IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リア・コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-空気偏向器 図1
  • 特開-空気偏向器 図2
  • 特開-空気偏向器 図3
  • 特開-空気偏向器 図4
  • 特開-空気偏向器 図5
  • 特開-空気偏向器 図6
  • 特開-空気偏向器 図7
  • 特開-空気偏向器 図8
  • 特開-空気偏向器 図9
  • 特開-空気偏向器 図10
  • 特開-空気偏向器 図11
  • 特開-空気偏向器 図12
  • 特開-空気偏向器 図13
  • 特開-空気偏向器 図14
  • 特開-空気偏向器 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079654
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】空気偏向器
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/56 20060101AFI20240604BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60N2/56
A47C7/74 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202302
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202241068999
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】599094510
【氏名又は名称】リア・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Lear Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャイクマール ブハッタド
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084JA04
3B084JA07
3B084JG04
3B084JG06
3B087DE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シートクッションの表面における空気の流れを改善し、乗員の快適性を改善する。
【解決手段】空気偏向器は、ベース、ベースを通って延びる開口、および/または開口を横切って延びる複数のフィンを備えていてもよい。フィンはベースに対して固定されている。複数のフィンは、少なくとも3つのフィンを備える。車両用シートは、空気偏向器と、空気移動装置と、空気移動装置および空気偏向器の管部分に接続されたダクトと、開口と流体的に連通する空気分配器とを含んでいてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
該ベースを通って延びる開口と、
前記開口を横切って延びる複数のフィンとを備える空気偏向器。
【請求項2】
前記フィンが、前記ベースに対して固定されている請求項1に記載の空気偏向器。
【請求項3】
前記複数のフィンが、少なくとも3つのフィンを備える請求項1に記載の空気偏向器。
【請求項4】
前記複数のフィンが、50°~70°の周方向の広がりを有する少なくとも1つの湾曲したフィン、および/または、ベースに対して50°から70°の角度で配置された部分を有する少なくとも1つの角度のついたフィンである請求項1に記載の空気偏向器。
【請求項5】
前記複数のフィンが、第1フィンと第2フィンとを備え、
前記第2フィンが、前記第1フィンよりも長い請求項1に記載の空気偏向器。
【請求項6】
前記第1フィンが、前記第2フィンから半径方向外側に配置されている請求項5に記載の空気偏向器。
【請求項7】
前記複数のフィンが、第3フィンと第4フィンとを備え、
前記第3フィンが、前記第4フィンから半径方向外側に配置されている請求項6に記載の空気偏向器。
【請求項8】
前記第1フィンおよび前記第2フィンが、前記開口の第1半部に配置され、
前記第3フィンおよび前記第4フィンが、前記開口の第2半部に配置されている請求項7に記載の空気偏向器。
【請求項9】
前記ベースが、第1側面と第2側面とを備え、前記複数のフィンが、前記第1側面の位置に、または前記第1側面を越えて配置されている請求項1に記載の空気偏向器。
【請求項10】
前記ベースが、前記第2側面から延びる管部分を備え、該管部分が、前記開口と同心に配置されている請求項9に記載の空気偏向器。
【請求項11】
前記複数のフィンが、前記管部分内に配置されていない請求項10に記載の空気偏向器。
【請求項12】
前記ベースが、該ベースの前記第1側面から前記開口の周囲に延びるフランジを備える請求項9に記載の空気偏向器。
【請求項13】
