(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079979
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240606BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20240606BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192747
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川村 哲
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049BB63
5L049CC11
5L049CC52
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】店舗の売れ残り商品を用いることによって調理することが可能で、当該店舗を利用する近隣住民の嗜好に合った料理を提案できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、売れ残り商品に含まれる複数の食材の各々と食材の量とを示す食材情報と、複数の料理名の各々と料理に必要な食材及び調理方法との組み合わせを示す料理情報とに基づいて、売れ残り商品に含まれる複数の食材の一部又は全部を用いて調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成するリスト生成部111と、人間の属性と当該人間が嗜好する度合いが第1の値以上の料理との組み合わせを示す嗜好情報と、店舗の近隣住民の属性を示す住民情報とに基づいて、生成されたリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、近隣住民が嗜好する度合いが第1の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する抽出部112と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗において売れ残った売れ残り商品に含まれる複数の食材の各々と食材の量とを示す食材情報と、複数の料理名の各々と料理に必要な食材及び調理方法との組み合わせを示す料理情報とに基づいて、前記売れ残り商品に含まれる複数の食材の一部又は全部を用いて調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成するリスト生成部と、
人間の属性と当該人間が嗜好する度合いが第1の値以上の料理との組み合わせを示す嗜好情報と前記店舗の近隣住民の属性を示す住民情報とに基づいて、前記リスト生成部によって生成された前記リストに含まれる前記1又は複数の料理名の中から、前記近隣住民が嗜好する度合いが前記第1の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記1又は複数の料理を示す料理名を、表示装置に表示させる表示制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記リスト生成部は、前記食材情報、及び前記料理情報に加えて、前記店舗において販売中の在庫商品に含まれる複数の食材の各々と食材の量とを示す在庫情報に基づいて、前記売れ残り商品に含まれる複数の食材に加えて、前記在庫商品に含まれる複数の食材を用いて調理可能な1又は複数の料理のリストを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記売れ残り商品に含まれる食材の種類が、調理する料理に必要な食材の種類に占める割合を設定する第1設定部を更に備え、
前記リスト生成部は、調理する料理に必要な食材の種類として、前記第1設定部が設定した割合以上、前記売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、前記在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記売れ残り商品に含まれる食材の量が、調理する料理に必要な食材の量に占める割合を設定する第2設定部を更に備え、
前記リスト生成部は、調理する料理に必要な食材の量として、前記第2設定部が設定した割合以上、前記売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、前記在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記料理情報に基づいて、前記抽出部が抽出した前記1又は複数の料理に必要な食材及び調理方法を、前記料理名に対応した形式で、前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、更に、前記食材情報に基づいて、前記必要な食材が含まれる売れ残り商品を、前記料理名に対応した形式で、前記表示装置に表示させる、
請求項5に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
料理店及びコンビニエンスストアといった料理を提供する店舗において、賞味期限が切れた商品及び食材を廃棄せざるを得ないことに起因するフードロスの問題が注目されている。
【0003】
例えば特許文献1は、食材を提供する店舗における在庫管理情報とユーザからの要求とを反映させたレシピ情報をユーザに提供する技術を開示している。当該技術においては、在庫管理データベースに記録された食材の在庫管理情報と、食材に関連付けられた属性情報に基づいて、賞味期限が近い食材を食材リストとして抽出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に係る技術においてユーザに提供されるレシピ情報は、ユーザからの要求に事後的に対応することによって生成されるものであり、店舗の近隣住民の嗜好を予め反映して生成されるものではなかった。
【0006】
