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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079924
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/13 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192617
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】永島 裕
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠介
(72)【発明者】
【氏名】酒井 伸明
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061BB10
2C061CD07
2C061CD17
2C061CD21
(57)【要約】
【課題】従来の印刷装置では、開閉カバーの操作に改善の余地がある。
【解決手段】媒体に印刷を行うヘッドと、前記ヘッドを収容する外装と、を備え、前記外装は、前記外装の上面の一部を構成する開閉カバーを含み、前記開閉カバーは、一端側を支点として上側に回動可能に構成され、前記開閉カバーの内側に、内側取っ手を備える、印刷装置。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に印刷を行うヘッドと、
前記ヘッドを収容する外装と、
を備え、
前記外装は、前記外装の上面の一部を構成する開閉カバーを含み、
前記開閉カバーは、一端側を支点として上側に回動可能に構成され、
前記開閉カバーの内側に、内側取っ手を備える、
印刷装置。
【請求項2】
前記開閉カバーの前記内側取っ手に相対する位置に外側取っ手を備える、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記外側取っ手は、前記開閉カバーから突出する突起部で構成される、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記内側取っ手と前記外側取っ手とが、前記開閉カバーを挟んで接続される、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記内側取っ手と前記外側取っ手とが一体に形成される、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記開閉カバーの前記一端側と反対の他端側に前記内側取っ手を備える、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記開閉カバーが閉じられた状態で前記開閉カバーの前記他端側と重なる位置に、前記開閉カバーの開閉を示す開閉情報を出力するセンサーを備え、
前記内側取っ手は、前記センサーが検出する検出板を備え、
前記センサーは、前記検出板を検出した結果に基づいて前記開閉情報を出力する、
請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記開閉カバーは、光透過性を有する材料で構成される透明部位を含む、
請求項2に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、取っ手が設けられた開閉カバーを備えるプリンターを開示する。プリンターは、印刷装置の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-103095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された印刷装置では、ユーザーが手で取っ手を掴んで持ち上げることにより、開閉カバーを開くことができる。開閉カバーが開いた状態では、取っ手は、開閉カバーの上方に位置し、かつ、印刷装置の上方に向く。このため、ユーザーは、開閉カバーを閉じるとき、手を開閉カバーの上方に伸ばし、さらに、開閉カバーの上方から手を取っ手に回し込む動作を強いられる。従来の印刷装置では、開閉カバーの操作に改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
印刷装置は、媒体に印刷を行うヘッドと、前記ヘッドを収容する外装と、を備え、前記外装は、前記外装の上面の一部を構成する開閉カバーを含み、前記開閉カバーは、一端側を支点として上側に回動可能に構成され、前記開閉カバーの内側に、内側取っ手を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】印刷装置を示す斜視図。
