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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079851
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20240604BHJP
   B65D 21/032 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B65D6/18 L
B65D21/032
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064472
(22)【出願日】2024-04-12
(62)【分割の表示】P 2020140560の分割
【原出願日】2020-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】秋山 憲司
(57)【要約】
【課題】先に起こされる第1側壁が向かい合う方向で上側の容器がガタついたときに、組立係合部が破損しにくい容器の開発が求められる。
【解決手段】本開示の容器10によれば、先に起こされる第1側壁12が対向する方向(第1水平方向H1)でのガタつきによる荷重を受ける第1段積係合突部40Lが、後に起こされる第2側壁13における第2側壁用部材40に一体形成されているので、第1側壁12が無理に倒されるような負荷を受けにくくなり、各係合突部35,36及び各係合溝部54A~54Cが破損しにくくなる。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1水平方向で対向する1対の第1側壁と、第2水平方向で対向する1対の第2側壁とが、底壁の側方に倒れた展開状態と、前記1対の第1側壁と前記1対の第2側壁とが起立した組立状態と、に変形可能な容器であって、
前記1対の第1側壁及び前記1対の第2側壁は、樹脂製シート材にて前記底壁と一体に形成されて四方に張り出す複数の側壁基部と、それら各側壁基部にそれぞれ固定される複数の補強部材とからなり、
前記第1側壁における前記側壁基部と前記補強部材との固定、及び、前記第2側壁における前記側壁基部と前記補強部材との固定は、それぞれ帯状取付部材により固定されていて、
前記側壁基部及び前記補強部材には、互いに重なる位置に複数の貫通孔からなる貫通孔群がそれぞれ形成され、
前記帯状取付部材は、互いに重なる前記側壁基部及び前記補強部材の前記複数の貫通孔に嵌合する複数の嵌合突部を備える容器。
【請求項2】
前記展開状態では、全ての前記帯状取付部材の長手方向が同じ方向になる請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記複数の補強部材には、互いに係合して容器を前記組立状態に保持する複数の組立係合部が備えられ、
前記1対の第2側壁の前記補強部材は、前記第2側壁の側縁部に配される側縁補強部と、前記側縁補強部の側縁から前記第1側壁に向けて突出し、前記組立係合部を有する嵌合突壁部を備え、
前記1対の第2側壁の前記側壁基部の上端は、容器の上端寄り位置に配され、かつ、下面開放の溝形の上端補強部材を取り付けられ、
前記複数の組立係合部は、前記第1側壁の側縁に配されて前記第2側壁に向けて突出した第1及び第2の係合突部と、前記第2側壁の前記補強部材のうち前記嵌合突壁部に設けられて前記第1及び前記第2の係合突部を受容する係合溝部と、を備え、
前記側縁補強部は、前記上端補強部材の端部を受容し、
前記第1の係合突部は、前記上端補強部材に当接又は近接する請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記第1側壁に配される前記帯状取付部材と、前記第2側壁に配される前記帯状取付部材と、は同じ形状である請求項1から3の何れか1の請求項に記載の容器。
【請求項5】
1つの前記補強部材に対して複数の前記帯状取付部材を取り付け可能になっている請求項1から4の何れか1の請求項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1対の第1側壁と、1対の第2側壁とが、底壁の側方に倒れた展開状態と、1対の第1側壁と1対の第2側壁とが起立した組立状態と、に変形可能な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の展開式の容器として、1対の第1側壁及び1対の第2側壁が、シート材にて底壁と一体に形成された側壁基部と、各側壁基部にそれぞれ固定される補強部材とからなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3-17034号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の展開式の容器においては、側壁基部への補強部材の固定の作業効率が向上する容器の開発が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、第1水平方向で対向する1対の第1側壁と、第2水平方向で対向する1対の第2側壁とが、底壁の側方に倒れた展開状態と、前記1対の第1側壁と前記1対の第2側壁とが起立した組立状態と、に変形可能な容器であって、前記1対の第1側壁及び前記1対の第2側壁は、樹脂製シート材にて前記底壁と一体に形成されて四方に張り出す複数の側壁基部と、それら各側壁基部にそれぞれ固定される複数の補強部材とからなり、前記第1側壁における前記側壁基部と前記補強部材との固定、及び、前記第2側壁における前記側壁基部と前記補強部材との固定は、それぞれ帯状取付部材により固定されていて、前記側壁基部及び前記補強部材には、互いに重なる位置に複数の貫通孔からなる貫通孔群がそれぞれ形成され、前記帯状取付部材は、互いに重なる前記側壁基部及び前記補強部材の前記複数の貫通孔に嵌合する複数の嵌合突部を備える容器である。
【0006】
請求項2の発明は、前記展開状態では、全ての前記帯状取付部材の長手方向が同じ方向になる請求項1に記載の容器である。
【0007】
