(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079471
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】バルブ制御装置、バルブ制御システム、バルブ制御方法、およびバルブ制御プログラム
(51)【国際特許分類】
F16K 31/124 20060101AFI20240604BHJP
F16K 37/00 20060101ALI20240604BHJP
F16K 51/00 20060101ALN20240604BHJP
【FI】
F16K31/124
F16K37/00 Z
F16K51/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192442
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】丹野 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕也
(72)【発明者】
【氏名】中田 朋貴
(72)【発明者】
【氏名】藤居 よしの
【テーマコード(参考)】
3H056
3H065
3H066
【Fターム(参考)】
3H056AA01
3H056BB02
3H056CA03
3H056CB03
3H056CC13
3H056CD03
3H056GG03
3H065AA01
3H065BB11
3H065CA01
3H065CA03
3H065CA07
3H066AA01
3H066BA21
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成でバルブの動作時間を精密に調整できる。
【解決手段】
バルブVの操作圧と、バルブの弁の開閉状態と、に基づいてバルブの動作時間を測定する動作時間測定部81と、動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、制御装置から送信されるバルブへの開指令を遅延させてバルブに送信する指令制御部83と、を備える、バルブ制御装置80。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブの操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記バルブの動作時間を測定する動作時間測定部と、
前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、制御装置から送信される前記バルブへの開指令を遅延させて前記バルブに送信する指令制御部と、
を備える、
バルブ制御装置。
【請求項2】
前記動作時間と前記基準時間との差異に基づいて、前記開指令を遅延させる遅延時間を決定する遅延時間決定部、をさらに備え、
前記指令制御部は、前記遅延時間だけ前記開指令を遅延させる、
請求項1記載のバルブ制御装置。
【請求項3】
前記遅延時間決定部は、前記操作圧が上昇する所定の時点から前記上昇に応じた弁開動作が検出される所定の時点までの時間を前記動作時間として参照し、前記動作時間と、前記基準時間と、に基づいて前記遅延時間を決定する、
請求項2記載のバルブ制御装置。
【請求項4】
前記遅延時間決定部は、前記操作圧が上昇する所定の時点から前記上昇に応じた弁開動作が検出される所定の時点までの時間を前記動作時間として参照し、前記操作圧が低下する所定の時点から前記低下に応じた弁閉動作が検出される所定の時点までの時間を第2動作時間として参照し、前記動作時間と、前記基準時間と、前記第2動作時間と、所定の第2基準時間と、に基づいて前記遅延時間を決定する、
請求項2記載のバルブ制御装置。
【請求項5】
バルブの操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記バルブの動作時間を測定する動作時間測定ステップと、
前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、制御装置から送信される前記バルブへの開指令を遅延させて前記バルブに送信する開指令制御ステップと、
を含む、
バルブ制御方法。
【請求項6】
バルブの操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記バルブの動作時間を測定する動作時間測定命令と、
前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、制御装置から送信される前記バルブへの開指令を遅延させて前記バルブに送信する開指令制御命令と、
をコンピュータに実行させる、
バルブ制御プログラム。
【請求項7】
バルブと、
前記バルブに開指令を送信する制御装置と、
前記バルブに加圧させる操作圧が変化する所定の時点から前記変化に応じた動作が検出される所定の時点までの時間を動作時間として調整するバルブ制御装置と、
を備えるバルブ制御システムであって、
前記バルブは、
前記操作圧に応じて弁を開閉することで、流路における流体の流通および遮断を制御する弁と、
