(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079994
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20240606BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G06Q20/20 310
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192786
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】傳地多 雄太
(72)【発明者】
【氏名】西村 修
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142DA08
3E142EA21
3E142GA14
3E142JA01
5L020AA42
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】 顧客に対して適切な決済装置を案内する技術を提供する。
【解決手段】 情報処理装置は、決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得する顧客情報取得手段と、決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得するステータス取得手段と、顧客情報およびステータスに基づいて、顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する出力手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および前記顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得する顧客情報取得手段と、
決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得するステータス取得手段と、
前記顧客情報および前記ステータスに基づいて、前記顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記案内情報と、各決済装置の前記ステータスを示す情報と、を表示装置に出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記顧客情報取得手段は、前記顧客による端末装置への前記支払方法の入力に基づいて、前記支払方法を示す情報を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記顧客情報取得手段は、前記顧客を識別する識別情報に関連付けられた前記支払方法を示す情報を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記識別情報は、前記顧客の顔画像であり、
前記顧客情報取得手段は、前記顔画像により認証された顧客情報に関連付けられた前記支払方法を示す情報を取得する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記識別情報は、前記顧客に割り当てられた識別番号であり、
前記顧客情報取得手段は、前記顧客の識別番号に関連付けられた前記支払方法を示す情報を取得する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記顧客情報取得手段は、前記顧客を撮影した画像に基づいて、前記顧客の商品の前記登録方法を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記顧客情報に適合する決済装置が複数ある場合に、前記顧客情報に適合する決済装置までの距離に応じた、前記顧客情報に適合する決済装置を示す前記案内情報を出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および前記顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得し、
決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得し、
前記顧客情報および前記ステータスに基づいて、前記顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する、
情報処理方法。
【請求項10】
決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および前記顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得し、
決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得し、
前記顧客情報および前記ステータスに基づいて、前記顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理を行う装置、方法およびプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗において、複数の決済装置が設けられる場合がある。また、近年、店舗に設けられる決済装置が多様化している。
【0003】
例えば、決済装置によって、利用可能な支払方法、または購入商品の登録方法が異なることがある。顧客は、複数の決済装置から、自身が利用を希望する支払方法、または購入商品の登録方法が利用可能な決済装置を選択する。
