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特開2024-79712液体収容容器、液体入り容器、所定量の薬液を製造する方法、組合体、組合体の製造方法、及び液体入り容器の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079712
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】液体収容容器、液体入り容器、所定量の薬液を製造する方法、組合体、組合体の製造方法、及び液体入り容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/00 20060101AFI20240604BHJP
   B65D 75/12 20060101ALI20240604BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B65D77/00 A
B65D75/12
A61J1/05 313Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038399
(22)【出願日】2024-03-12
(62)【分割の表示】P 2020142975の分割
【原出願日】2020-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2019157272
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020066840
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】藤枝 良至
(72)【発明者】
【氏名】原田 怜
(72)【発明者】
【氏名】田所 達郎
(72)【発明者】
【氏名】籠田 将慶
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液体収容容器に収容された液体を取り出す際に、液体収容容器内への液残りを抑制することが可能な、液体収容容器、液体入り容器、所定量の薬液を製造する方法、組合体、組合体の製造方法、及び液体入り容器の製造方法を提供する。
【解決手段】液体収容容器10Cは、液体を収容可能な容器本体11と、容器本体の第1側端に形成された密封部20と、を備え、容器本体は、筒状の胴部と、胴部と密封部との間に連続的に形成されたつなぎ部13とを有し、つなぎ部と密封部との間にシール線21が形成され、シール線の両端の位置で、それぞれシール線とつなぎ部とによって第1コーナー部22C、23Cが形成され、密封部の主たる面に平行かつシール線を含む仮想面の法線方向から見たとき、第1コーナー部は、全て100°以上の角度となっており、シール線の途中に50°以下又は100°以上の角度となる第2コーナー部27Cが形成される。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体収容容器であって、
液体を収容可能な容器本体と、
前記容器本体の第1側端に形成された密封部と、を備え、
前記容器本体は、筒状の胴部と、前記胴部と前記密封部との間に連続的に形成されたつなぎ部とを有し、
前記つなぎ部と前記密封部との間にシール線が形成され、前記シール線の両端の位置で、それぞれ前記シール線と前記つなぎ部とによって第1コーナー部が形成され、
前記密封部の主たる面に平行かつ前記シール線を含む仮想面の法線方向から見たとき、前記第1コーナー部は、全て100°以上の角度となっており、
前記シール線の途中に第2コーナー部が形成され、前記仮想面の法線方向から見たとき、前記第2コーナー部は、50°以下又は100°以上の角度となる、液体収容容器。
【請求項2】
前記容器本体の内面の、前記液体に対する接触角が20°以上である、請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項3】
前記容器本体の第2側端に、前記容器本体の内部に収容された前記液体を取り出す取出部が設けられている、請求項1又は2に記載の液体収容容器。
【請求項4】
前記取出部に連通するように配置された液体用包装袋を更に備えた、請求項3に記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記仮想面の法線方向から見て、角度が100°以上となる第2コーナー部について、当該第2コーナー部を前記シール線に対して垂直な平面で切断したとき、前記容器本体がなす角度が40°以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体収容容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体収容容器と、
前記液体収容容器に収容された液体と、を備えた、液体入り容器。
【請求項7】
請求項6に記載の液体入り容器を準備する工程と、
前記容器本体に、内部と連通する開口を形成する工程と、
前記開口から前記容器本体内の液体を取り出す工程と、を備えた、所定量の薬液を製造する方法。
【請求項8】
前記開口は注射針によって形成され、前記注射針によって前記開口から前記容器本体内の液体を取り出す、請求項7に記載の所定量の薬液を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体収容容器、液体入り容器、所定量の薬液を製造する方法、組合体、組合体の製造方法、及び液体入り容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬液を輸送又は保存するための容器には、密封状態を安定して保持することが求められている。このような容器として、例えばガラス製や樹脂製のバイアルが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、円筒状の本体胴部と、ドーナツ状の天面部と、天面部と熱融着するためのフランジ部を有する合成樹脂製の口栓と、口栓に嵌合するキャップとを有する液体用紙容器が開示されている。特許文献1によれば、高価な金型を使用するインモールド射出成形法によらずに、低コストに供給することができ、紙の使用比率の高いチューブ型液体用紙容器を提供できるという効果を奏する。また、特許文献2には、内容物の注出口を有するヘッドと、このヘッドにつながりその尾端をフィッシュテール状に成形した胴部からなるチューブであり、胴部が積層構造体からなる多層チューブが開示されている。特許文献2によれば、外部からの酸素の侵入を確実に防止するとともに、容器の内部空間内に存在する酸素の影響を軽減し長期にわたり安定した品質を維持できる新規な多層チューブを提案できるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-025471号公報
【特許文献2】特開2004-148628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、医療用容器等の液体収容容器から薬液等の液体を取り出す際、液体収容容器内に液体が残ってしまうという問題がある。このような問題が生じると、例えば、液体収容容器に決まった量で収容された薬液を全て取り出して患者に投与することができなくなってしまう。また、液体収容容器に収容された液体が高価な場合には、液体を無駄なく使用することが困難になってしまう。
【0006】
本開示は、液体収容容器に収容された液体を取り出す際に、液体収容容器内への液残りを抑制することが可能な、液体収容容器、液体入り容器、所定量の薬液を製造する方法、組合体、組合体の製造方法、及び液体入り容器の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態による液体収容容器は、液体収容容器であって、液体を収容可能な容器本体と、前記容器本体の第1側端に形成された密封部と、を備え、前記容器本体は、筒状の胴部と、前記胴部と前記密封部との間に連続的に形成されたつなぎ部とを有し、前記つなぎ部と前記密封部との間にシール線が形成され、前記シール線の両端の位置で、それぞれ前記シール線と前記つなぎ部とによって第1コーナー部が形成され、前記密封部の主たる面に平行かつ前記シール線を含む仮想面の法線方向から見たとき、前記第1コーナー部は、全て50°以下の角度となっているか、又は、50°以下の角度となる第1コーナー部と100°以上の角度となる第1コーナー部との両方を有する。
【0008】
本実施の形態による液体収容容器において、前記容器本体の内面の、前記液体に対する接触角が20°以上であっても良い。
【0009】
本実施の形態による液体収容容器において、前記仮想面の法線方向から見て、角度が50°以下となる第1コーナー部について、当該第1コーナー部を前記仮想面に平行かつ前記シール線に対して垂直な方向から観察したとき、前記容器本体がなす角度が35°以下であっても良い。
【0010】
本実施の形態による液体収容容器において、前記容器本体の第2側端に、前記容器本体の内部に収容された前記液体を取り出す取出部が設けられていても良い。
【0011】
本実施の形態による液体収容容器において、前記取出部に連通するように配置された液体用包装袋を更に備えても良い。
【0012】
本実施の形態による液体収容容器において、前記シール線の途中に第2コーナー部が形成され、前記仮想面の法線方向から見たとき、前記第2コーナー部は、50°以下又は100°以上の角度となっても良い。
【0013】
本実施の形態による液体収容容器において、前記仮想面の法線方向から見て、角度が100°以上となる第2コーナー部について、当該第2コーナー部を前記シール線に対して垂直な平面で切断したとき、前記容器本体がなす角度が40°以上であっても良い。
【0014】
本実施の形態による液体入り容器は、本実施の形態による液体収容容器と、前記液体収容容器に収容された液体と、を備えている。
【0015】
本実施の形態による所定量の薬液を製造する方法は、本実施の形態による液体入り容器を準備する工程と、前記容器本体に、内部と連通する開口を形成する工程と、前記開口から前記容器本体内の液体を取り出す工程と、を備えている。
【0016】
本実施の形態による所定量の薬液を製造する方法において、前記開口は注射針によって形成され、前記注射針によって前記開口から前記容器本体内の液体を取り出しても良い。
【0017】
本実施の形態による組合体は、組合体であって、開口部と閉鎖部とを有するとともに中心軸を有する筒状の容器本体と、前記容器本体に設けられた係合部と、を含む液体収容容器と、前記液体収容容器を載置するとともに、前記液体収容容器の前記係合部に係合する被係合部を有する載置台と、を備え、前記開口部の周縁部は、その少なくとも一部が開口面上に配置され、前記開口面は、前記容器本体の前記中心軸に対して傾斜し、前記液体収容容器は、前記容器本体の前記中心軸が前記載置台の底面に対して傾斜した状態で前記載置台に載置され、前記液体収容容器を前記載置台に設置した際に、前記開口面は、前記液体収容容器が前記載置台の前記底面に対して傾斜した方向と反対の方向に開口している。
【0018】
本実施の形態による組合体において、前記係合部は、凸部又は凹部を含んでも良い。
【0019】
本実施の形態による組合体において、前記開口面と前記載置台の底面とが、平行に位置しても良い。
【0020】
本実施の形態による組合体において、前記開口面と前記載置台の底面に平行な面とがなす角度が、-29°以上13°以下であっても良い。
【0021】
本実施の形態による組合体において、前記開口部のうち前記閉鎖部から最も遠い点である第1端点と前記開口部のうち前記閉鎖部から最も近い点である第2端点とを結ぶ第1直線の長さは、前記中心軸を通過するとともに前記第1直線に直交する第2直線の長さよりも長くても良い。
【0022】
本実施の形態による組合体において、前記液体収容容器又は前記載置台に、液体の充填箇所を示す目印が配置されていても良い。
【0023】
本実施の形態による組合体において、前記載置台に、複数の前記液体収容容器が載置されていても良い。
【0024】
本実施の形態による組合体において、前記載置台は、載置台本体と、前記載置台本体に対して着脱可能な保護カバーとを有し、前記保護カバーには、前記液体収容容器を押さえる押さえ部が設けられていても良い。
【0025】
本実施の形態による組合体の製造方法は、組合体の製造方法であって、開口部と閉鎖部とを有するとともに中心軸を有する筒状の容器本体と、前記容器本体に設けられた係合部と、を含む液体収容容器を準備する工程と、前記液体収容容器の前記係合部に係合する被係合部を有する載置台を準備する工程と、前記液体収容容器を前記載置台に載置する工程と、を含み、前記開口部の周縁部は、その少なくとも一部が開口面上に配置され、前記開口面は、前記容器本体の前記中心軸に対して傾斜し、前記液体収容容器は、前記容器本体の前記中心軸が前記載置台の底面に対して傾斜した状態で前記載置台に載置され、前記液体収容容器を前記載置台に設置した際に、前記開口面は、前記液体収容容器が前記載置台の前記底面に対して傾斜した方向と反対の方向に開口している。
【0026】
本実施の形態による液体入り容器の製造方法は、本実施の形態による組合体を準備する工程と、前記液体収容容器に所定量の液体を充填する工程と、前記液体収容容器の前記開口部の周縁をシールする工程と、を含む。
【発明の効果】
【0027】
本実施の形態によれば、液体収容容器に収容された液体を取り出す際に、液体収容容器内への液残りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1の実施の形態による液体収容容器を示す斜視図である。
図2】第1の実施の形態による液体収容容器を示す正面図である。
図3】第1の実施の形態による液体収容容器を示す断面図(図1のIII-III線断面図)である。
図4】第1の実施の形態による液体収容容器の第1コーナー部を示す拡大正面図である。
図5】第1の実施の形態による液体収容容器の第1コーナー部を示す拡大底面図(図1のV方向矢視図)である。
図6】第1の実施の形態による液体入り容器を示す正面図である。
図7】第1の実施の形態の第1の変形例による液体収容容器を示す斜視図である。
図8】第1の実施の形態の第1の変形例による液体収容容器を示す正面図である。
図9】第1の実施の形態の第1の変形例による液体収容容器に液体を充填している状態を示す図である。
図10】第1の実施の形態の第1の変形例による液体収容容器において、シール線が円弧状である場合を示す正面図である。
図11図10に示す液体収容容器において、好ましい角度α1、β1の範囲を示すグラフである。
図12図10に示す液体収容容器において、好ましい角度α2、β2の範囲を示すグラフである。
図13】第1の実施の形態の第2の変形例による液体収容容器を示す部分拡大正面図である。
図14】第1の実施の形態の第2の変形例による液体収容容器を示す断面図である(図13のXIV-XIV線断面図)。
