(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079954
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240606BHJP
【FI】
G06Q30/0601 308
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192683
(22)【出願日】2022-12-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】盛岡 実
(72)【発明者】
【氏名】栖原 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB47
5L030BB72
5L049BB47
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】オンライン上で施設等にアクセスした場合にも、真正性を担保された電子印章等のコンテンツデータを出力可能な情報処理方法等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを備える。第1の管理ステップでは、現実の施設そのもの又は施設に関連する物品に基づいて生成された施設情報を、ユーザが観覧可能に管理する。受付ステップでは、施設情報へのアクセスをユーザから受け付ける。出力ステップでは、ユーザが施設情報にアクセスした場合に、施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを出力する。第1の登録ステップでは、コンテンツデータがユーザに所有されることを示す非代替性トークンを生成し、ブロックチェーン上に登録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理方法であって、
次の各ステップを備え、
第1の管理ステップでは、現実の施設そのもの又は施設に関連する物品に基づいて生成された施設情報を、ユーザが観覧可能に管理し、
受付ステップでは、前記施設情報へのアクセスを前記ユーザから受け付け、
出力ステップでは、前記ユーザが前記施設情報にアクセスした場合に、前記施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを出力し、
第1の登録ステップでは、前記コンテンツデータが前記ユーザに所有されることを示す非代替性トークンを生成し、ブロックチェーン上に登録する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、決済ステップでは、
前記コンテンツデータに応じた請求金額を前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させ、
前記ユーザから前記請求金額に対応する決済情報を受信し、
前記出力ステップでは、前記決済情報を受信した場合に、前記コンテンツデータを前記ユーザに対して出力する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、第1の表示制御ステップでは、前記ユーザが前記施設情報にアクセスした場合に、前記施設情報を仮想オブジェクトとして仮想空間内に表示させる、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記施設又は前記物品を3次元計測することによって取得される、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記3次元計測によって取得された3次元点群データに対応して取得され、
前記3次元点群データは、前記施設又は前記物品を包含する最小の直方体の3辺のうち最長の辺の長さをLとした場合に、点同士の平均間隔が、0.01L未満である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の管理ステップでは、前記コンテンツデータに関する説明を含む説明情報を、前記コンテンツデータと紐づけて管理し、
さらに、第2の表示制御ステップでは、前記コンテンツデータとともに前記説明情報を、前記ユーザが視認可能に表示させる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、第2の登録ステップでは、前記ユーザが前記コンテンツデータを有体物として出力した場合に、出力したことを示す出力記録を、前記ブロックチェーン上にさらに登録する、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記施設が、寺社仏閣である、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータが、前記寺社仏閣が発行する御朱印又は授与品のデータである、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、第2の管理ステップでは、複数の前記ユーザを、前記ユーザそれぞれに対して出力された前記コンテンツデータと紐づけて管理する、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、特典付与ステップでは、前記ユーザに対して出力された前記コンテンツデータに基づいて、前記ユーザに特典を付与する、方法。
【請求項12】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、請求項1~請求項11の何れか1項に記載の情報処理方法の各ステップを実行するように構成される、もの。
