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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008004
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】部品選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/02 20060101AFI20240112BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20240112BHJP
   B07C 5/10 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B07C5/02
G01N21/85 Z
B07C5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109479
(22)【出願日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大地
(72)【発明者】
【氏名】小久貫 太一
(72)【発明者】
【氏名】山本 良巳
(72)【発明者】
【氏名】香川 啓太
【テーマコード(参考)】
2G051
3F079
【Fターム(参考)】
2G051AA61
2G051AB20
2G051DA01
2G051DA08
2G051DA13
3F079AD06
3F079BA06
3F079CA41
3F079CB30
3F079CC03
3F079DA02
3F079DA15
3F079EA16
(57)【要約】
【課題】部品選別の精度を向上する部品選別装置を提供する。
【解決手段】部品選別装置1は、部品を搬送しながら検査し、良品を選別する部品選別装置であって、部品を供給するホッパー5およびボールフィーダ10と、供給された部品を搬送するリニアフィーダ20と、搬送された部品を搬送するターンテーブル30と、ターンテーブル30上の部品における複数の外面をそれぞれ撮像する複数の検査用撮像デバイス40と、複数の検査用撮像デバイス40からの撮像結果に基づいて部品の外観検査を行い、外観検査の結果に基づいて良品を選別する検査選別コントローラ70と、検査選別コントローラ70によって選別された良品を、ターンテーブル30から排出する排出機構50と、外観検査および選別の終了時、残留部品の確認のために、ホッパー5およびボールフィーダ10を撮像する確認用撮像デバイス80とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を搬送しながら検査し、良品を選別する部品選別装置であって、
前記部品を供給するホッパーおよびボールフィーダのうちの少なくとも一方と、
前記ボールフィーダまたは前記ホッパーによって供給された前記部品を搬送するリニアフィーダと、
前記リニアフィーダによって搬送された前記部品を搬送するターンテーブルと、
前記ターンテーブル上の前記部品における複数の外面をそれぞれ撮像する複数の検査用撮像デバイスと、
前記複数の検査用撮像デバイスからの撮像結果に基づいて前記部品の外観検査を行い、前記外観検査の結果に基づいて前記良品を選別する検査選別コントローラと、
前記検査選別コントローラによって選別された前記良品を、前記ターンテーブルから排出する排出機構と、
前記外観検査および選別の終了時、残留部品の確認のために、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方を撮像する確認用撮像デバイスと、
を備える、部品選別装置。
【請求項2】
前記確認用撮像デバイスは、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方上を走査する、請求項1に記載の部品選別装置。
【請求項3】
前記確認用撮像デバイスの走査は、蛇行走査または螺旋走査である、請求項2に記載の部品選別装置。
【請求項4】
前記外観検査および選別の終了時、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方上の残留部品を回収する回収機構を更に備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品選別装置。
【請求項5】
前記回収機構は、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方上を走査する、請求項4に記載の部品選別装置。
【請求項6】
