(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079600
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】半導体イオン風ヘアドライヤー
(51)【国際特許分類】
A45D 20/10 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
A45D20/10 101
A45D20/10 102
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189078
(22)【出願日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】202211524883.7
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522033221
【氏名又は名称】広東工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】王 長宏
(72)【発明者】
【氏名】蘇 文
(72)【発明者】
【氏名】厳 ▲テツ▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 礼軒
(72)【発明者】
【氏名】林 智宇
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CB01
3B040CC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱風と冷風を切り替えられ、静電気を除去できるヘアドライヤーを提供する。
【解決手段】外筒3と内筒4との間の環状空間には熱風通路が形成され、前記内筒内部の空間には冷風通路が形成され、前記外筒の内壁には、第1熱電冷却チップ31が配置され、前記第1熱電冷却チップの加熱面は前記熱風通路に面し、前記内筒の内壁には第2熱電冷却チップ41が配置され、前記第2熱電冷却チップの加熱面は前記熱風通路に面し、冷却面は冷風通路に面し、プラグインハンドルの一端は前記送風筒に接続され、且つ当該接続部分には一つの通路切り替え部品が設置され、前記プラグインハンドル内部にはイオン風発生ユニットが配置され、前記イオン風発生ユニットはイオン風を発生させるために使用され、通路切り替え部品は前記イオン風を熱風通路又は冷風通路に流すように制御するために使用される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風筒とプラグインハンドルを含み、
前記送風筒には、外筒と、前記外筒の内部に配置された内筒が含まれ、前記外筒と前記内筒との間の環状空間には熱風通路が形成され、前記内筒内部の空間には冷風通路が形成され、前記外筒の内壁には、第1熱電冷却チップが配置され、前記第1熱電冷却チップの加熱面は前記熱風通路に面し、前記内筒の内壁には第2熱電冷却チップが配置され、前記第2熱電冷却チップの加熱面は前記熱風通路に面し、冷却面は冷風通路に面し、
前記プラグインハンドルの一端は前記送風筒に接続され、且つ当該接続部分には一つの通路切り替え部品が設置され、前記プラグインハンドル内部にはイオン風発生ユニットが配置され、前記イオン風発生ユニットはイオン風を発生させるために使用され、前記通路切り替え部品は前記イオン風を熱風通路又は冷風通路に流すように制御するために使用される、
ことを特徴とする半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項2】
前記イオン風発生ユニットは電極ブラケットを含み、前記電極ブラケットには、いくつかのエミッタ電極針が配置され、前記エミッタ電極針には高電圧電源が電気的に接続され、且つ前記エミッタ電極針の上側には受信電極が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項3】
前記エミッタ電極針は電極ブラケットに水平十字配列で固定され、前記受信電極内には平行に配置された複数のフィンが設置されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項4】
前記エミッタ電極針の表面にはグラフェンコーティングが施されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項5】
前記通路切り替え部品には回転可能な四分の一球面バッフルと、固定した円形表面バッフルが含まれ、前記回転可能な四分の一球面バッフルは、一本の固定した回転軸によってプラグインハンドルと送風筒の接続部分に固定接続され、前記固定した回転軸は制御回路基板に信号接続され、前記固定した円形表面バッフルは前記回転可能な四分の一球面バッフルの上側に接着され、前記固定した円形表面バッフルには、前記熱風通路を遮断し、覆うための環状領域を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項6】
