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特開2024-79508文書校正装置、文書校正方法および文書校正プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079508
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】文書校正装置、文書校正方法および文書校正プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/166 20200101AFI20240604BHJP
【FI】
G06F40/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192489
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】390024350
【氏名又は名称】株式会社ジャストシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 孝治
(72)【発明者】
【氏名】三戸(古野) 晴子
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109QA14
(57)【要約】
【課題】作成する文書に対し、カテゴリ別の用途に適した文書校正を行えること。
【解決手段】文書校正装置100は、ネットワークNに接続されたブラウザ110の表示画面上で文書編集する文書編集部101と、表示されているサイトのURLに基づき、校正設定DB103にアクセスし、サイトに対応した校正設定を取得するデータ送受部102と、取得した校正設定に基づき、文書に対し校正設定の各項目での文書校正を行い、校正結果を文書編集部101に出力する文書校正処理部104と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上で作成する文書のカテゴリを特定する特定処理と、
前記文書に対し、前記特定されたカテゴリ別の校正設定に基づき、カテゴリ別の文書に対し、前記校正設定された各項目での文書校正を行う文書校正処理と、
を行う制御部を備えたことを特徴とする文書校正装置。
【請求項2】
前記特定処理は、
ネットワーク接続によりブラウザの表示画面上に表示され、文書作成するサイト種別に基づき、当該サイト種別ごとのカテゴリを特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の文書校正装置。
【請求項3】
前記サイト種別は、
前記ブラウザの表示画面上に表示されるURLに基づき特定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の文書校正装置。
【請求項4】
前記カテゴリは、
前記サイト別に異なる文書作成用途に基づき、事前設定可能なことを特徴とする請求項2に記載の文書校正装置。
【請求項5】
前記カテゴリを特定する処理は、
前記表示画面上に表示され、文書作成する文書作成アプリケーション種別に基づき、当該アプリケーション種別ごとのカテゴリを特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の文書校正装置。
【請求項6】
コンピュータが、
表示画面上で作成する文書のカテゴリを特定する特定処理と、
前記文書に対し、前記特定されたカテゴリ別の校正設定に基づき、カテゴリ別の文書に対し、前記校正設定された各項目での文書校正を行う文書校正処理と、
を実行することを特徴とする文書校正方法。
【請求項7】
コンピュータに、
表示画面上で作成する文書のカテゴリを特定する特定処理と、
前記文書に対し、前記特定されたカテゴリ別の校正設定に基づき、カテゴリ別の文書に対し、前記校正設定された各項目での文書校正を行う文書校正処理と、
を実行させることを特徴とする文書校正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文書を校正する文書校正装置、文書校正方法および文書校正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作成した文書の誤字、脱字や、仮名違い、表記の統一、英単語のスペルチェック等を一定のルールにしたがって文書チェックする文書校正装置がある。文書校正装置は、例えば、文書作成ソフトウェアの一機能として実装される。
【0003】
このような文書校正に関連する技術として、例えば、文書校正機能により文書の校正を行う前に、校正項目ごとの校正の対象となる箇所を検出し、文書中の校正対象を操作者に提示する技術がある(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
