(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007958
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240112BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109418
(22)【出願日】2022-07-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】521233231
【氏名又は名称】株式会社AGRI SMILE
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】林 大祐
(72)【発明者】
【氏名】大堂 由紀子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】資材の効果を適切に評価する。
【解決手段】プログラムは、情報処理装置に、非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材を与えられた植物から、植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目の測定値を取得すること、取得された各因子項目の各測定値に各重みを用いて重み付けすること、各重みにより重み付けされた各測定値を、資材の評価に関する関数に入力して資材の評価値を算出すること、を実行させる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、
非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材を与えられた植物から、当該植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目の測定値を取得すること、
取得された各因子項目の各測定値に各重みを用いて重み付けすること、
前記各重みにより重み付けされた各測定値を、前記資材の評価に関する関数に入力して前記資材の評価値を算出すること、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記各因子項目は、前記植物の表現型、栄養吸収された元素、刺激応答に対するホルモン解析、及び発現した遺伝子の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記各因子項目は、土壌化学性解析、土壌物理性解析、土壌菌叢解析、ストレス耐性、代謝物分析の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記各因子項目は、細分化により複数の項目に分類され、項目ごとに重みが付与される請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記植物に対してそれぞれ異なる複数の資材が与えられた場合、
前記算出することは、前記植物に対する各資材の評価値を算出することを含み、
前記情報処理装置に、
各資材の評価値を用いて前記各資材を分類することをさらに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記分類することは、分類に関するリクエストに応じて、前記リクエストに含まれる条件に対応する評価値を有する資材を分類することを含む、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記分類することは、前記各資材の原料種別ごとに前記評価値を用いて分類することを含む、請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記情報処理装置に、
前記資材の評価値がレコメンドに関する所定条件を満たす場合、当該資材に関する情報とレコメンド情報とを出力することをさらに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材を与えられた植物から、当該植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目の測定値を取得すること、
取得された各因子項目の各測定値に各重みを用いて重み付けすること、
前記各重みにより重み付けされた各測定値を、前記資材の評価に関する関数に入力して前記資材の評価値を算出すること、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材を与えられた植物から、当該植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目の測定値を取得する取得部と、
取得された各因子項目の各測定値に各重みを用いて重み付けする重み付け部と、
