(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079427
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20240604BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240604BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20240604BHJP
G03B 19/02 20210101ALI20240604BHJP
G03B 17/17 20210101ALI20240604BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G03B30/00
G02B7/02 C
G02B7/08 A
G03B19/02
G03B17/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192371
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】321009166
【氏名又は名称】シャープセンシングテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 華乃
(72)【発明者】
【氏名】石末 義人
【テーマコード(参考)】
2H044
2H054
2H101
【Fターム(参考)】
2H044AC01
2H044AJ02
2H044AJ04
2H044AJ06
2H044DA01
2H054BB02
2H101FF08
(57)【要約】
【課題】第1のレンズブロックに保持される第1のレンズ群の光学中心及び第2のレンズブロックに保持され駆動される第2のレンズ群の光学中心を高い精度で互いに合わせることができるカメラモジュールを提供する。
【解決手段】カメラモジュールは、第1のレンズ群と、前記第1のレンズ群を保持し、第1の面を有する第1のレンズブロックと、第2のレンズ群と、前記第2のレンズ群を保持し、前記第2のレンズ群を光軸方向に駆動する駆動機構を備え、前記第1の面に対向する第2の面を有する第2のレンズブロックと、を備え、前記第1の面及び前記第2の面の一方に、第1の穴が形成され、前記第1の面及び前記第2の面の他方に、前記第1の穴に嵌合される第1の軸が形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過させる第1のレンズ群と、
前記第1のレンズ群を保持し、第1の面を有する第1のレンズブロックと、
前記光を透過させる第2のレンズ群と、
前記第2のレンズ群を保持し、前記第2のレンズ群を光軸方向に駆動する駆動機構を備え、前記第1の面に対向する第2の面を有する第2のレンズブロックと、
を備え、
前記第1の面及び前記第2の面の一方に、円周面状の形状を有する第1の内周面を有する第1の穴が形成され、
前記第1の内周面は、前記第1の穴が前記第1の面に形成される場合は、前記第1のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有し、前記第1の穴が前記第2の面に形成される場合は、前記第2のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有し、
前記第1の面及び前記第2の面の他方に、円周面状の形状を有する第1の外周面を有し前記第1の穴に嵌合される第1の軸が形成され、
前記第1の外周面は、前記第1の軸が前記第2の面に形成される場合は、前記第2のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有し、前記第1の軸が前記第1の面に形成される場合は、前記第1のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有する
カメラモジュール。
【請求項2】
前記第1の面は、前記第1の面の一部を占める第1の平面を含み、
前記第2の面は、前記第2の面の一部を占め、前記第1の平面に面接触する第2の平面を含む
請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第1の面及び前記第2の面の一方に、前記第1のレンズ群の光学中心及び前記第2のレンズ群の光学中心からずらして第1の凹部が形成され、
前記第1の面及び前記第2の面の他方に、前記第1の凹部に挿入される第1の凸部が形成される
請求項1又は2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記第1のレンズブロックに、第1のシャフト穴が形成され、
前記第2のレンズブロックに、第2のシャフト穴が形成され、
前記第1のシャフト穴及び前記第2のシャフト穴に跨って配置されるシャフトを備える
請求項1又は2に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記第2のレンズブロックは、第1の対向面を有し、
前記光により形成される像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子を保持し、前記第1の対向面に対向する第2の対向面を有する撮像ブロックと、
を備え、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の一方に、円周面状の形状を有する第2の内周面を有する第2の穴が形成され、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の他方に、円周面状の形状を有する第2の外周面を有し前記第2の穴に嵌合される第2の軸が形成される
請求項1又は2に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第1の対向面は、前記第1の対向面の一部を占める第3の平面を含み、
前記第2の対向面は、前記第2の対向面の一部を占め、前記第3の平面に面接触する第4の平面を含む
