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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079590
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】システム及び操作端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023185400
(22)【出願日】2023-10-30
(62)【分割の表示】P 2022191240の分割
【原出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】梅垣 遼平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC23
5L050CC23
(57)【要約】
【課題】利用対象を複数の利用者で利用する場合のチェックアウト手続きにおいて、スタッフの業務負担を軽減するとともに利用者の利便性を向上させることが可能な施設管理システム、施設管理方法、及び施設管理プログラムを提供する。
【解決手段】施設管理システム100において、受付処理部211は、客室を利用する第1利用者から、チェックイン端末20において前記客室のチェックアウト手続きの開始操作を受け付け、チェックアウト処理部214は、受付処理部211により前記第1利用者から前記客室のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けられた場合において、利用者情報又は前記客室に関する所定の条件を満たし、かつ前記客室が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記客室のチェックアウト手続きを完了させない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用対象を利用する第1利用者から、操作端末において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部により前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けられた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させないチェックアウト処理部と、
を備える施設管理システム。
【請求項2】
前記利用対象の利用状況を管理する管理処理部をさらに備え、
前記管理処理部は、前記チェックアウト処理部が前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させない場合に、前記利用対象の利用状況をチェックアウト未完了の状態に設定する、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項3】
前記受付処理部は、前記第1利用者から、前記操作端末において前記利用対象の第1利用キーの返却操作を受け付けた場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付ける、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項4】
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象に関する料金の支払及び返金が不要な場合に前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させる、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項5】
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象を利用する利用者を示す本人情報の取得が不要な場合に前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させる、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項6】
前記チェックアウト処理部は、前記所定の条件を満たさない場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させず、所定の案内情報を提示する、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項7】
前記受付処理部は、前記操作端末に前記第1利用キーが返却された場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付け、
前記チェックアウト処理部は、前記第1利用キーに対応付けられた利用情報に基づいて、前記第1利用者のチェックアウト手続きを行う、
請求項3に記載の施設管理システム。
【請求項8】
前記操作端末に操作画面を表示させる表示処理部をさらに備え、
前記表示処理部は、前記利用対象に対する前記第1利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記利用対象を他の利用者が利用中であるか否かを選択する選択画面を表示させる、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項9】
前記受付処理部は、前記操作端末において前記第2利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付け、
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象に対する前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させる、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項10】
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象に対する前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了しない状態で、前記利用対象に対して予め設定された利用終了時刻が経過した場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させる、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項11】
前記施設管理システムは、利用者からチェックアウト手続きに関する操作を受け付ける前記操作端末と、前記利用対象の利用状況を管理する管理装置とを含み、
前記操作端末は、前記利用対象に対する前記第1利用者及び前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記操作端末から前記完了情報を取得した場合に、前記利用対象の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定する、
請求項1~10のいずれかに記載の施設管理システム。
【請求項12】
前記利用対象は、宿泊施設の客室であり、
前記第1利用キーは、前記客室のルームキーである、
請求項3に記載の施設管理システム。
【請求項13】
利用対象を利用する第1利用者から、操作端末において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けることと、
前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させないことと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する施設管理方法。
【請求項14】
利用対象を利用する第1利用者から、操作端末において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けることと、
前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させないことと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための施設管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宿泊施設などの施設を管理する施設管理システム、施設管理方法、及び施設管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホテル、旅館等の宿泊施設において、フロントの省人化及びチェックイン/チェックアウト手続きの効率化を図るために、利用者がフロント付近に設置された操作端末を自ら操作してチェックイン/チェックアウト手続きを行うシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-32749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者がチェックアウト手続きを行う場合、例えば利用者はルームキー(カードキー)を操作端末に挿入(返却)して精算など各種手続きを行う。ここで、1つの客室(部屋)を複数人(グループ)で利用するケースでは、複数の利用者のうち一部の利用者のみがチェックアウト手続きを行い、他の利用者(同泊者)がチェックアウト時間まで客室に在室する場合がある。
【0005】
