(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079643
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】茶飲料
(51)【国際特許分類】
A23F 3/16 20060101AFI20240604BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20240604BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240604BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20240604BHJP
A23F 5/24 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
A23F3/16
A23L2/00 B
A23L2/52
A23L2/38 C
A23L2/52 101
A23F5/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201498
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2022192390
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】霜田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】竹下 尚男
【テーマコード(参考)】
4B027
4B117
【Fターム(参考)】
4B027FB13
4B027FB28
4B027FB30
4B027FC01
4B027FC02
4B027FC06
4B027FK05
4B027FK08
4B027FK09
4B027FK10
4B027FP85
4B027FQ06
4B117LC03
4B117LC04
4B117LG13
4B117LG17
4B117LG18
4B117LK06
4B117LK15
4B117LP01
(57)【要約】
【課題】クロロゲン酸類とルチンを含有する茶飲料でありながら、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑制され、かつ、茶飲料本来の鼻抜け香が感じられる茶飲料の提供。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類 0.010~0.60質量%
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下である茶飲料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類 0.010~0.60質量%
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下である茶飲料。
【請求項2】
成分(B)の含有量が0.0025×10-4~15×10-4質量%である請求項1記載の茶飲料。
【請求項3】
20℃におけるpHが5.0~7.5である請求項1又は2記載の茶飲料。
【請求項4】
液体を用いて希釈溶解或いは抽出したときに、請求項1~3のいずれか1項記載の茶飲料となる茶飲料用組成物。
【請求項5】
次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下であり、飲用時の成分(A)の濃度が0.010~0.60質量%である茶飲料用組成物。
【請求項6】
0.010~0.60質量%の(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、(C)ルチンとを、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下となる割合で共存させる、茶飲料の風味改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶飲料及び茶飲料用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
クロロゲン酸類は、ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用や血圧降下作用、内臓脂肪低減作用等の生理作用を有することが報告されている(例えば、特許文献1及び2)。クロロゲン酸類を多く含む素材としてコーヒー豆が知られており、クロロゲン酸類を含有するコーヒー飲料は広く愛飲されている。
【0003】
一方、ルチンは、クエルセチンの3位の酸素にβ-ルチノースが結合したフラボノール配糖体の一種であり、毛細血管を強化する作用や抗酸化作用等の生理作用を有することが知られている。ルチンは、広く植物中に存在し、緑茶や紅茶、ハーブティー、そば茶等の茶飲料に含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-87977号公報
【特許文献2】特開2008-88187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、クロロゲン酸類とルチンそれぞれの生理機能を同時に享受すべく、クロロゲン酸類とルチンを含む茶飲料の開発を試みたところ、ルチン含有茶飲料にクロロゲン酸類を配合すると、クロロゲン酸類由来の独特の収斂味が生じ、また、茶飲料本来の鼻抜け香が感じにくくなり飲料の嗜好性が低下することが判明した。
ここで、本明細書において「収斂味」とは舌を刺激するような渋味をいい、「鼻抜け香」とは口に含んだときに喉から鼻に抜けて感じる香りをいう。
【0006】
よって、本発明は、クロロゲン酸類とルチンを含有する茶飲料でありながら、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑制され、かつ、茶飲料本来の鼻抜け香が感じられる茶飲料を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、クロロゲン酸類とルチンを含む茶飲料を開発すべく鋭意検討したところ、所定のジペプチドを、クロロゲン酸類に対して特定の量比で含有させることで、驚くべきことに、クロロゲン酸類を含有しながらもクロロゲン酸類由来の収斂味を抑制できること、かつ、茶飲料の鼻抜け香が増強されることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類 0.010~0.60質量%
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下である茶飲料を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下であり、飲用時の成分(A)の濃度が0.010~0.60質量%である茶飲料用組成物を提供するものである。
また、本発明は、0.010~0.60質量%の(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、(C)ルチンとを、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下となる割合で共存させる、茶飲料の風味改善方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クロロゲン酸類とルチンを含有する茶飲料でありながら、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑制されて、かつ、茶飲料本来の鼻抜け香が感じられる茶飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔茶飲料〕
