(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080054
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240606BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240606BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20240606BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0969
G09B29/10 A
G09B29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192913
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大泉 透
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB15
2C032HC08
2C032HD26
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB33
2F129BB49
2F129BB66
2F129CC03
2F129CC19
2F129CC31
2F129CC33
2F129EE02
2F129EE65
2F129EE67
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF71
2F129FF73
2F129FF75
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB15
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF07
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】車両を利用した移動に関する移動履歴を利用する場合に、個人情報を適切に保護する。
【解決手段】位置情報取得部101により取得された車両C1の位置情報に基づいて、自宅H1を車両C1が出発する第1タイミングから、自宅H1に車両C1が戻る第2タイミングまでの車両C1の移動経路に関する第1経路情報を生成する情報処理方法である。この情報処理方法は、自宅H1を基準として設定されるプライベート領域の境界を車両C1が通過したことに基づいて、その移動経路において外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定する設定処理(ステップS515)と、その移動経路における公開可能な経路に関する第2経路情報を生成する生成処理(ステップS516)とを含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得された車両の位置情報に基づいて、登録場所を前記車両が出発する第1タイミングから、前記登録場所に前記車両が戻る第2タイミングまでの前記車両の移動経路に関する第1経路情報を生成する情報処理方法であって、
前記登録場所を基準として設定されるプライベート領域の境界を前記車両が通過したことに基づいて、前記移動経路において外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定する設定処理と、
前記移動経路における前記公開可能な経路に関する第2経路情報を生成する生成処理と、を含む
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記車両が駐車中において前記車両の乗員の移動経路を記録するための記録指示を前記乗員が所持する電子機器に送信する送信処理をさらに含み、
前記生成処理では、前記公開可能な経路において前記車両の駐車中に記録された前記乗員の移動経路に関する乗員経路情報を、外部に公開可能な第3経路情報として生成する、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
前記電子機器は、前記電子機器が備える位置情報取得部により取得された位置情報と、前記乗員が利用した移動手段の利用履歴とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記乗員の移動経路を記録する、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法であって、
前記第2経路情報及び前記第3経路情報を外部機器にアップロードするアップロード処理と、
前記外部機器が、前記第2経路情報及び前記第3経路情報を公開情報として提供する提供処理と、をさらに含む、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法であって、
前記提供処理では、前記外部機器が、前記第2経路情報及び前記第3経路情報を提供する際に、前記第2経路情報に対応する移動経路と、前記第3経路情報に対応する移動経路とを識別可能に表示する、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の情報処理方法であって、
前記提供処理では、前記外部機器が、前記第2経路情報及び前記第3経路情報を提供する際に、前記第3経路情報に対応する移動経路における前記移動手段を識別可能に表示する、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項4に記載の情報処理方法であって、
前記アップロード処理では、前記第1経路情報を前記外部機器にアップロードし、
前記提供処理では、前記乗員からの操作に基づいて前記第1経路情報及び前記第2経路情報の公開内容を切り替え可能とする、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1乃至5、7の何れかに記載の情報処理方法であって、
前記プライベート領域の境界は、高速道路のインターチェンジと、所定の道路とのうちの少なくとも1つであり、
前記設定処理では、前記車両が前記登録場所を出発してから最初に通過した前記境界の位置を前記開始位置とし、前記車両が前記登録場所に戻る前に最後に通過した前記境界の位置を前記終了位置とする、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至5、7の何れかに記載の情報処理方法であって、
前記プライベート領域は、前記登録場所を含む領域であって、行政区画と自然の地理的な環境と任意の形状とのうちの少なくとも1つに基づいて地図上に設定される閉じた領域であり、
前記設定処理では、前記車両が前記登録場所を出発してから最初に通過した前記プライベート領域の境界の位置を前記開始位置とし、前記車両が前記登録場所に戻る前に最後に通過した前記境界の位置を前記終了位置とする、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記プライベート領域は、前記閉じた領域のうちから、所定の道路に関する部分が除外された複数の領域により構成される、
情報処理方法。
【請求項11】
取得された車両の位置情報に基づいて、登録場所を前記車両が出発する第1タイミングから、前記登録場所に前記車両が戻る第2タイミングまでの前記車両の移動経路に関する第1経路情報を生成する情報処理装置であって、
前記登録場所を基準として設定されるプライベート領域の境界を前記車両が通過したことに基づいて、前記移動経路において外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定する設定部と、
前記移動経路における前記公開可能な経路に関する第2経路情報を生成する生成部と、を備える
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の移動経路に関する経路情報を生成することが可能な情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の移動経路に関する経路情報を生成する技術が存在する。例えば、ユーザが車両を利用して旅行をした場合に、その旅行の出発地から目的地までの移動経路を表示機器に表示させることが可能な技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、車両での旅行の移動経路を地図上に表示させることが可能であるため、ユーザはその移動経路を見てその旅行の思い出を振り返ることが可能である。また、ユーザは旅行の移動経路を自分で見るとともに、その移動経路を他人ともシェアすることも考えられる。例えば、SNS(Social networking service)を利用して旅行の移動経路を他人とシェアすることが考えられる。しかし、旅行の移動経路を他人とシェアする場合には、旅行の出発地である自宅等の個人情報もシェアされるおそれがあるため、その個人情報を適切に保護することが重要である。
【0005】
本発明は、車両を利用した移動に関する移動履歴を利用する場合に、個人情報を適切に保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、取得された車両の位置情報に基づいて、登録場所を車両が出発する第1タイミングから、登録場所に車両が戻る第2タイミングまでの車両の移動経路に関する第1経路情報を生成する情報処理方法である。この情報処理方法では、登録場所を基準として設定されるプライベート領域の境界を車両が通過したことに基づいて、移動経路において外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定する設定処理と、移動経路における公開可能な経路に関する第2経路情報を生成する生成処理とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両を利用した移動に関する移動履歴を利用する場合に、個人情報を適切に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、ユーザが車両を使用して旅行をする場合の車両の移動経路を示す図である。
【
図2】
図2は、登録場所を基準として設定される固定的なプライベート領域を簡略化して示す図である。
【
図3】
図3は、車両に設置されている情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、電子機器の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、記憶部に記憶されている移動履歴情報DBの格納内容を簡略化して示す図である。
【
図6】
図6は、記憶部に記憶されているコンテンツ情報DBの格納内容を簡略化して示す図である。
【
図7】
図7は、電子機器の記憶部に記憶されている移動履歴情報DBの格納内容を簡略化して示す図である。
【
図8】
図8は、生成部により生成される経路情報の内容を簡略化して示す図である。
【
図9】
図9は、情報処理装置における経路情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、電子機器における経路情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、サーバにおける経路情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[車両の移動経路]
図1は、ユーザU1が車両C1を使用して旅行をする場合の車両C1の移動経路を示す図である。
図1では、ユーザU1の自宅H1を出発地とし、温泉地A1、キャンプ場A2、雄大な山を見ることが可能な場所A3を経由して自宅H1に戻るまでの旅行の経路を示す。また、
図1では、高速道路R1を利用して、温泉地A1、キャンプ場A2、場所A3のそれぞれの場所に行く例を示す。なお、高速道路R1におけるインターチェンジIC1乃至IC5を点線の楕円で模式的に示す。なお、インターチェンジIC1乃至IC5は、一般道路と高速道路R1とをつなぐ出入口を意味する。なお、
図1では、一般道路及び高速道路R1の詳細な図示を省略する。なお、自宅H1には、車両C1の駐車場を含むものとする。
【0011】
なお、車両C1の移動経路DH1乃至DH3については、車両C1の位置情報取得部101(
図3参照)により取得された位置情報に基づいて記憶部130(
図3参照)の移動履歴情報DB150(
図5参照)に記録される。
【0012】
また、
図1では、温泉地A1、キャンプ場A2のそれぞれにおいて、ユーザU1が車両C1を降りて歩行で移動する場合の移動経路WH1、WH2を簡略化して示す。なお、ユーザU1の移動経路WH1、WH2については、ユーザU1が所持する電子機器MC1の位置情報取得部204(
図4参照)により取得された位置情報に基づいて記憶部206(
図4参照)の移動履歴情報DB220(
図7参照)に記録される。電子機器MC1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0013】
上述したように、車両C1の移動経路DH1乃至DH3、ユーザU1の移動経路WH1、WH2については、記録しておくことが可能であるため、それらの各径路を各種機器に表示可能な地図上に表示させることが可能である。また、車両C1での旅行の思い出を残すともに、その旅行の思い出を他人ともシェアすることも考えられる。例えば、SNS(Social networking service)を利用して旅行の移動経路を他人とシェアすることも考えられる。しかし、旅行の移動経路を他人とシェアする場合には、旅行の出発地及び帰着地である自宅H1の個人情報もシェアされるおそれがあるため、ユーザU1の個人情報を適切に保護することが重要である。
【0014】
そこで、本実施形態では、登録場所(自宅H1)を含む所定領域をプライベート領域とし、このプライベート領域に含まれる経路を非公開経路とし、この非公開経路以外の経路を公開可能経路とする。具体的には、車両C1の移動経路DH1乃至DH3、ユーザU1の移動経路WH1、WH2について、自宅H1からインターチェンジIC1までの経路と、インターチェンジIC5から自宅H1までの経路とを非公開経路とし、インターチェンジIC1からインターチェンジIC5までの経路を公開可能経路として設定する。なお、非公開経路及び公開可能経路の設定方法については、後述する。これにより、車両C1を利用した移動に関する移動履歴を利用する場合に、ユーザU1の自宅H1の住所等の個人情報を適切に保護することが可能となる。
【0015】
[プライベート領域、全旅程、旅程、サブ旅程について]