この場合において、例えば、一部の利用者が操作端末でチェックアウト手続きを行うと、操作端末は、当該客室のチェックアウトが完了したことを管理装置(ホテル管理システム(PMS:Property Management System))に通知(送信)してしまう。この場合、管理装置は、当該客室のチェックアウトが完了したと認識して、例えば、当該客室の清掃許可を出したり、在室する同泊者のカードキーによる清算機能を停止したりする問題が起こり得る。
【0006】
このため、従来の技術では、同泊者グループのうち一部の利用者のみがチェックアウト手続きを行う場合には、操作端末は、チェックアウト手続きを受け付けずにフロントへ誘導する画面を表示させて、フロントにおいて一部の利用者のみのチェックアウト手続きを行うようにしている。
【0007】
このように、客室を複数の利用者で利用する場合のチェックアウト手続きでは、スタッフの業務負担が増大するとともに利用者の利便性が低下する問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、利用対象を複数の利用者で利用する場合のチェックアウト手続きにおいて、スタッフの業務負担を軽減するとともに利用者の利便性を向上させることが可能な施設管理システム、施設管理方法、及び施設管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係る施設管理システムは、受付処理部とチェックアウト処理部とを備える。前記受付処理部は、利用対象を利用する第1利用者から、操作端末において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付ける。前記チェックアウト処理部は、前記受付処理部により前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けられた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させない。
【0010】
本発明の他の局面に係る施設管理方法は、利用対象を利用する第1利用者から、操作端末において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けることと、前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させないことと、を一又は複数のプロセッサーが実行する方法である。
【0011】
本発明の他の局面に係る施設管理プログラムは、利用対象を利用する第1利用者から、操作端末において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けることと、前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させないことと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用対象を複数の利用者で利用する場合のチェックアウト手続きにおいて、スタッフの業務負担を軽減するとともに利用者の利便性を向上させることが可能な施設管理システム、施設管理方法、及び施設管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態に係る施設管理システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る施設管理システムの構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る施設管理システムで利用される予約情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る施設管理システムで利用される客室情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末の一例を示す外観図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示されるルームキー返却画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示されるパスポートスキャン画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示される返金画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示される追加料金精算画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示されるチェックアウト完了画面の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示される同泊者確認画面の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示される同泊者ルームキー返却画面の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末に表示されるフロント案内画面の一例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックイン端末から発行されるお知らせチケットの一例を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックアウト処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、本発明の実施形態に係る施設管理システムのチェックアウト処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
[施設管理システム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る施設管理システム100は、本発明の施設管理システムの一例であり、管理装置10と、複数のチェックイン端末20とを含む。施設管理システム100は、ホテル、旅館等の宿泊施設に導入される。管理装置10は、例えば宿泊施設のフロント、事務室等に配置され、予約を管理する。宿泊施設の管理者、従業員などのスタッフは、管理装置10を操作することが可能である。チェックイン端末20は、本発明の操作端末の一例であり、例えば宿泊施設のフロント付近に設置され、宿泊客である利用者によるチェックイン手続き及びチェックアウト手続きなどの操作を受け付ける。管理装置10と複数のチェックイン端末20とは、宿泊施設に設置される有線LAN又は無線LANなどの通信網N1を介して通信可能である。チェックイン端末20は、1台設置されてもよいし複数台設置されてもよい。図1では、一例として、3台のチェックイン端末20を示している。利用者は、所望のチェックイン端末20を操作することが可能である。なお、管理装置10は、宿泊施設の外部に配置され、通信網N1を介して複数のチェックイン端末20と通信してもよい。
【0016】
ここで、宿泊施設の利用者は、自身の利用者端末(不図示)を使用して、例えば、前記宿泊施設が運営するWEBサイトの宿泊予約ページにアクセスして宿泊予約を行う。管理装置10は、宿泊予約された予約情報を取得して予約を管理する。なお、予約処理は、管理装置10で実行されてもよいし、管理装置10に通信網N1を介して接続された予約サーバ(不図示)で実行されてもよい。例えば前記予約サーバーは、利用者から予約要求を受け付けて予約処理を実行し、予約が完了した場合に前記予約情報を管理装置10に通知する。前記利用者端末及び管理装置10は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網を介して通信可能である。宿泊予約した利用者は、宿泊日に前記宿泊施設を訪れ、チェックイン端末20を操作してチェックイン手続きを行う。また利用者は、前記宿泊施設をチェックアウトする際にチェックイン端末20を操作してチェックアウト手続きを行う。また利用者は、チェックイン手続き又はチェックアウト手続きにおいて、利用代金の決済手続きを行う。
【0017】
[管理装置10]
図2に示すように、管理装置10は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信インターフェース14などを備える。管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末のような情報処理装置であってもよい。また、管理装置10は、ホテル管理システム(PMS)を構築する情報処理装置又はクラウドサーバであってもよい。管理装置10は、予約管理、客室管理、会計管理、及び顧客管理などの機能を備えている。また、管理装置10は、各客室(部屋)の入り口に設置される解錠装置と通信して解錠処理を行う機能(モバイルキーシステム)を備えてもよい。なお、前記モバイルキーシステムは、管理装置10の外部に配置され、前記通信網を介して管理装置10と通信してもよい。
【0018】
通信インターフェース14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してチェックイン端末20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。また、通信インターフェース14は、管理装置10を有線又は無線で前記通信網に接続し、当該通信網を介して前記利用者端末などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0019】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0020】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に所定の処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0021】