前記バルブに加圧された前記操作圧を計測する操作圧センサと、
少なくとも前記弁の開閉状態を検出する開閉センサと、
を備え、
前記バルブ制御装置は、
前記操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記動作時間を測定する動作時間測定部と、
前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、前記制御装置から送信される前記バルブへの前記開指令を遅延させて前記バルブに送信する指令制御部と、
を備える、
バルブ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブにより制御されるプロセスガスの流量を一定するために、バルブの応答時間を調整するバルブ制御装置、バルブ制御システム、バルブ制御方法、およびバルブ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハの表面に薄膜を形成する成膜処理においては薄膜の微細化が求められ、近年では原子レベルや分子レベルの厚さで薄膜を形成するALD (Atomic Layer Deposition)という成膜方法が使われている。
そのような薄膜の微細化はバルブに今まで以上の高頻度かつ精密な開閉動作を要求している。この点、バルブでは、制御装置から電磁弁に開閉指令の信号を送信し、その指令に伴って開閉弁に操作圧を供給又は排出する構成となっている。
【0003】
しかしながら、開閉指令の信号に対するバルブの応答時間は、Oリングの摩耗等に起因するバルブの経年劣化により変化するおそれがある。応答時間の変化は、バルブの開放時間を変化させるため、ガス流量の精密な制御が必要な場面では大きな問題となる。そこで、所望の流量を実現できるよう応答時間を精密に調整するシステムが必要とされている。
【0004】
この点、特許文献1では、圧力センサ、温度センサおよびリミットスイッチによって検出されたデータを処理する情報処理モジュールが内部に収容されるバルブが開示されている。特許文献2には、受圧空間の圧力を検知する第1圧力センサ、非受圧空間の圧力を検知する第2圧力センサ、およびピストンとの距離を検知する位置センサ、の3個のセンサで異常を検知する流体駆動弁が開示されている。特許文献3には、高気密性のゲートバルブに対し、複数の圧力センサ、振動センサおよび位置センサ等を配置し、ゲートバルブの異常の有無を判定する制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2018/168872号公報
【特許文献2】特許第7136469号公報
【特許文献3】特許第6564544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡易な構成でバルブの応答時間を精密に調整することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るバルブ制御装置は、バルブの操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記バルブの動作時間を測定する動作時間測定部と、前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、制御装置から送信される前記バルブへの開指令を遅延させて前記バルブに送信する指令制御部と、を備える。
【0008】
前記動作時間と前記基準時間との差異に基づいて、前記開指令を遅延させる遅延時間を決定する遅延時間決定部、をさらに備え、前記指令制御部は、前記遅延時間だけ前記開指令を遅延させるものとしてもよい。
【0009】
前記遅延時間決定部は、前記操作圧が上昇する所定の時点から前記上昇に応じた弁開動作が検出される所定の時点までの時間を前記動作時間として参照し、前記動作時間と、前記基準時間と、に基づいて前記遅延時間を決定するものとしてもよい。
【0010】
前記遅延時間決定部は、前記操作圧が上昇する所定の時点から前記上昇に応じた弁開動作が検出される所定の時点までの時間を前記動作時間として参照し、前記操作圧が低下する所定の時点から前記低下に応じた弁閉動作が検出される所定の時点までの時間を第2動作時間として参照し、前記動作時間と、前記基準時間と、前記第2動作時間と、所定の第2基準時間と、に基づいて前記遅延時間を決定するものとしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係るバルブ制御方法は、バルブの操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記バルブの動作時間を測定する動作時間測定ステップと、前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、制御装置から送信される前記バルブへの開指令を遅延させて前記バルブに送信する開指令制御ステップと、を含む。