図15】第1の実施の形態の第3の変形例による液体収容容器を示す部分拡大正面図である。
図16】第1の実施の形態の第4の変形例による液体収容容器を示す正面図である。
図17】液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの第1コーナー部の角度の測定方法を説明する図である。
図18】第1コーナー部を仮想面に平行かつシール線に対して垂直に観察したときの、容器本体がなす角度の測定方法(液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの角度が90°未満の第1コーナー部の場合)を説明する図である。
図19】第1コーナー部を仮想面に平行かつシール線に対して垂直に観察したときの、容器本体がなす角度の測定方法(液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの角度が90°以上の第1コーナー部の場合)を説明する図である。
図20】比較例による液体収容容器の第1コーナー部を示す拡大正面図である。
図21】第2の実施の形態による密封された液体収容容器を示す正面図である。
図22】第2の実施の形態による密封前の液体収容容器を示す斜視図である。
図23】第2の実施の形態による密封前の液体収容容器を示す正面図である。
図24】第2の実施の形態の変形例による密封前の液体収容容器を示す正面図である。
図25】第2の実施の形態の変形例による液体収容容器を示す図である。
図26】第2の実施の形態の変形例による液体収容容器を示す図である。
図27】第2の実施の形態の変形例による液体収容容器を示す図である。
図28】第2の実施の形態の変形例による液体収容容器を示す図である。
図29】第2の実施の形態による液体収容容器の作用効果を示す図である。
図30】第2の実施の形態による液体収容容器の作用効果を示す図である。
図31】第2の実施の形態による液体収容容器の作用効果を示す図である。
図32】第2の実施の形態による組合体を示す斜視図である。
図33】第2の実施の形態による組合体を示す斜視図である。
図34】第2の実施の形態による組合体を示す正面図である。
図35】第2の実施の形態において液体収容容器を傾けない場合と傾けた場合とを比較する図である。
図36】第2の実施の形態の変形例による組合体を示す断面図である。
図37】第2の実施の形態における液体収容容器の開口部を示す図である。
図38】第2の実施の形態における液体収容容器の変形例を示す図である。
図39】第2の実施の形態の第1の変形例による組合体を示す断面図である。
図40】第2の実施の形態の第2の変形例による組合体を示す断面図である。
図41】第2の実施の形態の第3の変形例による組合体を示す断面図である。
図42】第2の実施の形態の第4の変形例による組合体を示す断面図である。
図43】第2の実施の形態の第5の変形例による組合体を示す断面図である。
図44】第2の実施の形態の第5の変形例による組合体を示す断面図である。
図45】第2の実施の形態の第6の変形例による組合体を示す断面図である。
図46】第2の実施の形態の第6の変形例による組合体を示す断面図である。
図47】第2の実施の形態の第6の変形例による組合体を示す断面図である。
図48】第2の実施の形態の第6の変形例による組合体を示す断面図である。
図49】第2の実施の形態の第6の変形例による組合体を示す断面図である。
図50】第2の実施の形態の第6の変形例による組合体を示す断面図である。
図51】第2の実施の形態の第7の変形例による組合体を示す斜視図である。
図52】第2の実施の形態の第7の変形例による組合体を示す断面図(図51のLII-LII線断面図)である。
図53】第2の実施の形態の第7の変形例において、液体収容容器に液体を充填する状態を示す断面図である。
図54】第2の実施の形態の第7の変形例において、載置台本体に収容された液体収容容器を示す平面図である。
図55】第2の実施の形態の第7の変形例による載置台本体を示す斜視図である。
図56】第2の実施の形態の第7の変形例において、載置台本体に収容された液体収容容器を示す斜視図である。
図57】第2の実施の形態の第7の変形例による組合体を複数重ねた状態を示す断面図である。
図58】第2の実施の形態の第8の変形例による液体収容容器を示す斜視図である。
図59】第2の実施の形態の第8の変形例による液体収容容器を示す部分断面図(図58のLIX-LIX線断面図)である。
図60】第2の実施の形態の第8の変形例による組合体を示す断面図である。
図61】第2の実施の形態の第8の変形例による組合体を示す断面図(図60のLXI-LXI線断面図)である。
図62】第2の実施の形態の第9の変形例による液体収容容器を示す斜視図である。
図63】第2の実施の形態の第9の変形例による液体収容容器を示す部分断面図(図62のLXIII-LXIII線断面図)である。
図64】第2の実施の形態の第9の変形例による組合体を示す断面図である。
図65】第2の実施の形態の第10の変形例による組合体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら一実施の形態について具体的に説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
【0030】
本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0031】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について、図1乃至図20を参照して説明する。
【0032】
[液体収容容器]
まず図1乃至図3を参照して、本実施の形態による液体収容容器の構成について説明する。図1は、本実施の形態による液体収容容器10を示す斜視図であり、図2は、本実施の形態による液体収容容器10を示す正面図であり、図3は、本実施の形態による液体収容容器10を示す断面図である。
【0033】
図1乃至図3に示すように、液体収容容器10は、液体を収容可能な容器本体11と、容器本体11の一端(第1側端)に形成された密封部20と、を備えている。容器本体11は、筒状の胴部12と、胴部12と密封部20との間に連続的に形成されたつなぎ部13とを有している。つなぎ部13と密封部20との間にシール線21が形成され、シール線21の両端の位置で、それぞれシール線21とつなぎ部13とによって第1コーナー部22、23が形成されている。密封部20の主たる面20aに平行かつシール線21を含む仮想面Sfの法線方向から見たとき、第1コーナー部22、23は、全て50°以下の角度θ1、θ2となっている。
【0034】
次に、液体収容容器10の詳細な構成について更に説明する。
【0035】
容器本体11は、上述したように、液体を収容するものであり、筒状の胴部12と、胴部12と密封部20との間に連続的に形成されたつなぎ部13とを有している。胴部12は、略円筒形状であり、その水平断面(XY平面に平行な平面)は略円形である。また胴部12の水平断面は上下方向(Z方向)に沿って略均一となっている。胴部12の水平断面は、円形に限らず、四角形や六角形等の多角形、又は楕円形等としても良い。また、つなぎ部13は、胴部12から密封部20に向けて連続的に形成された筒状の部分であり、その水平断面は胴部12から密封部20に向けて徐々に変化している。胴部12とつなぎ部13は、連続的に互いに一体に形成されている。なお、本実施の形態において、容器本体11は、正面側から見て(図2参照)、左右(X方向)に線対称な形状を有している。
【0036】
密封部20は、容器本体11の一端(Z方向プラス側端部)をヒートシール等によりシールして密封した部分である。具体的には、密封部20は、容器本体11を作製するための円筒状部材の一端を潰し、当該一端の互いに対向する内面同士をシールすることにより形成される。密封部20は、全体として略平面状であり、その主たる面はZX平面に平行な略長方形形状となっている。密封部20は、上縁24と、一対の側縁25、26と、シール線21とによって取り囲まれた領域であり、この領域全体がシールされている。密封部20をシールする方法は、例えば、超音波シール、ヒートシール及び高周波シール等が挙げられる。また、容器本体11の内面に接着剤を塗布してシールしてもよい。本実施の形態においては、接着剤を用いずにシールする方法が好ましい。液体への接着剤の混入を抑制することができるからである。なお、本明細書中、「仮想面Sfの法線方向」とは、密封部20の主たる面(ZX平面に平行な面)20aに平行かつシール線21を含む仮想面Sfに垂直な方向(Y方向)をいう(図2参照)。
【0037】
容器本体11の他端(第2側端、Z方向マイナス側端部)は、閉鎖された取出部30を構成する。使用時には、この取出部30から容器本体11の内部に収容された液体が取り出される。取出部30は、平面視略円形の板状部材からなる。また取出部30の一部には、薄肉部31が設けられており(図3参照)、この薄肉部31に注射針等を刺して液体を吸引することで、液体収容容器10から液体を容易に吸引することができる。
【0038】
取出部30には、連結部32を介して、容器本体11を支持する平板状のスタンド部33が連結されている。連結部32は、容易に破断可能な細い棒状の部材からなり、取出部30の円周に沿って所定の間隔で複数設けられている。本実施の形態において、連結部32は180°の等間隔で2箇所に形成されている。スタンド部33は、液体収容容器10の底部を構成しており、平面視略菱形状に形成されるとともに、連結部32を介して容器本体11の取出部30と連結されている。なお、スタンド部33は、XY平面に対して平行に位置している。
【0039】
このような液体収容容器10は、例えば密封部20が設けられる端を開放した状態で一体成形により形成され、容器本体11内に液体を充填した後に上記の開放端をヒートシールする(すなわち、密封部20を形成する)ことにより形成されている。そして、液体収容容器10は、密封部20が鉛直方向上方側、スタンド部33が鉛直方向下方側に向くように配置することができる。
【0040】
液体収容容器10の使用時には、連結部32を破断してスタンド部33を除去し、取出部30の薄肉部31に注射針を刺して液体を吸引し、容器本体11内の液体を取り出すことができる。あるいは、連結部32及びスタンド部33を設けなくても良い。この場合、例えば、水平方向(XY平面に平行な方向)に容器本体11を切断して取出部30側を取り除き、液体収容容器10内から液体を取り出しても良い。このとき、液体の取り出し方法は特に限定されず、例えば注射器等を用いて液体を吸引して取り出す方法が挙げられる。また、容器本体11の取出部30側を開放するとともに、図示しない蓋材を装着し、蓋材を取り外すことにより液体収容容器10内から液体を取り出しても良い。このとき、液体の取り出し方法は、上記と同様に例えば注射器等を用いて液体を吸引して取り出しても良い。あるいは、蓋材を装着したまま蓋材に対して注射針を刺して液体を吸引しても良い。
【0041】
シール線21は、つなぎ部13と密封部20との間に形成されており、密封部20と容器本体11との境界を構成する線となっている。図1乃至図3に示す液体収容容器10において、シール線21は直線状であり、水平方向(X方向)に平行となっている。しかしながら、これに限らず、シール線21は所定の曲率をもつ曲線、あるいは、シール線21の長さ方向に曲率が変化する曲線であっても良い。また、後述するようにシール線21は途中で屈曲していても良い(図13及び図15参照)。
【0042】
またシール線21の両端(X方向プラス側端部及びX方向マイナス側端部)の位置で、それぞれシール線21とつなぎ部13とによって第1コーナー部22、23が形成されている。すなわち第1コーナー部22は、シール線21の、側縁25側の端点を頂点とし、そこから延びるシール線21とつなぎ部13の側縁とによって形成される角である。また第1コーナー部23は、シール線21の、側縁26側の端点を頂点とし、そこから延びるシール線21とつなぎ部13の側縁とによって形成される角である。この場合、第1コーナー部22、23は、正面から見て互いに線対称な形状となっている。シール線21の両端の第1コーナー部22、23は、シール線21とつなぎ部13との間に所定の角度θ1、θ2をなす。第1コーナー部22、23の角度θ1、θ2とは、液体収容容器10を仮想面Sfの法線方向から見たときに、シール線21の両端におけるシール線21とつなぎ部13とがなす角度であり、容器本体11の内側における角度である。なお、当該角度の具体的な測定方法は後述する。図1乃至図3に示す形態において、第1コーナー部22、23の角度θ1、θ2は、いずれも50°以下となっている。
【0043】
液体収容容器10を仮想面Sfの法線方向から見たときに、第1コーナー部22、23がいずれも50°以下の角度となっていることにより、液体を液体収容容器10から取り出す際に、第1コーナー部22、23よりも内側に凸型のメニスカスが発生する。これにより、液体が第1コーナー部22、23の奥まで進入せず、液体が第1コーナー部22、23の内側に残存することを抑制し、液体を液体収容容器10から無駄なく取り出すことができる。例えば、図4に示すように、液体収容容器10を仮想面Sfの法線方向から見たとき、第1コーナー部22が50°以下の角度θ1となっていることにより、液体Lqの表面に生じた凸型のメニスカスMは、第1コーナー部22から離れて位置する。このため液体Lqが第1コーナー部22まで到達せず、液体Lqが第1コーナー部22の内側に残存しにくくすることができる。
【0044】
また、液体収容容器10を仮想面Sfの法線方向から見て、角度が50°以下となる第1コーナー部22、23について、この第1コーナー部22、23を仮想面Sfに平行かつシール線21に対して垂直な方向から観察したとき、当該第1コーナー部22、23での容器本体11がなす角度が、35°以下であることが好ましい。図5は、図1乃至図3に示す液体収容容器10を、仮想面Sfに平行かつシール線21に対して垂直な方向から見た図である。図5に示すように、第1コーナー部23において、シールされた容器本体11がなす角度θ3は35°以下であることが好ましい。本実施の形態においては、上記角度が、例えば30°以下であってもよく、20°以下であってもよい。一方、上記角度は、例えば5°以上とすることができる。第1コーナー部23において、容器本体11がなす角度θ3が、35°以下であることにより、当該第1コーナー部23への液残りを効果的に抑制することができる。ここで仮想面Sfに平行かつシール線21に対して垂直に観察したときの第1コーナー部23の角度θ3とは、仮想面Sfに平行かつシール線21に対して垂直な方向から見たときに、第1コーナー部23と容器本体11の外面とが形成する角度であり、具体的な測定方法は後述する。なお、図示していないが、第1コーナー部22についても同様に、容器本体11がなす角度θ3は35°以下とすることが好ましい。
【0045】
