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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079899
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】水質測定装置、及び水質測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/18 20060101AFI20240606BHJP
   G01N 31/16 20060101ALI20240606BHJP
   C02F 11/04 20060101ALI20240606BHJP
   C02F 1/00 20230101ALI20240606BHJP
【FI】
G01N33/18 C ZAB
G01N31/16 A
C02F11/04 A
C02F1/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192578
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 展行
(72)【発明者】
【氏名】小川 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】岡本 真一
(72)【発明者】
【氏名】井上 幸大
(72)【発明者】
【氏名】藤川 圭司
(72)【発明者】
【氏名】池 卓
【テーマコード(参考)】
2G042
4D059
【Fターム(参考)】
2G042AA03
2G042CA02
2G042DA02
2G042FA01
2G042FA02
2G042FA17
2G042FB02
4D059AA03
4D059AA07
4D059BA12
4D059EA03
4D059EA06
4D059EA20
(57)【要約】
【課題】滴定によって無濾過の試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定し、測定精度を向上させることができる水質測定装置を提供する。
【解決手段】滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定する水質測定装置は、試料を試料の供給源から取得する試料取得装置と、試料取得装置と連通する反応室が形成された反応槽と、反応室に滴定液を滴下するための滴下部と、反応室に消泡剤を供給するための消泡剤供給部と、反応室内に設けられ、試料の水素イオン濃度を計測するpH計測装置と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定する水質測定装置であって、
前記試料を前記試料の供給源から取得する試料取得装置と、
前記試料取得装置と連通する反応室が形成された反応槽と、
前記反応室に滴定液を滴下するための滴下部と、
前記反応室に消泡剤を供給するための消泡剤供給部と、
前記反応室内に設けられ、前記試料の水素イオン濃度を計測するpH計測装置と、を備える、
水質測定装置。
【請求項2】
前記反応室内の前記試料にガスを流通させるためのガス供給部をさらに備える、
請求項1に記載の水質測定装置。
【請求項3】
前記ガス供給部は、前記反応室内を通過するとともに、内部を前記ガスが流通する少なくとも1つのガス供給管を含み、
前記少なくとも1つのガス供給管には、前記ガスを前記反応室に流出させる少なくとも1つのガス供給孔が形成されている、
請求項2に記載の水質測定装置。
【請求項4】
前記ガス供給部は、前記反応室内の前記ガスを吸引して再び前記反応室に戻すガス循環ラインを含む、
請求項2又は3に記載の水質測定装置。
【請求項5】
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインを流通する前記ガスを加熱する加熱装置をさらに含む、
請求項4に記載の水質測定装置。
【請求項6】
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインを流通する前記ガスから液相を分離する気液分離装置をさらに含む、
請求項5に記載の水質測定装置。
【請求項7】
前記気液分離装置は、前記ガスを貯留するバッファ槽を含み、
前記加熱装置は、前記バッファ槽に設けられ、前記バッファ槽内の前記ガスを加熱する、
請求項6に記載の水質測定装置。
【請求項8】
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインに設けられ、前記バッファ槽内の前記ガスを前記バッファ槽から前記反応槽に流通させるためのガスポンプをさらに含む、
請求項7に記載の水質測定装置。
【請求項9】
前記反応槽から排出される前記試料を貯留する排水槽と、
前記排水槽と前記バッファ槽とを連通する液相排出ラインと、をさらに備える、
請求項7に記載の水質測定装置。
【請求項10】
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインを流通する前記ガスを保温する保温材をさらに含む、
請求項4に記載の水質測定装置。
【請求項11】
前記反応室を保温する反応室保温材、及び前記反応室を加熱する反応室加熱装置のうちの少なくとも1つをさらに備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項12】
前記反応室に希釈水を供給するための希釈部をさらに備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項13】
前記消泡剤供給部は、前記反応槽の上部に設けられ、前記反応室内の前記試料の上方から前記消泡剤を噴出する消泡剤ノズルを含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項14】
前記消泡剤は、オイル系消泡剤または界面活性剤系消泡剤である、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項15】
前記反応槽に設けられ前記反応槽内の温度を取得する温度計をさらに備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項16】
前記反応室内の前記試料の液面の位置を検出するレベル計センサをさらに含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項17】
前記反応槽に接続される定量調整ラインをさらに備え、
前記定量調整ラインは、前記反応室内の前記試料の液面が予め定められた高さを超えている場合に前記反応室から前記試料を排出するか否かを切り換え可能に構成されている、
請求項16に記載の水質測定装置。
【請求項18】
前記反応槽は、側壁に前記pH計測装置よりも上方に位置する越流口が形成されている、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項19】
前記反応室に濃度が既知の校正液を供給するための校正液供給部と、
前記反応室から前記校正液を排出するための校正液排出部と、をさらに備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項20】
前記滴下部は、
前記滴定液が貯留されている滴定液貯留槽と、
前記反応槽に嵌め込まれている滴下ノズルと、
前記滴定液貯留槽と前記滴下ノズルとを接続する滴定液ラインと、
