(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079987
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】分析装置、分析方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20240606BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240606BHJP
G06F 30/27 20200101ALI20240606BHJP
【FI】
G06F30/13
G06Q50/10
G06F30/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192776
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】八木 佳子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩彰
(72)【発明者】
【氏名】加藤 洋介
(72)【発明者】
【氏名】酒井 美帆
(72)【発明者】
【氏名】大高 万奈
【テーマコード(参考)】
5B146
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146DC03
5B146DE03
5B146DG01
5B146DJ00
5B146DJ14
5B146FA02
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 レイアウト図面からオフィス等施設のレイアウトを分析することができる分析装置、分析方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】
オフィスのレイアウト図面を分析する分析装置が、レイアウト図面を記録する記憶部と、レイアウト図面を分析する分析部と、分析部による分析結果を出力する出力部を備え、分析部は、レイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する第1処理部と、第1処理部が抽出した什器及び/壁の配置からレイアウト図面を1又は2以上の区画に分割する第2処理部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワーカーが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面の分析装置であって、
前記レイアウト図面を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記レイアウト図面を分析する分析部と、
前記分析部の分析結果を出力する出力部と、
を備え、
前記分析部は、
前記記憶部に格納された前記レイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する第1処理部と、
前記第1処理部によって抽出された什器及び/又は壁の配置に基づいて、前記レイアウト図を1又は2以上の区画に分割する第2処理部と、
を含む、分析装置。
【請求項2】
前記分析部は、さらに、前記第2処理部によって分割された区画の種別を判別する第3処理部を備える、請求項1記載の分析装置。
【請求項3】
ユーザの要求を入力する入力部と、
前記分析部の分析結果に基づいて、前記入力部に入力された要求に応じた出力データを生成するデータ生成部と、
をさらに備える、請求項1記載の分析装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、前記分析部の分析結果に基づいて、前記入力部に入力された要求に応じたオフィスレイアウトのレイアウト図面を生成する、請求項1記載の分析装置。
【請求項5】
前記第1処理部は、前記レイアウト図面を入力データとして、前記レイアウト図面における前記什器及び/又は壁を推定する第1学習済みモデルを備える、請求項1記載の分析装置。
【請求項6】
前記第2処理部は、前記レイアウト図面と、前記第1処理部により抽出された什器及び/又は壁の配置を入力データとして、前記区画を推定する第2学習済みモデルを備える、請求項1記載の分析装置。
【請求項7】
前記第3処理部は、前記レイアウト図面と、前記第1処理部により抽出された什器及び/又は壁の配置と、前記第2処理部により分割された区画を入力データとして、前記区画の種別を推定する学習済みモデルを備える、請求項1記載の分析装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1~7のいずれかに記載の分析装置として機能させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータを用いて複数のワーカーが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を分析する分析方法であって、
