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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079846
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】遠隔操作端末
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/20 20200101AFI20240604BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240604BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240604BHJP
   H05B 47/195 20200101ALI20240604BHJP
【FI】
H05B47/20
H05B47/18
H05B47/105
H05B47/195
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062242
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2022189352の分割
【原出願日】2018-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠田 健吾
(72)【発明者】
【氏名】今▲吉▼ ちづる
(72)【発明者】
【氏名】江口 健太郎
(57)【要約】
【課題】点検作業者の負担を従来に比べてより少なくする。
【解決手段】本発明に係る遠隔操作端末は、照明装置群に対して点検指示を送信する機能を有する。照明装置群は、複数の照明装置をグループ化したものである。また、この点検指示は、自己点検を行わせるためのものである。さらに、本発明に係る遠隔操作端末は、複数の照明装置をグループ化した照明装置群から自己点検の結果の情報を受信する機能を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明装置をグループ化した照明装置群に対して自己点検を行わせるための点検指示を送信する機能と、
前記照明装置群から自己点検の結果の情報を受信する機能と、
を有する遠隔操作端末。
【請求項2】
前記照明装置群は、第1の建物に設置された照明装置と第2の建物に設置された照明装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作端末。
【請求項3】
前記照明装置群から受信した自己点検の結果の情報に基づく報告書または点検票を作成する機能を有する請求項1または請求項2に記載の遠隔操作端末。
【請求項4】
照明装置の自己点検の経過状態の情報である点検経過情報を受信する機能を有する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の遠隔操作端末。
【請求項5】
保管システムを介して、前記照明装置群との通信を行うことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の遠隔操作端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非常灯および誘導灯等の防災用照明装置は、非常時に確実に有効時間だけ光源を点灯させることが必須である。このため、防災用照明装置においては、非常点灯時の性能確認の為の点検を行うことが必要である。従来の自己点検機能が無い防災用照明装置においては、点検作業者が点検スイッチを押し続ける等の方法で、有効点灯時間点灯することを確認する必要があった。また、自己点検機能を有する防災用照明装置においても、防災用照明装置の状態を目視確認するために点検者が防災用照明装置の設置場所にいる必要があった。このように、従来の防災用照明装置の点検作業は、手間がかかるものであり、点検作業者への負担が大きかった。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、通信部をお互いに接続してネットワークを構築することにより、複数の誘導灯自動点検装置の制御および監視が出来る機能を持った誘導灯制御監視盤を備えた自動点検システムが記載されている。この自動点検システムは、複数の誘導灯の点検を一括で行うことで点検作業者の負担を削減するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-111347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において点検作業者による点検作業の開始および点検結果の確認は、制御監視盤のある場所で行われる必要がある、このため、特許文献1においては、依然として点検作業者への負担が大きい。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、点検作業者の負担を従来に比べてより少なくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遠隔操作端末は、複数の照明装置をグループ化した照明装置群に対して自己点検を行わせるための点検指示を送信する機能と、前記照明装置群から自己点検の結果の情報を受信する機能と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る遠隔操作端末によれば、点検作業者の負担を従来に比べてより少なくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の照明装置点検システムの全体構成を示す図である。
図2】実施の形態1の照明装置点検システムの機能ブロック図である。
図3】実施の形態1の照明装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1の照明装置点検システムの動作例を示す図である。
図5】実施の形態1の遠隔操作端末の画面表示例を示す図である。
図6】実施の形態2の照明装置点検システムの動作例を示す図である。
図7】実施の形態3のグループ化を説明する図である。
図8】実施の形態3のグループ化された照明装置群を含む照明装置点検システムの動作例を示す図である。
図9】実施の形態3の照明装置点検システムの変形例を示す図である。
図10】実施の形態3の変形例における点検指示の送信動作を示す図である。
図11】実施の形態4の照明装置点検システムの動作例を示す図である。