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係るバルブ制御プログラムは、バルブの操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記バルブの動作時間を測定する動作時間測定命令と、前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、制御装置から送信される前記バルブへの開指令を遅延させて前記バルブに送信する開指令制御命令と、をコンピュータに実行させる。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明のさらに別の観点に係るバルブ制御システムは、バルブと、前記バルブに開指令を送信する制御装置と、前記バルブに加圧させる操作圧が変化する所定の時点から前記変化に応じた動作が検出される所定の時点までの時間を動作時間として調整するバルブ制御装置と、を備えるバルブ制御システムであって、前記バルブは、前記操作圧に応じて弁を開閉することで、流路における流体の流通および遮断を制御する弁と、前記バルブに加圧された前記操作圧を計測する操作圧センサと、少なくとも前記弁の開閉状態を検出する開閉センサと、を備え、前記バルブ制御装置は、前記操作圧と、前記バルブの弁の開閉状態と、に基づいて前記動作時間を測定する動作時間測定部と、前記動作時間と、所定の基準時間と、に基づいて、前記制御装置から送信される前記バルブへの前記開指令を遅延させて前記バルブに送信する指令制御部と、を備える。
【0014】
なお、コンピュータプログラムは、各種のデータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るバルブ制御装置によれば、簡易な構成でバルブの応答時間を精密に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係るバルブを示した外観斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るバルブの内部構造を示した縦断面図であって、弁開状態を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るバルブの内部構造を示した部分拡大縦断面図であって、(a)弁開状態、(b)弁閉状態を示す。
【
図4】本実施形態に係るバルブが有するボンネットを示した斜視図である。
【
図5】本実施形態に係るバルブの機能を示した機能ブロック図である。
【
図6】本実施形態に係るバルブの動作時間の算出根拠となる操作圧と位置センサ出力の関係を示したグラフである。
【
図7】本実施形態に係るバルブによって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【
図8】本実施形態に係るバルブによって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るバルブについて、図を参照して説明する。
なお、以下の説明では、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の実施あるいは使用の際の部材等の方向を限定するものではない。
図1に示されるように、本実施形態に係るバルブVは、バルブVの内部動作を検出するセンサを内蔵し、他の端末等と通信を実行するエア作動式のダイレクトダイヤフラムバルブである。
なお、ここにいう他の端末には、サーバ等の所謂コンピュータのほか、他の流体制御装置や流量制御装置などの機器や装置が含まれる。
【0018】
本実施形態に係るバルブVは内部動作に関するデータを取得可能な機器であって、
図1および
図2に示されるように、バルブボディ部1、第1ボンネット部2、第2ボンネット部4、アクチュエータ部5を備える。
【0019】
●バルブボディ部1
図1および
図2に示されるように、バルブボディ部1は、プロセスガスの流路が形成された基台部11と、基台部11上に設けられた略円筒形状の円筒部12と、環状のシート13からなる。
基台部11は平面視矩形状からなり、複数のバルブVによってユニット化された流体制御装置を構成する場合には、基板あるいはマニホールドブロック上に設置される部分となる。
【0020】
円筒部12は、第1ボンネット部2の一部が配設される側の端面が開口した中空形状からなり、中空の内部は第1ボンネット部2の一部が収容される凹部12aを構成する。凹部12aの下方及び基台部11内には、流体が流入する流入路111と流体が流出する流出路113、及び当該流入路111と流出路113に連通する弁室112が形成されている。流入路111、流出路113、及び弁室112は、流体が流通する流路を一体的に構成している。
【0021】
環状のシート13は、流入路111の周縁に設けられている。シート13上には、シート13に当接離反することによって流入路111および流出路113において流体を流通させたり、流通を遮断させたりするダイヤフラム22が設けられている。
【0022】
●第1ボンネット部2
図2に示されるように、第1ボンネット部2は、バルブボディ部1の円筒部12上に配設される。
この第1ボンネット部2は、第1ボンネットボディ21、ダイヤフラム22、ディスク23、センサボンネット24、ダイヤフラム押さえ25、および押さえアダプタ26を備える。
【0023】