請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の一方に、前記第1のレンズ群の光学中心及び前記第2のレンズ群の光学中心からずらして第2の凹部が形成され、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の他方に、前記第2の凹部に挿入される第2の凸部が形成される
請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記第1のレンズブロックに、第1のシャフト穴が形成され、
前記第2のレンズブロックに、第2のシャフト穴が形成され、
前記撮像ブロックに、第3のシャフト穴が形成され、
前記第1のシャフト穴、前記第2のシャフト穴及び前記第3のシャフト穴に跨って配置されるシャフトを備える
請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記光を反射する反射素子と、
前記反射素子を保持し、第3の対向面を有する反射ブロックと、
を備え、
前記第1のレンズブロックは、前記第3の対向面に対向する第4の対向面を有し、
前記第3の対向面及び前記第4の対向面の一方に、円周面状の形状を有する第3の内周面を有する第3の穴が形成され、
前記第3の対向面及び前記第4の対向面の他方に、円周面状の形状を有する第3の外周面を有し前記第3の穴に嵌合される第3の軸が形成される
請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記第3の対向面は、前記第3の対向面の一部を占める第5の平面を含み、
前記第4の対向面は、前記第4の対向面の一部を占め、前記第5の平面に面接触する第6の平面を含む
請求項9に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記第3の対向面及び前記第4の対向面の一方に、前記第1のレンズ群の光学中心及び前記第2のレンズ群の光学中心からずらして第3の凹部が形成され、
前記第3の対向面及び前記第4の対向面の他方に、前記第3の凹部に挿入される第3の凸部が形成される
請求項9に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記第1のレンズブロックに、第1のシャフト穴が形成され、
前記第2のレンズブロックに、第2のシャフト穴が形成され、
前記撮像ブロックに、第3のシャフト穴が形成され、
前記反射ブロックに、第4のシャフト穴が形成され、
前記第1のシャフト穴、前記第2のシャフト穴、前記第3のシャフト穴及び前記第4のシャフト穴に跨って配置されるシャフトを備える
請求項9に記載のカメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、カメラモジュールを開示する。当該カメラモジュールにおいては、センサ基板の四隅に複数の位置決め用凹部が設けられる。また、ベース部材の四隅に複数の位置決め用凸部が設けられる。複数の位置決め用凸部は、複数の位置決め用凹部に対応する位置にそれぞれ設けられる。複数の位置決め用凹部及び複数の位置決め用凸部の組み合わせは、センサ基板とベース部材との位置決めをするための位置決め部材として働く(段落0036及び0058)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたカメラモジュールに備えられる位置決め部材がレンズ群を保持するレンズブロック及びレンズ群を保持しレンズ群を光軸方向に駆動するアクチュエータブロックを互いに位置決めするために用いられた場合は、前者のレンズ群の光学中心及び後者のレンズ群の光学中心高い精度で互いに合わせることができない場合がある。
【0005】
本開示は、この問題に鑑みてなされた、本開示の一態様は、例えば、第1のレンズブロックに保持される第1のレンズ群の光学中心及び第2のレンズブロックに保持され駆動される第2のレンズ群の光学中心を高い精度で互いに合わせることができるカメラモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のカメラモジュールは、光を透過させる第1のレンズ群と、
前記第1のレンズ群を保持し、第1の面を有する第1のレンズブロックと、
前記光を透過させる第2のレンズ群と、
前記第2のレンズ群を保持し、前記第2のレンズ群を光軸方向に駆動する駆動機構を備え、前記第1の面に対向する第2の面を有する第2のレンズブロックと
、を備え、前記第1の面及び前記第2の面の一方に、円周面状の形状を有する第1の内周面を有する第1の穴が形成され、
前記第1の内周面は、前記第1の穴が前記第1の面に形成される場合は、前記第1のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有し、
前記第1の穴が前記第2の面に形成される場合は、
前記第2のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有し、前記第1の面及び前記第2の面の他方に、
円周面状の形状を有する第1の外周面を有し前記第1の穴に嵌合される第1の軸が形成され、前記第1の外周面は、前記第1の軸が前記第2の面に形成される場合は、前記第2のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有し、前記第1の軸が前記第1の面に形成される場合は、前記第1のレンズ群の光学中心に一致する中心軸を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態のカメラモジュールを模式的に図示する斜視図である。
【
図2】
図1に描かれた切断線A-Aの位置における第1実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
【
図3】第1実施形態のカメラモジュールに備えられる、フォーカシングのための要素のブロック図である。
【
図4】
図1に描かれた切断線B-Bの位置における第1実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
【