図2】印刷装置を示す斜視図。
図3】印刷装置を示す斜視図。
図4】開閉カバーを示す斜視図。
図5】開閉カバーを示す斜視図。
図6】開閉カバーを示す分解斜視図。
図7】外装と操作パネルとを示す斜視図。
図8図7中のA部の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
印刷装置1は、図1に示すように、外装2と、印刷部3と、媒体搬送部4と、操作パネル5とを有する。外装2は、印刷装置1の外殻を構成する。印刷部3は、外装2に収容される。媒体搬送部4は、外装2の内部から外装2の外部に突出する。外装2の側面のうち媒体搬送部4が突出する側面が印刷装置1の正面7である。操作パネル5は、正面7に配置される。操作パネル5は、印刷装置1に関する各種操作の指示を受け付ける。外装2は、第1外装8と、第2外装9とを含む。操作パネル5が配置される正面7は、外装2の側面の一例である。
【0008】
図1には、X軸、Y軸、及びZ軸が付されている。X軸、Y軸、及びZ軸は、相互に直交する座標軸である。これ以降に示す図についても必要に応じてX軸、Y軸、及びZ軸が付される。この場合、各図におけるX軸、Y軸、及びZ軸は、図1におけるX軸、Y軸、及びZ軸に対応する。図1は、X軸とY軸とによって規定されるXY平面に印刷装置1を配置した状態を示す。本実施形態では、XY平面を水平な平面に一致させた状態で印刷装置1をXY平面に配置したときの状態が、印刷装置1の使用状態である。水平面に一致させたXY平面に印刷装置1を配置したときの印刷装置1の姿勢を、印刷装置1の使用姿勢と呼ぶ。
【0009】
以下において、印刷装置1の構成部品やユニットを示す図や説明にX軸、Y軸、及びZ軸が表記されている場合には、その構成部品やユニットを印刷装置1に組み込んだ状態でのX軸、Y軸、及びZ軸を意味する。また、印刷装置1の使用姿勢における各構成部品やユニットの姿勢を、それらの構成部品やユニットの使用姿勢と呼ぶ。そして、以下において、印刷装置1や、その構成部品、ユニット等の説明では、特にことわりがないときには、それぞれの使用姿勢での説明とする。
【0010】
なお、印刷装置1が実際に使用される場面では、水平面は、実質的に水平な面であればよい。実質的な水平には、例えば、印刷装置1が使用されるときに載置される面について許容される傾斜範囲内で傾斜が含まれる。このようなことから、実質的な水平面は、例えば、高精度に形成された定盤などの面に限定されない。実質的な水平面には、例えば、印刷装置1が使用されるときに載置される机や、台、棚、床などの種々の面が含まれる。また、鉛直方向は、厳密に重力方向に沿った距離に限定されず、実質的な水平面に対する垂直方向も含まれる。このため、実質的な水平面が、例えば、机や、台、棚、床などの面であるときには、鉛直方向は、これらの面に対する垂直方向を指す。
【0011】
X軸、Y軸、及びZ軸には、それぞれ、矢印が付される。X軸、Y軸、及びZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+(正)の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが-(負)の方向を示す。Z軸は、XY平面に直交する軸である。印刷装置1の使用状態において、+Z方向が鉛直上方向となる。印刷装置1の使用状態では、図1において、-Z方向が鉛直下方向である。
【0012】
なお、印刷部3は、X軸に沿って往復移動する。このためX軸は、印刷部3が往復移動する方向であると定義される。印刷部3は、印刷ヘッド11と、キャリッジ12とを含む。印刷ヘッド11は、印刷媒体に向けてインクを吐出する。印刷ヘッド11は、キャリッジ12に搭載される。キャリッジ12は、X軸に沿って往復移動する。キャリッジ12がX軸に沿って往復移動することによって、印刷ヘッド11がX軸に沿って往復移動する。
【0013】
媒体搬送部4は、外装2から+Y方向に突出する。+Y方向は、媒体搬送部4が外装2から突出する方向である。媒体搬送部4は、印刷部3の-Z方向に位置する。第2外装9は、第1外装8の+Z方向に位置する。媒体搬送部4は、第1外装8の内部から第1外装8の外部に突出する。
【0014】