プライベート領域は、例えば、個人のプライバシー、個人情報に関する領域であり、ユーザU1の知り合い以外の人に知られたくない位置(住所、地名等)を含む領域である。本実施形態では、ユーザU1の自宅H1(又は自宅H1を含む所定領域PE1)を基準にして設定される所定の領域をユーザU1のプライベート領域とする例を示す。ただし、プライベート領域として、ユーザU1の自宅H1以外に、例えば、勤務先、通勤又は通学経路、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学等の家族の学校、交際相手の家、実家、友人の家等を含む領域を設定してもよい。なお、プライベート領域の設定例については、後述する。
【0016】
なお、本実施形態では、ユーザU1が車両C1を利用して旅行をする場合の移動経路を例にして説明する。そこで、本実施形態では、プライベート領域内の登録場所(自宅H1)を開始位置とし、車両C1がプライベート領域の外部に出て、再びプライベート領域内の登録場所(自宅H1)に戻るまでの経路を全旅程と称して説明する。なお、旅程は、旅行の道程等を意味する。また、開始位置を起点と称し、終了位置を終点と称してもよい。
【0017】
また、
図1では、車両C1がプライベート領域の外部に出るため、車両C1がプライベート領域を特定するための特定場所(例えば、IC1)を通過し、車両C1がプライベート領域内に戻るため、プライベート領域の特定場所(例えば、IC5)を再び通過(最後の特定場所を通過)する例を示す。この場合には、車両C1がプライベート領域の外部に出る際に特定場所を通過した位置から、車両C1がプライベート領域内に戻る際にプライベート領域の特定場所を再び通過(最後の特定場所を通過)するまでの経路を旅程と称して説明する。すなわち、旅程は、全旅程のうち、プライベート領域の外部の経路を意味する。このため、旅程は、他人に知られてもよい経路であり、公開可能な経路として把握可能である。また、車両C1がプライベート領域の外部に出る際に車両C1がプライベート領域の特定場所を通過した時刻を旅程の開始時刻とし、車両C1がプライベート領域内に戻る際にプライベート領域の特定場所を再び通過した時刻を旅程の終了時刻と称して説明する。
【0018】
また、本実施形態では、全旅程の間において、車両C1のオン操作時からオフ操作時までの車両C1の移動経路を車両のサブ旅程と称し、車両C1の駐車中(すなわちオフ操作時からオン操作時までの間)のユーザU1の移動経路を駐車中のサブ旅程と称して説明する。なお、車両C1のオンオフ操作は、車両C1のスタートスイッチ(又はキーを用いた起動操作)により行われる。また、車両C1のオン操作をIGN ON(イグニッションスイッチのオン操作)と称し、車両C1のオフ操作をIGN OFF(イグニッションスイッチのオフ操作)と称することも可能である。また、車両のサブ旅程と、駐車中のサブ旅程とを合わせてサブ旅程とも称する。このように、本実施形態では、車両C1が旅程の途中で駐車している時間帯における、ユーザU1の移動履歴についても、旅程に含ませるようにする。これにより、車両C1の走行履歴とともに、ユーザU1の歩行履歴等も含めた旅程に関する情報を容易に使用することが可能となる。
【0019】
なお、本実施形態では、ユーザU1が車両C1を利用して旅行をする場合の移動経路を例にするため、その移動経路を全旅程、旅程、サブ旅程等と称して説明するが、ユーザU1が車両C1を利用して旅行以外の移動をする場合についても適用可能である。このように、ユーザU1が車両C1を利用して旅行以外の移動をする場合には、その移動経路を全行程、行程、サブ行程、全経路、経路、サブ経路等と称することが可能である。
【0020】
[インターチェンジを利用したプライベート領域の設定例]
ここでは、高速道路R1におけるインターチェンジIC1乃至IC5を利用してプライベート領域を設定する例を示す。具体的には、自宅H1(又は所定領域PE1)を登録場所として登録する。この登録場所については、例えば、自宅H1(又は所定領域PE1)を特定可能な情報(例えば、住所、緯度経路)を登録場所保持部131(
図2参照)に保持させることにより登録が可能である。
【0021】
インターチェンジIC1乃至IC5を利用してプライベート領域を設定する場合には、車両C1が自宅H1(登録場所)を出発してから最初に通過したインターチェンジICの位置をプライベート領域の境界と推定する。また、車両C1が自宅H1(登録場所)に戻る前に最後に通過したインターチェンジICの位置をプライベート領域の境界と推定する。このため、
図1に示す例では、車両C1が自宅H1(登録場所)を出発してから最初に通過したインターチェンジIC(
図1ではIC1)の位置を旅程の開始位置とする。また、車両C1が自宅H1(登録場所)に戻る前に最後に通過したインターチェンジIC(
図1ではIC5)の位置を旅程の終了位置とする。
【0022】
このように、固定的なプライベート領域を設定せずに、自宅H1(登録場所)の周囲に存在するインターチェンジICの位置を、仮想的なプライベート領域の境界として設定可能である。すなわち、自宅H1(登録場所)の周囲に存在するインターチェンジICの位置に基づいて、仮想的なプライベート領域を設定可能である。この仮想的なプライベート領域は、人工的に作られた境界であり視覚的に認識可能な物理的な境界を用いて設定が可能である。言い換えると、人工的に作られた境界であり視覚的に認識可能な物理的な境界を用いて旅程を設定することが可能である。
【0023】
ただし、インターチェンジIC以外のものを用いて、仮想的なプライベート領域、人工的に作られた境界であり視覚的に認識可能な物理的な境界を設定してもよい。例えば、自宅H1(登録場所)の周囲に存在する大路への通過(又は、出入り)、川の通過(又は、川の上に設置された橋の通過)、海の通過(又は、海の上に設置された橋の通過)等に基づいて、仮想的なプライベート領域の境界を設定可能である。これらの設定例は、行政上定められた道路、自然で定められた川、海等の境界を用いる例としても把握可能である。なお、大路は、幅の広い道を意味し、例えば、市中の大通りを意味する。また、大路の代わりに国道等の大きな道を利用してもよい。なお、固定的なプライベート領域を設定し、固定的なプライベート領域に基づいて旅程を設定してもよい。この例を以下に示す。
【0024】
また、例えば、車両C1を利用して船で旅行に行く場合も想定される。例えば、車両積込み可能な船に車両C1を乗せて目的地の近くの発着場所まで行き、その発着場から車両C1を利用して旅行をすることも想定される。このような場合には、海の通過(又は出入り)に基づいて、仮想的なプライベート領域を設定可能である。
【0025】
[固定的なプライベート領域の設定例]
図2は、登録場所(自宅H1)を基準として設定される固定的なプライベート領域PR1乃至PR3を簡略化して示す図である。
【0026】
最初に、登録場所を基準とする固定的なプライベート領域の設定例について説明する。例えば、登録場所を含む領域であって、地図上に設定される閉じた領域をプライベート領域とすることが可能である。閉じた領域は、地理的な境界により設定される領域である。
【0027】
例えば、人為的に定められた仮想的な地理的境界により閉じた領域をプライベート領域とすることが可能である。なお、人為的に定められた仮想的な地理的境界は、政治上又は行政上の地理的境界(行政界)を意味する。例えば、国境(例えば、欧州)、都道府県境、区境、市境、州境(例えば、米国)等を、人為的に定められた仮想的な地理的境界とすることが可能である。
【0028】
また、例えば、自然の地理的な境界により閉じた領域をプライベート領域とすることが可能である。例えば、平地と山との境界、陸と川との境界、陸と海との境界を、自然の地理的な境界とすることが可能である。このように、平地、川、海、山等の自然の地理的な境界をプライベート領域の境界に利用することが可能である。
【0029】
また、例えば、ユーザU1の好みに応じて、プライベート領域を設定してもよい。例えば、ユーザU1の趣味が山登りである場合を想定する。この場合には、山登りの対象となる山を含む山地エリアの外側を、プライベート領域として設定してもよい。すなわち、山登りの対象となる山を含む山地エリアを基準としてその山地エリアを含む閉じた領域の外側をプライベート領域として設定することが可能である。この場合には、地図上に設定される閉じた領域の外側をプライベート領域とすることになる。例えば、自宅H1が平地であり、ユーザU1が車両C1を利用して山登りに行く場合に、プライベート領域として設定されている山地エリア外から山地エリアに車両C1が入った位置(通過した位置)を旅程の開始位置とすることが可能である。同様に、ユーザU1が車両C1を利用して山登りから帰る場合には、山地エリアから車両C1が最後に出た位置(通過した位置)を旅程の終了位置とすることが可能である。この場合には、その山地エリア内の移動経路が、旅程として設定される。これにより、山地エリア内の山にたどり着くまでの移動経路(例えば、山に辿り着くまでのうねうねとした車道、車両C1を降りた後の登山道)の移動履歴を記録することが可能となる。
【0030】
また、例えば、人為的に定められた任意の2次元的な形状等の仮想的な地理的境界により閉じた領域をプライベート領域とすることが可能である。例えば、登録場所を中心とする所定距離(例えば、数km)の半径の円形状、登録場所を中心とする一辺が所定距離(例えば、数km)の多角形状(例えば、三角、四角、五角、六角)等をプライベート領域として設定可能である。
図2(A)では、自宅H1(登録場所)を中心とする楕円形状のプライベート領域PR1を設定する例を示す。
【0031】
固定的なプライベート領域を利用して旅程を設定する場合には、車両C1が自宅H1(登録場所)を出発してから最初に通過したプライベート領域の境界の位置を旅程の開始位置とする。また、車両C1が自宅H1(登録場所)に戻る前に最後に通過したプライベート領域の境界の位置を旅程の終了位置とする。例えば、
図2(A)に示す例では、車両C1が自宅H1(登録場所)を出発してから自宅H1(登録場所)に戻るまでの移動経路DH11において、プライベート領域PR1の境界を位置BD1乃至BD4で車両C1が通過している。この場合に、車両C1が自宅H1(登録場所)を出発してから最初に通過したプライベート領域PR1の境界の位置BD1を旅程の開始位置とする。また、車両C1が自宅H1(登録場所)に戻る前に最後に通過したプライベート領域PR1の境界BD4の位置を旅程の終了位置とする。
【0032】
ここで、
図2(A)に示す例において、リアルタイム処理により、プライベート領域PR1の境界の通過に基づいて、旅程の開始位置及び終了位置を設定する場合を想定する。この場合には、旅程の開始位置を設定することが可能であるが、プライベート領域PR1の境界の通過が複数回行われるため、旅程の終了位置が複数設定されたり、旅程の終了位置を設定できなくなったりするおそれもある。このため、適切な旅程を設定することが困難となることも想定される。これに対して、本実施形態では、車両C1が自宅H1に戻ったことを条件にして遡ってプライベート領域PR1の境界を通過した位置BD4を特定し、旅程の終了位置を設定する。このため、旅程の開始位置及び終了位置を適切に設定することが可能である。
【0033】
このように、プライベート領域の境界については、地理的な境界を用いることが可能である。すなわち、閉じた状態のプライベート領域を地図情報に基づいて設定することが可能である。言い換えると、仮想的に定められた境界、自然で定められた境界等を、目視で可能なプライベート領域として設定可能である。
【0034】
また、人工的に作られた境界であり視覚的に認識可能な物理的な境界とともに、固定的なプライベート領域を用いて、旅程を設定してもよい。例えば、自宅H1(登録場所)を中心とする半径5kmの円形の固定的なプライベート領域と、インターチェンジICの通過とを、旅程の設定に用いる場合を想定する。この場合には、車両C1が固定的なプライベート領域の外部のインターチェンジを通過した位置を、旅程の開始位置及び終了位置に設定することが可能である。
【0035】
ただし、自宅H1の近くに、プライベート領域を設定する際に用いる施設等が存在することも想定される。例えば、
図2(B)に示すように、自宅H1の近くに高速道路R2のインターチェンジIC11が存在する場合を想定する。この場合には、自宅H1のユーザU1が、インターチェンジIC11を頻繁に利用することが想定される。このような場合には、相当複雑な図形を描かない限り、全旅程の開始位置を設定することができないおそれがある。
【0036】
そこで、
図2(B)に示すように、自宅H1を包含するプライベート領域として任意の図形を設定するが、高速道路R2に関する部分(例えば、走行車線、インターチェンジ部分)をプライベート領域から除外することが可能である。言い換えると、自宅H1を包含するプライベート領域PR2と、自宅H1を包含しない1つ以上のプライベート領域PR3とを設定することが可能である。これにより、高速道路R2に関する部分を避けるようにプライベート領域PR2、PR3を設定することが可能である。
【0037】
例えば、
図2(B)に示す例では、高速道路R2に沿った略半円形状のプライベート領域PR2のみを設定することも考えられる。しかし、略半円形状のプライベート領域PR2のみを設定した場合には、不自然なプライベート領域PR2のため、自宅H1を特定され易くなる可能性もある。そこで、高速道路R2に関する部分を避けるようにプライベート領域PR2、PR3を設定することが好ましい。
【0038】
[情報処理システムの構成例]
図3は、車両C1に設置されている情報処理システム100のシステム構成の一例を示す図である。
【0039】
情報処理システム100は、位置情報取得部101と、画像取得部102と、音取得部103と、センサ類104と、情報処理装置110とを備える。また、情報処理装置110は、無線通信を利用した通信方式によってネットワーク20に接続される。ネットワーク20は、公衆回線網、インターネット等のネットワークである。また、情報処理装置110は、ネットワーク20を経由した通信、又は、有線通信又は無線通信を利用した直接的な接続により、電子機器MC1、サーバ300に接続される。
【0040】
位置情報取得部101は、車両C1が存在する位置に関する位置情報を取得するものであり、取得された位置情報を情報処理装置110に出力する。例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を利用して位置情報を取得するGNSS受信機により実現できる。また、その位置情報には、GNSS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得してもよい。例えば、周囲に存在するアクセスポイントや基地局からの情報を用いて位置情報を導き出してもよい。また、ビーコンを用いて位置情報を取得してもよい。例えば、位置情報取得部101により取得された情報に基づいて、車両C1の移動経路、移動速度等を取得可能である。
