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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079877
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】車両用ドアハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/10 20140101AFI20240606BHJP
   E05B 81/76 20140101ALI20240606BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
E05B85/10
E05B81/76
B60J5/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192535
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH02
2E250LL01
2E250PP12
2E250SS09
(57)【要約】
【課題】操作感を向上しつつ、照明効果をより有効にする。
【解決手段】車両用ドアハンドル装置10では、ポケット部20の下部が、ドア開口部102Aによってサイドドア100の厚み方向外側へ開放されている。ポケット部20の上部には、ドアハンドル40が設けられ、ドアハンドル40の内部には、LED66が設けられている。LED66の下側には、ライトガイド部50が設けられ、ライトガイド部50は、ドア開口部102Aの上端部及びポケット部20の内部に配置されており、ライトガイド部50の右端面がドア開口部102Aから視認可能に露出されている。これにより、LED66によって照明されたライトガイド部50をドア開口部102Aの上端部に沿って視認可能に配置しつつ、ライトガイド部50によってドア開口部102Aの上側内周部を下側から覆うことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアの内部に設けられ、前記ドアの厚み方向外側へ開放されたポケット部と、
前記ドアの厚み方向外側部分を構成し、前記ポケット部の下部を前記ドアの厚み方向外側へ開放させるドア開口部を有するアウタパネルと、
前記ポケット部の上部内に設けられ、前記アウタパネルの裏面側に配置されたドアハンドルと、
を備え、
前記ドアハンドルは、
前記ドアハンドルの内部に設けられ、操作者の前記ドアハンドルへの操作を検出する検出部と、
前記ドアハンドルの内部に設けられた光源と、
前記ポケット部の内部に配置され、前記ドア開口部の上側内周部を下側から覆うと共に、前記ドア開口部の上端部から視認可能に露出され、前記光源から入射された光を前記ポケット部の内部へ及び前記ドアの厚み方向外側へ照射させる導光部と、
を含んで構成されている車両用ドアハンドル装置。
【請求項2】
前記ドアハンドルは、操作者によって操作される操作部を有しており、
前記導光部が、前記ドアハンドルの下端部を構成すると共に、前記操作部が前記導光部における前記ドアの厚み方向内側端部の上側に位置している請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置。
【請求項3】
前記導光部は、
前記導光部における前記ドアの厚み方向外側端部を構成し、前記ドア開口部の上端部内に配置され、前記光源からの光を前記ドアの厚み方向外側へ照射するアウタ導光部と、
前記アウタ導光部から前記ドアの厚み方向内側へ延出し、前記光源の下側に配置され、前記光源からの光を下側へ照射するインナ導光部と、
を含んで構成された請求項2に記載の車両用ドアハンドル装置。
【請求項4】
前記導光部が前記操作部と一体に形成されている請求項3に記載の車両用ドアハンドル装置。
【請求項5】
前記ドア開口部の上端部以外の部分を開閉可能に閉塞するハンドルカバーを備えた請求項3に記載の車両用ドアハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアハンドル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のドアハンドル組立体では、ドアパネルの開口部によって、ドア内に設けられたポケットの一部が露出されている。また、開口部には、カバープレートが設けられており、カバープレートは、ドアパネルと面一となるように配置されている。そして、操作者によって、カバープレートをポケット内において移動させ、ラッチ解除ハンドルを操作することで、ドアのラッチ状態を解除できる。また、ドアパネルの開口部の上端縁部の裏側には、ランプ組立体が設けられており、ランプ組立体によって、ポケット内を照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7068180号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ドアハンドル組立体では、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、ラッチ解除ハンドルがドアパネルの開口部における上端縁部の裏側に配置されているため、ドアハンドル組立体への操作時には、操作者の手が開口部の縁部に接触する。