前記固定した回転軸の回転角度は90度であることを特徴とする請求項5に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項7】
前記プラグインハンドルには、ボタンが設置され、前記ボタンは制御回路基板に信号接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項8】
前記外筒の送風口の部分には温度センサーが設置され、前記温度センサーは制御回路基板に信号接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【請求項9】
前記送風筒の送風口には均流膜が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体イオン風ヘアドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘアドライヤー装置の技術分野に関し、詳しくは半導体イオン風ヘアドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上と科学技術の継続的な進歩に伴い、人類はよりスマートで省エネなヘアドライヤーを必要としている。日常生活において、ヘアドライヤーは多くの家庭にとって欠かせない日用品となっており、主に髪の乾燥やヘアスタイルのスタイリングに使用され、研究室、理学療法室、アートスタジオなどの局所乾燥、加熱、理学療法などの用途にも使用されている。
【0003】
既存のヘアドライヤーには通常、電熱線、機械ファン及び制御マザーボードが含まれる。従来のファンは、空気の流れを形成するために機械的な方法を採用しているため、ヘアドライヤーの作動時には騒音と振動が伴う。熱風ギアを選択すると、電熱線が発熱するまでに一定の時間がかかり、ファンで吹き出された空気は電熱線で加熱され、熱風となる。しかし、冷風ギアに切り替える場合、電熱線が冷却されるまでに一定の時間がかかるため、送風口から吹き出される風には熱が残っている。同時に、熱風ギアの高温は、制御マザーボードの自己放熱性能を低下させる。
【0004】
また、従来のヘアドライヤーから吹き出される熱風が乾燥しすぎて髪のパサつきやパサつきの原因となり、同時に、定温制御ができないヘアドライヤーでは髪にダメージを与えやすくなる。また、髪を乾かすときにクシを使用することが避けられず、髪に静電気が発生しやすく、静電気により、髪が変形したり、曲がったり、浮き上がったりする可能性がある。
【0005】
そのため、熱風と冷風を切り替えられ、静電気を除去できるヘアドライヤーを切実に必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の欠点に鑑み、本発明は、熱風と冷風とを切り替えて静電気を除去できる半導体イオン風ヘアドライヤーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用することができる。
【0008】
送風筒とプラグインハンドルを含み、
上記送風筒には、外筒と、上記外筒の内部に配置された内筒が含まれ、上記外筒と上記内筒との間の環状空間には熱風通路が形成され、上記内筒内部の空間には冷風通路が形成され、上記外筒の内壁には、第1熱電冷却チップが配置され、上記第1熱電冷却チップの加熱面は上記熱風通路に面し、上記内筒の内壁には第2熱電冷却チップが配置され、上記第2熱電冷却チップの加熱面は上記熱風通路に面し、冷却面は冷風通路に面し、
上記プラグインハンドルの一端は上記送風筒に接続され、且つ当該接続部分には一つの通路切り替え部品が設置され、上記プラグインハンドル内部にはイオン風発生ユニットが配置され、上記イオン風発生ユニットはイオン風を発生させるために使用され、上記通路切り替え部品は上記イオン風を熱風通路又は冷風通路に流すように制御するために使用される。
【0009】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記イオン風発生ユニットは電極ブラケットを含み、前記電極ブラケットには、いくつかのエミッタ電極針が配置され、前記エミッタ電極針には高電圧電源が電気的に接続され、且つ前記エミッタ電極針の上側には受信電極が配置されている。
【0010】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記エミッタ電極針は電極ブラケットに水平十字配列で固定され、前記受信電極内には平行に配置された複数のフィンが設置されている。
【0011】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記エミッタ電極針の表面にはグラフェンコーティングが施されている。
【0012】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記通路切り替え部品には回転可能な四分の一球面バッフルと、固定した円形表面バッフルが含まれ、前記回転可能な四分の一球面バッフルは、一本の固定した回転軸によってプラグインハンドルと送風筒の接続部分に固定接続され、前記固定した回転軸は制御回路基板に信号接続され、前記固定した円形表面バッフルは前記回転可能な四分の一球面バッフルの上側に接着され、前記固定した円形表面バッフルには、前記固定した円形表面バッフルは、前記熱風通路を遮断し、覆うための環状領域を有する。