媒体搬送部4は、図2に示すように、トレイ14と、ステージ15とを含む。トレイ14は、印刷媒体を支持する。トレイ14は、媒体支持部の一例である。ステージ15は、トレイ14を支持する。トレイ14は、ステージ15の+Z方向に配置される。ステージ15は、媒体搬送部4によってY軸に沿って往復移動する。これにより、トレイ14は、Y軸に沿って往復移動する。媒体搬送部4によってトレイ14は、外装2の外部と、外装2の内部との間を往復移動する。図2は、トレイ14が外装2の外部に位置する状態を示す。図1は、トレイ14が外装2の内部に位置する状態を示す。
【0015】
図2に示すように、トレイ14が外装2の外部に位置するときに、印刷媒体がトレイ14にセットされる。トレイ14にセットされた印刷媒体は、媒体搬送部4によって外装2の内部に搬送される。印刷装置1は、印刷ヘッド11からインクを吐出させる動作と、トレイ14を+Y方向に所定量ずつ移動させる動作とを実施することによって印刷媒体に印刷を行う。このとき、印刷装置1は、キャリッジ12をX軸に沿って往復移動させながら印刷ヘッド11からインクを吐出させる。
【0016】
第2外装9は、外装2の上面19を構成する。上面19は、+Z方向に面する。第2外装9は、カバー本体部21と、開閉カバー22とを含む。開閉カバー22は、上面19の一部を構成する。開閉カバー22は、カバー本体部21に対して回動可能に構成されている。
【0017】
開閉カバー22は、図3に示すように、ヒンジ23により回動可能に構成されている。開閉カバー22は、一端側にヒンジ23を備える。開閉カバー22は、一端側を支点として上側に回動可能である。図3は、開閉カバー22が開いた状態を示す。開閉カバー22が開かれると、ユーザーは、外装2に収容される印刷部3にアクセスすることができる。開閉カバー22の回動軸は、X軸に沿っている。開閉カバー22の回動軸は、印刷装置1の正面7よりも-Y方向に位置する。開閉カバー22は、取っ手24を備える。取っ手24は、図4に示すように、開閉カバー22の正面7から+Y方向に突出する。取っ手24は、X方向において開閉カバー22の真ん中付近で-Z方向の端に配置されている。取っ手24は、X方向に沿って長く、X方向の長さよりも短く+Y方向に突出し、Y方向の長さよりも短いZ方向の長さを有する。取っ手24は、人が指を掛けるのに十分な程度の長さが、+Y方向に突出する。取っ手24は、外側取っ手の一例であり、開閉カバー22から突出する突起部の一例である。ユーザーは、開閉カバー22が閉じた状態で開閉カバー22の取っ手24を上方に持ち上げることによって開閉カバー22を開くことができる。
【0018】
開閉カバー22は、図5に示すように、ヒンジ23と、取っ手24と、第2取っ手25と、蓋部材26と、を含む。第2取っ手25は、内側取っ手の一例である。取っ手24及び第2取っ手25は、蓋部材26に設けられる。蓋部材26は、図2に示すように、外装2のうち印刷部3を+Z方向から覆う部材である。図5に示すヒンジ23は、蓋部材26に結合される。ヒンジ23は、蓋部材26の-Y方向の一端27側に位置する。
【0019】
図4に示すように、蓋部材26は、前側壁28を有する。前側壁28は、上面19から-Z方向に垂れ下がる側壁のうちXZ平面に沿う領域内の部分である。前側壁28は、上面19に交差する。前側壁28は、上面19から-Z方向に垂れ下がる。前側壁28のうち+Y方向に面する面が正面7である。取っ手24は、正面7に設けられる。図5に示すように、蓋部材26の一端27と反対側の他端に前側壁28が位置する。前側壁28は、開閉カバー22の他端である。前側壁28は、蓋部材26の+Y方向の端部に位置する。前側壁28のうち-Y方向に面する面は、内側面29である。内側面29は、図4に示す正面7の裏面に相当する。
【0020】
図5に示すように、第2取っ手25は、内側面29に設けられる。第2取っ手25は、開閉カバー22の内側面29から-Y方向に突出する。第2取っ手25は、X方向において開閉カバー22の真ん中付近で-Z方向の端に配置されている。第2取っ手25は、-Y方向に突出する長さが、取っ手24が+Y方向に突出する長さよりも長い。第2取っ手25は、開閉カバー22の他端である前側壁28に備えられる。ユーザーは、開閉カバー22が開いた状態で第2取っ手25を、図3に示す+Y方向に引くことによって開閉カバー22を閉じることができる。図5に示すように、開閉カバー22の回動の支点となる一端27側と反対側の他端側に第2取っ手25がある。つまり、第2取っ手25は、一端27側と反対側の他端側に位置する。これにより、第2取っ手25が内側面29よりも一端27に近い位置にある構成と比較して、小さい力で開閉カバー22を閉じることができる。また、ユーザーは、開閉カバー22の外側や上側に手を回し込む必要がないため、開閉操作が楽になる。
【0021】
