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特開2024-79829アレルギーの抗原およびそのエピトープ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079829
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】アレルギーの抗原およびそのエピトープ
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/415 20060101AFI20240604BHJP
   C07K 7/06 20060101ALI20240604BHJP
   C07K 16/16 20060101ALI20240604BHJP
   A23L 33/18 20160101ALI20240604BHJP
   A23L 33/185 20160101ALI20240604BHJP
   A61K 39/35 20060101ALI20240604BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20240604BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240604BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
C07K14/415
C07K7/06 ZNA
C07K16/16
A23L33/18
A23L33/185
A61K39/35
A61K49/00
A61P37/08
G01N33/53 Q
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059871
(22)【出願日】2024-04-03
(62)【分割の表示】P 2022076094の分割
【原出願日】2017-09-05
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2017/008593
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】000125381
【氏名又は名称】学校法人藤田学園
(71)【出願人】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】松永 佳世子
(72)【発明者】
【氏名】矢上 晶子
(72)【発明者】
【氏名】下條 尚志
(72)【発明者】
【氏名】大野 史晃
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大豆に対するアレルギーの新規抗原、大豆に対するアレルギーの診断方法および診断キット、当該抗原を含む医薬組成物、当該抗原が除去された大豆または大豆加工品、ならびに対象物における大豆抗原の有無を判定するためのテスターを提供する。
【解決手段】アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するポリペプチドであって、特定のアミノ酸配列を含むポリペプチド、前記ポリペプチドの少なくとも一つを含む、アレルギーの診断キット、およびアレルギーの診断用組成物であって、前記ポリペプチドの少なくとも一つを抗原として含む、前記診断用組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するポリペプチドであって、以下:
(1β)配列番号650~660からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(2β)配列番号661~692からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(4β)配列番号717~731からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(5β)配列番号732~738からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(6β)配列番号739、740からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(7β)配列番号741~744からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(9β)配列番号745~749からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(11β)配列番号751~754からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(12β)配列番号755のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(13β)配列番号756~758のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(14β)配列番号759~764からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(15β)配列番号765、766からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(17β)配列番号767のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(18β)配列番号750、768~775からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(19β)配列番号776~787からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(25β)配列番号814、815からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(26β)配列番号816~819からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(27β)配列番号820のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(28β)配列番号821~835からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(29β)配列番号836~839からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(34β)配列番号840~846からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(35β)配列番号847~856からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(36β)配列番号857~861からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(38β)配列番号862~892からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(39β)配列番号893~895からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(40β)配列番号896~902からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸
配列を含むポリペプチド;
(41β)配列番号903のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(42β)配列番号904~906からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(45β)配列番号910~912からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(46β)配列番号913~915からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(47β)配列番号916~918からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(48β)配列番号919~922からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(50β)配列番号924~927からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(51β)配列番号928~930からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(52β)配列番号931~938からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(53β)配列番号939のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(54β)配列番号940~943からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(55β)配列番号944~952からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
のいずれか一つである、前記ポリペプチド。
【請求項2】
アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するポリペプチドであって、以下:
(3β)配列番号693~716からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(20β)配列番号788~792からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(21β)配列番号793~802からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(22β)配列番号803~808からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(23β)配列番号809~812からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(24β)配列番号813のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(44β)配列番号907~909からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(49β)配列番号923のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(57β)配列番号953~955からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(58β)配列番号956~960からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(59β)配列番号961、962からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(60β)配列番号963のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
のいずれか一つである、前記ポリペプチド。
【請求項3】
アミノ酸残基数が500以下である、請求項1または2のいずれか1項に記載のポリペ
プチド。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つを含む、アレルギーの診断キット。
【請求項5】
アレルギーの診断用組成物であって、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、を抗原として含む、前記診断用組成物。
【請求項6】
対象のアレルギーを診断するための指標を提供する方法であって、以下の工程:
(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる、ここで当該試料はIg抗体が含まれる溶液である;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象がアレルギーであることの指標が提供される;
を含み、ここで当該抗原は、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、である、前記方法。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、を含む医薬組成物。
【請求項8】
アレルギーを治療するための、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、と結合する抗体を含むことを特徴とする、対象物における抗原の有無を判定するためのテスター。
【請求項10】
抗原が除去又は低減されている、またはポリペプチドが切断または取り除かれていることを特徴とする食品原料又は食用加工品であって、当該抗原は請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、である、前記食品原料又は食用加工品。
【請求項11】
抗原が除去又は低減されている、またはポリペプチドが切断または取り除かれている食用加工品の製造方法であって、当該加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されている、またはポリペプチドが切断または取り除かれていることを確認するステップを有する、ここで当該抗原は請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つである、前記製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大豆に対するアレルギーの新規抗原に関する。本発明はまた、大豆に対するアレルギーの診断キット、診断用組成物、及び診断方法に関する。本発明はまた、当該抗原を含む医薬組成物、及び当該抗原が除去又は低減された大豆又は大豆加工品に関する。本発明はさらに、対象物における大豆抗原の有無を判定するためのテスターに関する。
【0002】
本発明はまた、アレルゲンのエピトープを含むポリペプチドに関する。本発明はまた、当該ポリペプチドを含むアレルギーの診断キット、診断用組成物、及び診断方法に関する。本発明はまた、当該ポリペプチドを含む医薬組成物、及び当該ポリペプチドを含む抗原が除去又は低減若しくは当該ポリペプチドを切断又は取り除かれた食品原料または食用加工品に関する。本発明はさらに、当該抗原が除去又は低減された食用加工品の製造方法に関する。本発明はさらにまた、対象物における当該ポリペプチドを含む抗原の有無を判定するためのテスターに関する。
【背景技術】
【0003】
アレルギー患者の血液及び組織中では、特定の抗原に特異的なIgE抗体が産生される。このIgE抗体と特定の抗原の相互作用により生じた生理学的結果によりアレルギー反応が惹起される。
【0004】
従来のアレルギー検査薬においては、単にアレルゲン候補の食品・材料等をすりつぶして抗原試薬を作成していることが多い(特許文献1)。このように従来の抗原試薬は、必ずしもアレルギー反応を引き起こす特定の抗原タンパク質(アレルゲンコンポーネント)を単独で含有するものではなく、複数のタンパク質成分を含むものである。したがって、従来の抗原試薬においては、アレルゲンコンポーネントごとに含有量が異なっていた。このため、従来の抗原試薬中に含まれる多数のタンパク質の中で、IgE抗体との結合について陽性反応が判定可能な閾値を超える含有量のタンパク質がアレルゲンコンポーネントであった場合にのみ、アレルギー検査における陽性反応を検出することが可能であった。逆に、食品等のアレルゲン中の含有量が少ないアレルゲンコンポーネントにIgE抗体が結びつく患者については、従来のアレルギー検査薬を用いても陽性反応が判定できず、診断効率は十分に高いとはいえない状態であった。
【0005】
また、アレルギー反応の症状や重篤度は、アレルゲンコンポーネントの含有量とは必ずしも相関しない。アレルゲン候補の食品・材料中に微量に含まれるアレルゲンコンポーネントに患者のIgE抗体が反応する場合であってもアレルギー症状が現れたり、重篤度に関与したりする場合がある。
【0006】
粗抗原を構成する一つ一つのコンポーネントに対するIgE抗体を調べることにより、診断に直結する感作と汎アレルゲン等による交差抗原性に基づく感作を区別して診断効率を上げる試みも進められている。大豆アレルゲンに関しては、現在、8つが世界保健機関/国際免疫連合(WHO/IUIS)に登録されている。
【0007】
しかしながら、アレルギー検査の信頼度を高めるためには、アレルゲン候補の食品・材料において、アレルゲンコンポーネントを網羅的に特定する必要があるところ、上記アレルゲンコンポーネントの測定による患者検出率はまだまだ不十分である。大豆の新規アレルゲンを同定することは、診断薬の精度を高めるだけでなく、低アレルゲン食品や治療薬のターゲットとしても非常に重要である。
【0008】
一方、タンパク質の分離・精製に関しては、従来、細胞抽出物などからタンパク質や核酸を分離・精製する方法が種々に検討されてきている。塩濃度を利用した透析、遠心分離などはその一例であるといえる。
【0009】
また、タンパク質や核酸の残基が有する電荷や、分子量の違いを利用した精製方法も多数検討されている。電荷を利用した精製方法としては、イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーや等電点電気泳動を例示できる。分子量の違いを利用した精製方法としては遠心分離、分子量ふるいによるカラムクロマトグラフィーやSDS-PAGE(ドデ
シル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)を例示できる。
【0010】
近年、少量のサンプルから多様なタンパク質を分離精製する方法として、1次元目に等電点電気泳動を行い、2次元目にSDS-PAGEを行う2次元電気泳動法が用いられている。出願人らはこれまでに、分離能が高い2次元電気泳動法を開発してきた(特許文献2~5)。
【0011】
アレルゲン特異的IgE抗体は、アレルゲンコンポーネント中の特定のアミノ酸配列であるエピトープを認識して結合する。しかしながら、アレルゲンコンポーネントについてエピトープまで解析されている例は若干数あるもの(非特許文献1)の極めて少ないのが現状である。また、エピトープを含むポリペプチドを利用したアレルギーの診断キットも現時点では市場に存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002-286716
【特許文献2】特開2011-33544
【特許文献3】特開2011-33546
【特許文献4】特開2011-33547
【特許文献5】特開2011-33548
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Matsuo, H., et al., J. Biol. Chem., (2004), Vol.279, No.13, pp.12135-12140
【非特許文献2】Zhao, L., et al., PLoS One. 2017 Aug 11; 12(8):e0182935. doi: 10.1371/journal.pone.0182935. eCollection 2017.
【非特許文献3】Cong, Y., et al., J Dairy Sci. 2013; 96(11):6870-6. doi: 10.3168/jds.2013-6880. Epub 2013 Sep 12.
【非特許文献4】Beezhold, D. H., et al., J Allergy Clin Immunol. 2001 Jun; 107(6):1069-76.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、大豆に対するアレルギーの新規抗原を提供する。本発明はまた、大豆に対するアレルギーの診断方法及び診断キットを提供する。本発明はまた、当該抗原を含む医薬組成物、及び当該抗原が除去又は低減された大豆又は大豆加工品を提供する。本発明はさらに、対象物における大豆抗原の有無を判定するためのテスターを提供する。
【0015】
本発明はまた、アレルゲンのエピトープを含むポリペプチドを提供する。本発明はまた、アレルギーの診断キット、診断用組成物、及び診断方法を提供する。本発明はまた、当該ポリペプチドを含む医薬組成物、及び当該ポリペプチドを含む抗原が除去又は低減若しくは当該ポリペプチドを切断又は取り除かれた食品原料または食用加工品を提供する。本
発明はさらに、当該抗原が除去又は低減された食用加工品の製造方法に関する。本発明はさらにまた、対象物における当該ポリペプチドを含む抗原の有無を判定するためのテスターを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記課題を解決するためにアレルギーの原因抗原特定について鋭意研究を行った。その結果、アレルギーを有する患者の血清中のIgE抗体が特異的に結合する新規な抗原を特定することに成功した。当該知見に基づいて、本発明は完成された。
【0017】
すなわち、一態様において、本発明は以下のとおりであってよい。
【0018】
[1]大豆アレルギーの診断キットであって、以下(1α)~(55α)のタンパク質の少なくとも一つ:
(1α)(1αA1)endoplasmin homolog isoform X2又はその変異体であって、以下の(1αA1-a)~(1αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(1αA1-a)配列番号70において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(1αA1-b)配列番号70で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(1αA1-c)配列番号69において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(1αA1-d)配列番号69で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(1αA1-e)配列番号69で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(1αB1)配列番号71~87からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(1αA2)endoplasmin homolog isoform X2又はその変異体であって、以下の(1αA2-a)~(1αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(1αA2-a)配列番号89において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(1αA2-b)配列番号89で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(1αA2-c)配列番号88において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(1αA2-d)配列番号88で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(1αA2-e)配列番号88で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(1αB2)配列番号90~104からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(2α)(2αA1)heat shock cognate protein 80又はその変異体であって、以下の
(2αA1-a)~(2αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(2αA1-a)配列番号106において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA1-b)配列番号106で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA1-c)配列番号105において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、
挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA1-d)配列番号105で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(2αA1-e)配列番号105で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αB1)配列番号107~120からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(2αA2)heat shock protein 90-1又はその変異体であって、以下の(2αA2-
a)~(2αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(2αA2-a)配列番号122において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA2-b)配列番号122で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA2-c)配列番号121において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA2-d)配列番号121で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(2αA2-e)配列番号121で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(2αB2)配列番号123~137からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(2αA3)hypothetical protein GLYMA_02G302500又はその変異体であって、以下の(2αA3-a)~(2αA3-e)のいずれかのタンパク質:
(2αA3-a)配列番号139において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA3-b)配列番号139で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA3-c)配列番号138において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(2αA3-d)配列番号138で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(2αA3-e)配列番号138で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(2αB3)配列番号140~153からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(4α)(4αA)embryo-specific urease isoform X1又はその変異体であって、以下
の(4αA-a)~(4αA-e)のいずれかのタンパク質:
(4αA-a)配列番号155において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(4αA-b)配列番号155で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(4αA-c)配列番号154において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(4αA-d)配列番号154で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(4αA-e)配列番号154で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸
配列を含むタンパク質;又は
(4αB)配列番号156および157からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(5α)(5αA)alpha-1,4 glucan phosphorylase L isozyme, chloroplastic/amyloplastic又はその変異体であって、以下の(5αA-a)~(5αA-e)のいずれかのタンパク質:
(5αA-a)配列番号159において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(5αA-b)配列番号159で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(5αA-c)配列番号158において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(5αA-d)配列番号158で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(5αA-e)配列番号158で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(5αB)配列番号160および161からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(6α)(6αA1)aconitate hydratase 1又はその変異体であって、以下の(6αA
1-a)~(6αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(6αA1-a)配列番号163において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(6αA1-b)配列番号163で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(6αA1-c)配列番号162において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(6αA1-d)配列番号162で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(6αA1-e)配列番号162で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(6αB1)配列番号164~167からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;又は
(6αA2)aconitate hydratase 1又はその変異体であって、以下の(6αA2-a)
~(6αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(6αA2-a)配列番号169において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(6αA2-b)配列番号169で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(6αA2-c)配列番号168において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(6αA2-d)配列番号168で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(6αA2-e)配列番号168で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(6αB2)配列番号170~172からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(7α)(7αA)methionine synthase又はその変異体であって、以下の(7αA-a
)~(7αA-e)のいずれかのタンパク質:
(7αA-a)配列番号174において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(7αA-b)配列番号174で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(7αA-c)配列番号173において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(7αA-d)配列番号173で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(7αA-e)配列番号173で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(7αB)配列番号175~187からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(8α)(8αA)transketolase, chloroplastic又はその変異体であって、以下の(8αA-a)~(8αA-e)のいずれかのタンパク質:
(8αA-a)配列番号189において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(8αA-b)配列番号189で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(8αA-c)配列番号188において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(8αA-d)配列番号188で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(8αA-e)配列番号188で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(8αB)配列番号190~199からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(9α)(9αA)lysine-tRNA ligase, cytoplasmic-like isoform X2又はその変異体
であって、以下の(9αA-a)~(9αA-e)のいずれかのタンパク質:
(9αA-a)配列番号201において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(9αA-b)配列番号201で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(9αA-c)配列番号200において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(9αA-d)配列番号200で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(9αA-e)配列番号200で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(9αB)配列番号202で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10α)(10αA1)chaperonin CPN60-2, mitochondrial又はその変異体であって
、以下の(10αA1-a)~(10αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(10αA1-a)配列番号204において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10αA1-b)配列番号204で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10αA1-c)配列番号203において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換
、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10αA1-d)配列番号203で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(10αA1-e)配列番号203で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10αB1)配列番号205~218からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(10αA2)chaperonin CPN60-2, mitochondrial-like isoform X1又はその変異体
であって、以下の(10αA2-a)~(10αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(10αA2-a)配列番号220において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10αA2-b)配列番号220で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10αA2-c)配列番号219において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(10αA2-d)配列番号219で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(10αA2-e)配列番号219で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(10αB2)配列番号221~231からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(11α)(11αA)polyadenylate-binding protein 8 isoform X3又はその変異体であって、以下の(11αA-a)~(11αA-e)のいずれかのタンパク質:
(11αA-a)配列番号233において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(11αA-b)配列番号233で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(11αA-c)配列番号232において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(11αA-d)配列番号232で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(11αA-e)配列番号232で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(11αB)配列番号234~237からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(12α)(12αA)pyrophosphate-fructose 6-phosphate 1-phosphotransferase subunit alpha-like又はその変異体であって、以下の(12αA-a)~(12αA-e)のいずれかのタンパク質:
(12αA-a)配列番号239において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(12αA-b)配列番号239で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(12αA-c)配列番号238において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(12αA-d)配列番号238で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(12αA-e)配列番号238で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からな
る核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(12αB)配列番号240に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13α)(13αA1)protein disulfide isomerase-like protein precursor又はその変異体であって、以下の(13αA1-a)~(13αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(13αA1-a)配列番号242において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13αA1-b)配列番号242で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13αA1-c)配列番号241において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13αA1-d)配列番号241で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(13αA1-e)配列番号241で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13αB1)配列番号243~252からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(13αA2)protein disulfide-isomerase又はその変異体であって、以下の(13
αA2-a)~(13αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(13αA2-a)配列番号254において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13αA2-b)配列番号254で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13αA2-c)配列番号253において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(13αA2-d)配列番号253で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(13αA2-e)配列番号253で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(13αB2)配列番号255~278からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(14α)(14αA1)V-type proton ATPase subunit B 2又はその変異体であって、以下の(14αA1-a)~(14αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(14αA1-a)配列番号280において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(14αA1-b)配列番号280で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(14αA1-c)配列番号279において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(14αA1-d)配列番号279で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(14αA1-e)配列番号279で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(14αB1)配列番号281~284からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(14αA2)V-type proton ATPase subunit B 2又はその変異体であって、以下の(
14αA2-a)~(14αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(14αA2-a)配列番号286において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(14αA2-b)配列番号286で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(14αA2-c)配列番号285において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(14αA2-d)配列番号285で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(14αA2-e)配列番号285で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(14αB2)配列番号287~289からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(15,16α)(15,16αA1)UTP-glucose-1-phosphate uridylyltransferase
又はその変異体であって、以下の(15,16αA1-a)~(15,16αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(15,16αA1-a)配列番号291において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(15,16αA1-b)配列番号291で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(15,16αA1-c)配列番号290において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(15,16αA1-d)配列番号290で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(15,16αA1-e)配列番号290で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(15,16αB1)配列番号292~304からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(15,16αA2)hypothetical protein GLYMA_02G241100又はその変異体であって、以下の(15,16αA2-a)~(15,16αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(15,16αA2-a)配列番号306において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(15,16αA2-b)配列番号306で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(15,16αA2-c)配列番号305において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(15,16αA2-d)配列番号305で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(15,16αA2-e)配列番号305で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(15,16αB2)配列番号307~318からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(17α)(17αA1)guanosine nucleotide diphosphate dissociation inhibitor 2又はその変異体であって、以下の(17αA1-a)~(17αA1-e)のいずれか
のタンパク質:
(17αA1-a)配列番号320において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(17αA1-b)配列番号320で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(17αA1-c)配列番号319において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(17αA1-d)配列番号319で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(17αA1-e)配列番号319で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(17αB1)配列番号321~325からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(17αA2)rab GDP dissociation inhibitor alpha-like又はその変異体であって、
以下の(17αA2-a)~(17αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(17αA2-a)配列番号327において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(17αA2-b)配列番号327で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(17αA2-c)配列番号326において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(17αA2-d)配列番号326で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(17αA2-e)配列番号326で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(17αB2)配列番号328~332からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(18α)(18αA)hypothetical protein GLYMA_10G028300又はその変異体であって、以下の(18αA-a)~(18αA-e)のいずれかのタンパク質:
(18αA-a)配列番号334において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(18αA-b)配列番号334で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(18αA-c)配列番号333において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(18αA-d)配列番号333で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(18αA-e)配列番号333で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(18αB)配列番号335~339からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(19α)(19αA)sucrose binding protein homolog S-64又はその変異体であって、以下の(19αA-a)~(19αA-e)のいずれかのタンパク質:
(19αA-a)配列番号341において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(19αA-b)配列番号341で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(19αA-c)配列番号340において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(19αA-d)配列番号340で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(19αA-e)配列番号340で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(19αB)配列番号342~346からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(25α)(25αA1)succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial又はその変異体であって、以下の(25αA1-a)~(25αA1-e)のいず
れかのタンパク質:
(25αA1-a)配列番号348において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(25αA1-b)配列番号348で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(25αA1-c)配列番号347において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(25αA1-d)配列番号347で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(25αA1-e)配列番号347で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(25αB1)配列番号349~356からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(25αA2)succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial又
はその変異体であって、以下の(25αA2-a)~(25αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(25αA2-a)配列番号358において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(25αA2-b)配列番号358で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(25αA2-c)配列番号357において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(25αA2-d)配列番号357で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(25αA2-e)配列番号357で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(25αB2)配列番号359~365からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(26α)(26αA1)phosphoglycerate kinase, cytosolic又はその変異体であって、以下の(26αA1-a)~(26αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(26αA1-a)配列番号367において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA1-b)配列番号367で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA1-c)配列番号366において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA1-d)配列番号366で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基
配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(26αA1-e)配列番号366で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αB1)配列番号368~382からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(26αA2)phosphoglycerate kinase, cytosolic又はその変異体であって、以下の(26αA2-a)~(26αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(26αA2-a)配列番号384において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA2-b)配列番号384で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA2-c)配列番号383において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA2-d)配列番号383で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(26αA2-e)配列番号383で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αB2)配列番号385~392からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(26αA3)phosphoglycerate kinase, cytosolic又はその変異体であって、以下の(26αA3-a)~(26αA3-e)のいずれかのタンパク質:
(26αA3-a)配列番号394において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA3-b)配列番号394で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA3-c)配列番号393において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(26αA3-d)配列番号393で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(26αA3-e)配列番号393で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(26αB3)配列番号395~409からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(27α)(27αA1)alcohol dehydrogenase 1又はその変異体であって、以下の(
27αA1-a)~(27αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(27αA1-a)配列番号411において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA1-b)配列番号411で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA1-c)配列番号410において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA1-d)配列番号410で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(27αA1-e)配列番号410で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αB1)配列番号412~416からなる群より選択されるアミノ酸配列の少な
くとも一つを含むタンパク質;
(27αA2)alcohol dehydrogenase 1又はその変異体であって、以下の(27αA
2-a)~(27αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(27αA2-a)配列番号418において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA2-b)配列番号418で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA2-c)配列番号417において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA2-d)配列番号417で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(27αA2-e)配列番号417で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αB2)配列番号419および420からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(27αA3)alcohol dehydrogenase 1-like又はその変異体であって、以下の(27αA3-a)~(27αA3-e)のいずれかのタンパク質:
(27αA3-a)配列番号422において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA3-b)配列番号422で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA3-c)配列番号421において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(27αA3-d)配列番号421で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(27αA3-e)配列番号421で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(27αB3)配列番号423~427からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(28α)(28αA)35 kDa seed maturation protein isoform X1又はその変異体で
あって、以下の(28αA-a)~(28αA-e)のいずれかのタンパク質:
(28αA-a)配列番号429において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(28αA-b)配列番号429で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(28αA-c)配列番号428において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(28αA-d)配列番号428で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(28αA-e)配列番号428で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(28αB)配列番号430~433からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(29-33α)(29-33αA1)glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoform X1又はその変異体であって、以下の(29-33αA1-a)~(29-33αA
1-e)のいずれかのタンパク質:
(29-33αA1-a)配列番号435において1又は数個のアミノ酸が欠失、置
換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA1-b)配列番号435で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA1-c)配列番号434において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA1-d)配列番号434で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(29-33αA1-e)配列番号434で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αB1)配列番号436~439からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(29-33αA2)glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase, cytosolic又はそ
の変異体であって、以下の(29-33αA2-a)~(29-33αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(29-33αA2-a)配列番号441において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA2-b)配列番号441で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA2-c)配列番号440において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA2-d)配列番号440で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(29-33αA2-e)配列番号440で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αB2)配列番号442~445からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(29-33αA3)uncharacterized protein LOC100782924又はその変異体であって、以下の(29-33αA3-a)~(29-33αA3-e)のいずれかのタンパク質:
(29-33αA3-a)配列番号447において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA3-b)配列番号447で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA3-c)配列番号446において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(29-33αA3-d)配列番号446で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(29-33αA3-e)配列番号446で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(29-33αB3)配列番号448~451からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(34α)(34αA1)bifunctional UDP-glucose 4-epimerase and UDP-xylose 4-epimerase 1-like又はその変異体であって、以下の(34αA1-a)~(34αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(34αA1-a)配列番号453において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αA1-b)配列番号453で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αA1-c)配列番号452において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αA1-d)配列番号452で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(34αA1-e)配列番号452で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αB1)配列番号454で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αA2)uncharacterized protein LOC100803483又はその変異体であって、以下の(34αA2-a)~(34αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(34αA2-a)配列番号456において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αA2-b)配列番号456で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αA2-c)配列番号455において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(34αA2-d)配列番号455で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(34αA2-e)配列番号455で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(34αB2)配列番号457および458からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(35α)(35αA1)elongation factor 1-alpha又はその変異体であって、以下の
(35αA1-a)~(35αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(35αA1-a)配列番号460において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA1-b)配列番号460で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA1-c)配列番号459において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA1-d)配列番号459で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(35αA1-e)配列番号459で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αB1)配列番号461~466からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(35αA2)elongation factor 1-alpha又はその変異体であって、以下の(35α
A2-a)~(35αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(35αA2-a)配列番号468において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA2-b)配列番号468で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA2-c)配列番号467において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA2-d)配列番号467で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(35αA2-e)配列番号467で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αB2)配列番号469~471からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(35αA3)elongation factor-1A isoform X1又はその変異体であって、以下の(3