前記複数のフィンが、前記フランジを越えて延びている請求項12に記載の空気偏向器。
【請求項14】
前記フランジが、前記複数のフィンのうちの第1フィンと整列された凹部を備える請求項13に記載の空気偏向器。
【請求項15】
前記複数のフィンが、互いに平行な平坦な直線部分を備える請求項1に記載の空気偏向器。
【請求項16】
前記複数のフィンが、前記平坦な直線部分から延びる角度付き部分または湾曲部分を備える請求項15に記載の空気偏向器。
【請求項17】
請求項1に記載の空気偏向器と、
空気移動装置と、
該空気移動装置と前記空気偏向器の管部分とに接続されたダクトと、
前記開口と流体的に連通する空気分配器とを備える車両用シート。
【請求項18】
前記空気偏向器が、前記空気分配器に向かって延び、空気分配器内に延びないフランジを備える請求項17に記載の車両用シート。
【請求項19】
前記複数のフィンの少なくとも一部が、前記空気分配器内に延びている請求項18に記載の車両用シート。
【請求項20】
クッションを備え、
前記空気分配器が、少なくとも部分的に前記クッション内に配置されている請求項17に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、車両シートに関連して使用され得る空気偏向器を含む空気偏向器に関する。
【発明の概要】
【0002】
本開示の一態様は、ベースと、該ベースを通って延びる開口と、前記開口を横切って延びる複数のフィンとを備える空気偏向器である。
特許請求の範囲は特定の図示に限定されないが、様々な態様の理解は、様々な実施例の考察を通じて得ることができる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の特徴は、実施例の革新的な態様をより良く図示し説明するために誇張されたり隠されたりすることがある。さらに、本明細書で説明する例示的な図示は、網羅的またはその他の限定的なものではなく、実施形態は、図面に示されるか、または以下の詳細な説明で開示される正確な形態および構成に限定されない。以下、図面を参照して例示的な図を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本開示の教示による車両用シートの一実施形態を概略的に示す側面図である。
図2】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す透視図である。
図3】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す透視図である。
図4】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す上面図である。
図5】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す底面図である。
図6】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す側面図である。
図7】本開示の教示による空気偏向器の一実施形態を概して示す断面図である。
図8】本開示の教示による空気システムの一実施形態を概略的に示す断面図である。
図9】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す透視図である。
図10】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す透視図である。
図11】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す上面図である。
図12】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す底面図である。
図13】本開示の教示による空気偏向器の実施形態を概して示す側面図である。
図14】本開示の教示による空気偏向器の一実施形態を概して示す断面図である。
図15】本開示の教示による空気システムの一実施形態を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
次に、添付の図面に例示されている実施形態を詳細に参照する。以下の詳細な説明においては、様々な説明された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても、記載された様々な実施形態を実施することができることは明らかであろう。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、回路、およびネットワークは、実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、詳細には説明されていない。
【0005】