また、記憶部12には、前記利用者端末から受け付けた宿泊予約の情報を表す予約情報121(予約情報データベース)と、客室の利用状況を表す客室情報122(客室情報データベース)とが記憶される。予約情報121及び客室情報122は、管理装置10に前記通信網を介して接続されるデータサーバ(不図示)に含まれてもよい。
【0022】
図3は、予約情報121の一例を示す図である。図3に示す例では、2022年11月1日に宿泊施設を利用する利用者(宿泊者)の予約情報121を示している。予約情報121には、宿泊情報及び宿泊者情報が登録される。また予約情報121には、利用者の属性を表す情報が含まれる。図3では、説明の便宜上、一部の情報、具体的には、宿泊日、予約者名、宿泊者名、利用人数、客室数(部屋数)を示している。また予約情報121に、利用者が宿泊日に宿泊施設に到着する予定の時刻(到着予定時刻)、利用者が宿泊施設に持参する利用者端末(スマートフォンなど)に設定されるメールアドレスなどの情報が含まれてもよい。
【0023】
図3に示す例では、例えば利用者P1,P2,P3は、3人で1つの客室を利用するグループ(同泊者グループ)であることを示し、利用者P6,P7は、2人で1つの客室を利用するグループ(同泊者グループ)であることを示している。
【0024】
図4は、客室情報122の一例を示す図である。客室情報122には、客室(部屋)の利用状況が登録される。図4に示す例では、2022年11月2日(チェックアウト日)の現在時刻における利用状況を示している。客室情報122には、客室の利用者名(宿泊者名)、客室番号、チェックアウト日時、利用状況などが含まれる。チェックアウト日時は、宿泊施設において予め決定された設定時刻(例えば、チェックアウト日の10:00)に設定される。なお、チェックアウト日時は、利用者の要望(延長要求など)に応じて前記設定時刻よりも遅い時刻(例えば、チェックアウト日の12:00)に設定されてもよい。前記利用状況は、客室の利用状況を示す情報であり、客室のチェックアウト手続きが完了したか否かを示す情報である。図4に示す例では、客室番号「301」、「402」、「204」の客室は現時点でチェックアウト手続きが完了し(「チェックアウト完了」)、客室番号「201」、「203」の客室は現時点でチェックアウト手続きが完了していない(チェックアウト手続きが未完了である)ことを示している(「チェックアウト未完了」)。ここで、前記利用状況の「チェックアウト完了」は、客室の利用者全員がチェックアウト手続きを完了し、当該客室が空室になり、清掃可能な状態、予約可能な状態であることを表している。また、前記利用状況の「チェックアウト未完了」は、客室の利用者の少なくとも1名がチェックアウト手続きを完了しておらず、当該客室の清掃、予約ができない状態であることを表している。制御部11は、チェックイン端末20から取得する情報に基づいて、各客室の利用状況を更新する。
【0025】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置10を制御する。
【0026】
具体的に、制御部11は、予約処理部111、管理処理部112などの各種の処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0027】
予約処理部111は、前記利用者端末において宿泊予約の操作が行われた場合に、予約可能であるか否かを判定し、予約可能である場合に予約処理を行う。予約処理が完了した場合、予約処理部111は、前記利用者端末に予約完了通知を送信し、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報を含む予約情報を予約情報121(図3参照)に登録する。
【0028】
なお、本実施形態では、管理装置10において予約処理が行われる例について説明するが、例えば、管理装置10と前記利用者端末との間に、利用者からの予約要求に応じて予約処理を実行する予約処理システムが介在してもよい。この場合、管理装置10は、前記予約処理システムから送られてきた予約情報を予約情報121に登録して管理する。
【0029】
管理処理部112は、各客室の利用状況を管理する。管理処理部112は、客室のチェックアウト手続きが完了した場合に、客室情報122(図4参照)を更新する。管理処理部112は、チェックイン端末20から取得する情報に基づいて客室情報122を更新する。管理処理部112は、本発明の管理処理部の一例である。
【0030】
例えば、客室番号「301」の客室の利用者P4がチェックアウト手続きを完了すると、管理処理部112は、客室情報122の客室番号「301」の利用状況に「チェックアウト完了」を登録する。また、例えば、客室番号「204」の客室の利用者P8,P9がチェックアウト手続きを完了すると、管理処理部112は、客室情報122の客室番号「204」の利用状況に「チェックアウト完了」を登録する。また、例えば、客室番号「201」の客室の利用者P1,P2,P3の少なくともいずれか1名がチェックアウト手続きを完了していない場合には、管理処理部112は、客室情報122の客室番号「201」の利用状況に「チェックアウト未完了」を登録する。管理処理部112による客室情報122の具体的な更新方法については後述する。
【0031】
[チェックイン端末20]
図2に示すように、チェックイン端末20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、ルームキー発行回収部24、読取部25、通信インターフェース26、カメラ27(図5参照)などを備える。チェックイン端末20は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0032】
図5は、チェックイン端末20の一例を示す外観図である。図5に示すように、チェックイン端末20において、利用者は操作表示部23をタッチ操作することが可能となっている。利用者は、操作表示部23に表示される操作画面を操作しながらチェックイン手続き及びチェックアウト手続きを行う。カメラ27は、操作表示部23の上部に設けられており、例えば利用者の顔画像を撮像する。チェックイン端末20には、クレジットカードなどのカード類を挿入するカード挿入部、硬貨及び紙幣を投入する金銭投入部なども含まれる。
【0033】
通信インターフェース26は、チェックイン端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理装置10との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0034】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0035】
カメラ27は、利用者の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。カメラ27は、ネットワークカメラであってもよい。また、カメラ27は、チェックイン端末20の前の人を検知するセンサ機能を備えてもよい。
【0036】
読取部25は、二次元コードなどの情報コードを読み取る。また読取部25は、利用者のパスポート(旅券)、身分証明書などの本人情報をスキャンする機能を備えてもよい。
【0037】
ルームキー発行回収部24は、客室のルームキー(例えばカードキー)を発行(排出)する。ルームキー発行回収部24は、制御部21の指示に基づいてルームキーを発行する。例えば、ルームキー発行回収部24は、チェックイン手続きにおいて利用者の認証が行われると、当該利用者に対応する情報(客室番号、宿泊日情報など)を記憶させたICカード型のカードキーをチェックイン端末20から排出する。ルームキーは、解錠装置(通信装置)との間の通信処理を介して前記客室の解錠を行うICカードキーである。前記通信処理は、例えば非接触ICカードを利用した近距離無線通信手段が利用可能である。例えば、利用者はルームキーを前記解錠装置に近接させると、前記解錠装置が前記通信処理を介してルームキーの識別情報(客室番号など)の照合を行い、照合に成功すると前記客室を解錠する。
【0038】
ルームキーは、ICカードに限定されず、磁気カードであってもよい。ルームキーは、本発明の利用キーの一例である。なお、本発明の利用キーは、カードキーに限定されず、鍵穴に挿入して施錠及び解錠を行うキーであってもよいし、二次元コードなどの情報コードが紙媒体等に印刷された情報コードキーであってもよい。
【0039】
ルームキー発行回収部24は、さらに、ルームキーを回収する機能を備える。例えば、チェックアウト手続きにおいて、利用者がルームキーを返却する際のルームキーの投入口(返却口)となる。チェックイン端末20の内部には、利用者に発行するルームキーを収納する収納庫と、利用者により返却された使用済みのルームキーを回収する回収庫とが設けられている。
【0040】
例えば、ルームキー発行回収部24は、チェックイン手続きにおいて、制御部21の指示に基づいて、前記収納庫から搬送されるルームキーを外部に排出する。また、ルームキー発行回収部24は、チェックアウト手続きにおいてルームキーが返却されると、制御部21の指示に基づいて、ルームキーを回収庫に回収する。
【0041】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、制御部21に後述のチェックアウト処理(図16及び図17参照)を実行させるためのチェックアウト処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記チェックアウト処理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、チェックイン端末20に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。尚、前記チェックアウト処理プログラムは、通信網N1を介してチェックイン端末20の記憶部22にダウンロードされてもよい。