【0013】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記固定した回転軸の回転角度は90度である。
【0014】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記プラグインハンドルには、ボタンが設置され、前記ボタンは制御回路基板に信号接続されている。
【0015】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記外筒の送風口の部分には温度センサーが設置され、前記温度センサーは制御回路基板に信号接続されている。
【0016】
上記半導体イオン風ヘアドライヤーは、更に、前記送風筒の送風口には均流膜が設置されている。
【0017】
従来技術と比較して、本発明の有利な効果は次のとおりである。
1、本発明の実施例の外筒と内筒の両方に熱電冷却チップが設置されて、既存の技術と比較して、熱電冷却チップの使用により、外筒の送風タクトの熱風温度及び、内筒の送風タクトの冷風温度を効果的に制御でき、エネルギー消費を効果的に削減し、定温送風を実現した。
【0018】
2、本発明の実施例の通路切り替え部品には、固定した円形表面バッフルと、回転可能な四分の一球面バッフルが含まれ、回転可能な四分の一球面バッフルはプラグインハンドルと送風筒の接続部分に配置され、ボタンによって球面バッフルの回転方向を制御することで、熱風ダクトと冷風ダクトの送風変換を実現し、短時間での冷風と熱風の交換を実現できる。
【0019】
3、本発明の実施例のイオン風発生ユニットは、2段式ピン-フィン構造により、上下に配列して配置され、エミッタ電極針はエミッタ電極ブラケットに水平十字配列で固定されて、送風量を向上でき、且つプラグインハンドル内部に沿って、外筒の送風タクト或は内筒の送風タクトに風が入ることを実現できる。既存の技術と比較して、イオン風発生ユニットは騒音が少なく、静電気が発生しないという利点があり、且つイオン風発生ユニットには一定の滅菌及び消毒機能があり、装置の実用性を向上させることができる。
【0020】
4、本発明のヘアドライヤーは、さらに温度センサーと制御回路基板からなる定温制御システムを備え、定温制御システムにより熱風に対する定温制御を実現できる。既存の技術と比較して、定温度制御システムは送風タクトからの熱風の温度を調整し、髪の乾燥をスピードアップし、高温による髪の損傷を防ぎ、エネルギー消費を効果的に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、本実施例で使用する図面について簡単に紹介するが、以下の説明における図面は、本出願の一部の実施例にすぎず、当業者であれば、創造的な努力をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【
図1】本発明実施例の半導体イオン風ヘアドライヤーの構造概略図であり、
【
図2】本発明実施例の半導体イオン風ヘアドライヤーの分解図であり、
【
図3】本発明実施例の半導体イオン風ヘアドライヤーのイオン風発生装置の構造概略図であり、
【
図4】本発明実施例の半導体イオン風ヘアドライヤーの熱電冷却チップの構造概略図であり、
【
図5】本発明実施例の半導体イオン風ヘアドライヤーのバッフルの構造概略図であり、
【
図6】本発明実施例の半導体イオン風ヘアドライヤーの温度制御システムのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施例における技術的解決策は、本発明の実施例の図面を参照して以下に明確且つ完全に説明されるが、明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得た他のすべての実施例は、本出願の保護の範囲内に入る。
【0023】
実施例:
本発明の明細書及び特許請求の範囲、ならびに上記の図面における「第1」、「第2」などの用語は、類似の対象を区別するために使用されており、必ずしも特定の順番又は前後の順序を説明するために使用されるわけではないことに留意されたい。このように使用されるデータは、本明細書に記載される本発明の実施例が、本明細書に図示又は記載されたもの以外の順序で実施できるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。さらに、本発明の実施例における「含む」及び「有する」という用語、及びそれらの変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットのプロセス、方法、システム、製品、又は装置を含み、明確にリストされているステップやユニットに限定する必要がなく、明示的に列挙されていない、又はプロセス、方法、製品、又は装置に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0024】