図1に一般的に示されているように、シート20(例えば、車両用シート)の実施形態は、シートベース22と、シートベース22に連結され得るシートバック24とを備える。シートベース22は、シートベースクッション26を備える。シートバック24は、シートバッククッション28を備える。シートベース22またはシートバック24の少なくとも一方は、空気分配装置30を備える。空気分配装置30は、ブラケット40と、空気分配器42と、ダクト44と、空気移動装置46(例えば、ファン、ポンプなど)とを備える。ダクト44は、空気移動装置46とブラケット40とを接続し、ブラケット40は、空気移動装置46が空気分配器42と流体連通するように、ダクト44および空気移動装置46を空気分配器42と接続する。空気移動装置46が駆動されると、空気移動装置46は、ダクト44を通し、ブラケット40を通して、空気分配器42内に空気を押し込む。空気分配器42(例えば、空気分配マット、換気袋など)は、シート20の乗員を冷却するように、クッション26,28の表面に空気を供給することができる。あるいは、空気移動装置46が逆方向に駆動されると、空気移動装置46は、シート20の乗員を冷却するように、空気分配器42を通し、ブラケット40を通し、ダクト44を通して、クッション26,28内に空気を引き込んでもよい。
【0006】
ブラケット40の実施形態が、図2から図7および図9から図14に概略的に示されている。ブラケット40は、ブラケット40を通って流れる空気の経路を変える(例えば、偏向させる)ものであり、空気偏向器40またはブラケット40と称されることがある。ブラケットは、ベース50、開口52、複数のフィン54および/または管部分56を備える。開口52は、ベース50を貫通して延びている。複数のフィン54は、少なくとも部分的に開口52を横切って延び、ベースに対して固定されている。いくつかの実施形態においては、複数のフィン54は、第1フィン54A、第2フィン54B、第3フィン54Cおよび第4フィン54Dなどの少なくとも3つのフィンを備えていてもよい。いくつかの構成においては、複数のフィン54は、(例えば、軸方向またはZ方向に)同じまたは異なる長さ、および/または、(例えば、Y方向に)同じまたは異なる幅を備えていてもよい。例えば、限定するものではないが、第2フィン54Bは、第1フィン54Aよりも長くてもよく、かつ/または、第4フィン54Dは、軸方向/Z方向において、第3フィン54Cよりも長くてもよい(例えば、図6図7図13および図14参照)。第1フィン54Aと第3フィン54Cとは同じ長さであってもよく、かつ/または、第2フィン54Bと第4フィン54Dとは同じ長さであってもよい。第1フィン54Aおよび第3フィン54Cは、Y方向において同じ幅を有してもよく、第2フィン54Bおよび第4フィン54Dの幅よりも小さくてもよい。(例えば、X方向における)フィン54の厚さは、実質的に同じであってもよい。第2フィン54Bおよび第4フィン54Dは、第1フィン54Aおよび/または第3フィン54Cよりも開口52の中心/中央52Aに近い位置に配置されていてもよい。開口52の円形構成において、第1フィン54Aは、第2フィン54Bの半径方向外側に配置されてもよく、かつ/または、第3フィン54Cは、第4フィン54Dの半径方向外側に配置されてもよい。いくつかの構成において、第1および第2フィン54A,54Bは、開口52の第1半部(例えば、図7および図14の左半分)に配置され、かつ/または第3および第4フィン54C,54Dは、開口52の第2半部(例えば、図7および図14の右半分)に配置される。任意に、フィン54は、軸方向/Z方向において互いに重ならないように(例えば、X方向にオフセットして)配置される。あるいは、フィン54は、少なくとも2つのフィン54が軸方向/Z方向において互いに重なるように配置される。フィン54は、フィン54が開口52の中心52Aと重ならないように、開口52の中心52Aからオフセットされていてもよい。例えば、開口52の中心52Aに入る空気は、フィン54によって偏向されなくてもよい。
【0007】
実施形態において、フィン54の少なくとも1つは湾曲しており(例えば、図2から図8を参照。)、かつ/またはフィン54の少なくとも1つは角度が付けられている(例えば、図9から図15を参照。)。フィン54の第1セットは、第1方向に角度を付けられるか、または湾曲させられてもよく、フィン54の第2セットは、第2の/反対方向に湾曲させられてもよく、これらの両方は、開口52の中央/中心52Aから離れていてもよい。例えば、限定するものではないが、図7および図14に関して、第1フィン54Aおよび第2フィン54Bは、左方向に角度付け/湾曲していてもよく、かつ/または第3フィン54Cおよび第4フィン54Dは、右方向に角度付け/湾曲していてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、フィン54は、直線部分80Aから80Dと、直線部分80Aから80Dの頂部から延びる角度付き/湾曲部分82Aから82Dとを備えていてもよい。直線部分80Aから80Dは平面であってもよく、ベース50の平面に対して垂直であってもよい。例えば、限定するものではないが、ベース50はX-Y平面と概ね平行であってもよく、直線部分80Aから80DはY-Z平面および/または互いに平行であってもよい。第1フィン54Aおよび第2フィン54Bの角度付き/湾曲部分82A,82Bは、互いに平行であってよい。第2フィン54Cおよび第3フィン54Dの角度付き/湾曲部分82C,82Dは、互いに平行であってもよい。フィン54は、互いに交差/横断していなくてもよい。短いフィン54の直線部分80A,80Cは、長いフィン54の直線部分80B,80Dよりも短くてもよい。角度付き/湾曲部分82Aから82Dは、概ね同じ長さ/範囲を有してもよい。