そこで本発明は、料理を提供する店舗において、当該店舗の売れ残り商品を用いることによって調理することが可能で、当該店舗を利用する近隣住民の嗜好を予め反映した料理を提案できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な態様に係る情報処理装置は、店舗において売れ残った売れ残り商品に含まれる複数の食材の各々と食材の量とを示す食材情報と、複数の料理名の各々と料理に必要な食材及び調理方法との組み合わせを示す料理情報とに基づいて、前記売れ残り商品に含まれる複数の食材の一部又は全部を用いて調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成するリスト生成部と、人間の属性と当該人間が嗜好する度合いが第1の値以上の料理との組み合わせを示す嗜好情報と前記店舗の近隣住民の属性を示す住民情報とに基づいて、前記リスト生成部によって生成された前記リストに含まれる前記1又は複数の料理名の中から、前記近隣住民が嗜好する度合いが前記第1の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した前記1又は複数の料理を示す料理名を、表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、料理を提供する店舗において、当該店舗の売れ残り商品を用いることによって調理することが可能で、当該店舗を利用する近隣住民の嗜好を予め反映した料理を提案できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】端末装置30-Kの構成例を示すブロック図。
【
図8】表示制御部113が、端末装置30-Kに表示させる表示画面の一例を示す図。
【
図11】在庫情報データベースSDの一例を示す表。
【
図12】サーバ10Aの動作例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1:第1実施形態
以下、
図1~
図9を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ10を含む情報処理システム1の構成について説明する。
【0011】
1-1:第1実施形態の構成
1-1-1:全体構成
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す。
図1に示されるように、情報処理システム1は、サーバ10、及び端末装置30-1、30-2、…30-K、…30-Nを備える。Nは1以上の整数である。Kは1以上N以下の整数である。本実施形態において、端末装置30-1~30-Nは同一の構成である。但し、構成が同一でない端末装置が含まれても良い。なお、サーバ10は「情報処理装置」の一例である。
【0012】
端末装置30-1~30-Nの各々は、コンビニエンスストア等の店舗に設置される。当該コンビニエンスストアでは、店員が店内において調理をすることが可能である。コンビニエンスストアK店の店員UKは、端末装置30-Kに備わる表示装置に表示されるレシピを閲覧することにより、料理名と、料理に用いる食材及び調理方法とを確認する。レシピに記載される料理名と、料理に用いる食材及び調理方法とを確認した店員は、レシピに従って調理を行う。本実施形態において、調理に用いられる食材には、コンビニエンスストアK店で、賞味期限まで所定の期間以内となった売れ残り商品に含まれる食材が含まれる。調理に用いられる食材の全てが、売れ残り商品に含まれる食材であってもよい。
【0013】
ここで、売れ残り商品が例えば唐揚げ弁当である場合、当該唐揚げ弁当には、一例として、ごはん、主菜の唐揚げ、副菜のパスタ、キャベツ、及びお新香が含まれる。コンビニエンスストアK店の店員UKは、これらのごはん、唐揚げ、パスタ、キャベツ、及びお新香の一部を食材として用いることによって、新たな料理を調理する。この場合、当該店員は、これらのごはん、唐揚げ、パスタ、キャベツ、及びお新香の一部を、他の商品に含まれる食材と組み合わせることによって、新たな料理を調理してもよい。ここで「他の商品」とは、当該店員UKが勤務するコンビニエンスストアK店の商品でもよい。あるいは、「他の商品」は、当該コンビニエンスストアK店の近隣にある八百屋、お惣菜店、及びスーパーマーケットといった他の店舗での売れ残り商品であってもよい。
【0014】
サーバ10は、端末装置30-1~30-Nに対して、上記のレシピを示すレシピ情報を送信する。より具体的には、サーバ10は、上記の店員UKが勤務するコンビニエンスストアK店での売れ残り商品に含まれる複数の食材の各々を示す食材情報と、複数の料理名の各々と料理に必要な食材及び調理方法との組み合わせを示す料理情報とに基づいて、調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成する。また、サーバ10は、人間の属性と当該人間が嗜好する度合いが第1の値以上の料理との組み合わせを示す嗜好情報と、コンビニエンスストアK店の近隣住民の属性を示す住民情報とに基づいて、上記のリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、近隣住民が嗜好する度合いが所定値以上となる1又は複数の料理名を抽出する。また、サーバ10は、各々の料理名と1対1に対応する、必要な食材及び調理方法を示すレシピを生成する。また、サーバ10は、各々の料理名を端末装置30-Kに備わる表示装置に表示させる。更に、サーバ10は、当該料理名で示される料理に必要な食材及び調理方法を、料理名に対応した形式で、端末装置30-Kに備わる表示装置に表示させる。
【0015】
1-1-2:端末装置の構成
図2は、端末装置30-Kの構成例を示すブロック図である。端末装置30-Kは、処理装置31、記憶装置32、通信装置33、ディスプレイ34、及び入力装置35を備える。端末装置30-Kが有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスを用いて相互に接続される。
【0016】
