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特開2024-79996フリーアドレスオフィスシステム、フリーアドレスオフィスサーバ、座席管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024079996
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】フリーアドレスオフィスシステム、フリーアドレスオフィスサーバ、座席管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240606BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192790
(22)【出願日】2022-12-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】本田 晃大
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】フリーアドレスのオフィスにおいて、生産性の向上に貢献できる技術を提供する。
【解決手段】フリーアドレスオフィスシステムは、音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィスの座席を管理する座席データベース内から、予め定めた規則に従って移動先とする前記座席を移動先席として検索する空席検索部と、前記移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させる意思確認部と、前記移動先座席情報の表示後に操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーアドレスオフィスの座席を座席データベースで管理する座席管理サーバと、
音声確認サーバと、を備え、
前記音声確認サーバは、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた場合、移動先とする前記座席を移動先席として検索する移動先検索依頼を前記座席管理サーバに送信する検索依頼部と、
当該移動先検索依頼に応じて前記座席管理サーバから受信した移動先座席情報を表示手段に表示させるとともに、前記移動先座席情報の表示後に操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席管理サーバに当該移動の意思を送信する意思確認部と、を備え、
前記座席管理サーバは、
前記移動先検索依頼を受信すると、前記座席データベース内から空席を検索し、予め定めた規則に従って前記移動先席を決定し、決定した当該移動先席の座席位置を前記移動先座席情報として前記音声確認サーバに送信する空席検索部と、
前記移動先座席情報の送信に応じて前記音声確認サーバから前記移動の意思を受信すると、前記座席データベースを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備える
フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項2】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
前記音声入力手段、前記表示手段、および前記操作手段は、多機能電話機である、
フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項3】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
前記空席検索部は、検索した前記空席の中で、予め定めた規則に従って、着座者のいる前記座席から最も離れた前記座席、または、前記音声入力手段から最も近い前記座席を、前記移動先席とする、フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項4】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
前記音声入力手段は、前記座席毎に備えられ、
前記意思確認部が前記移動の意思を受け付けた場合、前記音量判別部は、前記移動先席に備えられた前記音声入力手段からの前記音量に対し、所定期間、前記判別を行わない、フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項5】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
前記意思確認部が、前記移動先座席情報の表示後に前記操作手段を介して移動しない意思を受け付けた場合、前記音量判別部は、前記音声入力手段からの前記音量に関し、所定期間、前記判別を行わない、フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項6】
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィスの座席を管理する座席データベース内から、予め定めた規則に従って移動先とする前記座席を移動先席として検索する空席検索部と、
前記移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させる意思確認部と、
前記移動先座席情報の表示後に操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備えるフリーアドレスオフィスサーバ。
【請求項7】
コンピュータが、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かを判別し、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として検索し、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させ、
操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを更新する、フリーアドレスオフィスの座席管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かを判別する手順と、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として検索する手順と、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させる手順と、
操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを更新する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーアドレスオフィスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスの中で固定席を決めず、従業員等が空いた座席を自由に使うフリーアドレスと呼ばれるワークスタイルがある。特に、在宅勤務が可能な職種では、出社する従業員等の数が日々変化する。このような場合であっても、全員分の座席を用意しなくてもよく、オフィス内のスペースを有効活用できる。また、従業員は、好みの座席を選択し、希望する環境で業務を行うことができる。
【0003】
一方、座席選択を従業員の自由に任せると、出社した従業員等の人数によらず、オフィスに設けられた空調設備や照明設備等を全て稼働させる必要がある。このようなフリーアドレスで運用されるオフィスにおいて、利用者の希望する環境の提供と省エネルギー性とを両立させる技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-117364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0006】
