(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080043
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】生体モニタリングデータの送信装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
A61B5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192895
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】木村 宗斗
(72)【発明者】
【氏名】佐野 高也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 弘稀
(72)【発明者】
【氏名】田中 功二
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA04
4C117XB01
4C117XB04
4C117XC11
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE23
4C117XE37
4C117XE64
4C117XG19
4C117XH02
4C117XJ13
4C117XJ42
(57)【要約】
【課題】重要度の高いモニタリングデータを記憶しつつ記憶ユニットのデータ量を低減する。
【解決手段】生体モニタリング装置は、演算ユニットと、記憶ユニットと、通信ユニットと、を備えている。演算ユニットは、取得部、記憶部、送信部、及び管理部を備えている。取得部は、モニタリングデータを継続的に取得する。記憶部は、複数のモニタリングデータを記憶ユニットに記憶する。送信部は、記憶ユニットに記憶されているモニタリングデータを送信する。管理部は、記憶ユニットに記憶されているモニタリングデータを削除する。管理部は、記憶ユニットに重要度の高いモニタリングデータ及び重要度の低いモニタリングデータが共に記憶されている場合には、重要度の低いモニタリングデータから削除する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理を実行する演算ユニットと、データを記憶可能な記憶ユニットと、外部装置との間で通信が可能な通信ユニットと、を備え、
前記演算ユニットは、
生体に関するモニタリングデータを取得する取得部と、
複数の前記モニタリングデータを前記記憶ユニットに記憶する記憶部と、
前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを、前記通信ユニットを通じて送信する送信部と、
前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを削除する管理部と、
を備えており、
前記管理部は、前記記憶ユニットに重要度の高い前記モニタリングデータ及び前記重要度の低い前記モニタリングデータが共に記憶されている場合には、前記重要度の低い前記モニタリングデータから削除する
生体モニタリングデータの送信装置。
【請求項2】
前記記憶ユニットは、予め定められた基準値を記憶しており、
前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶されている複数のモニタリングデータに含まれる、第1モニタリングデータと、前記第1モニタリングデータよりも前記基準値から遠い第2モニタリングデータと、を比較して、前記第2モニタリングデータの前記重要度を、前記第1モニタリングデータの前記重要度よりも高いと判断する
請求項1に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【請求項3】
前記記憶ユニットは、予め定められた第1閾値未満、且つ予め第1閾値より小さな値として定められた第2閾値より大きい第1範囲を記憶しており、
前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶された複数の前記モニタリングデータに含まれる、前記第1範囲内である第1モニタリングデータと、前記第1範囲外である第2モニタリングデータと、を比較して、前記第2モニタリングデータの前記重要度を、前記第1モニタリングデータの前記重要度よりも高いと判断する
請求項1に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【請求項4】
前記記憶ユニットは、予め定められた基準値を記憶しており、
前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶されている複数の前記モニタリングデータを規定期間に区切り、前記複数の規定期間に含まれる第1規定期間における前記モニタリングデータの統計値である第1統計値と、前記複数の規定期間に含まれる第2規定期間における前記モニタリングデータの統計値である第2統計値と、を算出し、
前記第1統計値よりも前記第2統計値の方が前記基準値から遠い場合に、前記第2統計値の前記重要度を、前記第1統計値の前記重要度よりも高いと判断する
請求項1に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【請求項5】
前記モニタリングデータの統計値は、前記規定期間内の前記モニタリングデータの平均値、前記規定期間内の前記モニタリングデータの最大値、前記規定期間内の前記モニタリングデータの最小値、及び前記最大値と前記最小値との差、のいずれかである
請求項4に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【請求項6】
前記モニタリングデータの統計値は、前記規定期間の始期における前記モニタリングデータの検出値と、前記規定期間の終期における前記モニタリングデータの検出値と、の差である
請求項4に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【請求項7】
前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶された複数のモニタリングデータの容量が予め定められた規定容量を超えた場合に、前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを削除する
請求項1に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【請求項8】
前記管理部は、前記重要度の高い前記モニタリングデータを、前記重要度の低い前記モニタリングデータよりも先に、前記外部装置に送信する
請求項1に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体モニタリングデータの送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、連続的にセンサデータを読み取る検出装置と、データを送信する送信装置と、データを受信する受信装置と、を開示している。検出装置は、圧力センサ、酸素センサ、神経インパルスセンサ、温度センサ、pHセンサ、脳波計、及び胎児心音モニタなどの医療用検出装置である。送信装置は、例えば、検出装置に対して有線で接続している。また、送信装置は、受信装置に対して無線通信可能である。送信装置は、検出装置から患者のデータを受信して、そのデータを無線で受信装置に送信する。受信装置は、受信したデータの解析結果を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示する生体モニタリングデータの送信装置は、検出装置から受信した患者のデータを一時的に記憶する。しかしながら、送信装置が受信装置に対して無線通信できない期間に検出装置から送信されるデータ量が蓄積し、送信装置の記憶容量を超えることがある。この場合、送信装置に記憶されているデータの一部を削除するため重要な患者のデータが失われるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、処理を実行する演算ユニットと、データを記憶可能な記憶ユニットと、外部装置との間で通信が可能な通信ユニットと、を備え、前記演算ユニットは、生体に関するモニタリングデータを取得する取得部と、複数の前記モニタリングデータを前記記憶ユニットに記憶する記憶部と、前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを、前記通信ユニットを通じて送信する送信部と、前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを削除する管理部と、を備えており、前記管理部は、前記記憶ユニットに重要度の高い前記モニタリングデータ及び前記重要度の低い前記モニタリングデータが共に記憶されている場合には、前記重要度の低い前記モニタリングデータから削除する生体モニタリングデータの送信装置である。