前記各重みにより重み付けされた各測定値を、前記資材の評価に関する関数に入力して前記資材の評価値を算出する算出部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バイオスティミュラントと呼ばれ得る、植物の非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を持つ資材があり、この資材を植物に与え、植物の生育を促進し、農作物の収量又は品質の向上を図る試みがなされている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、植物に与えた資材を評価することが困難であった。例えば、使用する栽培環境や植物の生理周期の条件によって、適切な資材濃度や散布方法が異なるにもかかわらず、資材の作用の解明がなされておらず、資材を与えても生産現場での実利用時に効果が出ない場合が生じている。
【0005】
そこで、本開示の技術は、資材の効果を適切に評価する新たな仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプログラムは、情報処理装置に、非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材を与えられた植物から、当該植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目の測定値を取得すること、取得された各因子項目の各測定値に各重みを用いて重み付けすること、前記各重みにより重み付けされた各測定値を、前記資材の評価に関する関数に入力して前記資材の評価値を算出すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、資材の効果を適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】本開示における各因子項目情報(その1)の一例を示す図である。
【
図5】本開示における各因子項目情報(その2)の一例を示す図である。
【
図6】本開示における各因子項目の重み付け、評価値算出(ケース1)の一例を示す図である。
【
図7】本開示における各因子項目の重み付け、評価値算出(ケース2)の一例を示す図である。
【
図8】本開示における格付けの一例を示す図である。
【
図9】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の評価処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の格付け処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、開示技術の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
[実施形態]
<システム>
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すとおり、情報処理システム1は、情報処理装置10と、各情報処理装置20A、20B、20C、20D(以下、「各情報処理装置20」とも表記する。)とを含み、各情報処理装置10、20は、ネットワークNを介して相互にデータの送受信が可能である。
【0011】
ここで、本開示の技術において評価の対象とする資材について説明する。評価対象の資材は、バイオスティミュラント(以下、「BS」ともいう。)とも呼ばれる農業資材であり、植物や土壌により良い生理状態をもたらす様々な物質や微生物を含む生物刺激剤である。この資材は、植物やその周辺環境が本来持つ自然な力を活用することにより、植物の健全さ、ストレスへの耐性、収量と品質、収穫後の状態及び貯蔵などについて、植物に良好な影響を与える可能性があるものである。
【0012】
BSは通常、天然成分であったり、動植物由来の抽出物であったり、微生物起源の代謝産物などから作られる。BSはこれらの単体または複合物でもよい。また、BSは、農薬等と異なり、非生物的ストレスを緩和する効果のある資材を含む。
【0013】
BSの効果としては、例えば、活性酸素の抑制、光合成の活性化、開花・着果の促進、蒸散のコントロール、浸透圧の調節、根圏環境の改善、根量の増加・根の活性向上、などがあげられるが、全ての効果を有するというわけではない。
【0014】
次に、
図1に示す情報処理システム1により実現される、植物に与えられるBSの効果を評価する手法の概要について説明する。例えば、本開示の評価手法は、植物の生理機能の視点から、生物刺激の因子になり得る項目を用いて、その項目の影響度による重み付けを行って、資材の効果を評価する指標を求める。
【0015】
これにより、BSのような資材であって、その作用機序が解明されておらず、その効果も試してみないと分からないという資材について、生物刺激の因子になり得る因子項目を用いて、その因子項目の影響度による重み付けを行うことにより、資材の効果を適切に評価することが可能になる。
【0016】
上述した
図1に示す各情報処理装置10、20は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯端末、タブレット端末、サーバ装置などであり、それぞれ第nの情報処理装置(n=1,2,3・・・)と表記し、それぞれを区別してもよい。
【0017】
また、情報処理装置10は、資材の各因子項目の測定値(解析値を含む)を入力され又は受信して取得し、資材の評価値を算出したり、資材の効果を基にグループ分けしたり、資材に格付けを行ったりする。情報処理装置20は、資材の因子項目に対して測定又は解析を行って測定値を取得し、この測定値を画面に表示したり、情報処理装置10に送信したりする。また、情報処理装置10は、情報処理装置20が処理する各因子項目に対する解析や測定を行ってもよい。
