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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079576
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】インパクト工具
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/02 20060101AFI20240604BHJP
   B25B 23/18 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B25B21/02 D
B25B23/18
B25B21/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023173015
(22)【出願日】2023-10-04
(31)【優先権主張番号】P 2022192312
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】力石 真
(72)【発明者】
【氏名】山中 功二
(72)【発明者】
【氏名】塚本 功児
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA01
3C038BC04
3C038DA06
3C038EA06
(57)【要約】
【課題】作業者が作業対象を視認し難くなることを抑制すること。
【解決手段】インパクト工具は、モータと、モータにより回転されるハンマと、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、ハンマを収容するハンマケースと、アンビルの前端側に光を照射するライトと、を備える。ハンマケースに溝が設けられる。ライトは、溝に配置される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータにより回転されるハンマと、
前記ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、
前記ハンマを収容するハンマケースと、
前記アンビルの前端側に光を照射するライトと、を備え、
前記ハンマケースに溝が設けられ、
前記ライトは、前記溝に配置される、
インパクト工具。
【請求項2】
前記溝は、前記ハンマケースの前端部から後方に窪むように設けられる、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項3】
前記溝は、前記アンビルを囲むように設けられる、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項4】
前記ライトよりも前側に配置される光透過部を有する光学部材を備え、
前記光学部材の少なくとも一部は、前記溝に配置される、
請求項1に記載のインパクト工具。
【請求項5】
前記光透過部は、前記溝に配置される、
請求項4に記載のインパクト工具。
【請求項6】
前記光学部材は、前記ライトの外周側に配置される外筒部と、前記ライトの内周側に配置される内筒部と、を有し、
前記外筒部及び前記内筒部のそれぞれは、前記溝に配置される、
請求項5に記載のインパクト工具。
【請求項7】
モータと、
前記モータにより回転されるハンマと、
前記ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、
前記ハンマを収容するハンマケースと、
前記アンビルの前端側に光を照射するライトと、を備え、
前記ライトは、前記ハンマケースに保持され、
前記ハンマケースは、前記ライトの外周側に配置される突起部を有する、
インパクト工具。
【請求項8】
前記突起部は、前記ライトよりも前方に突出する、
請求項7に記載のインパクト工具。
【請求項9】
前記突起部は、前記アンビルを囲むように設けられる、
請求項7に記載のインパクト工具。
【請求項10】
前記ライトは、基板と、前記基板の前面に搭載されるLEDチップと、を有し、
前記基板は、前記アンビルを囲むように設けられる、
請求項3又は請求項9に記載のインパクト工具。
【請求項11】
前記ライトよりも前側に配置される光透過部を有する光学部材を備え、
前記突起部は、前記光学部材の外周側に配置される、
請求項9に記載のインパクト工具。
【請求項12】
前記光透過部の出射面は、前記突起部の前端面と同じ位置又は前記突起部の前端面よりも後側に配置される、
請求項11に記載のインパクト工具。
【請求項13】
前記アンビルは、前記光学部材よりも内周側に配置されるアンビルシャフト部を有し、
前記ハンマケースは、前記アンビルシャフト部の周囲に配置される前側筒部を有し、
前記前側筒部に設けられたスナップリング溝に配置されるスナップリングを備え、
前記スナップリングは、前記光学部材を前側から支持する、
請求項4又は請求項11に記載のインパクト工具。
【請求項14】
前記光学部材は、前記光透過部よりも内周側に配置され、前記光透過部の出射面よりも前側に配置される内周側凸部を有し、
前記スナップリングは、前記内周側凸部を支持する、
請求項13に記載のインパクト工具。
【請求項15】
前記光学部材は、前記スナップリングの端部を支持するストッパ部を有する、
請求項14に記載のインパクト工具。
【請求項16】
前記ライトの後面と前記ハンマケースとの間に配置される緩衝部材を備える、
請求項14に記載のインパクト工具。
【請求項17】
前記光学部材は、前記光透過部よりも下方に配置される凸部を有し、
前記ハンマケースの後部に固定され、前記モータを収容するハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記凸部を前側から覆うカバー部を有する、
請求項4又は請求項11に記載のインパクト工具。
【請求項18】
前記ハンマケースは、前記カバー部の上面と対向する対向面を有し、
前記対向面は、左右方向に延びるように設けられる、
請求項17に記載のインパクト工具。
【請求項19】
前記ハンマケースの後部にねじで固定され、前記モータを収容するハウジングを備え、
前記ハンマケースは、前記ねじに結合されるねじボス部を有し、
前記ハウジングの少なくとも一部は、前記ねじボス部を覆うように配置される、
請求項1又は請求項7に記載のインパクト工具。
【請求項20】
前記アンビルは、前記光学部材よりも内周側に配置されるアンビルシャフト部を有し、
前記ハンマケースに保持され、前記アンビルシャフト部を回転可能に支持するアンビルベアリングを備え、
前記ハンマの前端部は、前記アンビルベアリングの後端部よりも前側に配置される、
請求項4又は請求項11に記載のインパクト工具。
【請求項21】
前記ライトは、COBライトである、
請求項1から請求項20のいずれか一項に記載のインパクト工具。
【請求項22】
モータと、
前記モータよりも前側に配置され、前記モータにより駆動する打撃機構と、
前記打撃機構により回転方向に打撃されるアンビルと、
前記打撃機構を収容するハンマケースと、
前記ハンマケースの前部に配置された環状のライトユニットと、
前記ライトユニットの径方向外側に配置されたエラストマー製で環状のバンパと、を備える、
インパクト工具。
【請求項23】
前後方向において、前記ライトユニットの位置と前記バンパの少なくとも一部の位置とは、同じである、
請求項22に記載のインパクト工具。
【請求項24】
前記ハンマケースの前部に環状の溝が設けられ、
前記ライトユニットは、前記溝に配置される、
請求項22に記載のインパクト工具。
【請求項25】
前記アンビルを回転可能に支持するアンビルベアリングを備え、
前記ハンマケースは、
前記打撃機構が収容される後側筒部と、
前記後側筒部よりも前側に配置され、前記アンビルベアリングを保持する前側筒部と、
前記後側筒部の前端部と前記前側筒部の後端部とを繋ぐ環状部と、
前記環状部の外縁部から前方に突出する突起部と、を有し、
前記溝は、前記前側筒部と前記突起部との間に設けられ、
前記バンパは、前記突起部の外周面を覆うように配置される、
請求項24に記載のインパクト工具。
【請求項26】
前記バンパは、前記突起部の前端面を覆うように配置される、
請求項25に記載のインパクト工具。
【請求項27】
前記バンパは、
前記突起部の外周面を覆う筒状部と、
前記筒状部の内周面から径方向内側に突出する凸部と、を有し、
前記突起部の外周面にバンパ溝が設けられ、
前記凸部は、前記バンパ溝に挿入される、
請求項25に記載のインパクト工具。
【請求項28】
前後方向において、前記ライトユニットの位置と前記アンビルベアリングの少なくとも一部の位置とは、同じである、
請求項25に記載のインパクト工具。
【請求項29】
前記バンパのゴム硬度は、100Hs JIS-A以下である、
請求項22に記載のインパクト工具。
【請求項30】
前記打撃機構は、前記モータにより回転されるハンマを有し、
前後方向において、前記バンパは、前記ハンマよりも前側に配置される、
請求項22に記載のインパクト工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、インパクト工具に関する。
【背景技術】
【0002】
インパクト工具に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、動力工具用照明システムが知られている。特許文献1において、動力工具用照明システムは、ライトユニットとして、チップオンボード発光ダイオード(COB LED:chip on board light emitting diodes)を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0354889号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
COBライトから射出される光の光度は、高い。COBライトから射出された光の少なくとも一部が作業者の眼に入射すると、作業者は、眩しさを感じ、その結果、作業対象を視認し難くなる可能性がある。また、インパクト工具にCOBライトが設けられている場合、例えばインパクト工具の落下によりCOBライトに衝撃が加わると、COBライトの発光性能が低下してしまう可能性がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、作業者が作業対象を視認し難くなることを抑制することを目的とする。また、本明細書で開示する技術は、ライトを保護して、ライトの発光性能の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、インパクト工具を開示する。インパクト工具は、モータと、モータにより回転されるハンマと、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、ハンマを収容するハンマケースと、アンビルの前端側に光を照射するライトと、を備えてもよい。ハンマケースに溝が設けられてもよい。ライトは、溝に配置されてもよい。また、ライトは、ハンマケースに保持されてもよい。ハンマケースは、ライトの外周側に配置される突起部を有してもよい。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、作業者が作業対象を視認し難くなることが抑制される。また、上記の構成では、ライトが保護され、ライトの発光性能の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るインパクト工具を示す前方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す側面図である。