前記滴定液ラインに設けられる滴定液ポンプと、を含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項21】
前記滴下部は、前記滴定液貯留槽の重量を測定する重量測定装置をさらに含む、
請求項20に記載の水質測定装置。
【請求項22】
前記滴下部は、
前記滴定液ポンプの下方に配置され前記滴定液ポンプから漏れ出した前記滴定液を受ける受け皿と、
前記受け皿内の前記滴定液を検知する漏液センサと、をさらに含む、
請求項20に記載の水質測定装置。
【請求項23】
前記反応槽は、下壁に形成される排出口を含み、
前記下壁の前記反応室に対向する底面は、前記排出口に近づくにつれて下方に向かうように傾斜している、
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置。
【請求項24】
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置と、
廃棄物を加水分解した改質物を微生物によって低分子化する発酵槽であって、前記供給源である発酵槽と、
前記発酵槽の内容物を外部に取り出して再び前記発酵槽に戻す循環ラインと、を備え、
前記試料取得装置は、前記循環ラインと前記反応槽とを接続し、前記循環ラインを流通する前記発酵槽の内容物が前記反応槽に向かって流通する供給ラインを含む、
水質測定システム。
【請求項25】
請求項1から3の何れか一項に記載の水質測定装置と、
廃棄物を加水分解した改質物を微生物によって低分子化する発酵槽であって、前記供給源である発酵槽と、
前記発酵槽の底部に接続され、前記発酵槽の内容物を引き抜き可能な引き抜きラインと、を備え、
前記試料取得装置は、
前記引き抜きラインと前記反応槽とを接続する供給ラインと、
前記供給ラインに設けられ、前記発酵槽の内容物を前記引き抜きラインから前記反応槽に流通させるためのポンプと、を含む、
水質測定システム。
【請求項26】
前記供給ラインは、孔径が12.7mm以上である、
請求項25に記載の水質測定システム。
【請求項27】
前記水質測定装置は、前記供給ラインを流通する前記試料に前記消泡剤を添加する消泡剤添加装置を含む、
請求項24に記載の水質測定システム。
【請求項28】
前記反応室に滴下された前記滴定液の量、及び前記pH計測装置の計測値に基づいて、前記試料の酸消費量又はアルカリ消費量を算出する算出装置をさらに備える、
請求項24に記載の水質測定システム。
【請求項29】
前記算出装置によって算出された前記試料の酸消費量又はアルカリ消費量を出力する出力装置をさらに備える、
請求項28に記載の水質測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定する水質測定装置及び水質測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水中、特に海水中の全アルカリ度及び全炭酸濃度を測定する水質測定方法が開示されている。この水質測定方法では、試料瓶内に被検水(海水)を密閉した状態で所定のpHとなるまで酸滴定を行い、この酸滴定の結果から得られる酸滴定量とph電極の変位から全アルカリ度及び全炭酸濃度を測定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-264913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、試料に滴定(特に酸滴定)を行うと、試料によっては泡が大量に発生し、測定精度が低下してしまう虞がある。
【0005】
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定し、測定精度を向上させることができる水質測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る水質測定装置は、滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定する水質測定装置であって、前記試料を前記試料の供給源から取得する試料取得装置と、前記試料取得装置と連通する反応室が形成された反応槽と、前記反応室に滴定液を滴下するための滴下部と、前記反応室に消泡剤を供給するための消泡剤供給部と、前記反応室内に設けられ、前記試料の水素イオン濃度を計測するpH計測装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の水質測定装置によれば、滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定し、測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る水質測定装置を備える廃棄物処理設備の構成を概略的に示す図である。
図2】幾つかの実施形態に係るガス供給部のガス供給管の構成を説明するための図である。
図3】別の一実施形態に係る水質測定システムの構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態による水質測定装置及び水質測定システムについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
図1は、一実施形態に係る水質測定装置1を備える廃棄物処理設備100の構成を概略的に示す図である。図1に例示する形態では、廃棄物処理設備100は、改質装置102と、メタン発酵槽104と、循環ライン106と、を含む。
【0011】
改質装置102は、蒸気によって廃棄物Wをバッチ式に加水分解して改質物Wmを生成する。廃棄物Wは、例えば都市ごみである。都市ごみには生ごみ、紙ごみ、プラスチックごみを主成分として、少量の金属が含まれる。尚、本開示は、廃棄物Wを都市ごみに限定するものではない。廃棄物Wは、工場等からの排水を処理することにより生じた汚泥や農業系廃棄物等のように含有水分量が都市ごみよりも多いものであってもよい。
【0012】
改質装置102における廃棄物Wの加水分解は、蒸気が廃棄物Wに接触して廃棄物Wを加熱する湿式の加水分解であってもよいし、蒸気が廃棄物Wには接触しないで間接的に廃棄物Wを加熱する乾式の加水分解であってもよい。
【0013】
メタン発酵槽104は、改質装置102から改質物Wmが供給されており、この供給された改質物Wmを微生物によって低分子化してメタンガス及びメタン発酵液Xを生成する。
【0014】
循環ライン106は、メタン発酵槽104の内容物を外部に取り出して再びメタン発酵槽104に戻す。循環ライン106は、メタン発酵槽104の下部に形成されるメタン発酵液取出口104aとメタン発酵槽104の上部に形成されるメタン発酵液戻し口104bとを接続している。循環ライン106は、メタン発酵液取出口104aを介してメタン発酵槽104内のメタン発酵液Xをメタン発酵槽104の外部に取出し、メタン発酵液戻し口104bを介してメタン発酵槽104の外部に取出したメタン発酵液Xをメタン発酵槽104に戻している。メタン発酵槽104は、循環ライン106によってメタン発酵槽104内のメタン発酵液Xが撹拌されている。
【0015】
<水質測定装置>
(構成)
水質測定装置1は、滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定する。試料は、溶媒及び溶質を含む溶液であれば特に限定されない。一実施形態では、図1に示すように、水質測定装置1は、試料取得装置2と、反応槽4と、滴下部6と、消泡剤供給部8と、pH計測装置10と、を含む。