本実施の形態によれば、液体収容容器10に収容された液体を取り出す際に、液体収容容器10内への液残りを抑制することができる。ところで一般に、液体収容容器から液体を取り出す際には、取出部に注射針を刺して液体を吸引することで取り出す方法や、取出部画に挿着された蓋材を取り外して液体を取り出す方法等が存在する。このようにして液体を取り出す場合、例えば取出部が下方を向くように液体収容容器を傾け、液体が取出部側に溜まるようにすることが一般的である。しかしながら、このとき、密封部と容器本体との境界に位置する第1コーナー部に液体が残ってしまい、取出部側から液体を十分に取り出すことができない場合があることが判明した。このような課題は、液体収容容器に収容される液体が高価な場合や、液体収容容器に収容された液体を全て投与しなければならない場合等に、とりわけ顕著となる。なお、上記課題に対し、例えば液体が残った第1コーナー部に取出部側から注射針を挿入して、残った液体を吸引して吸い出すことも考えられるが、注射針の長さによっては第1コーナー部に残った液体まで届かない。このような課題に対し、本発明者等が検討を重ねた結果、液体が残ってしまう第1コーナー部の角度を調整することで、上記課題を解決できるという知見を得た。本実施の形態はこのような知見に基づいてなされたものであり、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たとき、複数の第1コーナー部は、全て50°以下の角度となっているか、又は、後述するように100°以上の角度となる第1コーナー部と50°以下の角度となる第1コーナー部との両方を有することで、上記課題を解決することができる。注射針としては、液体の吸引時にコアリング(注射針によって取出部の一部が削り取られる現象)の発生を低減でき、液体が細胞製剤である場合には細胞へのダメージが少ないものを用いることが好ましい。具体的には、注射針として、セイフバイアクセス(日本コヴィディエン株式会社)又は18G(外形:1.2mm)を用いても良い。具体的には、径が細い針(例えば22G(外形:0.7mm))を用いて細胞を吸引すると、細い管中に吸引することになるので、吸引圧によるストレスにより細胞がダメージを受けるおそれがある。一方で、径が太い針(例えば18G(外形:1.2mm))を用いた場合には、太い管中に吸引するため吸引圧によるストレスが小さく、細胞へのダメージが抑制できる。本実施の形態は、取出部に上記注射針を刺した際に注射針が第1コーナー部に届かない液体収容容器に対して、更に効果的に適用することができる。
【0046】
容器本体11を構成する材料は、シールすることができる材料であればよい。また、容器本体11を構成する材料は、液体と接触した際に、液体に影響を与えないような材料であることが好ましく、液体収容容器10内に収容される液体の種類に応じて適宜選択される。さらに、容器本体11を構成する材料は、液体収容容器10の用途に応じても、適宜選択される。具体的には、液体収容容器10に対し、強度や柔軟性、水蒸気透過度、耐熱性、光透過性等の所定の特性を付与する場合には、そのような特性を有する材料を適宜選択することが好ましい。このような材料は、一般的な樹脂製の液体収容容器に用いられる材料と同様とすることができるが、例えば可撓性を有する樹脂材料が挙げられる。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレン-スチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、芳香族又は脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせた混合物等が挙げられる。
【0047】
容器本体11は、液体に対して所定の撥液性を有することが好ましい。したがって、容器本体11の内面の撥液性は、液体収容容器10内に収容される液体の種類に応じて適宜調整することが好ましい。具体的には、容器本体11の内面は、液体に対する接触角が例えば20°以上であっても良く、40°以上であることが好ましく、中でも70°以上であることが好ましく、特に80°以上であることが好ましい。なお、液体に対する容器本体11の内面の接触角は、特段の事情がない限り、水に対する接触角としてもよい。接触角は、容器本体の内面を露出させ、当該露出させた内面に液体又は純水1.0μlの液滴を滴下し、着滴10秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点とを結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出するθ/2法に従って測定することができる。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製(接触角計DM 500)を用いることができる。
【0048】
容器本体11に所定の撥液性を付与する方法としては、特に限定されず、容器本体11を構成する材料に応じて適宜選択することができる。例えば、容器本体11にエネルギー線照射を行うことで撥液性を付与してもよく、容器本体11を構成する材料中に撥液性を付与する材料を加えてもよく、あるいは容器本体11の内面に、撥液性を付与する材料を表面コーティングしてもよい。上記エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも、γ線が好ましい。
【0049】
容器本体11の厚み、強度、光透過性、耐熱性、ガスバリア性等の特性については、液体収容容器10の用途や容器内に収容される液体の種類に応じて適宜調整することができるため、ここでの記載は省略する。
【0050】
容器本体11は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。容器本体11が多層構造である場合、容器本体11の内面のみが上述のような樹脂材料であり、その他の層が、アルミニウムを含有するアルミニウム層を有していてもよい。また、容器本体11は、必要に応じて、シリカ等の材料で外面が表面コーティングされていてもよい。この場合、液体収容容器10にバリア性を付与することができる。
【0051】
本実施の形態による液体収容容器10に収容される液体は、特に限定されないが、例えば、高価な液体や、投与する量が厳しく定められた液体等の場合に、本実施の形態による液体収容容器10を用いることが特に効果的である。すなわち、液体収容容器10内への液残りを抑制することができるため、従来に比べて液体の取り出しを容易に行うことができる。
【0052】
液体収容容器10に収容される液体としては、医薬品等の薬液を用いても良い。このような薬液の具体例としては、例えば抗リウマチ薬、インスリン製剤、ブドウ糖のような糖液、塩化ナトリウムや乳酸カリウムのような電解質補正液、タンパク製剤、抗体薬、造影剤、タンパク質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗生物質、抗がん剤、ヘパリンカルシウム麻酔薬、及び腹膜透析液が挙げられる。また、鎮痛剤、解熱剤、制吐剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤、ステロイド剤、抗不整脈剤、及び抗てんかん剤のような製剤をRO水や蒸留水のような無菌水又は生理食塩水で溶解した所謂プレミックス製剤が挙げられる。さらに、インフルエンザ、破傷風、肺炎球菌、ポリオ、日本脳炎、風疹、麻疹、黄熱、ヒブ、肝炎、水痘、狂犬病、ロタウィルス、おたふくかぜ、子宮頸がん、MQ、DT及びDPT等のワクチンのような生物医薬であってもよい。さらにまた、骨髄やリンパ球等の生体細胞であってもよい。また、薬液としては、例えば細胞製剤であってもよく、具体的には、ヘパトーマ細胞、肝臓の実質細胞である肝細胞、クッパー細胞、血管内皮細胞や角膜内皮細胞などの内皮細胞、繊維芽細胞、骨芽細胞、砕骨細胞、歯根膜由来細胞、表皮角化細胞などの表皮細胞、気管上皮細胞、消化管上皮細胞、子宮頸部上皮細胞、角膜上皮細胞などの上皮細胞、乳腺細胞、ペリサイト、平滑筋細胞や心筋細胞などの筋細胞、腎細胞、膵ランゲルハンス島細胞、末梢神経細胞や視神経細胞などの神経細胞、軟骨細胞、骨細胞、又は幹細胞、ES細胞(胚性幹細胞)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)等が挙げられる。幹細胞は、例えば骨髄未分化間葉幹細胞、造血幹細胞、血管幹細胞、神経幹細胞、小腸幹細胞、脂肪幹細胞、皮膚幹細胞、歯周組織幹細胞、毛様体幹細胞、角膜輪部幹細胞、内臓幹細胞等が挙げられる。
【0053】
あるいは、液体収容容器10に収容される液体としては、食品関係の液体であっても良く、具体的には、飲料、調味料等の液体であっても良い。
【0054】
本実施の形態による液体収容容器10は、例えば、上述したような液体を収容する医療用容器又は食品用容器として用いることができる。
【0055】
[本実施の形態の作用]
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0056】
まず、密封部20が設けられる一端を開放した状態で、容器本体11を一体成形により作製する。次に、容器本体11内に所定量の液体Lqを充填し、開放された一端をヒートシールすることにより、密封部20を形成する。これにより、液体収容容器10と、液体収容容器10に収容された液体Lqとを備えた、液体入り容器40が得られる(図6参照)。本実施の形態において、このような液体入り容器40も提供する。
【0057】
使用時には、まず上述した液体入り容器40を準備する。次に、連結部32を破断し、スタンド部33を容器本体11から除去する。続いて、容器本体11に、内部と連通する開口を形成し、この開口から容器本体11内の液体Lqを取り出す。例えば、図6に示すように、液体入り容器40の取出部30に注射針45を刺して取出部30に開口34を形成し、この開口34に挿入された注射針45を用いて液体Lqを吸引し、容器本体11内の液体Lqを取り出すようにしても良い。これにより、例えば液体Lqが高価な薬液である場合においても、液体Lqを容器本体11から無駄なく取り出すことができ、経済的である。また、容器本体11内から正確な量の薬液を抽出することができる。本実施の形態において、このような所定量の薬液を製造する方法も提供する。
【0058】
本実施の形態において、液体収容容器10を仮想面Sfの法線方向から見たとき、複数の第1コーナー部22、23は、全て50°以下の角度θ1、θ2となっている。このため、第1コーナー部22、23よりも内側に凸型のメニスカスMが発生する(図6の丸囲み参照)。これにより、液体収容容器10の向きを、例えば密封部20が鉛直方向下方を向くようにした場合でも、液体Lqが第1コーナー部22、23の奥まで進入しにくくなっている。このため、液体Lqが第1コーナー部22、23の内側に入り込むことを抑え、第1コーナー部22、23の内側に液体Lqが残存することを抑制することができる。このことにより、注射針45を刺して液体Lqを吸引した際、液体Lqを液体収容容器10から無駄なく取り出すことができる。これに対して、仮に、液体収容容器100を仮想面の法線方向から見たときの第1コーナー部101の角度が、50°超100°未満となっていると、上述した凸型のメニスカスが生じず、液体Lqが第1コーナー部101の内側に入り込んだまま残存してしまう(図20参照)。この場合、液体Lqを液体収容容器100から無駄なく取り出すことが困難となるおそれがある。このため、シール線21上及びシール線21の両端には、仮想面Sfの法線方向から見たときに50°超100°未満となる第1コーナー部が存在しないことが好ましい。
【0059】
[変形例]
次に、図7乃至図16を参照して、本開示の各変形例について説明する。図7乃至図16は、それぞれ本開示の変形例による液体収容容器を示す図である。図7乃至図16において、図1乃至図6に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0060】
(第1の変形例)
図7乃至図9は、第1の変形例による液体収容容器10Aを示している。図7乃至図9において、図1乃至図6に示す液体収容容器10と異なり、容器本体11は、正面側から見て(図8)、左右(X方向)に非対称の形状を有している。
【0061】
図7及び図8に示すように、液体収容容器10Aは、液体を収容可能な容器本体11と、容器本体11の一端に形成された密封部20と、を備えている。容器本体11は、筒状の胴部12と、胴部12と密封部20との間に連続的に形成されたつなぎ部13とを有している。つなぎ部13と密封部20との間にシール線21が形成され、シール線21の両端の位置で、それぞれシール線21とつなぎ部13とによって第1コーナー部22A、23Aが形成されている。この場合、液体収容容器10Aを仮想面Sfの法線方向から見たとき、第1コーナー部22A、23Aは、100°以上の角度θ4となる一方の第1コーナー部22Aと、50°以下の角度θ5となる他方の第1コーナー部23Aとの両方を有する。
【0062】
密封部20は、全体として略平面状であり、その主たる面はZX平面に平行な略平行四辺形形状となっている。シール線21は直線状であり、水平方向(X方向)に対して傾斜して延びている。シール線21は、その両端にそれぞれ一方の第1コーナー部22Aと他方の第1コーナー部23Aとを有している。この場合、第1コーナー部22A、23Aは、正面から見て互いに非対称な形状を有する。一方の第1コーナー部22Aは、他方の第1コーナー部23Aよりも下方(Z方向マイナス側)に位置する。
【0063】
液体収容容器10Aを仮想面Sfの法線方向から見たとき、一方の第1コーナー部22Aは、100°以上の角度θ4を有している。この場合、液体を充填した液体収容容器10Aを、例えば密封部20が鉛直方向下方を向くようにした傾けたとき、一方の第1コーナー部22Aに液体が進入する。その後、液体収容容器10を、密封部20が鉛直方向上方を向くようにしたとき、一方の第1コーナー部22Aに進入した液体は、一方の第1コーナー部22Aから流れ出す。これにより、液体が一方の第1コーナー部22Aの内側に残存することを抑制することができる。この結果、容器本体11内の液体を無駄なく取り出すことができる。
【0064】
また、液体収容容器10Aを仮想面Sfの法線方向から見たとき、他方の第1コーナー部23Aは、50°以下の角度θ5を有している。これにより、他方の第1コーナー部23Aよりも内側に凸型のメニスカスが発生するので、液体が他方の第1コーナー部23Aの奥まで進入せず、液体が他方の第1コーナー部23Aの内側に残存することを抑制することができる。
【0065】
さらに、本変形例によれば、シール線21が水平方向(X方向)に傾斜して延びているので、密封部20の面積を広く確保することができ、密封部20での剥離強度を高めることができる。また、本変形例によれば、例えば図9に示すように、シールする前に液体収容容器10Aを傾けた状態で液体を充填することにより、充填時に液体に気泡が発生することを抑制することができる。これにより、例えば液体として細胞懸濁液を用いる場合等、気泡が細胞へ悪影響を及ぼすことを抑えることができる。
