(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079970
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】装置間搬送装置及び洗浄システム
(51)【国際特許分類】
A47L 15/24 20060101AFI20240606BHJP
B65G 15/58 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A47L15/24
B65G15/58 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192728
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】木全 祐也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 友裕
(72)【発明者】
【氏名】平野 裕司
(72)【発明者】
【氏名】水村 秀一
【テーマコード(参考)】
3B082
3F024
【Fターム(参考)】
3B082AA01
3B082AA04
3F024CA02
(57)【要約】
【課題】装置間搬送において被収容物が収容されたラックを良好に搬送することができる装置間搬送装置及び洗浄システムを提供する。
【解決手段】装置間搬送装置4は、一対の無端状の搬送ベルト74,74と、第一ガイド部77と、を備える。一対の搬送ベルトは、幅方向に対向して配置されると共に二つのローラ74A,74Aに掛け渡されると共に、外表面に形成された突起部74Bを食器ラックRの横リブ(第一横リブ94)に係止して食器ラックを搬送する。第一ガイド部は、一対の搬送ベルトに跨がるように、かつ一対の搬送ベルトの幅方向における第一所定位置に食器ラックを案内する。一対の搬送ベルトのそれぞれは、第一ガイド部によって案内されてくる食器ラックが第一所定位置に案内されたとき、幅方向に隣り合う縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)の間に位置するように配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄する予備洗浄機と、前記予備洗浄機に前記被洗浄物を収容するラックを搬入するキャリーテーブルと、前記予備洗浄機によって洗浄された前記被洗浄物を洗浄する本洗浄機と、前記本洗浄機から搬出される前記ラックを貯留するラック貯留部と、を備える洗浄システムに配備されると共に、前記予備洗浄機と前記本洗浄機との間及び前記本洗浄機と前記ラックとの間の少なくとも一方において、前記ラックを搬送する装置間搬送装置であって、
前記ラックは、前記ラックの搬送方向に直交する幅方向に配列されると共に前記搬送方向に延在する縦リブと、前記搬送方向に配列されると共に前記幅方向に延在する横リブと、が形成された底面を有しており、
前記装置間搬送装置は、
前記幅方向に対向して配置されると共に二つのローラに掛け渡されると共に、外表面に形成された突起部を前記ラックの横リブに係止して前記ラックを搬送する、一対の無端状のベルト部と、
前記一対のベルト部に跨がるように、かつ前記一対のベルト部の前記幅方向における所定位置に前記ラックを案内する第一ガイド部と、を備え、
前記一対のベルト部のそれぞれは、前記第一ガイド部によって案内されてくる前記ラックが前記所定位置に案内されたとき、前記幅方向に隣り合う前記縦リブの間に位置するように配置されている、装置間搬送装置。
【請求項2】
前記一対のベルト部のそれぞれは、複数のベルト部材が前記幅方向に接触するように配列された状態で前記二つのローラに掛け渡されることにより形成されている、請求項1記載の装置間搬送装置。
【請求項3】
前記突起部は、前記幅方向に配列された切込部によって櫛状に形成されている、請求項1記載の装置間搬送装置。
【請求項4】
前記突起部は、前記ベルト部の延在方向において等間隔に形成されている、請求項1記載の装置間搬送装置。
【請求項5】
前記突起部は、前記ベルト部の延在方向において不等間隔に形成されている、請求項1記載の装置間搬送装置。
【請求項6】
前記第一ガイド部によって前記所定位置に案内された前記ラックに収容された前記被洗浄物を、前記ラックの前記幅方向における内側に案内する第二ガイド部を更に備える、請求項1記載の装置間搬送装置。
【請求項7】
前記ベルト部によって搬送される前記ラックの底面は、前記横リブ以外のリブの下端部が前記横リブの下端部よりも高くかつ前記突起部の突出高さよりも高くなるように形成されている、請求項1記載の装置間搬送装置。
【請求項8】
前記ベルト部は、前記搬送方向におけるサイズが前記ラックの半分であるハーフラックを連結する連結部材によって、前記ハーフラックが一体化されたラック体を搬送可能に構成されており、
前記連結部材の底面には、前記ラックの底面に形成されているリブと同じ配置パターンのリブが形成されている、請求項1記載の装置間搬送装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置間搬送装置と、
前記予備洗浄機と、
前記キャリーテーブルと、
前記本洗浄機と、
前記ラック貯留部と、を備える、洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置間搬送装置及び洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄機に食器等の被洗浄物が収容されたラックを搬入する搬入装置と、食器を洗浄する洗浄機と、上下方向に配列されると共にラックを収容可能な棚部を有する収納棚と、洗浄機によって洗浄された食器を収納棚における棚部に搬入するリフト装置と、洗浄機から押し出してリフト装置に搬出させる搬出装置と、を備えた洗浄システム(例えば、特許文献1)が知られている。このような洗浄システムでは、洗浄機へのラックの搬入、洗浄機における被洗浄物の洗浄、洗浄機からリフトへラックの搬出、及びリフトから収納棚へのラックの積み込みの一連の作業を、全自動で行うことができる。
【0003】
また、洗浄前の被洗浄物には残菜が付着していることが多く、被洗浄物を洗浄機に格納する前に、被洗浄物を水が貯留された浸漬槽に浸漬させる等して被洗浄物に付着した残菜等を予備的に取り除く予備洗浄が人の手を介して行われている。しかしながら、昨今のより一層の省人化の要請から、予備洗浄を行う予備洗浄機が本洗浄を行う本洗浄機の上流側に配置される洗浄システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の洗浄システムでは、予備洗浄機と本洗浄機との間、及び、本洗浄機と収納棚との間においてラックを搬送する装置間搬送装置が配置されることがある。このような装置間搬送装置では、ベルトに形成された突起部をラックに引っ掛けた状態でベルトを回動させ、ラックを回動方向に沿って搬送する。上記突起部は、ラックに形成された搬送方向に直交する幅方向に延在する横リブに引っ掛けられるが、突起部が搬送方向に沿って延在する縦リブの位置と重なると、ラック全体が浮いた状態となり、突起部が横リブに引っ掛からなくなる。このため、装置間搬送装置において搬送不良が生じる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、装置間搬送において被収容物が収容されたラックを良好に搬送することができる装置間搬送装置及び洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の装置間搬送装置は、被洗浄物を洗浄する予備洗浄機と、予備洗浄機に被洗浄物を収容するラックを搬入するキャリーテーブルと、予備洗浄機によって洗浄された被洗浄物を洗浄する本洗浄機と、本洗浄機から搬出されるラックを貯留するラック貯留部と、を備える洗浄システムに配備されると共に、予備洗浄機と本洗浄機との間及び本洗浄機とラックとの間の少なくとも一方において、ラックを搬送する装置間搬送装置であって、ラックは、ラックの搬送方向に直交する幅方向に配列されると共に搬送方向に延在する縦リブと、搬送方向に配列されると共に幅方向に延在する横リブと、が形成された底面を有しており、装置間搬送装置は、幅方向に対向して配置されると共に二つのローラに掛け渡されると共に、外表面に形成された突起部をラックの横リブに係止してラックを搬送する、一対の無端状のベルト部と、一対のベルト部に跨がるように、かつ一対のベルト部の幅方向における所定位置にラックを案内する第一ガイド部と、を備え、一対のベルト部のそれぞれは、第一ガイド部によって案内されてくるラックが所定位置に案内されたとき、幅方向に隣り合う縦リブの間に位置するように配置されている。
