IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中央化学株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-包装用容器 図1
  • 特開-包装用容器 図2
  • 特開-包装用容器 図3
  • 特開-包装用容器 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079386
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/26 20060101AFI20240604BHJP
   B65D 1/34 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B65D1/26
B65D1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192301
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】391011825
【氏名又は名称】中央化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】泉 李沙
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA14
3E033BA15
3E033BA16
3E033BA17
3E033BA18
3E033CA02
3E033CA05
3E033CA20
3E033DD03
3E033DD20
3E033EA01
3E033FA01
3E033FA04
3E033GA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一定の強度が付与され、弁当などの惣菜の種類によりその載置時の機能性及び見た目に配慮し、その機能を安定に持続できる包装用容器を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態における一態様の包装用容器は、底面部と、底面部の縁に沿って連続して拡径しながら立ち上がる周壁部と、周壁部の上端全周に連続的に設けられたフランジ部と、を有し、周壁部の一部が周壁部に沿って内容物を収容する側に連続的に突出した支持部を含む容器本体を有する。本発明の実施形態における一態様の容器は、支持部の一端と支持部の他端とは、側面視で底面部に対する上方向の距離が異なる。本発明の実施形態の一態様における包装用容器は、支持部の一端と支持部の他端とは、側面視で底面部に対する上方向の距離が異なる。本発明の実施形態の一態様における包装用容器は、支持部に沿ってさらに内容物を収容する側に突出した副支持部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部と、
前記底面部の縁に沿って連続して拡径しながら立ち上がる周壁部と、
前記周壁部の上端全周から外側に向けて連続的に設けられたフランジ部と、
を有する容器本体を有し、
前記周壁部の一部が前記周壁部に沿って前記底面部と前記周壁部とで構成された内容物を収容する側に突出した支持部を有する、包装用容器。
【請求項2】
前記支持部の一端と前記支持部の他端とは、側面視で前記底面部に対する上方向の距離が異なる、請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記支持部に沿ってさらに内容物を収容する側に突出した副支持部を有する、請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記容器本体を閉蓋する蓋体をさらに備え、前記蓋体は、閉蓋時に前記フランジ部と接する蓋体外周部と、前記蓋体外周部に囲まれる蓋体上面部と、
を有する、請求項2に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品などを収容する包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店の弁当や惣菜等の食品販売では、食品を包装する際の状況、食品を販売する際の状態、食品を食すときの場面等を考慮して包装用容器が選択されてきた。
【0003】
例えば、食品を収容した包装用容器が店頭にて積み重ねられた状態で販売される場合、積み重ねられた上方の包装用容器の重みで、下方の包装用容器が潰れてしまわないよう、一定の強度を確保できる構造としなければならない。また、揚げ物を主たるメニューとする惣菜を含む弁当を店頭で平置きにした場合、それらの揚げ物を包装用容器の容器本体の中で若干立たせたまま安定して載置できれば、見栄えが良くなり購入者の購買意欲を促進させることができる。
【0004】
特許文献1には、上面視で略円形等の容器において、強度補強用の補強部を設けた包装用容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3219957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の包装用容器では、一定の強度は確保できるものの、上述のような惣菜の見た目や惣菜を載置した時の機能性には配慮されていなかった。
【0007】
本発明においては、容器本体に一定の強度を付与するとともに、弁当などに収納される惣菜を若干立たせたまま安定して持続的に載置することで、見栄えが良くなり購入者の購買意欲を促進させることができる包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の一態様における包装用容器は、底面部と、底面部の縁に沿って連続して拡径しながら立ち上がる周壁部と、周壁部の上端全周から外側に向けて連続的に設けられたフランジ部と、を有する容器本体を有し、周壁部の一部が周壁部に沿って底面部と周壁部とで構成された内容物を収容する側に突出した支持部を有する。