【0042】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりチェックイン端末20を制御する。
【0043】
具体的に、制御部21は、図2に示すように、受付処理部211、表示処理部212、チェックイン処理部213、チェックアウト処理部214などの各種の処理部を含む。尚、制御部21は、前記CPUで前記チェックアウト処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記チェックアウト処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0044】
受付処理部211は、宿泊施設の利用者によるチェックイン手続き及びチェックアウト手続きに関する操作を受け付ける。受付処理部211は、利用者がチェックイン端末20の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。
【0045】
例えば、利用者が図6に示すメニュー画面において「チェックイン」ボタンを押下してチェックイン手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作情報を取得する。前記チェックイン手続きには、利用者が外国人の場合にパスポートをスキャンする操作、予約番号、氏名、電話番号、住所など宿泊者情報を入力する操作、決済操作、ルームキーの枚数を選択する操作などが含まれる。尚、利用者が、前記チェックイン手続きにおいて、前記利用者端末(携帯端末)に表示された二次元コードを読取部25(図5参照)に翳した場合に、受付処理部211が、読み取った前記二次元コードに含まれる前記宿泊者情報を取得してもよい。
【0046】
また例えば、利用者が図6に示すメニュー画面D1において「チェックアウト」ボタンを押下してチェックアウト手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作情報を取得する。前記チェックアウト手続きには、ルームキーを返却する操作、パスポートをスキャンする操作、決済操作(例えば追加精算)、返金操作などが含まれる。例えば、受付処理部211は、利用者から、チェックイン端末20において客室のルームキーの返却操作を受け付けた場合に、当該客室のチェックアウト手続きの開始操作を受け付ける。
【0047】
表示処理部212は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部212は、チェックイン手続き及びチェックアウト手続きに必要な情報を入力させるための操作画面を順次、操作表示部23に表示させる。表示処理部212は、その他の各種メッセージを操作表示部23に表示させる。前記操作画面の具体例は後述する。
【0048】
チェックイン処理部213は、前記チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて、利用者の認証を行う。例えば、チェックイン処理部213は、管理装置10に記憶される予約情報121(図3参照)を参照して、利用者が入力した情報が予約情報121に一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可する。また、チェックイン処理部213は、読取部25においてスキャンしたパスポート画像と、カメラ27により撮像された利用者の顔画像とが一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可してもよい。
【0049】
また、チェックイン処理部213は、利用者によるチェックインに必要な情報の入力が完了し、利用者の認証に成功した場合に、宿泊料金の支払い関する決済を行う。例えば、利用者がクレジットカードをチェックイン端末20のカード挿入部に挿入すると、チェックイン処理部213は、利用者が利用する決済事業者の決済サーバーに決済要求を送信して決済処理を行う。なお、前記決済処理は、チェックアウト手続きに含まれてもよい。
【0050】
また、チェックイン処理部213は、宿泊施設の客室の解錠を行うルームキーをチェックイン端末20から発行させる。具体的には、チェックイン処理部213は、例えばチェックイン手続きにおいて決済処理が完了するとルームキー(カードキー)を発行するルームキー発行処理を行う。なお、前記ルームキー発行処理は、チェックイン処理のうちいずれのタイミングで実行されてもよい。
【0051】
また、前記ルームキー発行処理において、チェックイン処理部213は、利用者が指定した枚数のルームキーを発行する。例えば、利用者P1,P2,P3が3人で1つの客室を利用するグループ(同泊者グループ)である場合に、利用者P1がチェックイン手続きにおいて、1~3枚(最大3枚)のルームキーを選択することができる。利用者P1が「3枚」を選択した場合に、チェックイン処理部213は、3枚のルームキーをルームキー発行回収部24から発行する。利用者P1,P2,P3は各自ルームキーを所持して、客室の施錠及び解錠、チェックアウト手続きなどを行うことができる。なお、制御部21は、客室ごとに、発行したルームキーの枚数を管理してもよい。
【0052】
チェックアウト処理部214は、前記チェックアウト手続きにおいて入力された情報に基づいて、チェックアウト処理を行う。例えば、チェックアウト処理部214は、管理装置10に記憶される予約情報121(図3参照)及び客室情報122(図4参照)を参照して、チェックアウト処理を実行する。
【0053】
具体的には、利用者は宿泊施設をチェックアウトする場合に先ずメニュー画面D1(図6参照)の「チェックアウト」ボタンを押下する。受付処理部211が「チェックアウト」ボタンの押下操作を受け付けると、表示処理部212は、図7に示すルームキー返却画面D2を表示させる。利用者はルームキーをルームキー発行回収部24(図5参照)に挿入する。チェックアウト処理部214は、利用者によるルームキーの返却操作に応じて、当該利用者のチェックアウト手続きを行う。具体的には、チェックアウト処理部214は、返却されたルームキーの客室番号を取得すると、同泊者がいるか否か(同泊者グループであるか否か)を判定して、判定結果に応じたチェックアウト処理を実行する。
【0054】
例えば、利用者に同泊者がいない場合(一人利用の場合)、チェックアウト処理部214は、必要に応じて、パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理などを行う。例えば、利用者が外国人であって、チェックイン手続きの際にパスポートをスキャンしていなかった場合に、チェックアウト処理部214は、パスポートスキャン画面D3(図8参照)を表示させて利用者にパスポートのスキャン操作を促す。また例えば、利用者に返金する必要がある場合に、チェックアウト処理部214は、返金画面D4(図9参照)を表示させて利用者に返金する。また例えば、利用者が追加料金の支払いをする必要がある場合に、チェックアウト処理部214は、追加料金精算画面D5(図10参照)を表示させて精算処理を行う。
【0055】
チェックアウト処理部214は、上述の必要な処理を完了すると、チェックアウト完了画面D6(図11参照)を表示させて、利用者が利用した客室に対するチェックアウト処理を完了する。チェックアウト処理部214は、客室に対するチェックアウト処理を完了すると、当該客室のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、チェックイン端末20から前記完了情報を取得すると、前記客室の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定する。例えば、利用者P4が利用した客室番号「301」の客室のチェックアウト手続きが完了すると、管理装置10は、客室情報122(図4参照)において客室番号「301」に対応する利用状況に「チェックアウト完了」を登録する。管理装置10は、「チェックアウト完了」を登録した客室番号「301」の客室について、清掃指示を行ったり、予約状況を更新(「空室」に設定)したりする。また、管理装置10は、客室番号「301」が付与されたルームキーを利用できないように設定する。
【0056】
これに対して、利用者に同泊者がいる場合(同泊者グループの場合)、チェックアウト処理部214は、同泊者確認画面D7(図12参照)を表示させる。具体的には、図12に示すように、チェックアウト処理部214は、同泊者確認画面D7に、「同泊者のルームキーを返却する」の操作ボタンK1と、「同泊者のルームキーを返却済み」の操作ボタンK2と、「同泊者が在室中」の操作ボタンK3とを選択可能に表示させる。
【0057】
例えば、客室番号「203」の客室を利用する利用者P6,P7が2人でチェックイン端末20まで来てチェックアウト手続きする場合に、代表者(例えば利用者P6)が自身のルームキーを返却(図7参照)した後に、「同泊者のルームキーを返却する」の操作ボタンK1を押下する。利用者P6が操作ボタンK1を押下すると、チェックアウト処理部214は、同泊者ルームキー返却画面D8(図13参照)を表示させて、同泊者(利用者P7)のルームキーの返却を促す。利用者P6は同泊者のルームキーをルームキー発行回収部24(図5参照)に挿入する。利用者P6は全てのルームキーを返却すると同泊者ルームキー返却画面D8の「返却終了」ボタンを押下する。その後、チェックアウト処理部214は、上述のように、必要に応じて、パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理などを行って客室番号「203」の客室のチェックアウト手続きを完了し、完了情報を管理装置10に送信する。