処理装置31は、端末装置30-Kの全体を制御するプロセッサである。また、処理装置31は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置31は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置31が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアを用いて実現してもよい。処理装置31は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0017】
記憶装置32は、処理装置31による読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置32は、処理装置31が実行する制御プログラムPR3を含む複数のプログラムを記憶する。
【0018】
通信装置33は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置33は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置33は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置33は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、及びUSBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0019】
ディスプレイ34は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ34は、処理装置31による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ34として好適に利用される。ディスプレイ34は、「表示装置」の一例である。
【0020】
入力装置35は、店員UKからの操作を受け付ける。例えば、入力装置35は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置35は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ14を兼ねてもよい。
【0021】
処理装置31は、記憶装置32から制御プログラムPR3を読み出して実行する。その結果、処理装置31は、通信制御部311、及び表示制御部312として機能する。
【0022】
通信制御部311は、サーバ10との間で、各種の情報を通信装置33に送受信させる。当該各種の情報には、店員UKによる入力装置35に対する操作を示す操作情報が含まれる。通信制御部311は、サーバ10に対して、当該操作情報を通信装置33に送信させる。また、当該各種の情報には、上記の各々の料理名と、当該料理名で示される料理に必要な食材及び調理方法とが含まれる。通信制御部311は、サーバ10から、各々の料理名と、当該料理名で示される料理に必要な食材及び調理方法とを通信装置33に受信させる。
【0023】
表示制御部312は、通信制御部311が、通信装置33に受信させた上記の各々の料理名を、ディスプレイ34に表示させる。また、表示制御部312は、当該料理名で示される料理に必要な食材及び調理方法を、料理名に対応した形式で、ディスプレイ34に表示させる。
【0024】
1-1-3:サーバの構成
図3は、サーバ10の構成例を示すブロック図である。サーバ10は、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15を備える。サーバ10が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスを用いて相互に接続される。
【0025】
処理装置11は、サーバ10の全体を制御するプロセッサである。また、処理装置11は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置11が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、及びFPGA等のハードウェアを用いて実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0026】
記憶装置12は、処理装置11による読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置12は、処理装置11が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラムを記憶する。また、記憶装置12は、食材情報データベースFD、料理情報データベースCD、嗜好情報データベースLD、及び住民情報データベースDDを記憶する。
【0027】
食材情報データベースFDは、店舗で売れ残った売れ残り商品に含まれる複数の食材の各々と食材の量とを示す食材情報が格納されるデータベースである。
図4は、食材情報データベースFDの一例である。食材情報データベースFDには、店舗ごとに、商品名、商品の賞味期限、商品に含まれる食材の種類、及び当該食材の量を示す食材情報が格納される。
図4に示される食材情報データベースFDには、一例として、コンビニエンスストアA店における売れ残り商品の「幕ノ内弁当」の商品名及び賞味期限と、当該「幕ノ内弁当」に含まれる食材の種類、及び当該食材の量を示す情報とが格納される。また、当該食材情報データベースFDには、コンビニエンスストアK店における売れ残り商品の「天津飯」の商品名及び賞味期限と、当該「天津飯」に含まれる食材の種類、及び当該食材の量を示す情報とが格納される。また、当該食材情報データベースFDには、コンビニエンスストアK店の近隣に位置する八百屋M店の売れ残り商品の白菜、じゃがいも、及びしいたけの商品名及び賞味期限と、それぞれの量を示す情報が格納される。更に、当該食材情報データベースFDには、コンビニエンスストアK店の近隣に位置する惣菜店P店における売れ残り商品の「焼肉セット」の商品名及び賞味期限と、当該「焼肉セット」に含まれる食材の種類、及び当該食材の量を示す情報が格納される。なお、食材情報データベースFDは、店舗に備わるPOSシステムと連携していてもよい。
【0028】