【0006】
上記構成によれば、重要度の低いモニタリングデータの方が重要度の高いモニタリングデータよりも先に削除されるため、重要度の高いモニタリングデータが削除されにくい。したがって、記憶ユニットに記憶されている一部のモニタリングデータを削除する場合、外部装置へと送信するべき重要なモニタリングデータが早期に削除されてしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0007】
重要度の高いモニタリングデータを記憶しつつ、記憶ユニットの容量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の生体情報取得システムの概略図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の生体モニタリング装置の概略構成図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の生体モニタリング制御の一連の処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1実施形態のデータ削除制御の一連の処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1実施形態のモニタリング結果の一例を示すグラフである。
【
図6】
図6は、第1実施形態のモニタリング結果の一例を示すグラフである。
【
図7】
図7は、第2実施形態のデータ削除制御の一連の処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第3実施形態のデータ削除制御の一連の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、生体モニタリングデータの送信装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。以下の説明では、生体モニタリング装置を備える生体情報取得システムを例に説明する。
【0010】
<生体情報取得システムの概略について>
図1に示すように、生体情報取得システム10は、生体モニタリング装置20と、生体情報出力装置30と、ディスプレイ40と、を備えている。
【0011】
生体モニタリング装置20は、モニタリング対象に取り付けられて使用される。例えば、生体モニタリング装置20は、貼り付け用シート21を介して、モニタリング対象に取り付けられる。生体モニタリング装置20は、モニタリング対象である例えば入院患者、及び手術を受ける人等の生体に関するモニタリングデータを取得する。具体的には、モニタリングデータは、体温である。このように、生体モニタリング装置20は、生体に関するモニタリングデータを検出するセンサである。そして、生体モニタリング装置20は、モニタリングデータを継続的に検出し、これを継続的に取得する。なお、ここでいう「継続的に取得」とは、時間間隔を開けて複数回に亘ってモニタリングデータを取得することである。
【0012】
生体モニタリング装置20は、外部装置である生体情報出力装置30との間で無線通信が可能である。そして、生体モニタリング装置20は、検出した生体に関するモニタリングデータを、無線通信によって送信可能である。なお、無線通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)である。つまり、生体モニタリング装置20は、生体モニタリングデータの送信装置でもある。そして、生体情報出力装置30は、生体モニタリング装置20から、無線通信によって、生体に関するモニタリングデータを受信可能である。
【0013】
生体情報出力装置30は、本体ケース31と、出力端子32と、を備えている。また、生体情報出力装置30は、本体ケース31に内蔵する電池を駆動源として動作する。出力端子32は、ディスプレイ40に接続可能となっている。
【0014】
生体情報出力装置30は、出力端子32がディスプレイ40に接続されることにより、ディスプレイ40と通信可能である。生体情報出力装置30は、取得した生体に関するモニタリングデータを、出力端子32を通じてディスプレイ40へ出力する。
【0015】
ディスプレイ40は、生体情報出力装置30から、生体に関するモニタリングデータを取得する。ディスプレイ40は、取得した生体に関するモニタリングデータを、例えば時系列の折れ線グラフ画像として表示する。
【0016】
<生体モニタリング装置について>
図2に示すように、生体モニタリング装置20は、温度センサ60と、演算ユニット61と、記憶ユニット62と、通信ユニット63と、内部バス64と、電池22と、スイッチ23と、を備えている。
【0017】
演算ユニット61は、取得部61Aと、記憶部61Bと、送信部61Cと、管理部61Dと、を備えている。取得部61Aは、取得処理を実行する。記憶部61Bは、記憶処理を実行する。送信部61Cは、送信処理を実行する。管理部61Dは、削除処理を実行する。なお、各処理の詳細は後述する。
【0018】
温度センサ60は、測定対象の生体の温度を体温として検出する。演算ユニット61は、1又は複数のプロセッサを含む回路(circuitry)である。なお、演算ユニット61は、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、又はそれらの組み合わせを含む回路であってもよい。演算ユニット61は、各種の処理を実行する。特に、演算ユニット61は、温度センサ60が検出した体温を、モニタリングデータの検出値として取得する。
【0019】
記憶ユニット62は、演算ユニット61により読み取り可能な記憶媒体である。記憶ユニット62は、演算ユニット61が実行する各種の処理をプログラムデータの形で記憶している。また、記憶ユニット62は、演算ユニット61が実行する各種の処理に必要な各種の制御用の値を予め記憶している。さらに、記憶ユニット62は、演算ユニット61の処理に基づき、生体に関するモニタリングデータを記憶する。なお、モニタリングデータは、検出値としての体温と、その体温が検出された時刻と、を含むものである。通信ユニット63は、生体情報出力装置30との間で無線通信可能である。内部バス64は、温度センサ60、演算ユニット61、記憶ユニット62、及び通信ユニット63を、相互に通信可能に繋いでいる。なお、図示は省略するが、生体モニタリング装置20は、電源回路、クロック回路などの周辺回路も備えている。
【0020】
電池22は、温度センサ60、演算ユニット61、記憶ユニット62、及び通信ユニット63に電力を供給する。すなわち、電池22は、生体モニタリング装置20の駆動源である。電池22は、充電可能な二次電池である。スイッチ23は、ユーザにより操作可能な押しボタンである。生体モニタリング装置20がオフ状態のときにスイッチ23が操作されることで、生体モニタリング装置20がオン状態に切り替わる。また、生体モニタリング装置20がオン状態のときにスイッチ23が操作されることで、生体モニタリング装置20がオフ状態に切り替わる。
【0021】
<生体モニタリング制御について>
演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶されている生体モニタリングプログラムを実行することにより、生体モニタリング制御の各処理を実行する。また、演算ユニット61は、生体モニタリング装置20がオン状態になってからオフ状態に切り替わるまで、一連の生体モニタリング制御を繰り返し実行する。
【0022】
図3に示すように、演算ユニット61は、生体モニタリング制御を開始すると、先ず、ステップS101の処理を実行する。ステップS101では、演算ユニット61の取得部61Aは、取得処理を実行する。すなわち、取得部61Aは、温度センサ60が検出した測定対象の生体の体温を検出値として取得する。そして、取得部61Aは、体温とその体温の検出時刻とを関連付けて、モニタリングデータとして取得する。その後、演算ユニット61はステップS102の処理を実行する。
