員であるユーザからユーザ端末100を介してユーザ(他車両)の位置情報を取得する(ステップS3)。なお、他車両の位置情報は、ユーザ端末100から取得する場合に限らず、他車両に搭載されたナビゲーション装置や、車両制御装置等が取得した位置情報を取得してもよい。
【0032】
つづいて、情報処理装置1は、取得した他車両の位置情報に基づいて、特定した所定の領域における他車両の車両状況を推定する(ステップS4)。車両状況は、所定の領域における他車両の将来の流れ(位置の変遷)を示す情報である。例えば、情報処理装置1は、取得した位置情報の履歴から上記予定時刻までの位置情報の変遷を予測することで、各他車両の上記予定時刻における車両状況を推定する。
【0033】
つづいて、情報処理装置1は、推定した車両状況に基づいて、所定の領域における対象車両50の適切な通過方法を推定する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、所定の領域が交差点である場合に、対象車両50の位置(走行している車線)や、速度、他車両の位置や、速度に基づいて、交差点を直進可能か否かや、交差点を右折または左折が可能か否かにより適切な通過方法を推定する。なお、情報処理装置1は、交差点を可能、かつ、交差点を右折可能と判定した場合には、適切な通過方法として、直進および右折を推定する。また、情報処理装置1は、所定の領域が複数の車線が設けられた道路である場合、各車線への車線変更が可能か否かを判定し、車線変更が可能と判定した場合には、適切な通過方法として、車線変更および車線変更無しを推定する。また、情報処理装置1は、所定の領域が所定の施設の出入口である場合に、所定の施設への入場が可能か否かを判定し、入場が可能と判定した場合には、適切な通過方法として、所定の施設への入場および出入口を通過(入場しない)を推定する。
【0034】
つづいて、情報処理装置1は、推定した適切な通過方法と、対象車両50において設定された所定の領域における案内経路とを比較する(ステップS6)。具体的には、情報処理装置1は、適切な通過方法の中に、所定の領域における案内経路を含むか否かを判定する。例えば、情報処理装置1は、交差点における案内経路が右折である場合には、適切な通過方法に右折が含まれるか否かを判定する。
【0035】
つづいて、情報処理装置1は、比較結果に基づいて対象車両50への通知内容を決定する(ステップS7)。例えば、情報処理装置1は、適切な通過方法の中に、所定の領域における案内経路が含まれる場合、案内経路で案内された通過方法を通知する通知内容を決定する。また、情報処理装置1は、適切な通過方法の中に、所定の領域における案内経路が含まれない場合、つまり、案内経路で案内された通過方法を行うことが適切ではない場合、案内経路で案内された通過方法を行うべきではないことを通知する通知内容を決定する。この場合、情報処理装置1は、案内経路以外の通過方法(適切な通過方法)を通知する通知内容を決定してもよい。なお、情報処理装置1は、案内経路以外の通過方法が複数存在する場合には、各通過方法について運転の容易性を示す運転レベルを特定し、運転レベルが最も高い(容易性が最も高い)通過方法を通知する通知内容を決定してもよい。あるいは、情報処理装置1は、案内経路以外の通過方法が複数存在する場合に、目的地までの到着時間が最も短い通過方法を通知する通知内容を決定してもよい。
【0036】
つづいて、情報処理装置1は、所定の領域を通過予定の対象車両50に対して所定の領域の通過に関する通知を、決定した通知内容で通知する(ステップS8)。例えば、情報処理装置1は、案内経路で案内された通過方法を通知する通知内容の場合、案内経路で案内された通過方法を通知する。例えば、情報処理装置1は、案内経路が右折である場合には、所定の領域において右折する経路を案内する通知を行う。
【0037】
また、情報処理装置1は、案内経路で案内された通過方法を行うべきではないことを通知する通知内容の場合、案内経路で案内された通過方法を行うべきではないことを通知する。例えば、情報処理装置1は、案内経路が右折である場合には、「他車両の状況により右折はおすすめできません」といった案内経路に従わないことを推奨する通知を行う。またこの際、情報処理装置1は、案内経路以外の通過方法(適切な通過方法)を通知する通知内容の場合、案内経路以外の通過方法(適切な通過方法)を通知する。例えば、情報処理装置1は、案内経路が右折である交差点において適切な通過方法が直進である場合には、「この先の交差点では右折が難しいため、直進することをおすすめします」といった適切な通過方法を行うことを推奨する通知を行う。またこの際、情報処理装置1は、複数の通過方法の中から運転レベルが最も高い通過方法を通知する場合には、「この先の交差点では右折が難しいため、運転が簡単な直進をおすすめします」といった運転レベルに関する通知を行う。また、情報処理装置1は、複数の通過方法の中から目的地までの到着時間が最も短い通過方法を通知する場合には、「この先の交差点では右折が難しいため、目的地までの到着時間はX分長くなりますが直進することをおすすめします」といった目的地までの到着時間に関する通知を行う。なお、情報処理装置1は、案内経路以外の通過方法を通知する場合、案内経路以外の通過方法で通過した場合の新たな案内経路を事前に探索しておき、運転者が案内経路以外の通過方法で通過した場合には、即座に新たな案内経路を通知するようにしてもよい。
【0038】
このように、実施形態に係る情報処理装置1によれば、他車両の車両状況に基づき推定した適切な通過方法を元にして運転者に対して通知を行うことで、運転者が所定の領域をより安全に通過することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、運転者に対して周囲の状況(車両状況)に合わせたより適切な通知を行うことができる。
【0039】