このため、ドアハンドル組立体への操作感が低下する可能性がある。また、上記ドアハンドル組立体では、カバープレートが操作されるまでは、ランプ組立体によって照明されるポケットを視認することができない。すなわち、上記ドアハンドル組立体では、ランプ組立体の照明効果を有効に発揮するという点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、操作感を向上しつつ、照明効果をより有効にすることができる車両用ドアハンドル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、車両のドアの内部に設けられ、前記ドアの厚み方向外側へ開放されたポケット部と、前記ドアの厚み方向外側部分を構成し、前記ポケット部の下部を前記ドアの厚み方向外側へ開放させるドア開口部を有するアウタパネルと、前記ポケット部の上部内に設けられ、前記アウタパネルの裏面側に配置されたドアハンドルと、を備え、前記ドアハンドルは、前記ドアハンドルの内部に設けられ、操作者の前記ドアハンドルへの操作を検出する検出部と、前記ドアハンドルの内部に設けられた光源と、前記ポケット部の内部に配置され、前記ドア開口部の上側内周部を下側から覆うと共に、前記ドア開口部の上端部から視認可能に露出され、前記光源から入射された光を前記ポケット部の内部へ及び前記ドアの厚み方向外側へ照射させる導光部と、を含んで構成されている車両用ドアハンドル装置である。
【発明の効果】
【0007】
上記構成のスイッチ装置によれば、操作感を向上しつつ、照明効果をより有効にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係る車両用ドアハンドル装置が適用された車両を示す右側から見た側面図である。
図2図1に示される車両用ドアハンドル装置をドアパネル外面から見た外観に対する拡大した側面図である。
図3図2に示され車両用ドアハンドル装置の内部を示す車両後方側から見た断面図(図2の3-3線断面図)である。
図4図3に示されるドアハンドル周辺を拡大した断面図である。
図5】(A)は、図2に示される車両ドアハンドル装置の他の例を示す車両右側から見た側面図であり、(B)は、(A)のハンドルカバーが開位置へ回転した状態を示す車両右側から見た側面図である。
図6】(A)は、図5(A)に示される車両用ドアハンドル装置の内部を示す車両後方側から見た断面図(図5(A)の6A-6A線断面図)であり、(B)は、図5(B)に示される車両用ドアハンドル装置の内部を示す車両後方側から見た断面図(図5(B)の6B-6B線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図4を用いて、本実施の形態に係る車両用ドアハンドル装置10について説明する。図1に示されるように、車両用ドアハンドル装置10は、車両(自動車)Vのドアとしてのサイドドア100に適用されている。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、及び矢印RHは、それぞれ車両用ドアハンドル装置10の上側、前側、右側を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、車両用ドアハンドル装置10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。また、本実施の形態のサイドドア100は、車両Vの右側部のドアとして構成され、左右方向がサイドドア100の厚み方向と一致しており、右側がサイドドア100の厚み方向外側に対応し、左側がサイドドア100の厚み方向内側に対応している。
【0010】
図2図4に示されるように、車両用ドアハンドル装置10は、ポケット部20と、ドアハンドル40と、を含んで構成されており、ポケット部20及びドアハンドル40がサイドドア100内に設けられている。また、サイドドア100の厚み方向外側部分を構成するアウタパネル102には、ドア開口部102Aが形成されており、操作者がドア開口部102Aからサイドドア100内に手を挿入して、車両用ドアハンドル装置10に対する操作を行うようになっている。ドア開口部102Aは、前後方向を長手方向とする略矩形長孔状に形成されており、ドア開口部102Aの縁部は、左側へ屈曲している。
【0011】
(ポケット部20について)
ポケット部20は、右側へ開放された凹状に形成されている。ポケット部20の前後方向の長さは、ドア開口部102Aの前後方向の長さと略一致し、ポケット部20の上下方向の長さは、ドア開口部102Aの上下方向の長さよりも長く、上方に向かって深くなっており、手を挿入可能に設定されている。そして、ポケット部20の下部がドア開口部102Aによって右側へ開放されるように、ポケット部20がアウタパネル102の左側(裏面側)に配置されている。すなわち、ポケット部20の上部が、アウタパネル102におけるドア開口部102Aよりも上側部分によって、右側から塞がれている。ポケット部20は、サイドドア100の内部に設けられたハンドルベース30に、図示しない位置で固定されている。
【0012】