図5】第1実施形態のカメラモジュールに備えられる第1のレンズブロック及び第2のレンズブロックの組、第2のレンズブロック及び撮像ブロックの組又は反射ブロック及び第1のレンズブロックの組を模式的に図示する斜視図である。
【
図6】第2実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
【
図7】第3実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
【
図8】第3実施形態のカメラモジュールの、当該カメラモジュールに備えられる凸部及び凹部の付近の断面を模式的に図示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
1 第1実施形態
1.1 カメラモジュール
図1は、第1実施形態のカメラモジュールを模式的に図示する斜視図である。
図2は、
図1に描かれた切断線A-Aの位置における第1実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
図2は、第1実施形態のカメラモジュールの中央部を当該カメラモジュールの光軸方向に切断することにより得られる断面を図示する。
【0010】
図1及び
図2に図示される実施形態1のカメラモジュール1は、物体により発せられる光を受け、受けた光に応じた電気信号を出力する。
【0011】
図1及び
図2に図示されるように、カメラモジュール1は、反射素子11、第1のレンズ群12、第2のレンズ群13、赤外線カットフィルタ14、撮像部15、反射ブロック16、第1のレンズブロック17、第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19を備える。撮像部15は、撮像素子21を備える。
【0012】
反射素子11は、物体により発せられ第1の光軸31に沿って進む光を反射し、反射した光を第2の光軸32に沿って進ませる。反射素子11は、プリズムである。反射素子11が、プリズム以外の反射素子であってもよい。例えば、反射素子11が、ミラーであってもよい。
【0013】
第1のレンズ群12及び第2のレンズ群13は、第2の光軸32に沿って進む光を透過させる。第1のレンズ群12及び第2のレンズ群13は、透過させた光を結像面41に集光する。これにより、第1のレンズ群12及び第2のレンズ群13は、当該光を結像面41に結像させる。
【0014】
第1のレンズ群12は、第2の光軸32に沿って進む光を受け、受けた光を透過させる。第1のレンズ群12は、1枚以上のレンズを備える。第1のレンズ群12は、全体として正のパワーを有する。
【0015】
第2のレンズ群13は、第1のレンズ群12の後段に配置される。第2のレンズ群13は、第1のレンズ群12を透過した光を受け、受けた光を透過させ、透過させた光を集光する。第2のレンズ群13は、1枚以上のレンズを備える。第2のレンズ群13は、全体として負のパワーを有する。
【0016】
赤外線カットフィルタ14は、第1のレンズ群12及び第2のレンズ群13を透過した光から赤外線成分をカットする。これにより、赤外線カットフィルタ14は、結像面41に集光される光から赤外線成分をカットする。赤外線カットフィルタ14は、結像面41の前段に配置される。これにより、ゴミ等の異物が結像面41に直接的に付着することを抑制することができる。これにより、結像面41に集光される光が異物に遮られることを抑制することができる。これにより、カメラモジュール1により出力される電気信号により表される画像が異物により劣化することを抑制することができる。
【0017】
撮像素子21は、結像面41を有する。撮像素子21は、結像面41に結像させられた光を電気信号に光電変換する。これにより、撮像素子21は、当該光により形成される物体の像を撮像する。変換により生成される電気信号は、ソフトウェア処理されて画像に変換される。撮像素子21は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS;Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)イメージセンサ等である。
【0018】
反射ブロック16は、反射素子11を保持する。
【0019】
第1のレンズブロック17は、第1のレンズ群12を保持する。第1のレンズブロック17は、第1のレンズ群12の外周を保持することにより、第1のレンズ群12を保持する。第1のレンズブロック17は、筒状の形状を有する。このため、第1のレンズブロック17には、円柱状の形状を有する第1の空間51が形成される。第1の空間51は、第1のレンズ群12を収容する。第1の空間51は、第2の光軸32に沿って形成され、第1のレンズブロック17を貫通する。このため、第1の空間51は、第2の光軸32に沿って進む光を通過させ、通過させる光に第1のレンズ群12を透過させる。第1のレンズブロック17は、レンズバレルとも呼ばれる。
【0020】
第2のレンズブロック18は、第2のレンズ群13を保持する。第2のレンズブロック18は、第2のレンズ群13の外周を保持することにより、第2のレンズ群13を保持する。第2のレンズブロック18は、筒状の形状を有する。このため、第2のレンズブロック18には、円柱状の形状を有する第2の空間52が形成される。第2の空間52は、第2のレンズ群13を収容する。第2の空間52は、第2の光軸32に沿って形成され、第2のレンズブロック18を貫通する。このため、第2の空間52は、第2の光軸32に沿って進む光を通過させ、通過させる光に第2のレンズ群13を透過させる。第2のレンズブロック18は、レンズバレルとも呼ばれる。
【0021】
撮像ブロック19は、撮像部15を保持することにより撮像素子21を保持する。また、撮像ブロック19は、赤外線カットフィルタ14を保持する。撮像ブロック19は、筒状の形状を有する。このため、撮像ブロック19には、円柱状の形状を有する第3の空間53が形成される。第3の空間53は、第2の光軸32に沿って形成される。このため、第3の空間53は、第2の光軸32に沿って進む光を通過させて赤外線カットフィルタ14を透過させ撮像素子21に到達させる。
【0022】
1.2 フォーカシング