前記回収機構の走査は、蛇行走査または螺旋走査である、請求項5に記載の部品選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサ等の表面実装型の電子部品(チップ部品ともいう。)の良品および不良品を選別する装置がある。特許文献1には、このような部品選別装置として外観検査装置が開示されている。特許文献1に開示の外観検査装置は、電子部品を搬送するリニアフィーダと、リニアフィーダによって搬送された電子部品を回転搬送するターンテーブルと、ターンテーブル上の電子部品を撮像する複数の撮像デバイスとを備え、電子部品を搬送しながら電子部品の外観検査を行う。これにより、良品および不良品を選別して排出することができる。
【0003】
特許文献1に開示の外観検査装置は、リニアフィーダにおいて、振動により電子部品を搬送することによって、電子部品を帯電させ、ターンテーブルにおいて、静電気により電子部品を静電吸着して回転搬送する。ターンテーブルの搬送速度は、リニアフィーダの搬送速度よりも速い。これにより、ターンテーブルにおいて電子部品の間隔を空けることができ、電子部品の搬送方向の端面の外観検査が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-44579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような部品選別装置では、製造ロットごとに異なる種類の電子部品の検査および選別を行うことがある。例えば、表面実装型の電子部品には、同一サイズであっても特性が異なる部品がある。より具体的には、積層セラミックコンデンサには、同一サイズであっても容量が異なる部品がある。
【0006】
また、このような部品選別装置では、前回ロットの電子部品がリニアフィーダまたはターンテーブル等に残ってしまうことがある。このような場合に、今回ロットの電子部品の種類が前回ロットの電子部品の種類と異なると、今回ロットの電子部品に、種類が異なる前回ロットの電子部品が混入してしまう可能性がある。このように同サイズ/異特性の電子部品が混入してしまうと、例え外観検査の精度が高くとも、選別の精度が低下してしまう。
【0007】
本発明は、部品選別の精度を向上する部品選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明に係る部品選別装置は、部品を搬送しながら検査し、良品を選別する部品選別装置であって、前記部品を供給するホッパーおよびボールフィーダのうちの少なくとも一方と、前記ボールフィーダまたは前記ホッパーによって供給された前記部品を搬送するリニアフィーダと、前記リニアフィーダによって搬送された前記部品を搬送するターンテーブルと、前記ターンテーブル上の前記部品における複数の外面をそれぞれ撮像する複数の検査用撮像デバイスと、前記複数の検査用撮像デバイスからの撮像結果に基づいて前記部品の外観検査を行い、前記外観検査の結果に基づいて前記良品を選別する検査選別コントローラと、前記検査選別コントローラによって選別された前記良品を、前記ターンテーブルから排出する排出機構と、前記外観検査および選別の終了時、残留部品の確認のために、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方を撮像する確認用撮像デバイスと、を備える。
【0009】
(2) (1)に記載の部品選別装置において、前記確認用撮像デバイスは、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方上を走査してもよい。
【0010】
(3) (2)に記載の部品選別装置において、前記確認用撮像デバイスの走査は、蛇行走査または螺旋走査であってもよい。
【0011】
(4) (1)から(3)のいずれか1つに記載の部品選別装置において、前記外観検査および選別の終了時、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方上の残留部品を回収する回収機構を更に備えていてもよい。
【0012】
(5) (4)に記載の部品選別装置において、前記回収機構は、前記ホッパーおよび前記ボールフィーダのうちの少なくとも一方上を走査してもよい。
【0013】
(6) (5)に記載の部品選別装置において、前記回収機構の走査は、蛇行走査または螺旋走査であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、部品選別装置における部品選別の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る部品選別装置の一例を上方からみた概略平面図である。
図2図1に示す部品選別装置におけるII部分を拡大した概略平面図である。
図3図1に示す部品選別装置を側方からみた概略側面図であって、II部分を拡大した概略側面図である。
図4図1に示す部品選別装置における確認用撮像デバイスによるホッパー上の在留部品の確認の一例を示す図である。
図5図1に示す部品選別装置における確認用撮像デバイスによるホッパーおよびボールフィーダ上の残留部品の確認の一例を示す図である。