図11は、既存の文書校正機能の説明図である。文書作成ソフトウェアの表示画面S1上で作成中の文書S2に対する文書校正操作により、文書校正機能は、校正設定画面S3をポップアップ表示させる。校正設定画面S3には、複数の校正設定S4が表示され、ユーザは、作成中の文書内容に応じて、簡易、標準、ビジネス文、…、全部、のいずれかを選択操作する。校正設定S4「全部」は、文字種や長さを含め、校正支援のすべての指摘機能(校正チェック項目)を有効にする。符号S4aは、校正設定S4の「全部」の校正チェック項目の内容、例えば、誤りチェック、用語基準、表現洗練などを示すポップアップである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-353311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術において、文書校正を行う際には、校正チェック項目(誤りチェック、用語基準、表現洗練など)をユーザが設定して実行している。テキストコミュニケーションが重要視される現代では、ユーザ個人が作成する文章は多様化しており、作成する文章の目的や用途に合わせて校正チェックする項目(または項目のセットである校正設定)をユーザが都度変更してから実行する必要があるため、手間がかかるほか、校正チェックする項目、または校正設定を誤ると、期待される文書校正ができない場合がある。一方で、ユーザの設定忘れ等で校正チェック項目を変更していない場合には、異なる設定のチェック項目でしか校正ができず、作成した文書に対して適切な文書校正ができない問題が生じる。
【0007】
また、従来技術では、文書校正機能は、例えば、文書作成ソフトウェアの一部機能として設けられている。この場合、文書作成ソフトウェア上で作成した文書にしか文書校正を行えない。近年では、各種SNS、チャット、メール、投稿サイト、エントリーサイト等、ローカル端末上での文書作成に限らず、Webサイト上での文書作成も行われている。しかし、従来技術では、用途が異なるWebサイト別のWebアプリケーション上で作成する文章の目的や用途に合わせた校正チェックを行うことができなかった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、作成する文書に対し、カテゴリ別の用途に適した文書校正を行えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の文書校正装置は、表示画面上で作成する文書のカテゴリを特定する特定処理と、前記文書に対し、前記特定されたカテゴリ別の校正設定に基づき、カテゴリ別の文書に対し、前記校正設定された各項目での文書校正を行う文書校正処理と、を行う制御部を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記特定処理は、ネットワーク接続によりブラウザの表示画面上に表示され、文書作成するサイト種別に基づき、当該サイト種別ごとのカテゴリを特定する、ことを特徴とする。
【0011】
また、前記サイト種別は、前記ブラウザの表示画面上に表示されるURLに基づき特定する、ことを特徴とする。
【0012】
また、前記カテゴリは、前記サイト別に異なる文書作成用途に基づき、事前設定可能なことを特徴とする。
【0013】
また、前記カテゴリを特定する処理は、前記表示画面上に表示され、文書作成する文書作成アプリケーション種別に基づき、当該アプリケーション種別ごとのカテゴリを特定する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の文書校正方法は、コンピュータが、表示画面上で作成する文書のカテゴリを特定する特定処理と、前記文書に対し、前記特定されたカテゴリ別の校正設定に基づき、カテゴリ別の文書に対し、前記校正設定された各項目での文書校正を行う文書校正処理と、を実行することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の文書校正プログラムは、コンピュータに、表示画面上で作成する文書のカテゴリを特定する特定処理と、前記文書に対し、前記特定されたカテゴリ別の校正設定に基づき、カテゴリ別の文書に対し、前記校正設定された各項目での文書校正を行う文書校正処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、作成する文書に対し、カテゴリ別の用途に適した文書校正を行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施の形態にかかる文書校正装置の機能ブロック図である。
