(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007954
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20240112BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240112BHJP
【FI】
A61L9/00 Z
F24F8/80 216
F24F8/80 238
F24F8/80 212
F24F8/80 214
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109411
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】入倉 義也
(72)【発明者】
【氏名】宗村 勇武
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA01
4C180AA07
4C180AA16
4C180AA17
4C180DD09
4C180DD11
4C180HH01
4C180HH05
4C180KK01
4C180LL11
4C180LL20
(57)【要約】
【課題】底部を含めて本体部の強度が強固となる構成となるとともに、組み付け作業が容易にでき組み立て作業性、量産性にも優れた空気清浄機を提供すること。
【解決手段】前後左右の4方向にそれぞれ吸気開口部6が設けられていて、この4方向の各吸気開口部6から流入した空気が上方へ流れて前記集塵部3を通過することで浄化される構成の本体部1を、前記吸気部2を構成する底部ユニット7に順次上方に各部を構成する積み上げユニット8を積み上げて構成した積み上げタワーユニットにより構成されている空気清浄機。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を吸気する吸気部と、この吸気部から吸気される空気中の塵を付着除去して空気を浄化する集塵部と、浄化した空気を吹き出す吹き出し部と、前記吸気部から吸気し前記吹き出し部から吹き出す前記空気の流れを生む送風部とからなる本体部が備えられている空気清浄機であって、
前記本体部の下部に前記吸気部が設けられているとともに、上部に前記吹き出し部が設けられていて、前記送風部により空気が下方から上方に流れるように構成されていて、
前記本体部の下部の前記吸気部は、前後左右の4方向にそれぞれ吸気開口部が設けられていて、この4方向の各吸気開口部から流入した空気が上方へ流れて前記集塵部を通過することで浄化され上部の前記吹き出し部から排出されるように構成されていて、
前記本体部は、前記吸気部を構成する底部ユニットに順次上方に各部を構成する積み上げユニットを積み上げて構成した積み上げタワーユニットにより構成されていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記底部ユニットは、四隅部のユニット支柱部間にそれぞれ前記吸気開口部が設けられていて、この4方向の吸気開口部から中央空間部に外気が吸気される前記吸気部を構成するユニットに構成されていて、前記本体部を構成する前記積み上げタワーユニットの底部に位置するユニットに構成されていることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記本体部は、前記吸気部を構成する前記底部ユニットの上方に、少なくとも前記積み上げユニットとして前記集塵部を構成する集塵部ユニットと、前記積み上げユニットとして前記送風部を構成する送風部ユニットとが積み上げられてなる前記積み上げタワーユニットに外装パネルを付設した構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記積み上げタワーユニットを構成する前記積み上げユニットの下部に、前記底部ユニットの上部受部に重合するまたは積み上げる下側の他の前記積み上げユニットの上部に設けられている上部フランジ部に重合する下部フランジ部が設けられていて、