請求項3の発明は、前記複数の補強部材には、互いに係合して容器を前記組立状態に保持する複数の組立係合部が備えられ、前記1対の第2側壁の前記補強部材は、前記第2側壁の側縁部に配される側縁補強部と、前記側縁補強部の側縁から前記第1側壁に向けて突出し、前記組立係合部を有する嵌合突壁部を備え、前記1対の第2側壁の前記側壁基部の上端は、容器の上端寄り位置に配され、かつ、下面開放の溝形の上端補強部材を取り付けられ、前記複数の組立係合部は、前記第1側壁の側縁に配されて前記第2側壁に向けて突出した第1及び第2の係合突部と、前記第2側壁の前記補強部材のうち前記嵌合突壁部に設けられて前記第1及び前記第2の係合突部を受容する係合溝部と、を備え、 前記側縁補強部は、前記上端補強部材の端部を受容し、前記第1の係合突部は、前記上端補強部材に当接又は近接する請求項1又は2に記載の容器である。
【0008】
請求項4の発明は、前記第1側壁に配される前記帯状取付部材と、前記第2側壁に配される前記帯状取付部材と、は同じ形状である請求項1から3の何れか1の請求項に記載の容器である。
【0009】
請求項5の発明は、1つの前記補強部材に対して複数の前記帯状取付部材を取り付け可能になっている請求項1から4の何れか1の請求項に記載の容器である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の容器によれば、側壁基部への補強部材の固定の作業効率が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の容器の斜視図
図2】展開状態の容器が重ねられた状態の斜視図
図3】容器の分解斜視図
図4】容器基体の斜視図
図5】容器基体の斜視図
図6】第1側壁用部材の斜視図
図7】第1側壁用部材の斜視図
図8】帯状取付部材の斜視図
図9】第2側壁用部材近傍の拡大図
図10】第2側壁用部材近傍の拡大図
図11】第2側壁用部材の斜視図
図12】第2側壁用部材の断面図
図13】第2側壁用部材の断面図
図14】第2側壁用部材の断面図
図15】ロック部材の斜視図
図16】ロック部材近傍の拡大図
図17】ロック部材近傍の断面図
図18】ロック部材近傍の断面図
図19】ロック部材近傍の断面図
図20】容器の断面図
図21】容器の断面図
図22】第1側壁が起立した状態の容器の斜視図
図23】容器を段積みした状態の斜視図
図24】容器を段積みした状態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1から図24を参照して本開示の容器10について説明する。図1に示すように、容器10は、長方形状の底壁11と、底壁11の短辺から起立した第1側壁12と、底壁11の長辺から起立した第2側壁13と、を有している。各側壁12,13は、底壁11に対して回動可能になっていて、容器10は、各側壁12,13が起立した組立状態(図1参照)と、各側壁12,13が外側に開いた展開状態(図2参照)と、に変形可能となっている。以降、組立状態の容器10において、第1側壁12が対向する方向を「第1水平方向H1」とし、第2側壁13が対向する方向を「第2水平方向H2」とする。
【0013】
図1及び図3に示すように、容器10は、容器基体20に第1側壁用部材30(特許請求の範囲中の「補強部材」に相当する)と第2側壁用部材40(特許請求の範囲中の「補強部材」に相当する)とを取りつけてなる。容器基体20は、2枚の樹脂シートの間が多数の壁により分割されてなるプラスチック段ボール、断面がハニカム構造となった樹脂製ハニカムボード又は樹脂製発泡シートなどの樹脂製シート材からなる。容器基体20は、容器10の底壁11を構成する底壁部21と、底壁部21の4辺から折り曲げ可能に張り出した第1及び第2の側壁基部22,23と、を有する。第1の側壁基部22は、底壁部21の短辺から張り出し、第1側壁用部材30を取り付けられて第1側壁12を構成する。第2の側壁基部23は、底壁部21の長辺から張り出し、第2側壁用部材40を取り付けられて第2側壁13を構成する。なお、底壁部21と、各側壁基部22,23との間は、肉薄なヒンジ部24となっている。
【0014】
図4に示すように、容器基体20の底壁部21は、長辺の長さが短辺の長さの3~4倍程の長方形状であり、その4隅に長方形状の切り欠き21Kを有している。第1の側壁基部22は、底壁部21の短辺のうち両端の切り欠き21Kの間から外方(図5においては、上方)に張り出していて、その長さ(底壁部21からの張り出し量)は、容器10(図1参照)の高さの1/3~1/5程となっている。第1の側壁基部22には、第1水平方向H1の中央より外方寄り位置(図5においては、上下方向の中央より上側寄り位置)に、第2水平方向H2に並んだ3つの貫通孔22Aが形成されている。貫通孔22Aは、角が丸まった四角形状をなし、真ん中の貫通孔22Aは、両端の貫通孔22Aの中央に配されている。また、第1の側壁基部22には、第1水平方向H1の外側端部(図5においては、上端部)に、4本の切り込み22Bと2つの凹部22Cとが形成されている。第2水平方向H2において、凹部22Cは、貫通孔22A同士の間の中央にそれぞれ配され、切り込み22Bは、貫通孔22A同士の間のうち各凹部22Cを挟んだ位置にそれぞれ配置されている。なお、図5に示すように、第1の側壁基部22の側縁には、底壁部21寄り位置に段差部22Dが形成されていて、第1の側壁基部22のうち段差部22Dより上側部分は、段差部22Dより下側部分よりも、第2水平方向H2の長さが僅かに小さくなっている。
【0015】
図4に示すように、第2の側壁基部23は、底壁部21の長辺のうち両端の切り欠き21Kの間から外方(図5においては、上方)に張り出していて、その長さ(底壁部21からの張り出し量)は、容器10(図1参照)の高さと略同一になっている。第2の側壁基部23には、第1水平方向H1の両端部に、第2水平方向H2(図5においては、上下方向)に並んだ3つの貫通孔23Aが形成されている。これら3つの貫通孔23Aは、第1の側壁基部22の3つの貫通孔22Aと同形状をなし、同じ間隔で並んでいる。
【0016】