【0008】
この構成の装置間搬送装置では、一対のベルト部のそれぞれを上述したように配置されることによって、第一ガイド部によって案内されてくるラックが所定位置に案内されたとき、ラックに形成された縦リブは、一対のベルト部のそれぞれを挟むように位置することになる。言い替えれば、ラックに形成された縦リブは、一対のベルト部のそれぞれと平面的に重ならないように位置することになる。これにより、ベルト部に形成された突起部が縦リブを持ち上げて、ラック全体が浮いた状態となることを防止できる。この結果、突起部は横リブに引っ掛かりやすくなり、装置間搬送において被収容物が収容されたラックを良好に搬送することができる。
【0009】
(2)上記(1)記載の装置において、一対のベルト部のそれぞれは、複数のベルト部材が幅方向に接触するように配列された状態で二つのローラに掛け渡されることにより形成されてもよい。この構成では、突起部も、幅方向に分割されたベルト部材によって形成される。これにより、ラックが所定位置に案内されたときにベルト部を挟むように形成された縦リブ以外の縦リブが仮にラックに存在していたとしても、突起部に接触した縦リブは隣り合うベルト部材の隙間に入り込んでベルト部材を幅方向へ移動させる。このため、ベルト部に形成された突起部が縦リブを持ち上げて、ラック全体が浮いた状態となることを防止できる。この結果、装置間搬送において被収容物が収容されたラックをより良好に搬送することができる。
【0010】
(3)上記(1)記載の装置において、突起部は、幅方向に配列された切込部によって櫛状に形成されてもよい。この構成では、ラックが所定位置に案内されたときにベルト部を挟むように形成された縦リブ以外の縦リブが仮にラックに存在していたとしても、突起部は、その縦リブを避けるように切込部に向かって変形するようになり、突起部によって持ち上げられることがなくなる。この結果、装置間搬送において被収容物が収容されたラックをより良好に搬送することができる。
【0011】
(4)上記(1)~(3)の何れかに記載の装置において、突起部は、ベルト部の延在方向において等間隔に形成されてもよい。この構成では、ラックが所定位置に案内されたときにベルト部を挟むように形成された縦リブ以外の縦リブが仮にラックに存在していたとしても、その縦リブを避けるように突起部を形成することができる。この結果、装置間搬送において被収容物が収容されたラックをより良好に搬送することができる。
【0012】
(5)上記(1)~(3)の何れかに記載の装置において、突起部は、ベルト部の延在方向において不等間隔に形成されてもよい。この構成では、この構成では、ラックが所定位置に案内されたときにベルト部を挟むように形成された縦リブ以外の縦リブが仮にラックに存在していたとしても、その縦リブを避けるように突起部を形成することができる。この結果、装置間搬送において被収容物が収容されたラックをより良好に搬送することができる。
【0013】
(6)上記(1)~(5)の何れかに記載の装置において、第一ガイド部によって所定位置に案内されたラックに収容された被洗浄物を、ラックの幅方向における内側に案内する第二ガイド部を更に備えてもよい。この構成では、所定位置に案内されたラックに収容された被洗浄物が、装置間搬送装置を構成する部材に衝突することを抑止できると共に、搬送先の装置を構成する部材に衝突することを抑止できる。
【0014】
(7)上記(1)~(6)の何れかに記載の装置において、前記ベルト部によって搬送される前記ラックの底面は、横リブ以外のリブの下端部が横リブの下端部よりも高くかつ突起部の突出高さよりも高くなるように形成された領域を有してもよい。この構成では、突起部が横リブ以外のリブを持ち上げることによって、突起部が横リブに係止できなくなること(ベルト部が空回りすること)を抑制できる。
【0015】
(8)上記(1)~(7)の何れかに記載の装置において、ベルト部は、搬送方向におけるサイズがラックの半分であるハーフラックを連結する連結部材によって、ハーフラックが一体化されたラック体を搬送可能に構成されており、連結部材の底面には、ラックの底面に形成されているリブと同じ配置パターンのリブが形成されてもよい。この構成では、ベルト部に形成された突起部が連結部材に形成された縦リブを持ち上げて、連結部材に連結されたラック体全体が浮いた状態となることを防止できる。この結果、突起部は横リブに引っ掛かりやすくなり、装置間搬送において二つのハーフラックが連結されたラック体を良好に搬送することができる。
【0016】
(9)本発明の洗浄システムは、上記(1)~(8)の何れかに記載の装置間搬送装置と、上記の予備洗浄機と、上記のキャリーテーブルと、上記の本洗浄機と、上記のラック貯留部と、を備えてもよい。この構成の洗浄システムでは、一対のベルト部のそれぞれを上述したように配置されることによって、第一ガイド部によって案内されてくるラックが所定位置に案内されたとき、ラックに形成された縦リブは、一対のベルト部のそれぞれを挟むように位置することになる。言い替えれば、ラックに形成された縦リブは、一対のベルト部のそれぞれと平面的に重ならないように位置することになる。これにより、ベルト部に形成された突起部が縦リブを持ち上げて、ラック全体が浮いた状態となることを防止できる。この結果、突起部は横リブに引っ掛かりやすくなり、装置間搬送において被収容物が収容されたラックを良好に搬送することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、装置間搬送において被収容物が収容されたラックを良好に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る洗浄システムの全体を示した斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、キャリーテーブルの正面図であり、
図2(B)は、キャリーテーブルの平面図である。
【
図3】
図3は、食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、装置間搬送装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、装置間搬送装置を上面から見た上面図である。
図5(B)は、食器ラックを搬送する装置間搬送装置を搬送方向から見た側面図である。
【
図6】
図6(A)~
図6(C)は、装置間搬送装置が予備洗浄機から本洗浄機へ食器ラックを搬送するときの動きを示す図である。
【
図7】
図7(A)は、リフト装置を収納棚側から見た側面図であり、
図7(B)は、リフト装置を食器洗浄機側から見た側面図である。
【
図9】
図9は、収納棚における各段センサの配置状態を示す平面図である。
【
図10】
図10(A)は、食器ラックを示す正面図である。
図10(B)は、食器ラックを示す底面図である。
【
図11】
図11(A)は、搬送ベルトの一部を拡大して示す平面図である。
図11(B)は、変形例に係る搬送ベルトの突起部を拡大して示す拡大図である、
図11(C)は、変形例に係る搬送ベルトの一部を拡大して示す平面図である。
【
図12】
図12(A)は、搬送ベルトの一部を拡大して示す側面図である。
図12(B)は、変形例に係る搬送ベルトの一部を拡大して示す側面図である。
【
図13】