「中心」、「縦」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などに示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、言及されているデバイス又は部品が特定の向きを持ち、特定の向きで構築され、動作しなければならないことを示したり暗示したりすることを意図したものではなく、したがって本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0025】
本発明の説明において、「複数」とは、特に明示的に限定されない限り、2つ、3つなどの少なくとも2つを意味する。また、特に明確に記載及び限定されない限り、「設置」、「連結」、及び「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体型の接続があってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接接続することも、仲介経由で間接的に接続することも、2つの部品間の内部接続であってもよい。当業者であれば、本発明における上記の用語の具体的な意味は、ケースバイケースで理解できる。
【0026】
本発明において、特に明記及び限定されない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるということは、第1と第2の特徴が直接接触していること、又は第1と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触していることを意味することができる。また、第1特徴が第2特徴の「の上」、「上方」、「上側」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上、或は斜め上にあってもよく、或は、単に、第1特徴が第2特徴より水平方向に高いことを意味してもよい。第1特徴が第2特徴の「の下」、「下方」、「下側」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下、或は斜め下にあってもよく、或は、単に、第1特徴が第2特徴より水平方向に低いいことを意味してもよい。
【0027】
図1から
図6を参照すると、本発明は半導体イオン風ヘアドライヤーを提供し、当該半導体イオン風ヘアドライヤーは送風筒とプラグインハンドルを含み、ここで、送風筒には、外筒3と、外筒3の内部に配置された内筒4が含まれ、外筒3と内筒4との間の環状空間には熱風通路が形成され、内筒4内部の空間には冷風通路が形成され、外筒3の内壁には、第1熱電冷却チップ31が配置され、第1熱電冷却チップ31の加熱面は熱風通路に面し、内筒の内壁には第2熱電冷却チップ41が配置され、第2熱電冷却チップ41の加熱面は熱風通路に面し、冷却面は冷風通路に面し、プラグインハンドルの一端は送風筒に接続され、且つ当該接続部分には一つの通路切り替え部品が設置され、プラグインハンドル内部にはイオン風発生ユニットが配置され、イオン風発生ユニットはイオン風を発生させるために使用され、通路切り替え部品はイオン風を熱風通路又は冷風通路に流すように制御するために使用される。
【0028】
具体的には、本発明の実施例では、外筒3と内筒4の両方に熱電冷却チップが設置されて、熱電冷却チップの使用により、外筒3の送風タクトの熱風温度と内筒4の送風タクトの冷風温度を効果的に制御でき、従来のヘアドライヤーと比較して、本発明は、冷風と熱風を短時間で切り替えることができる。同時に、本発明の実施例は、イオン風発生ユニットを通じてイオン風を発生させるので、従来のヘアドライヤーに比べて、騒音が少なく、静電気が発生しないという利点がある。理解できることは、本発明の実施例の熱電冷却チップは半導体材料のペルチェ(Peltier)効果を利用するため、直流電流が、直列に接続された2つの異なる半導体材料の熱電対を通過する場合、熱電対の両端で熱は吸収及び放出される。
【0029】
再び
図1~
図2を参照すると、
図1及び
図2は半導体イオン風ヘアドライヤーを示し、当該半導体イオン風ヘアドライヤーは送風筒とプラグインハンドルを含むことができ、送風筒には、外筒3、内筒4、通路切り替え部品が含まれる。外筒3の外側にはプラグインハンドルとボタン10が設置され、外筒3内には、第1熱電冷却チップ31が設置され、内筒4には第2熱電冷却チップ41が設置される。通路切り替え部品は固定した円形表面バッフル6と回転可能な四分の一球面バッフル5から構成され、プラグインハンドルと送風筒との間の接続部分に配置されている。プラグインハンドルには、電源コネクタが設けられ、プラグインハンドル内部にはイオン風発生ユニットが設置されている。イオン風発生ユニットは電極ブラケット12を含み、電極ブラケット12には、いくつかのエミッタ電極針13が配置され、エミッタ電極針13には高電圧電源が電気的に接続され、且つエミッタ電極針13の上側には受信電極11が配置されている。本実施例では、熱電冷却技術により、ヘアドライヤーの冷風と熱風を短時間で切り替えるとともに、イオン風発生ユニットのコロナ放電により髪に発生する静電気を除去でき、従来のヘアドライヤーと比較して、使用時の騒音とエネルギー消費を削減できる。