【0016】
試料取得装置2は、試料(メタン発酵液X)を試料の供給源(循環ライン106)から取得する。一実施形態では、図1に例示するように、試料取得装置2は、循環ライン106と反応槽4とを接続する供給ライン12と、供給ライン12に設けられる供給バルブ13と、を含んでいる。供給バルブ13が開かれると、循環ライン106を流通するメタン発酵液Xの一部が反応槽4に向かって供給ライン12を流通する(後述する第2の供給バルブ82も開いている)。つまり、反応槽4の反応室5にメタン発酵液Xが試料として供給される。一方で、供給バルブ13が閉じられると、反応槽4の反応室5へのメタン発酵液Xの供給が停止される。一実施形態では、供給ライン12には、供給ライン12を流通するメタン発酵液Xを濾過する濾過装置(例えば、ストレーナ)が非設置である。また、循環ライン106にも循環ライン106を流通するメタン発酵液Xを濾過する濾過装置が非設置であり、メタン発酵槽104内のメタン発酵液Xが無濾過で反応槽4の反応室5に供給されるようになっている。
【0017】
反応槽4は、筒形状を有しており、内部に試料取得装置2と連通する反応室5が形成されている。一実施形態では、反応室5は供給ライン12と連通しており、上述したように供給ライン12を介してメタン発酵液Xが供給される。
【0018】
一実施形態では、図1に例示するように、水質測定装置1は、反応室5に希釈水Aを供給するための希釈部14をさらに含んでいる。希釈水Aは、特に限定されないが、例えば水であり、メタン発酵液Xに混合されることでメタン発酵液Xを希釈する。不図示であるが、幾つかの実施形態では、希釈部14は、供給ライン12に希釈水Aを供給する。つまり、希釈部14は、供給ライン12を介して希釈水Aを反応室5に供給する。
【0019】
一実施形態では、図1に例示するように、水質測定装置1は、反応室5内のメタン発酵液Xの液面の位置を検出するレベル計センサ15をさらに含んでいる。このため、反応室5に供給するメタン発酵液X及び希釈水Aの量の調整が容易となり、任意の倍率で希釈されたメタン発酵液Xの試料、又は任意のpHに調整されたメタン発酵液Xの試料を容易に準備することができる。幾つかの実施形態では、水質測定装置1は、2倍で希釈されたメタン発酵液Xの酸消費量又はアルカリ消費量を測定する。
【0020】
一実施形態では、図1に例示するように、水質測定装置1は、反応槽4に接続される定量調整ライン21をさらに含んでいる。この定量調整ライン21は、反応室5内のメタン発酵液Xの液面が予め定められた高さを超えている場合に反応室5からメタン発酵液Xを排出するか否かを切り換え可能に構成されている。図1に例示する形態では、定量調整ライン21は、反応槽4と後述する排水槽70とを接続している。定量調整ライン21は、反応槽4の側壁に開閉可能に形成される開口4hを介して、反応室5と連通している。開口4hは、後述する越流口4eよりも下方に位置している。
【0021】
このような構成によれば、開口4hを開いておくことで、反応室5に供給するメタン発酵液Xの量を開口4hが位置する高さに対応する定量に調整することができるので、定量のメタン発酵液Xを容易に準備することができる。また、定量のメタン発酵液Xが準備された後に、希釈水Aを反応室5に供給することで、任意の倍率で希釈されたメタン発酵液Xの試料を容易に準備することができる。
【0022】
一実施形態では、図1に例示するように、水質測定装置1は、反応室5を保温する反応室保温材17と、反応室5を加熱する反応室加熱装置19と、をさらに含む。反応室保温材17(図1において点線で示す)は、反応槽4の外周を取り囲んでおり反応室5(反応槽4の内部)と反応槽4の外部との間の熱の移動を抑制する。反応室保温材17の材料は、可撓性および断熱性を有しており、例えばグラスウールである。反応室加熱装置19は、例えば反応槽4に巻き付けられる巻線ヒータである。尚、不図示であるが、幾つかの実施形態では、水質測定装置1は、反応室保温材17又は反応室加熱装置19の何れか一方を含む。
【0023】
滴下部6は、反応室5に予め濃度が決められている滴定液Yを滴下するように構成されている。一実施形態では、図1に例示するように、滴下部6は、反応室5に滴定液Yとして硫酸(HSO)を滴下する第1滴下部6A(6)と、反応室5に滴定液Yとして水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)を滴下する第2滴下部6B(6)と、を含んでいる。つまり、第1滴下部6Aによって酸滴定が行われ、メタン発酵液Xの酸消費量(アルカリ度)が測定される。同様に、第2滴下部6Bによってアルカリ滴定が行われ、メタン発酵液Xのアルカリ消費量(酸度)が測定される。
【0024】
第1滴下部6Aは、硫酸(滴定液Y)が貯留されている滴定液貯留槽16と、反応槽4の上壁4aに嵌め込まれている滴下ノズル18と、滴定液貯留槽16と滴下ノズル18とを接続する滴定液ライン20と、滴定液ライン20に設けられる滴定液ポンプ22と、を含んでいる。滴定液ポンプ22を駆動させることで、硫酸が滴定液貯留槽16から滴下ノズル18に向かって滴定液ライン20を流通する。そして、硫酸は、滴下ノズル18から反応室5内に滴下される。
【0025】
図1に例示する形態では、第1滴下部6Aは、滴定液貯留槽16の重量を測定する第1のロードセル24をさらに含む。第1のロードセル24の測定値を取得することで、反応室5に滴下された硫酸(滴定液Y)の量を容易に算出することができる。
【0026】
図1に例示する形態では、第1滴下部6Aは、滴定液ポンプ22の下方に配置され滴定液ポンプ22から漏れ出した硫酸(滴定液Y)を受ける第1の受け皿26と、第1の受け皿26内の硫酸を検知する第1の漏液センサ28と、をさらに含む。滴定液ポンプ22は、例えば、パッキンの経年劣化によって液漏れを発生させる場合がある。このため、第1の受け皿26及び第1の漏液センサ28が設けられることで、滴定液ポンプ22からの硫酸の液漏れを速やかに知ることができる。
【0027】
第2滴下部6Bは、第1滴下部6Aと同様の構成を有しており、第1滴下部6Aの構成と同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。第2滴下部6Bは、上述した第1滴下部6Aの説明に登場する「硫酸」を「水酸化ナトリウム水溶液」に置き換えたものである。尚、一実施形態では、水質測定装置1は、2つの滴下部6(第1滴下部6A、第2滴下部6B)を含み、メタン発酵液Xの酸消費量及びアルカリ消費量を測定可能に構成されているが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、水質測定装置1は、酸滴定、又はアルカリ滴定が行われる1つの滴下部6を含む。
【0028】
消泡剤供給部8は、反応室5に消泡剤Zを供給するように構成されている。消泡剤Zは、メタン発酵液Xに滴定液Yを滴下する際(特に、酸滴定する際)に発生する泡や、後述するエアレーションによって発生する泡を破泡するものであって、例えば、オイル系消泡剤、又は界面活性剤系消泡剤である。このような消泡剤Zは、滴定液Yの滴下前やエアレーションの前にメタン発酵液Xに予め添加されることで、上述した泡の発生そのものを抑制することも可能である。
【0029】