【0023】
ステップS102では、演算ユニット61の記憶部61Bは、記憶処理を実行する。すなわち、記憶部61Bは、ステップS101で取得したモニタリングデータを記憶ユニット62に記憶する。その後、演算ユニット61は、ステップS103の処理を実行する。
【0024】
ステップS103では、演算ユニット61の管理部61Dは、生体情報出力装置30に対する無線通信が確立できているか否かを判定する。ここで、「通信が確立」とは、生体モニタリング装置20が、特定の生体情報出力装置30に対してペアリングされており、且つ、その生体情報出力装置30に対する通信について、規定の秘匿性及び安全性が担保された状態のことである。ステップS103における判定が肯定の場合、演算ユニット61はステップS104の処理を実行する。
【0025】
ステップS104では、演算ユニット61の送信部61Cは、送信処理を実行する。つまり、送信部61Cは、記憶ユニット62に記憶されているモニタリングデータを、通信ユニット63を通じて生体情報出力装置30に送信する。このとき、送信部61Cは、記憶ユニット62に記憶されているすべてのモニタリングデータを送信する。その後、演算ユニット61は、ステップS105の処理を実行する。
【0026】
ステップS105では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS105の削除処理では、管理部61Dは、ステップS104で送信したモニタリングデータのすべてを記憶ユニット62から削除する。その後、演算ユニット61による一連の生体モニタリング制御の1サイクルが終了し、演算ユニット61は、再び生体モニタリング制御を開始する。
【0027】
なお、ステップS103において管理部61Dが生体情報出力装置30に対する無線通信が確立できていないと判定した場合も、演算ユニット61による一連の生体モニタリング制御の1サイクルが終了する。このようにステップS103での否定判定を経て生体モニタリング制御が場合には、ステップS102の記憶処理で記憶されたモニタリングデータは、記憶ユニット62から削除されない。したがって、ステップS103で否定判定され続けると、記憶ユニット62に記憶されているモニタリングデータのデータ量が徐々に増加していくことになる。
【0028】
<データ削除制御について>
演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶されているデータ削除プログラムを実行することにより、データ削除制御の各処理を実行する。また、演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶されたデータ量が、予め定められた第1規定容量に達したときに、データ削除制御を実行する。演算ユニット61は、生体モニタリング装置20がオン状態にある場合には、上記条件を満たす度にデータ削除制御を実行する。なお、第1規定容量は、例えば、記憶ユニット62においてモニタリングデータの記憶用に確保されている全容量の95%に定められている。
【0029】
図4に示すように、演算ユニット61は、データ削除制御を開始すると、まず、ステップS11の処理を実行する。ステップS11では、演算ユニット61の管理部61Dは、モニタリングデータの検出値と基準値との差を算出する。この実施形態では、基準値を、特定の値ではなく、ある程度の幅を持った第1範囲として定めている。そして、管理部61Dは、モニタリングデータの検出値が第1範囲内の場合には、モニタリングデータの検出値と基準値との差を最小値、すなわちゼロとして算出する。
【0030】
具体的には、ステップS11では、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータの中から、検出値である体温が第1範囲に属するデータを選定する。第1範囲は、第2閾値A2より大きく、且つ第1閾値A1未満の範囲として予め定められている。例えば、人間の正常時の体温である平熱を36.5℃としたとき、第1閾値A1は、平熱よりも高い37.5℃に定められており、第2閾値A2は平熱よりも低い36.0℃に定められている。これら、第1閾値A1及び第2閾値A2は、予め記憶ユニット62に記憶されている。つまり、記憶ユニット62は、基準値としての第1範囲を予め記憶している。その後、演算ユニット61は、ステップS12の処理を実行する。
【0031】
ステップS12では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。具体的には、管理部61Dは、ステップS11において選定したデータを、記憶ユニット62から削除する。つまり、管理部61Dは、モニタリングデータの検出値と基準値との差がゼロのモニタリングデータを削除する。したがって、記憶ユニット62から、検出値である体温が36.0℃を超え、且つ37.5℃未満のモニタリングデータが削除される。その後、演算ユニット61は、ステップS13の処理を実行する。
【0032】
ステップS13では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第1規定容量よりも小さな値として定められた第2規定容量より大きいか否かを判定する。なお、第2規定容量は、新たに一定量のモニタリングデータを記憶することのできる容量として定められている。例えば、第2規定容量は、記憶ユニット62においてモニタリングデータの記憶用に確保されている全容量の80%に定められている。ステップS13の判定が否定判定の場合、演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。一方で、ステップS13の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS14の処理を実行する。
【0033】
ステップS14では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶された各モニタリングデータの中から、検出値である体温が、第2範囲に属するデータを選定する。第2範囲は、第1閾値A1以上、且つ第3閾値B1未満の範囲、及び、第4閾値B2より大きく第2閾値A2以下の範囲の2つである。第3閾値B1は、第1閾値A1よりも高い温度として予め定められている。例えば、第3閾値B1は、38.0℃である。また、第4閾値B2は、第2閾値A2よりも低い温度として予め定められている。例えば、第4閾値B2は、35.0℃である。これら、第3閾値B1及び第4閾値B2は、予め記憶ユニット62に記憶されている。その後、演算ユニット61は、ステップS15の処理を実行する。
【0034】
ステップS15では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS15での削除処理では、管理部61Dは、ステップS14において選定したデータを、記憶ユニット62から削除する。したがって、記憶ユニット62から、検出値である体温が35.0℃を超え、且つ38.0℃未満のモニタリングデータが削除される。その後、演算ユニット61は、ステップS16の処理を実行する。
【0035】
ステップS16では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量より大きいか否かを判定する。ステップS16の判定が否定判定の場合、演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。一方で、ステップS16の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS17の処理を実行する。
【0036】
ステップS17では、演算ユニット61の管理部61Dは削除処理を実行する。このステップS17での削除処理では、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量以下になるまで、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータを削除する。具体的には、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのうち、時刻の古いものから順に削除する。演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。
【0037】
<第1実施形態の作用について>