【0066】
図10に示すように、本変形例による液体収容容器10Aにおいて、仮想面Sfの法線方向から見たとき、シール線21は、上縁24側に向けて湾曲した円弧形状を有していても良い。この場合、シール線21を構成する円は、下記の条件を満たす所定の曲率半径Rを有することが好ましい。なお、図10において、点Oは、シール線21を構成する円の中心である。直線Laは、第1コーナー部22Aと点Oとを結ぶ直線であり、直線Lbは、第1コーナー部23Aと点Oとを結ぶ直線であり、直線Lcは、第1コーナー部22A、23Aを結ぶ直線である。また、角度α1は、直線Lcと容器本体11の側縁11aとがなす角度であり、角度β1は、直線Laと直線Lcとがなす角度である。また、角度α2は、直線Lcと容器本体11の側縁11bとがなす角度であり、角度β2は、直線Lbと直線Lcとがなす角度である。
【0067】
このとき、第1コーナー部22Aについて、シール線21の曲率半径Rは、
R=直線Lcの長さ/2cosβ1・・・(A)
と、算出できる。ここで、角度θ4は100°以上であるため、
100°≦θ4<180°・・・(1)
となる。また、角度β1は、θ4が、点Oを中心とする円の第1コーナー部22Aでの接線Ldと容器本体11の側縁11aとのなす角と近似できるので、
β1=α1-(θ4-90°)・・・(2)
となる。(1)、(2)より、角度β1は、
α1-90°<β1≦α1-10°・・・(3)
と、算出できる。さらに、本変形例において、
α1>0・・・(4)
0°≦β1<90°・・・(5)
となる。このため、Rについて、角度α1、β1が(3)、(4)、(5)の領域(図11参照)を満たす(A)式の範囲となる場合、液体が第1コーナー部22Aの内側に残存することを抑制する効果が好適に得られる。
【0068】
また第1コーナー部23Aについて、シール線21を構成する円の曲率半径Rは、
R=直線Lcの長さ/2cosβ2・・・(B)
と、算出できる。ここで、角度θ5は50°以下であるため、
0°<θ5≦50°・・・(6)
となる。また、角度β2は、θ5が、点Oを中心とする円の第1コーナー部23Aでの接線Leと容器本体11の側縁11bとのなす角と近似できるので、
β2=(90°-θ5)+α2・・・(7)
となる。(6)、(7)より、角度β2は、
40°+α2≦β2<90°+α2・・・(8)
と、算出できる。さらに、本変形例において、
α2>0・・・(9)
0°≦β2<90°・・・(10)
となる。このため、Rについて、角度α2、β2が(8)、(9)、(10)の領域(図12参照)を満たす(B)式の範囲となる場合、液体が第1コーナー部23Aの内側に残存することを抑制する効果が好適に得られる。
【0069】
(第2の変形例)
図13は、第2の変形例による液体収容容器10Bを示している。図13において、シール線21の両端の位置で、それぞれシール線21とつなぎ部13とによって第1コーナー部22B、23Bが形成され、シール線21の途中に第2コーナー部27Bが形成されている。この場合、シール線21の両端に位置する第1コーナー部22B、23Bは、液体収容容器10Bを仮想面Sfの法線方向から見たとき、それぞれ角度θ6、θ7が50°以下となっている。一方、第2コーナー部27Bは、第1コーナー部22Bと第1コーナー部23Bとの間であって、シール線21の長手方向中央に位置している。この第2コーナー部27Bは、液体収容容器10Bを仮想面Sfの法線方向から見たとき、角度θ8が100°以上となっている。このように、液体収容容器10Bを仮想面Sfの法線方向から見たとき、100°以上の角度θ8となる第2コーナー部27Bと、50°以下の角度θ6、θ7となる第1コーナー部22B、23Bとの両方を有することにより、液体が第1コーナー部22B、23B及び第2コーナー部27Bの内側に残存しにくくすることができる。さらに、本変形例によれば、シール線21が略V字状に延びているので、密封部20の面積を広く確保することができ、密封部20での剥離強度を高めることができる。
【0070】
また、図14に示すように、液体収容容器10Bを仮想面Sfの法線方向から見たとき角度が100°以上となる第2コーナー部27Bについて、シール線21に対して垂直な平面で切断したとき、当該第2コーナー部27Bにおいて、容器本体11がなす角度θ12が40°以上であることが好ましい。一方、上記角度θ12は、例えば150°以下とすることができる。第2コーナー部27Bにおいて、シール線21に対して垂直な平面で切断したとき、容器本体11がなす角θ12が40°以上であることにより、第2コーナー部27Bでの液残りを効果的に抑制することができる。
【0071】
(第3の変形例)
図15は、第3の変形例による液体収容容器10Cを示している。図15において、シール線21の両端の位置で、それぞれシール線21とつなぎ部13とによって第1コーナー部22C、23Cが形成され、シール線21の途中に第2コーナー部27Cが形成されている。この場合、シール線21の両端に位置する第1コーナー部22C、23Cは、液体収容容器10Cを仮想面Sfの法線方向から見たとき、それぞれ角度θ9、θ10が100°以上となっている。一方、第2コーナー部27Cは、シール線21の長手方向中央に位置している。この第2コーナー部27Cは、液体収容容器10Cを仮想面Sfの法線方向から見たとき、角度θ11が50°以下となっている。このように、液体収容容器10Cを仮想面Sfの法線方向から見たとき、100°以上の角度θ9、θ10となる第1コーナー部22C、23Cと50°以下の角度θ11となる第2コーナー部27Cとの両方を有することにより、液体が第1コーナー部22C、23C及び第2コーナー部27Cの内側に残存しにくくすることができる。さらに、本変形例によれば、シール線21が略V字状に延びているので、密封部20の面積を広く確保することができ、密封部20での剥離強度を高めることができる。
【0072】
(第4の変形例)
図16は、第4の変形例による液体収容容器10Dを示している。図16に示すように、液体収容容器10Dは、取出部30に連通するように設けられた液体用包装袋50を有している。この場合、例えば、容器本体11を切断することによって液体を取り出してもよく、液体用包装袋50が符号51で示すような液体取出手段を有していてもよい。なお、図16では、液体取出手段51として、チューブ52と、チューブ52の先端に接続された採液針53とを有するが、特にこれに限定されるものではなく、公知の液体取出手段を採用することができる。ここで、「連通する」とは、液体を、液体用包装袋50から取出部30を通って密封部20側に移送することができることをいう。
【0073】
この液体収容容器10Dは、例えば、生体細胞を収容する細胞培養用バッグ、生体細胞を収容し凍結保存するための細胞凍結保存用バッグ、血液や血液成分を収容する血液バッグ、中心静脈等に直接投与するための栄養分を収容するIVHバッグ、点滴用の液体を収容する輸液バッグ、経腸栄養剤を収容するバッグ、及び各種液体を収容する各種バッグとして用いることができる。本変形例によれば、例えば、点滴等を液体取出手段51から投与するときに、容器本体11の密封部20の液残りを削減することができる。
【0074】
[液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの第1コーナー部の角度の測定方法] 次に、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの第1コーナー部の角度を測定する方法について説明する。
【0075】
まず、液体収容容器10に液体を充填した状態で、液体収容容器10の密封部20をマイクロスコープ装置(KEYENCE社製、レンズ:VH-Z50L)のレンズに対向する位置に配置する。このとき、マイクロスコープ装置のレンズの光軸がシール線21に直交するように配置する。続いて、マイクロスコープ装置によって、測定対象となる第1コーナー部22、23を観察する(観察倍率:レンズZ50×50倍)。なお、第1コーナー部22、23を観察する方法は、マイクロスコープ装置による測定に限らず、例えば実体顕微鏡観察、カメラ撮影等でも良い。
【0076】
図17(a)-(c)は、マイクロスコープ装置によって観察された第1コーナー部22、23の画像を示している。次にマイクロスコープ装置によって、第1コーナー部22、23の画像を観察しながら、下記のような操作を行う。
【0077】
まず図17(a)に示すように、容器本体11の側縁E1を基準に長さ3mmの直線L1を引く。直線L1は、両端にそれぞれ点bと点dとを有し、このうち点dが側縁E1上に位置するようにする。なお、密封部20を形成する際に容器本体11と密封部20との間に形成された部分(符号P1で示す)は側縁E1に含めないものとする。
【0078】
続いて、図17(b)に示すように、シール線21を基準に長さ3mmの直線L2を引く。直線L2は、両端にそれぞれ点aと点cとを有し、このうち点cがシール線21上に位置するとともに、点aがシール線21よりも外側(密封部20側)に位置するようにする。
【0079】
次いで、図17(c)に示すように、点dが側縁E1上に位置し、点cがシール線21上に位置し、かつ点aと点bとが重なるように、直線L1と直線L2とをそれぞれ平行移動する。このときに直線L1と直線L2とがなす角度θaを、液体収容容器10を仮想面の法線方向から見たときの第1コーナー部22、23の角度と規定する。
【0080】
[第1コーナー部を仮想面に平行かつシール線に対して垂直に観察したときの、容器本体がなす角度の測定方法]
次に、第1コーナー部を仮想面に平行かつシール線に対して垂直に観察したときの、容器本体がなす角度を測定する方法について説明する。
【0081】
(液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの角度が90°未満の第1コーナー部の場合)
まず、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの角度が90°未満の第1コーナー部について、当該第1コーナー部を仮想面に平行かつシール線に対して垂直に観察したときの、容器本体がなす角度を測定する方法について説明する。
【0082】
まず図18(a)に示すように、液体収容容器10Aに液体を充填した状態で、液体収容容器10Aのシール線21がマイクロスコープ装置(KEYENCE社製、レンズ:VH-Z50L)60のレンズの光軸A1に対して垂直になるように配置する。続いて、マイクロスコープ装置60のリアルタイム深度合成の機能を用いて、測定対象となる第1コーナー部23Aを観察する(観察倍率:レンズZ50×50倍)。図18(b)-(d)は、マイクロスコープ装置60によって観察された第1コーナー部23Aの画像を示している。なお、第1コーナー部23Aを観察する方法は、マイクロスコープ装置による測定に限らず、例えば実体顕微鏡観察、カメラ撮影等でも良い。
【0083】
続いて、図18(b)に示すように、容器本体11の先端点P2と容器本体11の側縁E2、E3とをそれぞれ結ぶ長さ3mmの2本の直線L3、L4を引き、これらの直線L3、L4のなす角の2等分線L5を引く。
【0084】
次いで、図18(c)に示すように、2等分線L5上で容器本体11の先端点P2から3mmとなる位置に、2等分線L5に垂直な垂線L6を引く。
【0085】
その後、図18(d)に示すように、垂線L6と容器本体11の側縁E2、E3との2つの交点P3、P4を求め、この交点P3、P4と容器本体11の先端点P2とのなす角度θbを、第1コーナー部23Aを仮想面Sfに平行かつシール線21に対して垂直に観察したときの、容器本体11がなす角度と規定する。
【0086】
(液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの角度が90°以上の第1コーナー部の場合)
まず、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの角度が90°以上の第1コーナー部について、当該第1コーナー部を仮想面に平行かつシール線に対して垂直に観察したときの、容器本体がなす角度を測定する方法について説明する。
【0087】
まず図19(a)に示すように、液体収容容器10Aのシール線21に沿って、観察する第1コーナー部22A周辺の密封部20を切除する。次に、液体収容容器10Aに液体を充填した状態で、液体収容容器10Aのシール線21がマイクロスコープ装置(KEYENCE社製、レンズ:VH-Z50L)60のレンズの光軸A1に垂直となるように配置する。このとき、密封部20の一部が切除されているので、マイクロスコープ装置60によってシール線21を観察することができる。続いて、マイクロスコープ装置60のリアルタイム深度合成の機能を用いて、測定対象となる第1コーナー部22Aを観察する(観察倍率:レンズZ50×50倍)。図19(b)-(d)は、マイクロスコープ装置60によって観察された第1コーナー部22Aの画像を示している。なお、第1コーナー部22Aを観察する方法は、マイクロスコープ装置による測定に限らず、例えば実体顕微鏡観察、カメラ撮影等でも良い。
【0088】
続いて、図19(b)に示すように、容器本体11の先端点P5から、シール線21に平行な直線L7を引く。
【0089】
次いで、図19(c)に示すように、直線L7上で容器本体11の先端点P5から3mmとなる位置に、直線L7に垂直な垂線L8を引く。
【0090】
その後、図19(d)に示すように、垂線L8と容器本体11の側縁E4、E5との2つの交点P6、P7を求め、この交点P6、P7と容器本体11の先端点P5とのなす角度θcを、第1コーナー部22Aを仮想面Sfに平行かつシール線21に対して垂直に観察したときの、容器本体11がなす角度と規定する。
【0091】
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
【0092】
(実施例1~4、比較例1~4)
容器本体(ポリエチレン製)の一端をシール(ヒートシール)して密封部とし、他端を取出部とし、液体収容容器(実施例1~4、比較例1~4)を作製した。このとき、シール線の両端に形成された2つの第1コーナー部の角度を調整した。各液体収容容器の容器本体の胴部の直径は10mm~12mmであり、各液体収容容器の高さは40mm~43mmであった。
【0093】
(評価1)
実施例1~4、比較例1~4で得られた各液体収容容器内に、液体として水、凍結保存液又は消毒用エタノールを収容し、このときシール線の両端に形成された2つの第1コーナー部における液残りについて評価した。具体的には、以下のように評価した。この結果を表1に示す。
◎(excellent):液残りが1mg未満
○(good):液残りが1mg以上10mg未満
×(poor):液残りが10mg以上
【0094】