5αA3-a)~(35αA3-e)のいずれかのタンパク質:
(35αA3-a)配列番号473において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA3-b)配列番号473で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA3-c)配列番号472において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(35αA3-d)配列番号472で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(35αA3-e)配列番号472で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(35αB3)配列番号474~477からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(36,37α)(36,37αA1)seed maturation protein PM34又はその変異体であって、以下の(36,37αA1-a)~(36,37αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(36,37αA1-a)配列番号479において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA1-b)配列番号479で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA1-c)配列番号478において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA1-d)配列番号478で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(36,37αA1-e)配列番号478で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αB1)配列番号480~483からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(36,37αA2)uncharacterized protein LOC100809384又はその変異体であって、以下の(36,37αA2-a)~(36,37αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(36,37αA2-a)配列番号485において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA2-b)配列番号485で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA2-c)配列番号484において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA2-d)配列番号484で示される塩基配列と同一性が70%以上
の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(36,37αA2-e)配列番号484で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αB2)配列番号486および487からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(36,37αA3)hypothetical protein GLYMA_10G155300又はその変異体であって、以下の(36,37αA3-a)~(36,37αA3-e)のいずれかのタンパク質:
(36,37αA3-a)配列番号489において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA3-b)配列番号489で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA3-c)配列番号488において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(36,37αA3-d)配列番号488で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(36,37αA3-e)配列番号488で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(36,37αB3)配列番号490~493からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(38α)(38αA)seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1又はその変異体であって、以下の(38αA-a)~(38αA-e)のいずれかのタンパク質:
(38αA-a)配列番号495において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(38αA-b)配列番号495で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(38αA-c)配列番号494において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(38αA-d)配列番号494で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(38αA-e)配列番号494で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(38αB)配列番号496~513からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(39α)(39αA)ATP synthase subunit O, mitochondrial-like又はその変異体であって、以下の(39αA-a)~(39αA-e)のいずれかのタンパク質:
(39αA-a)配列番号515において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(39αA-b)配列番号515で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(39αA-c)配列番号514において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(39αA-d)配列番号514で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(39αA-e)配列番号514で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ
酸配列を含むタンパク質;又は
(39αB)配列番号516で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(40,56α)(40,56αA)P24 oleosin isoform A又はその変異体であって、
以下の(40,56αA-a)~(40,56αA-e)のいずれかのタンパク質:
(40,56αA-a)配列番号518において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(40,56αA-b)配列番号518で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(40,56αA-c)配列番号517において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(40,56αA-d)配列番号517で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(40,56αA-e)配列番号517で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(40,56αB)配列番号519および520からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(41α)(41αA)uncharacterized protein At3g49720-like isoform X2又はその
変異体であって、以下の(41αA-a)~(41αA-e)のいずれかのタンパク質:
(41αA-a)配列番号522において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(41αA-b)配列番号522で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(41αA-c)配列番号521において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(41αA-d)配列番号521で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(41αA-e)配列番号521で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(41αB)配列番号523で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43α)(42,43αA1)superoxide dismutase [Mn], mitochondrial又はその変異体であって、以下の(42,43αA1-a)~(42,43αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(42,43αA1-a)配列番号525において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43αA1-b)配列番号525で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43αA1-c)配列番号524において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43αA1-d)配列番号524で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(42,43αA1-e)配列番号524で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43αB1)配列番号526~531からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(42,43αA2)hypothetical protein GLYMA_04G221300又はその変異体であって、以下の(42,43αA2-a)~(42,43αA2-e)のいずれかのタンパク質

(42,43αA2-a)配列番号533において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43αA2-b)配列番号533で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43αA2-c)配列番号532において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(42,43αA2-d)配列番号532で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(42,43αA2-e)配列番号532で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(42,43αB2)配列番号534~539からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(45α)(45αA1)uncharacterized protein LOC100499771又はその変異体であって、以下の(45αA1-a)~(45αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(45αA1-a)配列番号541において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(45αA1-b)配列番号541で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(45αA1-c)配列番号540において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(45αA1-d)配列番号540で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(45αA1-e)配列番号540で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(45αB1)配列番号542~545からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(45αA2)hypothetical protein GLYMA_09G192800又はその変異体であって、以下の(45αA2-a)~(45αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(45αA2-a)配列番号547において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(45αA2-b)配列番号547で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(45αA2-c)配列番号546において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(45αA2-d)配列番号546で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(45αA2-e)配列番号546で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(45αB2)配列番号548~551からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(46α)(46αA)seed maturation protein PM22又はその変異体であって、以下の(46αA-a)~(46αA-e)のいずれかのタンパク質:
(46αA-a)配列番号553において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(46αA-b)配列番号553で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のア
ミノ酸配列を含むタンパク質;
(46αA-c)配列番号552において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(46αA-d)配列番号552で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(46αA-e)配列番号552で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(46αB)配列番号554で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47α)(47αA1)eukaryotic translation initiation factor 5A-2又はその変
異体であって、以下の(47αA1-a)~(47αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(47αA1-a)配列番号556において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47αA1-b)配列番号556で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47αA1-c)配列番号555において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47αA1-d)配列番号555で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(47αA1-e)配列番号555で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47αB1)配列番号557および558からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(47αA2)uncharacterized protein LOC100305510又はその変異体であって、以下の(47αA2-a)~(47αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(47αA2-a)配列番号560において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47αA2-b)配列番号560で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47αA2-c)配列番号559において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(47αA2-d)配列番号559で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(47αA2-e)配列番号559で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(47αB2)配列番号561~563からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(48α)(48αA)uncharacterized protein LOC100306570又はその変異体であって、以下の(48αA-a)~(48αA-e)のいずれかのタンパク質:
(48αA-a)配列番号565において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(48αA-b)配列番号565で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(48αA-c)配列番号564において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(48αA-d)配列番号564で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(48αA-e)配列番号564で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(48αB)配列番号566~570からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(50α)(50αA)uncharacterized protein LOC100813859又はその変異体であって、以下の(50αA-a)~(50αA-e)のいずれかのタンパク質:
(50αA-a)配列番号572において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(50αA-b)配列番号572で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(50αA-c)配列番号571において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(50αA-d)配列番号571で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(50αA-e)配列番号571で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(50αB)配列番号573~576からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(51α)(51αA)14-3-3-like protein又はその変異体であって、以下の(51α
A-a)~(51αA-e)のいずれかのタンパク質:
(51αA-a)配列番号578において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(51αA-b)配列番号578で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(51αA-c)配列番号577において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(51αA-d)配列番号577で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(51αA-e)配列番号577で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(51αB)配列番号579~582からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(52α)(52αA)probable fructokinase-4又はその変異体であって、以下の(5
2αA-a)~(52αA-e)のいずれかのタンパク質:
(52αA-a)配列番号584において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(52αA-b)配列番号584で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(52αA-c)配列番号583において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(52αA-d)配列番号583で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(52αA-e)配列番号583で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(52αB)配列番号585~588からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(53α)(53αA1)triosephosphate isomerase isoform X1又はその変異体であって、以下の(53αA1-a)~(53αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(53αA1-a)配列番号590において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αA1-b)配列番号590で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αA1-c)配列番号589において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αA1-d)配列番号589で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(53αA1-e)配列番号589で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αB1)配列番号591~597からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(53αA2)triosephosphate isomerase, cytosolic又はその変異体であって、以下の(53αA2-a)~(53αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(53αA2-a)配列番号599において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αA2-b)配列番号599で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αA2-c)配列番号598において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αA2-d)配列番号598で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(53αA2-e)配列番号598で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(53αB2)配列番号600~604からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(54α)(54αA1)superoxide dismutase [Fe], chloroplastic isoform X1又は
その変異体であって、以下の(54αA1-a)~(54αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(54αA1-a)配列番号606において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(54αA1-b)配列番号606で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(53αA1-c)配列番号605において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(54αA1-d)配列番号605で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(54αA1-e)配列番号605で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(54αB1)配列番号607~611からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(54αA2)iron-superoxide dismutase又はその変異体であって、以下の(54αA
2-a)~(54αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(54αA2-a)配列番号613において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(54αA2-b)配列番号613で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(54αA2-c)配列番号612において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(54αA2-d)配列番号612で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(54αA2-e)配列番号612で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(54αB2)配列番号614~616からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;又は
(55α)(55αA1)51 kDa seed maturation protein precursor又はその変異体であって、以下の(55αA1-a)~(55αA1-e)のいずれかのタンパク質:
(55αA1-a)配列番号618において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(55αA1-b)配列番号618で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(55αA1-c)配列番号617において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(55αA1-d)配列番号617で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(55αA1-e)配列番号617で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(55αB1)配列番号619~635からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
(55αA2)Lea protein precursor又はその変異体であって、以下の(55αA2-
a)~(55αA2-e)のいずれかのタンパク質:
(55αA2-a)配列番号637において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質;
(55αA2-b)配列番号637で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(55αA2-c)配列番号636において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;
(55αA2-d)配列番号636で示される塩基配列と同一性が70%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;もしくは
(55αA2-e)配列番号636で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質;又は
(55αB2)配列番号638~649からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質;
を抗原として含む、前記診断キット。
【0019】
[2]大豆アレルギーの診断用組成物であって、上記[1]において(1α)~(55α)として特定されるタンパク質の少なくとも一つ、を抗原として含む、前記診断用組成物。
【0020】
[3]対象の大豆アレルギーを診断するための指標を提供する方法であって、以下の工程:
(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる、ここで当該試料はIg抗体が含まれる
溶液である;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象が大豆アレルギーであることの指標が提供される;
を含み、ここで当該抗原は、上記[1]において(1α)~(55α)として特定されるタンパク質の少なくとも一つ、である、前記方法。
【0021】
[4]上記[1]において(1α)~(55α)として特定されるタンパク質の少なくとも一つを含む医薬組成物。
【0022】
[5]大豆アレルギーを治療するための上記[4]に記載の医薬組成物。
【0023】
[6]抗原が除去又は低減されていることを特徴とする大豆又は大豆加工品であって、当該抗原は上記[1]において(1α)~(55α)として特定されるタンパク質の少なくとも一つ、である、前記大豆または大豆加工品。
【0024】
[7]抗原が除去または低減されている大豆加工品の製造方法であって、当該加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されていることを確認するステップを有する、ここで当該抗原は上記[1]において(1α)~(55α)として特定されるタンパク質の少なくとも一つである、前記製造方法。
【0025】
[8]上記[1]において(1α)~(55α)として特定されるタンパク質の少なくとも一つ、と結合する抗体を含むことを特徴とする、対象物における大豆抗原の有無を判定するためのテスター。
【0026】
[9]大豆由来の抗原であって、上記[1]において(1α)~(55α)として特定されるタンパク質の少なくとも一つであり、そして大豆に対するアレルギーの原因となる、前記抗原。
【0027】
本発明者らはまた、当該新規な抗原についてのエピトープを見出すことにも成功した。
【0028】
アレルギー反応は、上述の通りアレルギー患者のIgE抗体と特定の抗原の相互作用により惹起されるものである。ここで、当該IgE抗体は、アレルゲンコンポーネント中の特定のアミノ酸配列であるエピトープを認識して結合する。エピトープは比較的短いアミノ酸配列を有するものであるため、異なるアレルゲンコンポーネントにも同一のアミノ酸配列が存在すれば、当該IgE抗体は、複数のアレルゲンコンポーネントに結合可能である。異なるアレルゲンコンポーネントに共通するエピトープが存在する結果、両者にアレルギー患者のIgE抗体が結合する場合、そのアレルゲンは交差性(または交差抗原性とも称する)を有する。したがって、本願により特定されたエピトープは、交差性を含めたアレルギーの診断や治療、および当該エピトープを含む複数のアレルゲンコンポーネントの検出等を可能にするものである。
【0029】
当該知見に基づいて、本発明は完成された。すなわち、別の態様において、本発明は以下のとおりであってよい。
【0030】
[10] アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するポリペプチドであって、以下:
(1β)配列番号650~660からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(2β)配列番号661~692からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配
列を含むポリペプチド;
(4β)配列番号717~731からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(5β)配列番号732~738からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(6β)配列番号739、740からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(7β)配列番号741~744からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(9β)配列番号745~749からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(11β)配列番号751~754からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(12β)配列番号755のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(13β)配列番号756~758のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(14β)配列番号759~764からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(15β)配列番号765、766からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(17β)配列番号767のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(18β)配列番号750、768~775からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(19β)配列番号776~787からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(25β)配列番号814、815からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(26β)配列番号816~819からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(27β)配列番号820のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(28β)配列番号821~835からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(29β)配列番号836~839からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(34β)配列番号840~846からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(35β)配列番号847~856からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(36β)配列番号857~861からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(38β)配列番号862~892からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(39β)配列番号893~895からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(40β)配列番号896~902からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(41β)配列番号903のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(42β)配列番号904~906からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(45β)配列番号910~912からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(46β)配列番号913~915からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(47β)配列番号916~918からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(48β)配列番号919~922からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(50β)配列番号924~927からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(51β)配列番号928~930からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(52β)配列番号931~938からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(53β)配列番号939のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(54β)配列番号940~943からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(55β)配列番号944~952からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
のいずれか一つである、前記ポリペプチド。
【0031】
[11]アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するポリペプチドであって、以下:
(3β)配列番号693~716からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(20β)配列番号788~792からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(21β)配列番号793~802からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(22β)配列番号803~808からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(23β)配列番号809~812からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(24β)配列番号813のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(44β)配列番号907~909からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(49β)配列番号923のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(57β)配列番号953~955からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(58β)配列番号956~960からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(59β)配列番号961、962からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(60β)配列番号963のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
のいずれか一つである、前記ポリペプチド。
【0032】
[12]アミノ酸残基数が500以下である、上記[10]または[11]に記載のポリペプチド。
【0033】
[13]上記[10]~[12]のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つを含む、アレルギーの診断キット。
【0034】
[14]アレルギーの診断用組成物であって上記[10]~[12]のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、を抗原として含む、前記診断用組成物。
【0035】
[15]対象のアレルギーを診断するための指標を提供する方法であって、以下の工程:
(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる、ここで当該試料はIg抗体が含まれる溶液である;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象がアレルギーであることの指標が提供される;
を含み、ここで当該抗原は、上記[10]~[12]のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、である、前記方法。
【0036】
[16]上記[10]~[12]のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、を含む医薬組成物。
【0037】
[17]アレルギーを治療するための、上記[16]に記載の医薬組成物。
【0038】
[18]上記[10]~[12]のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、と結合する抗体を含むことを特徴とする、対象物における抗原の有無を判定するためのテスター。
【0039】
[19]抗原が除去又は低減されている、またはポリペプチドが切断または取り除かれていることを特徴とする食品原料又は食用加工品であって、当該抗原は上記[10]~[12]のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つ、である、前記食品原料又は食用加工品。
【0040】
[20] 抗原が除去又は低減されている、またはポリペプチドが切断または取り除かれている食用加工品の製造方法であって、当該加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されている、またはポリペプチドが切断または取り除かれていることを確認するステップを有する、ここで当該抗原は上記[10]~[12]のいずれか1項に記載のポリペプチドの少なくとも一つである、前記製造方法。
【発明の効果】
【0041】
本発明により、大豆に対するアレルギーの新規抗原を提供することができる。本発明において大豆アレルギーを引き起こす新規な抗原(アレルゲンコンポーネント)が同定されたことから、大豆に対するアレルギーの高感度な診断方法及び診断キット、当該抗原を含む医薬組成物、ならびに当該抗原が除去又は低減された大豆又は大豆加工品を提供することができる。
【0042】
また、本発明により、アレルゲンのエピトープを含む新規ポリペプチド提供することができる。本発明のポリペプチドを利用することにより、アレルギーの高感度な診断方法及び診断キット、当該ポリペプチドを含む医薬組成物、ならびに当該ポリペプチドを含む抗原が除去又は低減若しくは当該ポリペプチドを切断又は取り除かれた食品原料または食用加工品およびその食用加工品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、大豆に含まれるタンパク質について、2次元電気泳動によるタンパク質の泳動パターンを示すゲルの写真である。写真の左側のバンドは、分子量マーカーのバンドである。
図2図2は、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、健康被験者の血清を用いたイムノブロットの写真である。
図3A図3Aは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者1αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示した、又は四角でかこったスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3B図3Bは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者2αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示した、又は四角でかこったスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3C図3Cは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者3αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示した、又は四角でかこったスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3D図3Dは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者4αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示したスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3E図3Eは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者5αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示したスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3F図3Fは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者6αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示した、又は四角でかこったスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3G図3Gは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者7αの血清を用いたイムノブロットの写真である。四角でかこったスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3H図3Hは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者8αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示した、又は四角でかこったスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図3I図3Iは、大豆に含まれるタンパク質の二次元電気泳動パターンに対して、大豆アレルギー患者9αの血清を用いたイムノブロットの写真である。白線で示した、又は四角でかこったスポットは、当該大豆アレルギー患者の血清が特異的に反応したスポットを示す。また、数字(n)は各スポットの番号を示し、それぞれ本明細書において「nα」として特定されるスポットに対応する。
図4図4は、オーバーラッピングの手法により、エピトープとして機能する最少のアミノ酸数を有するペプチドを決定した際の結果の一例を示す図である。
図5図5は、アラニンスキャンの手法により、同定したエピトープについて、抗原性の発現のために重要な位置を検討した際の結果の一例を示す図である。
図6図6は、交差反応性を検討した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
本明細書で特段に定義されない限り、本発明に関連して用いられる科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。
【0046】
本明細書においてアミノ酸配列を示す場合は、当業者に周知のアミノ酸の一文字表記により、左端がアミノ末端、右端がカルボキシ末端の順で表記するものとする。
【0047】
本明細書においてアレルギーとは、ある抗原に感作されている生体に、再びその抗原が入った場合に起こる、生体に不都合な過敏反応を示す状態をいう。食物におけるアレルギー疾患の多くにおいて、血液および組織で抗原に特異的なIgE抗体が産生される。IgE抗体は、肥満細胞または好塩基球と結合する。当該IgE抗体に特異的な抗原が再びアレルギー疾患患者の体内に入ると、当該抗原は肥満細胞または好塩基球と結合したIgE抗体と組み合わさり、そして当該IgE抗体が細胞表面で架橋し、IgE抗体-抗原相互作用の生理学的効果を生ずる。これらの生理学的効果として、ヒスタミン、セロトニン、ヘパリン、好酸球遊走因子または各種ロイコトリエン等の放出が挙げられる。これらの放出物質は、IgE抗体と特定の抗原の組み合わせにより起こるアレルギー反応を惹起する。特定の抗原によるアレルギー反応は、上記の経路を通じて現れる。
【0048】
本発明が対象とするアレルギーは、使用するエピトープを含むアレルゲンに対するアレルギーである限り、特に限定されない。そのようなアレルギーはアオイ科、アカネ科、アブラナ科、イネ科、ウリ科、キク科、クグカクシ科、クルミ科、クロウメモドキ科、ゴマ科、セリ科、トウダイグサ科、ナス科、パイナップル科、パパイヤ科、バラ科、ヒユ科、ブドウ科、マメ科、ミソハギ科および/またはカバノキ科の植物に対するアレルギーを含んでいてもよい。アオイ科の植物としては、シマツナソ(モロヘイヤ、学名Corchorus olitorius)、カカオ(学名Theobroma cacao)等が挙げられ、アカネ科の植物としては、ロブスタコーヒーノキ(学名Coffea canephora)、等が挙げられ、アブラナ科の植物としては、チンゲンサイ(学名Brassica rapa)、ハツカダイコン(学名Raphanus sativus)、
セイヨウアブラナ(学名Brassica napus)等が挙げられ、イネ科の植物としては、モロコシ(学名Sorghum bicolor)、トウモロコシ(学名Zea mays)、パンコムギ(学名Triticum aestivum)等が挙げられ、ウリ科の植物としては、メロン(学名Cucumis melo)、ツルレイシ(ゴーヤ、学名Momordica charantia)、キュウリ(学名Cucumis sativus)等が挙げられ、キク科の植物としては、ヒマワリ(学名Helianthus annuus)等が挙げられ、ク
グカクシ科の植物としては、アスパラガス(学名Asparagus officinalis)等が挙げられ
、クルミ科の植物としては、カシグルミ(学名Juglans regia)等が挙げられ、クロウメ
モドキ科の植物としては、ナツメ(学名Ziziphus jujuba)ゴマ科の植物としては、ゴマ
(学名Sesamum indicum)等が挙げられ、セリ科の植物としては、人参(学名Daucus carota subsp. Sativus)等が挙げられ、トウダイグサ科の植物としては、キャッサバ(学名Manihot esculenta)等が挙げられ、ナス科の植物としては、唐辛子(学名Capsicum annuum)、トマト(学名Solanum lycopersicum)等が挙げられ、パイナップル科の植物として
は、パイナップル(学名Ananas comosus)等が挙げられ、パパイヤ科の植物としては、パパイヤ(学名Carica papaya)等が挙げられ、バラ科の植物としては、リンゴ(学名Malus
domestica)、セイヨウミザクラ(学名Prunus avium)、モモ(学名Prunus persica)等が挙げられ、ヒユ科の植物としては、キヌア(学名Chenopodium quinoa)、ホウレンソウ(学名Spinacia oleracea)、ビート(学名Beta vulgaris subsp. vulgaris)等が挙げられ、ブドウ科の植物としては、ヨーロッパブドウ(学名Vitis vinifera)等が挙げられ、
マメ科の植物としては、キマメ(学名Cajanus cajan)、アズキ(学名Vigna angularis)、ツルマメ(学名Glycine soja)、ダイズ(学名Glycine max)等が挙げられ、ミソハギ
科の植物としては、ザクロ(学名Punica granatum)等が挙げられ、カバノキ科の植物と
しては、シラカンバ(学名Betula platyphylla)等が挙げられる。アレルギーは、抗原と接触した場合、あるいは当該抗原を摂取した場合に、アレルギー反応を生じ得る。ここで接触は物体に触れることをいい、特に人体に対しては皮膚、粘膜(眼、口唇等)等に付着することをいう。また、摂取は体内に取り込むことをいい、吸入、経口の手段で取り込むことをいう。一般的に食物を摂取した場合に生じるアレルギー反応を特に食物アレルギーという。好ましい態様においてアレルギーは食物アレルギーであってもよい。
【0049】
本明細書において大豆に対するアレルギーとは、大豆に含まれるタンパク質等を抗原として生じるアレルギー反応を有する状態をいう。
【0050】
本明細書において抗原とは、アレルギー反応を惹起させる物質であり、アレルゲンコンポーネントとも称される。抗原は好ましくはタンパク質である。
【0051】
本明細書においてタンパク質とは、天然のアミノ酸がペプチド結合により連結された構造を有する分子である。タンパク質に含まれるアミノ酸の数は特に限定されない。本明細書において「ポリペプチド」の用語もまた、天然のアミノ酸がペプチド結合により連結された構造を有する分子を意味する。ポリペプチドに含まれるアミノ酸の数は特に限定されない。「ポリペプチド」は、「タンパク質」を含む概念である。また、2~50個程度のアミノ酸がペプチド結合により連結されたポリペプチドを、特にペプチドと呼ぶことがある。また、アミノ酸に関して光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示す。本明細書で用いるタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドのアミノ酸配列の表記法は、標準的用法及び当業界で慣用されている表記法に基づき、アミノ酸の一文字表記で表され、左方向はアミノ末端方向であり、そして右方向はカルボキシ末端方向である。なお、アミノ酸の一文字表記においてXは、両端のアミノ酸と結合できるアミノ基およびカルボキシル基を有する物質であればいずれでもよく、特に20種類の天然のアミノ酸のいずれかであってもよいことを表す。
【0052】
抗原の特定
大豆に含まれるタンパク質について、上記の手法を利用して大豆に対するアレルギーの原因となる抗原の特定を行った。具体的には、大豆タンパク質を下記の条件で2次元電気泳動に供した。
【0053】
1次元目の電気泳動は、等電点電気泳動用ゲルとして、ゲル長が5~10cmの範囲内であって、ゲルのpH範囲が3~10であり、泳動方向に対するゲルのpH勾配が、ゲルの全長を1とし、pH5までのゲル長をa、pH5~7のゲル長をb、pH7以上のゲル長をcとした場合において、aが0.15~0.3の範囲内、bが0.4~0.7の範囲内、cが0.15~0.3の範囲内であるゲルを用いて、具体的には、GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社(以下、GE社と省略する)製のIPGゲルImmobiline Drystrip (pH3-10NL)を用いて等電点泳動を行った。電気泳動機器は、GE社製のIPGphorを用い
た。電気泳動機器の電流値の上限をゲル1本当たり75μAに設定し、電圧プログラムを、(1)300V定電圧で750Vhrまで定電圧工程を行い(当該工程終了前の泳動30分間の電流変化幅が5μAであった)、(2)300Vhrかけて1000Vまで徐々に電圧を上昇させ、(3)更に4500Vhrかけて5000Vまで徐々に電圧を上昇させ、(4)その後5000V定電圧で総Vhrが12000になるまで、1次元目の等電点電気泳動を行った。
【0054】
2次元目の電気泳動は、泳動方向基端部のゲル濃度が3~6%に設定され、泳動方向先
端側の部分のゲル濃度が泳動方向基端部のゲル濃度よりも高く設定されたポリアクリルアミドゲルを用いて、具体的にはlife technologies社製のNuPAGE 4-12% Bris-Tris Gels IPG well mini 1mmを用いてSDS-PAGEを行った。電気泳動機器は、life technologies社製
のXCell SureLock Mini-Cellを用いた。泳動緩衝液として50mM MOPS、50mM
Tris塩基、0.1%(w/v)SDS、1mMEDTAを用い、200V定電圧で約45分間泳動を行った。
【0055】
その結果、大豆のタンパク質について上記の条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、以下のスポットが、大豆に対するアレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合することを明らかにした。
スポット1α:分子量70~120kDa、pI2.5~6.5
スポット2α:分子量50~120kDa、pI2.5~6.5
スポット4α:分子量70~120kDa、pI3.5~7.5
スポット5α:分子量70~170kDa、pI3.5~7.5
スポット6α:分子量70~120kDa、pI3.5~7.5
スポット7α:分子量50~120kDa、pI3.5~7.5
スポット8α:分子量50~120kDa、pI3.5~8.5
スポット9α:分子量50~120kDa、pI3.5~8.5
スポット10α:分子量30~90kDa、pI3.5~7.5
スポット11α:分子量30~90kDa、pI3.5~8.5
スポット12α:分子量30~90kDa、pI3.5~8.5
スポット13α:分子量30~90kDa、pI3.5~7.5
スポット14α:分子量30~90kDa、pI2.5~6.5
スポット15α、16α:分子量20~90kDa、pI3.5~7.5
スポット17α:分子量20~90kDa、pI3.5~7.5
スポット18α:分子量30~90kDa、pI3.5~8.5
スポット19α:分子量30~90kDa、pI3.5~8.5
スポット25α:分子量20~90kDa、pI3.5~7.5
スポット26α:分子量20~90kDa、pI3.5~7.5
スポット27α:分子量20~90kDa、pI3.5~7.5
スポット28α:分子量10~70kDa、pI3.5~7.5
スポット29α、30α、31α、32α、33α:分子量10~70kDa、pI3.5~8.5
スポット34α:分子量10~70kDa、pI5.5~10.5
スポット35α:分子量20~90kDa、pI5.5~10.5
スポット36α、37α:分子量10~70kDa、pI3.5~8.5
スポット38α:分子量70~170kDa、pI5.5~10.5
スポット39α:分子量5~60kDa、pI5.5~10.5
スポット40α、56α:分子量5~60kDa、pI5.5~10.5
スポット41α:分子量5~60kDa、pI5.5~10.5
スポット42α、43α:分子量5~60kDa、pI5.5~10.5
スポット45α:分子量2~50kDa、pI3.5~7.5
スポット46α:分子量2~50kDa、pI3.5~7.5
スポット47α:分子量5~50kDa、pI3.5~7.5
スポット48α:分子量2~50kDa、pI3.5~8.5
スポット50α:分子量2~50kDa、pI2.5~6.5
スポット51α:分子量5~60kDa、pI2.5~6.5
スポット52α:分子量10~70kDa、pI3.5~7.5
スポット53α:分子量5~60kDa、pI3.5~8.5
スポット54α:分子量5~60kDa、pI3.5~8.5
スポット55α:分子量30~90kDa、pI5.5~10.5
【0056】
抗原
(1α)スポット1αの抗原
スポット1αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号71~104のアミノ酸配列が検出された。
【0057】
また、スポット1αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号71~87のいずれかを含むタンパク質としてエンドプラスミンホモログアイソフォームX2(endoplasmin homolog isoform X2)(アミノ酸配列:配列番号70、それをコードする塩基配列:配列番号69)、配列番号90~104のいずれかを含むタンパク質としてエンドプラスミンホモログアイソフォームX2(endoplasmin homolog isoform X2)(アミノ酸配列:配列番号89、それをコードする塩基配列:配列番号88)が同定された。
【0058】
したがって、本願においてスポット1αの抗原は、以下(1αA1-a)~(1αA1-e)、(1αB1)、(1αA2-a)~(1αA2-e)、および(1αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(1αA1-a)配列番号70において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA1-b)配列番号70で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA1-c)配列番号69において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA1-d)配列番号69で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA1-e)配列番号69で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αB1)配列番号71~87からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号71~87のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(1αA2-a)配列番号89において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA2-b)配列番号89で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA2-c)配列番号88において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA2-d)配列番号88で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αA2-e)配列番号88で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(1αB2)配列番号90~104からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも
一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号71~87のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0059】
上記(1αA1-a)~(1αA1-e)、(1αB1)、(1αA2-a)~(1αA2-e)、および(1αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量70~120kDa、好ましくは分子量80~110kDa付近、および等電点2.5~6.5、好ましくは3.0~6.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0060】
また、上記(1αA1-a)~(1αA1-e)、(1αB1)の抗原のエピトープは、配列番号70のアミノ酸546~553(配列番号652)、アミノ酸653~661(配列番号655)、アミノ酸781~795(配列番号657)、アミノ酸252~266(配列番号658)、アミノ酸771~785(配列番号659)、アミノ酸493~502(配列番号660)に存在する。スポット1αの抗原が、配列番号70のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号70における配列を保持していてもよい。
【0061】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット1αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0062】
配列番号652の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号650又は651においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット1αの抗原が、配列番号70のアミノ酸に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号70におけるアミノ酸546~553が、配列番号650又は651のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0063】
配列番号655の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号653又は654においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット1αの抗原が、配列番号70のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号70におけるアミノ酸653~661が、配列番号653又は654のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0064】
配列番号657の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号656においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット1αの抗原が、配列番号70のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号70におけるアミノ酸781~795が、配列番号656のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0065】
好ましくは、スポット1αの抗原であるタンパク質は、配列番号70または89のアミノ酸配列を有するタンパク質(endoplasmin homolog isoform X2)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0066】
(2α)スポット2αの抗原
スポット2αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号107~153のアミノ酸配列が検出された。
【0067】
また、スポット2αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号107~120のいずれかを含むタンパク質としてヒートショックコグネートプロテイン80(heat shock cognate protein 80)(アミノ酸配列:配列番号106、それをコードする塩基配列:配列番号105)、
配列番号123~137のいずれかを含むタンパク質としてヒートショックプロテイン90-1(heat shock protein 90-1)(アミノ酸配列:配列番号122、それをコードす
る塩基配列:配列番号121)、配列番号140~153のいずれかを含むタンパク質としてハイポセティカルプロテインGLYMA_02G302500(hypothetical protein GLYMA_02G302500)、が同定された。
【0068】
したがって、本願においてスポット1αの抗原は、以下(2αA1-a)~(2αA1-e)、(2αB1)、(2αA2-a)~(2αA2-e)、(2αB2)、(2αA3-a)~(2αA3-e)、および(2αB3)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(2αA1-a)配列番号106において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA1-b)配列番号106で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA1-c)配列番号105において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA1-d)配列番号105で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA1-e)配列番号105で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αB1)配列番号107~120からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号107~120のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(2αA2-a)配列番号122において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA2-b)配列番号122で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA2-c)配列番号121において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA2-d)配列番号121で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA2-e)配列番号121で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αB2)配列番号123~137からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号123~137のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(2αA3-a)配列番号139において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA3-b)配列番号139で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA3-c)配列番号138において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA3-d)配列番号138で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αA3-e)配列番号138で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(2αB3)配列番号140~153からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号140~153のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0069】