前記レイアウト図面を格納するステップと、
前記格納された前記レイアウト図面を分析するステップと、
前記分析の結果を出力するステップと、
を備え、
前記分析するステップは、
前記格納された前記レイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する第1処理ステップと、
前記第1処理ステップによって抽出された什器及び/又は壁の配置に基づいて、前記レイアウト図を1又は2以上の区画に分割する第2処理ステップと、
を含む、分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分析装置、分析方法、及びプログラムに関し、具体的には、レイアウト図面からオフィス等施設のレイアウトを分析することができる分析装置、分析方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや工場その他の施設におけるレイアウト設計を情報システムにより支援する装置として、例えば特許文献1のレイアウト支援装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今では、企業等の組織における従業員等の生産性向上が求められており、従業員等にとって働きやすいレイアウト設計を行うに際して、従来技術による支援が有用である。
【0005】
一方で、情報処理システムを用いてレイアウト設計を行うにあたっては、設計の対象となる施設の図面を、使用する情報システムが処理できる形式の入力データとして作成する必要がある。オフィスその他のレイアウト図面は、昨今でも紙媒体で作成されることも多く、また、ビットマップ画像や特定のCAD(Conputer-Aided Design)ソフトウェア用形式のファイルとして作成されることも多い。従来技術を使用するにあたって、或いは、オフィスレイアウト等に関する統計的な情報を収集するにあたって、上記のレイアウト図面を分析して、従来技術その他の情報システムで活用できるようにすることが求められている。
【0006】
本発明は前述の問題に鑑み、レイアウト図面からオフィス等施設のレイアウトを分析することができる分析装置、分析方法、及びプログラムを提供することをその目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係る分析装置は、複数のワーカーが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面の分析装置であって、前記レイアウト図面を格納する記憶部と、前記記憶部に格納された前記レイアウト図面を分析する分析部と、前記分析部の分析結果を出力する出力部と、を備え、前記分析部は、前記記憶部に格納された前記レイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する第1処理部と、前記第1処理部によって抽出された什器及び/又は壁の配置に基づいて、前記レイアウト図を1又は2以上の区画に分割する第2処理部と、を含むことを特徴としている。
【0008】
本発明に係る分析装置は、分析部が、さらに、前記第2処理部によって分割された区画の種別を判別する第3処理部を備えるようにしてもよい。また、ユーザの要求を入力する入力部と、前記分析部の分析結果に基づいて、前記入力部に入力された要求に応じた出力データを生成するデータ生成部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0009】
本発明に係る分析装置は、前記データ生成部は、前記分析部の分析結果に基づいて、前記入力部に入力された要求に応じたオフィスレイアウトのレイアウト図面を生成するようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る分析装置は、前記第1処理部は、前記レイアウト図面を入力データとして、前記レイアウト図面における前記什器及び/又は壁を推定する第1学習済みモデルを備えるようにしてもよい。
【0011】
本発明に係る分析装置は、前記第2処理部は、前記レイアウト図面と、前記第1処理部により抽出された什器及び/又は壁の配置を入力データとして、前記区画を推定する第2学習済みモデルを備えるようにしてもよい。
【0012】
本発明に係る分析装置は、前記第3処理部は、前記レイアウト図面と、前記第1処理部により抽出された什器及び/又は壁の配置と、前記第2処理部により分割された区画を入力データとして、前記区画の種別を推定する学習済みモデルを備えるようにしてもよい。
【0013】