図3(a)および(b)に示すように、ダイヤフラム22は、ステンレス、Ni-Co系合金等の金属やフッ素系樹脂からなる、中央部221が凸状に膨出した球殻状の部材であり、流入路111および流出路113と第1ボンネット部2が動作する空間とを隔離している。
【0024】
第1ボンネットボディ21は、円筒部12と第2ボンネットボディ41の間に介装される。
この第1ボンネットボディ21は略円筒形状からなり、中心部には、センサボンネット24が貫通される貫挿孔21aが長さ方向に沿って設けられており、第1ボンネットボディ21の下端部は押さえアダプタ26と当接し、押さえアダプタ26を下方に押圧している。
第1ボンネットボディ21には、基台部11とは反対側の一端が開口すると共に、外側から貫通孔21a側へ貫通したスリット21bが設けられている。
【0025】
このダイヤフラム22は、操作圧としての駆動流体が供給されてダイヤフラム押さえ25による押圧から開放されると、自身の復元力や流路内の圧力によって中央部221がシート13から離反する方向に変位してシート13から離反する。その結果、弁室112が開放され、流入路111と流出路113が連通した状態となる。一方、操作圧としての駆動流体が排出され、ダイヤフラム22がダイヤフラム押さえ25によって押圧されると、ダイヤフラム22の中央部221がシート13に当接する方向に変位してシート13に当接する。その結果、弁室112が遮断され、流入路111と流出路113が遮断された状態となる。
【0026】
すなわち、ダイヤフラム22の中央部221は、駆動流体の供給により変位する可動部となっており、周縁部222は、駆動流体が供給されても変位しない非可動部である。
【0027】
ダイヤフラム22の周縁部222は、後述する押さえアダプタ26と当接し、この押さえアダプタ26とバルブボディ部1の凹部12a内部に上向きに設けられている突起部121a(
図3(a)および(b)参照)とに挟持されている。
【0028】
ディスク23は、ダイヤフラム22の上側に設けられ、センサボンネット24により上下動可能に支持されると共に、摺動するステム43に連動してダイヤフラム22の中央部を押圧する。
【0029】
ディスク23の外周面上にはOリングO1が取り付けられており、このOリングO1はディスク23とセンサボンネット24の内周面をシールしている。
【0030】
ディスク23の上部は外径が小さくなっており、マグネットホルダM10が貫挿されている。マグネットホルダM10は一部が切り欠かれた略円環状の部材であり、切り欠かれた部分に磁石が取り付けられている。この磁石は、センサボンネット24の凹部にはめ込まれてなるセンサホルダ241に取り付けられた磁性体M2と共に後述する磁気センサMを構成する。また、マグネットホルダM10は外周に凹部を備え、センサホルダ241を貫通するボルト等の位置決め部材が当該凹部を押圧することで、マグネットホルダM10の位置ずれが防止される。ディスク23上端部であってマグネットホルダM10の上方にはロックナット231が嵌められていて、マグネットホルダM10が抜け出るのを防止している。
【0031】
ディスク23の下端にはダイヤフラム押さえ25が連結されている。ダイヤフラム押さえ25は、下面側が下に膨らんだ凸面となっていて、その下面側においてダイヤフラム22の中央部221に当接し、摺動するステム43に連動してダイヤフラム22を押圧する。
【0032】
図3(a)および(b)に示されるように、ダイヤフラム押さえ25の下端は、弁開時および弁閉時のいずれにおいても、ダイヤフラム22の中央部221に当接している。すなわち、ダイヤフラム押さえ25とダイヤフラム22の接触面積は、弁開時と弁閉時とで同一面積である。この構成によれば、弁開時と弁閉時とでダイヤフラム22の伝熱面積を一定にし、後述する温度センサTによる正確な測温が可能である。
【0033】
図2および
図4に示されるように、センサボンネット24は、略円筒状からなり、弁室112を覆って第1ボンネットボディ21内に収容される。
センサボンネット24の内部には、ディスク23が貫挿される貫挿孔241aが中心部に形成されている。
また、センサボンネット24には、圧力センサPおよび温度センサTに連通する連通孔241dが設けられている。連通孔241dを介して圧力センサPおよび温度センサTが設けられていることにより、ダイヤフラム22、ディスク23およびセンサボンネット24によって画定された空間内の圧力および温度を測定することができる。
なお、本実施形態では、温度センサTはセンサボンネット24内部に設けられているものとしたが、温度センサTはバルブボディ部1の内側にあればよく、特に、少なくとも温度センサTの温度の検出部分がバルブボディ部1の内側に載置されていればよい。この構成によれば、バルブVを設置するだけで、別途温度センサの設置作業等を行うことなく、当該バルブV内の温度を正確に測定することができる。
【0034】
また、センサボンネット24の側面から、センサボンネット24内部の圧力センサP、温度センサTおよび磁気センサMと接続されるフレキシブルケーブル60が外側へ伸び出ている。
【0035】
