(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079663
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】建築物生産方法、及び建築物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/35 20060101AFI20240604BHJP
E04C 1/00 20060101ALI20240604BHJP
E04C 2/04 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
E04B1/35 L
E04C1/00 Z
E04C2/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203413
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2022191669
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521399777
【氏名又は名称】セレンディクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】飯田 國大
【テーマコード(参考)】
2E162
【Fターム(参考)】
2E162CA08
2E162EA17
2E162FA11
(57)【要約】
【課題】3Dプリンタを用いて建築物等を生産する場合における、内外装等の美観を向上させることが可能な技術の提供をすること。
【解決手段】ステップS1では、建築物を生産するためのデジタルデータに基づいて3Dプリンタのヘッダから珪砂を含むセラミック材料を出力して建築物の少なくとも一部となる構造体を印刷する。ステップS2では、印刷した構造体に対して例えば釉薬を塗布するまでの所定の前処理を施し、この後に炉に入れて、例えば1300度の高熱で焼くことによりガラス質の層を溶融・密着させる。ステップS3では、炉から取出した構造体と、他の構造体等とを組み合わせて建築物を完成させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物のデジタルデータに基づいて3Dプリンタのヘッダから出力される、珪砂を含むセラミック材料を所定方向に積層させていくことで、前記建築物の少なくとも一部となる構造体を印刷する印刷ステップと、
前記印刷ステップを経た前記構造体の少なくとも一部に対し釉薬を塗布して、当該釉薬が塗布された当該構造体を炉で焼く焼きステップと、
前記焼きステップを経て前記炉から取出された前記構造体、及び当該構造体とは別の他物品を組み合わせて前記建築物を完成させる構造体組み合わせステップと、
を含む建築物生産方法。
【請求項2】
前記焼きステップは、前記釉薬を塗布する前に、前記構造体の少なくとも一部に対して絵付けを行うステップを含む、
請求項1に記載の建築物生産方法。
【請求項3】
前記焼きステップは、前記炉の熱で前記釉薬の結晶化を生じさせるステップを含む、
請求項1に記載の建築物生産方法。
【請求項4】
前記炉の前記熱は1300度である、
請求項3に記載の建築物生産方法。
【請求項5】
建築物のデジタルデータに基づいて3Dプリンタのヘッダから出力される、珪砂を含むセラミック材料が所定方向に積層されていくことで、前記建築物の少なくとも一部となるように印刷にて形成されると共に、当該印刷にて形成された後に釉薬が塗布された状態で炉で焼かれることにより形成される構造体と、当該構造体とは別の他物品とが組み合わせられた結果得られる、
建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物生産方法、及び建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物、特に家については、施工するためのコスト及び時間(施工期間)が非常にかかるという課題があった。
この課題を解決すべく、3Dプリンタ(例えば特許文献1参照)で建築物を生産する技
術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3Dプリンタで生産される従来の建築物は、単に3Dプリンタを用いて住宅の壁等を製造した場合において、壁等の表面は、3Dプリンタから出力される物質そのものとなる。例えば、いわゆる3Dプリンタのフィラメントに相当するものとしてコンクリートやモルタルを使用するのであれば、その壁等の見た目や表面は、コンクリートやモルタルそのものとなる。
近年、3Dプリンタを用いた建築物等の生産において、内外装等の美観の向上が求められてきているが、このような要望に十分に応えられていないという状況である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、3Dプリンタを用いて建築物等を生産する場合における、内外装等の美観を向上させることが可能な技術の提供をすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の建築物生産方法は、
建築物のデジタルデータに基づいて3Dプリンタのヘッダから出力される、珪砂を含むセラミック材料を所定方向に積層させていくことで、前記建築物の少なくとも一部となる構造体を印刷する印刷ステップと、
前記印刷ステップを経た前記構造体の少なくとも一部に対し釉薬を塗布して、当該釉薬が塗布された当該構造体を炉で焼く焼きステップと、
前記焼きステップを経て前記炉から取出された前記構造体、及び当該構造体とは別の他物品を組み合わせて前記建築物を完成させる構造体組み合わせステップと、
を含む。
【0007】
また上記目的を達成するため、本発明の一態様の建築物は、
建築物のデジタルデータに基づいて3Dプリンタのヘッダから出力される、珪砂を含むセラミック材料が所定方向に積層されていくことで、前記建築物の少なくとも一部となるように印刷にて形成されると共に、当該印刷にて形成された後に釉薬が塗布された状態で炉で焼かれることにより形成される構造体と、当該構造体とは別の他物品とが組み合わせられた結果得られる、
ものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、3Dプリンタを用いて建築物等を生産する場合における、内外装等の美観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る建築物生産方法による建築物の完成までの流れの概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る建築物生産方法における構造体の印刷について示す図である。