【0018】
<構成>
図2は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。
図3は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置20の構成の一例を示す図である。以下では、非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材の評価指標の具体例を用いて、各装置の処理について説明する。
【0019】
情報処理装置10は、1つ又は複数のプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)110、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース120、メモリ130、ユーザインタフェース150及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0020】
ユーザインタフェース150は、ディスプレイ、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を含むが、必ずしも情報処理装置10に設けられる必要はなく、設けられる場合は外部装置として接続されてもよい。
【0021】
メモリ130は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、メモリ130は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。
【0022】
また、メモリ130は、プログラム等を記憶した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、メモリ130は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0023】
また、メモリ130の他の例として、プロセッサ110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、メモリ130はプロセッサ110により実行されるプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0024】
メモリ130は、情報処理システム1により用いられるデータを記憶する。例えば、メモリ130は、資材に関する情報や、植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目や、各因子項目の測定値や、資材を評価するのに用いる関数や、各資材の評価値や、評価値を用いて資材を分類するための基準や、格付けの基準などの情報を記憶する。
【0025】
プロセッサ110は、メモリ130に記憶されるプログラムを実行することで、制御部112、取得部113、重み付け部114、算出部115、分類部116、出力部117、設定部118を構成する。
【0026】
制御部112は、資材の評価に関する処理を制御する。制御部112は、取得部113、重み付け部114、算出部115、分類部116、出力部117、設定部118の処理を制御する。
【0027】
取得部113は、非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材(例、BS)を与えられた植物から、この植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目の測定値を取得する。例えば、取得部113は、各情報処理装置20により、各因子項目のデータを測定又は解析する処理が行われ、この処理で求められた測定値を、ネットワーク通信インタフェース120を介して取得してもよい。また、実際に植物を測定するなどして求められる因子項目の場合、ユーザインタフェース150を介して、ユーザ等により測定値が入力されることで、取得部113は、入力された測定値を取得してもよい。
【0028】
重み付け部114は、取得部113により取得された各因子項目の各測定値に対し、各重みを用いて重み付けする。例えば、各因子項目に対して優先度に基づき重みが設定される。優先度は、例えば、BSの収量への影響の度合い、植物の成長や刺激としての影響の度合い、植物生理の作用する順序などに基づいて、各因子項目に重みが付与される。
【0029】
算出部115は、重み付け部114により、各重みが重み付けされた各測定値を、BSなどの資材の評価に関する関数に入力して資材の評価値を算出する。例えば、算出部115は、重み付けされた各測定値の総和を資材の評価値Eとして求めてもよい(式1)。
E=Σwi×si ・・・式1
i:因子項目
wi:因子項目iの重み
si:因子項目iの測定値
【0030】
算出部115は、例えば、資材に対する各因子項目の測定値のデータが所定値以上集まった場合には、各因子項目の測定値を入力して評価値を予測する機械学習モデルを用いて、評価値を求めるようにしてもよい。一例として、算出部115は、各因子項目の測定値とアノテーションされた評価値とを含む訓練データを用いて教師あり学習を行った学習済みモデルを用いることで、評価値を算出するようにしてもよい。また、算出部115は、評価値の一例として標準偏差を算出してもよい。