図6図1に示す部品選別装置における回収機構によるホッパー上の残留部品の回収の一例を示す図である。
図7図1に示す部品選別装置における回収機構によるホッパーおよびボールフィーダ上の残留部品の確認の一例を示す図である。
図8】部品の外観の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0017】
図1は、本実施形態に係る部品選別装置の一例を上方からみた概略平面図であり、図2は、図1に示す部品選別装置におけるII部分を拡大した概略平面図であり、図3は、図1に示す部品選別装置を側方からみた概略側面図であって、II部分を拡大した概略側面図である。なお、図1図3には、XY直交座標系が示されている。
【0018】
図1図3に示す部品選別装置1は、複数の電子部品3を順次に搬送しながら検査し、良品を選別する装置である。部品選別装置1は、ホッパー5と、ボールフィーダ10と、リニアフィーダ20と、ターンテーブル30と、複数の検査用撮像デバイス40と、排出機構50と、検査選別コントローラ70と、確認用撮像デバイス80と、回収機構90とを備える。
【0019】
電子部品3は、積層セラミックコンデンサ等の表面実装型の電子部品(チップ部品ともいう。)である。電子部品3は、例えば図8に示すように、セラミック材料からなる複数の誘電体層と1または複数の導体層とが積層された積層体3aと、積層体3aの2つの端面の各々に配置された2つの外部電極3bとを備える。積層体3a、すなわち電子部品3は、直方体形状であり、積層方向に相対する2つの主面TS1およびTS2と、積層方向に交差する幅方向に相対する2つの側面WS1およびWS2と、積層方向および幅方向に交差する長さ方向に相対する2つの端面LS1およびLS2とを有する。
【0020】
電子部品3の寸法は特に限定されないが、例えば、長さ方向の寸法が3.2mm以上0.1mm以下であり、幅方向の寸法が1.6mm以上0.05mm以下であり、積層方向の寸法が1.6mm以上0.05mm以下であってもよい。なお、これらの寸法は、交差により変動し得る。
【0021】
電子部品3は、上述した誘電体セラミックを用いた積層セラミックコンデンサに限定されず、圧電体セラミックを用いた圧電部品、半導体セラミックを用いたサーミスタ、磁性体セラミックを用いたインダクタ等の種々の電子部品であってもよい。
【0022】
図1図3に示すように、ホッパー5は、ボールフィーダ10に複数の電子部品3を供給する。例えば、ホッパー5は漏斗状形状であり、その入口は円形状の開口を有し、その出口は入口よりも狭い開口を有する。ホッパー5は、ボールフィーダ10内の電子部品3の数の不足を検知して、ボールフィーダ10に電子部品3を自動的に補充し、ボールフィーダ10内の電子部品3の数を一定量に保つ装置である。
【0023】
ボールフィーダ10は、ホッパー5によって供給された複数の電子部品3を整列させて搬送する。ボールフィーダ10には、ボールフィーダ10に振動を供給する振動機構12が設けられている。振動機構12としては、例えば電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子が挙げられる。ボールフィーダ10の外形形状は円形状である。ボールフィーダ10は、振動により、円形状の中央部から外側へ向けて、電子部品3を円運動させながら、スパイラル状に整列させて搬送する。
【0024】
リニアフィーダ20は、ボールフィーダ10によって整列搬送された複数の電子部品3を順次に直線的に搬送する。リニアフィーダ20には、リニアフィーダ20に振動を供給する振動機構22が設けられている。振動機構22としては、例えば電圧に応じた周波数の振動を発生する圧電素子が挙げられる。リニアフィーダ20は水平面に対して傾斜していると好ましい。リニアフィーダ20は、振動により、電子部品3を搬送する。
【0025】
リニアフィーダ20は、SUS等の材料からなると好ましい。これにより、リニアフィーダ20において、振動によって電子部品3を搬送する際に、電子部品3を帯電させることができる。
【0026】
ターンテーブル30は、リニアフィーダ20によって搬送された複数の電子部品3を順次に回転搬送する。図1および図2に示すように、ターンテーブル30は、上流側にガイド機構32を有し、ガイド機構32によって、リニアフィーダ20からの電子部品3を、回転搬送経路(回転搬送軌跡)31に導く。ターンテーブル30は、回転搬送経路31に沿って電子部品3を搬送する。
【0027】
図3に示すように、ターンテーブル30の下側には、静電吸着機構34が設けられていると好ましい。これにより、リニアフィーダ20において帯電した電子部品3を静電吸着して搬送することができる。
【0028】
ターンテーブル30の搬送速度は、リニアフィーダ20の搬送速度よりも速い。これにより、図2および図3に示すように、電子部品3の間隔を空けることができ、電子部品3の端面側の外観検査が可能となる。
【0029】