図2図2は、実施の形態にかかる文書校正装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3A図3Aは、校正設定DBの設定例を示す図表である。(その1)
図3B図3Bは、校正設定DBの設定例を示す図表である。(その2)
図4図4は、校正設定DBの設定例を示す図表である。(その3)
図5図5は、文書校正時の表示画面例を示す図である。
図6図6は、校正チェッカーパレットの表示例を示す図である。
図7図7は、校正エディタの表示例を示す図である。
図8A図8Aは、表示サイトに対する校正設定の表示例を示す図である。(その1)
図8B図8Bは、表示サイトに対する校正設定の表示例を示す図である。(その2)
図9図9は、文書校正装置が行う文書校正処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、文書校正装置が行う校正設定DBへの登録処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、既存の文書校正機能の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる文書校正装置、文書校正方法および文書校正プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(文書校正装置の構成例)
図1は、実施の形態にかかる文書校正装置の機能ブロック図である。ユーザは、ネットワークNWに接続されたブラウザ110上で文書作成を行う。ブラウザ110上には、ユーザがアクセスしたネットワークNW上の所定のWebサイトの画面が表示される。Webサイトは、例えば、各種SNS、チャット、メール、投稿サイト、エントリーサイト等である。これらのWebサイトは、例えば、投稿画面等で、ユーザによる文書入力(文書作成)を受け付ける。
【0020】
文書校正装置100は、ブラウザ110上でユーザが入力した文書に対する校正を行う。各種SNS、チャット、メール、投稿サイト、エントリーサイトは、それぞれ文章の目的や用途が異なる。このため、文書校正装置100は、Webサイト別等の異なる文章の目的や用途に適合した文書校正を行う。
【0021】
例えば、文書校正装置100およびブラウザ110は、ユーザ操作可能な同一のパーソナルコンピューター(PC)を用いて構成できる。PCは、文書校正装置100およびブラウザ110の機能をプログラム実行により実現する。
【0022】
ここで、文書校正を行う際には、作成する文章の目的や用途に合わせ、適切な校正チェック項目(誤りチェック、用語基準、表現洗練など)で実行する必要がある。本実施の形態では、作成する文章の目的や用途に合わせた文書校正に着目し、ブラウザ110に表示されるWebページやWebサイト上で文章を作成する際に、そのWebページやWebサイトの用途に合わせて、予め用意している校正設定「用途別の校正チェック項目(または項目のセット)」に自動で切り替える。これにより、ユーザ操作を不要として、手間なく正しいチェック項目での文書校正を可能にする。
【0023】
実施の形態の文書校正装置100は、特に、文章入力時にリアルタイムで文書校正を行う場合に有効である。また、校正設定「用途別の校正チェック項目(または項目のセット)」はWebページやWebサイトごとにカスタマイズしてもよい。
【0024】
実施の形態の文書校正装置100は、例えば、ブラウザに表示されるページやサイトのURLに基づき、ページやサイトに適した校正設定を適用している。同一のブラウザ上の表示であっても、アクセスしたページやサイトごとに、作成する文章の目的や用途が異なるためである。
【0025】
ブラウザ上には、各種SNS、チャット、メール、投稿サイト、エントリーサイト等のページが表示可能であるが、これらの各ページ上での入力する文書は、カジュアル、レポート、ビジネス、公用文、小説、Web記事、等異なる複数のカテゴリを有している。このため、文書校正装置100は、URL(ページ)別に適したカテゴリの校正設定に基づく文書校正を行う。
【0026】
また、実施の形態の文書校正装置100では、上述したページやサイト別に基づく用途判定以外の事例で、用途判定が難しい場合、例えば、汎用の文書作成アプリケーションでの利用などにおいては、基本の「用途別の校正チェック項目(または項目のセット)」に切り替えて文書校正を行うこととしてもよい。
【0027】
