(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079548
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】車両用熱マネジメントシステム
(51)【国際特許分類】
B60H 1/22 20060101AFI20240604BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60H1/22 651A
B60H1/22 671
B60H1/22 611Z
F25B1/00 399Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098453
(22)【出願日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2022192234
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】榎島 史修
(72)【発明者】
【氏名】横井 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】大西 徹
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA11
3L211CA15
3L211CA17
3L211CA18
3L211CA19
3L211DA26
3L211DA28
3L211DA29
(57)【要約】
【課題】回路構成の簡素化と低廉化とを実現可能な車両用熱マネジメントシステムを提供する。
【解決手段】この車両用熱マネジメントシステムは、冷媒回路1と、加熱用媒体回路2と、冷却用媒体回路3とを有する。冷媒回路1又は冷却用媒体回路3には、内気冷却器4、51が組み込まれている。冷媒回路1及び加熱用媒体回路2には加熱用コンデンサ5が組み込まれ、冷媒回路1及び冷却用媒体回路3には冷却用チラー6が組み込まれている。加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3には、電池温調用熱交換器7及びラジエータ8が組み込まれている。制御装置9は、電池温調用熱交換器7及びラジエータ8に対して、加熱用媒体又は冷却用媒体の一方を選択的に流通させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を膨張させる膨張弁とを有する冷媒回路と、
加熱用媒体を循環させる加熱用媒体ポンプと、前記加熱用媒体で内気に放熱を行う内気加熱器とを有する加熱用媒体回路と、
冷却用媒体を循環させる冷却用媒体ポンプを有する冷却用媒体回路と、
前記冷媒回路又は前記冷却用媒体回路に組み込まれ、冷媒又は前記冷却用媒体で内気から吸熱を行う内気冷却器と、
前記冷媒回路及び前記加熱用媒体回路に組み込まれ、冷媒で前記加熱用媒体に放熱を行う加熱用コンデンサと、
前記冷媒回路及び前記冷却用媒体回路に組み込まれ、冷媒で前記冷却用媒体から吸熱を行う冷却用チラーと、
前記加熱用媒体回路に組み込まれるとともに前記冷却用媒体回路に組み込まれ、前記加熱用媒体と車載電池との間で熱交換を行うとともに前記冷却用媒体と車載電池との間で熱交換を行う電池温調用熱交換器と、
前記加熱用媒体回路に組み込まれるとともに前記冷却用媒体回路に組み込まれ、前記加熱用媒体と外気との間で熱交換を行うとともに前記冷却用媒体と外気との間で熱交換を行うラジエータと、
前記電池温調用熱交換器に対する前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体の流通を制御するとともに、前記ラジエータに対する前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体の流通を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器に前記加熱用媒体又は前記冷却用媒体の一方を選択的に流通させるとともに、前記ラジエータに前記加熱用媒体又は前記冷却用媒体の一方を選択的に流通させることを特徴とする車両用熱マネジメントシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器及び前記ラジエータに前記加熱用媒体を流通させる場合、前記電池温調用熱交換器を経て前記ラジエータに前記加熱用媒体を流通させる請求項1記載の車両用熱マネジメントシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器及び前記ラジエータに前記冷却用媒体を流通させる場合、前記ラジエータを経て前記電池温調用熱交換器に前記冷却用媒体を流通させる請求項1記載の車両用熱マネジメントシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器に対して、前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体を同じ方向に流通させる請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用熱マネジメントシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記ラジエータに対して、前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体を同じ方向に流通させる請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用熱マネジメントシステム。
【請求項6】
前記加熱用媒体回路は、前記加熱用媒体で冷却対象機器から吸熱を行う吸熱器を有し、
前記吸熱器は、前記加熱用コンデンサと並列に設けられている請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用熱マネジメントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用熱マネジメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリー式の電気自動車(BEV、Battery Electric Vehicle)には、走行用モータへの供給電力を蓄える蓄電装置として、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等が搭載されている。
【0003】
電池は充放電時に発熱し、高温状態が継続すると劣化が促進する。一方、極低温下では、電池出力が低下する。このため、電気自動車においては、電池を冷却及び加熱するための電池温調システムを搭載することが望ましい。
【0004】
他方、車室内の暖房に内燃機関の燃焼排熱を利用できない電気自動車では、一般に、車室内の暖房に、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータやヒートポンプを利用している。
【0005】
しかし、車載電池をエネルギー源とするPTCヒータを用いた暖房では、エネルギー消費効率が相対的に低く、航続距離が短くなるという課題がある。また、冷媒で外気から吸熱を行うヒートポンプ式の暖房では、車載電池に加えて空気熱もエネルギー源とするため、エネルギー消費効率はPTCヒータを用いた暖房に比べて高いものの、寒冷地などで外気温が極めて低い時に十分に暖房できないという課題がある。
【0006】
特許文献1には、電気自動車に適用して好適な従来の車両用熱マネジメントシステムが開示されている。この車両用熱マネジメントシステムは、冷媒回路と、加熱用媒体回路と、冷却用媒体回路と、制御装置とを備えている。
【0007】
冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を膨張させる膨張弁と、冷媒で内気から吸熱を行う内気冷却器とを有している。加熱用媒体回路は、加熱用媒体を循環させる加熱用媒体ポンプと、加熱用媒体で内気に放熱を行う内気加熱器と、加熱用媒体と外気との間で熱交換を行う加熱側ラジエータとを有している。冷却用媒体回路は、冷却用媒体を循環させる冷却用媒体ポンプと、冷却用媒体を加熱する電気ヒータと、冷却用媒体と外気との間で熱交換を行う冷却側ラジエータとを有している。
【0008】
冷媒回路及び加熱用媒体回路には、冷媒で加熱用媒体に放熱を行う加熱用コンデンサが組み込まれている。冷媒回路及び冷却用媒体回路には、冷媒で冷却用媒体から吸熱を行う冷却用チラーが組み込まれている。加熱用媒体回路及び冷却用媒体回路には、加熱用媒体及び冷却用媒体と車載電池との間で熱交換を行う電池温調用熱交換器が組み込まれている。制御装置は、電池温調用熱交換器に対する加熱用媒体及び冷却用媒体の流通を制御して、電池温調用熱交換器に加熱用媒体又は冷却用媒体の一方を選択的に流通させる。
【0009】
これにより、冷媒回路により車室内の空調を行うとともに、加熱用コンデンサにて冷媒で加熱された加熱用媒体を電池温調用熱交換器に流通させて電池を暖機したり、冷却用チラーにて冷媒で冷却された冷却用媒体を電池温調用熱交換器に流通させて電池を冷却したりしている。また、この車両用熱マネジメントシステムでは、電気ヒータを利用して車室内を暖房したり、電池を暖機したりもしている。さらに、加熱側ラジエータにて加熱用媒体と外気とを熱交換したり、冷却側ラジエータにて冷却用媒体と外気とを熱交換したりして、加熱用媒体及び冷却用媒体を加熱したり、冷却したりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記従来の車両用熱マネジメントシステムでは、ラジエータを2つ用いたり、電気ヒータも用いたりしているため、構成部品が多く、そのため、システム全体の回路構成も複雑となり、その分コストも高騰化している。