前記積み上げタワーユニットは、前記上部フランジ部と前記下部フランジ部とに設けた止着孔に上方から螺着する止具で止着して、前記底部ユニットの上に順次前記積み上げユニットが積み上げ止着されタワー状に組み付けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記積み上げユニットの上部に設けられている前記上部フランジ部には、前記止具を止着操作する工具を逃げる逃げ切欠部が設けられている構成であることを特徴とする請求項4記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記積み上げユニットの下部に設けられている前記下部フランジ部の下面に係合凸部が設けられていて、この係合凸部が前記上部フランジ部の前記逃げ切欠部またはこの逃げ切欠部とは異なる位置合わせ係合部に係合し位置合わせ状態で前記積み上げユニットが積み上げられている構成であることを特徴とする請求項5記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の埃、花粉、臭い成分、PM2.5、ウイルスなどの塵を除去して空気を浄化する空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸気部から吸気され通過する空気中の塵を集塵フィルターに付着させて除去し空気を浄化する集塵フィルター部や、さらにたとえば汚れセンサー(ダストセンサーやガスセンサー)により汚れが酷い(ダストレベルが高い)と判定したときに通電制御して通過する空気中の塵を静電化しこの塵を集塵電極に静電吸着させて除去し空気を浄化する電気集塵部を本体部に設け、この集塵フィルター部や電気集塵部などの集塵部を通過させることで浄化した空気を吹き出し部から送風部により吹き出すように構成した空気清浄機が好評である。たとえば、このような空気清浄機では、本体部に集塵フィルター部を着脱自在に装着した構成とし、さらにこの集塵フィルター部の上流側もしくは下流側に前記電気集塵部を着脱自在に装着した構成としてもよい。
【0003】
またこのような空気清浄機の電気集塵部は、たとえばイオン化電極を多数並設し、この各イオン化電極とそれぞれ間隔を置いて集塵電極を多数並設し、汚れが酷く(ダストレベルが高く)浄化能力を上げたいときには、電圧供給部に接触導通している電極端子部を介して通電制御することでイオン化電極に通電したとえば各イオン化電極を正極、これと離間対向している各集塵電極を負極として電圧が印加されて、これを通過する空気中の塵が静電化され負極の各集塵電極に静電吸着されて除去され空気が浄化される構成としている。
【0004】
また従来このような空気清浄機の吸気部は正面に設けられているものが多く、下部に設けた場合でも吸気部の吸気開口部は下部正面部か背面部かである。またたとえば特許文献1のように下部全周(4方向)に設けたものもあるが、底部の強度低下により本体部の剛性が低下することから大きな開口部を開けることができず、その吸気開口部内の掃除も容易でなくメンテナンス性に劣る。
【0005】
そのため、4方向に十分な吸気開口部を取れないため、汚れセンサー(ダストセンサーやガスセンサー)などの検知部を背面部などに設けた場合、空気が回りにくい設置位置であった場合には汚れなどが検知されにくいから、本機設置位置を選ばなくてはならず、レイアウトの自由が制約される。
【0006】
また、メンテナンス時にこの吸気部を掃除しにくくメンテナンス性に劣るうえ、本体部内に吸気される空気が均等に流れず集塵部で効率よく集塵できない問題もある。
【0007】
また下部から吸気し上部へ空気を送風し上部から浄化した空気を排出する構成の本体部を構築する場合、下部の吸気部と上部の排気部との間に、たとえば前記集塵部として集塵フィルター部や電気集塵部をそれぞれ着脱自在に装着する集塵部、送風ファンやそのモーター部などからなる送風部などをレイアウト設計し、これらを組み込んで本体部を構成し、外装パネルを付設していかなければならず、その製作(組み立て作業)は非常にやっかいであり、組み立て作業性、量産性に劣る構成であった。
【0008】
たとえば、従来のこのような空気清浄機では、特許文献2のように、本体部が縦に分割された構成で、これらを順次組み付け構築する構成であるため、横方向からのネジ止めにより組付けていかなければならず、また本体ケースを除いた正面開口部から各種部品を入れ込んだり、これら部品も横方向からのネジ止めにより組み込んだりして製作しなければならないため、組み立て作業は非常にやっかいであり、作業性に劣る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001-252512号公報
