(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079428
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】遠隔装填システム、制御装置、遠隔装填方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F42D 1/08 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
F42D1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192381
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(71)【出願人】
【識別番号】598121341
【氏名又は名称】慶應義塾
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】西浦 秀明
(72)【発明者】
【氏名】山本 信吾
(72)【発明者】
【氏名】谷口 信博
(72)【発明者】
【氏名】江沢 迪和
(72)【発明者】
【氏名】野崎 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】大西 公平
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 佑貴
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作業者の安全を確保しつつ、より適切に爆薬等の装填を行う。
【解決手段】遠隔装填システムは、ガイド部材27と、親ダイ51、増ダイ、及び餡子の少なくとも何れかである挿入対象物を、装薬孔Hに向かって案内する。挿入機構26及び位置合わせ機構は、挿入対象物を、ガイド部材27を介して装薬孔Hに装填するために駆動する。第1操作機構及び第2操作機構は、ユーザからの挿入機構26及び位置合わせ機構に対する遠隔操作を受け付ける。動作制御部は、第1操作機構及び第2操作機構に入力されたユーザからの挿入機構26及び位置合わせ機構に対する遠隔操作に応じて、挿入機構26の動作を制御すると共に、挿入機構26及び位置合わせ機構に加わる力を、第1操作機構及び第2操作機構がユーザに対して伝達する動作を制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爆薬及び込め物の少なくとも何れかである挿入対象物を、装薬孔に向かって案内するガイド部材と、
前記挿入対象物を、前記ガイド部材を介して前記装薬孔に装填するために駆動する駆動機構と、
ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作を受け付ける操作機構と、
前記操作機構に入力された前記ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作に応じて、前記駆動機構の動作を制御すると共に、前記駆動機構に加わる力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する動作制御手段と、
を備えることを特徴とする遠隔装填システム。
【請求項2】
前記駆動機構として、前記挿入対象物を、前記ガイド部材を介して前記装薬孔に挿入する挿入機構を少なくとも備え、
前記操作機構は、ユーザからの前記挿入機構に対する遠隔操作を受け付け、
前記動作制御手段は、前記操作機構に入力された前記ユーザからの前記挿入機構に対する遠隔操作に応じて、前記挿入機構が前記挿入対象物を前記装薬孔に挿入する動作を制御すると共に、前記挿入機構に加わる力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の遠隔装填システム。
【請求項3】
前記駆動機構として、前記ガイド部材における前記挿入対象物の排出部分と、前記装薬孔との位置を合わせる位置合わせ機構を少なくとも備え、
前記操作機構は、前記ユーザからの前記位置合わせ機構に対する遠隔操作を受け付け、
前記動作制御手段は、前記操作機構に入力された前記ユーザからの前記位置合わせ機構に対する遠隔操作に応じて、前記位置合わせ機構が位置を合わせる動作を制御すると共に、前記位置合わせ機構に加わる力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作をさらに制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔装填システム。
【請求項4】
前記ガイド部材は、長手方向の両端が開口すると共に、長手方向に対し垂直な断面である横断面の形状が円形状又は円弧形状であり、
前記挿入機構は、前記ガイド部材の長手方向の一端の開口から、前記装薬孔に挿入又は接触している他端の開口に向かって、前記挿入対象物を棒状の部材もしくは筒状の部材で押し出すことで前記挿入対象物を前記装薬孔に挿入する、
ことを特徴とする請求項2に記載の遠隔装填システム。
【請求項5】
前記動作制御手段は、前記挿入機構に加わる力として、前記挿入機構及び前記挿入対象物と、前記装薬孔との摩擦により生じる反力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の遠隔装填システム。
【請求項6】
前記動作制御手段は、前記挿入機構に加わる力として、前記挿入対象物と、前記装薬孔の内部における前記挿入対象物が挿入される端部とは逆の奥側の端部との接触により生じる反力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の遠隔装填システム。
【請求項7】
前記挿入機構が第1挿入対象物を前記装薬孔に挿入する動作を行った後に、前記ガイド部材に第2挿入対象物を新たに配置する配置機構をさらに備え、
前記動作制御手段は、前記挿入機構が前記第2挿入対象物を、前記第1挿入対象物を挿入した装薬孔に挿入した後に、さらに連続して挿入する動作を制御する、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の遠隔装填システム。
【請求項8】
前記挿入対象物である爆薬を起爆するための脚線を結束した状態で保持する脚線機構をさらに備え、
前記脚線機構は、前記挿入機構が挿入対象物である前記爆薬を前記装薬孔に挿入することに伴い、前記脚線の結束を解放しながら脚線を送り出すことで、結束から解放された脚線の少なくとも一部が前記装薬孔の外部に露出するようにする、
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の遠隔装填システム。
【請求項9】
前記駆動の位置に関する第1位置データと、前記操作機構の位置に関する第2位置データと、を取得するデータ取得手段をさらに備え、
前記動作制御手段は、前記第1位置データと、前記駆動機構の基準となる前記第2位置データとに基づいて、前記第2位置データが表す動作に対応する位置及び力を出力するように前記駆動機構を制御する一方で、前記第2位置データと、前記操作機構の動作の基準となる前記第1位置データとに基づいて、前記第1位置データが表す動作に対応する位置及び力を出力するように前記操作機構を制御することで、前記動作の制御を実現する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔装填システム。
【請求項10】
前記駆動機構の動作を表す物理量のデータと、前記操作機構の可動部の動作を表す物理量のデータと、を取得するデータ取得手段をさらに備え、
前記動作制御手段は、前記駆動機構と前記操作機構とを含む仮想物体を仮想し、前記データ取得手段によって取得された前記物理量のデータに基づいて、前記駆動機構及び前記操作機構への入力によって前記仮想物体に表れる挙動に、前記前記駆動機構及び前記操作機構とを追従させるための指令値を算出し、該算出した指令値に基づいて、前記動作の制御を実現する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔装填システム。
【請求項11】
爆薬及び込め物の少なくとも何れかである挿入対象物を、装薬孔に向かって案内するガイド部材と、
前記挿入対象物を、前記ガイド部材を介して前記装薬孔に装填するために駆動する駆動する駆動機構と、
ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作を受け付ける操作機構と、
を備える遠隔装填システムの動作を制御する動作制御装置であって、
前記操作機構に入力された前記ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作に応じて、前記駆動機構の動作を制御すると共に、前記駆動機構に加わる力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する動作制御手段、
を備えることを特徴とする動作制御装置。
【請求項12】
爆薬及び込め物の少なくとも何れかである挿入対象物を、装薬孔に向かって案内するガイド部材と、
前記挿入対象物を、前記ガイド部材を介して前記装薬孔に装填するために駆動する駆動機構と、
ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作を受け付ける操作機構と、
を備える遠隔装填システムが行う遠隔装填方法であって、
前記操作機構に入力された前記ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作に応じて、前記駆動機構の動作を制御すると共に、前記駆動機構に加わる力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する動作制御ステップ、
を含むことを特徴とする遠隔装填方法。
【請求項13】
爆薬及び込め物の少なくとも何れかである挿入対象物を、装薬孔に向かって案内するガイド部材と、
前記挿入対象物を、前記ガイド部材を介して前記装薬孔に装填するために駆動する駆動機構と、
ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作を受け付ける操作機構と、
を備える遠隔装填システムの動作を制御する動作制御機能をコンピュータに実現させるプログラムであって、
前記操作機構に入力された前記ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作に応じて、前記駆動機構の動作を制御すると共に、前記駆動機構に加わる力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する動作制御機能、
を前記コンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔装填システム、制御装置、遠隔装填方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル等の掘削工事において、爆薬を用いた発破工法が広く利用されている。発破工法では、一般的に、含水爆薬(スラリー爆薬)や、硝安油剤爆薬(アンホ爆薬)等の爆薬と、装薬孔の孔口を塞ぐための込め物を、例えば、込め棒と呼ばれる工具を用いて人手によって装填をする。このように人手による装填を行う場合、切羽に近接して作業を行う必要がある。
しかしながら、切羽では土砂や岩石が自然的ないし人的要因によって剥離や脱落するという、いわゆる肌落ちが発生するおそれがある。そのため、発破工法による掘削工事は、作業者への危険を伴う作業という側面もある。
【0003】
このような状況を考慮し、装填作業を遠隔操作により実現することが試みられている。例えば、特許文献1に開示の技術では、ロボットアームが、装薬孔の近傍で圧送ホースを把持する。また、ロボットアームにカメラを設置し、このカメラの撮影画像をリアルタイムに表示することで、作業者による遠隔操作を支援する。
そして、作業者からの遠隔操作に基づいて、このロボットアームが、圧送ホースの先端を装薬孔に挿入する。これにより、作業者は、切羽に近づくことなく装填作業を行うことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、装填作業は、高い作業精度が要求される作業である。そのため、上述の特許文献1のように、単に撮像画像を参照して遠隔操作を行うだけでは、要求される作業精度を満たすことは現実的には困難である。そこで、作業者が切羽に近づいて、目視をしながら操作を行うことも考えられるが、これでは作業者の安全を確保することができない。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。そして、本発明の課題は、作業者の安全を確保しつつ、より適切に爆薬等の装填を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る遠隔装填システムは、
爆薬及び込め物の少なくとも何れかである挿入対象物を、装薬孔に向かって案内するガイド部材と、
前記挿入対象物を、前記ガイド部材を介して前記装薬孔に装填するために駆動する駆動機構と、
ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作を受け付ける操作機構と、
前記操作機構に入力された前記ユーザからの前記駆動機構に対する遠隔操作に応じて、前記駆動機構の動作を制御すると共に、前記駆動機構に加わる力を、前記操作機構が前記ユーザに対して伝達する動作を制御する動作制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者の安全を確保しつつ、より適切に爆薬等の装填を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る遠隔装填システム1の全体構成を示す模式図である。
【
図2】操作装置10と、装填装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】装填装置20の構成例について示す斜視図である。
【
図4】位置合わせ機構25による、位置合わせについて示す模式図である。
【
図5】挿入機構26による、親ダイ51等の、装薬孔Hへの挿入について示す第1の模式図である。
【
図6】挿入機構26による、親ダイ51等の、装薬孔Hへの挿入について示す第2の模式図である。
【
図7】親ダイ51の構造及び脚線機構28による動作について示す模式図である。
【
図8】制御装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図9】制御装置30の機能的構成を示すブロック図である。
【
図10】動作制御部312の制御アルゴリズムを示すブロック図である。
【
図11】遠隔装填システム1が実行する動作制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図12】遠隔装填システム1が実行する遠隔装填処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図13】変形例1における制御アルゴリズムの概念を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。
【0011】
[システム構成]
図1は、本実施形態に係る遠隔装填システム1の全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、遠隔装填システム1は、操作装置10、装填装置20、及び制御装置30を含む。また、
図1には、遠隔装填システム1を操作するユーザU、ユーザUの操作を補助するための画像を撮影するカメラC、装填装置20やカメラCを移動させる高所作業車A、切羽F、及び切羽Fに設けられた複数の装薬孔Hも図示する。
このうち、操作装置10、及び制御装置30はユーザUの近傍に配置され、装填装置20、及びカメラCは、高所作業車Aにより装薬孔Hの近傍に配置される。なお、高所作業車Aに代えて、例えば、油圧ジャンボ(例えば、ドリルジャンボ)や移動式クレーン等の他の移動用機械を用いるようにしてもよい。
【0012】
また、制御装置30は、操作装置10、装填装置20、及びカメラCのそれぞれと通信可能に接続される。この通信は、有線あるいは無線の何れであってもよいし、通信方式についても限定されない。また、この通信は、装置間で直接行われてもよいし、インターネット等のネットワークを介して行われてもよい。
【0013】
このような遠隔装填システム1において、操作装置10は、リーダ装置(マスタ装置等と称される場合もある)として動作することにより、ユーザUからの操作を受け付ける機構を駆動する。一方で、装填装置20は、フォロワー装置(スレーブ装置等と称される場合もある)として動作することにより、物体(ここでは、装薬孔Hや切羽F)への接触を伴う装填作業を実行する機構を駆動する。
この場合に、制御装置30は、操作装置10が駆動する機構と、装填装置20が駆動する機構との間で、力触覚を伝達する制御(バイラテラル制御)を行う。これにより、操作装置10に対するユーザの操作(位置と力の入力)が、装填装置20が駆動する機構に伝達されると共に、装填装置20からの反力(位置と力の応答)が、操作装置10が駆動する機構に伝達される。
【0014】
このように、本実施形態では、ユーザUによる遠隔操作によって、装填作業を実現する。そのため、本実施形態では、少なくとも装填作業の一部において、ユーザUが切羽Fに設けられた装薬孔Hに近接して作業を行う必要がなく、仮に肌落ち等が発生したとしても、ユーザUの安全を確保することができる。
また、本実施形態では、力触覚を伝達する制御(バイラテラル制御)を行う。そのため、ユーザUは、装填装置20からの反力を感じながら、遠隔操作でありながら、あたかも装薬孔Hに近接して作業を行う場合と同様にして、より適切に装填作業を行うことができる。
従って、本実施形態によれば、作業者の安全を確保しつつ、より適切に爆薬等の装填を行う、という課題を解決することができる。
以上が、本実施形態の概略である。
【0015】
[装置構成]
次に、遠隔装填システム1に含まれる各装置の構成について説明する。
図2は、操作装置10と、装填装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2において符号で示すように、操作装置10は、二系統のドライバ、アクチュエータ、及び位置センサを備える。具体的には、操作装置10は、第1系統として、第1操作機構15を駆動するためのアクチュエータ12aと、アクチュエータ12aを駆動するドライバ11aと、アクチュエータ12aによる駆動で移動される第1操作機構15の可動部の位置を検出する位置センサ13aと、を備えている。また、操作装置10は、第2系統として、第2操作機構16を駆動するためのアクチュエータ12bと、アクチュエータ12bを駆動するドライバ11bと、アクチュエータ12bによる駆動で移動される第2操作機構16の可動部の位置を検出する位置センサ13bと、を備えている。
また、操作装置10は、これら二系統のドライバ11a,11bや、位置センサ13a,13bが、制御装置30との間で通信を行うための通信部14と、第1操作機構15、及び第2操作機構16も備えている。
【0016】
一方で、装填装置20も同様に二系統のドライバ、アクチュエータ、及び位置センサを備える。具体的には、装填装置20は、第1系統として、位置合わせ機構25を駆動するためのアクチュエータ22aと、アクチュエータ22aを駆動するドライバ21aと、アクチュエータ22aによる駆動で移動される位置合わせ機構25の可動部の位置を検出する位置センサ23aと、を備えている。また、装填装置20は、第2系統として、挿入機構26を駆動するためのアクチュエータ22bと、アクチュエータ22bを駆動するドライバ21bと、アクチュエータ22bによる駆動で移動される挿入機構26の可動部の位置を検出する位置センサ23bと、を備えている。
また、装填装置20は、これら二系統のドライバ21a,21bや、位置センサ23a,23bが、制御装置30との間で通信を行うための通信部24と、位置合わせ機構25、及び挿入機構26も備えている。
【0017】