文書校正装置100は、文書校正の制御部として、文書編集部101、データ送受部102、校正設定データベース(DB)103、文書校正処理部104の機能を含む。以下、処理の流れ順に各機能を説明する。
【0028】
文書編集部101は、ユーザが入力する文書の編集を行う。文書編集部101は、例えば、ブラウザ110のURLと、ページ上の文字入力エリアでユーザが入力した文書の文字列をデータ送受部102に出力する。
【0029】
データ送受部102は、文書編集部101が出力したURLが校正設定DB103に設定されているか否かを判断する。校正設定DB103は、ユーザ登録リスト(後述する登録URL301)と、用途別リスト305と、カテゴリ毎の校正設定(カテゴリ401)と、からなる。データ送受部102は、URLが校正設定DB103のユーザ登録リスト(登録URL301)に設定されていれば、URLに対応したカテゴリに基づく校正設定を校正設定DB103から読み出し、文字列と校正設定とを文書校正処理部104に出力する。なお、データ送受部102は、URLが校正設定DB103に設定されていなければ、文字列と、基本のカテゴリに基づく校正設定を文書校正処理部104に出力する。
【0030】
文書校正処理部104は、データ送受部102が出力する校正設定に基づき、文字列に対する文書校正を行う。文書校正処理部104は、校正結果を、データ送受部102を介して文書編集部101に出力する。文書編集部101は、ページ上の文字入力エリアでユーザが入力した文書の文字列に対する校正結果を表示等で提示する。
【0031】
上記構成によれば、文書校正装置100は、ブラウザで表示するURLに基づき、ページに適合した校正設定で文書校正を行うため、ユーザによる校正設定の変更操作等を不要にできる。
【0032】
(ハードウェア構成例)
図2は、実施の形態にかかる文書校正装置のハードウェア構成例を示す図である。例えば、図1に示す文書校正装置100は、図2に示す構成を有する。201は装置全体を制御する制御部として機能するCPUである。202は基本入出力プログラムを記憶したROMを、203はCPU201のワークエリアとして使用されるRAMである。
【0033】
また、204はCPU201の制御にしたがってHD(ハードディスク)205に対するデータのリード/ライトを制御するHDD(ハードディスクドライブ)を、205はHDD204の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶するHDを、それぞれ示している。
【0034】
また、206はCPU201の制御にしたがってFD(フレキシブルディスク)207に対するデータのリード/ライトを制御するFDD(フレキシブルディスクドライブ)を、207はFDD206の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する着脱自在のFDを、それぞれ示している。
【0035】
また、208はCPU201の制御にしたがってCD-RW209に対するデータのリード/ライトを制御するCD-RWドライブを、209はCD-RWドライブ208の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する着脱自在のCD-RWを、それぞれ示している。
【0036】
また、210はカーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データを表示するディスプレイを、211は文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボードを、212は各種指示の選択や実行、処理対象の選択、マウスポインタの移動などを行うマウスを、それぞれ示している。
【0037】
また、213は通信ケーブル214を介してLANやWANなどのネットワークNWに接続され、当該ネットワークNWとCPU201とのインターフェースとして機能するネットワークI/Fを、200は上記各部を接続するためのバスを、それぞれ示している。
【0038】
上記構成のほかに、DVDドライブや、SSD,フラッシュメモリ等の記録媒体を用いることができる。
【0039】
図1に示した文書校正装置100は、図2に記載のROM202、RAM203、ハードディスク205、フレキシブルディスク207などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU201が所定のプログラムを実行することによって、文書校正装置100の機能を実現する。また、図1に示したDB101は、図2に記載のROM202、ハードディスク205、フレキシブルディスク207などによってその機能を実現する。
【0040】