前述の課題を解決するためになされた本発明に係る分析方法は、コンピュータを用いて複数のワーカーが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を分析する分析方法であって、前記レイアウト図面を格納するステップと、前記格納された前記レイアウト図面を分析するステップと、前記分析の結果を出力するステップと、を備え、前記分析するステップは、前記格納された前記レイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する第1処理ステップと、前記第1処理ステップによって抽出された什器及び/又は壁の配置に基づいて、前記レイアウト図を1又は2以上の区画に分割する第2処理ステップと、前記第2処理ステップによって分割された区画の種別を判別する第3処理ステップと、を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1処理部により什器及び/又は壁を抽出し、第2処理部により1又は2以上の区画に分割する分析部により、レイアウト図面を分析して、当該分析部による分析結果を出力部が出力する。この構成により、本発明はレイアウト図面からオフィス等施設のレイアウトを分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の一例における分析装置の構成を示す図である。
【
図2】同実施形態の一例における分析処理の流れを示す図である。
【
図3】同実施形態の一例における、レイアウト図面の例を示す図である。
【
図4】同実施形態の一例における、レイアウト図面に第1処理部による処理を行った状態の例を模式的に示す図である。
【
図5】同実施形態の一例における、レイアウト図面に第2処理部による処理を行った状態の例を模式的に示す図である。
【
図6】同実施形態の一例における、レイアウト図面に第3処理部による処理を行った状態の例を模式的に示す図である。
【
図7】同実施形態の一例における、分析結果を集計した統計情報の出力画面の例を示す図である。
【
図8】同実施形態の一例における、レイアウト変更案の出力画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る分析装置の構成を示す図である。
図1で示すように、本実施形態の一例において、分析装置1は、従業員その他の複数のワーカーが執務を行うオフィスのレイアウトに関するレイアウト図面を分析する装置であり、記憶部11と、分析部12と、出力部13と、入力部14と、データ生成部15を備えている。
【0017】
本実施形態の一例において、分析装置1は、周知のコンピュータを用いて構成されている。コンピュータのHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)その他のストレージ装置に記録されたプログラムをメモリにロードし、CPU(中央演算装置)が実行することで、コンピュータを分析装置1として機能させる。
【0018】
記憶部11は、レイアウト図面を格納する領域である。前述のとおり、本実施形態の一例における分析装置1は周知のコンピュータを用いて構成されており、本実施形態の一例における記憶部11は、当該コンピュータが備えるストレージ装置の所定の領域である。
分析部12は、前述の記憶部11によって分析装置1に格納されたレイアウト図面を分析する。本実施形態の一例において、分析部12は、第1処理部121と、第2処理部122と、第3処理部123から構成されている。
【0019】
第1処理部121は、前述の記憶部11に格納されたレイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する。本実施形態の一例において、第1処理部121は、レイアウト図面を入力データとして、当該レイアウト図面における什器及び/又は壁の配置を推定する第1学習済みモデル121aを備えており、第1処理部121は第1学習済みモデル121aが推定した什器及び/又は壁の配置をもって、レイアウト図面中の什器及び/壁として抽出する。
【0020】
第1学習済みモデル121aは、レイアウト図面を入力データとして、当該レイアウト図面から什器及び/又は壁の配置を推定する。本実施形態の一例における第1学習済みモデル121aは、レイアウト図面と、什器及び/又は壁の配置を教師データとして機械学習により生成された学習済みモデルである。
【0021】
第2処理部122は、前述の第1処理部121が抽出した什器及び/壁の配置に基づいて、前述のレイアウト図面を1又は2以上の区画に分割する。本実施形態の一例において、第2処理部122は、レイアウト図面と、第1処理部122が抽出した什器及び/壁の配置を入力データとして、レイアウト図面の区画を推定する第2学習済みモデルを備えており、第2処理部122は第2学習済みモデル122aが推定した区画によってレイアウト図面を1又は2以上の区画に分割する。
【0022】
第2学習済みモデル122aは、レイアウト図面と、第1処理部121が抽出した什器及び/壁の配置を入力データとして、レイアウト図面における区画を推定する。本実施形態の一例における第2学習済みモデル122aは、レイアウト図面と、レイアウト図面における什器及び/壁の配置と、レイアウト図面の区画を教師データとして機械学習により生成された学習済みモデルである。
【0023】