センサボンネット24の内周面には、センサホルダ241に保持された磁性体M2が取り付けられていて、ディスク23に取り付けられた磁石と共に後述する磁気センサMを構成する。
【0036】
センサボンネット24は、アルミ材から構成されている。アルミ材は、例えばSUS等に比べて熱伝導率が高いため、センサボンネット24内部の温度センサTに、流体温度をより正確に伝達することができる。また、アルミ材からなるセンサボンネット24によれば、磁化しないため、温度センサTおよび圧力センサPに対する磁気センサMの影響を小さくすることができる。
【0037】
押さえアダプタ26は、ダイヤフラム22の周縁部222と当接し、ダイヤフラム22をバルブボディ部1の凹部12a内の突起部121aとの間で挟持する。また、周縁部222を上方から押さえつけ、流入路111および流出路113を流れる流体が、周縁部222近傍から外部に漏出するのを防止している。
【0038】
押さえアダプタ26は、ダイヤフラム22の弁開時および弁閉時のいずれにおいても、ダイヤフラム22の可動部分、言い換えれば中央部221に触れない。また、押さえアダプタ26とダイヤフラム22との接触面積は、弁開時および弁閉時で同一である。この構成によれば、弁開時と弁閉時とでダイヤフラム22の伝熱面積を一定にすることができる。ひいては、ダイヤフラム22からの伝導熱が一定になるため、弁の開閉状態に関わらず、後述する温度センサTによる正確な測温が可能である。
【0039】
●第2ボンネット部4
第2ボンネット部4は、第1ボンネット部2上に配設される。
図2に示されるように、この第2ボンネット部4は、第2ボンネットボディ41、ステム43、バネ44を備える。
【0040】
第2ボンネットボディ41は、ステム43とセンサボンネット24の間に介装される。
この第2ボンネットボディ41は略円柱形状からなり、中心部には、ステム43とディスク23が貫挿される貫挿孔41aが長さ方向に沿って設けられている。
図2及び
図3に示されるように、貫挿孔41a内ではステム43とディスク23が当接しており、ステム43が下方に変位するとディスク23が下方へ押圧され、これによりダイヤフラム22がシート13に当座する。
【0041】
ステム43は、操作圧の供給と停止に応じて上下動し、ディスク23およびダイヤフラム押さえ25を介してダイヤフラム22をシート13に当接離反させる。
ステム43の上部にはロッド431が連結されている。ロッド431は、第2ボンネット部4の上部から突出し、アクチュエータ部5内に挿入されている。なお、ロッド431はステム43と連結されて一体に昇降するため、ロッド431をステム43と同義で扱う場合がある。
ステム43は、下部に拡径部が設けられており、当該拡径部の上面側においてバネ44の付勢力を受ける。
【0042】
バネ44は、ステム43の外周面上に巻回されており、ステム43の下部に形成されている拡径部の上面に当接してステム43を下方、即ちダイヤフラム22を押下する方向に付勢している。
【0043】
●アクチュエータ部5
図2に示すように、アクチュエータ部5は、駆動流体の供給源が接続される供給口51を有する有底円筒形の部材である。供給口51は、ロッド431の上方に形成された操作圧導入路511に連通する開口部であり、操作圧導入路511は、ロッド431の軸方向から径方向に分岐して操作圧室52に連通している。
【0044】
アクチュエータ部5の内部には、ロッド431と係合するピストン54が上下に一つずつ、上下方向に摺動自在に設けられている。
ピストン54が設けられている空間は、操作圧室52と大気室55とに区画される。
【0045】
操作圧室52は、ロッド431の中心部に形成された操作圧導入路511と分岐路を介して連通している。ロッド431の操作圧導入路511の上端側の開口は、アクチュエータ部5の上側の中心部に形成された供給口51と連通している。操作圧導入路511を通じて供給される駆動流体は操作圧室52に供給される。
大気室55は、アクチュエータ部5の上部又は側方に形成された空気排出路551を通じて大気と連通している。
【0046】
ピストン54とアクチュエータ部5の内壁との間や、ロッド431とピストン54の間には、操作圧室52の気密性を確保するためにOリングO2が設けられている。このOリングO2は、ピストン54の上下動に伴って上下に摺動する。
【0047】
ここで、操作圧の供給と停止に伴う弁の開閉動作について言及する。供給口51に導入管(図示省略)を介して接続された三方弁から駆動流体が供給されると、駆動流体は操作圧導入路511を介して操作圧室52に導入される。これに応じて、ピストン54が上昇すると、ステム43とセンサボンネット24はバネ44の付勢力に抗して上方に押し上げられ、空気排出路551を介して大気室55内の空気が外部へ排出される。これにより、ダイヤフラム22がシート13から離反して開弁した状態となり、流体が流通する。
一方、三方弁において駆動流体の供給が遮断されると共に、導入管(図示省略)を介して供給口51、操作圧導入路511が大気に開放されると、操作圧室52内の操作圧が操作圧導入路511を介して外部に排出される。これに応じて操作圧室52の圧力が下がると、ピストン54が下降し、ステム43とセンサボンネット24がバネ44の付勢力に従って下方に押し下げられる。また、空気排出路551を通じて外部の空気が大気室55に流入する。これにより、ダイヤフラム22がシート13に当接して閉弁した状態となって、流体の流通が遮断される。