【0012】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、回路構成の簡素化と低廉化とを実現可能な車両用熱マネジメントシステムを提供することを解決すべき技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車両用熱マネジメントシステムは、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を膨張させる膨張弁とを有する冷媒回路と、
加熱用媒体を循環させる加熱用媒体ポンプと、前記加熱用媒体で内気に放熱を行う内気加熱器とを有する加熱用媒体回路と、
冷却用媒体を循環させる冷却用媒体ポンプを有する冷却用媒体回路と、
前記冷媒回路又は前記冷却用媒体回路に組み込まれ、冷媒又は前記冷却用媒体で内気から吸熱を行う内気冷却器と、
前記冷媒回路及び前記加熱用媒体回路に組み込まれ、冷媒で前記加熱用媒体に放熱を行う加熱用コンデンサと、
前記冷媒回路及び前記冷却用媒体回路に組み込まれ、冷媒で前記冷却用媒体から吸熱を行う冷却用チラーと、
前記加熱用媒体回路に組み込まれるとともに前記冷却用媒体回路に組み込まれ、前記加熱用媒体と車載電池との間で熱交換を行うとともに前記冷却用媒体と車載電池との間で熱交換を行う電池温調用熱交換器と、
前記加熱用媒体回路に組み込まれるとともに前記冷却用媒体回路に組み込まれ、前記加熱用媒体と外気との間で熱交換を行うとともに前記冷却用媒体と外気との間で熱交換を行うラジエータと、
前記電池温調用熱交換器に対する前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体の流通を制御するとともに、前記ラジエータに対する前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体の流通を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器に前記加熱用媒体又は前記冷却用媒体の一方を選択的に流通させるとともに、前記ラジエータに前記加熱用媒体又は前記冷却用媒体の一方を選択的に流通させることを特徴とする。
【0014】
本発明の車両用熱マネジメントシステムでは、冷媒回路又は冷却用媒体回路に組み込まれた内気冷却器にて冷媒で内気を冷却して車室内を冷房する。また、冷却用媒体回路に組み込まれたラジエータにて冷却用媒体が外気から吸熱し、冷媒回路及び冷却用媒体回路に組み込まれた冷却用チラーにて冷媒が冷却用媒体から吸熱し、かつ、冷媒回路及び加熱用媒体回路に組み込まれた加熱用コンデンサにて加熱用媒体が冷媒から吸熱し、そして加熱用媒体回路に組み込まれたヒータコアにて加熱用媒体で内気を加熱して車室内を暖房する。
【0015】
そして、この車両用熱マネジメントシステムでは、電池温調用熱交換器に対して加熱用媒体又は冷却用媒体の一方を選択的に流通させることで、車載電池を暖機したり、冷却したりする。また、ラジエータに対しても、加熱用媒体又は冷却用媒体の一方を選択的に流通させることで、加熱用媒体で外気に放熱したり、冷却用媒体で外気から吸熱したりして、システム全体の熱収支において余剰分を放熱したり、不足分を吸熱したりする。
【0016】
このようにこの車両用熱マネジメントシステムでは、1つのラジエータにて外気との吸放熱を行うとともに、電気ヒータを別途用いることなく車室内の暖房及び電池の暖機を行うため、構成部品を削減できる。
【0017】
したがって、本発明の車両用熱マネジメントシステムによれば、回路構成の簡素化と低廉化とを実現できる。
【0018】
制御装置は、電池温調用熱交換器及びラジエータに加熱用媒体を流通させる場合、電池温調用熱交換器を経てラジエータに加熱用媒体を流通させることが好ましい。
【0019】
この場合、例えば電池温調用熱交換器にて加熱用媒体から車載電池に必要な熱を放熱して車載電池を暖機しつつ、ラジエータにてシステム全体で余分な熱を放熱することができる。
【0020】
制御装置は、電池温調用熱交換器及びラジエータに冷却用媒体を流通させる場合、ラジエータを経て電池温調用熱交換器に冷却用媒体を流通させることが好ましい。
【0021】
この場合、例えば、冷媒回路の冷媒を外気により加熱しようとするとき、仮に冷却用媒体をラジエータより先に電池温調用熱交換器に流通させると、車載電池で冷却用媒体が加熱されて冷却用媒体が外気よりも高温になってしまう場合があり、この場合ラジエータにて冷却用媒体が外気から吸熱することができない。この点、ラジエータを経て電池温調用熱交換器に冷却用媒体を流通させることで、ラジエータにて外気よりも低温の冷却用媒体が外気から吸熱することができ、その冷却用媒体で車載電池を冷却しつつ、冷媒回路の冷媒を加熱して車室内の暖房要求にも応えることができる。
【0022】
制御装置は、電池温調用熱交換器に対して、加熱用媒体及び冷却用媒体を同じ方向に流通させることが好ましい。
【0023】
電池温調用熱交換器は、内部を流れる流体の流れ方向について圧力損失や分岐損失などが小さくなるように設計されている。このため、電池温調用熱交換器の設計に準じて、加熱用媒体及び冷却用媒体を同じ方向に流通させることで、加熱用媒体及び冷却用媒体の双方を良好に流通させることができる。
【0024】
制御装置は、ラジエータに対して、加熱用媒体及び冷却用媒体を同じ方向に流通させることが好ましい。
【0025】
ラジエータは、内部を流れる流体の流れ方向について圧力損失や分岐損失などが小さくなるように設計されている。このため、ラジエータの設計に準じて、加熱用媒体及び冷却用媒体を同じ方向に流通させることで、加熱用媒体及び冷却用媒体の双方を良好に流通させることができる。
【0026】
加熱用媒体回路は、加熱用媒体で冷却対象機器から吸熱を行う吸熱器を有することが好ましい。そして、吸熱器は、加熱用コンデンサと並列に設けられていることが好ましい。
【0027】
この場合、加熱用コンデンサ及び吸熱器の双方に加熱用媒体を流通させることで、加熱用コンデンサにて加熱用媒体が冷媒から吸熱すると同時に、吸熱器にて加熱用媒体が冷却対象機器から吸熱することができる。このため、冷却対象機器の排熱を利用した室内暖房や電池暖機が可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の車両用熱マネジメントシステムによれば、回路構成の簡素化と低廉化とを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムの全体構成を模式的に示すシステム構成図である。
【
図2】
図2は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内冷房モードを説明するシステム構成図である。
【
図3】
図3は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内暖房モードを説明するシステム構成図である。
【
図4】
図4は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、電池冷却モードを説明するシステム構成図である。
【
図5】
図5は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、電池暖機モードを説明するシステム構成図である。
【
図6】
図6は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内冷房電池冷却モードを説明するシステム構成図である。
【
図7】
図7は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内暖房電池暖機モードを説明するシステム構成図である。
【
図8】
図8は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内暖房電池暖機(極低温)モードを説明するシステム構成図である。
【
図9】
図9は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内冷房電池暖機(冷房要求大)モードを説明するシステム構成図である。
【
図10】
図10は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内冷房電池暖機(暖機要求大)モードを説明するシステム構成図である。
【
図11】
図11は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内暖房電池冷却(冷却要求大)モードを説明するシステム構成図である。
【
図12】
図12は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、車室内暖房電池冷却(暖房要求大)モードを説明するシステム構成図である。
【
図13】
図13は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムに係り、冷却対象機器のウォームアップモードを説明するシステム構成図である。
【
図14】
図14は、実施例2の車両用熱マネジメントシステムの全体構成を模式的に示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。実施例1、2の車両用熱マネジメントシステムは、バッテリー式の電気自動車に搭載される。実施例1、2の車両用熱マネジメントシステムは、車室内の空調を行うとともに、車載電池及び冷却対象機器の温度調整を行う。
【0031】
車載電池は、走行用モータに電力を供給するための蓄電装置を構成する。車載電池は複数の電池セルを有し、各電池セルはリチウムイオン二次電池等の二次電池よりなる。冷却対象機器は、例えば、走行用モータとしてのモータジェネレータや、モータ制御用のインバータ及び昇圧用のDC-DCコンバータを含むパワーコントロールユニット(PCU)、充電器等の電気部品やその他の車載発熱体のことである。
【0032】
(実施例1)
図1~