【特許文献2】国際公開WO―2012/144345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題点を見出し、これを解決するもので、下部に吸気部を設け上部に吹き出し部を設け、その間に集塵部や送風部を設けた構成とし、この下部の吸気部を4方向に吸気開口部を設けた構成として、送風部により下部4方向すなわち全周方向から中央部上方に流れる空気中の塵が集塵部で除去され浄化される構成とすることで、吸気開口部の面積を大きく取れ適用畳数を大きくできるだけでなく、掃除がし易くメンテナンス性に優れ、しかも汚れセンサーなどの検知部をおよそ本体部のどの位置に設けても空気が回り易いためその汚れなどを検知し易く、また局所的に発生した空気の汚れも瞬時に検知して浄化し易い構成となり、設置時のレイアウトの自由度も上がり、また集塵部に均等に空気が通過するため集塵効率もよくメンテナンス頻度も低くなり、さらに本体部は各部をユニット化した積み上げユニットを積み上げてなる構成であるため、底部を含めて本体部の強度が強固となる構成となるとともに、組み付け作業が容易にでき組み立て作業性、量産性にも優れた画期的な空気清浄機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0012】
外気を吸気する吸気部2と、この吸気部2から吸気される空気中の塵を付着除去して空気を浄化する集塵部3と、浄化した空気を吹き出す吹き出し部4と、前記吸気部2から吸気し前記吹き出し部4から吹き出す前記空気の流れを生む送風部5とからなる本体部1が備えられている空気清浄機であって、前記本体部1の下部に前記吸気部2が設けられているとともに、上部に前記吹き出し部4が設けられていて、前記送風部5により空気が下方から上方に流れるように構成されていて、前記本体部1の下部の前記吸気部2は、前後左右の4方向にそれぞれ吸気開口部6が設けられていて、この4方向の各吸気開口部6から流入した空気が上方へ流れて前記集塵部3を通過することで浄化され上部の前記吹き出し部4から排出されるように構成されていて、前記本体部1は、前記吸気部2を構成する底部ユニット7に順次上方に各部を構成する積み上げユニット8を積み上げて構成した積み上げタワーユニットにより構成されていることを特徴とする空気清浄機に係るものである。
【0013】
前記底部ユニット7は、四隅部のユニット支柱部9間にそれぞれ前記吸気開口部6が設けられていて、この4方向の吸気開口部6から中央空間部に外気が吸気される前記吸気部2を構成するユニットに構成されていて、前記本体部1を構成する前記積み上げタワーユニットの底部に位置するユニットに構成されていることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機に係るものである。
【0014】
また前記本体部1は、前記吸気部2を構成する前記底部ユニット7の上方に、少なくとも前記積み上げユニット8として前記集塵部3を構成する集塵部ユニットと、前記積み上げユニット8として前記送風部5を構成する送風部ユニットとが積み上げられてなる前記積み上げタワーユニットに外装パネル17を付設した構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機に係るものである。
【0015】
また前記積み上げタワーユニットを構成する前記積み上げユニット8の下部に、前記底部ユニット7の上部受部に重合するまたは積み上げる下側の他の前記積み上げユニット8の上部に設けられている上部フランジ部10に重合する下部フランジ部11が設けられていて、前記積み上げタワーユニットは、前記上部フランジ部10と前記下部フランジ部11とに設けた止着孔12に上方から螺着する止具13で止着して、前記底部ユニット7の上に順次前記積み上げユニット8が積み上げ止着されタワー状に組み付けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機に係るものである。