テレワーク化、フリーアドレス化が混在している状況において、参加者が一つの会議室に集まって行われる会議形態ではなく、インターネット等のネットワークを介して開催するオンライン会議が増加している。そのような背景において、オンライン会議に参加している従業員が周囲を気にして声を出しにくい、あるいは、会議参加者の近くに座っている従業員が業務に集中できないといった問題が起こっている。
【0007】
すなわち、フリーアドレスオフィスでは、従業員は、オンライン会議に参加する際、周囲に人が少ない座席、他の人が使っている座席から離れた座席を探し、移動する必要がある。ところが、条件に見合う座席を探すことは手間である。また、該当座席を見つけた後、移動したり、移動を登録したりといった手間もかかる。
【0008】
フリーアドレスのオフィスであっては、オンライン会議に参加する従業員が安心して声を出せる座席へ素早く移動でき、かつ、他の従業員は静かな環境で集中して作業を行うことができることで、初めて生産性を高めることができる。しかしながら、現状では、このような環境を提供できていない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、フリーアドレスのオフィスにおいて、生産性の向上に貢献できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の視点によれば、
フリーアドレスオフィスの座席を座席データベースで管理する座席管理サーバと、
音声確認サーバと、を備え、
前記音声確認サーバは、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた場合、移動先とする前記座席を移動先席として検索する移動先検索依頼を前記座席管理サーバに送信する検索依頼部と、
当該移動先検索依頼に応じて前記座席管理サーバから受信した移動先座席情報を表示手段に表示させるとともに、前記移動先座席情報の表示後に操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席管理サーバに当該移動の意思を送信する意思確認部と、を備え、
前記座席管理サーバは、
前記移動先検索依頼を受信すると、前記座席データベース内から空席を検索し、予め定めた規則に従って前記移動先席を決定し、決定した当該移動先席の座席位置を前記移動先座席情報として前記音声確認サーバに送信する空席検索部と、
前記移動先座席情報の送信に応じて前記音声確認サーバから前記移動の意思を受信すると、前記座席データベースを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備えるフリーアドレスオフィスシステムが提供される。
【0011】
本発明の第二の視点によれば、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィスの座席を管理する座席データベース内から、予め定めた規則に従って移動先とする前記座席を移動先席として検索する空席検索部と、
前記移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させる意思確認部と、
前記移動先座席情報の表示後に操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備えるフリーアドレスオフィスサーバが提供される。
【0012】
本発明の第三の視点によれば、
コンピュータが、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かを判別し、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として検索し、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させ、
操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを更新する、フリーアドレスオフィスの座席管理方法が提供される。
【0013】
本発明の第四の視点によれば、
コンピュータに、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かを判別する手順と、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として検索する手順と、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させる手順と、
操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを更新する手順とを実行させるためのプログラムが提供される。
【0014】
なお、これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フリーアドレスのオフィスにおいて、生産性の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態のフリーアドレスオフィスシステムの全体構成図の一例である。
図2】(a)-(c)は、本発明の一実施形態の、音声確認サーバの機能ブロック、状況管理データベース、および音声パスデータベースを、それぞれ説明するための説明図である。
図3】(a)-(c)は、本発明の一実施形態の、座席管理サーバの機能ブロック、座席データベース、および座席距離データベースを、それぞれ説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態のオフィスの座席配置の一例を説明するための説明図である。
図5】(a)は、本発明の一実施形態の主装置の機能ブロックの一例を、(b)および(c)は、本発明の一実施形態の多機能電話機の機能ブロックの一例および画面表示例を、それぞれ説明するための説明図である。
図6】本発明の一実施形態のフリーアドレスオフィスシステムによる座席管理処理の一例のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態の音声確認サーバおよび座席管理サーバのハードウェア構成図である。
図8】本発明の一実施形態の変形例のフリーアドレスオフィスシステムの全体構成図の一例である。
図9】(a)および(b)は、本発明の一実施形態の変形例の音声パスデータベースおよび状況管理データベースを、(c)は、本発明の一実施形態の変形例の座席データベースを、それぞれ説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と呼ぶ。)の概要について図面を参照して説明する。なお、付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向および単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0018】
また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポートやインタフェースがあるが図示を省略する。また、以下の説明において、「Aおよび/またはB」は、AまたはB、もしくは、AおよびBという意味で用いる。
【0019】
まず、本実施形態のフリーアドレスオフィスシステム100の概要を説明する。図1は、本実施形態のフリーアドレスオフィスシステム100の全体図である。
【0020】
本図に示すように、本実施形態のフリーアドレスオフィスシステム100は、多機能電話機300と、主装置400と、音声確認サーバ500と、座席管理サーバ600と、を備える。音声確認サーバ500と、座席管理サーバ600と、主装置400とは、例えば、ハブ220を介して、LANケーブル210で接続される。
【0021】
多機能電話機300は、オフィス内の各座席に配置される。主装置400と各多機能電話機300とは、モジュラーケーブル230で接続される。ハブを介してLANに接続されてもよい。
【0022】
