(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080057
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】鉄筋用スペーサー
(51)【国際特許分類】
E04C 5/20 20060101AFI20240606BHJP
E04C 5/18 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
E04C5/20
E04C5/18 104
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192927
(22)【出願日】2022-12-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・販売日:2022年6月2日、販売場所:福井県福井市殿下町56-7-1 ・販売日:2022年6月3日、販売場所:石川県金沢市宮野町口1-1 (現場名)金沢森本IC~小矢部IC間床版取替工事 ・販売日:2022年6月3日、販売場所:埼玉県さいたま市桜区西堀9-19 (現場名)西堀日向トンネル築造工事
(71)【出願人】
【識別番号】500003040
【氏名又は名称】アートスペース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】小谷 能行
【テーマコード(参考)】
2E164
【Fターム(参考)】
2E164BA10
2E164BA46
2E164BA48
2E164BA49
2E164BA50
(57)【要約】
【課題】複数の載置部を識別することが容易な鉄筋用スペーサーを提供する。
【解決手段】鉄筋用スペーサー1は、第1角部11と第2角部12と第3角部13と第4角部14と第1載置部21と第3載置部23を備える。第1載置部21は、第1角部11と第2角部12の間に配置される。第3載置部23は、第3角部13と第4角部14の間に配置される。記号表示部40は、第1記号41と第2記号42と第3記号43と第4記号44を表示する。第1記号41は第1角部11に配置される。第2記号42は第2角部12に配置される。第3記号43は第3角部13に配置される。第4記号44は第4角部14に配置される。第1記号41と第2記号42からなる第1の記号組み合わせK1は、第3記号43と第4記号44からなる第3の記号組み合わせK3と異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋用スペーサーであって、
第1角部と、
第2角部と、
第3角部と、
第4角部と、
前記第1角部と前記第2角部の間に配置される第1載置部と、
前記第3角部と前記第4角部の間に配置される第3載置部と、
前記第1角部に第1記号を表示し、前記第2角部に第2記号を表示し、前記第3角部に第3記号を表示し、前記第4角部に第4記号を表示する記号表示部と、
を備え、
前記第1記号と前記第2記号からなる第1の記号組み合わせは、前記第3記号と前記第4記号からなる第3の記号組み合わせと異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記第2記号は、前記第1記号と同じ形状を有し、
前記第3記号および前記第4記号の少なくともいずれかは、第1記号と異なる形状を有する
鉄筋用スペーサー。
【請求項3】
請求項1に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記第1記号、前記第2記号、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ、「○」、「◎」、「×」、「△」、「□」および「(ブランク)」のいずれか1つである
鉄筋用スペーサー。
【請求項4】
請求項1に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
鉄筋が前記第1載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第1被り寸法は、鉄筋が前記第3載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第3被り寸法と異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項5】
請求項1に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
鉄筋が前記第1載置部に載置されるとき、前記第1載置部は上方を向き、鉄筋は前記第1載置部の上に載置され、前記第1角部と前記第2角部はそれぞれ前記第1載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第1記号および前記第2記号はそれぞれ前記第1載置部上の鉄筋の側方に位置し、
鉄筋が前記第3載置部に載置されるとき、前記第3載置部は上方を向き、鉄筋は前記第3載置部の上に載置され、前記第3角部と前記第4角部はそれぞれ前記第3載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ前記第3載置部上の鉄筋の側方に位置する
鉄筋用スペーサー。
【請求項6】
請求項1に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記鉄筋用スペーサーは、
前記第2角部と前記第3角部の間に配置される第2載置部と、
を備え、
前記第2記号と前記第3記号からなる第2の記号組み合わせは、前記第1の記号組み合わせと異なり、かつ、前記第3の記号組み合わせと異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項7】
請求項6に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
鉄筋が前記第1載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第1被り寸法と、鉄筋が前記第2載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第2被り寸法と、鉄筋が前記第3載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第3被り寸法は、互いに異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項8】
請求項6に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
鉄筋が前記第1載置部に載置されるとき、前記第1載置部は上方を向き、鉄筋は前記第1載置部の上に載置され、前記第1角部と前記第2角部はそれぞれ前記第1載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第1記号および前記第2記号はそれぞれ前記第1載置部上の鉄筋の側方に位置し、