この場合に、位置センサ13a,13bが検出する第1操作機構15や第2操作機構16の可動部の位置とは、例えば、第1操作機構15や第2操作機構16の可動部の所定の部位の位置である。ただし、第1操作機構15や第2操作機構16の可動部の位置に代えて、第1操作機構15や第2操作機構16を操作するユーザの所定の部位の位置を用いることとしてもよい。
また、位置センサ23a,23bが検出する位置合わせ機構25や挿入機構26の可動部の位置とは、例えば、位置合わせ機構25や挿入機構26の可動部の所定の部位の位置である。ただし、位置合わせ機構25や挿入機構26の可動部の位置に代えて、位置合わせ機構25や挿入機構26が間接的に物体に接触する所定の部位の位置(例えば、後述するガイド部材27の先端部の位置)を用いることとしてもよい。
【0018】
また、本実施形態では、これら第1操作機構15や第2操作機構16の可動部の位置や、位置合わせ機構25や挿入機構26の可動部の位置に代えて、各アクチュエータの出力軸の回転角度を各アクチュエータに内蔵されたロータリーエンコーダによって検出することとしてもよい。すなわち、本実施形態において、位置の概念には角度(例えば、アクチュエータの出力軸の回転角度等)が含まれるものとし、位置に関する情報には、位置、角度、速度、角速度、加速度及び角加速度が含まれるものとする。また、位置と速度(又は加速度)あるいは角度と角速度(又は角加速度)は、微積分演算により置換可能なパラメータであるため、位置あるいは角度に関する処理を行う場合、適宜、速度あるいは角速度等に置換してから処理を行うことが可能である。
【0019】
第1操作機構15や第2操作機構16は、ユーザの操作を受け付けるための機構であり、その形状や構造は特に限定されない。例えば、第1操作機構15や第2操作機構16は、ユーザの操作を受け付ける可動部を備えたコントローラや、ユーザが装着する手指等の形状のデバイスにより実現される。より具体的には、第1操作機構15や第2操作機構16は、例えば、棒状の操作具を傾けることで方向入力が行えるジョイスティック(操縦桿)のように、産業機械において広く用いられている操作機構で実現することができる。他にも、第2操作機構16は、例えば、込め棒を挿入する際の動きを模したような、所定の方向(例えば、ユーザUにとって前後方向)に進退可能な棒状の可動部を備えた操作機構で実現するようにしてもよい。なお、操作機構としての用途をスイッチ等で切り替えることで、単一の操作機構で、第1操作機構15及び第2操作機構16の双方の機能を実現するようにしてもよい。
【0020】
一方で、位置合わせ機構25や挿入機構26は、物体に接触して移動を行う機構であり、これについても、その形状や構造は特に限定されない。例えば、位置合わせ機構25や挿入機構26は、物体に接触して移動を行うロボットマニュピレータや、物体を移動させる込め棒のような工具を備えた(あるいは、工具が装着された)ロボットアーム、あるいは、アクチュエータ22bに接続された込め棒のような工具により実現される。
【0021】
このような構成において、制御装置30は、位置センサ13a,13bや位置センサ23a,23bが検出した位置に基づいて、ドライバ11a,11bやドライバ21a,21bに対して制御指令を出力することにより、リーダ装置である操作装置10と、フォロワー装置である装填装置20との間で力触覚を伝達するバイラテラル制御を実現する。より詳細には、制御装置30は、操作装置10の第1系統に対応する第1操作機構15と、装填装置20の第1系統に対応する位置合わせ機構25との間で力触覚を伝達する制御(バイラテラル制御)を行う。また、制御装置30は、操作装置10の第2系統に対応する第2操作機構16と、装填装置20の第2系統に対応する挿入機構26との間で力触覚を伝達する制御(バイラテラル制御)を行う。
なお、この力触覚を伝達する制御(バイラテラル制御)を実現するための具体的なアルゴリズムについては、
図10を参照して後述する。
【0022】
図3は、装填装置20の構成例について示す斜視図である。なお、
図3では、
図2に示した一部のハードウェア構成(ここでは、ドライバ21a,21b、アクチュエータ22a,22b、位置センサ23a,23b、及び通信部24)については図示を省略する。
図3に示すように、装填装置20は、上記の図示を省略したハードウェアに加えて、位置合わせ機構25、挿入機構26、ガイド部材27、脚線機構28、及び配置機構29をさらに備える。ここで、説明の便宜上これらハードウェアが露出した状態を図示しているが、
図2に示したハードウェアを含め、これらハードウェアの一部又は全部を、任意の形状の筐体に格納して使用することが可能である。また、
図3には、親ダイ51、増ダイ52、餡子53、切羽F、及び装薬孔Hも図示する。
【0023】
ここで、
図3においてガイド部材27の長手方向をx方向(前後方向)と定義する。また、水平面においてx方向と直交する方向をy方向(左右方向)と定義する。さらに、x方向及びy方向の双方に直交する方向をz方向(上下方向)と定義する。
また、x方向(前後方向)において、ガイド部材27を介して親ダイ51等の挿入をする方向を挿入方向とさらに定義する。さらに、x方向(前後方向)において、挿入方向の反対方向を引抜方向とさらに定義する。
【0024】
装填装置20は、ガイド部材27の挿入方向側の先端部が装薬孔Hの孔口と正対する姿勢を維持すると共に、xy平面が略水平の姿勢を維持するように(すなわち、z方向が略鉛直方向の姿勢を維持するように)して用いられる。
【0025】
位置合わせ機構25は、ユーザUからの位置合わせ機構25に対する遠隔操作に応じて装填装置20全体(又は少なくともガイド部材27)を移動させることで、ガイド部材27の挿入方向側の先端部(すなわち、親ダイ51等の排出部分)と、装薬孔Hの孔口との位置を合わせる。位置合わせ機構25は、例えば、高所作業車Aのクレーン先端に設置されたロボットアームにより実現される。この場合、様々な方向への移動により位置合わせを実現できるように、例えば、6自由度のロボットアームとするとよい。
【0026】
挿入機構26は、ユーザUからの挿入機構26に対する遠隔操作に応じてガイド部材27上を、x方向(前後方向)に進退することで、親ダイ51等を装薬孔Hに挿入する。挿入機構26は、例えば、人手による装填作業において用いられる込め棒のような棒状の形状をした部材により実現される。このように、人手による装填作業と同様の形状の部材とすることで、ユーザUは、遠隔操作でありながら、あたかも装薬孔Hに近接して作業を行う場合と同様にして、より適切に装填作業を行うことができる。
なお、変形例3として後述するが、硝安油剤爆薬(アンホ爆薬)や、粒状の爆薬を挿入対象物として、これらに空圧を加えることで圧送する手法を、本実施形態を適用することも可能である。この場合、挿入機構26は、これらの挿入対象物を装填するための装填機の中空パイプや、中空ホースのような筒状の形状をした部材より実現される。また、上述した込め棒のような棒状の形状をした部材により実現される挿入機構26と、このような中空パイプ等の筒状の形状をした部材により実現される挿入機構26との双方を設け、これらを併用するようにしてもよい。あるいは、このような2つの挿入機構26の双方を設け、運用場面に応じて(例えば、掘削工事を行う現場に応じて)2つの挿入機構26を使い分けるようにしてもよい。
【0027】
ガイド部材27は、挿入機構26や親ダイ51等を、装薬孔Hに向かって案内する。ガイド部材27は、例えば、親ダイ51等の円筒状の形状を案内しやすいように、長手方向の両端が開口すると共に、長手方向に対し垂直な断面である横断面(すなわち、yz平面)の形状が円形状又は円弧形状の部材により実現される。
【0028】
なお、これら挿入機構26やガイド部材27の形状はあくまで例示であり、任意の形状により実現することができる。例えば、挿入機構26をバネ形状の部材により実現してもよい。ただし、親ダイ51を爆発させるために電気雷管を用いる場合には、静電気により電気雷管が暴発しないように、静電気が発生しない木材やFRP(Fiber Reinforced Plastics)等により、挿入機構26やガイド部材27を形成することが望ましい。
【0029】
脚線機構28は、親ダイ51に封入された電気雷管を起爆するための脚線を結束した状態で保持する。そして、脚線機構28は、挿入機構26が親ダイ51を装薬孔Hに挿入することに伴い、脚線の結束を解放しながら脚線を送り出す。これにより、結束から解放された脚線の少なくとも一部が装薬孔Hの外部に露出する。
【0030】
配置機構29は、挿入機構26が挿入対象物(例えば、親ダイ51)を装薬孔Hに挿入する動作を行った後に、ガイド部材27に挿入対象物(例えば、増ダイ52)を新たに配置する。これにより、親ダイ51、増ダイ52、及び餡子53といった様々な挿入対象物を、ガイド部材27の位置を合わせた状態のまま、連続して挿入することができる。
【0031】
配置機構29は、例えば、y方向(左右方向)に所定の角度だけ回転可能な機構により実現される。この場合、親ダイ51、増ダイ52、及び餡子53のそれぞれを格納する配置機構29をガイド部材27と平行して複数列設ける。この配置機構29の形状は、例えば、長手方向に対し垂直な断面である横断面(すなわち、yz平面)の形状が円弧形状とする。
【0032】
そして、配置機構29は、配置機構29とガイド部材27(又は、他の配置機構29)がx方向(前後方向)において隣接している部分を回転軸として、y方向(左右方向)に所定の角度だけ回転する。これにより、回転した配置機構29に格納されていた親ダイ51等を、隣接したガイド部材27(又は、他の配置機構29)に移動させることができる。なお、他の配置機構29に移動させた場合、この他の配置機構29から、さらにガイド部材27に移動させることで、最終的にガイド部材27に移動させることができる。
このようにして、配置機構29は、任意の親ダイ51等をガイド部材27に配置することが可能となる。
【0033】
なお、配置機構29の構成はこれに限られず、例えば、高所作業車Aに把持及び移送が可能なロボットマニュピレータを配置し、このロボットマニュピレータが親ダイ51等を把持してガイド部材27に移送することで、配置機構29としての機能を実現するようにしてもよい。