図13は、食器ラックのリブと一対の搬送ベルトとの位置関係を示す図である。
【
図14】
図14(A)~(C)は、各種食器ラックの底面と底面の一部を拡大して示す拡大図である。
【
図15】
図15(A)は、食器ラック結合部材の底面を示す図である。
図15(B)は、食器ラック結合部材の底面と搬送ベルトとの位置関係を示す図である。
【
図16】
図16(A)は、食器ラック結合部材の斜視図である。
図16(B)は、食器ラック結合部材の側面図である。
【
図17】
図17(A)は、食器ラックに食器ラック結合部材を取り付けた状態の斜視図である。
図17(B)は、食器ラックに二つのハーフサイズの食器ラックを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図18】
図18(A)は、食器ラックに一つのハーフサイズの食器ラックを取り付けた状態の斜視図である。
図18(B)は、食器ラックに一つのハーフサイズの食器ラックを取り付けた状態の側面図である。
【
図19】
図19(A)は、一つのハーフサイズの食器ラックを取り付けるための食器ラックを示す斜視図である。
図19(B)は、ハーフサイズの食器ラックの底面図である。
図19(C)は、食器ラックに形成された凸部を示す側面図である。
図19(D)は、食器ラックに形成された凸部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、
図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
【0020】
図1に示されるように、第一実施形態に係る洗浄システム1は、キャリーテーブル3と、予備洗浄機2Aと、装置間搬送装置4と、本洗浄機2Bと、リフト装置5と、収納棚(ラック貯留部)6と、を備えている。洗浄システム1では、キャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5及び収納棚6が、左右方向に並べて配置されている。
【0021】
キャリーテーブル3は、食器(被洗浄物)Pが収容される食器ラック(ラック)Rを予備洗浄機2Aに搬送する。
図1、
図2(A)、及び
図2(B)に示されるように、キャリーテーブル3は、基台10と、基台10を支持する四つの脚部19と、搬送機構11と、センサ14と、コントローラ12と、を有している。
【0022】
基台10は、食器ラックRが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックRが載置される載置面10aを有している。基台10には、載置面10aから突出すると共に食器ラックRの搬送方向に沿って延在する、食器ラックRを摺動させる摺動部16が設けられている。摺動部16は、載置面10aにねじ等によって固定された、例えば、ポリアセタール樹脂により形成されたプレート状の部材によって構成されている。
【0023】
搬送機構11は、食器ラックRを基台10上で移動させる。搬送機構11は、アーム部材11Aと、支持部11Bと、チェーン11Cと、スプロケット11D,11Dと、駆動部11Eと、を有している。搬送機構11は、ハウジング17に収容されている。ハウジング17は、キャリーテーブル3を正面から見たとき基台10の後方に配置されており、基台10の載置面10aよりも上方に突出して設けられている。
【0024】
アーム部材11Aは、食器ラックRを押し出す部材であって、載置面10a上を回動可能となるように、支持部11Bに支持されている。支持部11Bは、チェーン11Cに平行に配置されたガイドレール(図示せず)に沿って前後方向に移動可能に設けられると共に、チェーン11Cの一部に固定的に連結されている。チェーン11C,11Cは、二つのスプロケット11D,11Dに巻回されている。駆動部11Eは、例えばギアモータである。駆動部11Eの回転軸には、一方のスプロケット11Dが軸支されている。
【0025】
アーム部材11Aは、アーム部材11Aの先端がキャリーテーブル3の右側に向く状態とキャリーテーブル3の前側に向く状態との間で回動可能となるように、ねじりバネ(図示せず)を介して支持部11Bに固定されている。ねじりバネは、平面視において半時計回り(左回り)に回動する方向にアーム部材11Aを付勢している。すなわち、ねじりバネは、ハウジング17から進出する方向にアーム部材11Aを付勢している。アーム部材11Aは、ねじりバネの作用によってシャッタ(図示せず)等の規制部材に接触しない限り、ハウジング17の外側である載置面10a上の進出領域に進出するようになっている。
【0026】
アーム部材11Aは、駆動部11Eによって駆動されるスプロケット11D及びチェーン11Cに連動することによって、キャリーテーブル3を正面から見たときの左右方向に回動する。アーム部材11Aは、食器ラックRを搬送するときに、ハウジング17内から載置面10a上に進出し、待機状態においてはハウジング17内に退避する。より詳細には、アーム部材11Aは、載置面10a上の食器ラックRがセンサ14によって検知されたタイミング、又は、操作部18においてスタートボタンB1が押下されたタイミングで載置面10a上に進出する。
【0027】
アーム部材11Aは、予備洗浄機2Aに向けて食器ラックRを押し出す。アーム部材11Aの先端、すなわち、食器ラックRに当接する部分には、ベアリング(図示せず)が設けられもよい。アーム部材11Aは、食器ラックRを予備洗浄機2Aにまで搬送すると、ハウジング17の内部の退避領域の一部である待機位置に戻る。
【0028】
コントローラ12は、キャリーテーブル3を含む、洗浄システム1の動作全般を制御する。コントローラ12は、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。コントローラ12は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。コントローラ12は、例えば、キャリーテーブル3の動作、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bにおけるドア23の開閉動作、装置間搬送装置4における搬送動作、リフト装置5の動作等を制御する。コントローラ12は、例えば、ハウジング17内に収容されている。コントローラ12は、予備洗浄機2Aのコントローラ35と、通信可能に接続されている。
【0029】
操作部18は、ハウジング17を形成するパネルの一部に配置されている。操作部18には、搬送機構11の動作を開始させるスタートボタンB1、搬送機構11の動作を停止させる停止ボタンB2、及び作業者に音声で各種状態を報知するスピーカ等の報知部Mが配置されている。
【0030】
図2に示されるように、操作部18は、ハウジング17を形成するパネルの一部に配置されている。操作部18は、搬送機構11の動作を開始させるスタートボタンB1と、搬送機構11の動作を緊急停止させる停止ボタンB2と、を有している。
【0031】
図1に示されるように、予備洗浄機2Aは、キャリーテーブル3の左側に、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。予備洗浄機2Aは、本洗浄機2Bにおける食器Pの洗浄に先だち、食器Pの表面に付着した残菜等を洗い流すために設けられる洗浄機である。すなわち、予備洗浄機2Aは、予備浸漬タンク等において人の手を介して行われていた食器Pの予備洗浄を実施する洗浄機である。予備洗浄機2Aは、食器ラックRに収容されている食器Pを洗浄する。
図1及び
図3に示されるように、予備洗浄機2Aは、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
【0032】
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、後段にて詳述する連結部材76C(
図4参照)に連結されている。連結部材76Cは、コントローラ12によって制御される駆動モータ76Aによって駆動される。ドア23は、駆動モータ76A(