図12】実施の形態5の照明装置点検システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の照明装置点検システムの全体構成を示す図である。図2は、実施の形態1の照明装置点検システムの機能ブロック図である。本実施の形態に係る照明装置点検システムは、図1および図2に示すように、照明装置100および遠隔操作端末200を備えている。
【0012】
本実施の形態に係る照明装置点検システムに備えられた照明装置100は、自己点検機能を有する。照明装置100は、例えば、非常灯または誘導灯等の防災用照明装置である。
【0013】
本実施の形態の照明装置100は、外部ネットワーク300と接続可能に構成されていることを特徴としている。一例として、照明装置100には、外部ネットワーク300に接続可能な通信手段として、通信用インターフェース101が搭載されている。外部ネットワーク300は、照明装置100の外部のネットワークであり、ネットワーク回線301等によって構成される。ネットワーク回線301には、例えば、通信事業者のもつ電話回線、ADSLおよび光回線等が該当する。
【0014】
遠隔操作端末200は、外部ネットワーク300に接続可能に構成された端末である。遠隔操作端末200には、例えば、ネットワーク回線301に接続可能なスマートフォン等のモバイル機器、タブレット端末およびパーソナルコンピュータ等が該当する。一例として、遠隔操作端末200には、外部ネットワーク300に接続可能な通信用インターフェース201が搭載されている。
【0015】
なお、遠隔操作端末200は、モバイル機器、タブレット端末およびパーソナルコンピュータ等の汎用機器でもよいし、本実施の形態の照明装置点検システム専用のリモートコントローラー等の端末でもよい。遠隔操作端末200には、照明装置点検システムを使用するためのアプリケーションまたはソフトウェアが組み込まれる。遠隔操作端末200は、照明装置100の点検を行う点検作業者によって操作される。点検作業者は、遠隔操作端末200を操作することで、照明装置100の点検を行う。
【0016】
上記のように構成された本実施の形態の照明装置点検システムにおいて、照明装置100と遠隔操作端末200とは、外部ネットワーク300を介して相互に通信を行うことができる。照明装置100と遠隔操作端末200とは、互いの位置に依らずに、相互に通信を行う事が可能である。すなわち、遠隔操作端末200は、当該遠隔操作端末200を操作する点検作業者がどこにいても、照明装置100と相互に通信を行うことが可能である。
【0017】
遠隔操作端末200は、画面を備えるとともに、照明装置100に自己点検を行わせるための点検指示を送信する機能を有する。点検作業者は、遠隔操作端末200を操作することで、当該遠隔操作端末200に点検指示を送信させる。照明装置100は、外部ネットワーク300を介して遠隔操作端末200から送信された点検指示を受信する。このように、点検作業者は、外部ネットワーク300に接続された遠隔操作端末200を操作することで、点検指示を照明装置100へ任意の場所から送信することが可能である。
【0018】
外部ネットワーク300に接続された照明装置100は、遠隔操作端末200から送信された点検指示を外部ネットワーク300を介して受信する。点検指示を受信した照明装置100は、自己点検を行う。自己点検を行った照明装置100は、この自己点検の結果の情報である点検結果情報を送信する。
【0019】
外部ネットワーク300に接続された遠隔操作端末200は、照明装置100から送信された点検結果情報を外部ネットワーク300を介して受信する。外部ネットワーク300に接続された遠隔操作端末200は、照明装置100に対する自端末の位置に依らずに、任意の位置で点検結果情報を受信することができる。点検結果情報を受信した遠隔操作端末200は、当該点検結果情報を画面に表示する。
【0020】
上記のように構成された本実施の形態の照明装置点検システムによれば、点検作業者は、照明装置100の点検を任意の場所で行うことができる。また、点検作業者は、照明装置100の点検結果を任意の場所で確認することができる。本実施の形態であれば、照明装置100の点検業務にかかる時間を短縮することができる。また、遠隔操作端末200による点検結果情報の表示は、当該遠隔操作端末200を操作する点検作業者が選択した任意の時間において行われる。点検作業者は、任意の時間に照明装置100の点検結果を任意の時間に確認することができる。このように、本実施の形態の照明装置点検システムであれば、点検作業者の負担をより少なくすることが可能である。
【0021】
照明装置100と遠隔操作端末200との通信は、ネットワーク回線301に接続された保管システム310を経由して行われてもよい。保管システム310は、一時的に情報を保持または保管するシステムである。保管システム310は、例えば、ネットワーク回線301に接続されたサーバ上に構築される。
【0022】
また、照明装置100は、保管システム310を介してネットワーク回線301に接続するように構成されていてもよい。同様に、遠隔操作端末200は、保管システム310を介してネットワーク回線301に接続するように構成されていてもよい。本開示において単に「外部ネットワーク300」と称するものには、この保管システム310およびネットワーク回線301をまとめたものが含まれる。
【0023】
図3は、実施の形態1の照明装置100の構成の一例を示すブロック図である。ここで、各図を参照し、本実施の形態に係る照明装置点検システムの各構成要素について、より詳細に説明する。なお、上記したように、照明装置100と遠隔操作端末200との通信は、保管システム310を介して行われてもよい。以下、一例として、照明装置100、遠隔操作端末200および保管システム310を含む照明装置点検システムについて説明する。
【0024】
照明装置100には、図3に示すように、蓄電池102が内蔵されている。また、照明装置100は、非常時に蓄電池102の電力によって点灯可能な光源103を備えている。さらに、照明装置100は、図2および図3に示すように、当該照明装置100の動作全般を制御するためのコントロールユニット110を備えている。
【0025】
コントロールユニット110は、制御回路120および記憶演算装置130を備えている。また、コントロールユニット110には、例えば、図3に示すように、外部のAC電源から供給される電力を変換するための整流回路111が設けられる。なお、整流回路111は、図2においては図示を省略している。
【0026】