第2の側壁基部23には、第1水平方向H1の両端部に、2本の切り込み23Bが形成されている。それら切り込み23Bは、第2水平方向H2(図5においては、上下方向)において貫通孔23A同士の間にそれぞれ配されている。第2の側壁基部23の第2水平方向H2の外側端部(図5においては、上端部)には、第1水平方向H1の外方に延びた帯状延長部23Cが形成されている。帯状延長部23Cの先端は、底壁部21の短辺よりも第1水平方向H1の外方に位置している。そして、第2の側壁基部23の第1水平方向H1の両端部のうち底壁部21側の切り込み23Bと帯状延長部23Cとの間は、凹部23Dとなっている。また、各第2の側壁基部23には、1つずつ持ち手孔23Eが形成されている。図1に示すように、持ち手孔23Eは、第2の側壁基部23の上端部の側縁寄り位置に配され、2つの持ち手孔23Eは、容器10の平面形状の中点を中心に点対称に配されている。
【0017】
図1及び図3に示すように、容器基体20における第2の側壁基部23の上端には、上端補強部材25が取り付けられている。上端補強部材25は、例えばアルミ製で、下面開放の溝形をなし、第2の側壁基部23の一方の帯状延長部23Cの先端から他方の帯状延長部23Cの先端までを覆っている。また、容器基体20には、第2の側壁基部23の持ち手孔23Eの開口縁を保護するように持ち手補強部材26が取り付けられている。
【0018】
図2に示すように、第1側壁用部材30は、容器基体20の第1の側壁基部22に取り付けられて、容器10の第1側壁12の大部分を構成する。図6及び図7に示すように、第1側壁用部材30は、第1の側壁基部22を受容する固定部31と、その上方の主要部32と、を有している。固定部31は、その上端に配された帯板部31Aと、帯板部31Aの幅方向(図6における第1水平方向H1)の中間から下方へ垂下した第1主板31Bと、帯板部31Aの幅方向の内側端部から垂下した第2主板31Cと、を有する。
【0019】
図7に示すように、第2主板31Cの下端は、第1主板31Bの下端より上方に配され、第1主板31Bの側縁と第2主板31Cの側縁との間は連絡リブ31Dにより連絡されている。そして、第1主板31Bと第2主板31Cとの間は、第1の側壁基部22の厚みと略同じ大きさの隙間を有しかつ下方へ開放し、第1の側壁基部22を受容する基部受容部31Sとなっている。基部受容部31S内の上部には、第1の側壁基部22の4本の切り込み22Bに対応する位置に、第1主板31Bと第2主板31Cとの間を連絡する補強リブ31Eが4本形成されている。また、基部受容部31S内の上部には、第1の側壁基部22の2つの凹部22Cに対応する位置に、帯板部31Aを下方へ突出させてなる突部31Fが形成されている。
【0020】
第2主板31Cの外面(第2水平方向H2の内側の面)には凹部31Uが形成されている。凹部31Uは、帯板部31Aより板厚1~2枚分下方で、かつ1対の連絡リブ31Dより板厚1枚分内側の間の領域を僅かに陥没させてなる。また、第1主板31Bと第2主板31Cとには、貫通孔31B1,31C1が3つずつ第2水平方向H2で並んで形成されている。第1主板31Bの3つの貫通孔31B1及び第2主板31Cの3つの貫通孔31C1は、内外方向で互いに対向し、かつ、容器基体20における第1の側壁基部22の3つの貫通孔22Aと、大きさや貫通孔22A同士の間隔が略同じになっている。また、第2主板31Cの各貫通孔31C1の開口縁には、上下の外縁に、上方又は下方へ切り欠かれた切り欠き部31C2が形成されている。
【0021】
図6に示すように、固定部31には、第1主板31Bの側辺と下辺とから第1水平方向H1の外方へ突出した周囲リブ31Gと、周囲リブ31Gの下辺と帯板部31Aとの間を連絡する2本の縦リブ31Hと、が形成されている。各縦リブ31Hは、貫通孔31B1同士の間のうち、端部の貫通孔31B1寄り位置に配されている。また、第1主板31Bには、貫通孔31B1の開口縁を囲む環状リブ31Kが第1水平方向H1の外方へ突出して形成されている。周囲リブ31G、縦リブ31H及び環状リブ31Kの端面は帯板部31Aの端面と略面一になっている。
【0022】
図6及び図7に示すように、第1側壁用部材30の主要部32は、外縁に配された土手部33と、その内側の板部34と、を有している。土手部33は、第1水平方向H1の内側が解放した溝形をなし、固定部31における第2水平方向H2の両端部寄り位置から上方へ延びた側縁部33Aと、側縁部33Aの上端同士を連絡する上縁部33Bと、を有している。なお、土手部33の溝の内側には複数のリブ33Lが備えられている。
【0023】
板部34は、土手部33の内縁における第1水平方向H1の内側端部と帯板部31Aの第1水平方向H1の内側端部との間を連絡するように延在している。なお、板部34の外面には、持ち手部34Aと、容器10の収容物の情報等が記載されるカード(図示せず)を取り付けるためのカード取付部34Bと、が形成されている。
【0024】
同図に示すように、第1側壁用部材30は、主要部32における土手部33のうち側縁部33Aの外側面から側方へ突出した係合突部35,36を有している。詳細には、第1側壁用部材30には、側縁部33Aの外側面の上端部から突出した第1係合突部35と、側縁部33Aの外側面の上端寄り位置と下端寄り位置とからそれぞれ突出した第2係合突部36と、が設けられている。
【0025】
第1係合突部35は、土手部33における側縁部33Aの外側面のうち第1水平方向H1の外側端部寄り位置に配された第1縦壁35Aと、第1縦壁35Aの第2水平方向H2の外側端部から第1水平方向H1の内側へ延びた第2縦壁35Bと、第2縦壁35Bと側縁部33Aの外側面との間で第1縦壁35Aの上端と中央と下端とから第1水平方向H1の内側へ延びた上中下の横壁35C,35D,35Eとを有する。
【0026】
第2係合突部36は、土手部33における側縁部33Aの外側面のうち第1水平方向H1の外側端部寄り位置に配された第1縦壁36Aと、第1縦壁36Aの第2水平方向H2の外側端部から第1水平方向H1の内側へ延びた第2縦壁36Bと、第1縦壁36Aのうち第2水平方向H2の中間位置から第1水平方向H1の内側へ延びた第3縦壁36Cと、を有する。さらに、第2係合突部36は、第2縦壁36Bと側縁部33Aの外側面との間で第1縦壁36Aの上端と下端とから第1水平方向H1の内側へ延びた上下の横壁36D,36Eと、第3縦壁36Cと側縁部33Aの外側面との間で第1縦壁36Aの上下方向の中央から第1水平方向H1の内側へ延びた真ん中の横壁36Fと、を有する。