上記(2αA1-a)~(2αA1-e)、(2αB1)、(2αA2-a)~(2αA2-e)、(2αB2)、(2αA3-a)~(2αA3-e)、および(2αB3)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量50~120kDa、好ましくは分子量60~110kDa付近、および等電点2.5~6.5、好ましくは3.0~6.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0070】
また、上記(2αA1-a)~(2αA1-e)、(2αB1)の抗原のエピトープは、配列番号106のアミノ酸42~50(配列番号663)、アミノ酸51~65(配列番号666)、アミノ酸69~73(配列番号669)、アミノ酸221~235(配列番号670)、アミノ酸351~365(配列番号671)、アミノ酸361~375(配列番号672)、アミノ酸411~425(配列番号675)、アミノ酸551~565(配列番号676)、アミノ酸671~685(配列番号677)、アミノ酸681~695(配列番号678)、アミノ酸41~55(配列番号681)、アミノ酸451~465(配列番号684)、アミノ酸271~285(配列番号689)、アミノ酸51~59(配列番号690)、アミノ酸65~72(配列番号691)、アミノ酸453~460(配列番号692)に存在する。スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号106における配列を保持していてもよい。
【0071】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット2αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0072】
配列番号663の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号661又は662においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号106におけるアミノ酸42~50が、配列番号661又は662のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0073】
配列番号666の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結
合に重要なのは、配列番号664又は665においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号106におけるアミノ酸51~65が、配列番号664又は665のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0074】
配列番号669の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号667又は668においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号106におけるアミノ酸69~73が、配列番号667又は668のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0075】
配列番号675の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号673又は674においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号106におけるアミノ酸411~425が、配列番号673又は674のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0076】
配列番号681の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号679又は680においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号106におけるアミノ酸41~55が、配列番号679又は680のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0077】
配列番号684の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号682又は685においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号106におけるアミノ酸451~465が、配列番号682又は685のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0078】
配列番号689の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号688においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット2αの抗原が、配列番号106のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号106におけるアミノ酸271~285が、配列番号688のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0079】
好ましくは、スポット2αの抗原であるタンパク質は、配列番号106のアミノ酸配列を有するタンパク質(heat shock cognate protein 80)、配列番号122のアミノ酸配
列を有するタンパク質(heat shock protein 90-1)もしくは配列番号139のアミノ酸
を有するタンパク質(hypothetical protein GLYMA_02G302500)、と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0080】
(4α)スポット4αの抗原
スポット4αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号156および157のアミノ酸配列が検出された。
【0081】
また、スポット4αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号156、157のいずれかを含むタンパク質としてエンブリオ-スペシフィックウレアーゼアイソフォームX1(embryo-specific urease isoform X1)(アミノ酸配列:配列番号155、それをコードする塩基配列
:配列番号154)、が同定された。
【0082】
したがって、本願においてスポット4αの抗原は、以下(4αA-a)~(4αA-e)、および(4αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(4αA-a)配列番号155において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(4αA-b)配列番号155で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(4αA-c)配列番号154において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(4αA-d)配列番号154で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(4αA-e)配列番号154で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(4αB)配列番号156および157からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の両方を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号156、157のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0083】
上記(4αA-a)~(4αA-e)、および(4αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量70~120kDa、好ましくは分子量80~110kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0084】
また、スポット4αの抗原のエピトープは、配列番号155のアミノ酸121~130(配列番号719)、アミノ酸289~295(配列番号722)、アミノ酸293~302(配列番号725)、アミノ酸501~515(配列番号726)、アミノ酸571~585(配列番号727)、アミノ酸591~605(配列番号728)、アミノ酸771~785(配列番号731)に存在する。スポット4αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号155における配列を保持していてもよい。
【0085】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット4αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0086】
配列番号719の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号717又は718においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット4αの抗原は、配列番号155におけるアミノ酸121~130が、配列番号717又は718のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0087】
配列番号722の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結
合に重要なのは、配列番号720又は721においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット4αの抗原は、配列番号155におけるアミノ酸289~295が、配列番号720又は721のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0088】
配列番号725の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号723又は724においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット4αの抗原は、配列番号155におけるアミノ酸293~302が、配列番号723又は724のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0089】
配列番号731の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号729又は730においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット4αの抗原は、配列番号155におけるアミノ酸771~785が、配列番号729又は730のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0090】
好ましくは、スポット4αの抗原であるタンパク質は、配列番号155のアミノ酸配列を有するタンパク質(embryo-specific urease isoform X1)と同等の活性を有する、又
は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0091】
(5α)スポット5αの抗原
スポット5αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号160および161のアミノ酸配列が検出された。
【0092】
また、スポット5αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号160、161のいずれかを含むタンパク質としてα-1,4グルカンホスホリラーゼLアイソザイム、クロロプラスティック/アミロプラスティック(alpha-1,4 glucan phosphorylase L isozyme, chloroplastic/amyloplastic)(アミノ酸配列:配列番号159、それをコードする塩基配列:配列番号158)、が同定された。
【0093】
したがって、本願においてスポット5αの抗原は、以下(5αA-a)~(5αA-e)、および(5αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(5αA-a)配列番号159において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(5αA-b)配列番号159で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(5αA-c)配列番号158において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(5αA-d)配列番号158で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(5αA-e)配列番号158で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(5αB)配列番号160および161からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の両方を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号160、161のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数
個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0094】
上記(5αA-a)~(5αA-e)、および(5αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量70~170kDa、好ましくは分子量80~160kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0095】
また、スポット5αの抗原のエピトープは、配列番号159のアミノ酸861~875(配列番号734)、アミノ酸871~885(配列番号735)、アミノ酸891~905(配列番号736)、アミノ酸901~915(配列番号737)、及びアミノ酸951~965(配列番号738)に存在する。スポット5αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号159における配列を保持していてもよい。
【0096】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット5αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0097】
配列番号734の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号732又は733においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット5αの抗原は、配列番号159におけるアミノ酸861~875が、配列番号732又は733のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0098】
好ましくは、スポット5αの抗原であるタンパク質は、配列番号159のアミノ酸配列を有するタンパク質(alpha-1,4 glucan phosphorylase L isozyme, chloroplastic/amyloplastic)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0099】
(6α)スポット6αの抗原
スポット6αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号164~172のアミノ酸配列が検出された。
【0100】
また、スポット6αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号164~167のいずれかを含むタンパク質としてアコニテートヒドラターゼ1(aconitate hydratase 1)(アミノ酸配列:
配列番号163、それをコードする塩基配列:配列番号162)、配列番号170~172のいずれかを含むタンパク質としてアコニテートヒドラターゼ1(アミノ酸配列:配列番号169、それをコードする塩基配列:配列番号168)が同定された。
【0101】
したがって、本願においてスポット6αの抗原は、以下(6αA1-a)~(6αA1-e)、(6αB1)、(6αA2-a)~(6αA2-e)、および(6αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(6αA1-a)配列番号163において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA1-b)配列番号163で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA1-c)配列番号162において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA1-d)配列番号162で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは
75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA1-e)配列番号162で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αB1)配列番号164~167からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号164~167のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(6αA2-a)配列番号169において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA2-b)配列番号169で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA2-c)配列番号168において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA2-d)配列番号168で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αA2-e)配列番号168で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(6αB2)配列番号170~172からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号170~172のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0102】
上記(6αA1-a)~(6αA1-e)、(6αB1)、(6αA2-a)~(6αA2-e)、および(6αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量70~120kDa、好ましくは分子量80~110kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0103】
また、上記(6αA1-a)~(6αA1-e)、(6αB1)の抗原のエピトープは、配列番号163のアミノ酸761~775(配列番号739)、及びアミノ酸831~845(配列番号740)に存在する。スポット6αの抗原が、配列番号163のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号163における配列を保持していてもよい。
【0104】
好ましくは、スポット6αの抗原であるタンパク質は、配列番号163または169のアミノ酸配列を有するタンパク質(aconitate hydratase 1)と同等の活性を有する、又
は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0105】
(7α)スポット7αの抗原
スポット7αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号175~187のアミノ酸配列が検出された。
【0106】
また、スポット7αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタン
パク質データと照合して解析したところ、配列番号175~187のいずれかを含むタンパク質としてメチオニンシンターゼ(methionine synthase)(アミノ酸配列:配列番号
174、それをコードする塩基配列:配列番号173)、が同定された。
【0107】
したがって、本願においてスポット7αの抗原は、以下(7αA-a)~(7αA-e)、および(7αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(7αA-a)配列番号174において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(7αA-b)配列番号174で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(7αA-c)配列番号173において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(7αA-d)配列番号173で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(7αA-e)配列番号173で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(7αB)配列番号175~187からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号175~187のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0108】
上記(7αA-a)~(7αA-e)、および(7αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量50~120kDa、好ましくは分子量60~110kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0109】
また、スポット7αの抗原のエピトープは、配列番号174のアミノ酸471~485(配列番号741)、及びアミノ酸581~595(配列番号744)に存在する。スポット7αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号174における配列を保持していてもよい。
【0110】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット7αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0111】
配列番号744の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号742又は743においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット7αの抗原は、配列番号174におけるアミノ酸581~595が、配列番号742又は743のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0112】
好ましくは、スポット7αの抗原であるタンパク質は、配列番号174のアミノ酸配列を有するタンパク質(methionine synthase)と同等の活性を有する、又は、大豆に対す
るアレルギーの原因となる。
【0113】
(8α)スポット8αの抗原
スポット8αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号190~199のアミノ酸配列が検出された。
【0114】
また、スポット8αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号190~199のいずれかを含むタンパク質としてトランスケトラーゼ、クロロプラスティック(transketolase, chloroplastic)(アミノ酸配列:配列番号189、それをコードする塩基配列:配列番号188)、が同定された。
【0115】
したがって、本願においてスポット8αの抗原は、以下(8αA-a)~(8αA-e)、および(8αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(8αA-a)配列番号189において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(8αA-b)配列番号189で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(8αA-c)配列番号188において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(8αA-d)配列番号188で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(8αA-e)配列番号188で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(8αB)配列番号190~199からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号190~199のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0116】
上記(8αA-a)~(8αA-e)、および(8αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量50~120kDa、好ましくは分子量60~110kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0117】
好ましくは、スポット8αの抗原であるタンパク質は、配列番号189のアミノ酸配列を有するタンパク質(transketolase, chloroplastic)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0118】
(9α)スポット9αの抗原
スポット9αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号202のアミノ酸配列が検出された。
【0119】
また、スポット9αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号202を含むタンパク質としてリジン-tRNAリガーゼ、サイトプラスミック-ライク アイソフォームX2(lysine-tRNA ligase, cytoplasmic-like isoform X2)(アミノ酸配列:配列番号201、それをコー
ドする塩基配列:配列番号200)、が同定された。
【0120】
したがって、本願においてスポット9αの抗原は、以下(9αA-a)~(9αA-e)、および(9αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(9αA-a)配列番号201において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(9αA-b)配列番号201で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(9αA-c)配列番号200において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(9αA-d)配列番号200で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(9αA-e)配列番号200で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(9αB)配列番号202で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号202で示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0121】
上記(9αA-a)~(9αA-e)、および(9αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量50~120kDa、好ましくは分子量60~110kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0122】
また、スポット9αの抗原のエピトープは、配列番号201のアミノ酸236~245(配列番号747)、アミノ酸283~290(配列番号749)に存在する。スポット9αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号201における配列を保持していてもよい。
【0123】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット9αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0124】
配列番号747の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号745又は746においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット9αの抗原は、配列番号201におけるアミノ酸236~245が、配列番号745又は746のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0125】
配列番号749の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号748においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット9αの抗原は、配列番号201におけるアミノ酸283~290が、配列番号748のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0126】
好ましくは、スポット9αの抗原であるタンパク質は、配列番号201のアミノ酸配列を有するタンパク質(lysine-tRNA ligase, cytoplasmic-like isoform X2)と同等の活
性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0127】
(10α)スポット10αの抗原
スポット10αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号205~23
1のアミノ酸配列が検出された。
【0128】
また、スポット10αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号205~218のいずれかを含むタンパク質としてシャペロニンCPN60-2,ミトコンドリアル(chaperonin CPN60-2, mitochondrial)(アミノ酸配列:配列番号204、それをコードする塩基配列:配列番号203)、配列番号221~231のいずれかを含むタンパク質としてシャペロニンCPN60-2,
ミトコンドリアル-ライク アイソフォームX1(chaperonin CPN60-2, mitochondrial-like isoform X1)(アミノ酸配列:配列番号220、それをコードする塩基配列:配列
番号219)が同定された。
【0129】
したがって、本願においてスポット10αの抗原は、以下(10αA1-a)~(10αA1-e)、(10αB1)、(10αA2-a)~(10αA2-e)、および(10αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(10αA1-a)配列番号204において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA1-b)配列番号204で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA1-c)配列番号203において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA1-d)配列番号203で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA1-e)配列番号203で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αB1)配列番号205~218からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号205~218のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(10αA2-a)配列番号220において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA2-b)配列番号220で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA2-c)配列番号219において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA2-d)配列番号219で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αA2-e)配列番号219で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10αB2)配列番号221~231からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号221~231のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0130】
上記(10αA1-a)~(10αA1-e)、(10αB1)、(10αA2-a)~(10αA2-e)、および(10αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0131】
好ましくは、スポット10αの抗原であるタンパク質は、配列番号204のアミノ酸配列を有するタンパク質(haperonin CPN60-2, mitochondrial)もしくは配列番号220のアミノ酸配列を有するタンパク質(chaperonin CPN60-2, mitochondrial-like isoform X1)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0132】
(11α)スポット11αの抗原
スポット11αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号234~237のアミノ酸配列が検出された。
【0133】
また、スポット11αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号234~237のいずれかを含むタンパク質としてポリアデニレート-バインディングプロテイン8 アイソフォームX3(polyadenylate-binding protein 8 isoform X3)(アミノ酸配列:配列番号233、それをコードする塩基配列:配列番号232)、が同定された。
【0134】
したがって、本願においてスポット11αの抗原は、以下(11αA-a)~(11αA-e)、および(11αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(11αA-a)配列番号233において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(11αA-b)配列番号233で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(11αA-c)配列番号232において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(11αA-d)配列番号232で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(11αA-e)配列番号232で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(11αB)配列番号234~237からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号234~237のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0135】
上記(11αA-a)~(11αA-e)、および(11αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0136】
また、スポット11αの抗原のエピトープは、配列番号233のアミノ酸454~463(配列番号753)、アミノ酸363~370(配列番号754)に存在する。スポット11αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号233における配列を保持していてもよい。
【0137】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット11αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0138】
配列番号753の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号751又は752においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット11αの抗原は、配列番号223におけるアミノ酸454~463が、配列番号751又は752のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0139】
好ましくは、スポット11αの抗原であるタンパク質は、配列番号233のアミノ酸配列を有するタンパク質(polyadenylate-binding protein 8 isoform X3)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0140】
(12α)スポット12αの抗原
スポット12αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号240のアミノ酸配列が検出された。
【0141】
また、スポット12αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号240を含むタンパク質としてピロホスフェート-フルクトース6-ホスフェート1-ホスホロトランスフェラーゼサブユニットアルファ-ライク(pyrophosphate--fructose 6-phosphate 1-phosphotransferase subunit alpha-like)(アミノ酸配列:配列番号239、それをコードする塩基配列:配
列番号238)、が同定された。
【0142】
したがって、本願においてスポット12αの抗原は、以下(12αA-a)~(12αA-e)、および(12αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(12αA-a)配列番号239において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(12αA-b)配列番号239で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(12αA-c)配列番号238において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(12αA-d)配列番号238で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(12αA-e)配列番号238で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(12αB)配列番号240で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号240で示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0143】
上記(12αA-a)~(12αA-e)、および(12αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0144】
また、スポット12αの抗原のエピトープは、配列番号239のアミノ酸551~565(配列番号755)に存在する。スポット11αの抗原は、当該エピトープの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号239における配列を保持していてもよい。
【0145】
好ましくは、スポット12αの抗原であるタンパク質は、配列番号239のアミノ酸配列を有するタンパク質(pyrophosphate--fructose 6-phosphate 1-phosphotransferase subunit alpha-like)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因とな
る。
【0146】
(13α)スポット13αの抗原
スポット13αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号243~278のアミノ酸配列が検出された。
【0147】
また、スポット13αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号243~252のいずれかを含むタンパク質としてプロテインジスルフィドイソメラーゼ-ライクプロテインプレカーサー(protein disulfide isomerase-like protein precursor)(アミノ酸配列:配列番号242、それをコードする塩基配列:配列番号241)、配列番号255~278のいずれかを含むタンパク質としてプロテインジスルフィド-イソメラーゼ(protein disulfide-isomerase)(アミノ酸配列:配列番号254、それをコードする塩基配列:配列番号25
3)が同定された。
【0148】
したがって、本願においてスポット13αの抗原は、以下(13αA1-a)~(13αA1-e)、(13αB1)、(13αA2-a)~(13αA2-e)、および(13αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(13αA1-a)配列番号242において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA1-b)配列番号242で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA1-c)配列番号241において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA1-d)配列番号241で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA1-e)配列番号241で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αB1)配列番号243~252からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号205~218のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(13αA2-a)配列番号254において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又
は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA2-b)配列番号254で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA2-c)配列番号253において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA2-d)配列番号253で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αA2-e)配列番号253で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(13αB2)配列番号255~278からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号221~231のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0149】
上記(13αA1-a)~(13αA1-e)、(13αB1)、(13αA2-a)~(13αA2-e)、および(13αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0150】
また、上記(13αA1-a)~(13αA1-e)、(13αB1)の抗原のエピトープは、配列番号242のアミノ酸471~485(配列番号758)に存在する。スポット13αの抗原が、配列番号242のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号242における配列を保持していてもよい。
【0151】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット13αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0152】
配列番号758の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号756又は757においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット13αの抗原が、配列番号242のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号242におけるアミノ酸471~485が、配列番号756又は757のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0153】
好ましくは、スポット13αの抗原であるタンパク質は、配列番号242のアミノ酸配列を有するタンパク質(protein disulfide isomerase-like protein precursor)もしくは配列番号254のアミノ酸配列を有するタンパク質(protein disulfide-isomerase)
と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0154】
(14α)スポット14αの抗原
スポット14αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号281~289のアミノ酸配列が検出された。
【0155】
また、スポット14αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号281~284のいずれかを含むタンパク質としてV-タイプ プロトンATPaseサブユニットB2(V-type proton ATPase subunit B 2)(アミノ酸配列:配列番号280、それをコードする塩基配列:配列番号279)、配列番号287~289のいずれかを含むタンパク質としてV-タイプ プロトンATPaseサブユニットB2(アミノ酸配列:配列番号286、それをコードする塩基配列:配列番号285)が同定された。
【0156】
したがって、本願においてスポット14αの抗原は、以下(14αA1-a)~(14αA1-e)、(14αB1)、(14αA2-a)~(14αA2-e)、および(14αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(14αA1-a)配列番号280において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA1-b)配列番号280で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA1-c)配列番号279において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA1-d)配列番号279示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA1-e)配列番号279で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αB1)配列番号281~284からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号281~284のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(14αA2-a)配列番号286において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA2-b)配列番号286で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA2-c)配列番号285において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA2-d)配列番号285で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αA2-e)配列番号285で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(14αB2)配列番号287~289からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号287~289のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0157】
上記(14αA1-a)~(14αA1-e)、(14αB1)、(14αA2-a)
~(14αA2-e)、および(14αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点2.5~6.5、好ましくは3.0~6.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0158】
また、上記(14αA1-a)~(14αA1-e)、(14αB1)の抗原のエピトープは、配列番号280のアミノ酸191~205(配列番号761)、アミノ酸391~405(配列番号764)に存在する。スポット14αの抗原が、配列番号280のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号280における配列を保持していてもよい。
【0159】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット14αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0160】
配列番号761の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号759又は760においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット14αの抗原が、配列番号280のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号280におけるアミノ酸191~205が、それぞれ独立して配列番号759又は760のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0161】
配列番号764の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号762又は763においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット14αの抗原が、配列番号280のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号280におけるアミノ酸391~405が、それぞれ独立して配列番号762又は763のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0162】
好ましくは、スポット14αの抗原であるタンパク質は、配列番号280または286のアミノ酸配列を有するタンパク質(V-type proton ATPase subunit B 2)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0163】
(15α、16α)スポット15α、16αの抗原
スポット15α、16αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号292~318のアミノ酸配列が検出された。
【0164】
また、スポット15α、16αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号292~304のいずれかを含むタンパク質としてUTP-グルコース-1-ホスフェートウリジリルトランスフェラーゼ(UTP-glucose-1-phosphate uridylyltransferase)(アミノ酸配列:配列番号2
91、それをコードする塩基配列:配列番号290)、配列番号307~318のいずれかを含むタンパク質としてハイポセティカルプロテインGLYMA_02G241100(hypothetical protein GLYMA_02G241100)(アミノ酸配列:配列番号306、それをコードする塩基配
列:配列番号305)が同定された。
【0165】
したがって、本願においてスポット15α、16αの抗原は、以下(15,16αA1-a)~(15,16αA1-e)、(15,16αB1)、(15,16αA2-a)~(15,16αA2-e)、および(15,16αB2)からなる群より選択されるタ
ンパク質のいずれかであってよい。
(15,16αA1-a)配列番号291において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αA1-b)配列番号291で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αA1-c)配列番号290において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αA1-d)配列番号290示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αA1-e)配列番号290で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αB1)配列番号292~304からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号292~304のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(15,16αA2-a)配列番号306において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αA2-b)配列番号306で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15.16αA2-c)配列番号305において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αA2-d)配列番号305で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(15,16αA2-e)配列番号305で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(15,16αB2)配列番号307~318からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号307~318のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0166】
上記(15,16αA1-a)~(15,16αA1-e)、(15,16αB1)、(15,16αA2-a)~(15,16αA2-e)、および(15,16αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量20~90kDa、好ましくは分子量30~80kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0167】
また、上記(15,16αA1-a)~(15,16αA1-e)、(15,16αB1)の抗原のエピトープは、配列番号291のアミノ酸211~225(配列番号766)に存在する。スポット15α,16αの抗原が、配列番号291のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号291における配列を保持していてもよい。
【0168】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット15α,16αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0169】
配列番号766の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号765においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット15α,16αの抗原が、配列番号291のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号291におけるアミノ酸211~225が、配列番号765のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0170】
好ましくは、スポット15α、16αの抗原であるタンパク質は、配列番号291のアミノ酸配列を有するタンパク質(UTP-glucose-1-phosphate uridylyltransferase)もし
くは配列番号306のアミノ酸配列を有するタンパク質(hypothetical protein GLYMA_02G241100)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0171】
(17α)スポット17αの抗原
スポット17αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号321~332のアミノ酸配列が検出された。
【0172】
また、スポット17αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号321~325のいずれかを含むタンパク質としてグアノシンヌクレオチドジホスフェートディソシエーションインヒビター2(guanosine nucleotide diphosphate dissociation inhibitor 2)(アミノ酸配列:
配列番号320、それをコードする塩基配列:配列番号319)、配列番号328~332のいずれかを含むタンパク質としてrab GDPディソシエーションインヒビターアルファ-ライク(rab GDP dissociation inhibitor alpha-like)(アミノ酸配列:配列
番号327、それをコードする塩基配列:配列番号326)が同定された。
【0173】
したがって、本願においてスポット17αの抗原は、以下(17αA1-a)~(17αA1-e)、(17αB1)、(17αA2-a)~(17αA2-e)、および(17αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(17αA1-a)配列番号320において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA1-b)配列番号320で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA1-c)配列番号319において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA1-d)配列番号319示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA1-e)配列番号319で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αB1)配列番号321~325からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号321~325のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(17αA2-a)配列番号327において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA2-b)配列番号327で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA2-c)配列番号326において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA2-d)配列番号326で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αA2-e)配列番号326で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(17αB2)配列番号328~332からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号328~332のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0174】
上記(17αA1-a)~(17αA1-e)、(17αB1)、(17αA2-a)~(17αA2-e)、および(17αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量20~90kDa、好ましくは分子量30~80kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0175】
また、上記(17αA1-a)~(17αA1-e)、(17αB1)の抗原のエピトープは、配列番号320のアミノ酸171~185(配列番号767)に存在する。スポット17αの抗原が、配列番号320のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号320における配列を保持していてもよい。
【0176】
好ましくは、スポット17αの抗原であるタンパク質は、配列番号320のアミノ酸配列を有するタンパク質(guanosine nucleotide diphosphate dissociation inhibitor 2
)もしくは配列番号327のアミノ酸配列を有するタンパク質(rab GDP dissociation inhibitor alpha-like)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因と
なる。
【0177】
(18α)スポット18αの抗原
スポット18αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号335~339のアミノ酸配列が検出された。
【0178】
また、スポット18αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号335~339のいずれかを含むタンパク質としてハイポセティカルプロテインGLYMA_10G028300(hypothetical protein GLYMA_10G028300)(アミノ酸配列:配列番号334、それをコードする塩基配列:配列番
号333)、が同定された。
【0179】
したがって、本願においてスポット18αの抗原は、以下(18αA-a)~(18αA-e)、および(18αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであって
よい。
(18αA-a)配列番号334において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(18αA-b)配列番号334で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(18αA-c)配列番号333において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(18αA-d)配列番号333で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(18αA-e)配列番号333で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(18αB)配列番号335~339からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号335~339のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0180】
上記(18αA-a)~(18αA-e)、および(18αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0181】
また、スポット18αの抗原のエピトープは、配列番号334のアミノ酸52~60(配列番号750)、アミノ酸81~95(配列番号768)、アミノ酸101~115(配列番号771)、アミノ酸281~295(配列番号772)、アミノ酸491~500(配列番号775)に存在する。スポット18αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号334における配列を保持していてもよい。
【0182】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット18αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0183】
配列番号771の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号769又は770においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット18αの抗原は、配列番号334におけるアミノ酸101~115が、配列番号769又は770のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0184】
配列番号775の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号773又は774においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット18αの抗原は、配列番号334におけるアミノ酸491~500が、配列番号773又は774のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0185】
好ましくは、スポット18αの抗原であるタンパク質は、配列番号334のアミノ酸配列を有するタンパク質(hypothetical protein GLYMA_10G028300)と同等の活性を有する
、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0186】
(19α)スポット19αの抗原
スポット19αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号342~346のアミノ酸配列が検出された。
【0187】
また、スポット19αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号342~346のいずれかを含むタンパク質としてスクロースバインディングプロテインホモログS-64(sucrose binding protein homolog S-64)(アミノ酸配列:配列番号341、それをコードする塩基配列:配列番号340)、が同定された。
【0188】
したがって、本願においてスポット19αの抗原は、以下(19αA-a)~(19αA-e)、および(19αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(19αA-a)配列番号341において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(19αA-b)配列番号341で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(19αA-c)配列番号340において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(19αA-d)配列番号340で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(19αA-e)配列番号340で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(19αB)配列番号342~346からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号342~346のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0189】
上記(19αA-a)~(19αA-e)、および(19αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0190】
