(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079902
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報発信システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240606BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192582
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】515310168
【氏名又は名称】株式会社カロニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】松山 貴至
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC00
5L050CC00
(57)【要約】
【課題】安心して信頼関係を構築することを可能とする情報発信システムを提供することである。
【解決手段】ユーザ6が属する会社4の名前を開示しつつ、会社4が提供する商品又はサービスに関する情報を発信する情報発信システム10であって、ユーザ6が会社4に属する労働者であることを証明する証明データを伝送する証明データ伝送部12と、証明データが予め記憶されたデータと一致する場合にユーザ6が会社4に属する労働者であることを認証した認証データを伝送する認証データ伝送部14と、ユーザ6が認証データを表示した状態で、商品又はサービスに関する情報を発信するための情報発信部16と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが属する組織の名前を開示しつつ、前記組織が提供する商品又はサービスに関する情報を発信する情報発信システムであって、
前記ユーザが前記組織に属する労働者であることを証明する証明データを伝送する証明データ伝送部と、
前記証明データが予め記憶されたデータと一致する場合に前記ユーザが前記組織に属する前記労働者であることを認証した認証データを伝送する認証データ伝送部と、
前記ユーザが前記認証データを表示した状態で、前記商品又はサービスに関する情報を発信するための情報発信部と、
を備えることを特徴とする情報発信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報発信システムにおいて、
消費者が、前記認証データが表示された前記ユーザを介して前記商品又はサービスを購入するための購入部と、
前記購入部を用いて前記商品又はサービスが購入された際に前記組織の前記商品又はサービスの売上のうち所定の金額をシステム利用料として前記組織から取得し、前記システム利用料の中から前記ユーザに報酬を支払う報酬支払い部と、
を備えることを特徴とする情報発信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報発信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コミュニケーションツールの一つとしてソーシャルネットワーキングサービスが利用されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、前記ソーシャルネットワーキングサービスは、ソーシャルネットワーク環境におけるユーザ同士のつながりを形成するつながり形成部と、前記ユーザの活動を監視する活動監視部と、前記活動監視部による監視結果に基づいて、前記つながり内の少なくとも1人の前記ユーザが拡散活動したコンテンツを、前記つながり内の他の前記ユーザに対して拡散するコンテンツ拡散部とを備えるソーシャルネットワーキングサービスを利用した広告拡散システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々なソーシャルネットワーキングサービスが利用されており、例えば、社会人のユーザが利用する場合には、ユーザ自身が勤める勤務先の会社名などをプロフィール情報として登録して表示することがある。
【0005】
しかしながら、このような会社名はユーザが自由に登録することができるため、虚偽の情報であることが否定できない。このように登録されたユーザのプロフィールだけを信じて信頼関係を築くことにはリスクが存在する。
【0006】
本発明の目的は、安心して信頼関係を構築することを可能とする情報発信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報発信システムは、ユーザが属する組織の名前を開示しつつ、前記組織が提供する商品又はサービスに関する情報を発信する情報発信システムであって、前記ユーザが前記組織に属する労働者であることを証明する証明データを伝送する証明データ伝送部と、前記証明データが予め記憶されたデータと一致する場合に前記ユーザが前記組織に属する前記労働者であることを認証した認証データを伝送する認証データ伝送部と、前記ユーザが前記認証データを表示した状態で、前記商品又はサービスに関する情報を発信するための情報発信部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報発信システムにおいて、消費者が、前記認証データが表示された前記ユーザを介して前記商品又はサービスを購入するための購入部と、前記購入部を用いて前記商品又はサービスが購入された際に前記組織の前記商品又はサービスの売上のうち所定の金額をシステム利用料として前記組織から取得し、前記システム利用料の中から前記ユーザに報酬を支払う報酬支払い部と、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ソーシャルネットワーキングサービスを用いて安心して信頼関係を構築することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る実施形態の情報発信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態の情報発信システム10を示す図である。情報発信システム10は、会社4から認証されたユーザ6がプロフィール情報として会社4の名前を表示しながら、会社4が提供する商品又はサービスに関する情報等を発信するシステムである。