ポケット部20は、後側から見て、右側へ開放された略逆J字形状に形成されている。詳しくは、ポケット部20は、後側から見て、略左右方向に沿って延在された上壁20Aと、上壁20Aの左端部から下側へ延出されたスロープ部20Bと、を含んで構成されている。スロープ部20Bは、後側から見て、右側へ開放された略円弧形凹状に形成されており、スロープ部20Bの下端部が、上壁20Aの右端部よりも若干右側に位置している。
【0013】
(ドアハンドル40について)
ドアハンドル40は、ドアハンドル40の外郭を構成するハウジング42と、ノブ部材54と、ハウジング42の内部に配置されたスイッチ光源ユニット60と、を含んで構成されている。
【0014】
ハウジング42は、後述するスイッチ光源ユニット60を支持するためのハウジングベース44と、スイッチ光源ユニット60を左側から覆うハウジングカバー46と、を含んで構成されている。
【0015】
ハウジングベース44は、ハウジング42の右端部を構成しており、略左右方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺プレート状に形成されている。ハウジングベース44は、アウタパネル102の左側に所定の間隔を空けてアウタパネル102と略平行に配置されると共に、右側から見てドア開口部102Aの上側に配置されている。また、ハウジングベース44は、ハウジングベース44とアウタパネル102との間に配置されたハンドルベース30に、図示しない位置で締結固定されている。
【0016】
ハウジングカバー46は、カバー本体48と、カバー本体48と一体に形成された操作部52と、を含んで構成されている。カバー本体48は、光を透過可能な樹脂材によって構成されており、前後方向に延在され且つ右側へ開放された略長尺凹状に形成されている。そして、カバー本体48の開口縁部がハウジングベース44の外周部に左側から当接した状態で、カバー本体48がハウジングベース44に固定されている。すなわち、カバー本体48の右側開口部が、ハウジングベース44によって閉塞されている。
【0017】
カバー本体48の下端部は、導光部としてのライトガイド部50として構成されており、後述するLED66により発光された光を、ライトガイド部50によってポケット部20の内部及びポケット部20の外部(サイドドア100の厚み方向外側)へ照射するようになっている。ライトガイド部50は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺プレート状に形成されている。ライトガイド部50は、車両後方側から見て、ハウジングベース44及びドア開口部102Aの上側縁部を下側から覆うように、左右方向に延在している。ライトガイド部50の右端部は、アウタ導光部としてのアウタガイド部50Aとして構成されている。アウタガイド部50Aは、ドア開口部102Aの上端部内に配置されて、ドア開口部102Aの上側内周部を下側から覆っている。アウタガイド部50Aの右端面は、アウタパネル102の右側面(表面)と面一に配置されて、ドア開口部102Aの上端部からサイドドア100の厚み方向外側へ露出している。また、ライトガイド部50のアウタガイド部50A以外の部分は、インナ導光部としてのインナガイド部50Bとして構成されている。インナガイド部50Bは、アウタガイド部50Aから左側へ延出されて、ポケット部20の右側開口部の上下方向中間部に配置されている。また、インナガイド部50Bの左端部は、上側へ突出されて、後述する操作部52と一体に形成されている。
【0018】
カバー本体48の左壁(底壁)の外周部には、一段下がった段差部48Aが形成されており、段差部48Aは、カバー本体48に沿って前後方向に延在されている。また、段差部48Aの上端部は、カバー本体48の上壁の左部まで延びている。カバー本体48の左壁には、段差部48Aの下部において、操作孔48Bが貫通形成されており、操作孔48Bは、前後方向に延在された略長孔状に形成されている。
【0019】
操作部52は、操作者によって操作される部位であり、入力された操作力を後述するスイッチ64へ伝達する。操作部52は、エラストマ等の弾性材によって構成されて、カバー本体48と一体に形成されている。具体的には、操作部52は、前後方向に延在された略長尺シート状に形成され、カバー本体48の段差部48A内に配置されて、段差部48Aを被覆している。これにより、カバー本体48の操作孔48Bが操作部52によって閉塞されている。操作部52の操作孔48Bに対応する位置には、左側へ突出したグリップ部52Aが形成されており、グリップ部52Aは、右側へ開放された略円弧状に形成されている。グリップ部52Aは、ライトガイド部50の左端部の上側に位置している。
【0020】
ノブ部材54は、前後方向に延在された略長尺状に形成されており、ノブ部材54の上端部がカバー本体48に前後方向を軸方向として回転可能に支持されている。ノブ部材54の下端部には、ノブ本体54Aが形成されており、ノブ本体54Aは車両後方側から見て、右側へ開放された略C字形状に形成されている。ノブ本体54Aは、操作部52のグリップ部52Aの右側に隣接配置されている。ノブ本体54Aの前後方向中間部には、右側へ突出した押圧部54Bが形成されており、押圧部54Bの右端部(先端部)が、前後方向から見て、右側へ凸となる略半円状に形成されている。
【0021】