また、スポット19αの抗原のエピトープは、配列番号341のアミノ酸191~205(配列番号778)、アミノ酸475~489(配列番号781)、アミノ酸81~95(配列番号784)、アミノ酸436~450(配列番号786)、アミノ酸21~30(配列番号787)に存在する。スポット19αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号341における配列を保持していてもよい。
【0191】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット19αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0192】
配列番号778の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号776又は778においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット19αの抗原は、配列番号341におけるアミノ酸191~205が、配列番号776又は778のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0193】
配列番号781の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号779又は780においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット19αの抗原は、配列番号341におけるアミノ酸475~489が、配列番号779又は780のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0194】
配列番号784の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号782又は783においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット19αの抗原は、配列番号341におけるアミノ酸81~95が、配列番号782又は783のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0195】
好ましくは、スポット19αの抗原であるタンパク質は、配列番号341のアミノ酸配列を有するタンパク質(sucrose binding protein homolog S-64)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0196】
(25α)スポット25αの抗原
スポット25αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号349~365のアミノ酸配列が検出された。
【0197】
また、スポット25αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号349~356のいずれかを含むタンパク質としてスクシニル-CoAリガーゼ[ADP-フォーミング]サブユニットベータ,ミトコンドリアル(succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial)(アミノ酸配列:配列番号348、それをコードする塩基配列:配列番号347)
、配列番号359~365のいずれかを含むタンパク質としてスクシニル-CoAリガーゼ[ADP-フォーミング]サブユニットベータ,ミトコンドリアル(アミノ酸配列:配列番号358、それをコードする塩基配列:配列番号357)が同定された。
【0198】
したがって、本願においてスポット25αの抗原は、以下(25αA1-a)~(25αA1-e)、(25αB1)、(25αA2-a)~(25αA2-e)、および(25αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(25αA1-a)配列番号348において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA1-b)配列番号348で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA1-c)配列番号347において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA1-d)配列番号347で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA1-e)配列番号347で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸
配列を含むタンパク質。
(25αB1)配列番号349~356からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号349~356のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(25αA2-a)配列番号358において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA2-b)配列番号358で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA2-c)配列番号357において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA2-d)配列番号357で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αA2-e)配列番号357で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(25αB2)配列番号359~365からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号359~365のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0199】
上記(25αA1-a)~(25αA1-e)、(25αB1)、(25αA2-a)~(25αA2-e)、および(25αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量20~90kDa、好ましくは分子量30~80kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0200】
また、上記(25αA1-a)~(25αA1-e)、(25αB1)の抗原のエピトープは、配列番号348のアミノ酸241~255(配列番号814)、及びアミノ酸321~335(配列番号815)に存在する。スポット25αの抗原が、配列番号348のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号348における配列を保持していてもよい。
【0201】
好ましくは、スポット25αの抗原であるタンパク質は、配列番号348または358のアミノ酸配列を有するタンパク質(succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる
【0202】
(26α)スポット26αの抗原
スポット26αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号368~409のアミノ酸配列が検出された。
【0203】
また、スポット26αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号368~382のいずれかを含むタ
ンパク質としてホスホグリセレートキナーゼ、サイトゾリック(phosphoglycerate kinase, cytosolic)(アミノ酸配列:配列番号367、それをコードする塩基配列:配列番号366)、配列番号385~392のいずれかを含むタンパク質としてホスホグリセレートキナーゼ、サイトゾリック(アミノ酸配列:配列番号384、それをコードする塩基配列:配列番号383)、配列番号395~409のいずれかを含むタンパク質としてホスホグリセレートキナーゼ、サイトゾリック(アミノ酸配列:配列番号394、それをコードする塩基配列:配列番号393)、が同定された。
【0204】
したがって、本願においてスポット26αの抗原は、以下(26αA1-a)~(26αA1-e)、(26αB1)、(26αA2-a)~(26αA2-e)、(26αB2)、(26αA3-a)~(26αA3-e)、および(26αB3)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(26αA1-a)配列番号367において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA1-b)配列番号367で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA1-c)配列番号366において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA1-d)配列番号366で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA1-e)配列番号366で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αB1)配列番号368~382からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号368~382のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(26αA2-a)配列番号384において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA2-b)配列番号384で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA2-c)配列番号383において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA2-d)配列番号383で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA2-e)配列番号383で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αB2)配列番号385~392からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号385~392のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(26αA3-a)配列番号394において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA3-b)配列番号394で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA3-c)配列番号393において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA3-d)配列番号393で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αA3-e)配列番号393で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(26αB3)配列番号395~409からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号395~409のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0205】
上記(26αA1-a)~(26αA1-e)、(26αB1)、(26αA2-a)~(26αA2-e)、(26αB2)、(26αA3-a)~(26αA3-e)、および(26αB3)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量20~90kDa、好ましくは分子量30~80kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。 また、上記(26αA1-a)~(26αA1-e)、(26αB1)の抗原のエピトープは、配列番号367のアミノ酸121~135(配列番号816)、アミノ酸329~335(配列番号819)に存在する。スポット26αの抗原が、配列番号367のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号361における配列を保持していてもよい。
【0206】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット26αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0207】
配列番号819の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号817又は818においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット26αの抗原が、配列番号367のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号367におけるアミノ酸329~335が、配列番号817又は818のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0208】
好ましくは、スポット25αの抗原であるタンパク質は、配列番号367、384または394のアミノ酸配列を有するタンパク質(phosphoglycerate kinase, cytosolic)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0209】
(27α)スポット27αの抗原
スポット27αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号412~427のアミノ酸配列が検出された。
【0210】
また、スポット27αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号412~416のいずれかを含むタンパク質としてアルコールデヒドロゲナーゼ1(alcohol dehydrogenase 1)(アミノ酸
配列:配列番号411、それをコードする塩基配列:配列番号410)、配列番号419、420のいずれかを含むタンパク質としてアルコールデヒドロゲナーゼ1(アミノ酸配列:配列番号418、それをコードする塩基配列:配列番号417)、配列番号423~427のいずれかを含むタンパク質としてアルコールデヒドロゲナーゼ1-ライク(alcohol dehydrogenase 1-like)(アミノ酸配列:配列番号422、それをコードする塩基配列:配列番号421)、が同定された。
【0211】
したがって、本願においてスポット27αの抗原は、以下(27αA1-a)~(27αA1-e)、(27αB1)、(27αA2-a)~(27αA2-e)、(27αB2)、(27αA3-a)~(27αA3-e)、および(27αB3)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(27αA1-a)配列番号411において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA1-b)配列番号411で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA1-c)配列番号410において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA1-d)配列番号410で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA1-e)配列番号410で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αB1)配列番号412~416からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号412~416のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(27αA2-a)配列番号418において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA2-b)配列番号418で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA2-c)配列番号417において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA2-d)配列番号417で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA2-e)配列番号417で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αB2)配列番号419および420からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の両方を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号419、420のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(27αA3-a)配列番号422において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA3-b)配列番号422で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、9
8%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA3-c)配列番号421において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA3-d)配列番号421で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αA3-e)配列番号421で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(27αB3)配列番号423~427からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号423~427のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0212】
上記(27αA1-a)~(27αA1-e)、(27αB1)、(27αA2-a)~(27αA2-e)、(27αB2)、(27αA3-a)~(27αA3-e)、および(27αB3)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量20~90kDa、好ましくは分子量30~80kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0213】
また、上記(27αA1-a)~(27αA1-e)、(27αB1)の抗原のエピトープは、配列番号411のアミノ酸21~35(配列番号820)に存在する。スポット27αの抗原が、配列番号411のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号411における配列を保持していてもよい。
【0214】
好ましくは、スポット27αの抗原であるタンパク質は、配列番号411または418のアミノ酸配列を有するタンパク質(alcohol dehydrogenase 1)もしくは配列番号42
2のアミノ酸配列を有するタンパク質(alcohol dehydrogenase 1-like)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0215】
(28α)スポット28αの抗原
スポット28αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号430~433のアミノ酸配列が検出された。
【0216】
また、スポット28αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号430~433のいずれかを含むタンパク質として35kDaシードミューテーションプロテインアイソフォームX1(35 kDa seed maturation protein isoform X1)(アミノ酸配列:配列番号429、それをコ
ードする塩基配列:配列番号428)、が同定された。
【0217】
したがって、本願においてスポット28αの抗原は、以下(28αA-a)~(28αA-e)、および(28αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(28αA-a)配列番号429において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(28αA-b)配列番号429で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98
%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(28αA-c)配列番号428において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(28αA-d)配列番号428で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(28αA-e)配列番号428で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(28αB)配列番号430~433からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号430~433のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0218】
上記(28αA-a)~(28αA-e)、および(28αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量10~70kDa、好ましくは分子量20~60kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0219】
また、スポット28αの抗原のエピトープは、配列番号429のアミノ酸76~85(配列番号820)、アミノ酸191~205(配列番号826)、アミノ酸231~245(配列番号829)、アミノ酸111~125(配列番号830)、アミノ酸131~145(配列番号831)、アミノ酸161~175(配列番号832)、アミノ酸181~195(配列番号833)、アミノ酸291~305(配列番号834)、アミノ酸295~309(配列番号835)に存在する。スポット28αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号429における配列を保持していてもよい。
【0220】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット28αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0221】
配列番号823の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号821又は822においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット28αの抗原は、配列番号429におけるアミノ酸76~85が、配列番号821又は822のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0222】
配列番号826の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号824又は825においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット28αの抗原は、配列番号429におけるアミノ酸191~205が、配列番号824又は825のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0223】
配列番号829の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号827又は828においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット28αの抗原は、配列番号429におけるアミノ酸231~2455が、配列番号827又は828のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0224】
好ましくは、スポット28αの抗原であるタンパク質は、配列番号422のアミノ酸配列を有するタンパク質(35 kDa seed maturation protein isoform X1)と同等の活性を
有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0225】
(29α、30α、31α、32α、33α)スポット29α~33αの抗原
スポット29α~33αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号436~451のアミノ酸配列が検出された。
【0226】
また、スポット27α~33αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号436~439のいずれかを含むタンパク質としてグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼアイソフォームX1(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoform X1)(アミノ酸配
列:配列番号435、それをコードする塩基配列:配列番号434)、配列番号442~445のいずれかを含むタンパク質としてグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ,サイトゾリック(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase, cytosolic
)(アミノ酸配列:配列番号441、それをコードする塩基配列:配列番号440)、配列番号448~451のいずれかを含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインLOC100782924(uncharacterized protein LOC100782924)(アミノ酸配列:配列番号447、それをコードする塩基配列:配列番号446)、が同定された。
【0227】
したがって、本願においてスポット29α~33αの抗原は、以下(29-33αA1-a)~(29-33αA1-e)、(29-33αB1)、(29-33αA2-a)~(29-33αA2-e)、(29-33αB2)、(29-33αA3-a)~(29-33αA3-e)、および(29-33αB3)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(29-33αA1-a)配列番号435において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA1-b)配列番号435で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA1-c)配列番号434において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA1-d)配列番号434で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(29-33αA1-e)配列番号434で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αB1)配列番号436~439からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号436~439のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(29-33αA2-a)配列番号441において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA2-b)配列番号441で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA2-c)配列番号440において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置
換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA2-d)配列番号440で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(29-33αA2-e)配列番号440で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αB2)配列番号442~445からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号442~445のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(29-33αA3-a)配列番号447において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA3-b)配列番号447で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA3-c)配列番号446において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αA3-d)配列番号446で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(29-33αA3-e)配列番号446で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(29-33αB3)配列番号448~451からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号448~451のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0228】
上記(29-33αA1-a)~(29-33αA1-e)、(29-33αB1)、(29-33αA2-a)~(29-33αA2-e)、(29-33αB2)、(29-33αA3-a)~(29-33αA3-e)、および(29-33αB3)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量10~70kDa、好ましくは分子量20~60kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0229】
また、上記(29-33αA1-a)~(29-33αA1-e)、(29-33αB1)の抗原のエピトープは、配列番号435のアミノ酸66~75(配列番号838)、アミノ酸301~315(配列番号839)に存在する。スポット29-33αの抗原が、配列番号435のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号435における配列を保持していてもよい。
【0230】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット29-33αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0231】
配列番号838の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号836又は837においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット29-33αの抗原が、配列番号435のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号435におけるアミノ酸66~75が、配列番号836又は837のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0232】
好ましくは、スポット29α~33αの抗原であるタンパク質は、配列番号435のアミノ酸配列を有するタンパク質(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoform X1)、配列番号441のアミノ酸配列を有するタンパク質(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase, cytosolic)もしくは配列番号447のアミノ酸配列を有するタンパク質(uncharacterized protein LOC100782924)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0233】
(34α)スポット34αの抗原
スポット34αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号454~458のアミノ酸配列が検出された。
【0234】
また、スポット34αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号454を含むタンパク質としてバイファンクショナルUDP-グルコース4-エピメラーゼ アンド UDP-キシロース4-エピメラーゼ1-ライク(bifunctional UDP-glucose 4-epimerase and UDP-xylose 4-epimerase 1-like)(アミノ酸配列:配列番号453、それをコードする塩基配列:配列番号452)、配列番号457、458のいずれかを含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインLOC100803483(uncharacterized protein LOC100803483)(アミノ酸配列:配列番号456、それをコードする塩基配列:配列番号455)が同定された。
【0235】
したがって、本願においてスポット34αの抗原は、以下(34αA1-a)~(34αA1-e)、(34αB1)、(34αA2-a)~(34αA2-e)、および(34αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(34αA1-a)配列番号453において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA1-b)配列番号453で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA1-c)配列番号452において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA1-d)配列番号452で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA1-e)配列番号452で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αB1)配列番号454で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号464で示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(34αA2-a)配列番号456において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA2-b)配列番号456で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、9
8%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA2-c)配列番号455において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA2-d)配列番号455で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αA2-e)配列番号455で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(34αB2)配列番号457および458からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の両方を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号457、458のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0236】
上記(34αA1-a)~(34αA1-e)、(34αB1)、(34αA2-a)~(34αA2-e)、および(34αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量10~70kDa、好ましくは分子量20~60kDa付近、および等電点5.5~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0237】
また、上記(34αA1-a)~(34αA1-e)、(34αB1)の抗原のエピトープは、配列番号454のアミノ酸61~75(配列番号842)、アミノ酸31~45(配列番号843)、アミノ酸141~155(配列番号844)、アミノ酸221~235(配列番号845)、アミノ酸231~245(配列番号846)に存在する。スポット34αの抗原が、配列番号454のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号454における配列を保持していてもよい。
【0238】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット34αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0239】
配列番号842の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号840又は841においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット34αの抗原が、配列番号454のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号454におけるアミノ酸61~75が、配列番号840又は841のアミノ酸配列であるものであってよい。 好ましくは、スポット34αの抗原であるタンパク質は、配列番号453のアミノ酸配列を有するタンパク質(bifunctional UDP-glucose 4-epimerase and UDP-xylose 4-epimerase 1-like)もしくは配列番号456のアミノ酸配列を有するタンパク質(uncharacterized protein LOC100803483)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0240】
(35α)スポット35αの抗原
スポット35αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号461~477のアミノ酸配列が検出された。
【0241】
また、スポット35αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号461~466のいずれかを含むタンパク質としてエロンゲーションファクター1-アルファ(elongation factor 1-alpha
)(アミノ酸配列:配列番号460、それをコードする塩基配列:配列番号459)、配列番号469~471のいずれかを含むタンパク質としてエロンゲーションファクター1-アルファ(アミノ酸配列:配列番号468、それをコードする塩基配列:配列番号467)、配列番号474~477のいずれかを含むタンパク質としてエロンゲーションファクター-1A アイソフォームX1(elongation factor-1A isoform X1)(アミノ酸配
列:配列番号473、それをコードする塩基配列:配列番号472)、が同定された。
【0242】
したがって、本願においてスポット35αの抗原は、以下(35αA1-a)~(35αA1-e)、(35αB1)、(35αA2-a)~(35αA2-e)、(35αB2)、(35αA3-a)~(35αA3-e)、および(35αB3)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(35αA1-a)配列番号460において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA1-b)配列番号460で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA1-c)配列番号459において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA1-d)配列番号459で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA1-e)配列番号459で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αB1)配列番号461~466からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号412~416のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(35αA2-a)配列番号468において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA2-b)配列番号468で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA2-c)配列番号467において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA2-d)配列番号467で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA2-e)配列番号467で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αB2)配列番号469~471からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号469~471のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(35αA3-a)配列番号473において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA3-b)配列番号473で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ま
しくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA3-c)配列番号472において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA3-d)配列番号472で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αA3-e)配列番号472で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(35αB3)配列番号474~477からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号474~477のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0243】
上記(35αA1-a)~(35αA1-e)、(35αB1)、(35αA2-a)~(35αA2-e)、(35αB2)、(35αA3-a)~(35αA3-e)、および(35αB3)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量20~90kDa、好ましくは分子量30~80kDa付近、および等電点5.5~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0244】
また、上記(35αA1-a)~(35αA1-e)、(35αB1)の抗原のエピトープは、配列番号460のアミノ酸31~45(配列番号849)、アミノ酸121~135(配列番号850)、アミノ酸192~220(配列番号853)、アミノ酸216~225(配列番号856)に存在する。スポット35αの抗原が、配列番号460のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号460における配列を保持していてもよい。
【0245】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット35αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0246】
配列番号849の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号847又は848においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット35αの抗原が、配列番号460のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号460におけるアミノ酸31~45が、配列番号847又は848のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0247】
配列番号853の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号851又は852においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット35αの抗原が、配列番号460のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号460におけるアミノ酸192~220が、配列番号851又は852のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0248】
配列番号856の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号854又は855においてX以外のアミノ酸で示される部位で
ある。したがって、別の好ましい態様において、スポット35αの抗原が、配列番号460のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号460におけるアミノ酸216~225が、配列番号854又は855のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0249】
好ましくは、スポット35αの抗原であるタンパク質は、配列番号460または468のアミノ酸配列を有するタンパク質(elongation factor 1-alpha)もしくは配列番号4
73のアミノ酸配列を有するタンパク質(elongation factor-1A isoform X1)と同等の
活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0250】
(36α、37α)スポット36α、37αの抗原
スポット36α、37αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号480~493のアミノ酸配列が検出された。
【0251】
また、スポット36α、37αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号480~483のいずれかを含むタンパク質としてシードマチュレーションプロテインPM34(seed maturation protein PM34)(アミノ酸配列:配列番号479、それをコードする塩基配列:配列番号478)、配列番号486、487のいずれかを含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインLOC100809384(uncharacterized protein LOC100809384)(アミノ酸配列:配列番号485、それをコードする塩基配列:配列番号484)、配列番号4490~493のいずれかを含むタンパク質としてハイポセティカルプロテインGLYMA_10G155300(hypothetical protein GLYMA_10G155300)(アミノ酸配列:配列番号489、それを
コードする塩基配列:配列番号488)、が同定された。
【0252】
したがって、本願においてスポット36α、37αの抗原は、以下(36,37αA1-a)~(36,37αA1-e)、(36,37αB1)、(36,37αA2-a)~(36,37αA2-e)、(36,37αB2)、(36,37αA3-a)~(36,37αA3-e)、および(36,37αB3)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(36,37αA1-a)配列番号479において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA1-b)配列番号479で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA1-c)配列番号478において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA1-d)配列番号478で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(36,37αA1-e)配列番号478で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αB1)配列番号480~483からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号480~483のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(36,37αA2-a)配列番号485において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA2-b)配列番号485で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA2-c)配列番号484において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA2-d)配列番号484で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(36,37αA2-e)配列番号484で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αB2)配列番号486および487からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の両方を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号486、487のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(36,37αA3-a)配列番号489において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA3-b)配列番号489で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA3-c)配列番号488において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αA3-d)配列番号488で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(36,37αA3-e)配列番号488で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(36,37αB3)配列番号490~493からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号490~493のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0253】
上記(36,37αA1-a)~(36,37αA1-e)、(36,37αB1)、(36,37αA2-a)~(36,37αA2-e)、(36,37αB2)、(36,37αA3-a)~(36,37αA3-e)、および(36,37αB3)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量10~70kDa、好ましくは分子量20~60kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0254】
また、上記(36,37αA1-a)~(36,37αA1-e)、(36,37αB1)の抗原のエピトープは、配列番号479のアミノ酸141~155(配列番号857)、アミノ酸231~245(配列番号858)、アミノ酸7~14(配列番号861)に存在する。スポット36α,37αの抗原が、配列番号479のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号479における配列を保持していてもよい。
【0255】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合
い)を向上する観点から、スポット36α,37αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0256】
配列番号861の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号859又は860においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット36α,37αの抗原が、配列番号479のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号479におけるアミノ酸7~14が、配列番号859又は860のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0257】
好ましくは、スポット36α、37αの抗原であるタンパク質は、配列番号479のアミノ酸配列を有するタンパク質(seed maturation protein PM34)、配列番号485のアミノ酸配列を有するタンパク質(uncharacterized protein LOC100809384)もしくは配列番号489のアミノ酸配列を有するタンパク質(hypothetical protein GLYMA_10G155300)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0258】
(38α)スポット38αの抗原
スポット38αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号496~513のアミノ酸配列が検出された。
【0259】
また、スポット38αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号496~513のいずれかを含むタンパク質としてシードビオチン-コンテイニングプロテインSBP65-ライク アイソフォームX1(seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1)(アミノ酸配列:配列番号495、それをコードする塩基配列:配列番号494)、が同定された。
【0260】
したがって、本願においてスポット38αの抗原は、以下(38αA-a)~(38αA-e)、および(38αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(38αA-a)配列番号495において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(38αA-b)配列番号495で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(38αA-c)配列番号494において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(38αA-d)配列番号494で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(38αA-e)配列番号494で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(38αB)配列番号496~513からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号496~513のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0261】
上記(38αA-a)~(38αA-e)、および(38αB)からなる群より選択さ
れるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量70~170kDa、好ましくは分子量80~160kDa付近、および等電点5.5~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0262】
また、スポット38αの抗原のエピトープは、配列番号495のアミノ酸440~446又は574~580(配列番号864)、アミノ酸71~80(配列番号867)、アミノ酸521~535(配列番号869)、アミノ酸1~15(配列番号871)、アミノ酸31~45(配列番号874)、アミノ酸221~235(配列番号877)、アミノ酸461~470(配列番号882)、アミノ酸481~490(配列番号884)、アミノ酸821~835(配列番号887)、アミノ酸861~870(配列番号889)、アミノ酸1031~1040(配列番号892)に存在する。スポット38αの抗原は、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号495における配列を保持していてもよい。
【0263】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット38αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0264】
配列番号864の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号862においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸440~446及び/又は574~580が、配列番号862のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0265】
配列番号867の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号865又は866においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸71~80が、配列番号865又は866のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0266】
配列番号869の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号868においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸521~535が、配列番号868のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0267】
配列番号871の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号870においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸1~15が、配列番号870のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0268】
配列番号874の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号872又は873においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸31~45が、配列番号872又は873のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0269】
配列番号877の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号875又は876においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸221~235が、配列番号875又は876のアミノ酸配列である
ものであってよい。
【0270】
配列番号880の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号878又は879においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸311~325が、配列番号878又は879のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0271】
配列番号882の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号881においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸461~470が、配列番号881のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0272】
配列番号884の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号883においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸481~490が、配列番号883のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0273】
配列番号887の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号885又は886においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸821~835が、配列番号885又は886のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0274】
配列番号889の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号888においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸861~870が、配列番号888のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0275】
配列番号892の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号890又は891においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット38αの抗原は、配列番号495におけるアミノ酸1031~1040が、配列番号890又891のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0276】
好ましくは、スポット38αの抗原であるタンパク質は、配列番号495のアミノ酸配列を有するタンパク質(seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0277】
(39α)スポット39αの抗原
スポット39αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号516のアミノ酸配列が検出された。
【0278】
また、スポット39αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号516を含むタンパク質としてATPシンターゼサブユニットO,ミトコンドリアル-ライク(ATP synthase subunit O, mitochondrial-like)(アミノ酸配列:配列番号515、それをコードする塩基配列:配列番号514)、が同定された。
【0279】
したがって、本願においてスポット39αの抗原は、以下(39αA-a)~(39α
A-e)、および(39αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(39αA-a)配列番号515において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(39αA-b)配列番号515で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(39αA-c)配列番号514において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(39αA-d)配列番号514で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(39αA-e)配列番号514で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(39αB)配列番号516で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号516で示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0280】
上記(39αA-a)~(39αA-e)、および(39αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点5.5~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0281】
また、スポット39αの抗原のエピトープは、配列番号515のアミノ酸71~85(配列番号895)に存在する。スポット39αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号515における配列を保持していてもよい。
【0282】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット39αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0283】
配列番号895の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号893又は894においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット39αの抗原は、配列番号515におけるアミノ酸71~85が、配列番号893又は894のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0284】
好ましくは、スポット39αの抗原であるタンパク質は、配列番号515のアミノ酸配列を有するタンパク質(ATP synthase subunit O, mitochondrial-like)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0285】
(40α、56α)スポット40α、56αの抗原
スポット40α、56αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号519および配列番号520のアミノ酸配列が検出された。
【0286】
また、スポット40α、56αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号519、520のいずれかを含むタンパク質としてP24オレオシン アイソフォームA(P24 oleosin isoform A
)(アミノ酸配列:配列番号518、それをコードする塩基配列:配列番号517)、が
同定された。
【0287】
したがって、本願においてスポット40α、56αの抗原は、以下(40,56αA-a)~(40,56αA-e)、および(40,56αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(40,56αA-a)配列番号518において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(40,56αA-b)配列番号518で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(40,56αA-c)配列番号517において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(40,56αA-d)配列番号517で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(40,56αA-e)配列番号517で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(40,56αB)配列番号519および520からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の両方を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号519、520のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0288】
上記(40,56αA-a)~(40,56αA-e)、および(40,56αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点5.5~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0289】
また、スポット40α,56αの抗原のエピトープは、配列番号518のアミノ酸35~39(配列番号898)、アミノ酸191~205(配列番号899)、アミノ酸214~222(配列番号902)に存在する。スポット40α,56αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号518における配列を保持していてもよい。
【0290】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット40α,56αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0291】