あるいは、例えば、配置機構29とガイド部材27(又は、他の配置機構29)がx方向(前後方向)において隣接している部分の一部を開閉可能な機構と、y方向(左右方向)に親ダイ51等を押し込む機構とを組み合わせた機構としてもよい。この場合、配置機構29は、挿入等が行われる際はこの隣接部分を閉状態とし、親ダイ51等を移動させる際にはこの隣接部分を開状態とする。また、この開状態の隣接部分から、y方向(左右方向)に親ダイ51等を押し込む。このようにしても、配置機構29は、任意の親ダイ51等をガイド部材27に配置することが可能となる。
【0034】
親ダイ51は、含水爆薬と、この含水爆薬を爆発させるための一般的な電気雷管や、電子遅延式の電気雷管や、導火管付き雷管等の雷管を含んだ薬包状爆薬である。なお、雷管として、脚線を使用することなく、遠隔からの無線指示に基づいて、含水爆薬を爆発させることが可能な無線雷管を用いることも可能である。この場合、脚線機構28を省略した構成とすることができる。また、増ダイ52は、親ダイ51の爆轟により爆発する、電気雷管を含んでおらず、紙筒に封入された筒状、又は粒状の含水爆薬や、粒状のアンホ爆薬や、あるいは、液状又はゲル状の爆薬(例えば、バルクエマルション爆薬)といった、爆薬のみを含んだ薬包状爆薬である。餡子53は、装薬孔Hの孔口を塞ぐために粘土等で形成された込め物である。装薬孔Hには、親ダイ51、増ダイ52、餡子53の順に装填される。この場合に、増ダイ52は、切羽Fの地質(硬さ等)や、一度に掘削する距離等に応じて、挿入する数をゼロから任意の個数まで適宜増減させることが可能である。なお、「親ダイ、増ダイ、餡子」等の用語は、当業者において慣用的に用いられているため、本明細書でもこれらの用語をそのまま用いることとする。
【0035】
図4は、位置合わせ機構25による、位置合わせについて示す模式図である。この
図4と、後述の
図5、
図6及び
図7(b)は、装薬孔Hのxz平面の断面図となっている。
【0036】
図4(A)に示すように、位置合わせ機構25は、ユーザUからの位置合わせ機構25に対する遠隔操作に応じて装填装置20を移動させることで、ガイド部材27の挿入方向側の先端部と、装薬孔Hの孔口との位置合わせを試みる。この場合、位置合わせ機構25は、遠隔操作に応じて各方向に装填装置20を移動させる。この移動の過程において、ガイド部材27と、切羽F及び装薬孔Hとの接触により生じた反力は、第1操作機構15を介してユーザUに対して伝達される。ユーザUは、この伝達された反力に基づいて、ガイド部材27と、切羽F及び装薬孔Hとの接触の有無等を把握することができる。そのため、ユーザUは、カメラCにより撮影された装薬孔H近傍の画像を参照するだけの場合に比べて、より効率的に位置合わせを行うことができる。
なお、従来の人手による位置合わせでは、長手方向の丈が長いガイド部材27を使用するため、位置合わせが困難であり、作業に時間を要してしまう。そして、このように作業が長時間化することに伴い、作業者が肌落ち等の被害を受けるリスクが高くなってしまっていた。しかしながら、本実施形態によれば、上述のように、遠隔操作により位置合わせを実現することから、このようなリスクを回避して、作業者の安全を確保することができる。
【0037】
図4(B)に示すように、位置合わせ機構25は、位置合わせを完了したユーザUからの遠隔操作に応じて、ガイド部材27の挿入方向側の先端部の一部を装薬孔Hに挿入する。これにより、ガイド部材27は装薬孔Hに配置され、以下の挿入作業において、挿入機構26や親ダイ51等を、装薬孔Hに向かって案内することができる。
【0038】
図5及び
図6は、挿入機構26による、親ダイ51等の、装薬孔Hへの挿入について示す模式図である。なお、
図5及び
図6では、一例として親ダイ51を挿入する場合を図示するが、増ダイ52及び餡子53も同様の手順により、装薬孔Hに挿入される。また、
図5及び
図6では、挿入機構26及び親ダイ51の動きが明確となるように、ガイド部材27を破線にして示す。
【0039】
図5(C)に示すように、挿入機構26は、ユーザUからの挿入機構26に対する遠隔操作に応じて、配置機構29によりガイド部材27に配置された親ダイ51を装薬孔Hに挿入する。すなわち、親ダイ51を、挿入機構26により挿入方向側に押し出す。
図5(D)に示すように、挿入機構26が、挿入方向側に押し出す動作を継続することにより、親ダイ51は、装薬孔Hに挿入されていく。
【0040】
図6(E)に示すように、挿入が継続した結果、最終的に親ダイ51は、装薬孔Hの奥側(親ダイ51が挿入される側とは逆側)の壁面に接触する。これにより、装填作業における、親ダイ51の挿入は完了する。
図6(F)に示すように、挿入機構26は、ユーザUからの挿入機構26に対する遠隔操作に応じて、挿入機構26を引抜方向側に移動させる。そして、再度
図5(C)の状態に戻り、増ダイ52や餡子53が同様の手順で挿入される。
【0041】
このような挿入の過程において、親ダイ51等や挿入機構26と、装薬孔Hとの接触により生じた反力は、第2操作機構16を介してユーザUに対して伝達される。ユーザUは、この伝達された反力に基づいて、親ダイ51等や挿入機構26と、装薬孔Hとの接触の有無や、接触による摩擦の程度を把握することができる。そのため、ユーザUは、遠隔操作でありながら、あたかも装薬孔Hに近接して作業を行う場合と同様にして、より適切に装填作業を行うことができる。
【0042】
この場合、ユーザUは、例えば、伝達された反力に基づいて、親ダイ51等や挿入機構26が、装薬孔Hに引っ掛かっているか否かを把握することができる。そのため、ユーザUは、例えば、挿入機構26を一度引抜方向に戻し、再度挿入方向側に押し込むような試行を繰り返すことができる。この場合に、ユーザUに伝達される反力は、挿入方向からの反力のみならず、左右方向や上下方向も含んだ各方向からの反力である。そのため、ユーザUは、例えば、親ダイ51等や挿入機構26が挿入方向に進まないということだけでなく、親ダイ51等や挿入機構26が装薬孔Hの内壁面に接触して進まないということも把握することができる。
【0043】
また、ユーザUは、例えば、伝達された反力に基づいて、親ダイ51が装薬孔Hの奥側の壁面に接触したか否かを把握することができる。そのため、ユーザUは、例えば、挿入途中であるので、挿入が完了したと誤認したりすることなく、挿入が完了したことを正確に把握することができる。同様に、増ダイ52や餡子53を挿入する場合には、先に挿入した親ダイ51や増ダイ52に密着するまで挿入したか否かを把握することができる。そして、ユーザUは、このようにして、親ダイ51等の挿入が完了したことを把握できるので、親ダイ51等を装薬孔Hに適切に挿入できた後、すぐに、挿入機構26を引抜方向に戻すための遠隔操作を開始することができる。これにより、装填装置20は、挿入機構26を迅速かつ容易に回収することができる。そのため、増ダイ52や餡子53を、順次挿入機構26にて挿入していくことができる。
このように、本実施形態によれば、挿入機構26に加わる力(例えば、装薬孔Hや切羽Fといった環境からの反力)を、ユーザUに伝達することにより、ユーザUからの位置合わせ機構25や挿入機構26に対する遠隔操作を支援し、より適切な装填作業を実現することが可能となる。
【0044】
図7は、親ダイ51の構造及び脚線機構28による動作について示す模式図である。
図7(a)に示すように、親ダイ51は、含水爆薬511と、含水爆薬511を爆発させるための電気雷管512と、電気雷管512を起爆するための脚線513を含む。また、
図7(a)には、脚線513を結束する結束バンド514も図示する。
電気雷管512は、本実施形態における装填作業に先立って、予め含水爆薬511に封入される。脚線513は、通電するためのプラス線と、マイナス線の組からなる。しかし電気雷管512によっては、これらプラス線とマイナス線の組は、1本によられていたりして、プラス線とマイナス線が区別することなく、結束バンド514により結束されている場合がある。
【0045】
そこで、親ダイ51から出ている脚線513を、予めプラス線とマイナス線を区別して、別々に脚線機構28に保持させる。また、親ダイ51の電気雷管512が封入されている側(脚線513が出ている側)を、挿入方向側に配置する。そして、
図7(b)に示すように、挿入機構26が親ダイ51を装薬孔Hに挿入することに伴い、脚線513の結束を解放しながら脚線513を内部のアクチュエータ等(図示を省略する)で送り出す。これにより、脚線機構28より上流側において、脚線513が、仮にプラス線とマイナス線が区別することなく結束バンド514により結束されていたとしても、脚線機構28より下流側においてプラス線とマイナス線が区別して送りだされることとなる。また、結束バンド514は、脚線機構28に引っ掛かることから、脚線機構28よりも上流に留まることとなる。これによる、親ダイ51による挿入完了後、結束から解放された脚線の少なくとも一部がプラス線とマイナス線とに区別された状態で装薬孔Hの外部に露出する。
このように、脚線機構28によれば、装填作業後の結線作業を容易に実行可能な状態とすることができる。
【0046】
図8は、制御装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8に示すように、制御装置30は、プロセッサ31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、バス34と、入力部35と、出力部36と、記憶部37と、通信部38と、ドライブ39と、を備えている。
【0047】
プロセッサ31は、ROM32に記録されているプログラム、又は、記憶部37からRAM33にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM33には、プロセッサ31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0048】
プロセッサ31、ROM32及びRAM33は、バス34を介して相互に接続されている。バス34には、入力部35、出力部36、記憶部37、通信部38及びドライブ39が接続されている。