【0027】
第2係合突部36の第3縦壁36Cと第1係合突部35の第2縦壁35Bとは上下方向で略並んでいて、第2係合突部36は、第1係合突部35よりも土手部33からの突出量が大きくなっている。また、第2係合突部36の第3縦壁36Cと第1係合突部35の第2縦壁35Bとは、固定部31の第2水平方向H2の外側端部よりも僅かに外方に位置している。そして、第2係合突部36のうち、第1縦壁36Aと第2縦壁36Bと第3縦壁36Cと上下の横壁36D,36Eとにより囲まれた部分は第1水平方向H1の内側へ開放したロック係合凹部36Uとなっている。
【0028】
第1側壁用部材30は、以下のようにして容器基体20の第1の側壁基部22に取り付けられる。即ち、図7に示すように、第1側壁用部材30における固定部31の基部受容部31Sに、容器基体20の第1の側壁基部22を下方から差し込む。すると、固定部31の補強リブ31Eと突部31Fとが第1の側壁基部22の切り込み22Bと凹部22Cとに受容されると共に、固定部31の連絡リブ31Dの下端に第1の側壁基部22の段差部22Dが当接又は近接し、第1側壁用部材30が第1の側壁基部22に対して位置決めされる。
【0029】
この状態では、第1側壁用部材30の貫通孔31B1,31C1群と第1の側壁基部22の貫通孔22A群とが第1水平方向H1で重なる。そして、これらの貫通孔22A,31B1,31C1に図8に示される帯状取付部材60が取り付けられる。図3及び図8に示すように、帯状取付部材60は、帯板状の主板部61の一面から3つの嵌合筒部62が突出してなる。嵌合筒部62は、各貫通孔22A,31B1,31C1(図7参照)よりも一回り小さい四角形状をなし、貫通孔22A,31B1,31C1内に嵌合する。また、嵌合筒部62の先端部には、主板部61の短手方向で対向する側辺部に、係止突起62Aが形成されている。係止突起62Aは、先端側から基端側へ向かうにつれて外方へ傾斜したテーパー面62Bと係止面62Cと、を有している。
【0030】
帯状取付部材60は、第1水平方向H1の内側から、嵌合筒部62を貫通孔22A,31B1,31C1内に挿通するようにして取り付けられる。このとき、嵌合筒部62の係止突起62Aは、第2主板31Cの各貫通孔31C1の開口縁の切り欠き部31C2に受容されてガイドされるので、嵌合筒部62を真っ直ぐ挿通しやすくなる。そして、嵌合筒部62の係止突起62Aが第1主板31Bの貫通孔31B1を通り過ぎると、係止突起62Aの係止面62Cが第1主板31Bの貫通孔31B1の開口縁と当接又は対向して、帯状取付部材60が抜け止めされ、第1側壁用部材30が第1の側壁基部22に固定される。
【0031】
なお、図2に示すように、帯状取付部材60が第1の側壁基部22及び第1側壁用部材30に取り付けられた状態では、帯状取付部材60の主板部61が第1側壁用部材30における第2主板31Cの凹部31Uに受容されるので、容器10内に主板部61が突出することが防がれる。また、帯状取付部材60の係止突起62Aが、第1側壁用部材30の環状リブ31Kに囲まれるので、係止突起62Aの破損が防がれる。
【0032】
図9図11に示すように、容器基体20の第2の側壁基部23に取り付けられた第2側壁用部材40は、平面視L字状をなし、第2の側壁基部23の側縁に配される側縁部41(特許請求の範囲中の「側縁補強部」に相当する)と、側縁部41の外側端部(第1水平方向H1の外側端部)から第1側壁12側(第2水平方向H2の内側)へ突出した嵌合突壁部50とを有する。側縁部41は、上壁41Aと、上壁41Aの内縁(第2水平方向H2の内側の側辺)から垂下した内側壁42(図11参照)と、上壁41Aの外縁(第2水平方向H2の外側の側辺)寄り位置から垂下した外側壁43(図10参照)と、を有している。図10に示すように、上壁41Aの第1水平方向H1の内側端部では、第2水平方向H2の中央より外側の位置が最も第1水平方向H1の内側に位置する頂点部41A1となっていて、そこから上壁41Aの両側辺部に向けて傾斜している。外側壁43は、上壁41Aの頂点部41A1の下方位置から延びている。これにより、外側壁43の端部(第1水平方向H1の内側端部)は、内側壁42の端部(第1水平方向H1の内側端部)よりも第1水平方向H1の内側に位置している(図11参照)。
【0033】
図12及び図13に示すように、側縁部41における内側壁42と外側壁43との間には、第1水平方向H1の中央部に配され、上端寄り位置から上下方向の中央より下方の位置まで延びた第1縦リブ44Aが形成されている。第1縦リブ44Aは、内側壁42の内側面から上壁41Aの外側端面(第2水平方向H2の外側の端面)と面一となる位置まで延びている(図9参照)。また、図13及び図14に示すように、内側壁42と外側壁43との間には、第1水平方向H1の外側端部に配され、第1縦リブ44Aの上端と同じ高さから側縁部41の下端部まで延びた第2縦リブ44Bが形成されている。
【0034】
第1縦リブ44Aと第2縦リブ44Bとの間は、第1~第6の横リブ45A~45Fにより連絡されている。詳細には、図12図14に示すように、第1横リブ45Aが、第1縦リブ44Aと第2縦リブ44Bとの上端同士の間を連絡すると共に、第6横リブ45Fが第1縦リブ44Aの下端と第2縦リブ44Bの途中部分とを連絡し、第1横リブ45Aと第6横リブ45Fとの間に、第2~第5の横リブ45B~45Eが上から順に配されている。図12に示すように、第2横リブ45Bと第3横リブ45Cとの間隔と、第4横リブ45Dと第5横リブ45Eとの間隔と、は同じ大きさであり、それらより第3横リブ45Cと第4横リブ45Dとの間隔は大きく、第5横リブ45Eと第6横リブ45Fとの間隔は小さくなっている。そして、第1横リブ45Aと第2横リブ45Bとの間隔が最も小さくなっている。
【0035】
図9に示すように、外側壁43のうち第1縦リブ44A、第2縦リブ44B、第1横リブ45A及び第6横リブ45Fに囲まれた部分は開口となっていて、側縁部41のうち第1縦リブ44Aと第2縦リブ44Bとの間には5つの凹部41Uが設けられている。これらの凹部41Uのうち第2横リブ45Bと第3横リブ45Cとの間に配された凹部41Uと、第4横リブ45Dと第5横リブ45Eとの間に配された凹部41Uとは、後述するロック部材70を受容するロック部材受容凹部41Vとなっている。
