(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080023
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】空調システム
(51)【国際特許分類】
F24F 3/044 20060101AFI20240606BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
F24F3/044
G06F1/20 B
G06F1/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192836
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】白谷 毅
(72)【発明者】
【氏名】岩田 成美
(72)【発明者】
【氏名】中上 裕仁
(72)【発明者】
【氏名】中島 風
(72)【発明者】
【氏名】山口 真吾
【テーマコード(参考)】
3L053
【Fターム(参考)】
3L053BB10
(57)【要約】
【課題】空調空気をサーバー室内に広く到達させることができる空調システムを提供する。
【解決手段】空調システム100は、複数のサーバー21が配置されたサーバー室1の空調システムであって、空調空気A1を生成する空調機2と、サーバー室1の壁部11に設けられ、空調機2で生成された空調空気A1をサーバー室1内に供給する吹き出し口3と、を備え、吹き出し口3から供給された空調空気A1は、コールドアイルB1を介してサーバー21に供給され、サーバー21で熱せられた排気は、ホットアイルを介して排出され、吹き出し口3は、サーバー21の上端部21uの高さ以上の高さに配置されるとともに、サーバー21の上方の空間Sに向かって空調空気A1を供給する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーバーが配置されたサーバー室の空調システムであって、
空調空気を生成する空調機と、
前記サーバー室の壁部に設けられ、前記空調機で生成された前記空調空気を前記サーバー室内に供給する吹き出し口と、を備え、
前記吹き出し口から供給された前記空調空気は、コールドアイルを介して前記サーバーに供給され、
前記サーバーで熱せられた排気は、ホットアイルを介して排出され、
前記吹き出し口は、前記サーバーの上端部の高さ以上の高さに配置されるとともに、前記サーバーの上方の空間に向かって前記空調空気を供給する空調システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記吹き出し口が開口する方向に沿って配列されている請求項1に記載の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、サーバーが設置されたサーバーラックが集約されたデーターセンター等では、サーバーを冷却するために、壁面に吹き出し口を設けた空調装置が設置されている(例えば、下記の特許文献1参照)。また、壁面よりも室内側にパンチング状の板材を設置して、壁全面から均一な水平吹出気流を形成するようにしていることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような空調方式では、吹き出し口におけるサーバーラックの高さよりも低い部分から吹き出された冷気には、サーバーラック及びホットアイルキャッピングが障害物となってしまい、冷気をサーバーラック列の奥側まで十分に到達させることができないという問題点がある。また、吹き出し口が設けられたた壁及びパンチング状の板材が設けられた壁のように壁を二重に設置(二重壁)することで、室内の空間が小さくなって、室内に設置できるサーバーラック数が減ってしまうという欠点もある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、空調空気をサーバー室内に広く到達させることができる空調システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る空調システムは、複数のサーバーが配置されたサーバー室の空調システムであって、空調空気を生成する空調機と、前記サーバー室の壁部に設けられ、前記空調機で生成された前記空調空気を前記サーバー室内に供給する吹き出し口と、を備え、前記吹き出し口から供給された前記空調空気は、コールドアイルを介して前記サーバーに供給され、前記サーバーで熱せられた排気は、ホットアイルを介して排出され、前記吹き出し口は、前記サーバーの上端部の高さ以上の高さに配置されるとともに、前記サーバーの上方の空間に向かって前記空調空気を供給する。
【0007】
このように構成された空調システムでは、空調機で生成された空調空気は、吹き出し口からサーバーの上方の空間に向かって供給さる。吹き出し口の高さは、サーバーの上端部の高さ以上である。吹き出し口から供給された空調空気が障害物に当たると、サーバー室の奥側まで行き渡らないことがあるが、上記の空調システムでは障害物によるロスを減らして、空調空気をサーバー室内に広く到達させることができる。
【0008】
また、本発明に係る空調システムでは、前記サーバーは、前記吹き出し口が開口する方向に沿って配列されていてもよい。
【0009】
このように構成された空調システムでは、サーバーは、吹き出し口が開口する方向に沿って配列されている。よって、吹き出し口が開口する方向に沿ってコールドアイルが形成され、サーバーを効率的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る空調システムによれば、空調空気をサーバー室内に広く到達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空調システムを示す模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態に係る空調システムについて、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る空調システムを示す模式的な平面図である。
図2は、
図1のII-II線断面図である。
図3は、
図1のIII-III線断面図である。
図1~
図3に示すように、本実施形態の空調システム100の対象となる空間は、サーバー室1である。
【0013】
ここで、