本実施形態では、各座席に配置される多機能電話機300で当該多機能電話機300の周囲の音声を収集する。そして、その音量が所定以上である場合、当該座席の従業員に、周囲に人の少ない座席を提示し、移動を促す。
【0023】
以下、これを実現する本実施形態の詳細について説明する。
【0024】
[音声確認サーバ]
音声確認サーバ500は、ワークフローを制御し、音量を確認する。本実施形態では、それぞれの多機能電話機300が収集した音声を処理し、必要に応じて座席管理サーバ600に移動先検索依頼を行う。処理対象の音声は、多機能電話機300の周囲の音声である。
【0025】
これを実現するため、本実施形態の音声確認サーバ500は、図2(a)に示すように、音量判別部510と、検索依頼部520と、意思確認部530と、を備える。また、処理途中で、各多機能電話機300の状況を管理する状況管理データベース(DB)550と、音声パスを管理する音声パスDB560と、をさらに備える。
【0026】
状況管理DB550は、主装置400が管理する多機能電話機300毎に、その状況を管理する。本実施形態では、多機能電話機300を特定する情報として、例えば、内線番号を用いる。内線番号は、各多機能電話機300を一意に特定する番号であり、予め各多機能電話機300に割り当てられる。
【0027】
つまり、状況管理DB550には、図2(b)に示すように、内線番号551に対応づけて、当該多機能電話機300の状況552が登録される。登録される状況552は、会議中、(判別)対象外、等である。状況552には、これらを特定するフラグが登録される。
【0028】
音声パスDB560には、多機能電話機300毎の音声パスの情報が管理される。本実施形態の音声確認サーバ500は、後述するように、音声を収集するにあたり、各多機能電話機300との間で音声パスを確立する。音声パスを確立すると、音声確認サーバ500は、音声パスDB560に、図2(c)に示すように、当該多機能電話機300の内線番号561に対応づけて、音声パス情報562を登録し、管理する。なお、本実施形態では、確立される音声パスは、多機能電話機300から音声確認サーバ500への一方向のパスである。
【0029】
音量判別部510は、多機能電話機300からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う。本実施形態では、音量判別部510は、まず、各多機能電話機300との間で、主装置400を介して、音声パスを確立する。確立後、各多機能電話機300が収集した周囲の音声が、音声パスを経由して継続的に送信される。音量判別部510は、それを、継続的に受信し、所定の時間間隔で、各多機能電話機300の音量について、閾値を用いて判別を行う。閾値は、予め定めておく。例えば、当該多機能電話機300が配置される座席に着座する従業員がオンライン会議をしていることを把握可能な値に設定する。
【0030】
音量判別部510は、音量が閾値を超えている場合、超えていると判別された多機能電話機300(以下、対象の多機能電話機300と呼ぶ。)の使用者は移動する必要があると判別し、検索依頼部520に通知する。このとき、音声パスDB560を参照し、内線番号を併せて通知する。なお、判別を行う多機能電話機300は、状況管理DB550に、会議中、対象外のフラグが登録されていない多機能電話機300である。
【0031】
検索依頼部520は、座席管理サーバ600に移動先とする座席の検索を依頼する。本実施形態では、音量判別部510から通知を受ける毎に依頼する。このとき、検索依頼部520は、対象の多機能電話機300の内線番号を含む移動先検索依頼を座席管理サーバ600に送信する。
【0032】
意思確認部530は、移動先検索依頼に応じて座席管理サーバ600から移動先の座席(移動先席)の通知を受け取ると、対象の多機能電話機300に通知し、移動の意思の確認を行う。
【0033】
ここでは、意思確認部530は、座席管理サーバ600から、移動先席を特定する情報を受信すると、その移動先席の情報を含む移動意思確認情報を主装置400に送信する。このとき、対象の多機能電話機300の内線番号も併せて送信する。移動先席の情報は、後述する座席位置情報である。これは、画面に移動先座席情報を表示させ、鳴動を行わせる依頼でもある。
【0034】
意思確認部530は、また、移動意思確認情報に応じて、主装置400を介し、回答として移動の意思を受信すると、それを、座席管理サーバ600に送信する。例えば、対象の多機能電話機300の内線番号を含む、移動確定通知を座席管理サーバ600に送信する。さらに、状況管理DB550の、移動先の多機能電話機300の内線番号551を有するレコードの状況552に、会議中であることを意味するデータ(会議中フラグ)を登録する。
【0035】
一方、意思確認部530は、移動意思確認情報に応じて、主装置400を介し、回答として移動しない意思を受信すると、それを、座席管理サーバ600に送信する。さらに、状況管理DB550の、当該回答の送信元の多機能電話機300の内線番号551を有するレコードの状況552に、対象外であることを意味するデータ(対象外フラグ)を登録する。
【0036】
会議中フラグまたは対象外フラグが登録された場合、所定期間、当該多機能電話機300からの音声の音量の判別は行われない。なお意思確認部530は、所定期間経過後、状況管理DB550から、会議中フラグまたは対象外フラグを削除する。この所定期間は、管理者が任意に設定可能とする。会議中である場合と、対象外である場合と、異なる期間であってもよい。
【0037】
なお、意思確認部530は、移動しない意思については、移動意思確認情報の送信後、所定期間、移動の意思の回答を受信しないことをもって、受信したものとしてもよい。
【0038】
[座席管理サーバ]
座席管理サーバ600は、オフィス内のフリーアドレスの座席を管理する。本実施形態では、音声確認サーバ500から内線番号を含む移動先検索依頼を受信すると、それに基づいて、処理を行う。
【0039】
本実施形態の座席管理サーバ600は、図3(a)に示すように、空席検索部610と、座席データベース(DB)管理部620と、を備える。また、座席の位置、使用状況等を管理する座席データベース(DB)650と、各座席間の距離を管理する座席距離DB660と、を備える。
【0040】
座席DB650は、図3(b)に示すように、オフィス内の座席毎の、位置情報等を管理するデータベースである。本実施形態では、座席を特定する情報である座席名651に対応づけて、その位置情報652と、内線番号653と、着席情報654と、が登録される。
【0041】
位置情報652は、当該座席の位置を、予め定めた規則であって従業員に周知されている規則に従って登録する。この位置情報652が、移動先席の情報として、従業員に通知される。
【0042】
例えば、オフィスの3階(3F)フロアの座席が、図4に示すように配置されている場合を例にあげて説明する。ここでは、フロアを特定する情報と、部屋を特定する情報(部屋番号)と、座席グループを特定する情報(島番号)と、各座席を特定する情報と、が登録される。
【0043】
例えば、図4の部屋番号がR01の部屋の、島番号がAの座席グループのAAという座席であれば、「3F-R01-A-AA」が登録される。また、部屋番号がR03の部屋のYAという座席であれば、島番号はなく、「3F-R03-YA」が登録される。
【0044】
内線番号653は、当該座席に置かれている多機能電話機300の内線番号である。
【0045】
着席情報654は、当該座席に従業員が着席しているか、空席であるかを示す情報である。本実施形態では、着席している場合は、着席フラグを設定し、空席の場合は、空席フラグを設定する。例えば、従業員は、多機能電話機300の、予め定めた機能ボタンを押下することにより、当該多機能電話機300が配置される座席を利用すること(着席状態)、当該座席の利用を終了すること(空席状態)を、座席管理サーバ600に通知する。従業員がノートPC、またはスマートフォンで、座席管理サーバ600にアクセスして、着席状態/空席状態を登録してもよい。座席管理サーバ600が入退室管理システムから着席状態(出勤)/空席状態(退勤)を取得してもよい。