図13に示す実施例1の車両用熱マネジメントシステムは、
図1にシステム構成図を模式的に示すように、冷媒回路1と、加熱用媒体回路2と、冷却用媒体回路3と、エバポレータ4と、水冷コンデンサ5と、チラー6と、電池熱交換器7と、ラジエータ8と、制御装置9とを備えている。エバポレータ4は、本発明における「内気冷却器」の一例である。水冷コンデンサ5は、本発明における「加熱用コンデンサ」の一例である。チラー6は、本発明における「冷却用チラー」の一例である。電池熱交換器7は、本発明における「電池温調用熱交換器」の一例である。
【0033】
ここに、
図1~
図13において、冷媒回路1及び加熱媒体用回路2の各構成部品を接続する流路(配管)を実線で示し、冷却用媒体回路3の各構成部品を接続する流路(配管)を一点鎖線で示す。運転モードを説明する
図2~
図13においては、冷媒回路1で冷媒が流れていない流路(配管)を破線で示し、加熱用媒体回路2で加熱用媒体が流れていない流路(配管)を破線で示し、冷却用媒体回路3で冷却用媒体が流れていない流路(配管)を破線で示し、また、熱の流れを太い二点鎖線の矢印で示す。なお、
図2~
図13においては、制御装置9の図示を省略する。
【0034】
水冷コンデンサ5は、冷媒回路1及び加熱用媒体回路2の双方に組み込まれて、冷媒回路1と加熱用媒体回路2とを連結している。チラー6は、冷媒回路1及び冷却用媒体回路3の双方に組み込まれて、冷媒回路1と冷却用媒体回路3とを連結している。
【0035】
冷媒回路1は、回路内を循環する冷媒Rと車室内へ送られる室内空気である内気との熱交換により、車室内の空調を行う。また、冷媒回路1は、回路内を循環する冷媒Rと加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hとの熱交換により、冷媒Rで加熱用媒体Hに放熱を行い、加熱用媒体Hを加熱したり、回路内を循環する冷媒Rと冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lとの熱交換により、冷媒Rで冷却用媒体Lから吸熱を行い、冷却用媒体Lを冷却したりする。加熱用媒体H及び冷却用媒体Lは、エチレングリコールやプロピレングリコールを主成分とするLLC(ロングライフクーラント)である。
【0036】
冷媒回路1は、圧縮機10と、水冷コンデンサ5と、第1膨張弁11と、第2膨張弁12と、エバポレータ4と、チラー6と、蒸発圧力調整弁(EPR)13とを有している。また、冷媒回路1は、各構成部品を接続する流路として、第1環状流路14と、第1流路15とを有している。第1環状流路14においては、圧縮機10、水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6がこの順で接続、配置されている。第1流路15においては、第1膨張弁11、エバポレータ4、蒸発圧力調整弁13がこの順で接続、配置されている。第1流路15は、第1環状流路14における水冷コンデンサ5と第2膨張弁12との間の接続部14aと、第1環状流路14におけるチラー6と圧縮機10との間の接続部14bとに接続されている。これにより、第1膨張弁11と第2膨張弁12は、水冷コンデンサ5に対して、互いに並列に配置されている。第1膨張弁11及び第2膨張弁12は、本発明における「膨張弁」の一例である。
【0037】
圧縮機10は、制御装置9により制御され、冷媒Rを圧縮して第1循環流路14及び第1流路15に冷媒Rを循環させる。冷媒回路1における冷媒Rの循環方向は
図1の反時計回り方向である。すなわち、圧縮機10で圧縮された冷媒Rは水冷コンデンサ5に向かう。
【0038】
第1膨張弁11及び第2膨張弁12はいずれも、弁開度が0%~100%の範囲で調整可能な電子式の膨張弁である。第1膨張弁11及び第2膨張弁12の弁開度は制御装置9により制御される。
【0039】
エバポレータ4は、図示しない送風ファンによって車室内に送られる内気と冷媒Rとを熱交換させる。すなわち、エバポレータ4にて、冷媒Rで内気から吸熱を行う。冷媒Rとの熱交換によって冷却された内気は、図示しない送風ファンによって車室内に送られて車室内の冷房に供される。第1膨張弁11の弁開度が0%のときは、エバポレータ4の機能は停止する。
【0040】
蒸発圧力調整弁13は、エバポレータ4内の冷媒の蒸発圧力が設定値よりも下がるのを防止する。
【0041】
チラー6は、冷却用媒体回路3を循環する冷却用媒体Lと冷媒Rとを熱交換させる。すなわち、チラー6にて、冷媒Rで冷却用媒体Lから吸熱を行う。冷媒Rとの熱交換によって冷却された冷却用媒体Lは、冷却用媒体回路3内に配置された電池熱交換器7にて車載電池を冷却する。第2膨張弁12の弁開度が0%のときは、チラー6の機能は停止する。
【0042】
加熱用媒体回路2は、加熱用媒体ポンプ16と、水冷コンデンサ5と、ヒータコア17と、電池熱交換器7と、ラジエータ8と、吸熱器18とを有している。また、加熱用媒体回路2は、各構成部品を接続する流路として、第2環状流路19と、第2流路20と、第3流路21と、第4流路22と、第5流路23と、第6流路24と、第7流路25と、第8流路26とを有している。ヒータコア17は、本発明における「内気加熱器」の一例である。
【0043】
第2流路20と第3流路21との接続部には第1三方弁27が配置され、第3流路21と第4流路22との接続部には第2三方弁28が配置されている。また、第2環状流路19と第2流路20との接続部19aと、第2環状流路19と第4流路22との接続部19bとの間における第2環状流路19には、第1開閉弁29が配置されている。第3流路21には、電池熱交換器7と、第2開閉弁30とがこの順で配置されている。なお、第3流路21における電池熱交換器7と第2開閉弁30との配置順はこの逆であってもよい。
【0044】
第5流路23と第6流路24との接続部には第3三方弁31が配置され、第6流路24と第7流路25との接続部には第4三方弁32が配置されている。また、第2環状流路19と第5流路23との接続部19cと、第2環状流路19と第7流路25との接続部19dとの間における第2環状流路19には、第3開閉弁33が配置されている。第6流路24には、第4開閉弁34と、ラジエータ8とがこの順で配置されている。なお、第6流路24における第4開閉弁34とラジエータ8との配置順はこの逆であってもよい。
【0045】
第8流路26は、第2環状流路19における加熱用媒体ポンプ16と水冷コンデンサ5との間の接続部と、第2環状流路19における水冷コンデンサ5とヒータコア17との間の接続部とに接続されている。第8流路26には、吸熱器18が配置されている。これにより、水冷コンデンサ5と吸熱器18とが並列に設けられている。第2環状流路19における加熱用媒体ポンプ16と水冷コンデンサ5との間の接続部には、三方流量調整弁35が配置されている。
【0046】
三方流量調整弁35は、制御装置9により制御され、加熱用媒体回路2を循環する加熱用媒体Hを、水冷コンデンサ5又は吸熱器18の一方に選択的に流通させたり、水冷コンデンサ5及び吸熱器18の双方に流量を調整しつつ流通させたりする。
【0047】
加熱用媒体ポンプ16は、制御装置9により制御され、第2環状流路19及び第2~第8流路20~26に加熱用媒体Hを循環させる。加熱用媒体回路2における加熱用媒体Hの循環方向は
図1の時計回り方向である。
【0048】
水冷コンデンサ5は、冷媒回路1を循環する冷媒Rと、加熱用媒体回路2を循環する加熱用媒体Hとを熱交換させる。
【0049】
ヒータコア17は、ヒータコア17の近傍に設けられヒータコア17に内気を送風する図示しない送風ファンによって車室内に送られる内気と加熱用媒体Hとを熱交換させる。すなわち、ヒータコア17にて、加熱用媒体Hで内気に放熱を行う。加熱用媒体Hとの熱交換によって加熱された内気は、図示しない送風ファンによって車室内に送られて車室内の暖房に供される。図示しない送風ファンを停止したり、ヒータコア17の近傍に設けられヒータコア17への送風を調整するダンパ17Aの作動によりヒータコア17への送風を停止したりすることで、ヒータコア17の機能は停止する。
【0050】
電池熱交換器7は、加熱用媒体回路2を循環する加熱用媒体Hと車載電池とを熱交換させる。第3流路21は車載電池に隣接された温調用流路に接続されている。電池熱交換器7内において、この温調用流路を流通する加熱用媒体Hと車載電池とが熱交換することで、加熱用媒体Hから車載電池への放熱が行われ、車載電池が暖機される。また、電池熱交換器7は冷却用媒体回路3を循環する冷却用媒体Lと車載電池とを熱交換させる。電池熱交換器7内において、温調用流路を流通する冷却用媒体Lと車載電池とが熱交換することで、冷却用媒体Lによる車載電池からの吸熱が行われ、車載電池が冷却される。
【0051】
ラジエータ8は、加熱用媒体回路2を循環する加熱用媒体Hと外気とを熱交換させる。ラジエータ8における加熱用媒体Hと外気との熱交換により、加熱用媒体Hで外気への放熱を行う。また、ラジエータ8は、冷却用媒体回路3を循環する冷却用媒体Lと外気とを熱交換させる。ラジエータ8における冷却用媒体Lと外気との熱交換により、冷却用媒体Lで外気からの吸熱を行う。ラジエータ8の近傍には、ラジエータ8に外気を送風する図示しない冷却ファンと、ラジエータ8への送風を調整するダンパ8Aとが設けられている。図示しない冷却ファンを停止したり、ダンパ8Aの作動によりラジエータ8への送風を停止したりすることで、ラジエータ8の機能は停止する。
【0052】
吸熱器18は、加熱用媒体回路2を循環する加熱用媒体Hと冷却対象機器とを熱交換させる。第8流路26は冷却対象機器に隣接された温調用流路に接続されている。吸熱器18内において、この温調用流路を流通する加熱用媒体Hと冷却対象機器とが熱交換することで、加熱用媒体Hによる冷却対象機器からの吸熱が行われ、冷却対象機器が冷却される。
【0053】