一実施形態では、図1に例示するように、消泡剤供給部8は、消泡剤Zが貯留されている消泡剤貯留槽30と、反応槽4の上壁4aに嵌め込まれている消泡剤ノズル32と、消泡剤貯留槽30と消泡剤ノズル32とを接続する消泡剤ライン34と、消泡剤ライン34に設けられる消泡剤ポンプ36と、を含んでいる。消泡剤ポンプ36を駆動させることで、消泡剤Zが消泡剤貯留槽30から消泡剤ノズル32に向かって消泡剤ライン34を流通する。そして、消泡剤Zは、消泡剤ノズル32から反応室5に供給される。つまり、消泡剤ノズル32は、反応槽4の上部に設けられており、反応室5内のメタン発酵液X(試料)の上方から消泡剤Zを噴出する。
【0030】
図1に例示する形態では、消泡剤供給部8は、消泡剤貯留槽30の重量を測定する第2のロードセル38をさらに含む。第2のロードセル38の測定値を取得することで、反応室5に供給された消泡剤Zの量を容易に算出することができる。
【0031】
図1に例示する形態では、消泡剤供給部8は、消泡剤ポンプ36の下方に配置され消泡剤ポンプ36から漏れ出した消泡剤Zを受ける第2の受け皿40と、第2の受け皿40内の消泡剤Zを検知する第2の漏液センサ42と、をさらに含む。消泡剤ポンプ36は、例えば、パッキンの経年劣化によって液漏れを発生させる場合がある。このため、第2の受け皿40及び第2の漏液センサ42が設けられることで、消泡剤ポンプ36からの消泡剤Zの液漏れを速やかに知ることができる。
【0032】
pH計測装置10は、反応室5内に設けられ、メタン発酵液X(試料)の水素イオン濃度を計測する。pH計測装置10は、後述する越流口4eよりも下方に位置している。
【0033】
一実施形態では、図1に例示するように、水質測定装置1は、反応室5内のメタン発酵液X(試料)にガスGを流通させるためのガス供給部50をさらに含む。ガスGは、気体状であれば特に限定されず、例えば、空気、二酸化炭素ガス、又は窒素ガスであってもよい。
【0034】
図1に例示する形態では、ガス供給部50は、ガスGを貯留するバッファ槽52と、反応室5内の下部を通過するとともに内部をガスGが流通するガス供給管54と、バッファ槽52とガス供給管54とを接続するガス供給ライン56と、を含む。ガス供給管54には、ガスGを反応室5に流出させるガス供給孔55が形成されている。
【0035】
ガス供給ライン56には、ガスバルブ58及びガスポンプ60が設けられており、ガスバルブ58が開かれるとともにガスポンプ60を駆動させることで、ガスGがバッファ槽52からガス供給管54に向かってガス供給ライン56を流通する。そして、ガスGは、ガス供給孔55を介して反応室5に流出される。ガス供給孔55から流出したガスGは、反応室5内のメタン発酵液Xを撹拌する。つまり、ガス供給部50は、反応室5内のメタン発酵液Xをエアレーションする。
【0036】
図2は、幾つかの実施形態に係るガス供給部50のガス供給管54の構成を説明するための図であって、反応室5を上方から視ている。図2に例示するように、幾つかの実施形態では、ガス供給部50は、水平方向の内の一方向D1に沿って互いに間隔をあけて配置される複数のガス供給管54を含む。一方向D1と交差する交差方向D2において、ガス供給管54が嵌め込まれる反応槽4の第1側壁4cとは反対側を第2側壁4dとすると、複数のガス供給管54のそれぞれは、先端が第2側壁4d付近に位置している。さらに、複数のガス供給管54のそれぞれには、交差方向D2に沿って互いに間隔をあけて配置される複数のガス供給孔55が形成されている。このような構成によれば、ガス供給部50は、反応室5内のメタン発酵液Xを全体的に撹拌する全面エアレーションを実施することができる。
【0037】
図1に例示する形態では、ガス供給部50は、ガス取出ライン62と、加熱装置64と、保温材66と、をさらに含む。
【0038】
ガス取出ライン62は、一端が反応槽4の上部に形成されたガス取出口4bに接続され、他端がバッファ槽52に接続されている。ガス取出口4bは、後述する越流口4eよりも上方に位置している。反応室5の気圧がガス取出ライン62の気圧よりも高くなると、反応室5内のガスGがバッファ槽52に向かってガス取出ライン62を流通する。このため、ガス供給ライン56及びガス取出ライン62は、反応室5内のガスGを吸引して再び反応室5に戻すガス循環ライン68を構成している。さらに、バッファ槽52は、ガス取出ライン62を流通するガスG又はバッファ槽52内のガスGの凝縮によって発生する液相Bを貯留する。つまり、バッファ槽52は、反応室5内から吸引したガスGから液相Bを分離するベッセルとして機能している。幾つかの実施形態では、バッファ槽52は、内部を減圧する減圧部や内部に配置されるデミスタを含んでいる。
【0039】
加熱装置64は、ガス循環ライン68を流通するガスGを加熱する。一実施形態では、図1に例示するように、加熱装置64は、バッファ槽52に設けられ、バッファ槽52内のガスGを加熱する。このような加熱装置64は、例えばバッファ槽52に巻き付けられる巻線ヒータであって、バッファ槽52に貯留されるガスGを加熱する。幾つかの実施形態では、加熱装置64は、ガス供給ライン56又はガス取出ライン62に設けられている。
【0040】
保温材66は、ガス循環ライン68を流通するガスGを保温する。一実施形態では、図1に例示するように、保温材66(図1において一点鎖線で示す)は、ガス供給ライン56及びガス取出ライン62の外周を取り囲んでおり、ガス供給ライン56の内部と外部との間の熱の移動及びガス取出ライン62の内部と外部との間の熱の移動を抑制する。保温材66の材料は、可撓性および断熱性を有しており、例えばグラスウールである。幾つかの実施形態では、保温材66は、ガス供給ライン56の外周を取り囲んでいる。
【0041】
一実施形態では、図1に例示するように、水質測定装置1は、反応槽4から排出されるメタン発酵液X(試料)を貯留する排水槽70と、排水槽70とバッファ槽52とを連通する液相排出ライン72と、をさらに含む。図1に例示する形態では、水質測定装置1は、反応槽4の底部と排水槽70とを接続し、メタン発酵液Xが流通する第1ライン74を含んでいる。第1ライン74には、第1バルブ75が設けられており、第1バルブ75が開かれることで、メタン発酵液Xが反応槽4から排水槽70に向かって第1ライン74を流通する。液相排出ライン72は、バッファ槽52の底部と排水槽70とを接続する。液相排出ライン72には液相排出バルブ73が設けられており、液相排出バルブ73が開かれることで、液相Bがバッファ槽52から排水槽70に向かって液相排出ライン72を流通する。
【0042】
図1に例示する形態では、水質測定装置1は、反応槽4の側壁に形成された越流口4eと排水槽70とを接続する第2ライン78を含んでいる。越流口4eが形成されることで、反応室5内のメタン発酵液Xの液面が予め定められた高さを超えた場合に、メタン発酵液Xを反応槽4から排出できる。
【0043】
図1に例示する形態では、水質測定装置1は、一端が供給バルブ13よりも供給ライン12の下流側(反応槽4側)に接続され、他端が排水槽70に接続される第3ライン80と、第3ライン80に設けられる第3バルブ81と、をさらに含む。この場合、供給ライン12には、第3ライン80の接続点よりも下流側に第2の供給バルブ82がさらに設けられる。水質測定装置1を使ってメタン発酵液Xを測定する前、供給バルブ13及び第3バルブ81が開かれることで、メタン発酵液Xが排水槽70に移送されている。そして、一定量のメタン発酵液Xが排水槽70に移送された後に、第2の供給バルブ82が開かれるとともに第3バルブ81が閉じられることで、供給ライン12に流入したメタン発酵液Xの全量が反応槽4に供給される。このため、反応槽4へのメタン発酵液Xの供給時間を短くすることができる。