【0046】
座席距離DB660には、各フロアの各部屋について、各座席間の距離が登録される。この座席距離は、移動先の座席を決定する際に用いられる。
【0047】
各座席間の距離は、実際の距離であってもよいし、簡易的なものであってもよい。簡易的なものは、例えば、隣席の場合は、単位距離(例えば、1)、斜め前の場合は、1.5、通路を挟む場合は、さらに、1単位距離を増やす、等である。例えば、図4の例では、図3(c)に示すように、AAとAFとは、1.5が、AAとBBとは、2.5が、AAとCHとは、6.5が、AFとBBとは、1が、AFとCHとは5が、BBとCHとは、4が、それぞれ登録される。
【0048】
空席検索部610は、音声確認サーバ500から移動先検索依頼を受信すると、移動先席を決定する。本実施形態では、空席検索部610は、座席DB650および座席距離DB660を用いて移動先席を決定する。その後、空席検索部610は、移動先として決定した座席を仮予約し、その位置情報652を、移動先座席情報として、音声確認サーバ500に送信する。なお、仮予約は、例えば、着席情報654に仮予約を意味するフラグ(仮予約フラグ)を設定することにより行う。
【0049】
また、座席の決定については、例えば、空席検索部610は、座席DB650にアクセスし、空席である座席を抽出する。本実施形態では、着席情報654に空席フラグが設定されている座席を抽出する。そして、その中から、予め定めたルールに従って、最適な座席を移動先席と決定する。
【0050】
予め定めたルールは、例えば、座席距離DB660を参照し、現時点で従業員が着席している全ての座席(着席フラグが設定されている座席)から、最も離れた座席を、移動先席と決定する。なお、周囲に他の従業員が着席していない座席(誰も使用していない座席グループ、6人席、4人席など)の中で、現在の座席位置(対象の多機能電話機300が配置されている座席の位置)に最も近い座席を移動先席に決定してもよい。また、他の従業員がいない部屋(着席している従業員がいない部屋)内の座席を優先的に移動先席に決定してもよい。さらに、例えば、予め定めた距離内に他の従業員が着席していない座席の中から決定してもよい。また、この場合に用いる距離を、音量に基づいて変化させてもよい。なお、現在の座席位置は、内線番号653で特定する。
【0051】
なお、空席検索部610は、空席がない場合、または、予め定めた規則に従って移動先として決定可能な空席がない場合は、空席がないことを意味する情報を、移動先座席情報として、音声確認サーバ500に送信する。
【0052】
座席DB管理部620は、移動先座席情報の送信に応じて、音声確認サーバ500から送信された回答に従って、座席DB650を更新する。例えば、移動の意思を受信した場合は、移動前の内線番号653に対応する座席のレコードの着席情報654に空席フラグを登録し、移動先の座席のレコードの着席情報654に着席フラグを登録する。一方、移動しない意思を受信した場合は、仮予約のフラグを削除する。
【0053】
[主装置]
主装置400は、構内の多機能電話機300を管理する。具体的には、複数の内線、外線を共有、制御するための小型装置で電話交換機の役割を果たす。本実施形態では、さらに、音声確認サーバ500と多機能電話機300と間のデータの送受信を仲介する。
【0054】
本実施形態の主装置400は、LANに接続したり、音声確認サーバ500と多機能電話機300との間の音声パスを接続したりする。多機能電話機300が収集した音声は、この音声パスを介して音声確認サーバ500へ送られる。
【0055】
また、多機能電話機300から音声確認サーバ500へのデータの送信時も、送信元の多機能電話機300の内線番号を識別情報として付加する。
【0056】
これらの機能を実現するために、主装置400は、周知の、ネットワーク接続機能付きの主装置400と同様に、例えば、図5(a)に示すように、コントローラ410と、内線ユニット420と、外線ユニット430と、拡張ユニット440と、を備える。
【0057】
コントローラ410は、CPUやメモリ等を備え、主装置400全体の動作を制御する。内線ユニット420は、主装置400が管理する各多機能電話機300間の通話、いわゆる内線を制御する。外線ユニット430は、電話回線を収容し、外線通話を制御する。
【0058】
拡張ユニット440は、例えば、ネットワーク接続機能を有する。本実施形態では、例えば、この拡張ユニット440を介して、LANに接続する。
【0059】
[多機能電話機]
多機能電話機300は、オフィス内に複数備えられる。本実施形態では、フリーアドレスの座席毎に設けられることが望ましい。以下、本実施形態では、座席毎に1の多機能電話機300が配置される場合を例にあげて説明する。
【0060】
本実施形態の多機能電話機300は、主装置400から何らかの命令や着信を受信した場合、または、オフフックやボタンの押下等の操作が行われた場合、その指示に応じた処理を行う。それらの指示や多機能電話機300への操作がない場合、多機能電話機300のマイクによる収音を行い、音声確認サーバ500へ音声を送信する。収音および送信動作は、本機能が適用されている間、永続的に行う。
【0061】
また、多機能電話機300は、主装置400を介して音声確認サーバ500から移動意思確認情報を受け取ると、そこから、移動先の座席の位置情報を抽出し、表示部に表示させる。そして、当該多機能電話機300のユーザ(従業員)から、移動するか否かの意思を受け付ける。そして、受け付けた意思を、主装置400を介して音声確認サーバ500に送信する。
【0062】
これらを実現するため、本実施形態の多機能電話機300は、周知の多機能電話機300と同様に、図5(b)に示すように、コントローラ310と、記憶装置312と、ハンドセット321と、スピーカ322と、マイクロフォン(マイク)323と、表示部324と、操作部325と、回線I/F331と、通信インタフェース(I/F)332と、を備える。
【0063】
コントローラ310は、多機能電話機300の全体の動作を制御する。記憶装置312は、処理に必要なデータ、処理中に生成されたデータ等を格納する。また、録音機能を備える場合は、録音データを記憶する。回線I/F331は、電話回線のインタフェースであり、通信I/F332は、データ通信のインタフェースである。回線I/F331および通信I/F332は、いずれも、主装置400に接続される。
【0064】
ハンドセット321は、主装置400との通話回線の接続(オフフック)、切断(オンフック)の制御も兼ねた、オフフック状態での通話時に用いる、いわゆる受話器である。スピーカ322およびマイク323は、基本的にオンフック状態でそれぞれ音声出力、収音を行う。スピーカ322は、さらに、例えば、着信時等の着信鳴動等を行う。
【0065】
また、本実施形態では、マイク323は、通話回線が切断されている状態、または、オンフック状態の間、継続的に、周囲の音声を収集する。収集した音声は、回線I/F331を介して接続される音声パスを経由して主装置400から音声確認サーバ500へ送信される。
【0066】
表示部324は、データを表示させてユーザに必要事項を提示するインタフェースである。例えば、ディスプレイ等である。例えば、現在日時、内線、外線通話時の、通話相手の番号情報等が表示される。また、本実施形態では、移動意思確認情報や、その関連メッセージ等も表示される。
【0067】
ここで、移動意思確認情報を受信した際、表示部324に表示される表示例380を図5(c)に示す。ここでは、日時と、メッセージと、移動先位置情報と、移動、非移動の意思を受け付ける機能ボタンを示す情報と、が表示される。メッセージは、予め、例えば、記憶装置312等に記憶される。
【0068】
なお、移動意思確認情報を受信した場合、表示部324への表示だけでなく、スピーカ322から、移動意思確認情報を受信したことを示す鳴動を行うよう構成してもよい。
【0069】