【0031】
出力部117は、算出部115により算出された評価値を、資材に関連付けて表示されるように、ディスプレイなどに表示されるよう出力してもよい。
【0032】
以上の処理により、BSのような資材による生物刺激の因子になり得る因子項目の測定値を用いて、その因子項目の影響度による重み付けを行うことにより、資材の効果を適切に評価することが可能になる。また、以上の処理により、BSのような非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材に対して、効果が測定できない又は分かりにくいなどの問題を解決するための適切な評価指標を提供することが可能になる。
【0033】
また、各因子項目は、植物の表現型、栄養吸収された元素、刺激応答に対するホルモン解析、及び発現した遺伝子の少なくとも1つを含んでもよい。これらの因子項目は、実験室等で解析又は測定可能な各因子項目である。なお、実験室にかかる各因子項目については、
図4を用いて後述する。
【0034】
また、各因子項目は、土壌化学性解析、土壌物理性解析、土壌菌叢解析、ストレス耐性、代謝物分析の少なくとも1つを含んでもよい。これらの因子項目は、実際の圃場において取得される土壌を現地のセンサで、又は持ち帰って試験室等で解析又は測定可能な各因子項目である。実圃場にかかる各因子項目については、
図5を用いて後述する。なお、評価に用いる各因子項目は、実験室にかかる各因子項目と、実圃場にかかる各因子項目とを組み合わせてもよい。
【0035】
また、各因子項目は、細分化により複数の項目に分類され、項目ごとに重みが付与されてもよい。例えば、1つの因子項目を、大、中、小などの粒度で分けて、大項目、1つの大項目を1又は複数の中項目、1つの中項目を1又は複数の小項目に分けてもよい。また、大項目、中項目、小項目それぞれに重みが付与されてもよい。例えば、同一の中項目内の各小項目の重みは、各小項目の優先度に基づいて重みが設定されてもよい。これにより、優先度は、収量への影響の度合い、植物の成長や刺激としての影響の度合い、植物生理の作用する順序などに基づいて重みを適切に設定することが可能になる。
【0036】
また、所定の植物に対して、異なる条件でそれぞれ異なる複数の資材が与えられる場合がある。この場合、資材それぞれに対して、各因子項目の測定値が取得部113により取得される。取得部113、重み付け部114、及び算出部115は、資材ごとに、各測定値に対する処理を実行する。最終的に、算出部115は、所定の植物に対する各資材の評価値を算出する。それぞれの資材は、比較の対象とするため同じ環境下で別々に与えられることが好適であるが、異なる場所、異なる時期等の異なる環境下で評価されてもよい。
【0037】
複数の資材それぞれの各因子項目の測定値が取得部113により取得された場合、分類部116は、各資材の評価値を用いて各資材を分類する。例えば、分類部116は、公知のクラスタリングの手法を用いて、評価値が示す資材の効果の度合いによって、各資材を各集合に分類してもよい。また、分類部116は、クラスタリングを行う機械学習モデルを用いて、各評価値を用いて各資材を分類してもよい。
【0038】
以上の処理により、所定の植物に対して、様々な資材が与えられ得る場合に、どの資材が効果的なのかを把握することが可能になる。従前は、資材の効果について、その作用機序が解明されていなかったため、そもそも評価できない又は困難であったが、本開示の技術では、資材に対して評価指標を与えることができるため、効果が類似する資材のグルーピングや、資材ごとの効果の比較などが可能になる。
【0039】
また、分類部116は、各資材の原料種別ごとに、評価値を用いて各資材を分類することを含んでもよい。例えば、資材の主成分の原料種別として、以下のものがある。
1.腐植質、有機酸資材(腐植酸、フルボ酸)
2.海藻および海藻抽出物、多糖類
3.アミノ酸およびペプチド資材
4.微量ミネラル、ビタミン
5.微生物資材(トリコデルマ菌、菌根菌、酵母、枯草菌、根粒菌など)
6.その他(動植物由来機能性成分、微生物代謝物、微生物活性化資材など)
【0040】
例えば、メモリ130は、資材名や資材を識別する情報(資材ID)と、その資材の原料種別情報とを関連付けた資材原料情報を記憶する。分類部116は、分類対象の資材の資材名や資材IDを用いて、資材原料情報を参照して資材の原料種別を特定し、第一段階の分類として、原料種別ごとに資材を分類する。次に、分類部116は、第二段階の分類として、原料種別ごとに、評価値を用いて資材を分類する。これにより、資材の原料種別ごとに、資材の効果に基づいて資材を分類することが可能になり、原料種別ごとに、効果の高い資材を特定したり、推薦したりすることが可能になる。なお、分類部116は、評価値を用いて各資材を分類した後に、分類の集合ごとに、原料種別を用いてさらに資材を分類してもよい。
【0041】
また、取得部113は、ユーザ等から分類に関するリクエストを取得してもよい。分類部116は、このユーザリクエストに含まれる条件に対応する評価値を有する資材を抽出し、分類してもよい。ユーザリクエストは、例えば、上述した資材の原料種別に関する情報や、特定の因子項目に関する情報や、圃場の環境に関する情報などを含む。ユーザリクエストに含まれる条件に対応するか否かは、例えば、条件に含まれる数値の所定範囲内に評価値がある場合、評価値が閾値以上又は閾値未満の場合などに、「対応する」と判断されてもよい。また、条件に含まれる数値は、資材の評価値に関する値以外にも、所定の因子項目に関する値でもよい。