第3処理部123は、前述の第2処理部が分割した区画の各々について、当該区画の種別を判別する。本実施形態の一例において、第3処理部123は、レイアウト図面と、第1処理部121が抽出した什器及び/壁の配置と、第2処理部が分割した区画を入力データとして、区画の各々の種別を推定する第3学習済みモデル123aを備えており、第3処理部123は第3学習済みモデル123aが推定した種別をもって、区画の種別として判別する。
【0024】
第3学習済みモデル123aは、レイアウト図面と、第1処理部121が抽出した什器及び/壁の配置と、第2処理部122が分割した区画を入力データとして、各区画の種別を推定する。本実施形態の一例において、第3学習済みモデル123aは、レイアウト図面と、レイアウト図面における什器及び/壁の配置と、レイアウト図面における区画と、当該区画ごとの種別を教師データとして機械学習により生成された学習済みモデルである。
【0025】
出力部13は、前述の分析部12による分析結果を出力する。本実施形態の一例における出力部13は、分析装置1が備えるディスプレイその他の出力装置に分析結果画面として上記分析結果を出力する。
【0026】
入力部14は、ユーザの要求を入力する。本実施形態の一例では、前述の分析部12による分析結果に基づいて、ユーザの要求に応じた出力データを後述のデータ生成部15により生成する。入力部14は、データ生成部15に生成させる出力データの種別、パラメータその他の情報をユーザの操作により分析装置1に入力する。
【0027】
データ生成部15は、ユーザの操作により入力された要求に応じて、所定の出力データを生成する。ユーザの要求および生成する出力データについては後述する。
【0028】
以上が、本実施形態の一例における分析装置1の構成である。なお、分析装置1のハードウェア構成は任意に選択してよく、本実施形態の一例では1台のコンピュータを用いているが、これを2台以上のコンピュータを用いて構成するようにしてもよい。2台以上のコンピュータを用いる場合に、当該2台以上のコンピュータを、ネットワークを介して通信可能に接続するようにしてもよい。
【0029】
次いで、本実施形態の一例における分析処理の流れについて説明する。
図2は、本実施形態の一例における分析処理の流れを示すフロー図である。
【0030】
本実施形態の一例における分析処理が開始されると、分析装置1は記録部11からユーザが指定するレイアウト図面を取得する(ステップS1)。前述のとおり、本実施形態の一例では、記録部11としてレイアウト図面を格納する領域が構成されており、ステップS1はユーザの指示に応じて、分析対象となるレイアウト図面を記憶部11から取得する。
【0031】
図3は、本実施形態の一例における、レイアウト図面の例を示す図である。
図3で示すように、レイアウト図面D1は、従業員その他のワーカーが執務を行うオフィスその他の施設D11のレイアウトを示す平面図である。施設D11は、外壁及び内壁によって1又は2以上の空間に仕切られており、また、机や椅子その他の什器が配置されている。なお、什器はオフィスその他の施設に配置される家具全般をもって什器としてよく、例えば、1人用作業デスク、複数人用作業デスク、会議用テーブル、1人用椅子、複数人用椅子、ホワイトボード、モニタースタンド、間仕切り、キャビネット、ロッカー、棚、収納家具、植栽等をもって什器としてよい。
【0032】
なお、レイアウト図面の形式は任意に選択してよい。例えば、紙面上に記載された手書きのレイアウト図面をビットマップ画像形式にしたものであっても良いし、壁や什器を図形とするベクター形式の画像であってもよい。また、2次元或いは3次元のCAD(Computer-Aided Design)形式の図面であってもよい。
【0033】
ステップS1で取得したレイアウト図面は本実施形態の一例における分析処理の入力データとして扱われる情報であり、分析装置1は、当該レイアウト図面を入力データとして分析部12による分析処理が行われる(ステップS2)。ステップS2の分析処理は、什器・壁抽出処理(ステップS21)、区画分割処理(ステップS22)、及び区画種別判別処理(ステップS23)から構成されている。
【0034】
ステップS21の什器・壁抽出処理は、分析装置1の第1処理部121による処理であり、前述のステップS1で取得したレイアウト図面を入力データとして、当該レイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する。
【0035】
図4は、本実施形態の一例において、前述の
図3のレイアウト図面に第1処理部121の処理を行った状態の例を模式的に示す図である。
図4で示すように、第1処理部121は、レイアウト図面D1から壁D2を抽出する。
【0036】
前述のように、本実施形態の一例における第1処理部121は、ステップS1で取得したレイアウト図面を入力データとして、当該レイアウト図面における什器及び/又は壁の配置を推定する第1学習済みモデル121aを備えており、第1処理部121は第1学習済みモデル123aを用いてレイアウト図面中の什器及び/又は壁を抽出する。