操作部325は、ダイヤルボタンおよび機能ボタンを備え、ユーザからの入力を受け付ける。本実施形態では、移動意思確認情報表示後、予め定めた機能ボタンの押下により、移動、非移動の意思を受け付ける。なお、表示部324が、タッチパネル等を備える場合、移動、非移動の意思は、操作装置の代わりに表示部324のタッチパネル等を介して受け付けてもよい。
【0070】
[座席管理処理]
以下、本実施形態のフリーアドレスオフィスシステム100による座席管理処理の流れを、図6に従って説明する。ここでは、1台の多機能電話機300を代表して示す。本実施形態では、上述のように、各座席に多機能電話機300が備えられる。以下の処理は、各多機能電話機300に対し、行われる。
【0071】
まず、音声確認サーバ500は、主装置400に向けて、多機能電話機300との音声パスの接続を依頼する(ステップS1501)。ここでは、音声パス接続依頼を送信する。音声確認サーバ500は、全ての多機能電話機300との間で、それぞれ、音声パスを接続する。
【0072】
主装置400は、音声確認サーバ500から、音声パス接続依頼を受信すると、自装置が管理する各多機能電話機300と音声確認サーバ500との間の音声パスを接続する(ステップS1401)。なお、このとき、音声確認サーバ500は、中継した主装置400から、各多機能電話機300の内線番号を受け取り、多機能電話機300毎の音声パスを内線番号に対応づけて音声パスDB560で管理する。
【0073】
以降、音声確認サーバ500は、各多機能電話機300との間で確立した音声パスを介して、多機能電話機300が収集した音声を受信する(ステップS1502)。
【0074】
その後、音声確認サーバ500は、所定の時間間隔で、各音声パスについて、当該音声パスを介して送信される音声が、予め定めた閾値を超えるか否かを判別する(ステップS1503)。
【0075】
閾値を超えた場合、音声確認サーバ500は、座席管理サーバ600に移動先検索依頼を送信する(ステップS1504)。このとき、音声確認サーバ500は、当該音声パスに対応づけて管理されている内線番号を併せて送信する。
【0076】
座席管理サーバ600は、移動先検索依頼を受信すると、上記手法で移動先を検索して決定し、仮予約する(ステップS1601)。そして、決定した移動先の座席情報(移動先座席情報)を、音声確認サーバ500に送信する(ステップS1602)。なお、移動先座席情報は、移動先席の位置情報および内線情報を含む。
【0077】
音声確認サーバ500は、先に送信した移動先検索依頼に応じて座席管理サーバ600から移動先座席情報を受信すると、当該情報を、移動意思確認情報として主装置400へ送信する(ステップS1505)。このとき、移動先検索依頼に付与した内線番号も併せて送信する。なお、移動意思確認情報は、上述のように、これを受信した多機能電話機300において、移動先席の位置情報を対象の多機能電話機300の表示部324に表示させ、かつ、スピーカ322から鳴動音を発出させるため、画面表示+鳴動依頼でもある。
【0078】
主装置400は、移動意思確認情報を受信すると、対象の多機能電話機300に対し、画面表示+鳴動音発出指示を送信する(ステップS1402)。ここでは、上述のように、移動意思確認情報に含まれる座席の位置情報を表示部324に表示させ、スピーカ322から鳴動音を出力させる。また、このとき表示される情報には、図5(c)に示す表示例380のように、メッセージおよび移動するか否かの意思(Yes/No)の入力を促す情報が含まれる。
【0079】
対象の多機能電話機300は、ユーザから移動するか否かの意思を受け付けると、主装置400に送信する(ステップS1301)。ここでは、対象の多機能電話機300が配置されている座席に着座しているユーザから意思を受け付ける。
【0080】
意思を受け付けた主装置400は、対象の多機能電話機300の内線番号とともに、その意思を音声確認サーバ500に送信する(ステップS1403)。
【0081】
また、意思を受信した音声確認サーバ500は、対象の多機能電話機300の内線番号とともに、その意思を座席管理サーバ600に送信する(ステップS1506)。
【0082】
その後、音声確認サーバ500では、意思がYes、すなわち、移動することを意味するものであるか否かを判別し(ステップS1507)、Yesである場合、状況管理DB550の、移動先の多機能電話機300の状況552に、会議中フラグを設定する(ステップS1508)。移動先の多機能電話機300を特定する情報は、移動先座席情報から抽出する。
【0083】
一方、意思がNo、すなわち、移動しないことを意味するものである場合、状況管理DB550の、対象の多機能電話機300の状況552に、確認不要フラグを設定する(ステップS1509)。
【0084】
ステップS1508およびステップS1509で各フラグが設定された内線番号の多機能電話機300については、予め定めた期間、音声の音量確認を行わない。
【0085】
また、座席管理サーバ600は、意思がYes、すなわち、移動することを意味するものである場合(ステップS1603)、座席DB650の、対象の多機能電話機300の着席情報654に空席フラグを登録し、移動先の多機能電話機300の着席情報654に着席フラグを登録する(ステップS1604)。
【0086】
一方、意思がNo、すなわち、移動しないことを意味するものである場合、座席管理サーバ600は、座席DB650の、移動先の多機能電話機300の着席情報654に登録した仮予約フラグを削除する(ステップS1605)。
【0087】
[ハードウェア構成]
なお、本実施形態の音声確認サーバ500と座席管理サーバ600は、いわゆる、汎用の情報処理装置(コンピュータ)により実現可能である。ここでは、両者をサーバで代表する。図7に、サーバのハードウェア構成の一例を示す。
【0088】
本実施形態のサーバは、例えば、内部バスにより相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)191と、主記憶装置(メモリ)192と、補助記憶装置193と、通信I/F194と、拡張I/F195と、を備える。
【0089】
CPU191は、例えば、補助記憶装置193に記憶されたプログラムを主記憶装置192にロードして実行することにより、上記各機能を実現するとともにサーバ全体を統括的に制御する。なお、CPU191の代わりにMPU(Micro Processing Unit)等の1以上のプロセッサを用いてもよい。
【0090】
主記憶装置192は、RAM(Random Access Memory)等のメモリである。主記憶装置192は、サーバが実行するプログラム等を、CPU191が処理する際のワーク領域である。
【0091】
補助記憶装置193は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。補助記憶装置193は、情報交換装置が実行する各種プログラムを記憶する。なお、補助記憶装置193は、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、DVD等の記憶媒体を備えてもよい。
【0092】
なお、補助記憶装置193に記憶されたプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に記録されたプログラム製品として提供することができる。補助記憶装置193は、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に記録された秘密計算プログラムなどの各種プログラムを中長期的に記憶することに利用することが可能である。
【0093】
通信I/F194は、有線または無線による信号、データの送受信を行う。また、通信I/F194として、例えば、NIC(Network Interface Card)等を備えてもよい。
【0094】