【0009】
図7および図14に一般的に図示されているようないくつかの実施形態において、ベース50は、ベース50の第1側面60と実質的に整列している軸方向表面を提供するリップ90を備えていてもよい。フィン54は、リップ90から延びていてもよい。例えば、限定するものではないが、各フィン54の下端の第1端部および第2端部は、リップ90のそれぞれの部分に接続されてもよい。円形の開口52においては、フィン54の底縁におけるブラケット40の断面は、一般に、フィン54Aから54Dの直線部分80Aから80Dを開口52の平行な弦として示すことができる。フィン54の底縁は、直線状および/または連続的であってもよく、かつ/またはベース50の第1側面60とZ方向に実質的に整列していてもよい。
【0010】
実施形態において、フィン54の湾曲部分82Aから82Dの周方向範囲84は、同じであっても異なっていてもよく、約50°から70°、例えば、約55°から65°および/または約60°であってもよい。これに加えてまたはこれに代えて、角度付き部分82Aから82Dの角度86は、同じであっても異なっていてもよく、X-Y平面に対して約50°から70°、例えば、約55°から65°および/または約60°であってもよい。
【0011】
図7および図14に概略的に示されるように、ベース50は、第1側面60および第2側面62を備える。フィン54は、第1側面60に、または第1側面60を越えて配置されている。例えば、限定するものではないが、フィン54は、フィン54の一部が第2側面62に配置されないか、または第2側面62を越えて配置されないように、第1側面60の位置における、または第1側面60の位置を超えるZ方向に対する位置に配置されてもよく、かつ/または管部分56内に延びずかつ管部分56内に配置されない。
【0012】
図2から図7および図9から図14に概略的に示されているように、ブラケット40は、ベース50の第2側面62から(例えば、フィン54とは反対側に)延びる管部分56を備える。管部分56は、ブラケット40とダクト44および/またはダクト44に接続された空気移動装置46との間の流体的な連通を提供するために、ダクト44と接続する。管部分56の形状は、開口52の形状および/またはダクト44の形状に対応している。例えば、円形の開口52および円筒形のダクト44に対して、管部分56は円筒形であってもよい。多角形の開口52の場合には、管部分56は多角形状であってもよい。いくつかの構成では、管部分56はダクト44内に挿入される。他の構成では、ダクト44は管部分56に挿入される。
【0013】
図2から図7および図9から図14に概略的に図示されているように、ベースは、開口52の周囲の一部または全部の周囲に延びるフランジ70を備えている。フランジ70は、ベース50の第1側面から延び、1つ以上のフィン54の少なくとも一部に平行であってもよい。いくつかの構成では、フランジ70は、フィンの一部または全部がフランジ70を越えて延びるように、フィン54の一部または全部よりもZ方向に短い。フランジ70は、Z方向の長さが短くなったフランジ70の部分に対応する1つ以上の凹部72を備えていてもよい。例えば、フランジ70は、第1凹部72Aおよび第2凹部72Bを備えていてもよい。第1凹部72Aは、第1フィン54Aとフランジ70との間の開口52から、かつ/または開口52内への空気の流れを容易にするように、第1フィン54AとY方向に少なくとも部分的に整列していてもよい。第2凹部72Bは、第3フィン54Cとフランジ70との間の開口52から、かつ/または開口52内への空気の流れを容易にするように、第3フィン54CとY方向に少なくとも部分的に整列していてもよい。凹部72A,72Bは、互いに対向する位置に配置されてもよい。円形構成においては、凹部72A,72Bの円周方向の広がりは、Y方向におけるフィン54A,4Cの幅に対応(例えば、ほぼ同じY方向寸法となる。)していてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、ブラケット40は、モノリシックな(例えば、単一の、一体的な)構成部品であってもよい。例えば、ベース50、フィン54、管部分56、および/またはフランジ70は、成形、付加製造、および/または三次元印刷などにより、一緒に、かつ/または実質的に同時に形成されてもよい。ブラケット40は、1つ以上のプラスチック、ポリマー、および/または金属などの様々な材料のうちの1以上から構成されてもよい。