【0004】
特許文献1には、決済装置が、自己の決済装置で対応可能な複数の決済方法の各々について、当該決済方法が使用できる状態にあるか否かを判定し、使用可能と判定した決済方法の各々を表示部に表示させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、顧客が利用する決済装置が、顧客が利用を希望する支払方法や商品登録方法に対応していない場合、顧客は、他の決済装置を探す、または、他の決済装置に移動することが必要になる。これは、顧客にとって手間である。
【0007】
本開示の目的の一例は、顧客に対して適切な決済装置を案内する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様における情報処理装置は、決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得する顧客情報取得手段と、決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得するステータス取得手段と、顧客情報およびステータスに基づいて、顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する出力手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様における情報処理方法は、コンピュータが、決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得し、決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得し、顧客情報およびステータスに基づいて、顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する。
【0010】
本開示の一態様における情報処理プログラムは、コンピュータに、決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得し、決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得し、顧客情報およびステータスに基づいて、顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示による効果の一例は、顧客に対して適切な決済装置を案内することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】情報処理装置を含むシステムの構成を示す図である。
【
図2】情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】顧客情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】決済装置のステータスの一例を示す図である。
【
図7】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】本開示における情報処理装置をコンピュータ装置とその周辺装置で実現したハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
[実施形態]
本開示は、小売店舗において、顧客が利用可能な決済装置に、決済装置を利用しようとする顧客を案内する技術に関連する。本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムは、顧客の情報およびPOS(Ponit Of Sales)データに基づいて、顧客が利用可能な決済装置に顧客を案内する。ここで、POSデータは、POS端末の稼働状況を示すデータである。また、POSデータは、商品の売上情報など、他の情報を含んでもよい。小売店舗は、例えば、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、アパレルショップ、家電量販店、ホームセンターなどであるが、特に限定されない。また、決済装置は、小売店舗を利用する顧客が商品を購入する際に決済を行う装置である。本開示において、決済装置は、顧客自身が購入商品の登録および決済を行う決済装置、既に商品登録が行われた購入商品の決済のみを行う決済装置、または、店員が購入商品の登録から決済までの対応を行う決済装置であってよい。なお、決済装置は、これらに限られない。
【0015】
図1は、本開示の情報処理装置を含むシステムの一例を示す図である。
【0016】
図1において、情報処理装置は、店舗のPOS端末からPOSデータを取得する。また、情報処理装置は、顧客情報を取得するための各種装置から、顧客情報を取得する。顧客情報を取得するための各種装置は、例えば、端末装置、顧客を撮影するカメラ、または、顧客情報データベースなどであるが、これらに限られない。
図1に示すように、情報処理装置は、店舗のPOSデータを収集するPOSサーバを介して、POS端末からPOSデータを取得してよい。なお、店舗内とは、店舗の敷地のうち、顧客が立ち入り可能な領域であってよい。例えば、店舗内とは、店舗の売場、または売り場を含む建物だけでなく、例えば、店舗の駐車場を含んでもよい。
【0017】
また、情報処理装置は、顧客が利用可能な決済装置に顧客を案内するための案内情報を、出力装置に出力する。出力装置は、案内情報を顧客が認識可能に出力する装置であれば、特に限定されない。出力装置は、例えば、店舗内に設置された表示装置、店舗内に設置された音声出力装置、店舗内に設置された端末装置、顧客が使用する端末装置であってよい。