料理情報データベースCDは、複数の料理名の各々と料理に必要な食材及び調理方法との組み合わせを示す料理情報が格納されるデータベースである。
図5は、料理情報データベースCDの一例である。料理情報データベースCDには、料理ごとに、料理名、当該料理に用いられる食材の種類と量、及び当該料理の調理方法を示す料理情報が格納される。
図5に示される料理情報データベースCDには、一例として、オムレツを調理するための情報として、「オムレツ」という料理名、オムレツに用いられる食材の種類と量である、「玉子焼き100g」、「じゃがいも200g」、「焼肉250g」、及び調理方法を示す情報が格納される。
【0029】
嗜好情報データベースLDは、人間の属性と当該人間が嗜好する度合いが所定の値以上の料理との組み合わせを示す嗜好情報が格納されるデータベースである。当該所定の値は、「第1の値」の一例である。
図6は、嗜好情報データベースLDの一例である。嗜好情報データベースLDには、人間の性別、年代、料理名、及び当該人間が嗜好する度合いを示す数値を示す嗜好情報が格納される。これらの中で、「人間が嗜好する度合い」としては、例えば、所定の性別及び年代の人間の中で、何パーセントの人間が、料理名で示される料理を好むかを示す数値が挙げられる。
図6に示される嗜好情報データベースLDには、一例として、10歳から19歳の男性のうち「唐揚げセット」を好む男性が、85%存在することを示す情報が格納される。
【0030】
住民情報データベースDDは、店舗の近隣住民の属性を示す住民情報が格納されるデータベースである。
図7は、住民情報データベースDDの一例である。住民情報データベースDDには、店舗名、及び店舗近隣の住民のうち、所定の性別、所定の年代の住民が何パーセント存在するかを示す住民情報が格納される。
図7に示される住民情報データベースDDには、一例として、A店の近隣住民に占める、40歳から49歳の男性の割合が25%であることを示す情報が格納される。
【0031】
図3において、通信装置13は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、及び通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置13は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、及びUSBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0032】
ディスプレイ14は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ14は、処理装置11による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ14として好適に利用される。
【0033】
入力装置15は、サーバ10の管理者からの操作を受け付ける。例えば、入力装置15は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置15は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ14を兼ねてもよい。
【0034】
処理装置11は、記憶装置12から制御プログラムPR1を読み出して実行する。その結果、処理装置11は、リスト生成部111、抽出部112、及び表示制御部113として機能する。
【0035】
リスト生成部111は、食材情報データベースFDに含まれる食材情報と、料理情報データベースCDに含まれる料理情報とに基づいて、売れ残り商品に含まれる複数の食材の一部又は全部を用いて調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成する。例えば、店員UKが端末装置30-Kに対して、入力装置35を用いて、上記のリストを表示させることを指示する操作をした場合に、リスト生成部111は、通信装置13を介して、端末装置30-Kから当該操作を示す操作情報を取得する。リスト生成部111は、当該操作情報を取得したことをトリガとして、上記のリストを生成する。一例として、リスト生成部111は、K店での売れ残り商品である天津飯に含まれる玉子焼き100gと、M店での売れ残り商品であるじゃがいも200gと、P店での売れ残り商品である焼肉セットに含まれる焼肉250gとを示す食材情報と、オムレツを料理するために、玉子焼き100g、じゃがいも200g、及び焼肉250gが必要となるという料理情報とに基づいて、料理名としてオムレツが含まれるリストを生成する。なお、上記の例において、食材情報に含まれる玉子焼き、じゃがいも、及び焼肉の各々の量と、料理情報に含まれる玉子焼き、じゃがいも、及び焼肉の各々の量とは互いに等しい。しかし、上記の例は、あくまで一例である。双方の情報に含まれる、玉子焼き、じゃがいも、及び焼肉のうち少なくとも1つに関する量は、互いに異なっていてもよい。
【0036】
ここで、コンビニエンスストアK店の店員UKが端末装置30-Kをサーバ10に接続させて上記のリストを生成させる場合、リスト生成部111は、コンビニエンスストアK店から所定の距離以内に位置する店舗の売れ残り商品に含まれる複数の食材の一部又は全部を用いて調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成することが好適である。
【0037】
抽出部112は、嗜好情報データベースLDに含まれる嗜好情報と、住民情報データベースDBに含まれる住民情報とに基づいて、リスト生成部111によって生成されたリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、近隣住民が嗜好する度合いが所定の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する。
【0038】
一例として、抽出部112は、嗜好情報に含まれる、性別及び年代別の、各料理と1対1に対応する嗜好度と、住民情報に含まれる近隣住民に占める性別及び年代別の占有率とを乗じた数値を算出する。更に抽出部112は、当該乗じた数値を、料理ごとに全性別及び全年代に渡って合算した数値を、「特定の料理を近隣住民が嗜好する度合い」として算出する。
