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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079407
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ブースター
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/18 20060101AFI20240604BHJP
   H04N 5/00 20110101ALI20240604BHJP
【FI】
H04B1/18 B
H04N5/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192329
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000113665
【氏名又は名称】マスプロ電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】日比野 孝俊
【テーマコード(参考)】
5K062
【Fターム(参考)】
5K062AA12
5K062AB13
5K062AB15
5K062AD03
5K062AF01
5K062AF04
5K062BD01
(57)【要約】
【課題】ブースターへの入力信号の供給元を変更する作業時に、変更に応じて必要となるスイッチ設定にミスが生じることを抑制する技術を提供する。
【解決手段】信号処理回路41は、スイッチSW21がCATVモードに設定されている場合、入力信号DN1をそのまま中間信号DNとして後段に出力する。信号処理回路41は、スイッチSW21が給電無UHFモード又は給電有UHFモードに設定されている場合、入力信号DN1からUHF信号の周波数帯域に属する信号を中間信号DNとして後段に出力する。信号処理回路41は、スイッチSW21が給電有UHFモードに設定されている場合、端子T1を介して、該端子T1とUHFアンテナとの間に接続される外部装置に対する給電を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
UHF信号又はCATV信号が入力される入力端子と、
前記入力端子から入力される入力信号を処理するように構成された信号処理回路と、
前記信号処理回路から出力される中間信号を少なくとも増幅するように構成された増幅回路と、
前記増幅回路にて処理された信号を出力する出力端子と、
前記信号処理回路での動作モードをCATVモード、給電無UHFモード、給電有UHFモードのいずれかに設定するために使用されるモード設定スイッチと、
を備え、
前記信号処理回路は、前記モード設定スイッチが前記CATVモードに設定されている場合、前記入力信号をそのまま前記中間信号とし、前記モード設定スイッチが前記給電無UHFモードに設定されている場合、前記入力信号から抽出される前記UHF信号の周波数帯域に属する信号を前記中間信号とし、前記モード設定スイッチが前記給電有UHFモードに設定されている場合、前記入力信号から抽出される前記UHF信号の周波数帯域に属する信号を前記中間信号とすると共に、前記入力端子を介して、該入力端子とUHFアンテナとの間に接続される外部装置に対する給電を行うように構成された、
ブースター。
【請求項2】
請求項1に記載のブースターであって、
前記信号処理回路は、
UHFの周波数帯の信号を抽出するように構成されたUHFフィルタと、
前記入力端子に給電用電源を印加するように構成されたUHF給電回路と、
当該信号処理回路に入力される前記入力信号を、そのまま通過させて後段に出力するように構成された第1制御ラインと、
前記入力信号を、前記UHFフィルタを介して後段に出力するように構成された第2制御ラインと、
前記入力信号を、前記UHFフィルタを介して後段に出力すると共に、前記UHF給電回路を作動させるように構成された第3制御ラインと、
前記モード設定スイッチの設定に従って、前記CATVモードの場合は前記第1制御ラインを選択し、前記給電無UHFモードの場合は前記第2制御ラインを選択し、前記給電有UHFモードの場合は前記第3制御ラインを選択して、前記入力端子と前記増幅回路との間を接続するように構成された経路切換回路と、
を備える
ブースター。
【請求項3】
請求項2に記載のブースターであって、
前記信号処理回路は、
前記経路切換回路にて前記第1制御ラインが選択された場合、前記UHFフィルタの入力側を短絡するように構成された短絡回路を更に備える
ブースター。
【請求項4】
請求項2に記載のブースターであって、
前記信号処理回路は、
前記経路切換回路にて前記第1制御ラインが選択された場合と、前記第2制御ライン又は前記第3制御ラインが選択された場合とで、異なる信号レベルを有するバイアス信号を生成するように構成されたバイアス生成回路を更に備え、
前記増幅回路は、
前記バイアス信号に従って前記中間信号の減衰量を変化させるように構成されたレベル調整器を含み、
前記レベル調整器の減衰量は、前記第1制御ラインを介して入力され前記レベル調整器にて調整後の前記CATV信号のレベルと、前記第2制御ライン又は前記第3制御ラインを介して入力され前記レベル調整器にて調整後の前記UHF信号のレベルとを、同程度に調整できるように設定された
ブースター。
【請求項5】
請求項1に記載のブースターであって、
前記中間信号の減衰量を設定するために使用される減衰量設定スイッチを更に備え、