【0018】
図1において、情報処理装置は、店舗内に備えられる。情報処理装置は、店舗外に備えられ、POS端末、出力装置、顧客情報を取得するための各種装置と通信可能に接続されてもよい。また、情報処理装置は、POSサーバに含まれてもよい。情報処理装置を含むPOSサーバは、店舗外に備えられ、POS端末、出力装置、顧客情報を取得するための各種装置と通信可能に接続されてもよい。
【0019】
次に、
図1の情報処理装置を含むシステムが利用される例について、顧客側の側面から説明する。
【0020】
決済装置を利用しようとする顧客は、決済装置に近付いてくる。ここで、決済装置が複数設けられていることを想定する。複数の決済装置のうち、決済装置が空いている場合、決済装置を利用しようとする顧客は、空いている決済装置まで移動し、決済を開始する。決済装置が空いていない場合、または、決済装置が空いていることに気付かず、決済装置が空いていないと顧客が判断した場合、決済装置を利用しようとする顧客は、決済装置の空きを待つ。
【0021】
図1において、決済装置を利用しようとする顧客は、決済装置の近辺で決済装置の空きを待っている。決済装置を利用しようとして、空きを待っている顧客からは、決済装置が空いているか否かが見えにくい場合がある。例えば、
図1の場合、奥に設置されたPOS端末Cは視認しづらい。また、POS端末が空いていたとしても、顧客が利用したい支払方法や商品登録方法を利用できるかがわからない場合がある。これに対し、
図1において、情報処理装置は、顧客の顧客情報および決済装置のステータスに基づいて、POS端末Cが空いていて、かつ、POS端末Cが、顧客が利用可能なPOS端末であることを特定する。そして、情報処理装置は、顧客情報に適合する決済装置であるPOS端末Cを示す案内情報を出力する。出力装置は、決済装置を利用しようとする顧客に対し、POS端末Cを案内する情報を出力する。これにより、顧客は、POS端末Cが利用可能であることを認識することができる。顧客は、利用可能な決済装置であるPOS端末Cに移動し、決済を開始する。
【0022】
次に、実施形態における情報処理装置100の構成について説明する。
【0023】
図2は、実施形態における情報処理装置100の構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、情報処理装置100は、顧客情報取得部101と、ステータス取得部102と、出力部103と、を備える。
【0024】
次に、実施形態における情報処理装置100の各構成について詳しく説明する。
【0025】
図1において、顧客情報取得部101は、決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および顧客の購入商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得する顧客情報取得手段の一例である。支払方法とは、顧客が購入商品の代金の支払に利用する方法である。支払方法は、例えば、現金、クレジットカード、デビットカード、商品券、電子マネー、コード決済などである。支払方法の種類はこれらに限られない。また、支払方法は、電子マネーに入金するチャージ機能の利用の可否を含んでもよい。
【0026】
まず、顧客情報取得部101が、決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報を取得する方法について説明する。
【0027】
支払方法を示す情報を取得する方法は、例えば、顧客による入力に基づいて、顧客が利用を希望する支払方法を取得する方法である。例えば、端末装置に表示される支払方法の入力画面において、顧客が選択した支払方法を、顧客が利用を希望する支払方法として取得する。
【0028】
図3は、支払方法の入力画面の画面例である。支払方法の入力画面には、支払方法の選択肢が表示される。
図3において、支払方法の選択肢は、「現金」または「キャッシュレス」である。支払方法としてのキャッシュレスは、現金以外の支払方法であってよい。例えば、キャッシュレスとは、クレジットカード、電子マネー、およびコード決済を含む。支払方法の種類または分類は、
図3の例に限られない。また、支払方法の入力画面は、案内可能な決済装置が無い支払方法に関する案内を含んでもよい。
図3において、支払方法の入力画面例は、顧客が決済の操作を行う決済装置では利用できない支払方法である「商品券」について、店員が決済の操作を行う決済装置を利用するように案内する情報を含む。
【0029】
支払方法の入力は、例えば、顧客が決済装置の空きを待つ場所に設置される端末装置を介して行われればよい。支払方法の入力が可能であれば、端末装置の種類は特に限定されない。端末装置は、支払方法の入力画面を表示する。端末装置は、決済装置を利用しようとする顧客がセンサ等により検知された場合に、支払方法の入力画面を表示してよい。または、端末装置は、決済装置を利用しようとする客がセンサ等により検知された場合に、支払方法の入力操作が可能な状態に変更してよい。センサは、例えば、カメラ、人感センサなど、ある場所における人の有無を検知できるセンサであればよい。情報処理装置100または端末装置は、センサによる人の有無を検知した情報を取得し、入力画面を端末装置の表示部に表示させればよい。
【0030】