冷却用媒体回路3は、冷却用媒体ポンプ36と、ラジエータ8と、電池熱交換器7と、チラー6とを有している。また、冷却用媒体回路3は、各構成部品を接続する流路として、第3環状流路37と、第2流路20と、第3流路21と、第4流路22と、第5流路23と、第6流路24と、第7流路25とを有している。
【0054】
第3環状流路37と第5流路23との接続部37aと、第3環状流路37と第7流路25との接続部37bとの間における第3環状流路37には、第5開閉弁38が配置されている。また、第3環状流路37と第2流路20との接続部37cと、第3環状流路37と第4流路22との接続部37dとの間における第3環状流路37には、第6開閉弁39が配置されている。
【0055】
冷却用媒体ポンプ36は、制御装置9により制御され、第3環状流路37及び第2~第7流路20~25に冷却用媒体Lを循環させる。冷却用媒体回路3における冷却用媒体Lの循環方向は
図1の反時計回り方向である。
【0056】
第1三方弁27、第2三方弁28、第3三方弁31、第4三方弁32、三方流量調整弁35、第1開閉弁29、第2開閉弁30、第3開閉弁33、第4開閉弁34、第5開閉弁38、第6開閉弁39は、制御装置9により制御される。第1三方弁27、第2三方弁28、第3三方弁31、第4三方弁32、第1開閉弁29、第2開閉弁30、第3開閉弁33、第4開閉弁34、第5開閉弁38及び第6開閉弁39のことを、以下の説明において弁群と称する。
【0057】
制御装置9は、電子制御装置よりなり、冷媒回路1、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3の作動を制御する。詳しくは、制御装置9は、冷媒回路1において、圧縮機10、第1膨張弁11及び第2膨張弁12の作動を制御する。制御装置9は、加熱用媒体回路2において、加熱用媒体ポンプ16、ヒータコア17、 第1三方弁27、第2三方弁28、第3三方弁31、第4三方弁32、三方流量調整弁35、第1開閉弁29、第2開閉弁30、第3開閉弁33、第4開閉弁34及びラジエータ8の作動を制御する。制御装置9は、冷却用媒体回路3において、冷却用媒体ポンプ36、第1三方弁27、第2三方弁28、第3三方弁31、第4三方弁32、第2開閉弁30、第4開閉弁34、第5開閉弁38、第6開閉弁39及びラジエータ8の作動を制御する。
【0058】
ヒータコア17及びラジエータ8は、制御装置9により、以下のように切替制御される。
【0059】
すなわち、加熱用媒体回路2におけるヒータコア17は、図示しない送風ファンが作動するとともにダンパ17Aが開放されることで、ヒータコア17に内気が送風される作動状態と、図示しない送風ファンが停止するか、あるいはダンパ17Aが閉鎖されることで、ヒータコア17に内気が送風されない停止状態とに切替制御される。ヒータコア17の作動状態では、加熱用媒体Hと内気とが熱交換され、加熱用媒体Hが内気に放熱する。
【0060】
加熱用媒体回路2におけるラジエータ8は、図示しない冷却ファンが作動するとともにダンパ8Aが開放されることで、ラジエータ8に外気が送風される作動状態と、図示しない冷却ファンが停止するか、あるいはダンパ8Aが閉鎖されることで、ラジエータ8に外気が送風されない停止状態とに切替制御される。加熱用媒体回路2におけるラジエータ8の作動状態では、加熱用媒体Hと外気とが熱交換され、加熱用媒体Hが外気に放熱する。
【0061】
冷却用媒体回路3におけるラジエータ8は、図示しない冷却ファンが作動するとともにダンパ8Aが開放されることで、ラジエータ8に外気が送風される作動状態と、図示しない冷却ファンが停止するか、あるいはダンパ8Aが閉鎖されることで、ラジエータ8に外気が送風されない停止状態とに切替制御される。冷却用媒体回路3におけるラジエータ8の作動状態では、冷却用媒体Lと外気とが熱交換され、冷却用媒体Lが外気から吸熱する。
【0062】
加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は、制御装置9の制御により、以下の第1~第7接続状態とされる。
【0063】
図2に示すように第1接続状態では、第1開閉弁29及び第4開閉弁34が開状態とされ、第2開閉弁30、第3開閉弁33、第5開閉弁38及び第6開閉弁39が閉状態とされる。また、第3三方弁31及び第4三方弁32は、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lではなく、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hがラジエータ8を流れる状態とされる。これにより、加熱用媒体回路2においては、加熱用媒体Hが電池熱交換器7を流れず、ラジエータ8を流れる。なお、このとき、冷却用媒体回路3においては、冷却用媒体Lが電池熱交換器7及びラジエータ8の双方を流れず、第5開閉弁38及び第6開閉弁39の開閉はどちらでもよい。
【0064】
図3に示すように第2接続状態では、第1開閉弁29、第3開閉弁33、第4開閉弁34及び第6開閉弁39が開状態とされ、第2開閉弁30及び第5開閉弁38が閉状態とされる。また、第1三方弁27及び第2三方弁28は、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lではなく、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hが電池熱交換器7を流れる状態とされる。また、第3三方弁31及び第4三方弁32は、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hではなく、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lがラジエータ8を流れる状態とされる。これにより、加熱用媒体回路2においては、加熱用媒体Hが電池熱交換器7及びラジエータ8の双方を流れない。一方、冷却用媒体回路3においては、冷却用媒体Lがラジエータ8を流れるが、電池熱交換器7を流れない。なお、第2接続状態では、第1三方弁27及び第2三方弁28は、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hではなく、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lが電池熱交換器7を流れる状態とされてもよい。
【0065】
図4、6、11に示すように第3接続状態では、第1開閉弁29、第2開閉弁30、第4開閉弁34及び第5開閉弁38が開状態とされ、第3開閉弁33及び第6開閉弁39が閉状態とされる。また、第1三方弁27及び第2三方弁28は、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hではなく、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lが電池熱交換器7を流れる状態とされる。また、第3三方弁31及び第4三方弁32は、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lではなく、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hがラジエータ8を流れる状態とされる。これにより、加熱用媒体回路2においては、加熱用媒体Hが電池熱交換器7を流れず、ラジエータ8を流れる。一方、冷却用媒体回路3においては、冷却用媒体Lがラジエータ8を流れず、電池熱交換器7を流れる。
【0066】
図5、7、8、10に示すように第4接続状態では、第2開閉弁30、第3開閉弁33、第4開閉弁34及び第6開閉弁39が開状態とされ、第1開閉弁29及び第5開閉弁38が閉状態とされる。また、第1三方弁27及び第2三方弁28は、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lではなく、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hが電池熱交換器7を流れる状態とされる。また、第3三方弁31及び第4三方弁32は、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hではなく、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lがラジエータ8を流れる状態とされる。これにより、加熱用媒体回路2においては、加熱用媒体Hが電池熱交換器7を流れるが、ラジエータ8を流れない。一方、冷却用媒体回路3においては、冷却用媒体Lがラジエータ8を流れ、電池熱交換器7を流れない。
【0067】
図9に示すように第5接続状態では、第2開閉弁30及び第4開閉弁34が開状態とされ、第1開閉弁29、第3開閉弁33、第5開閉弁38及び第6開閉弁39が閉状態とされる。また、第1三方弁27及び第2三方弁28は、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lではなく、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hが電池熱交換器7を流れる状態とされる。また、第3三方弁31及び第4三方弁32は、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lではなく、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hがラジエータ8を流れる状態とされる。これにより、加熱用媒体回路2においては、加熱用媒体Hが電池熱交換器7を流れ、その後ラジエータ8を流れる。なお、このとき、冷却用媒体回路3においては、冷却用媒体Lが電池熱交換器7及びラジエータ8の双方を流れず、第5開閉弁38及び第6開閉弁39の開閉はどちらでもよい。
【0068】