図3図3は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す縦断面図である。
図4図4は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す横断面図である。
図5図5は、実施形態に係るライトユニットの一部を示す断面図である。
図6図6は、実施形態に係るライトユニットの一部を示す断面図である。
図7図7は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す前方からの分解斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るライトユニットを示す前方からの斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るライトユニットを示す後方からの斜視図である。
図10図10は、実施形態に係るインパクト工具を示す前方からの分解斜視図である。
図11図11は、実施形態に係るライトユニットを前方から見た図である。
図12図12は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す前方からの斜視図である。
図13図13は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す後方からの斜視図である。
図14図14は、実施形態に係るインパクト工具の上部を側面図である。
図15図15は、実施形態に係るインパクト工具の一部を示す縦断面図である。
図16図16は、実施形態に係るインパクト工具の一部を拡大した縦断面図である。
図17図17は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す横断面図である。
図18図18は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す横断面図である。
図19図19は、実施形態に係るインパクト工具の上部を示す前方からの分解斜視図である。
図20図20は、実施形態に係るバンパ及びライトユニットを示す後方からの分解斜視図である。
図21図21は、実施形態に係るインパクト工具の上部を前方から見た分解図である。
図22図22は、変形例に係るインパクト工具の一部を拡大した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、モータと、モータにより回転されるハンマと、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、ハンマを収容するハンマケースと、アンビルの前端側に光を照射するライトと、を備えてもよい。ハンマケースに溝が設けられてもよい。ライトは、溝に配置されてもよい。
【0010】
上記の構成では、ライトが溝に配置されるので、ライトから前側に射出された光は、作業対象に照射され、ライトから外周側に射出された光は、ハンマケースに遮られる。これにより、ライトから射出された光が作業者の眼に入射することが抑制される。そのため、作業者が眩しさを感じることが抑制される。したがって、作業者が作業対象を視認し難くなることが抑制される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、溝は、ハンマケースの前端部から後方に窪むように設けられてもよい。
【0012】
上記の構成では、ライトから前側に射出された光は、ハンマケースの前側の作業対象に照射される。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、溝は、アンビルを囲むように設けられてもよい。
【0014】
上記の構成では、溝が環状に設けられる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、ライトよりも前側に配置される光透過部を有する光学部材を備えてもよい。光学部材の少なくとも一部は、溝に配置されてもよい。
【0016】
上記の構成では、ライトから前側に射出された光は、光学部材の光透過部を介してハンマケースの前側の作業対象に照射される。光学部材が溝に配置されるので、光学部材から前側に射出された光は、作業対象に照射され、光学部材から外周側に射出された光は、ハンマケースに遮られる。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光透過部は、溝に配置されてもよい。
【0018】
上記の構成では、光透過部が溝の内側に配置されるので、光学部材から前側に射出された光は、作業対象に照射され、光学部材から外周側に射出された光は、ハンマケースに遮られる。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光学部材は、ライトの外周側に配置される外筒部と、ライトの内周側に配置される内筒部と、を有してもよい。外筒部及び内筒部のそれぞれは、溝に配置されてもよい。
【0020】
上記の構成では、光学部材は、ライトを囲むように配置される。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、モータと、モータにより回転されるハンマと、ハンマにより回転方向に打撃されるアンビルと、ハンマを収容するハンマケースと、アンビルの前端側に光を照射するライトと、を備えてもよい。ライトは、ハンマケースに保持されてもよい。ハンマケースは、ライトの外周側に配置される突起部を有してもよい。
【0022】
上記の構成では、例えばインパクト工具が落下しても、ライトは、ハンマケースの突起部で保護される。これにより、ライトの破損が抑制され、ライトの発光性能の低下が抑制される。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、突起部は、ライトよりも前方に突出してもよい。
【0024】
上記の構成では、ライトは、突起部で十分に保護される。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、突起部は、アンビルを囲むように設けられてもよい。
【0026】
上記の構成では、突起部が環状に設けられる。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトは、基板と、基板の前面に搭載されるLEDチップと、を有してもよい。基板は、アンビルを囲むように設けられてもよい。
【0028】
上記の構成では、環状のライトがインパクト工具に設けられる。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、ライトよりも前側に配置される光透過部を有する光学部材を備えてもよい。突起部は、光学部材の外周側に配置されてもよい。
【0030】
上記の構成では、ライト及び光学部材のそれぞれが突起部で保護される。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光透過部の出射面は、突起部の前端面と同じ位置又は突起部の前端面よりも後側に配置されてもよい。
【0032】
上記の構成では、光学部材は、突起部で十分に保護される。
【0033】
1つ又はそれ以上の実施形態において、アンビルは、光学部材よりも内周側に配置されるアンビルシャフト部を有してもよい。ハンマケースは、アンビルシャフト部の周囲に配置される前側筒部を有してもよい。インパクト工具は、前側筒部に設けられたスナップリング溝に配置されるスナップリングを備えてもよい。スナップリングは、光学部材を前側から支持してもよい。
【0034】
上記の構成では、光学部材及びライトがハンマケースから前方に抜けることが抑制される。スナップリングは、光学部材及びライトが前方に抜けることを抑制する抜け止め部材として機能する。
【0035】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光学部材は、光透過部よりも内周側に配置され、光透過部の出射面よりも前側に配置される内周側凸部を有してもよい。スナップリングは、内周側凸部を支持してもよい。
【0036】
上記の構成では、スナップリング溝に配置されるスナップリングで、光学部材が前側から安定して支持される。
【0037】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光学部材は、スナップリングの端部を支持するストッパ部を有してもよい。
【0038】
上記の構成では、スナップリングがハンマケース及び光学部材に対して回転することが抑制される。ストッパ部は、スナップリングの回転を抑制する回り止め部材として機能する。
【0039】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、ライトの後面とハンマケースとの間に配置される緩衝部材を備えてもよい。
【0040】
上記の構成では、例えばインパクト工具が落下したときにライトに加わる衝撃が緩和される。ライトは、緩衝部材とスナップリングとに前後方向から挟まれるので、ライトとハンマケースとの相対位置が変化することが抑制される。
【0041】
1つ又はそれ以上の実施形態において、光学部材は、光透過部よりも下方に配置される凸部を有してもよい。インパクト工具は、ハンマケースの後部に固定され、モータを収容するハウジングを備えてもよい。ハウジングは、凸部を前側から覆うカバー部を有してもよい。
【0042】
上記の構成では、ライトに接続されるリード線は、凸部に支持される。凸部は、カバー部により保護される。また、ライトから射出された光の少なくとも一部が凸部に入射しても、凸部から射出される光は、カバー部に遮られる。
【0043】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ハンマケースは、カバー部の上面と対向する対向面を有してもよい。対向面は、左右方向に延びるように設けられてもよい。
【0044】
上記の構成では、ハウジングが、左ハウジングと右ハウジングとからなる、所謂、半割れハウジングの場合、対向面を用いて左ハウジングと右ハウジングとを円滑に固定することができる。
【0045】
1つ又はそれ以上の実施形態において、インパクト工具は、ハンマケースの後部にねじで固定され、モータを収容するハウジングを備えてもよい。ハンマケースは、ねじに結合されるねじボス部を有してもよい。ハウジングの少なくとも一部は、ねじボス部を覆うように配置されてもよい。
【0046】
上記の構成では、ハンマケースのねじボス部がハウジングで保護される。また、ハウジングのグリップ部を握った作業者の手がハンマケースに直に触れることが抑制される。
【0047】
1つ又はそれ以上の実施形態において、アンビルは、光学部材よりも内周側に配置されるアンビルシャフト部を有してもよい。インパクト工具は、ハンマケースに保持され、アンビルシャフト部を回転可能に支持するアンビルベアリングを備えてもよい。ハンマの前端部は、アンビルベアリングの後端部よりも前側に配置されてもよい。
【0048】
上記の構成では、ハンマケースとアンビルベアリングとがオーバーラップするので、インパクト工具の大型化が抑制される。インパクト工具の上部の前後方向の長さ(所謂、全長)が短縮される。
【0049】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ライトは、COBライトでもよい。