または、支払方法の入力は、顧客が利用する、セルフスキャン用の端末装置によって行われてもよい。セルフスキャンとは、顧客が店舗内を買い回りながら、端末装置を用いて購入商品をスキャンにより登録する商品登録方法である。セルフスキャンの場合、顧客は、商品登録後の決済を、決済装置を用いて行う。セルフスキャン用の端末装置は、店舗の買い物カート等に備えられたものでもよいし、セルフスキャンの機能が利用可能な、顧客が所有する端末装置であってもよい。セルフスキャン用の端末装置によって支払方法が入力される場合、例えば、端末装置は、近距離無線通信などによって、自身の位置が決済装置の空きを待つ場所に含まれる場合に、支払方法の入力画面を表示してもよい。
【0031】
顧客情報取得部101は、このようにして顧客により入力された支払方法を示す情報を、顧客情報として取得する。
【0032】
顧客情報取得部101が、支払方法を示す情報を取得する方法の他の例は、例えば、顧客を識別する識別情報に関連付けられた支払方法を示す情報を取得する方法である。この場合、顧客が利用を希望する支払方法として選択された支払方法を示す情報が、あらかじめ顧客の識別情報に関連付けられればよい。顧客の識別情報は、例えば、顧客の顔画像、または、顧客の識別番号である。顧客情報は、情報処理装置100の内部または外部に通信可能に接続された顧客情報データベースに格納されればよい。
【0033】
図4は、顧客情報データベースの一例である。顧客ID(Identifer)は、顧客の識別情報である。
図4において、顧客の識別情報に、顧客の支払方法を示す情報が関連付けられる。また、顧客情報データベースは、顧客の氏名、顧客のポイント情報、顧客の購入履歴など、他の情報を含んでもよい。
【0034】
例えば、顧客情報取得部101は、通信可能に接続されたカメラから、決済装置を利用しようとする顧客を撮影した画像を取得する。そして、顧客情報取得部101は、顧客情報データベースにあらかじめ保存された顧客の顔認証画像を、撮影した画像に含まれる顧客の顔画像と照合する。顧客情報取得部101は、照合により一致した顔認証画像を含む識別情報を特定する。顧客情報取得部101は、顧客情報データベースから、特定された識別情報に関連付けられた、顧客の支払方法を示す情報を取得する。
【0035】
また、例えば、顧客情報取得部101は、顧客の識別番号を含むバーコードを読み取る読取装置から、決済装置を利用しようとする顧客の識別番号を取得する。読取装置は、例えば、カメラまたはバーコードリーダである。そして、顧客情報取得部101は、顧客情報データベースを参照することにより、識別番号に関連付けられた顧客の支払方法を示す情報を取得する。顧客の識別番号を含むバーコードを読み取る読取装置は、顧客が決済装置の空きを待つ場所に設置される端末装置、または、ディスプレイ等の表示装置の内部または通信可能に接続された外部に備えられてよい。顧客情報取得部101は、顧客が決済装置の空きを待つ場所に設置される端末装置または表示装置を介して、識別番号を取得してよい。
【0036】
以上のようにして、顧客情報取得部101は、顧客の支払方法を示す情報を取得すればよい。また、顧客の支払方法を示す情報を取得する方法の複数の例について説明したが、顧客情報取得部101は、これら複数の方法を適宜使い分けてもよい。例えば、顧客情報取得部101は、顧客の顔画像により顧客の支払方法を示す情報を取得できない場合に、識別番号を含むバーコードを読み取ることにより、識別番号を取得してもよい。また、例えば、顧客情報取得部101は、あらかじめ顧客が支払方法を示す情報が登録されていない場合に、支払方法の入力画面で顧客により入力された支払方法を示す情報を取得してもよい。
【0037】
次に、顧客情報取得部101が顧客の商品登録方法を取得する方法について説明する。
【0038】
顧客情報取得部101は、支払方法を示す情報の取得と同様に、顧客により入力された、利用している商品登録方法を示す情報を取得してもよい。顧客に入力させる商品登録方法として、例えば、「商品登録済」または「決済装置で商品登録を行う」などの選択肢を示す入力画面が端末装置または表示装置に示されてよい。具体的に、顧客に入力させる商品登録方法を示す情報は、「決済装置で商品登録を行う」または「セルフスキャン」などの選択肢を示す入力画面から顧客により選択操作された情報であってもよい。セルフスキャンとは、上述のように、顧客が店舗内を買い回りながら、端末装置を用いて購入商品をスキャンにより登録する商品登録方法である。
【0039】
または、顧客情報取得部101は、顧客を撮影した画像に基づいて、顧客の商品登録方法を特定してもよい。顧客を撮影した画像には、顧客が持っている買い物カゴや買い物カートが含まれる。セルフスキャン用の買い物カゴや買い物カートは、商品登録用のセンサや端末装置が備えられていると想定される。これにより、顧客情報取得部101は、画像に含まれる買い物カゴや買い物カートが、あらかじめ記憶されたセルフスキャン用のものであるか、セルフスキャン用でない通常のものであるか、を、画像認識により特定する。なお、顧客が買い物カゴも買い物カートも持っていない場合は、顧客情報取得部101は、セルフスキャンではなく、決済装置において商品登録を行う方法であると特定してもよい。
【0040】
次に、ステータス取得部102は、決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な購入商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働情報と、を含む、決済装置のステータスを取得する、ステータス取得手段の一例である。決済装置のステータスとは、決済装置の状況を示す情報である。決済装置の状況には上述の通り、済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な購入商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働情報と、が含まれる。