【請求項13】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項11の何れか1項に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設等を訪問した際に、記念として施設に関連する物品を入手することが行われてきた。特許文献1は、寺社に参拝した際に、御朱印を電子化したデジタル御朱印を提供するデジタル御朱印システムに関する文献である。ユーザの携帯端末に、神社又は寺院に設置された電子印章により、デジタル化された御朱印を提供可能なシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示される公知技術は、実際に寺社を参拝した際にしか電子印章を提供することができない。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、オンライン上で施設等にアクセスした場合にも、真正性を担保された電子印章等のコンテンツデータを出力可能な情報処理方法等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、次の各ステップを備える。第1の管理ステップでは、現実の施設そのもの又は施設に関連する物品に基づいて生成された施設情報を、ユーザが観覧可能に管理する。受付ステップでは、施設情報へのアクセスをユーザから受け付ける。出力ステップでは、ユーザが施設情報にアクセスした場合に、施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを出力する。第1の登録ステップでは、コンテンツデータがユーザに所有されることを示す非代替性トークンを生成し、ブロックチェーン上に登録する。
【0007】
上記態様によれば、オンライン上で施設等にアクセスした場合にも、真正性を担保された電子印章等のコンテンツデータを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置2の機能を示す機能ブロック図である。
【
図5】情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【
図6】ユーザ端末3の表示部34に表示される画面5の一例を示している。
【
図7】ユーザ端末3の表示部34に表示される画面6の一例を示している。
【
図8】ユーザ端末3の表示部34に表示される画面6の一例を示している。
【
図9】ユーザ端末3の表示部34に表示される画面7の一例を示している。
【
図10】ユーザ端末3の表示部34に表示される画面8の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0014】
1.1.情報処理システム1
情報処理システム1は、情報処理装置2と、ユーザ端末3と、ブロックチェーンシステム4と、を備え、これらがネットワーク(電気通信回線)を通じて通信可能に構成される。一態様において、情報処理システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。仮に例えば、情報処理装置2のみからなる場合であれば、情報処理システム1は情報処理装置2となり、ユーザ端末3のみからなる場合であれば、情報処理システム1はユーザ端末3となりうる。以下、これらの各構成要素についてさらに説明する。
【0015】
1.2.情報処理装置2
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0018】
制御部23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)又はプロセッサである。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
1.3.ユーザ端末3
ユーザ端末3は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置2にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0020】
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0021】
表示部34は、ユーザ端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。以下では、表示部34は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものとして説明する。
【0022】
入力部35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0023】
1.4.ブロックチェーンシステム4
ブロックチェーンシステム4は、ブロックチェーンの仕組みを用いて様々な情報を分散させて管理する。ブロックチェーンシステム4は、P2Pネットワーク(P2P=Peer to Peer)によって互いに接続された複数のノード装置を備える。ブロックチェーンシステム4は、過去の処理の履歴等を示すトランザクションデータを一定容量のブロックに区切り、それらのブロックを順番に並べて繋げたブロックチェーンを生成する。ブロックチェーンシステム4は、各ブロックに直前のブロックのハッシュ値を持たせ、生成したブロックチェーンを複数のノード装置のそれぞれに分散させて記憶させる。これにより、ブロックチェーンシステム4は、ブロックチェーンの耐改ざん性を向上させている。
【0024】
2.機能構成
本実施形態の機能構成について説明する。
図4は、情報処理装置2の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、記憶部22に記憶されたソフトウェアによる情報処理がハードウェア(具体的には、制御部23)によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。換言すると、情報処理システム1は、プログラムにおける各機能部を備える。
【0025】
具体的には、制御部23は、各機能部として、管理部231と、受付部232と、表示制御部233と、出力部234と、決済部235と、登録部236と、特典付与部237と、を備える。なお、表示制御部233と、決済部235と、特典付与部237とは、省略可能である。
【0026】
管理部231は、第1又は第2の管理ステップを実行可能に構成される。具体的には、管理部231は、種々の情報を管理するように構成される。一例として、管理部231は、第1の管理ステップとして、現実の施設そのもの又は施設に関連する物品(以下施設等と記載する)に基づいて生成された施設情報を、ユーザが観覧可能に管理する。好ましくは、第1の管理ステップは、コンテンツデータに関する説明を含む説明情報を、コンテンツデータと紐づけて管理する。また、管理部231は、第2の管理ステップとして、複数のユーザを、ユーザそれぞれに対して出力されたコンテンツデータと紐づけて管理する。詳細は後述する。