【0036】
図12及び図13に示すように、側縁部41の下部には、第6横リブ45Fから下端部まで延びた第3縦リブ44Cが設けられている。第3縦リブ44Cは、第1水平方向H1において、第1縦リブ44Aと第2縦リブ44Bとの間に配されている。この第3縦リブ44Cの下端と第2縦リブ44Bの下端とは、下壁45Hにより連絡されていて、この下壁45Hは、側縁部41と嵌合突壁部50とのコーナー部まで延びている。図10に示すように、外側壁43の外面のうち第1水平方向H1の内側端部寄り位置には、上下方向の全体に延びた第4縦リブ44Dが設けられている。この第4縦リブ44Dと外側壁43の外面の第1水平方向H1の内側端部との間は複数の三角リブ45Gにより連絡されている。
【0037】
図10及び図12に示すように、外側壁43の上端部のうち第1水平方向H1の内側端部と第1縦リブ44Aとの間には、第1横リブ45Aと上面同士が面一になった段差部43Aが形成されている。同様に、図11に示すように、内側壁42の上端部のうち第1水平方向H1の内側端部と第1縦リブ44Aとの間に、第1横リブ45Aと上面同士が面一になった段差部42Aが形成されている。これにより、外側壁43と内側壁42との間のうち段差部42A,43Aより上側は比較的幅広で、容器基体20における第2の側壁基部23の上端(帯状延長部23C)及び上端補強部材25を受容可能な上端受容部40Aとなっていて、段差部42A,43Aより下側は比較的幅狭で、容器基体20における第2の側壁基部23のうち帯状延長部23Cより下方部を受容可能な基部受容部40Bとなっている。図12及び図14に示すように、上端受容部40Aには第1縦リブ44Aと第2縦リブ44Bとが存在せず嵌合突壁部50まで連続しているのに対し、基部受容部40Bは第1縦リブ44A及び第3縦リブ44Cにより区画されている。
【0038】
図12に示すように、基部受容部40B内の第1水平方向H1の外側端部には、第2の側壁基部23の2本の切り込み23Bに対応する位置に、外側壁43と内側壁42との間を連絡する補強リブ41Eが2本形成されている。図9に示すように、これら補強リブ41Eは、外側壁43の外面から外方へ延長して突出している。
【0039】
図11及び図13に示すように、内側壁42の外面における第1縦リブ44A及び第3縦リブ44Cよりも第1水平方向H1の内側の領域のうち段差部42Aより下方部は、凹部42Uとなっている。また、内側壁42の下端部における第3縦リブ44Cよりも第1水平方向H1の内側部分には、下方へ向かうにつれて第2水平方向H2の内側へ傾斜したテーパー部42Tが形成されている。
【0040】
また、内側壁42と外側壁43とには、段差部42A,43Aより下方に、貫通孔42K,43Kが3つずつ上下方向で並んで形成されている。内側壁42の3つの貫通孔42K及び外側壁43の3つの貫通孔43Kは、内外方向で互いに対向し、かつ、容器基体20における第2の側壁基部23の3つの貫通孔23Aと、大きさや貫通孔23A同士の間隔が略同じになっている。また、内側壁42の各貫通孔42Kの開口縁には、左右の外縁に、左方又は右方へ切り欠かれた切り欠き部42K1が形成されている。また、外側壁43には、貫通孔43Kの開口縁を囲む環状リブ43Lが第2水平方向H1の外方へ突出して形成されている。補強リブ41E及び環状リブ43Lの端面は上壁41Aの端面と略面一になっている。
【0041】
嵌合突壁部50は、側縁部41の上壁41Aから連続した上壁50Aと、側縁部41の内側壁42から連続した内側壁51と、側縁部41の外側壁43から連続した外側壁52と、を有している。内側壁51の下端は、側縁部41の第6横リブ45Fがより僅かに上方に位置している。また、外側壁52は、側縁部41の内側壁42より第2水平方向H2の内側へ突出した外側突壁52Tを有している。内側壁51の下端と外側突壁52Tの下端とは下壁50Bにより連絡され、上壁50Aと下壁50Bとの間には第1~第3の突壁横リブ53A~53Cが上から順に配されている。詳細には、第1突壁横リブ53Aは第2横リブ45Bとほぼ同じ高さに配され、第2突壁横リブ53Bは第3横リブ45Cの僅かに下方に配され、第3突壁横リブ53Cは第4横リブ45Dとほぼ同じ高さに配されている。そして、上壁50Aと第1突壁横リブ53Aとの間は上側係合溝部54Aとなっていて、第1突壁横リブ53Aと第2突壁横リブ53Bとの間は中央係合溝部54Bとなっていて、第3突壁横リブ53Cと下壁50Bとの間は下側係合溝部54Cとなっている。上側係合溝部54Aは、第2縦リブ44Bの上端と上壁41Aとの間の空間により、上端受容部40Aと連通している。
【0042】
図9に示すように、第2側壁用部材40は、2つのロック部材受容凹部41Vに、ロック部材70をそれぞれ備えている。以下、詳細を説明する。第2縦リブ44Bにおける第2横リブ45Bと第3横リブ45Cとの間のうち第2横リブ45B寄り位置から第3横リブ45C寄り位置までの部分は、切り欠かれたロック用開口44Kとなっている。同様に、第2縦リブ44Bにおける第4横リブ45Dと第5横リブ45Eとの間のうち第4横リブ45D寄り位置から第5横リブ45E寄り位置までの部分も、切り欠かれたロック用開口44Kとなっている。これにより、上側のロック部材受容凹部41Vと中央係合溝部54Bとが連通すると共に、下側のロック部材受容凹部41Vと下側係合溝部54Cとが連通する。
【0043】
また、ロック部材受容凹部41Vを区画する横リブ45B,45C,45D,45Eのうちロック部材受容凹部41V内の面(即ち、第2横リブ45Bの下面、第3横リブ45Cの上面、第4横リブ45Dの下面及び第5横リブ45Eの上面)には、ガイド突部41Sと係止突部41Tとがそれぞれ横並び(第1水平方向H1における横並び)に配されている。ガイド突部41Sは、ロック部材受容凹部41V内の第1水平方向H1の中央よりやや外側寄りに配され、第2水平方向H2の内側に鉛直面41S1を有し、第2水平方向H2の外側に傾斜面41S2を有する突条をなしている。係止突部41Tは、ガイド突部41Sと第1縦リブ44Aとの間に配され、第2水平方向H2に延びた長辺部41T1と、長辺部41T1の内側端部から第1縦リブ44A側へ延びた短辺部41T2と、を有し、L字状をなしている。係止突部41Tの第2水平方向H2の内側面は、鉛直面41T3となっている。また、長辺部41T1の両側面は鉛直に延びていて、短辺部41T2の第2水平方向H2の外側面は傾斜面41T4となっている。なお、図11及び図12に示すように、内側壁42のうちガイド突部41S及び係止突部41Tの外方に相当する箇所には小貫通孔42Sが形成されている。また、外側壁43には、ロック用開口44Kから外方へ切り欠かれた切り欠き部44K1が形成されている。