【0041】
図5は、決済装置のステータスを示すデータの例である。
図5に示す決済装置のステータスは、各決済装置のIDに対して、それぞれの稼働状況、決済進行状況、支払方法、および商品登録方法が関連付けられた情報である。具体的にステータス取得部102は、POSデータに基づいて、
図5のような決済装置のステータスを取得する。
【0042】
決済装置のステータスのうち、稼働情報は、稼働状況および決済進行状況を含む。決済装置の稼働状況は、決済装置が稼働しているか、停止しているか、を示す情報である。決済装置の決済進行状況は、決済装置における決済の進行状況を示す情報である。決済進行状況は、例えば、空き、商品登録中、支払中などであってよいが、これらに限られない。
【0043】
決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および利用可能な商品登録方法を示す情報は、装置ごとにあらかじめ決済装置データベースに記憶されてもよい。この場合、ステータス取得部102は、決済装置データベース等から、決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および利用可能な商品登録方法を示す情報を取得してよい。
【0044】
または、決済装置において利用可能な支払方法および利用可能な商品登録方法が、POS端末を操作する店員によって切り替えられてもよい。この場合、または、支払方法や商品登録方法が、通信障害やサービス停止などにより一時的に使えないことがPOSデータに含まれる。したがって、ステータス取得部102は、ステータスに含まれる現在の利用可能な支払方法を示す情報や商品登録方法を示す情報がPOSデータから取得されてよい。
【0045】
出力部103は、取得された顧客情報およびステータスに基づいて、顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する出力手段の一例である。
【0046】
出力部103は、顧客情報に適合し、空いている決済装置を示す案内情報を出力する。より具体的には、出力部103は、顧客情報に含まれる支払方法を示す情報および商品登録方法を示す情報に適合する、利用可能な支払方法または商品登録方法が関連付けられた決済装置のうち、稼働状況が稼働中であり、決済進行状況が空きである決済装置を示す案内情報を出力する。
【0047】
または、出力部103は、顧客情報に適合し、かつ、間もなく顧客に案内可能になる決済装置を示す案内情報を出力してもよい。間もなく顧客に案内可能になる決済装置とは、例えば、決済進行状況が、支払中、レシート発行中、釣銭払い出し中などの状況である決済装置であってよい。
【0048】
さらに、出力部103は、顧客情報に適合する決済装置が複数ある場合に、顧客の位置から顧客情報に適合する決済装置までの距離に基づいて、顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力してもよい。例えば、出力部103は、顧客情報に適合する決済装置が複数ある場合に、顧客情報に適合する決済装置のうち、顧客が決済装置を待つ場所から顧客情報に適合する決済装置までの距離が近い決済装置を示す案内情報を出力してもよい。これにより、顧客はすぐに利用する決済装置に移動することができる。または、例えば、出力部103は、顧客情報に適合する決済装置が複数ある場合に、顧客情報に適合する決済装置のうち、顧客が決済装置を待つ場所から顧客情報に適合する決済装置までの距離が遠い決済装置を示す案内情報を出力してもよい。これにより、決済装置に移動する顧客がスムーズに移動することができる。
【0049】
案内情報は、利用可能な決済装置を顧客が識別可能な情報を含む。利用可能な決済装置を顧客が識別可能な情報は、例えば、決済装置の場所、または、決済装置の番号である。なお、これらの情報は、画面に表示されると顧客が認識しやすい。
【0050】
図6は、案内情報の出力例である。
図6において、P1~P8は、それぞれ決済装置である。出力部103は、現在地と各決済装置の場所を示す図において、色、文字、記号、光の点滅などによって、利用可能な決済装置の場所を示してよい。または、
図6における矢印のように、出力部103は、決済装置案内情報として、決済装置までのルートを示してもよい。また、
図6のように、出力部103は、決済装置のステータスを示してもよい。これにより、顧客は、顧客情報の入力ミスなどによって案内された決済装置が誤っていても、顧客自身で適切な決済装置を選択することができる。
【0051】
また、出力部103は、利用可能な決済装置が無い場合でも、
図6のような決済装置の場所とステータスを示す情報を、あらかじめ表示させてもよい。これにより、顧客は、待ち時間を見通すことができる。この場合、ステータス取得部102は、10秒ごと、1秒ごとなどの所定の間隔で決済装置のステータスを取得し、出力部103は、取得されたステータスに基づいて、随時、決済装置の場所とステータスを示す情報の表示を更新してもよい。
【0052】
以上のように構成された情報処理装置100の動作について、
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
図7は、実施形態における情報処理装置100の、決済装置を待つ客が1人いた場合の動作の概要を示すフローチャートである。
【0054】
図7に示すように、まず、顧客情報取得部101は、決済装置を利用しようとする顧客の顧客情報を取得する(ステップS101)。