配列番号898の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号896又は897においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット40α,56αの抗原は、配列番号518におけるアミノ酸35~39が、配列番号896又は897のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0292】
配列番号902の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号900又は901においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット40α,56αの抗原は、配列番号518におけるアミノ酸214~2229が、配列番号900又は901のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0293】
好ましくは、スポット40α、56αの抗原であるタンパク質は、配列番号518のアミノ酸配列を有するタンパク質(P24 oleosin isoform A)と同等の活性を有する、又は
、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0294】
(41α)スポット41αの抗原
スポット41αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号523のアミノ酸配列が検出された。
【0295】
また、スポット41αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号523を含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインAt3g49720-ライク アイソフォームX2(uncharacterized protein At3g49720-like isoform X2)(アミノ酸配列:配列番号522、それをコードする塩基配列:配列番号521)、が同定された。
【0296】
したがって、本願においてスポット41αの抗原は、以下(41αA-a)~(41αA-e)、および(41αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(41αA-a)配列番号522において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(41αA-b)配列番号522で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(41αA-c)配列番号521において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(41αA-d)配列番号521示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(41αA-e)配列番号521で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(41αB)配列番号523で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号523で示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0297】
上記(41αA-a)~(41αA-e)、および(41αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点5.5~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0298】
また、スポット41αの抗原のエピトープは、配列番号522のアミノ酸111~125(配列番号903)に存在する。スポット41αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号522における配列を保持していてもよい。
【0299】
好ましくは、スポット41αの抗原であるタンパク質は、配列番号515のアミノ酸配列を有するタンパク質(ATP synthase subunit O, mitochondrial-like)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0300】
(42α、43α)スポット42α、43αの抗原
スポット42α、43αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号526~539のアミノ酸配列が検出された。
【0301】
また、スポット42α、43αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号526~531のいずれかを含むタンパク質としてスーパーオキシドディスムターゼ[Mn],ミトコンドリアル(superoxide dismutase [Mn], mitochondrial)(アミノ酸配列:配列番号525、それをコードする塩基配列:配列番号524)、配列番号534~539のいずれかを含むタンパク質としてハイポセティカルプロテインGLYMA_04G221300(hypothetical protein GLYMA_04G221300)(アミノ酸配列:配列番号533、それをコードする塩基配列:配列番号
532)が同定された。
【0302】
したがって、本願においてスポット42α、43αの抗原は、以下(42,43αA1-a)~(42,43αA1-e)、(42,43αB1)、(42,43αA2-a)~(42,43αA2-e)、および(42,43αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(42,43αA1-a)配列番号525において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αA1-b)配列番号525で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αA1-c)配列番号524において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αA1-d)配列番号524で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(42,43αA1-e)配列番号524で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αB1)配列番号526~531からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号526~531のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(42,43αA2-a)配列番号533において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αA2-b)配列番号533で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αA2-c)配列番号532において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αA2-d)配列番号532で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。(42,43αA2-e)配列番号532で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(42,43αB2)配列番号534~539からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4
、5、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号534~539のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0303】
上記(42,43αA1-a)~(42,43αA1-e)、(42,43αB1)、(42,43αA2-a)~(42,43αA2-e)、および(42,43αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点5.5~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0304】
また、上記(42,43αA1-a)~(42,43αA1-e)、(42,43αB1)の抗原のエピトープは、配列番号525のアミノ酸227~241(配列番号906)に存在する。スポット42α,43αの抗原が、配列番号525のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号525における配列を保持していてもよい。
【0305】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット42α,43αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0306】
配列番号906の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号904又は905においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット42α,43αの抗原が、配列番号525のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号525におけるアミノ酸227~241が、配列番号904又は905のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0307】
好ましくは、スポット42α、43αの抗原であるタンパク質は、配列番号525のアミノ酸配列を有するタンパク質(superoxide dismutase [Mn], mitochondrial)もしくは配列番号533のアミノ酸配列を有するタンパク質(hypothetical protein GLYMA_04G221300)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0308】
(45α)スポット45αの抗原
スポット45αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号542~551のアミノ酸配列が検出された。
【0309】
また、スポット45αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号542~545のいずれかを含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインLOC100499771(uncharacterized protein LOC100499771)(アミノ酸配列:配列番号541、それをコードする塩基配列:配列番号540)、配列番号548~551のいずれかを含むタンパク質としてハイポセティカルプロテインGLYMA_09G192800(hypothetical protein GLYMA_09G192800)(アミノ酸
配列:配列番号547、それをコードする塩基配列:配列番号546)が同定された。
【0310】
したがって、本願においてスポット45αの抗原は、以下(45αA1-a)~(45αA1-e)、(45αB1)、(45αA2-a)~(45αA2-e)、および(45αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(45αA1-a)配列番号541において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA1-b)配列番号541で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA1-c)配列番号540において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA1-d)配列番号540で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA1-e)配列番号540で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αB1)配列番号542~545からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号542~545のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(45αA2-a)配列番号547において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA2-b)配列番号547で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA2-c)配列番号546において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA2-d)配列番号546で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αA2-e)配列番号546で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(45αB2)配列番号548~551からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号548~551のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0311】
上記(45αA1-a)~(45αA1-e)、(45αB1)、(45αA2-a)~(45αA2-e)、および(45αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量2~50kDa、好ましくは分子量5~40kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0312】
また、上記(45αA1-a)~(45αA1-e)、(45αB1)の抗原のエピトープは、配列番号541のアミノ酸11~25(配列番号910)、アミノ酸51~65(配列番号911)、アミノ酸111~125(配列番号912)に存在する。スポット45αの抗原が、配列番号541のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号541における配列を保持していてもよい。
【0313】
好ましくは、スポット45αの抗原であるタンパク質は、配列番号541のアミノ酸配列を有するタンパク質(uncharacterized protein LOC100499771)もしくは配列番号54
7のアミノ酸配列を有するタンパク質(hypothetical protein GLYMA_09G192800)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0314】
(46α)スポット46αの抗原
スポット46αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号554のアミノ酸配列が検出された。
【0315】
また、スポット46αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号554を含むタンパク質としてシードマチュレーションプロテインPM22(seed maturation protein PM22)(アミノ酸配列:配列番号553、それをコードする塩基配列:配列番号552)、が同定された。
【0316】
したがって、本願においてスポット46αの抗原は、以下(46αA-a)~(46αA-e)、および(46αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(46αA-a)配列番号553において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(46αA-b)配列番号553で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(46αA-c)配列番号552において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(46αA-d)配列番号552示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(46αA-e)配列番号552で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(46αB)配列番号554で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号554で示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0317】
上記(46αA-a)~(46αA-e)、および(46αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量2~50kDa、好ましくは分子量5~40kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0318】
また、スポット46αの抗原のエピトープは、配列番号553のアミノ酸112~120(配列番号915)に存在する。スポット46αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号553における配列を保持していてもよい。
【0319】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット46αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0320】
配列番号915の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号913又は914においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット46αの抗原は、配列番号553におけるアミノ酸112~120が、配列番号913又は914のアミノ酸配列である
ものであってよい。
【0321】
好ましくは、スポット46αの抗原であるタンパク質は、配列番号553のアミノ酸配列を有するタンパク質(seed maturation protein PM22)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0322】
(47α)スポット47αの抗原
スポット47αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号557~563のアミノ酸配列が検出された。
【0323】
また、スポット47αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号557、558のいずれかを含むタンパク質としてユーカリオティックトランスレーションイニシエーションファクター5A-2(eukaryotic translation initiation factor 5A-2)(アミノ酸配列:配列番号5
56、それをコードする塩基配列:配列番号555)、配列番号561~563のいずれかを含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインLOC100305510(uncharacterized protein LOC100305510)(アミノ酸配列:配列番号560、それをコードする塩基配列:配列番号559)が同定された。
【0324】
したがって、本願においてスポット47αの抗原は、以下(47αA1-a)~(47αA1-e)、(47αB1)、(47αA2-a)~(47αA2-e)、および(47αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(47αA1-a)配列番号556において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA1-b)配列番号556で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA1-c)配列番号555において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA1-d)配列番号555で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA1-e)配列番号555で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αB1)配列番号557および558からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の両方を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号557、558のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(47αA2-a)配列番号560において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA2-b)配列番号560で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA2-c)配列番号559において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA2-d)配列番号559で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αA2-e)配列番号559で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる
核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(47αB2)配列番号561~563からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号548~551のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0325】
上記(47αA1-a)~(47αA1-e)、(47αB1)、(47αA2-a)~(47αA2-e)、および(47αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量2~50kDa、好ましくは分子量5~40kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0326】
また、上記(47αA1-a)~(47αA1-e)、(47αB1)の抗原のエピトープは、配列番号556のアミノ酸11~25(配列番号916)、アミノ酸81~95(配列番号917)、アミノ酸131~145(配列番号918)に存在する。スポット47αの抗原が、配列番号556のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号556における配列を保持していてもよい。
【0327】
好ましくは、スポット47αの抗原であるタンパク質は、配列番号556のアミノ酸配列を有するタンパク質(eukaryotic translation initiation factor 5A-2)もしくは配
列番号560のアミノ酸配列を有するタンパク質(uncharacterized protein LOC100305510)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0328】
(48α)スポット48αの抗原
スポット48αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号566~570のアミノ酸配列が検出された。
【0329】
また、スポット48αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号566~570のいずれかを含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインLOC100306570(uncharacterized protein LOC100306570)(アミノ酸配列:配列番号565、それをコードする塩基配列:配列番号564)、が同定された。
【0330】
したがって、本願においてスポット48αの抗原は、以下(48αA-a)~(48αA-e)、および(48αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(48αA-a)配列番号565において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(48αA-b)配列番号565で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(48αA-c)配列番号564において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(48αA-d)配列番号564で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(48αA-e)配列番号564で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核
酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(48αB)配列番号566~570からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号566~570のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0331】
上記(48αA-a)~(48αA-e)、および(48αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量2~50kDa、好ましくは分子量5~40kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0332】
また、スポット48αの抗原のエピトープは、配列番号565のアミノ酸94~102(配列番号921)、アミノ酸131~145(配列番号922)に存在する。スポット48αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号565における配列を保持していてもよい。
【0333】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット48αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0334】
配列番号921の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号919又は918においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット48αの抗原は、配列番号565におけるアミノ酸94~102が、配列番号919又は918のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0335】
好ましくは、スポット48αの抗原であるタンパク質は、配列番号565のアミノ酸配列を有するタンパク質(uncharacterized protein LOC100306570)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0336】
(50α)スポット50αの抗原
スポット50αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号573~576のアミノ酸配列が検出された。
【0337】
また、スポット50αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号573~576のいずれかを含むタンパク質としてアンキャラクタライズドプロテインLOC100813859(uncharacterized protein LOC100813859)(アミノ酸配列:配列番号572、それをコードする塩基配列:配列番号571)、が同定された。
【0338】
したがって、本願においてスポット50αの抗原は、以下(50αA-a)~(50αA-e)、および(50αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(50αA-a)配列番号572において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(50αA-b)配列番号572で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(50αA-c)配列番号571において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(50αA-d)配列番号571で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(50αA-e)配列番号571で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(50αB)配列番号573~576からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号573~576のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0339】
上記(50αA-a)~(50αA-e)、および(50αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量2~50kDa、好ましくは分子量5~40kDa付近、および等電点2.5~6.5、好ましくは3.0~6.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0340】
また、スポット50αの抗原のエピトープは、配列番号572のアミノ酸91~105(配列番号924)、アミノ酸62~70(配列番号927)に存在する。スポット50αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号572における配列を保持していてもよい。
【0341】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット50αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0342】
配列番号927の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号925又は926においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット50αの抗原は、配列番号572におけるアミノ酸62~70が、配列番号925又は926のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0343】
好ましくは、スポット50αの抗原であるタンパク質は、配列番号572のアミノ酸配列を有するタンパク質(uncharacterized protein LOC100813859)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0344】
(51α)スポット51αの抗原
スポット51αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号579~582のアミノ酸配列が検出された。
【0345】
また、スポット51αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号579~582のいずれかを含むタンパク質として14-3-3-ライクプロテイン(14-3-3-like protein)(アミノ酸配
列:配列番号578、それをコードする塩基配列:配列番号577)、が同定された。
【0346】
したがって、本願においてスポット51αの抗原は、以下(51αA-a)~(51αA-e)、および(51αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(51αA-a)配列番号578において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(51αA-b)配列番号578で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(51αA-c)配列番号577において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(51αA-d)配列番号577で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(51αA-e)配列番号577で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(51αB)配列番号579~582からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号579~582のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0347】
上記(51αA-a)~(51αA-e)、および(51αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点2.5~6.5、好ましくは3.0~6.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0348】
また、スポット51αの抗原のエピトープは、配列番号578のアミノ酸71~85(配列番号928)、アミノ酸141~155(配列番号929)、アミノ酸211~225(配列番号930)に存在する。スポット51αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号578における配列を保持していてもよい。
【0349】
好ましくは、スポット51αの抗原であるタンパク質は、配列番号578のアミノ酸配列を有するタンパク質(14-3-3-like protein)と同等の活性を有する、又は、大豆に対
するアレルギーの原因となる。
【0350】
(52α)スポット52αの抗原
スポット52αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号585~588のアミノ酸配列が検出された。
【0351】
また、スポット52αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号585~588のいずれかを含むタンパク質としてプロバブルフルクトキナーゼ-4(probable fructokinase-4)(アミノ
酸配列:配列番号584、それをコードする塩基配列:配列番号583)、が同定された。
【0352】
したがって、本願においてスポット52αの抗原は、以下(52αA-a)~(52αA-e)、および(52αB)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(52αA-a)配列番号584において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(52αA-b)配列番号584で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(52αA-c)配列番号583において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(52αA-d)配列番号583で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(52αA-e)配列番号583で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(52αB)配列番号585~588からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号585~588のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0353】
上記(52αA-a)~(52αA-e)、および(52αB)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点3.5~7.5、好ましくは4.0~7.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0354】
また、スポット52αの抗原のエピトープは、配列番号584のアミノ酸11~25(配列番号933)、アミノ酸71~85(配列番号934)、アミノ酸121~135(配列番号935)、アミノ酸201~215(配列番号936)、アミノ酸211~225(配列番号937)、アミノ酸281~295(配列番号938)に存在する。スポット52αの抗原は、当該エピトープのの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号584における配列を保持していてもよい。
【0355】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット52αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0356】
配列番号933の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号931又は932においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット52αの抗原は、配列番号584におけるアミノ酸11~25が、配列番号931又は932のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0357】
好ましくは、スポット52αの抗原であるタンパク質は、配列番号584のアミノ酸配列を有するタンパク質(probable fructokinase-4)と同等の活性を有する、又は、大豆
に対するアレルギーの原因となる。
【0358】
(53α)スポット53αの抗原
スポット53αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号591~604のアミノ酸配列が検出された。
【0359】
また、スポット53αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号591~597のいずれかを含むタンパク質としてトリオースホスフェートイソメラーゼ アイソフォームX1(triosephos
phate isomerase isoform X1)(アミノ酸配列:配列番号590、それをコードする塩基配列:配列番号589)、配列番号600~604のいずれかを含むタンパク質としてトリオースホスフェートイソメラーゼ,サイトゾリック(triosephosphate isomerase, cytosolic)(アミノ酸配列:配列番号599、それをコードする塩基配列:配列番号598)が同定された。
【0360】
したがって、本願においてスポット53αの抗原は、以下(53αA1-a)~(53αA1-e)、(53αB1)、(53αA2-a)~(53αA2-e)、および(53αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(53αA1-a)配列番号590において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA1-b)配列番号590で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA1-c)配列番号589において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA1-d)配列番号589で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA1-e)配列番号589で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αB1)配列番号591~597からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号591~597のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(53αA2-a)配列番号599において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA2-b)配列番号599で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA2-c)配列番号598において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA2-d)配列番号598で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αA2-e)配列番号598で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(53αB2)配列番号600~604からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号600~604のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0361】
上記(53αA1-a)~(53αA1-e)、(53αB1)、(53αA2-a)~(53αA2-e)、および(53αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点3.5~
8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0362】
また、上記(53αA1-a)~(53αA1-e)、(53αB1)の抗原のエピトープは、配列番号590のアミノ酸71~85(配列番号939)に存在する。スポット53αの抗原が、配列番号590のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号590における配列を保持していてもよい。
【0363】
好ましくは、スポット53αの抗原であるタンパク質は、配列番号590のアミノ酸配列を有するタンパク質(triosephosphate isomerase isoform X1)もしくは配列番号599のアミノ酸配列を有するタンパク質(triosephosphate isomerase, cytosolic)と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0364】
(54α)スポット54αの抗原
スポット54αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号607~616のアミノ酸配列が検出された。
【0365】
また、スポット54αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号607~611のいずれかを含むタンパク質としてスーパーオキシドディスムターゼ[Fe],クロロプラスティック アイソフォームX1(superoxide dismutase [Fe], chloroplastic isoform X1)(アミノ酸
配列:配列番号606、それをコードする塩基配列:配列番号605)、配列番号614~616のいずれかを含むタンパク質としてアイアン-スーパーオキシドディスムターゼ(iron-superoxide dismutase)(アミノ酸配列:配列番号613、それをコードする塩
基配列:配列番号612)が同定された。
【0366】
したがって、本願においてスポット54αの抗原は、以下(54αA1-a)~(54αA1-e)、(54αB1)、(54αA2-a)~(54αA2-e)、および(54αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(54αA1-a)配列番号606において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA1-b)配列番号606で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA1-c)配列番号605において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA1-d)配列番号605で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA1-e)配列番号605で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αB1)配列番号607~611からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号591~597のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(54αA2-a)配列番号613において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA2-b)配列番号613で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ま
しくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA2-c)配列番号612において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA2-d)配列番号612で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αA2-e)配列番号612で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(54αB2)配列番号614~616からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号614~616のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0367】
上記(54αA1-a)~(54αA1-e)、(54αB1)、(54αA2-a)~(54αA2-e)、および(54αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量5~60kDa、好ましくは分子量10~50kDa付近、および等電点3.5~8.5、好ましくは4.0~8.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0368】
また、上記(54αA1-a)~(54αA1-e)、(54αB1)の抗原のエピトープは、配列番号606のアミノ酸121~135(配列番号940)、アミノ酸148~154(配列番号943)に存在する。スポット54αの抗原が、配列番号606のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号606における配列を保持していてもよい。
【0369】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット54αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0370】
配列番号943の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号941又は942においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット54αの抗原が、配列番号606のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号606におけるアミノ酸148~154が、配列番号941又は942のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0371】
好ましくは、スポット54αの抗原であるタンパク質は、配列番号606のアミノ酸配列を有するタンパク質(superoxide dismutase [Fe], chloroplastic isoform X1)もし
くは配列番号613のアミノ酸配列を有するタンパク質(iron-superoxide dismutase)
と同等の活性を有する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0372】
(55α)スポット55αの抗原
スポット55αについて質量分析による配列同定を行った結果、配列番号619~649のアミノ酸配列が検出された。
【0373】
また、スポット55αについて、質量分析装置から得られた質量データをNCBIのタンパク質データと照合して解析したところ、配列番号619~635のいずれかを含むタ
ンパク質として51kDaシードマチュレーションプロテインプレカーサー(51 kDa seed maturation protein precursor)(アミノ酸配列:配列番号618、それをコードする塩基配列:配列番号617)、配列番号638~649のいずれかを含むタンパク質としてLeaプロテインプレカーサー(Lea protein precursor)(アミノ酸配列:配列番号
637、それをコードする塩基配列:配列番号636)が同定された。
【0374】
したがって、本願においてスポット55αの抗原は、以下(55αA1-a)~(55αA1-e)、(55αB1)、(55αA2-a)~(55αA2-e)、および(55αB2)からなる群より選択されるタンパク質のいずれかであってよい。
(55αA1-a)配列番号618において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA1-b)配列番号618で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA1-c)配列番号617において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA1-d)配列番号617で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA1-e)配列番号617で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αB1)配列番号619~635からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号619~635のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
(55αA2-a)配列番号637において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA2-b)配列番号637で示されるアミノ酸配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA2-c)配列番号636において1又は数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA2-d)配列番号636で示される塩基配列と同一性が70%以上、好ましくは75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αA2-e)配列番号636で示される塩基配列に対し相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によりコードされるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(55αB2)配列番号638~649からなる群より選択されるアミノ酸配列の少なくとも一つを含むタンパク質、好ましくは当該アミノ酸配列の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはすべての配列を含むタンパク質。ここにおいて、配列番号638~649のいずれかで示されるアミノ酸配列は、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されていてもよい。
【0375】
上記(55αA1-a)~(55αA1-e)、(55αB1)、(55αA2-a)~(55αA2-e)、および(55αB2)からなる群より選択されるタンパク質は、上記「抗原の特定」の項目に記載した条件で2次元電気泳動を行った際のゲルにおいて、分子量30~90kDa、好ましくは分子量40~80kDa付近、および等電点5.5
~10.5、好ましくは6.0~10.0のスポットとして現れるタンパク質であってもよい。
【0376】
また、上記(55αA1-a)~(55αA1-e)、(55αB1)の抗原のエピトープは、配列番号618のアミノ酸201~209(配列番号946)、アミノ酸318~325(配列番号949)、アミノ酸202~210(配列番号952)に存在する。スポット55αの抗原が、配列番号618のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該エピトープの少なくとも一つの領域に対応する位置のアミノ酸については、配列番号618における配列を保持していてもよい。
【0377】
また、感度(患者を陽性と判断できる度合い)や特異度(健常を陽性と判断しない度合い)を向上する観点から、スポット55αの抗原は、以下の変異体であってもよい。
【0378】
配列番号946の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号944又は945においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット55αの抗原が、配列番号618のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号618におけるアミノ酸201~209が、配列番号944又は945のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0379】
配列番号949の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号947又は948においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット55αの抗原が、配列番号618のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号618におけるアミノ酸318~325が、配列番号947又は948のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0380】
配列番号952の配列を有するエピトープのうち、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なのは、配列番号950又は951においてX以外のアミノ酸で示される部位である。したがって、別の好ましい態様において、スポット55αの抗原が、配列番号618のアミノ酸配列に対して変異を含むものである場合、当該抗原は、配列番号618におけるアミノ酸202~210が、配列番号950又は951のアミノ酸配列であるものであってよい。
【0381】
好ましくは、スポット55αの抗原であるタンパク質は、配列番号618のアミノ酸配列を有するタンパク質(51 kDa seed maturation protein precursor)もしくは配列番号637のアミノ酸配列を有するタンパク質(Lea protein precursor)と同等の活性を有
する、又は、大豆に対するアレルギーの原因となる。
【0382】
上記(1α)~(55α)の抗原であるタンパク質には、リン酸化や糖鎖修飾、アミノアシル化、開環、脱アミノ化などにより当該タンパク質のアミノ酸残基が修飾を受けているタンパク質もまた、含まれる。
【0383】
本明細書において、アミノ酸配列について「1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加された」という場合は、対象となるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸(例えば、アミノ酸配列の全長に対して30%、好ましくは25%、20%、15%、10%、5%、3%、2%または1%のアミノ酸、あるいは、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のアミノ酸)が欠失しているか、他のアミノ酸に置換されているか、他のアミノ酸が挿入されているか、およ
び/または他のアミノ酸が付加されているアミノ酸配列をいう。
【0384】
上記のうち、置換は、好ましくは保存的置換である。保存的置換とは、特定のアミノ酸残基を類似の物理化学的特徴を有する残基で置き換えることであるが、もとの配列の構造に関する特徴を実質的に変化させなければいかなる置換であってもよく、例えば、置換アミノ酸が、もとの配列に存在するらせんを破壊したり、もとの配列を特徴付ける他の種類の二次構造を破壊したりしなければいかなる置換であってもよい。以下に、アミノ酸残基の保存的置換について置換可能な残基ごとに分類して例示するが、置換可能なアミノ酸残基は以下に記載されているものに限定されるものではない。
A群:ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、メチオニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、
E群:セリン、スレオニン
F群:フェニルアラニン、チロシン
【0385】
非保存的置換の場合は、上記種類のうち、ある1つのメンバーと他の種類のメンバーとを交換することができる。例えば、不用意な糖鎖修飾を排除するために上記のB、D、E群のアミノ酸をそれ以外の群のアミノ酸に置換してもよい。または、3次構造でタンパク質中に折りたたまれることを防ぐためにシステインを欠失させるか、他のアミノ酸に置換してもよい。あるいは、親水性/疎水性のバランスが保たれるように、または合成を容易にするために親水度を上げるように、アミノ酸に関する疎水性/親水性の指標であるアミノ酸のハイドロパシー指数(J. Kyte 及びR. Doolittle, J. Mol. Biol., Vol.157, p.105-132, 1982)を考慮して、アミノ酸を置換してもよい。
【0386】
本明細書において、2つのアミノ酸配列の同一性%は、視覚的検査及び数学的計算によって決定することができる。また、コンピュータープログラムを用いて同一性%を決定することもできる。そのようなコンピュータープログラムとしては、例えば、BLAST、FASTA(Altschulら、 J. Mol. Biol., 215:403-410(1990))、及びClustal
W等があげられる。特に、BLASTプログラムによる同一性検索の各種条件(パラメーター)は、Altschulら(Nucl. Acids. Res., 25, p.3389-3402, 1997)に記載されたもので、米国バイオテクノロジー情報センター(NCBI)やDNA Data Bank of Japan(DDBJ)のウェブサイトから公的に入手することができる(BLASTマニュアル、Altschulら NCB/NLM/NIH Bethesda, MD 20894;Altschulら)。また、遺伝情報処理ソフトウエアGENETYX Ver.7(ゼネティックス)、DNASIS Pro(日立ソフト)、Vector NTI(Infomax)
等のプログラムを用いて決定することもできる。
【0387】
本明細書において、塩基配列について「1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、挿入もしくは付加された」という場合は、対象となる塩基配列において、1個もしくは数個のヌクレオチド(例えば、塩基配列の全長に対して30%、好ましくは25%、20%、15%、10%、5%、3%、2%または1%のヌクレオチド、あるいは、例えば、1個、5個、10個、15個、20個、25個、または30個のヌクレオチド)が欠失しているか、他のヌクレオチドに置換されているか、他のヌクレオチドが挿入されているか、および/または他のヌクレオチドが付加されている塩基配列をいう。上記ヌクレオチドの欠失、置換、挿入もしくは付加により、アミノ酸をコードする配列にフレームシフトを生じないことが好ましい。
【0388】
本明細書において、2つの塩基配列の同一性%は、視覚的検査及び数学的計算によって決定することができる。また、コンピュータープログラムを用いて同一性%を決定することもできる。そのような配列比較コンピュータープログラムとしては、例えば、米国国立
医学ライブラリーのウェブサイト:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/bls.htmlから利用できるBLASTNプログラム(Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215: 403-10):バージョン2.2.7、又はWU-BLAST2.0アルゴリズム等があげられる。WU-BLAST2.0についての標準的なデフォルトパラメーターの設定は、以下のインターネットサイト:http://blast.wustl.eduに記載されているものを用いることができる。
【0389】
本明細書における「ストリンジェントな条件下」とは、中程度又は高度にストリンジェントな条件においてハイブリダイズすることを意味する。具体的には、中程度にストリンジェントな条件としては、例えば、DNAの長さに基づき、一般の技術を有する当業者によって、容易に決定することが可能である。基本的な条件は、Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第3版,第6-7章,Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001に示されている。好ましくは、中程度にストリンジェントな条件は、ハイブリ
ダイゼーション条件として、1×SSC~6×SSC、42℃~55℃の条件、より好ましくは、1×SSC~3×SSC、45℃~50℃の条件、最も好ましくは、2×SSC、50℃の条件があげられる。ハイブリダイゼーション溶液中に、例えば、約50%のホルムアミドを含む場合には、上記温度よりも5ないし15℃低い温度を採用する。洗浄条件としては、0.5×SSC~6×SSC、40℃~60℃があげられる。ハイブリダイゼーション及び洗浄時には、一般に、0.05%~0.2%、好ましくは約0.1%SDSを加えてもよい。高度にストリンジェントな条件もまた、例えばDNAの長さに基づき、当業者によって、容易に決定することが可能である。一般に、高度にストリンジェント(ハイストリンジェント)な条件としては、中程度にストリンジェントな条件よりも高い温度及び/又は低い塩濃度でのハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を含む。例えば、ハイブリダイゼーション条件として、0.1×SSC~2×SSC、55℃~65℃の条件、より好ましくは、0.1×SSC~1×SSC、60℃~65℃の条件、最も好ましくは、0.2×SSC、63℃の条件があげられる。洗浄条件として、0.2×SSC~2×SSC、50℃~68℃、より好ましくは、0.2×SSC、60~65℃が挙げられる。
【0390】
上記(1α)~(55α)の抗原のエピトープについて、Xで表される残基は、実施例4に示すアラニンスキャンにより、アラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体への結合性が維持された部位のアミノ酸残基である。このような部位については、他のいずれかのアミノ酸に置換した場合も当該IgE抗体への結合性を維持する蓋然性が高いことは、当業者に周知である。
【0391】
抗原は、大豆から当業者に周知のタンパク質精製方法を組み合わせて分離・精製することによって得てもよい。または、抗原は、当業者に周知の遺伝子組換え技術により抗原を組換えタンパク質として発現させ、そして当業者に周知のタンパク質精製方法により分離・精製することによって得てもよい。
【0392】
タンパク質の精製方法としては、例えば、塩析、溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾過、SDS-PAGEなど分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーやヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーなどの荷電を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動などの等電点の差を利用する方法などが挙げられる。
【0393】
遺伝子組換え技術によるタンパク質の調製は、抗原をコードする核酸を含む発現ベクターを調製し、当該発現ベクターを適切な宿主細胞中に遺伝子導入または形質転換により導入し、当該宿主細胞を組換えタンパク質の発現に適する条件下で培養し、そして当該宿主
細胞中で発現された組換えタンパク質を回収することにより行う。
【0394】
「ベクター」は、それに連結させた核酸を宿主細胞内に導入するために用いることが可能な核酸であり、「発現ベクター」はベクターにより導入された核酸がコードするタンパク質の発現を導くことが可能なベクターである。ベクターには、プラスミドベクター、ウイルスベクター等が含まれる。当業者は、使用する宿主細胞の種類に応じて、組換えタンパク質の発現に適切な発現ベクターを選択することができる。
【0395】
「宿主細胞」は、ベクターにより遺伝子導入または形質転換を受ける細胞である。宿主細胞は、使用するベクターに応じて当業者が適切に選択することができる。宿主細胞は、例えば、大腸菌(E. coli)などの原核生物由来であることが可能である。大腸菌のよう
な原核細胞を宿主として使用する場合、本発明の抗原は、原核細胞内での組換えタンパク質の発現を容易にするためにN末端メチオニン残基を含むようにしてもよい。このN末端メチオニンは、発現後に組換えタンパク質から切り離すこともできる。あるいは、酵母などの単細胞真核生物、植物細胞、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター細胞、ラット細胞、マウス細胞または昆虫細胞)などの、真核生物由来の細胞やカイコであることが可能である。
【0396】
発現ベクターの宿主細胞への遺伝子導入または形質転換は、当業者に公知の手法により適宜行うことができる。また、当業者は、宿主細胞の種類に応じて組換えタンパク質の発現に適する条件を適宜選択し、宿主細胞を培養することにより組換えタンパク質を発現させることができる。そして、組換えタンパク質を発現した宿主細胞をホモジナイズし、得られたホモジネートから上述したタンパク質の精製方法を適宜組み合わせて行うことにより、組換えタンパク質として発現された抗原を分離・精製することができる。
【0397】
診断キット・診断方法(1)
本発明は、対象の大豆アレルギーを診断するための指標を提供する方法であって、以下の工程:
(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる、ここで当該試料はIg抗体が含まれる溶液である;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象が大豆アレルギーであることの指標が提供される;
を含み、ここで当該抗原は上記(1α)~(55α)の抗原として特定されるタンパク質の少なくとも一つである、前記方法を提供する。
【0398】
対象から得られた試料とは、対象から採取されたIg抗体、より好ましくはIgE抗体、が含まれる溶液である。そのような溶液には、例えば、血液、唾液、痰、鼻水、尿、汗、涙が含まれる。対象から得られた試料は、抗原に接触させる前に、試料中のIg抗体濃度を高めるための前処理が施されていてもよい。試料の前処理としては、例えば血液から血清、血しょうを得ることが含まれてもよい。またさらに、抗原との結合部分であるFab部分を精製してもよい。特に好ましい態様において、上記工程(i)は、対象から得られた血清中のIgE抗体と抗原を接触させることにより行われる。
【0399】
IgE抗体は、IgE抗体そのものであってもよく、IgE抗体が結合した肥満細胞等であってもよい。
【0400】
対象から得られた試料と抗原との接触およびその結合の検出は、既知の方法により行うことが可能である。そのような方法には、例えば、ELISA(Enzyme-Linked Immunosorvent Assay)、サンドイッチ免疫測定法、イムノブロット、免疫沈降法、イムノクロマ
ト法による検出を用いることができる。これらはいずれも、抗原に対象のIgE抗体を接触させて結合させ、抗原に特異的に結合したIgE抗体に対して酵素標識した二次抗体を作用させ、酵素の基質(通常は、発色あるいは発光試薬)を加えて酵素反応の生成物を検出することにより、抗原と対象のIgE抗体の結合を検出する手法である。もしくは、蛍光標識した二次抗体を検出する方法である。あるいは、表面プラズモン共鳴(SPR)等の
、抗原とIgE抗体の結合を評価可能な測定方法による検出を用いることもできる。複数種の抗原特異的IgE抗体が混合されていてもよい。
【0401】
抗原は、単離された抗原が担体に固定されている状態であってもよい。この場合は上記工程(i)および(ii)においてELISA、サンドイッチ免疫測定法、イムノクロマト法、表面プラズモン共鳴等が利用でき、また、上記工程(i)では、対象から得られた試料を抗原を固定した面に接触させることにより行う。単離された抗原は、大豆から当業者に周知のタンパク質精製方法を組み合わせて分離・精製することによって、または遺伝子組換え技術により調製することによって得てもよい。また、対象のIgE抗体が担体に固定されている状態のものを利用し、上記の手法により抗原との結合を検出してもよい。
【0402】
抗原は担体に固定されていない状態であってもよい。この場合は、上記工程(i)および(ii)において、フローサイトメトリー等が利用でき、レーザー光により抗体が結合した抗原の存在を確認できる。例えば、好塩基球活性化試験(BAT)等が挙げられる。また、抗原を試料中の血球にさらに接触させることにより、ヒスタミンを遊離するかどうかを調べるヒスタミン遊離試験(HRT)も挙げられる。
【0403】
また、抗原は2次元電気泳動により分離した状態からイムノブロットによる検出を行ってもよい。2次元電気泳動は、1次元目に等電点電気泳動、2次元目にSDS-PAGE(SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)を行うことで、タンパク質試料を分離する手法である。この場合、2次元電気泳動の条件は、本願発明の抗原が分離できる条件であれば特に限定されない。例えば、上記「抗原の特定」の項目において記載した2次元電気泳動の条件を利用できる。あるいは、上述の特許文献1~4の記載を参考にして電気泳動の条件を定めることもでき、例えば、以下:
(A)1次元目の等電点電気泳動ゲルとして、ゲル長が5~10cmの範囲内であって、ゲルのpH範囲が3~10であり、泳動方向に対するゲルのpH勾配が、pH5までのゲル長をa、pH5~7のゲル長をb、pH7以上のゲル長をcとした場合において、「a<b]及び「b>c」の関係を満たす;