【0044】
図1に例示する形態では、水質測定装置1は、一端84が大気に開放され、他端が反応槽4に接続されている空気ライン86と、空気ライン86に設けられる空気バルブ88と、をさらに含む。水質測定装置1によるメタン発酵液Xの水質測定が終了した後に、空気バルブ88が開かれることで、反応室5を密閉状態から解放し、反応室5内のメタン発酵液Xを排水槽70に排出させることができる。
【0045】
図1に例示する形態では、反応槽4は、下壁4fに形成される排出口4gを含む。そして、下壁4fの反応室5に対向する底面は、排出口4gに近づくにつれて下方に向かうように傾斜している。上述した第1ライン74は、排出口4gを介して反応室5と連通している。このような構成によれば、反応室5からのメタン発酵液Xの排出をスムーズにすることができる。尚、図1に例示する形態では、下壁4fの底面の全部が傾斜しているが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、下壁4fの底面の一部が傾斜している。
【0046】
図1に例示する形態では、水質測定装置1は、反応室5に濃度が既知の校正液Cを供給するための校正液供給部85と、反応室5から校正液Cを排出するための校正液排出部87と、をさらに含む。校正液Cは、例えば、既に濃度が測定されている硫酸や水酸化ナトリウム水溶液である。このような構成によれば、水質測定装置1の測定精度が適切に維持されているか否かを任意のタイミングで容易に確認することができる。
【0047】
図1に例示する形態では、水質測定装置1は、供給ライン12を流通するメタン発酵液Xに消泡剤Zを添加する消泡剤添加装置90を含む。消泡剤添加装置90は、第2の供給バルブ82よりも供給ライン12の下流側に消泡剤Zを供給する。
【0048】
図1に例示する形態では、水質測定装置1は、反応槽4に設けられ反応槽4内の温度を取得する第1温度計91、バッファ槽52に設けられバッファ槽52内の温度を取得する第2温度計92、及びガス供給ライン56に設けられガス供給ライン56内の温度を取得する第3温度計93を、さらに含む。
【0049】
図1に例示する形態では、廃棄物処理設備100は、上述した水質測定装置1と、メタン発酵槽104と、循環ライン106と、を有する水質測定システム200を含んでいる。この水質測定システム200は、算出装置203と、出力装置204と、をさらに含んでいる。算出装置203は、第1のロードセル24と電気的に接続されており(p1)、第1のロードセル24の測定値を取得可能となっている。算出装置203は、第1のロードセル24の測定値の変化に基づいて、反応室5に滴下された滴定液Yの量を算出する。算出装置203は、pH計測装置10と電気的に接続されており(p2)、pH計測装置10の計測値を取得可能となっている。算出装置203は、反応室5に滴下された滴定液Yの量、及びpH計測装置の計測値に基づいて、メタン発酵液Xの酸消費量又はアルカリ消費量を算出する。出力装置204は、例えばディスプレイであって、算出装置203と電気的に接続され、算出装置203の算出値を取得する。出力装置204は、算出装置203によって算出されたメタン発酵液Xの酸消費量又はアルカリ消費量を出力する。
【0050】
尚、算出装置203は、第1温度計91から反応槽4内の温度を取得し、この温度を加味してメタン発酵液Xの酸消費量又はアルカリ消費量を算出してもよい。算出装置203は、第2のロードセル38の測定値を取得し、この第2のロードセル38の測定値から算出される消泡剤Zの量を加味してメタン発酵液Xの酸消費量又はアルカリ消費量を算出してもよい。
【0051】
(作用・効果)
一実施形態に係る水質測定装置1の作用・効果について説明する。一実施形態によれば、循環ライン106から無濾過で取得したメタン発酵液Xが反応室5に供給される。そして、このメタン発酵液Xに対して滴定液Y(硫酸及び水酸化ナトリウム水溶液のそれぞれ)を滴下して酸消費量及びアルカリ消費量を測定することができる。さらに、反応室5内のメタン発酵液Xに対して消泡剤Zを供給することで、滴定液Yの滴下やエアレーション中に発生する泡を破泡し、例えば泡の大量発生によるメタン発酵液Xの漏れのような泡の影響を抑制することができる。よって、滴定によって無濾過のメタン発酵液Xの酸消費量及びアルカリ消費量を測定し、水質測定装置1の測定精度を向上させることができる。
【0052】
一実施形態によれば、ガス供給部50によってメタン発酵液Xがエアレーションされるので、メタン発酵液Xに滴定液Yを滴下する際に、メタン発酵液Xと滴定液Yとの反応を促進させ、水質測定装置1の測定精度を向上させることができる。さらに、メタン発酵液Xに消泡剤Zを供給する際に、メタン発酵液Xと消泡剤Zとの混合を促進させ、泡の発生を抑制することができる。また、粘性の高いメタン発酵液Xを撹拌することができる。尚、本開示は、メタン発酵液Xの撹拌方法をエアレーションに限定するものではない。不図示であるが、幾つかの実施形態では、水質測定装置1は、反応室5内に設けられたマグネットスターラのような回転体を備え、この回転体によってメタン発酵液Xを撹拌する。
【0053】
一実施形態によれば、ガス供給孔55からガスGを反応室5に流出させることでエアレーションが実施されているので、反応室5の任意の位置からガスGを流出させて、全面エアレーションなど任意のエアレーションを実現することができる。このため、メタン発酵液Xと滴定液Yとの反応、及びメタン発酵液Xと消泡剤Zの混合をさらに促進させることができる。
【0054】
一実施形態によれば、バッファ槽52が設けられることで、エアレーションを実施するためのガスGの量を確保することができる。また、バッファ槽52には加熱装置64が設けられているので、加熱されたガスGの量を確保することができる。また、ガスGから分離した液相Bをバッファ槽52内に貯留させることができる。
【0055】
反応室5内から吸引したガスGの湿度は高くなっており、再び反応室5にガスGを戻す前にガスGに含まれる水分が凝縮してしまうことがある。一実施形態によれば、バッファ槽52が設けられることで、反応室5内から吸引したガスGから液相Bが分離されるので、液相Bによるガス供給ライン56の閉塞、ガスバルブ58の閉塞、及びガスポンプ60の故障のようなバッファ槽52の後流における不具合の発生を抑制することができる。
【0056】
一実施形態によれば、ガス循環ライン68が設けられることで、ガスGは閉鎖系を流通することになる。このため、開放系とは異なり、ガスGの外部流出を抑制し、悪臭などの悪影響を抑制することができる。
【0057】
水質測定装置1の測定値(滴定液Yを滴下する量)はメタン発酵液Xの温度の影響を受けることがあり、反応室5の温度が低下すると、水質測定装置1の測定精度が低下する虞がある。一実施形態によれば、バッファ槽52内で加熱されたガスGを反応室5に供給することができる。また、ガス供給ライン56及びガス取出ライン62には保温材66が設けられているので、ガス供給ライン56及びガス取出ライン62のそれぞれを流通するガスGの温度の変化を抑制する。このため、反応室5の温度を維持させ、水質測定装置1の測定精度の低下を抑制することができる。
【0058】
