(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079695
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、その制御方法及びプログラム。
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20240604BHJP
H04L 65/40 20220101ALI20240604BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240604BHJP
【FI】
H04N7/15
H04L65/40
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033177
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2022096186の分割
【原出願日】2017-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100227857
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 圭
(72)【発明者】
【氏名】野村 祐一郎
(57)【要約】
【課題】ユーザの手間をかけずに、情報の送受信を行うのに適切なグループ化を行う。
【解決手段】仮想会議システム1は、クライアント端末10のOS言語情報をクライアント端末10から取得する属性情報取得部22と、属性情報取得部22により取得されたOS言語情報に基づき、複数のクライアント端末OSを複数のグループに分けるグループ生成部23と、送信元クライアント端末10からのメディアデータに基づき、送信先クライアント端末10へ配信するコンテンツを取得する配信情報取得部24と、を備え、配信情報取得部24は、グループ生成部23によって分けられたグループが同じである同一グループ内のクライアント端末10間で、同一グループ内における送信元クライアント端末10からのメディアデータに基づき、同一グループ内における送信先クライアント端末10へのコンテンツを取得する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想会議室内において、複数のクライアント端末同士で情報を送受信可能な情報処理システムであって、
前記クライアント端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報を前記クライアント端末から取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段により取得された前記ユーザ属性情報に基づき、前記複数のクライアント端末を複数のグループに分けるグループ生成手段と、
送信元のクライアント端末から送信される情報である送信情報に基づき、送信先のクライアント端末へ配信する情報である配信情報を取得する配信情報取得手段と、を備え、
前記配信情報取得手段は、前記グループ生成手段によって分けられた前記グループが同じである同一グループ内の前記クライアント端末間で、前記同一グループ内における送信元のクライアント端末からの前記送信情報に基づき、前記同一グループ内における送信先のクライアント端末への前記配信情報を取得する、情報処理システム。
【請求項2】
前記クライアント端末から前記仮想会議室へ入室することを要求する入室要求を処理する入室処理手段を備え、
前記入室要求は、前記ユーザ属性情報を含み、
前記属性情報取得手段は、前記入室処理手段により処理された前記入室要求に基づき、前記ユーザ属性情報を取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記属性情報取得手段は、前記クライアント端末から送信された前記ユーザ属性情報を受信することにより、前記ユーザ属性情報を取得する、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザ属性情報は、前記クライアント端末のOSの言語を示すOS言語情報である、請求項1~3の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ユーザ属性情報は、送信元の前記クライアント端末からの前記送信情報の送信回数である、請求項1~4の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
仮想会議室内において、複数のクライアント端末同士で情報を送受信可能な情報処理システムの制御方法であって、
前記クライアント端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報を前記クライアント端末から取得する属性情報取得ステップと、
前記属性情報取得ステップにおいて取得された前記ユーザ属性情報に基づき、前記複数のクライアント端末を複数のグループに分けるグループ生成ステップと、
送信元のクライアント端末から送信される情報である送信情報に基づき、送信先のクライアント端末へ配信する情報である配信情報を取得する配信情報取得ステップと、を含み、
前記配信情報取得ステップは、前記グループ生成ステップにおいて分けられた前記グループが同じである同一グループ内の前記クライアント端末間で、前記同一グループ内における送信元のクライアント端末からの前記送信情報に基づき、前記同一グループ内における送信先のクライアント端末への前記配信情報を取得する、情報処理システムの制御方法。
【請求項7】
仮想会議室内において、複数のクライアント端末同士で情報を送受信可能な情報処理システムのプログラムであって、
前記情報処理システムを、
前記クライアント端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報を前記クライアント端末から取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段により取得された前記ユーザ属性情報に基づき、前記複数のクライアント端末を複数のグループに分けるグループ生成手段と、
送信元のクライアント端末から送信される情報である送信情報に基づき、送信先のクライアント端末へ配信する情報である配信情報を取得する配信情報取得手段として機能させ、
前記配信情報取得手段は、前記グループ生成手段によって分けられた前記グループが同じである同一グループ内の前記クライアント端末間で、前記同一グループ内における送信元のクライアント端末からの前記送信情報に基づき、前記同一グループ内における送信先のクライアント端末への前記配信情報を取得する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ルームと称される仮想会議室において、音声又は画像などの情報(メディアデータ)を複数のクライアント端末同士で互いに送受信する遠隔会議システムを利用する機会が増えている。遠隔会議システムをセミナー用途とする場合も増えており、セミナー用途の場合には、同じルームに入室しているクライアント端末のユーザ同士での討論を行うため、各ユーザをグループ分けする必要が生じる場合がある。
【0003】
たとえば、下記特許文献1に記載された遠隔会議システムは、同一ルーム内のユーザをグループ分けするグループ管理機能を有している。この遠隔会議システムでは、予めグループ分けされたユーザのクライアント端末に対し、そのユーザが属するグループに応じた情報が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された遠隔会議システムにおけるグループ管理機能は、予めグループを登録しておく、又は、会議中にグループを作成するという手順をユーザの操作によって行う必要があり、ユーザの手間がかかる。
【0006】
本発明は、ユーザの手間をかけずに、情報の送受信を行うのに適切なグループ化を行うことができる情報処理システム、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理システムは、仮想会議室内において、複数のクライアント端末同士で情報を送受信可能な情報処理システムであって、クライアント端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報をクライアント端末から取得する属性情報取得手段と、属性情報取得手段により取得されたユーザ属性情報に基づき、複数のクライアント端末を複数のグループに分けるグループ生成手段と、送信元のクライアント端末から送信される情報である送信情報に基づき、送信先のクライアント端末へ配信する情報である配信情報を取得する配信情報取得手段と、を備え、配信情報取得手段は、グループ生成手段によって分けられたグループが同じである同一グループ内のクライアント端末間で、同一グループ内における送信元のクライアント端末からの送信情報に基づき、同一グループ内における送信先のクライアント端末への配信情報を取得する。
【0008】
