(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079967
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】クロロプレンゴム組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 11/00 20060101AFI20240606BHJP
C08K 5/103 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
C08L11/00
C08K5/103
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192718
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】三好 雄次
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AC091
4J002EH046
4J002GM00
4J002GN00
(57)【要約】
【課題】ゴムの成形性、減衰性、耐熱性の向上をバランス良く満足せしめるセンターベアリングサポート用成形材料として用いられるゴム組成物を提供する。
【解決手段】クロロプレンゴム100重量部当りグリセリントリ脂肪酸エステル系可塑剤を4~55重量部配合せしめたクロロプレンゴム組成物。このクロロプレンゴム組成物は、クロロプレンポリマーの持つ減衰性をある一定以上損なうことなく、成形性を良化させることが可能であり、ゴムの耐熱性向上効果を奏するので、センターベアリングサポート成形材料として有効に用いられる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロロプレンゴム100重量部当りグリセリントリ脂肪酸エステル系可塑剤を4~55重量部配合せしめたクロロプレンゴム組成物。
【請求項2】
グリセリントリ脂肪酸エステルが植物性天然油である請求項1記載のゴム組成物。
【請求項3】
植物性天然油が菜種油である請求項1記載のゴム組成物。
【請求項4】
センターベアリングサポート成形材料として用いられる請求項1、2または3記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項4記載のゴム組成物を加硫成形して得られたセンターベアリングサポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロプレンゴム組成物に関する。さらに詳しくは、高減衰性能にすぐれたクロロプレンゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
センターベアリングサポートは、車のプロペラシャフトに発生する振動のボディへの伝達を低減し、車室内へのこもり音等の振動騒音を低減させる部品である。この製品機能を満足させるためのゴム性能の一つとして、高減衰性能が求められている。
【0003】
かかる減衰性向上のためには、使用するポリマーおよびカーボンブラック(補強剤)の種類と添加量増を検討することが考えられるが、生産に当っては成形性、特にインジェクション成形性や、近年求められている耐熱性レベルの向上が、生産性向上とともに追加特性として合わせて求められるケースが多く存在している。
【0004】
ここで、使用されるポリマーとしてはブチルゴムやクロロプレンゴムなどが、またカーボンブラックとして粒径の小さい耐摩耗性カーボンブラックを多量に配合する手法などが一般的であるが、この手法のみの場合には、減衰性能は上昇する一方で、成形性において問題となる生地のスコーチ性悪化や粘度の上昇を伴なってしまい、それによりインジェクション成形性の悪化につながるといった場合がある。
【0005】
また、補強剤の増量に伴いゴム内部発熱も上昇することが考えられ、それによる耐熱性の悪化につながるといった懸念もある。
【0006】
したがって、インジェクション成形性を良化させるためには、生地粘度の低減とスコーチ性の悪化を防ぐ必要があり、これに対しては可塑剤が配合されるといった手法が用いられる。一般的に用いられる可塑剤としては、石油精製品であるパラフィンオイルやアロマオイルといった炭化水素系のものや合成油のエステル系のものが挙げられ、種類によって配合に伴う効果が異なってくるものの、一般的には配合によってゴムの成形性が良化するが、減衰性能および耐熱性の維持もしくは向上を達せしめることは難しく、これらを両立させることは困難である。
【0007】
さらに近年の環境問題に対し、石油精製油や合成油は化石燃料を経由して産出されることから、今後の使用に対して懸念される原料になっている。
【0008】
本出願人は先に、耐熱性、耐オゾン性、耐寒性および金属あるいは樹脂との接着性を同時に満足せしめるゴム材料として、クロロプレンゴム99~85重量%および塩素化ポリエチレンゴム1~15重量%よりなるブレンドゴム100重量部当り、(A)分子量450~650のポリエーテルエステル系可塑剤10~30重量部または(B)分子量450~900のポリエーテルエステル系可塑剤と分子量350~500のポリエーテルエステル系可塑剤以外のエステル系可塑剤との両者10~30重量部および2種以上の芳香族アミン系老化防止剤3~10重量部を含有するゴム組成物を提案している(特許文献1)。