【0013】
情報発信システム10は、証明データ伝送部12と、認証データ伝送部14と、情報発信部16と、購入部18と、報酬支払い部20と、記憶部22とを備えるソーシャルネットワーキングサービスである。
【0014】
証明データ伝送部12は、ユーザ6が会社4に属する労働者であることを証明する証明データを伝送する機能を有する。ここでは、組織の一例として会社を挙げているが、もちろん、その他の組織も含まれており、例えば、営利組織として、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、合同会社だけでなく、個人事業主も含む。
【0015】
また、組織には、特殊法人、認可法人をはじめとする公共的な団体(公法人など)も含み、非営利での社会貢献活動や慈善活動を行う市民団体(いわゆるNPO)、医療法人、学校法人、その他の公益法人(社会福祉法人、宗教法人)等を含んでいる。
【0016】
ユーザ6は、例えば、組織がホテルや旅館などの宿泊施設を経営する企業である場合に、そのホテルや旅館のシェフや料理人を想定している。また、ユーザ6は、例えば、組織が美容室を経営する企業である場合に、その美容室に勤務する美容師を想定している。ユーザ6は、被服を販売するアパレルショップを経営する企業である場合に、そのアパレルショップで働く販売員を想定している。
【0017】
労働者は、ここでは、雇用関係を有する正社員を意味するが、正社員以外のものも含み、例えば、派遣社員、契約社員、パートタイマー、アルバイトなどの他、フリーランスなどのように業務委託契約などに基づいて働く者も含まれる。
【0018】
証明データとは、例えば、組織で発行する社員証、社員番号、ID及びパスワードなどの情報を用いるものとして説明するが、もちろん、その他の情報を用いても良い。
【0019】
認証データ伝送部14は、労働者であるユーザ6と証明データとが一致する場合にユーザ6が会社4に属する労働者であることを認証した認証データを伝送する機能を有する。ここで、証明データ伝送部12によって伝送される証明データとの一致を確認するために、会社4に属する労働者についての証明データが予め記憶部22に記憶されている。
【0020】
認証データは、ユーザ6が発信した情報を表示する画面(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレット端末等の画面)に表示されるデータである。例えば、認証されていることを示すようなバッチのようなデザインのデータが表示されることが好ましい。
【0021】
情報発信部16は、ユーザ6が認証データを表示した状態で、会社4の商品又はサービスに関する情報を発信する機能を有する。情報発信部16が発信する画面の一例として、画面の左上にユーザ6の写真と氏名が表示され、下方にユーザ6のプロフィール情報が表示される。そして、例えば、プロフィール情報の右横のスペースに、ユーザ6が投稿する文章や写真などがタイムライン形式で表示される。
【0022】
会社4の商品又はサービスに関する情報とは、例えば、会社4がホテルや旅館である場合に、当該宿泊施設のレストラン又は食堂で提供する料理などを想定している。また、会社4が美容室である場合に、美容師がカットしたモデルの写真やシャンプーなどの商品を想定している。さらに、会社4が被服を販売するアパレルショップである場合に、当該ショップで販売するTシャツやズボンなどを想定している。
【0023】
購入部18は、消費者が、認証データが表示されたユーザ6を介して商品又はサービスを購入するための機能を有する。情報発信システム10を利用するユーザ6の数は複数であり、情報発信部16を行うユーザ6とは異なるユーザ6が消費者となり得る。
【0024】
ユーザ6の中の一人が会社4の商品又はサービスに関する情報を発信し、発信された情報を見た別のユーザ6が購入部18の機能を用いて、当該商品又はサービスを購入することが出来る。
【0025】
報酬支払い部20は、購入部18を用いて商品又はサービスが購入された際に会社4の商品又はサービスの売上のうち所定の金額をシステム利用料として取得し、システム利用料の中からユーザ6に報酬を支払う機能を有する。
【0026】
例えば、商品又はサービスの購入代金のうち30%をシステム利用料として徴収し、その中から15%を当該ユーザ6に支払うように設定することができる。もちろん、これらの割合は一例に過ぎず、適宜変更することが出来る。
【0027】
記憶部22は、ユーザ6から伝送された証明データや認証用に予め登録された証明データ等を記憶する。また、記憶部22は、ユーザ6に関するプロフィール情報も記録されている。例えば、勤務先の会社4の名前、居住地、出身地、誕生日、出身大学、出身高校などが含まれているが、もちろん、その他の情報を含んでもよい。
【0028】
情報発信システム10は、記憶部22以外の各機能は、ハードウェア構成、ソフトウェア構成の何れによっても実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、これらの機能は、実際にはCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成されたサーバ装置上において、RAMやROM、ハードディスク等の記録媒体に記憶されたアプリケーションソフトウェアが動作することによって実現することができる。