前記増幅回路は、前記減衰量設定スイッチの設定に従った減衰量で、前記中間信号を減衰させるように構成された可変減衰器を含み、
前記可変減衰器の減衰量は、当該可変減衰器にて減衰後の前記CATV信号のレベルを、前記CATV信号が同軸回線の終端装置から取得されたか、光回線の終端装置から取得されたかによらず、同程度に調整できるように設定された
ブースター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、UHF信号及びCATV信号を増幅するブースターに関する。
【背景技術】
【0002】
UHF帯域のテレビ放送電波及びCATVに対応した共同受信用ブースターは、配電盤等に設置して使用される。ブースターは、UHF帯域のテレビ放送電波を受信するUHFモードと、CATVを受信するCATVモードとで、動作モードを切り替えることで、周波数帯域の異なる信号に対応できるように構成される。また、ブースターは、UHFモードでは、ブースターとアンテナとの間に挿入されるプリアンプへの電源供給の有無を切り替えることができるように構成される。
【0003】
非特許文献1には、動作モードの切換と、プリアンプへの電源供給の有無の切換とを、それぞれ個別に用意されたスイッチを用いて操作するように構成されたブースターが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】マスプロ電工株式会社「MASPRO総合カタログ2022」p76
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
UHFアンテナからの受信信号を入力するように接続され、かつ、プリアンプへの電源供給も行うように設定されているブースターを利用した地上波テレビ放送受信システムにおいて、CATVシステムからの信号を入力して動作するように設定を変更する場合を考える。
【0006】
この場合、従来のブースターでは、動作モードを設定するスイッチを、UHFからCATVに切り換えるだけでなく、プリアンプへの電源供給の有無を設定するスイッチを、供給有りから供給無しに切り換える必要がある。
【0007】
通常、CATVシステムからの信号は、保安器を介してブースターに供給される。この保安器からブースターの間には、ブースターの設置環境に応じてフィルタや減衰器等、給電を必要としない受動部品にて構成された外部装置が挿入される場合がある。
【0008】
そして、UHFからCATVへの切換作業において、動作モードを設定するスイッチの切換だけが行われ、電源供給の有無を設定するスイッチの切換が行われなかった場合を考える。この場合、前述の外部装置を構成する抵抗などに大きな電流が流れ、外部装置が発熱し、機能低下や故障を引き起こす原因となる可能性があった。
【0009】
本開示の1つの局面は、ブースターへの入力信号の供給元を変更する作業時に、変更に応じて必要となるスイッチ設定にミスが生じることを抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、ブースターであって、入力端子と、信号処理回路と、増幅回路と、出力端子と、モード設定スイッチと、を備える。入力端子は、UHF信号又はCATV信号が入力される。信号処理回路は、入力端子から入力される入力信号を処理するように構成される。増幅回路は、信号処理回路から出力される中間信号を少なくとも増幅するように構成される。出力端子は、増幅回路にて処理された信号を出力する。モード設定スイッチは、信号処理回路での動作モードをCATVモード、給電無UHFモード、給電有UHFモードのいずれかに設定するために使用される。信号処理回路は、モード設定スイッチがCATVモードに設定されている場合、入力信号をそのまま中間信号として出力する。信号処理回路は、モード設定スイッチが給電無UHFモードに設定されている場合、入力信号からから抽出される前記UHF信号の周波数帯域に属する信号を中間信号として出力する。信号処理回路は、モード設定スイッチが給電有UHFモードに設定されている場合、入力信号からから抽出される前記UHF信号の周波数帯域に属する信号を中間信号として出力すると共に、入力端子を介して、該入力端子とUHFアンテナとの間に接続される外部装置に対する給電を行うように構成される。
【0011】
このような構成によれば、動作モードの切換と、入力端子への給電の有無の切換とを、モード設定スイッチによって行うことができる。従って、ブースターを給電有UHFモードから、CATVモードに変更する作業時に、入力端子への給電停止を忘れずに行うことができる。その結果、入力端子とCATVシステムとの間に設けられる給電を必要としない外部装置に、不必要な給電が行われることによって、外部装置が発熱し、当該ブースターを構成要素とするシステムの機能低下や故障が生じることを抑制できる。
【0012】
本開示の一態様では、信号処理回路は、UHFフィルタと、UHF給電回路と、第1制御ラインと、第2制御ラインと、第3制御ラインと、経路切換回路と、を備えてもよい。UHFフィルタは、UHFの周波数帯の信号を抽出するように構成される。UHF給電回路は、入力端子に給電用電源を印加するように構成される。第1制御ラインは、当該信号処理回路に入力される入力信号を、そのまま通過させて後段に出力するように構成される。第2制御ラインは、入力信号を、UHFフィルタを介して後段に出力するように構成される。第3制御ラインは、入力信号を、UHFフィルタを介して後段に出力すると共に、UHF給電回路を作動させるように構成される。経路切換回路は、モード設定スイッチの設定に従って、CATVモードの場合は第1制御ラインを選択し、給電無UHFモードの場合は第2制御ラインを選択し、給電有UHFモードの場合は第3制御ラインを選択して、入力端子と増幅回路との間を接続するように構成される。