【0009】
かかる組成物は、センターベアリングサポート用成形材料として用いた場合には、空気熱老化性の点でさらなる性能の向上が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ゴムの成形性、減衰性、耐熱性の向上をバランス良く満足せしめるセンターベアリングサポート用成形材料として用いられるゴム組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる本発明の目的は、クロロプレンゴム100重量部当りグリセリントリ脂肪酸エステル系可塑剤を4~55重量部配合せしめたクロロプレンゴム組成物によって達成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るクロロプレンゴム組成物は、可塑剤としてグリセリントリ脂肪酸エステルを所定量配合させることにより、クロロプレンポリマーの持つ減衰性をある一定以上損なうことなく、成形性を良化させることが可能であり、また他の可塑剤を配合した場合と比較してゴムの耐熱性向上および可塑化効果(ゴム硬さの低減)にも有効であるといったすぐれた効果を奏する。かかる効果は、グリセリントリ脂肪酸エステルの化学構造が起因していると考えられ、グリセリンの水酸基部分が脂肪酸エステルとなっている構造により、減衰性の維持とポリマーへの相溶性の向上という両特性を同時に発現させるのに有効であるものと推測される。
【0014】
また、菜種油を代表とする植物性天然油の主成分であるグリセリントリ脂肪酸エステルは、化石燃料を経由して産出される石油精製・合成油と比較して、バイオマス原料として環境に優しい天然油であるといった利点も有している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
クロロプレンゴムは、クロロプレンの重合によって得られる合成ゴムであれば特に制限なく用いることができるが、市販品であるデンカ製品DCR-70、DR31、DORDM40、東ソー製品TSR44、TSR54等をそのまま用いることができる。
【0016】
クロロプレンゴムには、可塑剤としてグリセリントリ脂肪酸エステルが配合される。これはクロロプレンゴム100重量部に対し、4~55重量部、好ましくは5~50重量部、さらに好ましくは5~25重量部の配合割合で用いられる。グリセリントリ脂肪酸エステルがこれより少ない割合で用いられると、成形性が悪化するようになり、一方これより多い割合で用いられると、粘着性増加に伴うハンドリング性が悪化する場合がある。
【0017】
グリセリントリ脂肪酸エステル可塑剤を必須成分とするクロロプレンゴム組成物には、本発明の特徴を損なわない範囲で、必須成分以外の添加剤を含有させることができる。かかる添加剤としては、加硫剤、受酸剤、老化防止剤、グリセリントリ脂肪酸エステル以外の加工助剤、難燃剤、充填剤等のゴム工業で一般的に用いられる添加剤が挙げられ、これらは1種または2種以上を組み合わせ、必要に応じて用いることができる。
【0018】
加硫剤としては、用いられるクロロプレンゴムの種類に応じて、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、四酸化三鉛、一酸化鉛(リサージ)、イオウ、含イオウ化合物、有機過酸化物等が用いられる。含イオウ化合物、好ましくは有機含イオウ化合物としては、チオウレア系加硫剤、メルカプトトリアジン系加硫剤、ジメチルジチオカルバミン酸セレン等が挙げられる。有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジ第3ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド、1,3-ジ(第3ブチルパーオキシ)イソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、m-トレイルパーオキサイド、ジプロピオニルパーオキサイド等が挙げられる。これらの加硫剤は、ゴム100重量部当り約1~20重量部、好ましくは約2~15重量部の割合で用いられる。また、加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、トリメチルチオウレア、ニッケルジブチルジチオカーバメート等が用いられる。
【0019】
受酸剤としては2価金属の酸化物または水酸化物が用いられ、例えば酸化マグネシウム、好ましくは酸化マグネシウムと酸化亜鉛とが組み合わせて用いられる。この他、ハイドロタルサイト等も用いられる。
【0020】
受酸剤は、クロロプレンゴム100重量部に対し、例えば5~15重量部、好ましくは7~10重量部の割合で用いられる。
【0021】
老化防止剤としては、好ましくは芳香族アミン系老化防止剤を用いることにより、架橋特性に悪影響を及ぼすことなく、良好な耐熱老化性を付与することができる。
【0022】