拡張I/F195は、表示装置、入力装置等を接続するインタフェースである。表示装置は、例えば、液晶モニタ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0095】
本実施形態の音声確認サーバ500および座席管理サーバ600の上記各機能は、それぞれ、補助記憶装置193に記憶されたプログラムを、CPU191が、主記憶装置192にロードして実行することにより実現される。
【0096】
また、状況管理DB550、音声パスDB560、座席DB650および座席距離DB660は、それぞれの補助記憶装置193に構築されてもよい。また、処理の途中に生成されるデータは、主記憶装置192または補助記憶装置193に記憶される。
【0097】
なお、音声確認サーバ500および座席管理サーバ600のハードウェア構成は、これに限定されない。これらのサーバは、図示しないハードウェアを含んでもよい。
【0098】
また、本実施形態のサーバの上記各機能を実現するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【0099】
以上説明したように、本実施形態のフリーアドレスオフィスシステム100によれば、各座席に配置される多機能電話機300に搭載されているマイクで周囲の音を検出し、当該座席に着座する従業員がオンライン会議の発言等で継続して大きな音を発生させた場合、当該多機能電話機300の鳴動や表示で警告や座席移動の提示を行う。
【0100】
このため、本実施形態のフリーアドレスオフィスシステム100によれば、フリーアドレスオフィスにおいて、オンライン会議等に参加し、所定の音量での会話が必要な従業員の、座席の決定から座席の移動申請までの全てが自動で処理される。このため、オンライン会議の参加者は、周囲を気にせず発言できる座席に、容易かつ素早く移動することができる。一方、通常業務中の従業員は、静かで集中できるオフィス環境を確保できる。すなわち、本実施形態によれば、オンライン会議ではコミュニケーションをとりつつも、通常の業務では静かで集中できるオフィス環境を提供可能である。これにより、フリーアドレスオフィスにおいて、従事する業務によらず、在勤の全従業員の業務効率(作業効率)を向上させることができる。
【0101】
さらに、本実施形態によれば、上記効果を、オフィス内に新たなハードウェア(装置)を追加することなく達成できる。例えば、継続的に音声を収集し、閾値を超えた場合に、当該音声を収集した多機能電話機300を用いてディスプレイ表示や鳴動で通知する。したがって、従来の装置のみで、対象者に通知もできる。
【0102】
<変形例1>
なお、上記実施形態においても、座席の位置として登録される位置情報652は、予め定めた座標系の座標値であってもよい。例えば、緯度経度等の地理座標系であってもよいし、各建物、部屋ごとの、ローカル座標系であってもよい。
【0103】
<変形例2>
また、上記実施形態および変形例では、各多機能電話機300が、それぞれ独立して音量の判別を行っているが、これに限定されない。例えば、同じタイミングで閾値を超えた多機能電話機300が複数ある場合、音声確認サーバ500は、閾値を超えた場合であっても、座席管理サーバ600に移動先検索依頼を行わないように構成してもよい。音声確認サーバ500は、このような場合、警報および/または館内放送等、着座者によらない音の発生があったものと判別する。
【0104】
<変形例3>
また、上記実施形態および変形例では、従業員に、移動先の座席の位置情報を通知しているが、これに限定されない。例えば、移動先の座席が会議室等の個室に配置されたものである場合、当該会議室を移動先として通知してもよい。
【0105】
会議室などでは、一般に、複数の座席に1つの多機能電話機300が備えられる。このような場合、座席DB650は、座席毎にレコードを登録するのではなく、内線番号毎にレコードを登録してもよい。
【0106】
<変形例4>
また、上記実施形態および変形例では、座席管理サーバ600が、移動先座席を1席決定し、通知しているが、これに限定されない。例えば、座席管理サーバ600は、座席DB650から、予め定めた規則に従って複数の空席を抽出し、移動先候補として音声確認サーバ500を介して主装置400に送信してもよい。
【0107】
この場合、主装置400は、対象の多機能電話機300に、移動先候補を列挙して表示し、ユーザ(従業員)からの選択を受け付ける。選択は、例えば、機能ボタン、ダイヤルボタン等を介して入力する。
【0108】
<変形例5>
また、上記実施形態および変形例では、多機能電話機300を介して移動の意思を受け付けたことを契機に、座席管理サーバ600は、座席DB650を更新しているが、更新のタイミングは、これに限定されない。例えば、移動後、移動先の多機能電話機300で、ユーザが着席を意味する情報を送信する。座席管理サーバ600は、当該情報を受信してから着席情報654を、着席に変更するよう構成してもよい。
【0109】
<変形例6>
また、上記実施形態および変形例では、音声確認サーバ500と座席管理サーバ600とは、別個独立したサーバとする構成であるが、これらは、1のサーバで構成されていてもよい。
【0110】
また、上記実施形態および変形例では、音声確認サーバ500と座席管理サーバ600とは、社内LAN内に構築されているが、ルータを介して接続する他のネットワーク上に構築されてもよい。また、クラウド上に構築されてもよい。
【0111】
<変形例7>
また、上記実施形態および変形例では、多機能電話機300を用いて各座席周囲の音声を収集し、着座者に通知を行っている。しかし、これらの処理主体は、多機能電話機300に限定されない。周囲の所定範囲の音声を収集する音声入力手段と、自装置を識別可能な情報とともに音声確認サーバ500に送信可能な送信手段と、移動先席を通知可能な表示手段と、移動するか否かの意思を入力可能な操作手段と、を備える装置であればよい。
【0112】
また、当該装置は、座席に固定されていなくても、上記情報とともに自装置の位置情報を送信できればよい。
【0113】
上記機能を備える装置として、例えば、各従業員に配布されるノートPCや情報端末等の可搬型情報端末を用いてフリーアドレスオフィスシステムを構成してもよい。以下、この場合のフリーアドレスオフィスシステム100を簡単に説明する。
【0114】
図8は、本変形例のフリーアドレスオフィスシステム100の全体構成図である。ここでは、可搬型情報端末として、ノートPCを例に説明する。
【0115】
本図に示すように、フリーアドレスオフィスシステム100において、各ノートPC390は、有線の場合、直接LANケーブル210でハブ220に接続される。また、無線の場合は、例えば、アクセスポイントを介してハブ220に接続される。
【0116】
音声確認サーバ500は、各ノートPC390と音声パスを接続し、ノートPC390のマイクで周囲の音声を収集する。
【0117】
音声確認サーバ500では、状況管理DB550および音声パスDB560において、内線番号の代わりにノートPC390を一意に識別可能な情報(PC-ID;例えば、MACアドレス等)を用いる。この場合の、音声パスDB560の一例および状況管理DB550の一例を、それぞれ、図9(a)および図9(b)に示す。なお、PC-IDは、ノートPC390から送出するパケットのヘッダに格納される。
【0118】
また、各ノートPC390は、例えば、GPS受信機または各種のセンサ等を備え、自装置の位置を把握可能とする。各ノートPC390は、移動する毎に、または、所定の時間間隔で、把握した自装置の位置(装置位置)を座席管理サーバ600に送信する。
【0119】
座席管理サーバ600では、座席DB650において、座席名651毎に、座席の位置情報652として、上述のような予め定めた座標系での座標値を管理する。そして、内線番号653の代わりに、PC-IDを用いる。このとき、位置情報652と、PC-IDとは、動的に管理される。
【0120】
この場合の、座席DB650の一例を、図9(c)に示す。本図に示すように、座席DB管理部620は、ノートPC390から装置位置を受信すると、最も近い位置情報652を有するレコードの、PC-ID655に当該ノートPC390のPC-IDを格納する。