図1に示すように、平面視で略矩形をなすサーバー室1の一の壁面に沿う方向を方向Xとし、一の壁面と直交する壁面に沿う方向を方向Yとする。
【0014】
方向Yに沿う壁部11を挟んで、サーバー室1と反対側には空調機器室13が設置されている。
【0015】
サーバー室1には、複数のサーバーラック20が設置されている。サーバーラック20は、方向Yに間隔を有して複数配列されている。サーバーラック20は、方向Xに沿って延びている。サーバーラック20は、サーバー室1の内周面1aをなす4つの壁面とは間隔を有して配置されている。
【0016】
サーバーラック20には、業務サーバー、データサーバーといった各種のサーバー21が収容されている。サーバー21は、サーバーラック20内において、方向X及び方向Yに隣り合って複数設置されている。サーバーラック20の設置間隔は、適宜設定可能である。発熱量が大きいサーバー21が偏って配置されている場合には、サーバーラック20の設置間隔を広くしたりする等、状況に応じて対応可能である。
【0017】
空調システム100は、複数の空調機2と、吹き出し口3と、を備えている。
【0018】
空調機2は、サーバー室1へ空調空気(冷気)A1を供給するための空調装置の一部である。例えば、空調機10は、冷却温度が露点温度以上で結露を生じないドライコイルで構成されていてもよい。空調機2は、空調機器室13に設置されている。空調機2は、サーバー室1との間の壁部11に沿って、方向Yに間隔を空けて複数配置されている。
【0019】
図2に示すように、吹き出し口3は、空調機2で生成された空調空気A1を、サーバー室1内に供給するために壁部11に形成された開口である。吹き出し口3は、サーバー21の上方の空間Sに向かって空調空気A1を供給する。
図1では、サーバーラック20と吹き出し口3とはY方向で同じ位置に図示されているが、サーバーラック20と吹き出し口3とはY方向で異なる位置に配置されていてもよい。
【0020】
吹き出し口3は、壁部11に設けられ、サーバーラック20の延びる長手方向(方向X)に向かって開口している。
【0021】
図2に示すように、吹き出し口3は、壁部11の上部にのみ設けられている。吹き出し口3の下端部3dの高さH1は、サーバー21の上端部21uの高さH2以上である。
【0022】
吹き出し口3から供給される空調空気A1の風向は、水平や上向き等、状況に応じて設定可能である。吹き出し口3の上部1/3から吹き出される空調空気A1は、遠くに到達するように、天井面に沿わせることが好ましい。例えば、吹き出し口3の上端部が天井面と同じ高さにある場合は、吹き出し口3から供給される空調空気A1の風向を水平とする。吹き出し口3の上端部が天井面よりも低い高さにある場合は、吹き出し口3から供給される空調空気A1の風向を少し上向きとする。
【0023】
吹き出し口3は、壁部11に空調機2を投影した部分に形成されていることが好ましい。吹き出し口3は、壁部11のY方向の略全長にわたって形成されていることが更に好ましい。
【0024】
図1に示すように、サーバー室1においては、Y方向に隣り合う複数のサーバーラック20からなるラック集合体22が複数配置される。本実施形態では、ラック集合体22は、一対のサーバーラック20を有している。なお、ラック集合体22を構成するサーバーラック20の数は適宜設定可能である。
図1に示す例では、6つのラック集合体22が配置されているが、ラック集合体22の個数は適宜設定可能である。
【0025】
空調空気A1は、サーバーラック20に給気口が形成された給気面20aからサーバーラック20内に導入される。空調空気A1は、サーバーラック20に収容されたサーバー21との間で熱交換される。熱交換された空調空気A1は、廃熱空気となって排気口が形成された排気面20bからサーバーラック20の外側に排出される。
【0026】
隣り合うラック集合体22において、給気面20aどうしは対向している。これによって、隣り合うラック集合体22の間の空間は、空調機2から供給された空調空気A1(冷気)が主として存在する。空調機2から供給された空調空気A1(冷気)が主として存在する空間を、コールドアイルB1と称する。図面では粗いドットで示している。
【0027】
一のラック集合体22において、排気面20bどうしは対向している。これによって、ラック集合体22の内部の空間において、対向するサーバーラック20の間にはサーバー21で熱せられた廃熱空気(排気)が集まる。廃熱空気が主として存在する空間を、ホットアイルB2と称し、図面では細かいドットで示している。
【0028】
コールドアイルB1及びホットアイルB2を取り囲むように、仕切板等が設けられていてもよい。
【0029】
図3に示すように、天井内には、ホットアイルB2の上側に、サーバーラック20から排出される廃熱空気を排出する還気機構4が設けられる。
【0030】
このように構成された空調システム100では、空調機2で生成された空調空気A1は、吹き出し口3からサーバー21の上方の空間Sに向かって供給される。吹き出し口3の高さA1は、サーバー21の上端部21uの高さH2以上である。吹き出し口3から供給された空調空気A1が障害物に当たると、サーバー室1の奥側まで行き渡らないことがあるが、本実施形態の空調システム100では障害物によるロスを減らして、空調空気A1をサーバー室1内に広く到達させることができる。
【0031】
また、サーバー21は、吹き出し口3が開口する方向Xに沿って配列されている。よって、吹き出し口3が方向Aに沿ってコールドアイルB1が形成され、サーバー21を効率的に冷却することができる。
【0032】
従来のようにサーバー室1内に二重壁を設ける必要がないため、サーバー室1内にサーバー21を多く設置することができる。
【0033】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0034】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施形態に係るコンクリートスラブ表面の補修時期予測方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の目標などの達成に貢献し得る。
【符号の説明】
【0035】
1 サーバー室
2 空調機
3 吹き出し口
10 空調機
11 壁
21 サーバー
21u 上端部
100 空調システム
A1 空調空気
B1 コールドアイル
B2 ホットアイル