図6及び
図7に例示される数値を用いて説明すると、抽出部112は、例えば、嗜好情報のうち、70歳~79歳の女性における、高野豆腐の煮物を嗜好する嗜好度である68%と、住民情報のうち、K店の近隣住民に占める、70歳~79歳の女性の占有率である15%という数値とを乗じた0.68×0.15=0.102という数値を算出する。抽出部112は、高野豆腐の煮物に関し、全ての性別及び全ての年代の各々において同様の数値を算出した後、全ての性別及び全ての年代に渡って当該数値を合算することによって、「特定の料理を近隣住民が嗜好する度合い」を算出する。他の料理についても同様である。
【0039】
その後、抽出部112は、リスト生成部111によって生成されたリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、上記の方法を用いて算出された「近隣住民が嗜好する度合い」が所定の値以上となる、1又は複数の料理名を抽出する。
【0040】
表示制御部113は、抽出部112が抽出した1又は複数の料理を示す料理名を、端末装置30-Kに備わるディスプレイ34に表示させる。また、表示制御部113は、料理情報データベースCDに含まれる料理情報に基づいて、抽出部112が抽出した1又は複数の料理に必要な食材及び調理方法を、料理名と1対1に対応した形で、ディスプレイ34に表示させる。更に、表示制御部113は、食材情報データベースFDに含まれる食材情報に基づいて、上記の調理方法において必要な食材が、売れ残り商品としてのどの商品に含まれるかを示す商品情報をディスプレイ34に表示させることが好適である。当該商品情報は、商品名を示す情報に加えて、当該商品がどの店舗で販売されているかを示す情報を含むと好適である。これらの場合、表示制御部113は、通信装置13を介して、上記の各々の料理名、当該料理名で示される料理に必要な食材及び調理方法、及び上記の食材が含まれる売れ残り商品を示す商品情報を端末装置30-Kに送信することによって、これらの情報を端末装置30-Kに備わるディスプレイ34に表示させる。
【0041】
図8は、表示制御部113が、端末装置30-Kに表示させる表示画面の一例である。
図8に例示される表示画面においては、第1行目に料理名が表示される。また料理名の下の欄には、料理名で示される料理に必要な食材の種類及び量と、当該食材が含まれる売れ残り商品を示す商品名とが1対1に対応付けられて表示される。更にその下の欄に、料理名で示される料理の調理方法が示される。なお、
図8に例示される表示画面においては、複数の料理名が表示される。表示制御部113は、近隣住民が嗜好する度合いが高い順に、各料理名、当該料理名に対応するレシピ情報、及び商品情報を表示させると好適である。
【0042】
1-2:第1実施形態の動作
図9は、第1実施形態に係る情報処理システム1に含まれるサーバ10の動作例を示すフローチャートである。
【0043】
ステップS1において、サーバ10に備わる処理装置11は、リスト生成部111として機能する。処理装置11は、食材情報データベースFDに含まれる食材情報と、料理情報データベースCDに含まれる料理情報とに基づいて、売れ残り商品に含まれる複数の食材の一部又は全部を用いて調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成する。
【0044】
ステップS2において、処理装置11は、抽出部112として機能する。処理装置11は、嗜好情報データベースLDに含まれる嗜好情報と、住民情報データベースDBに含まれる住民情報とに基づいて、ステップS1において生成されたリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、近隣住民が嗜好する度合いが所定の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する。
【0045】
ステップS3において、処理装置11は、表示制御部113として機能する。処理装置11は、ステップS2において抽出した1又は複数の料理を示す料理名、当該1又は複数の料理に必要な食材及び調理方法、及び、当該食材が含まれる売れ残り商品を示す商品情報を、端末装置30-Kに備わるディスプレイ34に表示させる。
【0046】
1-3:第1実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、情報処理装置としてのサーバ10は、リスト生成部111、抽出部112、及び表示制御部113を備える。リスト生成部111は、店舗において売れ残った売れ残り商品に含まれる複数の食材の各々と食材の量とを示す食材情報と、複数の料理名の各々と料理に必要な食材及び調理方法との組み合わせを示す料理情報とに基づいて、売れ残り商品に含まれる複数の食材の一部又は全部を用いて調理可能な1又は複数の料理名のリストを生成する。抽出部112は、人間の属性と当該人間が嗜好する度合いが第1の値以上の料理との組み合わせを示す嗜好情報と、店舗の近隣住民の属性を示す住民情報とに基づいて、リスト生成部111によって生成されたリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、近隣住民が嗜好する度合いが第1の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する。表示制御部113は、抽出部112が抽出した1又は複数の料理を示す料理名を、表示装置としてのディスプレイ34に表示させる。
【0047】
サーバ10は、以上の構成を有するので、店舗において売れ残った売れ残り商品に含まれる食材を用いて調理可能な、店舗の近隣住民の嗜好を予め反映した料理名を表示できる。当該店舗は、サーバ10を含む情報処理システム1を用いることにより、フードロスの問題として知られる、食品の廃棄を抑制できる。
【0048】
また、以上の説明によれば、サーバ10において、表示制御部113は、料理情報に基づいて、抽出部112が抽出した1又は複数の料理に必要な食材及び調理方法を、料理名に対応した形で、表示装置としてのディスプレイ34に表示させる。