【0121】
その他の処理については、上記実施形態と同様である。
【0122】
なお、ノートPC390は、一般的なPCと同様のハードウェア構成を備える。すなわち、CPUと、記憶装置と、通信I/Fと、表示装置と、マイクおよびスピーカと、操作装置と、を備える。そして、ノートPC390は、専用のプログラム(アプリケーション)を、予め記憶装置にインストールし、CPUがロードして実行することにより本処理を実現する。
【0123】
また、多機能電話機300と、ノートPC390とを併用してもよい。例えば、音声の収集は座席に固定的に配置された多機能電話機300が担い、移動意思確認等の通知は、各従業員が使用するノートPC390に行う。この場合、座席DB650には、座席名651、位置情報652、内線番号653、着席情報654に加え、PC-ID655が動的に登録される。
【0124】
<変形例8>
なお、上記実施形態および変形例では、移動先情報は、移動先の座席の位置情報をテキスト表示している。しかし、例えば、表示部324(ディスプレイ)が所定のサイズを有する場合、移動先として、マップ表示等を行ってもよい。
【0125】
なお、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。例えば、各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0126】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0127】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
(付記1)
フリーアドレスオフィスの座席を座席データベースで管理する座席管理サーバと、
音声確認サーバと、を備え、
前記音声確認サーバは、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた場合、移動先とする前記座席を移動先席として検索する移動先検索依頼を前記座席管理サーバに送信する検索依頼部と、
当該移動先検索依頼に応じて前記座席管理サーバから受信した移動先座席情報を表示手段に表示させるとともに、前記移動先座席情報の表示後に操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席管理サーバに当該移動の意思を送信する意思確認部と、を備え、
前記座席管理サーバは、
前記移動先検索依頼を受信すると、前記座席データベース内から空席を検索し、予め定めた規則に従って前記移動先席を決定し、決定した当該移動先席の座席位置を前記移動先座席情報として前記音声確認サーバに送信する空席検索部と、
前記移動先座席情報の送信に応じて前記音声確認サーバから前記移動の意思を受信すると、前記座席データベースを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備える
フリーアドレスオフィスシステム。
(付記2)
付記1記載のフリーアドレスオフィスシステムにおいて、
前記音声入力手段、前記表示手段、および前記操作手段は、多機能電話機であることが望ましい。
(付記3)
付記1または付記2のフリーアドレスオフィスシステムにおいて、
前記空席検索部は、検索した前記空席の中で、予め定めた規則に従って、着座者のいる前記座席から最も離れた前記座席、または、前記音声入力手段から最も近い前記座席を、前記移動先席とすることが望ましい。
(付記4)
付記1から3のいずれかに記載のフリーアドレスオフィスシステムにおいて、
前記音声入力手段は、前記座席毎に備えられ、
前記意思確認部が前記移動の意思を受け付けた場合、前記音量判別部は、前記移動先席に備えられた前記音声入力手段からの前記音量に対し、所定期間、前記判別を行わないことが望ましい。
(付記5)
請求項1から4のいずれかに記載のフリーアドレスオフィスシステムにおいて、
前記意思確認部が、前記移動先座席情報の表示後に前記操作手段を介して移動しない意思を受け付けた場合、前記音量判別部は、前記音声入力手段からの前記音量に関し、所定期間、前記判別を行わないことが望ましい。
(付記6)
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィスの座席を管理する座席データベース内から、予め定めた規則に従って移動先とする前記座席を移動先席として検索する空席検索部と、
前記移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させる意思確認部と、
前記移動先座席情報の表示後に操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備えるフリーアドレスオフィスサーバ。
(付記7)
コンピュータが、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かを判別し、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として検索し、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させ、
操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを更新する、フリーアドレスオフィスの座席管理方法。
(付記8)
コンピュータに、
音声入力手段からの音量が閾値を超えたか否かを判別する手順と、
前記音量が閾値を超えた場合、フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として検索する手順と、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として表示手段に表示させる手順と、
操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースを更新する手順とを実行させるためのプログラム。
なお、付記6-8の各形態は、付記2-5の形態に展開することが可能である。
【0128】
なお、上記の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0129】
100:フリーアドレスオフィスシステム、191:CPU、192:主記憶装置、193:補助記憶装置、194:通信I/F、195:拡張I/F、
210:LANケーブル、220:ハブ、230:モジュラーケーブル、
300:多機能電話機、310:コントローラ、312:記憶装置、321:ハンドセット、322:スピーカ、323:マイク、324:表示部、325:操作部、331:回線I/F、332:通信I/F、380:表示例、390:ノートPC、
400:主装置、410:コントローラ、420:内線ユニット、430:外線ユニット、440:拡張ユニット、
500:音声確認サーバ、510:音量判別部、520:検索依頼部、530:意思確認部、550:状況管理DB、551:内線番号、552:状況、560:音声パスDB、561:内線番号、562:音声パス情報、
600:座席管理サーバ、610:空席検索部、620:座席DB管理部、650:座席DB、651:座席名、652:位置情報、653:内線番号、654:着席情報、655:PC-ID、660:座席距離DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーアドレスオフィスの座席を座席データベースで管理する座席管理サーバと、
音声確認サーバと、を備え、
前記音声確認サーバは、
前記座席毎に備えられた音声入力手段それぞれにおいて収集された音声の音量について、それぞれ閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた前記音声入力手段である第一音声入力手段に関し、移動先とする前記座席を移動先席として検索する移動先検索依頼を、前記座席管理サーバに送信する検索依頼部と、