図3は、第1実施形態のカメラモジュールに備えられる、フォーカシングのための要素のブロック図である。
【0023】
図3に示されるように、カメラモジュール1は、コントローラ61及び駆動機構62を備える。
【0024】
コントローラ61は、制御信号を出力する。
【0025】
駆動機構62は、出力された制御信号にしたがって第2のレンズ群13を第2の光軸32と平行をなすZ軸方向(光軸方向)に駆動する。これにより、物体へのフォーカシングを行うことができる。駆動機構62は、アクチュエータとも呼ばれる。駆動機構62は、第2のレンズブロック18に備えられる。このため、第2のレンズブロック18は、アクチュエータブロックとも呼ばれる。
【0026】
第1のレンズ群12、第2のレンズ群13及び駆動機構62を備える第2のレンズブロック18は、結像面41に光を結像させる光学系71を構成する。光学系71は、光学系71を経由した光を結像面41に結像させる。
【0027】
1.3 第1のレンズブロック及び第2のレンズブロックのX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向についての位置決め
図2に図示されるように、第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18は、互いに対向する第1の面81及び第2の面82をそれぞれ有する。
【0028】
第1の面81の中央部には、第1の空間51の後端となる後端側開口が形成される。第2の面82の中央部には、第2の空間52の前端となる前端側開口が形成される。後端側開口及び前端側開口は、円状の外周形状を有する。
【0029】
第1の面81及び第2の面82の一方には、第1の穴91が形成される。第1の面81及び第2の面82の他方には、第1の軸92が形成される。
図2には、第1の面81に第1の穴91が形成され、第2の面82に第1の軸92が形成された状態が図示される。
【0030】
第1の穴91は、第1の内周面101を有する。第1の内周面101は、円周面状の形状を有する。第1の内周面101は、第1の穴91が第1の面81に形成される場合は、第1のレンズ群12の光学中心に一致する中心軸を有する。一方、第1の内周面101は、第1の穴91が第2の面82に形成される場合は、第2のレンズ群13の光学中心に一致する中心軸を有する。第1の穴91は、第1の穴91が第1の面81に形成される場合は、第1の空間51の一部である。一方、第1の穴91は、第1の穴91が第2の面82に形成される場合は、第2の空間52の一部である。
【0031】
第1の軸92は、第1の外周面102を有する。第1の外周面102は、円周面状の形状を有する。第1の外周面102は、第1の軸92が第2の面82に形成される場合は、第2のレンズ群13の光学中心に一致する中心軸を有する。一方、第1の外周面102は、第1の軸92が第1の面81に形成される場合は、第1のレンズ群12の光学中心に一致する中心軸を有する。第1の軸92は、第1の軸92が第2の面82に形成される場合は、第2の空間52の一部を径方向外側から囲む。一方、第1の軸92は、第1の軸92が第1の面81に形成される場合は、第1の空間51の一部を径方向外側から囲む。
【0032】
第1の軸92は、第1の穴91に挿入される。第1の外周面102は、第1の内周面101の径に適合する径を有する。これにより、第1の外周面102は、第1の軸92が第1の穴91に挿入された場合に、第1の内周面101に面接触する。これにより、第1の軸92は、第1の軸92が第1の穴91に挿入された際に、第1の穴91に篏合される。第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18は、第1の軸92が第1の穴91に篏合された場合に、第2の光軸32と垂直をなすX軸方向及びY軸方向について位置決めされる。これにより、第1のレンズ群12の光学中心及び第2のレンズ群13の光学中心を高い精度で合わせることができる。
【0033】
第1の軸92が第1の穴91に篏合された場合には、第2の面82の一部をなすXY平面が第1の面81の一部をなすXY平面に接触する。これにより、第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18は、第1の軸92が第1の穴91に篏合された場合に、第2の光軸32と平行をなすZ軸方向について位置決めされる。
【0034】
第1の軸92は、Z軸方向に延びる凸状の形状を有する。第1の穴91は、Z軸方向に延びる凹状の形状を有する。このため、第1の軸92が第1の穴91に挿入される際には、第1の軸92及び第1の穴91がZ軸方向に互いに近づくように案内される。第1の軸92は、ガイド軸とも呼ばれ、第1の穴91は、ガイド穴とも呼ばれる。
【0035】
1.4 全体のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向についての位置決め
図2に図示されるように、第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19は、互いに対向する第1の対向面111及び第2の対向面112をそれぞれ有する。
【0036】
第1の対向面111の中央部には、第2の空間52の後端となる後端側開口が形成される。第2の対向面112の中央部には、第3の空間53の前側端となる前端側開口が形成される。後端側開口及び前端側開口は、円状の外周形状を有する。
【0037】
第1の対向面111及び第2の対向面112の一方には、第2の穴121が形成される。第1の対向面111及び第2の対向面112の他方には、第2の軸122が形成される。
図2には、第1の対向面111に第2の穴121が形成され、第2の対向面112に第2の軸122が形成された状態が図示される。
【0038】