【0049】
入力部35は、マウスやキーボード等の入力装置を備え、制御装置30に対する各種情報の入力を受け付ける。なお、入力部35としてマイクを備え、作業者の音声入力によって各種情報の入力を受け付けることとしてもよい。
出力部36は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部37は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部38は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0050】
ドライブ39には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ39によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部37にインストールされる。
なお、上記ハードウェア構成は、制御装置30の基本的構成であり、一部のハードウェアを備えない構成としたり、付加的なハードウェアを備えたり、ハードウェアの実装形態を変更したりすることができる。
【0051】
このようなハードウェア構成を有する制御装置30は、「動作制御処理」や、「遠隔装填処理」を行う。
ここで、動作制御処理は、操作装置10が駆動する各機構と、装填装置20が駆動する各機構との間で、力触覚を伝達する制御(バイラテラル制御)を行うことで、各機構の動作を制御する一連の処理である。
また、遠隔装填処理は、動作制御処理を利用して、ユーザUの遠隔装填作業における遠隔操作を支援する一連の処理である。なお、動作制御処理は、遠隔装填処理のサブルーチンとして実現される。
【0052】
図9は、制御装置30の機能的構成を示すブロック図である。
上記の動作制御処理や遠隔装填処理が行われる場合、
図9に示すように、プロセッサ31において、物理量データ取得部311と、動作制御部312と、配置指示部313と、画像データ取得部314と、画像提示部315と、が機能する。また、記憶部37には、物理量データ記憶部371と、画像データ記憶部372と、が形成される。
以下で特に言及しない場合も含め、これら機能ブロック間では、処理を実現するために必要なデータを、適切なタイミングで適宜送受信する。
【0053】
物理量データ取得部311は、動作制御処理を実現するための物理量データを取得する。例えば、物理量データ取得部311は、位置センサ13a,13b,23a,23bからアクチュエータ12a,12b,22a,22bによる駆動で移動される各機構の可動部の位置(具体的には、位置又は角度)を取得する。物理量データ取得部311によって取得された位置等の物理量データは、後述する力触覚伝達のアルゴリズムにおいて、操作装置10や装填装置20が駆動する各機構の動作の基準値として用いられる。
【0054】
動作制御部312は、操作装置10が駆動する各機構と、装填装置20が駆動する各機構との間で力触覚を伝達する制御を行うことで、各機構の動作を制御する。
図10は、動作制御部312の制御アルゴリズムを示すブロック図である。
図10に示すように、動作制御部312に実装されるアルゴリズムは、機能別力・速度割当変換ブロックFTと、理想力源ブロックFCと、理想速度(位置)源ブロックPCと、逆変換ブロックIFTとを含む制御則として表される。なお、本実施形態において、制御対象システムCSにおける、リーダ装置は操作装置10によって構成され、フォロワー装置は装填装置20によって構成される。
【0055】
機能別力・速度割当変換ブロックFTは、制御対象システムCSの機能に応じて設定される速度(位置)及び力の領域への制御エネルギーの変換を定義するブロックである。具体的には、機能別力・速度割当変換ブロックFTでは、制御対象システムCSの機能の基準となる値(基準値)と、アクチュエータ12a,12b,22a,22bによる駆動で移動される各機構の可動部の現在位置(又は現在角度)とを入力とする座標変換が定義されている。この座標変換は、一般に、基準値及び現在位置(現在角度)を要素とする入力ベクトルを位置(角度)の制御目標値を算出するための位置(角度)からなる出力ベクトルに変換すると共に、基準値及び現在の力を要素とする入力ベクトルを力の制御目標値を算出するための力からなる出力ベクトルに変換するものである。
【0056】
機能別力・速度割当変換ブロックFTにおける座標変換を、力触覚の伝達機能を表す内容に設定することにより、操作装置10と装填装置20との間における力触覚の伝達機能を実現したり、力触覚を伝達する動作を、操作装置10を用いることなく装填装置20で再現したりすることができる。また、機能別力・速度割当変換ブロックFTにおける座標変換において、変換行列の要素に係数を設定することにより、位置(角度)あるいは力のスケーリングを行ったりすることができる。
【0057】
すなわち、本実施形態においては、機能別力・速度割当変換ブロックFTにおいて、アクチュエータ12a,12b,22a,22bによる駆動で移動される各機構の可動部の単体の変数(実空間上の変数)を、力触覚伝達機能を表現するシステム全体の変数群(座標変換後の空間上の変数)に“変換”し、位置(角度)の制御エネルギーと力の制御エネルギーとに制御エネルギーを割り当てる。すなわち、機能別力・速度割当変換ブロックFTに設定される座標変換は、位置(角度)と力とが互いに関連する実空間の座標(斜交座標)を位置(角度)と力とが互いに独立した仮想空間の座標(直交座標)に変換するものである。そのため、アクチュエータ12a,12b,22a,22bによる駆動で移動される各機構の可動部の単体の変数(実空間上の変数)のまま制御を行う場合と比較して、位置(角度)の制御エネルギーと力の制御エネルギーとを独立に与えること、すなわち、位置(角度)と力とを独立に制御することが可能となっている。
【0058】
本実施形態においては、例えば、操作装置10が出力する位置(角度)及び力を制御する場合、アクチュエータ12a,12bによる駆動で移動される各機構の可動部の位置(角度)及びこれらの位置(角度)から算出される力の入力と、位置(角度)及び力の制御の基準となる基準値とにおいて、位置(角度)の差がゼロ、力の和がゼロ(逆向きに等しい力が出力される)となることを条件として、座標変換後の空間における状態値の演算を行うことができる。ただし、位置(角度)及び力の制御の基準となる基準値は、装填装置20におけるアクチュエータ22a,22bによる駆動で移動される各機構の可動部の位置(角度)及びこれらの位置(角度)から算出される力である。
【0059】
同様に、本実施形態において、例えば、装填装置20が出力する位置(角度)及び力を制御する場合、アクチュエータ22a,22bによる駆動で移動される各機構の可動部の位置(角度)及びこれらの位置(角度)から算出される力の入力と、位置(角度)及び力の制御の基準となる基準値とにおいて、位置(角度)の差がゼロ、力の和がゼロ(逆向きに等しい力が出力される)となることを条件として、座標変換後の空間における状態値の演算を行うことができる。ただし、位置(角度)及び力の制御の基準となる基準値は、操作装置10におけるアクチュエータ12a,12bによる駆動で移動される各機構の可動部の位置(角度)及びこれらの位置(角度)から算出される力である。
【0060】
理想力源ブロックFCは、機能別力・速度割当変換ブロックFTによって定義された座標変換に従って、力の領域における演算を行うブロックである。理想力源ブロックFCにおいては、機能別力・速度割当変換ブロックFTによって定義された座標変換に基づく演算を行う際の力に関する目標値が設定されている。この目標値は、実現される機能に応じて固定値又は可変値として設定される。例えば、基準値が示す機能と同様の機能を実現する場合には、目標値としてゼロを設定したり、スケーリングを行う場合には、基準値が示す機能を表す情報を拡大・縮小した値を設定したりできる。また、理想力源ブロックFCは、力の領域における演算によって決定される力のエネルギーに対し、上限値を設定することができる。力のエネルギーの上限値を設定することで、例えば、挿入機構26が親ダイ51等に対して接触する際の接触力の制限を与えることとなり、親ダイ51等が装薬孔Hの内壁面等に過度に強く押し当てられることを抑制できる。
【0061】
理想速度(位置)源ブロックPCは、機能別力・速度割当変換ブロックFTによって定義された座標変換に従って、位置(角度)の領域における演算を行うブロックである。理想速度(位置)源ブロックPCにおいては、機能別力・速度割当変換ブロックFTによって定義された座標変換に基づく演算を行う際の位置(角度)に関する目標値が設定されている。この目標値は、実現される機能に応じて固定値又は可変値として設定される。例えば、基準値が示す機能と同様の機能を実現する場合には、目標値としてゼロを設定したり、スケーリングを行う場合には、再現する機能を示す情報を拡大・縮小した値を設定したりできる。また、理想速度(位置)源ブロックPCは、位置(角度)の領域における演算によって決定される力のエネルギーに対し、上限値を設定することができる。位置(角度)のエネルギーの上限値を設定することは、挿入機構26が進退する距離の制限を与えることとなり、挿入済みの親ダイ51等に、増ダイ52等に過度に強く押し当てられることを抑制できる。
【0062】
逆変換ブロックIFTは、位置(角度)及び力の領域の値を制御対象システムCSへの入力の領域の値(例えば、電圧値又は電流値等)に逆変換する(すなわち、実空間の指令値を決定する)ブロックである。
このような制御アルゴリズムの下、制御装置30には、位置センサ13a,13b,23a,23bによって検出された時系列の位置(角度)の検出値が入力される。この時系列の位置(角度)の検出値は、アクチュエータ12a,12b,22a,22bの動作を表すものであり、制御装置30は、入力された位置(角度)及びこれらの位置(角度)から導出された力に対して、力触覚を伝達する座標変換を適用する。
【0063】