【0037】
本実施形態の一例において、第1学習済みモデル121aは、レイアウト図面と、什器及び/又は壁の配置を教師データとして機械学習により生成した学習済みモデルである。なお、学習済みモデルの生成方法は任意に選択してよく、例えば、いわゆる転移学習として、一般住宅その他のレイアウト図面から什器及び/又は壁の配置を推定する学習済みモデルに、オフィスその他の施設のレイアウト図面による追加学習を行うことで生成するようにしてもよい。
【0038】
なお、第1処理部121が什器と壁の何れかを抽出するか、或いは双方を抽出するかは任意に選択してよく、後述する第2処理部121及び第3処理部123による処理が必要とする情報を抽出するように構成してよい。
【0039】
また、抽出した壁をどの様な情報として表すかは任意に選択してよい。例えば、
図4で示すとおりに、レイアウト図面と重畳表示が可能な画像としても良いし、或いは、レイアウト図面がCAD形式やベクター画像形式である場合に、壁D2をレイアウト図面中の図形情報として構成してもよい。
【0040】
ステップS21による什器・壁抽出処理が完了すると、分析装置1は、次いで第2処理部122による区画分割処理を実行する(ステップS22)。ステップS22は、第2処理部122により、ステップS1で取得したレイアウト図面及びステップS21で抽出した什器及び/又は壁の配置から、レイアウト図面を1又は2以上の区画に分割する。
【0041】
図5は、本実施形態の一例において、前述の
図3のレイアウト図面に第2処理部122の処理を行った状態の例を模式的に示す図である。
図5で示すように、第2処理部122による処理が完了すると、レイアウト図面D1は1又は2以上の区画D3によって分割された状態となる。
【0042】
前述のように、本実施形態の一例における第2処理部122は、ステップS10で取得したレイアウト図面及び第1処理部121が抽出した什器及び/又は壁の配置を入力データとして、当該レイアウト図面中の区画を推定する第2学習済みモデル122aを備えており、第2処理部122は第2学習済みモデル122aを用いてレイアウト図面を1又は2以上の区画に分割する。
【0043】
本実施形態の一例において、第2学習済みモデルは、レイアウト図面と、什器及び/又は壁の配置と、レイアウト図面中の区画を教師データとして機械学習により生成した学習済みモデルである。第1学習済みモデル121aと同様に、第2学習済みモデル122aについても転移学習等の方法により生成してもよい。
【0044】
ステップS22による区画分割処理が完了すると、分析装置1は、次いで第3処理部123による区画種別判別処理を実行する(ステップS23)。ステップS23は、第3処理部123により、ステップS10で取得したレイアウト図面と、ステップS21で抽出した什器及び/又は壁の配置と、ステップS21で分割した区画から、当該区画の各々の種別を判別する。
【0045】
図6は、本実施形態の一例において、前述の
図3のレイアウト図面に第3処理部123の処理を行った状態の例を模式的に示す図である。
図6で示すように、第3処理部123は、前述の第2処理部122により分割した区画D3の各々について、当該区画の種別を判別する。本実施形態の一例では、区画D3の各々について、多数のワーカーが共用して執務を行う区画であることを示す執務D41と、役員執務室、役員室受付、秘書室、役員会議・応接室その他の役員が執務を行う区画であることを示す役員専用D42と、ワーカーが単独で執務を行う個室であることを示す個室執務D43と、会議室、研修室、印刷室、受付・ロビーその他の業務支援を行う区画であることを示す業務支援D44と、サーバールームや図書館、書庫や倉庫その他の区画であることを示す情報管理D45と、休憩室や談話室、食堂、更衣室その他の区画であることを示す生活支援D46と、通路として使用される区画であることを示す通路D47のいずれの種別に該当するか判別する。
【0046】
前述のように、第3処理部123は、ステップS10で取得したレイアウト図面と、第1処理部121が抽出した什器及び/又は壁の配置と、第2処理部が分割した区画を入力データとして、第2処理部が分割した区画のそれぞれについて区画の種別を推定する第3学習済みモデル123aを備えており、ステップS23では、第3処理部123が第3学習モデル123aを用いて、第2処理部が分割した区画の各々について種別を判別する。
【0047】
本実施形態の一例において、第3学習済みモデル123aは、レイアウト図面と、什器及び/又は壁の配置と、レイアウト図面中の区画と、当該区画の種別を教師データとして機械学習により生成した学習済みモデルである。第1学習済みモデル121a、第2学習済みモデル122aと同様に、第3学習済みモデル123aについても転移学習等の方法により生成してもよい。
【0048】
