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  • 特開-容器本体 図1
  • 特開-容器本体 図2
  • 特開-容器本体 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079913
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】容器本体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
B65D77/20 D
B65D77/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192601
(22)【出願日】2022-12-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日: 2022年9月12日 販売した場所: 株式会社ローソンの全国店舗(本社:東京都品川区大崎一丁目11番2号 ゲートシティ大崎イーストタワー3F) ウェブサイトの掲載日: 2022年9月7日 公開場所(ウェブサイトのアドレス):https://www.lawson.co.jp/recommend/original/salad/ ウェブサイトの掲載日: 2022年11月23日 公開場所(ウェブサイトのアドレス):https://www.lawson.co.jp/recommend/original/salad/ ウェブサイトの掲載日: 2022年11月25日 公開場所(ウェブサイトのアドレス):https://www.lawson.co.jp/company/news/detail/1462032_2504.html
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞野 広大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴一
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067AB13
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA18
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】
金型を削っても、トップシールにシワが出来にくく、蓋体と内嵌合部との密着性を良好に維持して、液漏れや蓋体の外れを防止する容器本体を提供する。
【解決手段】
蓋体が嵌合可能な内嵌合部130と、内嵌合部130の外側のフランジ部140とを備え、トップシールを使用できる容器本体100であって、フランジ部140の上面141が、外側へ向けて下向きに傾斜しており、フランジ部140の内側の位置に、水平面150を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体が嵌合可能な内嵌合部と、前記内嵌合部の外側のフランジ部とを備え、トップシールを使用できる容器本体であって、
前記フランジ部の上面が、外側へ向けて下向きに傾斜しており、
前記フランジ部の内側の位置に、水平面を設けたことを特徴とする容器本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、容器本体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、惣菜や寿司等の食品を収容する包装用の容器本体が、スーパーやコンビニエンスストア等で使用されている。
【0003】
容器本体には、様々な種類があり、蓋体を内嵌合可能な内嵌合部とフランジ部とを備え、更にトップシールを利用できるように構成された容器本体が知られている。トップシールを使用するには専用のトップシール機が必要であるが、現在トップシール機を所有していない店舗も多い。しかし蓋体を内嵌合可能な内嵌合部とトップシールを利用できるフランジが設けられた容器本体は、店舗等において容器本体を密閉する際に、蓋体を利用するかトップシールを利用するかを適宜選択できるようになっているためトップシール機の有無に関わらずどの店舗でも使用できる。さらに、例えば消費者がトップシールフィルムを開封した後で再密封したい場合、内嵌合蓋による再封が可能でもある。また、容器本体は金型によって成形されているが、蓋体との嵌合強度を調節するために、起型後に、金型において、内嵌合部を成形する箇所を削り直すことがある。すると、その金型によって成形された容器本体では、内嵌合部が外側へ広がり、フランジ部が短くなる。また、フランジ部は下向きに傾斜しているため、容器本体の高さも低くなる。すると、容器本体を密閉する際に、トップシールを利用した場合は、トップシールにシワが出来やすくなる。また、容器本体の高さが変わることで、容器本体を密閉する際に蓋体を利用した場合は、蓋体と内嵌合部との密着性が悪くなり、液漏れが起きやすくなったり、蓋体が外れやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、金型を削っても、トップシールにシワが出来にくく、蓋体と内嵌合部との密着性を良好に維持して、液漏れや蓋体の外れを防止する容器本体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る容器本体は、蓋体が嵌合可能な内嵌合部と、前記内嵌合部の外側のフランジ部とを備え、トップシールを使用できる容器本体であって、前記フランジ部の上面が、外側へ向けて下向きに傾斜しており、前記フランジ部の内側の位置に、水平面を設けたことを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、深く削り直した金型によって、内嵌合部周辺が外側へ広がっても、水平面の長さが短くなるだけで、フランジ部の長さが短くなるなどの影響を与えないのである。さらに、高さが一定の水平面の長さが短くなるだけなので、内嵌合部の高さは、内嵌合部周辺が外側へ広がっても一定のままである。その結果、容器本体を密閉する際に、トップシールを利用した場合でも、トップシールにシワが出来にくいのである。また、容器本体を密閉する際に蓋体を利用した場合でも、蓋体と内嵌合部との密着性が良好に維持され、液漏れや蓋体の外れを防止できるのである。