図9に戻り、配置指示部313は、装填装置20の配置機構29に配置指示を送信することにより、挿入すべき親ダイ51等をガイド部材27に配置させる。配置機構29の動作や、親ダイ51等の挿入の順番等については、上述した通りである。
【0064】
画像データ取得部314は、カメラCが撮影した画像を、通信によりリアルタイムで取得する。カメラCは、例えば、位置合わせ機構25による位置合わせ時には、ガイド部材27の挿入方向側の先端部の近傍を撮影する。また、カメラCは、挿入機構26による挿入時には、挿入対象とした装薬孔Hの近傍を撮影する。ユーザUの遠隔操作をより適切に支援するために、カメラCが撮影する画像は、静止画ではなく動画であることが望ましい。また、ユーザUによる、制御装置30等を用いた遠隔操作により、カメラCの画角等を変更できるようにすると、より望ましい。
【0065】
画像提示部315は、画像データ取得部314が取得したカメラCの撮影した画像を、ユーザUに対してリアルタイムに提示する。提示は、例えば、出力部36に含まれるディスプレイへの表示により実現することができる。この場合、このディスプレイを、ユーザUが各操作機構を操作中に参照できる位置に配置することが望ましい。
【0066】
物理量データ記憶部371は、物理量データ取得部311が取得した物理量データや、これに基づいて動作制御部312が算出した各種パラメータ等を記憶する。画像データ記憶部372は、画像データ取得部314が取得した、カメラCの撮影した画像のデータを記憶する。これら記憶部の記憶した各種データは、装填作業に伴うログとして活用することができる。例えば、装填作業の成否や装填作業に要した時間を解析するために活用することができる。あるいは、遠隔操作による装填作業の経験が少ないユーザUに、遠隔操作の手順を教えるための教材等として活用することができる。
次に、遠隔装填システム1により行われる各処理の処理内容の詳細について説明をする。
【0067】
[動作制御処理]
図11は、遠隔装填システム1が実行する動作制御処理の流れを説明するフローチャートである。動作制御処理は、遠隔装填処理におけるサブルーチンとして実行される。
【0068】
ステップS1において、物理量データ取得部311は、アクチュエータによる駆動で移動される対象となる機構の可動部の位置(角度)を取得する。例えば、位置合わせ機構25による位置合わせ時には、移動される対象となる機構は、第1操作機構15及び位置合わせ機構25である。この場合、動作制御部312は、これらの機構に対応する位置を、位置センサ13aと、位置センサ23aから取得する。一方で、挿入機構26による挿入時には、移動される対象となる機構は、第2操作機構16及び挿入機構26である。この場合、動作制御部312は、これらの機構に対応する位置を、位置センサ13bと、位置センサ23bから取得する。
【0069】
ステップS2において、動作制御部312は、実空間の入力ベクトルを仮想空間のベクトルに変換する。
ステップS3において、動作制御部312は、速度(位置)の領域における演算及び力の領域における演算を実行する。
【0070】
ステップS4において、動作制御部312は、速度(位置)及び力の領域の値を制御対象システムCSへの入力の領域の値(実空間のベクトル)に逆変換する。
ステップS5において、動作制御部312は、アクチュエータ12及びアクチュエータ22の指令値を出力する。
【0071】
ステップS6において、動作制御部312は、位置合わせ機構25による位置合わせや、挿入機構26による挿入といった所定の行為の実行が終了したか否かを判定する。判定は、物理量データ取得部311が取得した物理量データを解析することや、ユーザUからの所定の行為の終了操作があったか否かに基づいて行うことができる。所定の行為の実行が終了した場合は、ステップS6においてYesと判定され、サブルーチンとしての本処理は終了し、遠隔装填処理に戻る。一方で、所定の行為の実行が終了していない場合は、ステップS6においてNoと判定され、処理はステップS1に戻り繰り返される。
【0072】
以上説明した動作制御処理によれば、操作装置10が駆動する各機構と、装填装置20が駆動する各機構との間で、力触覚を伝達する制御(バイラテラル制御)を行うことで、各機構の動作を制御することができる。
【0073】
[遠隔装填処理]
図12は、遠隔装填システム1が実行する遠隔装填処理の流れを説明するフローチャートである。遠隔装填処理は、操作装置10や制御装置30が、ユーザによる遠隔装填処理の開始指示操作を受け付けたことに伴い実行される。
【0074】
ステップS11において、画像データ取得部314は、カメラCの撮影した画像を取得する。
ステップS12において、画像提示部315は、カメラCの撮影した画像をユーザUに対して提示する。このステップS11における取得と、ステップS12における提示は、本処理が完了するまで継続して行われる。
【0075】
ステップS13において、物理量データ取得部311は、第1操作機構15に対応する物理量データに基づいて、第1操作機構15が、ユーザUによる位置合わせ機構25を用いた位置合わせのための遠隔操作を受け付けたことを検出する。
【0076】
ステップS14において、動作制御部312は、サブルーチンとして上述した動作制御処理を実行する。この場合、動作制御処理の対象となるのは、第1操作機構15及び位置合わせ機構25である。位置合わせが終了すると、動作制御処理は終了し、ステップS15に進む。
【0077】
ステップS15において、物理量データ取得部311は、第2操作機構16に対応する物理量データに基づいて、第2操作機構16が、ユーザUによる挿入機構26を用いた挿入対象物の挿入のための遠隔操作を受け付けたことを検出する。ここで、挿入対象物は、配置機構29によってガイド部材27に現在配置されているものであって、具体的には、親ダイ51、増ダイ52、及び餡子53の何れかである。
【0078】
ステップS16において、動作制御部312は、サブルーチンとして上述した動作制御処理を実行する。この場合、動作制御処理の対象となるのは、第2操作機構16及び挿入機構26である。挿入が終了すると、動作制御処理は終了し、ステップS17に進む。
【0079】
ステップS17において、動作制御部312は、増ダイ52や餡子53をさらに挿入するか否かを判定する。判定は、予め設定された挿入すべき増ダイ52や餡子53の数を設定しておくことや、ユーザUからの挿入終了指示操作があったか否かに基づいて行うことができる。さらに挿入する場合は、ステップS17においてYesと判定され、処理はステップS19に進む。一方で、これ以上挿入しない場合は、ステップS17においてNoと判定され、処理はステップS18に進む。
【0080】
ステップS19において、配置指示部313は、配置機構29に指示を出すことで、次に挿入すべき増ダイ52や餡子53を、ガイド部材27に配置させる。そして、ステップS15から処理は繰り返される。
【0081】
ステップS18において、動作制御部312は、他の装薬孔Hを対象として遠隔装填処理を継続するか否かを判定する。判定は、予め設定された装填処理をすべき装薬孔Hの数を設定しておくことや、ユーザUからの遠隔装填終了指示操作があったか否かに基づいて行うことができる。遠隔装填処理を継続する場合は、ステップS18においてYesと判定され、処理はステップS20に進む。一方で、これ以上挿入しない場合は、ステップS18においてNoと判定され、本処理は終了する。
【0082】
ステップS20において、配置指示部313が次の装薬孔Hに挿入すべき親ダイ51を、ガイド部材27に配置する。そして、必要に応じて高所作業車Aを移動させた後に、ステップS13から処理は繰り返される。
【0083】
以上説明した、遠隔装填処理によれば、動作制御処理を利用して、ユーザUの遠隔装填作業における遠隔操作を支援することができる。
【0084】
このように、遠隔装填システム1では、遠隔操作により装填作業を実現できるので、少なくとも装填作業の一部において、作業者であるユーザUが肌落ち等の危険性がある切羽に近接して作業を行う必要がない。また、ユーザUは、第1操作機構15を介して、挿入機構26に加わる力を伝達されると共に、第2操作機構16を介して、位置合わせ機構25に加わる力を伝達される。そして、作業者であるユーザUは、これらを感じながら装填作業を実施できるので、実際に込め棒を用いて作業を実施する場合と同等の精度で、装填作業を完了することができる。すなわち、遠隔装填システム1では、挿入機構26及び位置合わせ機構25に加わる力をユーザUに伝達できるので、例えば、撮像画像を表示するのみの場合に比べて、より精度高く装填作業を実現することができる。
従って、遠隔装填システム1によれば、作業者の安全を確保しつつ、より適切に爆薬等の装填を行うことが可能となる。
なお、一般的に、装填作業では、肌落ち等の崩落災害を意識して、作業時の監視や、切羽にコンクリート等を吹き付ける鏡面補強のような対策が必要である。しかしながら、本実施形態によれば、上記のようにユーザUの安全を確保できているので、このような対策を必要以上に行わなくてよいという効果も奏する。
【0085】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他の様々な実施形態を取ることが可能である共に、省略及び置換等種々の変形を行うことができる。
【0086】
[変形例1]
上述した実施形態において、動作制御部312は、
図10を参照して説明した制御アルゴリズムに基づいて、操作装置10が駆動する各機構と、装填装置20が駆動する各機構との間で力触覚を伝達する制御を行うことで、各機構の動作を制御していた。これに限らず、動作制御部312は、他の制御アルゴリズムを用いて、各機構の動作を制御するようにしてもよい。例えば、動作制御部312は、本変形例として以下で説明する制御アルゴリズムを用いて、各機構の動作を制御するようにしてもよい。この場合、動作制御部312は、動作制御処理において、
図11に図示したステップS2~4の処理に代えて、以下に説明する本変形例の制御アルゴリズムに基づいて、操作装置10及び装填装置20に対する指令値を算出する。
【0087】
[基本的原理]
図13は、本変形例の制御アルゴリズムの概念を示す模式図である。