【0030】
図4を参照すると、いくつかの実施例では、外筒3内の第1熱電冷却チップ31の冷却端の表面は外側に面し、加熱面は内側の熱風通路に面する。内筒4内の第2熱電冷却チップ41の加熱端の表面は外側の熱風通路に面し、冷却端の表面は内側の冷風通路に面する。第1熱電冷却チップ31と第2熱電冷却チップ41の配置により、外筒3の熱風通路を加熱し、内筒4の冷風通路を冷却できることにより、外筒3の送風タクトからは熱風が吹き出され、内筒4の送風タクトからは冷風が吹き出されるように確保して、エネルギー消費を効果的に削減し、定温送風を実現できる。例示的に、第1熱電冷却チップ31と第2熱電冷却チップ41のそれぞれの厚さは5mmであり、且つ第1熱電冷却チップ31と第2熱電冷却チップ41にはいずれも低電圧直流電源に電気的に接続されている。
【0031】
再び
図1及び
図2を参照すると、いくつかの実施例では、プラグインハンドルにはボタン10が設置され、ボタン10は制御回路基板7に信号接続され、ボタン10には、電源スイッチ、冷風ギア、熱風ギアを含むことができる。ここで、電源スイッチはデバイス全体をオン又はオフにするために使用され、冷風ギアは、内筒4の送風タクトから冷風を吹き出すために使用され、熱風ギアは、外筒3の送風タクトから熱風を吹き出すために使用される。
【0032】
図5を参照すると、いくつかの実施例では、通路切り替え部品には回転可能な四分の一球面バッフル5と、固定した円形表面バッフル6が含まれ、回転可能な四分の一球面バッフル5は、一本の固定した回転軸によってプラグインハンドルと送風筒の接続部分に固定接続され、固定した回転軸は制御回路基板7に信号接続され、固定した円形表面バッフル6は回転可能な四分の一球面バッフルの上側に接着され、固定した円形表面バッフル6には、熱風通路を遮断し、覆うための環状領域を有する。本実施例では、四分の一球面バッフルの回転は冷風ギアによって制御され、ボタン10を熱風ギアに調整すると、四分の一球面バッフルは風を外筒3の熱風通路に導き、ボタン10を冷風ギアに調整すると、四分の一球面バッフルは風を内筒4の冷風通路に導く。ボタン10によって球面バッフルの回転方向を制御することで、熱風ダクトと冷風ダクトの送風変換を実現でき、短時間での冷風と熱風の交換を実現できる。好ましくは、回転可能な四分の一球面バッフル5の半径は20mmである。固定した回転軸の回転角度は90度である。
【0033】
図3を参照すると、いくつかの実施例において、イオン風発生ユニットは、イオン風を発生させるために使用され、2段式ピン-フィン構造で構成でき、2段式ピン-フィン構造は、プラグインハンドル内部に上下に配列して配置されている。エミッタ電極針13はエミッタ電極ブラケット12に水平十字配列で固定されている。本実施例では、イオン風発生ユニットはコロナ放電を利用して髪に発生する静電気を除去でき、且つ当該構造の配置は、送風量を向上でき、且つプラグインハンドル内部に沿って、外筒の送風タクト或は内筒の送風タクトに風が入ることを実現できる。さらに、イオン風発生ユニットは、騒音が少なく、静電気が発生しないという利点があり、且つイオン風発生装置ユニットには一定の殺菌機能があり、装置の実用性を向上させることができる。例えば、エミッタ電極針13の長さは10mmである。電極ブラッド12の直径は40mmである。フィンの直径は40mmである。エミッタ電極針13と受信電極11のフィンとの垂直距離は10mmである。2段式ピン-フィン構造におけるシングルピンフィンイオン風発生ユニット間の垂直距離は30mmである。2段式ピン-フィン構造からシリンダーまでの垂直距離は50mmである。エミッタ電極針13は高圧電源に電気的に接続されている。
【0034】
上記実施例では、さらに、エミッタ電極針13の表面にはグラフェンコーティングが施されている。具体的には、エミッタ電極針13の表面にグラフェンコーティングをすることにより、作動状態でエミッタ電極針13が酸化して送風量が低下することを防止できる。
【0035】
いくつかの実施例では、イオン風ヘアドライヤーハンドル1の直径は45mmであり、ヘアドライヤーハンドル1の長さは200mmである。イオン風ヘアドライヤーの外筒3の外径は80mmであり、イオン風ヘアドライヤーの外筒3の内径は70mmである。イオン風ヘアドライヤーの内筒4の外径は40mmであり、イオン風ヘアドライヤーの内筒4の内径は30mmである。イオン風ヘアドライヤーの内筒4の長さは40mmであり、外筒3の長さは100mmである。
【0036】
いくつかの実施例では、外筒3の送風口の部分には温度センサー8が設置され、温度センサー8は制御回路基板7に信号接続されている。本実施例では、温度センサー8と制御回路基板7とにより定温制御システムが構成されて、定温制御システムによって、熱風を定温に制御することができる。既存の技術と比較して、定温制御システムは、外側送風タクトの熱風温度を調整できて、髪の乾燥をスピードアップし、同時に高温による髪のダメージを防ぎ、エネルギー消費を効果的に削減する。