また、本発明に係る情報処理システムの制御方法は、仮想会議室内において、複数のクライアント端末同士で情報を送受信可能な情報処理システムの制御方法であって、クライアント端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報をクライアント端末から取得する属性情報取得ステップと、属性情報取得ステップにおいて取得されたユーザ属性情報に基づき、複数のクライアント端末を複数のグループに分けるグループ生成ステップと、送信元のクライアント端末から送信される情報である送信情報に基づき、送信先のクライアント端末へ配信する情報である配信情報を取得する配信情報取得ステップと、を含み、配信情報取得ステップは、グループ生成ステップにおいて分けられたグループが同じである同一グループ内のクライアント端末間で、同一グループ内における送信元のクライアント端末からの送信情報に基づき、同一グループ内における送信先のクライアント端末への配信情報を取得する。
【0009】
また、本発明に係る情報処理システムのプログラムは、仮想会議室内において、複数のクライアント端末同士で情報を送受信可能な情報処理システムのプログラムであって、情報処理システムを、クライアント端末のユーザの属性を示すユーザ属性情報をクライアント端末から取得する属性情報取得手段と、属性情報取得手段により取得されたユーザ属性情報に基づき、複数のクライアント端末を複数のグループに分けるグループ生成手段と、送信元のクライアント端末から送信される情報である送信情報に基づき、送信先のクライアント端末へ配信する情報である配信情報を取得する配信情報取得手段として機能させ、配信情報取得手段は、グループ生成手段によって分けられたグループが同じである同一グループ内のクライアント端末間で、同一グループ内における送信元のクライアント端末からの送信情報に基づき、同一グループ内における送信先のクライアント端末への配信情報を取得する。
【0010】
本発明に係る情報処理システム、その制御方法及びプログラムでは、クライアント端末のユーザ属性情報に基づき、複数のクライアント端末が複数のグループに分けられる。よって、予めグループを登録するなどのユーザの手間をかけずに、ユーザの属性に基づいた適切なグループ分けが行われる。そして、同一グループ内における送信元のクライアント端末からの送信情報に基づき、同一グループ内における送信先のクライアント端末への配信情報が取得される。その結果、適切に分けられた同一グループ内での情報の送受信が可能となる。以上より、ユーザの手間をかけずに、情報の送受信を行うのに適切なグループ化を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係る情報処理システムは、クライアント端末から仮想会議室へ入室することを要求する入室要求を処理する入室処理手段を備え、入室要求は、ユーザ属性情報を含み、属性情報取得手段は、入室処理手段により処理された入室要求に基づき、ユーザ属性情報を取得してもよい。この場合、クライアント端末からの入室要求の処理に基づきユーザ属性情報が取得される。よって、ユーザがユーザ属性情報を取得するための特別なユーザ操作などをすることなく、入室要求に伴い自動的にユーザ属性情報を取得してグループ化を行うことができる。
【0012】
また、属性情報取得手段は、クライアント端末から送信されたユーザ属性情報を受信することにより、ユーザ属性情報を取得してもよい。この場合、クライアント端末からのユーザ属性情報の送信に伴い、属性情報取得手段によってユーザ属性情報が取得される。よって、クライアント端末から送信するユーザ属性情報に基づき、容易にグループ化を行うことができる。
【0013】
また、ユーザ属性情報は、クライアント端末のOSの言語を示すOS言語情報であってもよい。この場合、クライアント端末のOS言語情報に基づきグループ分けが行われる。よって、たとえばOSの言語が同じであるクライアント端末同士を同一グループとすることができ、当該同一グループ内において、OSの言語が同じクライアント端末同士で適切に情報の送受信を行うことができる。
【0014】
また、ユーザ属性情報は、送信元のクライアント端末からの送信情報の送信回数であってもよい。この場合、送信元のクライアント端末からの送信情報の送信回数に基づきグループ分けが行われる。よって、たとえば各グループで送信回数に偏りが生じないようにグループ化を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの手間をかけずに、情報の送受信を行うのに適切なグループ化を行うことができる情報処理システム、その制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る遠隔会議システムの一例を示す概念図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る遠隔会議システムにおける各種装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る遠隔会議システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】入室処理部により記憶される情報のデータベースの一例を示す図である。
【
図5】グループ生成部により記憶されるグループ情報を示すデータベースの一例を示す図である。
【
図6】入室処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】グループ分け実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図7におけるコンテンツ取得処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図9】グループ分け解除後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】グループ分け実行前における、議長ユーザのクライアント端末に表示された会議画面を示す図である。
【
図11】グループ分け実行後における、議長ユーザのクライアント端末に表示された会議画面を示す図である。
【
図12】グループ分け実行前における、一般ユーザのクライアント端末に表示された会議画面を示す図である。
【
図13】グループ分け実行後における、一般ユーザのクライアント端末に表示された会議画面を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る遠隔会議システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図15】第2実施形態に係るグループ分け実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複す
【0018】
(第1実施形態)
本実施形態に係る遠隔会議システムは、ウェブ会議又はTV会議などを利用するための仮想会議室(以下、「ルーム」と称する。)内において、複数のクライアント端末同士で情報を送受信可能な情報処理システムである。本実施形態に係る遠隔会議システムは、ルームを複数設定することにより、複数の会議を行うことができる。
【0019】
本実施形態に係る遠隔会議システムは、たとえば、セミナー用途が想定される。この遠隔会議システムでは、同一のルームに入室した複数のクライアント端末のうち、一のクライアント端末のユーザが議長ユーザとして選出されると共に、その他のクライアント端末のユーザが議長以外の一般ユーザ(セミナー参加者)とされる。
【0020】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る遠隔会議システムの概略構成について説明する。
【0021】
図1に示されるように、遠隔会議システム1(ウェブ会議システム)は、たとえば、パーソナルコンピュータを適用可能な複数のクライアント端末10(10X,10A,10B,10C,10D)と、各クライアント端末10で遠隔会議システムを利用可能にする遠隔会議サーバ20(サーバ装置)と、を備える。各クライアント端末10と遠隔会議サーバ20とは、無線又は有線のネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0022】
クライアント端末10は、たとえば、デスクトップPC(クライアント端末10X)、ノートPC(クライアント端末10A,10B)、又はタブレットPC(クライアント端末10C,10D)など、種々のパーソナルコンピュータを採用し得る。なお、本実施形態では、たとえばクライアント端末10Xのユーザが議長ユーザとして選出され、その他のクライアント端末10A~10Dのユーザが一般ユーザとされる。
【0023】
クライアント端末10は、ディスプレイを備え、遠隔会議サーバ20から提供される会議画面(インタフェース)をディスプレイに表示する。会議画面は、ユーザが参加する会議の画面である。クライアント端末10は、会議画面上に、遠隔会議サーバ20から提供される会議画像又は指定画像を表示する。
【0024】
会議画像とは、会議に参加中のユーザIDが入力されたクライアント端末10におけるカメラ機能によって撮像され、遠隔会議サーバ20に送信されている画像である撮像画像である。会議画像とは、たとえば、ユーザ自身の顔を写した画像である。