【0013】
このような構成によれば、動作モードの切換と、入力端子を介した給電の有無の切換とを、モード設定スイッチによって実現することができる。
本開示の一態様では、信号処理回路は、経路切換回路にて第1制御ラインが選択された場合、UHFフィルタの入力側を短絡するように構成された短絡回路を更に備えてもよい。
【0014】
このような構成によれば、UHFフィルタを使用しない動作モードにおいて、UHFフィルタからノイズが生じることを抑制でき、信号品質を向上させることができる。
本開示の一態様では、信号処理回路は、経路切換回路にて第1制御ラインが選択された場合と、第2制御ライン又は第3制御ラインが選択された場合とで、異なる信号レベルを有するバイアス信号を生成するように構成されたバイアス生成回路を更に備えてもよい。増幅回路は、バイアス信号に従って中間信号の減衰量を変化させるように構成されたレベル調整器を含んでもよい。レベル調整器の減衰量は、第1制御ラインを介して入力されレベル調整器にて調整後のCATV信号のレベルと、第2制御ライン又は第3制御ラインを介して入力されレベル調整器にて調整後のUHF信号のレベルとを、同程度に調整できるように設定されてもよい。
【0015】
このような構成によれば、ブースターからの出力レベルが、動作モードによって大きく異なってしまうことがなく、モード切換後の信号レベルの調整を、微調整程度で簡易に済ませることができる。
【0016】
本開示の一態様では、中間信号の減衰量を設定するために使用される減衰量設定スイッチを更に備えてもよい。増幅回路は、減衰量設定スイッチの設定に従った減衰量で、中間信号を減衰させるように構成された可変減衰器を含んでもよい。可変減衰器の減衰量は、可変減衰器にて減衰後のCATV信号のレベルを、CATV信号が同軸回線の終端装置から取得されたか、光回線の終端装置から取得されたかによらず、同程度に調整できるように設定されてもよい。
【0017】
このような構成によれば、CATV信号の取得先が同軸回線と光回線との間で変更された場合でも、減衰量設定スイッチを操作することによって、ブースターからの出力レベルが変更の前後で同程度となるように簡単に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ブースターの筐体天面におけるスイッチの配置等を示す平面図である。
図2】ブースターの全体構成を示すブロック図である。
図3】ブースターの第1下り回路の構成を示すブロック図である。
図4】信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.外観構成]
本実施形態のブースター1は、集合住宅の配電盤等に取り付けて使用される共同受信用のブースターである。図1及び図2に示すように、ブースター1は、箱状の筐体10を備える。配電盤に取り付けられた筐体10において、配電盤に接する面を底面、底面に対向する面を天面、底面と天面に挟まれた4つの面を側面という。
【0020】
ブースター1は、筐体10の底面に、筐体10を配電盤等に固定するための複数のねじ孔が形成された鍔部11を備える。また、鍔部11には、筐体10の接地に用いる機能アース用端子Gが設けられていてもよい。
【0021】
ブースター1は、筐体10の一つの側面に、電源線Lと、4つの端子T1~T4とを備える。
電源線Lは、その先端に、商用電源に接続されるプラグを有し、AC100Vの供給を受けるために用いられる。
【0022】
端子T1は、UHF信号の入力、又はCATV信号の入出力に用いられる。UHF信号は、地上デジタル放送に割り当てられた470MHz~710MHzの信号である。CATV信号は、70MHz~962MHzの下り信号(以下、CATV下り信号)と、10MHz~60MHzの上り信号(以下、CATV上り信号)とで構成される。CATV下り信号は、端子T1を介して入力され、CATV上り信号は、端子T1を介して出力される。
【0023】
端子T2は、BS・CS信号の入力、又は混合信号の入出力に用いられる。BS・CS信号は、BS放送及びCS放送に割り当てられた1030MHz~3224MHzの信号である。混合信号は、UHF信号又はCATV下り信号と、BS・CS信号とが混合された下り信号(以下、混合下り信号)と、CATV上り信号とで構成される。混合下り信号は、端子T2を介して入力され、CATV上り信号は、端子T2を介して出力される。
【0024】
端子T3は、端子T4から出力される信号の出力レベルをモニタするための測定用端子である。
端子T4は、端子T1,T2を介して入力される信号の出力、及びCATV上り信号の入力に用いられる。端子T4から出力される信号には、UHF信号又はCATV信号が含まれ、更に、BS・CS信号が含まれてもよい。端子T4は、外部からブースター1に直流電源(例えば、DC15V)を供給する場合にも用いられる。
【0025】
ブースター1は、筐体10の天面に、複数のスイッチSW1,SW21,SW22,SW31,SW33,SW41,SW43と、複数のボリュームVR23,VR32,VR42とを備える。
【0026】