スイッチ光源ユニット60は、基板62と、検出部としてのスイッチ64と、複数の光源としてのLED66と、を含んで構成されている。基板62は、略左右方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成されている。基板62は、ハウジング42の内部に収容されており、基板62の外周部が、ハウジングベース44及びカバー本体48によって左右方向に挟み込まれて、基板62がハウジング42に固定されている。
【0022】
スイッチ64は、基板62の左面に実装されると共に、ノブ部材54の押圧部54Bの右側に隣接配置されている。スイッチ64は、所謂プッシュスイッチとして構成されており、車両Vの制御部110に電気的に接続されている。これにより、ドアハンドル40の操作部52が右側へ押圧されて、ノブ部材54の押圧部54Bが右側へ変位することで、スイッチ64がオンされて、制御部110によってドアハンドル40が操作されたことを検出する。
【0023】
複数のLED66は、基板62の左面の下端部に実装されると共に、前後方向に所定の間隔を空けて並んで配置されている。LED66は、制御部110に電気的に接続されており、発光された光を下側(インナガイド部50B側)へ照射するようになっている。これにより、LED66からの光が、インナガイド部50B内においてガイドされて、インナガイド部50Bの下面からポケット部20の内部へ照射されるようになっている(図3の矢印B参照)。また、インナガイド部50B内をアウタガイド部50A側へガイドされた光は、アウタガイド部50Aの右端面からポケット部20の外部(サイドドア100の厚み方向外側)へ照射されるようになっている(図3の矢印A参照)。
【0024】
なお、制御部110には、車両Vに設けられた通信部120が電気的に接続されており、通信部120は、操作者が携帯する携帯機器(図示省略)と無線通信によって接続される。そして、携帯機器を携帯した操作者が車両Vに所定距離接近することで、通信部120と携帯機器との間で認証コードの送受信が行われ、通信部120が受信した認証コードに基づいて制御部110が認証判定を行う。さらに、携帯機器からの認証コードが、登録された正規コードと一致する場合には、制御部110によってLED66が発光するようになっている。
【0025】
また、制御部110は、サイドドア100の状態に応じて、LED66の発光色を変更するようになっている。例えば、サイドドア100の施錠装置がロック状態である場合には、LED66の発光色をオレンジとし、サイドドア100の施錠装置がアンロック状態である場合には、LED66の発光色をグリーンとするようになっている。
【0026】
(作用効果)
上記のように構成された車両用ドアハンドル装置10では、サイドドア100内に設けられたポケット部20の下部が、アウタパネル102のドア開口部102Aによってサイドドア100の厚み方向外側へ開放されている。ポケット部20の上部には、ドアハンドル40が設けられており、ドアハンドル40は、アウタパネル102の裏面側に位置している。
【0027】
そして、ポケット部20内に挿入された操作者の手によって操作部52を押圧操作することで、ドアハンドル40内のスイッチ64がノブ部材54の押圧部54Bによって押圧される。これにより、制御部110によってドアハンドル40への操作が検出される。
【0028】
ここで、ドアハンドル40の内部には、LED66が設けられており、LED66の下側には、光を透過可能なライトガイド部50が設けられている。ライトガイド部50は、ドア開口部102Aの上端部及びポケット部20の内部に配置されており、ライトガイド部50の右端面がドア開口部102Aから視認可能に露出されている。そして、LED66からライトガイド部50へ入射された光が、ライトガイド部50の下面から下側(ポケット部20の下部側)へ照射されると共に、ライトガイド部50の右端面から右側(サイドドア100の厚み方向外側)へ照射される。これにより、LED66によって照明されたライトガイド部50(アウタガイド部50A)をドア開口部102Aの上端部に沿って視認可能に配置しつつ、ライトガイド部50(アウタガイド部50A)によってドア開口部102Aにおける上側内周部を下側から覆うことができる。その結果、照明されたライトガイド部50によって、ドア開口部102Aの上端部を操作者に直接的に認識させつつ、操作者の手がドア開口部102Aの上側内周部に直接触れることを抑制できる。これにより、操作者がドア開口部102Aの位置やサイドドア100の状態を容易に把握することができる。以上により、本実施形態の車両用ドアハンドル装置10によれば、操作感を向上しつつ、照明効果をより有効に発揮させることができる。
【0029】
また、ドアハンドル40では、ライトガイド部50がドアハンドル40の下端部を構成しており、操作部52が、ライトガイド部50の左端部の上側に位置している。これにより、ポケット部20内において操作部52を操作する操作者の手をライトガイド部50によって有効に照明することができる。また、操作部52が、照明されるライトガイド部50の上側に配置されていることで、操作部52の位置を容易に把握することができる。したがって、操作者に対する利便性を向上することができる。
【0030】