【0048】
●センサ
バルブVは、機器内の動作を検出するためのセンサとして、圧力センサPと、温度センサTと、磁気センサMと、操作圧センサDを備えている。このうち、圧力センサPと、温度センサTと、磁気センサMは、センサボンネット24の内部に備えられており、
図4に示すセンサボンネット24の連通孔241dを介してセンサボンネット24の貫挿孔241aに面していて、ダイヤフラム22、ディスク23およびセンサボンネット24によって画定された空間に連通している。これにより圧力センサPは、当該空間内の圧力を検出することができる。
なお、圧力センサPが連通孔241dに通じる箇所にはパッキン等のシール部材が介装されており、気密状態が担保されている。
【0049】
温度センサTは、ダイヤフラム22、ディスク23およびセンサボンネット24によって画定された空間の温度を測定する。温度センサTを有するバルブVによれば、流体の制御と共に流体の温度を測定することができる。
【0050】
センサボンネット24の貫通孔241eには磁性体M2が取り付けられており、この磁性体M2は、ディスク23に取り付けられた磁石と共に磁気センサMを構成し、ステム43の位置を検出する位置センサの役割を果たしている。
この磁気センサMによって以下の通り、弁の開閉動作、及びステム43の移動量を検知することができる。即ち、マグネットホルダM10に保持される磁石がディスク23の上下動に応じて摺動するのに対し、磁性体M2はセンサボンネット24と共にバルブボディ部1内に固定されている。この結果、ディスク23の上下動に従って上下動するマグネットホルダM10に保持される磁石と、位置が固定されている磁性体M2との間に発生する磁界の変化に基づき、ディスク23およびダイヤフラム押さえ25の動作、ひいては弁の開閉動作、及びステム43の移動量を検知することができる。
磁気センサMは、位置センサの例であり、少なくとも弁の開閉状態を検出する開閉センサの例である。なお、本実施形態では磁気センサMを用いたが、これに限らず、他の実施形態においては、光学式の位置センサ等、他の種類のセンサを用いることもできる。
【0051】
操作圧センサDは、アクチュエータ部5に備えられており、操作圧室52内に連通する連通孔53を介して操作圧室52内の操作圧を検出する。
【0052】
圧力センサP、温度センサT、磁気センサM、及び操作圧センサDには夫々、可撓性を有する通信用のフレキシブルケーブル60の一端が接続しており(磁気センサMについては、詳細には磁性体M2に接続している)、フレキシブルケーブル60の他端は、バルブVの外側に設けられた回路基板に接続している。さらに、回路基板には外部端子接続用の略矩形状のコネクタが設けられており、これにより、圧力センサP、温度センサT、および磁気センサMによって測定されたデータを抽出することができる。コネクタの種類や形状は、各種の規格に応じて適宜に設計し得る。なお、各センサが検出したデータは無線通信により所定の機器やサーバに送信できるようになっていてもよい。
【0053】
このような構成からなるバルブVによれば、圧力センサP、温度センサT、磁気センサM及び操作圧センサDによって検出されたデータを外部へ出力させることができる。そして、このようなデータは、弁の開閉動作とその動作時間、ダイヤフラム22の破損等によるリーク、バルブVの経年劣化や個体差などを把握するための情報となり得る。
【0054】
●制御部
図5に示すように、本実施形態にかかるバルブVは、センサによって検出されたデータをバルブ制御装置80と通信する通信処理部70を有する。
図5の例においては、バルブVとバルブ制御装置80とは、ネットワークNWを介して接続されている。また、制御装置100は、バルブ制御装置80に接続され、バルブVの開閉を制御する開指令および閉指令を送信する。開指令および閉指令は、バルブ制御装置80を介して電磁弁Bに伝達される。電磁弁Bは駆動流体の流路中に配設され、駆動流体の開閉に応じてバルブVが開閉する。
【0055】
●バルブ制御装置80
バルブ制御装置80は、例えばサーバであり、1又は複数のハードウェア構成により実現される。また、バルブ制御装置80は、一部又は全部の機能部がクラウドコンピューティングにより構成されていてもよい。
バルブ制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するコンピュータプログラム、コンピュータプログラムや所定のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などにより、主として、動作時間測定部81、遅延時間決定部82、指令制御部83及び通信処理部84からなる機能ブロックを構成する。
【0056】
動作時間測定部81は、バルブVに加圧される操作圧と、バルブVの弁の開閉状態と、に基づいてバルブVの動作時間を測定する機能部である。動作時間は、例えば、バルブVに操作圧が加圧された所定の時点から、バルブVの開動作中の所定の時点までの時間である。