本明細書において「茶飲料」とは、植物抽出物を茶原料として含み、希釈せずにそのまま飲用可能な飲料をいう。茶飲料は、2以上の異種の茶原料を使用するブレンド茶飲料であってもよい。
本発明の茶飲料の形態としては、そのまま飲用できれば特に限定されず、希釈しないタイプのRTD(Ready to Drink)、インスタント飲料用の粉末等を水等で希釈して調整した飲料やスラリー等の液状、ゼリー等の半固形状の形態でもよい。半固形状である場合、容器に備え付けられた吸い口やストローから飲料を吸引できればよく、その固形分濃度は特に限定されず、適宜選択可能である。なかでも、飲料の形態としては、利便性の観点から、液状が好ましく、RTDがより好ましい。
【0011】
植物抽出物の原料としては、例えば、Camellia属の茶葉、Camellia属の茶葉以外の茶原料を挙げることができる。好適には、本発明の効果を享受しやすい点から、ルチンを含有する原料である。
Camellia属の茶葉としては、例えば、C.sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.sinensis var.assamica又はそれらの雑種から得られる茶葉が挙げられる。茶葉は、摘採された生茶葉の他、これを乾燥、凍結等させたもの、又はこれらを製茶したものが包含される。
茶葉は、その加工方法により、不発酵茶葉、半発酵茶葉、発酵茶葉に分類される。不発酵茶葉としては、例えば、煎茶、深蒸し煎茶、焙じ茶、番茶、玉露、かぶせ茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶、抹茶等の緑茶葉が挙げられる。半発酵茶葉としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶葉が挙げられる。発酵茶葉としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶葉やプーアル茶葉等が挙げられる。茶葉は、1種又は2種以上を使用することできる。また、茶葉の他、茎を使用してもよい。
【0012】
Camellia属の茶葉以外の茶原料としては、例えば、イチョウの葉、柿の葉、ビワの葉、大麦若葉、明日葉、桑の葉、ケール、クコの葉、杜仲の葉、小松菜、ルイボス、ソバ、ゴボウ、クマザサ、ドクダミ、アマチャヅル、スイカズラ、ツキミソウ、カキドオシ、カワラケツメイ、ギムネマ・シルベスタ、センソウ、キクカ、カゴソウ、カンゾウ、黄杞茶(クルミ科)、甜茶(バラ科)、キダチアロエ、カモミール、ハイビスカス、ペパーミント、レモングラス、レモンピール、レモンバーム、ローズヒップ、ローズマリー、ジャスミン等が挙げられる。植物の使用部位は、葉の他、茎、花、蕾、木質部、樹皮、根、根茎、種子、実等を使用してもよい。これらは1種又は2種以上を使用することできる。
【0013】
植物抽出物の抽出方法は特に限定されず、ニーダー抽出、撹拌抽出、ドリップ抽出、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。抽出溶媒としては、水、エタノール等の有機溶剤、水とエタノール等の有機溶剤水溶液等が挙げられるが、水が好ましい。搾汁等のように非溶媒の抽出法であってもよい。また、抽出条件は特に限定されず、抽出方法により適宜選択することができる。得られた植物抽出物は、ろ過や遠心分離処理により、夾雑物等を分離してもよい。また、必要により、植物抽出物を濃縮又は希釈して濃度調整してもよい。
【0014】
本発明において、好適な茶飲料は、本発明の効果を享受しやすい点から、緑茶飲料、紅茶飲料、ウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶、ルイボスティー、カモミールティー、レモングラスティー、ローズヒップティー、青汁飲料、そば茶、ゴボウ茶又はブレンド茶飲料である。
【0015】
本発明の茶飲料は、成分(A)としてクロロゲン酸類を含有する。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸及び5-カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3-フェルラキナ酸、4-フェルラキナ酸及び5-フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸及び4,5-ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。本発明においては上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、成分(A)は、塩や水和物の形態であってもよい。塩としては生理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩を挙げることができる。
【0016】
成分(A)としては、市販の試薬を用いてもよいが、成分(A)を豊富に含む植物の抽出物を使用することもできる。なお、成分(A)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
植物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、クロロゲン酸類含量等の観点から、コーヒー豆が好ましい。コーヒー豆は、成分(A)の生理効果を増強させる観点から、生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選択される1以上が好ましく、生コーヒー豆が更に好ましい。ここで、本明細書において「浅焙煎コーヒー豆」とは、L値が30以上60以下の焙煎コーヒー豆を指し、浅焙煎コーヒー豆のL値は、成分(A)の生理効果を増強させる観点から、好ましくは32以上であり、より好ましくは34以上であり、更に好ましくは36以上であり、より更に好ましくは38以上であり、より更に好ましくは40以上である。なお、コーヒー豆の豆種及び産地は、特に限定されない。また、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
【0017】
なお、コーヒー豆として、L値30未満の焙煎コーヒー豆を含む焙煎コーヒー豆を用いる場合、当該焙煎コーヒー豆の持つ焙煎臭により、クロロゲン酸類由来の収斂味がマスキングされ得るため、本発明は、発明の効果を享受し易いという観点から、好ましくはL値30未満、より好ましくは32未満、更に好ましくは34未満、より更に好ましくは36未満、より更に好ましくは38未満、殊更に好ましくは40未満の焙煎コーヒー豆を含む焙煎コーヒー豆の抽出物を用いた飲料を除く飲料を対象とする。
【0018】
本発明の茶飲料中の成分(A)の含有量は0.010~0.60質量%であるが、成分(A)が有する生理効果を増強させる観点から、0.020質量%以上が好ましく、0.030質量%以上がより好ましく、0.050質量%以上が更に好ましく、また、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点から、0.50質量%以下が好ましく、0.30質量%以下がより好ましく、0.20質量%以下がより更に好ましい。そして、本発明の茶飲料中の成分(A)の含有量は、0.010~0.60質量%であり、好ましくは0.020~0.50質量%であり、より好ましくは0.030~0.30質量%であり、更に好ましくは0.050~0.20質量%である。ここで、本明細書において、成分(A)の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。なお、成分(A)が塩又は水和物の形態である場合、成分(A)の含有量は、遊離酸であるクロロゲン酸類に換算した値とする。成分(A)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0019】