【0058】
ここで、客室番号「203」の客室を利用する利用者P6,P7のうち1人(例えば利用者P6)のみがチェックアウト手続きを行いたい場合がある。例えばチェックアウト時刻より前に、利用者P6のみがチェックイン端末20まで来てチェックアウト手続きを行う場合がある。例えば、家族の代表者が先にチェックアウト手続きを行ったり、同泊者グループの一部の利用者が先に宿泊施設から退出するためにチェックアウト手続きを行ったりする場合がある。この場合に、利用者P6はメニュー画面D1(図6参照)において「チェックアウト」ボタンを押下して自身のルームキーを返却(図7参照)した後に、同泊者確認画面D7(図12参照)の「同泊者が在室中」の操作ボタンK3を押下する。利用者P6が操作ボタンK3を押下すると、チェックアウト処理部214は、チェックアウト完了画面D6(図11参照)を表示させて、利用者P6のチェックアウト手続きを完了する。チェックアウト処理部214は、利用者P6のチェックアウト手続きを完了した場合、同泊者(利用者P7)が客室を利用中であるため、客室(客室番号「203」)のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信しない。この場合、管理装置10は、客室情報122において、客室番号「203」の客室の利用状況をチェックアウト未完了の状態に設定(維持)する(図4参照)。
【0059】
このように、チェックアウト処理部214は、同泊者グループの第1利用者のチェックアウト手続きが完了した客室が同泊者グループの第2利用者により利用中(在室中)である場合には、当該客室の利用状況をチェックアウト未完了の状態に設定する。なお、管理装置10は、客室情報122の利用状況にデフォルト値として「チェックアウト未完了」を登録し、前記完了情報を取得した場合に「チェックアウト完了」に更新してもよい。チェックアウト処理部214は、本発明の管理処理部の一例である。
【0060】
他の実施形態として、チェックアウト処理部214は、利用者P6からルームキーが返却されると、所定の条件(終了条件)を満たした場合に、利用者P6のチェックアウト手続きを完了してもよい。例えば、チェックアウト処理部214は、パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理の全ての処理が不要な場合に、利用者P6のチェックアウト手続きを完了してもよい。なお、前記終了条件は、上記各処理の全てが不要であることに限定されず、少なくともいずれかの処理が不要であることを条件としてもよい。すなわち、受付処理部211が第1利用者から客室のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合において、第1利用者又は当該客室に関する所定の条件(終了条件)を満たし、かつ当該客室が同泊者グループの第2利用者により利用中(在室中)である場合に、チェックアウト処理部214は、第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、当該客室のチェックアウト手続きを完了させない。この場合、管理装置10は、は、前記客室のチェックアウト手続きを完了させない場合に、前記客室の利用状況をチェックアウト未完了の状態に設定する。
【0061】
また、チェックアウト処理部214は、パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理のうち少なくともいずれかの処理が必要な場合には、所定の案内情報を提示する。すなわち、チェックアウト処理部214は、同泊者グループの一部の利用者のチェックアウト手続きを行うことができない場合に、所定の案内情報を提示する。例えば、チェックアウト処理部214は、図14に示すフロント案内画面D9を表示させて、利用者P6をフロントへ誘導する。また、チェックアウト処理部214は、フロント案内画面D9を表示させるとともに、図15に示すお知らせチケットM1を発行する。図15に示すように、お知らせチケットM1には、客室番号、必要な処理(ここでは、パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理)などの情報が表示される。利用者P6はお知らせチケットM1をフロントに提示すると、フロントスタッフは前記各処理を行って、利用者P6のチェックアウト手続きを完了する。
【0062】
客室番号「203」の客室を利用する利用者P6,P7のうち1人(例えば利用者P6)のみが先にチェックアウト手続きを完了した場合、その後に、利用者P7は自身のチェックアウト手続きを行う。利用者P7はメニュー画面D1(図6参照)において「チェックアウト」ボタンを押下して自身のルームキーを返却(図7参照)した後に、同泊者確認画面D7(図12参照)の「同泊者のルームキーを返却済み」の操作ボタンK2を押下する。利用者P7が操作ボタンK2を押下すると、チェックアウト処理部214は、必要に応じて、パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理などを行う。
【0063】
チェックアウト処理部214は、上述の必要な処理を完了すると、チェックアウト完了画面D6(図11参照)を表示させて、利用者が利用した客室に対するチェックアウト処理を完了する。なお、例えば先にチェックアウト手続きを行った利用者P6がフロントで前記各処理を完了していた場合には、チェックアウト処理部214は、前記各処理を省略する。チェックアウト処理部214は、利用者P7のチェックアウト手続きを完了すると、客室のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、チェックイン端末20から前記完了情報を取得すると、前記客室の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定する。例えば、利用者P6,P7のそれぞれのチェックアウト手続きが完了し、客室番号「203」の客室のチェックアウト手続きが完了すると、管理装置10は、客室情報122(図4参照)において客室番号「203」に対応する利用状況を「チェックアウト未完了」から「チェックアウト完了」に更新する。
【0064】
他の実施形態として、チェックアウト処理部214は、利用者P7が在室中で利用者P6が先にチェックアウト手続きを行う場合に、利用者P6がパスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理などの必要な処理を行ってチェックアウト手続きを完了させてもよい。この場合、チェックアウト処理部214は、利用者P7のチェックアウト手続きにおいて、前記各処理を省略して客室のチェックアウト手続きを完了させる。
【0065】
以上のように、制御部21は、前記チェックイン処理及び前記チェックアウト処理を行う。また、複数のチェックイン端末20は、並行して前記チェックイン処理及び前記チェックアウト処理を行うことが可能である。
【0066】
[チェックアウト処理]
以下、図16及び図17を参照しつつ、施設管理システム100において実行されるチェックアウト処理の一例について説明する。前記チェックアウト処理は、チェックイン端末20の制御部21により実行される。例えば、制御部21は、利用者がチェックイン端末20において前記チェックアウト手続きを開始する操作を行う度に前記チェックアウト処理プログラムの実行を開始することによって、前記チェックイン処理の実行を開始する。尚、前記チェックイン処理は、チェックイン端末20における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。尚、本発明は、前記チェックアウト処理に含まれる一又は複数のステップを実行するチェックアウト方法(本発明の施設管理方法の一例)の発明として捉えることができる。
【0067】
また、ここで説明する前記チェックアウト処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記チェックアウト処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21に対応する複数のプロセッサーによって前記チェックアウト処理における各ステップが分散して実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、1つのプロセッサーによって前記チェックアウト処理における各ステップが実行されてもよい。
【0068】
先ずステップS1において、チェックイン端末20の制御部21は、利用者からチェックアウト手続きを開始する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、チェックイン端末20のメニュー画面D1(図6参照)において利用者が「チェックアウト」ボタンを押下すると、制御部21は、チェックアウト手続きを開始する操作を受け付けたと判定して(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。制御部21は、利用者からチェックアウト手続きを開始する操作を受け付けるまで待機する(S1:No)。
【0069】
ステップS2において、制御部21は、ルームキーが正常に返却されたか否かを判定する。具体的には、制御部21は、利用者がメニュー画面D1の「チェックアウト」ボタンを押下して、チェックアウト手続きを開始する操作を受け付けると、ルームキー返却画面D2(図7参照)を表示させる。利用者は、ルームキー返却画面D2に従ってルームキーをルームキー発行回収部24(図5参照)に挿入(返却)する。制御部21は、挿入されたルームキーを正常に回収した場合にルームキーが正常に返却されたと判定して(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。制御部21は、挿入されたルームキーを正常に回収できない場合には返却エラーの情報を表示させてルームキーを排出して、利用者に再度返却操作を行わせる(S2:No)。