(B)(A)の場合であって、ゲルの全長を1とした場合、aが0.15~0.3の範囲内、bが0.4~0.7の範囲内、cが0.15~0.3の範囲内である;
(C)1次元目の等電点電気泳動において、検体を含むゲル1本につき100V~600Vの範囲内の値の定電圧の印加による定電圧工程を行い、泳動30分あたりの泳動変化幅が5μAの範囲内となった後に前記定電圧から電圧を上昇させる電圧上昇行程を始める;(D)(C)の場合に、電圧上昇工程の最終電圧を3000V~6000Vの範囲内とする;
(E)1次元目の等電点電気泳動ゲルの長手方向のゲル長が5~10cmであって、2次元目電気泳動ゲルの泳動方向基端部のゲル濃度を3~6%とする;および
(F)(E)の場合に、2次元目電気泳動ゲルの泳動方向先端側の部分のゲル濃度が、泳動方向基端部のゲル濃度よりも高く設定する;
からなる群より選択される少なくとも一つを満たす条件で2次元電気泳動を行うことができる。
【0404】
上記(1α)~(55α)の抗原は、大豆に対するアレルギーの患者のIgE抗体と特異的に結合する抗原である。したがって、対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象が大豆に対するアレルギーであることの指標が提供される。
【0405】
本発明はまた、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを含む大豆に対するアレルギーの診断キットを提供する。本発明の診断キットは、上記の大豆に対するアレルギーを診断するための指標を提供する方法、または下記の診断方法に用いてもよい。本発明の診断キットは、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを含むほか、酵素標識された抗IgE抗体および当該酵素の基質となる発色基質または発光基質を含んでいてもよい。また、蛍光標識された抗IgE抗体を用いてもよい。本発明の診断キットにおいて、抗原は担体に固定化された状態で提供されてもよい。本発明の診断キットはまた、診断のための手順についての説明書や当該説明を含むパッケージと共に提供されてもよい。
【0406】
別の態様において、上記の診断キットは、大豆に対するアレルギーについてのコンパニオン診断薬を含む。コンパニオン診断薬とは、医薬品の効果が期待される患者の特定または医薬品の重篤な副作用リスクを有する患者の特定、あるいは医薬品を用いた治療の最適化のために当該医薬品の反応性を検討するために用いるものである。ここで治療の最適化とは、例えば、用法容量の決定や投与中止の判断、どのアレルゲンコンポーネントを使って免疫寛容するかの確認等が含まれる。
【0407】
本発明はまた、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを含む大豆に対するアレルギーの診断用組成物を提供する。本発明の診断用組成物は、下記の診断方法に用いることができる。本発明の診断用組成物は、必要に応じて本発明の抗原とともに一般的に用いられる、薬学的に許容される担体や添加剤を含んでいてもよい。
【0408】
一態様において、本発明は、対象の大豆に対するアレルギーを診断する方法であって、以下の工程:
(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象が大豆に対するアレルギーであると判断する;
ことを含み、ここで当該抗原は上記(1α)~(55α)の抗原として特定されるタンパク質の少なくとも一つである、前記方法を提供する。ここにおいて(i)および(ii)の各工程は、大豆に対するアレルギーを診断するための指標を提供する方法の各工程について説明したとおりに行われる。
【0409】
別の態様において、本発明は、対象の大豆に対するアレルギーを診断する方法であって、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを対象に投与することを含む、前記方法を提供する。当該方法は、皮膚に抗原を適用することを特徴とする皮膚テストの形式で行ってもよい。皮膚テストには、皮膚上に診断用組成物を適用した後に、出血しない程度に微少な傷をつけることで皮膚に抗原を浸透させて皮膚反応を観察するプリックテスト、診断用組成物を適用した上に皮膚を少し引っ掻いて反応を観察するスクラッチテスト、クリームや軟膏などの形態の診断用組成物を皮膚に適用して反応を観察するパッチテスト、抗原を皮内に投与して反応を観察する皮内テスト、などの形態が含まれる。抗原を適用した部分の皮膚に腫れなどの皮膚反応が生じた場合、その対象は大豆に対するアレルギーを有すると診断する。ここで、皮膚に適用する抗原の量は、例えば、1回あたり100μg以下の用量であってよい。
【0410】
アレルギーの診断においては、抗原の特定を目的とした負荷試験がしばしば行われている。上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つは、大豆に対するアレルギーであることを診断するための負荷試験の有効成分として用いることができる。ここで、負荷試験に用いる抗原タンパク質としては、発現精製したタンパク質であってもよく、例えば、
イネにスギ花粉抗原の遺伝子を形質転換し、その抗原タンパク質を米内に発現させた花粉米のように、食品・食材において発現させたものであってもよい。
【0411】
また別の態様において、本発明は大豆に対するアレルギーの診断に使用するための上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを提供する。ここで、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを、既知の抗原と混合して提供することも含む。
【0412】
さらなる別の態様において、本発明は大豆に対するアレルギーの診断薬の製造のための上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つの使用を提供する。
【0413】
医薬組成物・治療方法(1)
本発明は、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを含む医薬組成物を提供する。一態様において、上記の医薬組成物は、大豆に対するアレルギーを治療するために用いられる。
【0414】
本発明はまた、大豆に対するアレルギーの治療を必要とする患者に対して、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを投与することを含む、大豆に対するアレルギーを治療する方法を提供する。
【0415】
別の態様において、本発明は大豆に対するアレルギーの治療に使用するための上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを提供する。さらに別の態様において本発明は、大豆に対するアレルギーの治療薬の製造のための上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つの使用を提供する。
【0416】
アレルギーの治療においては、患者に抗原を投与することで免疫寛容へと誘導することを目標とした、減感作療法がしばしば行われている。上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つは、大豆に対するアレルギーに対する減感作療法のための有効成分として用いることができる。ここで、減感作療法に用いる抗原タンパク質としては、発現精製したタンパク質であってもよく、例えばイネにスギ花粉抗原の遺伝子を形質転換し、その抗原タンパク質を米内に発現させた花粉米のように、食品・食材において発現させたものであってもよい。
【0417】
本発明の医薬組成物は、通常の投与経路により投与することができる。通常の投与経路には例えば、経口、舌下、経皮、皮内、皮下、血液内、鼻腔内、筋肉内、腹腔内、直腸内の投与が含まれる。
【0418】
本発明の医薬組成物は、必要に応じて本発明の抗原と共に、一般的に用いられる薬学的に許容されるアジュバント、賦形剤、または各種の添加剤(例えば安定剤、溶解補助剤、乳濁化剤、緩衝剤、保存剤、着色剤等)を常法により添加した医薬組成物として用いることができる。医薬組成物の剤型は、投与経路に応じて当業者が適宜選択することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、トローチ、舌下錠、注射剤、鼻腔内噴霧剤、パップ剤、液剤、クリーム剤、ローション剤、等の形態であってよい。本発明の医薬組成物の投与量、投与回数および/または投与期間は、投与経路、症状、年齢や体重などの患者の特性等に応じて医師が適宜選択することができる。例えば、成人の場合、1回あたり100μg以下の用量で投与してもよい。投与間隔は、例えば、毎日、毎週1回、月に2回、又は3ヶ月に1回程度であってよい。投与期間は例えば、数週間から数年であってよい。投与期間内において、投与量を段階的に増加させる投与方法であってもよい。
【0419】
テスター(1)
本発明は、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つに対する抗体を含むテス
ターをを提供する。
【0420】
当該抗体は、常法により作製することができる。例えば、ウサギなどの哺乳動物を上記(1α)~(55α)の抗原で免疫することにより作製してもよい。当該抗体は、Ig抗体、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、またはそれらの抗原結合フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)、Fab’)であってもよい。
【0421】
また、上記のテスターにおいて、当該抗体は担体に結合した形で提供されていてもよい。担体は、抗体と抗原の結合の検出に利用可能な担体であれば特に限定されない。当業者に公知の任意の担体が利用できる。
【0422】
抗原含有の有無を調べる方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
・作製したIgE抗体を含むテスターを食品・食材等から得られた試料に接触させて、例えばELISA法等を用いて当該IgE抗体と試料中の抗原との結合を検出し、当該IgE抗体と抗原との結合が検出された場合に、対象食品・食材等に当該抗原が残留していると判断する方法。
・ろ紙などに食品・食材をしみこませ、そこに含まれる抗原を検出するように、抗体溶液を反応させる方法。
【0423】
本発明の別の態様において、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、69、88、105、121、138、154、158、162、168、173、188、200、203、219、232、238、241、253、279、285、290、305、319、326、333、340、347、357、366、383、393、410、417、421、428、434、440、446、452、455、459、467、472、478、484、488、494、514、517、521、524、532、540、546、552、555、559、564、571、577、583、589、598、605、612、617または636で示される塩基配列の少なくとも1つの一部と相補的な塩基配列を有するプライマーを含むことを特徴とする、対象物における大豆に対するアレルギーの抗原の有無を判定するためのテスターを含む。非限定的に、上記プライマーは例えば、本段落において特定する上記の配列番号で示される塩基配列の少なくとも1つの配列の一部の3’末端または中央部分の配列の、好ましくは、12残基、15塩基、20塩基、25塩基と相補的な塩基配列を有する。特にmRNAを対象とする場合は、ポリAテールの相補プライマーを有する。好ましい態様において、上記のプライマーを含むテスターは、さらに本段落において特定する上記の配列番号で示される塩基配列の少なくとも1つの配列の5’末端の部分の塩基配列、好ましくは12塩基、15塩基、20塩基、25塩基からなる塩基配列を含むプライマーを含んでもよい。
【0424】
例えば、大豆から得られたDNAまたはmRNAを鋳型として、前記相補的なプライマーを用い、RT-PCRを含むPCR(Polymerase Chain Reaction)でcDNAを増幅
し、増幅されたcDNAの配列を一つ前の段落において特定する上記の配列番号で示される塩基配列と比較することで、抗原の有無を判断する。PCRで増幅する方法は、RACE法等が例示できる。この時、増幅されたcDNAと一つ前の段落において特定する上記の配列番号で示される塩基配列との比較において、同じアミノ酸をコードする点変異が存在する場合、または、増幅されたcDNAの塩基配列において、一つ前の段落において特定する上記の配列番号で示される塩基配列に対する塩基の挿入、欠失、置換もしくは付加が存在しても、当該cDNAコードするアミノ酸配列が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、70、89、106、122、139、155、159、163、169、174、189、201、204、220、233、239、242、254、280、286、291、306、320、327、334、341、348、358、367、384、394、411、418、422、429、435、441、447、4
53、456、460、468、473、479、485、489、495、515、518、522、525、533、541、547、553、556、560、565、572、578、584、590、599、606、613、618または637のアミノ酸配列に対して同一性が70%以上、好ましくは80、90、95、98、99%以上となる場合は、抗原が存在すると判断する。
【0425】
一態様において、上記のテスターは、食材または食品製造ライン中などの対象物中の抗原含有の有無を調べるために用いられる。上記テスターは、製造業者による製造ラインおよび出荷前製品の品質検査用として用いてもよく、喫食者自身による対象食品・食材の抗原含有の有無のチェック用として用いてもよい。
【0426】
アレルゲン除去食品等(1)
本発明は、上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つが除去又は低減されていることを特徴とする大豆または大豆加工品を提供する。
【0427】
大豆または大豆加工品において本発明の抗原を除去又は低減する方法は限定されない。抗原の除去又は低減は、本発明の抗原が除去又は低減される限り、いかなる方法によって行われてもよい。
【0428】
例えば、本発明の抗原が除去又は低減された大豆は、遺伝子ノックアウト技術を用いて、本発明の抗原の発現がノックアウトされた大豆を調製してもよい。遺伝子ノックアウト技術は、遺伝子改変等の当業者に公知の手法のいずれかを用いることができる。
【0429】
本発明の抗原が除去又は低減された大豆加工品は、本発明の抗原が除去又は低減された大豆を原料とした加工品であってもよい。通常の大豆を原料とする場合は、大豆加工品の調製前または調製後に本発明の抗原を除去又は低減する処理を行う。通常の大豆を原料とした大豆加工品において本発明の抗原を除去又は低減する方法として、高圧処理および中性塩溶液による溶出や、高温スチーム等の、食品中のタンパク質成分を除去する方法や、熱処理および酸処理による加水分解・変性・アミノ酸変化(側鎖の化学修飾・脱離等)する方法が挙げられる。
【0430】
抗原除去大豆加工品の製造方法
本発明は、抗原が除去または低減されている大豆加工品の製造方法であって、当該加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されていることを確認するステップを有する、ここで当該抗原は上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つである、前記製造方法を提供する。
【0431】
抗原が除去または低減されている大豆加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されていることを確認するステップは、上記『テスター(1)』の項目において記載した方法により抗原の含有の有無を確認することにより行ってもよい。
【0432】
また、抗原が除去または低減されている大豆加工品の製造は、上記『アレルゲン除去食品等(1)』の項目において記載した方法により行ってもよい。
【0433】
抗原のエピトープ
実施例3に示すとおり特定した抗原ならびに公知の抗原であるGly m 4、Gly m 5、Gly m 6およびGly m 8について、実施例4および5に示すとおりエピトープおよびそのエピトープ内でアレルギー患者のIgE抗体との結合性に重要なアミノ酸を特定した。
【0434】
本発明は、アレルギー患者のIgE抗体に特異的に結合するアミノ酸配列を含むポリペ
プチドとして以下(1β)~(60β)のポリペプチドを提供する。
【0435】
(1β)endoplasmin homolog isoform X2(スポット1α)のエピトープ
本願において(1β)のポリペプチドは、以下(1β-1)~(1β-4)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(1β-1)配列番号652、655及び657~660からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(1β-2)XXKXEXXX(配列番号650)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、XTKXEXXX(配列番号651)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号652の1、2、4、6~8番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは、配列番号652の1、4、6~8番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(1β-3)XXXKDNVXX(配列番号653)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好まし
くは、XLXKDNVXX(配列番号654)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましく
は、配列番号655の1~3、8、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは、配列番号655の1、3、8、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(1β-4)EEEDDXXXXXEXXXX(配列番号656)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは、配列番号657の6~10、12~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは、配列番号657の6~10、12~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0436】
(2β)heat shock cognate protein 80(スポット2α)のエピトープ
本願において(2β)のポリペプチドは、以下(2β-1)~(2β-9)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(2β-1)配列番号663、666、669、670~672、675、676~678、681、684、687、689及び690~692からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(2β-2)DXXDKXXXX(配列番号661)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好まし
くは、DXXDKXRXX(配列番号662)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましく
は配列番号663の2、3、6~9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは、配列番号663の2、3、6、8、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(2β-3)XXXXKSKLXXXXXXX(配列番号664)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは、XXXXKSKLXXXPXXX(配列番号665)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは配列番号666の1~4、9~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号666の1~4、9~11、13~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(2β-4)XPDKX(配列番号667)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは
、IPDKX(配列番号668)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番
号669の1及び5番目のアミノ酸のいずれか1又は2個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号669の1及び5番目のアミノ酸のいずれか1又は2個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含
むポリペプチド。
(2β-5)XXFSKXXXXXXXEDX(配列番号673)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは、XXFSKXXXXXXXEDS(配列番号674)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは配列番号675の1、2、6~12、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号675の1、2、6~12番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(2β-6)XXXXDXXXXEXXXDX(配列番号679)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは、XXXXDKIRXEXXXDK(配列番号680)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは配列番号681の1~4、6~9、11~13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号681の1~4、9、11~13番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(2β-7)XYXXRXXXXQNXXXX(配列番号682)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは配列番号684の1、3、4、6~9、12~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号684の1、3、4、6~9、12~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(2β-8)DXXXRXXXXQNXXXX(配列番号685)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは配列番号687の2~4、6~9、12~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号687の2~4、6~9、12~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(2β-9)RKPXXXXXXXXAAXX(配列番号688)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは配列番号689の4~11、14、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号689の4~11、14、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0437】
(3β)Cell division cycle protein 48 homolog(スポット3α)のエピトープ
本願において(3β)のポリペプチドは、以下(3β-1)~(3β-4)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(3β-1)配列番号695、697、699及び700~716からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(3β-2)XXXXXXXXXXRLXEX(配列番号693)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは、XXXLKREDEERLDEV(配列番号694)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは配列番号695の1~10、13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号695の1~3番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(3β-3)XXXXXXXXXXXXXDE(配列番号696)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは配列番号697の1~13番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号697の1~13番目のアミノ酸のい
ずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(3β-4)XXXXGDR(配列番号698)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましく
は配列番号699の1~4番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号699の1~4番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0438】
一態様において、(3β)のポリペプチドは、Cell division cycle protein 48 homologの全長アミノ酸配列(配列番号16)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0439】
なお、配列番号695、697、699及び700~716は、それぞれ、配列番号16のアミノ酸191~205(配列番号695)、アミノ酸21~35(配列番号697)、アミノ酸779~785(配列番号699)、アミノ酸8~14(配列番号700)、アミノ酸49~56(配列番号701)、アミノ酸101~107(配列番号702)、アミノ酸161~175(配列番号703)、アミノ酸291~305(配列番号704)、アミノ酸316~323(配列番号705)、アミノ酸327~333(配列番号706)、アミノ酸341~355(配列番号707)、アミノ酸361~369(配列番号708)、アミノ酸431~445(配列番号709)、アミノ酸451~465(配列番号710)、アミノ酸501~515(配列番号711)、アミノ酸565~572(配列番号712)、アミノ酸631~645(配列番号713)、アミノ酸703~712(配列番号714)、アミノ酸711~715(配列番号715)、アミノ酸721~735(配列番号716)に相当する。
【0440】
(4β)embryo-specific urease isoform X1(スポット4α)のエピトープ
本願において(4β)のポリペプチドは、以下(4β-1)~(4β-5)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(4β-1)配列番号719、722、725、726~728及び731からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(4β-2)XXXXXXXKED(配列番号717)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、XXXXXEXKED(配列番号718)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号719の1~7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6又は7個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号719の1~5、7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(4β-3)KXXLGDX(配列番号720)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましく
は、KIXLGDX(配列番号721)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配
列番号722の2、3、7番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号722の3及び7番目のアミノ酸のいずれか1又は2個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(4β-4)XXXDXFXKXE(配列番号723)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、XXXDXFXKIE(配列番号724)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号725の1~3、5、7、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号725の1~3、5、7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(4β-5)XXXHXLXXXNKXXEA(配列番号729)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは、XXVHXLXXXNKXXEA(配列番号730)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは配列番号731の1~3、5、7~9、12、13番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号731の1、2、5、7~9、12、13番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0441】
(5β)alpha-1,4 glucan phosphorylase L isozyme, chloroplastic/amyloplastic(スポット5α)のエピトープ
本願において(5β)のポリペプチドは、以下(5β-1)~(5β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(5β-1)配列番号734及び735~738からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(5β-2)XXXXXXGLXKXRXEX(配列番号732)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは、XXXXXXGLXKXRXEG(配列番号733)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは配列番号734の1~6、9、11、13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号734の1~6、9、11、13番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0442】
(6β)aconitate hydratase 1(スポット6α)のエピトープ
本願において(6β)のポリペプチドは、配列番号739及び740からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0443】
(7β)methionine synthase(スポット7α)のエピトープ
本願において(7β)のポリペプチドは、以下(7β-1)~(7β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(7β-1)配列番号741及び744からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(7β-2)XXXXXXXKDXVEDXE(配列番号742)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
好ましくは、XXXXXXXKDEVEDXE(配列番号743)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
より好ましくは配列番号744の1~7、10、14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号744の1~7、14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0444】
(9β)lysine--tRNA ligase, cytoplasmic-like isoform X2(スポット9α)のエピトープ
本願において(9β)のポリペプチドは、以下(9β-1)~(9β-3)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(9β-1)配列番号747及び749からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(9β-2)XXEXXXXKDX(配列番号745)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、NXEXXXXKDX(配列番号746)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号747の1、2、4~7、10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6又は7個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号747の2、4~7、10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド

(9β-3)LDFLEXET(配列番号748)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは配列番号749の6番目のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号749の6番目のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0445】
(11β)polyadenylate-binding protein 8 isoform X3(スポット11α)のエピトープ
本願において(11β)のポリペプチドは、以下(11β-1)~(11β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(11β-1)配列番号753及び754からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(11β-2)PLXQQXXXXX(配列番号751)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、PLXQQGXXXX(配列番号752)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号753の3、6~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号753の3、7~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0446】
(12β)pyrophosphate--fructose 6-phosphate 1-phosphotransferase subunit alpha-like(スポット12α)のエピトープ
本願において(12β)のポリペプチドは、配列番号755のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0447】
(13β)protein disulfide isomerase-like protein precursor(スポット13α)のエピトープ
本願において(13β)のポリペプチドは、以下(13β-1)~(13β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(13β-1)配列番号758のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(13β-2)XXGXXXXXXXXXXXE(配列番号756)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXGXLXXXXGXRTXE(配列番号757)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号758の1、2、4~14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号758の1、2、4、6~9、11、14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0448】
(14β)V-type proton ATPase subunit B 2(スポット14α)のエピトープ
本願において(14β)のポリペプチドは、以下(14β-1)~(14β-3)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(14β-1)配列番号761及び764からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(14β-2)XXXXXLLXXXXEEDN(配列番号759)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXXXXLLEXXXEEDN(配列番号760)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号761の1~5、8~11番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号761の1~5、9~11番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(14β-3)RKXXXXXXXXXYXNX(配列番号762)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、RKDHSXXXXXLYANX(配列番号763)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号764の3~11、13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号764の6~10、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0449】
(15β)UTP-glucose-1-phosphate uridylyltransferase(スポット15α、16α
)のエピトープ
本願において(15β)のポリペプチドは、以下(15β-1)~(15β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(15β-1)配列番号766のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(15β-2)XGKXXXXXXXXXXXX(配列番号765)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、配列番号766の1、4~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号766の1、4~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0450】
(17β)guanosine nucleotide diphosphate dissociation inhibitor 2(スポット
17α)のエピトープ
本願において(17β)のポリペプチドは、配列番号767のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0451】
(18β)hypothetical protein GLYMA_10G028300(スポット18α)のエピトープ
本願において(18β)のポリペプチドは、以下(18β-1)~(18β-3)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(18β-1)配列番号750、768、771、772及び775からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(18β-2)XXXXXXXNXXIFEED(配列番号769)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXXXXXXNXYIFEED(配列番号770)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号771の1~7、9、10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号771の1~7及び9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(18β-3)XELPREXRXX(配列番号773)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、XELPREERXX(配列番号774)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号775の1、7、9、10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号775の1、9、10番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0452】
(19β)sucrose binding protein homolog S-64(スポット19α)のエピトープ
本願において(19β)のポリペプチドは、以下(19β-1)~(19β-5)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(19β-1)配列番号778、781、784、786及び787からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(19β-2)XXXXXPLYXXXXDEX(配列番号776)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXXXXPLYIXXXDEX(配列番号777)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号778の1~5、9~12、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号778の1~5、10~12、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(19β-3)XXXXXXXXRXRRXXX(配列番号779)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXXXXSXXRXRRXXX(配列番号780)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号781の1~8、10、13~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号782の1~5、7、8、10、13~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(19β-4)XXXXXXXXXXEEEXX(配列番号782)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XKEEEHQEXXEEEQX(配列番号783)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号784の1~10、14、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号784の1、9、10、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(19β-5)XXGKXXXXXXXXXXX(配列番号785)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは配列番号786の1、2、5~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号786の1、2、5~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0453】
(20β)Seed biotin-containing protein SBP65(スポット20α)のエピトープ
本願において(20β)のポリペプチドは、配列番号788~792からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0454】
一態様において、(20β)のポリペプチドは、Seed biotin-containing protein SBP65の全長アミノ酸配列(配列番号12)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0455】
なお、配列番号788~792は、それぞれ、配列番号12のアミノ酸131~145(配列番号788)、アミノ酸251~258(配列番号789)、アミノ酸281~295(配列番号790)、アミノ酸441~448(配列番号791)、アミノ酸531~545(配列番号792)に相当する。
【0456】
(21β)Ribulose bisphosphate carboxylase large chain(スポット21α)のエ
ピトープ
本願において(21β)のポリペプチドは、配列番号793~802からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0457】
一態様において、(21β)のポリペプチドは、Ribulose bisphosphate carboxylase large chainの全長アミノ酸配列(配列番号4)または当該アミノ酸配列の全長に対して
同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0458】
なお、配列番号793~802は、それぞれ、配列番号4のアミノ酸31~34(配列番号793)、アミノ酸101~108(配列番号794)、アミノ酸201~209(配列番号795)、アミノ酸221~235(配列番号796)、アミノ酸237~245(配列番号797)、アミノ酸291~295(配列番号798)、アミノ酸351~365(配列番号799)、アミノ酸411~417(配列番号800)、アミノ酸431~445(配列番号801)、アミノ酸461~475(配列番号802)に相当する。
【0459】
(22β)Gamma-glutamyl hydrolase(スポット22α)のエピトープ
本願において(22β)のポリペプチドは、配列番号803~808からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0460】
一態様において、(22β)のポリペプチドは、Gamma-glutamyl hydrolaseの全長アミノ酸配列(配列番号6)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0461】
なお、配列番号803~808は、それぞれ、配列番号6のアミノ酸61~75(配列番号803)、アミノ酸161~175(配列番号804)、アミノ酸241~255(配列番号805)、アミノ酸261~275(配列番号806)、アミノ酸288~294(配列番号807)、アミノ酸301~315(配列番号808)に相当する。
【0462】
(23β)Guanine nucleotide-binding protein subunit beta-like protein(スポット23α)のエピトープ
本願において(23β)のポリペプチドは、配列番号809~812からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0463】
一態様において、(23β)のポリペプチドは、Guanine nucleotide-binding protein
subunit beta-like proteinの全長アミノ酸配列(配列番号8)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0464】
なお、配列番号809~812は、それぞれ、配列番号8のアミノ酸41~55(配列番号809)、アミノ酸111~125(配列番号810)、アミノ酸227~235(配列番号811)、アミノ酸270~278(配列番号812)に相当する。
【0465】
(24β)Protein SLE3(スポット24α)のエピトープ
本願において(24β)のポリペプチドは、配列番号813のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0466】
一態様において、(24β)のポリペプチドは、Protein SLE3の全長アミノ酸配列(配列番号10)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0467】
なお、配列番号813は、配列番号10のアミノ酸71~85に相当する。
【0468】
(25β)succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial(スポ
ット25α)のエピトープ
本願において(25β)のポリペプチドは、配列番号814及び815からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0469】
(26β)phosphoglycerate kinase, cytosolic(スポット26α)のエピトープ
本願において(26β)のポリペプチドは、以下(26β-1)~(26β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(26β-1)配列番号816及び819からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(26β-2)FDKXXXX(配列番号817)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好まし
くは、FDKFXXX(配列番号818)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは
配列番号819の4~7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号819の5~7番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0470】
(27β)alcohol dehydrogenase 1(スポット27α)のエピトープ
本願において(27β)のポリペプチドは、配列番号820のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0471】
(28β)35 kDa seed maturation protein isoform X1(スポット28α)のエピト
ープ
本願において(28β)のポリペプチドは、以下(28β-1)~(28β-4)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(28β-1)配列番号823、826、829、830~835からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(28β-2)XQXXXXENKP(配列番号821)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、EQXQXXENKP(配列番号822)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号823の1、3~6番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号823の3、5、6番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(28β-3)XKXXXXEKXXXXXXX(配列番号824)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XKDXXXEKXXXXXDX(配列番号825)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号826の1、3~6、9~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号826の1、4~6、9~13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(28β-4)XXXDXXREEXXXXRX(配列番号827)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXXDXXREEEEXXRX(配列番号828)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号829の1~3、5、6、10~13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号829の1~3、5、6、12、13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0472】
(29β)glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoform X1(スポット29α
、30α、31α、32α、33α)のエピトープ
本願において(29β)のポリペプチドは、以下(29β-1)~(29β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(28β-1)配列番号838及び839からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(28β-2)XXXXXXXDKP(配列番号836)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、XXXXXFXDKP(配列番号837)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号838の1~7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6又は7個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号838の1~5、7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0473】
(34β)bifunctional UDP-glucose 4-epimerase and UDP-xylose 4-epimerase 1-like(スポット34α)のエピトープ
本願において(34β)のポリペプチドは、以下(34β-1)~(34β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(34β-1)配列番号842、843~846からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(34β-2)XXXXXXXXXXXDDXE(配列番号840)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、LXXXXXXXXXXDDXE(配列番号841)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号842の1~11、14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号842の2~11、14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0474】
(35β)elongation factor 1-alpha(スポット35α)のエピトープ
本願において(35β)のポリペプチドは、以下(35β-1)~(35β-4)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(35β-1)配列番号849、850、853及び856からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(35β-2)XXXXDKXXXERXXXE(配列番号847)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXXXDKRVXERXXXE(配列番号848)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号849の1~4、7~9、12~14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号849の1~4、9、12~14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(35β-3)PISXFEXXX(配列番号851)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ま
しくは、PISGFEXXX(配列番号852)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好まし
くは配列番号853の4、7~9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号853の7~9番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(35β-4)XXEXLDXXXX(配列番号854)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、LLEXLDXXXX(配列番号855)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号856の1、2、4、7~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6又は7個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号856の4、7~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0475】
(36β)seed maturation protein PM34(スポット36α、37α)のエピトープ
本願において(36β)のポリペプチドは、以下(36β-1)~(36β-2)から
なる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(36β-1)配列番号857、858及び861からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(36β-2)KXXXXQQQ(配列番号859)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、KXXXQQQQ(配列番号860)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号861の2~5番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号861の2~4番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0476】
(38β)seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1(スポット38α)のエピトープ
本願において(38β)のポリペプチドは、以下(38β-1)~(38β-13)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(38β-1)配列番号864、867、869、871、874、877、880、882、884、887、889及び892からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-2)RGKXXXX(配列番号862)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好まし
くは配列番号864の4~7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号864の4~7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-3)XRGKXXXXXX(配列番号865)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、RRGKXXXXXX(配列番号866)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号867の1、5~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6又は7個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号867の5~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-4)RXKXXXXXXXXXXXE(配列番号868)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは配列番号869の2、4~14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号869の2、4~14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-5)XXXXXXXRRXXXXXR(配列番号870)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは配列番号871の1~7、10~14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号871の1~7、10~14番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-6)XXXKGRVVXEXXXXX(配列番号872)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、LPDKGRVVXESEKKE(配列番号873)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号874の1~3、9、11~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号874の1~3、9、11~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-7)ATKAKDXXREXXXXX(配列番号875)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、ATKAKDVTREXXXXX(配列番号876)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号877の7、8、11~15番目のアミノ酸のいずれか1、2
、3、4、5、6又は7個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号877の11~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-8)XGXKGQXKKXXXXXX(配列番号878)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XGXKGQTKKXXGEEQ(配列番号879)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号880の1、3、7、10~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号880の1、3、10、11番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-9)RXXXETKEGX(配列番号881)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは配列番号882の2~4、10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号882の2~4、10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-10)XXXXNKQSSL(配列番号883)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは配列番号884の1~4番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号884の1~4番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-11)XKXVAXXXXXXXXEX(配列番号885)のアミノ酸配列を含むポリペプチ
ド。好ましくは、XKXVAEXXXQXASEL(配列番号886)のアミノ酸配列を含むポリペプチ
ド。より好ましくは配列番号887の1、3、6~13、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号887の1、3、7~9、11番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-12)XXKVEAEXXX(配列番号888)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは配列番号889の1、2、8~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号889の1、2、8~10番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(38β-13)XXXXIAEIAE(配列番号890)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、XXETIAEIAE(配列番号891)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号892の1~4番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号892の1及び2番目のアミノ酸のいずれか1又は2個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0477】
(39β)ATP synthase subunit O, mitochondrial-like(スポット39α)のエピトープ
本願において(39β)のポリペプチドは、以下(39β-1)~(39β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(39β-1)配列番号895のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(39β-2)XYXXSXKXXXXEKVX(配列番号893)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XYIXSXKXXXXEKVX(配列番号894)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号895の1、3、4、6、8~11、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号895の1、4、6、8~11
、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7又は8個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0478】
(40β)P24 oleosin isoform A(スポット40α、56α)のエピトープ
本願において(40β)のポリペプチドは、以下(40β-1)~(40β-3)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(40β-1)配列番号898、899及び902からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(40β-2)YEXGV(配列番号896)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましく
は、YEXGV(配列番号897)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列
番号898の3及び6番目のアミノ酸のいずれか1又は2個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号898の3及び6番目のアミノ酸のいずれか1又は2個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(40β-3)XXXXXVTAX(配列番号900)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ま
しくは、VXXXXVTAX(配列番号901)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好まし
くは配列番号902の1~5、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号902の2~5、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0479】
(41β)uncharacterized protein At3g49720-like isoform X2(スポット41α)
