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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080055
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/593 20210101AFI20240606BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240606BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240606BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/176
H01M50/55 101
H01M50/557
H01M50/533
H01M50/15
H01M50/188
H01M50/193
H01M50/184 A
H01M50/588
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192914
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 繁
(72)【発明者】
【氏名】内田 陽三
(72)【発明者】
【氏名】江原 強
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友紀
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011AA13
5H011EE02
5H011EE04
5H011FF04
5H011HH02
5H011KK01
5H043AA04
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA04
5H043CB04
5H043DA02
5H043DA09
5H043EA22
5H043JA02D
5H043JA09D
5H043KA22D
5H043KA45D
5H043LA02D
5H043LA21D
(57)【要約】
【課題】外装体の外側に液体が溜まりにくい電池を提供すること。
【解決手段】本開示技術に係る電池は、内部に発電要素を収納する外装体と、外装体の内部で発電要素に接続されるとともに外装体の外部に露出している端子面81を有する端子部材8とを有する電池であって、外装体の一部であるとともに端子部材8を貫通させる貫通孔52が形成されている導電性の封口体5と、封口体5と端子部材8との間の隙間を貫通孔52の全周にわたって閉鎖する絶縁性の封止樹脂部材10とを有し、封止樹脂部材10における封口体5の外側の外形として、端子部材8の外周に繋がる外向き部11と、外向き部11の外側に繋がり、外向き部11よりも急峻な傾斜により端子部材8から離れるほど封口体5の外面51からの厚さが減少している傾斜部12とが、いずれも端子面81の外縁82より外側に全周にわたって設けられているものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素と、内部に前記発電要素を収納する外装体と、前記外装体の内部で前記発電要素に接続されるとともに前記外装体の外側に露出している端子面を有する端子部材とを有する電池であって、
前記外装体の一部であるとともに前記端子部材を貫通させる貫通孔が形成されている導電性の封口体と、
前記封口体と前記端子部材との間の隙間を前記貫通孔の全周にわたって閉鎖する絶縁性の封止樹脂部材とを有し、
前記封止樹脂部材における前記封口体の外側の外形として、
前記端子部材の外周に繋がる外向き部と、
前記外向き部の外側に繋がり、前記外向き部よりも急峻な傾斜により前記端子部材から離れるほど前記封口体の外面からの厚さが減少している傾斜部とが、
いずれも前記端子面の外縁より外側に全周にわたって設けられている電池。
【請求項2】
請求項1に記載の電池であって、
前記傾斜部に、
前記外向き部の外側に繋がる急峻傾斜部と、
前記急峻傾斜部の外側に繋がり外縁が前記封口体の外面に繋がる緩慢傾斜部とが含まれており、
前記急峻傾斜部の傾斜よりも前記緩慢傾斜部の傾斜がより緩やかであり、
前記急峻傾斜部および前記緩慢傾斜部がいずれも、前記端子面を囲んで全周にわたって設けられている電池。
【請求項3】
請求項2に記載の電池であって、
前記緩慢傾斜部の形状が、前記端子部材から離れるほど傾斜が緩やかとなる凹曲面である電池。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電池であって、
前記封止樹脂部材における前記封口体の外側の外形に、前記緩慢傾斜部のさらに外側に繋がり傾斜が前記緩慢傾斜部より急峻な凸状面となっている段差箇所が含まれる電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外装体と、外装体の貫通孔を貫通した状態で設けられた端子と、を備える電池が知られている。例えば、特許文献1に開示されている電池では、端子と外装体の貫通孔との間が、絶縁性の樹脂部材によって埋められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-91656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の技術には、外装体の外側に液体が溜まりやすいという問題があった。端子と外装体の貫通孔との間を埋める樹脂部材のうち、外装体の外側に露出している部分は、例えば、外装体の外面に対してほぼ垂直に切り立つ壁面を有している。例えば、環境温度の変化によって電池の外面に結露が発生した場合、水の表面張力によって、外装体の外面と樹脂部材の壁面との間に水が集まりやすい。水が外装体の外面に溜まった状態となることは、短絡等の不具合の原因となる可能性があるという問題があった。