本発明の茶飲料は、成分(B)としてLeu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上を含有する。
Leu-Proは、ロイシンのカルボキシ基とプロリンの第二級アミノ基とが脱水縮合したジペプチドであり、下記式(1)で表される。
【0020】
【0021】
また、cyclo(Leu-Pro)は、ロイシンとプロリンからなるジペプチドが分子内環化した2,5-ジケトピペラジン骨格を有する化合物(環状ジペプチド)であり、下記式(2)で表される。
【0022】
【0023】
環状ジペプチドは、熱処理、例えば、生コーヒー豆の焙煎により、アミノ酸2分子が脱水縮合して生成すると考えられている(特開2010-166911号公報、特開2013-138631号公報参照)。環状ジペプチドは、焙煎コーヒー豆を原料とするコーヒー飲料の苦味物質として知られている。
本発明においては、茶飲料において成分(B)を成分(A)に対する質量比が特定の範囲内となるように含有させることで、意外にもクロロゲン酸類由来の収斂味を抑制できること及び茶飲料が本来有する鼻抜け香を増強できることを見出したものである。
成分(B)の各アミノ酸残基はいずれもL型であることが好ましいが、アミノ酸残基の片方又は両方がD型であってもよい。また、塩の形態であってもよい。
【0024】
成分(B)としては、市販の試薬を用いても、成分(B)を豊富に含む植物や食品の抽出物の形態で含有させてもよい。なお、植物としては、成分(B)を含み、飲食品の分野において通常使用されているものであれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜選択することができる。また、抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
【0025】
本発明の茶飲料中の成分(B)の含有量は、質量比[(B)/(A)]が後述する範囲内となれば適宜選択可能であるが、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点、茶飲料の鼻抜け香を増強させる観点から、0.0025×10-4質量%以上が好ましく、0.0050×10-4質量%以上がより好ましく、0.010×10-4質量%以上が更に好ましく、0.020×10-4質量%以上がより更に好ましく、また、成分(B)に由来する後味の苦味を抑制する観点から、15×10-4質量%以下が好ましく、12×10-4質量%以下がより好ましく、10×10-4質量%以下が更に好ましく、5.0×10-4質量%以下がより更に好ましく、2.0×10-4質量%以下がより更に好ましく、1.0×10-4質量%以下がより更に好ましい。そして、本発明の茶飲料中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.0025×10-4~15×10-4質量%であり、より好ましくは0.0025×10-4~12×10-4質量%であり、更に好ましくは0.0050×10-4~10×10-4質量%であり、より更に好ましくは0.0050×10-4~5.0×10-4質量%であり、より更に好ましくは0.010×10-4~2.0×10-4質量%であり、より更に好ましくは0.020×10-4~1.0×10-4質量%である。
成分(B)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、GC/MS法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0026】
本発明の茶飲料は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下であるが、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点、茶飲料の鼻抜け香を増強させる観点から、0.070×10-4以上がより好ましく、0.080×10-4以上が更に好ましく、0.10×10-4以上がより更に好ましく、また、成分(B)に由来する後味の苦味を抑制する観点から、100×10-4以下がより好ましく、67×10-4以下が更に好ましく、17×10-4以下がより更に好ましい。そして本発明における、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、0.020×10-4以上125×10-4以下であり、好ましくは0.070×10-4~100×10-4であり、より好ましくは0.080×10-4~67×10-4であり、更に好ましくは0.10×10-4~17×10-4である。
【0027】
本発明の茶飲料は、成分(C)としてルチンを含有する。ルチンは、クエルセチンの3位の酸素にβ-ルチノースが結合した化合物である。成分(B)は、植物抽出物等の茶飲料の原料に由来するものでも、市販の試薬等を用いて新たに加えられたものでもよいが、好ましくは上述した茶原料である植物抽出物に由来するものである。
【0028】
本発明の茶飲料中の成分(C)の含有量は、生理効果を増強させる観点から、0.050×10-4質量%以上が好ましく、0.20×10-4質量%以上がより好ましく、0.50×10-4質量%以上が更に好ましく、また、後味の苦味を抑制する観点から、20×10-4質量%以下が好ましく、15×10-4質量%以下がより好ましく、10×10-4質量%以下がより更に好ましい。そして、本発明の茶飲料中の成分(C)の含有量は、0.050×10-4~20×10-4質量%であり、好ましくは0.20×10-4~15×10-4質量%であり、より好ましくは0.50×10-4~10×10-4質量%である。
【0029】
本発明の茶飲料は、本発明の効果を享受しやすい点から、またクロロゲン酸類の生理機能をより効果的に得る観点から、カフェインの含有量は少ないことが好ましい。
本発明の茶飲料中のカフェインの含有量は、好ましくは0.010質量%以下であり、より好ましくは0.0050質量%以下であり、更に好ましくは0.0010質量%以下であり、殊更に好ましくは実質的に含有しない。ここで、本明細書において「実質的に含有しない」とは、茶飲料中にカフェインが全く存在しないことのみならず、検出限界未満の濃度であることも包含する概念である。
カフェインの含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0030】
本発明の茶飲料のpH(20℃)は、茶飲料としての風味の観点から、5.0以上が好ましく、5.2以上がより好ましく、5.4以上が更に好ましく、そして7.5以下が好ましく、7.2以下がより好ましく、7.0以下が更に好ましい。そして、本発明の茶飲料のpH(20℃)は、好ましくは5.0~7.5であり、より好ましくは5.2~7.2であり、更に好ましくは5.4~7.0である。なお、pHは、20℃に温度調整をしてpHメータにより測定するものとする。
【0031】
本発明の茶飲料は、所望により、甘味料、酸味料、アミノ酸、たんぱく質、ミネラル、エステル、香料、色素、乳化剤、乳成分、保存料、調味料、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0032】
本発明の茶飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して容器詰飲料とすることができる。
また、本発明の茶飲料は、加熱殺菌を加えてもよい。殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されない。例えば、茶飲料を容器に充填し、密栓若しくは密封した後殺菌するか、又は自記温度計をつけた殺菌器等で殺菌したもの若しくはろ過器等で除菌したものを自動的に容器に充填した後、密栓若しくは密封すればよい。より具体的には、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。