【0041】
ここで、位置情報取得部101により取得された位置情報については、車両C1の走行中にずれが生じることも想定される。例えば、道路を走行している場合に、その道路からずれた位置を車両C1が走行していると判定されるおそれもある。そこで、例えば、地図情報に基づいて、位置情報取得部101により取得された位置情報のずれを補正してもよい。例えば、車両C1にナビゲーション装置が搭載されている場合には、そのナビゲーション装置は、地図情報と位置情報とのマッチング処理をして、位置情報のずれを補正している。そこで、ナビゲーション装置のずれ補正機能を用いて、位置情報取得部101により取得された位置情報のずれを補正してもよい。この場合には、補正後の位置情報を車両C1の移動履歴として用いることが可能である。
【0042】
画像取得部102は、情報処理装置110の制御に基づいて、被写体を撮像して画像(画像データ)を生成するものであり、生成された画像に関する画像情報を情報処理装置110に出力する。画像取得部102は、車両C1の内部及び外部の少なくとも1つに設けられ、車両C1の内外の被写体を撮像して画像(画像データ)を生成する。例えば、画像取得部102は、被写体を撮像することが可能な1又は複数のカメラ機器、画像センサ、車載カメラ等により構成される。例えば、1つの画像取得部102を車両C1の前方に設け、車両C1の前方からの被写体を撮像して画像(画像データ)を生成してもよく、他の画像取得部102を車両C1の後方に設け、車両C1からの後方の被写体を撮像して画像(画像データ)を生成してもよい。
【0043】
音取得部103は、車両C1の内部及び外部の少なくとも1つに設けられ、情報処理装置110の制御に基づいて、車両C1の内外の音を取得するものであり、取得された音に関する音情報を情報処理装置110に出力する。音取得部103として、例えば、1又は複数のマイクや音取得センサを用いることができる。
【0044】
センサ類104は、車両C1に設置されている各種のセンサであり、各センサにより取得された検出情報を情報処理装置110に出力する。センサ類は、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)、RADAR(Radio Detection And Ranging)、Sonar、車速センサ、加速度センサ等である。なお、これらは一例であり、他のセンサを用いてもよい。また、これらのうちの一部のセンサのみを用いてもよい。
【0045】
情報処理装置110は、制御部120と、記憶部130と、通信部140とを備える。通信部140は、制御部120の制御に基づいて、有線通信又は無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
【0046】
制御部120は、記憶部130に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置により実現される。なお、車両C1の車両ECU(Electronic Control Unit)を制御部120としても使用してもよく、車両ECUとは異なる処理装置を制御部120として設けてもよい。
【0047】
制御部120は、位置情報取得部101、画像取得部102、音取得部103、センサ類104、通信部140等から出力された各情報に基づいて、車両C1の経路情報の生成に関する各種制御を実行する。具体的には、制御部120は、記録制御部121と、制御情報送信部122と、判定部123と、設定部124と、生成部125とを備える。
【0048】
記録制御部121は、位置情報取得部101、画像取得部102、音取得部103、センサ類104、通信部140等から出力された各情報を記憶部130に記録する記録処理を実行するものである。また、記録制御部121は、必要に応じて、記憶部130に格納されている情報を読み出し、各部に供給する。
【0049】
制御情報送信部122は、電子機器MC1に対して、移動履歴を記録する記録処理の開始又は終了を指示する指示情報を送信する送信処理を実行するものである。この指示情報は、移動履歴を記録する記録処理を、電子機器MC1から情報処理装置110に切り替えたり、電子機器MC1から情報処理装置110に切り替えたりすることを指示するものであるため、切替情報とも称する。
【0050】
判定部123は、位置情報取得部101により取得された位置情報と、プライベート領域保持部132に保持されているプライベート領域情報とに基づいて、車両C1がプライベート領域の境界を通過したか否かを判定するものである。具体的には、判定部123は、車両C1の現在地とプライベート領域の境界の位置との一致度に基づいて、車両C1がプライベート領域の境界を通過したか否かを判定する。例えば、判定部123は、車両C1の現在地とプライベート領域の境界の位置とが一致した場合には、車両C1がプライベート領域の境界を通過したと判定する。そして、判定部123は、車両C1がプライベート領域の境界を通過したと判定された場合には、その判定結果を記録制御部121に出力する。この場合には、記録制御部121は、車両C1が通過した境界(プライベート領域の境界)を特定するための境界通過情報を移動履歴情報DB150の境界通過情報154(
図5参照)に記録する。
【0051】
設定部124は、プライベート領域保持部132に保持されているプライベート領域の境界を車両C1が通過したことに基づいて、車両C1の移動経路において外部に公開可能な公開可能経路の開始位置及び終了位置を設定するものである。具体的には、設定部124は、移動履歴情報DB150の境界通過情報154(
図5参照)に基づいて、公開可能経路の開始位置及び終了位置を設定する。そして、設定部124は、設定された公開可能経路の開始位置及び終了位置に関する情報を生成部125に出力する。なお、この設定方法については、
図5を参照して詳細に説明する。
【0052】
生成部125は、位置情報取得部101により取得された車両C1の位置情報に基づいて、自宅H1を車両C1が出発してから、自宅H1に車両C1が戻るまでの車両C1及びユーザU1の移動経路に関する経路情報を生成するものである。具体的には、生成部125は、移動履歴情報DB150(
図5参照)の各情報と、移動履歴情報DB220(
図6参照)の各情報とに基づいて、全旅程、旅程、サブ旅程に関する各経路情報を生成する。また、生成部125は、生成された各径路情報をサーバ300にアップロードするアップロード処理を実行する。なお、これらの生成方法については、
図9を参照して詳細に説明する。
【0053】
記憶部130は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部130には制御部120が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、地図情報DB、登録場所保持部131、プライベート領域保持部132、移動履歴情報DB150、コンテンツ情報DB160)が記憶される。また、記憶部130には、通信部140を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部130として、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせを用いることができる。
【0054】
登録場所保持部131には、非公開経路を生成する際に基準となる登録場所に関する登録場所情報が保持される。この登録場所情報として、例えば、登録場所を特定可能な情報(例えば、住所、緯度経度)を保持することが可能である。なお、
図1では、自宅H1(又は所定領域PE1)を登録場所とする例を示す。
【0055】
プライベート領域保持部132には、車両C1を用いて旅行をする際に、全旅程から旅程を設定するための基準となるプライベート領域に関するプライベート領域情報が格納される。このプライベート領域情報として、例えば、プライベート領域の境界を特定可能な情報(例えば、インターチェンジの位置、行政区画の境界情報)を用いることが可能である。なお、登録場所保持部131に保持される登録場所情報と、プライベート領域保持部132に保持されるプライベート領域情報とについては、ユーザ操作等に基づいて任意に設定することが可能である。
【0056】
移動履歴情報DB150には、車両C1の移動に関する各情報が格納される。例えば、位置情報取得部101により取得された位置情報と、その取得時刻とが関連付けて移動履歴情報DB150に格納される。なお、移動履歴情報DB150の格納内容については、
図5を参照して詳細に説明する。
【0057】
コンテンツ情報DB160には、車両C1において取得されたコンテンツに関する各情報が格納される。例えば、画像取得部102により取得された画像情報と、その取得時刻とが関連付けてコンテンツ情報DB160に格納される。なお、コンテンツ情報DB160の格納内容については、
図6を参照して詳細に説明する。
【0058】
地図情報DBには、車両C1が走行する道路に関する道路情報等の地図情報が格納されている。その地図情報には、道路の勾配、道路の交差点、道路の車線数、道幅情報、道路の起伏情報、悪路状態が含まれる。また、地図情報には、速度制限、一方通行等を示す道路標識、横断歩道、区画線等を示す道路標示も含まれる。また、地図情報には、道路構造物(例えば信号機、電信柱)、建物等の施設情報、周囲の観光案内情報等を含めてもよい。なお、地図情報DBについては、車両C1が備える記憶部130に記憶して用いてもよく、ネットワーク20を介して外部機器から取得して用いてもよい。
【0059】
電子機器MC1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。なお、電子機器MC1については、
図4を参照して詳細に説明する。
【0060】
サーバ300は、情報処理装置110、電子機器MC1により生成された経路情報を取得して管理するものである。また、サーバ300は、ユーザU1又は他のユーザからの要求に応じて、管理している経路情報を提供する。なお、サーバ300については、
図11を参照して詳細に説明する。
【0061】
[電子機器の構成例]
図4は、電子機器MC1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0062】
電子機器MC1は、画像取得部201と、音取得部202と、操作受付部203と、位置情報取得部204と、制御部205と、記憶部206と、表示部207と、音出力部208と、通信部209とを備える。なお、画像取得部201、音取得部202、位置情報取得部204、制御部205、記憶部206、通信部209のそれぞれについては、
図3に示す情報処理システム100の同一名称の各部に対応する。このため、画像取得部201、音取得部202、位置情報取得部204、制御部205、記憶部206、通信部209のそれぞれについては、
図3と共通する点についての説明を省略する。
【0063】
画像取得部201は、制御部205の制御に基づいて、被写体を撮像して画像(画像データ)を生成するものであり、生成された画像に関する画像情報を制御部205に出力する。
【0064】
音取得部202は、制御部205の制御に基づいて、電子機器MC1の周囲の音を取得するものであり、取得された音に関する音情報を制御部205に出力する。
【0065】
操作受付部203は、ユーザU1の各種操作を受け付けるものであり、受け付けられた操作内容に関する操作情報を制御部205に出力する。なお、操作受付部203については、使用者がその指を表示面に接触又は近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルとして構成してもよく、別体のユーザインタフェースとして構成してもよい。別体のユーザインタフェースは、例えば、物理的な操作部材(例えば、操作ボタン、操作レバー)である。
【0066】
位置情報取得部204は、電子機器MC1が存在する位置に関する位置情報を取得するものであり、取得された位置情報を制御部205に出力する。
【0067】
制御部205は、記憶部206に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。
【0068】
記憶部206は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部206には制御部205が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、地図情報DB、移動履歴情報DB220(
図7参照)、コンテンツ情報DB230)が記憶される。また、記憶部206には、通信部209を介して取得された各種情報が記憶される。
【0069】
表示部207は、制御部205の制御に基づいて、各種画像を表示するものである。なお、表示部207として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、表示部207については、使用者がその指を表示面に接触又は近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルとして構成してもよく、別体のユーザインタフェースとして構成してもよい。
【0070】
音出力部208は、制御部205の制御に基づいて、各種音声情報を出力するものである。なお、音出力部208として、例えば、1又は複数のスピーカを用いることができる。
【0071】
[コンテンツ取得例]
ここで、全旅程、旅程において、車両C1、電子機器MC1により取得可能なコンテンツについて説明する。ここで示すコンテンツは、位置情報以外のコンテンツを意味する。
【0072】
[車両において取得可能なコンテンツ取得例]
最初に、車両C1において取得可能なコンテンツについて説明する。例えば、画像取得部102により生成された画像(例えば、静止画、動画)をコンテンツ情報DB160の画像情報161(
図6参照)に格納することが可能である。
【0073】
また、例えば、音取得部103により生成された音声(例えば、紅葉がきれいだ、この道気持ちいい)をコンテンツ情報DB160の音声情報162(
図6参照)に格納することが可能である。なお、これらの音声については、音声メモとしてのテキスト情報を格納してもよい。
【0074】
また、例えば、センサ類104により取得された車両C1の制御情報をコンテンツ情報DB160の車両制御情報163(
図6参照)に格納することが可能である。車両C1の制御情報は、例えば、速度情報、AD(Autonomous Driving)を利用した区間の情報、燃費情報/電費情報、エコスコア等である。
【0075】