のエピトープ
本願において(41β)のポリペプチドは、配列番号903のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0480】
(42β)superoxide dismutase [Mn], mitochondrial(スポット42α、43α)のエピトープ
本願において(42β)のポリペプチドは、以下(42β-1)~(42β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(42β-1)配列番号906のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(42β-2)XXWXXXXXXXEKEXX(配列番号904)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXWXXXXEXXEKESX(配列番号905)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号906の1、2、4~10、14、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号906の1、2、4~7、9、10、15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0481】
(44β)Ferritin-2(スポット44α)のエピトープ
本願において(44β)のポリペプチドは、以下(44β-1)~(44β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(44β-1)配列番号909のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(44β-2)XXXXEEEREHAXQLI(配列番号907)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは配列番号909の1~4、12番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号909の1~4、12番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0482】
一態様において、(44β)のポリペプチドは、Ferritin-2の全長アミノ酸配列(配列
番号14)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0483】
なお、配列番号909は、配列番号14のアミノ酸131~145に相当する。
【0484】
(45β)uncharacterized protein LOC100499771(スポット45α)のエピトープ
本願において(45β)のポリペプチドは、配列番号910~912からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0485】
(46β)seed maturation protein PM22(スポット46α)のエピトープ
本願において(46β)のポリペプチドは、以下(46β-1)~(46β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(46β-1)配列番号915のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(46β-2)XDXDXXXDX(配列番号913)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ま
しくは、XDIDXXXDX(配列番号914)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好まし
くは配列番号915の1、3、5~7、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号915の1、5~7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0486】
(47β)eukaryotic translation initiation factor 5A-2(スポット47α)のエ
ピトープ
本願において(47β)のポリペプチドは、配列番号916~918からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0487】
(48β)uncharacterized protein LOC100306570(スポット48α)のエピトープ
本願において(48β)のポリペプチドは、以下(48β-1)~(48β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(48β-1)配列番号921及び922からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(48β-2)XXXXXXFDK(配列番号919)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ま
しくは、XXXXPXFDK(配列番号920)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好まし
くは配列番号921の1~6番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号921の1~4、6番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0488】
(49β)Bowman-Birk type proteinase inhibitor D-II(スポット49α)のエピトープ
本願において(49β)のポリペプチドは、配列番号923のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0489】
一態様において、(49β)のポリペプチドは、Bowman-Birk type proteinase inhibitor D-IIの全長アミノ酸配列(配列番号2)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0490】
なお、配列番号923は、配列番号2のアミノ酸79~83に相当する。
【0491】
(50β)uncharacterized protein LOC100813859(スポット50α)のエピトープ
本願において(50β)のポリペプチドは、以下(50β-1)~(50β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(50β-1)配列番号924及び927からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(50β-2)XXXXKQXXX(配列番号925)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ま
しくは、XXDXKQXXX(配列番号926)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好まし
くは配列番号927の1~4、7~9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6又は7個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号927の1、2、4、7~9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、45又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0492】
(51β)14-3-3-like protein(スポット51α)のエピトープ
本願において(51β)のポリペプチドは、配列番号928~930からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0493】
(52β)probable fructokinase-4(スポット52α)のエピトープ
本願において(52β)のエピトープを含むポリペプチドは、以下(52β-1)~(52β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(52β-1)配列番号933、934~938からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(52β-2)XXXXXXSXXEXLXXX(配列番号931)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXGXXXSXXEXLXXX(配列番号932)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号933の1~6、8、9、11、13~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号933の1、2、4~6、8、9、11、13~15番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0494】
(53β)triosephosphate isomerase isoform X1(スポット53α)のエピトープ
本願において(53β)のポリペプチドは、配列番号939のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0495】
(54β)superoxide dismutase [Fe], chloroplastic isoform X1(スポット54α
)のエピトープ
本願において(54β)のポリペプチドは、以下(54β-1)~(54β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(54β-1)配列番号940及び943からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(54β-2)KXXXXTX(配列番号941)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好まし
くは、KXXXXTQ(配列番号942)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは
配列番号943の2~5、7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号943の2~5番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0496】
(55β)51 kDa seed maturation protein precursor(スポット55α)のエピトープ
本願において(55β)のポリペプチドは、以下(55β-1)~(55β-4)から
なる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(55β-1)配列番号946、949及び952からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(55β-2)TKXXXSDXX(配列番号944)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ま
しくは、TKDXXSDXX(配列番号945)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好まし
くは配列番号946の3~5、8、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号946の4、5、8、9番目のアミノ酸のいずれか1、2、3又は4個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(55β-3)VKDXXXDA(配列番号947)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ましくは、VKDYXXDA(配列番号948)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好ましくは配列番号949の4~6番目のアミノ酸のいずれか1、2又は3個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号949の5及び6番目のアミノ酸のいずれか1又は2個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(55β-4)KDXXXXXXQ(配列番号950)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。好ま
しくは、KDXXXXXAQ(配列番号951)のアミノ酸配列を含むポリペプチド。より好まし
くは配列番号952の3~8番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号952の3~7番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4又は5個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0497】
(57β)Gly m 4のエピトープ
本願において(57β)のポリペプチドは、以下(56β-1)~(56β-2)からなる群より選択されるポリペプチドのいずれかであってよい。
(57β-1)配列番号955のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
(57β-2)XXXXXXXEXYXLXHP(配列番号953)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。好ましくは、XXXXXXIEAYLLAHP(配列番号954)のアミノ酸配列を含むポリペプチド
。より好ましくは配列番号955の1~7、9、11、13番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。さらに好ましくは配列番号955の1~6番目のアミノ酸のいずれか1、2、3、4、5又は6個のアミノ酸が別のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【0498】
一態様において、(57β)のポリペプチドは、Gly m 4の全長アミノ酸配列(UniProtアクセッション番号:P26987.1)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0499】
なお、配列番号955は、UniProtアクセッション番号:P26987.1のアミノ酸141~
155に相当する。
【0500】
(58β)Gly m 5αおよびGly m 5α’のエピトープ
本願において(58β)のポリペプチドは、配列番号956~960からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0501】
一態様において、(58β)のエピトープを含むポリペプチドは、Gly m 5αの全長ア
ミノ酸配列(NCBIアクセッション番号:NP_001236856.1)および Gly m 5α’の全長アミノ酸配列(配列番号NCBIアクセッション番号:NP_001237316.1)または前記全長アミノ酸配列のいずれかに対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性
を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0502】
なお、配列番号956~960は、それぞれ、NCBIアクセッション番号:NP_001236856.1のアミノ酸173~181(配列番号956)、アミノ酸294~301(配列番号957)、アミノ酸301~309(配列番号958)、アミノ酸414~422(配列番号959)、アミノ酸294~301(配列番号960)に相当する。
【0503】
(59β)Gly m 6.01およびGly m 6.02のエピトープ
本願において(59β)のポリペプチドは、配列番号961及び962からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0504】
一態様において、(59β)のポリペプチドは、Gly m 6.01の全長アミノ酸配列(UniProtアクセッション番号:CAA33215.1)およびGly m 6.02の全長アミノ酸配列(UniProtアクセッション番号:BAA00154.1)または前記全長アミノ酸配列のいずれかに対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0505】
なお、配列番号961及び962は、それぞれ、UniProtアクセッション番号:CAA33215.1のアミノ酸201~215及びアミノ酸451~465に相当する。
【0506】
(60β)Gly m 8のエピトープ
本願において(60β)のポリペプチドは、配列番号963のアミノ酸配列を含むポリペプチド、であってよい。
【0507】
一態様において、(60β)のポリペプチドは、Gly m 8の全長アミノ酸配列(UniProtアクセッション番号:AAB71140.1)または当該アミノ酸配列の全長に対して同一または90%以上、80%以上もしくは70%以上の同一性を有する変異体またはホモログを含まないものであってもよい。
【0508】
なお、配列番号963は、UniProtアクセッション番号:AAB71140.1のアミノ酸71~
85に相当する。
【0509】
上記(1β)~(60β)のポリペプチドについて、Xで表される残基は、実施例4に示すアラニンスキャンにより、アラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体への結合性が維持された部位のアミノ酸残基である。このような部位については、他のいずれかのアミノ酸に置換した場合も当該IgE抗体への結合性を維持する蓋然性が高いことは、当業者に周知である。
【0510】
上記(1β)~(60β)のポリペプチドの長さは特に限定されない。好ましい態様において、上記(1β)~(60β)のポリペプチドの長さは、500アミノ酸以下、300アミノ酸以下、200アミノ酸以下、100アミノ酸以下、50アミノ酸以下、30アミノ酸以下、20アミノ酸以下、10アミノ酸以下、または5アミノ酸以下であってもよい。
【0511】
上記(1β)~(60β)のポリペプチドは、ペプチドの固相合成など化学合成の手法により調製してもよい。または、エピトープを含むポリペプチドは、当業者に周知の遺伝子組換え技術により組換えタンパク質として発現させ、そして当業者に周知のタンパク質精製方法により分離・精製することによって得てもよい。
【0512】
診断キット・診断方法(2)
本発明は、対象のアレルギーを診断するための指標を提供する方法であって、以下の工程:
(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる、ここで当該試料はIg抗体が含まれる溶液である;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象がアレルギーであることの指標が提供される;
を含み、ここで当該抗原は上記(1β)~(60β)のポリペプチドの少なくとも一つ、または2以上の上記(1β)~(60β)のポリペプチドがスペーサーを介してもしくは介さずに連結されたポリペプチドである、前記方法を提供する。
【0513】
以下、上記(1β)~(60β)のポリペプチドの少なくとも一つ、または2以上の上記(1β)~(60β)のポリペプチドがスペーサーを介してもしくは介さずに連結されたポリペプチドを、本明細書において「上記(1β)~(60β)を含む抗原」と記載する。スペーサーの種類は特に限定されず、複数のペプチドを連結するのに当業者が通常使用するものを利用できる。スペーサーは例えば、Acp(6)-OHなどの炭化水素鎖で
あってもよい。
【0514】
対象から得られた試料は、上記「診断キット・診断方法(1)」の項目において記載した通りである。
【0515】
対象から得られた試料と当該抗原との接触およびその結合の検出は、上記「診断キット・診断方法(1)」の項目において記載した既知の方法、例えば、ELISA(Enzyme-Linked Immunosorvent Assay)、サンドイッチ免疫測定法、イムノブロット、免疫沈降法
、イムノクロマト法等により行うことが可能である。
【0516】
抗原は、単離された上記(1β)~(60β)を含む抗原が担体に固定されている状態であってもよい。この場合は上記工程(i)および(ii)においてELISAやサンドイッチ免疫測定法が利用でき、その時、上記工程(i)では、対象から得られた試料を抗原を固定した面に接触させることにより行う。
【0517】
上記(1β)~(60β)を含む抗原は、アレルギー患者のIgE抗体と特異的に結合する。したがって、対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象がアレルギーであることの指標が提供される。
【0518】
本発明はまた、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを含むアレルギーの診断キットを提供する。本発明の診断キットは、上記のアレルギーを診断するための指標を提供する方法、または下記の診断方法に用いてもよい。本発明の診断キットは、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを含むほか、酵素標識された抗IgE抗体および当該酵素の基質となる発色基質または発光基質を含んでいてもよい。また、蛍光標識された抗IgE抗体を用いてもよい。本発明の診断キットにおいて、抗原は担体に固定化された状態で提供されてもよい。本発明の診断キットはまた、診断のための手順についての説明書や当該説明を含むパッケージと共に提供されてもよい。
【0519】
本発明はまた、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを含むアレルギーの診断用組成物を提供する。本発明の診断用組成物は、下記の診断方法に用いることができる。本発明の診断用組成物は、必要に応じて本発明の抗原とともに一般的に用いられる、薬学的に許容される担体や添加剤を含んでいてもよい。
【0520】
一態様において、本発明は、対象のアレルギーを診断する方法であって、以下の工程:(i)対象から得られた試料を抗原に接触させる;
(ii)対象から得られた試料中のIgE抗体と当該抗原との結合を検出する;
(iii)対象のIgE抗体と当該抗原との結合が検出された場合、対象がアレルギーであると判断する;
ことを含み、ここで当該抗原は上記(1β)~(60β)のポリペプチドの少なくとも一つ、または2以上の上記(1β)~(60β)のポリペプチドがスペーサーを介してもしくは介さずに連結されたポリペプチド(すなわち、上記(1β)~(60β)を含む抗原)である、前記方法を提供する。ここにおいて(i)および(ii)の各工程は、アレルギーを診断するための指標を提供する方法の各工程について説明したとおりに行われる。
【0521】
別の態様において、本発明は、対象のアレルギーを診断する方法であって、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを対象に投与することを含む、前記方法を提供する。当該方法は、皮膚に抗原を適用することを特徴とする皮膚テストの形式で行ってもよい。皮膚テストには、上記「診断キット・診断方法(1)」の項目において記載した形態のテストが含まれる。抗原を適用した部分の皮膚に腫れなどの皮膚反応が生じた場合、その対象はアレルギーを有すると診断する。ここで、皮膚に適用する抗原の量は、例えば、1回あたり100μg以下の用量であってよい。
【0522】
また別の態様において、本発明はアレルギー診断の負荷試験の有効成分として用いる、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを提供する。
【0523】
また別の態様において、本発明はアレルギーの診断に使用するための上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを提供する。
【0524】
さらなる別の態様において、本発明はアレルギーの診断薬の製造のための上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つの使用を提供する。
【0525】
本項目において、診断または検出対象となるアレルギーは、上記(1β)~(60β)のポリペプチドを有するアレルゲンコンポーネントが含まれるアレルゲンに対するアレルギーであってよい。すなわち、アレルギーの検出は、単一のアレルゲンに対するアレルギーのみならず、交差性を含めたアレルギーを検出するものであり得る。
【0526】
医薬組成物・治療方法(2)
本発明は、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを含む医薬組成物を提供する。一態様において、上記の医薬組成物は、アレルギーを治療するために用いられる。
【0527】
本発明はまた、アレルギーの治療を必要とする患者に対して、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを投与することを含む、アレルギーを治療する方法を提供する。
【0528】
別の態様において、本発明はアレルギーの治療に使用するための上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つを提供する。さらに別の態様において本発明は、アレルギーの治療薬の製造のための上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つの使用を提供する。
【0529】
さらに別の態様として、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つは、アレルギーに対する減感作療法のための有効成分として用いることができる。ここで、減感作療法に用いる抗原タンパク質としては、発現精製したポリペプチドであってもよく、例
えば花粉米のように、米等の食品において発現させたものであってもよい。
【0530】
本発明の医薬組成物の投与経路、投与量、投与回数および/または投与期間、医薬組成物に含まれる他の成分、ならびに剤型については、上記「医薬組成物・治療方法(1)」の項目において記載したものとすることができる。上記(1β)~(60β)を含む抗原を用いる場合の用量は、例えば、成人の場合、1回あたり100μg以下の用量であってもよい。
【0531】
本項目において、治療対象となるアレルギーは、上記(1β)~(60β)のポリペプチドを有するアレルゲンコンポーネントが含まれるアレルゲンに対するアレルギーであってよい。すなわち、アレルギーの検出は、単一のアレルゲンに対するアレルギーのみならず、交差性を含めたアレルギーを検出するものであり得る。
【0532】
テスター(2)
本発明は、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つに対する抗体を含むテスターを提供する。
【0533】
当該抗体は、常法により作製することができる。例えば、ウサギなどの哺乳動物を上記(1β)~(60β)を含む抗原で免疫することにより作製してもよい。当該抗体は、Ig抗体、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、またはそれらの抗原結合フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)、Fab’)であってもよい。
【0534】
また、上記のテスターにおいて、当該抗体は担体に結合した形で提供されていてもよい。担体は、抗体と上記(1β)~(60β)を含む抗原の結合の検出に利用可能な担体であれば特に限定されない。当業者に公知の任意の担体が利用できる。
【0535】
一態様において、上記のテスターは、上記「テスター(1)」の項目に記載した用途に用いることができる。
【0536】
抗原含有の有無を調べる方法については、上記「テスター(1)」の項目に記載したとおりである。
【0537】
本発明の別の態様において、エピトープに対応するプライマーを含むことを特徴とする、対象物におけるアレルギーの抗原の有無を判定するためのテスターを含む。非限定的に、上記プライマーは例えば、上記(1β)~(60β)で特定したアミノ酸配列をコードする核酸の塩基配列の一部またはその相補鎖を含むように設計されたものであってもよい。あるいは、上記プライマーは、上記(1β)~(60β)で特定したアミノ酸配列であるエピトープを含むタンパク質をコードする核酸において、当該エピトープをコードする部分の上流側または下流側の領域の塩基配列またはその相補鎖となるように設計されたものであってもよい。ここで、抗原の全長配列におけるエピトープの位置は、上記「抗原」の項目および「抗原のエピトープ」の項目において特定した通りである。また、特にmRNAを対象とする場合は、ポリAテールの相補プライマーを有していてもよい。
【0538】
例えば、試料から得られたDNAまたはmRNAを鋳型として、前記プライマーを用い、RT-PCRを含むPCR(Polymerase Chain Reaction)でDNAを増幅し、増幅さ
れたDNAの配列において、上記(1β)~(60β)で特定したアミノ酸配列をコードする核酸を含むか否かを判定することで、抗原の有無を判断する。PCRで増幅する方法は、RACE法等が例示できる。
【0539】
アレルゲン除去食品等(2)
本発明は、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つが除去又は低減されていることを特徴とする食品原料または食用加工品を提供する。
【0540】
食品原料または食用加工品において本発明の抗原を除去又は低減する方法は限定されない。上記「アレルゲン除去食品等(1)」の項目に記載した手法を用いてもよい。
上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つが除去又は低減されているとは、抗原全体が除去または低減されていることにより達成されてもよく、あるいは抗原タンパク質から、(1β)~(60β)で特定するポリペプチドが切断または取り除かれることにより達成されてもよい。「取り除かれる」には、欠失および改変を含む。
【0541】
本発明の抗原が除去又は低減された食用加工品は、精製アミノ酸を原料として用いた粉ミルクのように、本発明の抗原が除去又は低減された食品原料を加工したものであってもよい。通常の食品原料を用いる場合は、食用加工品の調製前または調製後に本発明のポリペプチドを除去又は低減する処理を行う。通常の食品原料を用いた食用加工品において本発明の抗原を除去又は低減する方法として、上記「アレルゲン除去食品等(1)」の項目に記載した手法を用いてもよい。
【0542】
アレルゲン除去食品の製造方法(2)
本発明は、抗原が除去又は低減されている食用加工品の製造方法であって、当該加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されていることを確認するステップを有し、ここで当該抗原は上記(1β)~(60β)を含む抗原、また上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つである、前記製造方法を提供する。
【0543】
当該製造方法において、抗原が除去又は低減されているとは、上記(1β)~(60β)を含む抗原の少なくとも一つが除去又は低減されているか、抗原タンパク質から、(1β)~(60β)で特定するポリペプチドが切断または取り除かれていることを意味する。
【0544】
食用加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されていることを確認する手法は、特に限定されず、上記(1β)~(60β)を含む抗原、また上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つを検出可能ないかなる手法を用いてもよい。例えば、当該加工品の製造過程で生じる材料を含む試料と、上記(1β)~(60β)を含む抗原、また上記(1α)~(55α)の抗原の少なくとも一つに対する抗体との結合性により、当該加工品中の当該ポリペプチドまたは抗原の存在の有無を確認してもよい。そのような方法の詳細は、上記「診断キット・診断方法(1)」の項目において記載した通りである。すなわち、上記製造方法においては、上記「診断キット・診断方法(1)」の項目における「対象のIgE抗体」を「上記(1β)~(60β)のポリペプチド、または上記(1α)~(55α)の抗原、の少なくとも一つに対する抗体」と置き換え、上記「診断キット・診断方法(1)」の項目における「抗原」を「食用加工品の製造過程で生じる材料を含む試料」と置き換えて、上記「診断キット・診断方法(1)」の項目において記載した手法を食用加工品の製造過程で抗原が除去又は低減されていることを確認するために用いることができる。
【実施例0545】
以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって限定されない。
【0546】
実施例1:タンパク質パターンの確認
下記の二次元電気泳動方法を使用して、大豆に含まれるタンパク質を調べた。
【0547】
タンパク質の抽出
市販の乾燥大豆(数個)を粉末状にし、その粉末50mgに水500μlを加え、25℃で10分間、ボルテックスを使用して振とう抽出した。この振とう抽出の後、タンパク質抽出液を回収した。
【0548】
その後、2D-CleanUPキット(GE社製)を使用して2回の沈殿操作を行った。第1回目の沈殿操作は、回収した上記蛋白質抽出液にTCA(トリクロロ酢酸)を加えて沈殿を行い、当該操作で生じた沈殿(TCA沈殿)を回収した。第2回目の沈殿操作は、回収した前記TCA沈殿にアセトンを加えて沈殿を行い、当該操作で得られた沈殿(検体)を回収した。
【0549】
検体溶液の調製
得られた検体の一部(タンパク質重量として50μg)を、1次元目等電点電気泳動用ゲルの膨潤用緩衝液であるDeStreak Rehydration Solution(GE社製)150μlに溶
解し、1次元目等電点電気泳動用の検体溶液(膨潤用検体溶液)とした。DeStreak Rehydration Solutionの組成は以下の通りである。
7M チオ尿素
2M 尿素
4%(w/v) CHAPS:
3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホナート
0.5%(v/v) IPGバッファー;GE社製
適量のBPB(ブロモフェノールブルー)
【0550】
1次元目等電点電気泳動用ゲルへの検体の浸透
1次元目等電点電気泳動用ゲル(GE社製:IPGゲルImmobiline Drystrip (pH3-10NL))を前記した1次元目等電点電気泳動用の検体溶液(膨張用検体溶液)140μlに浸漬し、一晩室温にて浸透させた。
【0551】
本実施例においては、電気泳動機器としてGE社製のIPGphorを使用した。
【0552】
泳動トレーにシリコンオイルを満たした。検体を浸透させたゲルの両端に水で湿らせた濾紙を設け、ゲルをシリコンオイルに覆われるよう、泳動トレーにセットし、ゲルとの間に当該濾紙を挟んだ状態で電極をセットした。
【0553】
等電点電気泳動機器の電流値の上限をゲル1本当たり75μAに設定し、電圧プログラムを、(1)300V定電圧で750Vhrまで定電圧工程を行い(当該工程終了前の泳動30分間の電流変化幅が5μAであった)、(2)300Vhrかけて1000Vまで徐々に電圧を上昇させ、(3)更に4500Vhrかけて5000Vまで徐々に電圧を上昇させ、(4)その後5000V定電圧で総Vhrが12000になるまで、1次元目の等電点電気泳動を行った。
【0554】
等電点電気泳動ゲルのSDS平衡化
上記の1次元目の等電点電気泳動を行った後、等電点電気泳動機器からゲルを取り外し、還元剤を含む平衡化緩衝液に当該ゲルを浸漬して、15分・室温にて振とうした。上記還元剤を含む平衡化緩衝液の組成は以下の通りである。
100mM Tris-HCl(pH8.0)
6M 尿素
30%(v/v) グリセロール
2%(w/v) SDS
1%(w/v) DTT
【0555】
次に、上記還元剤を含む平衡化緩衝液を除き、ゲルをアルキル化剤を含む平衡化緩衝液に浸漬して、15分・室温にて振とうし、SDS平衡化したゲルを得た。上記アルキル化剤を含む平衡化緩衝液の組成は以下の通りである。
100mM Tris-HCl(pH8.0)
6M 尿素
30%(v/v) グリセロール
2%(w/v) SDS
2.5%(w/v) ヨードアセトアミド
【0556】
2次元目のSDS-PAGE
本実施例においては、電気泳動機器としてlife technologies社製のXCell SureLock Mini-Cellを使用した。2次元目泳動用ゲルはlife technologies社製NuPAGE 4-12% Bis-Tris Gelsを使用した。また、以下の組成の泳動用緩衝液を調製し、使用した。
50mM MOPS
50mM Tris塩基
0.1%(w/v) SDS
1mM EDTA
【0557】
また、本実施例においては泳動用緩衝液に0.5%(w/v)のアガロースS(ニッポンジーン社製)と適量のBPB(ブロモフェノールブルー)を溶解させた接着用アガロース溶液を使用した。
【0558】
SDS-PAGEのウェル中を十分に上記泳動用緩衝液で洗浄した後、当該洗浄に用いた緩衝液を取り除いた。次に、ウェルの中に充分に溶解させた接着用アガロース溶液を添加した。次に、SDS平衡化したゲルをアガロース中に浸漬させ、ピンセットでSDS平衡化したゲルと2次元目泳動用ゲルを密着させた。当該両ゲルが密着した状態でアガロースが充分に固まったのを確認し、200V定電圧で約45分間泳動を行った。
【0559】
ゲルの蛍光染色
SYPRO Ruby(life technologies社製)を用いてゲルの蛍光染色を行った。
【0560】
まず、使用する密閉容器を事前に98%(v/v)のエタノールで十分に洗浄した。SDS-PAGE機器から泳動後の2次元目泳動用ゲルを取り外して、洗浄した密閉容器におき、50%(v/v)メタノール及び7%(v/v)酢酸含有水溶液に30分間浸漬する処理を2回行った。その後、当該水溶液を水に置換し、10分間浸漬した。次に、2次元目泳動用ゲルを40mlのSYPRO Rubyに浸漬し、室温で一晩振とうした。次に、SYPRO Rubyを除き、2次元目泳動用ゲルを水で洗浄した後、10%(v/v)メタノール及び7%(v/v)酢酸含有水溶液で30分間振とうした。更に当該水溶液を水に置換し、30分以上振とうした。
【0561】
解析
上記一連の処理を施した2次元目泳動用ゲルをTyphoon9400(GE社製)を使用した蛍
光イメージのスキャンに供した。2次元電気泳動の結果を図1に示す。図の左側には、分子量マーカーのバンドが見られ、バンドの位置が特定の分子量(KDa)を示す。
【0562】
実施例2:イムノブロットでの抗原確認
イムノブロットでの抗原確認は、実施例1に記載した手順を「2次元目のSDS-PAGE」まで行った後、以下の「メンブレンへの転写」「イムノブロット」「解析」の操作を行うことにより行った。
【0563】
メンブレンへの転写
メンブレンへの転写は、以下の転写装置及び転写用緩衝液を用いて行った。
転写装置:XCell SureLock Mini-Cell およびXCell IIブロットモジュール(life technologies社製)
転写用緩衝液: NuPAGEトランスファーバッファー(×20)(life technologies社製)をmilliQ水で20倍希釈して使用した。
【0564】
具体的には以下の手順に従って二次元電気泳動ゲル中のタンパク質をメンブレン(PVDF膜)へ転写した。
【0565】
(1)PVDF膜を、100%メタノールに浸漬し、次にmilliQ水に浸漬し、その後、転写用緩衝液に移して、PVDF膜の親水化処理を行った。
【0566】
(2)スポンジ、ろ紙、2次元目のSDS-PAGEが終わったゲル、親水化処理済みPVDF膜、ろ紙、スポンジの順でセットし、転写装置中、30V定電圧で1時間通電した。
【0567】
イムノブロット
メンブレンのイムノブロットを、1次抗体として大豆に対するアレルギーを有する患者の血清または健康被験者の血清を用いて行った。
【0568】
メンブレンのイムノブロットは、以下の手順に従って行った。
(1)転写したメンブレンを5%スキムミルク/PBST溶液(非イオン界面活性剤Tween 20を0.3%含むPBSバッファー)中、室温で1時間振とうした。
(2)1次抗体として、3%血清/5%スキムミルク/PBST溶液中、室温で1時間静置した。
(3)PBST溶液で洗浄した(5分×3回)。
(4)2次抗体として抗ヒトIgE-HRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)を3%スキムミルク/PBST溶液で2500倍に希釈した溶液中、室温で1時間静置した。
(5)PBST溶液で洗浄した(5分×3回)。
(6)Pierce Western Blotting Substrate Plus(Thermo社製)で、5分間静置した。
【0569】
解析
上記一連の処理を施したメンブレンをTyphoon9400(GE社製)を使用した蛍光イメー
ジのスキャンに供した。
【0570】
大豆アレルギーのの血清を用いたイムノブロットを、対照である健康被験者の血清を用いたイムノブロットと比較した。大豆アレルギーの患者1α、患者2α、患者3α、患者4α、患者5α、患者6α、患者7α、患者8α及び患者9αの血清を用いたイムノブロットについて、健康被験者の血清を用いた場合(図2)とは異なり、かつ公知の大豆アレルゲンタンパク質とは異なる56のスポットが検出された(図3A~I)。
【0571】
上記56のスポットの分子量および等電点はそれぞれ以下の通りである。
スポット1α:分子量80~110kDa、pI3.0~6.0
スポット2α:分子量60~110kDa、pI3.0~6.0
スポット3α:分子量100~150kDa、pI4.0~6.0
スポット4α:分子量80~110kDa、pI4.0~7.0
スポット5α:分子量80~160kDa、pI4.0~7.0
スポット6α:分子量80~110kDa、pI4.0~7.0
スポット7α:分子量60~110kDa、pI4.0~7.0
スポット8α:分子量60~110kDa、pI4.0~8.0
スポット9α:分子量60~110kDa、pI4.0~8.0
スポット10α:分子量40~80kDa、pI4.0~7.0
スポット11α:分子量40~80kDa、pI4.0~8.0
スポット12α:分子量40~80kDa、pI4.0~8.0
スポット13α:分子量40~80kDa、pI4.0~7.0
スポット14α:分子量40~80kDa、pI3.0~6.0
スポット15α、16α:分子量30~80kDa、pI4.0~7.0
スポット17α:分子量30~80kDa、pI4.0~7.0
スポット18α:分子量40~80kDa、pI4.0~8.0
スポット19α:分子量40~80kDa、pI4.0~8.0
スポット20α:分子量60~75kDa、pI6.0~8.0
スポット21α:分子量40~60kDa、pI5.0~8.0
スポット22α:分子量25~37kDa、pI8.0~10.0
スポット23α:分子量25~37kDa、pI7.0~9.0
スポット24α:分子量5~20kDa、pI5.0~7.0
スポット25α:分子量30~80kDa、pI4.0~7.0
スポット26α:分子量30~80kDa、pI4.0~7.0
スポット27α:分子量30~80kDa、pI4.0~7.0
スポット28α:分子量20~60kDa、pI4.0~7.0
スポット29α、30α、31α、32α、33α:分子量20~60kDa、pI4.0~8.0
スポット34α:分子量20~60kDa、pI6.0~10.0
スポット35α:分子量30~80kDa、pI6.0~10.0
スポット36α、37α:分子量20~60kDa、pI4.0~8.0
スポット38α:分子量80~160kDa、pI6.0~10.0
スポット39α:分子量10~50kDa、pI6.0~10.0
スポット40α、56α:分子量10~50kDa、pI6.0~10.0
スポット41α:分子量10~50kDa、pI6.0~10.0
スポット42α、43α:分子量10~50kDa、pI6.0~10.0
スポット44α:分子量10~50kDa、pI4.0~7.0
スポット45α:分子量5~40kDa、pI4.0~7.0
スポット46α:分子量5~40kDa、pI4.0~7.0
スポット47α:分子量5~40kDa、pI4.0~7.0
スポット48α:分子量5~40kDa、pI4.0~8.0
スポット49α:分子量5~20kDa、pI4.0~7.0
スポット50α:分子量5~40kDa、pI3.0~6.0
スポット51α:分子量10~50kDa、pI3.0~6.0
スポット52α:分子量20~60kDa、pI4.0~7.0
スポット53α:分子量10~50kDa、pI4.0~8.0
スポット54α:分子量10~50kDa、pI4.0~8.0
スポット55α:分子量40~80kDa、pI6.0~10.0
【0572】
実施例3:質量分析および抗原の同定
上記の56のスポットを生じる抗原について、質量分析によるアミノ酸配列の同定を行った。
【0573】
具体的には、以下の手順でタンパク質の抽出および質量分析を行った。
(1)大豆について、実施例1及び2の手順に従ってタンパク質抽出、2次元電気泳動及
びメンブレン転写を行い、0.008%Direct blue/40%エタノール・10%酢酸で
振とうにより染色した。
(2)その後、40%エタノール・10%酢酸で5分間の処理を3回行って脱色し、水で5分間洗浄後、風乾した。
(3)目的のスポットをきれいなカッター刃で切り取り、遠心チューブに入れた。50μLのメタノールでメンブレン親水処理後、100μLの水で2回洗浄後遠心除去し、20μLの20mM NHHCO・50%アセトニトリルを加えた。
(4)1pmol/μLリシルエンドペプチダーゼ(WAKO)1μLを加え、37℃で60分間静置した後、溶液を新しい遠心チューブに回収した。20μLの20mM NHHCO・70%アセトニトリルをメンブレンに加え、室温にて10分間浸し、さらに回収した。0.1%ギ酸、4%アセトニトリル10μLで溶解し、チューブに移した。
(5)回収した溶液を減圧乾燥した後、A液(0.1%ギ酸、4%アセトニトリル溶液)15μlで溶解し、質量分析(ESI-TOF5600, AB Sciex社製)を行った。
(6)質量分析計から得られた質量データに基づくタンパク質の同定は、NCBIをサーチすることで行った。
【0574】
結果
各スポットについて、質量分析を行ったところ、以下のアミノ酸配列が検出された。さらに、各スポットについて、質量分析計から得られた質量データをNCBIで解析したところ、それぞれのスポットは以下のタンパク質であることが同定された。
【0575】
スポット1α:
配列番号71~87で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、endoplasmin homolog isoform X2 (NCBIアクセッション番号XP_006596543.1、アミノ酸配列:配列番号70、それをコードする塩基配列:配列番号69)であった。
【0576】
配列番号90~104で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、endoplasmin homolog isoform X2 (NCBIアクセッション番号XP_006601356.1、アミノ酸配列:配列番号89、それをコードする塩基配列:配列番号88)であった。
【0577】
スポット2α:
配列番号107~120で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、heat shock cognate protein 80(NCBIアクセッシ
ョン番号XP_003544594.1、アミノ酸配列:配列番号106、それをコードする塩基配列:配列番号105)であった。
【0578】
配列番号123~137で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、heat shock protein 90-1(NCBIアクセッション番
号NP_001236612.1、アミノ酸配列:配列番号122、それをコードする塩基配列:配列番号121)であった。
【0579】
配列番号140~153で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、hypothetical protein GLYMA_02G302500(NCBIアクセッション番号KRH73936.1、アミノ酸配列:配列番号139、それをコードする塩基配列:配列番号138)であった。
【0580】
スポット3α:
配列番号62~68で示されるアミノ酸配列が質量分析で検出された。この質量データ
から同定されたタンパク質は、Cell division cycle protein 48 homolog(UniProtアク
セッション番号P54774、アミノ酸配列:配列番号16、それをコードする塩基配列:配列番号15)であった。
【0581】
スポット4α:
配列番号156、157で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、embryo-specific urease isoform X1(NCBIアクセ
ッション番号XP_014630847.1、アミノ酸配列:配列番号155、それをコードする塩基配列:配列番号154)であった。
【0582】
スポット5α:
配列番号160、161で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、alpha-1,4 glucan phosphorylase L isozyme, chloroplastic/amyloplastic(NCBIアクセッション番号XP_006603904.1、アミノ酸配列:配列番号159、それをコードする塩基配列:配列番号158)であった。
【0583】
スポット6α:
配列番号164~167で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、aconitate hydratase 1(NCBIアクセッション番号XP_003537655.1、アミノ酸配列:配列番号163、それをコードする塩基配列:配列番号
162)であった。
【0584】
配列番号170~172で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、aconitate hydratase 1(NCBIアクセッション番号XP_003517155.1、アミノ酸配列:配列番号169、それをコードする塩基配列:配列番号
168)であった。
【0585】
スポット7α:
配列番号175~187で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、methionine synthase(NCBIアクセッション番号NP_001235794.1、アミノ酸配列:配列番号174、それをコードする塩基配列:配列番号1
73)であった。
【0586】
スポット8α:
配列番号190~199で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、transketolase, chloroplastic(NCBIアクセッション番号XP_003521870.1、アミノ酸配列:配列番号189、それをコードする塩基配列:配列番号188)であった。
【0587】
スポット9α:
配列番号202で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、lysine--tRNA ligase, cytoplasmic-like isoform X2(NCBIアクセッション番号XP_014625509.1、アミノ酸配列:配列番号201、それをコードする塩基配列:配列番号200)であった。
【0588】
スポット10α:
配列番号205~218で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、chaperonin CPN60-2, mitochondrial(NCBIアクセ
ッション番号XP_003556325.1、アミノ酸配列:配列番号204、それをコードする塩基配列:配列番号203)であった。
【0589】
配列番号221~231で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、chaperonin CPN60-2, mitochondrial-like isoform
X1(NCBIアクセッション番号XP_003535967.1、アミノ酸配列:配列番号220、それを
コードする塩基配列:配列番号219)であった。
【0590】
スポット11α:
配列番号234~237で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、polyadenylate-binding protein 8 isoform X3(NCBIアクセッション番号XP_006578034.1、アミノ酸配列:配列番号233、それをコードする塩基配列:配列番号232)であった。
【0591】
スポット12α:
配列番号240で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、pyrophosphate--fructose 6-phosphate 1-phosphotransferase subunit alpha-like(NCBIアクセッション番号XP_003555655.1、アミノ酸配列:配列
番号239、それをコードする塩基配列:配列番号238)であった。
【0592】
スポット13α:
配列番号243~252で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、protein disulfide isomerase-like protein precursor(NCBIアクセッション番号NP_001238009.1、アミノ酸配列:配列番号242、それをコードする塩基配列:配列番号241)であった。
【0593】
配列番号255~278で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、protein disulfide-isomerase(NCBIアクセッショ
ン番号XP_006581588.1、アミノ酸配列:配列番号254、それをコードする塩基配列:配列番号253)であった。
【0594】
スポット14α:
配列番号281~284で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、V-type proton ATPase subunit B 2(NCBIアクセッション番号XP_003552473.1、アミノ酸配列:配列番号280、それをコードする塩基配列:配列番号279)であった。
【0595】
配列番号287~289で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、V-type proton ATPase subunit B 2(NCBIアクセッション番号XP_006605857.1、アミノ酸配列:配列番号286、それをコードする塩基配列:配列番号275)であった。
【0596】
スポット15α、16α:
配列番号292~304で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、UTP-glucose-1-phosphate uridylyltransferase(NCBIアクセッション番号XP_003544964.1、アミノ酸配列:配列番号291、それをコード
する塩基配列:配列番号290)であった。
【0597】
配列番号307~318で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、hypothetical protein GLYMA_02G241100(NCBIアクセッション番号KRH72929.1、アミノ酸配列:配列番号306、それをコードする塩基配列:配列番号305)であった。
【0598】
スポット17α:
配列番号321~325で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、guanosine nucleotide diphosphate dissociation inhibitor 2(NCBIアクセッション番号XP_003531293.1、アミノ酸配列:配列番号320
、それをコードする塩基配列:配列番号319)であった。
【0599】
配列番号328~332で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、rab GDP dissociation inhibitor alpha-like(NCBIアクセッション番号NP_001276273.1、アミノ酸配列:配列番号327、それをコードす
る塩基配列:配列番号326)であった。
【0600】
スポット18α:
配列番号335~339で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、hypothetical protein GLYMA_10G028300(NCBIアクセッション番号KRH32039.1、アミノ酸配列:配列番号334、それをコードする塩基配列:配列番号333)であった。
【0601】
スポット19α:
配列番号342~346で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、sucrose binding protein homolog S-64(NCBIアクセッション番号AAF05723.1、アミノ酸配列:配列番号341、それをコードする塩基配列:配列番号340)であった。
【0602】
スポット20α:
配列番号35~53で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、Seed biotin-containing protein SBP65(UniProtアク
セッション番号Q39846、アミノ酸配列:配列番号12、それをコードする塩基配列:配列番号11)であった。
【0603】
スポット21α:
配列番号21~28で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、Ribulose bisphosphate carboxylase large chain(UniProtアクセッション番号P27066、アミノ酸配列:配列番号4、それをコードする塩基配列:配列番号3)であった。
【0604】
スポット22α:
配列番号29、30で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、Gamma-glutamyl hydrolase(UniProtアクセッション番
号P93164、アミノ酸配列:配列番号6、それをコードする塩基配列:配列番号5)であった。
【0605】
スポット23α:
配列番号31、32で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、Guanine nucleotide-binding protein subunit beta-like protein(UniProtアクセッション番号Q39836、アミノ酸配列:配列番号8、それをコ
ードする塩基配列:配列番号7)であった。
【0606】
スポット24α:
配列番号33、34で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量デー
タから同定されたタンパク質は、Protein SLE3(UniProtアクセッション番号C6T0L2、ア
ミノ酸配列:配列番号10、それをコードする塩基配列:配列番号9)であった。
【0607】
スポット25α:
配列番号349~356で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial(NCBIアクセッション番号XP_003537078.1、アミノ酸配列:配列番号3
48、それをコードする塩基配列:配列番号347)であった。
【0608】
配列番号359~365で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial(NCBIアクセッション番号XP_003542431.1、アミノ酸配列:配列番号3
58、それをコードする塩基配列:配列番号357)であった。
【0609】
スポット26α:
配列番号368~382で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、phosphoglycerate kinase, cytosolic(NCBIアクセッション番号XP_003546821.1、アミノ酸配列:配列番号367、それをコードする塩基配列:配列番号366)であった。
【0610】
配列番号385~392で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、phosphoglycerate kinase, cytosolic(NCBIアクセッション番号XP_003531482.1、アミノ酸配列:配列番号384、それをコードする塩基配列:配列番号383)であった。
【0611】
配列番号395~409で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、phosphoglycerate kinase, cytosolic(NCBIアクセッション番号XP_003531483.1、アミノ酸配列:配列番号394、それをコードする塩基配列:配列番号393)であった。
【0612】
スポット27α:
配列番号412~416で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、alcohol dehydrogenase 1(NCBIアクセッション番
号XP_003526673.1、アミノ酸配列:配列番号411、それをコードする塩基配列:配列番号410)であった。
【0613】
配列番号419、420で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、alcohol dehydrogenase 1(NCBIアクセッション番
号XP_003545664.3、アミノ酸配列:配列番号418、それをコードする塩基配列:配列番号417)であった。
【0614】
配列番号423~427で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、alcohol dehydrogenase 1-like(NCBIアクセッション番号XP_003544738.1、アミノ酸配列:配列番号422、それをコードする塩基配列:配列番号421)であった。
【0615】
スポット28α:
配列番号430~433で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、35 kDa seed maturation protein isoform X1(NCBIアクセッション番号XP_006576267.1、アミノ酸配列:配列番号429、それをコードす
る塩基配列:配列番号428)であった。
【0616】
スポット29α、30α、31α、32α、33α:
配列番号436~439で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoform X1(NCBIアクセッション番号XP_014631598.1、アミノ酸配列:配列番号435、それ
をコードする塩基配列:配列番号434)であった。
【0617】
配列番号442~445で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase, cytosolic(NCBIアクセッション番号XP_006578692.1、アミノ酸配列:配列番号441、それ
をコードする塩基配列:配列番号440)であった。
【0618】
配列番号448~451で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein LOC100782924(NCBIアクセッション番号NP_001240046.1、アミノ酸配列:配列番号447、それをコードする塩基配列:配列番号446)であった。
【0619】
スポット34α:
配列番号454で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、bifunctional UDP-glucose 4-epimerase and UDP-xylose 4-epimerase 1-like(NCBIアクセッション番号XP_003532591.1、アミノ酸配列:配列番号453、それをコードする塩基配列:配列番号452)であった。
【0620】
配列番号457、458で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein LOC100803483(NCBIアクセッション番号NP_001241075.1、アミノ酸配列:配列番号456、それをコードする塩基配列:配列番号455)であった。
【0621】
スポット35α:
配列番号461~466で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、elongation factor 1-alpha(NCBIアクセッション
番号XP_003553292.1、アミノ酸配列:配列番号460、それをコードする塩基配列:配列番号459)であった。
【0622】
配列番号469~471で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、elongation factor 1-alpha(NCBIアクセッション
番号XP_003547695.1、アミノ酸配列:配列番号468、それをコードする塩基配列:配列番号467)であった。
【0623】
配列番号474~477で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、elongation factor-1A isoform X1(NCBIアクセッ
ション番号XP_006600131.1、アミノ酸配列:配列番号473、それをコードする塩基配列:配列番号472)であった。
【0624】
スポット36α、37α:
配列番号480~483で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、seed maturation protein PM34(NCBIアクセッション番号NP_001238285.1、アミノ酸配列:配列番号479、それをコードする塩基配列:配列番号478)であった。
【0625】
配列番号486、487で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein LOC100809384(NCBIアクセッション番号NP_001241158.1、アミノ酸配列:配列番号485、それをコードする塩基配列:配列番号484)であった。
【0626】
配列番号490~493で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、hypothetical protein GLYMA_10G155300(NCBIアクセッション番号KRH33956.1、アミノ酸配列:配列番号489、それをコードする塩基配列:配列番号488)であった。
【0627】
スポット38α:
配列番号496~513で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1(NCBIアクセッション番号XP_003526237.1、アミノ酸配列:配列番号495、それをコードする塩基配列:配列番号494)であった。
【0628】
スポット39α:
配列番号516で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、ATP synthase subunit O, mitochondrial-like(NCBIアクセッション番号XP_003546884.1、アミノ酸配列:配列番号515、それをコードする塩基配列:配列番号514)であった。
【0629】
スポット40α、56α:
配列番号519、520で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、P24 oleosin isoform A(NCBIアクセッション番号XP_003553822.1、アミノ酸配列:配列番号518、それをコードする塩基配列:配列番号
517)であった。
【0630】
スポット41α:
配列番号523で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein At3g49720-like isoform X2(NCBIアクセッション番号XP_006600908.1、アミノ酸配列:配列番号522、それをコードす
る塩基配列:配列番号521)であった。
【0631】
スポット42α、43α:
配列番号526~531で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、superoxide dismutase [Mn], mitochondrial(NCBIアクセッション番号XP_003526813.1、アミノ酸配列:配列番号525、それをコードする塩基配列:配列番号524)であった。
【0632】
配列番号534~539で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、hypothetical protein GLYMA_04G221300(NCBIアクセッション番号KRH64185.1、アミノ酸配列:配列番号533、それをコードする塩基配列:配列番号532)であった。
【0633】
スポット44α:
配列番号54~61で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、Ferritin-2(UniProtアクセッション番号Q94IC4、アミ
ノ酸配列:配列番号14、それをコードする塩基配列:配列番号13)であった。
【0634】
スポット45α:
配列番号542~545で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein LOC100499771(NCBIアクセッション番号NP_001235797.1、アミノ酸配列:配列番号541、それをコードする塩基配列:配列番号540)であった。
【0635】
配列番号548~551で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、hypothetical protein GLYMA_09G192800(NCBIアクセッション番号KRH39322.1、アミノ酸配列:配列番号547、それをコードする塩基配列:配列番号546)であった。
【0636】
スポット46α:
配列番号554で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、seed maturation protein PM22(NCBIアクセッション番号NP_001237935.1、アミノ酸配列:配列番号553、それをコードする塩基配列:配列番号552)であった。
【0637】
スポット47α:
配列番号557、558で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、eukaryotic translation initiation factor 5A-2
(NCBIアクセッション番号XP_003549690.1、アミノ酸配列:配列番号556、それをコードする塩基配列:配列番号555)であった。
【0638】