第2の穴121は、第2の内周面131を有する。第2の内周面131は、円周面状の形状を有する。第2の内周面131は、第2の穴121が第1の対向面111に形成される場合は、第2のレンズ群13の光学中心に一致する中心軸を有し、第2の面82に形成される第1の穴91又は第1の軸92と同軸配置される。一方、第2の内周面131は、第2の穴121が第2の対向面112に形成される場合は、撮像素子21の中心に一致する中心軸を有する。第2の穴121は、第2の穴121が第1の対向面111に形成される場合は、第2の空間52の一部である。一方、第2の穴121は、第2の穴121が第2の対向面112に形成される場合は、第3の空間53の一部である。
【0039】
第2の軸122は、第2の外周面132を有する。第2の外周面132は、円周面状の形状を有する。第2の外周面132は、第2の軸122が第2の対向面112に形成される場合は、撮像素子21の中心に一致する中心軸を有する。一方、第2の外周面132は、第2の軸122が第1の対向面111に形成される場合は、第2のレンズ群13の光学中心に一致する中心軸を有し、第1の面81に形成される第1の穴91又は第1の軸92と同軸配置される。第2の軸122は、第2の軸122が第2の対向面112に形成される場合は、第3の空間53の一部を径方向外側から囲む。一方、第2の軸122は、第2の軸122が第1の対向面111に形成される場合は、第2の空間52の一部を径方向外側から囲む。
【0040】
第2の軸122は、第2の穴121に挿入される。第2の外周面132は、第2の内周面131の径に適合する径を有する。これにより、第2の外周面132は、第2の軸122が第2の穴121に挿入された場合に、第2の内周面131に面接触する。これにより、第2の軸122は、第2の軸122が第2の穴121に挿入された場合に、第2の穴121に篏合される。第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19は、第2の軸122が第2の穴121に篏合された場合に、第2の光軸32と垂直をなすX軸方向及びY軸方向について位置決めされる。これにより、第2のレンズ群13の光学中心及び撮像素子21の中心を高い精度で合わせることができる。
【0041】
第2の軸122が第2の穴121に篏合された場合には、第2の対向面112の一部をなすXY平面が第1の対向面111の一部をなすXY平面に接触する。これにより、第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19は、第2の軸122が第2の穴121に篏合された場合に、第2の光軸32と平行をなすZ軸方向について位置決めされる。
【0042】
第2の軸122は、Z軸方向に延びる凸状の形状を有する。第2の穴121は、Z軸方向に延びる凹状の形状を有する。このため、第2の軸122が第2の穴121に挿入される際には、第2の軸122及び第2の穴121がZ軸方向に互いに近づくように案内される。第2の軸122は、ガイド軸とも呼ばれ、第2の穴121は、ガイド穴とも呼ばれる。
【0043】
反射ブロック16及び第1のレンズブロック17は、互いに対向する第3の対向面141及び第4の対向面142をそれぞれ有する。
【0044】
第4の対向面142の中央部には、第1の空間51の前端となる前端側開口が形成される。前端側開口は、円状の外周形状を有する。
【0045】
第3の対向面141及び第4の対向面142の一方には、第3の穴151が形成される。第3の対向面141及び第4の対向面142の他方には、第3の軸152が形成される。
図23には、第3の対向面141に第3の穴151が形成され、第4の対向面142に第3の軸152が形成された状態が図示される。
【0046】
第3の穴151は、第3の内周面171を有する。第3の内周面171は、円周面状の形状を有する。第3の内周面171は、第3の穴151が第3の対向面141に形成される場合は、反射素子11の中心に一致する中心軸を有する。一方、第3の内周面171は、第3の穴151が第4の対向面142に形成される場合は、第1のレンズ群12の光学中心に一致する中心軸を有し、第1の面81に形成される第1の穴91又は第1の軸92と同軸配置される。第3の穴151は、第3の穴151が第4の対向面142に形成される場合は、第1の空間51の一部である。
【0047】
第3の軸152は、第3の外周面172を有する。第3の外周面172は、円周面状の形状を有する。第3の外周面172は、第3の軸152が第4の対向面142に形成される場合は、第1のレンズ群12の光学中心に一致する中心軸を有し、第1の面81に形成される第1の穴91又は第1の軸92と同軸配置される。一方、第3の外周面172は、第3の軸152が第3の対向面141に形成される場合は、反射素子11の中心に一致する中心軸を有する。第3の軸152は、第3の軸152が第4の対向面142に形成される場合は、第1の空間51の一部を径方向外側から囲む。
【0048】
第3の軸152は、第3の穴151に挿入される。第3の外周面172は、第3の内周面171の径に適合する径を有する。これにより、第3の外周面172は、第3の軸152が第3の穴151に挿入された場合に、第3の内周面171に面接触する。これにより、第3の軸152は、第3の穴151に篏合される。反射ブロック16及び第1のレンズブロック17は、第3の軸152が第3の穴151に篏合された場合に、第2の光軸32と垂直をなすX軸方向及びY軸方向について位置決めされる。これにより、反射素子11の中心及び第1のレンズ群12の光学中心を高い精度で互いに合わせることができる。
【0049】
第3の軸152が第3の穴151に篏合された場合には、第4の対向面142の一部をなすXY平面が第3の対向面141の一部をなすXY平面に接触する。これにより、反射ブロック16及び第1のレンズブロック17は、第3の軸152が第3の穴151に篏合された場合に、第2の光軸32と平行をなすZ軸方向について位置決めされる。
【0050】
第3の軸152は、Z軸方向に延びる凸状の形状を有する。第3の穴151は、Z軸方向に延びる凹状の形状を有する。このため、第3の軸152が第3の穴151に挿入される際には、第3の軸152及び第3の穴151がZ軸方向に互いに近づくように案内される。第3の軸152は、ガイド軸とも呼ばれ、第3の穴151は、ガイド穴とも呼ばれる。
【0051】