ADを利用した区間の情報は、例えば、車両C1が自動運転が可能な車両である場合において、車両C1が自動運転により走行した区間を示す情報である。この情報に基づいて、例えば、旅程のうち、ADを利用した区間を識別可能に表示することが可能である。例えば、ADを利用した区間と、他の区間とを異なる表示態様(例えば、色の変更、経路を示す線の太さの変更)とすることが可能である。これにより、ADを利用した区間を容易に識別可能となる。
【0076】
速度情報は、例えば、車両C1の車速を示す情報である。この情報に基づいて、例えば、旅程に対応する移動経路において、各径路での車両C1の車速を視覚的に表示することが可能である。例えば、区間Aでの平均車速が39km/hであった場合には、平均39km/hで走行したことを示す情報(例えば、39km/h)をその区間に関連付けて表示することが可能である。例えば、その区間の近くに39km/hを表示することが可能である。この表示例を
図11に示す。これにより、移動経路における各区間での車速を容易に識別可能となる。
【0077】
燃費情報/電費情報は、例えば、車両C1の燃費又は電費を示す情報である。この情報に基づいて、例えば、旅程に対応する移動経路において、各径路での車両C1の燃費又は電費を視覚的に表示することが可能である。例えば、車両C1がガソリン車である場合において、区間Bでの燃費が15km/Lであった場合には、15km/Lで走行したことを示す情報(例えば、燃費:15km/L)をその区間に関連付けて表示することが可能である。例えば、その区間の近くに燃費:15km/Lを表示することが可能である。これにより、移動経路における各区間での燃費又は電費を容易に識別可能となる。
【0078】
エコスコアは、例えば、環境に優しく、燃費又は電費が良い運転をしたことを数値化した情報である。例えば、車両C1をオン操作してからオフ操作するまでの運転について、0乃至100(最高は100)でリアルタイムに算出が可能である。例えば、急ハンドル等の「急」がつく運転がされた場合には減点される。そして、環境に優しく、燃費又は電費が良い運転をした場合には、100に近い値がエコスコアとして算出される。このエコスコアに基づいて、例えば、旅程に対応する移動経路において、各径路での車両C1のエコ運転の有無を視覚的に表示することが可能である。
【0079】
例えば、区間Cでのエコスコアが高い場合(例えば、エコスコア94)には、区間Cではエコ運転がされていたことを容易に把握可能となる。一方、例えば、区間Dでのエコスコアが低い場合(例えば、エコスコア37)には、区間Dではエコ運転がされていなかったことを容易に把握可能となる。また、例えば、各区間でのエコスコアを各区間に関連付けて表示することが可能である。例えば、区間Cの近くにエコスコア:94点を表示することが可能である。これにより、移動経路における各区間でのエコ運転の有無を容易に識別可能となる。
【0080】
[電子機器において取得可能なコンテンツ取得例]
次に、電子機器MC1において取得可能なコンテンツについて説明する。例えば、画像取得部201により生成された画像(例えば、静止画、動画)をコンテンツ情報DB230(
図4参照)に格納することが可能である。
【0081】
また、例えば、音取得部202により生成された音声(例えば、紅葉がきれいだ、この道気持ちいい)をコンテンツ情報DB230(
図4参照)に格納することが可能である。なお、これらの音声については、音声メモとしてのテキスト情報を格納してもよい。
【0082】
[外部機器から取得可能なコンテンツ取得例]
次に、外部機器から取得可能なコンテンツについて説明する。例えば、情報処理装置110は、通信部140、ネットワーク20を介して外部機器と接続が可能である。そこで、情報処理装置110は、外部機器(例えばサーバ)が提供するWeb情報を、必要に応じて取得可能である。例えば、観光地情報(例えば、スポット名)、地形情報(例えば、標高、斜度)等の地理的な情報を取得することが可能である。また、例えば、天候情報(例えば、車両C1の現在地での天気、温度、湿度等)を取得することが可能である。このように取得されたWeb情報をコンテンツ情報DB160のWeb情報164(
図6参照)に格納することが可能である。
【0083】
[移動履歴情報DBの格納内容例]
図5は、記憶部130に記憶されている移動履歴情報DB150の格納内容を簡略化して示す図である。
【0084】
移動履歴情報DB150は、車両C1が移動した位置に関する各種情報を管理するためのデータベースである。具体的には、位置情報152と、時刻情報153と、境界通過情報154とが移動履歴151に関連付けて移動履歴情報DB150に格納される。
【0085】
移動履歴151は、車両C1のオン操作が行われてから、車両C1のオフ操作が行われるまでの間の移動履歴をサブ旅程として管理するための情報である。
図5では、ユーザU1の自宅H1(
図1)で車両C1のオン操作が行われた後に、温泉地A1(
図1参照)で車両C1のオフ操作が行われた場合の例を示す。この場合には、ユーザU1の自宅H1から温泉地A1までの経路がサブ旅程(第1ログ)として管理される。また、
図5では、温泉地A1(
図1)で車両C1のオン操作が行われた後に、キャンプ場A2(
図1参照)で車両C1のオフ操作が行われた場合の例を示す。この場合には、温泉地A1からキャンプ場A2までの経路がサブ旅程(第2ログ)として管理される。また、
図5では、キャンプ場A2(
図1)で車両C1のオン操作が行われた後に、ユーザU1の自宅H1(
図1参照)で車両C1のオフ操作が行われた場合の例を示す。この場合には、キャンプ場A2からユーザU1の自宅H1までの経路がサブ旅程(第3ログ)として管理される。
【0086】
位置情報152は、車両C1が走行した位置に関する情報である。この位置情報として、位置情報取得部101により取得された位置情報(例えば、緯度経度)が格納される。なお、地図情報にマッピングされた経路情報を位置情報152に格納してもよい。
【0087】
時刻情報153は、位置情報152に格納された位置情報が取得された時刻を示す情報である。
【0088】
境界通過情報154は、プライベート領域の境界を通過したことを示す情報である。
図5では、
図1と同様に、高速道路R1のインターチェンジICを、プライベート領域の境界とする例を示す。この場合には、車両C1が通過したインターチェンジICを特定するための情報(例えば、ICの名称)が境界通過情報154に格納される。なお、車両C1がインターチェンジICを通過したか否かについては、例えば、車両C1の現在地と、地図情報におけるインターチェンジICの位置との一致度に基づいて判定可能である。また、ETC(Electronic Toll Collection System)機器によりインターチェンジICを通過したことを判定可能であるため、そのETC機器からの通過情報に基づいて、車両C1がインターチェンジICを通過したことを判定可能である。なお、車両C1がプライベート領域の境界を通過したか否かについても同様に、車両C1の現在地と、地図情報におけるプライベート領域の境界の位置との一致度に基づいて判定可能である。
【0089】
なお、本実施形態では、説明を容易にするため、位置情報として緯度経度を用いる例を示すが、位置情報として他の情報を用いてもよい。例えば、位置情報としてGPS(Global Positioning System)のデータを利用する場合には、GPX(GPS eXchange Format)ファイルを用いて管理することが可能である。GPXファイルは、GPSデータの記録形式の一例である。また、位置情報として、GPS情報をマップにマッチングさせた後の情報(車両C1の移動履歴情報)を利用してもよい。
【0090】
[公開可能とする旅程の設定例]
ここで、移動履歴情報DB150を用いて旅程を設定する設定方法について説明する。設定部124は、移動履歴情報DB150の境界通過情報154のうち、境界通過情報が最初に格納されている位置を旅程の開始位置として設定する。
図5に示す例では、境界通過情報154においてIC1乃至IC5が格納されている。また、境界通過情報154においてIC1が最初に格納されている。このため、設定部124は、「IC1」に対応するインターチェンジIC1の位置を旅程の開始位置として設定する。
【0091】
また、設定部124は、移動履歴情報DB150の境界通過情報154のうち、境界通過情報が最後に格納されている位置を旅程の終了位置として設定する。
図5に示す例では、境界通過情報154においてIC5が最後に格納されている。このため、設定部124は、「IC5」に対応するインターチェンジIC5の位置を旅程の終了位置として設定する。すなわち、設定部124は、ユーザU1の自宅H1を出発してから自宅H1に戻るまでの移動経路DH1乃至DH3のうち、インターチェンジIC1からインターチェンジIC5までの経路を、公開可能な経路として設定する。
【0092】
[コンテンツ情報DBの格納内容例]
図6は、記憶部130に記憶されているコンテンツ情報DB160の格納内容を簡略化して示す図である。
【0093】
コンテンツ情報DB160は、車両C1において取得された各コンテンツを管理するためのデータベースである。具体的には、画像情報161と、音声情報162と、車両制御情報163と、Web情報164と、位置情報165と、時刻情報166とが関連付けて移動履歴情報DB150に格納される。
【0094】
画像情報161は、画像取得部102により取得された画像(静止画又は動画)に関する情報である。
【0095】
音声情報162は、音取得部103により取得された音に関する情報である。
【0096】
車両制御情報163は、センサ類104を構成する各センサにより取得された車両C1の制御に関する情報である。
【0097】
Web情報164は、通信部140を介して外部機器(例えば、サーバ)から取得された各種情報である。
【0098】
位置情報165は、画像情報161、音声情報162、車両制御情報163、Web情報164のうちの少なくとも1つが取得された際における車両C1の位置を示す情報である。具体的には、画像情報161、音声情報162、車両制御情報163、Web情報164のうちの少なくとも1つに格納されるコンテンツが取得されたタイミングで、位置情報取得部101により取得された位置情報が位置情報165に格納される。
【0099】
時刻情報166は、画像情報161、音声情報162、車両制御情報163、Web情報164のうちの少なくとも1つが取得された際における時刻を示す情報である。具体的には、画像情報161、音声情報162、車両制御情報163、Web情報164のうちの少なくとも1つに格納されるコンテンツが取得されたタイミングの時刻情報が時刻情報166に格納される。
【0100】
位置情報165及び時刻情報166に基づいて、車両C1の移動経路におけるコンテンツの取得場所(その移動経路における位置)と、その取得時刻とを抽出可能となる。このため、車両C1の移動経路に関連付けてコンテンツを表示する場合に、コンテンツの取得場所の近くにそのコンテンツを表示させることが可能である。
【0101】
なお、図示を省略するが、電子機器MC1の記憶部206に格納されているコンテンツ情報DB230(
図4参照)についても、コンテンツ情報DB160と同様の情報が格納される。ただし、車両制御情報163については、コンテンツ情報DB230への格納を省略することが可能である。これにより、電子機器MC1の移動経路に関連付けてコンテンツを表示する場合に、コンテンツの取得場所に関連付けて表示させることが可能である。
【0102】
このように、車両C1の移動履歴と、その移動時において取得されたコンテンツとについては、関連付けて記録することが可能である。
【0103】
[電子機器の移動履歴情報DBの格納内容例]
図7は、電子機器MC1の記憶部206に記憶されている移動履歴情報DB220の格納内容を簡略化して示す図である。
【0104】
移動履歴情報DB220は、電子機器MC1を所持するユーザU1が移動した位置に関する各種情報を管理するためのデータベースである。具体的には、位置情報222と、時刻情報223と、移動手段224とが移動履歴221に関連付けて移動履歴情報DB220に格納される。
【0105】
移動履歴221は、情報処理装置110から電子機器への切替情報を受信してから、情報処理装置110から車両への切替情報を受信するまでの間の移動履歴をサブ旅程として管理するための情報である。
【0106】
ここで、車両C1のオフ操作が行われた場合には、制御情報送信部122(
図3参照)は、電子機器への切替情報を電子機器MC1に送信する。この場合には、電子機器MC1の制御部205は、位置情報取得部204により取得された位置情報を移動履歴情報DB220に順次格納してサブ旅程の生成を開始する。一方、車両C1のオン操作が行われた場合には、制御情報送信部122(
図3参照)は、車両への切替情報を電子機器MC1に送信する。この場合には、電子機器MC1の制御部205は、位置情報取得部204により取得された位置情報の移動履歴情報DB220への格納を終了してサブ旅程の生成を終了させる。
【0107】
図7では、温泉地A1(
図1参照)で車両C1のオフ操作が行われた後に、温泉地A1で車両C1のオン操作が行われた場合の例を示す。この場合には、温泉地A1でのユーザU1の移動経路がサブ旅程(第Aログ)として管理される。また、
図7では、キャンプ場A2(
図1参照)で車両C1のオフ操作が行われた後に、キャンプ場A2で車両C1のオン操作が行われた場合の例を示す。この場合には、キャンプ場A2でのユーザU1の移動経路がサブ旅程(第Bログ)として管理される。
【0108】
位置情報222は、電子機器MC1が移動した位置に関する情報である。この位置情報として、位置情報取得部204により取得された位置情報(例えば、緯度経度)が格納される。なお、地図情報にマッピングされた経路情報を位置情報222に格納してもよい。
【0109】
時刻情報223は、位置情報222に格納された位置情報が取得された時刻を示す情報である。
【0110】
移動手段224は、電子機器MC1を所持するユーザU1が移動の際に利用した移動手段を示す情報である。例えば、ユーザU1が徒歩により移動している場合には「徒歩」が格納され、ユーザU1がバスに乗って移動している場合には「バス」が格納され、ユーザU1が自転車に乗って移動している場合には「自転車」が格納される。例えば、全旅程、旅程を表示する場合に、移動手段224に基づいて、移動手段毎に表示態様を変更することにより各移動手段を識別可能とすることができる。例えば、移動手段が「徒歩」である経路については赤で表示し、移動手段が「バス」である経路については黄で表示し、移動手段が「自転車」である経路については緑で表示することが可能である。
【0111】
[ユーザの移動手段の推定例]