【0057】
図6は、動作時間の算出イメージを示したものであり、横軸は時間変化を示し、縦軸は操作圧センサDの出力値と位置センサの出力値を示している。このグラフによれば、電磁弁Bに開指令が出され、操作圧室52に操作圧が導入されると、ステム43が上昇して位置センサ(磁気センサM)が所定の出力値を示すことが把握される。また、電磁弁Bに閉指令が出され、操作圧室52内の操作圧が排出されると、一定のタイムラグの後にステム43が下降して位置センサ(磁気センサM)が所定の出力値を示すことが把握される。このタイムラグ、即ち操作圧が変化する所定の時点からこれに応じた動作が位置センサ(磁気センサM)によって検出される所定の時点までの時間がバルブVの開閉動作の動作時間に該当し、例えば
図6における時間t1が弁開動作時の動作時間、時間t2が弁閉動作時の第2動作時間を示す。
なお、動作時間の起点となる操作圧および終点となる位置センサ出力は任意の所定値であり、
図6の左右に示す軸の値はあくまで例示である。動作時間測定部81は、通信処理部84を介してバルブVから取得する、操作圧センサDおよび磁気センサMの測定結果を参照し、動作時間を取得する。
【0058】
遅延時間決定部82は、動作時間測定部81により測定される動作時間と、基準時間と、の差異に基づいて、電磁弁Bへ送信される開指令の遅延時間を決定する機能部である。具体的には、遅延時間は、「基準時間―動作時間」の式から求められる絶対値である。基準時間は、バルブVへの加圧から開動作までに要する時間の適正値である。基準時間は、適宜の記憶部にあらかじめ記憶されている値であってもよい。また、基準時間は、バルブVの使用開始時の初期状態における動作時間を計測し、格納した値であってもよい。さらに、基準時間は、バルブVの動作時間の設計値であってもよい。
【0059】
動作時間は、主にOリングO2(
図2参照)の摩耗等の経年変化によって速くなる傾向にある。動作時間が速くなると、バルブVの開閉指令に対する弁開動作及び弁閉動作のタイミングが初期の状態からずれてしまい、プロセスガスの流量が指定量どおりにならなくなる。すなわち、弁開時の動作時間が速くなることで、弁が開いて流体が流通している時間、つまり弁開時間を長くし、プロセスガスの流量を指定量よりも増大させる。また、弁閉時の動作時間が速くなることで、弁開時間を短くし、プロセスガスの流量を指定量よりも低減させる(なお、以下において弁閉時の動作時間を「第2動作時間」と称することがある)。そのため、上記の「基準時間―動作時間」で求められる遅延時間について、「基準時間―動作時間=遅延時間>0」となり、後述する指令制御部83によって、遅延時間分だけ開指令を遅らせることで、弁開時の動作時間を基準時間と一致させることができる。
また、本構成のようなノーマルクローズのバルブにおいては、Oリングの摩擦力とバネの付勢力等の関係による影響で弁閉動作よりも弁開動作の応答速度の方が遅い傾向にある。即ち、本実施形態に係るバルブVで言えば、バネ44は常時閉方向に付勢しているため、操作圧室52に操作圧を溜めてバネ44の付勢力やOリングO2の摩擦力に打ち勝つ力を溜めて弁開する時間よりも、閉動作において、操作圧室52から操作圧が抜け、OリングO2の摩擦力に打ち勝ってバネ44の付勢力により弁閉する時間の方が速い。そのため、OリングO2の摩耗等によって動作時間にズレが生じやすいのは弁開動作となる。
【0060】
指令制御部83は、制御装置100から送信されるバルブへの開指令又は閉指令を遅延させて電磁弁Bに送信する機能部である。例えば、指令制御部83は、制御装置100から開指令を受信すると、遅延時間決定部82により決定された遅延時間の分だけ待機した後に、開指令を電磁弁Bに送信する。
【0061】
そこで、遅延時間決定部82は、操作圧が加圧されて変化した時点から、磁気センサMの出力の変化に基づいて検出された弁開動作の時点までの動作時間を基準時間と比較し、動作時間および基準時間の差異に基づいて遅延時間を決定する。この構成によれば、バルブVの開放時点を遅らせ、バルブVの弁開時間を短縮させることができる。ひいては、経年劣化等により動作時間が速くなったバルブVであっても、バルブVにより制御されるプロセスガスの流量を指定量に担保することができる。
【0062】
また、動作時間測定部81は、バルブVに加圧された操作圧が排出した時点から、磁気センサMの出力の変化に基づいて検出された弁閉動作の時点までの時間を弁閉時の第2動作時間として取得してもよい。遅延時間決定部82は、この弁閉時の第2動作時間と、所定の第2基準時間の差異に基づいて、閉指令に与えられる第2遅延時間を決定する。第2基準時間は、バルブVからの排圧から閉動作までに要する時間の適正値であり、適宜の記憶部にあらかじめ記憶されている値の他、バルブVの使用開始時の初期状態における第2動作時間を計測し、格納した値であってもよい。さらに、第2基準時間は、バルブVの第2動作時間の設計値であってもよい。第2基準時間は、第1基準時間とは別に設定される。また、第2遅延時間は、第1遅延時間とは独立して決定される。
【0063】