図12に示すように第6接続状態では、第1開閉弁29、第2開閉弁30、第3開閉弁33及び第4開閉弁34が開状態とされ、第5開閉弁38及び第6開閉弁39が閉状態とされる。また、第1三方弁27及び第2三方弁28は、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hではなく、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lが電池熱交換器7を流れる状態とされる。また、第3三方弁31及び第4三方弁32は、加熱用媒体回路2の加熱用媒体Hではなく、冷却用媒体回路3の冷却用媒体Lがラジエータ8を流れる状態とされる。これにより、加熱用媒体回路2においては、加熱用媒体Hが電池熱交換器7及びラジエータ8の双方を流れない。一方、冷却用媒体回路3においては、冷却用媒体Lがラジエータ8を流れた後、電池熱交換器7を流れる。
【0069】
図13に示すように第7接続状態では、第1開閉弁29及び第3開閉弁33が開状態とされ、第2開閉弁30、第4開閉弁34、第5開閉弁38及び第6開閉弁39が閉状態とされる。これにより、加熱用媒体回路2においては、加熱用媒体Hが電池熱交換器7及びラジエータ8の双方を流れない。なお、このとき、冷却用媒体回路3においては、冷却用媒体Lが電池熱交換器7及びラジエータ8の双方を流れず、第5開閉弁38及び第6開閉弁39の開閉はどちらでもよい。
【0070】
こうして、制御装置9は、電池熱交換器7及びラジエータ8に対する加熱用媒体H及び冷却用媒体Lの流通を制御する。すなわち、制御装置9は、電池熱交換器7及びラジエータ8に対して、加熱用媒体H又は冷却用媒体Lの一方を選択的に流通させたり、どちらも流通させないようにしたりする。
【0071】
上記構成を有する実施例1の車両用熱マネジメントシステムは、制御装置9の制御により、例えば、以下に説明するように、車室内冷房モード、車室内暖房モード、電池冷却モード、電池暖機モード、車室内冷房電池冷却モード、車室内暖房電池暖機モード、車室内暖房電池暖機(極低温)モード、車室内冷房電池暖機(冷房要求大)モード、車室内冷房電池暖機(暖機要求大)モード、車室内暖房電池冷却(冷却要求大)モード、車室内暖房電池冷却(暖房要求大)モード、冷却対象機器ウォームアップモードの各運転モードで作動する。
【0072】
(車室内冷房モード)
図2に示すように、車室内冷房モードでは、圧縮機10、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が作動状態とされ、第2膨張弁12が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16及びラジエータ8が作動状態とされ、ヒータコア17及び冷却用媒体ポンプ36が停止状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第1接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0073】
これにより、冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮されて吐出された冷媒Rは、水冷コンデンサ5、第1膨張弁11、エバポレータ4、蒸発圧力調整弁13をこの順で流通する。圧縮機10から吐出された冷媒Rは、水冷コンデンサ5を経由して第1膨張弁11にて膨張された後、エバポレータ4に導入される。そして、エバポレータ4にて冷媒Rと内気との熱交換により、内気が冷媒Rに放熱する。その結果、内気が冷却される。冷媒Rによって冷却された内気は車室内の冷房に供される。エバポレータ4から流出した冷媒Rは圧縮機10で圧縮された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0074】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、停止状態のヒータコア17、作動状態のラジエータ8をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの間で熱交換が行われ、冷媒Rが加熱用媒体Hに放熱する。冷媒Rにより加熱された加熱用媒体Hは、ラジエータ8にて外気に放熱する。
【0075】
こうして、冷媒回路1の冷却能力に応じて車室内を冷房することができる。
【0076】
(車室内暖房モード)
図3に示すように、車室内暖房モードでは、圧縮機10、第2膨張弁12が作動状態とされ、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36、ヒータコア17及びラジエータ8が作動状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第2接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0077】
これにより、冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、作動状態のラジエータ8、チラー6をこの順で流通する。ラジエータ8では、冷却用媒体Lと外気との熱交換により、冷却用媒体Lが外気から吸熱する。外気によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。
【0078】
冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷却用媒体Lが冷媒Rに放熱する。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮されてさらに加熱された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0079】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、作動状態のヒータコア17をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、加熱用媒体Hが冷媒Rから吸熱する。その結果、加熱用媒体Hが加熱される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、ヒータコア17に導入される。ヒータコア17では、加熱用媒体Hと内気との熱交換により、内気が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、内気が加熱されて、車室内の暖房に供される。
【0080】
こうして、空気熱を利用しつつ、冷媒回路1の暖房能力に応じて車室内を暖房することができる。
【0081】
(電池冷却モード)
図4に示すように、電池冷却モードでは、圧縮機10及び第2膨張弁12が作動状態とされ、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36及びラジエータ8が作動状態とされ、ヒータコア17が停止状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第3接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0082】
これにより、冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、電池熱交換器7、チラー6をこの順で流通する。電池熱交換器7では、冷却用媒体Lと車載電池との熱交換により、車載電池が冷却用媒体Lに放熱する。その結果、車載電池が冷却される。車載電池によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。
【0083】
冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷却用媒体Lが冷媒Rに放熱する。その結果、冷却用媒体Lが冷却される。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0084】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、停止状態のヒータコア17、作動状態のラジエータ8をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、冷媒Rが加熱用媒体Hに放熱する。その結果、冷媒Rが冷却される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、作動状態のラジエータ8に導入される。ラジエータ8では、加熱用媒体Hと外気との熱交換により、加熱用媒体Hが外気に放熱する。その結果、加熱用媒体Hが冷却される。
【0085】
こうして、冷媒回路1の冷却能力に応じて車載電池を冷却することができる。
【0086】
(電池暖機モード)
図5に示すように、電池暖機モードでは、圧縮機10及び第2膨張弁12が作動状態とされ、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36及びラジエータ8が作動状態とされ、ヒータコア17が停止状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第4接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0087】
これにより、冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、作動状態のラジエータ8、チラー6をこの順で流通する。ラジエータ8では、冷却用媒体Lと外気との熱交換により、冷却用媒体Lが外気から吸熱する。その結果、冷却用媒体Lが加熱される。外気によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。
【0088】
冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷媒Rが冷却用媒体Lから吸熱する。その結果、冷媒Rが加熱される。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮されてさらに加熱された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0089】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、停止状態のヒータコア17、電池熱交換器7をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、加熱用媒体Hが冷媒Rから吸熱する。その結果、加熱用媒体Hが加熱される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、電池熱交換器7に導入される。電池熱交換器7では、加熱用媒体Hと車載電池との熱交換により、車載電池が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、車載電池が加熱される。
【0090】
こうして、空気熱を利用しつつ、冷媒回路1の暖機能力に応じて車載電池を暖機することができる。
【0091】
(車室内冷房電池冷却モード)
図6に示すように、車室内冷房電池冷却モードでは、圧縮機10、第1膨張弁11、第2膨張弁12及び蒸発圧力調整弁13が作動状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36及びラジエータ8が作動状態とされ、ヒータコア17が停止状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第3接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0092】
これにより、冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、電池熱交換器7、チラー6をこの順で流通する。電池熱交換器7では、冷却用媒体Lと車載電池との熱交換により、車載電池が冷却用媒体Lに放熱する。その結果、車載電池が冷却される。車載電池によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。
【0093】
冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第1膨張弁11、エバポレータ4、蒸発圧力調整弁13をこの順で流通すると同時に、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷却用媒体Lが冷媒Rに放熱する。その結果、冷却用媒体Lが冷却される。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮された後、水冷コンデンサ5に導入される。また、エバポレータ4では、第1膨張弁11で膨張された冷媒Rと内気との熱交換により、内気が冷媒Rに放熱する。その結果、内気Rが冷却される。冷媒Rによって冷却された内気は車室内の冷房に供される。エバポレータ4から流出した冷媒Rは圧縮機10に圧縮された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0094】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、停止状態のヒータコア17、作動状態のラジエータ8をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、冷媒Rが加熱用媒体Hに放熱する。その結果、冷媒Rが冷却される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、作動状態のラジエータ8に導入される。ラジエータ8では、加熱用媒体Hと外気との熱交換により、加熱用媒体Hが外気に放熱する。その結果、加熱用媒体Hが冷却される。
【0095】
こうして、冷媒回路1の冷房能力に応じて車室内を冷房することができるとともに、冷媒回路1の冷却能力に応じて車載電池を冷却することができる。
【0096】
ここに、吸熱器18の冷却対象機器が高温なため、冷却対象機器を冷却する必要がある場合は、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18及び水冷コンデンサ5の双方に流れる状態とされる。これにより、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが吸熱器18にも流れるため、ラジエータ8にて外気に放熱して冷却された加熱用媒体Hによって、冷却対象機器を冷却することができる。
【0097】
(車室内暖房電池暖機モード)
図7に示すように、車室内暖房電池暖機モードでは、圧縮機10、第2膨張弁12が作動状態とされ、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36、ヒータコア17及びラジエータ8が作動状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第4接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0098】
これにより、冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、作動状態のラジエータ8、チラー6をこの順で流通する。ラジエータ8では、冷却用媒体Lと外気との熱交換により、冷却用媒体Lが外気から吸熱する。外気によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。
【0099】
冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷却用媒体Lが冷媒Rに放熱する。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮されてさらに加熱された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0100】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、作動状態のヒータコア17、電池熱交換器7をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、加熱用媒体Hが冷媒Rから吸熱する。その結果、加熱用媒体Hが加熱される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、ヒータコア17に導入される。ヒータコア17では、加熱用媒体Hと内気との熱交換により、内気が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、内気が加熱されて、車室内の暖房に供される。また、ヒータコア17を通過した加熱用媒体Hは電池熱交換器7に導入される。電池熱交換器7では、加熱用媒体Hと車載電池との熱交換により、車載電池が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、車載電池が加熱される。
【0101】
こうして、空気熱を利用しつつ、冷媒回路1の暖房能力に応じて車室内を暖房することができるとともに、冷媒回路1の暖機能力に応じて車載電池を暖機することができる。
【0102】
(車室内暖房電池暖機(極低温)モード)
図8に示すように、車室内暖房電池暖機(極低温)モードでは、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが水冷コンデンサ5側を流れるとともに吸熱器18が配置された第8流路26を流れる状態とされる。
【0103】
これにより、加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが水冷コンデンサ5、作動状態のヒータコア17をこの順で流通するとともに、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが吸熱器18、作動状態のヒータコア17をこの順で流通する。吸熱器18では、加熱用媒体Hと冷却対象機器との熱交換により、加熱用媒体Hが冷却対象機器から吸熱する。その結果、加熱用媒体Hが加熱される。
【0104】
その他の構成及び作用は、
図7に示す車室内暖房電池暖機モードと同様である。
【0105】
こうして、空気熱及び冷却対象機器から吸熱した熱を利用しつつ、冷媒回路1の暖房能力に応じて車室内を暖房することができるとともに、冷媒回路1の暖機能力に応じて車載電池を暖機することができる。
【0106】
(車室内冷房電池暖機(冷房要求大)モード)
図9に示すように、車室内冷房電池暖機(冷房要求大)モードでは、圧縮機10、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が作動状態とされ、第2膨張弁12が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16及びラジエータ8が作動状態とされ、ヒータコア17及び冷却用媒体ポンプ36が停止状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第5接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0107】