ここで、ユーザU1が車両C1を駐車した後に、車両C1から降りて、他の移動手段(例えば、レンタル自転車、バス)を利用することも想定される。この場合には、その移動手段を移動履歴として記録することにより、その場所での移動手段を容易に思い出すことが可能となる。
【0112】
ユーザU1の移動手段については、移動速度、最大速度、単位時間当たりの移動距離、加速度等に基づいて推定が可能である。例えば、移動速度、最大速度、単位時間当たりの移動距離、加速度については、電子機器MC1の位置情報取得部204により取得された位置情報の遷移に基づいて算出が可能である。例えば、1分当たりのユーザU1の移動距離が第1所定値未満である場合には、ユーザU1の移動手段が歩行であると推定可能である。また、1分当たりのユーザU1の移動距離が第1所定値以上、かつ、第2所定値(ただし、第1所定値<第2所定値)未満である場合には、ユーザU1の移動手段が自転車であると推定可能である。また、1分当たりのユーザU1の移動距離が第2所定値以上、かつ、第3所定値(ただし、第2所定値<第3所定値)未満である場合には、ユーザU1の移動手段がバスであると推定可能である。また、1分当たりのユーザU1の移動距離が第3所定値以上である場合には、ユーザU1の移動手段が電車であると推定可能である。なお、第1乃至第3所定値は、実験データ等に基づいて適宜設定可能である。例えば、第1所定値として、100m程度の値を設定可能であり、第2所定値として、250m程度の値を設定可能であり、第3所定値として、650m程度の値を設定可能である。同様に、移動速度、最大速度、加速度についても所定の閾値を用いた判定処理により、ユーザU1の移動手段を推定可能である。
【0113】
また、電子機器MC1に搭載されている加速度センサに基づいて、歩行、自転車、バス、電車等の各移動手段を推定してもよい。例えば、加速度センサの取得履歴に基づいて、歩行、自転車、バス、電車の各移動手段の特徴を抽出しておき、各時刻で取得される加速度センサの特徴に基づいて、移動手段を推定してもよい。
【0114】
また、これらの推定処理とともに、地図情報における各交通機関の経路情報を用いて、移動手段を判定してもよい。例えば、バスの路線に沿ってユーザU1が移動していて、かつ、その移動速度が、バスに相当する速度であると判定された場合には、ユーザU1の移動手段がバスであると判定可能である。同様に、線路に沿ってユーザU1が移動していて、かつ、その移動速度が電車に相当する速度であると判定された場合には、ユーザU1の移動手段が電車であると判定可能である。また、ユーザU1が移動している経路での公共交通機関と、その時刻表情報と、ユーザU1の移動速度とに基づいて、ユーザU1の移動手段を推定してもよい。例えば、バスの路線に沿ってユーザU1が移動していて、その移動速度が、バスに相当する速度であり、かつ、その移動の時間帯にバスが運行していると判定された場合には、ユーザU1の移動手段がバスであると判定可能である。
【0115】
[チケット購入履歴に基づく移動手段の推定例]
上述したように、車両C1が駐車中において、ユーザU1が何らかの移動手段(例えば、レンタル自転車、バス、船)を利用することも想定される。この場合には、それらの移動手段を利用するために、ユーザU1がチケットを購入することも想定される。そこで、このような場合には、そのチケット購入履歴(例えば、公共交通機関のチケット購入履歴)に基づいて、ユーザU1の移動履歴及び移動手段を特定可能である。
【0116】
例えば、電子機器MC1にインストールされている所定のアプリケーションを用いて、移動手段を利用するためのチケットを購入することができる。この場合には、電子機器MC1は、その購入されたチケット情報に基づいて、ユーザU1が利用する移動手段(例えば、レンタル自転車、バス、船)、ユーザU1が移動する移動経路(例えば、船の出発地及び目的地)、ユーザU1が利用する時間帯(例えば、レンタル自転車を1時間借りた、船の出発時刻及び到着時刻)等を取得可能である。そこで、これらの各情報に基づいて、その購入されたチケット情報に対応する移動経路において、そのチケット情報に対応する移動手段でユーザU1が移動する移動履歴を特定可能である。例えば、ユーザU1がA地点からB地点までのバスのチケットを購入した場合には、A地点からB地点まで区間の移動手段はバスと特定可能である。
【0117】
このように、電子機器MC1により取得された位置情報、加速度情報とともに、チケット購入履歴に基づいて、ユーザU1の移動手段を判定することにより、移動手段の推定精度を高めることが可能である。
【0118】
なお、車両C1を利用して遠方に旅行をする場合には、ユーザU1が車両C1から他の移動手段に乗り換えて旅行することも想定される。例えば、ユーザU1が飛行機、船、電車、バス等に乗り換えることが想定される。例えば、ユーザU1が飛行機を利用する場合には、ユーザU1は、空港に車両C1を駐車して飛行機に乗り換えることが想定される。この場合についても同様に、自宅H1から空港までは、車両C1において旅程に関する記録処理が実行され、空港からは、電子機器MC1において旅程に関する記録処理が実行される。この場合に、飛行機のチケット購入履歴に基づいて、ユーザU1の目的地、飛行機による移動時間帯を取得することが可能である。また、その目的地に飛行機で到着した後においては、電子機器MC1を用いた旅程に関する記録処理が実行される。
【0119】
[経路情報の内容例]
図8は、生成部125(
図3参照)により生成される経路情報400の内容を簡略化して示す図である。
【0120】
経路情報400は、情報処理装置110の移動履歴情報DB150と、電子機器MC1の移動履歴情報DB220とに基づいて、生成部125により生成されるユーザU1の移動に関する経路情報である。具体的には、経路情報400は、位置情報402と、時刻情報403と、移動手段404と、公開情報405とが移動履歴401に関連付けて生成される。なお、これらの各情報は、一例であり、これらの一部を省略してもよく、他の情報を格納してもよい。
【0121】
なお、移動履歴401は、移動履歴情報DB150の移動履歴151(
図5参照)と、移動履歴情報DB220の移動履歴221(
図7参照)とに対応する。また、位置情報402は、移動履歴情報DB150の位置情報152(
図5参照)と、移動履歴情報DB220の位置情報222(
図7参照)とに対応する。また、時刻情報403は、移動履歴情報DB150の時刻情報153(
図5参照)と、移動履歴情報DB220の時刻情報223(
図7参照)とに対応する。また、移動手段404は、移動履歴情報DB220の移動手段224(
図7参照)に対応する。
【0122】
公開情報405は、設定部124により設定された公開可能な経路と、他の経路とを識別するための情報である。
図8では、公開可能な経路(旅程に相当する経路)には、公開情報405に「公開」が格納される例を示す。一方、公開不可能な経路(全旅程のうち、旅程以外の経路に相当する経路)には、公開情報405に「非公開」が格納される。
【0123】
生成部125により生成された経路情報400については、ユーザU1の手動操作、又は、自動でサーバ300に送信される。この場合に、コンテンツ情報DB160、コンテンツ情報DB230の格納内容のうち、経路情報400に対応する全旅程で取得されたコンテンツについても、ユーザU1の手動操作、又は、自動でサーバ300に送信される。経路情報400、各コンテンツ情報を受信したサーバ300の経路情報処理部321(
図11参照)は、経路情報400、各コンテンツ情報を記憶部330に格納して管理する。そして、サーバ300の経路情報提供部322(
図11参照)は、ユーザU1又は他のユーザからの提供指示を受け付けると、その提供指示に基づいて、記憶部330に格納されている経路情報400、各コンテンツ情報をその提供指示を送信した機器に提供する。
【0124】
[情報処理装置の動作例]
図9は、情報処理装置110における経路情報生成処理の一例を示すフローチャートである。また、この経路情報生成処理は、記憶部130(
図2参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部120(
図2参照)により実行される。また、この経路情報生成処理は、車両C1のオン操作がされた場合に実行される。また、この経路情報生成処理では、
図1乃至
図8を適宜参照して説明する。
【0125】
ステップS501において、判定部123は、位置情報取得部101により取得された位置情報と、登録場所保持部131に保持されている登録場所に関する位置情報とに基づいて、車両C1が登録場所に存在するか否かを判定する。車両C1が登録場所に存在する場合には、ステップS502に進む。一方、車両C1が登録場所に存在しない場合には、ステップS503に進む。
【0126】
ステップS502において、記録制御部121は、移動履歴の記録を開始する開始処理を実行する。このように、車両C1が自宅H1の駐車場を出発したことを、移動履歴の記録を開始するトリガとすることが可能である。この場合には、車両C1が自宅H1の駐車場に戻ったことを、移動履歴の記録を終了するトリガとすることが可能である。
【0127】
ステップS503において、制御情報送信部122は、車両C1への切替情報を電子機器MC1に送信する。この切替情報は、移動履歴を記録する機器を、電子機器MC1から車両C1側の機器に切り替えるための指示をする情報(切替指示信号)である。この切替情報を受信した電子機器MC1は、移動履歴の記録処理を終了させる。なお、移動履歴の記録終了処理については、ステップS541、S542(
図10参照)で示す。また、サブ旅程に関する記録処理を実行する電子機器MC1については、電子機器MC1の機器識別情報を情報処理装置110の記憶部130に事前に登録しておくことにより情報処理装置110との間で各種情報のやりとりが可能となる。
【0128】
なお、車両C1にユーザU1を含む複数のユーザが乗車して旅行をしていることも想定される。この場合には、ユーザU1の電子機器MC1のみを登録しておき、電子機器MC1にのみサブ旅程に関する記録処理を実行させてもよく、他のユーザの電子機器についても登録しておき、各電子機器にサブ旅程に関する記録処理を実行させてもよい。このように、車両C1に乗車する複数のユーザの電子機器を用いてサブ旅程に関する記録処理を実行することにより、各ユーザの移動履歴、コンテンツ等を記録して表示することが可能である。
【0129】
このように、車両C1のオン操作がされた場所が登録場所である場合には、車両C1のユーザU1がこれから旅行等に出発することが想定される。そこで、この場合には、移動履歴の記録を開始する。一方、車両C1のオン操作がされた場所が登録場所以外の場所である場合には、車両C1のユーザU1が旅行等の寄り道、目的地での滞在等をしていることが想定される。この場合には、ユーザU1の電子機器MC1により移動履歴の記録がされていると考えられる。そこで、この場合には、移動履歴を記録する機器を、電子機器MC1から車両C1側の機器に切り替えるようにする。
【0130】
ステップS504において、記録制御部121は、サブ旅程の記録を開始する開始処理を実行する。なお、サブ旅程は、車両C1のオン操作がされてからオフ操作がされるまでの期間を意味する。
【0131】
ステップS505において、記録制御部121は、車両C1の位置情報を記録する。具体的には、記録制御部121は、位置情報取得部101により取得された位置情報とその取得時刻とを移動履歴情報DB150に順次格納する。
【0132】
ステップS506において、記録制御部121は、コンテンツが取得されたか否かを判定する。具体的には、記録制御部121は、画像取得部102、音取得部103、センサ類104、通信部140のうちの少なくとも1つによりコンテンツが取得されたか否かを判定する。例えば、画像取得部102により画像コンテンツが生成された場合には、画像コンテンツが取得されたと判定される。また、音取得部103により音コンテンツが生成された場合には、音コンテンツが取得されたと判定される。また、センサ類104により車両制御情報に関するコンテンツが生成された場合には、そのコンテンツが取得されたと判定される。また、通信部140により外部機器から何らかのコンテンツが取得された場合には、そのコンテンツが取得されたと判定される。コンテンツが取得された場合には、ステップS507に進む。一方、コンテンツが取得されていない場合には、ステップS508に進む。
【0133】
ステップS507において、記録制御部121は、ステップS506で取得が判定されたコンテンツをコンテンツ情報DB160(
図6参照)に格納する。例えば、画像取得部102により画像コンテンツが生成された場合には、記録制御部121は、その画像コンテンツを画像情報161に格納するとともに、その生成時の位置情報を位置情報165に格納し、その生成時刻を時刻情報166に格納する。また、音取得部103により音コンテンツが生成された場合には、記録制御部121は、その音コンテンツを音声情報162に格納するとともに、その生成時の位置情報を位置情報165に格納し、その生成時刻を時刻情報166に格納する。また、センサ類104により車両制御情報に関するコンテンツが生成された場合には、記録制御部121は、そのコンテンツを車両制御情報163に格納するとともに、その生成時の位置情報を位置情報165に格納し、その生成時刻を時刻情報166に格納する。また、通信部140により外部機器から何らかのコンテンツが取得された場合には、記録制御部121は、そのコンテンツをWeb情報164に格納するとともに、その取得時の位置情報を位置情報165に格納し、その取得時刻を時刻情報166に格納する。
【0134】
ステップS508において、判定部123は、車両C1がプライベート領域の境界を通過したか否かを判定する。例えば、
図1に示すように、高速道路のインターチェンジICをプライベート領域の境界とする場合を想定する。この場合には、判定部123は、位置情報取得部101により取得された位置情報と、地図情報に記録されているインターチェンジICの位置情報とに基づいて、車両C1が高速道路のインターチェンジICを通過したか否かを判定することが可能である。なお、上述したように、ETC機器によりインターチェンジICを通過したことを検出可能である場合には、ETC機器を用いて車両C1がインターチェンジICを通過したことを判定可能である。車両C1がプライベート領域の境界を通過した場合には、ステップS509に進む。一方、車両C1がプライベート領域の境界を通過していない場合には、ステップS510に進む。
【0135】
ステップS509において、記録制御部121は、ステップS508で車両C1が通過したと判定されたプライベート領域の境界に関する境界通過情報と、その通過時刻とを関連付けて記録する。例えば、記録制御部121は、位置情報取得部101により取得された位置情報及びその取得時刻に関連付けて、車両C1が通過したと判定された高速道路のインターチェンジICを識別するためのIC情報(例えば、ICの名称)を境界通過情報154(