また、図2に示したハードウェア構成により、図1に示した文書校正装置100、およびブラウザ110の機能を実現してもよい。例えば、図1に示したブラウザ110および文書校正装置100は、同一のPCで構成してもよい。また、ユーザが操作するブラウザ110のPCに対し、文書校正装置100がネットワーク接続されたサーバ、あるいはクラウドで構成することもできる。
【0041】
(校正設定DBの設定例)
図3A図4は、校正設定DBの設定例を示す図表である。図3Aには、校正設定DB103に設定される登録URL301の設定例を示す。登録URL301は、製品・サービス、URL、校正設定の各項目が設定される。
【0042】
登録URL301は、単一のレコードであり、図3Aの例では、あるURL「https://www.justmyshop.com」の製品・サービス「Just MyShop」のページでの文書入力に適合した校正設定「カジュアル」が設定されている。文書校正装置100(データ送受部102)は、校正設定DB103に設定された登録URL301の情報を読み出す。
【0043】
図3Bには、校正設定DB103に登録URL301として設定可能な用途別リスト305の設定例を示す。用途別リスト305は、登録URL301同様の製品・サービス、URL、校正設定の各項目を有する。例えば、ユーザが校正設定を切り替えた場合、文書校正装置100(データ送受部102)は、校正設定DB103の用途別リスト305を参照し、切り替えに対応するレコード(製品・サービス、URL、校正設定)の設定内容を登録URL301に設定する。
【0044】
図3Bに示すように、校正設定DB103には、製品・サービス、URLごとに、適した校正設定が予め設定されている。例えば、メール関連の製品・サービスには、校正設定(カテゴリ)として「ビジネス」が設定されている。また、Web会議関連の製品・サービスには、校正設定(カテゴリ)として「カジュアル」が設定されている。また、Web記事関連の製品・サービスには、校正設定(カテゴリ)として「Web記事」が設定されている。また、SNS関連の製品・サービスには、校正設定(カテゴリ)として「カジュアル」が設定されている。また、投稿小説関連の製品・サービスには、校正設定(カテゴリ)として「小説」が設定されている。
【0045】
図4には、校正設定DB103に設定される校正設定(カテゴリ)410の設定例を示す。文書校正装置100(データ送受部102)は、校正設定DB103を参照し、図3に示した登録URL301のカテゴリに対応した校正設定に対応する、校正設定(カテゴリ)410を読み出す。
【0046】
校正設定(カテゴリ)410には、具体的な校正内容と、登録URL301の各カテゴリ別の校正処理のON/OFF(チェックしない/チェックする、その他)との関連が設定されている。例えば、文書校正装置100は、校正内容「慣用表現」について、登録URL301のカテゴリが「カジュアル」であれば「OFF(校正適用なし)」、登録URL301のカテゴリが「ビジネス」、「公用文」、「小説」、「Web記事」であれば「ON(校正適用あり)」に設定する。
【0047】
例えば、文書校正装置100は、校正内容「文体の統一」について、登録URL301のカテゴリが「カジュアル」、「公用文」、「小説」、「Web記事」であれば「チェックしない」、登録URL301のカテゴリが「論文・レポート」であれば「だ・である(チェックをする」に設定し、登録URL301のカテゴリが「ビジネス」、「公用文(解説・広報)であれば「です・ます(チェックをする」に設定する。
【0048】
(文書校正時の表示画面例)
図5は、文書校正時の表示画面例を示す図である。文書校正装置100による文書校正時の表示画面例について説明する。図5は、ブラウザ110上のメール表示画面500の例を示し、ユーザ操作によりメール文書を入力可能なメール作成領域501を有する。文書校正装置100は、メール作成領域501の側部に校正チェッカーパレット502を表示する。
【0049】
図6は、校正チェッカーパレットの表示例を示す図である。文書校正装置100は、文書校正時、校正チェッカーパレット502を表示する。図6には、図5で示したメール作成時の校正チェッカーパレット502を示す。
【0050】
図6(a)には、校正チェッカーパレット502の各表示状態を示す。校正チェッカーパレット502は、文書校正装置100による文書校正の各状態に応じて、「初期状態」502a、「校正中」502b、「指摘あり」502c、「指摘なし」502d、「エラー時」502e、のいずれかの状態をアイコン表示する。
【0051】