【
図4】印刷した構造体を高熱で焼くことによりガラス質の層を溶融・密着させるための炉の概要を示す図である。
【
図5】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第1の例を示す図である。
【
図6】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第2の例を示す図である。
【
図7】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第3の例を示す図である。
【
図8】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第4の例を示す図である。
【
図9】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第5の例を示す図である。
【
図10】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第6の例を示す図である。
【
図11】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第7の例を示す図である。
【
図12】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第8の例を示す図である。
【
図13】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第9の例を示す図である。
【
図14】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第10の例を示す図である。
【
図15】
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第11の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る建築物生産方法による建築物の完成までの流れの概要を示す図である。
【0012】
本発明では、ステップS1乃至ステップS3を経ることにより家等の建築物を生産することができる。
即ち、先ずステップS1では、建築物を生産するためのデジタルデータに基づいて、3Dプリンタのヘッダから珪砂を含むセラミック材料を出力して、建築物の少なくとも一部となる構造体を印刷する。
次に、ステップS2では、印刷した構造体に対して例えば釉薬を塗布するまでの所定の前処理を施し、この後に炉に入れて、例えば1300度の高熱で焼くことによりガラス質の層を溶融・密着させる。
最終的に、ステップS3では、炉から取出した構造体と、他の構造体等とを組み合わせて(組付けて)建築物を完成させる。
【0013】
これにより、3Dプリンタを用いて建築物等を生産する場合における、内外装等の美観を向上させることができる。
具体的には、ステップS1で珪砂を含むセラミック材料を用い、ステップS2では釉薬を塗布して高温で焼くことから、ガラス質の層を溶融・密着させることができ(化学変化でガラス質の層を溶融・密着させることができ)、その結果、構造体の内外装仕上げを美しくすることができる。そして、ステップS3において美しい内外装仕上げの構造体を組み合わせて建築物を生産することから、従来と比べて内外装等の美観を向上させた建築物を提供することができる。
なお、釉薬を塗布して高温で焼くことにより結晶化させることもでき、この場合も美観を向上させた建築物を提供することができる。
【0014】
図2及び
図3を参照して、
図1のステップS1について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る建築物生産方法における構造体の印刷について示す図である。
【0015】
本実施形態では、積層造形を行う3DプリンタPTRが工場に配置される。
3DプリンタPTRは、珪砂を含むセラミック材料を、2本のホースTM、TKを通過させて、貯蔵部BFに一旦貯蔵させて、ヘッダPHから出力する(吐出させる)。
3DプリンタPTRは、予め用意された、建築物(例えば後述する家1)の3次元モデルのデジタルデータに基づいて、
図2中の矢印で示すX軸、Y軸で形成されるX、Y平面に平行な所定面に対して材料を配置させることで1つの層を形成すると、さらに、ヘッダPHを略Z軸方向(略垂直方向)に移動させて、当該層に積み重ねるように次の層を形成する。
このようにして、3DプリンタPTRは、略Z軸方向(略垂直方向)に複数の層を積み重ねることによって、建築物の壁面1Tとなる構造体を成形する。
【0016】
なお、建築物の3次元モデルのデジタルデータに基づいて、3DプリンタPTRのヘッダPHから出力されるセラミック材料を、略Z軸方向(略垂直方向)に積層させていくことにより、建築物の壁面1Tを成形する手法を「3Dプリント積層造形工法」と呼ぶことにする。
【0017】
本実施形態は、3DプリンタPTRを用いる3Dプリント積層造形工法を採用しており、従来の家(3DプリンタPTRを用いないで生産される家)を造ろうとする場合と比較すれば、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。
その理由としては、従来の家のコストの多くは、木材の物流費が占めていた。即ち、木材は、ヨーロッパやカナダで伐採され、日本の港に運びこまれ、さらに日本の工場へ運びこまれて加工されていた。そのため、約100日間、大工や左官が、従来の家の建築のために現場に車で通う等する必要があった。従来の家のコストは、その多くが物流費や人件費であった。
これに対して、3Dプリント積層造形工法を採用することで、木材は不要となり、かつ、3Dプリンタを操作するための必要最低限の人数を除けば多くの大工や左官が不要になるため、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。
【0018】
図2に示す建築物の壁面1Tとなる構造体は、略Z軸方向(略垂直方向)に真っ直ぐな壁面となるように層を重ねて形成されているが、この限りでないものとする。
具体的には、
図3に示すような、曲面の壁面となる構造体であってもよいものとする。
図3は、印刷した構造体の外観を示す図である。
【0019】
図3には、建築物の壁面1TR及び壁面1TLとなる構造体が示されている。