【0070】
ステップS3において、制御部21は、利用者に同泊者がいるか否かを判定する。具体的には、制御部21は、返却されたルームキーの客室番号を取得して、予約情報121(図3参照)などを参照して、同泊者がいるか否か(同泊者グループであるか否か)を判定する。制御部21は、同泊者がいると判定すると(S3:Yes)、処理をステップS4に移行させる。
【0071】
一方、制御部21は、同泊者がいない(一人利用)と判定すると(S3:No)、処理をステップS15(図7参照)に移行させる。同泊者がいない場合、制御部21は、後述するステップS15~S20の処理(パスポートのスキャン処理、返金処理、追加精算処理)を実行して、チェックアウト手続きを完了する。そして、制御部21は、客室のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信する(S7)。管理装置10は、客室情報122(図4参照)において、前記客室に対応する利用状況に「チェックアウト完了」を登録する。
【0072】
これに対して、同泊者がいる場合は、ステップS4において、制御部21は、同泊者確認画面D7(図12参照)を表示させる。具体的には、図12に示すように、制御部21は、同泊者確認画面D7に、「同泊者のルームキーを返却する」の操作ボタンK1と、「同泊者のルームキーを返却済み」の操作ボタンK2と、「同泊者が在室中」の操作ボタンK3とを選択可能に表示させる。
【0073】
例えば、利用者は、同泊者が客室に在室中に自身のみがチェックアウト手続きを行う場合に「同泊者が在室中」の操作ボタンK3を押下する。また例えば、利用者は、同泊者とともにチェックアウト手続きを行う場合に「同泊者のルームキーを返却する」の操作ボタンK1を押下する。また例えば、一部の同泊者が先にチェックアウト手続きを完了している場合に、他の同泊者(現在チェックアウト手続を行っている利用者)がチェックアウト手続きを行う場合に「同泊者のルームキーを返却済み」の操作ボタンK2を押下する。
【0074】
制御部21は、同泊者確認画面D7(図12参照)において利用者がいずれの選択項目(操作ボタンK1,K2,K3)を選択したかを判定する。利用者が「同泊者が在室中」の操作ボタンK3を押下すると、制御部21は、「同泊者が在室中」が選択されたと判定して(S5:Yes)、処理をステップS6に移行させる。
【0075】
また、利用者が同泊者確認画面D7において「同泊者のルームキーを返却する」の操作ボタンK1を押下すると、制御部21は、「同泊者のルームキーを返却する」が選択されたと判定して(S5:NoかつS11:Yes)、処理をステップS12に移行させる。
【0076】
また、利用者が同泊者確認画面D7において「同泊者のルームキーを返却済み」の操作ボタンK2を押下すると、制御部21は、「同泊者のルームキーを返却済み」が選択されたと判定して(S5:No、S11:No、かつS21:Yes)、処理をステップS15に移行させる。
【0077】
制御部21は、同泊者確認画面D7において利用者からいずれかの選択項目(操作ボタンK1,K2,K3)の選択操作を受け付けるまで待機する(S21:No)。
【0078】
ステップS6(図16参照)では、制御部21は、所定の終了条件を満たすか否かを判定する。具体的には、制御部21は、パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理のそれぞれについて要否を確認し、全ての処理が不要である場合に終了条件を満たすと判定する(S6:Yes)。一方、制御部21は、前記処理の少なくともいずれかの処理が必要である場合に終了条件を満たさないと判定する(S6:No)。制御部21は、終了条件を満たすと判定すると(S6:Yes)、処理をステップS7に移行させ、終了条件を満たさないと判定すると(S6:No)、処理をステップS8に移行させる。
【0079】
ステップS7では、制御部21は、チェックアウト完了処理を実行する。例えば、利用者P6,P7のうち利用者P6が自身のルームキーを返却してチェックアウト手続きを行い、利用者P7が客室に在室中である場合に、制御部21は、利用者P6のみのチェックアウト手続きを完了させる。この場合、制御部21は、利用者P7が客室を利用中であるため、客室(客室番号「203」)のチェックアウト手続きを完了させず、客室(客室番号「203」)のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信しない。管理装置10は、客室情報122において、客室番号「203」の客室の利用状況をチェックアウト未完了の状態に維持する(図4参照)。
【0080】
ステップS8では、制御部21は、利用者をフロントへ案内する。具体的には、制御部21は、フロント案内画面D9(図14参照)を表示させるとともに、お知らせチケットM1(図15参照)を発行して、利用者をフロントへ誘導する。この場合、チェックイン端末20においてルームキーが回収され、フロントにおいて前記各処理(パスポートのスキャン処理、追加精算処理、返金処理)が行われて利用者のチェックアウト手続きが完了する。
【0081】
制御部21は、ステップS7、S8の後、前記チェックアウト処理を終了して、メニュー画面D1を表示させるとともに、処理をステップS1に戻す。
【0082】
ここで、利用者P6,P7のうち利用者P6が自身のルームキーを返却してチェックアウト手続きを完了し、その後に利用者P7がチェックアウト手続きを行う場合に、制御部21は、利用者P7からルームキーの返却操作を受け付ける(S2)。この場合、利用者P7は同泊者確認画面D7(図12参照)において「同泊者のルームキーを返却済み」の操作ボタンK2を押下する。制御部21は、「同泊者のルームキーを返却済み」が選択されたと判定すると(S21:Yes)、処理をステップS15に移行させる。
【0083】
ステップS15では、制御部21は、パスポートのスキャン処理が必要であるか否かを判定する。例えば、利用者P7が外国人であって、チェックイン手続きの際にパスポートをスキャンしていなかった場合に、制御部21は、パスポートのスキャン処理が必要であると判定する。制御部21は、パスポートのスキャン処理が必要であると判定すると(S15:Yes)、処理をステップS16に移行させる。一方、制御部21は、パスポートのスキャン処理が不要であると判定すると(S15:No)、処理をステップS17に移行させる。
【0084】
ステップS16では、制御部21は、パスポートのスキャン処理を実行する。具体的には、制御部21は、パスポートスキャン画面D3(図8参照)を表示させて、利用者P7にパスポートのスキャン操作を促す。
【0085】
次にステップS17において、制御部21は、利用者に返金する必要があるか否かを判定する。制御部21は、利用者P7に返金する必要があると判定すると(S17:Yes)、処理をステップS18に移行させる。一方、制御部21は、利用者P7に対する返金が不要であると判定すると(S17:No)、処理をステップS19に移行させる。
【0086】
ステップS18では、制御部21は、返金処理を実行する。具体的には、制御部21は、返金画面D4(図9参照)を表示させて利用者に返金する。
【0087】
次にステップS19において、制御部21は、利用者が追加料金の支払いをする必要があるか否かを判定する。制御部21は、利用者P7が追加精算する必要があると判定すると(S19:Yes)、処理をステップS20に移行させる。一方、制御部21は、利用者P7の追加精算が不要であると判定すると(S19:No)、処理をステップS7(図16参照)に移行させる。
【0088】
ステップS20では、制御部21は、追加精算処理を実行する。具体的には、制御部21は、追加料金精算画面D5(図10参照)を表示させて精算処理を行う。制御部21は、ステップS20の後、処理をステップS7に移行させる。
【0089】
ステップS7において、制御部21は、利用者P7のチェックアウト手続きを完了させる。ここでは、同泊者の利用者P6が先にチェックアウト手続きを完了し、その後に利用者P7がチェックアウト手続きを完了しているため、制御部21は、利用者P6,P7が利用した客室(客室番号「203」)のチェックアウト手続きを完了し、完了情報を管理装置10に送信する。このように、制御部21は、同泊者の一部がチェックアウト手続きを完了した時点では当該客室のチェックアウト手続きの完了情報を管理装置10に送信せず、同泊者全員のチェックアウト手続きが完了した時点で当該完了情報を管理装置10に送信する。
【0090】
利用者が同泊者確認画面D7において「同泊者のルームキーを返却する」の操作ボタンK1を押下すると(S11:Yes)、制御部21は、ステップS12において、同泊者ルームキー返却画面D8(図13参照)を表示させて、同泊者のルームキーの返却を促す。例えば、客室番号「203」の客室を利用する利用者P6,P7が2人でチェックイン端末20まで来てチェックアウト手続きする場合に、代表者(例えば利用者P6)が自身のルームキーを返却した後、「同泊者のルームキーを返却する」の操作ボタンK1を押下する。そして、制御部21は、同泊者ルームキー返却画面D8を表示させて、同泊者のルームキーの返却を促す。
【0091】