【0025】
指定画像とは、クライアント端末10の入力部を介して、ユーザ操作に応じて指定を受け付けた、クライアント端末10から遠隔会議サーバ20に送信される画像である。遠隔会議サーバ20は、指定画像の送信元のクライアント端末10のユーザと同じ会議に参加している他のユーザのクライアント端末10に対して指定画像を送信する。
【0026】
クライアント端末10は、カメラ機能、マイク機能、及びスピーカ機能を有している。
【0027】
具体的には、クライアント端末10Xは、カメラ100、マイク101、及びスピーカ102を備える。カメラ100、マイク101、及びスピーカ102は、クライアント端末10Xと通信可能に接続されている。
【0028】
カメラ100は、遠隔会議において自身の動画像を送信するためのビデオデバイスであるウェブカメラなどである。マイク101は、自身の発した音声を集音するためのオーディオデバイスである。スピーカ102は、相手の音声を聞くためのオーディオデバイスである。
【0029】
カメラ100、マイク101、及びスピーカ102などの各デバイスは、別々の筐体であってもよく、同じ筐体のハードに備えられていてもよい。たとえば、カメラ機能とマイク機能とを備えたデバイス、マイク機能とスピーカ機能とを備えたデバイス、又はこれらの機能全てを備えたデバイスとして構成してもよい。
【0030】
クライアント端末10A~10Dは、不図示のインカメラ(ディスプレイが設置されている面側に設置されたカメラ)、内蔵マイク、及び内蔵スピーカを備える。
【0031】
クライアント端末10は、遠隔会議サーバ20から配信されるコンテンツ(配信情報)を出力する。遠隔会議サーバ20からクライアント端末10に配信されるコンテンツとは、クライアント端末10のカメラ機能又はマイク機能によって取得されたメディアデータ(画像データ又は音声データ)に基づく情報である。たとえば、クライアント端末10は、画像データを所定の表示領域(会議画面)に表示する。また、クライアント端末10は、遠隔会議サーバ20から配信される音声データをスピーカ機能により出力する。
【0032】
クライアント端末10には、遠隔会議サーバ20へアクセスするためのウェブブラウザ、及び専用のモジュールがインストールされている。なお、この専用のモジュールは、たとえば、ウェブブラウザを介して遠隔会議サーバ20からダウンロードするActiveXコンポーネントである。
【0033】
遠隔会議サーバ20は、ウェブブラウザを利用した遠隔会議を実現するためのサーバである。遠隔会議システム1は、遠隔会議サーバ20へアクセスすることにより、ユーザが遠隔会議を利用するための会議画面(インタフェース)を取得する。
【0034】
遠隔会議サーバ20は、クライアント端末10から送信されたメディアデータを蓄積し、メディアデータに基づくコンテンツを、当該遠隔会議サーバ20に接続されたクライアント端末10に配信する。クライアント端末10は、遠隔会議サーバ20から配信されるコンテンツを出力する。
【0035】
なお、遠隔会議システム1においては、クライアント端末10間での画面共有が行われてもよい。すなわち、送信元のクライアント端末10の画面を、送信先のクライアント端末10の表示画面に表示して共有してもよい。共有される画面は、クライアント端末10によって指定可能であり、指定するアプリケーションの画面であってもよく、デスクトップ画面の全体であってもよい。
【0036】
次に、
図2を参照して、遠隔会議システム1における各種装置のハードウェア構成の一例について説明する。
図2は、遠隔会議システム1における各種装置のハードウェア構成を示す図である。
【0037】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)、オペレーティングシステムプログラム(以下、OS)、又は、各サーバ若しくは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラムなどが記憶されている。
【0038】
203はRAMで、CPU201の主メモリ又はワークエリアなどとして機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラムなどをROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0039】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)又は不図示のマウスなどのポインティングデバイスなどである入力装置209からの入力を制御する。
【0040】
206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)であるディスプレイ装置210等、表示器への表示を制御する。なお、表示器はCRTディスプレイに限られるものでなく、液晶ディスプレイなどの他の表示器であってもよい。
【0041】
また、本発明の実施形態において、タブレットPCであるクライアント端末10C,10Dのディスプレイ装置210は、タッチパネル機能を有するものとする。ディスプレイ装置210がタッチパネル機能を有する場合、当該ディスプレイ装置210は入力装置としても機能し、入力コントローラにタッチパネル機能で検出した(ディスプレイで受け付けた)タッチ操作の情報を入力情報として伝達するものとする。つまり、入力コントローラ205は、ディスプレイ装置210からの入力制御を行う。
【0042】
207はメモリコントローラである。メモリコントローラ107は、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、又は、外部メモリ211へのアクセスを制御する。ハードディスクは、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、または各種データなどを記憶する。外部メモリは、たとえば、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリなどである。
【0043】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、
図1に示したネットワークN)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0044】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0045】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブルなども、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。以上が、遠隔会議システム1における各種装置のハードウェア構成の一例についての説明である。
【0046】
次に、
図3を参照して、遠隔会議システム1の機能構成の一例について説明する。
図3は、遠隔会議システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示される11~16の各機能部は、クライアント端末10にインストールされた遠隔会議アプリケーション(クライアントアプリケーション)が備える機能部である。また、
図3に示される21~27の各機能部は、遠隔会議サーバ20にインストールされた遠隔会議アプリケーション(サーバアプリケーション)が備える機能部である。
【0047】
まず、クライアント端末10の機能構成について説明する。クライアント端末10は、機能的には、入室要求部11と、グループ生成要求部12と、送信データ記憶部13と、送信制御部14と、コンテンツ受信制御部15と、出力部16と、を備える。なお、グループ生成要求部12は、議長ユーザのクライアント端末10Xのみが備え、他の一般ユーザのクライアント端末10A~10Dは備えていなくてもよい。
【0048】
入室要求部11は、クライアント端末10のユーザによる入室要求を遠隔会議サーバ20の入室処理部21へ送信する。入室要求とは、ユーザが参加したいルームに対する入室の要求である。入室要求部11は、たとえば、ユーザ操作に基づき、入室要求を受け付ける。
【0049】
具体的には、ユーザIDを用いた遠隔会議サーバ20に対するユーザのログインが成功すると、クライアント端末10の表示画面には、「会議室予約」ボタンを含むメニュー画面が表示される。メニュー画面における「会議室予約」ボタンの押下げが受け付けられると、表示画面には、参加する会議(参加する会議が開催される入室先のルーム)を選択するための参加先選択画面が表示される。この参加先選択画面において、参加する会議の選択がユーザ操作によって受け付けられると、入室要求部11は、選択された会議(ルーム)に対する入室要求を入室処理部21へ送信する。
【0050】
入室要求部11により送信される入室要求には、ユーザID情報と、OSの言語情報と、議長フラグと、が含まれる。ユーザID情報とは、ユーザのIDを示す情報である。OSの言語情報は、クライアント端末10のOSの言語を示す情報である。OSの言語とは、たとえば、日本語又は英語などの種々の言語である。