【0016】
また前記積み上げユニット8の上部に設けられている前記上部フランジ部10には、前記止具13を止着操作する工具を逃げる逃げ切欠部14が設けられている構成であることを特徴とする請求項4記載の空気清浄機に係るものである。
【0017】
また前記積み上げユニット8の下部に設けられている前記下部フランジ部11の下面に係合凸部15が設けられていて、この係合凸部15が前記上部フランジ部10の前記逃げ切欠部14またはこの逃げ切欠部14とは異なる位置合わせ係合部16に係合し位置合わせ状態で前記積み上げユニット8が積み上げられている構成であることを特徴とする請求項5記載の空気清浄機に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、下部に吸気部を設け上部に吹き出し部を設け、その間に集塵部や送風部を設けた構成とし、この下部の吸気部を4方向に吸気開口部を設けた構成として、送風部により下部4方向すなわち全周方向から中央部上方に流れる空気中の塵が集塵部で除去され浄化される構成とすることで、吸気開口部の面積を大きく取れ適用畳数を大きくできるだけでなく、掃除がし易くメンテナンス性に優れ、しかも汚れセンサーなどの検知部をおよそ本体部のどの位置に設けても空気が回り易いためその汚れなどを検知し易く、また局所的に発生した空気の汚れも瞬時に検知して浄化し易い構成となり、設置時のレイアウトの自由度も上がり、また集塵部に均等に空気が通過するため集塵効率もよくメンテナンス頻度も低くなり、さらに本体部は各部をユニット化した積み上げユニットを積み上げてなる構成であるため、底部を含めて本体部の強度が強固となる構成となるとともに、組み付け作業が容易にでき組み立て作業性、量産性にも優れた画期的な空気清浄機となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図7】本実施例の電気集塵部の集塵電極部をスライド分離して取り出しさらに電気集塵部のイオン化電極部を取り出した状態を示す説明分解斜視図である。
【
図8】本実施例の正面外装パネルを外した状態を示す説明斜視図である。
【
図9】本実施例の本体部を構成する積み上げタワーユニットを左側から見た説明斜視図である。
【
図10】本実施例の本体部を構成する積み上げタワーユニットを右側から見た説明斜視図である。
【
図11】本実施例の底部ユニットを右側から見た説明斜視図である。
【
図12】本実施例の底部ユニットに積み上げユニット(集塵部ユニット)を積み上げた状態を示す説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0021】
送風部5により外気が吸気部2から本体部1内に吸気され、この空気が本体部1の集塵部3を通過することで、空気中の塵は付着または吸着除去されて浄化され、吹き出し部4から排出されることなる。
【0022】
具体的には、たとえばこの本体部1に集塵部3として集塵フィルターを備えた集塵フィルター部を設けるとともに、この集塵フィルター部の上流側または下流側に別の集塵部3として電気集塵部も設けた構成とし、送風部5により外気が本体部1の吸気部2から吸気され、この空気が各集塵部3(電気集塵部と集塵フィルター部)を順次通過することで塵が付着または吸着除去されて浄化され、上部の吹き出し部4から排出されることとなる。
【0023】
すなわち、たとえばこの空気の流れの途中経路に装着されている集塵フィルター部の集塵フィルターに空気中の塵が捕捉され付着除去されるが、この上流側に通電制御により作動する電気集塵部を重層状態に設けていて、たとえば汚れセンサー(ダストセンサーやガスセンサー)の検知状況に応じて送風部5の送風量を制御するとともに、このダストセンサーが汚れが酷い(ダストレベルが高い)と検知判定された際に通電されることでこの電気集塵部3が自動作動して、空気中の塵が静電化され集塵電極8に静電吸着させて除去されるように構成すれば、この電気集塵部3により適宜(空気の汚れ具合に応じて)浄化能力を高めて効率よく空気を速やかに浄化することができることとなる。
【0024】