図4参照)による駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図3に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0033】
本実施形態では、ドア23は駆動モータ76Aに連動して開閉されるが、
図1に示されるように、手動でドア23を開閉するためのハンドル24Aが設けられている。ハンドル24Aは、ドア23の前面23Aに配置されている。ハンドル24Aの両端には左右一対の回動アーム24B,24Bの先端が固定され、回動アーム24Bはドア23の側面23B,23Cに沿って斜めに配置されている。回動アーム24Bには、ドア23の側面23B,23Cに沿って配置されたリンク部24Cの一端が回動自在に連結され、リンク部24Cの他端は、軸ピン24Dを介してドア23に連結されており、ハンドル24Aの回動運動に対してドア23が上下運動可能となっている。なお、本実施形態ではドア23に上述のハンドル24Aが設けられた例を挙げて説明したが、設けられていなくてもよい。
【0034】
図3に戻り、洗浄室21内には、食器ラックRが載置されるラックレール25が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から予備洗浄機2Aに搬出される食器ラックRは、ラックレール25上に押し出される。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックRに並べられた食器Pは、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0035】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第一洗浄水吐出管30Aと第二洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第一洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第二洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0036】
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第一すすぎ水吐出管34Aと第二すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第一すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第二すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第一すすぎ水吐出管34Aは、第一洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第一洗浄水吐出管30A及び第一すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
【0037】
機械室22内には、予備洗浄機2Aの動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)等が収容されている。コントローラ35は、洗浄(予備洗浄)が終了したことを示す洗浄終了信号を、キャリーテーブル3のコントローラ12に出力する。
【0038】
予備洗浄機2Aは、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。予備洗浄機2Aは、洗浄機本体20を支持する四つの脚部37を備えている。
【0039】
ここで、本実施形態の洗浄システム1に用いられる食器ラックRについて説明をする。
図10(A)及び
図10(B)に示されるように、食器ラックRは、食器Pを下方から支持する矩形の底面90と、底面90の四方を取り囲む側面部98と、を有している。
【0040】
底面90は、メッシュ状に構成されており、側面部98とは側面部98の下端98aよりも少し高い位置に接続されている。すなわち、載置台等に載置された食器ラックRに食器Pが収容されると、食器Pは載置台から高さ方向に離れて位置する。底面90は、第一縦リブ(縦リブ)91と、第二縦リブ92と、第三縦リブ93と、第一横リブ(横リブ)94と、第二横リブ(横リブ)95と、第三横リブ96と、斜めリブ97と、を有している。以後の説明においては、
図13に示されるように、食器ラックRが搬送ベルト74に載置されたときの食器ラックRの搬送方向(搬送ベルト74の延在方向)を基準として説明を行う。なお、食器ラックRを搬送ベルト74に載置した状態で延長方向を回転軸として90度回転させた場合、縦リブと横リブとの関係は逆になる。
【0041】
第一縦リブ91は、搬送方向Dに沿って食器ラックRの一方の端部から他方の端部まで延在するリブである。第一縦リブ91は、幅方向(左右方向)に配列されている。第二縦リブ92は、食器ラックRの搬送方向Dにおける中央部近傍に設けられており、搬送方向Dに沿って延在するリブである。第二縦リブ92は、幅方向において第一縦リブ91とは重ならない位置に形成されている。また、第二縦リブ92は、幅方向において第一縦リブ91よりも狭い間隔で設けられている。第三縦リブ93は、食器ラックRの搬送方向Dにおける端部に設けられており、搬送方向Dに沿って延在するリブである。第三縦リブ93は、幅方向において第一縦リブ91及び第二縦リブ92とは重ならない位置に形成されている。また、第三縦リブ93は、幅方向において第一縦リブ91及び第二縦リブ92よりも狭い間隔で設けられている。
【0042】
第一横リブ94は、幅方向に沿って食器ラックRの一方の端部から他方の端部まで延在するリブである。第一横リブ94は、搬送方向(前後方向)に配列されている。第二横リブ95は、食器ラックRの幅方向における中央部近傍に設けられており、幅方向に沿って延在するリブである。第二横リブ95は、搬送方向Dにおいて第一横リブ94とは重ならない位置に形成されている。また、第二横リブ95は、搬送方向において第一横リブ94よりも狭い間隔で設けられている。第三横リブ96は、幅方向における端部に設けられており、幅方向に沿って延在するリブである。第三横リブ96は、搬送方向Dにおいて第一横リブ94とは重ならない位置に形成されている。また、第三横リブ96は、幅方向において第一横リブ94よりも狭い間隔で設けられている。斜めリブ97は、搬送方向D(又は幅方向)に対して45度、135度傾いた方向に延在する互いに直交するリブである。
【0043】
側面部98は、食器ラックRが載置台等に載置されたときに載置台に接触する部分であり、上下方向及び前後方向に延在する外周面、及び、上下方向及び左右方向に延在する外周面を有している。
【0044】
図1に示されるように、装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aから搬出された上述した食器ラックRを本洗浄機2Bに搬入する。装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aの左側に隣接して配置されている。装置間搬送装置4は、左右方向において予備洗浄機2Aと本洗浄機2Bとの間に配置されている。
図4、
図5(A)及び
図5(B)に示されるように、装置間搬送装置4は、本体71と、第一ガイド部77と、搬送ベルト(ベルト部)74と、搬送アーム72と、アーム駆動部73と、ベルト駆動部75と、駆動機構76と、第二ガイド部78と、脚部79と、を備えている。
【0045】
本体71は、フレーム71Aと、正面パネル71Bと、を有している。正面パネル71Bは、フレーム71Aに対して着脱可能に構成されている。本体71は、装置間搬送装置4の外形を形成すると共に搬送アーム72、アーム駆動部73、搬送ベルト74、ベルト駆動部75及び駆動機構76のそれぞれの一部又は全部を収容する。
【0046】
搬送ベルト74は、
図6(A)及び