ターンテーブル30は、ガラスまたは樹脂等の材料からなり、透明性を有する。これにより、電子部品3の裏面側の外観検査が可能となる。
【0030】
図1に示すように、検査用撮像デバイス40は、例えばカメラまたはイメージセンサである。ターンテーブル30の回転搬送経路31に沿って、6個の検査用撮像デバイス40が設けられている。6個の検査用撮像デバイス40は、ターンテーブル30上の電子部品3の6個の外面、すなわち2つの主面TS1およびTS2、2つの側面WS1およびWS2、および2つの端面LS1およびLS2、をそれぞれ撮像する。検査用撮像デバイス40の各々には、電子部品3の撮像面を照らす、リング照明またはドーム照明等の照明デバイスが設けられてもよい。
【0031】
図1に示すように、排出機構50は、後述する検査選別コントローラ70によって外観検査の結果に基づいて選別された良品を、ターンテーブル30から排出してケース等に収容する。排出機構50による良品の排出方法は、特に限定されないが、エアー吹付、エアー吸引、物理的接触押出、等が挙げられる。例えば、排出機構50は、良品が搬送されてきた場合、検査選別コントローラ70からの指令に従って、ターンテーブル30上の良品にエアーを吹き付けることにより、良品をターンテーブル30から排出してケース等に収容する。
【0032】
確認用撮像デバイス80は、外観検査および選別の終了時、残留部品の確認のために、ホッパー5およびボールフィーダ10を撮像する。確認用撮像デバイス80としては、例えばカメラまたはイメージセンサが挙げられる。また、レーザーによるセンサー、たとえばラインセンサーなどであってもよい。
【0033】
図4は、確認用撮像デバイスによるホッパー上の在留部品の確認の一例を示す図である。図4に示すように、確認用撮像デバイス80は、ホッパー5上を走査して、ホッパー5上の在留部品を確認する。同様に、確認用撮像デバイス80は、ボールフィーダ10上を走査して、ボールフィーダ10上の在留部品を確認する。走査の方式としては特に限定されないが、例えば蛇行走査または螺旋走査が挙げられる。これにより、ホッパー5上およびボールフィーダ10上の残留部品を漏れなく確認することができる。
【0034】
図5は、確認用撮像デバイスによるホッパーおよびボールフィーダ上の残留部品の確認の一例を示す図である。図5に示すように、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20の上方にリニアガイド82が配置されており、リニアガイド82にはリニアアクチュエータ84が配置されている。確認用撮像デバイス80は、リニアアクチュエータ84に配置されており、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20上を走査して、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20上の残留部品を確認する。これにより、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20上の残留部品を漏れなく確認することができる。
【0035】
回収機構90は、外観検査および選別の終了時、ホッパー5、ボールフィーダ10上およびリニアフィーダ20上の残留部品を回収する。回収機構90としては、例えば永久磁石または電磁石等の磁石であってもよいし、エアー吸引等の吸引機構であってもよい。
【0036】
図6は、回収機構によるホッパー上の残留部品の回収の一例を示す図である。図4に示すように、回収機構90は、ホッパー5上を走査して、ホッパー5上の残留部品を回収する。同様に、回収機構90は、ボールフィーダ10上を走査して、ボールフィーダ10上の残留部品を回収する。また、回収機構90は、リニアフィーダ20上を走査して、リニアフィーダ20上の残留部品を回収する。走査の方式としては特に限定されないが、例えば蛇行走査または螺旋走査が挙げられる。これにより、ホッパー5上およびボールフィーダ10上の残留部品を漏れなく回収することができる。
【0037】
図7は、回収機構によるホッパーおよびボールフィーダ上の残留部品の確認の一例を示す図である。図7に示すように、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20の上方にリニアガイド82が配置されており、リニアガイド82にはリニアアクチュエータ84が配置されている。回収機構90は、リニアアクチュエータ84に配置されており、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20上を走査して、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20上の残留部品を回収する。これにより、ホッパー5、ボールフィーダ10、およびリニアフィーダ20上の残留部品を漏れなく回収することができる。
【0038】