壁面1TR及び壁面1TLは、夫々、複数の要素(
図3(a)乃至
図3(d)及び
図3(e)乃至
図3(h)参照。要素の符号省略)から構成されている。
壁面1TR及び壁面1TLは、夫々、複数の要素を組み合わせて曲面の壁面(
図3(a)乃至
図3(h)の夫々の図の左上参照。要素の符号省略)を形成している。
【0020】
図4を参照して、
図1のステップS2について説明する。
図4は、印刷した構造体を高熱で焼くことによりガラス質の層を溶融・密着させるための炉の概要を示す図である。
【0021】
本発明では、印刷した構造体を高熱で焼くことによりガラス質の層を溶融・密着させるための炉Fが用いられている。
図4に示す炉Fは、構造体を複数収納し、かつ、例えば1300度の高熱で構造体を所定時間焼くことができるよう構成されている。
炉Fは、構造体の内外装仕上げを美しくすることが可能であれば、特にその構成等は限定されないものとする。
【0022】
構造体は、釉薬を塗布された後に炉F内に収納され、釉薬を塗布される前においては、所望のデザインが絵付けされる。なお、絵付けがされずに、釉薬の結晶化にて所望のデザインとしてもよい。
ステップS2では、構造体の内外装仕上げを美しくするために釉薬を塗布して高温で焼いてガラス質の層を溶融・密着させる。
【0023】
構造体は、釉薬を塗布して高温で焼いてガラス質の層を溶融・密着させていることから、内外装仕上げを美しくすることができるのは勿論のこと、従来に比べて耐水性を向上させることができる。
また、構造体は、構造強度や耐火性、断熱性についても従来に比べて性能を向上させることができる。
ステップS2を経ることで、構造体を従来と比べてより良いものとすることができ、以て建築物の付加価値を高めることもできる。
【0024】
図5乃至
図15を参照して、
図1のステップS3について説明する。
図5は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第1の例を示す図である。
図6は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第2の例を示す図である。
図7は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第3の例を示す図である。
図8は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第4の例を示す図である。
図9は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第5の例を示す図である。
図10は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第6の例を示す図である。
図11は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第7の例を示す図である。
図12は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第8の例を示す図である。
図13は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第9の例を示す図である。
図14は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第10の例を示す図である。
図15は、
図4の炉から取出した構造体と他の構造体等とを組み合わせて完成した建築物の第11の例を示す図である。
【0025】
図5に示す家1は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家1は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
この他、家1は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図5に示す外観形状の家1であっても生産することができる。
【0026】
図6に示す家2は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家2は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
この他、家2は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図6に示す外観形状の家2であっても生産することができる。
【0027】
図7に示す家3は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家3は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家3は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図7に示す外観形状の家3であっても生産することができる。
【0028】
図8に示す家4は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家4は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家4は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図8に示す外観形状の家4であっても生産することができる。
【0029】
図9に示す家5は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家5は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家5は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図9に示す外観形状の家5であっても生産することができる。
【0030】
図10に示す家6は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家6は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家6は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図10に示す外観形状の家6であっても生産することができる。
【0031】