【0027】
受付部232は、受付ステップを実行可能に構成される。具体的には、受付部232は、通信部21又は記憶部22を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部232は、ユーザ端末3の入力部35を介した、ユーザによる種々の入力を受け付ける。一例として、受付部232は、受付ステップとして、施設情報へのアクセスをユーザから受け付ける。
【0028】
表示制御部233は、第1又は第2の表示制御ステップを実行可能に構成される。具体的には、表示制御部233は、情報処理装置2から受信した若しくは記憶部32に記憶された種々の情報、又はこれらを含む画面、画像等を、ユーザ端末3で視認可能な態様で表示させる。例えば、表示制御部233は、画面、静止画又は動画を含む画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ユーザ端末3の表示部34に表示させるように制御する。表示制御部233は、視覚情報をユーザ端末3に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。
【0029】
出力部234は、情報処理に伴う種々の情報又は電気信号を出力するように構成される。好ましくは、出力部234は、出力ステップとして、ユーザが施設情報にアクセスした場合に、施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを出力する。詳細は後述する。
【0030】
決済部235は、決済ステップを実行可能に構成される。決済部235は、決済ステップにおいて、コンテンツデータに応じた請求金額をユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させ、ユーザから請求金額に対応する決済情報を受信する。
【0031】
登録部236は、登録ステップを実行可能に構成される。具体的には、登録部236は、登録ステップにおいて、種々の情報をブロックチェーンシステム4に送信することで、送信した情報を、ブロックチェーンに登録する。なお、ブロックチェーンに登録する情報は、同一のトークンに記述されてもよいし、それぞれ異なるトークンに記述するものであってもよい。
【0032】
特典付与部237は、特典付与ステップとして、ユーザに種々の特典を付与するように構成される。特典とは、実空間又は仮想空間においてユーザが享受することのできる、何らかの利益である。物や媒体に限らず、ユーザに与えられる有利な効果等も含まれる。一例として、特典付与部237は、特典付与ステップにおいて、施設に割引価格で入場できる割引クーポンをユーザに付与する。詳細は後述する。
【0033】
3.情報処理の詳細
本節では、図を参照しながら、情報処理システム1が実行する情報処理方法の流れについて説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、次の各ステップ(アクティビティ)を備える。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0034】
3.1.情報処理の概要
図5は、情報処理システム1において実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【0035】
まず、表示制御部233は、ユーザ端末3の表示部34に、ユーザが視認可能な態様で施設情報の入口画面を表示させる(A101)。例えば、表示制御部233は、ユーザ端末3を介して、施設情報へのアクセス要求をユーザから受け付けると、ユーザ端末3の表示部34にユーザが視認可能な態様で施設情報の入口画面を表示させる。施設情報の入口画面の詳細については、後に詳述する。
【0036】
施設情報は、施設等に基づいて生成された情報であり、管理部231では、第1の管理ステップとして、施設情報を、ユーザが観覧可能に管理する。管理部231が管理する施設情報には、施設名、施設所在地、施設の説明情報、施設の位置情報等ともに、施設の視覚情報が含まれる。さらに、施設に関連する物品がある場合には、施設情報は、施設そのものとともに、施設に関連する物品の物品名、物品の説明情報、物品の位置情報等、物品の視覚情報を含む。
【0037】
現実の施設そのものとは、実在する建造物や構造物、観光スポット、名勝、景勝地、街並み及び家並み等、並びにそれらの外観や内部の何れかである。施設は、例えば、城や歴史的な建物(例えば首里城や原爆ドーム等)である。例えば、施設は、寺社仏閣であってもよい。寺社仏閣の場合、施設そのものとは、当該寺社仏閣の建造物や庭園等をいう。
【0038】
施設に関連する物品は、施設が所蔵する所蔵品(例えば、アート作品、仏像、彫刻等)、施設内に植生している植物でもよい。施設に関連する物品は、施設に関連する芸能(例えば踊りや音楽)、年中行事、宗教儀礼等及びこれらに関連する衣服、器具等であってもよい。例えば、寺社仏閣に関連する物品としては、仏像や彫刻、仏画、古文書等である。また、寺社仏閣に関連する年中行事や宗教儀礼及びこれらに関する衣服や器具であってもよい。
【0039】
現実の施設そのもの又は施設に関連する物品を撮像又はスキャニングしたデータを加工したものとは、データそのものではなく、データを加工したものも含む。例えば、施設の過去や未来の形態に、データを加工したものであってもよい。例えば、寺社仏閣の現在のデータに基づき、創建当時の姿を復元する加工をしたデータ等であってもよい。
【0040】
次に、受付部232は、受付ステップとして、施設情報へのアクセスをユーザから受け付ける(A102)。ここで、受付部232は、ユーザからユーザのウォレット情報やユーザ識別情報を受け付けてもよい。ウォレット情報やユーザの識別情報は、不図示のサーバ又はブロックチェーンシステム4から適宜取得されるとよい。
【0041】