ステップS20の分析処理が完了すると、分析装置1は分析結果を出力する(ステップS30)。本実施形態の一例では、前述のように分析処理S20が什器・壁抽出処理S21~区画種別判別処理S23から構成されており、区画種別判別処理S23の処理結果が本実施形態の一例における分析結果である。分析結果は分析装置1の出力部13により、分析装置1が備えるディスプレイその他の出力装置に出力される。なお、出力の具体的な方法は任意に周知の出力方法を選択してよく、例えば、所定形式のファイルとして、分析装置1のストレージ装置や、分析装置1と通信可能に接続された端末に出力するようにしてもよい。また、出力する情報についても任意に変更してよく、例えば、ステップS23の処理結果に加えて、或いはこれに代えて、オフィスその他全体及び区画の種別毎に、面積や座席数その他の什器の数を算出して出力するようにしてもよい。
【0049】
以上が、本実施形態の一例における分析処理の流れである。
【0050】
また、本実施形態の一例における分析装置1は、ユーザの要求を入力する入力部14と、当該入力部14に入力された要求に応じた出力データを生成する出力データ生成部15を備えている。本実施形態の一例では、統計情報の出力をユーザの要求として入力された場合には、分析装置1による分析結果を集計した統計情報を生成し、また、指定したレイアウト図面について、前述の種別ごとにユーザが所望する面積の割合を要求として入力された場合には、要求された面積の割合に基づくレイアウト変更案を生成する。なお、ユーザの要求及び、要求に応じた出力データの具体的な内容は任意に選択してよく、例えば、複数のレイアウト図面を分析した結果からオフィス等の施設のトレンド傾向を算出して、特定の区画の面積や什器の数を増減させる等のアドバイス情報を出力データとして生成するようにしてもよい。
【0051】
図7は、本実施形態の一例において、分析装置1の分析結果を集計した統計情報の出力画面の例を示す図である。分析装置1の入力部14に、統計情報の出力をユーザの要求として示す情報が入力されると、分析装置1の出力データ生成部15により、分析装置1の分析結果を集計した統計情報が生成され、分析装置1のディスプレイその他の出力装置に出力される。本実施形態の一例では、
図7で示すように、統計情報画面W1が、オフィス等施設の面積比を示すツリーマップW11と、当該面積比の年毎の推移を示す棒グラフW12と、一人当たりのオフィス面積の推移を示す第1折れ線グラフW13と、一人当たりの執務室面積の推移を示す第2折れ線グラフW14を備えている。
【0052】
図8は、本実施形態の一例において、レイアウト変更案の出力画面の例を示す図である。分析装置1の入力部14に、指定したレイアウト図面の前述の区画の種別それぞれについてユーザが所望する面積の割合を要求として入力されると、分析装置1の出力データ生成部15によりオフィス等施設のレイアウト変更案が生成され、分析装置1のディスプレイその他の出力装置に出力される。本実施形態の一例では、
図8で示すように、レイアウト変更案画面W2が、レイアウト図面W21と、区画ごとの構成例W22を備えている。
【0053】
本実施形態の一例の説明は以上である。なお、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、本実施形態の一例において、ステップS23は区画の種別を執務D41~通路D47の7種別のいずれかとして判別するが、区画の種別はこれに限られず、例えば、執務D41~通路D47として判別された区画を、当該区画の判別された種別における用途等によって細分化するように構成してもよい。
【0054】
また、第1学習済みモデル121a~第3学習済みモデル123aは、本実施形態の一例では機械学習により生成された学習済みモデルであるが、分析装置1により分析するレイアウト図面及び分析部12の第1処理部121~第3処理部123による分析結果を追加の教師データとして、第1学習済みモデル121a~第3学習済みモデル123aの一部または全部を再生成する追加学習部を備えるように構成してもよい。また、本実施形態の一例では、分析処理S20が什器・壁抽出処理S21と、区画分割処理S22と、区画種別判別処理S23から構成されているが、分析処理S20を什器・壁抽出処理S21と、区画分割処理S22の2行程から構成するようにしてもよい。この場合には、ステップS30は、出力部13が区画分割処理S22の処理結果をもって分析結果として出力するようにしてよい。また、本実施形態の一例におけるステップS20の分析処理において具体的にどのような手法を用いるかは任意に選択してよく、例えば、ステップS21の什器・壁抽出処理が抽出した座席その他の什器の数、或いはステップS22の区画分割処理が分割した各区画の形状や面積に基づいて、各区画の用途や種別を判別するようにしてもよい。
【0055】
その他の具体的な構成についても上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 分析装置
11 記憶部
12 分析部
121 第1処理部
121a 第1学習済みモデル
122 第2処理部
122a 第2学習済みモデル
123 第3処理部
123a 第3学習済みモデル
13 出力部
14 入力部
15 データ生成部