【0029】
続いて、上記構成の情報発信システム10の作用について説明する。近年、ソーシャルネットワーキングサービスをはじめとするITサービス等の情報システムでは、利用者が勤務先の情報を一方的に登録することができるため、使用者との雇用関係が真実であることの証明がなされておらず、詐称されてしまう虞がある。そして、いわゆる他人になりすましたアカウントがインターネット上に氾濫している状況にある。
【0030】
一般的に、求職者が就職先を選ぶ基準として、例えば、給与や福利厚生などが挙げられるが、競争力の落ちている企業において、十分な賃上げや福利厚生の更なる充実は難しい状況に陥っている。
【0031】
このような状況の中、昨今、大手企業をはじめとする各企業では従業員に副業を認める動きが広がりつつあるが、従来の情報システムを用いて従業員の収入を増やそうとしても上記なりすましなどの問題があるため、うまく活用することが難しいという課題がある。このような課題に対し、本発明に係る実施形態の情報発信システム10は顕著な効果を発揮する。
【0032】
情報発信システム10では、ユーザ6がプロフィール情報として勤務先の会社名を登録する場合に、会社4に属する証明データ、例えば、社員証の写しなどを伝送する。そして、伝送された証明データと記憶部22に記録されたデータとを比較し、データが一致した場合にユーザ6がなりすましでないと判断し、認証データを伝送する。
【0033】
その後、ユーザ6は、プロフィール情報に認証データ、例えば、認証バッジが表示された状態で、会社4の商品又はサービスに関する情報を提供することが出来る。
【0034】
例えば、ホテルや旅館などでシェフや料理人として働くユーザ6が、自分が作った料理などの写真を投稿し、別のユーザ6がこれを見て、購入部18を通じて当該ホテルや当該旅館を予約した場合に、例えば、宿泊による売上金額の30%をシステム利用料として徴収し、この中から15%の金額を、上記写真を投稿したユーザ6に還元する。
【0035】
また、例えば、美容室で美容師として働くユーザ6が、自分がカットした顧客の髪型などの写真を投稿し、別のユーザ6がこれを見て、購入部18を通じて当該美容室の予約をした場合に、売上の一部をシステム利用料として徴収し、この中の一部について写真を投稿したユーザ6に還元する。
【0036】
そして、例えば、アパレルショップで販売員として働くユーザ6が、例えば、ショップで販売されている被服の写真を投稿し、別のユーザ6がこれを見て、購入部18を通じて当該被服の購入をした場合に、売上の一部をシステム利用料として徴収し、この中の一部について写真を投稿したユーザ6に還元する。
【0037】
上記のように、情報発信システム10によれば、会社4に所属する従業員等であるユーザ6が会社4に認証された状態で、会社4の商品又はサービスに関する情報を発信することが出来る。
【0038】
ユーザ6が継続的に情報発信すると、閲覧者である別のユーザ6との信頼関係が構築できるため、ユーザ6が消費者の立場として商品又はサービスの購入をする場合には信頼した人から購入をしたくなることが多い。
【0039】
そして、消費者が信頼するユーザ6から商品又はサービスを購入した場合は、その売上の一部がユーザ6に還元されるため、ユーザ6は、より一層商品又はサービスに関する情報の提供に力を注ぐことが期待される。
【0040】
以上のように、消費者が労働者であるユーザ6を経由して商品又はサービスの購入を行うことで、商取引における売上の一部が情報発信システム10を通じて労働者に還元される。
【0041】
この報酬は、その労働者が勤務先の商品又はサービスの宣伝営業を行った事への対価として使用者である会社4が間接的に支払う報酬(評価/価値)となる。労働者は、その職能を磨くことに専念する事で本質的な人材価値を高め、情報発信システム10を通じて情報を発信することで自分の顧客やファンを持つことが可能となる。
【0042】
これにより、例えば、労働者が転職をする際にも個人としての人材価値を高めて可視化することが出来る。そして、自分の顧客やファンを持つことで副収入とモチベーションアップに繋げることができる。
【0043】
また、使用者の立場である会社4が情報発信システム10を利用することで商品又はサービスの売上アップに繋がることができるとともに、顧客管理、商品管理、労働者管理などを容易にすることが出来るという利点がある。
【0044】
そして、情報発信システム10を活用して顧客やファンを持つ労働者が増えていくと、使用者側もタレント性の高い労働者(集客力が高い、影響力が高い、カリスマ性がある、インフルエンサー)の採用が可能となる。
【0045】
さらに、消費者の立場であるユーザ6が情報発信システム10を利用することで、従来のように店舗で商品を探す必要がなく、情報発信を行うユーザ6の職能成果を確認し、また、商品の魅力を確認した上で購入することが出来るというメリットがある。
【0046】
そして、消費者は、従来のような商品検索ではなく、従業員の職能成果などによって検索するといった今までにない体験をすることができ、また、お気に入りの労働者を応援する意味で当該労働者を介して商品又はサービスを購入することでソーシャルネットワーク体験を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0047】
4 会社、6 ユーザ、10 情報発信システム、12 証明データ伝送部、14 認証データ伝送部、16 情報発信部、18 購入部、20 報酬支払い部、22 記憶部。