【0050】
上記の構成では、光度が高い光がライトから射出される。
【0051】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、インパクト工具の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0052】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
【0053】
<インパクト工具>
図1は、実施形態に係るインパクト工具1を示す前方からの斜視図である。図2は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す側面図である。図3は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す縦断面図である。図4は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す横断面図である。
【0054】
実施形態において、インパクト工具1は、動力源として電動のモータ6を有する電動工具である。モータ6の回転軸AXに平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。また、径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側又は内周側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側又は外周側、と称する。実施形態において、回転軸AXは、前後方向に延伸する。軸方向一方側は、前側(前方)であり、軸方向他方側は、後側(後方)である。
【0055】
実施形態において、インパクト工具1は、インパクトレンチである。インパクト工具1は、ハウジング2と、リヤカバー3と、ハンマケース4と、ねじ5と、モータ6と、減速機構7と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、ファン12と、バッテリ装着部13と、トリガレバー14と、正逆転切換レバー15と、スナップリング16と、シール部材17と、ライトユニット18とを備える。
【0056】
ハウジング2は、合成樹脂製である。実施形態において、ハウジング2は、ナイロン製である。ハウジング2は、左ハウジング2Lと、左ハウジング2Lの右方に配置される右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ2Sにより固定される。ハウジング2は、一対の半割れハウジングにより構成される。
【0057】
ハウジング2は、モータ収容部21と、グリップ部22と、バッテリ保持部23とを有する。
【0058】
モータ収容部21は、筒状である。モータ収容部21は、モータ6、ベアリングボックス24の一部、及びハンマケース4の後部を収容する。モータ収容部21にねじボス部2Hが設けられる。
【0059】
グリップ部22は、モータ収容部21から下方に突出する。トリガレバー14は、グリップ部22の上部に設けられる。グリップ部22は、作業者に握られる。
【0060】
バッテリ保持部23は、グリップ部22の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、バッテリ保持部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
【0061】
リヤカバー3は、合成樹脂製である。リヤカバー3は、モータ収容部21の後方に配置される。リヤカバー3は、ファン12の少なくとも一部を収容する。ファン12は、リヤカバー3の内周側に配置される。リヤカバー3は、モータ収容部21の後端部の開口を覆うように配置される。リヤカバー3は、ねじ3Sによりモータ収容部21の後端部に固定される。
【0062】
モータ収容部21は、吸気口19を有する。リヤカバー3は、排気口20を有する。ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間の空気は、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0063】
ハンマケース4は、減速機構7を収容するギヤケースとして機能する。ハンマケース4は、減速機構7を収容する。ハンマケース4は、スピンドル8を収容する。ハンマケース4は、打撃機構9を収容する。ハンマケース4は、アンビル10の一部を収容する。ハンマケース4は、金属製である。実施形態において、ハンマケース4は、アルミニウム製である。ハンマケース4は、筒状である。
【0064】
ハンマケース4は、後側筒部4Aと、前側筒部4Bと、環状部4Cと、ねじボス部4Hとを含む。前側筒部4Bは、後側筒部4Aよりも前方に配置される。後側筒部4Aの外径は、前側筒部4Bの外径よりも大きい。後側筒部4Aの内径は、前側筒部4Bの内径よりも大きい。環状部4Cは、後側筒部4Aの前端部と前側筒部4Bの後端部とを繋ぐように配置される。
【0065】
ハンマケース4は、モータ収容部21の前部に接続される。モータ収容部21は、ハンマケース4の後部にねじ5で固定される。ねじ5は、ねじボス部2Hの後方からねじボス部2Hに設けられている開口に挿入された後、ねじボス部4Hに設けられているねじ孔に挿入される。ねじボス部2H及びねじボス部4Hのそれぞれは、周方向に4つ設けられる。ねじ5は、周方向に4本設けられる。図2に示すように、ねじ2Sとねじ5とは、前後方向及び上下方向にオーバーラップしている。そのため、ねじ5を外す前においては、ねじ2Sを外すことができない。ねじ5を外した後に、ねじ2Sを外すことができる。ねじ2Sで左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとを固定した後、ねじ5によりハンマケース4とモータ収容部21とが固定される。
【0066】
後側筒部4Aの後部にベアリングボックス24が固定される。減速機構7の少なくとも一部は、ベアリングボックス24の内側に配置される。ハンマケース4は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに挟まれる。ベアリングボックス24の一部及び後側筒部4Aの後部は、モータ収容部21に収容される。ベアリングボックス24は、モータ収容部21及びハンマケース4のそれぞれに固定される。
【0067】
モータ6は、インパクト工具1の動力源である。モータ6は、回転力を発生する。モータ6は、電動モータである。モータ6は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ6は、ステータ26と、ロータ27とを有する。ステータ26は、モータ収容部21に支持される。ロータ27の少なくとも一部は、ステータ26の内側に配置される。ロータ27は、ステータ26に対して回転する。ロータ27は、前後方向に延伸する回転軸AXを中心に回転する。
【0068】
ステータ26は、ステータコア28と、前インシュレータ29と、後インシュレータ30と、コイル31とを有する。
【0069】
ステータコア28は、ロータ27よりも径方向外側に配置される。ステータコア28は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア28は、筒状である。ステータコア28は、コイル31を支持する複数のティースを有する。
【0070】
前インシュレータ29は、ステータコア28の前部に設けられる。後インシュレータ30は、ステータコア28の後部に設けられる。前インシュレータ29及び後インシュレータ30のそれぞれは、合成樹脂製の電気絶縁部材である。前インシュレータ29は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。後インシュレータ30は、ティースの表面の一部を覆うように配置される。
【0071】
コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28に装着される。コイル31は、複数配置される。コイル31は、前インシュレータ29及び後インシュレータ30を介してステータコア28のティースの周囲に配置される。コイル31とステータコア28とは、前インシュレータ29及び後インシュレータ30により電気的に絶縁される。複数のコイル31は、ヒュージング端子38を介して接続される。
【0072】
ロータ27は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ27は、ロータコア部32と、ロータシャフト部33と、ロータ磁石34と、センサ磁石35とを有する。
【0073】
ロータコア部32及びロータシャフト部33のそれぞれは、鋼製である。実施形態において、ロータコア部32とロータシャフト部33とは、一体である。ロータシャフト部33の前部は、ロータコア部32の前端面から前方に突出する。ロータシャフト部33の後部は、ロータコア部32の後端面から後方に突出する。
【0074】
ロータ磁石34は、ロータコア部32に固定される。ロータ磁石34は、円筒状である。ロータ磁石34は、ロータコア部32の周囲に配置される。
【0075】
センサ磁石35は、ロータコア部32に固定される。センサ磁石35は、円環状である。センサ磁石35は、ロータコア部32の前端面及びロータ磁石34の前端面に配置される。
【0076】
前インシュレータ29にセンサ基板37が取り付けられる。センサ基板37は、ねじ29Sにより前インシュレータ29に固定される。センサ基板37は、円環状の回路基板と、回路基板に支持される磁気センサとを有する。センサ基板37の少なくとも一部は、センサ磁石35に対向する。磁気センサは、センサ磁石35の位置を検出することにより、ロータ27の回転方向の位置を検出する。
【0077】
ロータシャフト部33の後部は、ロータベアリング39に回転可能に支持される。ロータベアリング39の前部は、ロータベアリング40に回転可能に支持される。ロータベアリング39は、リヤカバー3に保持される。ロータベアリング40は、ベアリングボックス24に保持される。ロータシャフト部33の前端部は、ベアリングボックス24の開口を介してハンマケース4の内部空間に配置される。
【0078】
ロータシャフト部33の前端部にピニオンギヤ41が形成される。ピニオンギヤ41は、減速機構7の少なくとも一部に連結される。ロータシャフト部33は、ピニオンギヤ41を介して減速機構7に連結される。
【0079】
減速機構7は、モータ6の回転力をスピンドル8及びアンビル10に伝達する。減速機構7は、ハンマケース4の後側筒部4Aに収容される。減速機構7は、複数のギヤを有する。減速機構7は、モータ6よりも前方に配置される。減速機構7は、ロータシャフト部33とスピンドル8とを連結する。減速機構7のギヤは、ロータ27により駆動される。減速機構7は、ロータ27の回転をスピンドル8に伝達する。減速機構7は、ロータシャフト部33の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。減速機構7は、遊星歯車機構を含む。
【0080】