通信ユニット63が生体情報出力装置30に対する無線通信を確立できていない場合、演算ユニット61の送信部61Cは、生体モニタリング制御におけるステップS104の送信処理を実行できない。一方で、無線通信を確立できていない場合でも、取得部61Aは、ステップS101の取得処理を実行できる。また、無線通信を確立できていない場合でも、記憶部61Bは、ステップS102の記憶処理を実行できる。そのため、無線通信を確立できていない状態が継続されると、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が徐々に増加する。そして、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第1規定容量に達したときに、演算ユニット61は、データ削除制御を実行する。
【0038】
演算ユニット61は、データ削除制御を実行することで、記憶ユニット62に記憶されているモニタリングデータを削除する。ここで、第1モニタリングデータの検出値を37.0℃とし、第2モニタリングデータの検出値を38.0℃と仮定する。第1モニタリングデータ及び第2モニタリングデータは、記憶ユニット62に記憶されている複数のモニタリングデータに含まれている。上記の値の場合、第1モニタリングデータの検出値が第1範囲内であることから、第1モニタリングデータの検出値と基準値との差である第1値は、0℃である。また、第2モニタリングデータの検出値が第1範囲外であることから、第2モニタリングデータの検出値と基準値との差の絶対値である第2値は正の値である。具体的には、第2値は、0.5℃である。つまり、第2モニタリングデータの検出値と基準値との差である第2値は、上述の第1値より大きい。そして、本実施形態のデータ削除制御では、ステップS11及びステップS12の処理によって検出値が37.0℃である第1モニタリングデータは削除される。その一方で、ステップS11及びステップS12の処理では、検出値が38.0℃である第2モニタリングデータは削除されない。つまり、検出値と基準値との差が0℃である第1モニタリングデータが、検出値と基準値との差の絶対値が0.5℃である第2モニタリングデータよりも先に削除される。
【0039】
また、本実施形態における第1範囲は、概ね人間の平熱といえる範囲である。したがって、異常な体温を検出するという観点では、基準値である第1範囲との差が大きいほど重要度が高い。つまり、検出値と基準値との差の絶対値はモニタリングデータの重要度を示す値である。上述の例では、検出値と基準値との差が0℃である第1モニタリングデータの重要度が低く、検出値と基準値との差の絶対値が0.5℃である第2モニタリングデータの重要度が高い。そのため、記憶ユニット62に第1モニタリングデータ及び第2モニタリングデータが共に記憶されている場合には、重要度の低い第1モニタリングデータから削除される。換言すると、演算ユニット61の管理部61Dは、第1モニタリングデータと、第1モニタリングデータよりも基準値から遠い第2モニタリングデータと、を比較して、第2モニタリングデータの重要度を、第1モニタリングデータの重要度よりも高いと判断する。
【0040】
<データ削除制御が実行されているか否かの確認について>
データ削除制御が実行されているか否かを確認する方法を説明する。先ず、2つの生体モニタリング装置20を準備する。一方の生体モニタリング装置20の通信ユニット63は、常に生体情報出力装置30と無線通信可能な状態、すなわち無線通信が確立している状態とする。もう一方の生体モニタリング装置20の通信ユニット63は、生体情報出力装置30と無線通信不可能な状態、すなわち無線通信が確立していない状態とする。そして、これら2つの生体モニタリング装置20で、同一の測定対象に対して同一期間に亘って体温をモニタリングする。
【0041】
この2つの生体情報取得システム10の演算ユニット61は、上述した生体モニタリング制御を繰り返す。このとき、無線通信可能な生体モニタリング装置20の演算ユニット61の送信部61Cは、送信処理を実行する。そして、送信処理が実行される毎に当該生体モニタリング装置20の記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量はゼロになる。一方で、無線通信不可能な生体モニタリング装置20の演算ユニット61の送信部61Cは、送信処理を実行できない。したがって、生体モニタリング装置20の記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量は徐々に増加する。そして、モニタリングデータのデータ量が第1規定容量を上回ったとき、生体モニタリング装置20の演算ユニット61は、データ削除制御を実行する。
【0042】
このようにして、無線通信が不可能な生体モニタリング装置20においてデータ削除制御が実行されるに十分な期間、2つの生体モニタリング装置20を駆動し続ける。その後、無線通信が不可能な生体モニタリング装置20について、生体情報出力装置30に対する無線通信の接続を確立させる。これにより、無線通信が不可能であった生体モニタリング装置20から、生体情報出力装置30にモニタリングデータが送信される。
【0043】
ここで、常に生体情報出力装置30と無線通信可能であった生体モニタリング装置20においては、データ削除制御が行われない。したがって、
図5に示すように、無線通信可能であった生体モニタリング装置20から送信されるモニタリングデータは、上記の生体モニタリング制御を行った全期間のモニタリングデータが含まれる。
【0044】
一方、生体情報出力装置30と無線通信不可能であった生体モニタリング装置20も、同一の期間で同一の測定対象のモニタリングを行っている。したがって、無線通信不可能であった生体モニタリング装置20も、無線通信可能であった生体モニタリング装置20と略同一のモニタリングデータを送信するはずである。しかしながら、無線通信不可能であった生体モニタリング装置20は、データ削除制御によって、検出値である体温が第2閾値A2より大きく、且つ第1閾値A1未満の第1範囲のモニタリングデータが削除されている。したがって、
図6に示すように、無線通信不可能であった生体モニタリング装置20は、体温が第1範囲であったモニタリングデータが失われた状態で、モニタリングデータを送信する。
【0045】
このように、無線通信可能であった生体モニタリング装置20が送信したモニタリングデータのうちの第1範囲内のモニタリングデータが失われたデータが、無線通信不可能であった生体モニタリング装置20から送信されることを確認する。これにより、無線通信不可能であった生体モニタリング装置20においてデータ削除制御が実行されたことを確認できる。
【0046】
<第1実施形態の効果>
(1-1)第1実施形態では、基準値である第1範囲とモニタリングデータの検出値の差の絶対値が、当該モニタリングデータの重要度を反映する。そして、記憶ユニット62に重要度の低いモニタリングデータ及び重要度の高いモニタリングデータが共に記憶されている場合には、重要度の低いモニタリングデータから削除される。そのため、生体モニタリング装置20が無線通信不可能な状態において、生体情報出力装置30に送信するべき重要なモニタリングデータが、早期に削除されてしまうことを抑制できる。
【0047】
(1-2)第1実施形態では、データ削除制御によって、第1範囲に属するモニタリングデータから先に削除される。上述したとおり、基準値である第1範囲は、人間の正常時の体温である平熱を含む範囲として定められている。そのため、第1実施形態では、測定対象が正常である可能性の高いときのモニタリングデータが優先して削除され、測定対象が異常である可能性があるときのモニタリングデータが削除されずに残る。したがって、医療上、重要なモニタリングデータが削除される可能性を低減できる。
【0048】
(1-3)第1実施形態では、データ削除制御によって、第1範囲に属するモニタリングデータを削除した後、さらにモニタリングデータを削除する必要がある場合、第2範囲に属するモニタリングデータを削除する。このように、重要度の低いモニタリングデータから段階的に削除していくことで、重要度の高いモニタリングデータを残しつつも、モニタリングデータのデータ量を圧縮できる。
【0049】
(1-4)第1実施形態では、演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶された複数のモニタリングデータの容量が第1規定容量を超えた場合に、データ削除制御を実行する。そのため、記憶ユニット62が未だ十分データを記憶可能な状態で、演算ユニット61が記憶ユニット62からモニタリングデータを削除してしまうことを防止できる。