【0051】
議長フラグは、ユーザが議長ユーザであるか否かを示すフラグであり、たとえば、議長ユーザである場合には「1」、議長ユーザ以外の一般ユーザである場合には「0」の数字で示される。ユーザが議長ユーザであるか否かは、たとえばルームの予約時に予め設定されている。
【0052】
グループ生成要求部12は、グループ分け要求を、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22に送信する。グループ分け要求とは、同じルーム内における一般ユーザのクライアント端末10A~10Dをグループ分けするための要求である。グループ生成要求部12は、たとえば、議長ユーザのユーザ操作(
図10に示されるグループ分け開始ボタン30の押下げ)に基づき、グループ分け要求を受け付ける。なお、グループ分け要求は、一般ユーザの操作に基づき受け付けられてもよい。
【0053】
また、グループ生成要求部12は、グループ分け解除要求を、遠隔会議サーバ20のグループ生成部23に送信する。グループ分け解除要求とは、グループ分けされたクライアント端末10A~10Dのグループ分けを解除するための要求である。グループ生成要求部12は、たとえば、議長ユーザのユーザ操作(
図11に示されるグループ分け解除ボタン32の押下げ)に基づき、グループ分け解除要求を受け付ける。なお、グループ分け解除要求は、一般ユーザの操作に基づき受け付けられてもよい。
【0054】
送信データ記憶部13は、送信制御部14によって送信する情報と同じ情報を記憶する記憶部(キュー)である。送信データ記憶部13は、たとえば、音声キューと画像キューとを有している。音声キューは、クライアント端末10のマイク機能によって集音された音声情報用のキューである。音声キューには、クライアント端末10のマイク機能により断続的に集音された音声情報が順次記憶される。
【0055】
画像キューには、クライアント端末10のカメラ機能によって撮像される撮像画像(会議画像)用の画像キューと、ユーザ操作により指定された指定画像(クライアント端末10のデスクトップ画面の画像など)の画像キューとが含まれる。
【0056】
撮像画像用の画像キューには、撮像画像が順次記憶される。クライアント端末10のカメラ機能により、断続的に撮像処理(動画の撮像及びクライアント端末10への動画の入力)が行われる。よって、撮像画像用の画像キューには、動画を構成する複数の画像が、動画内のフレーム毎に順々に記憶される。
【0057】
指定画像用の画像キューには、指定画像が所定時間毎に記憶される。指定画像用の画像キューには、たとえば、0.2秒ごとに、クライアント端末10のデスクトップ画面に表示されているデスクトップ画像が順次記憶される。記憶される各指定画像は、たとえば、デスクトップ画像を繋ぎ合わせて再生する動画の1フレームである。
【0058】
送信制御部14は、遠隔会議において送信元のクライアント端末10から送信先のクライアント端末10に送信するメディアデータ(送信情報)を、遠隔会議サーバ20の受信制御部26へ送信する。メディアデータとは、たとえば、マイク機能によって集音された音声、カメラ機能によって撮像された画像(映像)、又はユーザ操作により表示を共有する画像として指定された指定画像(デスクトップ全体又は指定アプリケーションの画面の画像)などのデータである。
【0059】
コンテンツ受信制御部15は、遠隔会議サーバ20の配信制御部25に対して通信開始要求を行う。具体的には、コンテンツ受信制御部15は、後述する入室処理部21によって通知された同一ルーム内のユーザ情報を記憶する。コンテンツ受信制御部15は、記憶された同一ルーム内のユーザ情報に基づき、遠隔会議サーバ20からクライアント端末10にコンテンツの配信を行うために必要なソケットを開通する。コンテンツ受信制御部15は、配信制御部25に対し、ソケットの開通を伴う通信開始要求を行うことにより、配信制御部25から出力されるコンテンツを受信する。コンテンツ受信制御部15は、受信したコンテンツを出力部16へ出力する。
【0060】
出力部16は、コンテンツ受信制御部15から出力されたコンテンツを出力する。具体的には、コンテンツとしての画像データを会議画面に表示し、又は、コンテンツとしての音声データをスピーカ機能によって出力する。出力部16は、遠隔会議サーバ20のグループ生成部23からのグループ分け実行の結果に基づき、会議画面の表示を切り替える。出力部16は、一のユーザの入室があった旨が入室処理部21から通知された場合に、その旨を報知する出力を行ってもよい。
【0061】
次に、遠隔会議サーバ20の機能構成について説明する。遠隔会議サーバ20は、機能的には、入室処理部21(入室処理手段)と、属性情報取得部22(属性情報取得手段)と、グループ生成部23(グループ生成手段)と、配信情報取得部24(配信情報取得手段)と、配信制御部25と、受信制御部26と、受信データ記憶部27と、を備える。
【0062】
入室処理部21は、クライアント端末10の入室要求部11から送信された入室要求を受信すると、入室処理を実行する。入室処理は、要求されたルームにユーザを入室させる処理であって、たとえば、どのルームに、どのユーザが、どのクライアント端末10から入室しているかを記憶する処理である。本実施形態では、入室処理として、入室要求に含まれるユーザID情報、OS言語情報、及び議長フラグを記憶する。
【0063】
図4は、入室処理部21により記憶される情報のデータベースの一例を示す図である。
図4に示されるデータベースには、ユーザID情報が示すユーザID、OS言語情報が示すOS言語、及び議長フラグが示す数字がそれぞれ格納されている。
図4に示されるように、入室処理部21は、ユーザIDに関連付けて、OS言語及び議長フラグを記憶する。入室処理部21は、
図4に示されるようなデータベースをルーム毎に管理する。
【0064】
図4に示されるユーザIDが「ユーザX」のユーザは、クライアント端末10Xのユーザに対応する。
図4に示されるユーザIDが「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」、「ユーザD」の各ユーザは、クライアント端末10A,10B,10C,10Dの各ユーザに対応する。
【0065】
入室処理部21は、一のユーザの入室処理を行うと、入室処理が行われたルーム内の他のユーザに、当該一のユーザの入室があった旨を通知する。たとえば、入室処理部21は、他のユーザのクライアント端末10の出力部16に、一のユーザの入室があったことを示す情報を送信する。
【0066】
入室処理部21は、入室処理を行ったユーザのクライアント端末10のコンテンツ受信制御部15に対し、入室処理が行われたルーム内の他のユーザの情報(以下、「同一ルーム内のユーザ情報」ともいう)を通知する。同一ルーム内のユーザ情報とは、他のどのユーザが同じルームに入室しているかを示す情報であり、たとえばコンテンツの配信に必要なソケットを開通するために用いられる。
【0067】
属性情報取得部22は、クライアント端末10のユーザ属性情報を、クライアント端末10から取得する。ユーザ属性情報とは、ユーザの属性を示す情報であって、本実施形態では、OS言語情報である。
【0068】
属性情報取得部22は、入室処理部21により記憶された情報から、ユーザ毎のユーザ属性情報を抽出して取得する。属性情報取得部22は、たとえば、クライアント端末10のグループ生成要求部12からグループ分け要求が送信されたタイミングで、ユーザ属性情報を取得する。
【0069】
具体的には、属性情報取得部22は、
図4に示すデータベースから、ユーザIDが「ユーザA」、「ユーザB」である各ユーザのOS言語が「英語」であり、ユーザIDが「ユーザX」、「ユーザC」、「ユーザD」である各ユーザのOS言語が「日本語」であることを示すOS言語情報を取得する。属性情報取得部22は、取得したOS言語情報(ユーザ属性情報)を、グループ生成部23に出力する。
【0070】
グループ生成部23は、属性情報取得部22により取得されたOS言語情報に基づき、複数のクライアント端末10を複数のグループに分ける。グループ生成部23は、議長ユーザ以外の一般ユーザのクライアント端末10A~10Dについてグループを生成する。
【0071】
具体的には、グループ生成部23は、属性情報取得部22から出力されたOS言語情報に基づき、クライアント端末10A~10Dについて、OS言語が同じユーザが同じグループになるようにグループを生成する。すなわち、グループ生成部23は、OS言語が「英語」である「ユーザA」及び「ユーザB」の各クライアント端末10A,10Bを「グループ1」とし、OS言語が「日本語」である「ユーザC」及び「ユーザD」の各クライアント端末10C,10Dを「グループ2」として、グループ分けを実行する。
【0072】
グループ生成部23は、生成したグループを示すグループ情報を記憶する。
図5は、グループ生成部23により記憶されるグループ情報を示すデータベースの一例を示す図である。