なお、情報処理装置1は、対象車両50に対して通知を行う場合以外にも、例えば、VICS(登録商標)等の交通情報を配信するシステムに対して適切な通過方法に関する情報を通知してもよい。他にも、情報処理装置1は、例えば、警察等の外部機関に対して適切な通過方法に関する情報を通知してもよい。あるいは、情報処理装置1は、対象車両50が自動運転車である場合には、対象車両50を適切な通過方法で通過するよう遠隔制御してもよい。
【0040】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数の車両50と、複数のユーザ端末100とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0041】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。
【0042】
また、情報処理装置1は、複数の車両50および複数のユーザ端末100と連携し、複数の車両50および複数のユーザ端末100に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0043】
また、情報処理装置1は、複数の車両50および複数のユーザ端末100に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0044】
車両50は、道路を走行している車両であり、情報処理装置1とネットワークNを介して双方向通信が可能に構成される。なお、情報処理装置1との接続は、車両50に設けられた車載装置であってもよい。車載装置は、例えば、ナビゲーション装置や、車両制御装置等である。
【0045】
ユーザ端末100は、ユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0046】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0047】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、特定部32と、推定部33と、比較部34と、決定部35と、通知部36とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、領域情報42とを記憶する。
【0048】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0049】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0050】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0051】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「位置履歴」等の項目を含む。
【0052】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報であり、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「位置履歴」は、ユーザの位置情報の履歴を示す情報である。
【0053】
領域情報42は、所定の領域に関する情報である。
図5は、領域情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、領域情報42は、「領域ID」および「施設種別」等の項目を含む。
【0054】
「領域ID」は、領域を識別する識別情報である。「領域種別」は、所定の領域の種別を示す情報である。「領域種別」は、例えば、学校や、幼稚園、老人ホーム、病院等といった領域に存在する施設の種別や、交差点や、複数の車線の道路等といった所定の領域に存在する道路の種別である。
種別は、どんな人が施設を利用するかの種別でもよいし、病院や幼稚園等の施設が提供するサービスの種別でもよい。
【0055】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、特定部32、推定部33、比較部34、決定部35および通知部36)について説明する。
【0056】
取得部31は、各種情報を取得する。例えば、取得部31は、対象車両50の走行情報を取得する。また、取得部31は、対象車両50以外の他車両に乗車しているユーザの位置情報や、対象車両50および他車両に乗車していないユーザの位置情報を取得する。
【0057】
特定部32は、取得した対象車両50の走行情報に基づいて、対象車両50の位置に対応する所定の領域を特定する。例えば、特定部32は、対象車両50の現在の位置から走行予定の経路を予測し、走行予定の経路に位置する所定の領域を特定結果として得る。また、特定部32は、特定した所定の領域を対象車両50が通過する予定時刻を特定する。
【0058】
推定部33は、取得した位置情報に基づいて、特定した所定の領域における人流情報を推定する。人流情報は、所定の領域におけるユーザの将来の流れ(位置の変遷)を示す情報である。例えば、推定部33は、取得した位置情報の履歴から上記予定時刻までの位置情報の変遷を予測することで、各ユーザの上記予定時刻における人流情報を推定する。
【0059】
つづいて、推定部33は、推定した人流情報に基づいて、所定の領域を対象車両50が通過する際の適切速度を推定する。例えば、推定部33は、予定時刻において所定の領域に存在するユーザ数や、所定の領域内を移動するユーザ数、所定の領域に存在する道路を通過するユーザ数、所定の領域内において歩行しているユーザ数または自転車に乗っているユーザ数、所定の領域内に存在する各ユーザの属性情報(年代等)等といった人流情報から抽出される特徴情報に基づいて、適切速度を推定する。具体的には、推定部33は、特徴情報に基づいて、対象車両50が所定の領域を通過する際にユーザが対象車両50に接近する可能性を示す危険レベルを推定し、危険レベルに応じて適切速度を推定する。より具体的には、推定部33は、所定の領域における法定速度に対してどの程度遅い適切速度とするかを危険レベルにより決定する。つまり、推定部33は、危険レベルが高い程(危険性が高い程)、法定速度からの低下量を多くした適切速度を推定する。なお、適切速度(または危険レベル)の推定は、機械学習により生成したモデルを用いてもよい。具体的には、情報処理装置1は、人流情報から抽出される上記特徴情報を説明変数とし、適切速度(または危険レベル)を目的変数として学習を行ってモデルを生成して用いる。