配列番号561~563で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein LOC100305510(NCBIアクセッション番号NP_001236395.1、アミノ酸配列:配列番号560、それをコードする塩基配列:配列番号559)であった。
【0639】
スポット48α:
配列番号566~570で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein LOC100306570(NCBIアクセッション番号NP_001236895.1、アミノ酸配列:配列番号565、それをコードする塩基配列:配列番号564)であった。
【0640】
スポット49α:
配列番号17~20で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、Bowman-Birk type proteinase inhibitor D-II(UniProtアクセッション番号P01064、アミノ酸配列:配列番号2、それをコードする塩基配列:
配列番号1)であった。
【0641】
スポット50α:
配列番号573~576で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、uncharacterized protein LOC100813859(NCBIアクセッション番号NP_001239816.1、アミノ酸配列:配列番号572、それをコードする塩基配列:配列番号571)であった。
【0642】
スポット51α:
配列番号579~582で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、14-3-3-like protein(NCBIアクセッション番号XP_
003526571.1、アミノ酸配列:配列番号578、それをコードする塩基配列:配列番号5
77)であった。
【0643】
スポット52α:
配列番号585~588で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、probable fructokinase-4(NCBIアクセッション番
号XP_003543564.1、アミノ酸配列:配列番号584、それをコードする塩基配列:配列番号583)であった。
【0644】
スポット53α:
配列番号591~597で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、triosephosphate isomerase isoform X1(NCBIアクセッション番号XP_006593480.2、アミノ酸配列:配列番号590、それをコードする塩基配列:配列番号589)であった。
【0645】
配列番号600~604で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、triosephosphate isomerase, cytosolic(NCBIアクセッション番号XP_003547334.1、アミノ酸配列:配列番号599、それをコードする塩基配列:配列番号598)であった。
【0646】
スポット54α:
配列番号607~611で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、superoxide dismutase [Fe], chloroplastic isoform X1(NCBIアクセッション番号XP_014627751.1、アミノ酸配列:配列番号606、それ
をコードする塩基配列:配列番号605)であった。
【0647】
配列番号614~616で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、iron-superoxide dismutase(NCBIアクセッション
番号NP_001237901.1、アミノ酸配列:配列番号613、それをコードする塩基配列:配列番号612)であった。
【0648】
スポット55α:
配列番号619~635で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、51 kDa seed maturation protein precursor(NCBIアクセッション番号NP_001238138.1、アミノ酸配列:配列番号618、それをコードする塩基配列:配列番号617)であった。
【0649】
配列番号638~649で示されるアミノ酸配列が、質量分析で検出された。この質量データから同定されたタンパク質は、Lea protein precursor(NCBIアクセッション番号NP_001238201.1、アミノ酸配列:配列番号637、それをコードする塩基配列:配列番号
636)であった。
【0650】
実施例4:エピトープの同定(1)
実施例3で同定した各抗原タンパク質について、以下の手順によりエピトープの同定を行った。
【0651】
(A)エピトープマッピング
大豆の2D-westernの結果により得られた、患者特異的に血清中IgE抗体が結合したタンパク質の配列に対応するオーバーラップペプチド断片(長さ:15アミノ酸)のライブラリーによって、エピトープマッピングを行った。
【0652】
合成する各ペプチドを、10アミノ酸ずつシフトし、すなわち各ペプチドは、前のペプチドおよび後のペプチドと、それぞれ5アミノ酸の重複を有する。
【0653】
ペプチドアレイの調製のため、修飾セルロース膜上に自動化合成装置(Intavis MultiPep RS)を用いて、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)化学反応により目
的のペプチドを合成する技術であるIntavis SPOT合成技術によって、目的のペプチド合成を段階的に行った。得られた目的のペプチドが結合した前記修飾セルロース膜(以下、メンブレンと記載することがある)をエピトープマッピングに使用した。
【0654】
ペプチド断片がSPOT合成されたメンブレンを用いて、イムノブロットにより大豆に対するアレルギー患者の血清中のIgE抗体が結合するか否かを各ペプチド断片について測定した。メンブレンのイムノブロットは、アレルギー患者の血清を一次抗体、抗ヒトIgE-HRPを二次抗体として用いて、以下の手順に従って行った。
(1)メンブレンをメタノールで5分間浸水処理を行った。
(2)浸水処理したメンブレンを5%スキムミルク/PBST溶液(非イオン界面活性剤Tween 20を0.1%含むPBSバッファー)中、一晩4℃で振盪した。
(3)PBST溶液で3回洗浄した。
(4)一次抗体として、血清(1:40、5%スキムミルク/PBST溶液)を添加し、一晩4℃で振盪した。その際、プロテアーゼインヒビター(Complete, Roche社製)を添
加した。
(5)PBST溶液で3回洗浄した。
(6)2次抗体として抗ヒトIgE-HRP(1:10,000、5%スキムミルク/PBST溶液)を添加し、室温で1時間振盪した。
(7)PBST溶液で3回洗浄した。
(8)ECL plus(Thermo社製)で、5分間静置した。
(9)上記(1)~(8)の処理を施したメンブレンをAmersham Imager 600を使用した
蛍光イメージのスキャンに供した。
【0655】
イムノブロットによりアレルギー患者のIgE抗体が結合したペプチド断片を、エピトープの候補ペプチドとした。
【0656】
(B)オーバーラッピング
その後、上記(A)のエピトープマッピングにより患者特異的に血清中IgE抗体が結合したペプチドの配列において、当該ペプチドの配列および、そのエピトープが検出された抗原タンパク質のアミノ酸配列において当該ペプチドの後の配列を付加した配列において、オーバーラップペプチド断片(長さ:10アミノ酸)のライブラリーを得た。当該ライブラリーの合成は、上記(A)と同様にFmoc化学合成法により行った。合成する各ペプチドを、1アミノ酸ずつシフトし、すなわち各ペプチドは、後のペプチドと9アミノ酸の重複を有する。
【0657】
このオーバーラップペプチド断片のライブラリーについて、上記(A)と同様にイムノブロットによりアレルギー患者のIgE抗体が結合するか否かを各ペプチド断片について測定した。アレルギー患者のIgE抗体が結合したペプチドに共通する配列を割り出すことにより、エピトープとして機能する最少アミノ酸数を有するペプチドを決定した。(B)で決定したペプチドを「元配列」と記載する。
【0658】
結果の一例として、seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1(スポット38α)の部分配列(配列番号495のアミノ酸571~590の領域/配列番号964について、オーバーラッピングの手法により元配列を決定した際の結果を図4に示す。
配列番号965~967のアミノ酸配列を有するポリペプチドについてアレルギー患者のIgE抗体との強い結合が観察された。配列番号968については、若干弱いアレルギー患者のIgE抗体との結合が観察された。配列番号969~975については、アレルギー患者のIgE抗体との結合が観察されなかった。この結果、配列番号965~968に共通する配列である、配列番号864が元配列として同定された。
【0659】
(C)アラニンスキャン
上記(B)で決定した「元配列」について、アラニンスキャンと呼ばれる手法(非特許文献1)により、N末端側から1アミノ酸ずつアラニンに置換したペプチド断片のライブラリーを上記(A)と同様にFmoc化学合成法により調製し、上記(A)と同様にイムノブロットによりアレルギー患者の血清中のIgE抗体が結合するか否かを各ペプチド断片について測定した。アラニン置換によりアレルギー患者のIgE抗体への結合性が失われた位置のアミノ酸は抗原性の発現のために重要な位置と判断した。また、アラニン置換によってもアレルギー患者のIgE抗体への結合性が維持された位置のアミノ酸は、抗原性の発現のためには重要ではなく、置換が可能な位置と判断した。この解析により、抗原性の発現のために重要な共通配列(コンセンサス配列)を見出した。
【0660】
結果の一例として、(B)で同定した配列番号864のアミノ酸配列について、アラニンスキャンを行った際の結果を図5に示す。配列番号864の1~3番目のアミノ酸のそれぞれをアラニンに置換した配列番号977~979を有するペプチドはアレルギー患者のIgE抗体との結合性が失われていた。したがって、配列番号864の1~3番目のアミノ酸は、アレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸であることが同定された。
【0661】
(D)結果
(1β)endoplasmin homolog isoform X2(スポット1α)のエピトープ
上記(B)の手順により、endoplasmin homolog isoform X2のエピトープとして、配列番号652、655、657、658~660が同定された。
【0662】
配列番号652、655、657、658~660のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0663】
配列番号652については、3番目および5番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、2番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号652の1、4、6~8番目のアミノ酸は、アラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0664】
配列番号655については、4~7番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、2番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号655の1、3、8および9番目のアミノ酸は、アラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0665】
配列番号657については、1~5、11番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。配列番号657の6~10、12~15番目のアミノ酸は、アラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0666】
配列番号658~660については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体
との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0667】
(2β)heat shock cognate protein 80(スポット2α)のエピトープ
上記(B)の手順により、heat shock cognate protein 80のエピトープとして、配列
番号663、666、669、670~672、675、676~678、681、684、687、689、690~692が同定された。
【0668】
配列番号663、666、669、670~672、675~678、681、684、687、689~692のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0669】
配列番号663については、1、4、5番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、7番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号663の2、3、6、8及び9番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0670】
配列番号666については、5~8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、12番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号666の1~4、9~11、13~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0671】
配列番号669については、2~4番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号669の5番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0672】
配列番号675については、3~5、13、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号675の1、2、6~12番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0673】
配列番号681については、5、10、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、6~8、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号681の1~4、9、11~13番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0674】
配列番号684については、2、5、10、11番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号684の1、3、4、6~9、12~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0675】
配列番号687については、1、5、10、11番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号687の2、3、4、6~9、12~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0676】
配列番号689については、1~3、12、13番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号689の4~11、14、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0677】
配列番号670~672、676~678、690~692についてはすべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0678】
(3β)Cell division cycle protein 48 homolog(スポット3α)のエピトープ
上記(B)の手順により、Cell division cycle protein 48 homologのエピトープとして、配列番号695、697、699、700~716が同定された。
【0679】
配列番号695、697、699、700~716のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0680】
配列番号695については、11、12、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、4~10、13、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号695の1~3番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0681】
配列番号697については、14、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号697の1~13番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0682】
配列番号699については、5~7番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号699の1~4番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0683】
配列番号700~716についてはすべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0684】
(4β)embryo-specific urease isoform X1(スポット4α)のエピトープ
上記(B)の手順により、embryo-specific urease isoform X1のエピトープとして、
配列番号719、722、725、726~728、731が同定された。
【0685】
配列番号719、722、725、726~728、731のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0686】
配列番号719については、8~10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号719の1~5、7番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0687】
配列番号722については、1、4~6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、2番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号722の3及び7番
目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0688】
配列番号725については、4、6、8、10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、9番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号725の1~3、5、7番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0689】
配列番号731については、4、6、10、11、14、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号731の1、2、5、7~9、12、13番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0690】
配列番号726~728については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0691】
(5β)alpha-1,4 glucan phosphorylase L isozyme, chloroplastic/amyloplastic(スポット5α)のエピトープ
上記(B)の手順により、alpha-1,4 glucan phosphorylase L isozyme, chloroplastic/amyloplasticのエピトープとして、配列番号734、735~738が同定された。
【0692】
配列番号734、735~738のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0693】
配列番号734については、7、8、10、12、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号734の1~6、9、11、13番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0694】
配列番号735~738については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0695】
(6β)aconitate hydratase 1(スポット6α)のエピトープ
上記(B)の手順により、aconitate hydratase 1のエピトープとして、配列番号73
9及び740が同定された。
【0696】
配列番号739及び740のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0697】
配列番号739及び740については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0698】
(7β)methionine synthase(スポット7α)のエピトープ
上記(B)の手順により、methionine synthaseのエピトープとして、配列番号741
及び744が同定された。
【0699】
配列番号741及び744のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患
者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0700】
配列番号744については、8、9、11~13、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号744の1~7、14番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0701】
配列番号741については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0702】
(9β)lysine--tRNA ligase, cytoplasmic-like isoform X2(スポット9α)のエピトープ
上記(B)の手順により、lysine--tRNA ligase, cytoplasmic-like isoform X2のエピトープとして、配列番号747及び749が同定された。
【0703】
配列番号747及び749のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0704】
配列番号747については、3、8、9番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号747の2、4~7、10番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0705】
配列番号749については、1~5、7、8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号749の6番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0706】
(11β)polyadenylate-binding protein 8 isoform X3(スポット11α)のエピトープ
上記(B)の手順により、polyadenylate-binding protein 8 isoform X3のエピトープとして、配列番号753及び754が同定された。
【0707】
配列番号753及び754のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0708】
配列番号753については、1、2、4、5番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号753の3、7~10番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0709】
配列番号754については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0710】
(12β)pyrophosphate--fructose 6-phosphate 1-phosphotransferase subunit alpha-like(スポット12α)のエピトープ
上記(B)の手順により、pyrophosphate--fructose 6-phosphate 1-phosphotransfera
se subunit alpha-likeのエピトープとして、配列番号755が同定された。
【0711】
配列番号755について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0712】
配列番号755については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0713】
(13β)protein disulfide isomerase-like protein precursor(スポット13α)のエピトープ
上記(B)の手順により、protein disulfide isomerase-like protein precursorのエピトープとして、配列番号758が同定された。
【0714】
配列番号758について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0715】
配列番号758については、3、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、5、10、12、13番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号758の1、2、4、6~9、11、14番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0716】
(14β)V-type proton ATPase subunit B 2(スポット14α)のエピトープ
上記(B)の手順により、V-type proton ATPase subunit B 2のエピトープとして、配列番号761及び764が同定された。
【0717】
配列番号761及び764のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0718】
配列番号761については、6、7、12~15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号761の1~5、9~11番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0719】
配列番号764については、1、2、12、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3~5、11、13番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号764の6~10、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0720】
(15β)UTP-glucose-1-phosphate uridylyltransferase(スポット15α、16α
)のエピトープ
上記(B)の手順により、UTP-glucose-1-phosphate uridylyltransferaseのエピトー
プとして、配列番号766が同定された。
【0721】
配列番号766について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0722】
配列番号766については、2及び3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体と
の結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号766の1、4~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0723】
(17β)guanosine nucleotide diphosphate dissociation inhibitor 2(スポット
17α)のエピトープ
上記(B)の手順により、guanosine nucleotide diphosphate dissociation inhibitor 2のエピトープとして、配列番号767が同定された。
【0724】
配列番号767について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0725】
配列番号767については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0726】
(18β)hypothetical protein GLYMA_10G028300(スポット18α)のエピトープ
上記(B)の手順により、hypothetical protein GLYMA_10G028300のエピトープとして、配列番号750、768、771、772、775が同定された。
【0727】
配列番号750、768、771、772、775のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0728】
配列番号771については、8、11~15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号771の1~7、9番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0729】
配列番号775については、2~6、8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、7番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号775の1、9、10番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0730】
配列番号750、768及び772については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0731】
(19β)sucrose binding protein homolog S-64(スポット19α)のエピトープ
上記(B)の手順により、sucrose binding protein homolog S-64のエピトープとして、配列番号778、781、784、786、787が同定された。
【0732】
配列番号778、781、784、786、787のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0733】
配列番号778については、6~8、13、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、9番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号778の1~5、10~12、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0734】
配列番号781については、9、11、12番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号781の1~5、7、8、10、13~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0735】
配列番号784については、11~13番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、2~8、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号784の1、9、10、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0736】
配列番号786については、2及び3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号786の1~2、5~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0737】
配列番号787については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0738】
(20β)Seed biotin-containing protein SBP65(スポット20α)のエピトープ
上記(B)の手順により、Seed biotin-containing protein SBP65のエピトープとして、配列番号788~792が同定された。
【0739】
配列番号788~792のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0740】
配列番号788~792については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0741】
(21β)Ribulose bisphosphate carboxylase large chain(スポット21α)のエ
ピトープ
上記(B)の手順により、Ribulose bisphosphate carboxylase large chainのエピト
ープとして、配列番号793~802が同定された。
【0742】
配列番号793~802のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0743】
配列番号793~802については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0744】
(22β)Gamma-glutamyl hydrolase(スポット22α)のエピトープ
上記(B)の手順により、Gamma-glutamyl hydrolaseのエピトープとして、配列番号803~808が同定された。
【0745】
配列番号803~808のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0746】
配列番号803~808については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0747】
(23β)Guanine nucleotide-binding protein subunit beta-like protein(スポット23α)のエピトープ
上記(B)の手順により、Guanine nucleotide-binding protein subunit beta-like proteinのエピトープとして、配列番号809~812が同定された。
【0748】
配列番号809~812のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0749】
配列番号809~812については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0750】
(24β)Protein SLE3(スポット24α)のエピトープ
上記(B)の手順により、Protein SLE3のエピトープとして、配列番号813が同定された。
【0751】
配列番号813について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0752】
配列番号813については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0753】
(25β)succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrial(スポ
ット25α)のエピトープ
上記(B)の手順により、succinyl-CoA ligase [ADP-forming] subunit beta, mitochondrialのエピトープとして、配列番号814及び815が同定された。
【0754】
配列番号814及び815のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0755】
配列番号814及び815については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0756】
(26β)phosphoglycerate kinase, cytosolic(スポット26α)のエピトープ
上記(B)の手順により、phosphoglycerate kinase, cytosolicのエピトープとして、配列番号816及び819が同定された。
【0757】
配列番号816及び819のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0758】
配列番号819については、1~3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、4番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号819の5~7番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0759】
配列番号816については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0760】
(27β)alcohol dehydrogenase 1(スポット27α)のエピトープ
上記(B)の手順により、alcohol dehydrogenase 1のエピトープとして、配列番号8
20が同定された。
【0761】
配列番号820について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0762】
配列番号820については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0763】
(28β)35 kDa seed maturation protein isoform X1(スポット28α)のエピト
ープ
上記(B)の手順により、35 kDa seed maturation protein isoform X1のエピトープ
として、配列番号823、826、829、830~835が同定された。
【0764】
配列番号823、826、829、830~835のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0765】
配列番号823については、2、7~10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1、4番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号823の3、5、6番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0766】
配列番号826については、2、7、8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3及び14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号826の1、4~6、9~13、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0767】
配列番号829については、4、7~9、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、10及び11番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号829の1~3、5、6、12、13、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0768】
配列番号830~835については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0769】
(29β)glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoform X1(スポット29α
、30α、31α、32α、33α)のエピトープ
上記(B)の手順により、glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase isoform X1の
エピトープとして、配列番号838及び839が同定された。
【0770】
配列番号838及び839のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0771】
配列番号838については、8~10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号838の1~5、7番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しな
かった。
【0772】
配列番号839については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0773】
(34β)bifunctional UDP-glucose 4-epimerase and UDP-xylose 4-epimerase 1-like(スポット34α)のエピトープ
上記(B)の手順により、bifunctional UDP-glucose 4-epimerase and UDP-xylose 4-epimerase 1-likeのエピトープとして、配列番号842、843~846が同定された。
【0774】
配列番号842、843~846のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0775】
配列番号842については、12、13、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号842の2~11、14番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0776】
配列番号843~846については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0777】
(35β)elongation factor 1-alpha(スポット35α)のエピトープ
上記(B)の手順により、elongation factor 1-alphaのエピトープとして、配列番号
849、850、853、856が同定された。
【0778】
配列番号849、850、853、856のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0779】
配列番号849については、5、6、10、11、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、7及び8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号849の1~4、9、12~14番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0780】
配列番号853については、1~3、5、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、4番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号853の7~9番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0781】
配列番号856については、3、5、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1及び2番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号856の4、7~10番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0782】
配列番号850については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0783】
(36β)seed maturation protein PM34(スポット36α、37α)のエピトープ
上記(B)の手順により、seed maturation protein PM34のエピトープとして、配列番号857、858、861が同定された。
【0784】
配列番号857、858、861のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0785】
配列番号861については、1、6~8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、5番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号861の2~4番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0786】
配列番号857及び858については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0787】
(38β)seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1(スポット38α)のエピトープ
上記(B)の手順により、seed biotin-containing protein SBP65-like isoform X1のエピトープとして、配列番号864、867、869、871、874、877、880、882、884、887、889、892が同定された。
【0788】
配列番号864、867、869、871、874、877、880、882、884、887、889、892のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0789】
配列番号864については、1~3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号864の4~7番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0790】
配列番号867については、2~4番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号867の5~10番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0791】
配列番号869については、1、3、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号869の2、4~14番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0792】
配列番号871については、8、9、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号871の1~7、10~14番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0793】
配列番号874については、4~8、10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1~3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号874の9番
目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0794】
配列番号877については、1~6、9、10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、7及び8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号877の11~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0795】
配列番号880については、2、4~6、8、9番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、7、12~15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号880の1、3、10、11番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0796】
配列番号882については、1、5~9番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号882の2~4、10番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0797】
配列番号884については、5~10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号884の1~4番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0798】
配列番号887については、2、4、5、14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、6、10、12、13、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号887の1、3、7~9、11番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0799】
配列番号889については、3~7番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号889の1、2、8~10番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0800】
配列番号892については、5~10番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3及び4番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号892の1及び2番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0801】
(39β)ATP synthase subunit O, mitochondrial-like(スポット39α)のエピトープ
上記(B)の手順により、ATP synthase subunit O, mitochondrial-likeのエピトープとして、配列番号895が同定された。
【0802】
配列番号895について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0803】
配列番号895については、2、5、7、12~14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号895の1、4、6、8~11、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0804】
(40β)P24 oleosin isoform A(スポット40α、56α)のエピトープ
上記(B)の手順により、P24 oleosin isoform Aのエピトープとして、配列番号89
8、899、902が同定された。
【0805】
配列番号898、899、902のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0806】
配列番号898については、1、2、4、5番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号898の3番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0807】
配列番号902については、6~8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、1番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号902の2~5、9番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0808】
配列番号899については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0809】
(41β)uncharacterized protein At3g49720-like isoform X2(スポット41α)
のエピトープ
上記(B)の手順により、uncharacterized protein At3g49720-like isoform X2のエ
ピトープとして、配列番号903が同定された。
【0810】
配列番号903について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0811】
配列番号903については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0812】
(42β)superoxide dismutase [Mn], mitochondrial(スポット42α、43α)のエピトープ
上記(B)の手順により、superoxide dismutase [Mn], mitochondrialのエピトープとして、配列番号906が同定された。
【0813】
配列番号906について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0814】
配列番号906については、3、11~13番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、8及び14番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号906
の1、2、4~7、9、10、15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0815】
(44β)Ferritin-2(スポット44α)のエピトープ
上記(B)の手順により、Ferritin-2のエピトープとして、配列番号909が同定された。
【0816】
配列番号909について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0817】
配列番号909については、5~11、13~15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号909の1~4、12番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0818】
(45β)uncharacterized protein LOC100499771(スポット45α)のエピトープ
上記(B)の手順により、uncharacterized protein LOC100499771のエピトープとして、配列番号910~912が同定された。
【0819】
配列番号910~912のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0820】
配列番号910~912については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0821】
(46β)seed maturation protein PM22(スポット46α)のエピトープ
上記(B)の手順により、seed maturation protein PM22のエピトープとして、配列番号915が同定された。
【0822】
配列番号915について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0823】
配列番号915については、2、4、8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号915の1、5~7、9番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0824】
(47β)eukaryotic translation initiation factor 5A-2(スポット47α)のエ
ピトープ
上記(B)の手順により、eukaryotic translation initiation factor 5A-2のエピト
ープとして、配列番号916~918が同定された。
【0825】
配列番号916~918のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0826】
配列番号916~918については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0827】
(48β)uncharacterized protein LOC100306570(スポット48α)のエピトープ
上記(B)の手順により、uncharacterized protein LOC100306570のエピトープとして、配列番号921及び922が同定された。
【0828】
配列番号921及び922のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0829】
配列番号921については、7~9番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、5番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号921の1~4、6番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0830】
配列番号922については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0831】
(49β)Bowman-Birk type proteinase inhibitor D-II(スポット49α)のエピトープ
上記(B)の手順により、Bowman-Birk type proteinase inhibitor D-IIのエピトープとして、配列番号923が同定された。
【0832】
配列番号923について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0833】
配列番号923については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0834】
(50β)uncharacterized protein LOC100813859(スポット50α)のエピトープ
上記(B)の手順により、uncharacterized protein LOC100813859のエピトープとして、配列番号924及び927が同定された。
【0835】
配列番号924及び927のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0836】
配列番号927については、5、6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号927の1、2、4、7~9番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0837】
配列番号924については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0838】
(51β)14-3-3-like protein(スポット51α)のエピトープ
上記(B)の手順により、14-3-3-like proteinのエピトープとして、配列番号928
~930が同定された。
【0839】
配列番号928~930のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0840】
配列番号928~930については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体
との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0841】
(52β)probable fructokinase-4(スポット52α)のエピトープ
上記(B)の手順により、probable fructokinase-4のエピトープとして、配列番号9
33、934~938が同定された。
【0842】
配列番号933、934~938のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0843】
配列番号933については、7、10、12番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号933の1、2、4~6、8、9、11、13~15番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0844】
配列番号934~938については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0845】
(53β)triosephosphate isomerase isoform X1(スポット53α)のエピトープ
上記(B)の手順により、triosephosphate isomerase isoform X1のエピトープとして、配列番号939が同定された。
【0846】
配列番号939について、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0847】
配列番号939については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0848】
(54β)superoxide dismutase [Fe], chloroplastic isoform X1(スポット54α
)のエピトープ
上記(B)の手順により、superoxide dismutase [Fe], chloroplastic isoform X1の
エピトープとして、配列番号940及び943が同定された。
【0849】
配列番号940及び943のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0850】
配列番号943については、1及び6番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、7番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号943の2~5番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0851】
配列番号940については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0852】
(55β)51 kDa seed maturation protein precursor(スポット55α)のエピトープ
上記(B)の手順により、51 kDa seed maturation protein precursorのエピトープとして、配列番号946、949、952が同定された。
【0853】
配列番号946、949、952のそれぞれについて、上記(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0854】
配列番号946については、1、2、6、7番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、3番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号946の4、5、8、9番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0855】
配列番号949については、1~3、7、8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、4番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号949の5及び6番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0856】
配列番号952については、1、2、9番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、8番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号952の3~7番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0857】
実施例5:エピトープの同定(2)
以下の各抗原タンパク質について、実施例4と同様の手順によりエピトープの同定を行った。
【0858】
(57β)Gly m 4(UniProtアクセッション番号:P26987.1)のエピトープ
実施例4の(B)の手順により、Gly m 4のエピトープとして、配列番号955が同定
された。
【0859】
配列番号955について、実施例4の(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0860】
配列番号955については、8、10、12、14、15番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であり、7、9、11、13番目のアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に影響するアミノ酸であることが明らかとなった。配列番号955の1~6番目のアミノ酸はアラニンに置換してもアレルギー患者のIgE抗体との結合性に影響しなかった。
【0861】
(58β)Gly m 5α(NCBIアクセッション番号:NP_001236856.1)およびGly m 5α’(NCBIアクセッション番号:NP_001237316.1)のエピトープ
実施例4の(B)の手順により、Gly m 5αまたはGly m 5α’のエピトープとして、配列番号956~960が同定された。
【0862】
配列番号956~960のそれぞれについて、実施例4の(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0863】
配列番号956~960については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0864】
(59β)Gly m 6.01 (UniProtアクセッション番号:CAA33215.1)およびGly m 6.02
(UniProtアクセッション番号:BAA00154.1)のエピトープ
実施例4の(B)の手順により、Gly m 6.01またはGly m 6.02のエピトープとして、配列番号961及び962が同定された。
【0865】
配列番号961及び962のそれぞれについて、実施例4の(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0866】
配列番号961及び962については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0867】
(60β)Gly m 8 (UniProtアクセッション番号:AAB71140.1)のエピトープ
実施例4の(B)の手順により、Gly m 8のエピトープとして、配列番号963が同定
された。
【0868】
配列番号963について、実施例4の(C)の手順によりアレルギー患者のIgE抗体との結合に重要なアミノ酸を同定した。
【0869】
配列番号963については、すべてのアミノ酸がアレルギー患者のIgE抗体との結合に特に重要なアミノ酸であった。
【0870】
実施例6:交差性の検討
スポット38βのポリペプチドの一つである配列番号871について、アレルギー患者のIgE抗体との結合性に重要なアミノ酸を特定し、配列番号870(以下、鍵配列と記載することがある)を得た。この鍵配列を有するタンパク質をNCBIのタンパク質データと照合してPHI-BLASTで解析したところ、当該鍵配列に相当するアミノ酸配列として配列番号984を含むモモ由来のkinesin-like protein KIN-7Cおよび当該鍵配列
に相当するアミノ酸配列として配列番号985を含むリンゴ由来のuncharacterized protein LOC103433727 isoform X2がヒットした。
【0871】
配列番号871、984および985のアミノ酸配列を含むペプチドについて、大豆、モモおよびリンゴに対してアレルギーを有する患者(1名)のIgE抗体との結合性をELISA法により確認した。ペプチドは、Fmoc法によりN末端側でビオチン化されるように合成した。
【0872】
ELISA法は、具体的には以下の手順に従って行った。
(1)ビオチン化ペプチドの濃度が1μg/mLとなるようにPBSTで調製した。
(2)各ペプチド溶液をストレプトアビジン被覆した384ウェルプレートの各ウェルに40μL添加して、室温で1時間振盪した。溶液を回収後、PBSで5回洗浄した。
(3)40μLの5倍希釈Bloking one(MQで希釈)を添加して、室温で15分間振盪し
た。溶液を除去後、PBSで5回洗浄した。
(4)40μLの血清希釈液(1:10、希釈液:ナカライテスク社製ブロッキングワン)を添加し、室温で1時間振盪した。溶液を除去後、PBSで5回洗浄した。
(5)40μLの二次抗体希釈液(1:5000、希釈液:ナカライテスク社製ブロッキングワン)を添加し、室温で1時間振盪した。溶液を除去後、PBSで5回洗浄した。
(6)40μLの1-Step Ultra TMB-ELISA(サーモフィッシャーサイエンティフィックス)を添加し、室温で15分間振盪した。
(7)40μLの2M HSOを添加した。450nmの吸光度を測定した。
【0873】
結果を図6に示す。図6に示されるように、配列番号871、984および985のアミノ酸配列を含むペプチドは、大豆、モモおよびリンゴにアレルギーを有する患者のIg
E抗体との結合性を示した。また、これらのペプチドは、アレルギー患者ではない健常者のIgE抗体よりも、アレルギー患者のIgE抗体と強く結合した。このことは、この鍵配列がアレルゲンの交差性を検出するのに利用できることを示している。
【0874】
この結果はまた、本願発明の(1β)~(60β)のポリペプチドについても同様に、アレルゲンの交差性の検出に利用できることを示すものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
図5
図6
【配列表】
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