図5に示されるデータベースには、グループを識別するグループIDと、ユーザIDとが格納されている。
図5に示されるように、グループ生成部23は、グループIDとユーザIDとを互いに関連付けて記憶する。
【0073】
グループ生成部23は、グループ生成要求部12からグループ解除要求が送信されると、各クライアント端末10A~10Eのグループ分けを解除する。
【0074】
グループ生成部23は、グループ分け実行の結果(グループ分けを行った結果、又は、グループ分けを解除した結果)を、配信情報取得部24に出力する。また、グループ生成部23は、グループ分け実行の結果を、各クライアント端末10の出力部16に通知する。
【0075】
配信情報取得部24は、配信制御部25により送信先の各クライアント端末10に配信する情報であるコンテンツ(配信情報)を取得する。コンテンツは、受信データ記憶部27において記憶されたメディアデータに基づき取得される。配信情報取得部24は、取得したコンテンツを、配信制御部25へ出力する。
【0076】
配信情報取得部24は、グループ生成部23によりグループ分け実行の結果が出力されると、その出力結果に基づき、コンテンツの取得を行う。配信情報取得部24は、グループ生成部23によるグループ分けが実行されていない場合(グループ分けが解除されている場合)には、同じルーム内の全てのクライアント端末10からのメディアデータに基づき、コンテンツを取得する。
【0077】
たとえば、配信情報取得部24は、クライアント端末10Xに配信するコンテンツを、クライアント端末10X以外の他の全ての各クライアント端末10A~10Dからのメディアデータに基づき取得する。
【0078】
なお、メディアデータが音声である場合には、各クライアント端末10A~10Dからのメディアデータを合成(ミキシング)した情報をコンテンツとして取得してもよい。配信情報取得部24は、同じルーム内の全てのクライアント端末10に配信するコンテンツを同様にして取得する。
【0079】
また、配信情報取得部24は、グループ生成部23によるグループ分けが実行された場合には、グループ生成部23により分けられたグループに基づき、コンテンツを取得する。
【0080】
具体的には、配信情報取得部24は、同一グループ(グループ生成部23により分けられたグループが同じであるグループ)内のクライアント端末10間で、コンテンツを取得する。配信情報取得部24は、同一グループ内における送信元のクライアント端末10からのメディアデータに基づき、同一グループ内における送信先のクライアント端末10へのコンテンツを取得する。
【0081】
たとえば、配信情報取得部24は、「グループ1」に属するクライアント端末10Aに配信するコンテンツとして、同じ「グループ1」に属するクライアント端末10Bからのメディアデータを取得する。また、配信情報取得部24は、「グループ1」に属するクライアント端末10Bに配信するコンテンツとして、同じ「グループ1」に属するクライアント端末10Aからのメディアデータを取得する。
【0082】
なお、端末10A,10B以外に「グループ1」に属するその他のクライアント端末がある場合には、その他のクライアント端末からのメディアデータも、各クライアント端末10A,10Bに配信するコンテンツとして取得する。また、議長ユーザのクライアント端末10Xからのメディアデータも、各クライアント端末10A,10Bに配信するコンテンツとして取得してもよい。
【0083】
配信情報取得部24は、「グループ2」に属するクライアント端末10C,10Dについても、「グループ1」に属するクライアント端末10A,10Bと同様にして、配信するコンテンツを取得する。
【0084】
なお、配信情報取得部24は、議長ユーザのクライアント端末10Xに配信されるコンテンツを、グループ生成部23によるグループ分けの実行の有無によらず取得してもよい。たとえば、配信情報取得部24は、グループ生成部23によるグループ分けが実行された場合でも、グループ分けが実行されていない場合と同様、クライアント端末10Xに配信するコンテンツとして、クライアント端末10X以外の他の全ての各クライアント端末10A~10Dからのメディアデータを取得してもよい。
【0085】
配信制御部25は、配信情報取得部24から出力されたコンテンツを、配信を要求する要求元の各クライアント端末10のコンテンツ受信制御部15へ出力する。
【0086】
受信制御部26は、クライアント端末10の送信制御部14から送信されたメディアデータを受信する。受信制御部26は、受信したメディアデータを受信データ記憶部27に出力する。
【0087】
受信データ記憶部27は、受信制御部26により受信したメディアデータを記憶する。受信データ記憶部27は、音声キューと画像キューとを有している。
【0088】
次に、
図6~
図9を参照して、以上の構成の遠隔会議システム1で実行される処理及び動作、すなわち遠隔会議システム1の制御方法を説明する。
【0089】
以下のフローチャートの説明では、遠隔会議システム1における処理のうち、入室処理、グループ分け実行処理、及びグループ分け解除後の処理について特に着目して説明する。
図6は、入室処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7は、グループ分け実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8は、
図7におけるコンテンツ取得処理の詳細を示すフローチャートである。
図9は、グループ分け解除後の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0090】
図6に示す例では、クライアント端末10Aからの入室要求があった場合を一例として説明する。
【0091】
図6に示されるように、まず、クライアント端末10Aの入室要求部11によって入室要求が送信されると(ステップS301)、遠隔会議サーバ20の入室処理部21により入室要求が受信される(ステップS302)。続いて、入室処理部21により、入室処理が実行される(ステップS303)。具体的には、入室処理部21により、入室要求のパラメータが解析され、ユーザID情報、OS言語情報、及び議長フラグが取得される。
【0092】
続いて、入室処理部21により、入室要求のあったルームについて、取得されたユーザID情報、OS言語情報、及び議長フラグを記憶する処理が行われる(ステップS304)。続いて、入室処理部21により、クライアント端末10Aのユーザの入室があった旨が、入室処理が行われたルームに入室している他のクライアント端末10(クライアント端末10X,10B~10E)の出力部16に通知される(ステップS305)。
【0093】
続いて、入室処理部21により、入室要求を行ったクライアント端末10Aのコンテンツ受信制御部15に対し、同一ルーム内のユーザ情報(他のどのユーザが同じルームに入室しているか)が通知される(ステップS306)。
【0094】
続いて、クライアント端末10Aのコンテンツ受信制御部15は、入室処理部21により通知された、同一ルーム内のユーザ情報を記憶する(ステップS307)。
【0095】
続いて、クライアント端末10Aのコンテンツ受信制御部15は、遠隔会議サーバ20の配信制御部25に対して通信開始を要求する(ステップS308)。具体的には、コンテンツ受信制御部15は、入室処理部21により通知された同一ルーム内のユーザ情報に基づき、必要な数のソケットを開通させて通信開始を要求する。なお、ソケットの数は、たとえば、音声については1本、映像については他のユーザの数が必要である。ソケットの開通は、遠隔会議サーバ20側から行ってもよい。
【0096】
続いて、遠隔会議サーバ20の配信制御部25は、クライアント端末10Aからの通信開始要求に応じて、コンテンツの配信を開始する(ステップS309)。
【0097】
次に、
図7及び
図8に示されるフローチャートと、
図10~
図13に示される会議画面とを参照して、グループ分け実行処理について説明する。
図7に示す例では、議長ユーザのクライアント端末10Xによってグループ分けが実行される例を説明する。
【0098】
図10及び
図11は、議長ユーザのクライアント端末10Xに表示された会議画面を示す図である。
図10は、グループ分け実行前における会議画面を示し、
図11は、グループ分け実行後における会議画面を示している。
図12及び
図13は、一般ユーザのクライアント端末10Aに表示された会議画面を示す図である。
図12は、グループ分け実行前における会議画面を示し、
図13は、グループ分け実行後における会議画面を示している。
【0099】
図7に示されるように、まず、グループ分け要求が、クライアント端末10Xのグループ生成要求部12から、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22に送信される(ステップS401)。
【0100】
グループ生成要求部12は、たとえば
図10に示されるグループ分け実行前の会議画面において、グループ分け開始ボタン30のユーザによる押下げを受け付けることにより、グループ分け要求を受け付ける。