図5参照)に格納する。
【0136】
ステップS510において、制御部120は、車両C1のオフ操作がされたか否かを判定する。車両C1のオフ操作がされた場合には、ステップS511に進む。一方、車両C1のオフ操作がされていない場合には、ステップS505に戻る。
【0137】
ステップS511において、判定部123は、位置情報取得部101により取得された位置情報と、登録場所保持部131に保持されている登録場所に関する位置情報とに基づいて、車両C1が登録場所に存在するか否かを判定する。車両C1が登録場所に存在する場合には、ステップS512に進む。一方、車両C1が登録場所に存在しない場合には、ステップS518に進む。
【0138】
ステップS512において、記録制御部121は、サブ旅程及び移動履歴の記録を終了する終了処理を実行する。なお、ステップS512までの各処理により、移動履歴情報DB150(
図5参照)の各情報が格納される。
【0139】
ステップS513において、制御情報送信部122は、移動履歴の記録を終了することを通知するための記録終了情報を電子機器MC1に送信する。この記録終了情報は、移動履歴の記録を終了することを電子機器MC1に通知するための指示をする情報である。この記録終了情報を受信した電子機器MC1は、サブ旅程に関する移動履歴の記録処理を終了させ、サブ旅程に関する各情報を車両C1に送信する。なお、サブ旅程に関する各情報の送信処理については、ステップS543、S544(
図10参照)で示す。
【0140】
ステップS514において、制御情報送信部122は、サブ旅程に関する各情報を電子機器MC1から取得する取得処理を実行する。すなわち、制御情報送信部122は、無線通信を利用して電子機器MC1との間で所定の情報のやりとりをすることにより、サブ旅程に関する各情報を受信する。例えば、移動履歴情報DB220(
図7参照)の各情報を受信する。
【0141】
ステップS515において、設定部124は、移動履歴情報DB150の境界通過情報154(
図5参照)に基づいて、移動履歴情報DB150に格納されている移動経路のうちから、公開可能な経路を設定する。具体的には、設定部124は、移動履歴情報DB150の境界通過情報154において、最初に境界通過情報が格納されている位置を、公開可能な経路の開始位置として設定する。また、設定部124は、移動履歴情報DB150の境界通過情報154において、最後に境界通過情報が格納されている位置を、公開可能な経路の終了位置として設定する。
図1に示す例では、設定部124は、車両C1が自宅H1(登録場所)を出発してから最初にIC1を通過した位置を、公開可能な経路の開始位置とし、車両C1が自宅H1(登録場所)に戻る前に最後にIC5を通過した位置を、公開可能な経路の終了位置とする。
【0142】
ステップS516において、生成部125は、自宅H1(登録場所)を車両C1が出発する出発タイミングから、自宅H1(登録場所)に車両C1が戻る帰着タイミングまでの車両C1の移動経路に関する経路情報を生成する。具体的には、生成部125は、ステップS502で記録が開始され、ステップS512で記録が終了された全旅程に関する経路情報を生成する。例えば、生成部125は、移動履歴情報DB150(
図5参照)、移動履歴情報DB220(
図7参照)に基づいて、全旅程に関する移動経路に関する経路情報を生成する。この場合に、生成部125は、ステップS515で設定された公開可能な経路と、これ以外の経路(原則として公開しない経路)とを特定可能な付随情報を経路情報に含めて生成する。例えば、
図8に示すように、公開情報405を含む経路情報400が生成される。
【0143】
ステップS517において、生成部125は、ステップS516で生成された経路情報をサーバ300にアップロードするアップロード処理を実行する。この経路情報には、上述したように、公開可能な経路と、これ以外の経路(原則として公開しない経路)とを特定可能な付随情報(公開情報405)が含まれる。これにより、サーバ300は、情報処理装置110からアップロードされた経路情報400を他のユーザに提供する場合に、公開可能な経路のみを提供し、原則として公開しない経路を提供しない。この例を
図11に示す。また、生成部125は、ステップS516で生成された経路情報に対応するコンテンツ情報をコンテンツ情報DB160(
図6参照)から取得して、サーバ300にアップロードする。これにより、経路情報とともに、コンテンツ情報についても他人とシェアすることが可能となる。なお、コンテンツ情報については、生成される毎にサーバ300にアップロードしてもよい。
【0144】
上述したように、経路情報、コンテンツのアップロード処理については、車両C1が自宅H1に戻ったことを条件に自動でアップロードしてもよく、ユーザU1の手動操作によりアップロード処理を実行可能としてもよい。例えば、ユーザU1が、経路情報、コンテンツ等について何らかの編集を所望することも想定される。このような場合には、編集後の各情報を、ユーザU1が手動操作によりアップロードすることが可能である。
【0145】
ステップS518において、記録制御部121は、ステップS504で開始されたサブ旅程の記録を終了する終了処理を実行する。
【0146】
ステップS519において、制御情報送信部122は、電子機器MC1への切替情報を電子機器MC1に送信する。この切替情報は、移動履歴を記録する機器を、車両C1側の機器から電子機器MC1に切り替えるための指示をする情報である。この切替情報を受信した電子機器MC1は、移動履歴の記録処理を開始させる。なお、移動履歴の記録処理の開始については、ステップS531、S532(
図10参照)で示す。
【0147】
[電子機器の動作例]
図10は、電子機器MC1における経路情報生成処理の一例を示すフローチャートである。また、この経路情報生成処理は、記憶部206(
図4参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部205(
図4参照)により実行される。また、この経路情報生成処理は、電子機器MC1がオン状態である場合に制御周期毎に常時実行される。また、この経路情報生成処理では、
図1乃至
図9を適宜参照して説明する。
【0148】
ステップS531において、制御部205は、電子機器MC1への切替情報を情報処理装置110から受信したか否かを判定する。電子機器MC1への切替情報を情報処理装置110から受信した場合には、ステップS532に進む。一方、電子機器MC1への切替情報を情報処理装置110から受信していない場合には、ステップS543に進む。
【0149】
ステップS532において、制御部205は、サブ旅程の記録を開始する開始処理を実行する。
【0150】
ステップS533において、制御部205は、電子機器MC1の位置情報を記録する。具体的には、制御部205は、位置情報取得部204により取得された位置情報とその取得時刻とを移動履歴情報DB220に順次格納する。
【0151】
ステップS534において、制御部205、コンテンツが取得されたか否かを判定する。具体的には、制御部205は、画像取得部201、音取得部202、通信部209のうちの少なくとも1つによりコンテンツが取得されたか否かを判定する。コンテンツが取得された場合には、ステップS535に進む。一方、コンテンツが取得されていない場合には、ステップS536に進む。
【0152】
ステップS535において、制御部205は、ステップS535で取得が判定されたコンテンツをコンテンツ情報DB230に格納する。
【0153】
ステップS536において、制御部205は、サブ旅程の記録の停止操作があったか否かを判定する。具体的には、制御部205は、サブ旅程の記録の停止操作が操作受付部203により受け付けられた場合には、サブ旅程の記録の停止操作があったと判定可能である。なお、サブ旅程の記録の停止操作は、例えば、タッチパネルにおける一時停止ボタンの接触操作等である。サブ旅程の記録の停止操作があった場合には、ステップS537に進む。一方、サブ旅程の記録の停止操作がなかった場合には、ステップS538に進む。
【0154】
ステップS537において、制御部205は、サブ旅程の記録を一時的に停止する一時停止処理を実行する。例えば、旅行先での宿泊時、食事時間等においては、ユーザU1は基本的に移動しないと想定される。そこで、ユーザU1の指示により、電子機器MC1でのログ取得を一時的に停止可能とする。この一時停止処理により、位置情報取得部204による位置情報の取得処理等を停止させることができるため、消費電力を低減させることが可能である。
【0155】
ステップS538において、制御部205は、サブ旅程の記録が一時的に停止中であるか否かを判定する。サブ旅程の記録が一時的に停止中である場合には、ステップS539に進む。一方、サブ旅程の記録が一時的に停止中でない場合には、ステップS541に進む。
【0156】
ステップS539において、制御部205は、サブ旅程の記録の再開操作があったか否かを判定する。具体的には、制御部205は、サブ旅程の記録の再開操作が操作受付部203により受け付けられた場合には、サブ旅程の記録の再開操作があったと判定可能である。なお、サブ旅程の記録の再開操作は、例えば、タッチパネルにおける再開ボタンの接触操作等である。サブ旅程の記録の再開操作があった場合には、ステップS540に進む。一方、サブ旅程の記録の再開操作がなかった場合には、ステップS538に戻る。
【0157】
ステップS540において、制御部205は、ステップS537で一時停止処理がされたサブ旅程の記録を再開する記録再開処理を実行する。この記録再開処理により、位置情報取得部204による位置情報の取得処理等を再開させることができる。
【0158】
ステップS541において、制御部205は、車両C1への切替情報を情報処理装置110から受信したか否かを判定する。車両C1への切替情報を情報処理装置110から受信した場合には、ステップS542に進む。一方、車両C1への切替情報を情報処理装置110から受信していない場合には、ステップS533に戻る。
【0159】
ステップS542において、制御部205は、サブ旅程の記録を終了する終了処理を実行する。
【0160】
ステップS543において、制御部205は、記録終了情報を情報処理装置110から受信したか否かを判定する。記録終了情報を情報処理装置110から受信した場合には、ステップS544に進む。一方、記録終了情報を情報処理装置110から受信していない場合には、経路情報生成処理の動作を終了する。
【0161】
ステップS544において、制御部205は、サブ旅程に関する各情報を情報処理装置110に送信する送信処理を実行する。これにより、電子機器MC1を用いて生成されたサブ旅程に関する情報を情報処理装置110が取得可能となる。なお、
図10では、記録終了情報を情報処理装置110から受信したことを条件に、電子機器MC1を用いて生成されたサブ旅程に関する情報を情報処理装置110に送信する例を示す。ただし、サブ旅程の終了処理がされる毎に、そのサブ旅程に関する情報を情報処理装置110に送信してもよい。
【0162】
このように、車両C1が駐車中のときには、車両C1側から電子機器MC1にサブ旅程に関する各情報の取得開始が指示され、再び車両C1での移動が開始されたときには、車両C1側から電子機器MC1にサブ旅程に関する各情報の取得終了が指示される。これにより、電子機器MC1でのサブ旅程に関する各情報の取得処理は、車両C1の駐車中のみとすることが可能であり、電子機器MC1における長時間のログ取得によるバッテリの消耗を抑えることが可能となる。
【0163】
なお、情報処理装置110及び電子機器MC1間の各情報のやり取りについては、上述したように、ネットワーク20を介して実行してもよく、近距離無線通信を利用した直接通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi)により実行してもよい。例えば、登山口等のようにモバイル通信圏外の場所に車両C1が駐車することも想定される。このような場合でも、情報処理装置110及び電子機器MC1間の各情報のやり取りを、近距離無線通信を利用した直接通信により実行することにより、サブ旅程に関する各指示のやり取りを確実に実行することが可能である。
【0164】
上述したように、全旅程、旅程、サブ旅程に関する各情報の記録処理の開始及び終了については、情報処理装置110及び電子機器MC1間で同期することが可能である。また、それらの各情報の記録処理の開始及び終了については、自動的に実行することが可能である。この場合に、例えば、事前設定をしておくことにより、情報処理装置110、電子機器MC1のうちの少なくとも1つから、自動的に行われた各情報の記録処理の開始及び終了に関する通知を、ユーザU1に対して行うことが可能である。
【0165】
ここで、例えば、ユーザU1が車両C1のドライブ途中から、全旅程、旅程、サブ旅程に関する各情報の記録処理を開始したくなったり、終了したくなったりすることも想定される。そこで、全旅程、旅程、サブ旅程に関する各情報の記録処理の開始及び終了については、ユーザ操作(情報処理装置110又は電子機器MC1の操作)に基づいて実行してもよい。
【0166】
また、全旅程、旅程、サブ旅程に関する各情報の記録処理の開始及び終了については、サーバ300の制御に基づいて実行してもよい。この場合には、車両C1の機器が、車両C1のオン操作、オフ操作に関する情報をサーバ300に送信し、サーバ300は、そのオン操作、オフ操作に関する情報に基づいて、電子機器MC1への指示を実行することが可能である。
【0167】
[サーバの構成例]
図11は、サーバ300の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0168】
サーバ300は、通信部310と、制御部320と、記憶部330とを備える。サーバ300として、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いることが可能である。なお、通信部310は、制御部320の制御に基づいて、有線通信又は無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
図11では、情報処理装置PC1乃至PC3、電子機器MC1からの提供指示に基づいて、ユーザU1に関する経路情報を情報処理装置PC1乃至PC3、電子機器MC1に提供する例を示す。なお、情報処理装置PC1乃至PC3は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の情報処理装置である。例えば、情報処理装置PC1及び電子機器MC1は、ユーザU1が所持する機器であり、情報処理装置PC2、PC3は、ユーザU1以外のユーザU2、U3が所持する機器であるものとする。