指令制御部83は、制御装置100から閉指令を受信すると、第2遅延時間の分だけ待機した後に、閉指令を電磁弁Bに送信する。このような構成によれば、弁閉時の第2動作時間が速くなったバルブVであっても、バルブVにより制御されるプロセスガスの流量を指定量に担保できる。
【0064】
さらに、遅延時間決定部82は、弁開動作および弁閉動作のそれぞれの動作時間および第2動作時間を参照し、開指令の遅延時間を決定してもよい。弁閉動作は、経年劣化により動作時間が短くなることで、弁開時間を短くする。したがって、この構成によれば、弁開動作および弁閉動作と基準時間および第2基準時間に基づいてそれぞれの遅延時間、第2遅延時間を決定し、これらの遅延時間および第2遅延時間を相殺した第3遅延時間に基づいて、開指令を遅延させる。この構成によれば、より適切に弁開時間を制御することができる。また、具体的には、前述した弁閉動作と弁開動作の違いにより、「遅延時間>第2遅延時間」となるため、第3遅延時間は「遅延時間―第2遅延時間」の式より求められる。
【0065】
通信処理部84は、制御装置100および電磁弁Bと通信を行う機能部である。通信処理部84は、制御装置100からの開指令および閉指令を受信する。通信処理部84は、バルブVの通信処理部70から、操作圧センサDおよび磁気センサMの測定結果を受信する。さらに、通信処理部84は、電磁弁Bに開指令および閉指令を送信する。
【0066】
●処理フロー
図7を用いて、バルブ制御装置80が電磁弁Bに開指令を送信する処理フローについて説明する。
まず、バルブ制御装置80の動作時間測定部81により、操作圧センサDおよび磁気センサMの測定結果を受信し、操作圧の加圧から弁開動作までの時間、すなわち弁開時の動作時間を取得する(ステップS101)。
【0067】
次いで、遅延時間決定部82により、動作時間と基準時間とを参照し、開指令の遅延時間を決定する(ステップS102)。
【0068】
次いで、指令制御部83により、開指令を遅延時間の分だけ遅延させて、電磁弁Bに送信する(ステップS103)。そして処理は、ステップS101に戻り、以降ステップS101からS103までの処理を定期的に繰り返す。
【0069】
図8は、バルブ制御装置80が実行する処理フローの他の実施形態であり、開指令および閉指令それぞれの動作時間を参照し、決定した遅延時間の分だけ開指令を送らせて送信する処理フローである。
まず、動作時間測定部81により、弁開時の動作時間を算出する(ステップS201)。また、動作時間測定部81により、操作圧センサDおよび磁気センサMの測定結果を受信し、操作圧が所定量排圧されてから弁閉動作までの時間、すなわち弁閉時の第2動作時間を算出する(ステップS202)。ステップS201およびステップS202は順不同であり、同時に行われてもよい。
【0070】
次いで、遅延時間決定部82により、弁開時および弁閉時それぞれの動作時間および第2動作時間と、基準時間、第2基準時間を参照し、第3遅延時間を決定する(ステップS203)。
【0071】
次いで、指令制御部83により、開指令を第3遅延時間の分だけ遅延させて、電磁弁Bに送信する(ステップS204)。そして処理は、ステップS201に戻り、以降ステップS201からS204までの処理を定期的に繰り返す。
【0072】
以上の本実施形態に係るバルブVによれば、バルブアクチュエータの経時変化等による動作時間の変化を監視できる。また、バルブ制御装置80によれば、動作時間の変化に基づいて電磁弁Bに送信される開指令の送信時点を調整することで、簡易な構成でバルブVの動作時間を精密に調整できる。
なお、バルブ制御装置80の各機能部は、制御装置100の内部に構成されていてもよい。しかしながら、バルブ制御装置80が制御装置100とは独立したハードウェア構成として実現されている構成によれば、任意の制御装置100にバルブ制御装置80を接続することによってバルブVの動作時間を精密に調整できる。すなわち、バルブ制御装置80によれば、制御装置100のシステムを改変することなく動作時間を調整できるので、利便性が高い。
【0073】
なお、バルブVの制御信号に対する動作時間は、主にOリングO2(
図2参照)の摩耗等の経年変化によって短くなる傾向にあるが、さらに経年変化が進むと、アクチュエータ部5(
図2参照)内でのリークが進むなどして応答速度が遅くなる傾向がみられる。そのため、応答速度の変化を監視し、応答速度が遅くなり始めたタイミングを検出してバルブVの異常を判定することもできる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
V バルブ
1 バルブボディ部
11 基台部
12 円筒部
12a 凹部
12b スリット
13 シート
2 ボンネット部
22 ダイヤフラム
23 ディスク
24 センサボンネット
25 ダイヤフラム押さえ
26 押さえアダプタ
4 第2ボンネット部
41 第2ボンネットボディ
43 ステム
44 バネ
60 フレキシブルケーブル
P 圧力センサ
D 操作圧センサ
T 温度センサ
M 磁気センサ(位置センサ、開閉センサ)
80 バルブ制御装置
81 動作時間測定部
82 遅延時間決定部
83 指令制御部
84 通信処理部