【0015】
図8および図15に概略的に示されているように、車両用シート20および/または空気分配装置30は、空気移動装置46と空気分配器42との間に接続されたブラケット40を備える。ブラケット40は、空気移動装置46と一体的にまたは別体に形成されてもよいダクト44を介して空気移動装置46に接続されている。ダクト44は、空気移動装置46とブラケット40との間に流体的な連通を提供する。空気移動装置46が第1方向に作動させられると、空気移動装置46は空気をダクト44内およびブラケット40の管部分56内に押し込む。空気がフィン54に達すると、フィン54は空気を偏向させて空気をより均等に空気分配器42に分配し、これにより空気分配器42がより効果的になり、かつ/または空気分配器42からクッション26,28の表面への空気の流れがより均等になる。
【0016】
いくつかの実施形態において、図8および図15に概略的に図示されているような接続/組立構成においては、ブラケット40のフランジ70が空気分配器42内に延びていなくてもよく、かつ/またはフランジ70の上縁と空気分配器42との間がZ方向に少なくともいくらか離れていてもよい。フィン54は、フランジを越えて、部分的に空気分配器42内に延びていてもよい。フィン54は、空気分配器42内に延びるブラケット40の唯一の部分であってもよい。第2フィン54Bおよび第4フィン54Dのような長いフィンは、第1フィン54Aおよび第3フィン54Cのような短いフィンよりも空気分配器42内に深く延びていてもよい。
【0017】
実施形態においては、電子制御ユニット(ECU)100が、空気移動装置46に接続されていてもよく、乗員からの入力に応答するなどして、空気移動装置46の動作/駆動を制御するように構成されていてもよい。
【0018】
空気分配装置30を動作させる方法は、ECU100を介して、空気移動装置46を駆動作動させて空気をブラケット40に押し込むことを含んでいてもよく、これは、ダクト44を通して空気をブラケット40の管部分56に押し込むことを含んでいてもよい。空気は、空気が複数のフィン54に流れるように、ブラケット40を通して押し込まれてもよい。この方法は、空気がブラケット40から出て空気分配器42に流れるときに、フィン54を介して空気の少なくとも一部の流れを変える/偏向させることを含んでもよい。空気の流れを偏向させることにより、空気分配器42内での空気の流れを容易にすることができる。例えば、空気の全部または大部分が空気分配器42に、空気分配器42に垂直な方向(例えば、Z方向)に入る代わりに、空気の一部が斜めの角度で(例えば、フィン54の角度または湾曲に対応して)空気分配器に入り、これにより、空気分配器42の遠位部分へのまたは遠位部分へ向かう空気の流れが容易になり、シートクッション26,28の表面における空気の流れが改善され、これにより、乗員の冷却および/または快適性が改善され得る。
【0019】
図8および図15を再び参照すると、空気分配装置30は、シートベース22またはシートバック24のクッション26,28内に部分的または全体的に配置されていてもよい。いくつかの構成では、空気移動装置46がクッション26,28内に配置される。他の構成では、空気移動装置46はクッション26,28の外側に配置される。
【0020】
再び図1を参照すると、車両用シートは、シートベース22に連結され、かつ/またはシートベース22と一体化された第1空気分配装置30、および/またはシートバック24に連結され、かつ/またはシートバック24と一体化された第2空気分配装置30を備えていてもよい。
【0021】
本開示は、以下の非限定的な実施形態を含む。
【0022】
1.ベースと、ベースを通って延びる開口と、開口を横切って延びる複数のフィンとを備える空気偏向器。
【0023】
2.フィンがベースに対して固定されている実施形態1に記載の空気偏向器。
【0024】
3.複数のフィンが少なくとも3つのフィンを含む、実施形態1および実施形態2のいずれかに記載の空気偏向器。
【0025】
4.複数のフィンが、50°から70°の円周方向の広がりを有する少なくとも1つの湾曲したフィンを備え、かつ/または、少なくとも1つの角度の付いたフィンが、ベースに対して50°から70°の角度で配置された部分を有する実施形態1から実施形態3のいずれかに記載の空気偏向器。
【0026】
5.複数のフィンが第1フィンと第2フィンとを備え、第2フィンが第1フィンよりも長い実施形態1から実施形態4のいずれかに記載の空気偏向器。
【0027】
6.前記第1フィンが、前記第2フィンから半径方向外側に配置されている実施形態1から実施形態5のいずれかに記載の空気偏向器。
【0028】
7.前記複数のフィンが、第3フィンと第4フィンとを備え、第3フィンが、第4フィンから半径方向外側に配置されている実施形態1から実施形態6のいずれかに記載の空気偏向器。
【0029】