【0169】
制御部320は、記憶部330に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部320は、例えば、CPU等の処理装置により実現される。
【0170】
制御部320は、情報処理装置110等から送信された経路情報を管理するための各種制御を実行する。具体的には、制御部320は、経路情報処理部321と、経路情報提供部322とを備える。
【0171】
経路情報処理部321は、記憶部330に格納されて管理される経路情報に関する各種処理を実行するものである。具体的には、経路情報処理部321は、各機器からアップロードされた経路情報を記憶部330に格納して管理する。
【0172】
経路情報提供部322は、記憶部330に格納されている経路情報を提供する提供処理を実行するものである。具体的には、経路情報提供部322は、各機器からの要求に応じて各機器に経路情報を提供する。
【0173】
記憶部330は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部330には制御部320が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、経路情報)が記憶される。また、記憶部330には、通信部310を介して取得された各種情報(例えば、経路情報)が記憶される。記憶部130として、例えば、ROM、RAM、SRAM、HDD、SSD、又は、これらの組み合わせを用いることができる。
【0174】
図11に示すように、情報処理装置PC1乃至PC3、電子機器MC1からの提供指示に基づいて、ユーザU1に関する経路情報を情報処理装置PC1乃至PC3、電子機器MC1に提供することが可能である。この場合に、ユーザU1が所持する情報処理装置PC1及び電子機器MC1には、全旅程及び旅程に関する経路情報が提供される。例えば、情報処理装置PC1の表示部340、電子機器MC1の表示部207のそれぞれには、全旅程及び旅程のうちの一方に関する経路情報を表示することが可能である。この場合に、プライベート領域の境界に関する情報を経路上に表示してもよい。
図11では、インターチェンジIC1、IC5に対応する位置(旅程の開始位置及び終了位置)に点線の楕円を表示する例を示す。これにより、全旅程及び旅程の範囲を容易に把握することが可能である。一方、ユーザU2、U3が所持する情報処理装置PC2、PC3には、旅程に関する経路情報のみが提供される。例えば、情報処理装置PC2、PC3の表示部350、360のそれぞれには、旅程に関する経路情報のみを表示することが可能である。
【0175】
また、ユーザU1に関する経路情報に関連するコンテンツについても同様に、ユーザU1が所持する情報処理装置PC1及び電子機器MC1には、全旅程に関するコンテンツが提供される。例えば、情報処理装置PC1の表示部340、電子機器MC1の表示部207のそれぞれには、全旅程に関するコンテンツを表示することが可能である。一方、ユーザU2、U3が所持する情報処理装置PC2、PC3には、旅程に関するコンテンツのみが提供される。例えば、情報処理装置PC2、PC3の表示部350、360のそれぞれには、旅程に関するコンテンツのみを表示することが可能である。
【0176】
ここで、各機器において旅程を表示する場合には、車両でのサブ旅程と、駐車中のサブ旅程とを異なる表示態様として、各サブ旅程を容易に識別可能としてもよい。例えば、車両でのサブ旅程を緑色で表示させ、駐車中のサブ旅程を黄色で表示させたり、車両でのサブ旅程を太線で表示させ、駐車中のサブ旅程を細線で表示させたりすることが可能である。このように、車両でのサブ旅程と、駐車中のサブ旅程とを異なる表示態様とすることにより、車両C1で移動した経路か、ユーザU1が徒歩等で歩いて移動した経路かを容易に把握することが可能となり、ユーザU1の旅行の思い出をより鮮明なものとすることが可能となる。
【0177】
なお、コンテンツを表示する際には、取得位置に関連付けて表示することが可能である。例えば、温泉地A1(
図1参照)において生成された画像コンテンツについては、温泉地A1の近くに表示させ、キャンプ場A2(
図1参照)において生成された画像コンテンツについては、キャンプ場A2の近くに表示させることが可能である。この場合に、多数の画像コンテンツが存在することも想定される。例えば、撮影時刻が近い画像コンテンツについては、画像に含まれる風景、人物等が似ているものが多いと想定される。そこで、多数の画像コンテンツが存在する場合には、公知の画像認識技術を用いて、生成時刻が近い画像コンテンツのうちから抽出されたお勧めの画像コンテンツのみを表示してもよい。例えば、笑顔の人物が含まれる画像コンテンツ、多数の人物が含まれる画像コンテンツ等をお勧め画像コンテンツとして抽出することが可能である。
【0178】
このように、プライベート領域内での移動を除く旅程及びコンテンツを合わせて、コミュニティにシェアすることができる。このコミュニティは、例えば、SNSである。また、コミュニティ外へのシェアのために、旅程及びコンテンツをパッケージにした画像アルバム、動画等をダウンロードできるようにしてもよい。コミュニティ外へのシェアは、例えば、ブラウザで見ることが可能な態様を意味する。例えば、SNSのアプリケーションをインストールしていない機器においても、公開範囲をインターネット範囲としている場合には、閲覧とし、ダウンロードも可能とすることができる。すなわち、SNSを利用してシェアしてもよく、SNS以外でシェアすることも可能である。
【0179】
[サーバの動作例]
図12は、サーバ300における経路情報提供処理の一例を示すフローチャートである。また、この経路情報提供処理は、記憶部330(
図11参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部320(
図11参照)により実行される。また、この経路情報提供処理は、サーバ300がオン状態である場合に制御周期毎に常時実行される。また、この経路情報提供処理では、
図1乃至
図11を適宜参照して説明する。
【0180】
ステップS551において、経路情報提供部322は、経路情報の表示指示を受け付けたか否かを判定する。例えば、情報処理装置PC1乃至PC3、電子機器MC1のうちの何れかの機器から経路情報の表示指示が送信された場合には、サーバ300は、その経路情報の表示指示を受信する。この場合には、経路情報提供部322は、経路情報の表示指示を受け付けたと判定する。
【0181】
ステップS552において、経路情報提供部322は、ステップS551で受け付けた経路情報の表示指示が、その表示指示の対象となる経路情報の本人からの表示指示であるか否かを判定する。本人からの表示指示であることを判定する判定方法として、ログイン情報に基づく判定方法、端末識別情報に基づく判定方法、等を採用することが可能である。経路情報の表示指示が本人からの表示指示である場合には、ステップS553に進む。一方、経路情報の表示指示が本人からの表示指示でない場合、すなわち他人からの表示指示である場合には、ステップS558に進む。
【0182】
ステップS553において、経路情報提供部322は、ステップS551で受け付けた経路情報の表示指示に対応する経路情報の全旅程を、その表示指示を送信した機器に表示させる。そして、経路情報提供部322は、ユーザ操作を受け付けた場合には、そのユーザ操作に基づいて、経路情報の表示態様を変更する表示処理を実行する。例えば、移動手段毎に表示態様を変更したり、全旅程、旅程、サブ旅程毎に表示態様を変更したり、コンテンツを表示させたりすることが可能である。
【0183】
ステップS554において、経路情報提供部322は、経路情報の旅程を切り替える切替指示を受け付けたか否かを判定する。すなわち、本人からの操作である場合には、全旅程及び旅程の双方を表示することが可能となる。経路情報の旅程切替指示を受け付けた場合には、ステップS555に進む。一方、経路情報の旅程切替指示を受け付けていない場合には、ステップS556に進む。
【0184】
ステップS555において、経路情報提供部322は、ステップS554で受け付けた切替指示に基づいて、全旅程及び旅程の何れかを、その切替指示を送信した機器に表示させる。
【0185】
ステップS556において、経路情報提供部322は、経路情報の表示終了指示を受け付けたか否かを判定する。経路情報の表示終了指示を受け付けた場合には、ステップS557に進む。一方、経路情報の表示終了指示を受け付けていない場合には、ステップS553に戻る。
【0186】
ステップS557において、経路情報提供部322は、ステップS551で受け付けた表示指示を送信した機器における経路情報の表示を終了させる経路情報の終了処理を実行する。
【0187】
ステップS558において、経路情報提供部322は、ステップS551で受け付けた経路情報の表示指示に対応する経路情報の旅程を、その表示指示を送信した機器に表示させる。そして、経路情報提供部322は、ユーザ操作を受け付けた場合には、そのユーザ操作に基づいて、経路情報の表示態様を変更する表示処理を実行する。例えば、移動手段毎に表示態様を変更したり、旅程、サブ旅程毎に表示態様を変更したり、コンテンツを表示させたりすることが可能である。ただし、全旅程については、表示されない。
【0188】
ステップS559において、経路情報提供部322は、経路情報の表示終了指示を受け付けたか否かを判定する。経路情報の表示終了指示を受け付けた場合には、ステップS557に進む。一方、経路情報の表示終了指示を受け付けていない場合には、ステップS558に戻る。
【0189】
[情報処理装置以外の機器において経路情報を生成する例]
以上では、情報処理装置110が、全旅程、旅程、サブ旅程に関する経路情報(例えば、経路情報400(
図8参照))を生成する例を示したが、他の機器においてその経路情報を生成してもよい。例えば、全旅程、旅程、サブ旅程に関する経路情報(例えば、経路情報400)を生成するために必要となる各情報を情報処理装置110が電子機器MC1に送信し、電子機器MC1の制御部205がその経路情報を生成してもよい。この場合には、電子機器MC1の制御部205は、その生成された経路情報をサーバ300にアップロードするアップロード処理を実行する。
【0190】
また、サーバがその経路情報を生成してもよい。この例を
図13に示す。
【0191】
[サーバの構成例]
図13は、サーバ300の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、
図13に示すサーバ300は、
図11に示すサーバ300の一部を変形したものであり、設定部323、生成部324を追加した点が異なる。なお、これら以外の点については、
図11に示すサーバ300と共通するため、ここでは、
図11と異なる点について説明する。
【0192】
制御部320は、経路情報処理部321と、経路情報提供部322と、設定部323と、生成部324とを備える。設定部323及び生成部324は、
図3に示す設定部124及び生成部125に対応するものである。
【0193】
例えば、全旅程、旅程、サブ旅程に関する経路情報(例えば、経路情報400)を生成するために必要となる各情報を、情報処理装置110a及び電子機器MC1がサーバ300に順次送信し、サーバ300がその経路情報を生成する。この場合には、経路情報処理部321は、その生成された経路情報を記憶部330に格納して管理する。また、設定部323は、情報処理装置110aから送信された各情報(例えば、
図5に示す移動履歴情報DB150の各内容)に基づいて、公開可能な経路を設定する。この設定方法については、上述した設定方法と同様である。また、生成部324は、その設定された公開可能な経路に関する情報とともに、情報処理装置110a及び電子機器MC1から送信された各情報(例えば、
図5、
図7に示す移動履歴情報DB150、220の各内容)に基づいて、全旅程、旅程、サブ旅程に関する経路情報(例えば、経路情報400)を生成する。この生成方法については、上述した生成方法と同様である。
【0194】
このように、経路情報に関する設定処理、生成処理をサーバ300に実行させることにより、情報処理装置110aの演算処理を削減することが可能であり、情報処理装置110aの消費電力を低減することが可能である。
【0195】
なお、本実施形態では、ユーザU1が所有する車両C1を例にして説明したが、ユーザU1が借りることが可能な移動手段(例えば、レンタカー、GPS機器を備えたオートバイ又は自転車)を利用する場合についても適用可能である。例えば、レンタカーの営業所を登録場所として設定しておき、ユーザU1が借りたレンタカーと、電子機器MC1とを紐づけすることにより、本実施形態を適用可能となる。
【0196】
[本実施形態の効果例]
このように、本実施形態では、ユーザU1が車両C1を利用して旅行をした場合に、その旅行に関する経路情報を容易にシェアすることが可能である。この旅行のシェアをする場合には、自宅H1を出てから再び自宅H1に帰ってくるまでの経路を旅程(旅行の思い出)として他人とシェアすることが可能である。また、この旅行のシェアでは、車両C1での移動だけでなく、車両C1を駐車した後のユーザU1の徒歩、他の移動手段等の移動(公共交通機関利用も含む)も含めてシェアすることが可能である。具体的には、車両C1がオン操作される毎に、車両C1がオフ操作されまでの間、車両C1の走行経路のログ(車両のサブ旅程)を記録する。また、車両C1のオフ操作がされる毎に、車両C1がオン操作されまでの間、電子機器MC1の移動経路のログ(駐車中のサブ旅程)を記録する。また、これらを組み合わせて、1つの大きな旅程(全旅程)を生成する。このように、車両C1と電子機器MC1とを連携させて、1つの大きな旅程(全旅程)を生成することが可能となる。
【0197】
このように、ユーザU1は、車両C1での旅行の思い出を残したいし、みんなにもシェアをしたいと考えることも想定される。しかし、みんなにシェアをする場合に、ユーザU1の個人情報(例えば、自宅H1の位置)を晒したくないと考えることも想定される。すなわち、ユーザU1の旅行に関する全旅程を他人にシェアする場合には、ユーザU1の個人情報を保護するため、自宅H1が特定されることを避けることが重要である。そこで、車両のサブ旅程と、駐車中のサブ旅程とを組み合わされて作成された全旅程において、車両C1が最初に乗った高速道路のインターチェンジICを開始位置とし、車両C1が最後に降りたインターチェンジICを終了位置とする旅程を生成する。そして、その旅程の範囲を、その旅行の思い出として他人とシェアするようにする。また、車両C1が旅程の途中で駐車している時間帯における、ユーザU1の移動情報を含めた旅程を他人とシェアすることも可能である。