【0055】
次に、ステータス取得部102は、決済装置のステータスを取得する(ステップS102)。
【0056】
次に、出力部103は、ステップS102において取得された決済装置のステータスに基づいて、ステップS101において取得された顧客情報に適合し、利用可能な決済装置があるか否かを判定する(ステップS103)。利用可能な決済装置は、空いている決済装置であってよい。
【0057】
顧客情報に適合する決済装置がある場合(ステップS103:Yes)、出力部103は、顧客情報に適合し、利用可能な決済装置を示す決済案内情報を出力する(ステップS104)。
【0058】
また、顧客情報に適合する決済装置がない場合(ステップS103:No)、出力部103は、再度、ステップS102に戻り、決済装置のステータスを取得する。また、ステップS103:Noの場合、出力部103は、「お待ちください」など、その時点において案内可能な決済装置が無いことを示す情報を出力してもよい。または、出力部103は、決済装置のステータスに基づいて、例えば、顧客情報に適合する決済装置のステータスがレシート発行を行ったことを示す場合に、「もうすぐX番の決済装置が利用可能です」などの顧客の待ち時間に関する情報を出力してもよい。
【0059】
以上で、情報処理装置100は、一連の動作を終了する。情報処理装置100は、決済装置を待つ客が複数いる場合、一連の動作を繰り返す。なお、ステップS101およびステップS102の動作の順序は問わない。または、ステップS102は随時行われてもよい。
【0060】
上述した本実施形態における情報処理装置は、顧客情報取得部が、決済装置を利用しようとする顧客の支払方法および商品登録方法のうち少なくとも一つを取得し、出力部が、決済装置のステータスが顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する。
【0061】
その結果、本実施形態における情報処理装置は、顧客に対して適切な決済装置を案内することができる。
【0062】
[変形例]
実施形態において、顧客が、ある決済装置に向かっている最中には、その時点における決済装置のステータスは空いていることが示される。しかし、その決済装置は、当該顧客に使用されることになるため、次に決済装置の空きを待つ顧客に案内することはできない。
そこで、情報処理装置100において、ステータス取得部102は、決済装置のステータスの一つとして、決済装置に向かう顧客が利用しようとする決済装置を示す情報を取得してもよい。例えば、ステータス取得部102は、決済装置を待つ場所に設けられた端末装置または表示装置から、顧客が利用しようとする決済装置の選択操作の入力を受け付ける。これにより、ステータス取得部102は、POSデータおよび顧客による入力に基づいて、決済装置の決済進行状況が空きであり、かつ利用される予定であることを示すステータスを取得する。この場合、決済装置の決済進行状況を示すステータスは、例えば、「移動中」などである。こうすることで、出力部103は、顧客情報に適合する決済装置として、次の人が利用する決済装置を出力しないようにすることができる。すなわち、情報処理装置100は、より適切に顧客が利用可能な決済装置を示すことができる。また、各決済装置のステータスの表示においても、次の人が移動中の決済装置に誤って移動してしまうことを防ぎ、決済装置周辺の顧客の移動がスムーズになる。
【0063】
[ハードウェア構成]
以上説明した、本開示の各実施形態における各装置又はシステムの各構成要素の一部又は全部は、例えば
図15に示すような情報処理装置1000とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。情報処理装置1000は、一例として、以下のような構成を含む。
【0064】
・CPU(Central Processing Unit)1001
・ROM(Read Only Memory)1002
・RAM(Random Access Memory)1003
・RAM1003にロードされるプログラム1004
・プログラム1004を格納する記憶装置1005
・記録媒体1006の読み書きを行うドライブ装置1007
・通信ネットワーク1009と接続する通信I/F1008
・データの入出力を行う入出力I/F1010
・各構成要素を接続するバス1011
なお、I/Fは、Interfaceの略である。
【0065】
各実施形態における各装置又はシステムの各構成要素は、これらの機能を実現するプログラムをCPU1001が取得して実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラムは、例えば、あらかじめ記憶装置1005やRAM1003に格納されており、必要に応じてCPU1001が読み出す。なお、プログラム1004は、通信ネットワークを介してCPU1001に供給されてもよいし、あらかじめ記録媒体1006に格納されており、ドライブ装置1007が当該プログラムを読み出してCPU1001に供給してもよい。
【0066】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置又はシステムは、構成要素ごとにそれぞれ別個の情報処理装置1000とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置1000とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0067】