言い換えると、本発明の集塵部3は、この集塵フィルター部のみでも電気集塵部のみでもよいが、前述のように集塵部3として集塵フィルター部と電気集塵部とを重層並設し、たとえば集塵フィルター部では能力が不足する場合やこれを強化するために双方を空気が通過するように構成し、常時または必要に応じて通電制御して集塵フィルター部に加えて電気集塵部も作動させ、浄化能力を高めることができるように構成してもよい。
【0025】
また本発明の本体部1の下部の前記吸気部2は、前後左右の4方向にそれぞれ吸気開口部6を設けた構成としているため、この4方向の各吸気開口部6からすなわち全周方向から流入した空気が上方へ流れて前記集塵部3を通過することでその空気は浄化され上部の吹き出し部4から排出されることになる。
【0026】
したがって、単に本体部1の正面部や背面部に設けるのではなく、前後左右の4方向すなわち全周方向から吸気されるように大きな吸気開口部6を配設できる構成であるから、吸気開口面積を大きく取れ適用畳数を大きくできるだけでなく、適宜この吸気開口部6から手を入れて、汚れやすい底部ユニット7の内底面を容易に掃除することができメンテナンス性に優れることになる。
【0027】
しかも汚れセンサーなどの検知部をたとえば本体部1の側面部や背面部に設けるなどおよそ本体部1のどの位置に設けても、部屋の空気は4方向すなわち全周方向から本体部1内に吸気される構成であることから、部屋の空気が回り易いため空気の汚れは検知され易く、また仮に局所的に空気に汚れが生じてもこの汚れが拡散しなくてもダイレクトにすなわち瞬時に吸気され浄化されるから浄化時間が短くて済むこととなり、そのため設置時のレイアウトの自由度も上がることとなる。
【0028】
また前後左右の4方向すなわち全周方向から吸気され上方の集塵部3で浄化されるため、この集塵部3を比較的均等に空気が通過することになるため、浄化能力に優れ集塵部3のメンテナンス頻度も抑えられる。
【0029】
また本発明の本体部1は、吸気部2を構成する底部ユニット7に、集塵部3や送風部5などの各部をユニット化した積み上げユニット8を順次積み上げた構成であるから(本体部1をこのようにして積み上げユニット8を積み上げ組み付けた積み上げタワーユニットに構成したから)、底部を含めて本体部の強度が強固となる構成となるとともに、たとえば設計も容易で各部品を組み付けた積み上げユニット8を、上方からのビス止めにより順次積み上げて積み上げタワーユニットにできる構成であるため、組み立て作業も容易となり組み立て作業性、量産性に優れた構成となる。
【実施例0030】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0031】
本実施例は、本体部1に外気を吸気する吸気部2と、この吸気部2から吸気された空気の塵を除去して空気を浄化する集塵部3と、浄化した空気を吹き出す吹き出し部4と、吸気部2から吸気し吹き出し部4から吹き出す空気の流れを生む送風部5とを備え、本体部1に設けた送風部5の下方から上方への送風により、底部の前後左右の4方向すなわち全周方向に設けた吸気部2から中央上部へ外気を吸気し、この本体部1の送風部5の下部上流側すなわち空気通過路の途中全面に空気中の塵を除去して浄化する集塵部3を設けた構成としている。
【0032】
具体的には、この本体部1の送風部5の上流側(下部)に集塵部3として集塵フィルターを備えた集塵フィルター部を装着し、さらにこの上流側(下部)に別の集塵部3として電気集塵部を装着し、送風部5により外気が本体部1の吸気部2から吸気され、この空気が各集塵部3(電気集塵部と集塵フィルター部)を通過することで塵が付着または吸着除去されて浄化され、上部の吹き出し部4から排出されるように構成している。
【0033】
すなわち、たとえばこの空気の流れの途中経路全面に装着されている集塵フィルター部の集塵フィルターに空気中の塵が捕捉され付着除去されるが、この上流側に電気集塵部を重層状態に装着し、たとえば汚れセンサー(ダストセンサーやガスセンサー)の検知状況に応じて送風部5の送風量を制御するとともに、このダストセンサーが汚れが酷い(ダストレベルが高い)と検知判定した際に通電制御してこの電気集塵部3を作動させ、空気中の塵を静電化し集塵電極8に静電吸着させ除去するように構成し、この電気集塵部3により適宜(空気の汚れ具合に応じて)浄化能力を高めることができるように構成している。
【0034】