一実施形態によれば、液相排出ライン72を介して、バッファ槽52に貯留される液相Bを排水槽70に排出することができる。このため、メタン発酵液Xと液相Bとをまとめて処理することができる。不図示であるが、幾つかの実施形態では、水質測定装置1は、排水槽70内の液体(メタン発酵液X+液相B)の液面の位置を検出するレベル計センサをさらに含んでおり、排水槽70は、検出された液面の位置が予め定められた高さを超えると、排水槽70内の液体が排出されるように構成されている。
【0059】
一実施形態によれば、反応室保温材17及び反応室加熱装置19が設けられることで、反応室5の温度を滴定に適した温度に維持し、水質測定装置1の測定精度を向上させることができる。また、ガスGは反応槽4とバッファ槽52との間を循環しているので、反応室加熱装置19及び加熱装置64のそれぞれの出力の変化量を小さくすることができる。具体的には、夏には出力を小さくし、冬には出力を大きくするような出力の調整が不要となる。また、第1温度計91、第2温度計92、及び第3温度計93を確認することで、ガスGが一定の温度に維持されているか否かを確認し、温度差を確認した場合には反応室加熱装置19又は加熱装置64の出力を調整して、ガスGを一定の温度に維持させることができる。
【0060】
一実施形態によれば、メタン発酵液Xが希釈水Aによって希釈されることで、メタン発酵液Xの粘性を低下させ、メタン発酵液Xの撹拌を容易化することができる。このため、メタン発酵液Xと滴定液Yとの反応、及びメタン発酵液Xと消泡剤Zとの混合をさらに促進させることができる。また、メタン発酵液Xが希釈水Aによって希釈されることで、消泡剤Zによる泡の破泡を容易化することができる。
【0061】
一実施形態によれば、消泡剤ノズル32が反応槽4の上壁4aに嵌め込まれているので、反応室5内のメタン発酵液Xの液面に発生する泡に消泡剤Zを直接振りかけて泡を破泡し、泡の影響を効果的に抑制することができる。
【0062】
一実施形態によれば、オイル系消泡剤又は界面活性剤系消泡剤が適用されることで、メタン発酵液Xへの滴定液Yの滴下やメタン発酵液Xのエアレーションによって発生する泡の破泡効果が高い消泡剤Zを実現することができる。
【0063】
一実施形態によれば、循環ライン106によってメタン発酵槽104内のメタン発酵液Xが撹拌されている。そして、循環ライン106からメタン発酵液Xが取得されるので、例えば、メタン発酵槽104内のメタン発酵液Xの上澄み液やメタン発酵液Xに含まれる汚泥に偏って取得されることを抑制し、メタン発酵液Xの状態を評価することができる。
【0064】
一実施形態によれば、消泡剤添加装置90が設けられることで、消泡剤Zが滴定液Yの滴下前やエアレーションの前にメタン発酵液Xに予め添加される。このため、メタン発酵液Xへの滴定液Yの滴下やメタン発酵液Xのエアレーションによる泡の発生そのものを抑制することができる。
【0065】
一実施形態では、水質測定装置1は、メタン発酵槽104内のメタン発酵液Xについて酸消費量及びアルカリ消費量を測定していたが、本開示はこの形態に限定するものではない。幾つかの実施形態では、水質測定装置1は、改質物Wmを原料として微生物による生物作用を利用してメタン以外のバイオガスを有価物として生成する発酵槽の内容物について、酸消費量又はアルカリ消費量を測定する。
【0066】
一実施形態では、試料取得装置2は、循環ライン106からメタン発酵液Xを取得していたが、本開示はこの形態に限定されない。図3は、別の一実施形態に係る水質測定システム200の構成を概略的に示す図である。
【0067】
図3に例示するように、別の一実施形態では、水質測定システム200は、水質測定装置1と、メタン発酵槽104と、引き抜きライン202と、を含む。図3に例示する形態では、水質測定装置1は、試料取得装置2以外の構成が図1に例示して説明した水質測定装置1と同様の構成を有しており、図1に示した構成と同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図3に例示する形態では、メタン発酵槽104は、図1に例示して説明したメタン発酵槽104と同様の構成を有している。
【0068】
引き抜きライン202は、一端がメタン発酵槽104の底部に接続され、他端がメタン発酵槽104以外の装置(不図示)に接続されている。引き抜きライン202は、メタン発酵槽104内のメタン発酵液Xが引き抜き可能に構成されており、例えば引き抜きライン202に設けられている不図示のバルブが開かれることで、メタン発酵槽104内のメタン発酵液Xが引き抜きされる。メタン発酵槽104からのメタン発酵液Xの引き抜きは、周期的に行われてもよいし、任意のタイミングで行われてもよい。例えば、メタン発酵槽104からのメタン発酵液Xの引き抜きは、一日につき一回行われる。
【0069】
別の一実施形態では、図3に例示するように、試料取得装置2は、供給ライン206と、ポンプ208と、を含んでいる。
【0070】
供給ライン206は、引き抜きライン202と反応槽4とを接続する。供給ライン206は、孔径が12.7mm以上である。ポンプ208は、供給ライン206に設けられている。図3に例示する形態では、試料取得装置2は、供給ライン206に設けられる供給バルブ210が設けられており、供給バルブ210が開かれ、且つポンプ208が駆動することで、メタン発酵液Xが引き抜きライン202から反応槽4に向かって供給ライン206を流通する。
【0071】
図3に例示する構成によれば、メタン発酵槽104からメタン発酵液Xを引き抜く際に、メタン発酵液Xの酸消費量及びアルカリ消費量を測定することができる。また、供給ライン206の孔径を12.7mm以上とすることで、メタン発酵液Xに含まれる汚泥による供給ライン206の詰まりを抑止することができる。
【0072】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0073】
[1]本開示に係る水質測定装置(1)は、
滴定によって試料(メタン発酵液X)の酸消費量又はアルカリ消費量を測定する水質測定装置であって、
前記試料を前記試料の供給源(循環ライン106、引き抜きライン202)から取得する試料取得装置(2)と、
前記試料取得装置と連通する反応室(5)が形成された反応槽(4)と、
前記反応室に滴定液(Y)を滴下するための滴下部(6)と、
前記反応室に消泡剤(Z)を供給するための消泡剤供給部(8)と、
前記反応室内に設けられ、前記試料の水素イオン濃度を計測するpH計測装置(10)と、を備える。
【0074】
上記[1]に記載の構成によれば、試料の供給源から取得した試料を反応室に供給し、この反応室内の試料に対して滴定液を滴下して酸消費量又はアルカリ消費量を測定することができる。さらに、反応室内の試料に対して消泡剤を供給することで、試料への滴定液の滴下中に発生する泡の影響を抑制することができる。よって、滴定によって試料の酸消費量又はアルカリ消費量を測定し、測定精度を向上させることができる。
【0075】
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記反応室内の前記試料にガス(G)を流通させるためのガス供給部(50)をさらに備える。
【0076】
上記[2]に記載の構成によれば、試料が撹拌されるので、試料に滴定液を滴下する際に、試料と滴定液との反応を促進させることができる。さらに、試料に消泡剤を供給する際に、試料と消泡剤との混合を促進させることができる。
【0077】
[3]幾つかの実施形態では、上記[2]に記載の構成において、