スイッチSW1は、CATV下り信号又はUHF信号と、BS・CS信号とを、「別入力」とするか、「混合入力」とするかを選択するために用いられる。スイッチSW1を「別入力」に設定した場合、端子T1にCATV下り信号又はUHF信号が入力され、端子T2にBS・CS信号が入力されるように、ブースター1を接続する。「混合入力」に設定した場合、端子T1を不使用とし、端子T2に混合下り信号が入力されるように、ブースター1を接続する。
【0027】
スイッチSW21,SW22,及びボリュームVR23は、CATV下り信号又はUHF信号に関連する設定を行うために用いられる。
スイッチSW21は、受信モードを、CATVモード、給電無UHFモード、給電有UHFモードの3段に切り替える。但し、図1におけるスイッチSW21の表示では、CATVモードは、「CATV下り[V-ONU接続]」と表示され、給電有UHFモードは、「UHF(給電ON)」と表示され、給電無UHFモードは、単に「UHF」と表示される。以下では、給電無UHFモード及び給電有UHFモードを総称して、単に、UHFモードともいう。
【0028】
CATVモードは、UHF信号とCATV信号とのうち、CATV信号を用いる場合に選択される。なお、光回線の終端装置(以下、V-ONU)を介して光ケーブルを引き込むように構成される場合も、CATVモードが選択される。
【0029】
UHFモードは、UHF信号とCATV信号とのうち、UHF信号を用いる場合に選択される。但し、給電有UHFモードは、端子T1とUHFアンテナとを接続する伝送線路中にプリアンプ等が接続されることで、端子T1を介した給電(例えば、DC15Vの供給)が必要な場合に選択される。給電無UHFモードは、端子T1を介した給電が不要な場合に選択される。
【0030】
スイッチSW22は、端子T1又は端子T2を介して入力されるUHF信号又はCATV下り信号のレベルを調整する減衰器での減衰量を設定する。例えば、10dB,0dB,20dBの3段階の調整ができるように構成されてもよい。
【0031】
ボリュームVR23は、端子T1又は端子T2を介して入力され、端子T3及び端子T4から出力されるUHF信号又はCATV下り信号を増幅する増幅器の利得を調整する。
スイッチSW31,SW33、及びボリュームVR32は、BS・CS信号に関連する設定を行うために用いられる。
【0032】
スイッチSW31は、端子T2を介して入力されるBS・CS信号の入力レベルを調整する減衰器での減衰量を設定する。例えば、10dB,0dB,20dBの3段階の調整ができるように構成されてもよい。
【0033】
ボリュームVR32は、端子T2を介して入力され、端子T3,T4から出力されるBS・CS信号を増幅する増幅器の利得を調整する。
スイッチSW33は、端子T2とBS・CSアンテナとを接続する伝送線路中に衛星アンテナ用のコンバータ等が接続されることで、端子T2を介した給電(例えば、DC15Vの供給)が必要であればオンに設定され、端子T2を介した給電が不要であればオフに設定される。
【0034】
スイッチSW41,SW43,ボリュームVR42は、端子T4を介して入力されるCATV上り信号に対する設定を行う。
スイッチSW43は、端子T4から入力されるCATV上り信号の入力レベルを調整する減衰器での減衰量を設定する。例えば、0dB,10dBの2段階の調整ができるように構成されてもよい。
【0035】
ボリュームVR42は、端子T4から入力され、端子T1又は端子T2から出力されるCATV上り信号を増幅する増幅器の利得を調整する。
スイッチSW41は、端子T4を介して入力されるCATV上り信号の帯域を、「上りカット」「10~60MHz」「30~60MHz」の3段階で切り替える。「上りカット」は、端子T4を介したCATV上り信号の入力がない場合に設定される。「10~60MHz」は、CATV上り信号のために用意された上り信号用帯域をフルで使用する場合に設定される。「30~60MHz」は、例えば、30MHzより低い周波数の低周波ノイズが多い場合等、上り信号用帯域の広域側だけを使用する場合に設定される。
【0036】
[2.機能構成]
図2に示すように、ブースター1は、電源分離フィルタ2,3と、第1下り回路4と、第2下り回路5と、上り回路6と、コンバータ給電回路7と、入力切換回路8と、電源回路9と、第1~第4ダイプレクサ21~24とを備える。
【0037】
コンバータ給電回路7は、スイッチSW33の設定に従って、電源回路9にて生成される給電用電源+Bの電源分離フィルタ2への供給、遮断を切り替える。
電源分離フィルタ2は、端子T2から入力される下り信号を第1ダイプレクサ21へ出力すると共に、第1ダイプレクサ21から入力される上り信号を端子T2に出力し、下り信号及び上り信号がコンバータ給電回路7へ出力されることを阻止する。また、電源分離フィルタ2は、コンバータ給電回路7を介して入力される給電用電源+Bを、端子T2へ出力し、第1ダイプレクサ21へ出力されることを阻止する。
【0038】
第1ダイプレクサ21は、電源分離フィルタ2からの入力信号を、UHF信号及びCATV下り信号の周波数帯を含む第1下り信号DN1と、BS・CS信号の周波数帯を含む第2下り信号DN2とに分離して、第1下り信号DN1を入力切換回路8へ出力し、第2下り信号DN2を第2下り回路5へ出力する。第1ダイプレクサ21は、入力切換回路8からの入力信号(すなわち、CATV上り信号)を、電源分離フィルタ2に出力し、第2下り回路5へ出力されることを阻止する。
【0039】