次に、表示制御部233は、第1の表示制御ステップとして、ユーザが施設情報にアクセスした場合に、施設情報を仮想オブジェクトとして仮想空間内に表示させてもよい(A103)。施設情報が仮想オブジェクトとして表示されることで、ユーザは施設のことをよく理解することができる。
【0042】
ここで、仮想オブジェクトとは、例えば、施設等を撮像又はスキャニングしたデータに基づいて生成された情報である。仮想オブジェクトは、施設又は物品を3次元計測することによって取得されるものであってもよい。3次元計測は、例えば、レーザスキャナやフォトメタグラフィ等により実施することができる。例えば、3D(three-Dimensional)レーザスキャナにより、機材の原点に対して,現実の施設そのもの又は施設に関連する物品のX,Y,Zの距離座標をレーザーの反射時間から距離に換算して求めることにより3次元計測がされてもよい。また、例えば、フォトメタグラフィにより、複数の異なる視点から得た可視画像の中の特徴点を決めて,角度の異なる複数の写真からその位置を計算によって3次元計測がされてもよい。
【0043】
さらに、仮想オブジェクトは、3次元計測によって取得された3次元点群データに対応して取得されてもよい。3次元点群データは、施設等の3次元の形状を示す複数点のデータの集合であり、各点の位置を示す計測データ(相対的又は絶対的な座標情報)と、各点の色情報とを含みうる。点群データから仮想オブジェクトを作成する際は、得られた点群密度をそのまま反映して仮想オブジェクトが作成されてもよいし、適宜、この点群密度を調整した上で仮想オブジェクトが作成されてもよい。また、点群データに含まれる色彩に関する情報をそのまま反映して仮想オブジェクトが作成されてもよいし、色彩に関する情報を調整した上で仮想オブジェクトが作成されてもよい。
【0044】
3次元点群データは、点同士の平均間隔が狭いほど、高精細な仮想オブジェクトを生成することができる。点同士の平均間隔は1cm未満、好ましくは1mm未満、さらに好ましくは0.30mm未満である。具体的には例えば、点同士の平均間隔は、10,9,8,7,6,5,4,3,2,1,0.9,0.8,0.7,0.6,0.5,0.4,0.3,0.2,0.1,0.09,0.08,0.07,0.06,0.05,0.04,0.03,0.02,0.01mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0045】
表1は、施設等の大きさに対する、好ましい点同士の平均間隔の一例を示す。施設等の大きさをL(m)とし、点同士の平均間隔をd(m)とする。ここで、施設等の大きさL(m)とは、前記施設又は前記物品を包含する最小の直方体の3辺のうち最長の辺の長さとする。表1は、大きさLが5m以上の場合には、地上型レーザスキャナを、大きさLが5m以下の場合には、アーム型レーザスキャナを使用した場合について、施設等と点同士の平均間隔の関係を示している。3次元点群データは、点同士の平均間隔dが、0.01L未満が好ましい。また、施設等の大きさが大きくなると、生成した仮想オブジェクトのデータ容量が大きくなる。そこで、点同士の平均間隔は、仮想オブジェクトを活用しやすいデータ容量とすることがさらに好ましい。3次元点群データは、点同士の平均間隔が、0.0000025L以上0.01L未満であることがさらに好ましい。
【0046】
【0047】
次に、出力部234は、出力ステップとして、ユーザが施設情報にアクセスした場合に、施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを出力する(A107)。コンテンツデータの出力画面については、後に詳述する。コンテンツデータは、施設に関連するコンテンツのデータである。施設に関連するコンテンツとは、施設に関連する商品等であり、例えば、施設で販売される土産品や授与品である。コンテンツデータは、これらのコンテンツに基づいて生成することができる。例えば、コンテンツをスキャニング等することにより、視覚情報に変換されたコンテンツデータを生成することができる。例えば、施設が寺社仏閣であれば、土産品として、当該寺社仏閣の建造物や仏像等に関連するものがあり、授与品として御朱印やお守り、絵馬、破魔矢、御札、記念スタンプ等がある。コンテンツデータが、寺社仏閣が発行する御朱印又は授与品のデータであってもよい。
【0048】
出力ステップは、ユーザの識別情報やアクセスした日時に応じて、コンテンツデータを加工した上で出力することもできる。例えば、コンテンツデータは、ユーザが施設にアクセスした日時を含むものとすることができる。また、コンテンツデータは、ユーザの氏名を含むものとすることができる。このような態様により、ユーザにとって、より特別なコンテンツデータとすることができる。
【0049】
ここで、コンテンツデータを有償で発行することもできる。その場合には、まず、表示制御部は、発行可能なコンテンツデータを、ユーザが視認可能な態様で表示させる(A104)。決済部235は、決済ステップとして、コンテンツデータに応じた請求金額をユーザが所有する端末の画面を介して、ユーザが視認可能に表示させる(A105)。コンテンツデータに応じた請求金額は、予め定められ、施設情報とともに管理部231に管理されるものであってもよい。次に、決済部235は、ユーザから請求金額に対応する決済情報を受信する(A106)。決済部235は、スマートコントラクトを用いて、ユーザの識別情報に紐付けられたウォレットアドレスから、決済情報を受信することもできる。次に、出力部234は、出力ステップとして、決済情報を受信した場合に、コンテンツデータをユーザに対して出力する(A107)。
【0050】
次に、登録部236は、第1の登録ステップとして、コンテンツデータがユーザに所有されることを示す非代替性トークンを生成し、ブロックチェーンシステム4上に登録する(A108)。登録部236は、コンテンツデータに、ユーザがコンテンツデータの所有者であることを示す所有権情報等を紐付けて、ブロックチェーンシステム4上に登録する。ここで、所有権情報とともに、コンテンツデータの発行元とユーザの間の契約内容を登録してもよい。
【0051】
さらに、管理部231は、第2の管理ステップとして、複数のユーザを、ユーザそれぞれに対して出力されたコンテンツデータと紐づけて管理する(A109)。管理部231は、第2の管理ステップとして、ユーザ識別情報と、出力されたコンテンツデータとを一覧にして管理することができる。