減速機構7は、ピニオンギヤ41の周囲に配置される複数のプラネタリギヤ42と、複数のプラネタリギヤ42の周囲に配置されるインターナルギヤ43とを有する。ピニオンギヤ41、プラネタリギヤ42、及びインターナルギヤ43のそれぞれは、ハンマケース4及びベアリングボックス24に収容される。複数のプラネタリギヤ42のそれぞれは、ピニオンギヤ41に噛み合う。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してスピンドル8に回転可能に支持される。スピンドル8は、プラネタリギヤ42により回転される。インターナルギヤ43は、プラネタリギヤ42に噛み合う内歯を有する。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に固定される。インターナルギヤ43は、ベアリングボックス24に対して常に回転不可能である。
【0081】
モータ6の駆動によりロータシャフト部33が回転すると、ピニオンギヤ41が回転し、プラネタリギヤ42がピニオンギヤ41の周囲を公転する。プラネタリギヤ42は、インターナルギヤ43の内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ42の公転により、ピン42Pを介してプラネタリギヤ42に接続されているスピンドル8は、ロータシャフト部33の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0082】
スピンドル8は、モータ6の回転力により回転する。スピンドル8は、モータ6の少なくとも一部よりも前方に配置される。スピンドル8は、ステータ26よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、ロータ27よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7の前方に配置される。スピンドル8は、ロータ27により回転される。スピンドル8は、減速機構7により伝達されたロータ27の回転力により回転する。
【0083】
スピンドル8は、フランジ部8Aと、フランジ部8Aから前方に突出するスピンドルシャフト部8Bとを有する。プラネタリギヤ42は、ピン42Pを介してフランジ部8Aに回転可能に支持される。スピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。
【0084】
スピンドル8は、スピンドルベアリング44に回転可能に支持される。スピンドルベアリング44は、ベアリングボックス24に保持される。スピンドル8は、フランジ部8Aの後部から後方に突出する円環部8Cを有する。スピンドルベアリング44は、円環部8Cの内側に配置される。実施形態において、スピンドルベアリング44の外輪が円環部8Cに接続され、スピンドルベアリング44の内輪がベアリングボックス24に支持される。
【0085】
打撃機構9は、モータ6により駆動される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介して打撃機構9に伝達される。打撃機構9は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。打撃機構9は、ハンマ47と、ボール48と、コイルスプリング49とを有する。ハンマ47を含む打撃機構9は、ハンマケース4に収容される。
【0086】
ハンマ47は、減速機構7よりも前方に配置される。ハンマ47は、後側筒部4Aに収容される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Bの周囲に配置される。ハンマ47は、スピンドルシャフト部8Bに保持される。ボール48は、スピンドルシャフト部8Bとハンマ47との間に配置される。コイルスプリング49は、フランジ部8A及びハンマ47のそれぞれに支持される。
【0087】
ハンマ47は、環状のボディ部47Dと、ボディ部47Dの外周部から後側に突出する後側外筒部47Eと、ボディ部47Dの外周部から前側に突出する前側外筒部47Fと、ボディ部47Dの内周部から後側に突出する内筒部47Gと、ハンマ溝47Aと、ハンマ突起部47Bとを有する。ボディ部47Dは、スピンドルシャフト部8Bの周囲に配置される。ボディ部47Dは、環状である。後側外筒部47E及び内筒部47Gのそれぞれは、ボディ部47Dから後側に突出する。ボディ部47Dの後面と後側外筒部47Eの内周面と内筒部47Gの外周面とにより凹部47Cが規定される。凹部47Cは、ハンマ47の後端部から前方に窪むように設けられる。凹部47Cは、リング状である。ハンマ突起部47Bは、ボディ部47Dから前側に突出する。ハンマ突起部47Bは、前側外筒部47Fの内周面から径方向内側に突出する。ハンマ突起部47Bは、2つ設けられる。後側外筒部47E及び前側外筒部47Fが設けられるので、回転方向におけるハンマ47の慣性力が大きくなる。
【0088】
ハンマ47は、モータ6により回転される。モータ6の回転力は、減速機構7及びスピンドル8を介してハンマ47に伝達される。ハンマ47は、モータ6により回転するスピンドル8の回転力に基づいて、スピンドル8と一緒に回転可能である。ハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。ハンマ47は、回転軸AXを中心に回転する。
【0089】
ボール48は、鉄鋼のような金属製である。ボール48は、スピンドルシャフト部8Bとハンマ47との間に配置される。スピンドル8は、ボール48の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝8Dを有する。スピンドル溝8Dは、スピンドルシャフト部8Bの外周面の一部に設けられる。ハンマ47は、ボール48の少なくとも一部が配置されるハンマ溝47Aを有する。ハンマ溝47Aは、内筒部47Gの内面の一部に設けられる。ボール48は、スピンドル溝8Dとハンマ溝47Aとの間に配置される。ボール48は、スピンドル溝8Dの内側及びハンマ溝47Aの内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ47は、ボール48に伴って移動可能である。スピンドル8とハンマ47とは、スピンドル溝8D及びハンマ溝47Aにより規定される可動範囲において、軸方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。
【0090】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。実施形態において、コイルスプリング49は、第1コイルスプリング49Aと、第1コイルスプリング49Aと並列に配置される第2コイルスプリング49Bとを含む。コイルスプリング49は、フランジ部8Aとハンマ47との間に配置される。ハンマ47の後面にリング状の凹部47Cが設けられる。凹部47Cは、ハンマ47の後面から前方に窪む。凹部47Cの内側にワッシャ45が設けられる。ワッシャ45は、ボール11を介してボディ部47Dに支持される。ボール11は、ボディ部47Dの後面に設けられたボール溝47Hに配置される。コイルスプリング49の後端部は、フランジ部8Aに支持される。コイルスプリング49の前端部は、凹部47Cの内側に配置され、ワッシャ45に支持される。
【0091】
アンビル10は、モータ6の回転力により作動するインパクト工具1の出力部である。アンビル10は、モータ6の回転力により回転する。アンビル10の少なくとも一部は、ハンマ47よりも前方に配置される。
【0092】
アンビル10は、ロッド状のアンビルシャフト部10Cと、アンビル突起部10Dとを有する。回転軸AXに直交するアンビルシャフト部10Cの外形は、実質的に四角形である。先端工具であるソケットは、アンビルシャフト部10Cに装着される。また、アンビル10の後端部に凹部10Bが設けられる。スピンドルシャフト部8Bの前端部に凸部が設けられる。スピンドルシャフト部8Bの前端部の凸部8Eは、アンビル10の後端部に設けられた凹部10Bに挿入される。アンビル突起部10Dは、アンビル10の後端部に設けられる。アンビル突起部10Dは、アンビルシャフト部10Cの後端部から径方向外側に突出する。凸部8Eに2つのグリス溝8Fが設けられる。
【0093】
アンビル10は、アンビルベアリング46に回転可能に支持される。アンビル10の回転軸とハンマ47の回転軸とスピンドル8の回転軸とモータ6の回転軸AXとは一致する。アンビル10は、回転軸AXを中心に回転する。アンビルベアリング46は、前側筒部4Bの内側に配置される。アンビルベアリング46は、ハンマケース4の前側筒部4Bに保持される。前側筒部4Bは、アンビルシャフト部10Cの周囲に配置される。アンビルベアリング46は、アンビルシャフト部10Cを回転可能に支持する。実施形態において、アンビルベアリング46は、外側スリーブ46Aと、外側スリーブ46Aよりも内周側に配置される内側スリーブ46Bとを含む。
【0094】
ハンマ突起部47Bは、アンビル突起部10Dに接触可能である。ハンマ突起部47Bとアンビル突起部10Dとが接触している状態で、モータ6が駆動することにより、アンビル10は、ハンマ47及びスピンドル8と一緒に回転する。
【0095】
アンビル10は、ハンマ47により回転方向に打撃される。例えばねじ締め作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなる状況が発生する場合がある。モータ6が発生する動力だけではアンビル10を回転させることができなくなると、アンビル10及びハンマ47の回転が停止する。スピンドル8とハンマ47とは、ボール48を介して軸方向及び周方向のそれぞれに相対移動可能である。ハンマ47の回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する動力により継続される。ハンマ47の回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール48がスピンドル溝8D及びハンマ溝47Aのそれぞれにガイドされながら後方に移動する。ハンマ47は、ボール48から力を受け、ボール48に伴って後方に移動する。すなわち、ハンマ47は、アンビル10の回転が停止された状態で、スピンドル8が回転することにより、後方に移動する。ハンマ47が後方に移動することにより、ハンマ突起部47Bとアンビル突起部10Dとの接触が解除される。
【0096】
コイルスプリング49は、ハンマ47を前方に移動させる弾性力を発生する。後方に移動したハンマ47は、コイルスプリング49の弾性力により、前方に移動する。ハンマ47は、前方に移動するとき、ボール48から回転方向の力を受ける。すなわち、ハンマ47は、回転しながら前方に移動する。ハンマ47が回転しながら前方に移動すると、ハンマ突起部47Bは、回転しながらアンビル突起部10Dに接触する。これにより、アンビル突起部10Dは、ハンマ突起部47Bにより回転方向に打撃される。アンビル10には、モータ6の動力とハンマ47の慣性力との両方が作用する。したがって、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転することができる。
【0097】
ファン12は、モータ6の回転力により回転する。ファン12は、モータ6のステータ26よりも後方に配置される。ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、ロータ27の少なくとも一部に固定される。ファン12は、ブッシュ12Aを介してロータシャフト部33の後部に固定される。ファン12は、ロータベアリング39とステータ26との間に配置される。ファン12は、ロータ27の回転により回転する。ロータシャフト部33が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト部33と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流通することにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流通した空気は、ファン12が回転することにより、排気口20を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0098】