【0050】
(第2実施形態)
以下、生体情報取得システムの第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の生体情報取得システム10において、生体モニタリング装置20、生体情報出力装置30、及びディスプレイ40の構成は、上記第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と異なる構成であるデータ削除制御について記載する。
【0051】
<データ削除制御について>
演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶されているデータ削除プログラムを実行することにより、データ削除制御の各処理を実行する。また、演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶されたデータ量が、予め定められた第1規定容量に達したときに、データ削除制御を実行する。演算ユニット61は、生体モニタリング装置20がオン状態にある場合には、上記条件を満たす度にデータ削除制御を実行する。なお、第1規定容量は、第1実施形態と同様である。
【0052】
図7に示すように、演算ユニット61は、データ削除制御を開始すると、まず、ステップS21の処理を実行する。ステップS21では、演算ユニット61の管理部61Dは、統計処理を実行する。具体的には、先ず、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータを規定期間ごとに区切る。規定期間は、例えば、5分として予め定められている。本実施形態では、区切った複数の規定期間のうち、1つを第1規定期間とし、1つを第2規定期間とする。そして、管理部61Dは、統計値として規定期間毎にモニタリングデータの平均値を算出する。本実施形態では、第1規定期間におけるモニタリングデータの平均値を、第1統計値とする。第2規定期間におけるモニタリングデータの平均値を第2統計値とする。その後、演算ユニット61は、ステップS22の処理を実行する。
【0053】
具体的には、ステップS22では、演算ユニット61の管理部61Dは、ステップS21で算出した規定期間毎の平均値の中から、第1範囲内の平均値を選定する。その後、演算ユニット61は、ステップS23の処理を実行する。
【0054】
ステップS23では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。具体的には、管理部61Dは、平均値が第1範囲内となった規定期間を特定し、この規定期間内のすべてのモニタリングデータを一括して、記憶ユニット62から削除する。したがって、記憶ユニット62から、平均値が36.0℃を超え、且つ37.5℃未満である規定期間のモニタリングデータが削除される。例えば、第1統計値が第1範囲内であり、第2統計値が第1範囲外である場合、管理部61Dは、第1統計値よりも第2統計値の方が基準値から遠いと判断する。すなわち、管理部61Dは、第2統計値の重要度を第1統計値の重要度よりも高いと判断する。そして、管理部61Dは、第1規定期間におけるモニタリングデータを削除する。なお、基準値は、第1実施形態と同様である。この第2実施形態では、ある特定のモニタリングデータの検出値が第1範囲外であっても、そのモニタリングデータが属する規定期間の平均値が第1範囲内であれば、当該モニタリングデータは削除される。その後、演算ユニット61は、ステップS24の処理を実行する。
【0055】
ステップS24では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量より大きいか否かを判定する。なお、第2規定容量は、第1実施形態の第2規定容量と同様である。ステップS24の判定が否定判定の場合、演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。一方で、ステップS24の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS25の処理を実行する。
【0056】
ステップS25では、演算ユニット61の管理部61Dは、ステップS21において算出した平均値の中から、第2範囲内の平均値を特定する。なお、第2範囲は、第1実施形態と同様に定められている。その後、演算ユニット61は、ステップS26の処理を実行する。
【0057】
ステップS26では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS25での削除処理では、管理部61Dは、平均値が第2範囲内となった規定期間を特定し、この特定期間内のすべてのモニタリングデータを、記憶ユニット62から削除する。したがって、記憶ユニット62から、平均値が35.0℃を超え、且つ38.0℃未満である規定期間のモニタリングデータが削除される。その後、演算ユニット61は、ステップS27の処理を実行する。
【0058】
ステップS27では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量より大きいか否かを判定する。ステップS27の判定が否定判定の場合、演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。一方で、ステップS27の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS28の処理を実行する。
【0059】
ステップS28では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS28での削除処理では、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量以下になるまで、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータを削除する。具体的には、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのうち、時刻の古いものから順に削除する。そして、演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。
【0060】
<第2実施形態の効果について>
第2実施形態では、上記第1実施形態の効果(1-1)及び(1-4)と同様の効果に加え、以下の効果をさらに得ることができる。
【0061】
(2-1)第2実施形態では、データ削除制御によって、平均値が第1範囲に属する規定期間のモニタリングデータから先に削除される。このとき、第1範囲に属する規定期間のモニタリングデータが、まとめて削除される。このように、上記構成によれば、複数のデータをまとめて削除できるため、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータを効率的に削除できる。
【0062】
(2-2)第2実施形態では、管理部61Dは、規定期間内のモニタリングデータの平均値に基づいて削除処理を実行する。平均値が第1範囲内であれば、規定期間内のモニタリングデータの検出値の多くが第1範囲内である可能性が高い。したがって、規定期間内のモニタリングデータを一括して削除しても、重要なモニタリングデータが失われるおそれは低い。
【0063】
(第3実施形態)
以下、生体情報取得システムの第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の生体情報取得システム10において、生体モニタリング装置20、生体情報出力装置30、及びディスプレイ40の構成は、上記第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と異なる構成であるデータ削除制御について記載する。
【0064】
<データ削除制御について>
演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶されているデータ削除プログラムを実行することにより、データ削除制御の各処理を実行する。演算ユニット61は、記憶ユニット62に記憶されたデータ量が、予め定められた第1規定容量に達したときに、データ削除制御を実行する。演算ユニット61は、生体モニタリング装置20がオン状態にある場合には、上記条件を満たす度にデータ削除制御を実行する。なお、第1規定容量は、第1実施形態と同様である。