【発明の効果】
【0007】
本願発明の容器本体は、金型を削っても、トップシールにシワが出来にくく、蓋体と内嵌合部との密着性を良好に維持して、液漏れや蓋体の外れを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は、本願発明の容器本体の平面図、(b)は、容器本体の側面図である。
図2】A―A端面図である。
図3図2の水平面周辺の拡大端面図である。
【符号の説明】
【0009】
100 容器本体
130 内嵌合部
140 フランジ部
141 上面
150 水平面
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、容器本体を水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0011】
図1から図3に、本願発明の容器本体100を示す。なお、図1(a)は、容器本体100の平面図、図1(b)は、容器本体100の側面図、図2は、A―A端面図、図3は、図2の水平面150周辺の拡大端面図である。
【0012】
図1から図3に示すように、容器本体100は、上方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部101を備えた平面視略正方形状をしており、平坦で水平方向に広がる底壁110と、当該底壁110から上方へ向けて連続する側壁120と、側壁120の上端121において外側へ凹んだ内嵌合部130と、内嵌合部130から外側へ延出するフランジ部140とを備える。さらに、内嵌合部130とフランジ部140の間には、水平面150が設けられている。
【0013】
フランジ部140は、上面141が外側へ向けて下向きに傾斜しており、フランジ部140の上面141にフィルム等のシート状部材を接着剤等で貼り付ける、いわゆる、トップシールを利用出来るよう構成されている。また、水平面150は、平坦で水平方向に広がっており、水平面150の外端151と内端152の間の長さL1は、0.5mm~5.0mm(ミリメートル)となっている。水平面150の外端151は、フランジ部140の上面141と連続し、水平面150の内端152は、内嵌合部130の上端側に連続している。
【0014】
なお、水平面150は、フランジ部140の内側に配置され、フランジ部140と直接連続しているが、これに限定されず、水平面150はフランジ部140の内側に配置されていれば、水平面150は、フランジ部140との間に段部や溝部などのその他の構成部を介して、連続してもよい。なお、側壁120、内嵌合部130、フランジ部140及び水平面150は、容器本体100の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。また、容器本体100は平面視略正方形状となっているが、これに限定されず、平面視略多角形や平面視略円形等、任意の形状とすることができる。
【0015】
また、内嵌合部130は、蓋体の嵌合部が内嵌合できるように構成されており、容器本体100に蓋体を任意で取り付けて、容器本体100を密閉することが出来る。一方、蓋体を利用しない場合は、フランジ部140にトップシールを施すことで、容器本体100を密閉することができる。このように、本願発明の容器本体100は、状況に応じて、蓋体又はトップシールを適宜利用して、容器本体100を密閉することができる。
【0016】
また、容器本体100は、厚さが約0.1mmから1.00mm(ミリメートル)程度のプラスチック(合成樹脂)製シートを用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、容器本体100の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものなどを用いることができる。
【0017】
ここで、容器本体100は金型によって成形されているが、蓋体との嵌合強度を調節するために、金型において、起型後に内嵌合部130を成形する箇所を削り直すことがある。そして、内嵌合部130を成形する箇所を深く削り直した金型によって、容器本体100を成形すると、内嵌合部130が深くなる、つまり、図2及び図3に示すように、内嵌合部130’周辺が外側へ広がるのである(図面では、外側へ広がった内嵌合部130’は、点線で示してある。)。
【0018】
ただ、本願発明の容器本体100では、水平面150を備えているので、内嵌合部130’周辺が外側へ広がっても、内嵌合部130’に連続した水平面150の内端152’が、外端151側へ移動するようにして、水平面150の長さが短くなるだけで、フランジ部140の長さが短くなるなどの影響を与えないのである。さらに、内嵌合部130’と水平面150の連続箇所である内端152’は、平坦で水平方向に広がる水平面150の上を移動するので、内嵌合部130’周辺(側壁120の上端121)の高さH1は、内嵌合部130’周辺が外側へ広がっても一定のままである。そのため、内嵌合部130’やフランジ部140周辺の高さが変わらないのである。その結果、容器本体100を密閉する際に、トップシールを利用した場合でも、トップシールにシワが出来にくいのである。さらに、フランジ部の内側に水平面が設けられていることにより、フランジ部と側壁の上端121との角度が大きくなりトップシールがより破れにくくなるという利点もある。また、容器本体100を密閉する際に蓋体を利用した場合でも、蓋体と内嵌合部130との密着性が良好に維持され、液漏れや蓋体の外れを防止できるのである。
【0019】
なお、図2及び図3では、内嵌合部130’に連続した水平面150の内端152’が、水平面150の中央付近に移動する程度に、金型を削って内嵌合部130を深く成形した場合を想定しているが、これに限定されず、水平面150の内端152’が水平面150の長さL1の範囲内で移動する程度であれば、任意の深さまで金型を削って、内嵌合部130を深く成形してもよい。
【0020】
なお、本願発明の容器本体は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3