バッテリ装着部13は、バッテリ保持部23の下部に配置される。バッテリパック25がバッテリ装着部13に装着される。バッテリパック25は、バッテリ装着部13に着脱可能である。バッテリパック25は、インパクト工具1の電源として機能する。バッテリパック25は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック25は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部13に装着されることにより、バッテリパック25は、インパクト工具1に電力を供給することができる。モータ6及びライトユニット18のそれぞれは、バッテリパック25から供給される電力に基づいて駆動する。
【0099】
トリガレバー14は、グリップ部22に設けられる。トリガレバー14は、モータ6を起動するために作業者に操作される。トリガレバー14が操作されることにより、モータ6の駆動と停止とが切り換えられる。
【0100】
正逆転切換レバー15は、グリップ部22の上部に設けられる。正逆転切換レバー15は、作業者に操作される。正逆転切換レバー15が操作されることにより、モータ6の回転方向が正転方向及び逆転方向の一方から他方に切り換えられる。モータ6の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
【0101】
<ライトユニット>
図5及び図6のそれぞれは、実施形態に係るライトユニット18の一部を示す断面図である。図5は、ライトユニット18の上部の断面図である。図6は、ライトユニット18の下部の断面図である。図7は、実施形態に係るインパクト工具1の上部を示す前方からの分解斜視図である。図8は、実施形態に係るライトユニット18を示す前方からの斜視図である。図9は、実施形態に係るライトユニット18を示す後方からの斜視図である。図10は、実施形態に係るインパクト工具1を示す前方からの分解斜視図である。図11は、実施形態に係るライトユニット18を前方から見た図である。
【0102】
ライトユニット18は、照明光を射出する。ライトユニット18は、アンビル10及びアンビル10の周辺を照明光で照明する。ライトユニット18は、アンビル10の前端側を照明光で照明する。
【0103】
ライトユニット18は、ハンマケース4の前部に配置される。ライトユニット18は、前側筒部4Bの周囲に配置される。ライトユニット18は、前側筒部4Bを介してアンビルシャフト部10Cの周囲に配置される。
【0104】
ライトユニット18は、ライト50を含む。実施形態において、ライト50は、チップオンボード発光ダイオード(COB LED:chip on board light emitting diodes)を含む。以下の説明において、ライト50を適宜、COBライト50、と称する。COBライト50は、アンビル10の前端側に光を照射する。
【0105】
COBライト50は、基板51と、発光素子であるLEDチップ52と、バンク54と、蛍光体55とを有する。基板51として、アルミニウム基板、ガラス布基材エポキシ樹脂基板(FR-4基板)、又は複合基材エポキシ樹脂基板(CEM-3基板)が例示される。LEDチップ52は、基板51の表面に搭載される。LEDチップ52と基板51とは、金ワイヤ(不図示)を介して接続される。金ワイヤは、複数のLEDチップ52を相互に接続する。バンク54は、基板51の表面に設けられる。バンク54は、LEDチップ52の周囲に配置される。バンク54は、LEDチップ52よりも径方向内側及び径方向外側のそれぞれに配置される。バンク54は、蛍光体55が配置される区画空間を規定する。蛍光体55は、バンク54の内側においてLEDチップ52を覆うように配置される。一対の電極(不図示)がバンク54の外側において基板51の表面(前面)に配置される。なお、電極は、基板51の裏面(後面)に配置されてもよい。一対の電極のうち、一方の電極が正極であり、他方の電極が負極である。バッテリパック25から出力された電力は、電極に供給される。電極に供給された電力は、基板51及び金ワイヤを介してLEDチップ52に供給される。LEDチップ52は、バッテリパック25から供給された電力に基づいて発光する。バッテリパック25の電圧は、コントローラ(不図示)により5Vに降圧された状態でLEDチップ52に印加される。コントローラは、バッテリ保持部23に収容される。ライトユニット18とコントローラとは、リード線180を介して接続される。
【0106】
ライトユニット18は、COBライト50と、光学部材57とを有する。チップオンボード発光ダイオード50は、基板51と、複数のLEDチップ52と、バンク54と、蛍光体55とを有する。
【0107】
基板51は、環状である。基板51は、前側筒部4Bを介してアンビルシャフト部10Cの周囲に配置される。基板51は、円環部51Aと、円環部51Aの下部から下方に突出する支持部51Bとを有する。基板51は、アンビルシャフト部10Cを囲むように設けられる。
【0108】
LEDチップ52は、基板51の円環部51Aの前面に搭載される。LEDチップ52は、前側筒部4Bを介してアンビルシャフト部10Cの周囲の少なくとも一部に配置される。LEDチップ52は、円環部51Aの周方向に間隔をあけて複数配置される。実施形態において、LEDチップ52は、円環部51Aの周方向に等間隔に24個配置される。
【0109】
バンク54は、基板51の円環部51Aの前面に設けられる。バンク54は、円環部51Aの前面から前方に突出する。バンク54は、蛍光体55が配置される区画空間を規定する。バンク54は、円環状である。実施形態において、バンク54は、二重円環状になるように設けられる。すなわち、実施形態において、バンク54は、円環部51Aの前面に設けられた円環状の第1のバンク54と、円環部51Aの前面において第1のバンク54よりも径方向外側に設けられた円環状の第2のバンク54とを含む。第1のバンク54は、LEDチップ52よりも径方向内側に配置される。第2のバンク54は、LEDチップ52よりも径方向外側に配置される。複数のLEDチップ52は、第1のバンク54と第2のバンク54との間に配置される。
【0110】
蛍光体55は、基板51の円環部51Aの前面に配置される。蛍光体55は、円環状である。蛍光体55は、第1のバンク54と第2のバンク54との間において、複数のLEDチップ52のそれぞれを覆うように配置される。
【0111】
不図示の一対のリード線が基板51に接続される。上述の電極は、リード線に接続される。一対のリード線は、支持部51Bの後面に支持される。なお、リード線は、支持部51Bの前面に支持されてもよい。
【0112】
バッテリパック25から出力された電流は、コントローラ(不図示)及びリード線180を介して電極に供給される。バッテリパック25の電圧は、コントローラ(不図示)によりに降圧された後、電極に印加される。電極に供給された電流は、基板51及び金ワイヤを介してLEDチップ52に供給される。LEDチップ52は、バッテリパック25から供給された電流に基づいて発光する。
【0113】
光学部材57は、COBライト50に接続される。光学部材57は、基板51に固定される。光学部材57は、ポリカーボネート樹脂製である。実施形態において、光学部材57は、白色の拡散材が含有されたポリカーボネート樹脂製である。光学部材57は、乳白色である。光学部材57の光透過率は、40%以上70%以下である。光学部材57が乳白色なので、インパクト工具1の外部からLEDチップ52の外形が視認し難い。LEDチップ52の外形が視認し難いので、インパクト工具1の意匠性が良化される。
【0114】
光学部材57の少なくとも一部は、COBライト50よりも前方に配置される。光学部材57は、外筒部57Aと、内筒部57Bと、光透過部57Cと、凸部57Dと、内周側凸部57Gと、ストッパ部57Hと、凹部57Jとを有する。
【0115】
外筒部57Aは、内筒部57Bよりも径方向外側に配置される。外筒部57Aは、COBライト50の外周側に配置される。外筒部57Aは、LEDチップ52よりも径方向外側に配置される。径方向において、COBライト50は、外筒部57Aと内筒部57Bとの間に配置される。外筒部57Aは、基板51の円環部51Aよりも径方向外側に配置される。内筒部57Bは、COBライト50の内周側に配置される。内筒部57Bは、基板51の円環部51Aよりも径方向内側に配置される。内筒部57Bは、LEDチップ52よりも径方向内側に配置される。
【0116】
光透過部57Cは、COBライト50よりも前側に配置される。光透過部57Cは、円環状である。光透過部57Cは、LEDチップ52よりも前方に配置される。光透過部57Cは、外筒部57Aの前端部と内筒部57Bの前端部とを繋ぐように配置される。光透過部57Cは、円環部51Aの前面に対向する。光透過部57Cは、LEDチップ52に対向する。LEDチップ52から射出された光は、光透過部57Cを通過して、ライトユニット18の前方に照射される。
【0117】
光透過部57Cは、LEDチップ52からの光が入射する入射面57Eと、光透過部57Cを透過した光が射出する出射面57Fとを有する。円環部51Aの前面は、光透過部57Cの入射面57Eに対向する。入射面57Eは、LEDチップ52に対向する。入射面57Eは、実質的に後方を向く。出射面57Fは、実質的に前方を向く。
【0118】
凸部は、光透過部57Cよりも下方に配置される。凸部57Dは、外筒部57Aの下部から下方に突出するように設けられる。凸部57Dの後面の上部に収容空間が形成される。基板51の支持部51Bは、凸部57Dの後面の上部に形成された収容区間に配置される。凸部57Dは、基板51から延びる上述のリード線180を支持することができる。
【0119】
内周側凸部57Gは、光透過部57Cよりも内周側に配置される。内周側凸部57Gは、光透過部57Cの内周側から前方に突出する。内周側凸部57Gは、光透過部57Cの出射面57Fよりも前側に配置される。内周側凸部57Gは、円環状である。
【0120】
ストッパ部57Hは、内周側凸部57Gの下部から前方に突出する。ストッパ部57Hは、内周側凸部57Gの下部に2つ設けられる。2つのストッパ部57Hは、左右方向に間隔をあけて配置される。基板51の支持部51Bは、光学部材57の後部に設けられた凹部57Jに配置される。支持部51Bが凹部57Jに嵌ることにより、基板51が光学部材57に位置決めされ、基板51と光学部材57との相対回転が抑制される。
【0121】
基板51の後面は、外筒部57Aの後端部及び内筒部57Bの後端部よりも前側に配置される。基板51の後面と外筒部57Aの内周面の少なくとも一部とが接着剤により固定される。基板51の後面と内筒部57Bの外周面の少なくとも一部とが接着剤により固定される。COBライト50と光学部材57とは、固定される。
【0122】
ハンマケース4は、COBライト50の外周側に配置される突起部4Dを有する。突起部4Dは、COBライト50よりも前方に突出する。突起部4Dは、実質的に環状である。突起部4Dは、アンビルシャフト部10Cを囲むように設けられる。突起部4Dは、光学部材57の外周側に配置される。前後方向において、光透過部57Cの出射面57Fは、突起部4Dの前端面と同じ位置に配置される。すなわち、出射面57Fと突起部4Dの前端面とは、面一である。なお、前後方向において、光透過部57Cの出射面57Fは、突起部4Dの前端面よりも後側に配置されてもよい。