【0049】
サーバ10は、以上の構成を有するので、抽出部112が抽出した1又は複数の料理の料理名と当該料理のレシピとを、互いに対応する形で表示できる。
【0050】
また、以上の説明によれば、サーバ10において、表示制御部113は、更に、食材情報に基づいて、必要な食材が含まれる売れ残り商品を、料理名に対応した形式で、表示装置としてのディスプレイ34に表示させる。
【0051】
サーバ10は、以上の構成を有するので、表示制御部113が表示させるレシピに含まれる食材が、どの売れ残り商品に含まれるかを表示できる。
【0052】
2:第2実施形態
以下、
図10~
図12を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ10Aを含む情報処理システム1Aの構成について説明する。なお、以下では説明の簡略化のため、主として情報処理システム1Aが情報処理システム1と互いに異なる点について説明する。また、情報処理システム1Aに備わる構成要素のうち、情報処理システム1に備わる構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を用いると共に、その詳細な説明を省略することがある。
【0053】
2-1:第2実施形態の構成
2-1-1:全体構成
第2実施形態に係る情報処理システム1Aは、第1実施形態に係る情報処理システム1に比較して、サーバ10の代わりにサーバ10Aを備える点で、互いに異なる。その他の点では、情報処理システム1Aは、情報処理システム1と同一であるため、情報処理システム1Aの図示を省略する。
【0054】
2-1-2:サーバの構成
図10は、サーバ10Aの構成例を示すブロック図である。サーバ10Aは、サーバ10と異なり、処理装置11の代わりに処理装置11Aを、記憶装置12の代わりに記憶装置12Aを備える。
【0055】
記憶装置12Aは、処理装置11Aが実行する制御プログラムPR1Aを含む複数のプログラムを記憶する。また、記憶装置12Aは、記憶装置12と同様に、食材情報データベースFD、料理情報データベースCD、嗜好情報データベースLD、及び住民情報データベースDDを記憶する。また、記憶装置12Aは、更に、在庫情報データベースSDを記憶する。
【0056】
在庫情報データベースSDは、店舗で販売中の在庫商品に含まれる複数の食材の各々と食材の量とを示す在庫情報が格納されるデータベースである。当該在庫商品には、食材情報データベースFDに格納される売れ残り商品は含まれない。
図11は、在庫情報データベースSDの一例である。在庫情報データベースSDには、食材情報データベースFDと同様、店舗ごとに、商品名、商品の賞味期限、商品に含まれる食材の種類、及び当該食材の量を示す食材情報が格納される。
図11に示される在庫情報データベースSDには、一例として、コンビニエンスストアA店における在庫商品の「唐揚げ弁当」の商品名及び賞味期限と、当該「唐揚げ弁当」に含まれる食材の種類、及び当該食材の量を示す情報とが格納される。また、当該在庫情報データベースSDには、コンビニエンスストアK店における売れ残り商品の「とんかつ弁当」の商品名及び賞味期限と、当該「とんかつ弁当」に含まれる食材の種類、及び当該食材の量を示す情報とが格納される。また、当該食材情報データベースFDには、コンビニエンスストアK店の近隣に位置する八百屋M店の在庫商品のキャベツ、にんじん、及びオクラの賞味期限と、それぞれの量を示す情報が格納される。更に、当該在庫情報データベースSDには、コンビニエンスストアK店の近隣に位置する惣菜店P店における在庫商品である「エビチリ」、「ハンバーグ」、及び「焼き鳥」の商品名及び賞味期限と、それぞれの量を示す情報とが格納される。在庫情報データベースSDに格納される在庫情報は、当該在庫情報に含まれる在庫商品の賞味期限までの時間が所定の時間未満となった場合に、食材情報として、食材情報データベースFDに移動すると好適である。なお、在庫情報データベースSDは、店舗に備わるPOSシステムと連携していてもよい。
【0057】
図10において、処理装置11Aは、記憶装置12Aから制御プログラムPR1Aを読み出して実行する。その結果、処理装置11Aは、リスト生成部111A、抽出部112、表示制御部113A、第1設定部114、第2設定部115、及び取得部116として機能する。
【0058】
第1設定部114は、料理を調理する場合に、売れ残り商品に含まれる食材の種類が、調理する料理に必要な食材の種類に占める割合を設定する。換言すれば、第1設定部114は、調理する料理に必要な食材の種類のうち、どの程度の割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用いるかを示す数値を設定する。当該割合は「第1割合」の一例である。第1設定部114は、端末装置30-Kのユーザである店員UKが、入力装置35を用いて端末装置30-Kに入力した数値を取得し、当該数値を上記の割合として設定してもよい。あるいは、第1設定部114は、記憶装置12Aに記憶される初期設定値を取得し、当該初期設定値を上記の割合として設定してもよい。
【0059】
第2設定部115は、料理を調理する場合に、売れ残り商品に含まれる食材の量が、調理する料理に必要な食材の量に占める割合を設定する。換言すれば、第2設定部115は、調理する料理に必要な食材の量のうち、どの程度の割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用いるかを示す数値を設定する。当該割合は「第2割合」の一例である。第2設定部115は、例えば、調理する料理にニンジンが100g必要であった場合、100gのうち何gのニンジンを、売れ残り商品に含まれる食材とするかを設定する。あるいは、第2設定部115は、例えば、調理する料理が天津飯450gであった場合、450gの天津飯を調理するために用いる複数の食材の合計量450gのうち、何gの食材を、売れ残り商品に含まれる食材とするかを設定する。第2設定部115は、端末装置30-Kのユーザである店員UKが、入力装置35を用いて端末装置30-Kに入力した数値を取得し、当該数値を上記の割合として設定してもよい。あるいは、第2設定部115は、記憶装置12Aに記憶される初期設定値を取得し、当該初期設定値を上記の割合として設定してもよい。