【0033】
本発明の茶飲料は適宜の方法で製造することができる。例えば、成分(C)を含有する植物抽出物、成分(A)及び成分(B)、必要により他の成分を、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が上記範囲内となるように混合して製造することができる。各成分の混合順序は特に限定されず、任意の順序で添加しても、同時に添加してもよい。混合方法としては、撹拌、震盪等の適宜の方法を採用することが可能であり、混合装置を使用しても構わない。容器詰飲料とする際は、更に殺菌・充填工程を経て製造することができる。
【0034】
〔茶飲料用組成物〕
本明細書において「茶飲料用組成物」とは、所定の用法にしたがい液体にて希釈溶解して或いは抽出して茶飲料として飲用に供される組成物をいう。本明細書における茶飲料については上述したとおりである。
本発明の茶飲料用組成物は、常温(20℃±15℃)において、固形状でも、濃縮液状でもよく、特に限定されない。固形状としては、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、リーフ状等の種々の形状を挙げることができる。茶飲料用組成物中の固形分量は、好ましくは3.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよいが、好ましくは70質量%以下である。ここで、本明細書において「固形分量」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分の質量をいう。
【0035】
希釈或いは抽出に使用する液体は特に限定されず、例えば、水、炭酸水、牛乳、豆乳等が挙げられる。液体の温度は問わない。液体は、飲用性の観点から、40℃以上、更に70~90℃の水が好ましい。
本発明の茶飲料用組成物を希釈或いは抽出する液体の量は、適宜選択可能である。飲用性の観点から、一回の飲用分あたり20mL~500mL、更に20mL~300mLとすることが好ましい。
また、希釈或いは抽出倍率は、所定の用法にしたがえばよいが、固形状の場合、好ましくは20~600質量倍であり、より好ましくは30~500質量倍であり、さらに好ましくは40~250質量倍である。また、濃縮液状の場合、好ましくは1.5~100質量倍、より好ましくは2~50質量倍である。
【0036】
本発明の茶飲料用組成物は、成分(A)としてクロロゲン酸類、成分(B)としてLeu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上、及び成分(C)としてルチンを含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下であり、飲用時の成分(A)の濃度が0.010~0.60質量%である。本明細書における成分(A)、成分(B)及び成分(C)について、並びに、好適な成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]は上述したとおりである。また、好適な飲用時の成分(A)の濃度は、上述した茶飲料中の好適な成分(A)の濃度と同じである。
【0037】
本発明の茶飲料用組成物中の成分(A)、成分(B)、成分(C)の含有量は、飲用時に上述した各成分の含有量の範囲内になるように調整されていればよい。
また、本発明の茶飲料用組成物中の質量比[(B)/(A)]についても上述した範囲内となれば適宜選択可能であるが、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点、茶飲料の鼻抜け香を増強させる観点から、0.070×10-4以上がより好ましく、0.080×10-4以上が更に好ましく、0.10×10-4以上がより更に好ましく、また、成分(B)に由来する後味の苦味を抑制する観点から、100×10-4以下がより好ましく、67×10-4以下が更に好ましく、17×10-4以下がより更に好ましい。そして本発明における、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、0.020×10-4以上125×10-4以下であり、好ましくは0.070×10-4~100×10-4であり、より好ましくは0.080×10-4~67×10-4であり、更に好ましくは0.10×10-4~17×10-4である。
【0038】
本発明の茶飲料用組成物には、上述した茶飲料に含有し得る添加剤を1種又は2種以上含有させることができる。
また、本発明の茶飲料用組成物は、必要に応じて許容される担体を含有することができる。例えば、賦形剤(例えば、澱粉又はデキストリン等の澱粉分解物、グァーガム、キサンタンガム、アラビアガム、タラガム、ローカストビーンガム、ジェランガム等の増粘多糖類、グルコース、ガラクトース、フルクトース等の単糖類、スクロース、ラクトース、マルトース、パラチノース等の二糖類、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、還元パラチノース等の糖アルコール);結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、メチルセルロース、硬化油等);崩壊剤(例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等);滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、二酸化ケイ素等);嬌味剤(例えば、ステビア等);オリゴ糖、寒天、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、希釈剤等の担体が挙げられる。担体の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0039】
本発明の茶飲料用組成物は、袋状包材で包装することが好ましい。包材は茶飲料用組成物を湿気の影響から保護する目的で防湿機能を有する包材を用い、袋内部を乾燥状態に保つことが好ましい。
防湿機能を有する包材は、特に制限はないが、低水蒸気透過性の包材、例えば、アルミ蒸着フィルム、ガラス蒸着処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の材質の包材が挙げられる。袋内部には必要に応じて乾燥剤を入れてもよい。
茶飲料用組成物の水分量は、防腐防黴、製品の安定性を考慮して、好ましくは3質量%以下である。水分量は、加熱乾燥法により求めることができる。
【0040】
本発明の茶飲料用組成物は、一回の飲用分毎に小分け包装した形態とすることが好ましい。例えば、瓶等に容器詰し飲用する際にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、カップ1杯分毎にスティック包装、ティーバッグ包装、ピロー包装したもの等を挙げることができる。また、濃縮液状である場合、例えば、カップ1杯分毎に小分け包装したポーションタイプの希釈飲料等とすることができる。小分け包装の内容量は、好ましくは0.50~10g、更に好ましくは1.0~5.0gである。
【0041】