制御回路120は、蓄電池102および光源103等の動作を制御するための回路である。制御回路120には、例えば、整流回路111に接続された電源生成回路121が含まれる。また、制御回路120には、例えば、蓄電池102を充電するための充電回路122が含まれる。さらに、制御回路120には、例えば、常用点灯回路123および非常用点灯回路124が含まれる。常用点灯回路123は、通常時に光源103を点灯させるためのものである。非常用点灯回路124は、非常時に蓄電池102の電力によって光源103を点灯させるためのものである。
【0027】
本実施の形態の照明装置100の自己点検は、蓄電池102および光源103に接続された制御回路120が動作することで実行される。なお、照明装置100には、例えば、点検作業者は手動で点検を行うための点検スイッチ104が設けられていてもよい。自己点検手段の一例である制御回路120は、図示しない自己点検スイッチが操作された時点で自己点検が実行されるように動作してもよい。
【0028】
記憶演算装置130は、例えば、マイコン等の機器である。記憶演算装置130には、各種の情報が記憶される。また、記憶演算装置130は、各種の演算を行う。記憶演算装置130と制御回路120とは、互いに接続されている。記憶演算装置130には、制御回路120から各種の信号が入力される。また、制御回路120は、記憶演算装置130からの出力に基づいて動作する。
【0029】
記憶演算装置130は、一例として、図2に示すように、CPU131、送受信部132、点検結果保存更新部133、点検実施部134および動作条件記憶部135を有している。CPU131は、予め記憶されたプログラムを実行することによって予め設定された処理を実行するものである。
【0030】
送受信部132は、通信用インターフェース101および外部ネットワーク300を介して遠隔操作端末200から点検指示を受信するためのものである。また、送受信部132は、点検結果情報を通信用インターフェース101および外部ネットワーク300を介して送信するためのものでもある。本実施の形態において送受信部132は、照明装置100が備える受信手段および送信手段を構成している。
【0031】
点検結果保存更新部133は、照明装置100の自己点検の結果の情報である点検結果情報の保存および保存された点検結果情報の更新のためのものである。点検結果保存更新部133に保存された点検結果情報は、送受信部132によって、通信用インターフェース101および外部ネットワーク300を介して遠隔操作端末200へ送信される。
【0032】
点検実施部134は、照明装置100の自己点検を実行させるためのものである。点検実施部134は、送受信部132が点検指示を受信すると、自己点検が実行されるように制御回路120が動作するための処理を行う。本実施の形態における点検実施部134は、自己点検を実行させる自己点検手段の一例である。また、動作条件記憶部135には、照明装置100の各種の動作条件が記憶される。
【0033】
また、遠隔操作端末200は、図2に示すように、記憶演算装置230を備えている。この記憶演算装置230は、記憶演算装置130と同様、マイコン等の機器である。照明装置点検システムを使用するためのアプリケーションまたはソフトウェアは、記憶演算装置230に組み込まれ、また当該記憶演算装置230によって実行される。
【0034】
記憶演算装置230は、一例として、図2に示すように、CPU231、送受信部232、点検指示部233、点検予約部234および動作条件記憶部235を有している。CPU231は、CPU131と同様、予め記憶されたプログラムを実行することによって予め設定された処理を実行するものである。
【0035】
送受信部232は、通信用インターフェース201、外部ネットワーク300および通信用インターフェース101を介して、送受信部132と通信を行う。本実施の形態において、送受信部232は、送受信部132への点検指示の送信および送受信部132からの点検結果情報の受信等を行う。送受信部232が受信した点検結果情報は、遠隔操作端末200に設けられた液晶ディスプレイ等の画面によって表示される。なお、遠隔操作端末200が点検結果情報を表示する手段は任意のものでよく、液晶ディスプレイに限定されるものではない。
【0036】
点検指示部233は、点検作業者による遠隔操作端末200の操作に応じて点検指示を生成するものである。点検指示部233によって生成された点検指示は、送受信部232によって送信される。また、点検予約部234、点検作業者は予約点検を行うための予約情報を生成する。この予約情報には、照明装置100が自己点検を行う時刻等の情報が含まれる。予約情報は、点検作業者による遠隔操作端末200の操作に応じて生成される。点検予約部234によって生成された予約情報は、点検指示とともに送受信部232によって送信される。
【0037】
また、動作条件記憶部235には、点検作業者によって設定された照明装置100の各種の動作条件が記憶される。動作条件記憶部235に記憶された動作条件は、送受信部232によって送信される。送信された動作条件は、外部ネットワーク300を介して、照明装置100の送受信部132によって受信される。送受信部132によって受信された動作条件は、動作条件記憶部135に記憶される
【0038】
次に、上記のように構成された照明装置点検システムの動作を説明する。図4は、実施の形態1の照明装置点検システムの動作例を示す図である。
【0039】
まず、点検作業者は、遠隔操作端末200を操作し、点検対象である照明装置100に自己点検を行わせるための点検指示を送信させる。なお、点検作業者は、点検指示とともに予約情報を遠隔操作端末200に送信させてもよい(ステップS201)。
【0040】
遠隔操作端末200から送信された点検指示は、保管システム310に受信される(ステップS301)。保管システム310は、受信した点検指示を、点検対象である照明装置100に対して送信する(ステップS302)。
【0041】
保管システム310から送信された点検指示は、照明装置100に受信される(ステップS101)。照明装置100は、点検指示を受信すると、自己点検を自動で実施する(ステップS102)。なお、予約情報が遠隔操作端末200から送信された場合には、当該予約情報は、保管システム310を介して照明装置100に受信される。予約情報を受信した照明装置100は、当該予約情報に基づいて、点検作業者が設定した時刻になると自己点検を自動で実施する。自己点検を完了した照明装置100は、自己点検の結果の情報である点検結果情報を送信する(ステップS103)。