【0065】
図8に示すように、演算ユニット61は、データ削除制御を開始すると、まず、ステップS31の処理を実行する。ステップS31では、演算ユニット61の管理部61Dは、統計処理を実行する。具体的には、管理部61Dは、先ず、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータを規定期間ごとに区切る。規定期間は、例えば、5分として予め定められている。そして、管理部61Dは、規定期間毎にモニタリングデータの平均値を算出する。その後、演算ユニット61は、ステップS32の処理を実行する。
【0066】
ステップS32では、演算ユニット61の管理部61Dは、ステップS31で算出した規定期間毎の平均値の中から、第1範囲内の平均値を選定する。その後、演算ユニット61は、ステップS33の処理を実行する。
【0067】
ステップS33では、演算ユニット61の管理部61Dは、平均値が第1範囲内となった規定期間の各モニタリングデータの中から、最大値と最小値とを特定する。そして、管理部61Dは、これら最大値と最小値との差分D1を算出する。なお、管理部61Dは、差分D1を絶対値として算出する。その後、演算ユニット61は、ステップS34の処理を実行する。
【0068】
ステップS34では、演算ユニット61の管理部61Dは、平均値が第1範囲内となった各規定期間の中から、ステップS33で算出した差分D1が、予め定められた閾値α1より小さい規定期間を選定する。当該閾値α1は、規定期間内の体温の変化として正常とみなせる上限値として予め定められている。例えば、閾値α1は、0.5℃として予め定められている。なお、差分D1が、閾値α1よりも小さい場合、体温が安定している期間でのモニタリングデータといえる。したがって、異常な体温を検出するという観点では、差分D1が小さい規定期間のモニタリングデータは、より重要度の低いモニタリングデータであるといえる。ステップS34の処理を実行した後、演算ユニット61は、ステップS35の処理を実行する。
【0069】
ステップS35では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。具体的には、管理部61Dは、差分D1が閾値α1より小さい規定期間のモニタリングデータを、記憶ユニット62から削除する。なお、ステップS34において、該当する規定期間がない場合は、管理部61Dは、削除処理においてモニタリングデータを削除しない。その後、演算ユニット61は、ステップS36の処理を実行する。
【0070】
ステップS36では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量より大きいか否かを判定する。なお、第2規定容量は、第1実施形態の第2規定容量と同様である。ステップS36の判定が否定判定の場合、管理部61Dは、データ削除制御を終了する。一方で、ステップS36の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS37の処理を実行する。
【0071】
ステップS37では、演算ユニット61の管理部61Dは、平均値が第1範囲内となった各規定期間の中から、ステップS33で算出した差分D1が、上記の閾値α1以上となる規定期間を選定する。その後、演算ユニット61は、ステップS38の処理を実行する。
【0072】
ステップS38では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS38での削除処理では、管理部61Dは、ステップS37において選定した規定期間のモニタリングデータを、記憶ユニット62から削除する。なお、ステップS37において、該当する規定期間がない場合は、管理部61Dは、削除処理においてモニタリングデータを削除しない。その後、演算ユニット61は、ステップS39の処理を実行する。
【0073】
ステップS39では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量より大きいか否かを判定する。ステップS39の判定が否定判定の場合、管理部61Dは、一連のデータ削除制御を終了する。一方で、ステップS39の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS40の処理を実行する。
【0074】
ステップS40では、演算ユニット61の管理部61Dは、ステップS31で算出した規定期間毎の平均値の中から、第2範囲内の平均値を選定する。第2範囲は、第1閾値A1以上の範囲、及び、第2閾値A2以下の2つの範囲である。記憶ユニット62は、第2範囲を予め記憶している。その後、演算ユニット61は、ステップS41の処理を実行する。
【0075】
ステップS41では、演算ユニット61の管理部61Dは、平均値が第2範囲内となった規定期間の各モニタリングデータの中から、最大値と最小値とを特定する。そして、管理部61Dは、これら最大値と最小値との差分D2を算出する。なお、管理部61Dは、差分D2を絶対値として算出する。その後、演算ユニット61は、ステップS42の処理を実行する。
【0076】
ステップS42では、演算ユニット61の管理部61Dは、平均値が第2範囲内となった各規定期間の中から、ステップS41で算出した差分D2が、予め定められた閾値α1より小さい規定期間を選定する。その後、演算ユニット61は、ステップS43の処理を実行する。
【0077】
ステップS43では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS43での削除処理では、管理部61Dは、ステップS42において選定した規定期間のモニタリングデータを、記憶ユニット62から削除する。なお、ステップS42において、該当する規定期間がない場合は、管理部61Dは、削除処理においてモニタリングデータを削除しない。その後、演算ユニット61は、ステップS44の処理を実行する。
【0078】
ステップS44では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量より大きいか否かを判定する。ステップS44の判定が否定判定の場合、演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。一方で、ステップS44の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS45の処理を実行する。
【0079】
ステップS45では、演算ユニット61の管理部61Dは、平均値が第2範囲内となった各規定期間の中から、ステップS41で算出した差分D2が、上記の閾値α1以上となる規定期間を選定する。その後、演算ユニット61は、ステップS46の処理を実行する。
【0080】
ステップS46では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS46での削除処理では、管理部61Dは、ステップS45において選定した規定期間のモニタリングデータを、記憶ユニット62から削除する。なお、ステップS45において、該当する規定期間がない場合は、管理部61Dは、削除処理においてモニタリングデータを削除しない。その後、演算ユニット61は、ステップS47の処理を実行する。
【0081】
ステップS47では、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量より大きいか否かを判定する。ステップS47の判定が否定判定の場合、管理部61Dは、一連のデータ削除制御を終了する。一方で、ステップS47の判定が肯定判定の場合、演算ユニット61は、ステップS48の処理を実行する。
【0082】
ステップS48では、演算ユニット61の管理部61Dは、削除処理を実行する。このステップS48での削除処理では、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのデータ量が、第2規定容量以下になるまで、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータを削除する。具体的には、管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されたモニタリングデータのうち、時刻の古いものから順に削除する。そして、演算ユニット61は、一連のデータ削除制御を終了する。
【0083】
<第3実施形態の効果について>
第3実施形態では、上記第1実施形態の効果(1-1)及び(1-4)と同様の効果に加え、以下の効果をさらに得ることができる。