ここで、電子部品は金属を含む。特に、積層セラミック電子部品はNiなどの強磁性体を含む。磁石によれば、このような電子部品を回収することができる。また、磁石によれば、ホッパー5、ボールフィーダ10およびリニアフィーダ20が例えば透明なカバーで覆われていても、カバー越しに電子部品を吸着し回収することができる。
【0039】
検査選別コントローラ70は、部品選別装置1全体を制御する。具体的には、検査選別コントローラ70は、検査用撮像デバイス40からの撮像結果に基づいて、ターンテーブル30上の電子部品3の外観検査を行い、外観検査の結果に基づいて良品および不良品を選別する。
【0040】
また、検査選別コントローラ70は、排出機構50による良品の排出を制御する。例えば、検査選別コントローラ70は、ターンテーブル30の搬送速度(或いは、回転速度、および、回転搬送経路長さまたは半径)、ターンテーブル30における検査用撮像デバイス40の位置等の情報から、良品を排出機構50から排出するタイミングを算出して、排出機構50に指令する。
【0041】
また、検査選別コントローラ70は、外観検査および選別の終了時、図4または図5に示すように、確認用撮像デバイス80の走査を制御し、確認用撮像デバイス80からの撮像結果に基づいて、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品の確認を行う。
【0042】
残留部品が確認された場合、検査選別コントローラ70は、ボールフィーダ10およびリニアフィーダ20を振動させて、またノッカー等によりホッパー5に振動を与えて、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品をターンテーブル30に排出してもよい。この残留部品の排出の場合の振動は、通常の検査および選別のときの振動よりも強くてもよい。
【0043】
或いは、残留部品が確認された場合、検査選別コントローラ70は、図6または図7に示すように、ホッパー5およびボールフィーダ10上における回収機構90の走査を制御して、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品を回収してもよい。
【0044】
或いは、検査選別コントローラ70は、上述した振動による残留部品の排出と、上述した回収機構90による残留部品の回収との両方を行ってもよい。以下に一例を示す。
【0045】
例えば、外観検査および選別の終了時(例えば、ターンテーブル30に電子部品3が所定時間搬送されてこないときに、外観検査および選別の終了を判断)、検査選別コントローラ70は、ホッパー5およびボールフィーダ10上における確認用撮像デバイス80の走査を制御し、確認用撮像デバイス80からの撮像結果に基づいて、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品の確認を行う。
【0046】
残留部品が確認された場合、まず、検査選別コントローラ70は、ボールフィーダ10およびリニアフィーダ20を振動させて、またノッカー等によりホッパーに振動を与えて、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品をターンテーブル30に排出する。次に、検査選別コントローラ70は、ホッパー5およびボールフィーダ10上における回収機構90の走査を制御して、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品を回収する。
【0047】
その後再度、検査選別コントローラ70は、確認用撮像デバイス80の走査を制御し、残留部品の確認を行う。再度、残留部品が確認された場合、検査選別コントローラ70は、上述した振動による残留部品の排出と、回収機構90による残留部品の回収と、確認用撮像デバイス80による残留部品の確認とを、残留部品が確認されなくなるまで繰り返す。
【0048】
上述した検査選別コントローラ70は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算プロセッサで構成される。検査選別コントローラ70の各種機能は、例えば記憶部に格納された所定のソフトウェア(プログラム)を実行することで実現される。検査選別コントローラ70の各種機能は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。
【0049】