【0042】
照明装置100から送信された点検結果情報は、保管システム310に受信される(ステップS303)。点検結果情報は、保管システム310に一時的に保管される。照明装置100から送信された点検結果情報は、遠隔操作端末200からの点検指示の送信時と同様、保管システム310を経由して遠隔操作端末200に受信される。
【0043】
本実施の形態において、遠隔操作端末200による点検結果情報の受信および表示は、当該遠隔操作端末200を操作する点検作業者が選択した任意の時間において行われる。例えば、遠隔操作端末200は、点検結果情報を受信するための点検結果要求を送信する機能を有している。点検作業者は、点検結果情報を確認したい時に、遠隔操作端末200を操作して点検結果要求を送信する(ステップS202)。遠隔操作端末200から送信された点検結果要求は、保管システム310に受信される(ステップS304)。
【0044】
点検結果要求を受信した保管システム310は、一時的に保管した点検結果情報を送信する(ステップS305)。点検作業者の操作によって点検結果要求を送信した遠隔操作端末200は、保管システム310から送信された点検結果情報を受信する(ステップS203)。点検結果情報を受信した遠隔操作端末200は、当該点検結果情報を表示する。遠隔操作端末200によって表示された点検結果情報を点検作業者が確認することで、照明装置100の点検作業は完了する(ステップS204)。
【0045】
なお、本実施の形態の照明装置点検システムには、複数の照明装置100が含まれていてもよい。複数の照明装置100のそれぞれの個体識別は、各照明装置100に予め設定されたアドレスを用いて行われる。各照明装置100のアドレスの設定は、例えば、コントロールユニット110の生産時に、生産ラインにおいて記憶演算装置130にアドレスが書き込まれることで実現される。各照明装置100のアドレスは、例えば、下一桁が一台毎にカウントアップするように設定される。
【0046】
そして、照明装置100が設置される際に、当該照明装置100のアドレス情報の取得が、遠隔操作端末200または別の機器によって行われる。取得されたアドレス情報は、点検作業者へ伝えられる。点検作業者は、アドレス情報を確認して、任意の点検対象の照明装置100に対し、点検指示を送信する。
【0047】
図5は、実施の形態1の遠隔操作端末200の画面表示例を示す図である。図5(a)は、点検指示および予約情報の送信時における遠隔操作端末200の画面のイメージである。図5(a)に示すように、遠隔操作端末200の画面には、各照明装置100のアドレス情報が表示される。点検作業者は、表示されたアドレス情報を確認して、点検を行う照明装置100を選択する。そして、点検作業者は、点検対象の各照明装置100に対し、点検開始時刻を設定する。点検作業者は、即時または設定した任意の時刻を選択し、送信ボタンを押下する。これにより、点検指示が送信される。また、任意の時刻が設定された場合は、予約情報が送信される。
【0048】
なお、一度設定された点検開始時刻は、その時刻になる前であれば変更可能である。一度設定された点検開始時刻の情報は、保管システム310に保管される。点検作業者が遠隔操作端末200の操作を繰り返すことで、保管システム310に保管された情報は更新される。これにより、点検開始時刻が変更される。
【0049】
また、図5(b)は点検結果要求の送信時における遠隔操作端末200の画面のイメージである。図5(b)に示すように、点検が実行された各照明装置100のアドレスの情報が表示される。点検作業者は、表示されたアドレス情報を確認し、点検結果を確認したい照明装置100のアドレス情報に対してチェックをして送信ボタンを押下する。これにより。チェックされたアドレス情報に対応した照明装置100の点検結果情報を取得するための点検結果要求が送信される。
【0050】
図5(c)は、点検結果情報の表示時における遠隔操作端末200の画面のイメージである。遠隔操作端末200によって表示される点検結果情報には、例えば、各照明装置100の点検結果の合否、点灯時間、規定時間後の放電電圧(蓄電池の電圧)、蓄電池の寿命の判定結果等の項目が含まれる。
【0051】
以上に示したように、照明装置点検システムを構成することで、点検作業者は、照明装置100のある現場に赴く必要なく、当該照明装置100の点検を実施することができる。点検作業者は、遠隔操作端末200を操作することで、外部ネットワーク300を介して照明装置100を遠隔操作することができる。また、点検作業者は例えば、照明装置100の自己点検を夜間に実施させて、点検結果は点検作業者の都合の良い時間に確認することができる。本実施の形態の照明装置点検システムによれば、点検業務によって点検作業者が拘束される時間を削減することができる。
【0052】
例えば、有効点灯時間が一般定格の非常灯の点検作業においては、点検開始から完了までの間に点検作業者が拘束される時間のうち計30分間程度の時間を従来に比べて削減することができる。長時間定格の非常灯の点検作業においては、点検開始から完了までの間に点検作業者が拘束される時間のうち計60分間程度の時間を従来に比べて削減することができる。また、例えば、有効点灯時間が一般定格の誘導灯の点検作業においては、点検開始から完了までの間に点検作業者が拘束される時間のうち計20分間程度の時間を従来に比べて削減することができる。長時間定格の誘導灯の点検作業においては、点検開始から完了までの間に点検作業者が拘束される時間のうち計60分間程度の時間を従来に比べて削減することができる。
【0053】
上記したように、本実施の形態の照明装置点検システムおよび照明装置100であれば、点検作業者の負担を従来に比べてより少なくすることが可能である。例えば、夜間など、照明装置100が設定された建物内に人が居ない場合に、点検作業者は当該建物に入ることなく照明装置100の点検を行うことができる。また、例えば、単に非常点灯が行われるかどうかを確認するといった、本来実施すべき項目が盛り込まれていない不十分な点検が実施されるおそれも抑制される。
【0054】
なお、照明装置100と遠隔操作端末200との通信は、保管システム310を経由せずに行われてもよい。例えば、点検結果情報の保管は、保管システム310の代わりに照明装置100に搭載されたマイコン等の記憶演算装置130によって行われてもよい。遠隔操作端末200から送信された点検結果要求は、照明装置100に受信されてもよい。そして、照明装置100は、遠隔操作端末200から送信された点検結果要求を受信すると点検結果情報を送信するように構成されていてもよい。