言い換えると、本実施例のこの集塵部3は、空気中の塵を捕集除去して空気を浄化する集塵フィルターを備えた集塵フィルター部と、さらにこの下部の上流側に空気中の塵を静電吸着して除去し空気を浄化する電気集塵部(この電気集塵部の下部上流側にはプレフィルター部も備えている)とを重層状態に設けた構成とし、この集塵フィルター部と電気集塵部とからなる集塵部3の上部下流側に前記送風部5を設け、この送風部5の上部に、前記集塵部3で浄化した空気を吹き出す吹き出し部4や制御操作部18などを設けた構成としている。
【0035】
さらに説明すると本実施例の集塵部3として設けた電気集塵部3は、線状のイオン化電極を多数間隔を置いて並設した構成のイオン化電極部20と、この各イオン化電極とそれぞれ間隔を置いて配設され通過する空気中の塵を静電化して静電吸着させる集塵電極を多数間隔を置いて並設した構成の集塵電極部21と、この各イオン化電極とこれらと離間している各集塵電極とに電圧を印加させる電圧供給部と接触導通させる電極端子部(接触用端子部)とを備えた構成としている。
【0036】
また本実施例のこの電気集塵部3は、前記イオン化電極部20と前記集塵電極部21とがスライド係合して一体化した結合1パーツであり、これを本体部1のユニット装着部23にガイド機構によりスムーズに水平スライドさせて装着・引き取りできる着脱ユニットに構成しているが(なお、図示した電気集塵部3のイオン化電極部20の左右上部に設けたガイドレール22がこのガイド機構の一部である。)、本実施例では、電気集塵部3を本体部1のユニット装着部23に装着した状態で、このスライド係合完了位置決め手段で保持されている集塵電極部21を引き出すようにした構成、すなわち前記イオン化電極部20を前記ユニット装着部23に固定した状態のまま、メンテナンス頻度の高い前記集塵電極部21を引き出せる構成とし、さらに必要に応じてこの集電電極部21を引き出した後に前記引き出し用摘み部を摘まんで残ったイオン化電極部20を前記ユニット装着部23から引き出せる構成としている。
【0037】
そしてこの着脱ユニットに構成されている電気集塵部3は、このように多数のイオン化電極の長さ方向であってこのイオン化電極間に間隔をおいて介存状態に配設されている多数の集塵電極の長さ方向に、スライド係合ガイド機構をガイドにスライド自在にして且つイオン化電極部20と集塵電極部21とが2パーツ(2ユニット)にスライド分離自在に構成して、イオン化電極部20(本体ユニットパーツ)から集塵電極部21(引き出しユニットパーツ)がスライド分離して2パーツとなった際に、集塵電極部21の多数の集塵電極が露出状態となって静電吸着した塵を掃除除去し易くメンテナンス性が向上する構成としている。
【0038】
また本実施例の本体部1の下部の前記吸気部2は、前後左右の4方向にそれぞれ大きな吸気開口部6を設けた構成として、この4方向すなわち全周方向に設けた各吸気開口部6から流入した空気が上方へ流れて前記集塵部3に均等に通過することで浄化され上部の前記吹き出し部4から排出されるように構成している。
【0039】
そして本実施例の本体部1は、前記吸気部2を構成する底部ユニット7に順次上方に各部を構成する積み上げユニット8を積み上げて構成した積み上げタワーユニットからなる構成とし、この積み上げタワーユニットの各面に外装パネル17を付設した構成としている。
【0040】
具体的には、前記底部ユニット7は、上部開口部をその上部の集塵部3の最下部のプレフィルター部で覆う平面視方形状であって、内底面が平坦で断面がU状のユニットに構成している。またこの四隅部にユニット支柱部9を有し、その間にその幅いっぱいに大きな切り欠き部または開口部をそれぞれ一乃至複数設けてこれを前記吸気開口部6とした構成とし、4方向すなわちトータル全周方向に配設されたこの底部ユニット7の大きな吸気開口部6から前記送風部5の上方への送風により外気が吸気される、すなわちこの4方向の吸気開口部6から平坦底面上の中央空間部に外気が吸気され上方の集塵部3へと空気を導入する前記吸気部2を構成するユニット(底部ユニット)に構成している。
【0041】
言い換えると、この底部ユニット7の上に各部を構成する積み上げユニット8を積み上げて前記積み上げタワーユニットを構成し、この底部ユニット7は、この積み上げタワーユニットの底部に位置して前記吸気部2を構成するユニットとして構成している。