本発明の茶飲料用組成物は、常法にしたがって製造することが可能であり、適宜の方法を採り得る。例えば、成分(C)を含有する茶原料、成分(A)、成分(B)、必要に応じて担体及び/又は添加剤を、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が上記範囲内となるように混合して製造することができる。混合方法については上述したとおりである。本発明の茶飲料用組成物が濃縮液状等の濃縮物である場合には、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等の公知の濃縮方法を採用することができる。また、固形状である場合には、所望の形状とするために圧縮成形しても、公知の造粒法により造粒物としてもよい。
【0042】
〔茶飲料の風味改善方法〕
本発明の茶飲料の風味改善方法は、茶飲料中に0.010~0.60質量%の(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、(C)ルチンとを、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下となる割合で共存させるものである。ここで、風味の改善は、好ましくは、茶飲料におけるクロロゲン酸類由来の収斂味の抑制及び茶飲料本来の鼻抜け香の付与である。本発明の茶飲料の風味改善方法においては、(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、(C)ルチンとが最終的に茶飲料中に共存した状態にあればよく、共存させるタイミングや配合順序は特に限定されない。
(A)クロロゲン酸類、(B)Leu-Pro及びcyclo(Leu-Pro)、並びに(C)ルチンの具体的構成及び含有量等は、上記した茶飲料について説明したのと同様である。
【0043】
本発明の茶飲料は、高濃度の(A)クロロゲン酸類を含むことから、高血圧改善用の茶飲料、内臓脂肪低減用の茶飲料等として有用であり、クロロゲン酸類の高い機能発現が期待できる。
【0044】
本発明の茶飲料は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されること、後味の苦味が抑えられることから、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類 0.010~0.60質量%
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン 0.050×10-4~20×10-4質量%
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.070×10-4~100×10-4である茶飲料であることが好ましい。
【0045】
本発明の茶飲料は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されることから、また、茶飲料としての風味から、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類 0.020~0.50質量%
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下であり、pHが5.4~7.0である茶飲料であることが好ましい。
【0046】
本発明の茶飲料は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されること、後味の苦味が抑えられることから、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類 0.020~0.50質量%
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン 0.20×10-4~15×10-4質量%
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.080×10-4~67×10-4である茶飲料であることが好ましい。
【0047】
本発明の茶飲料用組成物は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されること、後味の苦味が抑えられることから、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.070×10-4~100×10-4であり、飲用時の成分(A)の濃度が0.010~0.60質量%、成分(C)の濃度が0.050×10-4~20×10-4質量%である茶飲料用組成物であることが好ましい。
【0048】
本発明の茶飲料用組成物は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されることから、また、茶飲料としての風味から、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下であり、飲用時の成分(A)の濃度が0.020~0.50質量%であり、pHが5.4~7.0である茶飲料用組成物であることが好ましい。
【0049】
本発明の茶飲料用組成物は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されること、後味の苦味が抑えられることから、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.080×10-4~67×10-4であり、飲用時の成分(A)の濃度が0.020~0.50質量%、成分(C)の濃度が0.20×10-4~15×10-4質量%である茶飲料用組成物であることが好ましい。
【0050】
本発明の茶飲料の風味改善方法は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されること、後味の苦味が抑えられることから、0.010~0.60質量%の(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、0.050×10-4~20×10-4質量%の(C)ルチンとを、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.070×10-4~100×10-4となる割合で共存させる方法であることが好ましい。
【0051】
本発明の茶飲料の風味改善方法は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されることから、また、茶飲料としての風味から、0.020~0.50質量%の(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、(C)ルチンとを、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下となる割合で共存させ、且つpHを5.4~7.0に調整する方法であることが好ましい。
【0052】
本発明の茶飲料の風味改善方法は、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑えられること、茶飲料の鼻抜け香が増強されること、後味の苦味が抑えられることから、0.020~0.50質量%の(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、0.20×10-4~15×10-4質量%(C)ルチンとを、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.080×10-4~67×10-4となる割合で共存させる方法であることが好ましい。
【0053】
上述した実施形態に関し、本発明は以下の態様をさらに開示する。
【0054】
<1>次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類 0.010~0.60質量%
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下である茶飲料。
【0055】
<2>次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上