【0060】
また、推定部33は、取得した他車両の位置情報に基づいて、特定した所定の領域における他車両の車両状況を推定する。車両状況は、所定の領域における他車両の将来の流れ(位置の変遷)を示す情報である。例えば、推定部33は、取得した位置情報の履歴から上記予定時刻までの位置情報の変遷を予測することで、各他車両の上記予定時刻における車両状況を推定する。
【0061】
つづいて、推定部33は、推定した車両状況に基づいて、所定の領域における対象車両50の適切な通過方法を推定する。例えば、推定部33は、所定の領域が交差点である場合に、対象車両50の位置(走行している車線)や、速度、他車両の位置や、速度に基づいて、交差点を直進可能か否かや、交差点を右折または左折が可能か否かにより適切な通過方法を推定する。なお、推定部33は、交差点を可能、かつ、交差点を右折可能と判定した場合には、適切な通過方法として、直進および右折を推定する。また、推定部33は、所定の領域が複数の車線が設けられた道路である場合、各車線への車線変更が可能か否かを判定し、車線変更が可能と判定した場合には、適切な通過方法として、車線変更および車線変更無しを推定する。また、推定部33は、所定の領域が所定の施設の出入口である場合に、所定の施設への入場が可能か否かを判定し、入場が可能と判定した場合には、適切な通過方法として、所定の施設への入場および出入口を通過(入場しない)を推定する。
【0062】
比較部34は、対象車両50の現在の速度と、推定した適切速度とを比較する。具体的には、比較部34は、現在の速度と、適切速度と速度差を比較結果として取得する。あるいは、情報処理装置1は、現在の速度が適切速度よりも高いか否かを比較結果として取得してもよい。
【0063】
また、比較部34は、推定した適切な通過方法と、対象車両50において設定された所定の領域における案内経路とを比較する。具体的には、比較部34は、適切な通過方法の中に、所定の領域における案内経路を含むか否かを判定する。例えば、比較部34は、交差点における案内経路が右折である場合には、適切な通過方法に右折が含まれるか否かを判定する。
【0064】
決定部35は、比較結果に基づいて対象車両への通知内容を決定する。例えば、決定部35は、現在の速度が適切速度よりも高く、かつ、速度差が所定値以上である場合、適切速度まで速度を遅くする指示を示す通知内容を決定する。また、決定部35は、現在の速度が適切速度よりも高く、かつ、速度差が所定値未満である場合、所定の領域に存在するユーザが対象車両50に接近する可能性が高いことを知らせる通知内容や、人流情報から道路を通過する可能性があるユーザの位置を知らせる通知内容を決定する。
【0065】
また、決定部35は、現在の速度が適切速度よりも低い場合、所定の領域に存在するユーザが対象車両50に接近する可能性が高いことを知らせる通知内容や、人流情報から道路を通過する可能性があるユーザの位置を知らせる通知内容を決定する。
【0066】
また、決定部35は、適切な通過方法の中に、所定の領域における案内経路が含まれる場合、案内経路で案内された通過方法を通知する通知内容を決定する。また、決定部35は、適切な通過方法の中に、所定の領域における案内経路が含まれない場合、つまり、案内経路で案内された通過方法を行うことが適切ではない場合、案内経路で案内された通過方法を行うべきではないことを通知する通知内容を決定する。この場合、決定部35は、案内経路以外の通過方法(適切な通過方法)を通知する通知内容を決定してもよい。なお、決定部35は、案内経路以外の通過方法が複数存在する場合には、各通過方法について運転の容易性を示す運転レベルを特定し、運転レベルが最も高い(容易性が最も高い)通過方法を通知する通知内容を決定してもよい。あるいは、決定部35は、案内経路以外の通過方法が複数存在する場合に、目的地までの到着時間が最も短い通過方法を通知する通知内容を決定してもよい。
【0067】
通知部36は、所定の領域を通過予定の対象車両50に対して所定の領域の通過に関する通知を、決定した通知内容で通知する。具体的には、通知部36は、適切速度まで速度を遅くする指示を示す通知内容の通知や、所定の領域に存在するユーザが対象車両50に接近する可能性が高いことを知らせる通知内容の通知、人流情報から道路を通過する可能性があるユーザの位置を知らせる通知内容の通知を行う。
【0068】
また、通知部36は、案内経路で案内された通過方法を通知する通知内容の場合、案内経路で案内された通過方法を通知する。例えば、通知部36は、案内経路が右折である場合には、所定の領域において右折する経路を案内する通知を行う。
【0069】
また、通知部36は、案内経路で案内された通過方法を行うべきではないことを通知する通知内容の場合、案内経路で案内された通過方法を行うべきではないことを通知する。例えば、通知部36は、案内経路が右折である場合には、「他車両の状況により右折はおすすめできません」といった案内経路に従わないことを推奨する通知を行う。またこの際、通知部36は、案内経路以外の通過方法(適切な通過方法)を通知する通知内容の場合、案内経路以外の通過方法(適切な通過方法)を通知する。例えば、通知部36は、案内経路が右折である交差点において適切な通過方法が直進である場合には、「この先の交差点では右折が難しいため、直進することをおすすめします」といった適切な通過方法を行うことを推奨する通知を行う。またこの際、通知部36は、複数の通過方法の中から運転レベルが最も高い通過方法を通知する場合には、「この先の交差点では右折が難しいため、運転が簡単な直進をおすすめします」といった運転レベルに関する通知を行う。また、通知部36は、複数の通過方法の中から目的地までの到着時間が最も短い通過方法を通知する場合には、「この先の交差点では右折が難しいため、目的地までの到着時間はX分長くなりますが直進することをおすすめします」といった目的地までの到着時間に関する通知を行う。なお、通知部36は、案内経路以外の通過方法を通知する場合、案内経路以外の通過方法で通過した場合の新たな案内経路を事前に探索しておき、運転者が案内経路以外の通過方法で通過した場合には、即座に新たな案内経路を通知するようにしてもよい。