図10に示されるように、グループ分け実行前における議長ユーザの会議画面には、会議ウィンドウ31に、同一ルーム内の各ユーザ(ユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザD)がそれぞれ表示されている。
【0101】
続いて、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22によって、クライアント端末10Xのグループ生成要求部12からのグループ分け要求が受信される(ステップS402)。続いて、属性情報取得部22によって、ステップS304において入室処理部21により記憶された情報から、議長ユーザ以外のユーザ毎のOS言語情報が取得される(ステップS403)。属性情報取得部22によって取得されたOS言語情報は、属性情報取得部22からグループ生成部23に出力される。
【0102】
続いて、グループ生成部23によって、ステップS403において取得されたOS言語情報に基づき、クライアント端末10A~10Dが複数のグループに分けられる(ステップS404)。具体的には、OS言語が「英語」であるユーザ(ユーザA、ユーザB)の各クライアント端末10A,10Bが「グループ1」とされ、OS言語が「日本語」であるユーザ(ユーザC、ユーザD)の各クライアント端末10C,10Dが「グループ2」とされる。
【0103】
続いて、グループ生成部23によって、グループ分け実行の結果が、各クライアント端末10に通知される(ステップS405)。具体的には、グループ分け実行の結果を示す情報が、グループ生成部23から各クライアント端末10の出力部16に送信される。
【0104】
出力部16は、ステップS405において通知されたグループ分け実行の結果に基づき、会議画面を切り替え表示する(ステップS406)。
【0105】
たとえば、グループ分け実行後における議長ユーザの会議画面には、
図11に示されるように、会議ウィンドウ31に、ユーザをグループ毎に囲む枠画像41,42が表示される。すなわち、会議画面においてグループ分けが実行されたことが示される。また、グループ分け実行後における議長ユーザの会議画面には、グループ分け開始ボタン30に代えて、グループ分け解除ボタン32が表示される。
【0106】
グループ分け実行前におけるユーザAの会議画面の会議ウィンドウ31には、
図12に示されるように、議長ユーザが表示される。グループ分け実行後におけるユーザAの会議画面の会議ウィンドウ31には、
図13に示されるように、同一グループ内のユーザBが表示される。すなわち、ユーザAの会議画面は、グループ分け実行によって、議長ユーザの表示から同一グループのユーザBの表示に切り替えられる。ユーザBの会議画面についても、同様にして、グループ分け実行によって、議長ユーザの表示から同一グループ内のユーザAの表示に切り替えられる。
【0107】
ユーザCの会議画面についても、同様にして、グループ分け実行によって、議長ユーザの表示から同一グループ内のユーザDの表示に切り替えられる。ユーザDの会議画面についても、同様にして、グループ分け実行によって、議長ユーザの表示から同一グループ内のユーザCの表示に切り替えられる。
【0108】
ステップS406に続き、各クライアント端末10の送信制御部14によって、メディアデータが遠隔会議サーバ20の受信制御部26へ送信される(ステップS407)。続いて、遠隔会議サーバ20の受信制御部26によって、ステップS407において送信されたメディアデータが受信される(ステップS408)。受信制御部26によって受信されたメディアデータは、受信データ記憶部27に記憶される。
【0109】
続いて、配信情報取得部24によって、一般ユーザに配信するコンテンツがグループに基づき取得される(ステップS409)。具体的には、配信情報取得部24によって、受信データ記憶部27により記憶されたメディアデータのうち、同一グループ内におけるクライアント端末10のメディアデータに基づき、同一グループ内におけるクライアント端末10間へ送信されるコンテンツが取得される。なお、議長ユーザに配信するコンテンツは、全ての各クライアント端末10A~10Bのメディアデータに基づき取得される。
【0110】
図8を参照して、ステップS409におけるグループに基づくコンテンツ取得処理について、メディアデータが音声データである場合を例に説明する。なお、
図8に示される処理においては、前提として、ユーザA及びユーザB以外にも「グループ1」に属するその他のユーザが存在し、ユーザC及びユーザD以外にも「グループ2」に属するその他のユーザが存在するものとして説明する。
【0111】
図8に示される処理は、たとえば、同一ルーム内の全てのユーザについて、コンテンツを取得するまで繰り返される。たとえば、ユーザAに配信されるコンテンツを取得する処理としては、まず、受信データ記憶部27において記憶された、ユーザAと同一グループに属するユーザの音声キューが参照される(S4091)。続いて、参照する音声キューから、同一グループに属するユーザ(ユーザB、及び、「グループ1」に属するその他のユーザ)の音声データが取得される(S4092)。
【0112】
続いて、取得した各ユーザの音声データが合成(ミキシング)され、合成した結果がコンテンツとして取得される(S4093)。続いて、S4093において取得されたコンテンツ(合成音声データ)が、配信制御部25に出力される(S4094)。以上の処理S4091~S4094が、全てのユーザについて繰り返されると、音声データについてのコンテンツ取得処理が終了し、ステップS409の処理が終了する。なお、同じグループに属するその他のユーザが存在しない場合、又は、メディアデータが画像である場合などは、前述のステップS4093の合成処理が省略される。
【0113】
図7に示されるステップS409においてコンテンツが取得されると、配信制御部25によって、各クライアント端末10へコンテンツが配信される(ステップS410)。以上によって、グループ分け実行処理が終了する。
【0114】
次に、
図9に示されるフローチャートと、
図10~
図13に示される会議画面とを参照して、グループ分け解除後の処理について説明する。
図9に示す例では、議長ユーザのクライアント端末10Xによってグループ分けが解除される例を説明する。
【0115】
図9に示されるように、まず、グループ分け解除要求が、クライアント端末10Xのグループ生成要求部12によって、遠隔会議サーバ20のグループ生成部23に送信される(ステップS501)。グループ生成要求部12は、たとえば
図11に示されるグループ分け実行後の会議画面において、グループ分け解除ボタン32のユーザによる押下げを受け付けることにより、グループ分け解除要求を受け付ける。
【0116】
続いて、グループ生成部23によって、ステップS501において送信されたグループ分け解除要求が受信される(ステップS502)。続いて、グループ生成部23によって、グループ分けを解除した結果が各クライアント端末10に通知される(ステップS503)。具体的には、グループ分けを解除した結果を示す情報が、グループ生成部23から各クライアント端末10の出力部16に送信される。
【0117】
続いて、出力部16は、ステップS503において通知された解除結果に基づき、会議画面の表示を変化させる(ステップS504)。すなわち、グループ分けが解除されたことが会議画面において示される。
【0118】
たとえば、議長ユーザの会議画面は、グループ分け解除によって、
図11の会議画面から
図10の会議画面に切り替わる。議長ユーザの会議画面は、会議ウィンドウ31に表示されていた枠画像41,42が消え、グループ分け解除ボタン32に代えてグループ分け開始ボタン30が表示される。
【0119】
ユーザAの会議画面は、グループ分け解除によって、
図13の会議画面から
図12の会議画面に切り替わる。すなわち、会議ウィンドウ31に表示されるユーザがユーザBから議長ユーザに変わる。ユーザBの会議画面についても、同様に、グループ分け解除によって、会議ウィンドウ31に表示されるユーザがユーザAから議長ユーザに変化する。ユーザC及びユーザDの会議画面についても、同様に表示が切り替わる。
【0120】
ステップS504に続き、各クライアント端末10の送信制御部14によって、メディアデータが遠隔会議サーバ20の受信制御部26へ送信される(ステップS505)。続いて、遠隔会議サーバ20の受信制御部26によって、ステップS505において送信されたメディアデータが受信される(ステップS506)。受信制御部26によって受信されたメディアデータは受信データ記憶部27に記憶される。
【0121】
続いて、配信情報取得部24によって、議長以外のユーザに配信するコンテンツが再取得される(ステップS507)。たとえば、クライアント端末10Aに配信するコンテンツが、クライアント端末10A以外の全てのクライアント端末10X,10B~10Dからのメディアデータに基づき取得される。配信情報取得部24は、再取得したコンテンツを配信制御部25に出力する。
【0122】
続いて、配信制御部25によって、ステップS507において再取得されたコンテンツが各クライアント端末10に配信される(S508)。以上によって、グループ分け解除後の処理が終了する。