【0042】
例えば、分類部116は、ユーザリクエストに遺伝子解析の項目が含まれる場合、遺伝子解析の項目ごとに、測定値/解析値に重み付けされた値又は評価値を用いて各資材を分類してもよい。遺伝子解析の項目は、例えば、高温ストレス応答、浸透圧ストレス応答、酸化ストレス応答、乾燥ストレス応答、及び傷害ストレス応答を含む。
【0043】
例えば、取得部113は、生産者からの高温ストレスに対する耐性ニーズのユーザリクエストを取得した場合、分類部116は、そのリクエストに応じて、因子項目「高温ストレス応答」の耐性が高い資材(例えば、高温ストレス応答の重み付け値が閾値よりも大きい資材)を分類し、分類した資材をグループ化してもよい。グループ化された資材を含む情報は、出力部117により生産者に向けて出力される。
【0044】
出力部117は、資材の評価値がレコメンドに関する所定条件を満たす場合、この資材に関する情報とレコメンド情報とを出力してもよい。所定条件は、例えば、評価値が閾値を超えることを含む。この場合、出力部117は、算出部115により算出された評価値が所定の閾値を超える場合に、その資材の効果が高いとみなし、その資材をお勧めする情報を出力してもよい。これにより、資材の評価指標を用いて、効果の高い資材を特定し、関係者に対して、効果の高い資材を知らせることなどができるようになる。また、所定条件は、生産者の使用肥料に対する適応性に関する条件でもよい。この場合、レコメンド情報は、生産者が使用する肥料に適応する資材の情報を含むことができる。また、所定条件は、ストレス耐性に関する条件でもよい。例えば、所定のストレス応答に対する解析値と閾値との比較結果によりストレス耐性が判定されてもよい。この場合、レコメンド情報は、所定のストレス応答に対して耐性のある資材の情報を含むことができる。
【0045】
また、設定部118は、評価値を用いて、分類部116により分類された集合ごとに、又は、評価値の標準偏差と閾値との比較結果に基づいて、資材に格付けを行ってもよい。例えば、設定部118は、各資材に対して、効果の程度を示すランクを付与してもよい。これにより、所定の資材に対して評価結果を付与することができる。また、上述したレコメンド情報は、格付けのランクを含んでもよい。
【0046】
以上の処理によれば、本開示の技術を用いて、所定の植物に対する資材の評価指標を与えることができ、その評価指標を用いて資材の効果を知らせることができる。また、適切な評価指標が用いられるため、資材の効果を示すエビデンスとして使用することも可能である。
【0047】
また、情報処理装置10を管理する組織は、既存の資材に対して評価指標を与えることができるため、資材の評価機関として資材の評価サービスを提供することができる。このとき、評価値は、評価結果のエビデンスとして使用され得る。
【0048】
また、本開示の技術によれば、適切な評価指標に基づいて効果の高い資材を特定することが可能であるため、資材の格付けを行うことができる。また、情報処理装置10を管理する組織は、この評価指標を算出する技術的手法にライセンスを与えることも可能である。
【0049】
図3は、開示の一実施形態に係る情報処理装置20の一例を示す図である。情報処理装置20は、1つ又は複数のプロセッサ(例、CPU)210、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース220、メモリ230、ユーザインタフェース250、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス270を含む。
【0050】
ユーザインタフェース250は、ディスプレイ、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を含む。
【0051】
メモリ230は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、メモリ230は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、メモリ230は、プログラム等を記憶した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、メモリ230は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0052】
メモリ230は、情報処理システム1により用いられるデータやプログラムを記憶する。例えば、メモリ230は、情報処理システム1における携帯端末用のアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0053】
プロセッサ210は、メモリ230に記憶されるプログラムを実行することで、設計事務所におけるリソースシェアをクライアント側で制御する制御部212を構成する。例えば、制御部212は、ウェブブラウザ又は評価指標算出に関するアプリケーションなどを含む。
【0054】