【0055】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、また、説明を簡略化および省略する。本実施の形態の照明装置点検システムは、実施の形態1と同様、照明装置100および遠隔操作端末200を備える。照明装置100および遠隔操作端末200は、外部ネットワーク300を介して通信を行う。外部ネットワーク300には、例えば、ネットワーク回線301および保管システム310が含まれる。
【0056】
図6は、実施の形態2の照明装置点検システムの動作例を示す図である。図6に示される本実施の形態の照明装置点検システムは、リピート機能を有することを特徴としている。遠隔操作端末200の電源がオフである場合あるいは遠隔操作端末200がネットワーク回線301に接続できない圏外にある場合等においては、照明装置100から送信された点検結果情報が遠隔操作端末200へ不達となりうる。リピート機能とは、点検結果情報が遠隔へ不達となった場合に、点検結果情報を再送信する機能である。以下、図6を参照し、実施の形態1との相違点を中心に、本実施の形態の照明装置点検システムの動作について説明する。
【0057】
図6(a)において、ステップS211およびステップS212は、それぞれ、実施の形態1のステップS201およびステップS202と同様のため、詳細な説明を省略する。また、ステップS311からステップS314は、実施の形態1のステップS301からステップS304と同様のため、詳細な説明を省略する。ステップS111からステップS113は、実施の形態1のステップS101からステップS103と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0058】
保管システム310は、ステップS313において受信した点検結果情報を保管する。保管システム310は、ステップS314で点検結果要求を受信すると、保管した点検結果情報を送信する(ステップS315)。ここで、保管システム310が送信した点検結果情報が遠隔操作端末200に受信されなかった場合には(ステップS213)、保管システム310は点検結果情報を再送信する。保管システム310は、例えば、点検結果情報を送信してから一定時間が経過すると、点検結果情報を再送信する。この一定時間は、例えば、遠隔操作端末200によって予め設定される。保管システム310は、遠隔操作端末200が受信する点検結果情報が最新の点検結果情報となるように、情報の管理を行う。
【0059】
保管システム310が送信した点検結果情報が遠隔操作端末200に受信された場合(ステップS213)、当該点検結果情報が遠隔操作端末200によって表示される。表示された点検結果情報を点検作業者が確認することで、照明装置100の点検作業が完了する(ステップS214)。
【0060】
また、図6(b)は、実施の形態2の変形例を示すものである。図6(b)に示すように、点検結果情報の再送信は、照明装置100によって行われてもよい。以下、図6(b)に示す実施の形態2の変形例について、より詳細に説明する。
【0061】
図6(b)において、ステップS221およびステップS222は、それぞれ、図6(a)のステップS211およびステップS212と同様である。図6(b)のステップS321およびステップS322は、それぞれ、図6(a)のステップ311および312と同様である。また、図6(b)のステップS325およびステップS326は、それぞれ、図6(a)のステップ314および315と同様である。図6(b)のステップS121からステップS123は、図6(a)の実施の形態1のステップS111からステップS113と同様である。
【0062】
ステップS123において照明装置100から送信された点検結果情報は、保管システム310に受信されて保管される。保管システム310は、受信した点検結果情報が、照明装置100から1回目に送信されたものであるか再送信されたものであるか判定する(ステップS323)。
【0063】
保管システム310は、受信した点検結果情報が照明装置100から1回目に送信されたものである場合、当該点検結果情報を保管した状態で待機する(ステップS324)。また、保管システム310は、受信した点検結果情報が照明装置100から再送信されたものである場合、当該点検結果情報を送信する。保管システム310は、ステップS325で点検結果要求を受信した場合にも、点検結果情報を送信する(ステップS326)。
【0064】
保管システム310が送信した点検結果情報が遠隔操作端末200に受信された場合(ステップS223)、当該点検結果情報が遠隔操作端末200によって表示される。表示された点検結果情報を点検作業者が確認することで、照明装置100の点検作業が完了する(ステップS224)。また、保管システム310が送信した点検結果情報が遠隔操作端末200に受信されなかった場合には(ステップS223)、保管システム310は、照明装置100に点検結果情報を再送信させるための点検結果要求を送信する(ステップS327)。保管システム310からの点検結果要求を受信した照明装置100は、点検結果情報を再送信する。
【0065】
図6(a)におけるステップS213の判定および図6(b)におけるステップS223の判定は、換言すると、照明装置100または保管システム310が点検結果情報を送信してから一定時間以内に当該点検結果情報が遠隔操作端末200に受信されたか否かの判定である。上記の判定は、遠隔操作端末200、保管システム310および照明装置100の何れによって実行されてもよい。
【0066】
以上に示したように、本実施の形態の照明装置点検システムは、遠隔操作端末200に対して点検結果情報が送信されてから一定時間以内に当該点検結果情報が遠隔操作端末200に受信されなかった場合に、照明装置100および保管システム310の少なくとも一方が当該点検結果情報を再送信するように構成されている。本実施の形態の照明装置点検システムであれば、例えば、点検作業者が点検結果を確認する手間が軽減される。また、点検作業者が点検結果を確認し忘れる等のミスが発生する可能性も抑制される。
【0067】
なお、照明装置100と遠隔操作端末200との通信は、実施の形態1と同様、保管システム310を介さずに行われてもよい。点検結果情報の管理は、保管システム310ではなく、照明装置100のコントロールユニット110に搭載されたマイコン等の記憶演算装置130によって実施されてもよい。
【0068】