【0052】
さらに、以下のA110~A111の処理と、A112~A113の処理とが、並行して実行されてもよい。
登録部236は、第2の登録ステップとして、ユーザがコンテンツデータを有体物として出力したかどうかを判定する(A110)。ユーザがコンテンツデータを有体物として出力したことを受け付けると、次に、出力したことを示す出力記録を、ブロックチェーンシステム4上にさらに登録する(A111)。出力部234は、コンテンツデータの発行時に有体物への出力に関して条件を定めることもできる。登録部236は、第2の登録ステップとして、コンテンツデータが有体物として、出力されたことを判定すると、その旨を示す出力記録をブロックチェーンシステム4に登録することができる。出力方法としては、紙への印刷他、3Dプリンタによる印刷も含む。3Dプリンタを使用すれば、仏像のレプリカ等を出力することもできる。出力時には、コンテンツデータの識別情報と所有権情報等を印字することもできる。例えば、寺社仏閣で発行される御朱印や御札、仏像等に関して、有体物として出力して、神棚や仏壇に飾りたいというニーズがある。コンテンツデータの発行時に寺社仏閣から有体物への出力も認められていることで、ユーザは出力した御朱印や御札、仏像等を寺社仏閣から授与されたものと感じることができる。
【0053】
特典付与部237は、特典付与ステップとして、ユーザが現実の施設に訪れたかどうかを判定する(A112)。特典付与部237は、ユーザが現実の施設に訪れたと判断した場合、ユーザに対して出力されたコンテンツデータに基づいて、ユーザに特典を付与する(A113)。特典付与部237は、施設が発行したコンテンツデータを所有するユーザが、現実の施設に訪れたことを判定すると、当該ユーザに対し、現実の施設の入場料の割引クーポン、商品や授与品の割引クーポン等の特典を付与することができる。
【0054】
3.2 情報処理の詳細
前述した情報処理の詳細について、
図6~
図10を参照しながら説明する。
図6は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面5の一例を示している。
図7及び
図8は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面6の一例を示している。
図9は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面7の一例を示している。
図10は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面8の一例を示している。
【0055】
<施設情報の入口画面>
図6は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面5の一例を示している。画面5は、ボタン51を含む。画面5は、施設情報の入口画面であり、施設情報の一部を含んでもよい。ユーザが、ボタン51を押下すると、受付部232は、受付ステップとして、施設情報へのアクセスをユーザから受け付ける。ユーザは、ボタン51を押下することにより、オンラインで〇〇寺の施設情報を観覧することができる。ここで、受付部232は、ボタン51の押下を受け付けた場合に、ユーザからユーザ識別情報やユーザのウォレット情報を受け付けてもよい。施設情報にアクセスするユーザのユーザ識別情報等を受け付けることにより施設情報にアクセスしたユーザの識別情報等を管理することができる。また、出力部234は、ユーザから施設へのアクセスを受け付けた場合に、受付画面から施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを、ユーザ端末3に出力してもよい。
【0056】
<施設情報の表示画面>
図7及び
図8は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面6の一例を示している。ユーザから施設へのアクセスを受け付けた場合に、表示制御部233は、ユーザ端末3に、ユーザが視認可能な態様で施設情報を表示させる。施設情報は、仮想オブジェクトとして仮想空間内に表示させてもよい。このような態様により、ユーザは、ユーザ端末3を介して、施設情報を観覧することができる。
【0057】
図7は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面6の一例を示している。画面6は、物品61と、物品62と、物品63と、物品64と、物品65と、コンテンツデータ発行場所66と、を含む。
図7には、ユーザが、アクセスした〇〇寺の施設情報が、観覧マップとして表示されている。施設情報は、ユーザから物品61を押下されると門についての詳細な施設情報を観覧可能に構成され、物品62を押下されると、観音堂についての詳細な施設情報を観覧可能に構成される。画面6は、順路にしたがって、物品61から順に物品62、物品63、物品64、物品65、コンテンツデータ発行場所66と観覧して回ることもできる構成にしてもよいし、ユーザが観覧したい物品のみを観覧できるように構成してもよい。観覧の最後にコンテンツデータ発行場所66でコンテンツデータを発行させてもよいし、ユーザの希望するタイミングでコンテンツデータを発行させてもよい。
【0058】
図8、ユーザ端末3の表示部34に表示される物品62を観覧中の画面6の一例を示している。例えば、
図7において、ユーザにより、物品62を選択された場合、表示制御部233は、物品62の詳細な施設情報を表示させる。
図8の画面6は、物品62と、ボタン620と、ボタン621と、拡大ボタン622と、縮小ボタン623と、施設名624と、物品名625と、物品説明626と、ボタン627と、ボタン628と、コンテンツデータ発行リンク629と、を含む。
例えば、画面6には、現実の施設である〇〇寺の観音堂に安置された千手観音像の仮想オブジェクトが表示されている。仮想オブジェクトは、3次元点群データに対応付けられた3次元仮想オブジェクトであってもよい。3次元点群データに対応付けられた3次元仮想オブジェクトを用いることで、ユーザは、本物と同様の形状の物品を観覧することができる。寺社仏閣においては、仏像は暗いところに安置され、近くで観覧できないことも多いため、ユーザは実際に訪問した場合以上に、詳細に物品を観覧することも可能となる。