【0084】
(3-1)第3実施形態では、管理部61Dは、モニタリングデータの平均値が第1範囲であり、且つ、モニタリングデータの差分D1が閾値α1より小さい、という規定期間のモニタリングデータを、最も重要度の低いモニタリングデータとみなしている。そして、管理部61Dは、両条件を満たすモニタリングデータから削除する。このように複数の統計値及びそれに対応する基準値を用いて削除するモニタリングデータの順番を決定することで、重要なモニタリングデータが削除されずに残る可能性が高まる。
【0085】
(3-2)第3実施形態では、管理部61Dは、モニタリングデータの差分D1と閾値α1との比較に基づき、削除するモニタリングデータを決定している。モニタリングデータの差分D1は、規定期間内での体温の変動量を示すものである。したがって、この差分D1を用いることで、体温の急変という観点でのモニタリングデータの重要度を正確に把握できる。
【0086】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせて実施することができる。
【0087】
・生体モニタリング装置20は、貼り付け用シート21を介して、モニタリング対象に取り付けられるものに限られない。生体モニタリング装置20は、生体のモニタリングデータを検出できる装置であればよい。
【0088】
・生体モニタリング装置20と生体情報出力装置30との通信方式は、上記実施形態の例に限られない。両者の無線通信の方式は、ZigBee(登録商標)や、無線LANであってもよい。
【0089】
・生体のモニタリングデータは、例えば、血圧、血糖値、酸素飽和度、心拍数、脈拍数、などでもよいし、これらのうちの複数を含んでいてもよい。また、生体情報のモニタリングデータがこれらのパラメータを含んでいる場合、記憶ユニット62は、これらのパラメータに関する基準値を有していればよい。
【0090】
・生体モニタリング装置20は、生体に関するモニタリングデータの検出値として、心筋に関連した電気信号を取得してもよい。その場合、以下のように削除処理を実行してもよい。先ず、記憶ユニット62には、一定期間におけるモニタリングデータの検出値の推移として標準波形を記憶させておく。そして、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されている複数のモニタリングデータを複数の規定期間に区切って、規定期間毎にモニタリングデータの検出値の推移を算出する波形算出処理をさらに実行する。そして、管理部61Dは、削除処理において、波形算出処理で算出した推移の波形が、標準波形に一致している場合には、波形が一致する規定期間内のモニタリングデータを削除せずに残す。このように、標準波形と一致する推移の波形が得られた規定期間内のモニタリングデータの重要度が、他の期間内のモニタリングデータの重要度よりも高いものとして管理部61Dは削除処理を実行してもよい。
【0091】
・生体モニタリング装置20は、生体情報出力装置30と有線で通信してもよい。この場合であっても、生体モニタリング装置20に対してケーブルを着脱可能であれば、生体モニタリング装置20が生体情報出力装置30に対して通信を確立できないことがあり得る。
【0092】
・生体情報出力装置30は、出力端子32によって、生体情報のモニタリング結果を出力するものに限られない。例えば、生体情報出力装置30は、ディスプレイ40に有線で接続されている状態で、ディスプレイ40へと生体情報のモニタリング結果を出力してもよい。また例えば、生体情報出力装置30は、無線通信によってディスプレイ40へと生体情報のモニタリング結果を出力してもよい。
【0093】
・演算ユニット61は、上記実施形態に記載した条件以外の条件に基づいてデータ削除制御を実行してもよい。すなわち、記憶ユニット62に十分容量に空きがある状態で、データ削除制御が実行されてもよい。例えば、生体モニタリング装置20がさらにスイッチを備えており、当該スイッチが押されたことを条件に、演算ユニット61はデータ削除制御を実行してもよい。
【0094】
・生体モニタリング制御において、送信処理が実行された後、演算ユニット61の管理部61Dは、記憶ユニット62に記憶されていたモニタリングデータの一部を残していてもよい。
【0095】
・演算ユニット61の送信部61Cは、生体モニタリング制御の送信処理において、送信するモニタリングデータの順番を、モニタリングデータの重要度に応じて決定してもよい。例えば、基準値との差が大きいモニタリングデータを、基準値との差が小さいモニタリングデータよりも先に外部装置に送信してもよい。この構成によれば、重要度の高いモニタリングデータから先に生体情報出力装置30に送信できるため、モニタリングデータの送信中に再び無線通信不可能な状態になっても、重要度の高いモニタリングデータが送信完了できている可能性が高まる。
【0096】
・演算ユニット61の送信部61Cは、生体モニタリング制御の送信処理において、時刻の新しいモニタリングデータから順に外部装置に送信してもよい。
・第1閾値A1、第2閾値A2、第3閾値B1、及び第4閾値B2は、予め定められた固定値ではなく、演算ユニット61の管理部61Dによって算出された値であってもよい。例えば、管理部61Dは、過去数時間のモニタリングデータの検出値の平均値を算出する。そして、管理部61Dは、当該平均値を平熱として定め、第1閾値A1を、当該平均値よりも所定の値だけ高い値として定める。このように、測定対象ごとに第1閾値A1~第4閾値B2の値が変化してもよい。
【0097】
・基準値は、範囲ではなく予め定められた特定の固定値で設定されていてもよい。例えば、基準値は平熱として定められていてもよい。例えば、基準値は、36.5℃として定められていてもよい。その場合においても、第1モニタリングデータと、第1モニタリングデータよりも基準値から遠い第2モニタリングデータとを比較して、第2モニタリングデータの重要度を第1モニタリングデータの重要度より高いとすればよい。また、第1統計値と、第1統計値よりも基準値から遠い第2モニタリングデータとを比較して、第2統計値の重要度を第1統計値の重要度より高いとすればよい。
【0098】
また、モニタリングデータの検出値が体温である場合、基準値を40℃のような平熱から外れた値に設定してもよい。40℃のように明らかに異常を示す体温を基準値として設定した場合、基準値との差の絶対値が小さい第1値を、基準値との差の絶対値が第1値よりも大きい第2値であるモニタリングデータよりも重要度が高いと判断すればよい。すなわち、管理部61Dは、第1値を第2値より後に削除すればよい。この点、基準値を一定の範囲とする場合も同様である。
【0099】
・第2実施形態において、規定期間のモニタリングデータの平均値に基づいて削除処理を実行したが、平均値以外の統計値に基づいていてもよい。例えば、統計値は、規定期間内のモニタリングデータの最大値、規定期間内のモニタリングデータの最小値等であってもよい。さらに、統計値は、規定期間内のモニタリングデータの標準偏差、標準誤差等でもよい。
【0100】
・第3実施形態のように、上記の各統計値の種類の中から、複数種の統計値を用いて、複数の条件を満たしたモニタリングデータから削除していってもよい。
・第1閾値A1、第2閾値A2、第3閾値B1、及び第4閾値B2は、上実施形態の例に限定されない。また、上記実施形態において、各閾値を用いて重要度の高いデータと重要度の低いデータとを判別したが、実施形態のように閾値を用いずに重要度を判別してもよい。例えば、特定の時間に測定したモニタリングデータを、他の時間に測定したモニタリングデータよりも重要度が高い値として定めてもよい。例えば、夜間等、特定の時間帯に検出したモニタリングデータを重要度の高いモニタリングデータとして定めてもよい。この場合演算ユニット61は、データ削除制御において、夜間に検出したモニタリングデータよりも先に、他の時間帯に取得したモニタリングデータを削除すればよい。
【0101】
・第1規定容量及び第2規定容量は、上記実施形態の例に限定されない。第1規定容量は、データ削除制御の実行条件として、好ましい値を設定すればよい。また、第2規定容量は、ある程度の記憶ユニット62に容量の空きがある状態として、好ましい値を設定すればよい。
【0102】
・ステップS17、ステップS28、ステップS48の削除処理において、複数のモニタリングデータが削除されれば、削除するモニタリングデータの数、及び、重要度は問わない。
【0103】