【0005】
なお、特許文献1には、「包囲部」と「第一当接部」との間にテーパ状の「接続部」が設けられている蓄電素子が開示されている。その蓄電素子では、「接続部」によって接続されている「包囲部」と「第一当接部」とはいずれも、樹脂製の「支持部」の一部である。つまり、この「接続部」は、絶縁性の樹脂部材と導電性の外装体との接続箇所ではない。このため、水が溜まってトラッキングが発生するような場所ではない。
【0006】
本開示技術は、前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、外装体の外側に液体が溜まりにくい電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示技術の一態様における電池は、発電要素と、内部に発電要素を収納する外装体と、外装体の内部で発電要素に接続されるとともに外装体の外側に露出している端子面を有する端子部材とを有する電池であって、外装体の一部であるとともに端子部材を貫通させる貫通孔が形成されている導電性の封口体と、封口体と端子部材との間の隙間を貫通孔の全周にわたって閉鎖する絶縁性の封止樹脂部材とを有し、封止樹脂部材における封口体の外側の外形として、端子部材の外周に繋がる外向き部と、外向き部の外側に繋がり、外向き部よりも急峻な傾斜により端子部材から離れるほど封口体の外面からの厚さが減少している傾斜部とが、いずれも端子面の外縁より外側に全周にわたって設けられているものである。
【0008】
上記態様における電池では、外装体の一部である封口体と端子部材との間が封止樹脂部材によって絶縁されている。そして、封止樹脂部材における封口体の外側の外形として、外向き部とその外側の傾斜部とが設けられ、傾斜部の封口体の外面からの厚さは端子部材から離れるほど減少している。つまり、封口体の外面に接する箇所では、封止樹脂部材の厚さが小さく、液体の集まり得るスペースは小さい。これにより、外装体の外側に液体が溜まりにくい電池となっている。
【0009】
上記態様に係る電池ではさらに、傾斜部に、外向き部の外側に繋がる急峻傾斜部と、急峻傾斜部の外側に繋がり外縁が封口体の外面に繋がる緩慢傾斜部とが含まれており、急峻傾斜部の傾斜よりも緩慢傾斜部の傾斜がより緩やかであり、急峻傾斜部および緩慢傾斜部がいずれも、端子面を囲んで全周にわたって設けられていることが望ましい。このようなものであれば、封口体の外面に繋がる箇所では、全周にわたって封止樹脂部材の傾斜がより緩やかであることから、封止樹脂部材と封口体との間には液体の集まり得るスペースがほとんど無く、封口体と封止樹脂部材との間に液体が集まりにくい。
【0010】
上記いずれかの態様に係る電池ではまた、緩慢傾斜部の形状が、端子部材から離れるほど傾斜が緩やかとなる凹曲面であることが望ましい。このようになっていれば、端子部材から封止樹脂部材の外周までの距離を大きくしすぎることなく、封止樹脂部材の傾斜をより緩やかなものとできる。
【発明の効果】
【0011】
本開示技術によれば、外装体の外側に液体が溜まりにくい電池が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る電池の外観斜視図である。
図2図1の電池における封口体および端子部材の斜視図である。
図3】端子部材の箇所の断面図である。
図4】端子部材の箇所の平面図である。
図5】封止樹脂部材の形状の例を拡大して示す断面図である。
図6】封止樹脂部材の傾斜部の角度の例を示す説明図である。
図7】封止樹脂部材の断面形状の例を示す説明図である。
図8】封止樹脂部材の断面形状の例を示す説明図である。
図9】封止樹脂部材の断面形状の例を示す説明図である。
図10】端子部材の箇所の平面図である。
図11】封止樹脂部材の断面形状の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示技術を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態に係る電池1は、概略、図1に示されるように、外装体2の内部に発電要素3を収納した二次電池である。
【0014】
図1に示すように、外装体2は、箱体4と封口体5とで構成されている。電池1は全体として平板角形状の外形のものである。図1中で上部に示す封口体5には、長手方向の両端付近に、正負の外部端子6、7が設けられている。外部端子6、7の箇所にはそれぞれ、端子部材8、9が、封止樹脂部材10を介して取り付けられている。端子部材8、9の一面(図1中で上方を向いている面)は、それぞれ、外装体2の外部に露出しており、他の電池などとの接続に利用される端子面となっている。
【0015】