文書校正装置100は、校正チェッカーパレット502のアイコンを校正設定(カテゴリ)別に表示する。図6(a)の例では、文書校正装置100は、校正設定(カテゴリ」が「ビジネス」の設定に基づく文書校正を行うため、校正チェッカーパレット502をビジネスに対応したアイコン(ブリーフケース)502iで表示している。また、文書校正の処理状態別の状態アイコン502sを表示する。
【0052】
「初期状態」502aは、文書校正前の状態で表示される。「校正中」502bは、文書校正装置100によるメール作成領域501に対する文書校正の処理実施中に表示される。「指摘あり」502cは、メール作成領域501に対する文書校正結果、文書校正が必要な状態の場合に表示される。図6(a)の状態アイコン502sの「3」の数字は、文書校正が必要な箇所数である。「指摘なし」502dは、メール作成領域501に対する文書校正結果、文書校正が不要な状態の場合に表示される。「エラー時」502eは、文書校正の処理結果にエラーが生じたときに表示される。
【0053】
図6(b)には、校正チェッカーパレット502のアイコン表示例を示す。この図6(b)の例では、メールに対する文書校正であり、文書校正装置100は、校正設定(カテゴリ」が「ビジネス」の設定に基づく文書校正を行うため、校正チェッカーパレット502をビジネスに対応したアイコン(ブリーフケース)502iで表示し、文書校正状態を示す状態アイコン502sを表示する。ユーザは、校正チェッカーパレット502のアイコン502iを見て校正設定(カテゴリ)を容易に確認できる。
【0054】
図6(c)には、校正チェッカーパレット502の校正設定(カテゴリ)の切り替えの表示例を示す。ユーザが校正チェッカーパレット502のアイコン502iを選択操作(クリック)することで、文書校正装置100は、校正設定切り替え領域503を表示する。校正設定切り替え領域503には、複数の校正設定(カテゴリ)が表示され、ユーザの選択操作により校正設定(カテゴリ)を選択可能である。図6(c)に示すように、ユーザが校正設定切り替え領域503上で「ビジネス」503aの校正設定を選択することで、文書校正装置100は、校正設定(カテゴリ)を「ビジネス」に設定する。
【0055】
図6(d)には、校正エディタの起動の表示例を示す。文書校正後、ユーザ操作により校正チェッカーパレット502の状態アイコン502sを選択操作(クリック)することで、文書校正装置100は、校正エディタを起動させる。
【0056】
図7は、校正エディタの表示例を示す図である。文書校正装置100は、校正エディタの起動により、メール表示画面500のメール作成領域501に重ねて別の領域に文書校正結果を表示する。文書校正装置100は、下線で示す文書のチェック箇所の上段から順に文書校正結果を示す校正結果画面710を表示する。
【0057】
図7の表示例では、メール作成領域501中の校正結果の最上段位置に符号701で示す文書「ご覧になられましたでしょうか」について、校正設定(カテゴリ)が「ビジネス」での文書校正結果「二重敬語」を示す校正結果画面710を表示し、校正結果として適切な文章「ご覧になりましたでしょうか」と提示している。
【0058】
また、ユーザによる校正結果画面710上へのカーソル移動時、文書校正装置100は、文書校正結果「二重敬語」の説明画面711をポップアップ表示する。図7の表示例では、説明画面711は、「二重敬語は過剰な印象を与えるため、一般には不適切とされています。確認・訂正してください。」と表示する。
【0059】
そして、ユーザが符号701部分の文書に対する直接の訂正操作、あるいは校正結果画面710部分の操作選択を行うことで、文書校正装置100は、符号701部分の文書を提示した適切な文書に訂正できる。
【0060】
また、メール作成領域501の上部位置には、「ビジネス」の校正設定(カテゴリ)である校正設定アイコン720が表示されており、ユーザは、校正設定(カテゴリ)を確認することができる。また、校正設定アイコン720の選択操作により、文書校正装置100は、図6(c)に示したほかの校正設定(カテゴリ)をドロップダウン表示し、ユーザが所望する校正設定(カテゴリ)に切り替えることもできる。
【0061】
(表示サイト別の校正設定例)
図8A図8Bは、表示サイトに対する校正設定の表示例を示す図である。各種SNS、チャット、メール、投稿サイト、エントリーサイト等、Webサイト(カテゴリ)別に、事前に設定しておく校正設定について説明する。
【0062】
図8Aの例では、ユーザのブラウザ110操作により、メールサイトに通信接続し、メール表示画面500、およびメール作成領域501が表示された状態である。この状態で、ユーザが校正設定の操作を行うと、文書校正装置100は、校正設定画面800をポップアップ表示する。校正設定画面800により、サイト別の校正設定(カテゴリ)を設定することができる。