ウェブブラウザは、情報処理装置10により提供される評価指標算出プラットフォームのウェブページの閲覧を可能にする。ウェブブラウザは、適宜ウェブページの表示、遷移をし、情報の提供、データの送受信等を行う。例えば、ウェブブラウザは、ウェブページを用いて、ユーザにより設定又は入力された測定値に関する情報を情報処理装置10に送信する。送信される情報は、例えば、所定植物、評価対象資材、各因子項目の測定値などの情報である。
【0055】
また、制御部212は、インストールされたクライアント用の評価指標算出に関するアプリケーションの実行により、評価指標算出プラットフォームが提供する機能の実行を可能にしてもよい。制御部212は、本開示の評価指標算出に関する処理をクライアント側で実行するため、取得部213、解析部214、出力部215を有する。
【0056】
取得部213は、ユーザインタフェース250を用いてユーザにより設定又は入力されたデータ、あるいはセンサ等により各因子項目のセンシングデータを取得する。
【0057】
解析部214は、各測定値に対して所定の解析を行う。所定の解析の一例としてオミクス解析がある。解析部214は、解析の結果、所定の統計手法を用いて有意な測定値を抽出してもよい。
【0058】
出力部215は、解析された、又は有意なデータとして抽出された各因子項目の測定値を、ネットワーク通信インタフェース220を介して情報処理装置10に出力する。なお、解析部214は、情報処理装置10に設けられ、情報処理装置10側で、本開示の評価指標の算出が行われてもよい。
【0059】
<データ例>
図4は、本開示における各因子項目情報(その1)の一例を示す図である。
図4に示す各因子項目情報は、実験室において測定又は解析可能な各因子項目を含む。また、因子項目は、目的(大項目)、種別(中項目)、測定/解析(小項目)に分類され、評価方法が関連付けられる。
【0060】
図4に示す例では、大項目「目的」が「収量」の場合、中項目は「表現型:高温」、「表現型:平時」を含む。また、中項目の「表現型:高温」及び「表現型:平時」は、小項目「地上部重量」、「地上部長」、「総バイオマス量」、「根重量比率」、「根部重量」を含み、各小項目の解析値又は測定値はメモリ130に記憶される。「収量」に関する因子項目の評価方法は、例えば、コントロールとの比較値(比率)を含む。また、「地上部重量」及び「根部重量」は、例えば微量天秤を用いて実測により測定され、「地上部長」は例えば定規を用いて実測され、「総バイオマス量」及び「根重量比率」は、計算により求められ得る。例えば、各測定値は、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。
【0061】
なお、表現型は、ストレス試験ごとに、小項目を試験、評価してもよい。例えば、中項目の「表現型:浸透圧」、「表現型:酸化」、「表現型:乾燥」、「表現型:傷害」、「表現型:病害虫」、及び「表現型:要素」ごとに、小項目を試験、評価してもよい。
【0062】
大項目「目的」が「ストレス」の場合、中項目は「発現した遺伝子」を含む。中項目の「発現した遺伝子」は、「浸透圧ストレス応答」、「病害虫ストレス応答」、「高温ストレス応答」、「要素ストレス応答」、「乾燥ストレス応答」、「傷害ストレス応答」、「酸化ストレス応答」を含み、各小項目は例えばオミクス解析により解析値が得られ、メモリ130に記憶される。「ストレス」に関する因子項目の評価方法は、例えば、該当数や「P-Valueによる加重平均」を含む。また、「発現した遺伝子」にかかる小項目は、例えば遺伝子発現解析により取得され、各解析値は、例えば、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。
【0063】
大項目「目的」が「刺激応答」の場合、中項目は「植物ホルモン解析:根」、「植物ホルモン解析:葉」を含む。中項目の「植物ホルモン解析:根」及び「植物ホルモン解析:葉」は、「サリチル酸」、「オーキシン」、「ジベレリン(GA1)」、「ジベレリン(GA4)」、「アブシジン酸」、「サイトカイニン(tZ)」、「エチレン」、「ジャスモン酸」、「ストリゴラクトン」、「ブラシノステロイド」、「フロリゲン」を含み、各小項目の解析値又は測定値はメモリ130に記憶される。「刺激応答」に関する因子項目の評価方法は、例えば、解析による測定値を含む。「植物ホルモン解析」にかかる小項目は、例えばホルモン解析により取得され、各解析値は、例えば、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。
【0064】
大項目「目的」が「栄養吸収」の場合、中項目は「元素」を含む。中項目の「元素」は、「N」、「P」、・・・「Mn」などを含み、各小項目の解析値又は測定値はメモリ130に記憶される。「栄養吸収」に関する因子項目の評価方法は、例えば、コントロールとの比較値(比率)を含む。「元素」にかかる小項目は、元素解析により取得され、各解析値は、例えば、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。
【0065】
図5は、本開示における各因子項目情報(その2)の一例を示す図である。
図5に示す各因子項目情報は、実圃場の試験において測定又は解析可能な各因子項目を含む。
図5に示す例では、大項目「目的」が「土壌改善」の場合、中項目は「土壌化学性解析」、「土壌物理性解析」、「土壌菌叢解析」を含む。