【0059】
受付部232は、受付ステップとして、ユーザの端末に表示された仮想オブジェクトに対するユーザからの入力を受け付け、表示制御部233は、表示制御ステップとして、ユーザからの入力に応じて、仮想オブジェクトの向き又は大きさを変更してユーザ端末に表示させることができる。例えば、ボタン620、ボタン621、拡大ボタン622、縮小ボタン623等により仮想オブジェクトを回転、拡大、縮小することができる。また、このようなボタンを設置せず、ユーザが、ユーザ端末のタッチディスプレイにおいて、指を動かし回転や拡大縮小の指示を入力すると、それに合わせてユーザ端末に表示される仮想オブジェクトを回転させたり、拡大縮小したりすることができるように構成されてもよい。
【0060】
図8には、施設名624と、物品名625と、物品説明626等、施設情報も表示させてもよい。また、ボタン627やボタン628を設けて、同一施設内の他の施設情報を表示させることもできる。コンテンツデータ発行リンク629の押下を受け付けることで、コンテンツデータを発行させることもできる。
【0061】
<コンテンツデータの表示画面>
管理部231は、第1の管理ステップにおいて、コンテンツデータに関する説明を含む説明情報を、コンテンツデータと紐づけて管理してもよい。さらに、表示制御部233は、第2の表示制御ステップとして、コンテンツデータとともに説明情報を、ユーザが視認可能に表示させてもよい。管理部231は、コンテンツデータに関する説明として、施設名、施設に関連する物品の説明、コンテンツデータのコンテンツ名、コンテンツの由来、コンテンツの記載内容等を管理してもよい。
図9は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面7の一例を示している。画面7は、コンテンツデータ71と、訪問日72と、施設名73と、コンテンツの種別74と、コンテンツの説明75と、発行ボタン76とを含む。ユーザは、コンテンツデータを出力する場合に、コンテンツデータとともに、コンテンツデータの説明を確認することができる。このような態様により、ユーザにコンテンツデータの価値を伝えることができる。例えば、御朱印のコンテンツデータには、朱印とともに、アクセスした寺社仏閣の名称や参拝日、当該寺社仏閣の神様や仏様の名称が記載されている。しかし、御朱印を見慣れないユーザには、御朱印に何が記載されているか分からない場合がある。表示制御部233が、御朱印に記載された内容や、その御利益についての説明をユーザが視認可能な態様で表示させることで、ユーザに御朱印の価値を伝えることできる。
【0062】
<所有するコンテンツデータの確認画面>
管理部231は、第2の管理ステップとして、複数のユーザを、ユーザそれぞれに対して出力されたコンテンツデータと紐づけて管理してもよい。したがって、表示制御部233は、コンテンツデータの発行時だけでなく、コンテンツデータの発行後にもユーザの求めに応じて、ユーザが所有するコンテンツデータをユーザが視認可能な態様で表示させることができる。
【0063】
図10は、ユーザ端末3の表示部34に表示される画面8の一例を示している。画面8は、コンテンツ81と、コンテンツ82と、コンテンツ83と、を含む。画面8は、コンテンツ81の説明として、訪問日811と、施設名812と、コンテンツの種別813と、コンテンツの説明814と、コンテンツの説明815と、料金816と、出力回数817と、を含む。
図10は、ユーザが、コンテンツ81と、コンテンツ82と、コンテンツ83と、を所有している場合の保有コンテンツデータの一覧画面である。ユーザが、現実の施設を訪問した場合に、スタンプ帳や御朱印帳等でお土産や記念品を一覧保管することが行われている。このような態様により、ユーザが、オンラインで訪問した施設のコンテンツデータを一覧可能に保管することが可能となる。
【0064】
4.変形例
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0065】
他の例として、管理部231では、施設等に基づいて生成された施設情報を、GPSにより測位される位置情報と、紐づけて管理してもよい。このような態様によりユーザは施設情報をユーザ端末上で位置情報に基づき、観覧することができる。
【0066】
他の例として、表示制御部233は、施設等に基づいたイベントを生成してもよい。例えば、表示制御部233は、年中行事や宗教儀礼を体験させるイベントを生成してもよい。例えば、表示制御部233は、施設が寺社仏閣の場合には、コンテンツデータの発行の際に、ユーザが賽銭を投入するイベントや祈祷を受けるイベントを生成し、表示させることができる。表示制御部233は、仮想空間内でイベントを表示させることにより、ユーザに施設を訪問したと感じさせることができる。
【0067】
本実施形態では説明の便宜上、施設情報が記憶部22に記憶されているが、これに限られず、施設情報は、情報処理システム1に含まれていなくてもよい。また、上記の実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。例えば、ブロックチェーン技術等を用いて、施設情報の学習済みモデル、ユーザから受け付けた情報等を、分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0068】
本実施形態では、管理部231と、受付部232と、表示制御部233と、出力部234と、決済部235と、登録部236と、特典付与部237とを、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ユーザ端末3又はブロックチェーンシステム4によって実現される機能部として実施してもよい。
【0069】
実施形態の別の一態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータであるユーザ端末3に、情報処理システム1における各ステップを実行させる。
【0070】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0071】