入力切換回路8は、スイッチSW1の設定に従って、UHF信号又はCATV下り信号を端子T1から入力し、BS・CS信号を端子T2から入力する「別入力」とするか、両信号をいずれも端子T2から入力する「混合入力」とするかを切り替える。スイッチSW1が「別入力」に設定されている場合、入力切換回路8は、端子T1と第2ダイプレクサ22とを導通させ、端子T1からの入力信号(すなわち、UHF信号又はCATV下り信号)を第2ダイプレクサ22に出力し、第2ダイプレクサ22からの入力信号(すなわち、CATV上り信号)を端子T1に出力する。スイッチSW1が「混合入力」に設定されている場合、入力切換回路8は、第1ダイプレクサ21と第2ダイプレクサ22とを導通させ、端子T2から入力され第1ダイプレクサ21を介して供給される第1下り信号DN1(すなわち、UHF信号又はCATV下り信号)を第2ダイプレクサ22に出力し、第2ダイプレクサ22からの入力信号(すなわち、CATV上り信号)を、第1ダイプレクサ21を介して端子T2に出力する。
【0040】
第2ダイプレクサ22は、入力切換回路8からの入力信号(すなわち、UHF信号及びCATV信号下り信号)を第1下り回路4に出力し、上り回路6に出力されることを阻止する。第2ダイプレクサ22は、上り回路6からの入力信号(すなわち、CATV上り信号)を入力切換回路8に出力し、第1下り回路4に出力されることを阻止する。
【0041】
第1下り回路4は、第2ダイプレクサ22からの入力信号(すなわち、UHF信号又はCATV下り信号)を、スイッチSW21,SW22、及びボリュームVR23の設定に従ってレベル調整等を行って、第3ダイプレクサ23に出力する。また、第1下り回路4は、端子T1を介した外部装置への給電の有無を切り替える。第1下り回路4の詳細については、後述する。
【0042】
第2下り回路5は、端子T2から入力され第1ダイプレクサ21を介して供給される第2下り信号DN2(すなわち、BS・CS信号)を、スイッチSW31、及びボリュームVR32の設定に従ってレベル調整等をして第4ダイプレクサ24に出力する。
【0043】
上り回路6は、第3ダイプレクサ23からの入力信号(すなわち、CATV上り信号)を、スイッチSW41,SW43、及びボリュームVR42の設定に従ってレベル調整等を行って、第2ダイプレクサ22に出力する。
【0044】
第3ダイプレクサ23は、第1下り回路4からの入力信号(すなわち、UHF信号又はCATV下り信号)を第4ダイプレクサ24に出力し、上り回路6に出力されることを阻止する。第3ダイプレクサ23は、第4ダイプレクサ24からの入力信号(すなわち、CATV上り信号)を上り回路6に出力し、第1下り回路4に出力されることを阻止する。
【0045】
第4ダイプレクサ24は、第3ダイプレクサ23からの入力信号(すなわち、UHF信号又はCATV下り信号)を電源分離フィルタ3に出力し、第2下り回路5に出力されることを阻止する。第4ダイプレクサ24は、第2下り回路5からの入力信号(すなわち、BS・CS信号)を電源分離フィルタ3に出力し、第3ダイプレクサ23に出力されることを阻止する。つまり、第4ダイプレクサ24は、第3ダイプレクサ23からの入力信号と、第2下り回路5からの入力信号とが混合された混合信号DOを、電源分離フィルタ3に出力する。また、第4ダイプレクサ24は、電源分離フィルタ3からの入力信号(すなわち、CATV上り信号)を第3ダイプレクサ23に出力し、第2下り回路5に出力されることを阻止する。端子T3は、混合信号DOをモニタできるように接続される。
【0046】
電源分離フィルタ3は、第4ダイプレクサ24からの入力信号(すなわち、混合信号DO)を、端子T4に出力すると共に、端子T4から入力される上り信号(すなわち、CATV上り信号)を、第4ダイプレクサ24に出力し、下り信号及び上り信号が電源回路9に出力されることを阻止する。また、電源分離フィルタ3は、端子T4から入力される直流電源(例えば、DC15V)を、電源回路9に出力し、第4ダイプレクサ24へ出力されることを阻止する。
【0047】
電源回路9は、電源線Lを介してAC100Vの供給を受けていない場合、電源分離フィルタ3を介して供給される直流電源を、そのまま端子T1及び端子T2を介した外部装置への給電に用いる給電用電源+Bとして出力する。電源回路9は、電源線Lを介してAC100Vの供給を受けている場合、AC-DC変換を行うことで、給電用電源+Bを生成する。また、電源回路9は、給電用電源+Bを降圧してDC12Vの制御用電源+Dを生成し、ブースター1を構成する各回路に供給する。
【0048】
ブースター1では、スイッチSW1の設定が「別入力」である場合、端子T1からUHF信号又はCATV下り信号が入力され、端子T2からBS・CS信号が入力される。端子T1からの入力信号は、第1下り回路4にてレベル調整等が行われ、端子T2からの入力信号は、第2下り回路5にてレベル調整等が行われる。第1下り回路4及び第2下り回路5にてレベル調整が行われた両信号は混合され、端子T4から出力される。
【0049】
スイッチSW1の設定が「混合入力」である場合、端子T2から混合信号が入力され、端子T1は不使用となる。端子T2からの混合信号は、第1ダイプレクサ21にて、UHF信号又はCATV下り信号と、BS・CS信号とに分離され、UHF信号又はCATV下り信号は、第1下り回路4に供給され、BS・CS信号は、第2下り回路5に供給される。以下の動作は、スイッチSW1の設定が「別入力」である場合と同様である。
【0050】