【0060】
取得部116は、通信装置13を介して、端末装置30-Kから、店員UKが、入力装置35を用いて端末装置30-Kに入力した指示を示す指示情報を取得する。具体的には、店員UKは、端末装置30-Kに対して、リスト生成部111Aが上記の第1割合と第2割合とのいずれに基づいて、1又は複数の料理のリストを生成するかに関する指示を入力する。取得部116は、端末装置30-Kから当該指示を示す指示情報を取得する。
【0061】
取得部116が、上記の第1割合に基づいてリストを生成することを指示する指示情報を取得した場合、リスト生成部111Aは、調理する料理に必要な食材の種類として、第1割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する。取得部116が、上記の第2割合に基づいてリストを生成することを指示する指示情報を取得した場合、リスト生成部111Aは、調理する料理に必要な食材の量として、第2割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、前記在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する。
【0062】
抽出部112は、第1実施形態における抽出部112と同様に、嗜好情報データベースLDに含まれる嗜好情報と、住民情報データベースDBに含まれる住民情報とに基づいて、リスト生成部111Aによって生成されたリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、近隣住民が嗜好する度合いが所定の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する。
【0063】
表示制御部113Aは、第1実施形態における表示制御部113と同様に、抽出部112が抽出した1又は複数の料理を示す料理名を、端末装置30-Kに備わるディスプレイ34に表示させる。また、表示制御部113Aは、第1実施形態における表示制御部113と同様に、料理情報データベースCDに含まれる料理情報に基づいて、抽出部112が抽出した1又は複数の料理に必要な食材及び調理方法を、料理名と1対1に対応した形式で、ディスプレイ34に表示させる。更に、表示制御部113Aは、食材情報データベースFDに含まれる食材情報、及び在庫情報データベースSDに含まれる在庫情報に基づいて、上記の調理方法において必要な食材が、売れ残り商品及び在庫商品としてのどの商品に含まれるかを示す商品情報をディスプレイ34に表示させることが好適である。当該商品情報は、商品名を示す情報に加えて、当該商品がどの店舗において販売されているかを示す情報を含むと好適である。
【0064】
2-2:第2実施形態の動作
図12は、第2実施形態に係る情報処理システム1Aに含まれるサーバ10Aの動作例を示すフローチャートである。
【0065】
ステップS11において、処理装置11Aは、取得部116として機能する。処理装置11Aは、通信装置13を介して、端末装置30-Kから指示情報を取得する。当該指示情報が、リスト生成部111Aが第1割合に基づいてリストを生成することを指示する情報である場合、処理装置11Aは、ステップS12の処理を実行する。当該指示情報が、リスト生成部111Aが第2割合に基づいてリストを生成することを指示する情報である場合、処理装置11Aは、ステップS13の処理を実行する。
【0066】
ステップS12において、処理装置11Aは、第1設定部114として機能する。処理装置11Aは、料理を調理する場合に、売れ残り商品に含まれる食材の種類が、調理する料理に必要な食材の種類に占める第1割合を設定する。
【0067】
ステップS13において、処理装置11Aは、第2設定部115として機能する。処理装置11Aは、料理を調理する場合に、売れ残り商品に含まれる食材の量が、調理する料理に必要な食材の量に占める第2割合を設定する。
【0068】
ステップS14において、処理装置11Aは、リスト生成部111Aとして機能する。ステップS12において第1割合を設定していた場合、処理装置11Aは、調理する料理に必要な食材の種類として、第1割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する。ステップS13において第2割合を設定していた場合、処理装置11Aは、調理する料理に必要な食材の量として、第2割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する。
【0069】
ステップS15において、処理装置11Aは、抽出部112として機能する。処理装置11Aは、嗜好情報データベースLDに含まれる嗜好情報と、住民情報データベースDDに含まれる住民情報とに基づいて、ステップS14において生成されたリストに含まれる1又は複数の料理名の中から、近隣住民が嗜好する度合いが所定の値以上となる1又は複数の料理名を抽出する。
【0070】
ステップS16において、処理装置11Aは、表示制御部113Aとして機能する。処理装置11Aは、ステップS15において抽出した1又は複数の料理を示す料理名、当該1又は複数の料理に必要な食材及び調理方法、及び、当該食材が含まれる売れ残り商品を示す商品情報を、端末装置30-Kに備わるディスプレイ34に表示させる。
【0071】
2-3:第2実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、情報処理装置としてのサーバ10Aは、第1設定部114を備える。第1設定部114は、売れ残り商品に含まれる食材の種類が、調理する料理に必要な食材の種類に占める割合を設定する。リスト生成部111Aは、調理する料理に必要な食材の種類として、第1設定部114が設定した第1割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、前記在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する。