【0123】
突起部4Dの内周側のハンマケース4に溝4Eが設けられる。溝4Eは、ハンマケース4の前端部から後方に窪むように設けられる。径方向において、溝4Eは、前側筒部4Bと突起部4Dとの間に設けられる。溝4Eは、アンビルシャフト部10Cを囲むように設けられる。
【0124】
COBライト50は、溝4Eの内側に配置される。光学部材57の少なくとも一部は、溝4Eの内側に配置される。光透過部57Cは、溝4Eの内側に配置される。外筒部57A及び内筒部57Bのそれぞれは、溝4Eの内側に配置される。内周側凸部57Gは、溝4Eの前端部よりも前側に配置される。
【0125】
スナップリング16は、前側筒部4Bに設けられたスナップリング溝4Fに配置される。スナップリング溝4Fは、突起部4Dの前端面及び光透過部57Cの出射面57Fよりも前側に設けられる。スナップリング16は、光学部材57を前側から支持する。実施形態において、スナップリング16は、内周側凸部57Gを前側から支持する。
【0126】
ストッパ部57Hは、スナップリング16の端部を支持する。スナップリング16は、2つの端部を有する。スナップリング16の左側の端部は、2つのストッパ部57Hのうち左側のストッパ部57Hに支持される。スナップリング16の右側の端部は、2つのストッパ部57Hのうち右側のストッパ部57Hに支持される。スナップリング16の左側の端部は、左側のストッパ部57Hの左面に接触する。スナップリング16の右側の端部は、右側のストッパ部57Hの右面に接触する。ストッパ部57Hにより、光学部材57に対してスナップリング16が相対回転することが抑制される。
【0127】
COBライト50の後方に緩衝部材80が配置される。実施形態において、緩衝部材80は、スポンジリングである。緩衝部材80は、COBライト50の後面とハンマケース4との間に配置される。緩衝部材80の後面は、ハンマケース4の環状部4Cの前面に接触する。緩衝部材80の前面は、COBライト50の基板51の後面に接触する。緩衝部材80は、圧縮された状態で、COBライト50の後面とハンマケース4との間に配置される。上述のように、基板51と光学部材57とは、接着剤により固定される。スナップリング16は、緩衝部材80が圧縮されるように、光学部材57及びCOBライト50を前側から支持する。光学部材57及びCOBライト50は、緩衝部材80とスナップリング16とに前後方向から挟まれる。実施形態において、光学部材57とハンマケース4とは、離れている。COBライト50とハンマケース4とは、離れている。COBライト50及び光学部材57のそれぞれは、緩衝部材80及びスナップリング16を介してハンマケース4に保持される。
【0128】
<ハンマケース及びハウジング>
アンビルシャフト部10Cは、光学部材57よりも内周側に配置される。アンビルベアリング46は、ハンマケース4に保持され、アンビルシャフト部10Cを回転可能に支持する。アンビルベアリング46は、ハンマケース4にインサート成形される。実施形態において、ハンマ47の前側外筒部47Fの前端部は、アンビルベアリング46の後端部よりも前側に配置される。すなわち、前後方向において、ハンマ47の少なくとも一部とアンビルベアリング46とは、オーバーラップする。シール部材17は、前側筒部4Bにより抜け止めされる。
【0129】
図5に示すように、ハンマケース4は、環状部4Cの後面から後方に突出する凸部4Kを有する。外側スリーブ46Aは、外側スリーブ46Aの後端部から径方向外側に延びるフランジ部46Cを有する。前側外筒部47Fの前端部は、凸部4Kの後端部よりも前側に配置される。また、前側外筒部47Fの前端部は、フランジ部46Cの後端部よりも前側に配置される。すなわち、前後方向において、前側外筒部47Fの前端部は、凸部4K及びフランジ部46Cとオーバーラップする。これにより、ハンマ47の慣性力が大きくなる。また、フランジ部46Cがアンビル突起部10Dと当たるので、凸部4Kがアンビル突起部10Dにより削られることが抑制される。また、スナップリング16とシール部材17とが前後方向にオーバーラップする。シール部材17が後方に配置されるので、インパクト工具1の前後方向の寸法が長くなることが抑制される。
【0130】
モータ収容部21は、4つのねじボス部4Hのうち、下側の2つのねじボス部4Hを覆うように配置される。ハウジング2は、光学部材57の凸部57Dを前側から覆うカバー部21Cを有する。COBライト50から射出された光の少なくとも一部が凸部57Dに入射しても、凸部57Dから射出される光は、カバー部21Cに遮られる。すなわち、凸部57Dからの光の漏洩がカバー部21Cにより抑制される。
【0131】
図11に示すように、ハンマケース4は、カバー部21Cの上面21Dと対向する対向面4Jを有する。対向面4Jは、左ハウジング2Lのカバー部21Cの上面21Dに対向する左側の対向面4Jと、右ハウジング2Rのカバー部21Cの上面21Dに対向する右側の対向面4Jとを含む。回転軸AXに直交する面内において、対向面4Jは、左右方向に延びるように設けられる。回転軸AXに直交する面内において、対向面4Jは、直線状である。図10に示すように、ハウジング2は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとを含む。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとを結合する場合、上面21Dと対向面4Jとを接触させることにより、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとを位置合わせすることができる。これにより、対向面4Jを用いて左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとを円滑に固定することができる。
【0132】
<使用方法>
作業者によりトリガレバー14が操作されると、モータ6が起動するとともに、COBライト50のLEDチップ52から光が射出される。COBライト50から射出される光の光度は高く、作業対象を明るく照らすことができる。
【0133】
一方、LEDチップ52から射出された光の少なくとも一部が外筒部57Aを透過した場合、外筒部57Aの外周面から射出された光が作業者の眼に入射すると、作業者は、眩しさを感じ、その結果、作業対象を視認し難くなる可能性がある。実施形態においては、外筒部57Aの外周面から射出された光は、突起部4Dにより遮られる。突起部4Dにより、作業者が眩しさを感じることが抑制される。
【0134】
また、例えばインパクト工具1が落下しても、COBライト50は、ハンマケース4の突起部4Dで保護される。これにより、COBライト50の破損が抑制され、COBライト50の発光性能の低下が抑制される。
【0135】
<効果>
以上説明したように、実施形態において、インパクト工具1は、モータ6と、モータ6により回転されるハンマ47と、ハンマ47により回転方向に打撃されるアンビル10と、ハンマ47を収容するハンマケース4と、アンビル10の前端側を照射するCOBライト50と、を備える。ハンマケース4に溝4Eが設けられる。COBライト50は、溝4Eに配置される。
【0136】
上記の構成では、COBライト50が溝4Eに配置されるので、COBライト50から前側に射出された光は、作業対象に照射され、COBライト50から外周側に射出された光は、ハンマケース4に遮られる。これにより、COBライト50から射出された光が作業者の眼に入射することが抑制される。そのため、作業者が眩しさを感じることが抑制される。したがって、作業者が作業対象を視認し難くなることが抑制される。
【0137】
実施形態において、溝4Eは、ハンマケース4の前端部から後方に窪むように設けられる。
【0138】
上記の構成では、COBライト50から前側に射出された光は、ハンマケース4の前側の作業対象に照射される。
【0139】
実施形態において、溝4Eは、アンビル10を囲むように設けられる。
【0140】
上記の構成では、溝4Eが環状に設けられる。
【0141】
実施形態において、インパクト工具1は、COBライト50よりも前側に配置される光透過部57Cを有する光学部材57を備える。光学部材57の少なくとも一部は、溝4Eに配置される。
【0142】
上記の構成では、COBライト50から前側に射出された光は、光学部材57の光透過部57Cを介してハンマケース4の前側の作業対象に照射される。光学部材57が溝4Eに配置されるので、光学部材57から前側に射出された光は、作業対象に照射され、光学部材57から外周側に射出された光は、ハンマケース4に遮られる。
【0143】
実施形態において、光透過部57Cは、溝4Eに配置される。
【0144】
上記の構成では、光透過部57Cが溝4Eの内側に配置されるので、光学部材57から前側に射出された光は、作業対象に照射され、光学部材57から外周側に射出された光は、ハンマケース4に遮られる。
【0145】
実施形態において、光学部材57は、COBライト50の外周側に配置される外筒部57Aと、COBライト50の内周側に配置される内筒部57Bと、を有する。外筒部57A及び内筒部57Bのそれぞれは、溝4Eに配置される。
【0146】
上記の構成では、光学部材57は、COBライト50を囲むように配置される。
【0147】
実施形態において、インパクト工具1は、モータ6と、モータ6により回転されるハンマ47と、ハンマ47により回転方向に打撃されるアンビル10と、ハンマ47を収容するハンマケース4と、アンビル10の先端側を照射するCOBライト50と、を備える。COBライト50は、ハンマケース4に保持される。ハンマケース4は、COBライト50の外周側に配置される突起部4Dを有する。
【0148】
上記の構成では、例えばインパクト工具1が落下しても、COBライト50は、ハンマケース4の突起部4Dで保護される。これにより、COBライト50の破損が抑制され、COBライト50の発光性能の低下が抑制される。
【0149】
実施形態において、突起部4Dは、COBライト50よりも前方に突出する。
【0150】
上記の構成では、COBライト50は、突起部4Dで十分に保護される。
【0151】
実施形態において、突起部4Dは、アンビル10を囲むように設けられる。
【0152】
上記の構成では、突起部4Dが環状に設けられる。
【0153】
実施形態において、COBライト50は、基板51と、基板51の前面に搭載されるLEDチップ52と、を有する。基板51は、アンビル10を囲むように設けられる。
【0154】
上記の構成では、環状のCOBライト50がインパクト工具1に設けられる。
【0155】
実施形態において、インパクト工具1は、COBライト50よりも前側に配置される光透過部57Cを有する光学部材57を備える。突起部4Dは、光学部材57の外周側に配置される。
【0156】
上記の構成では、COBライト50及び光学部材57のそれぞれが突起部4Dで保護される。
【0157】
実施形態において、光透過部57Cの出射面57Fは、突起部4Dの前端面と同じ位置又は突起部4Dの前端面よりも後側に配置される。
【0158】
上記の構成では、光学部材57は、突起部4Dで十分に保護される。
【0159】
実施形態において、アンビル10は、光学部材57よりも内周側に配置されるアンビルシャフト部10Cを有する。ハンマケース4は、アンビルシャフト部10Cの周囲に配置される前側筒部4Bを有する。インパクト工具1は、前側筒部4Bに設けられたスナップリング溝4Fに配置されるスナップリング16を備える。スナップリング16は、光学部材57を前側から支持する。