図1に示した電池1における封口体5および外部端子6、7を、図2に示す。図2に示されるものは、封口体5に端子部材8、9を取り付け、封止樹脂部材10で固定した段階のものである。封口体5における外部端子6、7の箇所には、貫通孔が設けられており、端子部材8、9はその貫通孔を貫通して配置されている。図1の電池1では、図2中の端子部材8、9の下端部がそれぞれ、外装体2の内部で、発電要素3の正負の電極板と接続されている。電池1は、その発電要素3が箱体4に収納されて、封口体5と箱体4とが接合されたものである。
【0016】
端子部材8、9は金属部材または合金製の部材である。端子部材8、9に使用される主な金属種としては、アルミ、銅等が挙げられる。外装体2も金属部材または合金製の部材である。外装体2に使用される主な金属種としては、アルミ、ステンレス鋼等が挙げられる。つまり、端子部材8、9と、外装体2の一部である封口体5とは、いずれも導電性の部材である。封口体5と端子部材8、9との間には、それぞれ、封止樹脂部材10が設けられている。封止樹脂部材10は、絶縁性の合成樹脂で形成されている。
【0017】
封口体5における端子部材8の周囲の箇所を、図3の断面図と図4の平面図とに示す。図3は、図中に矢印で示すように、電池1の外部であって封口体5の外側を上方に、電池1の内部を下方に示す断面図である。図4は、端子部材8の周囲を、図3の外部側から見た図である。なお、以下の説明および各図では、端子部材8の箇所について説明するが、この構造は端子部材9の箇所でも同様である。
【0018】
図3に示すように、封口体5には、端子部材8を貫通させる貫通孔52が形成されている。端子部材8は、貫通孔52を通して、封口体5に接触しない位置であって、端子面81が封口体5の外面51よりも電池1の外部側に突出する位置に配置されている。そして、端子部材8と封口体5との間の隙間には、貫通孔52の全周にわたって封止樹脂部材10が設けられている。封止樹脂部材10によって、端子部材8と封口体5とが絶縁されている。
【0019】
図3図4に示すように、封口体5の外面51と、端子部材8の端子面81と、封止樹脂部材10の一部とが、電池1の外部に露出している。端子面81は、平面形状である。封止樹脂部材10の露出箇所は、図4に示すように、端子面81の外縁82を囲んで全周にわたって設けられている。外縁82は、端子面81の外周であり、図4の例では、長方形の枠線となっている。封止樹脂部材10は、図3図4に示すように、外縁82に繋がって、外縁82の全周に設けられた外向き部11と、外向き部11の外側に繋がって、外向き部11の全周に設けられた傾斜部12と、を有している。
【0020】
外向き部11と傾斜部12との形状の詳細を、図5の断面図に示す。図5は、図中に矢印で示すように、電池1の外部を上方に、電池1の内部を下方に示す断面図である。図5では、また、図中に矢印で示すように、端子部材8に近い側を右方に、遠い側を左方に示している。図5中で封口体5の外面51より上方に示す部分が、封口体5の外側に該当する。また、図5中で端子部材8の外縁82およびその延長線よりも左方に示す部分が、端子部材8より外側に該当する。
【0021】
図5に示すように、外向き部11は、端子面81とほぼ同一面内の平面形状である。傾斜部12は、急峻傾斜部121と、緩慢傾斜部122と、を含む。そして、急峻傾斜部121および緩慢傾斜部122のいずれも、端子面81を囲んで全周にわたって設けられている。急峻傾斜部121は、外向き部11に繋がって、外向き部11よりも端子部材8から遠い側ほど封口体5の外面51からの厚さが減少している部分である。緩慢傾斜部122は、急峻傾斜部121に繋がって、端子部材8から遠い側ほど封口体5の外面51からの厚さが減少している部分であり、端子部材8から遠い側の外縁が封口体5の外面51に繋がっている。なお、図5では、急峻傾斜部121と緩慢傾斜部122とをそれぞれ破線で囲って示しているが、どこを急峻傾斜部121と緩慢傾斜部122との境目と見なすかは、任意である。
【0022】
急峻傾斜部121および緩慢傾斜部122の傾斜角度の例を、図6に示す。図6に示すように、封口体5の外面51と急峻傾斜部121とのなす傾斜角度θ1は、90°より小さく、外面51と緩慢傾斜部122とのなす傾斜角度θ2よりも大きい。つまり、緩慢傾斜部122は、急峻傾斜部121よりも傾斜が緩やかであって、緩やかな角度で外面51に繋がる。なお、この図6では、外面51との傾斜角度について図示しているが、外向き部11や端子面81に対しても、同様に、急峻傾斜部121の傾斜角度は、緩慢傾斜部122の傾斜角度よりも大きい。
【0023】
外向き部11を有することで、端子部材8のうち封口体5の外面51より電池1の外部に配置される部分は、封口体5に対して確実に保持される。さらに、傾斜部12を有することで、外向き部11の外側の端部から封口体5の外面51に垂直に切り立っている形状の場合と比較して、封口体5と封止樹脂部材10との間に液体が集まりにくい。さらに、外向き部11のみの場合と比較すると、外面51がより広く覆われることから、端子部材8と封口体5との露出している箇所同士の間の距離が大きく、また、介在する絶縁部材である封止樹脂部材10による沿面距離が長く、絶縁性がより良好である。
【0024】