なお、表中、角度θx、θyは、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの各第1コーナー部の角度(図1及び図2のθ1、θ2、図7及び図8のθ4、θ5、図17(c)のθaに対応する角度)を示す。また、角度θzは、仮想面に平行かつシール線に対して垂直に観察したときの、2つの第1コーナー部における容器本体がなす角度(図5のθ3、図18(d)のθb、図19(d)のθcに対応する角度)の平均値を示す(但し、実施例4については、1つの第1コーナー部における容器本体がなす角度を示す)。
【0095】
【表1】
【0096】
実施例1~4、比較例1~4で得られた液体収容容器の液残りについて評価した結果、表1に示すように、複数の第1コーナー部が全て50°以下の角度となっているか、又は、100°以上の角度となる第1コーナー部と50°以下の角度となる第1コーナー部との両方を有する場合に、第1コーナー部への液残りを抑制できることが分かった。
【0097】
また、液体収容容器に対する液体の接触角が低い(20°より小さい)場合、液体が液体収容容器中で流動し易いため、そもそも液体が残りにくい。したがって、液体収容容器に対する液体の接触角が高い(20°以上となる)場合に、より本実施例の効果が得られやすいと考えられる。
【0098】
(実施例5~6、比較例5~6)
各液体収容容器の大きさを変更したこと、以外は、実施例1~4、比較例1~4と同様にして、液体収容容器(実施例5~6、比較例5~6)を作製した。このとき、シール線の両端に形成された2つの第1コーナー部の角度を調整した。なお、各液体収容容器の容器本体の胴部の直径は17mm~20mmであり、各液体収容容器の高さは70mm~75mmであった。
【0099】
(評価2)
実施例5~6、比較例5~6で得られた各液体収容容器内に、液体として水、凍結保存液又は消毒用エタノールを収容し、このときシール線に形成された2つの第1コーナー部における液残りについて評価した。具体的には、上述した評価1と同様に評価した。この結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】
実施例5~6、比較例5~6で得られた液体収容容器の液残りについて評価した結果、表2に示すように、複数の第1コーナー部が全て50°以下の角度となっているか、又は、100°以上の角度となる第1コーナー部と50°以下の角度となる第1コーナー部との両方を有する場合に、第1コーナー部への液残りを抑制できることが分かった。
【0102】
[参考例]
図15に示すように、シール線の長手方向中央に第2コーナー部が存在する液体収容容器を作製した。このとき、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの当該第2コーナー部の角度(図15におけるθ11で示す角度)、及びシール線に対して垂直な平面で切断したときの、当該第2コーナー部における容器本体がなす角度(図14におけるθ12で示す角度)を所定の角度に調整した。
【0103】
(評価3)
参考例で得られた各液体収容容器内に、液体として水又は凍結保存液を収容し、このとき上記第2コーナー部への液残りについて評価した。具体的には、上述した評価1と同様に評価した。結果は、表3に示す。
【0104】
【表3】
【0105】
この結果、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの第2コーナー部の角度(図15におけるθ11で示す角度)が50°の場合、シール線に対して垂直な平面で切断したときの、当該第2コーナー部における容器本体がなす角度(図14におけるθ12で示す角度)を25°とすることにより、当該第2コーナー部への液残りを抑制できることが分かった。一方、液体収容容器を仮想面の法線方向から見たときの第2コーナー部の角度(図15におけるθ11で示す角度)が100°以上の場合、シール線に対して垂直な平面で切断したときの、当該第2コーナー部における容器本体がなす角度(図14におけるθ12で示す角度)を40°以上とすることにより、当該第2コーナー部への液残りを抑制できることが分かった。
【0106】
(第2の実施の形態)
次に、図21乃至図65を参照して第2の実施の形態について説明する。図21乃至図65は第2の実施の形態を示す図である。図21乃至図65において、図1乃至図20に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0107】
[液体収容容器]
まず図21を参照して、本実施の形態による液体収容容器の構成について説明する。
【0108】
図21は、本実施の形態による密封された液体収容容器10Eを示している。図21に示すように、液体収容容器10Eは、液体を収容可能な容器本体11と、容器本体11の一端(第1側端)に形成された密封部20と、を備えている。容器本体11は、筒状の胴部12と、胴部12と密封部20との間に連続的に形成されたつなぎ部13とを有している。つなぎ部13と密封部20との間にシール線21が形成され、シール線21の両端の位置で、それぞれシール線21とつなぎ部13とによって第1コーナー部22A、23Aが形成されている。この場合、液体収容容器10Eを仮想面Sfの法線方向から見たとき、第1コーナー部22A、23Aは、角度θ20をもつ一方の第1コーナー部22Aと、角度θ21をもつ他方の第1コーナー部23Aとを有する。
【0109】
密封部20は、全体として略平面状であり、その主たる面はZX平面に平行な略平行四辺形形状となっている。シール線21は直線状であり、水平方向(X方向)に対して傾斜して延びている。シール線21は、その両端にそれぞれ一方の第1コーナー部22Aと他方の第1コーナー部23Aとを有している。この場合、第1コーナー部22A、23Aは、正面から見て互いに非対称な形状を有する。一方の第1コーナー部22Aは、他方の第1コーナー部23Aよりも下方(Z方向マイナス側)に位置する。
【0110】
液体収容容器10Eを仮想面Sfの法線方向から見たとき、一方の第1コーナー部22Aの角度θ20は、鈍角となっている。この角度θ20は、100°以上の角度となることが好ましい。角度θ20が100°以上である場合、液体を充填した液体収容容器10Eを、例えば密封部20が鉛直方向下方を向くようにした傾けたとき、一方の第1コーナー部22Aに液体が進入する。その後、液体収容容器10Eを、密封部20が鉛直方向上方を向くようにしたとき、一方の第1コーナー部22Aに進入した液体は、一方の第1コーナー部22Aから流れ出す。これにより、液体が一方の第1コーナー部22Aの内側に残存することを抑制することができる。この結果、容器本体11内の液体を無駄なく取り出すことができる。
【0111】
また、液体収容容器10Eを仮想面Sfの法線方向から見たとき、他方の第1コーナー部23Aの角度θ21は、鋭角となっている。この角度θ21は、50°以下の角度となることが好ましい。角度θ21が50°以下である場合、他方の第1コーナー部23Aよりも内側に凸型のメニスカスが発生するので、液体が他方の第1コーナー部23Aの奥まで進入せず、液体が他方の第1コーナー部23Aの内側に残存することを抑制することができる。
【0112】
図22及び図23は、密封部20によって密封される前の液体収容容器10Eを示している。図22及び図23に示すように、密封前の液体収容容器10Eは、一端(第1側端)に設けられた密封可能な開口部15と、他端(第2側端)に設けられた閉鎖部と、を有する筒状の容器本体11Aを備えている。
【0113】
容器本体11Aは、全体として円筒を斜めに切断したような形状(注射針のような形状)を有している。容器本体11Aは、開口部15の近傍をシールすることにより密封され、図21に示す密封部20が形成される。この容器本体11Aは、図21に示す密封後の液体収容容器10Eの容器本体11、胴部12、つなぎ部13及び密封部20を構成する。
【0114】
開口部15の周縁部15aは、その少なくとも一部が開口面Sa上に配置されており、周縁部15aは、容器本体11Aの中心軸CLに対して傾斜している。ここで、「周縁部15aの一部が開口面Sa上に配置される」とは、周縁部15aの一部と開口面Saとが線又は面で重なることをいい、周縁部15aの面積の少なくとも10%以上が開口面Saと重なる場合をいう。図23に示すように、開口面Saは、容器本体11Aの中心軸CLに対して傾斜しており、中心軸CLに対して直交することなく交わっている。また、周縁部15aのうち開口部15の第1端点(上端)15bと第2端点(下端)15cとを結ぶ仮想線VL(図22)は、容器本体11Aの中心軸CLに対して傾斜している。中心軸CLは、容器本体11Aの各水平断面における重心を結んだ直線であっても良い。また、容器本体11Aを平坦面上に設置することができる場合、中心軸CLは、当該平坦面に対して垂直な方向に延びていても良い。なお、第1端点15bとは、開口部15のうち閉鎖部から最も遠い位置にある点であり、第2端点15cとは、開口部15のうち閉鎖部から最も近い位置にある点である。
【0115】
図23に示すように、容器本体11Aを仮想面Sfに対して平行投影したとき、開口面Saと容器本体11Aの一方の側縁11cとが鈍角に交わり、開口面Saと容器本体11Aの他方の側縁11dとが鋭角に交わる。ここで、仮想面Sfとは、図21に示す仮想面Sfと同一の平面である。この場合、中心軸CLは、仮想面Sf上に配置される。また、仮想面Sfは、開口部15の第1端点(上端)15bと第2端点(下端)15cとを通過する。
【0116】
開口面Saと容器本体11Aの一方の側縁11cとが交わる角度θ22は、100°以上とすることが好ましい。この場合、開口面Saに平行にシール線21を形成することにより、液体収容容器10Eの内部で液体が一方の第1コーナー部22A(図21参照)の内側に残存することを抑制することができる。また、開口面Saと容器本体11Aの他方の側縁11dとが交わる角度θ23は、50°以下とすることが好ましい。この場合、開口面Saに平行にシール線21を形成することにより、液体収容容器10Eの内部で液体が他方の第1コーナー部23A(図21参照)の内側に残存することを抑制することができる。
【0117】
なお、図24に示すように、容器本体11Aの他方の側縁11dの上端部が一部切り取られていても良い。図24において、容器本体11Aを仮想面Sfに対して平行投影したとき、開口面Saと容器本体11Aの他方の側縁11dの延長線とが鋭角に交わる。この場合、容器本体11Aの開口部15の周縁部15aに尖った部分が存在しないため、周縁部15aに触れた際の指への刺激を軽減することができる。
【0118】
図25(a)に示すように、容器本体11Aの開口部15の周縁部15aは、容器本体11Aを仮想面Sfに対して平行投影したとき、直線部を含む略S字形状に形成されていても良い。この場合、図25(b)に示すように、開口部15の内面同士が接触するよう容器本体11Aの開口部15を潰すようにシールした際、仮想面Sfに対して平行投影したときの周縁部15aが直線状となる。この場合、シールする前に容器本体11Aの開口部15を潰したとき、周縁部15aが直線状となるので、当該直線に合わせてヒートシール機の加熱部の位置を設定することができ、シールの位置を分かりやすくすることができる。
【0119】
図26(a)に示すように、容器本体11Aの開口部15の周縁部15aは、第1の周縁部分15a1と、第2の周縁部分15a2とから構成され、第1の周縁部分15a1と第2の周縁部分15a2との間に段差15dが形成されていても良い。段差15dは、開口面Saに垂直な方向から見たときの開口部15の形(略楕円)について、当該略楕円の長軸(第1端点15bと第2端点15cとを結ぶ直線)と略楕円との交点(第1端点15b及び第2端点15c)に形成される。なお、第1の周縁部分15a1と第2の周縁部分15a2とは、互いに異なる平面上に位置している。この場合、図26(b)に示すように、第2の周縁部分15a2に沿って開口部15をシールした際、密封部20が第1の周縁部分15a1よりも下方(取出部30側)に位置する。このため、液体収容容器10Eを凍結させて落下させた際、密封部20と第1の周縁部分15a1との間の領域が容易に破損する一方、密封部20の破壊が抑制されるので、密封部20が内容物が漏洩することを抑制することができる。また、開口部15をシールする前には、開口部15の外側から見て第2の周縁部分15a2の存在を確認することができる。これに対して開口部15をシールした後、密封部20が確実に封止されている場合、第2の周縁部分15a2が封止時の加熱によって溶融し、周囲の溶融した樹脂と溶け合うことで開口部15の外側から見えなくなる。このように、第2の周縁部分15a2の有無を確認することにより、第2の周縁部分15a2が存在しない場合に密封部20が確実に封止されていると判断し、第2の周縁部分15a2が存在する場合に密封部20が十分に封止されていないと判断することができる。
【0120】
図27に示すように、容器本体11Aの開口部15の周縁部15aに、周縁部15aを厚み方向に貫通する切欠き17が形成されていても良い。この場合、開口部15をシールする前には、開口部15の外側から見て切欠き17の存在を確認することができる。これに対して開口部15をシールした後、密封部20が確実に封止されている場合、切欠き17が封止時の加熱によって溶融し、周囲の溶融した樹脂と溶け合うことで開口部15の外側から見えなくなる。このように、切欠き17の有無を確認することにより、切欠き17が存在しない場合に密封部20が確実に封止されていると判断し、切欠き17が存在する場合に密封部20が十分に封止されていないと判断することができる。
【0121】
図28(a)に示すように、容器本体11Aの開口部15の周縁部15aは、第1端点15b側に位置する第1平坦部18aと、第2端点15c側に位置する第2平坦部18bとを含んでいても良い。第1平坦部18a及び第2平坦部18bは、それぞれ中心軸CLに対して直交する互いに異なる平面上に位置していても良い。図28(b)に示すように、液体収容容器10Eを射出成形法によって作製する場合、ストリッパー92Aによって金型(コアピン)91Aから成形品を取り外す際、第1平坦部18a及び第2平坦部18bが平坦であるため、ストリッパー92Aが容器本体11Aの開口部15の端面を押し易く、取り外しやすい。
【0122】
なお、容器本体11Aは、その内部を視認しやすくするため、透明であることが好ましい。また、容器本体11Aの中心軸CLに垂直な断面は、円に限らず、楕円等の扁平な形状であっても良い。この場合、体積あたりの容器本体11Aの表面積が増えるので、液体収容容器10Eをシールした後、凍結及び融解したとき、凍結及び融解に必要な時間を短くし、細胞等の液体へのダメージを軽減することができる。
【0123】
本実施の形態において、閉鎖部は、上述した取出部30から構成される。開口面Saは、取出部30及びスタンド部33を構成する平面に対して非平行に位置している。また閉鎖部には、係合部が設けられている。この係合部は、後述する載置台70の被係合部である収容凹部72と係合することにより、容器本体11Aが中心軸CL周りに回転することを規制する。この場合、係合部は、上述した平面視略菱形状のスタンド部33から構成される。