【0066】
中項目の「土壌化学性解析」は、小項目「N」、「P」、「K」、「その他微量元素」を含む。中項目の「土壌物理性解析」は、小項目「水分量」、「pH」、「EC(電気伝導度)」、「通気性」、「硬さ」を含む。中項目の「土壌菌叢解析」は、小項目「菌種別(多様性)」、「菌含有比率」を含む。各小項目の解析値又は測定値はメモリ130に記憶される。「土壌改善」に関する因子項目の評価方法は、例えば、前年度比較又は対象圃場の比較を含む。また、「土壌化学性解析」にかかる小項目は、サンプル採取による土壌解析により取得され、「土壌物理性解析」にかかる小項目は、各センサによる土壌分析により取得され、「土壌菌叢解析」にかかる小項目は、サンプル採取による土壌養分分析により取得され、各解析値は、例えば、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。
【0067】
大項目「目的」が「安定生産」の場合、中項目は「各種ストレス耐性」、「表現型」を含む。中項目の「各種ストレス耐性」は、小項目「病害耐性」、「高温耐性」、「乾燥耐性」、「塩害耐性」を含む。中項目の「表現型」は、小項目「収量」を含む。各小項目の解析値又は測定値はメモリ130に記憶される。「安定生産」に関する因子項目の評価方法は、例えば、前年度比較を含む。また、「各種ストレス耐性」にかかる小項目は、観測、産地の栽培歴データを用いて取得され、各測定値は、例えば、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。「表現型」にかかる小項目は、収穫量、産地の栽培歴データを用いて取得され、各測定値は、例えば、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。
【0068】
大項目「目的」が「収益性」の場合、中項目は「代謝物分析」を含む。中項目の「代謝物分析」は、小項目「糖度」、「機能性成分」、「アミノ酸」、「ビタミン」、「有機酸」、「苦味」を含む。各小項目の解析値又は測定値はメモリ130に記憶される。「収益性」に関する因子項目の評価方法は、例えば、コントロールとの比較値(比率)を含む。また、「代謝物分析」にかかる小項目は、代謝物分析により取得され、各解析値は、例えば、ユーザがユーザインタフェース250を用いて設定又は入力される。
【0069】
<重み付け、評価値の算出例>
図6及び
図7を用いて、本開示における各因子項目の重み付け、評価値算出について具体例を用いて説明する。まず、重み付けについて、設定部118による重み設定手順の一例について説明する。
1.資材が収量に与える影響の度合い、植物の成長や刺激に対する影響の度合い、植物生理の作用する順序等から、大項目の因子項目の優先度を決定する。
2.同一の大項目内の中項目(カテゴリA)を優先度順に並べる。
3.同一の中項目内の小項目(カテゴリB)を優先度順に並べる。
4.中項目に重みを設定する。
中項目の中で、最も優先度が高い項目を基準点として、他の中項目の相対的な重みを決定する。基準点が最も大きい数値とする。
5.小項目に重みを設定する。
小項目の中で、最も優先度が高い項目を基準点として、他の小項目の相対的な重みを決定する。基準点が最も大きい数値とする。
上述した重み設定は一例であって、この例に限られない。
【0070】
図6は、本開示における各因子項目の重み付け、評価値算出(ケース1)の一例を示す図である。
図6に示す例では、例えば、中項目(カテゴリA)の「表現型高温時」の小項目(カテゴリB)において、「根重量比率」、「根部重量」、「総バイオマス量」、「地上部長」、「地上部重量」の順で、重みが、5、4、3、2、1と設定される。上述した優先度は一例である。各重みは最大値が1となるように調整される。
【0071】
重み付け部114は、小項目の各因子項目の測定値(実測値)/解析値に対して重みを用いて重み付けを行う。例えば、重み付け部114は、根重量比率の実測値1.4に重み1を乗算し、1.4を算出し、根部重量の実測値0.8に重み0.8を乗算し、0.64を算出する。重み付け部114は、他の小項目に対しても同様に処理を行う。
【0072】
次に、重み付け部114は、同一の中項目内の値をすべて加算し、その小項目(カテゴリB)の評価値とする。例えば、重み付け部114は、「表現型高温時」の評価値は、2.98となり、「発現した遺伝子」の評価値は、10.9となる。
【0073】
次に、重み付け部114は、中項目の重みを用いて、中項目の評価値を重み付けする。例えば、「表現型高温時」の重みを5、「発現した遺伝子」の重みを1とする場合、「表現型高温時」の重み付け評価値は2.98×5、「発現した遺伝子」の重み付け評価値は10.9×1となる。
【0074】
算出部115は、重み付けされた評価値の総和を算出し、資材の評価値とする。例えば、算出部115は、
図6に示す資材の評価値として、2.98×5+10.9×1=25.8を算出する。
【0075】
図7は、本開示における各因子項目の重み付け、評価値算出(ケース2)の一例を示す図である。
図7に示す例では、例えば、中項目(カテゴリA)の「表現型高温時」の小項目(カテゴリB)において、各重みの合計が100になるように調整される。
【0076】