図6(B)に示されるように、キャリーテーブル3によって予備洗浄機2Aに搬入される食器ラックRに押し出されるように、予備洗浄機2Aから食器ラックRが搬出され、第一所定位置(所定位置)に搬入された食器ラックRを、本洗浄機2Bのある方向に第二所定位置(
図6(B)参照)まで搬送する。搬送ベルト74は、予備洗浄機2Aから食器ラックRが搬出されて食器ラックRの一部が搬送ベルト74上に位置したことが図示しないセンサで検知されることにより作動して、本洗浄機2B方向に第二所定位置まで移動させる。搬送ベルト74は、ベルト駆動部75によって駆動される。ベルト駆動部75は、例えばモータである。
【0047】
第一ガイド部77は、予備洗浄機2Aから搬出されてくる食器ラックRを一対の搬送ベルト74,74に跨がるように、かつ一対の搬送ベルト74,74の幅方向における第一所定位置に食器ラックRを案内する。第一ガイド部77は、例えば、ステンレス鋼等の材料によって形成されている。第一ガイド部77は、例えば本体71のフレーム71Aに取り付けられる。
【0048】
より詳細には、
図5(A)、
図5(B)及び
図13に示されるように、第一ガイド部77は、予備洗浄機2Aから搬出される食器ラックRに形成され、幅方向に配列されている第一縦リブ91,91の間に一対の搬送ベルト74,74のそれぞれが位置するように、かつ幅方向に配列されている第二縦リブ92,92の間に一対の搬送ベルト74,74のそれぞれが位置するように、食器ラックRを案内する。つまり、予備洗浄機2Aから搬出されてくる食器ラックRは、食器ラックRの第一縦リブ91及び第二縦リブ92が、平面的に一対の搬送ベルト74,74のそれぞれと重ならないように一対の搬送ベルト74,74上に案内される。言い替えれば、一対の搬送ベルト74,74のそれぞれは、第一ガイド部77,77によって食器ラックRが第一所定位置に案内されたとき、幅方向に隣り合う縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)の間に位置するように配置されている。
【0049】
搬送ベルト74は、幅方向(左右方向)に対向して配置されている。すなわち搬送ベルト74は、二つ一組(対)で配置されている。上述したように、一対の搬送ベルト74,74のそれぞれは、第一ガイド部77,77によって食器ラックRが第一所定位置に案内されたとき、幅方向に隣り合う縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)の間に位置するように、一対の搬送ベルト74,74のベルト間距離W1が適切に設定されている。搬送ベルト74は、二つのローラ74A,74Aに掛け渡される無端状のベルト部材である。
図12に示される搬送ベルト74は、外表面に形成された突起部74Bを食器ラックRの横リブ(第一横リブ94)に係止して食器ラックRを搬送する。突起部74Bの高さ(搬送ベルト74の外表面からの突出量)は、例えば5mmである。また、突起部74Bの搬送方向D(搬送ベルト74の延在方向)における長さは、例えば5mmである。
【0050】
図12(A)に示されるように、突起部74Bは、搬送方向D(搬送ベルト74の延在方向)において等間隔L(例えば80mm)に形成されている。突起部74Bの設置間隔は、一つの突起部74Bが一つの第一横リブ94を係止した場合に、搬送方向Dにおいて第二縦リブ92が形成されている位置に一致しないように設定されている。すなわち、突起部74Bは、突起部74Bによって搬送される食器ラックRの第二縦リブ92に接触することはない。突起部74Bの設置間隔は、洗浄システム1において使用される複数の種類の食器ラックRの縦リブの配置状況に応じて適切に設定される。
【0051】
なお、突起部74Bの設置間隔は、
図12(B)に示されるように、搬送方向D(搬送ベルト74の延在方向)において不等間隔L(例えばL1=60mm、L2=80mm、L3=100mm)に形成されてもよい。この場合も、突起部74Bの設置間隔は、一つの突起部74Bが一つの第一横リブ94を係止した場合に、搬送方向Dにおいて第二縦リブ92が形成されている位置に一致しないように適切に設定される。このように、突起部74Bの設置間隔を等間隔ではなく適宜変更することで、突起部74Bによって搬送される食器ラックRの第二縦リブ92に突起部74Bが接触することを回避できる。例えば、搬送ベルト74のベルト長が700mmのとき、突起部74Bの設置間隔を40mm、60mm、80mm、100mm、120mm、140mm、160mmとすることができる。
【0052】
上記一対の搬送ベルト74のそれぞれは、複数のベルト部材74Cが幅方向に接触するように配列された状態で二つのローラ74A,74Aに掛け渡されることにより形成されている。本実施形態の搬送ベルト74の幅Wは25mmであり、幅1mmのベルト部材74Cが25個配列されることによって形成されている。このように形成される突起部74Bは、幅方向に分割されたベルト部材74Cによって形成されている。言い替えれば、突起部74Bは、幅方向に隣り合うベルト部材74Cの間に切れ目(隙間)を形成する。
【0053】
搬送アーム72は、
図6(B)及び
図6(C)に示されるように、一方向に延在する回動軸を回動中心に回動することで食器ラックRを押し出す。搬送アーム72は、アーム駆動部73によって駆動されることにより回動し、第二所定位置に位置する食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21に押し出す(
図6(C)参照)。アーム駆動部73は、例えば、モータである。装置間搬送装置4は、本体71を支持する四つの脚部79を備えている。
【0054】
駆動機構76は、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構76は、駆動モータ76Aと、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ76Bと、連結部材76Cと、ガイドレール76Dと、を有している。
【0055】
駆動モータ76Aは、例えば、ギアモータである。駆動モータ76Aは、例えば、装置間搬送装置4の上部に配置されている。駆動モータ76Aの動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ76Aの出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0056】
スライダ76Bは、チェーンに接続されている。スライダ76Bは、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ76Bは、上下方向に沿って延在しているガイドレール76Dに接続されており、ガイドレール76Dに沿って移動する。連結部材76Cは、スライダ76Bと予備洗浄機2Aのドア23とを連結している。連結部材76Cは、前後方向に沿って延在している。連結部材76Cの一端部は、スライダ76Bに固定されており、連結部材76Cの他端部は、軸ピン(図示せず)を介して予備洗浄機2Aのドア23に連結されている。連結部材76Cには、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材76Cと予備洗浄機2Aのドア23の下端部とに接続されており、予備洗浄機2Aのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0057】
第二ガイド部78は、第一ガイド部77によって第一所定位置に案内された食器ラックRに収容された食器Pを、食器ラックRの幅方向における内側に案内する。第二ガイド部78は、例えば、ステンレス鋼等の材料から形成される棒状部材が
図5(A)に示されるように曲げられた形状を有している。第二ガイド部78は、正面パネル71Bの内面に取り付けられている。このような構成の第二ガイド部78は、振動等によって搬送中に食器ラックRからはみ出す食器Pを食器ラックRの内側に押し倒し、食器ラックRからはみ出す食器Pを食器ラックRの内側に戻す。
【0058】