【0123】
前述した処理は、遠隔会議システム1を、上述した各機能部として機能させるプログラムとして実現されてもよい。
【0124】
以上、本実施形態に係る遠隔会議システム1、その制御方法及びプログラムによれば、クライアント端末10のOSユーザ属性情報に基づき、複数のクライアント端末10が複数のグループに分けられる。よって、予めグループを登録するなどのユーザの手間をかけずに、ユーザの属性に基づいた適切なグループ分けが行われる。そして、同一グループ内における送信元のクライアント端末10からのメディアデータに基づき、同一グループ内における送信先のクライアント端末10へのコンテンツが取得される。その結果、適切に分けられた同一グループ内における情報の送受信が可能となる。以上より、ユーザの手間をかけずに、情報の送受信を行うのに適切なグループ化を行うことができる。
【0125】
また、遠隔会議システム1によれば、入室処理部21によってクライアント端末10からの入室要求が処理されることに基づき、ユーザ属性情報が取得される。よって、ユーザがユーザ属性情報を取得するための特別なユーザ操作などをすることなく、入室要求に伴い自動的にユーザ属性情報を取得してグループ化を行うことができる。
【0126】
また、遠隔会議システム1によれば、クライアント端末10のOS言語情報に基づきグループ分けが行われる。よって、たとえばOSの言語が同じであるクライアント端末10同士を同一グループとすることができ、当該同一グループ内において、OSの言語が同じクライアント端末10同士で適切に情報の送受信を行うことが
【0127】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る遠隔会議システムについて説明する。第2実施形態に係る遠隔会議システムは、第1実施形態に係る遠隔会議システム1と同様の要素や構造を備える。そのため、第1実施形態に係る遠隔会議システム1と同様の要素や構造には同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0128】
図14は、第2実施形態に係る遠隔会議システムの機能構成を示すブロック図である。
図14に示されるように、第2実施形態において、クライアント端末10は、入室要求部11、グループ生成要求部12、送信データ記憶部13、送信制御部14、コンテンツ受信制御部15、及び出力部16に加えて、属性情報送信部17(属性情報送信手段)を備える。なお、議長ユーザのクライアント端末10Xは、属性情報送信部17を備えていなくてもよい。
【0129】
属性情報送信部17は、一般ユーザの各クライアント端末10A~10Dから、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22にユーザ属性情報を送信する。すなわち、本実施形態では、入室要求部11により送信される入室要求とは別に、ユーザ属性情報を送信する。
【0130】
属性情報送信部17は、入室要求部11により送信される入室要求に含まれるユーザ属性情報に代えて、ユーザ属性情報を送信してもよく、当該入室要求に含まれるユーザ属性情報に加えて、ユーザ属性情報を送信してもよい。
【0131】
本実施形態では、ユーザ属性情報として、OS言語情報ではなく、送信元のクライアント端末10A~10Dからの送信情報の送信回数(以下、「クライアント端末10A~10Dの送信回数」ともいう)を用いる。より具体的には、ユーザ属性情報は、会議中におけるユーザの発言回数である。
【0132】
クライアント端末10A~10Dの送信回数は、たとえば、送信データ記憶部13において、クライアント端末10A~10D毎に記憶される。属性情報送信部17は、送信データ記憶部13において記憶された各クライアント端末10A~10Dの送信回数を、所定のタイミングで、属性情報取得部22に送信する。すなわち、属性情報送信部17は、所定期間内における各クライアント端末10A~10Dの送信回数を属性情報取得部22に送信する。
【0133】
属性情報送信部17により各クライアント端末10A~10Dの送信回数が送信されるタイミングは、たとえば、ルームにおける会議が行われている最中において、属性情報取得部22によってグループ分け要求が受信されたタイミングである。属性情報送信部17は、グループ分け要求を受信したことを示す情報が属性情報取得部22から送信されると、これに応じて、各クライアント端末10A~10Dの送信回数を送信する。
【0134】
属性情報取得部22は、グループ生成要求部12からのグループ分け要求を受信すると、グループ分け要求を受信したことを一般ユーザのクライアント端末10A~10Dの属性情報送信部17へ通知する。
【0135】
属性情報取得部22は、属性情報送信部17から送信された、各クライアント端末10A~10Dの送信回数を受信する。これにより、属性情報取得部22は、ユーザ属性情報として、各クライアント端末10A~10Dの送信回数を取得する。属性情報取得部22は、取得した各クライアント端末10A~10Dの送信回数をグループ生成部23に出力する。
【0136】
グループ生成部23は、属性情報取得部22から出力された各クライアント端末10A~10Dの送信回数に基づき、複数のクライアント端末10A~10Dを複数のグループに分ける。たとえば、グループ生成部23は、同一グループ内の各クライアント端末10A~10Dの送信回数の合計(以下、「グループ内総送信回数」ともいう。)が、グループ毎で偏り過ぎないようにグループを生成する。より具体的には、グループ生成部23は、グループ内総送信回数のグループ毎の差が所定の閾値以下となるように、グループ分けを実行する。
【0137】
次に、
図15を参照して、本実施形態におけるグループ分け実行処理について説明する。
図15は、第2実施形態に係るグループ分け実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0138】
図15に示されるように、まず、グループ分け要求が、議長ユーザのクライアント端末10Xのグループ生成要求部12によって、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22に送信され(ステップS601)、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22によって、クライアント端末10Xのグループ生成要求部12からのグループ分け要求が受信される(ステップS602)。
【0139】
ステップS602においてグループ分け要求が受信されると、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22によって、各クライアント端末10A~10Dの属性情報送信部17へ、グループ分け要求があった旨が通知される(ステップS603)。続いて、属性情報送信部17によって、グループ分け要求があった旨を示す情報が受信される(ステップS604)。続いて、属性情報送信部17によって、遠隔会議サーバ20の属性情報取得部22へ、各クライアント端末10A~10Dの送信回数が送信される(ステップS605)。
【0140】
続いて、属性情報取得部22によって、ステップS605において送信された各クライアント端末10A~10Dの送信回数が受信される(ステップS606)。属性情報取得部22によって受信された各クライアント端末10A~10Dの送信回数は、属性情報取得部22からグループ生成部23に出力される。
【0141】
続いて、グループ生成部23によって、ステップS606において受信された各クライアント端末10A~10Dの送信回数に基づき、クライアント端末10A~10Dが複数のグループに分けられる(ステップS607)。
【0142】
以降の処理は、
図7に示されるステップS405~S410の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0143】
以上、本実施形態の遠隔会議システムによれば、属性情報送信部17によるクライアント端末10からのユーザ属性情報の送信に伴い、属性情報取得部22によりユーザ属性情報が取得される。よって、クライアント端末10から送信するユーザ属性情報に基づき、容易にグループ化を行うことができる。
【0144】
また、本実施形態によれば、各クライアント端末10の送信回数に基づきグループ分けが行われる。よって、たとえば各グループで送信回数に偏りが生じないようにグループ化を行うことができる。
【0145】
以上、本実施形態の種々の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られず、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0146】
上記実施形態では、入室要求にユーザ属性情報が含まれている例について説明したが、入室要求にはユーザ属性情報が含まれていなくてもよい。
【0147】