【0124】
本実施の形態によれば、シールする前に液体収容容器10Eを傾けた状態で液体を充填することにより、充填時に液体に気泡が発生することを抑制することができる(図9参照)。これにより、例えば液体として細胞懸濁液を用いる場合等、気泡が細胞へ悪影響を及ぼすことを抑えることができる。
【0125】
また開口面Saが容器本体11Aの中心軸CLに対して傾斜していることにより、例えば、図29(a)(b)に示すように、容器本体11Aの中心軸CLを鉛直方向に平行にし、水平面Shに対して傾斜したピペット46を用いて液体収容容器10Eに細胞懸濁液を充填する際、液体収容容器10Eの側面を伝って細胞懸濁液を充填することで、気泡発生を抑制し、細胞へのダメージの影響を小さくすることができる。また、密封部20に対応するシール予定部20Aに液体が付着しないように充填する必要がある。この場合、ピペット46を水平面Shに対してある一定の角度(例えばα3°)を維持して充填する。これにより、ピペット46の先端を配置できる範囲が、開口面Saが容器本体11Aの中心軸CLに対して直交する場合と比べて広くなるので、充填操作を行いやすくすることができる。
【0126】
また本実施の形態によれば、一般的な細胞遠心分離操作(条件例として、回転数:1000rpm、時間:3min、温度:20℃)を用いて細胞を集積することができる。すなわち遠心分離操作をした際、細胞Cを鋭角的な他方の第1コーナー部23Aに集積することができる(図30参照)。例えば、液体収容容器10Eをその形状に合わせた治具にセットし、遠心分離機を用いて細胞Cを他方の第1コーナー部23Aに集積しても良い。あるいは、遠沈管内に液体収容容器10Eを入れ、遠沈管内で液体収容容器10Eが動かないように緩衝材等で固定したものを準備し、これを一般的な遠沈管用の治具にセットして遠心分離機にて細胞Cを他方の第1コーナー部23Aに集積しても良い。
【0127】
また本実施の形態によれば、図31(a)に示すように、液体の吸引時に液体収容容器10Eを把持する部分(持ち手部)Paを開口面Saが容器本体11Aの中心軸CLに対して直交する場合と比べて広くすることができるので、液体収容容器10Eが持ちやすくなり、ハンドリング性を向上することができる。すなわち密封部20だけでなく、第1コーナー部22Aよりも第1コーナー部23A側に位置する領域も持ち手部Paとして用いることができる。さらに、図31(b)に示すように、万一注射針45が液体収容容器10Eを貫通した場合であっても、手を刺すリスクがある注射針45の先端が、持ち手部Paを保持している操作者の手から遠くなる部分が広いため、より安全に吸引作業を行える。これに対して、開口面Saが容器本体11Aの中心軸CLに対して直交する場合、注射針45の先端が操作者の手から遠くなる部分がないのでリスクが大きい。
【0128】
[液体収容容器と載置台との組合体]
次に、図32乃至図34を参照して、液体収容容器と載置台との組合体の構成について説明する。
【0129】
図32乃至図34に示すように、本実施の形態による組合体80は、密封前の液体収容容器10Eと、液体収容容器10Eを載置する載置台70と、を備えている。このうち液体収容容器10Eの構成は、図22及び図23に示す構成と同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0130】
載置台70は、台本体71と、台本体71に形成された被係合部とを有している。このうち台本体71は、全体として略直方体形状であり、平坦な底面77を有している。台本体71は、載置台70に液体収容容器10Eを載置した際に、液体収容容器10Eを安定して保持できる程度の重量を有していることが好ましい。また載置台70は、設置面Sgに設置される。このとき載置台70の底面77が設置面Sgに接触することにより、載置台70が安定して保持される。底面77は、設置面Sgを規定する面であり、載置台70を通常の状態で設置した際に設置面Sgに接する面をいう。また例えば、載置台70が3本以上の足場を備える場合には、3本以上の足場で形成される面を含む。
【0131】
この場合、被係合部は、台本体71の表面に形成された凹状の収容凹部72からなる。図32に示すように、収容凹部72は、第1面73と、第2面74と、第3面75とを有している。このうち第1面73には、載置台70に液体収容容器10Eを載置した際に、スタンド部33の底面側(連結部32の反対側)が当接する。第2面74は、載置台70に液体収容容器10Eを載置した際に、液体収容容器10Eの容器本体11Aを下方から支持する。第3面75は、載置台70に液体収容容器10Eを載置した際に、スタンド部33の周囲を上方から係止し、これにより液体収容容器10Eが倒れることを抑制する。
【0132】
載置台70は、例えば金属、樹脂等の材料から作製することができる。載置台70が樹脂から作製される場合、樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の材料を挙げることができる。また、載置台70は、各方向から液体収容容器10Eの内部を視認しやすくするため、透明であることが好ましい。
【0133】
図33及び図34に示すように、載置台70に液体収容容器10Eを載置し、液体収容容器10Eのスタンド部33(係合部)を、載置台70の収容凹部72(被係合部)に係合させた際、液体収容容器10Eは、容器本体11Aの中心軸CLが載置台70の底面77に対して傾斜した状態で載置台70に載置される。このとき、液体収容容器10Eの開口部15が載置台70に対して反対側を向くようになっている。この際、開口面Saは、液体収容容器10Eが載置台70の底面77に対して傾斜する方向と反対の方向に開口している。すなわち図34において、開口面Saは、液体収容容器10Eが底面77に対して傾斜した方向(図34の矢印D1の方向)と反対の方向(図34の矢印D2の方向)に開口している。これにより、液体収容容器10Eの開口部15の開口面積を広く設定することができる。また液体収容容器10Eは、載置台70によって安定して保持され、液体収容容器10Eが中心軸CLの周りに回転することが規制される。また、載置台70に載置された際、液体収容容器10Eは、液体収容容器10Eを収容凹部72に挿入する際の挿入方向(中心軸CLの方向)にのみ移動可能であり、他の方向、とりわけ挿入方向に直交する方向には実質的に移動できないようにすることが好ましい。
【0134】
ここで「開口部15が載置台70に対して反対側を向く」とは、載置台70に液体収容容器10Eを載置した状態で、開口部15が載置台70に対して反対側に開口し、開口部15を介して鉛直方向上方から液体収容容器10E内に液体を注入可能となる状態をいう。
【0135】
図34に示すように、載置台70に液体収容容器10Eを載置した際、開口面Saと載置台70の底面77とが平行になることが好ましい。この場合、上方(Z方向プラス側)から見たときの開口部15の面積が最大となるため、液体収容容器10E内に液体をより充填しやすくすることができる。また、液体収容容器10E内に充填する液体の容量を一定としたとき、液面と密封部20と間隔を最大化することができる。すなわち、液体収容容器10Eを傾けた場合(図35(b))における、液面と密封部20との間の最小距離Y2は、液体収容容器10Eを傾けない場合(図35(a))における、液面と密封部20との間の最小距離Y1よりも大きくなる(Y2>Y1)。すなわちY2=Y1×sinαであり、0<sinα<1であるため、Y2>Y1となる。このため、液体が例えば細胞懸濁液である場合等、熱によって影響を受ける液体を用いた場合に、ヒートシール時の熱伝導による液体へのダメージをより軽減することができる。
【0136】
なお、これに限らず、開口面Saと底面77(設置面Sg)とが非平行に配置されても良い。このとき、図36(a)(b)に示すように、開口面Saと底面77(設置面Sg)に平行な面とがなす角度θ24は、-29°以上13°以下とすることが好ましい。角度θ24をこの範囲とすることにより、一般的なヒートシール機(シール予定部の幅が5mm、10mm又は20mm)で用いて開口部15をシールする場合、容器本体11Aのうちシールし易い薄肉部のシール幅Wsを一定程度(例えば約2mm)以上確保しながらシールすることが可能となるため、液体収容容器10Eの密閉性を高くすることができる。
【0137】
また、上述した角度θ24は、-10°以上13°以下とすることがさらに好ましい。角度θ24をこの範囲とすることにより、液体収容容器10Eの密閉性を高くするという上述した効果に加え、設置面Sgに平行にヒートシールした場合に、シール後の第1コーナー部23Aの角度θ21(図21参照)を小さくし(例えば50°以下)、液体が他方の第1コーナー部23Aの内側に残存することを抑制することができる。
【0138】
なお、上述した角度θ24が負(-)の角度であるとは、載置台70に液体収容容器10Eを載置した際、開口部15の第1端点15bが第2端点15cよりも上方に位置することをいう(図36(a)参照)。また、角度θ24が正(+)の角度であるとは、載置台70に液体収容容器10Eを載置した際、開口部15の第2端点15cが第1端点15bよりも上方に位置することをいう(図36(b)参照)。
【0139】
また、図37は、載置台70に液体収容容器10Eを載置した状態で、開口部15を上方(設置面Sgに対して垂直な方向)から見た図を示している。図37において、第1直線L11は、開口部15の第1端点15bと第2端点15cとを結ぶ線であり、第2直線L12は、中心軸CLを通過するとともに第1直線L11に直交する線である。このとき、第1直線L11の長さは、第2直線L12の長さよりも長いことが好ましい。これにより、液体収容容器10Eをヒートシールする時に開口部15を潰しやすくすることができ、液体収容容器10Eをシールしやすくすることができる。また液体収容容器10Eをシールし易いだけでなく、毎回安定して熱溶着等により密着された状態で開口部15を密封することができるとともに、輸送等の振動があっても密封状態を安定して保持できる。
【0140】
また、開口部15を構成する壁面の厚みは、容器本体11Aの胴部12の厚みより肉薄であることが好ましい。また、図38(a)に示すように、容器本体11Aの壁面厚みは、胴部12の途中に位置する徐変開始位置Psから開口部15に向けて徐々に薄くしていっても良い。開口部15を潰す前の状態(図38(a))と、開口部15をシールするために開口部15を潰した状態(図38(b))とでは、密封部20に対応するシール予定部20Aが変化する。すなわち、開口部15を潰した状態(図38(b))でシール予定部20Aの上縁20A1と下縁20A2とを略平行にする場合、開口部15を潰す前の状態(図38(a))では、上縁20A1と下縁20A2との間隔は第1端点15b側よりも第2端点15c側を広くする必要がある。このため、徐変開始位置Psは、第1端点15b側より第2端点15c側の方が取出部30に近くなることが好ましい。
【0141】
[本実施の形態の作用]
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0142】
まず、密封前の液体収容容器10Eを準備する。次に、この液体収容容器10Eを載置台70に載置する。この間、液体収容容器10Eを中心軸CLに対して平行に移動し、液体収容容器10Eの係合部であるスタンド部33を、載置台70の被係合部である収容凹部72に係合させる(図33参照)。これにより、液体収容容器10Eと載置台70との組合体80が構成される。このとき、液体収容容器10Eのスタンド部33が、収容凹部72の第1面73に当接し、容器本体11Aの取出部30近傍の領域が、収容凹部72の第2面74に当接する。また、液体収容容器10Eのスタンド部33が、収容凹部72の第3面75に係止され、液体収容容器10Eが倒れることを抑制する。
【0143】
本実施の形態において、このように、液体収容容器10Eを準備する工程と、載置台70を準備する工程と、液体収容容器10Eを載置台70に載置する工程とを含む、組合体の製造方法も提供する。
【0144】
これにより、載置台70の収容凹部72によって液体収容容器10Eが中心軸CLの周りに回転することを規制される。また、液体収容容器10Eを載置台70に設置した際に、開口面Saは、液体収容容器10Eが載置台70の底面77に対して傾斜した方向と反対の方向に開口している。このため液体収容容器10Eの開口部15が上方を向いた状態となる。これにより、液体収容容器10Eを、その開口部15が上方を向いた状態で安定して保持することができる。
【0145】
次に、液体収容容器10Eの開口部15から、容器本体11Aに所定量の液体を充填する。この場合、液体収容容器10Eが回転せず、開口部15が上方を向いた状態で液体収容容器10Eの向きが固定されているため、液体を上方から液体収容容器10Eに安定して充填することができる。また、液体収容容器10Eの中心軸CLを傾けた状態で液体を充填することができるので、充填時に液体に気泡が発生することを抑制することができる。これにより、例えば液体として細胞懸濁液を用いる場合等、気泡が細胞へ悪影響を及ぼすことを抑えることができる。また液体収容容器10Eの中心軸CLを傾けた状態とし、鉛直方向に平行な充填ノズルやピペットを用いて液体収容容器10Eに細胞懸濁液を充填する際、気泡発生を抑制するために液体収容容器10Eの側面を伝って細胞懸濁液を充填することで、細胞へのダメージの影響を小さくすることができる。また、密封部20に対応するシール予定部20Aに液体が付着しないように充填する必要がある。本実施の形態によれば、開口部15の鉛直方向上方を向く面積が広いので、充填ノズルやピペットを広範囲の領域に配置することができる。
【0146】
続いて、載置台70に載置された状態で、液体収容容器10Eの開放された開口部15の周縁をヒートシールすることにより、密封部20を形成する。このとき、液体収容容器10Eの開口部15の周縁を、仮想線VLに対して平行に延びる加熱部によって挟持してヒートシールしても良い。この場合、液体収容容器10Eが回転せず、開口部15が上方を向いた状態で液体収容容器10Eの向きが固定されているため、液体収容容器10Eを安定してヒートシールすることができる。このようにして、密封された液体収容容器10E(液体入り容器)が得られる。
【0147】
[変形例]
次に、図39乃至図65を参照して、本実施の形態の各変形例について説明する。図39乃至図65は、それぞれ本実施の形態の変形例による液体収容容器を示す図である。図39乃至図65において、図21乃至図38に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0148】
(第1の変形例)
図39(a)-(c)は、本実施の形態の第1の変形例による組合体80Aを示している。図39(a)-(c)において、組合体80Aは、密封前の液体収容容器10Fと、液体収容容器10Fを載置する載置台70Aと、を備えている。