図6に示すように、取っ手24と第2取っ手25とは、蓋部材26の前側壁28を挟んで、ビス31によって互いに結合される。つまり、取っ手24と第2取っ手25とが、開閉カバー22を挟んで接続される。取っ手24と第2取っ手25とがビス31によって互いに結合されるので、取っ手24と第2取っ手25とが一体に形成される。
【0022】
蓋部材26は、光透過性を有する。光透過性は、可視光の少なくとも一部を透過する性質である。蓋部材26は、透明部位の一例である。蓋部材26が光透過性を有するので、開閉カバー22を閉じた状態で、蓋部材26を通して外装2の内部を視認しやすい。蓋部材26に設けられる取っ手24は、Z方向の長さが短く、前側壁28から外装2の内部を視認する場合、視認の妨げになりにくい。例えば、開閉カバー22を閉じた状態で、図3に示す印刷部3を視認することができる。これにより、開閉カバー22を閉じた状態で、印刷部3の動作異常などを確認しやすい。
【0023】
図6に示すように、第2取っ手25は、検出板32を有する。検出板32は、第2取っ手25から-Z方向に突出する。検出板32は、第2取っ手25から-Z方向に垂れ下がる板状の部材である。検出板32は、YZ平面に沿う板状の形状を有する。図7に示すように、開閉カバー22が閉じられた状態で第2取っ手25に相対する位置に、開閉センサー33が配置される。開閉センサー33は、開閉カバー22の開閉を示す開閉情報を出力するセンサーである。検出板32は、第2取っ手25に設けられていることで、第2取っ手25、または、第2取っ手25に結合されている取っ手24によって開閉カバー22の開閉を行う場合に、開閉カバー22の開閉状態を検出する際の応答性がよい。
【0024】
図8は、図7中のA部の拡大図である。図8に示すように、開閉センサー33は、検出板32が相対する位置にスリット34が形成されている。開閉カバー22を閉じると、検出板32がスリット34内に挿入される。開閉センサー33は、光学センサーである。開閉センサー33は、投光部と受光部とを有する。投光部と受光部は、スリット34を挟んで互いに相対する。投光部は、受光部に向けて光を発する。受光部は、投光部からの光を受光すると信号を出力する。受光部は、投光部からの光が遮られると信号の出力を停止する。印刷装置1では、投光部から受光部に向かう光を検出板32が遮ると開閉センサー33からの出力信号が変化する。出力信号の変化によって、検出板32の有無を検出することができる。
【0025】
印刷装置1では、開閉センサー33からの出力信号が開閉情報とされる。開閉センサー33は、検出板32を検出した結果に基づいて開閉情報を出力する。これにより、開閉センサー33が出力する開閉情報に基づいて、開閉カバー22の開閉状態を把握することができる。印刷装置1では、開閉センサー33が検出板32を検出した場合、開閉カバー22が閉じている旨の開閉情報が開閉センサー33から出力される。他方で、開閉センサー33が検出板32を検出しない場合、開閉カバー22が開いている旨の開閉情報が開閉センサー33から出力される。これに基づいて、開閉カバー22の開閉状態をユーザーに知らせることができる。例えば、開閉センサー33が開閉カバー22の開を示す開閉情報を出力した場合、印刷装置1は、開閉カバー22が開いていることをユーザーに通知する。この通知に基づいて、ユーザーは、開閉カバー22を閉じるなどの適切な対応を行うことができる。なお、検出板32は、機械的に検出される構成としてもよい。
【0026】
さらに、第2取っ手25には、図8に示すように、金属プレート36が配置される。金属プレート36は、第2取っ手25に固定される。金属プレート36は、鉄、ニッケル、コバルトなどの磁性体を含む金属で構成される。開閉カバー22が閉じられた状態で金属プレート36に相対する位置に、磁石37が配置される。開閉カバー22を閉じると、金属プレート36が磁石37に相対する。開閉カバー22が閉じられた状態で、金属プレート36には、磁石37による吸着力が作用する。このため、開閉カバー22を閉じた状態を保持しやすい。この結果、印刷装置1に振動や衝撃などが加わった場合に、開閉カバー22が開いてしまうことを抑制しやすい。
【符号の説明】
【0027】
1…印刷装置、2…外装、3…印刷部、7…正面、8…第1外装、9…第2外装、11…印刷ヘッド、12…キャリッジ、19…上面、21…カバー本体部、22…開閉カバー、24…取っ手、25…第2取っ手、26…蓋部材、27…一端、28…前側壁、29…内側面、32…検出板、33…開閉センサー、34…スリット、36…金属プレート、37…磁石。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8