【0009】
本発明の実施形態の一態様における包装用容器は、支持部の一端と支持部の他端とは、側面視で底面部に対する上方向の距離が異なる。
【0010】
本発明の実施形態の一態様における包装用容器は、支持部に沿ってさらに内容物を収容する側に突出した副支持部を有する。
【0011】
本発明の実施形態の一態様における包装用容器は、容器本体を閉蓋する蓋体をさらに備え、蓋体は、閉蓋時に前記フランジ部と接する蓋体外周部と、蓋体外周部に囲まれる蓋体上面部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容器本体に一定の強度を付与するとともに、弁当などに収納される惣菜を若干立たせたまま安定して持続的に載置することで、見栄えが良くなり購入者の購買意欲を促進させることできる包装用容器を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る包装用容器の容器本体を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る包装用容器の容器本体を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る包装用容器の容器本体を示す上面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る包装用容器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付して、説明が重複する場合にはその説明を省略する場合がある。また、図面においては、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
【0015】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0016】
本明細書において、容器が実際に底面部を下にして載置される際の鉛直上向方向又は鉛直上向きに近い方向を「上」又は「上方」とし、「下」又は「下方」とは、「上」又は「上方」の反対方向をいう。また、説明に図面を使用する場合において、図面上の上方又は下方であるものを、説明の便宜上「上方」又は「下方」と呼ぶ場合がある。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係る包装用容器の容器本体を示す斜視図である。図1に示すように、容器本体100は上面視で略楕円形を有する。
【0018】
容器本体100は、底面部110、底面部110の縁に沿って連続して拡径しながら上方に立ち上がる周壁部120、及び周壁部120の上端全周から連続的に外側に向けて設けられたフランジ部135を有し、フランジ部135を外縁として上方向にて開口する。ここで、底面部110と周壁部120は、容器本体100に惣菜などの内容物が収納されるよう構成し、この内容物を収納する側を容器本体100の内側という。
【0019】
容器本体100の底面部110は、テーブルなどの載置面に載せる際に、載置面と接触する部位である。底面部110は、テーブルなどに安定的に載置できる形状であるとともに、複数の包装用容器を上下方向に重ねた状態で輸送または陳列する場合に、例えば下側に配置される包装用容器の蓋体上面と適切に組み合わせることで荷崩れしにくい形状であってもよい。なお、蓋体については後述する。
【0020】
例えば、底面部110は、外縁部分のみが載置面に接触し、中央の領域を外縁部分よりも高い位置に設けた状態で中央の領域が載置面から離れるように上方への窪みを形成させてもよい。この底面部110の窪みと組み合わせることができるように蓋体上面に凸の形状を形成させ、包装用容器を上下方向に重ねる際の安定性を確保することができる。
【0021】
周壁部120は、底面部110の外縁から上方へ立ち上がるにつれて上面視における径が大きくなるように、外側に拡がって形成されている。ただし、周壁部120に補強のため一部に補強用のリブなどを設けた場合は、局所的に上方に拡径しない部分を有していてもよい。
【0022】
図1に示すように、周壁部120上であってフランジ部135の下方には、段差部140が形成されている。段差部140は、容器本体100が蓋体を用いて閉蓋される場合の嵌合する部位となる。段差部140の形状は、容器本体100と蓋体との嵌合形態により任意に設定することができる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る周壁部120には、一部の領域を周壁部120に沿って容器本体100の内側に突出させた支持部150が形成される。
【0024】
支持部150は、容器本体100の強度を補強するととともに、容器本体100内に惣菜を収納する際に、一部の惣菜を支持部150の突出形状を用いて、若干立たせた状態に維持することができる。このように容器本体100内で惣菜を若干立たせたまま維持することにより、惣菜の見栄えを向上させ、顧客の購買意欲を促進させることができる。
【0025】
支持部150は周壁部120の一部の領域が変形した部分であり、周壁部120に沿って内側に突出した形状を有する。支持部150は2つの端部を有する。本明細書中において、説明の便宜上、一方を支持部150の始点と仮定して始点側端部154と呼び、他方を終点と仮定して終点側端部152と呼ぶ。
【0026】
支持部150は、周壁部120における段差部140下側の始点側端部154の地点から周壁部120に沿って螺旋状に内側への突出を開始し、突出した幅が上下方向に拡大しつつ、終点側端部152にて最大となる。なお、上下方向は周壁部120における底面部からフランジ部までの距離をいい、この距離に応じて支持部150が容器本体100内側に突出される。