これらにより、反射ブロック16、第1のレンズブロック17、第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19がX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向について位置決めされる。これにより、反射素子11の中心、第1のレンズ群12の光学中心、第2のレンズ群13の光学中心及び撮像素子21の中心を高い精度で合わせることができる。
【0052】
1.5 回転方向についての位置決め
図4は、
図1に描かれた切断線B-Bの位置における第1実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
【0053】
図4に図示されるように、第1のレンズブロック17には、第1のシャフト穴181が形成される。また、第2のレンズブロック18には、第2のシャフト穴182が形成される。また、撮像ブロック19には、第3のシャフト穴183が形成される。また、反射ブロック16には、第4のシャフト穴184が形成される。
【0054】
第1のシャフト穴181、第2のシャフト穴182、第3のシャフト穴183及び第4のシャフト穴184の各々は、第2の光軸32と平行をなすZ軸方向に延びる。第1のシャフト穴181、第2のシャフト穴182、第3のシャフト穴183及び第4のシャフト穴184は、Z軸方向に配列される。これにより、第1のシャフト穴181、第2のシャフト穴182、第3のシャフト穴183及び第4のシャフト穴184は、Z軸方向に延び連続するひとつの穴を構成する。
【0055】
第1のシャフト穴181、第2のシャフト穴182、第3のシャフト穴183及び第4のシャフト穴184は、第2の光軸32からずらして形成され、第1のレンズ群12の光学中心、第2のレンズ群13の光学中心、撮像素子21の中心及び反射素子11の中心からずらして配置される。
【0056】
図3に図示されるように、カメラモジュール1は、シャフト191を備える。シャフト191は、ガイドシャフトとも呼ばれる。
【0057】
シャフト191は、第1のシャフト穴181、第2のシャフト穴182、第3のシャフト穴183及び第4のシャフト穴184に跨って配置される。シャフト191は、連続する1本のシャフトである。これにより、第1のレンズブロック17、第2のレンズブロック18、撮像ブロック19及び反射ブロック16を、第2の光軸32を中心として回転する回転方向について位置決めすることができる。これにより、反射素子11に最も近く大きな直径を有するレンズの高さ方向の寸法を小さくするために当該レンズの上下がカットされ、反射素子11の反射面及び撮像素子21の受光面が矩形状の形状を有する場合であっても、回転方向の位置ずれによって光線のケラレ等が発生することを抑制することができる。
【0058】
1.6 平面合わせ
図5は、第1実施形態のカメラモジュールに備えられる第1のレンズブロック及び第2のレンズブロックの組、第2のレンズブロック及び撮像ブロックの組又は反射ブロック及び第1のレンズブロックの組を模式的に図示する斜視図である。
【0059】
図5に図示されるように、第1のレンズブロック17の第1の面81は、第1の面81の一部を占める第1の平面201を含む。第1の面81が矩形状の平面形状を有する場合は、第1の平面201は、例えば、第1の面81の四隅に配置される。第1の平面201は、第1の面81に含まれる残余の面から突出する。
【0060】
第2のレンズブロック18の第2の面82は、第2の面82の一部を占める第2の平面202を含む。第2の面82が矩形状の平面形状を有する場合は、第2の平面202は、例えば、第2の面82の四隅に配置される。第2の平面202は、第2の面82に含まれる残余の面から突出する。
【0061】
第2の平面202は、第1の平面201に面接触する。これにより、第1の平面201及び第2の平面202が合わされる。これにより、Z軸方向について第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18が位置決めされる。
【0062】
第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18の位置決めの精度は、第1の平面201及び第2の平面202の平面度の影響を受けるが、第1の面81に含まれる残余の面及び第2の面82に含まれる残余の面の平面度の影響を受けない。このため、位置決めの精度を高くするためには、第1の面81及び第2の面82の全体の平面度を高くする必要はなく、第1の平面201及び第2の平面202の平面度を高くすれば足りる。これにより、第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18の加工を容易にすることができる。
【0063】
同様にして、第2のレンズブロック18の第1の対向面111は、第1の対向面111の一部を占める第3の平面211を含む。第1の対向面111が矩形状の平面形状を有する場合は、第3の平面211は、例えば、第1の対向面111の四隅に配置される。第3の平面211は、第1の対向面111に含まれる残余の面から突出する。
【0064】
撮像ブロック19の第2の対向面112は、第2の対向面112の一部を占める第4の平面212を含む。第2の対向面112が矩形状の平面形状を有する場合は、第4の平面212は、例えば、第2の対向面112の四隅に配置される。第4の平面212は、第2の対向面112に含まれる残余の面から突出する。
【0065】
第4の平面212は、第3の平面211に面接触する。これにより、第3の平面211及び第4の平面212が合わされる。これにより、Z軸方向について第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19が位置決めされる。
【0066】
同様にして、反射ブロック16の第3の対向面141は、第3の対向面141の一部を占める第5の平面221を含む。第3の対向面141が矩形状の平面形状を有する場合は、第5の平面221は、例えば、第3の対向面141の四隅に配置される。第5の平面221は、第3の対向面141に含まれる残余の面から突出する。
【0067】