【0063】
校正設定画面800には、校正チェッカーの利用の有無のボタン801と、現在ブラウザ110上に表示されているサイト(メールサイト)での校正機能の利用の有無のボタン802とを表示する。ユーザ操作により、ボタン801のON操作により文書校正装置100は、校正チェッカーの機能を有効にし、ボタン802のON操作により表示中のメールサイトでの校正機能の利用を有効にする。そして、文書校正装置100は、表示中のメールサイトのアドレス「mail.xxx.com」803を表示し、このメールサイトに対する校正設定(カテゴリ)804をドロップダウン表示する。
【0064】
図8Aの例では、ユーザ操作により、校正設定(カテゴリ)804が「ビジネス」に設定されており、この状態で、図3(b)に示したようにサイト別の校正設定(カテゴリ)804が校正設定DB103に登録される。
【0065】
また、校正設定画面800の詳細設定810部分を操作することで、文書校正装置100に対し、図8Bに示す詳細設定画面850による詳細設定を設定しておくことができる。
【0066】
詳細設定画面850は複数ページでそれぞれ詳細な校正設定を行うことができる。詳細設定画面850では、文書校正装置100の基本の校正設定(カテゴリ)をボタン851のドロップダウンで設定することができる。
【0067】
図8Bに示す詳細設定画面850では、基本の校正設定(カテゴリ)がボタン851で「ビジネス」に設定され、定期実行の時間がボタン852で「ふつう」に設定されている。定期実行は、文書校正処理の自動実行する間隔に相当し、ボタン852の操作によりドロップダウンの選択で「ふつう」以外の異なる時間設定を選択することができる。
【0068】
また、詳細設定画面850には、サイトごとに校正設定を切り替えるボタン853が設けられている。このボタン853を有効(ON)にすることで、ブラウザ110に表示するサイト別の校正設定(カテゴリ)を設定しておくことができる。
【0069】
図8Bに示すように、ボタン853を有効(ON)にすることで、文書校正装置100に事前設定されたサイト別の校正設定一覧854を表示する。校正設定一覧854の元になるデータは、登録URL301に相当する。
【0070】
図8Bに示す校正設定一覧854には、図8Aで示したメールサイトに対する校正設定(カテゴリ)854a、小説サイトに対する校正設定(カテゴリ)854b等、各サイト別に事前設定された校正設定(カテゴリ)を上下スクロールで表示することができ、また、サイト別の校正設定を削除することもできる。
【0071】
上記のように、事前にサイト別の校正設定(カテゴリ)をしておくことにより、ユーザがブラウザ110上にサイトを表示した際、文書校正装置100は、表示されたサイトに対応する校正設定(カテゴリ)に基づく文書校正を実行することができる。
【0072】
(文書校正装置の文書校正処理例)
図9は、文書校正装置が行う文書校正処理の一例を示すフローチャートである。図9の処理は、文書校正装置100のCPU201がプログラム実行により実施する。はじめに、文書校正装置100は、ブラウザ110上に表示されたページ(例えば、図5のメール表示画面500)内の文字入力エリア(メール作成領域501)に文書作成用のカーソルが入っているか否かを判断する(ステップS901)。
【0073】
文字入力エリアにカーソルが入っていれば(ステップS901:Yes)、文書校正装置100は、ステップS902以下の文書校正の処理に移行する。一方、文字入力エリアにカーソルが入っていなければ(ステップS901:No)、文書校正装置100は、パレットは初期状態のまま表示し(ステップS903)、以上の処理を終了する。
【0074】
ステップS902では、文書校正装置100は、ページのURLが校正設定DB103の登録URL301に登録されているか否かを判断する(ステップS902)。ページのURLが校正設定DB103に登録URL301として登録されていれば(ステップS902:Yes)、文書校正装置100は、ステップS904の処理に移行する。一方、ページのURLが校正設定DB103に登録URL301として登録されていなければ(ステップS902:No)、文書校正装置100は、ステップS905の処理に移行する。
【0075】
ステップS904では、文書校正装置100は、校正設定DB103に登録の校正設定(カテゴリ)410を取得し(ステップS904)、ステップS908の処理に移行する。
【0076】