次にステップS13において、制御部21は、ルームキーが正常に返却されたか否かを判定する。利用者は、同泊者ルームキー返却画面D8に従ってルームキーをルームキー発行回収部24(図5参照)に挿入する。制御部21は、挿入されたルームキーを正常に回収した場合にルームキーが正常に返却されたと判定して(S13:Yes)、処理をステップS14に移行させる。一方、制御部21は、ルームキーの返却操作が行われず、同泊者ルームキー返却画面D8の「同泊者が在室中」のボタン(図13参照)が押下されると(S22:Yes)、処理をステップS6(図16参照)に移行させて上述の処理を実行する。例えば、3人のグループのうち2人が一緒にチェックアウト手続きを行い、1人が在室中である場合に、チェックアウト手続きにおいて利用者は同泊者ルームキー返却画面D8の「同泊者が在室中」のボタンを押下する。
【0092】
ステップS14では、制御部21は、同泊者ルームキー返却画面D8において「返却終了」のボタンが押下されたか否かを判定する。例えば、利用者は、同泊者全員分のルームキーを返却し終えると「返却終了」のボタンを押下する。制御部21は、「返却終了」のボタンが押下されるまで、ルームキーの返却操作を繰り返し受け付ける(S14:No)。制御部21は、「返却終了」のボタンが押下されると(S14:Yes)、処理をステップS15に移行させる。
【0093】
利用者が「返却終了」のボタンを押下すると(S14:Yes)、制御部21は、上述したステップS15~S20の処理(パスポートのスキャン処理、返金処理、追加精算処理)を実行して、チェックアウト手続きを完了する。そして、制御部21は、客室のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信する(S7)。管理装置10は、客室情報122(図4参照)において、前記客室に対応する利用状況に「チェックアウト完了」を登録する。
【0094】
以上のようにして、施設管理システム100は、前記チェックアウト処理を実行する。
【0095】
以上説明したように、本実施形態に係る施設管理システム100は、利用対象(例えば客室、部屋)を利用する第1利用者から、操作端末(チェックイン端末20)において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件(終了条件)を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させない構成を備えている。
【0096】
また、施設管理システム100は、利用対象(例えば客室、部屋)を利用する第1利用者から、操作端末(チェックイン端末20)において前記利用対象の第1利用キー(ルームキー)の返却操作を受け付け、前記第1利用キーの返却操作に応じて、前記第1利用者のチェックアウト手続きを行う。また、施設管理システム100は、前記第1利用者のチェックアウト手続きが完了した前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者(同泊者)により利用中(在室中)である場合に、前記利用対象の利用状況をチェックアウト未完了の状態(利用中)に設定する。
【0097】
上記構成によれば、例えば同一の客室を利用する同泊者グループのうち一部の利用者のみがチェックイン端末20においてチェックアウト手続きを行うことが可能となる。また、一部の利用者のみがチェックアウト手続きを行ったとしても、当該客室の利用状況をチェックアウト完了の状態に更新(変更)することなく、チェックアウト未完了の状態を維持する。すなわち、同泊者の一部の利用者がチェックアウト手続きを行った場合には当該利用者のチェックアウト手続きを許可し、客室(部屋)自体のチェックアウト手続きを完了させない構成とすることができる。このため、前記客室が清掃可能な状態に更新されたり、予約可能な状態(「空室」)に更新されたりすることを防ぐことができる。また、ルームキーの利用(施錠、解錠、付帯設備の利用など)が制限されることを回避することができる。
【0098】
よって、利用対象を複数の利用者で利用する場合のチェックアウト手続きにおいて、スタッフの業務負担を軽減するとともに利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0099】
また、施設管理システム100は、客室に関する料金の支払(追加精算など)及び返金が不要な場合に前記第1利用者のチェックアウト手続き行ってもよい。また、施設管理システム100は、客室を利用する利用者を示す本人情報(パスポート、身分証明書など)の取得が不要な場合に前記第1利用者のチェックアウト手続き行ってもよい。
【0100】
また、施設管理システム100は、前記第1利用者のチェックアウト手続きを行うことができない場合、例えば客室に関する料金の支払が必要な場合、返金が必要な場合、又は、本人情報の取得が必要な場合に、所定の案内情報(フロントへの誘導)を提示してもよい。
【0101】
これにより、特別な処理が不要な場合に限って一部の利用者のチェックアウト手続きを完了させることができる。この場合、スタッフは特別な処理のみを対応すればよいため、業務負担を軽減することができる。
【0102】
また、施設管理システム100は、チェックイン端末20にルームキーが返却された場合に、ルームキーの返却操作を受け付け、ルームキーに対応付けられた利用情報(予約情報121、客室情報122など)に基づいて、前記第1利用者のチェックアウト手続きを行ってもよい。
【0103】
また、施設管理システム100は、チェックイン端末20において、客室に対する前記第1利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記客室を他の利用者が利用中であるか否かを選択する選択画面(同泊者確認画面D7など)を表示させてもよい。
【0104】
また、施設管理システム100は、チェックイン端末20において第2利用者から客室のチェックアウト手続きの開始操作を受け付け、前記客室に対する前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記客室のチェックアウト手続きを完了させてもよい。例えば、施設管理システム100は、チェックイン端末20において、第2利用者から客室のルームキーの返却操作を受け付け、前記ルームキーの返却操作に応じて、前記第2利用者のチェックアウト手続きを行い、前記客室に対する前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記客室の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定してもよい。
【0105】
ここで、他の実施形態として、施設管理システム100は、客室に対する前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了しない状態で、前記客室に対して予め設定された利用終了時刻(チェックアウト時刻)が経過した場合に、前記客室の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定してもよい。
【0106】
具体的には、客室番号「203」の客室を利用する利用者P6,P7(同泊者グループ)のうち利用者P6がチェックアウト手続きを完了した後、利用者P7がチェックアウト手続きを行わないで宿泊施設から退出することが考えられる。例えば、追加精算などチェックアウト時に必要な手続きがない場合、利用者P7は、ルームキーを返却することなく宿泊施設を退出することが考えられる。この場合、制御部21は、客室番号「203」の客室について、チェックアウト時刻(「12:00」)を経過した時点で、客室(客室番号「203」)のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、チェックイン端末20から前記完了情報を取得すると、前記客室の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定する。
【0107】
また、本実施形態に係る施設管理システム100は、利用者からチェックアウト手続きに関する操作を受け付ける操作端末(チェックイン端末20)と、客室の利用状況を管理する管理装置10(サーバー)とを含み、チェックイン端末20は、客室に対する第1利用者及び第2利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記客室のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を管理装置10に送信し、管理装置10は、チェックイン端末20から前記完了情報を取得した場合に、前記客室の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定する。
【0108】
なお、本実施形態に係る宿泊施設の客室(部屋)は、本発明の利用対象の一例である。本発明の利用対象は、これに限定されない。例えば、本発明の利用対象は、飲食店の個室、テーブルであってもよいし、娯楽施設の設備などであってもよい。
【0109】
また、本実施形態に係るルームキー(カードキー)は、本発明の利用キーの一例である。
【0110】
また、本発明の他の実施形態として、チェックイン端末20の制御部21に含まれる各処理部(例えば、受付処理部211、表示処理部212、チェックイン処理部213、チェックアウト処理部214)が管理装置10の制御部11に含まれてもよい。
【0111】
また、本発明の施設管理システムは、管理装置10及びチェックイン端末20で構成されてもよいし、管理装置10及びチェックイン端末20のいずれか一方の単体で構成されてもよい。
【0112】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0113】
<付記1>