端子T4に外部から印加される直流電源は、電源分離フィルタ3にて他の信号とは分離されて電源回路9に供給され、給電用電源+B及び制御用電源+Dに変換されて、各部に供給される。なお、給電用電源+Bは、第1下り回路4を介して端子T1に重畳されると共に、コンバータ給電回路7を介して端子T2に重畳される。
【0051】
端子T4から入力されるCATV上り信号は、電源分離フィルタ3にて直流電源とは分離され、更に、第4ダイプレクサ24及び第3ダイプレクサ23を介して上り回路6に供給される。上り回路6は、供給されたCATV上り信号を、レベル調整等を行って、第2ダイプレクサ22を介して入力切換回路8に供給する。
【0052】
入力切換回路8は、スイッチSW1の設定が「別入力」である場合、CATV上り信号を、端子T1へ出力し、スイッチSW1の設定が「混合入力」である場合、CATV上り信号を、第1ダイプレクサ21を介して端子T2へ出力する。
【0053】
[3.第1下り回路]
第1下り回路4の詳細を、図3及び図4を用いて説明する。
図3に示すように、第1下り回路4は、信号処理回路41と、可変減衰器42と、第1増幅器43と、レベル調整器44と、第2増幅器45とを備える。
【0054】
信号処理回路41は、スイッチSW21の設定に応じた中間信号DN及びバイアス信号BIの生成、及び端子T1を介した外部への給電の有無の切り換えを実行する。その詳細については後述する。
【0055】
可変減衰器42は、経路切換回路421と、3つの減衰ラインAL1,AL2,AL3とを備える。
経路切換回路421は、スイッチSW22の設定に従って、3つの減衰ラインAL1,AL2,AL3のいずれかを選択して、信号処理回路41の出力端と第1増幅器43の入力端との間を接続する。
【0056】
経路切換回路421は、スイッチSW22の設定が「10dB」の場合に減衰ラインAL1を選択し、スイッチSW22の設定が「0dB」の場合に減衰ラインAL2を選択し、スイッチSW22の設定が「20dB」の場合に減衰ラインAL3を選択する。
【0057】
減衰ラインAL1は、通過する中間信号DNの強度が10dB低下するように構成される。減衰ラインAL2は、通過する中間信号DNの強度をそのまま維持するように構成される。減衰ラインAL3は、通過する中間信号DNの強度が20dB低下するように構成される。減衰ラインAL1~AL3の減衰量は、例えば、CATV信号を同軸回線から取得する場合と光回線から取得する場合とで生じるレベル差を、相殺できるようにすることを考慮して設定されてもよい。
【0058】
第1増幅器43は、可変減衰器42から供給される信号を、所定の増幅率にて増幅する。
レベル調整器44は、バイアス信号BIの信号レベルに応じて減衰量が変化する半導体減衰器であり、第1増幅器43で増幅された信号を減衰させる。レベル調整器44は、バイアス信号BIがCATVモードであることを表している場合、信号レベルを7dB減衰させ、バイアス信号BIがUHFモードであることを表している場合、信号を減衰させることなく、そのまま通過させるように構成される。つまり、レベル調整器44は、ブースター1の後段に接続される装置において処理可能な信号範囲が、CATVモードか、UHFモードかによらず同じ範囲となるように、減衰量が設定される。つまり、レベル調整器44にて調整後のCATV信号のレベルを同程度することができるように減衰量が設定される。
【0059】
第2増幅器45は、レベル調整器44から供給される信号を、ボリュームVR23の設定に応じた増幅率にて増幅して後段(すなわち、第3ダイプレクサ23)に供給する。
図4に示すように、信号処理回路41は、給電電圧重畳回路410と、ハイパスフィルタ(以下、HPF)411と、制御電圧重畳回路412と、経路切換回路413と、UHFフィルタ414と、短絡回路415と、バイアス生成回路416と、UHF給電回路417とを備える。
【0060】
給電電圧重畳回路410は、第1下り回路4から第2ダイプレクサ22に出力される信号に、UHF給電回路417を介して供給される給電用電圧+Bを重畳する。
HPF411は、第1下り回路4に入力される信号から直流成分(すなわち、給電電圧重畳回路410を介して重畳される給電用電圧+B)を除去して、制御電圧重畳回路412に出力する。
【0061】
制御電圧重畳回路412は、HPF411からの入力信号に、後段の回路の駆動に用いる制御用電圧+Dを重畳する。
経路切換回路413は、スイッチSW21の設定に従って、制御電圧重畳回路412の出力端と信号処理回路41の出力端との間を、3つの制御ラインCL1,CL2,CL3のいずれかを選択して接続する。
【0062】
経路切換回路413は、スイッチSW21の設定が「CATVモード」の場合に第1制御ラインCL1を選択し、スイッチSW21の設定が「給電無UHFモード」の場合に第2制御ラインCL2を選択し、スイッチSW21の設定が「給電有UHFモード」の場合に第3制御ラインCL3を選択する。
【0063】
第1制御ラインCL1は、入力信号をそのまま通過させるように構成される。
第2制御ラインCL2は、入力信号からUHF信号の周波数帯に含まれる信号を抽出するUHFフィルタ414が挿入される。
【0064】