【0070】
次に、
図6および
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理その1の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理その2の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
まず、
図6を用いて、処理その1の処理手順について説明する。
図6に示すように、制御部3は、まず、ユーザ端末100を介してユーザの位置情報を取得する(ステップS101)。
【0072】
つづいて、制御部3は、対象車両の位置および現在の速度を取得する(ステップS102)。
【0073】
つづいて、制御部3は、取得した対象車両の位置に対応する所定の領域を特定する(ステップS103)。
【0074】
つづいて、制御部3は、特定した所定の領域における人流情報を推定する(ステップS104)。
【0075】
つづいて、制御部3は、推定した人流情報に基づいて対象車両50の適切速度を推定する(ステップS105)。
【0076】
つづいて、制御部3は、対象車両50の現在の速度と、推定した適切速度とを比較する(ステップS106)。
【0077】
つづいて、制御部3は、比較結果に基づいて対象車両50への通知内容を決定する(ステップS107)。
【0078】
つづいて、制御部3は、決定した通知内容により対象車両50へ通知を行い(ステップS108)、処理を終了する。
【0079】
次に、
図7を用いて、処理その2の処理手順について説明する。
図7に示すように、制御部3は、まず、ユーザ端末100を介して、対象車両50の周囲に存在する周囲車両に乗車したユーザの位置情報を取得する(ステップS201)。
【0080】
つづいて、制御部3は、対象車両の位置および現在の速度を取得する(ステップS202)。
【0081】
つづいて、制御部3は、取得した対象車両の位置に対応する所定の領域を特定する(ステップS203)。
【0082】
つづいて、制御部3は、特定した所定の領域における車両状況を推定する(ステップS204)。
【0083】
つづいて、制御部3は、推定した車両状況に基づいて適切な通過方法を推定する(ステップS205)。
【0084】
つづいて、制御部3は、推定した通過方法と、案内経路とを比較する(ステップS206)。
【0085】
つづいて、制御部3は、比較結果に基づいて対象車両50への通知内容を決定する(ステップS207)。
【0086】
つづいて、制御部3は、決定した通知内容により対象車両50へ通知を行い(ステップS108)、処理を終了する。
【0087】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0088】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0089】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0090】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0091】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0092】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0093】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0094】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0095】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0096】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0097】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置は、推定部33と、通知部36とを備える。推定部33は、所定の領域における人流情報に基づいて、所定の領域を車両(対象車両50)が通過する際の適切速度を推定する。通知部36は、推定した適切速度に基づいて、所定の領域を通過予定の車両に対して所定の領域の通過に関する通知を行う。
【0098】
また、実施形態に係る情報処理装置1は、推定部33と、通知部36とを備える。推定部33は、所定の領域における車両状況に基づいて、前記所定の領域を車両が通過する際の適切な通過方法を推定する。通知部36は、推定した通過方法に基づいて、所定の領域を通過予定の車両に対して所定の領域の通過に関する通知を行う。
【0099】
上述した各実施形態に係る情報処理装置1によれば、運転者に対して適切な通知を行うことができる。
【0100】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0101】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0102】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0103】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0104】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 特定部
33 推定部
34 比較部
35 決定部
36 通知部
41 ユーザ情報
42 領域情報
50 車両
100 ユーザ端末
S 情報処理システム