これにより、冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮されて吐出された冷媒Rは、水冷コンデンサ5、第1膨張弁11、エバポレータ4、蒸発圧力調整弁13をこの順で流通する。圧縮機10から吐出された冷媒Rは、水冷コンデンサ5を経由して第1膨張弁11にて膨張された後、エバポレータ4に導入される。そして、エバポレータ4にて冷媒Rと内気との熱交換により、内気が冷媒Rに放熱する。その結果、内気が冷却される。冷媒Rによって冷却された内気は車室内の冷房に供される。エバポレータ4から流出した冷媒Rは圧縮機10で圧縮された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0108】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、停止状態のヒータコア17、電池熱交換器7、作動状態のラジエータ8をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、加熱用媒体Hが冷媒Rから吸熱する。その結果、加熱用媒体Hが加熱される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、電池熱交換器7に導入される。電池熱交換器7では、加熱用媒体Hと車載電池との熱交換により、車載電池が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、車載電池が加熱される。電熱交換器池7を通過後の加熱用媒体Hは作動状態のラジエータ8に導入される。ラジエータ8では、加熱用媒体Hと外気との熱交換により、加熱用媒体Hが外気に放熱する。これにより、加熱用媒体Hが冷却され、大きな冷房要求に応えることができる。
【0109】
こうして、加熱用媒体Hから外気に放熱することで、大きな冷房要求に応えつつ冷媒回路1の冷房能力に応じて車室内を冷房することができるとともに、冷媒回路1の暖機能力に応じて車載電池を暖機することができる。
【0110】
(車室内冷房電池暖機(暖機要求大)モード)
図10に示すように、車室内冷房電池暖機(暖機要求大)モードでは、圧縮機10、第1膨張弁11、第2膨張弁12及び蒸発圧力調整弁13が作動状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36及びラジエータ8が作動状態とされ、ヒータコア17が停止状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第4接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0111】
これにより、冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第1膨張弁11、エバポレータ4、蒸発圧力調整弁13をこの順で流通すると同時に、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。エバポレータ4では、第1膨張弁11で膨張された冷媒Rと内気との熱交換により、内気が冷媒Rに放熱する。その結果、内気Rが冷却される。冷媒Rによって冷却された内気は車室内の冷房に供される。エバポレータ4から流出した冷媒Rは圧縮機10に圧縮された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0112】
冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、作動状態のラジエータ8、チラー6をこの順で流通する。ラジエータ8では、冷却用媒体Lと外気との熱交換により、冷却用媒体Lが外気から吸熱する。その結果、冷却用媒体Lが加熱される。外気によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷媒Rが冷却用媒体Lから吸熱する。その結果、冷媒Rが加熱される。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮されてさらに加熱された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0113】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、停止状態のヒータコア17、電池熱交換器7をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、加熱用媒体Hが冷媒Rから吸熱する。その結果、加熱用媒体Hが加熱される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、電池熱交換器7に導入される。電池熱交換器7では、加熱用媒体Hと車載電池との熱交換により、車載電池が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、車載電池が加熱される。
【0114】
こうして、冷媒回路1の冷房能力に応じて車室内を冷房することができるとともに、空気熱を利用することで、大きな暖機要求に応えつつ冷媒回路1の暖機能力に応じて車載電池を暖機することができる。
【0115】
(車室内暖房電池冷却(冷却要求大)モード)
図11に示すように、車室内暖房電池冷却(冷却要求大)モードでは、圧縮機10及び第2膨張弁12が作動状態とされ、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36、ヒータコア17及びラジエータ8が作動状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第3接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0116】
これにより、冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、電池熱交換器7、チラー6をこの順で流通する。電池熱交換器7では、冷却用媒体Lと車載電池との熱交換により、車載電池が冷却用媒体Lに放熱する。その結果、車載電池が冷却される。車載電池によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。
【0117】
冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷却用媒体Lが冷媒Rに放熱する。その結果、冷却用媒体Lが冷却される。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0118】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、作動状態のヒータコア17、作動状態のラジエータ8をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、冷媒Rが加熱用媒体Hに放熱する。その結果、冷媒Rが冷却される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、作動状態のヒータコア17に導入される。ヒータコア17では、加熱用媒体Hと内気との熱交換により、内気が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、内気が加熱されて、車室内の暖房に供される。また、ヒータコア17を通過した加熱用媒体Hは作動状態のラジエータ8に導入される。ラジエータ8では、加熱用媒体Hと外気との熱交換により、加熱用媒体Hが外気に放熱する。これにより、加熱用媒体Hが冷却され、大きな冷却要求に応えることができる。
【0119】
こうして、冷媒回路1の暖房能力に応じて車室内を暖房することができるとともに、加熱用媒体Hから外気に放熱することで、大きな冷却要求に応えつつ冷媒回路1の冷却能力に応じて車載電池を冷却することができる。
【0120】
(車室内暖房電池冷却(暖房要求大)モード)
図12に示すように、車室内暖房電池冷却(暖房要求大)モードでは、圧縮機10及び第2膨張弁12が作動状態とされ、第1膨張弁11及び蒸発圧力調整弁13が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16、冷却用媒体ポンプ36、ヒータコア17及びラジエータ8が作動状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第6接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが吸熱器18が配置された第8流路26ではなく水冷コンデンサ5側を流れる状態とされる。
【0121】
これにより、冷却用媒体回路3では、冷却用媒体ポンプ36で圧送された冷却用媒体Lが、作動状態のラジエータ8、電池熱交換器7、チラー6をこの順で流通する。ラジエータ8では、冷却用媒体Lと外気との熱交換により、冷却用媒体Lが外気から吸熱する。その結果、冷却用媒体Lが加熱される。外気によって加熱された冷却用媒体Lは、電池熱交換器7に導入される。電池熱交換器7では、冷却用媒体Lと車載電池との熱交換により、車載電池が冷却用媒体Lに放熱する。その結果、車載電池が冷却される。車載電池によって加熱された冷却用媒体Lはチラー6に導入される。
【0122】
冷媒回路1では、圧縮機10で圧縮された冷媒Rが水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6をこの順で流通する。チラー6では、冷却用媒体Lと冷媒Rとの熱交換により、冷媒Rが冷却用媒体Lから吸熱する。その結果、冷媒Rが加熱される。冷却用媒体Lによって加熱された冷媒Rは、圧縮機10で圧縮されてさらに加熱された後、水冷コンデンサ5に導入される。
【0123】
加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、水冷コンデンサ5、作動状態のヒータコア17をこの順で流通する。水冷コンデンサ5では、冷媒Rと加熱用媒体Hとの熱交換により、加熱用媒体Hが冷媒Rから吸熱する。その結果、加熱用媒体Hが加熱される。冷媒Rによって加熱された加熱用媒体Hは、作動状態のヒータコア17に導入される。ヒータコア17では、加熱用媒体Hと内気との熱交換により、内気が加熱用媒体Hから吸熱する。その結果、内気が加熱されて、車室内の暖房に供される。