また、各装置又はシステムの各構成要素の一部又は全部は、プロセッサ等を含む汎用または専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現される。回路は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI(Large Scale Integration)である。LSIは、例えば、AI(Artificial Intelligence)処理専用LSIである。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0068】
各装置又はシステムの各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0069】
以上、各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0070】
また、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は、内容的に支障しない範囲で変更されてよい。
【0071】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0072】
(付記1)
決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および前記顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得する顧客情報取得手段と、
決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得するステータス取得手段と、
前記顧客情報および前記ステータスに基づいて、前記顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【0073】
(付記2)
前記出力手段は、前記案内情報と、各決済装置の前記ステータスを示す情報と、を表示装置に出力する
付記1に記載の情報処理装置。
【0074】
(付記3)
前記顧客情報取得手段は、前記顧客による端末装置への前記支払方法の入力に基づいて、前記支払方法を示す情報を取得する
付記1または2に記載の情報処理装置。
【0075】
(付記4)
前記顧客情報取得手段は、前記顧客を識別する識別情報に関連付けられた前記支払方法を示す情報を取得する
付記1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0076】
(付記5)
前記識別情報は、前記顧客の顔画像であり、
前記顧客情報取得手段は、前記顔画像により認証された顧客情報に関連付けられた前記支払方法を示す情報を取得する
付記4に記載の情報処理装置。
【0077】
(付記6)
前記識別情報は、前記顧客に割り当てられた識別番号であり、
前記顧客情報取得手段は、前記顧客の識別番号に関連付けられた前記支払方法を示す情報を取得する
付記4または5に記載の情報処理装置。
【0078】
(付記7)
前記顧客情報取得手段は、前記顧客を撮影した画像に基づいて、前記顧客の商品の前記登録方法を特定する
付記1から6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0079】
(付記8)
前記出力手段は、前記顧客情報に適合する決済装置が複数ある場合に、前記顧客情報に適合する決済装置までの距離に応じた、前記顧客情報に適合する決済装置を示す前記案内情報を出力する
付記1から7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0080】
(付記9)
前記出力手段は、前記顧客情報に適合する決済装置までのルートをさらに出力する
付記1から8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0081】
(付記10)
コンピュータが、
決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および前記顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得し、
決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得し、
前記顧客情報および前記ステータスに基づいて、前記顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する、
情報処理方法。
【0082】
(付記11)
決済装置を利用しようとする顧客が利用する支払方法を示す情報、および前記顧客の商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つを顧客情報として取得し、
決済装置において利用可能な支払方法を示す情報、および決済装置において利用可能な商品の登録方法を示す情報のうち、少なくとも一つと、当該決済装置の稼働状況と、を含む、決済装置のステータスを取得し、
前記顧客情報および前記ステータスに基づいて、前記顧客情報に適合する決済装置を示す案内情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0083】
100 情報処理装置
101 顧客情報取得部
102 ステータス取得部
103 出力部
1000 情報処理装置
1001 CPU
1002 ROM
1003 RAM
1004 プログラム
1005 記憶装置
1006 記録媒体
1007 ドライブ装置
1008 通信I/F
1009 通信ネットワーク
1010 入出力I/F
1011 バス