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態の照明装置点検システムは、上記した各実施の形態と同様、照明装置100および遠隔操作端末200を備える。照明装置100および遠隔操作端末200は、上記した各実施の形態と同様、外部ネットワーク300を介して通信を行う。
【0069】
図7および図8は、本実施の形態の照明装置点検システムの動作例を示す図である。特に、図7は、実施の形態3のグループ化を説明する図である。また、図8は、実施の形態3のグループ化された照明装置群を含む照明装置点検システムの動作例を示す。
【0070】
図7および図8に示される本実施の形態の照明装置点検システムは、複数同時点検機能を有することを特徴としている。点検対象となる照明装置100は、例えば、同じ建物の中に複数台設置されている場合がある。複数同時点検機能とは、複数の照明装置100を1つの照明装置群にグループ化して、グループ化された複数の照明装置100の点検をまとめて行う機能である。以下、図7および図8を参照し、上記した各実施の形態との相違点を中心に、本実施の形態の照明装置点検システムについて説明する。なお、図7においては、簡略化のため、「グループ」を「GP」と表記している。
【0071】
本実施の形態において、遠隔操作端末200は、複数の照明装置100を照明装置群にまとめるためのグループ化指示を送信する機能を有している。図7に示すように、点検作業者は、遠隔操作端末200を操作し、まとめて点検を行いたい複数台の照明装置100を照明装置群にまとめるためのグループ化指示を送信する(ステップS231)。なお、照明装置群の数は、1つまたは2つ以上、すなわち任意でよい。グループ化の設定は、照明装置100の個体識別のためのアドレスを用いて行われる。
【0072】
遠隔操作端末200から送信されたグループ化指示は、保管システム310を経由し(ステップS331およびステップS332)、照明装置100に受信される(ステップS131)。照明装置100は、受信したグループ化指示に基づいてグループ化を実施する(ステップS132)。グループ化が完了すると、照明装置100は、グループ化が完了したことを示す情報であるグループ化完了情報を送信する(ステップS133)。
【0073】
照明装置100から送信されたグループ化完了情報は、保管システム310を経由し(ステップS333およびステップS334)、遠隔操作端末200に受信される(ステップS232)。遠隔操作端末200が受信したグループ化完了情報を点検作業者が確認するとこで、図7に示すグループ化が終了する。
【0074】
グループ化が終了した後、点検作業者は、図8に示すように、遠隔操作端末200を操作し、点検対象である照明装置群に自己点検を行わせるための点検指示を送信させる(ステップS241)。以降の動作は、基本的に、実施の形態1と同様である。図8におけるステップS241からステップS244は、実施の形態1のステップS201からステップS204と同様のため、詳細な説明を省略する。ステップS341からステップS345は、実施の形態1のステップS301からステップS305と同様のため、詳細な説明を省略する。また、ステップS141からステップS143は、実施の形態1のステップS101からステップS103と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0075】
本実施の形態において、遠隔操作端末200からの点検指示の送信は、図8に示すように、照明装置群毎に対して行われる。遠隔操作端末200から送信された点検指示は、照明装置群に含まれる複数の照明装置100に対して一斉に行われる。各照明装置100は、点検指示を受信すると自己点検を実施する。本実施の形態であれば、点検作業者は、複数の照明装置100の点検をまとめて行うことができる。
【0076】
また、図8に示すように、遠隔操作端末200への点検結果情報の送信は、各照明装置群が行う。本実施の形態であれば、点検作業者は、複数の照明装置100の点検結果をまとめて確認することができる。このように、本実施の形態の照明装置点検システムであれば、点検作業者の負担をより少なくすることが可能である。
【0077】
なお、グループ化の対象となる複数の照明装置100は、必ずしも同一の建物に設置されていなくてもよい。例えば、第1の建物に設置された照明装置100と第2の建物に設置された照明装置100とが1つの照明装置群にグループ化されてもよい。また、点検作業者は、遠隔操作端末200を操作することによって、照明装置群に含まれる複数の照明装置100の全てではなく一部の点検結果情報を受信してもよい。
【0078】
また、照明装置100と遠隔操作端末200との通信は、実施の形態1および実施の形態2と同様、保管システム310を介さずに行われてもよい。例えば、グループ化の処理およびグループ化完了情報の管理は、保管システム310で行われてもよいし、照明装置100に搭載された記憶演算装置130で行われてもよい。
【0079】
また、図9は、実施の形態3の照明装置点検システムの変形例を示す図である。図10は、実施の形態3の変形例における点検指示の送信動作を示す図である。本変形例において、照明装置点検システムは、さらにスケジュール機能を有することを特徴としている。スケジュール機能とは、各照明装置100が点検されるタイミングをずらす機能である。
【0080】
上記した実施例と同様、本変形例において点検作業者は、まとめて点検を行いたい複数台の照明装置100を照明装置群にまとめるためのグループ化指示を送信する(ステップS251)。ここで点検作業者は、照明装置群としてまとめたい複数の照明装置100の中の1台を親機として設定する。この親機以外の照明装置は、当該親機に対する子機として設定される。親機および子機の設定に関する情報を含むグループ化指示は、保管システム310を経由して照明装置100に対して送信される(ステップS351およびステップS352)。
【0081】
親機および子機の設定に関する情報を含むグループ化指示は、照明装置群に含まれる各照明装置100に受信される(ステップS151aおよびステップS151b)。複数の照明装置100は、受信したグループ化指示に基づいてグループ化を実施する(ステップS152aおよびステップS152b)。これにより、照明装置群が形成される。また、この照明装置群のうちの1台が親機になり、その他が子機になる。
【0082】
親機および子機を含む照明装置群は、グループ化完了情報を送信する(ステップS153aおよびステップS153b)。照明装置群から送信されたグループ化完了情報は、保管システム310を経由し(ステップS353およびステップS354)、遠隔操作端末200に受信される(ステップS252)。遠隔操作端末200が受信したグループ化完了情報を点検作業者が確認するとこで、親機と子機との設定およびグループ化が終了する。