ステップS905では、文書校正装置100は、ページのURLが校正設定DB103の用途別リスト305に含まれているか否かを判断する(ステップS905)。ページのURLが校正設定DB103の用途別リスト305に含まれていれば(ステップS905:Yes)、文書校正装置100は、用途別リスト305の校正設定410を取得する(ステップS906)。一方、ページのURLが用途別リスト305に含まれていなければ(ステップS905:No)、文書校正装置100は、基本の校正設定を取得する(ステップS907)。文書校正装置100は、ステップS906あるいはステップS907の処理後、ステップS908の処理に移行する。
【0077】
ステップS908では、文書校正装置100は、取得した校正設定で文字入力エリア内の文字列の文書校正を実行する(ステップS908)。この後、文書校正装置100は、校正結果をチェッカーパレット502の表示状態(例えば、図6(a)の「校正中」502b、「指摘あり」502c、「指摘なし」502d等)に反映し(ステップS909)、以上の処理を終了する。
【0078】
図10は、文書校正装置が行う校正設定DBへの登録処理の一例を示すフローチャートである。図10の処理は、文書校正装置100のCPU201がプログラム実行により実施する。文書校正装置100は、ユーザ操作に対応して校正カテゴリを変更し(ステップS1001)、校正設定DB103に用途別リスト305(変更後のURLと校正カテゴリ)を登録し(ステップS1002)、以上の処理を終了する。
【0079】
以上説明した実施の形態によれば、文書校正装置は、表示画面上で作成する文書のカテゴリを特定する特定処理と、前記文書に対し、前記特定されたカテゴリ別の校正設定に基づき、カテゴリ別の文書に対し、前記校正設定された各項目での文書校正を行う文書校正処理と、を行う制御部を備える。これにより、ユーザが表示画面上で作成する文書に対し、カテゴリ別の用途に適した文書校正を自動的に行うことができるようになる。
【0080】
また、特定処理は、ネットワーク接続によりブラウザの表示画面上に表示され、文書作成するサイト種別に基づき、当該サイト種別ごとのカテゴリを特定することとしてもよい。これにより、ユーザがブラウザ上でアクセスした各種サイト上で作成する文書にそれぞれ適した文書校正を行うことができるようになる。
【0081】
また、サイト種別は、ブラウザの表示画面上に表示されるURLに基づき特定してもよい。これにより、URL別のカテゴリおよび校正設定に基づく文書校正を行うことができるようになる。
【0082】
また、カテゴリは、前記サイト別に異なる文書作成用途に基づき、事前設定可能なこととしてもよい。例えば、ユーザは、ブラウザがアクセスしているサイトの文書作成用途に基づく校正設定を手動で設定しておくことができ、次回以降のサイトへのアクセス時には、事前設定に基づきサイトに適した文書校正を自動実行できるようになる。
【0083】
また、カテゴリを特定する処理は、表示画面上に表示され、文書作成する文書作成アプリケーション種別に基づき、当該アプリケーション種別ごとのカテゴリを特定することとしてもよい。このように、本願発明は、ネットワーク接続によるサイト別の校正設定に基づく文書校正を行うに限らず、ユーザが操作する各種アプリケーション別の文章の目的や用途に対応した校正設定に基づく文書校正を行うこともできる。
【0084】
なお、本実施の形態で説明した文書校正にかかるプログラムは、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。また、このプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
この発明にかかる文書校正装置、文書校正方法および文書校正プログラムは、例えば、異なるカテゴリで作成する文書に対する文書校正を行う文書校正装置、文書校正方法および文書校正プログラムに有用であり、特に、ブラウザ上で異なるカテゴリのサイトにアクセスし作成した文書の文書校正を行う文書校正装置、文書校正方法および文書校正プログラムに適している。
【符号の説明】
【0086】
100 文書校正装置
101 文書編集部
102 データ送受部
103 校正設定DB
104 文書校正処理部
110 ブラウザ
201 CPU
202 ROM
203 RAM
205 ハードディスク
210 ディスプレイ
213 ネットワークI/F
301 登録URL
305 用途別リスト
410 校正設定(カテゴリ)
500 メール表示画面
501 メール作成領域
502 校正チェッカーパレット
710 校正結果画面
720 校正設定アイコン
800 校正設定画面
850 詳細設定画面
NW ネットワーク
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11