図1に示されるように、本洗浄機2Bは、装置間搬送装置4の左側に隣接して配置されている。本洗浄機2Bは、食器ラックRに収容されている食器Pを洗浄する。本洗浄機2Bは、予備洗浄機2Aによって予備洗浄された食器Pを洗浄する。本洗浄機2Bの構成は、上述した予備洗浄機2Aと下記の構成を除き同じであるので、ここでは異なる点のみ詳述する。すなわち、本洗浄機2Bのドア23は、後段にて詳述する連結部材64(
図7(A)及び
図7(B)参照)に連結されている。連結部材64は、コントローラ12によって制御される駆動モータ60によって駆動される。ドア23は、駆動モータ60による駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図3に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0059】
本実施形態の本洗浄機2Bでは、予備洗浄機2Aと同様に、ドア23は駆動モータ60によって開閉されるが、
図1示されるように、手動でドア23を開閉するためのハンドル24Aが設けられている。ハンドル24Aは、ドア23の前面23Aに配置されている。ハンドル24Aの両端には左右一対の回動アーム24B,24Bの先端が固定され、回動アーム24Bはドア23の側面23B,23Cに沿って斜めに配置されている。回動アーム24Bには、ドア23の側面23B,23Cに沿って配置されたリンク部24Cの一端が回動自在に連結され、リンク部24Cの他端は、軸ピン24Dを介してドア23に連結されており、ハンドル24Aの回動運動に対してドア23が上下運動可能となっている。なお、本実施形態ではドア23に上述のハンドル24Aが設けられた例を挙げて説明したが、設けられていなくてもよい。
【0060】
図1に示されるように、リフト装置5は、本洗浄機2Bの左隣りに、本洗浄機2Bに隣接して配置されている。リフト装置5は、本洗浄機2Bから搬出された食器ラックRを、収納棚6の第三所定位置に移載する。
図7(A)及び
図7(B)に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、駆動機構7と、を備えている。本体40は、フレーム40Aと、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42A,42Bを有している。一対の側部42A,42Bは、パネル状の部材である。本体40は、一対の側部42A,42Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、本洗浄機2B側の開口の上側の一部を覆う側部42Cが設けられている。リフト装置5は、本体40を支持する四つの脚部47を備えている。
【0061】
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41は、食器ラックRを収納棚6に搬出するベルト43A,43Bを有している。リフト41は、本洗浄機2Bによる洗浄が完了した際、本洗浄機2Bのラックレール25(
図3参照)と同じ高さ位置で待機している。リフト41は、本洗浄機2Bから食器ラックRが搬出されて、食器ラックRの一部がリフト41上に位置したことがセンサ44で検知されると、ベルト43A,43Bを作動させて食器ラックRを取り入れる。
【0062】
リフト41は、食器ラックRを取り入れると、収納棚6において食器ラックRが収容されていない棚部(段)に食器ラックRを移載する。リフト41は、ベルト43A,43Bを作動させて、食器ラックRを収納棚6に送り出す。収納棚6の各棚部における空き状況は、リフト装置5に設けられた第一各段センサ45A,45B,45Cと、収納棚6に設けられた第二各段センサ61A,61B,61Cと、によって検知される。
【0063】
駆動機構7は、本洗浄機2Bのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構7は、駆動モータ60と、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ63と、連結部材64と、を有している。駆動機構7は、リフト装置5の背面側に設けられている。駆動モータ60は、例えば、ギアモータである。駆動モータ60は、例えば、リフト装置5の上部に配置されている。駆動モータ60の動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ60の出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0064】
スライダ63は、チェーンに接続されている。スライダ63は、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ63は、上下方向に沿って延在しているガイドレール65に接続されており、ガイドレール65に沿って移動する。連結部材64は、スライダ63と本洗浄機2Bのドア23とを連結している。連結部材64は、前後方向に沿って延在している。連結部材64の一端部は、スライダ63に固定されており、連結部材64の他端部は、軸ピン(図示せず)を介して本洗浄機2Bのドア23に連結されている。連結部材64には、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材64と本洗浄機2Bのドア23の下端部とに接続されており、本洗浄機2Bのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0065】
図1に示されるように、収納棚6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。
図1及び
図8に示されるように、収納棚6は、複数(本実施形態では六個)の食器ラックRを収納可能である。収納棚6は、リフト装置5によって食器ラックRが収容される。収納棚6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
図8に示されるように、収納棚6は、本体50を有している。
【0066】
本体50は、フレーム50Aと、前後方向における後側に配置されている後側部50Bと、左右方向における左側に配置されている左側部50Cと、天井部50Fと、底部50Gと、脚部50Hと、を有している。後側部50Bは、ステンレス鋼等から形成されるパネル状の部材である。本体50は、水平方向の右側(リフト装置5側)が開口している。脚部50Hは、底部50Gの四隅に設けられている。
【0067】
本実施形態の収納棚6は、三つ(複数)の棚部53が設けられている。一の棚部53は、二個以上(例えば二個)の食器ラックRを収容可能に構成されている。複数の棚部53のそれぞれは、棚ユニット54によって形成されている。棚ユニット54は、フレーム55と、複数の支持ローラ56と、を有している。フレーム55は、複数の支持ローラ56の両端において、支持ローラ56を回転可能に支持する。複数の支持ローラ56は、食器ラックRを下方から支持すると共に、搬入方向(左右方向)に沿って複数配列されている。複数の支持ローラ56の両端は、一対のフレーム55,55に回転可能に支持されている。収納棚6は、第一各段センサ45A,45B,45Cと、第二各段センサ61A,61B,61Cと、を有する。
【0068】
第一各段センサ45A,45B,45Cは、収納棚6の三つ(複数)の棚部53のそれぞれにおける食器ラックRの有無(空き状況)を検知する。第一各段センサ45A,45B,45Cにおける検知結果は、メインコントローラ12によって取得される。第一各段センサ45A,45B,45Cは、収納棚6の三つの棚部53のそれぞれに対応して設けられる。第一各段センサ45A,45B,45Cは、三つの棚部53のそれぞれに隣接するフレーム40Aに設けられている。第一各段センサ45A,45B,45Cは、例えば反射型の光電センサである。第一各段センサ45A,45B,45Cの検知範囲は、食器ラックR以外の物体を検知しないように適宜設定又は性能が選択される。第一各段センサ45A,45B,45Cは、