【0083】
親機と子機との設定およびグループ化が終了した後、点検作業者は、図10に示すように、遠隔操作端末200を操作し、点検指示を送信させる(ステップS253)。遠隔操作端末200から送信された点検指示は、保管システム310を介して親機および子機へ送信される(ステップS355およびステップS356)。
【0084】
ここで、保管システム310は、各照明装置100が点検されるタイミングをずらすように点検指示を送信する。例えば、保管システム310は、親機に点検指示を送信するタイミングと子機に点検指示を送信するタイミングをずらす。また、保管システム310は、例えば、各照明装置100に送信する点検指示に、各照明装置100が点検を開始する時刻の情報を含ませる。この時刻は、それぞれ異なる時刻として設定される。なお、各照明装置100が点検されるタイミングをずらすように行われる点検指示の管理は、保管システム310ではなく遠隔操作端末200に搭載された記憶演算装置230によって行われてもよい。
【0085】
図9に示すように、親機および子機は、点検指示を受信する(ステップS154aおよびステップS154b)。点検指示を受信した親機および子機は、自己点検を実施する(ステップS155aおよびステップS155b)。一例として、照明装置群のうち、まず親機が自己点検を最初に開始する。親機の自己点検が開始した後、子機が一台ずつまたは複数台ずつ自己点検を開始する。各照明装置100の自己点検が開始する時点の間隔は、遠隔操作端末200を操作する点検作業者によって任意の間隔に設定される。なお、各照明装置100の自己点検が開始する時点の間隔は、自己点検に要する時間である有効点灯時間以上であることが好ましい。
【0086】
自己点検を完了した子機は、点検結果情報を親機へ送信する(ステップS156b)。自己点検を完了した親機は、子機の点検結果情報の全てを受信したか判定する(ステップS156a)。自己点検を完了した親機は、子機の点検結果情報の全てを受信していない場合には、子機の点検結果情報の全てを受信するまで待機する(ステップS157a)。自己点検を完了した親機は、子機の点検結果情報の全てを受信すると、各照明装置100の点検結果情報をまとめて送信する(ステップS158a)。このように、本変形例において、照明装置群に含まれる複数の照明装置100の点検結果情報は、親機によってまとめて送信される。
【0087】
ステップS158a以降の動作は、図8におけるステップS143以降の動作と同様である。図9におけるステップS357からステップS359は、図8におけるステップS343からステップS345と同様のため、詳細な説明を省略する。また、図9におけるステップS254からステップS256は、図8におけるステップS242からステップS244と同様のため、詳細な説明を省略する。親機によってまとめて送信された点検結果情報は、遠隔操作端末200によって受信される。
【0088】
例えば、建物内に人が居る際に非常状態が発生した場合、当該建物に設置された全ての照明装置100が同時に点検されていると、各照明装置100は避難誘導等の本来の機能を満足にはたすことが出来なくなってしまうおそれがある。本変形例によって示したスケジュール機能は、このような状況において有効な機能である。
【0089】
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。本実施の形態の照明装置点検システムは、上記した各実施の形態と同様、照明装置100および遠隔操作端末200を備える。本実施の形態の遠隔操作端末200は、報告書作成機能を有することを特徴としている。報告書作成機能とは、規定の様式の報告書のデータを作成して出力する機能である。
【0090】
図11は、実施の形態5の照明装置点検システムの動作例を示す図である。図11におけるステップS261からステップS264は、実施の形態1の図4におけるステップS201からステップS204と同様である。また、図11におけるステップS361からステップS365は、実施の形態1の図4におけるステップS301からステップS395と同様である。図11におけるステップS161からステップS163は、実施の形態1の図4におけるステップS101からステップS103と同様である。上記の実施の形態1と同様の各ステップについての詳細な説明は省略する。
【0091】
照明装置100の点検作業者には、点検結果を報告書または点検票にまとめて報告することが義務付けられている。報告書または点検票の様式は、関連法令等によって規定されている。本実施において遠隔操作端末200は、受信した点検結果情報に基づいて、点検結果が記載された報告書のデータを自動的に作成する(ステップS265)。報告書のデータの作成は、例えば、遠隔操作端末200に組み込まれたアプリケーションまたはソフトウェアによって行われる。本実施の形態であれば、点検作業者が報告書を作成するための時間が削減される。
【0092】
ここで、報告書の作成方法についての具体例を説明する。点検作業者は、遠隔操作端末200内に予め報告書作成アプリをインストールしておく。この報告書作成アプリには、規定の報告書の様式データが収められている。ここで、報告書作成アプリに収められる様式データは、一般的な文書作成ソフトウェアに適合した形式のデータであることが望ましい。また、点検作業者は、遠隔操作端末200または別の機器を用いて、照明装置100の種類の情報を報告書作成アプリに予め設定して保存しておく。照明装置100の種類には、例えば、避難口設置型、通路設置型、客席誘導灯が含まれる。報告書作成アプリがインストールされた遠隔操作端末が点検結果情報を受信すると、当該報告書作成アプリは、当該点検結果情報に基づいて、予め収められた様式データに点検結果を記載していく。
【0093】
なお、報告書作成アプリによって作成される報告書のデータは、法令で規定される様式と完全一致していなくてもよい。例えば、報告書作成アプリは、非常点灯に関する項目以外の項目を追記可能な報告書のデータを作成してもよい。非常点灯に関する項目以外の項目としては、例えば、照明装置100の外観、表示灯の目視確認結果等が含まれる。このように、本実施の形態における遠隔操作端末200は、受信した点検結果情報を予め設定された様式のデータに変換して出力する機能を有するように構成されていればよい。遠隔操作端末200によって変換されて出力されるデータは、任意の形式でよい。
【0094】
実施の形態5.