【0160】
上記の構成では、光学部材57及びCOBライト50がハンマケース4から前方に抜けることが抑制される。スナップリング16は、光学部材57及びCOBライト50が前方に抜けることを抑制する抜け止め部材として機能する。
【0161】
実施形態において、光学部材57は、光透過部57Cよりも内周側に配置され、光透過部57Cの出射面57Fよりも前側に配置される内周側凸部57Gを有する。スナップリング16は、内周側凸部57Gを支持する。
【0162】
上記の構成では、スナップリング溝4Fに配置されるスナップリング16で、光学部材57が前側から安定して支持される。
【0163】
実施形態において、光学部材57は、スナップリング16の端部を支持するストッパ部57Hを有してもよい。
【0164】
上記の構成では、スナップリング16がハンマケース4及び光学部材57に対して回転することが抑制される。ストッパ部57Hは、スナップリング16の回転を抑制する回り止め部材として機能する。
【0165】
実施形態において、インパクト工具1は、COBライト50の後面とハンマケース4との間に配置される緩衝部材80を備える。
【0166】
上記の構成では、例えばインパクト工具1が落下したときにCOBライト50に加わる衝撃が緩和される。COBライト50は、緩衝部材80とスナップリング16とに前後方向から挟まれるので、COBライト50とハンマケース4との相対位置が変化することが抑制される。
【0167】
実施形態において、光学部材57は、光透過部57Cよりも下方に配置される凸部57Dを有する。インパクト工具1は、ハンマケース4の後部に固定され、モータ6を収容するハウジング2を備える。ハウジング2は、凸部57Dを前側から覆うカバー部21Cを有する。
【0168】
上記の構成では、COBライト50に接続されるリード線は、凸部57Dに支持される。凸部57Dは、カバー部21Cにより保護される。また、COBライト50から射出された光の少なくとも一部が凸部57Dに入射しても、凸部57Dから射出される光は、カバー部に21C遮られる。
【0169】
実施形態において、ハンマケース4は、カバー部21Cの上面21Dと対向する対向面4Jを有する。対向面4Jは、左右方向に延びるように設けられる。
【0170】
上記の構成では、ハウジング2が、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとからなる、所謂、半割れハウジングの場合、対向面4Jを用いて左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとを円滑に固定することができる。
【0171】
実施形態において、インパクト工具1は、ハンマケース4の後部にねじ5で固定され、モータ6を収容するハウジング2を備える。ハンマケース4は、ねじ5に結合されるねじボス部4Hを有する。ハウジング2の少なくとも一部は、ねじボス部4Hを覆うように配置される。
【0172】
上記の構成では、ハンマケース4のねじボス部4Hがハウジング2で保護される。また、ハウジング2のグリップ部22を握った作業者の手がハンマケース4に直に触れることが抑制される。
【0173】
実施形態において、アンビル10は、光学部材57よりも内周側に配置されるアンビルシャフト部10Cを有する。インパクト工具1は、ハンマケース4に保持され、アンビルシャフト部10Cを回転可能に支持するアンビルベアリング46を備える。ハンマ47の前端部は、アンビルベアリング46の後端部よりも前側に配置される。
【0174】
上記の構成では、ハンマケース4とアンビルベアリング46とがオーバーラップするので、インパクト工具1の大型化が抑制される。インパクト工具1の上部の前後方向の長さ(所謂、全長)が短縮される。
【0175】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0176】
図12は、実施形態に係るインパクト工具1Bの上部を示す前方からの斜視図である。図13は、実施形態に係るインパクト工具1Bの上部を示す後方からの斜視図である。図14は、実施形態に係るインパクト工具1Bの上部を側面図である。図15は、実施形態に係るインパクト工具1Bの一部を示す縦断面図である。図16は、実施形態に係るインパクト工具1Bの一部を拡大した縦断面図である。図17は、実施形態に係るインパクト工具1Bの上部を示す横断面図であり、図14のA-A線断面矢視図に相当する。図18は、実施形態に係るインパクト工具1Bの上部を示す横断面図であり、図14のB-B線断面矢視図に相当する。図19は、実施形態に係るインパクト工具1Bの上部を示す前方からの分解斜視図である。図20は、実施形態に係るバンパ90及びライトユニット18を示す後方からの分解斜視図である。図21は、実施形態に係るインパクト工具1Bの上部を前方から見た分解図である。
【0177】
上述の実施形態と同様、インパクト工具1Bは、インパクトレンチである。インパクト工具1Bは、ハウジング2と、リヤカバー3と、ハンマケース104と、ねじ5と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、トリガレバー14と、正逆転切換レバー15と、サークリップ116と、シール部材17と、ライトユニット18と、バンパ90とを備える。
【0178】
ハンマケース104は、スピンドル8を収容する。ハンマケース104は、打撃機構9を収容する。上述の実施形態と同様、打撃機構9は、モータ6よりも前側に配置される。打撃機構9は、モータ6により駆動する。ハンマケース104は、アンビル10の一部を収容する。ハンマケース104は、金属製である。実施形態において、ハンマケース104は、アルミニウム製である。ハンマケース104は、筒状である。
【0179】
ハンマケース104は、後側筒部4Aと、前側筒部4Bと、環状部4Cと、突起部4Dと、溝4Eと、ねじボス部4Hと、バンパ溝4Lと、サークリップ溝4Mとを含む。打撃機構9は、後側筒部4Aに収容される。前側筒部4Bは、後側筒部4Aよりも前側に配置される。後側筒部4Aの外径は、前側筒部4Bの外径よりも大きい。後側筒部4Aの内径は、前側筒部4Bの内径よりも大きい。環状部4Cは、後側筒部4Aの前端部と前側筒部4Bの後端部とを繋ぐように配置される。突起部4Dは、環状部4Cの外縁部から前方に突出する。回転軸AXに直交する面内において、突起部4Dは、環状である。
【0180】
ハンマケース104は、ハウジング2のモータ収容部21の前部に接続される。モータ収容部21は、ハンマケース104の後部を収容する。モータ収容部21は、ハンマケース104の後部にねじ5で固定される。ねじ5は、ねじボス部2Hの後方からねじボス部2Hに設けられている開口に挿入された後、ねじボス部4Hに設けられているねじ孔に挿入される。ねじボス部2H及びねじボス部4Hのそれぞれは、周方向に4つ設けられる。ねじ5は、周方向に4本設けられる。
【0181】
リヤカバー3をモータ収容部21に固定するねじ3Sがリヤカバー3の後方から締められる。モータ収容部21をハンマケース104に固定するねじ5がねじボス部2Hの後方から締められる。後方から6本の全てのねじ(2本のねじ3S及び4本のねじ5)が締められるため、インパクト工具1Bの組立作業性が良化される。インパクト工具1Bを組み立てる組立者は、インパクト工具1Bの向きを変えることなく、後方から6本の全てのねじ(2本のねじ3S及び4本のねじ5)を締めることができる。
【0182】
ねじボス部2Hは、回転軸AXの左上、左下、右上、及び右下のそれぞれに設けられる。ねじボス部4Hは、回転軸AXの左上、左下、右上、及び右下のそれぞれに設けられる。ねじボス部4Hは、左上及び右上のねじボス部4Haと、左下及び右下のねじボス部4Hbとを含む。モータ収容部21の前部は、ハンマケース104の表面の少なくとも一部を覆う。モータ収容部21の前部は、少なくとも左下のねじボス部4Hbの表面及び右下のねじボス部4Hbの表面を覆う。上下方向において、ハンマケース104の表面を覆うモータ収容部21の上端部2Aは、ハンマケース104の中央部よりも上方に配置される。前後方向において、ハンマケース104の表面を覆うモータ収容部21の前端部2Bは、バンパ90の後端部よりも前側に配置される。すなわち、モータ収容部21は、バンパ90の一部を覆う。正逆転切換レバー15は、モータ収容部21の下部に設けられている開口2Cの内側に配置される。
【0183】
図12図13図14図17図18に示すように、モータ収容部21は、左上のねじボス部4Haの表面及び右上のねじボス部4Haの表面を覆わない。なお、モータ収容部21は、左上のねじボス部4Haの表面及び右上のねじボス部4Haの表面を覆ってもよい。
【0184】
例えばスピンドル8の回転及び打撃機構9の作動等に起因して、ハンマケース104が加熱する可能性がある。左下のねじボス部4Hbの表面及び右下のねじボス部4Hbの表面を含むハンマケース104の下部の表面がモータ収容部21で覆われるので、作業者が正逆転切換レバー15やトリガレバー14を操作するときに、作業者の手がハンマケース104に直接触れることが抑制される。
【0185】
スピンドル8は、モータ6の回転力により回転する。打撃機構9は、スピンドル8の回転力に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。アンビル10は、モータ6の回転力により作動するインパクト工具1Bの出力部である。
【0186】
アンビル10のアンビルシャフト部10Cは、アンビルベアリング146に回転可能に支持される。アンビルベアリング146は、滑り軸受の一種であるオイルレスベアリングである。アンビルベアリング146は、鉄製である。アンビルベアリング146は、筒状である。
【0187】
実施形態において、アンビルベアリング146は、ブッシュ81を介してハンマケース104の前側筒部4Bに保持される。ブッシュ81は、鉄製である。ブッシュ81は、インサート成形によりハンマケース104に固定される。
【0188】
ブッシュ81は、前側筒部4Bの内側に配置される筒部81Aと、筒部81Aの後端部から径方向外側に延びるフランジ部81Bとを有する。筒部81Aは、前側筒部4Bの内周面に固定される。フランジ部81Bは、環状部4Cの後面に固定される。実施形態において、前側筒部4Bは、前側筒部4Bの内周面から径方向内側に突出する凸部4Nを有する。凸部4Nによるフック効果により、ブッシュ81と前側筒部4Bとは強固に固定される。
【0189】
インサート成形によりハンマケース104にブッシュ81が設けられた後、アンビルベアリング146は、ブッシュ81の筒部81Aの内側に圧入される。上述のように、ハンマケース104は、アルミニウム製であり、ブッシュ81は、鉄製である。ブッシュ81の硬度は、前側筒部4Bの硬度よりも高い。アンビルベアリング146は、硬度が高いブッシュ81に圧入されるので、アンビルベアリング146は、ブッシュ81に強固に固定される。アンビルベアリング146の前後方向の寸法が短くても、アンビルベアリング146は、ブッシュ81に強固に固定される。
【0190】
なお、ブッシュ81は、インサート成形とは別の手法によりハンマケース104に固定されてもよい。ブッシュ81の表面がローレット加工又はセレーション加工された後、ブッシュ81が前側筒部4Bに固定されてもよい。
【0191】