図13に示すように、本変形例の制御アルゴリズムにおいては、リーダ・フォロワーシステムを応用したロボットにおいてリーダ装置及びフォロワー装置を含む仮想物体を想定し、リーダ装置及びフォロワー装置への入力が仮想物体への入力であるとした場合の仮想物体の挙動にリーダ装置及びフォロワー装置の動作を追従させる制御を行う。このとき、リーダ装置及びフォロワー装置から入力される力応答にアドミタンスを乗じて速度を表すパラメータを算出し、現在の速度と共に、速度指令値としてリーダ装置及びフォロワー装置の位置制御系に与える。
これにより、リーダ装置及びフォロワー装置における動作の再現性及び操作性として、従来と同等以上の性能を得ることができる。
したがって、より適切なロボットの物理的インタラクションを実現することが可能となる。
また、本変形例の制御アルゴリズムにおいては、速度指令値に基づく制御を行うことができるため、既存の位置(又は速度)制御系のシステム(加速度制御を想定していないシステム)との親和性が高いものとなる。ただし、本変形例の制御アルゴリズムにおいて、加速度指令値に基づく制御を行うことも可能である。
なお、位置と速度(又は加速度)あるいは角度と角速度(又は角加速度)は、微積分演算により置換可能なパラメータであるため、位置あるいは角度に関する処理を行う場合、適宜、速度あるいは角速度等に置換することが可能である。
【0088】
[具体的制御]
物理量データ取得部311は、操作装置10及び装填装置20において取得された物理量(ここでは、操作装置10及び装填装置20における各機構の可動部の位置)を取得する。
動作制御部312は、物理量データ取得部311によって取得された操作装置10及び装填装置20の物理量に基づいて、操作装置10及び装填装置20を含むと仮想した仮想物体(質量mを有する仮想物体)の挙動に操作装置10及び装填装置20を追従させる速度指令値(又は位置指令値)を算出する。具体的には、動作制御部312は、例えば、以下の式(1)及び(2)に従って、操作装置10に対する速度指令値及び装填装置20に対する速度指令値を算出する。
【0089】
【数1】
ただし、式(1)及び(2)において、V
1
refは操作装置10への速度指令値、V
2
refは装填装置20への速度指令値、C
vは速度制御器、Yはアドミタンス、F
1は操作装置10の力応答値、F
2は装填装置20の力応答値、V
1は操作装置10の各機構の可動部の速度、V
2は装填装置20の各機構の可動部の速度である。
【0090】
なお、F1及びF2は、操作装置10及び装填装置20から取得された物理量(ここでは位置)から、各種力推定手法(加速度に変換して質量との乗算値として推定するあるいはオブザーバにより推定する等)を用いて取得することができる。また、V1及びV2は、操作装置10及び装填装置20から取得された物理量(ここでは位置)の微分により取得することができる。ただし、制御装置30が操作装置10及び装填装置20から物理量として力を取得し、式(1)及び(2)の演算に用いることとしてもよい。
【0091】
また、式(1)及び(2)においては、速度指令値を算出する場合の式を示したが、位置指令値を算出し、位置指令値によって操作装置10及び装填装置20を制御することも可能である。
また、動作制御部312は、例えば、以下の式(3)及び(4)に従って、操作装置10に対する速度指令値及び装填装置20に対する加速度指令値を算出し、加速度指令値によって操作装置10及び装填装置20を制御することも可能である。さらに、動作制御部312は、アクチュエータの電流指令値あるいは電圧指令値を算出し、アクチュエータの電流指令値あるいは電圧指令値によって操作装置10及び装填装置20を制御することも可能である。
【0092】
【数2】
ただし、式(3)及び(4)において、sはラプラス演算子、X
1
refは操作装置10への位置指令値(すなわち、s
2X
1
refは操作装置10への加速度の指令値)、X
2
refは装填装置20への速度指令値(すなわち、s
2X
2
refは装填装置20への加速度の指令値)、C
pは位置制御器、Yはアドミタンス、F
1は操作装置10の力応答値、F
2は装填装置20の力応答値、X
1は操作装置10の各機構の可動部の位置、X
2は装填装置20の各機構の可動部の位置である。
【0093】
動作制御部312は、このようにして算出した操作装置10の指令値(ここでは速度指令値)及び装填装置20の指令値(ここでは速度指令値)を操作装置10及び装填装置20に送信する。なお、このとき、位置指令値を算出し、位置指令値によって操作装置10及び装填装置20を制御することも可能である。また、このとき、加速度指令値を算出し、加速度指令値によって操作装置10及び装填装置20を制御することも可能である。
【0094】
なお、本変形例の制御アルゴリズムでは、操作装置10及び装填装置20が、位置センサ13a,13b,23a,23bに加えて、操作装置10及び装填装置20の各機構の可動部が受ける力を検出する力センサを備え、力センサによって検出された各機構の可動部が受ける力を制御装置30に送信することとしてもよい。また、操作装置10及び装填装置20が、位置センサ13a,13b,23a,23bに代えて、操作装置10及び装填装置20の各機構の可動部(例えば、アクチュエータ12a,12b,22a,22bの出力軸)の速度(又は加速度)を検出する速度センサ(又は加速度センサ)を備え、速度センサ(又は加速度センサ)によって検出された各機構の可動部の速度(又は加速度)を制御装置30に送信することとしてもよい。
【0095】
本変形例の制御アルゴリズムによれば、仮想物体に追従させる制御手法としたことで、操作装置10及び装填装置20における動作の再現性及び操作性として、従来と同等以上の性能を得ることができる。
したがって、より適切なロボットの物理的インタラクションを実現することが可能となる。
また、
図10を参照して説明した制御アルゴリズムとも共通するが、上述の制御アルゴリズムによって操作装置10及び装填装置20を制御する場合、制御のために必要なパラメータが低減されることから、装置間で送受信されるデータ量を減少させることができる。
【0096】
[変形例2]
上述した実施形態では、操作装置10と、制御装置30とを異なる装置として実現していた。これに限らず、例えば、操作装置10と、制御装置30とを一体の装置として実現してもよい。すなわち、ユーザUの遠隔装填を受け付けると共に、操作装置10と装填装置20との間で力触覚を伝達する制御を行うことができる一体の装置として実現してもよい。この場合、
図2のブロック図における、通信部14とドライバ11a,11bの間に制御装置30と同等の機能を実現する動作制御用の機能ブロックが挿入される。また、位置センサ13a,13bの検出値は、通信部14ではなく、この動作制御用の機能ブロックに入力される。そして、この動作制御用の機能ブロックは、上述した制御装置30と同様の制御アルゴリズムに基づいて、装填装置20との間での力触覚の伝達を実現する。
あるいは、装填装置20と、制御装置30とを一体の装置として実現してもよい。すなわち、操作装置10を介してユーザUの遠隔装填を受け付けると共に、操作装置10と装填装置20との間で力触覚を伝達する制御を行う装置としてもよい。この場合、
図2のブロック図における、通信部24とドライバ21a,21bの間に制御装置30と同等の機能を実現する動作制御用の機能ブロックが挿入される。また、位置センサ23a,23bの検出値は、通信部24ではなく、この動作制御用の機能ブロックに入力される。そして、この動作制御用の機能ブロックは、上述した制御装置30と同様の制御アルゴリズムに基づいて、操作装置10との間での力触覚の伝達を実現する。
あるいは、このような力触覚の伝達の制御を、操作装置10と、装填装置20とで、それぞれ分散して行うようにしてもよい。この場合、各装置に動作制御用の機能ブロックを追加する。そして、各装置の動作制御用の機能ブロックは、自装置のセンサでの検出値と他装置のセンサでの検出値とを取得した上で、上述した制御装置30と同様の制御アルゴリズムに基づいて、自装置のドライバに対して指令値を出力する。このようにして、他装置との間での力触覚の伝達を実現するようにしてもよい。
【0097】
[変形例3]
上述した実施形態では、
図3に示したようなガイド部材27を位置合わせ機構25により装薬孔Hに対して位置合わせし、その後、
図3に示したような挿入機構26で挿入方向に向かって親ダイ51等を押し出すことにより、装薬孔Hに親ダイ51等を挿入していた。これに限らず、他の手法で、装薬孔Hに親ダイ51等を挿入するようにしてもよい。
例えば、空圧や水圧等を利用する手法を用いて、装薬孔Hに親ダイ51等を挿入するようにしてもよい。この場合、位置合わせ機構25は、親ダイ51等を装填するための装填ホースの開口部の一端を、装薬孔Hに対して位置合わせする。また、挿入機構26は、この装填ホースの開口部の一端を、必要に応じた長さだけ装薬孔Hに挿入する。その後、この装填ホースの開口部の他端から親ダイ51等を装填ホースに供給する。そして、この他端から空圧や水圧といった圧力を加えることで圧送を行い、親ダイ51等を装薬孔Hに挿入する。
本変形例のようにすることで、例えば、込め棒のような部材で押し込む以外の、空圧や水圧等を利用する手法によっても、上述した実施形態を実現することができる。
【0098】
[構成例]
以上のように、本実施形態に係る遠隔装填システム1は、ガイド部材27と、挿入機構26及び位置合わせ機構25と、第1操作機構15及び第2操作機構16と、動作制御部312と、を備える。
ガイド部材27は、親ダイ51、増ダイ52、及び餡子53の少なくとも何れかである挿入対象物を、装薬孔Hに向かって案内する。
挿入機構26及び位置合わせ機構25は、挿入対象物を、ガイド部材27を介して装薬孔Hに装填するために駆動する。
第1操作機構15及び第2操作機構16は、ユーザUからの挿入機構26及び位置合わせ機構25に対する遠隔操作を受け付ける。
動作制御部312は、第1操作機構15及び第2操作機構16に入力されたユーザUからの挿入機構26及び位置合わせ機構25に対する遠隔操作に応じて、挿入機構26の動作を制御すると共に、挿入機構26及び位置合わせ機構25に加わる力を、第1操作機構15及び第2操作機構16がユーザUに対して伝達する動作を制御する。