第1のレンズブロック17の第4の対向面142は、第4の対向面142の一部を占める第6の平面222を含む。第4の対向面142が矩形状の平面形状を有する場合は、第6の平面222は、例えば、第4の対向面142の四隅に配置される。第6の平面222は、第4の対向面142に含まれる残余の面から突出する。
【0068】
第6の平面222は、第5の平面221に面接触する。これにより、第5の平面221及び第6の平面222が合わされる。これにより、Z軸方向について反射ブロック16及び第1のレンズブロック17が位置決めされる。
【0069】
1.7 光学式の手振れ補正
カメラモジュール1は、光学式の手振れ補正を行うために、検出部、コントローラ及び駆動機構を備える。
【0070】
検出部は、手振れの状態を検出し、検出した手振れの状態に応じた信号を出力する。検出部は、角速度センサ、加速度センサ等である。
【0071】
駆動機構は、第2の光軸32と垂直をなすX軸方向及びY軸方向に第2のレンズ群13を駆動する。駆動機構は、第2のレンズ群13と第2のレンズブロック18との間に配置される。
【0072】
コントローラは、出力された信号に基づいて、駆動機構を制御する。コントローラは、光学式の手振れ補正を行うために、出力された信号に基づいて、駆動機構に、第2の光軸32と垂直をなすX軸方向及びY軸方向に第2のレンズ群13を駆動させる。
【0073】
第2のレンズ群13を駆動することに加えて又は第2のレンズ群13を駆動することに代えて第2のレンズ群13以外の要素を駆動することにより光学式の手振れ補正が行われてもよい。例えば、第2のレンズ群13を駆動することに加えて反射素子11、光学系71及び撮像部15の全部又は一部を駆動することにより光学式の手振れ補正が行われてもよい。
【0074】
反射素子11を駆動することにより光学式の手振れ補正が行われる場合は、例えば、任意のふたつの軸を回転軸として反射素子11を回動させることにより光学式の手振れ補正が行われる。この場合は、カメラモジュール1は、駆動機構及び保持部材を備える。駆動機構は、反射素子11を回動させるための駆動力を発生する。保持部材は、反射素子11を保持し、発生させられた駆動力を反射素子11に伝えて反射素子11を回動させる。
【0075】
光学系71を駆動することにより光学式の手振れ補正が行われる場合は、例えば、任意のふたつの軸に平行に光学系71を移動させることにより光学式の手振れ補正が行われる。この場合は、カメラモジュール1は、駆動機構及び保持部材を備える。駆動機構は、光学系71を移動させるための駆動力を発生する。保持部材は、光学系71を保持し、発生させられた駆動力を光学系71に伝えて光学系71を移動させる。
【0076】
撮像部15を駆動することにより光学式の手振れ補正が行われる場合は、例えば、任意のふたつの軸に平行に撮像部15を移動させることにより光学式の手振れ補正が行われる。この場合は、カメラモジュール1は、駆動機構及び保持部材を備える。駆動機構は、撮像部15を移動させるための駆動力を発生する。保持部材は、撮像部15を保持し、発生させられた駆動力を撮像部15に伝えて撮像部15を移動させる。
【0077】
反射素子11、光学系71、撮像部15及び第2のレンズ群13のいずれの要素が駆動される場合でも、光学系71の像面上で第2の光軸32に垂直なX軸方向及びY軸方向に物体の像を移動させることにより光学式の手振れ補正が行われる。このため、互いに異なる複数の駆動方向に複数の要素をそれぞれ回動又は移動させることによっても、光学式の手振れ補正を行うことができる。例えば、1軸を中心軸として反射素子11を回動させ、別の1軸に平行に第2のレンズ群13を移動させることによっても、光学式の手振れ補正を行うことができる。
【0078】
2 第2実施形態
以下では、第2実施形態が第1実施形態と相違する点が説明される。説明されない点については、第1実施形態において採用される構成と同様の構成が第2実施形態においても採用される。
【0079】
図6は、第2実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
図6は、第2実施形態のカメラモジュールの中央部を当該カメラモジュールの光軸方向に切断することにより得られる断面を図示する。
【0080】
図6に図示される第2実施形態のカメラモジュール2は、第3のレンズ群231及び第3のレンズブロック232を備える。
【0081】
第1のレンズ群12は、第2の光軸32に沿って進む光を受け、受けた光を透過させる。第1のレンズ群12は、1枚以上のレンズを備える。第1のレンズ群12は、全体として正のパワーを有する。
【0082】
第2のレンズ群13は、第1のレンズ群12の後段に配置される。このため、第2のレンズ群13は、第1のレンズ群12を透過した光を受け、受けた光を透過させる。第2のレンズ群13は、1枚以上のレンズを備える。第2のレンズ群13は、全体として負のパワーを有する。
【0083】
第3のレンズ群231は、第2のレンズ群13の後段に配置される。このため、第3のレンズ群231は、第2のレンズ群13を透過した光を受け、受けた光を透過させ、透過させた光を結像面41に集光する。第3のレンズ群231は、1枚以上のレンズを備える。第3のレンズ群231は、全体として正のパワーを有する。
【0084】
第1のレンズ群12、第2のレンズ群13、第3のレンズ群231及び駆動機構62は、光学系71を構成する。
【0085】
第3のレンズブロック232は、第3のレンズ群231を保持する。第3のレンズブロック232は、第3のレンズ群231の外周を保持することにより、第3のレンズ群231を保持する。
【0086】
第2実施形態のカメラモジュール2に備えられる第2のレンズブロック18及び第3のレンズブロック232は、第1実施形態のカメラモジュール1に備えられる第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18と同様に位置決めされる。第2実施形態のカメラモジュール2に備えられる第3のレンズブロック232及び撮像ブロック19は、第1実施形態のカメラモジュール1に備えられる第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19と同様に位置決めされる。