利用対象を利用する第1利用者から、操作端末において前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部により前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けられた場合において、前記利用対象又は前記利用対象を利用する利用者に関する所定の条件を満たし、かつ前記利用対象が前記第1利用者と同じグループに含まれる第2利用者により利用中である場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させ、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させないチェックアウト処理部と、
を備える施設管理システム。
【0114】
<付記2>
前記利用対象の利用状況を管理する管理処理部をさらに備え、
前記管理処理部は、前記チェックアウト処理部が前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させない場合に、前記利用対象の利用状況をチェックアウト未完了の状態に設定する、
付記1に記載の施設管理システム。
【0115】
<付記3>
前記受付処理部は、前記第1利用者から、前記操作端末において前記利用対象の第1利用キーの返却操作を受け付けた場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付ける、
付記1又は2に記載の施設管理システム。
【0116】
<付記4>
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象に関する料金の支払及び返金が不要な場合に前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させる、
付記1~3のいずれかに記載の施設管理システム。
【0117】
<付記5>
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象を利用する利用者を示す本人情報の取得が不要な場合に前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させる、
付記1~4のいずれかに記載の施設管理システム。
【0118】
<付記6>
前記チェックアウト処理部は、前記所定の条件を満たさない場合に、前記第1利用者のチェックアウト手続きを完了させず、所定の案内情報を提示する、
付記1~5のいずれかに記載の施設管理システム。
【0119】
<付記7>
前記受付処理部は、前記操作端末に前記第1利用キーが返却された場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付け、
前記チェックアウト処理部は、前記第1利用キーに対応付けられた利用情報に基づいて、前記第1利用者のチェックアウト手続きを行う、
付記3に記載の施設管理システム。
【0120】
<付記8>
前記操作端末に操作画面を表示させる表示処理部をさらに備え、
前記表示処理部は、前記利用対象に対する前記第1利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記利用対象を他の利用者が利用中であるか否かを選択する選択画面を表示させる、
付記1~7のいずれかに記載の施設管理システム。
【0121】
<付記9>
前記受付処理部は、前記操作端末において前記第2利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付け、
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象に対する前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させる、
付記1~8のいずれかに記載の施設管理システム。
【0122】
<付記10>
前記チェックアウト処理部は、前記利用対象に対する前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了しない状態で、前記利用対象に対して予め設定された利用終了時刻が経過した場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させる、
付記1~9のいずれかに記載の施設管理システム。
【0123】
<付記11>
前記施設管理システムは、利用者からチェックアウト手続きに関する操作を受け付ける前記操作端末と、前記利用対象の利用状況を管理する管理装置とを含み、
前記操作端末は、前記利用対象に対する前記第1利用者及び前記第2利用者のチェックアウト手続きが完了した場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きが完了したことを示す完了情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記操作端末から前記完了情報を取得した場合に、前記利用対象の利用状況をチェックアウト完了の状態に設定する、
付記1~10のいずれかに記載の施設管理システム。
【0124】
<付記12>
前記利用対象は、宿泊施設の客室であり、
前記第1利用キーは、前記客室のルームキーである、
付記3に記載の施設管理システム。
【符号の説明】
【0125】
10 :管理装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信インターフェース
20 :チェックイン端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :ルームキー発行回収部
25 :読取部
26 :通信インターフェース
27 :カメラ
100 :施設管理システム
111 :予約処理部
112 :管理処理部
121 :予約情報
122 :客室情報
211 :受付処理部
212 :表示処理部
213 :チェックイン処理部
214 :チェックアウト処理部
D1 :メニュー画面
D2 :ルームキー返却画面
D3 :パスポートスキャン画面
D4 :返金画面
D5 :追加料金精算画面
D6 :チェックアウト完了画面
D7 :同泊者確認画面
D8 :同泊者ルームキー返却画面
D9 :フロント案内画面
K1 :操作ボタン
K2 :操作ボタン
K3 :操作ボタン
M1 :お知らせチケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-01-26
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用対象を利用する第1利用者及び第2利用者のうち前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きに関する操作を操作端末で受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部が前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合に、前記第2利用者の利用キーを返却するか否かを選択する第1画面を前記操作端末に表示させ、前記第1画面において前記第2利用者の利用キーを返却することが選択された場合に、前記第2利用者の利用キーの返却を促す第2画面を前記操作端末に表示させる表示処理部と、
前記表示処理部により前記第2画面が表示された後、前記第1利用者により前記第2利用者の利用キーが前記操作端末に返却された場合に、前記第2利用者の利用キーを回収する利用キー回収部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1利用者により前記操作端末に返却された前記第1利用者の利用キーから取得される利用対象情報に基づいて、前記利用対象の利用者が前記第1利用者以外に存在すると判定した場合に、前記表示処理部は、前記第1画面を表示させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記操作端末に前記第2画面が表示された後、前記利用対象の全ての利用キーが返却された場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記操作端末に前記第2画面が表示された後、前記利用対象の利用キーの返却が終了したことを示す操作を受け付けた場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記操作端末に、前記第2利用者の利用キーを返却済みであるか否かをさらに選択可能に表示させ、
前記第1利用者から前記第2利用者の利用キーを返却済みであることを示す操作を受け付けた場合に、前記利用対象のチェックアウト手続きを完了させる、
請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
利用対象を利用する第1利用者及び第2利用者のうち前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きに関する操作を操作端末で受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部が前記第1利用者から前記利用対象のチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた場合に、前記第2利用者の利用キーを返却するか否かを選択する第1画面を前記操作端末に表示させ、前記第1画面において前記第2利用者の利用キーを返却することが選択された場合に、前記第2利用者の利用キーの返却を促す第2画面を前記操作端末に表示させる表示処理部と
前記表示処理部により前記第2画面が表示された後、前記第1利用者により前記第2利用者の利用キーが前記操作端末に返却された場合に、前記第2利用者の利用キーを回収する利用キー回収部と、
を備える操作端末。