(C)ルチン
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下であり、飲用時の成分(A)の濃度が0.010~0.60質量%である茶飲料用組成物。
【0056】
<3>0.010~0.60質量%の(A)クロロゲン酸類と、(B)Leu-Pro、及びcyclo(Leu-Pro)から選ばれる1種以上と、(C)ルチンとを、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.020×10-4以上125×10-4以下となる割合で共存させる、茶飲料の風味改善方法。
【0057】
<4><1>~<3>において、成分(A)の含有量は、好ましくは0.020質量%以上、より好ましくは0.030質量%以上、更に好ましくは0.050質量%以上であり、また、好ましくは0.50質量%以下、より好ましくは0.30質量%以下、更に好ましくは0.20質量%以下であり、また、好ましくは0.020~0.50質量%、より好ましくは0.030~0.30質量%、更に好ましくは0.050~0.20質量%である。
<5><1>~<4>において、成分(B)の含有量は、好ましくは0.0025×10-4質量%以上、より好ましくは0.0050×10-4質量%以上、更に好ましくは0.010×10-4質量%以上、更に好ましくは0.020×10-4質量%以上であり、また、好ましくは15×10-4質量%以下、より好ましくは12×10-4質量%以下、更に好ましくは10×10-4質量%以下、より更に好ましくは5.0×10-4質量%以下、より更に好ましくは2.0×10-4質量%以下、より更に好ましくは1.0×10-4質量%以下であり、また、好ましくは0.0025×10-4~15×10-4質量%、より好ましくは0.0025×10-4~12×10-4質量%、更に好ましくは0.0050×10-4~10×10-4質量%、より更に好ましくは0.0050×10-4~5.0×10-4質量%、より更に好ましくは0.010×10-4~2.0×10-4質量%、より更に好ましくは0.020×10-4~1.0×10-4質量%である。
<6><1>~<5>において、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、好ましくは0.070×10-4以上、より好ましくは0.080×10-4以上、更に好ましくは0.10×10-4以上であり、また、好ましくは100×10-4以下、より好ましくは67×10-4以下、更に好ましくは17×10-4以下であり、また、好ましくは0.070×10-4~100×10-4、より好ましくは0.080×10-4~67×10-4、更に好ましくは0.10×10-4~17×10-4である。
<7><1>~<6>において、成分(C)の含有量は、好ましくは0.050×10-4質量%以上、より好ましくは0.20×10-4質量%以上、更に好ましくは0.50×10-4質量%以上であり、また、好ましくは20×10-4質量%以下、より好ましくは15×10-4質量%以下、更に好ましくは10×10-4質量%以下であり、また、好ましくは0.050×10-4~20×10-4質量%、より好ましくは0.20×10-4~15×10-4質量%、更に好ましくは0.50×10-4~10×10-4質量%である。
<8><1>~<7>において、茶飲料中のカフェインの含有量は、好ましくは0.010質量%以下、より好ましくは0.0050質量%以下、更に好ましくは0.0010質量%以下であり、殊更に好ましくは実質的に含有しない。
<9><1>~<8>において、茶飲料のpH(20℃)は、好ましくは5.0以上、より好ましくは5.2以上、更に好ましくは5.4以上であり、また、好ましくは7.5以下、より好ましくは7.2以下、更に好ましくは7.0以下であり、また、好ましくは5.0~7.5、より好ましくは5.2~7.2、更に好ましくは5.4~7.0である。
<10><1>~<9>において、茶飲料は、好ましくは緑茶飲料、紅茶飲料、ウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶、ルイボスティー、カモミールティー、レモングラスティー、ローズヒップティー、青汁飲料、そば茶、ゴボウ茶又はブレンド茶飲料である。
<11><2>~<10>の茶飲料用組成物において、茶飲料用組成物の形態は、好ましくは粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状又はリーフ状である。
<12><2>~<11>の茶飲料用組成物において、茶飲料用組成物中の固形分量は、好ましくは3.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上であり、また、好ましくは100質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
【実施例0058】
(1)クロロゲン酸類の分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV-VIS検出器:SPD-20A((株)島津製作所)
・カラムオーブン:CTO-20AC((株)島津製作所)
・ポンプ:LC-20AD((株)島津製作所)
・オートサンプラー:SIL-20AC((株)島津製作所)
・カラム:Cadenza CD-C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト社)
【0059】
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV-VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:50mM酢酸、0.1mM 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
【0060】
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
【0061】
・3-カフェオイルキナ酸 : 5.3min
・5-カフェオイルキナ酸 : 8.8min
・4-カフェオイルキナ酸 :11.6min
・3-フェルラキナ酸 :13.0min
・5-フェルラキナ酸 :19.9min
・4-フェルラキナ酸 :21.0min
・3,4-ジカフェオイルキナ酸:36.6min
・3,5-ジカフェオイルキナ酸:37.4min
・4,5-ジカフェオイルキナ酸:44.2min
ここで求めたarea%から5-カフェオイルキナ酸(東京化成工業社)を標準物質とし、クロロゲン酸類の含有量(質量%)を求めた。
なお、カフェインは、上記(1)と同様に、試薬カフェイン(富士フイルム和光純薬社)を標準物質とし、カフェインの含有量(質量%)を求めた。
【0062】
(2)環状ジペプチドの分析
分析機器はLC/MS(Waters,Acquity UPLC/Xevo G2-XS QTOF)を使用した。カラムは、Atlantis T3 内径3.0mm×長さ150mm、粒子径3μm(Waters社製)を使用した。
【0063】
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:2μL
・流量:0.5mL/min
・カラム温度 :40℃
・カラム流量 :0.5mL/min
・溶離液A:0.1%ギ酸水溶液
・溶離液B:アセトニトリル
・濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.00分 100% 0%
15.00分 50% 50%
15.01分 0% 100%
20.00分 0% 100%
・注入量 :2μL
・検出器 :MS(ESI-Posi.)