【0072】
サーバ10Aは、以上の構成を有するので、店舗において売れ残った売れ残り商品に含まれる食材のみを用いて何らかの料理を調理しようとしても、足りない種類の食材があった場合に、在庫商品に含まれる食材を用いて調理可能な、店舗の近隣住民の嗜好に合った料理名を表示できる。
【0073】
また以上の説明によれば、情報処理装置としてのサーバ10Aは、第2設定部115を備える。第2設定部115は、売れ残り商品に含まれる食材の量が、調理する料理に必要な食材の量に占める割合を設定する。リスト生成部111Aは、調理する料理に必要な食材の量として、第2設定部115が設定した第2割合以上、売れ残り商品に含まれる食材を用い、他の食材として、前記在庫商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する。
【0074】
サーバ10Aは、以上の構成を有するので、店舗において売れ残った売れ残り商品に含まれる食材のみを用いて何らかの料理を調理しようとしても、足りない種類の量があった場合に、在庫商品に含まれる食材を用いて調理可能な、店舗の近隣住民の嗜好に合った料理名を表示できる。
【0075】
3:変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0076】
3-1:変形例1
第1実施形態に係る情報処理システム1では、サーバ10と端末装置30とが別体となっていたが、サーバ10と端末装置30とは、同一の筐体内において、一つの装置として実現されてもよい。例えば、店員UKが、サーバ10と端末装置30-Kとが組み合わされた1つの装置を、店舗内でスタンドアロン型の端末装置として用いてもよい。第2実施形態に係る情報処理システム1Aにおいても同様である。
【0077】
3-2:変形例2
第2実施形態に係る情報処理システム1Aにおいて、リスト生成部111Aは、第1設定部114によって設定される第1割合と、第2設定部115によって設定される第2割合のうち一方を選択した後、1又は複数の料理名のリストを生成していた。しかし、リスト生成部111Aは、第1割合と第2割合との双方を用いて、1又は複数の料理名のリストを生成してもよい。例えば、リスト生成部111Aは、調理する食材に必要な食材の種類のうち、第1割合以上の種類の食材として、売れ残り商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを生成する。更に、リスト生成部111Aは、当該リストに含まれる1又は複数の料理において、売れ残り商品に含まれる食材を用いる対象となる種類の食材の量のうち、第2割合以上の量は、売れ残り商品に含まれる食材を用いることで調理可能な、1又は複数の料理のリストを、改めて生成してもよい。
【0078】
4:その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置12~12A、及び記憶装置32としては、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。
【0079】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0080】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0081】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0082】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0083】
(6)
図1~
図12に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0084】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0085】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0086】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0087】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0088】
(10)上述した実施形態において、サーバ10~10A、及び端末装置30は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0089】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0090】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0091】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0092】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0093】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0094】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0095】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0096】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0097】
1,1A…情報処理システム、10,10A…サーバ、11,11A…処理装置、12,12A…記憶装置、13…通信装置、14…ディスプレイ、15…入力装置、30…端末装置、31…処理装置、32…記憶装置、33…通信装置、34…ディスプレイ、35…入力装置、111,111A…リスト生成部、112…抽出部、113,113A…表示制御部、114…第1設定部、115…第2設定部、116…取得部、311…通信制御部、312…表示制御部、PR1,PR1A,PR3…制御プログラム