当該移動先検索依頼に応じて前記座席管理サーバから受信した移動先座席情報を前記第一音声入力手段の表示手段に表示させるとともに、前記移動先座席情報の表示後に当該第一音声入力手段の操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席管理サーバに当該移動の意思と前記第一音声入力手段の音声入力手段を特定する情報である第一特定情報とを送信する意思確認部と、を備え、
前記座席データベースでは、前記フリーアドレスオフィス内の各座席の位置である座席位置および各座席が空席か否かの座席使用状況が、前記音声入力手段を特定する情報に対応付けて管理され、
前記座席管理サーバは、
前記移動先検索依頼を受信すると、前記座席データベースに管理される前記座席使用状況に基づいて、前記空席を検索し、予め定めた規則に従って前記移動先席を決定し、決定した当該移動先席の前記座席位置を前記移動先座席情報として前記音声確認サーバに送信する空席検索部と、
前記移動先座席情報の送信に応じて前記音声確認サーバから前記移動の意思を受信すると、前記座席データベースの前記第一特定情報に対応づけて管理される前記座席使用状況と前記移動先席の前記座席使用状況とを最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備え
前記空席検索部は、前記座席データベースで管理される前記座席位置に基づいて、検索した前記空席の中で、空席以外の座席から最も離れた位置にある前記空席を、前記移動先席とする、フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項2】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
前記音声入力手段、前記表示手段、および前記操作手段は、多機能電話機である、
フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項3】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
前記検索依頼部は、前記移動先検索依頼とともに、前記第一特定情報を前記座席管理サーバに送信し、
前記空席検索部は、空席以外の座席から最も離れた位置にある前記空席である候補空席が複数ある場合、前記第一特定情報に対応づけて前記座席データベースに登録される座席の前記座席位置である第一座席位置と、各候補空席の前記座席位置と、を特定し、前記候補空席の中で前記座席位置が前記第一座席位置に最も近い前記座席を、前記移動先席とする、フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項4】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
記意思確認部が前記移動の意思を受け付けた場合、前記音量判別部は、前記移動先席に備えられた前記音声入力手段からの前記音量に対し、所定期間、前記判別を行わない、フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項5】
請求項1記載のフリーアドレスオフィスシステムであって、
前記意思確認部が、前記移動先座席情報の表示後に前記操作手段を介して移動しない意思を受け付けた場合、前記音量判別部は、前記音声入力手段からの前記音量に関し、所定期間、前記判別を行わない、フリーアドレスオフィスシステム。
【請求項6】
フリーアドレスオフィスの座席毎に備えられた音声入力手段からの音量について、それぞれ閾値を超えたか否かの判別を行う音量判別部と、
前記音量が閾値を超えた前記音声入力手段である第一音声入力手段に関し、前記フリーアドレスオフィスの座席を管理する座席データベース内から、予め定めた規則に従って移動先とする前記座席を移動先席として決定する空席検索部と、
前記移動先席の座席位置を移動先座席情報として前記第一音声入力手段の表示手段に表示させる意思確認部と、
前記移動先座席情報の表示後に前記第一音声入力手段の操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースの所定の情報を最新の情報に更新する座席データベース管理部と、を備え、
前記座席データベースでは、前記フリーアドレスオフィス内の各座席の位置である前記座席位置および各座席が空席か否かの座席使用状況が、前記音声入力手段を特定する情報に対応付けて管理され、
前記空席検索部は、前記座席データベースで管理される前記座席使用状況に基づいて、空席を検索し、当該座席データベースで管理される前記座席位置に基づいて、検索した前記空席の中で、空席以外の座席から最も離れた位置にある前記空席を、前記移動先席と決定し、
前記座席データベース管理部が更新する前記所定の情報は、前記座席データベースの前記第一音声入力手段を特定する情報に対応づけて管理される前記座席使用状況と前記移動先席の前記座席使用状況である、フリーアドレスオフィスサーバ。
【請求項7】
コンピュータが、
フリーアドレスオフィスの座席毎に備えられた音声入力手段それぞれにおいて収集された音声の音量について、それぞれ閾値を超えたか否かを判別し、
前記音量が閾値を超えた前記音声入力手段である第一音声入力手段に関し、前記フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として決定し、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として前記第一音声入力手段の表示手段に表示させ、
前記第一音声入力手段の操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースの所定の情報を更新し、
前記座席データベースでは、前記フリーアドレスオフィス内の各座席の位置である前記座席位置および各座席が空席か否かの座席使用状況が、前記音声入力手段を特定する情報に対応付けて管理され、
前記移動先席を決定する際、前記座席データベースで管理される前記座席使用状況に基づいて、空席を検索し、当該座席データベースで管理される前記座席位置に基づいて、検索した前記空席の中で、空席以外の座席から最も離れた位置にある前記空席を、前記移動先席と決定し、
前記所定の情報は、前記座席データベースの前記第一音声入力手段を特定する情報に対応づけて管理される前記座席使用状況と前記移動先席の前記座席使用状況である、フリーアドレスオフィスの座席管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
フリーアドレスオフィスの座席毎に備えられた音声入力手段それぞれにおいて収集された音声の音量について、それぞれ閾値を超えたか否かを判別する手順と、
前記音量が閾値を超えた前記音声入力手段である第一音声入力手段に関し、前記フリーアドレスオフィス内の座席を管理する座席データベースから、移動先とする前記座席を移動先席として決定する手順と、
当該移動先席の座席位置を移動先座席情報として前記第一音声入力手段の表示手段に表示させる手順と、
前記第一音声入力手段の操作手段を介して移動の意思を受け付けると、前記座席データベースの所定の情報を更新する手順とを実行させ
前記座席データベースでは、前記フリーアドレスオフィス内の各座席の位置である前記座席位置および各座席が空席か否かの座席使用状況が、前記音声入力手段を特定する情報に対応付けて管理され、
前記移動先席を決定する手順において、前記座席データベースで管理される前記座席使用状況に基づいて、空席を検索し、当該座席データベースで管理される前記座席位置に基づいて、検索した前記空席の中で、空席以外の座席から最も離れた位置にある前記空席を、前記移動先席と決定し、
前記所定の情報は、前記座席データベースの前記第一音声入力手段を特定する情報に対応づけて管理される前記座席使用状況と前記移動先席の前記座席使用状況である、プログラム。