・第1実施形態において、管理部61Dは、モニタリングデータと基準値との差に応じて各モニタリングデータの重要度を判断したが、差分に限定されない。例えば、管理部61Dは、各モニタリングデータと基準値との比に応じて、モニタリングデータが基準値に近いか遠いかを判断してもよい。
【0104】
・第1実施形態において、管理部61Dは、ステップS11及びステップS12の処理において、第1範囲内である第1モニタリングデータと、第1範囲外である第2モニタリングデータと、を比較することにより、重要度を判断してもよい。すなわち、管理部61Dは、各モニタリングデータが第1範囲内であるか第1範囲外であるかという判断に基づいて、削除処理を実行してもよい。
【0105】
・第2実施形態及び第3実施形態において、規定期間の長さは適宜変更できる。例えば、規定期間は、5分未満で区切ってもよい。また、生体モニタリング装置20が検出するモニタリングデータによっては、規定期間を、1日、1週間といった比較的に長い期間で区切ることもあり得る。
【0106】
・第3実施形態において、平均値の算出を省略してもよい。その場合、記憶ユニット62は、例えば、差分D1の基準値として「0」を記憶している。そして、演算ユニット61の管理部61Dは、当該基準値と各規定期間の差分D1との大小関係に基づき、削除処理を実行すればよい。具体的には、基準値と差分D1との差が小さい規定期間のモニタリングデータを、基準値と差分D1との差が上記規定期間に比べて大きい規定期間のモニタリングデータよりも先に削除すればよい。
【0107】
・第2実施形態において、統計値は、規定期間の始期におけるモニタリングデータの検出値と、当該規定期間の終期におけるモニタリングデータの検出値との差分であってもよい。この場合、上記の変更例と同様に、記憶ユニット62は、例えば、差分の基準値として「0」を記憶している。そして、演算ユニット61の管理部61Dは、当該基準値と各規定期間の差分との大小関係に基づき、削除処理を実行すればよい。具体的には、基準値と差分との差が小さい規定期間のモニタリングデータを、基準値と差分との差が上記規定期間比べて大きい規定期間のモニタリングデータよりも先に削除すればよい。
【0108】
・第2実施形態及び第3実施形態において、規定期間のモニタリングデータを削除処理で一括して削除した場合に、削除したモニタリングデータに代わる補完データを生成してもよい。例えば、規定期間内のモニタリングデータを、当該規定期間の平均値とする補完データとしてもよい。この場合、補完データを、時刻毎の検出値といった複数のデータではなく、規定期間の検出値といった1つのデータとして記憶しておけば、モニタリングデータのデータ量の低減ができる。
【0109】
・各実施形態において、生体情報出力装置30が生体モニタリング装置20からモニタリングデータを受信したときに、生体情報出力装置30が削除されていたモニタリングデータを補完するデータを生成してもよい。例えば、第1実施形態において、生体情報出力装置30が受信したモニタリングデータに
図6に示すように削除された箇所がある場合には、生体情報出力装置30は、その時刻でのモニタリングデータを予め定められた固定値として扱ってもよい。この場合の固定値は、例えば第1範囲内の値である。
【0110】
・各実施形態における生体モニタリング装置20のデータ削除制御を、生体情報出力装置30がディスプレイ40にモニタリングデータを送信する際の制御として適用してもよい。つまり、生体情報出力装置30は、生体モニタリング装置20からモニタリングデータを継続的に取得し、且つそれを出力端子32を介してディスプレイ40に出力するという点で、生体モニタリングデータの送信装置といえる。
【0111】
<付記>
上記実施形態及び変更例から導き出せる技術思想を以下に記載する。
[1]処理を実行する演算ユニットと、データを記憶可能な記憶ユニットと、外部装置との間で通信が可能な通信ユニットと、を備え、前記演算ユニットは、生体に関するモニタリングデータを取得する取得部と、複数の前記モニタリングデータを前記記憶ユニットに記憶する記憶部と、前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを、前記通信ユニットを通じて送信する送信部と、前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを削除する管理部と、を備えており、前記管理部は、前記記憶ユニットに重要度の高い前記モニタリングデータ及び前記重要度の低い前記モニタリングデータが共に記憶されている場合には、前記重要度の低い前記モニタリングデータから削除する生体モニタリングデータの送信装置。
【0112】
[2]前記記憶ユニットは、予め定められた基準値を記憶しており、前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶されている複数のモニタリングデータに含まれる、第1モニタリングデータと、前記第1モニタリングデータよりも前記基準値から遠い第2モニタリングデータと、を比較して、前記第2モニタリングデータの前記重要度を、前記第1モニタリングデータの前記重要度よりも高いと判断する[1]に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【0113】
[3]前記記憶ユニットは、予め定められた第1閾値未満、且つ予め第1閾値より小さな値として定められた第2閾値より大きい第1範囲を記憶しており、前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶された複数の前記モニタリングデータに含まれる、前記第1範囲内である第1モニタリングデータと、前記第1範囲外である第2モニタリングデータと、を比較して、前記第2モニタリングデータの前記重要度を、前記第1モニタリングデータの前記重要度よりも高いと判断する[1]に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【0114】
[4]前記記憶ユニットは、予め定められた基準値を記憶しており、前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶されている複数の前記モニタリングデータを規定期間に区切り、前記複数の規定期間に含まれる第1規定期間における前記モニタリングデータの統計値である第1統計値と、前記複数の規定期間に含まれる第2規定期間における前記モニタリングデータの統計値である第2統計値と、を算出し、前記モニタリングデータの前記第1統計値よりも前記第2統計値の方が前記基準値から遠い場合に、前記第2統計値の前記重要度を、前記第1統計値の前記重要度よりも高いと判断する[1]に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【0115】
[5]モニタリングデータの統計値は、前記規定期間内の前記モニタリングデータの平均値、前記規定期間内の前記モニタリングデータの最大値、前記規定期間内の前記モニタリングデータの最小値、及び前記最大値と前記最小値との差、のいずれかである[4]に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【0116】
[6]前記モニタリングデータの統計値は、前記規定期間の始期における前記モニタリングデータの検出値と、前記規定期間の終期における前記モニタリングデータの検出値と、の差である[4]に記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【0117】
[7]前記管理部は、前記記憶ユニットに記憶された複数のモニタリングデータの容量が予め定められた規定容量を超えた場合に、前記記憶ユニットに記憶されている前記モニタリングデータを削除する[1]~[6]のいずれか1つに記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【0118】
[8]前記管理部は、前記重要度の高い前記モニタリングデータを、前記重要度の低い前記モニタリングデータよりも先に、前記外部装置に送信する[1]~[7]のいずれか1つに記載の生体モニタリングデータの送信装置。
【符号の説明】
【0119】
10…生体情報取得システム
20…生体モニタリング装置
30…生体情報出力装置
40…ディスプレイ
60…温度センサ
61…演算ユニット
61A…取得部
61B…記憶部
61C…送信部
61D…管理部
62…記憶ユニット
63…通信ユニット
64…内部バス