図11に示す家7は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家7は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家7は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図11に示す外観形状の家7であっても生産することができる。
【0032】
図12に示す家8は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家8は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家8は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図12に示す外観形状の家8であっても生産することができる。
【0033】
図13に示す家9は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家6は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家9は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図13に示す外観形状の家9であっても生産することができる。
【0034】
図14に示す家10は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家10は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家10は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図14に示す外観形状の家10であっても生産することができる。
【0035】
図15に示す家11は、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、
図4の炉から取出した構造体であって、かつ、釉薬によって表面がコーティングされ、かつ、釉薬を結晶化させた、内外装仕上げが美しい構造体(
図15では、特に内装仕上げの美しさを強調している)と、3Dプリント積層造形工法を採用して形成され、かつ、ステップS2の工程を経ないで得られた、他の構造体と、ドアや窓等とを組み合わせて完成させた(
図1のステップS3参照)建築物である。
家11は、少なくともステップS2の工程を経た構造体を含んで生産されることから、内外装等の美観を従来と比べて向上させることができると共に、耐水性や構造強度、耐火性、断熱性についても従来に比べてその性能を向上させることができる。
なお、
図5の家1や
図6の家2のように、多数の色で絵付けが施されると共に釉薬によって表面がコーティングされた構造体(デザインは特に限定されない)に替えたり組み合わせに含めたりしてもよいものとする。
この他、家11は、3Dプリント積層造形工法を採用することから、従来の家を造る場合と比較して、コストを削減することができると共に、工期(生産の時間)も短縮することができる。また、3Dプリント積層造形工法を採用することから、
図15に示すような内装の形状を有する家11であっても生産することができる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0037】
上述の本実施形態では、釉薬を塗布し高温で焼いて得られる構造体が内外装仕上げを美しくしているが、内装仕上げ及び外装仕上げのいずれか一方を美しくしていてもよいものとする。
また、上述の本実施形態では、建築物を家1乃至10として説明しているが、例えば市役所や美術館、演劇場等の施設、駅舎等であってもよいものとする。
【0038】
以上をまとめると、本発明が適用される建築物生産方法は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される建築物生産方法は、
建築物(例えば
図5乃至15の家1乃至10)のデジタルデータに基づいて3Dプリンタ(例えば
図2の3DプリンタPTR)のヘッダ(例えば
図2のヘッダPH)から出力される、珪砂を含むセラミック材料を所定方向(例えば
図2のZ軸方向)に積層させていくことで、前記建築物の少なくとも一部となる構造体(例えば
図2の壁面1Tや
図3の壁面1TR及び壁面1TL)を印刷する印刷ステップ(例えば
図1のステップS1)と、
前記印刷ステップを経た前記構造体の少なくとも一部に対し釉薬を塗布して、当該釉薬が塗布された当該構造体を炉(例えば
図4の炉F)で焼く焼きステップ(例えば
図1のステップS2)と、
前記焼きステップを経て前記炉から取出された前記構造体、及び当該構造体とは別の他物品(例えば
図5の家1に示される玄関や窓、
図2の3DプリンタPTRで印刷されステップS2を経ない構造体等)を組み合わせて前記建築物を完成させる構造体組み合わせステップ(例えば
図1のステップS3)と、
を含む。
これにより、3Dプリンタを用いて建築物等を生産する場合における、内外装等の美観を向上させることができる。
【0039】
また、本発明が適用される建築物生産方法は、
前記焼きステップは、前記釉薬を塗布する前に、前記構造体の少なくとも一部に対して絵付け(例えば
図5の家1に示される、構造体の外装部分の模様)を行うステップを含む、
ことができる。
これにより、内外装等の美観をさらに向上させることができる。
【0040】
また、本発明が適用される建築物生産方法は、
前記焼きステップは、前記炉の熱で前記釉薬の結晶化を生じさせる(例えば結晶釉)ステップを含む、
ことができる。
これにより、内外装等の美観をさらに向上させることができる。
【0041】
また、本発明が適用される建築物生産方法は、
前記炉の前記熱は1300度である、
ことができる。
【0042】
一方、本発明が適用される建築物は、
建築物のデジタルデータに基づいて3Dプリンタのヘッダから出力される、珪砂を含むセラミック材料が所定方向に積層されていくことで、前記建築物の少なくとも一部となるように印刷にて形成されると共に、当該印刷にて形成された後に釉薬が塗布された状態で炉で焼かれることにより形成される構造体と、当該構造体とは別の他物品とが組み合わせられた結果得られる、
ものである。
これにより3Dプリンタを用いて建築物等を生産する場合における、内外装等の美観を向上させることができる。
【符号の説明】
【0043】
1乃至11・・・家、1T、1TR、1TL・・・壁面、PTR・・・3Dプリンタ、TM,TK・・・ホース、BF・・・貯蔵部、PH・・・ヘッダ、F・・・炉