次に、実施の形態5について説明する。本実施の形態の照明装置点検システムは、上記した各実施の形態と同様、照明装置100および遠隔操作端末200を備える。照明装置100および遠隔操作端末200は、上記した各実施の形態と同様、外部ネットワーク300を介して通信を行う。
【0095】
図12は、実施の形態5の照明装置点検システムの動作例を示す図である。図12に示される本実施の形態の照明装置点検システムは、点検途中経過確認機能を有することを特徴としている。点検途中経過確認機能とは、照明装置100の自己点検の経過状態の情報である点検経過情報を点検作業者に確認可能にする機能である。以下、図12を参照し、上記した各実施の形態との相違点を中心に、本実施の形態の照明装置点検システムについて説明する。
【0096】
上記した各実施の形態と同様、照明装置の点検作業を行いたい点検作業者は、図12に示すように、遠隔操作端末200を操作して点検指示を送信させる(ステップS271)。遠隔操作端末200から送信された点検指示は、保管システム310を介し(ステップS371およびステップS372)、照明装置100によって受信される(ステップS171)。点検指示を受信した親機および子機は、自己点検を実施する(ステップS172)。
【0097】
また、点検作業者は、点検結果情報を確認したい時に、遠隔操作端末200を操作して点検結果要求を送信する(ステップS272)。遠隔操作端末200から送信された点検結果要求は、保管システム310を介して照明装置100へ送信される(ステップS373およびステップS374)。
【0098】
点検結果要求を受信した照明装置100は、自己点検が完了しているか否かの判定を行う(ステップS173)。自己点検実施前、自己点検実施途中、自己点検実施完了等、自己点検の経過状態は、照明装置100内部のコントロールユニット110にあるマイコン等の記憶演算装置130で監視可能である。照明装置100は、自己点検が完了している場合には、点検結果情報を送信する(ステップS174)。照明装置100から送信された点検結果情報は、保管システム310に保管された後、当該保管システム310から送信される(ステップS375およびステップS376)。なお照明装置100は、自己点検が完了している場合には、点検結果要求を受信していなくても保管システム310に点検結果情報を送信してもよい。
【0099】
保管システム310から送信された点検結果情報は、遠隔操作端末200に受信される(ステップS273)。点検結果情報を受信した遠隔操作端末200は、当該点検結果情報を表示する。遠隔操作端末200によって表示された点検結果情報を点検作業者が確認することで、照明装置100の点検作業が完了する(ステップS274)。
【0100】
ステップS173において自己点検が完了していない場合には、照明装置100は、自己点検の経過状態の情報である点検経過情報を遠隔操作端末200に対して送信する。点検経過情報は、保管システム310を介し(ステップS377およびステップS378)、遠隔操作端末200に受信される(ステップS275)。遠隔操作端末200は、受信した点検経過情報を表示する。本実施の形態であれば、点検作業者は、照明装置100の点検結果だけなく照明装置100の自己点検の経過状態も確認することができる。点検経過情報には、例えば、自己点検が開始したか否か、自己点検が開始してからの経過時間、等の各種の状態が含まれる。本実施の形態の点検途中経過確認機能によれば、点検作業者が遠隔操作端末200を操作する手間がより削減され、また、点検結果を確認するために点検作業者が拘束される時間がより短縮される。
【0101】
なお、本開示に係る照明装置点検システムおよび照明装置は、上記の各実施の形態によって示されるものに限定されない。また、上記の各実施の形態によって開示される構成および機能は、組み合わせることが可能である。本開示に係る照明装置点検システムおよび照明装置には、上記の各実施の形態によって示される構成のあらゆる変形およびあらゆる組み合わせが含まれ得る。例えば、本開示に係る照明装置点検システムには、実施の形態2のリピート機能、実施の形態3の複数同時点検機能およびスケジュール機能、実施の形態4の報告書作成機能および実施の形態5の点検途中経過確認機能のうちの任意の2つ以上の機能を有するものが含まれる。
【符号の説明】
【0102】
100 照明装置、 101 通信用インターフェース、 102 蓄電池、 103 光源、 104 点検スイッチ、 110 コントロールユニット、 111 整流回路、 120 制御回路、 121 電源生成回路、 122 充電回路、 123 常用点灯回路、 130 記憶演算装置、 131 CPU、 132 送受信部、 133 点検結果保存更新部、 134 点検実施部、 135 動作条件記憶部、 200 遠隔操作端末、 201 通信用インターフェース、 230 記憶演算装置、 231 CPU、 232 送受信部、 233 点検指示部、 234 点検予約部、 235 動作条件記憶部、 300 外部ネットワーク、 301 ネットワーク回線、 310 保管システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12