【0044】
図15には、ロック部材70が示されている。ロック部材70は、全体的に、第2水平方向H2に小さい偏平形状をなし、第1水平方向H1で対向する外側板71及び内側板72と、外側板71と内側板72との間を連絡する横板73と、外側板71から第1水平方向H1の外方へ突出するロック突部74と、を有している。ロック部材70における横板73の上下の端面には、外側板71寄り位置から内側板72側へ向かって延びた第1突部73Aが突出形成されている。第1突部73Aは、突条をなし、第2水平方向H2の外側面が鉛直面73A1となっていて、第2水平方向H2の内側面が傾斜面73A2となっている。
【0045】
また、ロック部材70における横板73と内側板72との角部の上下の端面には、第2突部73Bが突出形成されている。第2突部73Bは、平面視略五角形状の角部突部73Cと、側断面が台形状の台形突条73Dと、を合わせた形状をなしている。角部突部73Cは、横板73の外縁に沿って延びた第1辺73C1と、内側板72の外縁に沿って延びた第2辺73C2と、内側板72の幅方向に延びた第3辺73C3と、横板73の角部寄り位置と内側板72の角部寄り位置とを斜めに結ぶ第4辺73C4と、横板73の幅方向に延びた第5辺73C5と、を有している。台形突条73Dは、第2水平方向H2の外側面が鉛直面73D1となっていて、第2水平方向H2の内側面が傾斜面73D2となっている。
【0046】
また、横板73には、両端部が外側板71に隣接したコの字状のスリット73Sが形成されていて、横板73及び内側板72のうちスリット73Sの外方部分が、外側板71側を基端として弾性変形可能な弾性片73Zとなっている。内側板72の第2水平方向H2の外側端面には、上下方向の中央に、第2水平方向H2の内側へ陥没し、指や工具を当てやすい陥没部72Aが形成されている。ロック突部74は、外側板71よりも、上下方向の長さと第2水平方向H2の長さとが共に小さく、第2係合突部36のロック係合凹部36Uに受容される大きさになっている。
【0047】
ロック部材70のロック部材受容凹部41Vへの取り付けは、ロック部材70をロック部材受容凹部41Vに第2水平方向H2の外側から押し込むことにより行われる。詳細には、まず、ロック部材70の第1突部73Aと第2突部73Bとの間に、ロック部材受容凹部41Vの係止突部41Tの長辺部41T1が位置するように、ロック部材70を配置して、ロック部材70を奥側へ押し込む。すると、ロック部材70の第1突部73の傾斜面73A2、及び、第2突部73Bの台形突条73Dの傾斜面73D2が、ロック部材受容凹部41V内のガイド突部41Sの傾斜面41S2、及び、係止突部41Tの短辺部41T2の傾斜面41T4に摺接して、ロック部材70又はロック部材受容凹部41Vを囲むリブが弾性変形する。そして、ロック部材70の第1突部73の鉛直面73A1、及び、第2突部73Bの台形突条73Dの鉛直面73D1が、ロック部材受容凹部41V内のガイド突部41Sの鉛直面41S1、及び、係止突部41Tの鉛直面41T3を通過すると、ロック部材70又はロック部材受容凹部41Vを囲むリブが弾性復帰して、鉛直面73A1,73D1,41S1,41T3同士が当接又は対向し、ロック部材70が抜け止めされる。
【0048】
ロック部材70は、図17に示されるロック解除位置と図18に示されるロック位置との間をスライド可能になっている。図17に示すように、ロック部材70は、内側板72が第1縦リブ44Aに当接することによりロック解除位置に位置決めされる。ロック解除位置では、ロック突部74は、嵌合突壁部50の内側壁51よりも第1水平方向H1の内側に配される。そして、ロック部材70は、ロック解除位置から第1水平方向H1の外方へスライドさせることで、ロック位置へ移動する。このとき、ロック部材70のうち角部突部73Cの傾斜した第4辺73C4が係止突部41Tの短辺部41T2に摺接して弾性片73Zが弾性変形するので、ロック部材70をスムーズにスライドさせることができる。
【0049】
そして、図18に示すように、ロック部材70がロック位置に配されると、弾性片73Zが弾性復帰して、ロック部材70のうち角部突部73Cの第2辺73C2と、係止突部41Tの長辺部41T1の側面と、が当接又は対向するので、ロック部材70がロック位置に保持される。図16及び図18に示すように、ロック位置では、ロック部材70の外側板71が第2縦リブ44Bのロック用開口44Kの開口縁に当接して、ロック突部74は、ロック用開口44Kから嵌合突壁部50内に突出する。また、ロック部材70をロック解除位置に戻す際は、ロック部材70の陥没部72Aに指を当てて押し込んで弾性片73Zを弾性変形させることで、ロック部材70のうち角部突部73Cの第2辺73C2と、係止突部41Tの長辺部41T1の側面との係止が解除され、ロック部材70をスライド可能となる。
【0050】
図14に示すように、第2側壁用部材40には、下端部に、段積み嵌合突部40Dが形成され、上端部に、段積係合突部40Kが形成されている。段積み嵌合突部40Dは、第2側壁用部材40の側縁部41から下方へ突出形成されていて、第3縦リブ44Cの下方に配された第1縦リブ40D1と、第2縦リブ44Bと嵌合突壁部50の外側壁52との間の下方に配された第2縦リブ40D2と、第1縦リブ40D1と第2縦リブ40D2との外側端部同士を連絡する第3縦リブ40D3(図13参照)と、第1~第3の縦リブ40D1,40D2,40D3の下端同士を連絡する下端リブ40D4と、第1縦リブ40D1と第2縦リブ40D2との間に配された中間リブ40D5と、を有する。段積み嵌合突部40Dにおける第2水平方向H2の内側端面は、第3縦リブ44Cや第2縦リブ44Bの端面と面一になっていて、段積み嵌合突部40Dにおける第2水平方向H2の外側端部は、外側壁43近傍に位置している。つまり、段積み嵌合突部40Dは、第2側壁用部材40の内縁寄りに配されている。また、容器10の組立状態では、この段積み嵌合突部40Dが、容器基体20の切り欠き21Kに配される。