図9に示されるように、棚部53においてリフト装置5側(右側)に位置する食器ラックRを検知できるように光の出射方向が調整されている。
【0069】
第二各段センサ61A,61B,61Cは、支持フレーム50Iに設けられている。第二各段センサ61A,61B,61Cは、第一各段センサ45A,45B,45Cと同様の反射型の光電センサである。第二各段センサ61A,61B,61Cの検知範囲も、食器ラックR以外の物体を検知しないように適宜設定又は性能が選択される。より詳細には、第二各段センサ61A,61B,61Cは、その検知範囲(方向)が食器ラックRの搬送方向上流側に向けて斜めに設定されている。
【0070】
ここで、第二各段センサ61A,61B,61Cの検知範囲が幅方向に一致する方向かつ検知範囲を相対的に短くすると、中途半端に手前に引き出された状態の食器ラックRを検知できなくなり、一方、検知範囲を相対的に長くすると収納棚6の外部の物体(例えば作業者等)を検知してしまい、収納棚6への食器ラックRの適切な搬入が不可となる。この点、本実施形態の第二各段センサ61A,61B,61Cは、食器ラックRのサイズの半分程度の例えば250mm程度に設定されているので、収納棚6に搬入された食器ラックRを適切に検知できる。また、検知範囲が幅方向に一致する方向に設定されている場合には、その検知範囲にラック取っ手穴や側面穴が重なると食器ラックが検知できなくなるところ、本実施形態では、検知範囲(方向)が搬送方向上流側に向けて斜めに設定されているので、そのような不具合が発生する可能性を低減できる。この結果、洗浄システムにおいて使用することができる食器ラックRの種類を増やすことができる。
【0071】
上記実施形態の洗浄システム1における作用効果について説明する。上記実施形態の装置間搬送装置4では、一対の搬送ベルト74,74のそれぞれを上述したように配置されることによって、第一ガイド部77,77によって案内されてくる食器ラックRが第一所定位置に案内されたとき、食器ラックRに形成された縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)は、一対の搬送ベルト74,74のそれぞれを挟むように位置することになる。言い替えれば、食器ラックRに形成された縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)は、一対の搬送ベルト74,74のそれぞれと平面的に重ならないように位置することになる。
【0072】
上記実施形態の装置間搬送装置4によれば、搬送ベルト74に形成された突起部74Bが縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)を持ち上げて、食器ラックR全体が浮いた状態となることを防止できる。この結果、突起部74Bは横リブ(第一横リブ94)に引っ掛かりやすくなり、装置間搬送において食器Pが収容された食器ラックRを良好に搬送することができる。本実施形態の洗浄システム1では、更に、搬送ベルト74の空回りの防止に加えて、突起部74Bの破損を防止することができ、ひいては搬送ベルト74の延命をすることができる。
【0073】
上記実施形態の装置間搬送装置4の一対の搬送ベルト74,74のそれぞれは、複数のベルト部材74C,74Cが幅方向に接触するように配列された状態で二つのローラ74A,74Aに掛け渡されることにより形成され、突起部74Bも、幅方向に分割されたベルト部材74C,74Cによって形成されている。これにより、食器ラックRが第一所定位置に案内されたときに搬送ベルト74,74を挟むように形成された縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)以外の縦リブが仮にラックに存在していたとしても、突起部74Bに接触した縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)は隣り合うベルト部材74C,74Cの隙間に入り込んでベルト部材74C,74Cを幅方向へ移動させる。このため、搬送ベルト74に形成された突起部74Bが縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)を持ち上げて、食器ラックR全体が浮いた状態となることを防止できる。この結果、装置間搬送において食器Pが収容された食器ラックRをより良好に搬送することができる。
【0074】
上記実施形態の装置間搬送装置4の突起部74Bは、搬送ベルト74の延在方向において等間隔に形成されている。この構成では、食器ラックRが第一所定位置に案内されたときに搬送ベルト74,74を挟むように形成された縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)以外の縦リブが仮に食器ラックRに存在していたとしても、その縦リブを避けるように突起部74Bを形成することができる。この結果、装置間搬送において食器Pが収容された食器ラックRをより良好に搬送することができる。
【0075】
上記実施形態の装置間搬送装置4は、第一ガイド部77によって第一所定位置に案内された食器ラックRに収容された食器Pを、食器ラックRの幅方向における内側に案内する第二ガイド部78を備えている。これにより、第一所定位置に案内された食器ラックRに収容された食器Pが、装置間搬送装置4を構成する部材である正面パネル71Bに衝突することを抑止できると共に、搬送先の装置である本洗浄機2Bを構成する部材であるドア23等に衝突することを抑止できる。
【0076】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0077】
(変形例1)
上記実施形態の搬送ベルト74は、複数のベルト部材74Cが幅方向に接触するように配列された状態で二つのローラ74A,74Aに掛け渡されることにより形成されている例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、
図11(B)及び
図11(C)に示されるように、搬送ベルト74は、帯状のベルト部材(例えば幅W25mm)によって形成されてもよい。そして、帯状のベルト部材から突出するように設けられた突起部74Bは、幅方向に配列された切込部74Eによって櫛状に形成されてもよい。
【0078】
この構成では、食器ラックRが第一所定位置に案内されたときに搬送ベルト74,74を挟むように形成された縦リブ(第一縦リブ91及び第二縦リブ92)以外の縦リブが仮に食器ラックRに存在していたとしても、
図11(B)に示されるように、突起部74Bは、その縦リブを避けるように切込部74Eに向かって変形するようになり、突起部74Bによって持ち上げられることがなくなる。この結果、装置間搬送において食器Pが収容された食器ラックRをより良好に搬送することができる。なお、本変形例に係る構成では、二つのローラ74A,74Aに対して複数のベルト部材74Cを掛け渡す作業に比べ、容易な作業とすることができる。
【0079】
(変形例2)
上記実施形態及び変形例では、キャリーテーブル3と、予備洗浄機2Aと、装置間搬送装置4と、本洗浄機2Bと、リフト装置5と、収納棚6とが左右方向に一直線に配置されている例を挙げて説明したが、例えば、食器Pが収容される食器ラックRが前側から後側に向かって移動した後、右側から左側に向かって移動するように、平面視においてキャリーテーブル3と、予備洗浄機2Aと、装置間搬送装置4と、本洗浄機2Bと、リフト装置5と、収納棚6とがL字状に配置されてもよい。
【0080】
(変形例3)
上記実施形態及び変形例では、
図10(B)に示されるような底面90を有する食器ラックRを例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、食器ラックRは、