芳香族アミン系老化防止剤としては、N-1,3-ジメチルブチル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、4,4'-ジオクチルジフェニルアミン等が挙げられ、スチレン化ジフェニルアミン等も用いられる。
【0023】
これらの芳香族アミン系老化防止剤は、市販品、例えば大内新興化学工業製品ノクラック6C、ノクラックODA-N、ノクラックAD-F、ノクラックCD、ノクラックTD、精工化学製品ノンフレックスOD-3、ノンフレックスDCO、ステアラーLAS、川口化学工業製品アンテージDDA等をそのまま用いることができる。
【0024】
芳香族アミン系老化防止剤は、1種または2種以上を選択して用いることができ、クロロプレンゴム100重量部に対し0.5~10重量部、好ましくは2~6重量部の割合で用いられる。
【0025】
芳香族アミン系老化防止剤以外の老化防止剤を用いることもでき、モノ(α-メチルベンジル)フェノール、2,6-ジ-第3ブチル-4-メチルフェノール、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-第3ブチル)フェノール等のフェノール系老化防止剤、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトメチルベンズイミダゾール等のイミダゾール系老化防止剤等が用いられる。
【0026】
加工助剤としては、パラフィンワックス等のワックスが用いられる。
【0027】
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等が用いられる。
【0028】
充填剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機充填剤、フッ素樹脂パウダー等の有機充填剤などが用いられる。
【0029】
組成物の調製は、加硫系以外の各成分を混練機、例えば一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサ、ニーダ、高剪断型ミキサ等を用いて混練し、次いで加硫剤、加硫促進剤等の加硫系を添加し、混練りすることによって行われる。調製されたクロロプレンゴム組成物を、射出成形機、圧縮成形機、加熱プレス機または押出成形機等を用いて所望の形状に成形した後加硫し、または加硫成形することにより、クロロプレンゴムの加硫成形品を得ることができる。それの加硫は、クロロプレンゴムの一般的な加硫条件、例えば約150~220℃、約1~30分間の条件下で行われる。
【実施例0030】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明は効果を含めてこの実施例に限定されるものではない。
【0031】
実施例1
クロロプレンゴム(デンカ製品デンカクロロプレン DCR-70) 100重量部
カーボンブラック(東海カーボン製品シースト116) 50 〃
酸化マグネシウム(協和化学工業製品キョーワマグ150) 5 〃
酸化亜鉛(正同化学工業製品酸化亜鉛1種) 5 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂製品ステアリン酸DTST) 1 〃
グリセリントリ脂肪酸エステル(J-オイルミルズ製品J菜種白絞油) 25 〃
N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン 2 〃
(大内新興化学工業製品ノクラック6C)
ワックス(大内新興化学工業製品サンノック) 2 〃
エチレンチオウレア(ランクセス社製品RHENOCURE NPV/C) 1 〃
テトラメチルチウラムジスルフィド 1 〃
(大内新興化学工業製品ノクセラーTT-P)
2-メルカプトベンゾチアゾール 1.5 〃
(大内新興化学工業製品ノクセラーM)
以上の各配合成分を、ニーダを用いて混練し、未架橋生地サンプル得た後、圧縮成形機を用いて、180℃、4分間の条件下で架橋を行い、厚さ2mmのテストシートを作成した。
【0032】
未架橋生地サンプルおよびテストシートを用いて、次の各項目の測定が行われた。
成形性:島津製作所製CFT-500EX測定機を用い、プランジャーの断面積 1cm2、
圧力100kgf/cm2、温度範囲 80±0.2℃、ダイス寸法(D×Lmm) 1×1mm にて、
フロー特性を示すMFR(Melting flow rate : g/10分)を測定
MFRが1以上を合格基準とした
ゴム硬度:JIS K6253に準拠し、厚さ2mmのテストシートについて、タイプAデュロメー
ターで測定
減衰性:RHEOLOGY CO.,LTD 社製 DVE-V4測定機を用い、厚さ2mm、幅3mmの短冊状テスト
ピースについて、測定温度23℃、つかみ具間隔15mm、初期歪み10%、周波数
50Hz、振幅50μmの引張りモード条件下で、粘弾性特性の指標となるtanδを
測定
Tanδ(50Hz)が0.24 以上を合格基準とした
耐熱性:JIS K6257 に準拠して空気熱老化試験を行い、100℃×70時間後の硬度変化
ΔHsを算出
ΔHs(point) +5以下を合格基準とした
【0033】
実施例2