フランジ部81Bは、環状部4Cの後面を保護する。アンビル突起部10Dの前面が環状部4Cの後面に接触する可能性がある。環状部4Cの後面にフランジ部81Bが設けられることにより、アンビル突起部10Dの前面は、環状部4Cの後面に当たる前に、アンビル突起部10Dに当たる。これにより、環状部4Cの後面の摩耗が抑制される。
【0192】
ライトユニット18は、ハンマケース104の前部に配置される。ライトユニット18は、環状である。ライトユニット18は、前側筒部4Bの周囲に配置される。ライトユニット18は、前側筒部4Bを介してアンビルシャフト部10Cの周囲に配置される。
【0193】
上述の実施形態と同様、ライトユニット18は、COBライト50と、光学部材57とを有する。光学部材57の少なくとも一部は、COBライト50よりも前方に配置される。光学部材57は、外筒部57Aと、内筒部57Bと、光透過部57Cとを有する。外筒部57Aは、COBライト50の外周側に配置される。内筒部57Bは、COBライト50の内周側に配置される。光透過部57Cは、COBライト50よりも前側に配置される。COBライト50から射出された光は、光透過部57Cを通過して、ライトユニット18の前方に照射される。COBライト50の後方に緩衝部材80が配置される。
【0194】
ハンマケース104の突起部4Dは、COBライト50の外周側に配置される。突起部4Dは、COBライト50よりも前方に突出する。突起部4Dは、実質的に環状である。突起部4Dは、光学部材57の外周側に配置される。光透過部57Cの前面は、突起部4Dの前端面よりも後側に配置される。
【0195】
突起部4Dの内周側のハンマケース104に溝4Eが設けられる。溝4Eは、ハンマケース104の前部に設けられる。回転軸AXに直交する面内において、溝4Eは、環状である。溝4Eは、ハンマケース104の前端部から後方に窪むように設けられる。径方向において、溝4Eは、前側筒部4Bと突起部4Dとの間に設けられる。溝4Eは、アンビルシャフト部10Cを囲むように設けられる。ライトユニット18は、溝4Eの内側に配置される。
【0196】
サークリップ116は、前側筒部4Bに設けられたサークリップ溝4Mに配置される。サークリップ溝4Mは、光透過部57Cの前面よりも前側に設けられる。サークリップ116は、光学部材57を前側から支持する。サークリップ116は、光透過部57Cの前面の径方向内縁部に接触する。
【0197】
バンパ90は、ハンマケース104の表面の前端部を覆うように配置される。バンパ90は、環状である。バンパ90は、ライトユニット18の径方向外側に配置される。バンパ90は、ライトユニット18を保護する。バンパ90は、ハンマケース104の少なくとも一部を保護する。
【0198】
前後方向において、ライトユニット18の位置とバンパ90の少なくとも一部の位置とは、同じである。すなわち、軸方向において、バンパ90は、ライトユニット18にオーバーラップする。
【0199】
また、前後方向において、ライトユニット18の位置とアンビルベアリング146の少なくとも一部の位置とは、同じである。すなわち、軸方向において、アンビルベアリング146は、ライトユニット18にオーバーラップする。
【0200】
バンパ90は、エラストマー製である。バンパ90を形成するエラストマーは、熱可塑性エラストマーでもよいし、熱硬化性エラストマーでもよい。バンパ90のゴム硬度は、100Hs JIS-A以下である。
【0201】
バンパ90は、突起部4Dの外周面及び突起部4Dの前端面を覆うように配置される。バンパ90は、突起部4Dの外周面を覆う筒状部91と、突起部4Dの前端面を覆う環状部92と、筒状部91の内周面から径方向内側に突出する凸部93とを有する。回転軸AXに直交する面内において、凸部93は、環状である。
【0202】
突起部4Dの外周面にバンパ溝4Lが設けられる。バンパ溝4Lは、回転軸AXを囲むように設けられる。凸部93は、突起部4Dの外周面に設けられたバンパ溝4Lに挿入される。
【0203】
前後方向において、バンパ90の後端部は、ハンマ47の前端部よりも前側に配置される。
【0204】
図19に示すように、ハンマケース104の前端部の下部にスリット105が設けられる。ライトユニット18の光学部材57の凸部57Dは、スリット105に嵌る。凸部57Dがスリット105に嵌ることにより、ハンマケース104に対するライトユニット18の相対回転が抑制される。
【0205】
図19図20、及び図21に示すように、バンパ90は、筒状部91の下部から下方に突出する突起部94を有する。図21に示すように、突起部94は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとに左右方向から挟まれる。また、モータ収容部21のカバー部21Cは、突起部94を前側から覆う。これにより、バンパ90がハウジング2から前方に抜けたり、ハウジング2に対して相対回転したりすることが抑制される。
【0206】
以上説明したように、実施形態によれば、突起部4Dの周囲にエラストマー製のバンパ90が固定される。バンパ90は、ライトユニット18を保護する。例えばインパクト工具1Bが周囲の物体に当たった場合、バンパ90が物体に当たることにより、バンパ90の弾性力により、物体からライトユニット18に伝わる衝撃が緩和される。これにより、ライトユニット18の発光性能の低下が抑制される。
【0207】
<変形例>
以下、本実施形態に係るインパクト工具1Bの変形例について説明する。
【0208】
上述の実施形態において、バンパ90は、光学部材97よりも径方向外側に配置されることとした。バンパ90の前端部が光学部材97の前面の外縁部に対向してもよい。バンパ90が、ライトユニット18が溝4Eの内側から前方に移動することを抑制する抜け止め部材として機能してもよい。
【0209】
上述の実施形態において、バンパ90は、突起部4Dの周囲に配置されることとした。バンパ90の後端部は、ハンマ47の前端部よりも前側に配置されることとした。バンパ90の後端部は、ハンマ47の前端部よりも後側にはいちされてもよい。バンパ90は、ハンマケース104の表面の全部を覆ってもよい。
【0210】
上述の実施形態において、バンパ90は、ハンマケース104に対して交換可能である。相互に色が異なる複数のバンパ90が存在する場合、第1のインパクト工具に第1の色のバンパ90が装着され、第1のインパクト工具に第2の色のバンパ90が装着されてもよい。作業者は、バンパ90の色により複数のインパクト工具を識別することができる。
【0211】
上述の実施形態において、バンパ90の少なくとも一部が蓄光材料で形成されてもよい。バンパ90の少なくとも一部が蓄光材料で形成されることにより、例えば夜間においても、作業者は、インパクト工具1Bを識別することができる。
【0212】
図22は、変形例に係るインパクト工具1Bの一部を拡大した縦断面図である。図22に示すように、ハンマケース104において、突起部4Dが省略されてもよい。バンパ90は、ライトユニット18を径方向外側から直接支持してもよい。バンパ90がライトユニット18の光学部材57の外筒部57Aに接触してもよい。
【0213】
また、図22に示すように、ブッシュ81のフランジ部81Bの後面に凹部81Cが設けられてもよい。凹部81Cに潤滑油が収容されてもよい。潤滑油により、アンビル突起部10Dの前面とフランジ部81Bの後面とが接触したときの摺動抵抗が低減される。
【0214】
なお、図22に示す例において、バンパ90と光学部材57とが一体成型されてもよい。
【0215】
上述の実施形態において、バンパ90は、接着剤によりハンマケース104に固定されてもよい。バンパ90は、ねじ又はリベットのような固定用部品でハンマケース104に固定されてもよい。
【0216】
上述の実施形態において、ハンマケース104とバンパ90とが一体成型されてもよい。バンパ90がインサート成形によりハンマケース104に固定されてもよい。
【0217】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、溝4Eは、環状でなくてもよく、アンビルシャフト部10Cの周囲に間隔をあけて複数設けられてもよい。複数の溝4Eのそれぞれに、チップ状のCOBライト及び光学部材が配置されてもよい。
【0218】
上述の実施形態において、ライト50がCOBライトであることとした。ライト50は、COBライトでなくてもよい。ライト50は、基板と基板に搭載された発光素子とを有していればよい。
【0219】
上述の実施形態においては、インパクト工具1がインパクトレンチであることとした。インパクト工具1は、インパクトドライバでもよい。
【0220】
上述の実施形態において、インパクト工具1の電源は、バッテリパック25でなくてもよく、商用電源(交流電源)でもよい。
【符号の説明】
【0221】
1…インパクト工具、1B…インパクト工具、2…ハウジング、2A…上端部、2B…前端部、2C…開口、2H…ねじボス部、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、2S…ねじ、3…リヤカバー、3S…ねじ、4…ハンマケース、4A…後側筒部、4B…前側筒部、4C…環状部、4D…突起部、4E…溝、4F…スナップリング溝、4H…ねじボス部、4Ha…ねじボス部、4Hb…ねじボス部、4J…対向面、4K…凸部、4L…バンパ溝、4M…サークリップ溝、4N…凸部、5…ねじ、6…モータ、7…減速機構、8…スピンドル、8A…フランジ部、8B…スピンドルシャフト部、8C…円環部、8D…スピンドル溝、8E…凸部、8F…グリス溝、9…打撃機構、10…アンビル(出力部)、10B…凹部、10C…アンビルシャフト部、10D…アンビル突起部、11…ボール、12…ファン、12A…ブッシュ、13…バッテリ装着部、14…トリガレバー、15…正逆転切換レバー、16…スナップリング、17…シール部材、18…ライトユニット、19…吸気口、20…排気口、21…モータ収容部、21C…カバー部、21D…上面、22…グリップ部、23…バッテリ保持部、24…ベアリングボックス、25…バッテリパック、26…ステータ、27…ロータ、28…ステータコア、29…前インシュレータ、29S…ねじ、30…後インシュレータ、31…コイル、32…ロータコア部、33…ロータシャフト部、34…ロータ磁石、35…センサ磁石、37…センサ基板、38…ヒュージング端子、39…ロータベアリング、40…ロータベアリング、41…ピニオンギヤ、42…プラネタリギヤ、42P…ピン、43…インターナルギヤ、44…スピンドルベアリング、45…ワッシャ、46…アンビルベアリング、46A…外側スリーブ、46B…内側スリーブ、46C…フランジ部、47…ハンマ、47A…ハンマ溝、47B…ハンマ突起部、47C…凹部、47D…ボディ部、47E…後側外筒部、47F…前側外筒部、47G…内筒部、47H…ボール溝、48…ボール、49…コイルスプリング、49A…第1コイルスプリング、49B…第2コイルスプリング、50…チップオンボード発光ダイオード(COB)、51…基板、51A…円環部、51B…支持部、52…LEDチップ(発光素子)、54…バンク、55…蛍光体、57…光学部材、57A…外筒部、57B…内筒部、57C…光透過部、57D…凸部、57E…入射面、57F…出射面、57G…内周側凸部、57H…ストッパ部、57J…凹部、80…緩衝部材、81…ブッシュ、81A…筒部、81B…フランジ部、81C…凹部、90…バンパ、91…筒状部、92…環状部、93…凸部、94…突起部、104…ハンマケース、105…スリット、116…サークリップ、146…アンビルベアリング、180…リード線、AX…回転軸。
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