・検出m/z :211.14(cyclo(Leu-Pro))
229(Leu-Pro)
・Cone電圧 :40V
【0064】
(3)ルチンの分析
試料2gを採取し、メタノール20mLを加えて5分間超音波抽出した後、25mLに定容した。次いで、1mLを分取し、25mLに定容した後、高速液体クロマトグラフ(型式LC-20 Prominence,島津製作所製)を用い、カラム(Cadenza CD-C18 3μm,4.6mmφ×150mm,Imtakt)を装着し、カラム温度40°Cにてグラジエント法により分析した。移動相C液は酢酸を0.05質量%含有するアセトニトリル溶液、D液はアセトニトリル溶液とし、試料注入量は10μL、UV検出器波長は360nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
【0065】
濃度勾配条件
時間(分) C液濃度(体積%) D液濃度(体積%)
0 85% 15%
20 80% 20%
35 10% 90%
50 10% 90%
50.1 85% 15%
60 85% 15%
【0066】
ルチンの標準品を用いて濃度既知の溶液を調製し、高速液体クロマトグラフ分析に供することによりリテンションタイムの測定及び検量線を作成し、前記試料溶液中のルチンの定量を行った。
【0067】
(4)pHの測定
pHメータ(HORIBA 卓上型pHメータ、堀場製作所製)を用いて、試料を20℃に温度調整をして測定した。
【0068】
(5)植物抽出液の調製
抽出原料として、緑茶葉(静岡県産)、ルイボス、カモミール、レモングラス、ローズヒップ(以上、日本緑茶センター社製)、紅茶葉(神戸紅茶社製)を用いた。抽出原料12gを450gの熱水で抽出し、金網メッシュで茶葉残渣を取り除き、茶抽出液を得た。抽出液中のルチン量は、緑茶5.2ppm、ルイボス5.0ppm、カモミール2.0ppm、レモングラス2.4ppm、ローズヒップ2.1ppm、紅茶3.4ppmであった。
【0069】
(6)コーヒー豆抽出物の製造
L値50のコーヒー豆(ベトナム産)400gをドリップ抽出器に仕込み、ドリップ抽出器下部に底湯0.25Lをはった後、ドリップ抽出器上部からシャワーにより1.02Lの温水を供給し、10分間その状態を保持した。保持後にシャワーにより温水を供給しながら、ドリップ抽出器下部から12.5g/10秒の速度で引抜を行った。採液量が2.4Lに達したときに採液を止め、本採液を抽出液とした。得られた抽出液を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、粉末状のコーヒー豆抽出物を得た。粉末状のコーヒー豆抽出物中のクロロゲン酸類量は36質量%、cyclo(Leu-Pro)量は3質量ppmであった。
【0070】
〔緑茶飲料〕
実施例1~9、比較例1~3及び参考例1
表1に示す各成分を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調整した後、撹拌して緑茶飲料を製造した。各緑茶飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0071】
[官能評価]
各実施例、比較例及び参考例で得られた茶飲料を飲用したときの「クロロゲン酸類由来の収斂味」、各茶飲料の「鼻抜け香」及び「後味の苦味」について、専門パネル2名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリストが「クロロゲン酸類由来の収斂味」、各茶飲料の「鼻抜け香」及び「後味の苦味」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
【0072】
クロロゲン酸類由来の収斂味の評価基準
クロロゲン酸類由来の収斂味は、飲用したときにクロロゲン酸類由来の収斂味が感じられるか否かを観点に、比較例3の茶飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「5」とし、参考例1の茶飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「1」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
評点5:クロロゲン酸類由来の収斂味をかなり強く感じる(比較例3相当)
4:クロロゲン酸類由来の収斂味をやや強く感じる
3:クロロゲン酸類由来の収斂味を感じるが気にならない
2:クロロゲン酸類由来の収斂味をわずかに感じる
1:クロロゲン酸類由来の収斂味をほとんど感じない(参考例1相当)
【0073】
各茶飲料の鼻抜け香の評価基準
各茶飲料の鼻抜け香は、飲用したときに各茶飲料特有の香ばしい香りが感じられるか否かを観点に、参考例1の茶飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
評点5:強く感じる(参考例1相当)
4:やや強く感じる
3:少し強く感じる
2:わずかに感じる
1:ほとんど感じない
【0074】
後味の苦味の評価基準
後味の苦味は、飲用したときに後味の苦味が感じられるか否かを観点に、比較例2の後味の苦味評点を「5」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
評点5:強く感じる(比較例2相当)
4:やや強く感じる
3:少し強く感じる
2:わずかに感じる
1:ほとんど感じない
【0075】
【0076】
〔ルイボスティー〕
実施例10、比較例4及び参考例2
表2に示す各成分を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調整した後、撹拌してルイボスティーを製造した。各ルイボスティーについて分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例2の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表2に併せて示す。
【0077】
【0078】
〔カモミールティー〕
実施例11、比較例5及び参考例3