検査選別コントローラ70における記憶部は、例えばEEPROM等の書き換え可能なメモリである。記憶部は、選別コントローラの各種機能を実行するための所定のソフトウェア(プログラム)を格納する。また、記憶部は、例えば外部から入力された各種設定値を格納する。各種設定値は、リニアフィーダ20の搬送速度、ターンテーブル30の搬送速度(或いは、回転速度、および、回転搬送経路長さまたは半径)、検査用撮像デバイス40の位置、および排出機構50の位置に関する情報、および良品/不良品の判定基準、等を含む。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の部品選別装置1によれば、電子部品3を供給するホッパー5と、ホッパー5によって供給された電子部品3を整列させるボールフィーダ10と、ボールフィーダ10によって整列された電子部品3を直線搬送するリニアフィーダ20と、リニアフィーダ20によって搬送された電子部品3を回転搬送する透明なターンテーブル30と、ターンテーブル30上の電子部品3の6つの外面をそれぞれ撮像する6つの検査用撮像デバイス40と、検査用撮像デバイス40からの撮像結果に基づいて電子部品3の外観検査を行い、外観検査の結果に基づいて良品を選別する検査選別コントローラ70と、検査選別コントローラ70によって選別された良品を、ターンテーブル30から排出する排出機構50とを備える。これにより、複数の電子部品3を搬送しながら外観検査し、良品を選別することができる。
【0051】
ここで、このような部品選別装置では、製造ロットごとに異なる種類の電子部品の検査および選別を行うことがある。例えば、表面実装型の電子部品には、同一サイズであっても特性が異なる部品がある。より具体的には、積層セラミックコンデンサには、同一サイズであっても容量が異なる部品がある。
【0052】
また、このような部品選別装置では、前回ロットの電子部品がホッパーまたはボールフィーダ等に残ってしまうことがある。このような場合に、今回ロットの電子部品の種類が前回ロットの電子部品の種類と異なると、今回ロットの電子部品に、種類が異なる前回ロットの電子部品が混入してしまう可能性がある。このように同サイズ/異特性の電子部品が混入してしまうと、例え外観検査の精度が高くとも、選別の精度が低下してしまう。
【0053】
この点に関し、本実施形態の部品選別装置1によれば、外観検査および選別の終了時、確認用撮像デバイス80は、ホッパー5およびボールフィーダ10を撮像する。これにより、確認用撮像デバイス80からの撮像結果に基づいて、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品の確認を行うことができる。また、残留部品が確認された場合、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品を排出・回収・除去することができる。そのため、部品選別の精度を向上することができる。
【0054】
例えば、本実施形態の部品選別装置1によれば、外観検査および選別の終了時、回収機構90によって、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品を回収する。これにより、ホッパー5およびボールフィーダ10上の残留部品を排出・回収・除去することができる。そのため、部品選別の精度を向上することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。上述した実施形態では、ホッパー5およびボールフィーダ10の両方を備える部品選別装置1を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、部品選別装置は、ホッパーおよびボールフィーダのうちのいずれか一方を備える形態であってよい。ボールフィーダを備えない場合、ホッパーは、電子部品を順次にリニアフィーダに供給すればよい。
【0056】
また、この場合、確認用撮像デバイス80は、ホッパー5およびボールフィーダ10のうちのいずれか一方上を走査して、ホッパー5およびボールフィーダ10のうちのいずれか一方を撮像すればよい。また、検査選別コントローラ70は、確認用撮像デバイス80からの撮像結果に基づいて、ホッパー5およびボールフィーダ10のうちのいずれか一方上の残留部品の確認を行えばよい。
【0057】
また、この場合、回収機構90は、ホッパー5およびボールフィーダ10のうちのいずれか一方上を走査して、ホッパー5およびボールフィーダ10のうちのいずれか一方上の残留部品を回収すればよい。すなわち、検査選別コントローラ70は、回収機構90の走査を制御して、ホッパー5およびボールフィーダ10のうちのいずれか一方上の残留部品を回収してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 部品選別装置
3 電子部品
5 ホッパー
10 ボールフィーダ
12 振動機構
20 リニアフィーダ
22 振動機構
30 ターンテーブル
31 回転搬送経路(回転搬送軌跡)
32 ガイド機構
34 静電吸着機構
40 検査用撮像デバイス
50 排出機構
70 検査選別コントローラ
80 確認用撮像デバイス
82 リニアガイド
84 リニアアクチュエータ
90 回収機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8