図14(A)~(C)に示されるように、搬送ベルト74によって搬送される食器ラックRの底面90には、食器ラックRの種類によって様々なパターンのリブが形成されるが、横リブ(第一横リブ94)以外のリブ(例えば、リブRi)の下端部が横リブ(第一横リブ94)の下端部よりも高くかつ突起部74Bの突出高さよりも高くなるように形成されてもよい。この構成では、突起部74Bが横リブ(第一横リブ94)以外のリブ(例えば、リブRi)を持ち上げることによって、突起部74Bが横リブ(第一横リブ94)に係止できなくなること(搬送ベルト74が空回りすること)を抑制できる。
【0081】
(変形例4)
上記実施形態及び変形例では、
図10(A)及び
図10(B)に示されるような略正方形の外形底面を有する食器ラックRを例に挙げて説明したが、これに限定されない。すなわち、搬送ベルト74は、
図15(A)に示されるように、搬送方向Dにおけるサイズが上記実施形態で説明した食器ラックRの半分であるハーフラックR3(
図18(A)参照)を連結する連結部材CMによって、ハーフラックR3が一体化されたラック体RBを搬送可能に構成されてもよい。そして、
図15(A)に示されるように、連結部材CMの底面90Aには、上記の食器ラックRの底面90に形成されているリブと同じ配置パターン(
図10(B)参照)のリブが形成されている。
【0082】
この構成でも、
図15(B)に示されるように、搬送ベルト74,74は、第一ガイド部77によって案内されてくる連結部材CMによって一体化されたラック体RBが所定位置に案内されたとき、幅方向に隣り合う縦リブ(第一縦リブ91)の間に位置するように配置されているので、搬送ベルト74,74に形成された突起部74Bが連結部材CMに形成された縦リブ(第一縦リブ91)を持ち上げて、連結部材CMに連結されたラック体RB全体が浮いた状態となることを防止できる。この結果、突起部74Bは横リブ(第一横リブ94)に引っ掛かりやすくなり、装置間搬送において二つのハーフラックR3,R3が連結されたラック体RBを良好に搬送することができる。
【0083】
(変形例5)
上記変形例4では、連結部材CMを用いて二つのハーフラックR3,R3を連結する例を挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、
図10(A)及び
図10(B)に示されるような既存の食器ラックRと、
図16(A)及び
図16(B)に示されるような連結部材CM1とを用いて、二つのハーフラックR3,R3を連結してもよい。ここで、連結部材CM1について説明する。連結部材CM1は、本体枠101と、内面接触部102と、外面接触部103と、を有する。内面接触部102は、連結部材CM1を食器ラックRに重ねたときに食器ラックRにおける側面部98の内面98b(
図10参照)に接触する部分である。外面接触部103は、ハーフラックR3,R3を連結する場合にハーフラックR3における側面部198の外面198b(
図17(B)参照)に接触する部分である。
【0084】
食器ラックRに二つのハーフラックR3,R3を取り付ける方法は以下の通りである。すなわち、
図17(A)に示されるように、連結部材CM1の四つの内面接触部102が、食器ラックRの内面98bのそれぞれに接触するように、連結部材CM1を食器ラックRに積み重ねる。次に、
図17(B)に示されるように、連結部材CM1の四つの外面接触部103にハーフラックR3,R3の外面198bが接触するように、二つのハーフラックR3,R3を連結部材CMに積み重ねる。これにより、連結部材CM1によって食器ラックRと二つのハーフラックR3,R3とが連結されたラック体RBが完成する。上記洗浄システム1では、このようなラック体RBが搬送される。
【0085】
変形例5に係る連結部材CM1を用いてラック体RBを構成する場合には、二つのハーフラックR3,R3を同時に二つ載せなくてもセッティングできるので作業効率に優れる。また、連結部材CM1は、二つのハーフラックR3,R3が搬送中に装置間搬送装置4を構成する部材に接触することがないように二つのハーフラックR3,R3を位置決めするので、ハーフラックR3,R3及びハーフラックR3,R3に収容された食器P等の破損を低減できる。
【0086】
(変形例6)
上記変形例6では、一つの食器ラックRに二つのハーフラックR3,R3が連結されたラック体RBが形成される例を挙げて説明したが、
図18(A)に示されるように、一つの食器ラックRに一つのハーフラックR3が連結されたラック体RBを形成してもよい。この場合には、一つのハーフラックR3を食器ラックRの搬送方向Dにおける中央に載置するための、
図18(A)及び
図18(B)に示されるようなブラケット部材110が用いられる。ブラケット部材110は、延在方向に直交する断面が二つの傾斜面110a,110aを有する六角形の形状を有している。延在方向(前後方向)のサイズは、食器ラックRにおいて対向する内面98b間距離に等しくなっている。
【0087】
食器ラックRに二つのハーフラックR3,R3を取り付ける方法は以下の通りである。最初に、
図18(A)に示されるように、食器ラックRの搬送方向Dにおける両サイドにそれぞれブラケット部材110,110を載置する。このとき、ブラケット部材110は、ブラケット部材110の外周面が食器ラックRの内面98bに接触するように載置される。また、このとき、ブラケット部材110の延在方向における両端は、食器ラックRの内面98bに接触するように載置(又は微小間隔をあけた状態で載置)されるので、ブラケット部材110は、前後方向に位置決めがなされる。
【0088】
次に、二つのブラケット部材110,110の間にハーフラックR3を載置する。ブラケット部材110には傾斜面110aが形成されているので、ハーフラックR3を上方から載置する場合に、ハーフラックR3は所定の位置に案内される。より詳細には、ハーフラックR3は、食器ラックRの側面部98における上端面98c上に案内される。このとき、ハーフラックR3の側面部198における外面198bとブラケット部材110とが接触するように載置(又は微小間隔をあけた状態で載置)されるので、ハーフラックR3は搬送方向Dに位置決めがなされる。
【0089】
ここで、食器ラックRの側面部98における上端面98cには、
図19(A)、
図19(C)及び
図19(D)に示されるように凸部99が形成されている。凸部99は、ハーフラックR3を食器ラックRの側面部98における上端面98cに載置したときに、前後方向の位置決め部材として機能する。凸部99の突出量は例えば3mmである。具体的には、
図19(B)に示されるように、ハーフラックR3が食器ラックRの側面部98に載置されたとき、凸部99は、ハーフラックR3の底面に形成された二つのリブ120,121の間に入り込む。これにより、二つのリブ120,121のリブが前後方向に移動することが所定の範囲(例えば10mm)に規制され、ハーフラックR3の前後方向における位置決めがなされる。以上の作業により、食器ラックRと一つのハーフラックR3とが連結されたラック体RBが完成する。上記洗浄システム1では、このようなラック体RBが搬送される。このようなラック体RBを搬送する場合、食器ラックRの搬送方向における中央部にハーフラックR3がセッティングされるので、偏荷重に起因する搬送不良を回避することができる。
【0090】
上記実施形態及び変形例において説明した装置間搬送装置4における搬送ベルト74の構成は、リフト装置5におけるベルト43A,43Bに適用してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…洗浄システム、2A…予備洗浄機、2B…本洗浄機、3…キャリーテーブル、4…装置間搬送装置、5…リフト装置、6…収納棚、74…搬送ベルト、74B…突起部、74C…ベルト部材、74E…切込部、77…第一ガイド部、78…第二ガイド部、90,90A…底面、91…第一縦リブ(縦リブ)、92…第二縦リブ(縦リブ)、93…第三縦リブ、94…第一横リブ(横リブ)、95…第二横リブ、96…第三横リブ、97…斜めリブ、98…側面部、110…ブラケット部材、CM,CM1…連結部材、P…食器(被洗浄物)、R…食器ラック、R3…ハーフラック、RB…ラック体。