【0051】
図10及び図14に示すように、段積係合突部40Kは、第2側壁用部材40の上壁41A,50Aから上方に突出している。段積係合突部40Kは、嵌合突壁部50に沿って延びた第1段積係合突部40Lと、側縁部41に沿って延びた第2段積係合突部40Mと、を有するL字状をなしている。第1段積係合突部40Lは、側縁部41と嵌合突壁部50とのコーナー部から嵌合突壁部50の第2水平方向H2の内側端部まで延び、第2段積係合突部40Mは、側縁部41と嵌合突壁部50とのコーナー部から側縁部41のうち第1水平方向H1の中央部まで延びている。段積係合突部40Kは、第2側壁用部材40の上壁41A,50Aの幅方向の中央部から起立した内側壁40K1と、内側壁40K1の上端から水平に延びた上端壁40K2と、第1段積係合突部40Lの端部に配された第1端部側壁40K3と、第2段積係合突部40Mの端部に配された第4端部側壁40K4と、を有している。つまり、段積係合突部40Kは、第2側壁用部材40の外縁寄りに配されている。なお、第4端部側壁40K4は、第1水平方向H1の内側に向かうにつれて下方へ傾斜している。また、内側壁40K1の外側には複数の補強リブ40K5が配されている(図9参照)。
【0052】
第2側壁用部材40は、以下のようにして容器基体20の第2の側壁基部23に取り付けられる。即ち、第2の側壁基部23の上端補強部材25を、第2側壁用部材40における上端受容部40Aに側方から差し込んで挿入していき、途中で、第2の側壁基部23のうち帯状延長部23Cより下方部も基部受容部40Bに差し込み、奥まで挿入する。すると、基部受容部40Bの補強リブ41Eが第2の側壁基部23の切り込み23Bに受容され(図12参照)、下側の切り込み23Bより上方部が第1縦リブ44Aに近接し(図19参照)、下側の切り込み23Bより下方部が第3縦リブ44Cに近接する(図20参照)と共に、第2の側壁基部23の上端補強部材25が上側係合溝部54A内に突出して配置されている(図21参照)。また、図21に示すように、第2側壁用部材40における嵌合突壁部50の外側壁52の内面には、上端補強部材25の端面に面当接し、上端補強部材25の角により内面が損傷することを防ぐ規制面52Mが形成されている。
【0053】
この状態では、第2側壁用部材40の貫通孔42K,43K群と第2の側壁基部23の貫通孔23A群とが第2水平方向H2で重なる。そして、これらの貫通孔23A,42K,43Kに帯状取付部材60(図8参照)が取り付けられる。この帯状取付部材60は、第1の側壁基部22と第1側壁用部材30とを固定する帯状取付部材60と同じものであり、第2水平方向H2の内側から、嵌合筒部62を貫通孔23A,42K,43K内に挿通するようにして取り付けられる。第1の側壁基部22と第1側壁用部材30とを固定する際と同様に、嵌合筒部62の係止突起62Aが内側壁42の各貫通孔42Kの開口縁の切り欠き部42K1に受容されてガイドされるので、嵌合筒部62を真っ直ぐ挿通しやすくなる。そして、嵌合筒部62の係止突起62Aが外側壁43の貫通孔43Kを通り過ぎると、係止突起62Aの係止面62Cが外側壁43の貫通孔43Kの開口縁と当接又は対向して、帯状取付部材60が抜け止めされ、第2側壁用部材40が第2の側壁基部23に固定される。
【0054】
なお、図2に示すように、帯状取付部材60が第2の側壁基部23及び第2側壁用部材40に取り付けられた状態では、帯状取付部材60の主板部61が第2側壁用部材40における内側壁42の凹部42Uに受容されるので、容器10内に主板部61が突出することが防がれる。また、帯状取付部材60の係止突起62Aが、第2側壁用部材40の環状リブ43Lに囲まれるので、係止突起62Aの破損が防がれる。
【0055】
図2に示すように、展開状態の容器10では、第1の側壁基部22と第1側壁用部材30とを固定する帯状取付部材60と、第2の側壁基部23と第2側壁用部材40とを固定する帯状取付部材60と、が共に、長手方向が第2水平方向H2に沿うように配される。つまり、容器基体20に第1側壁用部材30と第2側壁用部材40とを取り付ける際に、全ての帯状取付部材60が同一のもので、かつ、同じ向きで取り付けられるので、作業効率の向上、コスト低減が図られる。
【0056】
次に、容器10の組み立て及び展開について説明する。容器10を展開状態から組立状態にするときは、ロック部材70がロック解除位置に配されていることを確認してから、図22に示すように第1側壁12を回動して起立させる。その後、第2側壁13を回動して起立させる。このとき、第1側壁12における第1側壁用部材30の第1係合突部35、上側の第2係合突部36及び下側の第2係合突部36が、第2側壁13における第2側壁用部材40の上側係合溝部54A、中央係合溝部54B及び下側係合溝部54Cに受容されるように、第2側壁13を回動させる。各係合突部35,36が、各係合溝部54A~54Cに受容されると、第1係合突部35が、容器基体20における第2の側壁基部23の上端補強部材25に当接又は近接すると共に、第2係合突部36のロック係合凹部36Uがロック部材受容凹部41Vと連通した状態になる(図19参照)。また、嵌合突壁部50の外側壁52側まで突出している上端補強部材25(及び帯状延長部23C)に、第2水平方向H2で第1係合突部35(第2縦壁35B)が当接又は近接する(図21)。次いで、図19に示すように、ロック部材70をロック解除位置からロック位置へスライドさせ、ロック部材70のロック突部74をロック係合凹部36Uに受容させる。以上で、容器10の組立が完了する。
【0057】
容器10を組立状態から展開状態にするときは、上記手順を逆に行う。即ち、ロック部材70をロック位置からロック解除位置へスライドさせたのち、第2側壁13を外側へ倒し、第1側壁12を外側へ倒す。
【0058】