表3に示す各成分を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調整した後、撹拌してカモミールティーを製造した。各カモミールティーについて分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例3の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表3に併せて示す。
【0079】
【0080】
〔レモングラスティー〕
実施例12、比較例6及び参考例4
表4に示す各成分を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調整した後、撹拌してレモングラスティーを製造した。各レモングラスティーについて分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例4の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表4に併せて示す。
【0081】
【0082】
〔ローズヒップティー〕
実施例13、比較例7及び参考例5
表5に示す各成分を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調整した後、撹拌してローズヒップティーを製造した。各ローズヒップティーについて分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例5の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表5に併せて示す。
【0083】
【0084】
〔紅茶飲料〕
実施例14~21、比較例8及び参考例6
表6又は表7に示す各成分を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調整した後、撹拌して紅茶飲料を製造した。各紅茶飲料について分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例6の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表6又は表7に併せて示す。
【0085】
【0086】
【0087】
〔ルイボスティー用粉末食品〕
実施例22~24、比較例9~10及び参考例7
表8に記載の配合組成で各成分を均一に混合し、ルイボスティー用粉末食品を得た。
得られたルイボスティー用粉末食品2.5gを90℃のイオン交換水160gに溶解してルイボスティーを製造した。各ルイボスティーについて分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例7の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表8に併せて示す。
【0088】
【0089】
〔紅茶飲料用リーフ〕
実施例25~28、比較例11~12及び参考例8
表9に記載の配合組成で各成分を均一に混合し、紅茶飲料用リーフを得た。
得られた紅茶飲料用リーフ2.3gを90℃のイオン交換水150gを加えて、90秒間抽出し、抽出後、リーフ残渣を取り出して紅茶飲料を製造した。各紅茶飲料について分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例8の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表9に併せて示す。
【0090】
【0091】
〔ルイボスティー用リーフ〕
実施例29~32、比較例13~14及び参考例9
表10に記載の配合組成で各成分を均一に混合し、ルイボスティー用リーフを得た。
得られたルイボスティー用リーフ2.3gを90℃のイオン交換水150gを加えて、90秒間抽出し、抽出後、リーフ残渣を取り出してルイボスティーを製造した。各ルイボスティーについて分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例9の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表10に併せて示す。
【0092】
【0093】
〔大麦若葉青汁飲料用粉末食品〕
実施例33~36、比較例15~16及び参考例10
表11に記載の配合組成で各成分を均一に混合し、大麦若葉青汁飲料用粉末食品を得た。
得られた大麦若葉青汁飲料用粉末食品2.15gを25℃のイオン交換水100gに溶解して大麦若葉青汁飲料を製造した。各大麦若葉青汁飲料について分析及び官能評価を行った。官能評価は、参考例10の飲料の鼻抜け香評点を「5」として評価した以外は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表11に併せて示す。
【0094】
【0095】
〔緑茶飲料〕
実施例37~39
表12に示す各成分を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調整した後、撹拌して緑茶飲料を製造した。各緑茶飲料について分析及び官能評価を行った。官能評価は、実施例1と同様に評価した。
その結果を表12に併せて示す。
【0096】
【0097】
実施例40~41
緑茶抽出液20gと、コーヒー豆抽出物、クロロゲン酸(Chlorogenic Acid Hydrate、東京化成工業(株))、cyclo(Leu-Pro)(富士フィルム和光純薬(株))を配合し、適宜重曹を加えてpH5.5~6.0に調製した後、攪拌して、表13に示す組成の緑茶飲料100gを製造した。各緑茶について官能評価を行った。官能評価は、実施例1と同様に評価した。
分析及び官能評価の結果を表13に併せて示す。
【0098】
【0099】
表1~表13から、クロロゲン酸類に対して所定のジペプチドを特定の質量比で含有させることで、クロロゲン酸類を含有しながらも、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑制され、かつ、茶飲料の鼻抜け香が感じられる茶飲料が得られることがわかる。