前記ガス供給部は、前記反応室内を通過するとともに、内部を前記ガスが流通する少なくとも1つのガス供給管(54)を含み、
前記少なくとも1つのガス供給管には、前記ガスを前記反応室に流出させる少なくとも1つのガス供給孔(55)が形成されている。
【0078】
上記[3]に記載の構成によれば、反応室の任意の位置からガスを流出させることが可能となるため、試料と滴定液との反応、及び試料と消泡剤との混合をさらに促進させることができる。
【0079】
[4]幾つかの実施形態では、上記[2]又は[3]に記載の構成において、
前記ガス供給部は、前記反応室内の前記ガスを吸引して再び前記反応室に戻すガス循環ライン(68)を含む。
【0080】
上記[4]に記載の構成によれば、ガス循環ラインを設けることで、ガスは閉鎖系を流通することになる。このため、開放系とは異なり、ガスの外部流出を抑制し、悪臭などの悪影響を抑制することができる。
【0081】
[5]幾つかの実施形態では、上記[4]に記載の構成において、
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインを流通する前記ガスを加熱する加熱装置(64)をさらに含む。
【0082】
水質測定装置の測定値は試料の温度の影響を受けることがあり、反応室の温度が低下すると、測定精度が低下する虞がある。上記[5]に記載の構成によれば、加熱装置によって加熱されたガスを反応室内に流通させて、反応室の温度を維持させ、測定精度の低下を抑制することができる。
【0083】
[6]幾つかの実施形態では、上記[5]に記載の構成において、
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインを流通する前記ガスから液相を分離する気液分離装置(バッファ槽52)をさらに含む。
【0084】
反応室内から吸引したガスの湿度は高くなっている。上記[5]に記載の構成によれば、反応室内から吸引したガスから液相が分離されるので、液相による影響を抑制することができる。
【0085】
[7]幾つかの実施形態では、上記[6]に記載の構成において、
前記気液分離装置は、前記ガスを貯留するバッファ槽(52)を含み、
前記加熱装置は、前記バッファ槽に設けられ、前記バッファ槽内の前記ガスを加熱する。
【0086】
上記[7]に記載の構成によれば、反応室内に流通させる加熱されたガスの量を確保することができる。また、ガスから分離した液相をバッファ槽に貯留させることができる。
【0087】
[8]幾つかの実施形態では、上記[7]に記載の構成において、
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインに設けられ、前記バッファ槽内の前記ガスを前記バッファ槽から前記反応槽に流通させるためのガスポンプ(60)をさらに含む。
【0088】
上記[8]に記載の構成によれば、加熱装置によって加熱されたガスを、任意の量、及び任意の期間で反応槽に流通させることができる。
【0089】
[9]幾つかの実施形態では、上記[7]又は[8]に記載の構成において、
前記反応槽から排出される前記試料を貯留する排水槽(70)と、
前記排水槽と前記バッファ槽とを連通する液相排出ライン(72)と、をさらに備える。
【0090】
上記[7]に記載の構成によれば、液相排出ラインを介して、バッファ槽に貯留される液相を排水槽に排出することができる。このため、試料と液相とをまとめて処理することができる。
【0091】
[10]幾つかの実施形態では、上記[4]から[9]の何れか1つに記載の構成において、
前記ガス供給部は、前記ガス循環ラインを流通する前記ガスを保温する保温材(66)をさらに含む。
【0092】
上記[10]に記載の構成によれば、保温材がガス循環ラインを流通するガスの温度の変化を抑制する。このため、反応室の温度を維持させ、測定精度の低下を抑制することができる。
【0093】
[11]幾つかの実施形態では、上記[1]から[10]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応室を保温する反応室保温材(17)、及び前記反応室を加熱する反応室加熱装置(19)のうちの少なくとも1つをさらに備える。
【0094】
上記[11]に記載の構成によれば、反応室の温度を滴定に適した温度に維持し、測定精度を向上させることができる。
【0095】
[12]幾つかの実施形態では、上記[1]から[11]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応室に希釈水(A)を供給するための希釈部(14)をさらに備える。
【0096】
上記[12]に記載の構成によれば、試料の粘性を低下させ、試料の撹拌を容易化することができる。このため、試料と滴定液との反応、及び試料と消泡剤との混合をさらに促進させることができる。
【0097】
[13]幾つかの実施形態では、上記[1]から[12]の何れか1つに記載の構成において、
前記消泡剤供給部は、前記反応槽の上部に設けられ、前記反応室内の前記試料の上方から前記消泡剤を噴出する消泡剤ノズル(32)を含む。
【0098】
上記[13]に記載の構成によれば、反応室内の試料の上面に発生する泡に消泡剤を直接振りかけて泡を破泡し、泡の影響を効果的に抑制することができる。
【0099】
[14]幾つかの実施形態では、上記[1]から[13]の何れか1つに記載の構成において、
前記消泡剤は、オイル系消泡剤または界面活性剤系消泡剤である。
【0100】
上記[14]に記載の構成によれば、破泡効果が高い消泡剤を実現することができる。
【0101】
[15]幾つかの実施形態では、上記[1]から[14]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応槽に設けられ前記反応槽内の温度を取得する温度計(91)をさらに備える。
【0102】
上記[15]に記載の構成によれば、反応室内の温度が一定の温度に維持されているか否かを確認することができる。そして、反応室内の温度が一定の温度に維持されていない場合には速やかに反応室内を一定の温度に維持させる処理を行い、良好な温度条件を実現することができる。
【0103】
[16]幾つかの実施形態では、上記[1]から[15]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応室内の前記試料の液面の位置を検出するレベル計センサ(15)をさらに含む。
【0104】
上記[16]に記載の構成によれば、反応室内の試料の量の調整が容易となり、任意の量の試料を容易に準備することができる。
【0105】
[17]幾つかの実施形態では、上記[16]に記載の構成において、
前記反応槽に接続される定量調整ライン(21)をさらに備え、
前記定量調整ラインは、前記反応室内の前記試料の液面が予め定められた高さを超えている場合に前記反応室から前記試料を排出するか否かを切り換え可能に構成されている。
【0106】
上記[17]に記載の構成によれば、定量調整ラインは、反応室内の試料の量を試料の液面が予め定められた高さになる定量に調整することができる。このため、定量の試料を用意に準備することができる。
【0107】
[18]幾つかの実施形態では、上記[1]から[17]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応槽は、側壁に前記pH計測装置よりも上方に位置する越流口(4e)が形成されている。
【0108】