重み付け部114は、小項目の各因子項目の測定値(実測値)/解析値に対して重みを用いて重み付けを行う。例えば、重み付け部114は、根重量比率の実測値1.4に重み33を乗算し、46.2を算出し、根部重量の実測値0.8に重み27を乗算し、21.6を算出する。重み付け部114は、他の小項目に対しても同様に処理を行う。
【0077】
次に、重み付け部114は、同一の中項目内の値をすべて加算し、その小項目(カテゴリB)の評価値とする。例えば、重み付け部114は、「表現型高温時」の評価値は、99.2となり、「発現した遺伝子」の評価値は、271.5となる。
【0078】
次に、重み付け部114は、中項目の重みを用いて、中項目の評価値を重み付けする。例えば、「表現型高温時」の重みを0・24、「発現した遺伝子」の重みを0.05とする場合、「表現型高温時」の重み付け評価値は99.2×0.24、「発現した遺伝子」の重み付け評価値は271.5×0.05となる。
【0079】
算出部115は、重み付けされた評価値の総和を算出し、資材の評価値とする。例えば、算出部115は、
図6に示す資材の評価値として、99.2×0.24+271.5×0.05=36.5を算出する。
【0080】
<格付け例>
図8は、本開示における格付けの一例を示す図である。
図8に示す例では、算出部115は、各資材の評価値として、標準偏差を算出する。
図8(A)は、各資材の格付けを示し、
図8(B)は、格付けに用いる各閾値の一例を示す。
【0081】
図8に示す例では、資材Xの標準偏差は61.3であり、資材Yの標準偏差は42.28であり、資材Wの標準偏差は45.43であるとする。また、格付けに用いられる閾値は、Sランクは60以上、Aランクは50以上などが条件として予め設定されている。このとき、設定部118は、資材Xの標準偏差(61.3)が格付けSの閾値(60)以上であるため、Sランクを設定し、資材Yの標準偏差(42.28)が、格付けBの閾値(40)以上、Aの閾値(50)未満であるため、Bランクを設定する。
【0082】
<処理手順>
次に、情報処理システム1の各処理について説明する。
図9は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の評価処理の一例を示すシーケンス図である。
【0083】
ステップS102において、情報処理装置10の取得部113は、非生物的ストレスに対する耐性を高める作用を有する資材を与えられた植物から、当該植物の生物刺激の因子に関する1又は複数の因子項目の測定値を取得する。
【0084】
ステップS104において、情報処理装置10の重み付け部114は、取得部113により取得された各測定値に各重みを用いて重み付けする。
【0085】
ステップS106において、情報処理装置10の算出部115は、重み付け部114により各重みを用いて重み付けされた各測定値を、資材の評価に関する関数に入力して資材の評価値を算出する。
【0086】
ステップS108において、情報処理装置10の出力部117は、算出部115により算出された評価値を出力する。
【0087】
図10は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10の格付け処理の一例を示すシーケンス図である。
図10に示す例では、分類処理を行った後に格付けを行う例を説明するが、格付け処理には必ずしも分類処理は必要ではなく、分類処理後に格付け処理を行わなくてもよい。また、
図10に示す処理は、評価値がメモリ130に所定値以上記憶された場合に実行されてもよい。
【0088】
ステップS202において、情報処理装置10の分類部116は、各資材の評価値を用いて各資材を分類する。例えば、分類部116は、公知のクラスタリング手法の1つを用いて、評価値をクラスタリングし、評価値に対応する資材を分類する。分類部116は、資材の主成分の原料種別ごとに、評価値を分類し、評価値に対応する資材を分類してもよい。
【0089】
ステップS204において、情報処理装置10の設定部118は、クラスタリングされた集合内の資材に対し、評価値が高い群から高いランクになるように格付けを行う。なお、設定部118は、資材の評価値と閾値を比較することで、格付けを行ってもよい(例えば
図8参照)。
【0090】
ステップS206において、情報処理装置10の出力部117は、格付けした情報を外部装置又はディスプレイに出力する。
【0091】
以上、本開示の一実施形態について詳述したが、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。例えば、本開示は、各情報処理装置10、20が実行する処理について、一部の処理を、他の情報処理装置に移行したり、複数の情報処理装置を適宜統合したりしてもよく、一つの装置で全ての処理を実行してもよい。また、各情報処理装置10、20は、一つの組織により管理されてもよく、それぞれ異なる組織に管理されてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…情報処理システム、10、20…情報処理装置、110…プロセッサ、112…制御部、113…取得部、114…重み付け部、115…算出部、116…分類部、117…出力部、118…設定部、130…メモリ、210…プロセッサ、230…メモリ、212…制御部、213…取得部、214…解析部、215…出力部