【0149】
このうち液体収容容器10Fは、一端に密封可能な開口部15を有するとともに他端に閉鎖部30Aを有する筒状の容器本体11Aを備えている。この場合、閉鎖部30Aには、係合部33Aが設けられており、係合部33Aはそれぞれ容器本体11Aから外方に突出する凸部を含む。
【0150】
図39(a)において、係合部33Aは、容器本体11Aの中心軸CLに対して直交する方向に突出する。この場合、載置台70Aの被係合部は、上述した図22及び図23に示す収容凹部72と略同一の構成を有していても良い。
【0151】
図39(b)において、係合部33Aは、容器本体11Aの中心軸CLに対して平行な方向に突出する。この場合、載置台70Aの被係合部は、係合部33Aに対応する形状の細長い収容凹部72Aを有する。
【0152】
図39(c)において、係合部33Aは、容器本体11Aの中心軸CLに対して平行な方向に突出する。また係合部33Aは、連結部32Aを介して閉鎖部30Aに連結されている。この場合、載置台70Aの被係合部は、閉鎖部30Aと係合部33Aとの間で係合部33Aを保持する内側突出部35を有する。
【0153】
(第2の変形例)
図40(a)、(b)は、本実施の形態の第2の変形例による組合体80Bを示している。図40(a)、(b)において、組合体80Bは、密封前の液体収容容器10Gと、液体収容容器10Gを載置する載置台70Bと、を備えている。
【0154】
このうち液体収容容器10Gは、一端に密封可能な開口部15を有するとともに他端に閉鎖部30Bを有する筒状の容器本体11Aを備えている。この場合、閉鎖部30Bには、係合部33Bが設けられており、係合部33Bは、それぞれ容器本体11Aから内方に凹む凹部を含む。
【0155】
図40(a)において、係合部33Bは、容器本体11Aの中心軸CLに対して平行な方向に凹む凹部を含む。この場合、載置台70Bの被係合部は、係合部33Bに対応する形状の収容凸部76Bを有する。
【0156】
図40(b)において、係合部33Bは、容器本体11Aの中心軸CLに対して平行な方向に凹む凹部を含む。また係合部33Bは、連結部32Bを介して閉鎖部30Bに連結されている。この場合、載置台70Bの被係合部は、係合部33Bに対応する形状の収容凸部76Bを有する。
【0157】
(第3の変形例)
図41(a)、(b)は、本実施の形態の第3の変形例による組合体80Cを示している。図41(a)、(b)において、組合体80Cは、密封前の液体収容容器10Hと、液体収容容器10Hを載置する載置台70Cと、を備えている。
【0158】
このうち液体収容容器10Hは、一端に密封可能な開口部15を有するとともに他端に閉鎖部30Cを有する筒状の容器本体11Aを備えている。この場合、容器本体11Aの側面には、係合部33Cが設けられており、係合部33Cはそれぞれ容器本体11Aの側面から外方に突出する。
【0159】
図41(a)において、係合部33Cは、容器本体11Aの中心軸CLに対して直交する方向に突出する。この場合、載置台70Cの被係合部は、係合部33Cに対応する形状の収容凹部72Cを有する。
【0160】
図41(b)において、係合部33Cは、容器本体11Aの中心軸CLに対して傾斜する方向に突出する。この場合、載置台70Cの被係合部は、係合部33Cに対応する形状の収容凹部72Cを有し、この収容凹部72Cは鉛直方向に平行に延びている。
【0161】
(第4の変形例)
図42(a)、(b)は、本実施の形態の第4の変形例による組合体80Dを示している。図42(a)、(b)において、組合体80Dは、密封前の液体収容容器10Iと、液体収容容器10Iを載置する載置台70Dと、を備えている。
【0162】
このうち液体収容容器10Iは、一端に密封可能な開口部15を有するとともに他端に閉鎖部30Dを有する筒状の容器本体11Aを備えている。この場合、容器本体11Aの側面には、係合部33Dが設けられており、係合部33Dはそれぞれ容器本体11Aの側面から内方に凹む。
【0163】
図42(a)において、係合部33Dは、容器本体11Aの中心軸CLに対して直交する方向に凹む凹部を含む。この場合、載置台70Dの被係合部は、係合部33Dに対応する形状の収容凸部76Dを有する。
【0164】
図42(b)において、係合部33Dは、容器本体11Aの中心軸CLに対して傾斜する方向に凹む凹部を含む。この場合、載置台70Dの被係合部は、係合部33Dに対応する形状の収容凸部76Dを有し、この収容凸部76Dは鉛直方向に平行に延びている。
【0165】
(第5の変形例)
図43(a)-(d)は、本実施の形態の第5の変形例による組合体80Eを示している。図43(a)-(d)において、組合体80Eは、密封前の液体収容容器10Jと、液体収容容器10Jを載置する載置台70と、を備えている。
【0166】
図43(a)において、液体収容容器10Jの容器本体11Aには、液体の充填箇所を示す目印36が配置されている。目印36は、容器本体11Aの内面に突出するように形成されている。
【0167】
図43(b)において、液体収容容器10Jの容器本体11Aには、液体の充填箇所を示す目印36が配置されている。目印36は、容器本体11Aの外面に突出するように形成されている。この場合、容器本体11Aは透明であることが好ましい。
【0168】
図43(c)において、載置台70の収容凹部72には、液体の充填箇所を示す目印36が配置されている。この目印36は、収容凹部72内で外方に突出するように形成されている。この場合、容器本体11Aは透明であることが好ましい。
【0169】
図43(d)において、載置台70の収容凹部72には、液体の充填箇所を示す目印36が配置されている。この目印36は、収容凹部72内で内方に凹むように形成されている。この場合、容器本体11Aは透明であることが好ましい。
【0170】
このような目印36は、液体収容容器10Jに対して液体を上方から充填する際の指標として用いられる。この目印36を指標として液体を充填することで、密封部20に対応するシール予定部20Aに液体が付着せず、シール後に液体が密封部20内に残存してしまうことを抑制することができる。目印36としては、容器本体11A又は載置台70に形成された凸部又は凹部であっても良く、印刷によって形成された模様であっても良い。
【0171】
なお、図44(a)-(c)に示すように、目印36は、載置台70に載置された液体収容容器10Jの開口部15を設置面Sg側に平行投影した領域内、かつシール予定部20Aを除く領域(図44(a)-(c)の斜線部)に設けられることが好ましい。これにより、液体収容容器10J内に液体を充填しやすくするとともに、シール予定部20Aに液体が付着してしまうことをより抑制することができる。
【0172】
(第6の変形例)
図45は、本実施の形態の第6の変形例による組合体80Fを示している。図45において、組合体80Fは、複数の密封前の液体収容容器10Eと、複数の液体収容容器10Eを載置する載置台70Eと、を備えている。
【0173】
載置台70Eには、それぞれ液体収容容器10Eを収容可能な被係合部である収容凹部72が複数形成されている。この場合、複数の液体収容容器10Eは、各液体収容容器10Eの開口部15の第1端点15bを結ぶ直線に沿って一列に並ぶことが好ましい。このように、複数の液体収容容器10Eが一列に並ぶことにより、ヒートシール機の加熱部63(仮想線)を用いて、複数の液体収容容器10Eを一度に効率良くヒートシールすることができる。また例えば、組合体80Fの形態で充填作業者に納品される場合、作業者は液体の充填のために液体収容容器10Eを並べたりする作業を行う必要がなく、そのまま充填作業に移れるので、充填作業効率を向上させることができる。
【0174】
また、充填時に液体収容容器10Eの開口部15が載置台70Eよりも上方に位置していることが好ましい。これにより、液体を充填するための充填ノズルやピペットの先端を開口部15までスムーズに移動させることができ、液体を充填しやすい。また、充填した液体収容容器10Eを載置台70Eから取り出す際には、開口部15以外の部分を手で掴みやすく、液体収容容器10Eを取り出しやすい。さらに、開口部15に手等が触れないように作業を行いやすいので、充填した液体が汚染されるリスクを低減することができる。さらに充填し終えた組合体80Fはシール機にそのままセットし、図45に示すように一度に複数の液体収容容器10Eを封止することができる。これにより、液体の充填から開口部15の封止までの作業を連続的にまとめて行うことができ、作業効率を高めることができる。
【0175】
また、図46(a)に示すように、載置台70Eが、載置台本体82と、載置台本体82に取り付け可能な載置台カバー83とによって構成されていても良い。この場合、まず複数の液体収容容器10Eを載置台本体82の収容凹部72にそれぞれセットする。その後、図46(b)に示すように、載置台本体82に載置台カバー83を取り付ける。これにより、載置台カバー83が各液体収容容器10Eを係止し、液体収容容器10Eが倒れることを抑制することができる。この場合、液体収容容器10Eを載置台本体82にセットしやすくすることができる。
【0176】
また、図47に示すように、載置台本体82及び載置台カバー83をそれぞれ真空成形等で製造した場合、載置台70Eが、トレー型の載置台本体82と、穴の形成された載置台カバー83とを有していても良い。この場合、載置台本体82に対して液体収容容器10Eをセットした後、載置台カバー83をセットしても良く、あるいは、載置台本体82に対して載置台カバー83をセットした後、液体収容容器10Eをセットしても良い。
【0177】
また、図48に示すように、載置台本体82及び載置台カバー83をそれぞれ真空成形等で製造し、載置台本体82に第1係合凸部84aを設け、この第1係合凸部84aを載置台カバー83に設けた第1係合凹部84bに係合しても良い。これにより、載置台本体82から載置台カバー83を外れ難くすることができる。なお、載置台本体82に第1係合凹部84bを設け、載置台カバー83に第1係合凸部84aを設けても良い。また、載置台本体82の上面に第2係合凹部85aを設け、この第2係合凹部85aを載置台カバー83に設けた第2係合凸部85bに係合しても良い。これにより、載置台本体82から載置台カバー83をさらに外れ難くすることができる。なお、載置台本体82の上面に第2係合凸部85bを設け、載置台カバー83に第2係合凹部85aを設けても良い。また、第1係合凸部84a及び第1係合凹部84bの組合せと、第2係合凹部85a及び第2係合凸部85bの組合せのうち一方のみを設けても良い。
【0178】
さらに、図49に示すように、載置台本体82及び載置台カバー83を覆う保護カバー86を設けても良い。載置台本体82、載置台カバー83及び保護カバー86は、それぞれ真空成形等により製造される。この場合、載置台本体82の側面に第3係合凸部87aを設け、この第3係合凸部87aを保護カバー86に設けた第3係合凹部87bに係合しても良い。液体収容容器10Eに液体を充填する前には、保護カバー86を取り付けておくことで液体収容容器10E内に異物等が入らないようにすることができる。また、第1係合凸部84aと第1係合凹部84bとの係合強度(取り外し難さ)が、第3係合凸部87aと第3係合凹部87bと係合強度(取り外し難さ)よりも大きいことが好ましい。これにより、保護カバー86を取り外す際の振動等で穴あき載置台カバー83が外れることを防止し、操作性を向上することができる。また、組合体80Fの状態で充填作業者に納品される場合、保護カバー86により液体の充填を開始するまで異物等が液体収容容器10E内に混入しにくく、充填時に保護カバー86を外す作業のみで充填作業に移れるので、衛生上好ましい。
【0179】
また、図50に示すように、載置台カバー83を設けることなく、載置台70Eが載置台本体82から構成されても良い。この場合、載置台本体82を真空成形等で製造し、載置台本体82の収容凹部72に液体収容容器10Eの一部(例えばスタンド部33)と係合する係合部88を設けても良い。これにより、載置台カバー83が不要となり、準備工程を削減するとともに、使用部材を削減することによりコスト低下を図ることができる。
【0180】
(第7の変形例)
図51及び図52は、本実施の形態の第7の変形例による組合体80Gを示している。図51及び図52において、組合体80Gは、複数の密封前の液体収容容器10Eと、複数の液体収容容器10Eを載置する載置台70Fと、を備えている。
【0181】
載置台70Fは、載置台本体82と、載置台本体82に対して着脱可能な保護カバー86とを有する。載置台本体82及び保護カバー86は、合成樹脂から作製されても良い。また載置台本体82及び保護カバー86は、それぞれシート成形法により製造されていても良い。
【0182】
載置台本体82には、それぞれ液体収容容器10Eを1つずつ収容可能な被係合部である収容凹部72が複数(図51及び図52に示す例では3つ)形成されている。また保護カバー86には、複数の押さえ部91が設けられている。押さえ部91は、それぞれ液体収容容器10Eの胴部12を上方から押さえ、収容凹部72内で液体収容容器10Eが動かないようにする役割を果たす。押さえ部91は、保護カバー86を載置台本体82に取り付けた際、それぞれ収容凹部72に対応する位置に設けられている。押さえ部91の数は、収容凹部72の数と同一にすることが好ましい。
【0183】
この場合、まず複数の液体収容容器10Eを載置台本体82の収容凹部72にそれぞれセットする。その後、載置台本体82に保護カバー86を取り付ける。これにより、保護カバー86の押さえ部91が各液体収容容器10Eを固定し、液体収容容器10Eが収容凹部72から外れることを抑制することができる。このため、液体収容容器10Eが載置台本体82から脱落しないようにすることができる。
【0184】
また、載置台本体82に第3係合凸部87aを設け、この第3係合凸部87aを保護カバー86に設けた第3係合凹部87bに係合しても良い。第3係合凸部87a及び第3係合凹部87bは複数(図51及び図52に示す例では10個)設けられていても良い。これにより、載置台本体82から保護カバー86が外れにくくすることができる。また、組合体80Gの状態で充填作業者に納品される場合、保護カバー86により液体の充填を開始するまで異物等が液体収容容器10E内に混入しにくく、充填時に保護カバー86を外す作業のみで充填作業に移れるので、衛生上好ましい。
【0185】
次に、載置台本体82について更に説明する。載置台本体82は、本体天面82aと、本体天面82aからそれぞれ下方(保護カバー86から遠ざかる側)に延びる第1本体側面82b、第2本体側面82c、第3本体側面82d及び第4本体側面82eとを有している。このうち本体天面82aには、収容凹部72が形成されている。また、第1本体側面82b及び第2本体側面82cは、それぞれ液体収容容器10Eの長手方向に沿って延びている。第3本体側面82d及び第4本体側面82eは、それぞれ液体収容容器10Eの短手方向(幅方向)に沿って延びている。第3本体側面82dは、各液体収容容器10Eの開口部15側に位置しており、第4本体側面82eは、各液体収容容器10Eのスタンド部33側に位置している。