また、第2制御ラインCL2は、短絡回路415を備える。短絡回路415は、経路切換回路413により第1制御ラインCL1が選択されている場合、すなわち、CATVモードに設定されている場合に、UHFフィルタ414の上流側を短絡するように構成される。これは、CATVモードに設定されている時に、使用されていないUHFフィルタ414がノイズ源となることを抑制するための構成である。なお、第1制御ラインCL1が選択されているか否かの判定は、例えば、第1制御ラインCL1に制御用電圧+Dが重畳されているか否かによって判定してもよい。第2制御ラインCL2及び第3制御ラインCL3が選択されているか否かの判定も、同様である。
【0065】
第3制御ラインCL3は、第2制御ラインCL2に接続され、第2制御ラインCL2が選択された場合と同様に動作する。
バイアス生成回路416は、経路切換回路413が第1制御ラインCL1を選択している場合(すなわち、スイッチSW1の設定が「CATVモード」の場合)と、第2制御ラインCL2又は第3制御ラインCL3を選択している場合(スイッチSW1の設定が「給電無UHFモード」又は「給電有UHFモード」の場合)とで、異なった信号レベルを有するバイアス信号BIを生成する。バイアス信号BIは、レベル調整器44に供給される。
【0066】
UHF給電回路417は、経路切換回路413が第3制御ラインCL3を選択している場合(すなわち、スイッチSW1の設定が「給電有UHFモード」の場合)にのみ、給電電圧重畳回路410に、給電用電圧+Bを供給するように構成される。
【0067】
つまり、第1下り回路4では、入力信号から給電用電圧+Bが除去された後、改めて、入力信号に制御用電圧+Dが重畳される。
このように構成された第1下り回路4では、スイッチSW21の設定が「CATVモード」である場合、制御用電圧+Dが重畳された入力信号は、第1制御ラインCL1に供給され、そのまま後段の可変減衰器42に供給される。このとき、バイアス生成回路416からは、CATVモードに対応した信号レベルを有するバイアス信号BIが出力される。このとき、第2制御ラインCL2に挿入されたUHFフィルタ414は、その入力側が短絡回路415によって短絡した状態、すなわち、動作不能な状態に保持される。また、UHF給電回路417は、給電用電圧+Bの供給を行わない停止状態に保持される。
【0068】
スイッチSW21の設定が「給電無UHFモード」である場合、制御用電圧+Dが重畳された入力信号は、第2制御ラインCL2に供給される。この場合、短絡回路415は作動せず、UHFフィルタ414が作動するため、入力信号は、UHF帯以外の信号が除去された状態で、後段の可変減衰器42に供給される。また、バイアス生成回路416からは、UHFモードに対応した信号レベルを有するバイアス信号BIが出力される。また、UHF給電回路417は、給電用電圧+Bの供給を行わない停止状態に保持される。
【0069】
スイッチSW21の設定が「給電有UHFモード」である場合、制御用電圧+Dが重畳された入力信号は、第3制御ラインCL3に供給される。この場合、UHF給電回路417以外は、スイッチSW1の設定が「給電無UHFモード」である場合と同様に動作する。UHF給電回路417は、給電用電圧+Bの供給を行う稼働状態になり、端子T1を介した外部への給電が行われる。
【0070】
[4.用語の対応]
本実施形態において、端子T1が、本開示における入力端子に相当し、端子T4が本開示における出力端子に相当する。また、スイッチSW21が、本開示におけるモード設定スイッチに相当し、スイッチSW22が、本開示における減衰量設定スイッチに相当する。また、可変減衰器42、第1増幅器43、レベル調整器44、及び第2増幅器45が、本開示における増幅回路に相当する。
【0071】
[5.効果]
以上説明したように、ブースター1では、動作モードを「CATVモード」にするか、「UHFモード」にするかの選択と、「UHFモード」において、UHFアンテナとの間に挿入されるプリアンプ等への給電を行うか否かの選択とを、一つのスイッチSW21にて行うように構成されている。
【0072】
従って、ブースター1が使用された共同受信システムにおいて、UHFモードからCATVモードへの切換作業を行う際に、端子T1を介した外部への給電を、確実に停止することができる。その結果、CATVの信号レベルを抑制するための端子T1と保安器等との間に挿入される減衰器等の受動部品にて構成される外部装置に、不要な給電が行われることを原因とする、外部装置の発熱、システムの機能低下、及び故障等を抑制できる。
【0073】
ブースター1によれば、従来、別々に設けられていた2つのスイッチが、1つのスイッチSW21に統合されているため、部品点数の削減、及び製品の小型化を実現できる。
ブースター1では、「CATVモード」か「UHFモード」かによって、信号レベルの異なるバイアス信号BIを生成し、このバイアス信号BIを用いて、出力レベルがモードによらず同程度となるようにレベル調整器44が自動調整する。従って、ブースター1の出力レベルを調整するスイッチの調整量が、動作モードによって、大きく異なってしまうことがなく、モード切換後の信号レベルの調整を微調整程度で簡易に済ませることができる。その結果、調整工数が削減されるため、作業効率を向上させることができる。
【0074】
ブースター1では、CATVモードの場合、UHFモードで使用するUHFフィルタ414の入力を短絡して、UHFフィルタ414が作動しないようにされている。従って、CATVモードでの作動時に、UHFフィルタ414等の不使用回路から発生するノイズを抑制でき信号品質を向上させることができる。
【0075】
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0076】