支持部150における形状のバリエーションとしては、始点側端部154から支持部150の突出した幅は徐々に拡大するものの、終点側端部152に到達する前に幅が最大値となり、終点側端部152では若干減少するもの、上面視における支持部150は始点側端部154から終点側端部152までが略直線であり、この中間地点付近で最大の幅となるものがあるが、これに限定されるわけでない。
【0027】
このように支持部150の突出した幅は、特に制限されない。しかし、支持部150の突出した幅が小さ過ぎるとエビフライなどの特定の惣菜を立たせたまま維持することができず、また容器本体100自体の強度も不足してしまう。一方、支持部150の突出した幅が大き過ぎると、容器本体100の容積が過度に縮小し、惣菜を十分に収容できないばかりか、内容物の量が不当に少なく見え、購入者に与える印象を悪化させてしまう。したがって、支持部150の突出した幅は、容器本体100内に収容される惣菜の態様により適宜選択することができ、2mm~10mmの範囲で突出していることが好ましい。
【0028】
本発明の一実施形態において、1つの容器本体100に複数の支持部150を有してもよい。複数の支持部150を設ける場合は、それらは容器本体100を載置した場合の鉛直方向に平行で容器本体100の重心を通る断面を基準にして面対称とすることができる。
【0029】
また、1つの容器本体100内に複数の支持部150を設ける場合、2~10本の範囲で形成されることが好ましい。また、複数の支持部150の位置関係は特に限定されるものではなく、上下方向又は円周方向にずらして互いが重ならないような配置であってもよく、一部が重なるように形成されてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態において、複数の支持部150を設ける例として、支持部150に沿って容器本体100の内側に突出した副支持部410を有してもよい。
図2は支持部150上に副支持部410を設けた例を示す斜視図であり、図2に示す容器本体100において、支持部150及び副支持部410により構成される2本の突出形状を設けたことにより、惣菜の種類によっては支持部150のみの1本設けた態様に比べ、より安定的に惣菜を立たせたまま維持することができ、包装用容器に収容される惣菜の見栄えを向上させ、顧客の購買意欲を促進させることができる。
【0031】
副支持部410も支持部150と同様に始点側端部418及び終点側端部416を有する。ここで副支持部410の始点側端部418は支持部150の下側の位置から突出を開始し、副支持部410の終点側端部416の位置は、支持部150の終点側端部152の下側の位置となる。
【0032】
副支持部の数は、容器本体100に収容される惣菜の態様により、適宜変更することができる。例えば支持部150上に副支持部410が設けられ、さらに副支持部410上に別の副支持部を設けてもよい。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態に係る包装用容器を示す概略斜視図である。図4に示すように、包装用容器は、容器本体100と蓋体710とを有する。本発明の一実施形態に係る包装用容器の蓋体710は、その外縁形状を形成する蓋体外周部720を有する。蓋体710が容器本体100に載せられて閉蓋される際には、蓋体外周部720と容器本体のフランジ部135が接触し、蓋体外周部720と容器本体100のフランジ部135が適切に組み合わさるように構成される。
【0034】
蓋体710は、蓋体外周部720により囲まれる蓋体上面部730を有する。蓋体上面部730は内容物を購買者に見せる部分であり、収容される惣菜などの種類により、平面又は曲面状に形成されてよい。
【0035】
蓋体710は、ポリスチレンなどの合成樹脂などにより薄く成形されている。そのため、蓋体710の一部にリブ750を設けて強度補強を行ってもよい。また、蓋体710を取り外す際の把手760などを適宜設けることができる。
【0036】
本発明の一実施形態に係る包装用容器は、任意の形状の蓋体710を使用して容器本体100を閉蓋することができる。本発明の一実施形態に係る容器本体100に被せられる蓋体710は、容器本体100の周壁部に形成された段差部140に対し、内嵌合により容器本体100を閉蓋することができる。そのため、蓋体外周部720と蓋体上面部730との間に、容器本体100の段差部140と嵌合する蓋体嵌合部740を設けている。この蓋体嵌合部740の形状にあわせて段差部140の形状は任意に変更することができる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る容器本体100は、例えば真空成型、熱板圧空成型、真空圧空成型、両面真空成型等のシート成型で、合成樹脂シートを熱成型することにより形成されることができる。合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂で、単層や多層のシートを使用してもよく、有色又は無色透明でも、不透明であってもよく、非発泡樹脂製であってもよい。さらに、シートの表面または裏面を合成樹脂フィルムで覆ってもよく、表面を覆った場合は印刷を施してもよい。
【0038】
(変形例)
本発明の一実施形態に係る容器本体100は、上面視で円形又は楕円形に限定されず、上面視で多角形状であってもよい。図3は上面視で正八角形形状の例を示している。図3のように周壁部120が上面視で多角形の形状である場合は、支持部150も周壁部120に沿って形成される。
【0039】
以上のように本発明の実施形態を説明したが、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
100:容器本体、110:底面部、120:周壁部、130:上部開口、135:フランジ、140:段差部、150:支持部、152:終点側端部、154:始点側端部、410:副支持部、416終点側端部、418始点側端部、710:蓋体、720:蓋体外周部、730:蓋体上面部、740:蓋体嵌合部、750:リブ、760:把手
図1
図2
図3
図4