【0186】
載置台本体82の本体天面82aには、複数(図51及び図52に示す例では3つ)の枕部92が設けられている。枕部92は、それぞれ本体天面82aから上方(保護カバー86側)へ向けて突出している。枕部92は、それぞれ液体収容容器10Eの胴部12を下方から支持し、液体収容容器10Eが第3本体側面82d側へ倒れないようにする役割を果たす。また枕部92は、胴部12に接触して支持する接触面92aを有する。接触面92aは、胴部12に対応する形状を有していても良い。例えば、胴部12が円筒面又は円錐面を有する場合、接触面92aは、下方(保護カバー86の反対側)に向けて湾曲する円筒面又は円錐面から構成されていても良い。枕部92は、それぞれ収容凹部72に隣接する位置に設けられている。具体的には、枕部92は、その接触面92aが収容凹部72の支持面78a(後述)に対して連続するように形成されている。なお、枕部92の数は、収容凹部72の数と同一にすることが好ましい。
【0187】
このように枕部92を設けたことにより、液体収容容器10Eの胴部12を下方から支え、液体を充填する際に液体収容容器10Eが第3本体側面82d側へ倒れないようにすることができる。すなわち充填する液体が細胞製剤である場合、充填ノズルNの先端が胴部12の内面に接触した状態で液体を充填する(図53参照)。このとき、液体収容容器10Eの胴部12が枕部92に保持される。このため、充填ノズルNの先端を枕部92上に配置することにより、充填ノズルNに押されて液体収容容器10Eが第3本体側面82d側へ倒れることを抑制することができる。また、液体収容容器10Eの胴部12が透明である場合、充填ノズルNの先端を枕部92上に合わせることで、シール予定部20Aに液体が付着することを抑制することができる。なお、枕部92は、透明であっても良いが、枕部92を不透明とした場合、充填ノズルNの先端を枕部92上に合わせやすくすることができる。このため、枕部92の最大高さH1(本体天面82aからの最大距離)(図53参照)は、充填ノズルNの先端を接触面92a上に位置させることができ、かつ接触面92aがシール予定部20Aまで達しないように設定することが好ましい。
【0188】
図54に示すように、載置台本体82の枕部92の接触面92aは、平面視で(本体天面82aの法線方向から見て)、領域Ax(図54の斜線部)の範囲内とすることが好ましい。この領域Axは、平面視でシール予定部20Aの下縁20A2と、開口部15の周縁部15aとによって取り囲まれ、かつ第2端点15c側に位置する領域である。接触面92aが領域Axの範囲内にあることにより、上述したシール予定部20Aに液体が付着することを抑制するとともに、液体収容容器10Eが第3本体側面82d側へ倒れることを抑制する効果が得られやすい。
【0189】
図55に示すように、収容凹部72は、容器保持部78と、容器保持部78に隣接して形成された回転防止部79とを有する。
【0190】
このうち容器保持部78は、液体収容容器10Eの胴部12を保持するものである。容器保持部78は、収容凹部72のうち枕部92側に位置している。容器保持部78は、本体天面82aから下方(保護カバー86の反対側)へ向けて凹んでいる。容器保持部78は、液体収容容器10Eの胴部12を下方から支持するとともに、液体収容容器10Eが収容凹部72から外れにくくする役割を果たす。容器保持部78は、胴部12を支持する支持面78aを有する。支持面78aは、胴部12に対応する形状を有していても良い。例えば、胴部12のうち支持面78aに接する面が円筒面又は円錐面である場合、支持面78aは、下方(保護カバー86の反対側)に向けて湾曲する円筒面又は円錐面から構成されていても良い。支持面78aは、上述した枕部92の接触面92aに対して連続するように形成されていても良い。
【0191】
また、図55及び図56に示すように、容器保持部78のうち回転防止部79側に位置する部分に、挟持部78bが設けられている。挟持部78bは、容器保持部78のうち幅が他の部分よりも狭められた部分である。この挟持部78bは、液体収容容器10Eの胴部12を挟んで保持し、載置台本体82を持ち運んだときに液体収容容器10Eが倒れにくくする役割を果たす。例えば、液体収容容器10Eに液体を充填した後、開口部15を密閉するためにシール機に載置台本体82ごと持ち運ぶ際に、液体収容容器10Eが第4本体側面82e方向に倒れないので、充填操作後の持ち運びや密封作業をスムーズに行うことができる。一方、液体収容容器10Eを載置台本体82から引き上げた際には、液体収容容器10Eの胴部12が挟持部78bから外れるので、液体収容容器10Eを収容凹部72から容易に取り外すことができる。この挟持部78bにおける容器保持部78の幅Wbは、容器保持部78の枕部92側の部分の幅Waよりも狭い(Wb<Wa)。なお、幅Wa、幅Wbは、それぞれ本体天面82aが存在する平面上で、容器本体11Aの中心軸CLに対して垂直な方向に測定した長さいう。
【0192】
図55及び図56に示すように、回転防止部79は、液体収容容器10Eの底部(この場合は係合部であるスタンド部33)を収容するとともに、液体収容容器10Eの底部(スタンド部33)の回転を規制するものである。図55に示すように、回転防止部79は、スタンド部33に接触する凹部底面79aを有する。この凹部底面79aの下縁79b(本体天面82aから遠い側の縁部)は、液体収容容器10Eの底部(非円形)の外縁に対応する(非円形)形状を有している。具体的には、凹部底面79aは、略五角形形状を有しており、その下縁79bは、スタンド部33の外縁に対応する略逆V字形状を有している。このように液体収容容器10Eの底部の回転を規制することにより、開口部15が上方を向かずに液体の充填が困難になることや、開口部15のシールが困難になることを抑制することができる。
【0193】
次に、図51及び図52を参照して、保護カバー86について説明する。保護カバー86は、カバー天面86aと、カバー天面86aからそれぞれ下方(載置台本体82側)に延びる第1カバー側面86b、第2カバー側面86c、第3カバー側面86d及び第4カバー側面86eとを有している。このうちカバー天面86aには、押さえ部91が形成されている。また、第1カバー側面86b及び第2カバー側面86cは、それぞれ液体収容容器10Eの長手方向に沿って延びている。第3カバー側面86d及び第4カバー側面86eは、それぞれ液体収容容器10Eの短手方向(幅方向)に沿って延びている。第3カバー側面86dは、各液体収容容器10Eの開口部15側に位置しており、第4カバー側面86eは、各液体収容容器10Eのスタンド部33側に位置している。なお、第1カバー側面86b~第4カバー側面86eの少なくとも1箇所のコーナー部に、例えばタブ状の開封補助部86f(図51の仮想線参照)を設け、保護カバー86を取り外しやすくしても良い。
【0194】
保護カバー86のカバー天面86aには、複数(図51及び図52に示す例では3つ)の押さえ部91が設けられている。押さえ部91は、それぞれカバー天面86aから下方(載置台本体82側)へ向けて突出している。押さえ部91は、それぞれ液体収容容器10Eの胴部12を上方から押さえ、液体収容容器10Eが載置台本体82から外れないようにする役割を果たす。押さえ部91は、胴部12を押さえる押さえ面91aを有する。押さえ面91aは、胴部12に対応する形状を有していても良い。例えば、胴部12が円筒面又は円錐面を含む場合、押さえ面91aは、上方(カバー天面86a側)に向けて湾曲する円筒面又は円錐面から構成されていても良い。なお、押さえ部91の数は、収容凹部72の数と同一にすることが好ましい。
【0195】
また、押さえ部91は、液体収容容器10Eの開口部15の周縁部15aよりも底部側(第4本体側面82e側)に位置することが好ましい。この場合、図52に示すように、開口部15の周縁部15aが全周にわたって保護カバー86と接触することがない。すなわち開口部15の周縁部15aと保護カバー86のカバー天面86aとの間には、スペースSpが形成される。
【0196】
このように保護カバー86に押さえ部91を設けたことにより、収容凹部72に収容された液体収容容器10Eの胴部12を上方から押さえ、開口部15の周縁部15aが押さえ部91に触れない状態で液体収容容器10Eを固定することができる。これにより、組合体80Gの輸送時に、載置台本体82及び保護カバー86の内部で液体収容容器10Eが大きく動くことがなく、液体収容容器10Eへ損傷や傷が発生することを抑えることができる。また、上述したスペースSpが存在することにより、液体収容容器10Eの開口部15と保護カバー86とが接触することにより微小異物が発生することや、この微小異物が液体収容容器10E内に侵入することを抑えることができる。
【0197】
図57に示すように、複数の組合体80Gは、互いに重ねられるようになっていても良い。この場合、その全体の高さを低くするため、上方に位置する載置台本体82の収容凹部72が、下方に位置する保護カバー86の押さえ部91内に少なくとも部分的に収容されることが好ましい。例えば、押さえ部91に対応するカバー天面86aの天面開口91bを、載置台本体82の回転防止部79よりも大きくし、回転防止部79が天面開口91bに入り込めるようにしても良い。また、図57に示すように、保護カバー86の押さえ部91には、カバー天面86aから傾斜する当接面91cが設けられていても良い。保護カバー86の当接面91cは、複数の組合体80Gを互いに重ねた際、上方に位置する載置台本体82の凹部底面79aに当接する。この当接面91cは、凹部底面79aに対して平行であっても良い。
【0198】
このように、互いに重ねた複数の組合体80Gの全体高さを低く抑えることにより、一度に多くの組合体80Gを持ち運ぶことができる。加えて、充填する液体が細胞製剤である場合、安全キャビネット内で細胞製剤の充填操作をする際、一度に多くの組合体80Gを安全キャビネット内に入れることができ、作業効率を向上することができる。
【0199】
なお、本変形例において、図26に示す液体収容容器10Eを例にとって説明したが、他の任意の液体収容容器10Eを用いても良い。
【0200】
(第8の変形例)
図58及び図59は、本実施の形態の第8の変形例による液体収容容器10Kを示している。図58及び図59に示すように、液体収容容器10Kは、一端に密封可能な開口部15を有するとともに他端に取出部30を有する筒状の容器本体11Aを備えている。容器本体11Aの胴部12の側面には、溝37と係合部としての突起33Eとが設けられている。溝37は、容器本体11Aの側面から内方に向けて凹む。溝37は、断面視でC字状であり(図61参照)、突起33Eを除く全周にわたって設けられている。
【0201】
図60及び図61は、第8の変形例による組合体80Hを示している。図60及び図61に示すように、組合体80Hは、密封前の液体収容容器10Kと、液体収容容器10Kを載置する載置台70Gと、を備えている。
【0202】
載置台70Gの収容凹部72には、係止部93が形成されている。係止部93は、液体収容容器10Kの係合部としての突起33Eに係合する被係合部である。図61に示すように、係止部93は、略U字形状を有しており、一対の係止凸部93aと、一対の係止凸部93a間に位置する係止凹部93bとを有している。液体収容容器10Kの突起33Eが係止凹部93bに収容されることにより、液体収容容器10Kの回転を抑制することができる。これにより、液体収容容器10Kの開口部15が上方を向かずに液体の充填が困難になることや、開口部15のシールが困難になることを抑えることができる。
【0203】
さらに、係止部93の係止凸部93aが、液体収容容器10Kの溝37に収容されている。これにより、載置台70Gを持ち運んだときに、液体収容容器10Kが容器本体11Aの中心軸CLに平行な方向(図60の矢印方向)に抜けないので、充填操作やシール作業をスムーズに行うことができる。
【0204】
(第9の変形例)
図62及び図63は、本実施の形態の第9の変形例による液体収容容器10Lを示している。図62及び図63に示すように、液体収容容器10Lは、一端に密封可能な開口部15を有するとともに他端に取出部30を有する筒状の容器本体11Aを備えている。取出部30には、容器本体11を支持する平板状のスタンド部33が連結されている。容器本体11Aの胴部12の側面には、溝37が設けられている。溝37は、容器本体11Aの側面から内方に向けて凹む。溝37は、胴部12の全周にわたって設けられているが、これに限らず、胴部12の周方向の一部に設けられていても良い。
【0205】
図64は、第9の変形例による組合体80Iを示している。図64に示すように、組合体80Iは、密封前の液体収容容器10Lと、液体収容容器10Lを載置する載置台70Hと、を備えている。
【0206】
載置台70Hの収容凹部72には、突起からなる係止部94が形成されている。係止部94は、液体収容容器10Lの係合部としての溝37に係合する被係合部である。液体収容容器10Lが収容凹部72に収容されたとき、突起からなる係止部94が液体収容容器10Lの溝37に係合する。これにより、載置台70Hを持ち運んだときに、液体収容容器10Lが容器本体11Aの中心軸CLに平行な方向(図64の矢印方向)に抜けないので、充填操作やシール作業をスムーズに行うことができる。
【0207】
(第10の変形例)
図65は、本実施の形態の第10の変形例による組合体80Jを示している。図65に示すように、組合体80Jは、密封前の液体収容容器10Eと、液体収容容器10Eを載置する載置台70Iと、を備えている。この場合、載置台70Iは、固定板95と、固定板95から突出する押さえ突起96とを有する。複数の液体収容容器10Eは、2つの押さえ突起96の間に挟まれることによって、固定板95に対して着脱可能に固定される。固定板95の高さH2は、液体収容容器10Eを固定板95に取り付けた状態でシール予定部20Aが固定板95に重ならない程度の高さとすることが好ましい。複数の液体収容容器10Eは、載置台70Iに固定された状態で、収容箱97に収容される。このとき、容器本体11Aの中心軸CLは、収容箱97の箱底面97aに対して傾斜しており、液体収容容器10Eの開口部15が箱底面97aに対して反対側を向くようになっている。この場合、多数(例えば数本~数十本)の液体収容容器10Eに対してまとめて輸送、充填、及び封止することができ、多数の液体収容容器10Eを小さいスペースに配置することができる。
【0208】
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0209】
10 液体収容容器
11 容器本体
12 胴部
20 密封部
21 シール線
22、23 第1コーナー部
30 取出部
31 薄肉部
32 連結部
33 スタンド部
40 液体入り容器
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