このように、遠隔装填システム1では、遠隔操作により装填作業を実現できるので、少なくとも装填作業の一部において、作業者であるユーザUが肌落ち等の危険性がある切羽に近接して作業を行う必要がない。また、遠隔装填システム1では、挿入機構26及び位置合わせ機構25に加わる力をユーザUに伝達できるので、例えば、撮像画像を表示するのみの場合に比べて、より精度高く装填作業を実現することができる。
従って、遠隔装填システム1によれば、作業者の安全を確保しつつ、より適切に爆薬等の装填を行うことが可能となる。
【0099】
挿入機構26は、挿入対象物を、ガイド部材27を介して装薬孔Hに挿入する。
動作制御部312は、第1操作機構15に入力されたユーザUからの挿入機構26に対する遠隔操作に応じて、挿入機構26が挿入対象物を装薬孔Hに挿入する動作を制御すると共に、挿入機構26に加わる力を、第1操作機構15がユーザUに対して伝達する動作を制御する。
これにより、ユーザUは、第1操作機構15を介して、挿入機構26に加わる力を伝達され、これを感じながら装填作業を実施できるので、実際に込め棒を用いて作業を実施する場合と同等の精度で、装填作業を完了することができる。
【0100】
位置合わせ機構25は、ガイド部材27における挿入対象物の排出部分と、装薬孔Hとの位置を合わせる。
動作制御部312は、第2操作機構16に入力されたユーザUからの位置合わせ機構25に対する遠隔操作に応じて、位置合わせ機構25が位置を合わせる動作を制御すると共に、位置合わせ機構25に加わる力を、第2操作機構16がユーザUに対して伝達する動作をさらに制御する。
これにより、ユーザUは、爆薬の装填の前工程である、ガイド部材27の位置合わせについて、切羽に近接することなく、精度高く実行することができる。
【0101】
ガイド部材27は、長手方向の両端が開口すると共に、長手方向に対し垂直な断面である横断面の形状が円形状又は円弧形状であり、
挿入機構26は、ガイド部材27の長手方向の一端の開口から、装薬孔Hに挿入又は接触している他端の開口に向かって、挿入対象物を棒状の部材もしくは筒状の部材で押し出すことで挿入対象物を装薬孔Hに挿入する。
これにより、ユーザUは、ガイド部材27による案内を受けながら、装薬孔Hの内部に込め棒を挿入しているのと同様の感覚で、装填作業をすることができる。
【0102】
動作制御部312は、挿入機構26に加わる力として、挿入機構26及び挿入対象物と、装薬孔Hとの摩擦により生じる反力を、第1操作機構15がユーザUに対して伝達する動作を制御する。
これにより、ユーザUは、装薬孔Hへの爆薬の挿入が適切に実行できているかを確認しながら、装填作業をすることができる。
【0103】
動作制御部312は、挿入機構26に加わる力として、挿入対象物と、装薬孔Hの内部における挿入対象物が挿入される端部とは逆の奥側の端部との接触により生じる反力を、第1操作機構15がユーザUに対して伝達する動作を制御する。
これにより、ユーザUは、装薬孔Hの奥まで爆薬を挿入することが完了できたのか否かを判断することができる。
【0104】
遠隔装填システム1は、配置機構29をさらに備える。
配置機構29は、挿入機構26が第1挿入対象物を装薬孔Hに挿入する動作を行った後に、ガイド部材27に第2挿入対象物を新たに配置する。
動作制御部312は、挿入機構26が第2挿入対象物を、第1挿入対象物を挿入した装薬孔Hに挿入した後に、さらに連続して挿入する動作を制御する。
これにより、親ダイ51、増ダイ52、及び餡子53といった様々な挿入対象物を、ガイド部材27の位置を合わせた状態のまま、連続して挿入することができる。
【0105】
遠隔装填システム1は、脚線機構28をさらに備える。
脚線機構28は、挿入対象物である親ダイ51を起爆するための脚線を結束した状態で保持する。
脚線機構28は、挿入機構26が挿入対象物である親ダイ51を装薬孔Hに挿入することに伴い、脚線の結束を解放しながら脚線を送り出すことで、結束から解放された脚線の少なくとも一部が装薬孔Hの外部に露出するようにする。
これにより、装填作業を完了後、各装薬孔Hの親ダイ51の脚線同士を結線することが容易になる。
【0106】
遠隔装填システム1は、物理量データ取得部311をさらに備える。
物理量データ取得部311は、挿入機構26及び位置合わせ機構25の位置に関する第1位置データと、ユーザUからの遠隔操作を受け付ける第1操作機構15及び第2操作機構16の位置に関する第2位置データと、を取得する。
動作制御部312は、第1位置情報と、挿入機構26及び位置合わせ機構25の基準となる第2位置情報とに基づいて、第2位置情報が表す動作に対応する位置及び力を出力するように挿入機構26及び位置合わせ機構25を制御する一方で、第2位置情報と、ユーザUからの遠隔操作を受け付ける第1操作機構15及び第2操作機構16の動作の基準となる第1位置情報とに基づいて、第1位置情報が表す動作に対応する位置及び力を出力するようにユーザUからの遠隔操作を受け付ける第1操作機構15及び第2操作機構16を制御することで、動作の制御を実現する。
これにより、位置(角度)の制御エネルギーと力の制御エネルギーとを独立に与えること、すなわち、位置(角度)と力とを独立に制御することができる。
【0107】
遠隔装填システム1は、物理量データ取得部311をさらに備える。
物理量データ取得部311は、挿入機構26及び位置合わせ機構25の動作を表す物理量のデータと、ユーザUからの遠隔操作を受け付ける第1操作機構15及び第2操作機構16の可動部の動作を表す物理量のデータと、を取得する。
動作制御部312は、挿入機構26及び位置合わせ機構25とユーザUからの遠隔操作を受け付ける第1操作機構15及び第2操作機構16とを含む仮想物体を仮想し、物理量データ取得部311によって取得された物理量のデータに基づいて、挿入機構26及び位置合わせ機構25及びユーザUからの遠隔操作を受け付ける第1操作機構15及び第2操作機構16への入力によって仮想物体に表れる挙動に、挿入機構26及び位置合わせ機構25及びユーザUからの遠隔操作を受け付ける第1操作機構15及び第2操作機構16とを追従させるための指令値を算出し、該算出した指令値に基づいて、動作の制御を実現する。
これにより、環境の機械的インピーダンスの再現性や操作性を十分に高いものとすることができる。
【0108】
[ハードウェアやソフトウェアによる機能の実現]
上述した実施形態による一連の処理を実行させる機能は、ハードウェアにより実現することもできるし、ソフトウェアにより実現することもできるし、これらの組み合わせにより実現することもできる。換言すると、上述した一連の処理を実行する機能が、遠隔装填システム1の何れかにおいて実現されていれば足り、この機能をどのような態様で実現するのかについては、特に限定されない。
【0109】
例えば、上述した一連の処理を実行する機能を、演算処理を実行するプロセッサによって実現する場合、この演算処理を実行するプロセッサは、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0110】
また、例えば、上述した一連の処理を実行する機能を、ソフトウェアにより実現する場合、そのソフトウェアを構成するプログラムは、ネットワーク又は記録媒体を介してコンピュータにインストールされる。この場合、コンピュータは、専用のハードウェアが組み込まれているコンピュータであってもよいし、プログラムをインストールすることで所定の機能を実行することが可能な汎用のコンピュータ(例えば、汎用のパーソナルコンピュータ等の電子機器一般)であってもよい。また、プログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理のみを含んでいてもよいが、並列的あるいは個別に実行される処理を含んでいてもよい。また、プログラムを記述するステップは、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、任意の順番に実行されてよい。
【0111】
このようなプログラムを記録した記録媒体は、コンピュータ本体とは別に配布されることによりユーザに提供されてもよく、コンピュータ本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供されてもよい。この場合、コンピュータ本体とは別に配布される記憶媒体は、例えば、リムーバブルメディア40であって、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、あるいはBlu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、例えば、MD(Mini Disc)等により構成される。また、コンピュータ本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている記憶部37であって、HDD(hard disk drive)やSSD(Solid State Drive)により構成される。
【符号の説明】
【0112】
1 遠隔装填システム、10 操作装置、11a,11b,21a,21b ドライバ、12a,12b,22a,22b アクチュエータ、13a,13b,23a,23b 位置センサ、14,24,38 通信部、15 第1操作機構、16 第2操作機構、20 装填装置、25 位置合わせ機構、26 挿入機構、27 ガイド部材、28 脚線機構、29 配置機構、30 制御装置、31 プロセッサ、32 ROM、33 RAM、34 バス、35 入力部、36 出力部、37 記憶部、39 ドライブ、40 リムーバブルメディア、51 親ダイ、52 増ダイ、53 餡子、311 物理量データ取得部、312 動作制御部、313 配置指示部、314 画像データ取得部、315 画像提示部、371 物理量データ記憶部、372 画像データ記憶部、A 高所作業車、C カメラ、F 切羽、H 装薬孔、CS 制御対象システム、FT 力・速度割当変換ブロック、FC 理想力源ブロック、PC 理想速度(位置)源ブロック、IFT 逆変換ブロック