(1)情報処理方法であって、次の各ステップを備え、第1の管理ステップでは、現実の施設そのもの又は施設に関連する物品に基づいて生成された施設情報を、ユーザが観覧可能に管理し、受付ステップでは、前記施設情報へのアクセスを前記ユーザから受け付け、出力ステップでは、前記ユーザが前記施設情報にアクセスした場合に、前記施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを出力し、第1の登録ステップでは、前記コンテンツデータが前記ユーザに所有されることを示す非代替性トークンを生成し、ブロックチェーン上に登録する、方法。
【0072】
このような態様によれば、オンライン上で施設等にアクセスした場合にも、真正性を担保された電子印章等のコンテンツデータを出力することができる。
【0073】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、さらに、決済ステップでは、前記コンテンツデータに応じた請求金額を前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させ、前記ユーザから前記請求金額に対応する決済情報を受信し、前記出力ステップでは、前記決済情報を受信した場合に、前記コンテンツデータを前記ユーザに対して出力する、方法。
【0074】
このような態様によれば、ユーザに対し、コンテンツを有償で提供することができる。
【0075】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理方法において、さらに、第1の表示制御ステップでは、前記ユーザが前記施設情報にアクセスした場合に、前記施設情報を仮想オブジェクトとして仮想空間内に表示させる、方法。
【0076】
このような態様によれば、ユーザに対し、仮想空間内で施設情報を仮想オブジェクトとして表示させることができる。
【0077】
(4)上記(3)に記載の情報処理方法において、前記仮想オブジェクトは、前記施設又は前記物品を3次元計測することによって取得される、方法。
【0078】
このような態様によれば、ユーザに対し、施設又は物品を3次元計測することによって取得された仮想オブジェクトを表示させることができる。
【0079】
(5)上記(4)に記載の情報処理方法において、前記仮想オブジェクトは、前記3次元計測によって取得された3次元点群データに対応して取得され、前記3次元点群データは、前記施設又は前記物品を包含する最小の直方体の3辺のうち最長の辺の長さをLとした場合に、点同士の平均間隔が、0.01L未満である、方法。
【0080】
このような態様によれば、ユーザに対し、仮想オブジェクトを高精細な画質で表示させることができる。
【0081】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第1の管理ステップでは、前記コンテンツデータに関する説明を含む説明情報を、前記コンテンツデータと紐づけて管理し、さらに、第2の表示制御ステップでは、前記コンテンツデータとともに前記説明情報を、前記ユーザが視認可能に表示させる、方法。
【0082】
このような態様によれば、ユーザに対し、コンテンツデータとともにコンテンツデータの説明情報を表示することができる。
【0083】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理方法において、さらに、第2の登録ステップでは、前記ユーザが前記コンテンツデータを有体物として出力した場合に、出力したことを示す出力記録を、前記ブロックチェーン上にさらに登録する、方法。
【0084】
このような態様によれば、ユーザがコンテンツデータを有体物として出力した場合に、出力したことを示す出力記録をブロックチェーンに登録することができる。
【0085】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記施設が、寺社仏閣である、方法。
【0086】
このような態様によれば、ユーザは現実の寺社仏閣そのもの又は寺社仏閣に関連する物品を撮像又はスキャニングした施設情報にアクセスした場合に、当該寺社仏閣が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータ(ユーザに所有であることを示す非代替性トークンがブロックチェーン上に登録されたもの)を入手することができる。
【0087】
(9)上記(8)に記載の情報処理方法において、前記コンテンツデータが、前記寺社仏閣が発行する御朱印又は授与品のデータである、方法。
【0088】
このような態様によれば、ユーザは現実の寺社仏閣そのもの又は寺社仏閣に関連する物品を撮像又はスキャニングした施設情報にアクセスした場合に、当該寺社仏閣が発行可能な御朱印又は授与品のデータ(ユーザに所有であることを示す非代替性トークンがブロックチェーン上に登録されたもの)を入手することができる。
【0089】
(10)上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理方法において、さらに、第2の管理ステップでは、複数の前記ユーザを、前記ユーザそれぞれに対して出力された前記コンテンツデータと紐づけて管理する、方法。
【0090】
このような態様によれば、各ユーザに対して出力されたコンテンツデータを管理することができる。例えば、各ユーザに対して出力された御朱印のデータを管理することができる。
【0091】
(11)上記(1)~(10)の何れか1つに記載の情報処理方法において、さらに、特典付与ステップでは、前記ユーザに対して出力された前記コンテンツデータに基づいて、前記ユーザに特典を付与する、方法。
【0092】
このような態様によれば、ユーザに対して出力されたコンテンツデータに基づいて、ユーザに特典を付与することができる。例えば、ユーザに対して出力されたコンテンツデータに基づいて、ユーザが実際にその施設を訪問する際に、割引価格で入場可能とするクーポンを発行することができる。
【0093】