なお、封止樹脂部材10は、例えば、インサート成形によって形成される。つまり、端子部材8、9を封口体5の貫通孔52に貫通させた状態で金型中に配置し、その金型を用いて合成樹脂を射出成形することで、図2に示したように、封止樹脂部材10が形成される。図2等に示した封止樹脂部材10の形状は、インサート成形に用いる金型の形状によって実現される。
【0025】
傾斜部12の断面形状は、急峻傾斜部121と緩慢傾斜部122とで曲率が等しい円弧状の凹曲面、すなわち円柱面であっても良いし、途中で曲率が変化するスプライン曲線状の凹曲面であっても良い。このように、緩慢傾斜部122の形状が、端子部材8から離れるほど傾斜が緩やかとなる凹曲面であれば、端子部材8から封止樹脂部材10の外縁までの外面51上での距離を大きくすることなく、外縁における外面51とのなす角度を小さくできる。
【0026】
また、傾斜部12は、急峻傾斜部121と緩慢傾斜部122とを有するとしたが、これらに分かれていなくても良い。つまり、一様の傾斜を有する傾斜部12であっても良い。ただし、急峻傾斜部121と緩慢傾斜部122とを有するものとすれば、傾斜部12の外縁における外面51とのなす角度を小さくすることが容易となる。
【0027】
なお、傾斜部12の断面形状は、図5図6に示すような、連続した凹曲面形状に限らない。例えば、図7に示すように、平面形状の急峻傾斜部121と凹曲面形状の緩慢傾斜部122とが繋がった形状であっても良い。また、例えば、図8に示すように、ともに平面形状の急峻傾斜部121と緩慢傾斜部122とが繋がった形状であっても良い。これらの例でも、急峻傾斜部121や緩慢傾斜部122は、外向き部11よりも急峻な傾斜をなし、さらに、急峻傾斜部121よりも緩慢傾斜部122の傾斜がより緩やかな傾斜となっている。
【0028】
また、傾斜部12は、図9に示すように、緩慢傾斜部122のさらに外側に、緩慢傾斜部122に繋がる段差箇所123を含んでいても良い。段差箇所123は、緩慢傾斜部122よりも傾斜が急峻な凸状面となっている。例えば、製造上の都合により、意図せず僅かな段差箇所が生じることはあり得る。ただし、段差箇所123の外面51からの高さLは、例えば、外面51と外向き部11との面間の距離Hの4分の1以下であることが好ましい。小さな段差箇所123があっても、封口体5と封止樹脂部材10との間には、液体が集まり得るスペースがほとんど無く、液体が集まりにくい。
【0029】
また、封止樹脂部材10は、端子部材8の端子面81の全周にわたって設けられていればよく、平面視での端子面81や封止樹脂部材10の形状は、図4に示したような四角形状に限らない。例えば、端子面81の形状は、長方形に限らず、角丸長方形、正方形、円形、楕円形等、どのような形状でも良い。また、封止樹脂部材10は、端子面81の全周にわたって均一な幅を有するものに限らず、例えば、図10に示すように部分的な凸部101を含んでも良いし、部分的な凹部を含んでいても良い。
【0030】
また、外向き部11は、端子面81と同一平面であるとしたが、例えば、図11に示すように、外縁82から離れるほど封口体5の外面51に近づく向きの斜面であって、傾斜部12よりも緩やかな傾斜の斜面であっても良い。また、外向き部11と傾斜部12との間は、角部が設けられる代わりに、なだらかに繋がっていても良い。
【0031】
以上詳細に説明したように本実施の形態に係る電池1では、封口体5と端子部材8、9との間が封止樹脂部材10によって絶縁されている。そして、封止樹脂部材10における封口体5の外部側の形状として、端子部材8、9の外周に繋がる外向き部11と、封口体5の外面51からの厚さが端子部材8、9から離れるほど小さい傾斜部12と、が設けられている。従って、封止樹脂部材10と封口体5との間には液体の集まり得るスペースがほとんど無く、外装体2の外側に液体が溜まりにくい電池1となっている。
【0032】
本実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示技術を何ら限定するものではない。従って、本開示技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、電池1の電池種に特段の限定はなく、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等であっても良い。また、例えば、電池1の外形形状や、発電要素3の形状、外部端子6、7の配置は、いずれも図示の例に限らない。
【0033】
また、本実施の形態では、端子部材8、9の両方に同様の形状の封止樹脂部材10を設けるとしたが、これに限らない。本開示技術は、端子部材8、9のいずれか一方のみに適用しても良い。また、端子部材8と端子部材9とで、異なる形状の封止樹脂部材10を設けても良い。
【0034】
また、例えば、図3では、端子面81と封止樹脂部材10の外向き部11とは、同一面内にあるとしたが、端子面81は、封止樹脂部材10よりも外部側に突出していても良い。また、例えば、図3では、断面がL字状の端子部材8を示しているが、端子部材8、9の形状は、これに限らない。
【符号の説明】
【0035】
1 電池 10 封止樹脂部材
2 外装体 11 外向き部
3 発電要素 12 傾斜部
5 封口体
8 端子部材
9 端子部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11