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステル量が10重量部に変更されて用いられた。
【0034】
実施例3
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステル量が5重量部に変更されて用いられた。
【0035】
実施例4
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステル量が50重量部に変更されて用いられた。
【0036】
比較例1
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルが用いられなかった。
【0037】
比較例2
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステル量が70重量部に変更されて用いられた。
【0038】
比較例3
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルの代わりに、石油系炭化水素であるアロマオイル(出光興産製品ダイアナプロセスオイルAH-16)が同量(25重量部)用いられた。
【0039】
比較例4
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルの代わりに、石油系炭化水素であるナフテンオイル(日本サン石油製品SUNTHENE 250J)が同量(25重量部)用いられた。
【0040】
比較例5
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルの代わりに、アジピン酸イソデシル(田岡化学工業製品DIDA)が同量(25重量部)用いられた。
【0041】
比較例6
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルの代わりに、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル(田岡化学工業製品DOS)が同量(25重量部)用いられた。
【0042】
比較例7
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルの代わりに、トリメリット酸エステル(ADEKA社製品アデカサイザーC-9N)が同量(25重量部)用いられた。
【0043】
比較例8
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルの代わりに、ポリエーテルエステル(ADEKA社製品アデカサイザーRS-735)が同量(25重量部)用いられた。
【0044】
比較例9
実施例1において、グリセリントリ脂肪酸エステルの代わりに、アルキルスルホン酸フェニルエステル(ランクセス社製品メザモール)が同量(25重量部)用いられた。
【0045】
以上の実施例および比較例で得られた結果は、次の表に示される。なお、比較例2は、可塑剤配合が過多のため混練時に生地がまとまらず、混練が不可であった。
表
成形性 ゴム硬度 減衰性 耐熱性
例 MFR(g/10分) (Duro A) tanδ ΔHs(point)
実施例1 69.6 51 0.258 +4
実施例2 12.5 66 0.263 +4
実施例3 3.7 73 0.262 +2
実施例4 243.7 37 0.265 +3
比較例1 0.1 78 0.258 +4
比較例3 26.6 59 0.307 +8
比較例4 70.6 52 0.256 +10
比較例5 59.5 55 0.234 +7
比較例6 73.5 52 0.233 +9
比較例7 31.4 59 0.236 +5
比較例8 41.5 53 0.263 +8
比較例9 27.8 58 0.239 +6
【0046】
以上の結果から、次のことがいえる。
(1) 各実施例では、グリセリントリ脂肪酸エステルを配合していない比較例1と比べて減衰性を損なうことなく、成形性の向上および耐熱性の維持といったバランス特性の達成を可能としている。
(2) 可塑剤が配合されていない比較例1では、成形性が良くない。
(3) 可塑剤としてアロマオイルまたはポリエーテルエステルを用いた比較例3および8では、減衰性および成形性の向上がみられるが、耐熱性が悪化してしまう。
(4) 可塑剤としてナフテンオイルを用いた比較例4では、減衰性および成形性の向上がみられるが、耐熱性が悪化し、またブリードも激しくなってしまう。
(5) 可塑剤としてアジピン酸イソデシル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシルまたはアルキルスルホン酸フェニルエステルを用いた比較例5~6および9では、成形性の向上がみられるが、減衰性の低下および耐熱性の悪化がみられる。
(6) 可塑剤としてトリメリット酸エステルを用いた比較例7では、成形性は向上するものの、減衰性の低下がみられる。
本発明に係るクロロプレンゴム組成物は、その加硫物がゴムの成形性、減衰性、耐熱性の向上をバランス良く満足せしめることから、センターベアリングサポート成形材料などとして有効に用いられる。