上記[18]に記載の構成によれば、試料が反応槽からあふれる前に、反応室内の試料を、越流口を介して反応槽から排出することができる。
【0109】
[19]幾つかの実施形態では、上記[1]から[18]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応室に濃度が既知の校正液を供給するための校正液供給部(85)と、
前記反応室から前記校正液を排出するための校正液排出部(87)と、をさらに備える。
【0110】
上記[19]に記載の構成によれば、反応室は校正液が供給・排出されるので、水質測定装置の測定精度が適切に維持されているか否かを任意のタイミングで容易に確認することができる。
【0111】
[20]幾つかの実施形態では、上記[1]から[19]の何れか1つに記載の構成において、
前記滴下部は、
前記滴定液が貯留されている滴定液貯留槽(16)と、
前記反応槽に嵌め込まれている滴下ノズル(18)と、
前記滴定液貯留槽と前記滴下ノズルとを接続する滴定液ライン(20)と、
前記滴定液ラインに設けられる滴定液ポンプ(22)と、を含む。
【0112】
上記[20]に記載の構成によれば、反応室への滴定液の滴下を実現することができる。
【0113】
[21]幾つかの実施形態では、上記[20]に記載の構成において、
前記滴下部は、前記滴定液貯留槽の重量を測定する重量測定装置(24)をさらに含む。
【0114】
上記[21]に記載の構成によれば、重量測定装置の測定値を取得することで、反応室に滴下された滴定液Yの量を容易に算出することができる。
【0115】
[22]幾つかの実施形態では、上記[20]又は[21]に記載の構成において、
前記滴下部は、
前記滴定液ポンプの下方に配置され前記滴定液ポンプから漏れ出した前記滴定液を受ける受け皿(26)と、
前記受け皿内の前記滴定液を検知する漏液センサ(28)と、をさらに含む。
【0116】
上記[22]に記載の構成によれば、滴定液ポンプからの滴定液の液漏れを速やかに知ることができる。
【0117】
[23]幾つかの実施形態では、上記[1]から[22]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応槽は、下壁(4f)に形成される排出口(4g)を含み、
前記下壁の前記反応室に対向する底面は、前記排出口に近づくにつれて下方に向かうように傾斜している。
【0118】
上記[23]に記載の構成によれば、反応室からの試料の排出をスムーズにすることができる。
【0119】
[24]幾つかの実施形態に係る水質測定システムは、
上記[1]から[23]の何れか1つに記載の水質測定装置と、
廃棄物(W)を加水分解した改質物(Wm)を微生物によって低分子化する発酵槽(メタン発酵槽104)であって、前記供給源である発酵槽と、
前記発酵槽の内容物(メタン発酵液X)を外部に取り出して再び前記発酵槽に戻す循環ライン(106)と、を備え、
前記試料取得装置は、前記循環ラインと前記反応槽とを接続し、前記循環ラインを流通する前記発酵槽の内容物が前記反応槽に向かって流通する供給ライン(12)を含む。
【0120】
上記[24]に記載の構成によれば、循環ラインから発酵槽の内容物を試料として取得するので、内容物の偏りを抑制し、発酵槽の内容物の状態を評価することができる。
【0121】
[25]幾つかの実施形態に係る水質測定システムは、
上記[1]から[23]の何れか1つに記載の水質測定装置と、
廃棄物を加水分解した改質物を微生物によって低分子化する発酵槽であって、前記供給源である発酵槽と、
前記発酵槽の底部に接続され、前記発酵槽の内容物を引き抜き可能な引き抜きライン(202)と、を備え、
前記試料取得装置は、
前記引き抜きラインと前記反応槽とを接続する供給ライン(206)と、
前記供給ラインに設けられ、前記発酵槽の内容物を前記引き抜きラインから前記反応槽に流通させるためのポンプ(208)と、を含む。
【0122】
上記[25]に記載の構成によれば、発酵槽から発酵槽の内容物を引き抜く際に、この内容物の酸消費量又はアルカリ消費量を測定することができる。
【0123】
[26]幾つかの実施形態では、上記[25]に記載の構成において、
前記供給ラインは、孔径が12.7mm以上である。
【0124】
上記[26]に記載の構成によれば、供給ラインの孔径は12.7mm以上とすることで、発酵槽の内容物による供給ラインの詰まりを抑止することができる。
【0125】
[27]幾つかの実施形態では、上記[24]から[26]の何れか1つに記載の構成において、
前記水質測定装置は、前記供給ラインを流通する前記試料に前記消泡剤を添加する消泡剤添加装置(90)を含む。
【0126】
上記[27]に記載の構成によれば、試料に滴定液を滴下する前に試料に消泡剤を添加しておくことで、滴定中における泡の発生を抑制することができる。
【0127】
[28]幾つかの実施形態では、上記[24]から[27]の何れか1つに記載の構成において、
前記反応室に滴下された前記滴定液の量、及び前記pH計測装置の計測値に基づいて、前記試料の酸消費量又はアルカリ消費量を算出する算出装置(203)をさらに備える。
【0128】
上記[28]に記載の構成によれば、試料の酸消費量又はアルカリ消費量を自動的に算出することができる。
【0129】
[29]幾つかの実施形態では、上記[28]に記載の構成において、
前記算出装置によって算出された前記試料の酸消費量又はアルカリ消費量を出力する出力装置(204)をさらに備える。
【0130】
上記[29]に記載の構成によれば、試料の酸消費量又はアルカリ消費量を速やかに知ることができる。
【符号の説明】
【0131】
1 水質測定装置
2 試料取得装置
4 反応槽
4a 壁
4b ガス取出口
4c 第1側壁
4d 第2側壁
4e 越流口
4f 下壁
4g 排出口
5 反応室
6 滴下部
6A 第1滴下部
6B 第2滴下部
8 消泡剤供給部
10 pH計測装置
12 供給ライン
13 供給バルブ
14 希釈部
15 レベル計センサ
16 滴定液貯留槽
17 反応室保温材
18 滴下ノズル
19 反応室加熱装置
20 滴定液ライン
21 定量調整ライン
22 滴定液ポンプ
24 第1のロードセル
26 第1の受け皿
28 第1の漏液センサ
30 消泡剤貯留槽
32 消泡剤ノズル
34 消泡剤ライン
36 消泡剤ポンプ
38 第2のロードセル
40 第2の受け皿
42 第2の漏液センサ
50 ガス供給部
52 バッファ槽
54 ガス供給管
55 ガス供給孔
56 ガス供給ライン
58 ガスバルブ
60 ガスポンプ
62 ガス取出ライン
64 加熱装置
66 保温材
68 ガス循環ライン
70 排水槽
72 液相排出ライン
73 液相排出バルブ
74 第1ライン
75 第1バルブ
78 第2ライン
80 第3ライン
81 第3バルブ
82 第2の供給バルブ
85 校正液供給部
86 空気ライン
87 校正液排出部
88 空気バルブ
90 消泡剤添加装置
91 第1温度計
92 第2温度計
93 第3温度計
100 廃棄物処理設備
102 改質装置
104 メタン発酵槽
104a メタン発酵液取出口
104b メタン発酵液戻し口
106 循環ライン
200 水質測定システム
202 引き抜きライン
203 算出装置
204 出力装置
206 供給ライン
208 ポンプ
210 供給バルブ

A 希釈水
B 液相
D1 一方向
D2 交差方向
G ガス
W 廃棄物
Wm 改質物
X メタン発酵液
Y 滴定液
Z 消泡剤

図1
図2
図3