上記実施形態では、スイッチSW21において、CATV信号を同軸回線から取得する場合と光回線から取得する場合とを同じ設定とし、スイッチSW22によって操作される可変減衰器42によって、両者間のレベル差を調整できるように構成されている。これに対して、例えば、スイッチSW21の切換を4段階として、CATV信号を用いる場合でも、同軸回線から取得するか光回線から取得するかを別の設定として、いずれを選択されても、減衰後の出力レベルが同程度となるよう自動調整されるように構成されてもよい。
【0077】
[7.本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
UHF信号又はCATV信号が入力される入力端子(T1)と、
前記入力端子から入力される入力信号を処理するように構成された信号処理回路(41)と、
前記信号処理回路から出力される中間信号を少なくとも増幅するように構成された増幅回路(42~45)と、
前記増幅回路にて処理された信号を出力する出力端子(T4)と、
前記信号処理回路での動作モードをCATVモード、給電無UHFモード、給電有UHFモードのいずれかに設定するために使用されるモード設定スイッチ(SW21)と、
を備え、
前記信号処理回路は、前記モード設定スイッチが前記CATVモードに設定されている場合、前記入力信号をそのまま前記中間信号とし、前記モード設定スイッチが前記給電無UHFモードに設定されている場合、前記入力信号からから抽出される前記UHF信号の周波数帯域に属する信号を前記中間信号とし、前記モード設定スイッチが前記給電有UHFモードに設定されている場合、前記入力信号からから抽出される前記UHF信号の周波数帯域に属する信号を前記中間信号とすると共に、前記入力端子を介して、該入力端子とUHFアンテナとの間に接続される外部装置に対する給電を行うように構成された、
ブースター。
【0078】
[項目2]
項目1に記載のブースターであって、
前記信号処理回路は、
UHFの周波数帯の信号を抽出するように構成されたUHFフィルタ(414)と、
前記入力端子に給電用電源を印加するように構成されたUHF給電回路(417)と、
当該信号処理回路に入力される前記入力信号を、そのまま通過させて後段に出力するように構成された第1制御ライン(CL1)と、
前記入力信号を、前記UHFフィルタを介して後段に出力するように構成された第2制御ライン(CL2)と、
前記入力信号を、前記UHFフィルタを介して後段に出力すると共に、前記UHF給電回路を作動させるように構成された第3制御ライン(CL3)と、
前記モード設定スイッチの設定に従って、前記CATVモードの場合は前記第1制御ラインを選択し、前記給電無UHFモードの場合は前記第2制御ラインを選択し、前記給電有UHFモードの場合は前記第3制御ラインを選択して、前記入力端子と前記増幅回路との間を接続するように構成された経路切換回路(413)と、
を備える
ブースター。
【0079】
[項目3]
項目2に記載のブースターであって、
前記信号処理回路は、
前記経路切換回路にて前記第1制御ラインが選択された場合、前記UHFフィルタの入力側を短絡するように構成された短絡回路(415)を更に備える
ブースター。
【0080】
[項目4]
項目2又は項目3に記載のブースターであって、
前記信号処理回路は、
前記経路切換回路にて前記第1制御ラインが選択された場合と、前記第2制御ライン又は前記第3制御ラインが選択された場合とで、異なる信号レベルを有するバイアス信号を生成するように構成されたバイアス生成回路(416)を更に備え、
前記増幅回路は、
前記バイアス信号に従って前記中間信号の減衰量を変化させるように構成されたレベル調整器(44)を含み、
前記レベル調整器の減衰量は、前記第1制御ラインを介して入力され前記レベル調整器にて調整後の前記CATV信号のレベルと、前記第2制御ライン又は前記第3制御ラインを介して入力され前記レベル調整器にて調整後の前記UHF信号のレベルとを、同程度に調整できるように設定された
ブースター。
【0081】
[項目5]
項目1から項目4までのいずれか1項に記載のブースターであって、
前記中間信号の減衰量を設定するために使用される減衰量設定スイッチ(SW22)を更に備え、
前記増幅回路は、前記減衰量設定スイッチの設定に従った減衰量で、前記中間信号を減衰させるように構成された可変減衰器(42)を含み、
前記可変減衰器の減衰量は、当該可変減衰器にて減衰後の前記CATV信号のレベルを、前記CATV信号が同軸回線の終端装置から取得されたか、光回線の終端装置から取得されたかによらず、同程度に調整できるように設定された
ブースター。
【符号の説明】
【0082】
1…ブースター、2,3…電源分離フィルタ、4…第1下り回路、5…第2下り回路、6…上り回路、7…コンバータ給電回路、8…入力切換回路、9…電源回路、10…筐体、11…鍔部、21~24…第1~第4ダイプレクサ、41…信号処理回路、42…可変減衰器、43…第1増幅器、44…レベル調整器、45…第2増幅器、410…給電電圧重畳回路、411…HPF、412…制御電圧重畳回路、413,421…経路切換回路、414…UHFフィルタ、415…短絡回路、416…バイアス生成回路、417…UHF給電回路、AL1~AL3…減衰ライン、CL1~CL3…制御ライン、G…機能アース用端子、L…電源線、SW1,SW21,SW22,SW31,SW33,SW41,SW43…スイッチ、VR23,VR32,VR42…ボリューム、T1~T4…端子。
図1
図2
図3
図4