【0037】
上記実施例では、更に、送風筒の送風口には均流膜9が設置されている。具体的に、送風筒の送風口に均流膜9を設置することにより、ヘアドライヤーから吹き出す風をより均一かつ安定させることができる。
【0038】
本発明をより良く理解させるために、以下に特定の実施例を通じて本発明を説明する。
【0039】
実施例一
ヘアドライヤーがオフギアである場合、2段式ピン-フィンイオン風発生ユニットには、受信電極11、電極ブラッド12、エミッタ電極針13、第1熱電冷却チップ31及び第2熱電冷却チップ41を含み、いずれもオフ状態である。
【0040】
実施例二
ヘアドライヤーコード2を電源に接続し、ヘアドライヤーを冷風ギアにすると、2段式ピン-フィンイオン風発生ユニットの電極ブラッド12は高電圧電源に接続され、エミッタ電極針13の先端は、ヘアドライヤーのハンドル1内の空気をイオン化して、荷電粒子を生成し、荷電粒子は、電場の作用下で加速され、受信電極11に向かって移動すると同時に空気分子と衝突して流体運動を引き起こし、イオン風を発生させる。また、エミッタ電極針13の先端からはマイナスに帯電した粒子が発生し、イオン風に含まれる細菌や微生物を死滅させ、髪をブローする際に発生する粒子を除去して静電気を除去する目的を達成する。同時に、四分の一球面バッフルはハンドル1の前端まで回転し、固定した円形表面バッフ6と協働して、イオン風が外筒3の熱風通路に入るのを阻止するので、イオン風は内筒4の冷風通路に入り、内筒4の冷風通路から吹き出される。
【0041】
実施例三
ヘアドライヤーコード2を電源に接続し、ヘアドライヤーを熱風ギアにすると、2段式ピン-フィンイオン風発生ユニットの電極ブラッド12は高電圧電源に接続され、エミッタ電極針13の先端は、ヘアドライヤーのハンドル1内の空気をイオン化して、荷電粒子を生成し、荷電粒子は、電場の作用下で加速され、受信電極11に向かって移動すると同時に空気分子と衝突して流体運動を引き起こし、イオン風を発生させる。また、エミッタ電極針13の先端からはマイナスに帯電した粒子が発生し、イオン風に含まれる細菌や微生物を死滅させ、髪をブローする際に発生する粒子を除去して静電気を除去する目的を達成する。同時に、四分の一球面バッフルはハンドル1の後端まで回転し、固定した円形表面バッフ6と協働して、イオン風が内筒4の冷風通路に入るのを阻止するので、イオン風は外筒3の熱風通路に入り、外筒3の熱風通路から吹き出される。同時に、外筒3の第1熱電冷却チップ31と内筒4の第2熱電冷却チップ41は低電圧電源に接続し、内筒4の第2熱電冷却チップ41の外側向き加熱端の表面と、外筒3の第1熱電冷却チップ31の内側向き加熱端の表面は、外筒3通路内のイオン風に対する加熱効果を実現する。熱風が送風口を通ると、温度センサー8は現在吹き出している風の温度を検知し、制御回路基板7にデータを転送し、現在の風の温度が34℃より低い場合、第1熱電冷却チップ31及び第2の熱電冷却チップ41はイオン風を加熱し続け、現在の風の温度が42℃より高い場合、第1熱電冷却チップ31及び第2熱電冷却チップ41はイオン風の加熱を停止することにより、熱風を定温に制御する効果を実現する。最後に熱風は外筒3の熱風通路の送風口から吹き出され、均流膜9を通過して、均等な風量となり、ヘアドライヤーの熱風ギアの送風プロセスが完了する。
【0042】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的に」、「具体例」、又は「いくつかの例」などの用語は、実施例又は実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態又は実施例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の模式的表現は、必ずしも同一の実施形態や実施例を指すものではない。また、記載された特定の特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において任意の適切な方法で組み合わせることができる。さらに、当業者は、互いに矛盾しない限り、本明細書に記載される異なる実施形態又は実施例及び異なる実施形態又は実施例の特徴を組み合わせることができる。
【0043】
上記の実施形態は、本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当業者が本発明の内容を理解し、それに応じて実施できるようにすることを目的としており、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明。本発明の本質に基づいて行われるすべての同等の変更又は修正は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0044】
1ハンドル、11受信電極、12電極ブラッド、13エミッタ電極針、2コード、3外筒、31第1熱電冷却チップ、4内筒、41第2熱電冷却チップ、5回転可能な四分の一球面バッフル、6固定した円形表面バッフル、7制御回路基板、8温度センサー、9均流膜、10ボタン