上記実施形態では、各クライアント端末10のOS言語情報及び送信回数の何れかに基づきグループ分けを実行する例について説明したが、これに限られない。たとえば、各クライアント端末10のOS言語情報に基づきグループ分けを実行すると共に、所定のタイミングで、各クライアント端末10の送信回数に基づきグループ分けを再実行してもよい。
【0148】
ユーザ属性情報は、上記実施形態に記載した例に限られず、たとえば、各クライアント端末10の会議画面で共有されている画面情報、各クライアント端末において開かれているファイル情報、又は各クライアント端末のユーザの識別情報(性別又は年齢など)などであってもよい。共有されている画面情報をユーザ属性情報として利用する場合は、ステップS403でOS言語情報を取得する替わりに共有されている情報を取得し、それに基づいてグループ分けを実行すればよい。開かれているファイル情報やユーザの識別情報(性別又は年齢など)を利用する場合も、ステップS403でそれぞれの情報を取得し、それに基づいてグループ分けを実行すればよい。また、複数のユーザ属性情報を利用して、グループ分けを行うことが可能なことはいうまでもない。
【0149】
上記実施形態においてクライアント端末10が備える各機能部は、遠隔会議サーバ20が備えていてもよく、遠隔会議サーバ20が備える各機能部は、クライアント端末10が備えていてもよい。
【0150】
上記実施形態では、クライアント端末10と遠隔会議サーバ20とを備える遠隔会議システムについて説明したが、これに限られない。本発明に係る情報処理システムは、前述した機能部を備えたサーバそのものであってもよく、前述した機能部を備えたクライアント端末そのものであってもよい。
【0151】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0152】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0153】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現(実行可能と)するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0154】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、又はOSに供給するスクリプトデータなどの形態であってもよい。
【0155】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、又はCD-RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、又はDVD(DVD-ROM,DVD-R)などもある。
【0156】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスクなどの記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0157】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0158】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROMなどの記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0159】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0160】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0161】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0162】
1 遠隔会議システム(情報処理システム)
10 クライアント端末
21 入室処理部(入室処理手段)
22 属性情報取得部(属性情報取得手段)
23 グループ生成部(グループ生成手段)
24 配信情報取得部(配信情報取得手段)
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2種別のユーザを複数のグループに分けるグループ分け手段と、
ユーザが利用するクライアント端末から送信された送信情報を、当該送信情報を送信したクライアント端末に係るユーザと同一グループのユーザが利用するクライアント端末へ配信する配信手段と、
第1種別のユーザに係るクライアント端末に、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行される前は、前記第2種別のユーザを表示し、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行された後は、前記第2種別のユーザを、所属するグループを識別可能に表示するように制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第2種別のユーザを所属するグループ毎に囲むことで、所属するグループを識別可能に表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記配信手段は、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行される前は、前記送信情報を第1種別のユーザ及び第2種別のユーザに係るクライアント端末へ配信し、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行された後は、第1種別のユーザに係るクライアント端末及び前記第2種別のユーザのうち前記送信情報を送信したクライアント端末に係るユーザと同一グループのユーザが利用するクライアント端末へ配信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記複数のグループの解消を受け付ける受付手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記受付手段によって複数のグループの解消を受け付けると、
前記表示制御手段は、前記第1種別のユーザに係るクライアント端末に、前記グループ分け手段によってグループ分けが実行される前の状態で前記第2種別のユーザを表示するように制御することを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記受付手段によって複数のグループの解消を受け付けると、
前記表示制御手段は、前記第2種別のユーザに係るクライアント端末に、前記第1種別のユーザを表示するように制御することを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第2種別のユーザに係るクライアント端末に、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行される前は、前記第1種別のユーザを表示し、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行された後は、当該第2種別のユーザと同一グループの第2種別のユーザを表示するように制御する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記第1種別のユーザに係るクライアント端末に、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行される前はグループ分けを実行する指示を受け付ける第1受付部を表示し、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行された後はグループ分けを解消する指示を受け付ける第2受付部を表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記グループ分け手段は、前記第1種別のユーザはグループ分けせず、前記第2種別のユーザを複数のグループに分けることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
第1種別のユーザは議長ユーザであり、第2種別のユーザは一般ユーザであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
第2種別のユーザを複数のグループに分けるグループ分けステップと、
ユーザが利用するクライアント端末から送信された送信情報を、当該送信情報を送信したクライアント端末に係るユーザと同一グループのユーザが利用するクライアント端末へ配信する配信ステップと、
第1種別のユーザに係るクライアント端末に、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行される前は前記第2種別のユーザを表示し、
前記グループ分け手段によるグループ分けが実行された後は前記第2種別のユーザを、所属するグループが識別可能に表示するように制御する表示制御ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の各手段として機能させるためのプログラム。