8.前記第1のフィンおよび前記第2のフィンが、前記開口の第1半部に配置され、前記第3フィンおよび前記第4フィンが、前記開口の第2半部に配置されている実施形態1から実施形態7のいずれかに記載の空気偏向器。
【0030】
9.前記ベースが、第1側面および第2側面を備え、前記複数のフィンが、前記第1側面または前記第1側面を超えて配置されている実施形態1から実施形態8のいずれかに記載の空気偏向器。
【0031】
10.前記ベースが、前記第2側面から延びる管部分を備え、該管部分が、前記開口の中心に配置されている実施形態1から実施形態8のいずれかに記載の空気偏向器。
【0032】
11.複数のフィンが前記管部分に配置されていない実施形態1から実施形態10のいずれかに記載の空気偏向器。
【0033】
12.前記ベースが、該ベースの第1側面から前記開口の周りに延びるフランジを備える実施形態1から実施形態11のいずれかに記載の空気偏向器。
【0034】
13.複数のフィンが、前記フランジを越えて延びている実施形態1から実施形態12のいずれかに記載の空気偏向器。
【0035】
14.フランジが、複数のフィンのうちの第1フィンと整列された凹部を備える実施形態1から実施形態13のいずれかに記載の空気偏向器。
【0036】
15.前記複数のフィンが、互いに平行な平坦な直線部分を備える実施形態1から実施形態14のいずれかに記載の空気偏向器。
【0037】
16.前記複数のフィンが、前記平坦な直線部分から延びる角度付き部分または湾曲部分を備える実施形態1から実施形態15のいずれかに記載の空気偏向器。
【0038】
17.実施形態1から実施形態18のいずれかに記載の空気偏向器と、空気移動装置と、空気移動装置と空気偏向器の管部分とに接続されたダクトと、開口と流体的に連通する空気分配器と、を備える車両用シート。
【0039】
18.空気偏向器が、空気分配器に向かって延び、かつ、空気分配器内に延びていないフランジを備える実施形態17に記載の車両用シート。
【0040】
19.前記複数のフィンの少なくとも一部が、前記空気分配器内に延びている実施形態17または実施形態18に記載の車両用シート。
【0041】
20.クッションを備え、空気分配器が少なくとも部分的に前記クッション内に配置されている実施形態17から実施形態19のいずれかに記載の車両用シート。
【0042】
例において、ECU(例えば、ECU100)は、電子コントローラを備え、かつ/またはプログラマブルマイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラなどの電子プロセッサを備えていてもよい。実施形態において、ECUは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)を備えていてもよい。ECUは、中央処理装置(CPU)、メモリ(例えば、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)、および/または入出力(I/O)インターフェースを備えていてもよい。ECUは、ソフトウェア、ハードウェア、および/または他の媒体に具現化された適切なプログラミング命令および/またはコードにより、本明細書でより詳細に説明するものを含む様々な機能を実行するように構成されていてもよい。実施形態において、ECUは複数のコントローラを備えていてもよい。実施形態において、ECUは、タッチスクリーンディスプレイなどのディスプレイに接続されていてもよい。
【0043】
本明細書では、様々な装置、システム、および/または方法について、様々な実施例/実施形態が説明される。明細書に記載され、添付の図面に図示された実施例/実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用を十分に理解するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者には、実施例/実施形態は、そのような具体的な詳細なしに実施され得ることが理解されよう。他の実施例では、明細書に記載された実施例/実施形態を不明瞭にしないように、周知の操作、構成要素、および要素は詳細に記載されていない。当業者であれば、本明細書に記載され図示された実施例/実施形態は非限定的な例であり、したがって、本明細書に開示された特定の構造的および機能的な詳細は代表的なものであってよく、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではないことを理解できるであろう。
【0044】