【0087】
3 第3実施形態
以下では、第3実施形態が第1実施形態と相違する点が説明される。説明されない点については、第1実施形態において採用される構成と同様の構成が第3実施形態においても採用される。
【0088】
図7は、第3実施形態のカメラモジュールの断面を模式的に図示する断面図である。
図8は、第3実施形態のカメラモジュールの、当該カメラモジュールに備えられる凸部及び凹部の付近の断面を模式的に図示する断面図である。
【0089】
図7及び
図8に図示されるように、第3実施形態のカメラモジュール3においては、第1のレンズブロック17の第1の面81及び第2のレンズブロック18の第2の面82の一方に、第1の凹部241が形成される。また、第1のレンズブロック17の第1の面81及び第2のレンズブロック18の第2の面82の他方に、第1の凸部242が形成される。
図7及び
図8には、第1の面81に第1の凹部241が形成され、第2の面82に第1の凸部242が形成された状態が図示される。
【0090】
第1の凹部241及び第1の凸部242は、第2の光軸32と平行をなすZ軸方向に伸びる。
【0091】
第1の凸部242は、第1の凹部241に挿入される。第1の凹部241及び第1の凸部242は、他の要素から干渉を受けずに第1の凸部242を第1の凹部241に挿入することができる位置に配置される。第1の凹部241及び第1の凸部242は、第2の光軸32からずらして形成され、第1のレンズ群12の光学中心、第2のレンズ群13の光学中心、撮像素子21の中心及び反射素子11の中心からずらして配置される。第1の凸部242は、ボス、ピン等である。これにより、第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18を、第2の光軸32を中心として回転する回転方向について位置決めすることができる。
【0092】
同様に、第2のレンズブロック18の第1の対向面111及び撮像ブロック19の第2の対向面112の一方に、第2の凹部251が形成される。また、第2のレンズブロック18の第1の対向面111及び撮像ブロック19の第2の対向面112の他方に、第2の凸部252が形成される。
図7及び
図8には、第1の対向面111に第2の凹部251が形成され、第2の対向面112に第2の凸部252が形成された状態が図示される。
【0093】
第2の凹部251及び第2の凸部252は、第2の光軸32と平行をなすZ軸方向に伸びる。
【0094】
第2の凸部252は、第2の凹部251に挿入される。第2の凹部251及び第2の凸部252は、他の要素から干渉を受けずに第2の凸部252を第2の凹部251に挿入することができる位置に配置される。第2の凹部251及び第2の凸部252は、第2の光軸32からずらして形成され、第1のレンズ群12の光学中心、第2のレンズ群13の光学中心、撮像素子21の中心及び反射素子11の中心からずらして配置される。第2の凸部252は、ボス、ピン等である。これにより、第2のレンズブロック18及び撮像ブロック19を、第2の光軸32を中心として回転する回転方向について位置決めすることができる。
【0095】
同様に、反射ブロック16の第3の対向面141及び第1のレンズブロック17の第4の対向面142の一方に、第3の凹部261が形成される。また、反射ブロック16の第3の対向面141及び第1のレンズブロック17の第4の対向面142の他方に、第3の凸部262が形成される。
図7及び
図8には、第3の対向面141に第3の凸部262が形成され、第4の対向面142に第3の凹部261が形成された状態が図示される。
【0096】
第3の凹部261及び第3の凸部262は、第2の光軸32と平行をなすZ軸方向に伸びる。
【0097】
第3の凸部262は、第3の凹部261に挿入される。第3の凹部261及び第3の凸部262は、他の要素から干渉を受けずに第3の凸部262を第3の凹部261に挿入することができる位置に配置される。第3の凹部261及び第3の凸部262は、第2の光軸32からずらして形成され、第1のレンズ群12の光学中心、第2のレンズ群13の光学中心、撮像素子21の中心及び反射素子11の中心からずらして配置される。第3の凸部262は、ボス、ピン等である。これにより、反射ブロック16及び第1のレンズブロック17を、第2の光軸32を中心として回転する回転方向について位置決めすることができる。
【0098】
これらにより、第1のレンズブロック17及び第2のレンズブロック18のみで光学系71を組み立てることができる。これにより、光学系71の評価を容易に行うことができる。
【0099】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1,2,3 カメラモジュール、11 反射素子、12 第1のレンズ群、13 第2のレンズ群、14 赤外線カットフィルタ、15 撮像部、16 反射ブロック、17 第1のレンズブロック、18 第2のレンズブロック、19 撮像ブロック、21 撮像素子、31 第1の光軸、32 第2の光軸、41 結像面、51 第1の空間、52 第2の空間、53 第3の空間、61 コントローラ、62 駆動機構、71 光学系、81 第1の面、82 第2の面、91 第1の穴、92 第1の軸、101 第1の内周面、102 第1の外周面、111 第1の対向面、112 第2の対向面、121 第2の穴、122 第2の軸、131 第2の内周面、132 第2の外周面、141 第3の対向面、142 第4の対向面、151 第3の穴、152 第3の軸、171 第3の内周面、172 第3の外周面、181 第1のシャフト穴、182 第2のシャフト穴、183 第3のシャフト穴、184 第4のシャフト穴、191 シャフト、201 第1の平面、202 第2の平面、211 第3の平面、212 第4の平面、221 第5の平面、222 第6の平面、231 第3のレンズ群、232 第3のレンズブロック、241 第1の凹部、242 第1の凸部、225 第1の凹部、252 第2の凸部、251 第2の凹部、252 第2の凸部、261 第3の凹部、262 第3の凸部。