【0042】
このように前記本体部1は、前記吸気部2を構成する底部ユニット7の上方に、前記積み上げユニット8を積み上げた構成としているが、本実施例では、底部ユニット7の上部に、積み上げユニット8として前記集塵部3の電気集塵部を構成する電気集塵部ユニットと、別の集塵部3の集塵フィルター部を構成する集塵フィルター部ユニットと、センサーなども組み込んだ制御基板などの各部品を組み込んだ制御部ユニットと、前記送風部5を構成する(送風ファンや駆動源などを組み込んだ)送風部ユニットとを順次積み上げて前記積み上げタワーユニットを構築し、これに上部の吹き出し部4および制御操作部18を備えた上面パネル他各面パネルを外装パネル17としてこの本体部骨格となる積み上げタワーユニットに付設して本体部1を構成している。
【0043】
したがって、本実施例では、前述したように、単に吸気部2の吸気開口部6を正面部や背面部に設けるだけでなく、前後左右の4方向すなわち全周方向から吸気されるように少なくとも4方向四カ所に大きな吸気開口部6を設けたから、吸気開口面積を大きく取れ適用畳数を大きくできるだけでなく、この4方向のいずれかの吸気開口部6から手を入れて、汚れやすい底部ユニット7の底面を容易に掃除できメンテナンス性に優れることになる。
【0044】
しかも汚れセンサーなどの検知部をたとえば本体部1の側面部や背面部に設けるなどおよそ本体部1のどの位置に設けても、部屋の空気は4方向すなわち全周方向から本体部1内に吸気される構成としているから、部屋の空気が回り易いため空気の汚れは検知され易く、また仮に局所的に空気に汚れが生じてもこの汚れが拡散しなくてもダイレクトにすなわち瞬時に吸気され浄化されるから浄化時間が短くて済むこととなり、そのため設置時のレイアウトの自由度も上がることとなる。
【0045】
また前後左右の4方向すなわち全周方向から吸気され上方の集塵部3で浄化されるため、この集塵部3を比較的均等に空気が通過することになるため、浄化能力に優れ集塵部3のメンテナンス頻度も抑えられる。
【0046】
また本体部1は、吸気部2を構成する底部ユニット7に、集塵部3や送風部5などの各部をユニット化した積み上げユニット8を順次上方に積み上げた構成としたから(本体部1をこのようにして積み上げユニット8を積み上げ組付けた積み上げタワーユニットに構成したから)、底部を含めて本体部の強度が強固となる構成となるとともに、たとえば設計も容易で各部品を組み付けた積み上げユニット8を、上方からのビス止めにより順次積み上げできる構成であるため、組み立て作業も容易となり組み立て作業性、量産性に優れた構成となる。
【0047】
また各部を構成するこの積み上げユニット8には、積み上げ時にフランジ部などその接続部がシールされる構造を施した構成として、送付部5により外気が効率よく吸気部2から吸気され集塵部3を通過し吹き出し部4から排出されるように構成している。すなわち風量の低下を防ぎ、吸気部2以外からの空気の取り込みを防止する構成としている。
【0048】
さらに説明すると本実施例では、前記積み上げタワーユニットを構成する前記積み上げユニット8の下部に、前記底部ユニット7の上部受部に重合するまたは積み上げる下側の他の前記積み上げユニット8の上部に設けられている上部フランジ部10に重合する下部フランジ部11を設けた構成としている。
【0049】
すなわち前記積み上げタワーユニットは、これらフランジ部やこの上下のフランジ部間で上下方向に長さ方向とする補強リブ部を設けた構成とすることで、ユニット強度も強固となり安定性よく積み重ねできる構成としている。具体的には左右に水平突出状態に形成した前記上部フランジ部10の上に前記下部フランジ部11を重合するようにして前記底部ユニット7の上に複数の前記積み上げユニット8を順次積み上げつつ、この上部受部や上部フランジ部10と下部フランジ部11とに設けた止着孔12(螺子孔や貫通孔)に上方から止具13(たとえばビス)を螺着して、タワー状に組み付けた構成としている。
【0050】
また本実施例では、前記積み上げユニット8の上部に設けられている前記上部フランジ部10には、前記止具13を止着操作する工具(ドライバー)を逃げる逃げ切欠部14を設けた構成としている。