また、ドアハンドル40では、操作部52とライトガイド部50とが一体に形成されている。このため、ドアハンドル40のコストダウンに寄与することができると共に、ひいては車両用ドアハンドル装置10のコストダウンに寄与することができる。
【0031】
また、ライトガイド部50は、LED66の光をポケット部20の内部へ照射するためのインナガイド部50Bと、LED66の光をポケット部20の外部へ照射するためのアウタガイド部50Aと、を有している。このため、ポケット部20を照明する照明部として機能するインナガイド部50Bと、インジケータとして機能するアウタガイド部50Aと、を1部材のライトガイド部50によって実現することができる。これにより、効率のよい照明構造を実現することができる。
【0032】
なお、本実施の形態の車両用ドアハンドル装置10では、アウタパネル102のドア開口部102Aによってポケット部20の下部がサイドドア100の厚み方向外側へ開放されているが、車両用ドアハンドル装置10において、ドア開口部102Aを開閉可能に閉塞するハンドルカバーを設けてもよい。すなわち、ドアハンドル40を、所謂フラッシュハンドルとしての車両用ドアハンドル装置に適用してもよい。以下、図5及び図6を用いて、フラッシュハンドルとして構成された車両用ドアハンドル装置200に、ドアハンドル40を適用した例を説明する。なお、図5及び図6の車両用ドアハンドル装置200では、本実施の形態と同様に構成されている部材には、同一の符号を付している。
【0033】
これらの図に示されるように、車両用ドアハンドル装置200では、ハンドルカバー70を格納するための格納部22が、ポケット部20の下側に設けられている。ポケット部20のスロープ部20Bの下部には、連通孔20Cが形成されており、連通孔20Cによって、ポケット部20の内部と格納部22の内部とが連通されている。
【0034】
ハンドルカバー70は、ハンドルカバー70の上部を構成するカバー本体70Aと、連結部70Bと、を含んで構成されている。カバー本体70Aは、略左右方向を厚み方向とし且つ前後方向に延在された略中空矩形プレート状に形成されている。カバー本体70Aは、ドア開口部102Aにおける上端部以外の部分(ライトガイド部50のアウタガイド部50Aが配置されたエリアを除く部分)を塞ぐように、ライトガイド部50の下側で且つドア開口部102A内及びポケット部20の下部内に配置されている。カバー本体70Aの右面は、アウタパネル102の表面と面一となるように配置されている。これにより、ライトガイド部50のアウタガイド部50Aがサイドドア100の外部に露出した状態で、ドア開口部102Aが、カバー本体70Aによって塞がれている。
【0035】
連結部70Bは、カバー本体70Aの下端部から左側へ突出すると共に、下側へ延出されている。そして、連結部70Bの下端部が、格納部22に前後方向を軸方向として回転可能に連結されている。これにより、ハンドルカバー70が、閉位置(図5(A)及び図6(A)に示される位置)と、閉位置から左側へ回転した開位置(図5(B)及び図6(B)に示される位置)と、の間を回転可能に構成されている。なお、ハンドルカバー70は、図示しない付勢バネによって閉位置側へ付勢されており、ハンドルカバー70の閉位置では、連結部70Bがポケット部20に当接して、ハンドルカバー70が閉位置に保持されている。一方、操作者が付勢バネの付勢力に抗してハンドルカバー70を開位置に回転させることで、ハンドルカバー70が格納部22内に格納され、操作者の手をポケット部20内に挿入することで、ドアハンドル40の操作部52を押圧することができる。
【0036】
以上により、フラッシュハンドルとして構成された車両用ドアハンドル装置200においても、本実施の形態の車両用ドアハンドル装置10と同様に、LED66によって照明されたライトガイド部50(アウタガイド部50A)をドア開口部102Aの上端部に沿って視認可能に配置しつつ、ライトガイド部50(アウタガイド部50A)によってドア開口部102Aにおける上側内周部を下側から覆うことができる。よって、車両用ドアハンドル装置200においても、操作感を向上しつつ、照明効果をより有効に発揮させることができる。
【0037】
なお、車両用ドアハンドル装置10、200では、操作者のドアハンドル40への操作をスイッチ64によって検出しているが、操作者のドアハンドル40への操作を検出する方法はこれに限らない。例えば、スイッチ64の代わりにタッチセンサや歪センサをドアハンドル40に設けて、操作者のドアハンドル40への操作を検出してもよい。
【0038】
また、車両用ドアハンドル装置10、200のドアハンドル40では、操作部52がノブ部材54を介してスイッチ64を押圧しているが、操作部52によって直接的にスイッチ64を押圧する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 車両用ドアハンドル装置
20 ポケット部
40 ドアハンドル
50 ライトガイド部(導光部)
50A アウタガイド部(アウタ導光部)
50B インナガイド部(インナ導光部)
52 操作部
64 スイッチ(検出部)
66 LED(光源)
70 ハンドルカバー
100 サイドドア(ドア)
102 アウタパネル
102A ドア開口部
200 車両用ドアハンドル装置
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6