「実施例」、「実施例において」、「実施例と共に」、「様々な実施形態」、「実施形態と共に」、「実施形態において」、または「実施形態」等への本明細書全体を通しての言及は、実施例/実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の所々で「実施例」、「実施例において」、「実施例とともに」、「様々な実施形態において」、「実施形態とともに」、「実施形態において」、または「実施形態」等の表現が出現しても、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の例/実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。したがって、1つの実施形態/実施例に関連して図示または説明された特定の特徴、構造、または特性は、そのような組み合わせが非論理的または非機能的でないことを前提として、限定することなく、全体的または部分的に、1つ以上の他の実施形態/実施例の特徴、構造、機能、および/または特性と組み合わせられてもよい。さらに、その範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために多くの修正が行われてもよい。
【0045】
単一の要素への言及は、必ずしもそのように限定されず、そのような要素の1つ以上を備え得ることを理解されたい。任意の方向参照(例えば、プラス、マイナス、上、下、上方、下方、左、右、左方、右方、上、下、上方、下方、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的のために使用されるだけであり、特に、実施例/実施形態の位置、方向、または使用に関する制限を生じさせるものではない。
【0046】
「1つ以上」には、1つの要素によって実行される機能、1つ以上の要素によって実行される機能、例えば、分散方式で実行される機能、1つの要素によって実行される複数の機能、複数の要素によって実行される複数の機能、または上記の任意の組み合わせが含まれる。
【0047】
また、本明細書において、第1、第2などの用語は、場合によっては、様々な要素を説明するために使用されるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用されているに過ぎない。例えば、第1要素は、第2要素と称され得、同様に、第2要素は、第1要素と称され得るが、これは、様々な記載された実施形態の範囲から逸脱することはない。第1要素も第2要素も要素であるが、同じ要素ではない。
【0048】
本明細書における様々な説明された実施形態の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。様々な記載された実施形態の説明および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図される。また、本明細書で使用される用語「および/または」は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のあらゆる可能な組み合わせを指し、包含することが理解されるであろう。さらに、本明細書で使用される場合、「備える」、「構成される」、および/または「からなる」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0049】
連結に関する言及(例えば、付属、結合、接続など)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続の間の中間部材、要素間の相対移動、直接接続、間接接続、固定接続、可動接続、操作接続、間接接触、および/または直接接触を含んでいてもよい。そのため、連結に関する言及は、必ずしも2つの要素が直接連結/結合され、互いに固定された関係にあることを意味するものではない。電気部品の接続がある場合、機械的接続、電気的接続、有線接続、および/または無線接続などが含まれる。本明細書における「例えば」および「のような」の使用は、広く解釈されるべきであり、本開示の実施形態の非限定的な例を提供するために使用され、本開示はそのような例に限定されない。
【0050】
本明細書において、プロセス、システム、および方法は、特定の順序における1つ以上のステップに関連して記載され得るが、そのような方法は、ステップを異なる順序で、特定のステップを同時に、追加のステップで、かつ/または特定の記載されたステップを省略して実施されてもよいことが理解されるべきである。
【0051】
本明細書で使用される場合、「場合」という用語は、任意選択で、文脈に応じて、「いつ」、「時に」、または「決定に応答して」、または「検出に応答して」を意味するものと解釈される。同様に、「検出された場合」または「(指定された条件またはイベントが)検出された場合」という語句は、文脈に応じて、任意に、「検出の際」または「検出に応じて」または「(指定された条件またはイベントが)検出された際」または「(指定された条件またはイベントの)検出に応じて」を意味するものと解釈される。
【0052】
上記の説明に含まれる、または添付図面に示されるすべての事項は、例示的なものとしてのみ解釈され、限定的なものではない。詳細または構造の変更は、本開示から逸脱することなく行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】