【0124】
こうして、冷媒回路1の冷却能力に応じて車載電池を冷却することができるとともに、空気熱及び車載電池から吸熱した熱を利用することで、大きな暖房要求に応えつつ冷媒回路1の暖房能力に応じて車室内を暖房することができる。
【0125】
(冷却対象機器ウォームアップモード)
図13に示すように、冷却対象機器ウォームアップモードでは、圧縮機10、第1膨張弁11、第2膨張弁12及び蒸発圧力調整弁13が停止状態とされる。また、加熱用媒体ポンプ16が作動状態とされ、冷却用媒体ポンプ36、ヒータコア17及びラジエータ8が停止状態とされる。そして、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群は第7接続状態とされる。また、三方流量調整弁35は、加熱用媒体Hが水冷コンデンサ5側ではなく、吸熱器18が配置された第8流路26を流れる状態とされる。
【0126】
これにより、加熱用媒体回路2では、加熱用媒体ポンプ16で圧送された加熱用媒体Hが、吸熱器18、停止状態のヒータコア17をこの順で流通する。吸熱器18では、加熱用媒体Hと冷却対象機器との熱交換により、冷却対象機器同士を均温化して冷却対象機器をウォームアップすることができる。
【0127】
以上のとおり、実施例1の車両用熱マネジメントシステムでは、電池熱交換器7対して、加熱用媒体H又は冷却用媒体Lの一方を選択的に流通させることで、車載電池を暖機したり、冷却したりする。また、ラジエータ8に対しても、加熱用媒体H又は冷却用媒体Lの一方を選択的に流通させることで、加熱用媒体Hで外気に放熱したり、冷却用媒体Lで外気から吸熱したりして、システム全体の熱収支において余剰分を放熱したり、不足分を吸熱したりする。
【0128】
そして、この車両用熱マネジメントシステムでは、1つのラジエータ8にて外気との吸放熱を行うとともに、電気ヒータを別途用いることなく車室内の暖房及び電池の暖機を行うため、構成部品を削減できる。
【0129】
したがって、実施例1の車両用熱マネジメントシステムによれば、回路構成の簡素化と低廉化とを実現できる。
【0130】
また、この車両用熱マネジメントシステムでは、加熱用媒体Hが電池熱交換器7、ラジエータ8の順で流通する。このため、電池熱交換器7にて加熱用媒体Hから車載電池に必要な熱を放熱して車載電池を暖機しつつ、ラジエータ8にてシステム全体で余分な熱を放熱することができる。
【0131】
さらに、この車両用熱マネジメントシステムでは、冷却用媒体Lがラジエータ8、電池熱交換器7の順で流通する。このため、ラジエータ8にて外気よりも低温の冷却用媒体Lが外気から吸熱することができ、その冷却用媒体Lで電池熱交換器7にて車載電池を冷却しつつ、冷媒回路1の冷媒Rを加熱して車室内の暖房要求にも応えることができる。
【0132】
この車両用熱マネジメントシステムでは、電池熱交換器7及びラジエータ8に対して、加熱用媒体H及び冷却用媒体Lを同じ方向で流通する。このため、加熱用媒体H及び冷却用媒体Lの双方が電池熱交換器7を良好に流通するとともに、加熱用媒体H及び冷却用媒体Lの双方がラジエータ8を良好に流通する。
【0133】
この車両用熱マネジメントシステムでは、加熱用媒体回路2において、吸熱器18と水冷コンデンサ5とが並列に設けられている。このため、水冷コンデンサ5及び吸熱器18の双方に加熱用媒体Hを流通させることで、水冷コンデンサ5にて加熱用媒体Hが冷媒Rから吸熱すると同時に、吸熱器18にて加熱用媒体Hが冷却対象機器から吸熱することができる。その結果、冷却対象機器の排熱を利用した車室内暖房や電池暖機が可能となる。
【0134】
(実施例2)
図14に示す実施例2の車両用熱マネジメントシステムは、実施例1の車両用熱マネジメントシステムにおいて、冷媒回路1及び冷却回路3の構成を変更している。
【0135】
実施例2の車両用熱マネジメントシステムにおける冷媒回路40は、圧縮機10と、水冷コンデンサ5と、第2膨張弁12と、チラー6とを有している。また、冷媒回路40は、各構成部品を接続する流路として、第1環状流路41を有している。第1環状流路41においては、圧縮機10、水冷コンデンサ5、第2膨張弁12、チラー6がこの順で接続、配置されている。
【0136】
実施例2の車両用熱マネジメントシステムにおける冷却用媒体回路50は、冷却用媒体ポンプ36と、ラジエータ8と、電池熱交換器7と、チラー6と、クーラコア51とを有している。すなわち、チラー6と冷却用媒体ポンプ36との間にクーラコア51が配置されている。クーラコア51は、本発明における「内気冷却器」の一例である。
【0137】
クーラコア51は、図示しない送風ファンによって車室内に送られる内気と冷却用媒体Lとを熱交換させる。すなわち、クーラコア51にて、冷却用媒体Lで内気から吸熱を行う。冷却用媒体Lとの熱交換によって冷却された内気は、図示しない送風ファンによって車室内に送られて車室内の冷房に供される。
【0138】
その他の構成及び作用は、実施例1の車両用熱マネジメントシステムと同様である。
【0139】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0140】
例えば、実施例1及び2では、加熱用媒体回路2及び冷却用媒体回路3における弁群の接続状態を制御することにより、電池熱交換器7及びラジエータ8に対する、加熱用媒体H及び冷却用媒体Lの流通を制御するが、本発明はこれに限らず、種々の弁機構を適宜組み合わせることで、電池熱交換器7及びラジエータ8に対する、加熱用媒体H及び冷却用媒体Lの流通を制御してもよい。
【0141】
(付記1)
冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を膨張させる膨張弁とを有する冷媒回路と、
加熱用媒体を循環させる加熱用媒体ポンプと、前記加熱用媒体で内気に放熱を行う内気加熱器とを有する加熱用媒体回路と、
冷却用媒体を循環させる冷却用媒体ポンプを有する冷却用媒体回路と、
前記冷媒回路又は前記冷却用媒体回路に組み込まれ、冷媒又は前記冷却用媒体で内気から吸熱を行う内気冷却器と、
前記冷媒回路及び前記加熱用媒体回路に組み込まれ、冷媒で前記加熱用媒体に放熱を行う加熱用コンデンサと、
前記冷媒回路及び前記冷却用媒体回路に組み込まれ、冷媒で前記冷却用媒体から吸熱を行う冷却用チラーと、
前記加熱用媒体回路に組み込まれるとともに前記冷却用媒体回路に組み込まれ、前記加熱用媒体と車載電池との間で熱交換を行うとともに前記冷却用媒体と車載電池との間で熱交換を行う電池温調用熱交換器と、
前記加熱用媒体回路に組み込まれるとともに前記冷却用媒体回路に組み込まれ、前記加熱用媒体と外気との間で熱交換を行うとともに前記冷却用媒体と外気との間で熱交換を行うラジエータと、
前記電池温調用熱交換器に対する前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体の流通を制御するとともに、前記ラジエータに対する前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体の流通を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器に前記加熱用媒体又は前記冷却用媒体の一方を選択的に流通させるとともに、前記ラジエータに前記加熱用媒体又は前記冷却用媒体の一方を選択的に流通させることを特徴とする車両用熱マネジメントシステム。
【0142】
(付記2)
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器及び前記ラジエータに前記加熱用媒体を流通させる場合、前記電池温調用熱交換器を経て前記ラジエータに前記加熱用媒体を流通させる付記1記載の車両用熱マネジメントシステム。
【0143】
(付記3)
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器及び前記ラジエータに前記冷却用媒体を流通させる場合、前記ラジエータを経て前記電池温調用熱交換器に前記冷却用媒体を流通させる付記1又は2記載の車両用熱マネジメントシステム。
【0144】
(付記4)
前記制御装置は、前記電池温調用熱交換器に対して、前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体を同じ方向に流通させる付記1乃至3のいずれか1項記載の車両用熱マネジメントシステム。
【0145】
(付記5)
前記制御装置は、前記ラジエータに対して、前記加熱用媒体及び前記冷却用媒体を同じ方向に流通させる付記1乃至4のいずれか1項記載の車両用熱マネジメントシステム。
【0146】
(付記6)
前記加熱用媒体回路は、前記加熱用媒体で冷却対象機器から吸熱を行う吸熱器を有し、
前記吸熱器は、前記加熱用コンデンサと並列に設けられている付記1乃至5のいずれか1項記載の車両用熱マネジメントシステム。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の車両用熱マネジメントシステムは、例えばバッテリー式の電池自動車に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0148】
1、40…冷媒回路
2…加熱用媒体回路
3、50…冷却用媒体回路
4…エバポレータ(内気冷却器)
5…水冷コンデンサ(加熱用コンデンサ)
6…チラー(冷却用チラー)
7…電池熱交換器(電池温調用熱交換器)
8…ラジエータ
9…制御装置
10…圧縮機
11…第1膨張弁(膨張弁)
12…第2膨張弁(膨張弁)
16…加熱用媒体ポンプ
17…ヒータコア(内気加熱器)
18…吸熱器
36…冷却用媒体ポンプ
51…クーラコア(内気冷却器)