【0051】
具体的には、上部フランジ部10には貫通孔、下部フランジ部11には下方へ突出するネジ込み筒に設けられている螺子孔を前記止着孔12として設け、これに止具13としてのビスを螺着してビス止め固定する構成としている。そのため積み上げ易くまた止め位置が見やすく、しかも上方からの止着作業となるため、非常に安定性よく止着作業ができるため、作業能率がよくなる。
【0052】
さらにいえば、各部をユニット構成として、各部ごと部品を組付けて構築した後に、順次上方に水平突出している上部フランジ部10の上に下部フランジ部11を重合させて安定性良く積み重ねつつ、そのほとんどを上方からの止着作業(ビス止め作業)により組み立てができるため、非常に能率良く容易に組み立てることができる。
【0053】
また本実施例では、この止着作業(たとえば真上からドライバーでビス止めする作業)をおこなう場合、その上部に上部フランジ部10がない位置はよいが、上部フランジ部10がある場合にはこの上部フランジ部10にこのドライバーを逃げる前記逃げ切欠部14を設けている。具体的には、ドライバーでの作業が許容される半円状の切り欠き部に形成している。
【0054】
これにより、たとえ上部フランジ部10があってもこれが邪魔とならず、この逃げ切欠部14にドライバーを配することができることで、真上からドライバーでビス止めできることとなり、さらに組み立て作業(各ビス止め作業)が容易となる。
【0055】
また本実施例では、この積み上げユニット8の下部に設けられている前記下部フランジ部11の下面に係合凸部15を設けて、この係合凸部15が前記上部フランジ部10の前記逃げ切欠部14またはこの逃げ切欠部14とは異なる位置に設けた位置合わせ係合部16に係合し位置合わせ状態で前記積み上げユニット8を積み上げできるように構成している。
【0056】
具体的には、下部フランジ部11の止着孔12の近くに下方に突出する係合凸部15を設け、これが係合することで上部フランジ部11の上に下部フランジ部11を位置決め状態に面接重合できるように構成するとともに、もしこの積み上げユニット8の向きを間違って積み上げようとした際には、この係合凸部15が位置合わせ係合できないため面接重合できずこの誤組に気づくすなわち誤組を防止できるように構成している。
【0057】
この係合凸部15が係合する位置合わせ係合部16は、前記逃げ切欠部14を共用する構成としてもよい。その場合でももし反対向き(180度水平反転向き)に取り付けようとした場合は係合凸部15が係合せずに誤組に気づき、正しい向きに積み重ねた場合はすべての係合凸部15が位置合わせ係合部16かこれを共用する逃げ切欠部14のいずれかに係合し、積み重ねできるように構成している。すなわち本実施例では、フランジ部に誤組を防止するための位置合わせ凹凸係合構造を施した構成としている。
【0058】
また止着孔部分の上部フランジ部10とこれと重合する下部フランジ部11に、位置合わせ凹凸係合構造とは別に凹凸係合する凹凸係合構造19を設けて、さらにユニット剛性を高め、積み重ね強度も高め、さらに前記誤組を防止する位置合わせ機能の他、吸気を防止するシール機能を発揮するように構成してもよい。本実施例では止着部分の一部にこの凹凸係合構造19も採用している。
【0059】
また本実施例では、このように底部ユニット7の前記上部フランジ部10としての側壁上端部10に積み重ねユニット8の下部フランジ部11を重合し、さらにこの上部に順次積み重ねユニット8を各フランジ部10,11を重合し、順次ビス止めしつつ積み上げて、底部ユニット7による4方向吸気部2付の積み上げタワーユニットを構築して本体部1を構成しているから、組み立て容易で剛性があり、またこの本体部1の骨格となる積み上げタワーユニットに、デザイン性、機能性などに配慮した薄板状の外装パネル17を当接するように付設して本体部1を構成したから、外装パネル17には強度要求が低いため、薄板状でよくそのためデザイン性、機能性を高めることが容易で、またこの外装パネル17を薄板状としてもたとえば上部フランジ部10や下部フランジ部11の側縁に当接付設することでたわみも防止できることとなる。
【0060】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。