【0198】
これにより、全旅程における車両C1の時系列の位置情報を他人にシェアするサービスとして、ユーザU1の個人情報を適切に保護するとともに、公開可能な経路として旅程を他人とシェアすることが可能となる。すなわち、旅行の思い出の振り返りと、他人とのシェアを容易に実現することが可能である。この場合に、ユーザU1は、全旅程及び旅程を表示することが可能であり、全旅程及び旅程をユーザU1の好みに応じて切り替えることが可能である。これにより、ユーザU1は、全旅程を見て、自宅H1からの旅行の思い出を容易に見ることが可能となる。また、個人情報を特定できない旅程については、他人に表示してシェアすることができる。これにより、ユーザU1は、自分の家を特定されないという安心感を持つことが可能である。一方、ユーザU1は、全旅程及び旅程の双方を見ることができるため、旅行全体を容易に楽しむことが可能となる。
【0199】
このように、本実施形態では、ユーザU1の自宅H1を出発地として、自宅H1に戻るまでの全旅程のうち、プライベート領域に基づいて、プライバシーを保護しつつシェアすることが可能な旅程を設定することができる。これにより、ユーザU1の自宅H1を出発地として、自宅H1に戻るまでの旅行等の経路情報について、プライバシーを保護しつつシェアすることが可能となる。
【0200】
例えば、全旅程のうち、高速道路のインターチェンジICを最初に通過した位置と、最後に通過した位置とに基づいて、旅程を設定することが可能であるため、非日常の始まりである高速道路に乗ったところから、旅程をシェアすることが可能である。
【0201】
[他の機器、他のシステムにおいて処理を実行させる例]
なお、以上では、設定処理、生成処理等を情報処理装置110、電子機器MC1、サーバ300において実行する例を示したが、それらの各処理の全部又は一部を他の機器において実行してもよい。この場合には、それらの各処理の一部を実行する各機器により情報処理システムが構成される。例えば、車載機器、ユーザが使用可能な機器(例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、IVI)、インターネット等の所定のネットワークを介して接続可能なサーバ等の各種情報処理装置、各種電子機器を用いて各処理の少なくとも一部を実行させることができる。
【0202】
また、情報処理装置110の機能を実行可能な情報処理システムの一部(又は全部)については、インターネット等の所定のネットワークを介して提供可能なアプリケーションにより提供されてもよい。このアプリケーションは、例えばSaaS(Software as a Service)である。
【0203】
[本実施形態の構成例及びその効果]
本実施形態に係る情報処理方法は、位置情報取得部101により取得された車両C1の位置情報に基づいて、自宅H1(登録場所の一例)を車両C1が出発する第1タイミングから、自宅H1に車両C1が戻る第2タイミングまでの車両C1の移動経路に関する第1経路情報を生成する情報処理方法である。この情報処理方法は、自宅H1を基準として設定されるプライベート領域の境界を車両C1が通過したことに基づいて、その移動経路において外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定する設定処理(ステップS515)と、その移動経路における公開可能な経路に関する第2経路情報を生成する生成処理(ステップS516)とを含む。なお、第1経路情報は、例えば、経路情報400(
図8参照)である。また、第2経路情報は、例えば、経路情報400を構成する各情報のうち、公開情報405に「公開」が格納されている各情報である。また、本実施形態に係るプログラムは、これらの各処理をコンピュータに実行させるプログラムである。言い換えると、本実施形態に係るプログラムは、情報処理装置110が実行可能な各機能をコンピュータに実現させるプログラムである。
【0204】
この構成によれば、ユーザU1の自宅H1を出発地として、自宅H1に戻るまでの全経路のうち、プライベート領域に基づいて、プライバシーを保護しつつシェアすることが可能な経路を設定することができる。これにより、ユーザU1の自宅H1を出発地として、自宅H1に戻るまでの経路に関する経路情報について、プライバシーを保護しつつシェアすることが可能となる。すなわち、車両C1を利用した移動に関する移動履歴を利用する場合に、個人情報を適切に保護することが可能となる。
【0205】
本実施形態に係る情報処理方法では、車両C1が駐車中において車両C1のユーザU1(乗員の一例)の移動経路を記録するための記録指示(例えば、電子機器への切替情報)をユーザU1が所持する電子機器MC1に送信する送信処理(ステップS519)をさらに含み、生成処理(ステップS516)では、公開可能な経路において車両C1の駐車中に記録されたユーザU1の移動経路に関する乗員経路情報を、外部に公開可能な第3経路情報として生成する。なお、第3経路情報は、例えば、経路情報400(
図8参照)を構成する駐車中のサブ旅程に関する各情報のうち、公開情報405に「公開」が格納されている各情報である。言い換えると、経路情報400を構成する各情報のうち、移動履歴401に「第Aログ」、「第Bログ」が格納され、公開情報405に「公開」が格納されている各情報である。
【0206】
この構成によれば、ユーザU1の自宅H1を出発地として、自宅H1に戻るまでの全経路のうち、車両C1に関する移動経路とともに、車両C1が駐車中におけるユーザU1の移動経路についても、プライバシーを保護しつつシェアすることが可能なとなる。
【0207】
本実施形態に係る情報処理方法において、電子機器MC1は、電子機器MC1が備える位置情報取得部204により取得された位置情報と、ユーザU1(乗員の一例)が利用した移動手段の利用履歴とのうちの少なくとも1つに基づいて、ユーザU1の移動経路を記録する。
【0208】
この構成によれば、ユーザU1が利用した移動手段の利用履歴を用いることにより、移動経路の生成処理の精度を向上させることが可能である。
【0209】
本実施形態に係る情報処理方法では、第2経路情報及び第3経路情報をサーバ300(外部機器の一例)にアップロードするアップロード処理(ステップS517)と、サーバ300が、第2経路情報及び第3経路情報を公開情報として提供する提供処理(ステップS553乃至S555、S558、S559)とをさらに含む。
【0210】
この構成によれば、公開可能な第2経路情報及び第3経路情報を適切にシェアすることが可能となる。
【0211】
本実施形態に係る情報処理方法において、提供処理(ステップS553、S558)では、サーバ300(外部機器の一例)が、第2経路情報及び第3経路情報を提供する際に、第2経路情報に対応する移動経路と、第3経路情報に対応する移動経路とを識別可能に表示する。例えば、
図11に示すように、車両C1の移動経路を太線とし、ユーザU1の移動経路を細線として各移動経路を識別可能に表示することが可能である。
【0212】
この構成によれば、車両C1の移動経路に関する第2経路情報と、ユーザU1の移動経路に関する第3経路情報とを容易に識別可能に表示することが可能となる。
【0213】
本実施形態に係る情報処理方法において、提供処理(ステップS553、S558)では、サーバ300(外部機器の一例)が、第2経路情報及び第3経路情報を提供する際に、第3経路情報に対応する移動経路における移動手段を識別可能に表示する。例えば、徒歩、バス、電車、自転車等の移動手段毎に、異なる表示態様(例えば、色の変更、線の太さの変更)とすることが可能である。
【0214】
この構成によれば、ユーザU1の移動経路におけるユーザU1が利用した移動手段を容易に識別可能に表示することが可能となる。
【0215】
本実施形態に係る情報処理方法において、アップロード処理(ステップS517)では、第1経路情報をサーバ300(外部機器の一例)にアップロードし、提供処理(ステップS554、S555)では、ユーザU1からの本人操作に基づいて第1経路情報及び第2経路情報の公開内容を切り替え可能とする。
【0216】
この構成によれば、ユーザU1は、全経路及び公開可能な経路の双方を見ることができるため、その経路全体を容易に楽しむことが可能となる。
【0217】
本実施形態に係る情報処理方法では、プライベート領域の境界は、高速道路のインターチェンジと、所定の道路と、のうちの少なくとも1つであり、設定処理(ステップS515)では、車両C1が自宅H1を出発してから最初に通過した境界の位置(例えば、IC1)を外部に公開可能な経路の開始位置とし、車両C1が自宅H1に戻る前に最後に通過した境界の位置(例えば、IC5)を外部に公開可能な経路の終了位置とする。なお、所定の道路は、自宅H1(登録場所)の周囲に存在する大路(例えば、市中の大通り、国道)等であり、所定の道路の通過(又は、出入り)に基づいて、外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定可能である。なお、プライベート領域の境界として、高速道路のインターチェンジ、所定の道路以外に、川(又は、川の上に設置された橋)、海(又は、海の上に設置された橋)等を設定可能であり、これらの位置の通過に基づいて、外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定可能である。なお、川、海等は、地図上に設定される閉じた領域として用いることも可能である。
【0218】
この構成によれば、視覚的に認識可能な物理的な境界として、人工的に作られた施設等を用いて、仮想的なプライベート領域を設定することが可能であり、これらの境界を用いて外部に公開可能な経路を適切な設定することが可能である。
【0219】
本実施形態に係る情報処理方法では、プライベート領域は、自宅H1(登録場所の一例)を含む領域であって、行政区画と自然の地理的な環境と任意の形状とのうちの少なくとも1つに基づいて地図上に設定される閉じた領域であり、設定処理(ステップS515)では、車両C1が自宅H1を出発してから最初に通過したプライベート領域の境界の位置を外部に公開可能な経路の開始位置とし、車両C1が自宅H1に戻る前に最後に通過したプライベート領域の境界の位置を外部に公開可能な経路の終了位置とする。なお、自宅H1(登録場所の一例)を含まない領域であって、地図上に設定される閉じた領域の外側を、プライベート領域として設定してもよい。例えば、車両C1を利用して山登りに行く場合に、その山登りの目的地の山の頂上を含む山地エリア(地図上に設定される閉じた領域)の外側をプライベート領域として設定してもよい。この場合についても同様に、車両C1が自宅H1を出発してから最初に通過した山地エリアの境界の位置を外部に公開可能な経路の開始位置とし、車両C1が自宅H1に戻る前に最後に通過した山地エリアの境界の位置を外部に公開可能な経路の終了位置とする。
【0220】
この構成によれば、閉じた領域の境界を用いて、固定的なプライベート領域を設定することが可能であり、これらの境界を用いて外部に公開可能な経路を適切な設定することが可能である。
【0221】
本実施形態に係る情報処理方法において、プライベート領域は、地図上に設定される閉じた領域のうちから、所定の道路に関する部分が除外された複数の領域により構成される。
【0222】
この構成によれば、自宅H1を含むプライベート領域を設定する場合に、自宅H1の近くに高速道路が存在するときでも、その高速道路に関する部分を避けるようにプライベート領域を設定することが可能である。
【0223】
本実施形態に係る情報処理装置110は、位置情報取得部101により取得された車両C1の位置情報に基づいて、自宅H1(登録場所の一例)を車両C1が出発する第1タイミングから、自宅H1に車両C1が戻る第2タイミングまでの車両C1の移動経路に関する第1経路情報を生成する情報処理装置である。情報処理装置110は、自宅H1を基準として設定されるプライベート領域の境界を車両C1が通過したことに基づいて、移動経路において外部に公開可能な経路の開始位置及び終了位置を設定する設定部124と、その移動経路における公開可能な経路に関する第2経路情報を生成する生成部125とを備える。なお、情報処理装置110の代わりに、情報処理装置110により実現される各処理を実行可能な複数の機器により構成される情報処理システムとしてもよい。
【0224】
この構成によれば、ユーザU1の自宅H1を出発地として、自宅H1に戻るまでの全経路のうち、プライベート領域に基づいて、プライバシーを保護しつつシェアすることが可能な経路を設定することができる。これにより、ユーザU1の自宅H1を出発地として、自宅H1に戻るまでの経路に関する経路情報について、プライバシーを保護しつつシェアすることが可能となる。すなわち、車両C1を利用した移動に関する移動履歴を利用する場合に、個人情報を適切に保護することが可能となる。
【0225】
なお、本実施形態で示した各処理手順は、本実施形態を実現するための一例を示したものであり、本実施形態を実現可能な範囲で各処理手順の一部の順序を入れ替えてもよく、各処理手順の一部を省略したり他の処理手順を追加したりしてもよい。
【0226】
なお、本実施形態で示した各処理は、各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムに基づいて実行されるものである。このため、本実施形態は、それらの各処理を実行する機能を実現するプログラム、そのプログラムを記憶する記録媒体の実施形態としても把握することができる。例えば、情報処理装置に新機能を追加するためのアップデート処理により、そのプログラムを情報処理装置の記憶装置に記憶させることができる。これにより、そのアップデートされた情報処理装置に本実施形態で示した各処理を実施させることが可能となる。
【0227】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0228】
100 情報処理システム、20 ネットワーク、110 情報処理装置、101、204 位置情報取得部、102、201 画像取得部、103、202 音取得部、104 センサ類、120、205、320 制御部、121 記録制御部、122 制御情報送信部、123 判定部、124、323 設定部124、324 生成部、130、206、330 記憶部、131 登録場所保持部、132 プライベート領域保持部、140、208、310 通信部、150、220 移動履歴情報DB、160、230 コンテンツ情報DB、203 操作受付部、207、340、350、360 表示部、208 音出力部、300 サーバ、321 経路情報処理部、322 経路情報提供部、MC1 電子機器、PC1~PC3 情報処理装置