(12)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、上記(1)~(11)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行するように構成される、もの。
【0094】
このような態様によれば、オンライン上で施設等にアクセスした場合にも、真正性を担保された電子印章等のコンテンツデータを出力することができる。
【0095】
(13)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(11)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、もの。
【0096】
このような態様によれば、オンライン上で施設等にアクセスした場合にも、真正性を担保された電子印章等のコンテンツデータを出力することができる。
もちろん、この限りではない。なお、上記(1)~(13)は、互いに任意に組合せることができる。例えば、(1)、(2)及び(3)という組合せが実施されてもよい。
【0097】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :管理部
232 :受付部
233 :表示制御部
234 :出力部
235 :決済部
236 :登録部
237 :特典付与部
3 :ユーザ端末
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
4 :ブロックチェーンシステム
5 :画面
51 :ボタン
6 :画面
61 :物品
62 :物品
620 :ボタン
621 :ボタン
622 :拡大ボタン
623 :縮小ボタン
624 :施設名
625 :物品名
626 :物品説明
627 :ボタン
628 :ボタン
629 :コンテンツデータ発行リンク
63 :物品
64 :物品
65 :物品
66 :コンテンツデータ発行場所
7 :画面
71 :コンテンツデータ
72 :訪問日
73 :施設名
74 :コンテンツの種別
75 :コンテンツの説明
76 :発行ボタン
8 :画面
81 :コンテンツ
811 :訪問日
812 :施設名
813 :コンテンツの種別
814 :説明
815 :説明
816 :料金
817 :出力回数
82 :コンテンツ
83 :コンテンツ
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
次の各ステップを備え、
第1の管理ステップでは、現実の施設そのもの又は施設に関連する物品に基づいて生成された施設情報を、ユーザが観覧可能に管理し、
受付ステップでは、前記施設情報へのアクセスを前記ユーザから受け付け、
出力ステップでは、前記ユーザが前記施設情報にアクセスした場合に、前記施設が発行可能なコンテンツに関するコンテンツデータを出力し、
第1の登録ステップでは、前記コンテンツデータが前記ユーザに所有されることを示す非代替性トークンを生成し、ブロックチェーン上に登録し、
第2の登録ステップでは、前記ユーザが前記コンテンツデータを有体物として出力した場合に、出力したことを示す出力記録を、前記ブロックチェーン上にさらに登録する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、決済ステップでは、
前記コンテンツデータに応じた請求金額を前記ユーザが所有する端末の画面を介して、前記ユーザが視認可能に表示させ、
前記ユーザから前記請求金額に対応する決済情報を受信し、
前記出力ステップでは、前記決済情報を受信した場合に、前記コンテンツデータを前記ユーザに対して出力する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、第1の表示制御ステップでは、前記ユーザが前記施設情報にアクセスした場合に、前記施設情報を仮想オブジェクトとして仮想空間内に表示させる、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記施設又は前記物品を3次元計測することによって取得される、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法において、
前記仮想オブジェクトは、前記3次元計測によって取得された3次元点群データに対応して取得され、
前記3次元点群データは、前記施設又は前記物品を包含する最小の直方体の3辺のうち最長の辺の長さをLとした場合に、点同士の平均間隔が、0.01L未満である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の管理ステップでは、前記コンテンツデータに関する説明を含む説明情報を、前記コンテンツデータと紐づけて管理し、
さらに、第2の表示制御ステップでは、前記コンテンツデータとともに前記説明情報を、前記ユーザが視認可能に表示させる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記施設が、寺社仏閣である、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法において、
前記コンテンツデータが、前記寺社仏閣が発行する御朱印又は授与品のデータである、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、第2の管理ステップでは、複数の前記ユーザを、前記ユーザそれぞれに対して出力された前記コンテンツデータと紐づけて管理する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理方法において、
さらに、特典付与ステップでは、前記ユーザに対して出力された前記コンテンツデータに基づいて、前記ユーザに特典を付与する、方法。
【請求項11】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、請求項1~請求項10の何れか1項に記載の情報処理方法の各ステップを実行するように構成される、システム。
【請求項12】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1項に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。