組立状態の容器10同士は、図23及び図24に示すように、段積みすることができる。段積状態では、上側の容器10の下端部が、下側の容器10の第1側壁用部材30の上縁部33Bの上壁及び第2側壁用部材40の上壁41A,50Aに当接することで、上側の容器10が支持される。また、段積状態では、上側の容器10の下端部が、下側の容器10の段積係合突部40Kの内側に嵌合することで、上側の容器10の横ずれが規制される。
【0059】
なお、容器10の下端部においては、第2側壁用部材40の段積み嵌合突部40Dの下面と、容器基体20の底壁部21の下面と、が面一であってもよいし、第2側壁用部材40の段積み嵌合突部40Dの下面が容器基体20の底壁部21の下面より下方に配されていてもよい。後者の場合、第2側壁用部材40の段積み嵌合突部40Dが第2側壁用部材40の上壁41A,50Aに当接し、容器基体20の底壁部21が下側の容器10に当接しにくくなるので、容器基体20が破損しにくくなる。
【0060】
本実施形態の容器10の構成は以上である。次に、容器10の作用効果について説明する。上述したように、容器10は、第1側壁12、第2側壁13の順で側壁12,13を起立させて、各係合突部35,36を、各係合溝部54A~54Cに受容させ、ロック部材70をロック解除位置からロック位置へスライドさせることで組立状態になる。そして、組立状態の容器10同士を段積みすると、下側の容器10の段積係合突部40Kの内側に上側の容器10の下端部が嵌合する。
【0061】
ところで、従来の展開式の容器においては、先に起こされた第1側壁が向かい合う方向で上側の容器がガタついたときに、下側の容器の第1側壁に設けられた段積係合突部が荷重を受けて、第2側壁が起立した状態で第1側壁が無理に側方へ押され、第1側壁と第2側壁との組立係合部が破損することが考えられた。
【0062】
これに対し、本実施形態の容器10によれば、先に起こされる第1側壁12が対向する方向(第1水平方向H1)でのガタつきによる荷重を受ける第1段積係合突部40Lが、後に起こされる第2側壁13における第2側壁用部材40に一体形成されているので、第1側壁12が無理に倒されるような負荷を受けにくくなり、各係合突部35,36及び各係合溝部54A~54Cが破損しにくくなる。また、荷重を受ける箇所と側壁12,13同士の係合部とが水平方向において遠い程、モーメントが大きくなり、係合部に伝わる負荷が大きくなると考えられるところ、本実施形態では、荷重を受ける箇所(段積係合突部40K)と、側壁12,13同士の係合部(係合突部35,36及び係合溝部54A~54C)と、が水平方向において略同位置に配されているので、係合部(係合突部35,36及び係合溝部54A~54C)にかかる負荷が比較的小さくなり、係合部(係合突部35,36及び係合溝部54A~54C)の破損が防がれる。
【0063】
また、段積係合突部40Kは、第1段積係合突部40Lと第2段積係合突部40Mとが一体形成されているので、第1段積係合突部40Lと第2段積係合突部40Mとが別個のものよりも、段積係合突部40Kが強固となる。
【0064】
また、本実施形態の容器10では、組立状態において、ロック部材70のロック突部74がロック係合凹部36Uに受容されていて、後に起こされる(つまり、先に倒される)第2側壁13が倒れるように負荷がかかると、ロック部材70のロック突部74が第2係合突部36の第2縦壁36Bに当接するので、第2側壁13が外側に倒れることが防がれる。
【0065】
また、ロック部材70及びロック部材受容凹部41Vには、第1突部73A、第2突部73B、ガイド突部41S及び係止突部41Tが上下の両方に設けられているので、全ての第2側壁用部材40で同じロック部材70を利用することができ、作業効率の向上、コスト低減が図られる。
【0066】
さらに、本実施形態では、第1係合突部35の突出量が第2係合突部36の突出量よりも小さくなっていて、かつ、容器基体20における第2の側壁基部23の上端(帯状延長部23C)及び上端補強部材25が嵌合突壁部50の外側壁52側まで突出していて、第1係合突部35(第2縦壁35B)が第2水平方向H2で上端補強部材25(及び帯状延長部23C)と当接又は近接する。これにより、上端補強部材25の変形が防がれ、第2の側壁基部23の破損が防がれる。また、上端補強部材25が、第2側壁用部材40の外端部まで配されることとなるので、第2側壁13がより強固になる。
【0067】
[他の実施形態]
(1)第1段積係合突部と第2段積係合突部とは、別個であってもよい。
【0068】
(2)上端補強部材25は、アルミ以外の金属製であってもよいし、樹脂製、木製等であってもよい
【0069】
(3)係合突部35,36が第2側壁用部材40に配され、係合溝部54A~54Cが第1側壁用部材30に配された構成であってもよい。
【0070】
(4)ロック係合凹部36Uが上方又は下方に開放し、ロック部材70が上下にスライドする構成であってもよい。
【0071】
(5)上記実施形態では、1つの第1側壁用部材30または1つの第2側壁用部材40に対して、1つの帯状取付部材60が取り付けられているが、2つ以上の帯状取付部材60が取り付けられてもよい。この場合、帯板状の主板部61の長さ及び嵌合筒部62の個数を変えることで対応可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 容器
11 底壁
12 第1側壁
13 第2側壁
20 容器基体
21 底壁部
22 第1の側壁基部
23 第2の側壁基部
25 上端補強部材
30 第1側壁用部材(補強部材)
31S 基部受容部
35 第1係合突部(組立係合部、第1の係合突部)
36 第2係合突部(組立係合部、第2の係合突部)
36U ロック係合凹部(ロック係合部)
40 第2側壁用部材(補強部材)
40K 段積係合突部
40L 第1段積係合突部
40M 第2段積係合突部
41 側縁部(側縁補強部)
41V ロック部材受容凹部
50 嵌合突壁部
54A 上側係合溝部(組立係合部)
54B 中央係合溝部(組立係合部)
54C 下側係合溝部(組立係合部)
60 帯状取付部材
70 ロック部材
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