鉄筋が前記第2載置部に載置されるとき、前記第2載置部は上方を向き、鉄筋は前記第2載置部の上に載置され、前記第2角部と前記第3角部はそれぞれ前記第2載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第2記号および前記第3記号はそれぞれ前記第2載置部上の鉄筋の側方に位置し、
鉄筋が前記第3載置部に載置されるとき、前記第3載置部は上方を向き、鉄筋は前記第3載置部の上に載置され、前記第3角部と前記第4角部はそれぞれ前記第3載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ前記第3載置部上の鉄筋の側方に位置する
鉄筋用スペーサー。
【請求項9】
請求項6に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記鉄筋用スペーサーは、
前記第4角部と前記第1角部の間に配置される第4載置部と、
を備え、
前記第4記号と前記第1記号からなる第4の記号組み合わせは、前記第1の記号組み合わせと異なり、かつ、前記第3の記号組み合わせと異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項10】
請求項9に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
鉄筋が前記第1載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第1被り寸法と、鉄筋が前記第2載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第2被り寸法と、鉄筋が前記第3載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第3被り寸法は、互いに異なり、
前記第1被り寸法と前記第3被り寸法と、鉄筋が前記第4載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第4被り寸法は、互いに異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項11】
請求項9に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記第4の記号組み合わせは、前記第2の記号組み合わせと異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項12】
請求項11に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記第4被り寸法は、前記第2被り寸法と異なる
鉄筋用スペーサー。
【請求項13】
請求項9に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記第4の記号組み合わせは、前記第2の記号組み合わせと共通である
鉄筋用スペーサー。
【請求項14】
請求項13に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
前記第4被り寸法は、前記第2被り寸法と等しい
鉄筋用スペーサー。
【請求項15】
請求項9に記載の鉄筋用スペーサーにおいて、
鉄筋が前記第1載置部に載置されるとき、前記第1載置部は上方を向き、鉄筋は前記第1載置部の上に載置され、前記第1角部と前記第2角部はそれぞれ前記第1載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第1記号および前記第2記号はそれぞれ前記第1載置部上の鉄筋の側方に位置し、
鉄筋が前記第2載置部に載置されるとき、前記第2載置部は上方を向き、鉄筋は前記第2載置部の上に載置され、前記第2角部と前記第3角部はそれぞれ前記第2載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第2記号および前記第3記号はそれぞれ前記第2載置部上の鉄筋の側方に位置し、
鉄筋が前記第3載置部に載置されるとき、前記第3載置部は上方を向き、鉄筋は前記第3載置部の上に載置され、前記第3角部と前記第4角部はそれぞれ前記第3載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ前記第3載置部上の鉄筋の側方に位置し、
鉄筋が前記第4載置部に載置されるとき、前記第4載置部は上方を向き、鉄筋は前記第4載置部の上に載置され、前記第4角部と前記第1角部はそれぞれ前記第4載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第4記号および前記第1記号はそれぞれ前記第4載置部上の鉄筋の側方に位置する
鉄筋用スペーサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋用スペーサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋用スペーサーは、第1載置部と第2載置部と数字表示部を備える。数字表示部は、第1数字と第2数字を表示する。第1、第2数字はそれぞれ、第1、第2載置部の近傍に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1、第2数字はそれぞれ、例えば、2桁または3桁の数字である。第1数字および第2数字の少なくともいずれかは、整数部分に加えて小数部分を含むことがある。第1数字と第2数字は、互いに近い値をとることが多い。このため、数字表示部を利用しても、第1載置部と第2載置部を識別し難いことがある。特に、日本語を母国語としない作業者にとっては、数字表示部に基づいて第1載置部と第2載置部を識別することがとても難しいことがある。
【0005】
例えば、第2載置部ではなく第1載置部に鉄筋を載置する作業を行う場合を想定する。この場合、第1数字の近傍の載置部に鉄筋を載置するように作業者に指示したとしても、その指示自体が作業者に伝わりにくいことがある。仮に、指示が作業者に適切に伝達されたとしても、作業者が、鉄筋用スペーサーを一目見ただけで瞬時に、第1載置部を特定し難いことがある。
【0006】
このような事情に鑑みて、本発明は、複数の載置部を識別することが容易な鉄筋用スペーサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明は、鉄筋用スペーサーであって、第1角部と、第2角部と、第3角部と、第4角部と、前記第1角部と前記第2角部の間に配置される第1載置部と、前記第3角部と前記第4角部の間に配置される第3載置部と、前記第1角部に第1記号を表示し、前記第2角部に第2記号を表示し、前記第3角部に第3記号を表示し、前記第4角部に第4記号を表示する記号表示部と、を備え、前記第1記号と前記第2記号からなる第1の記号組み合わせは、前記第3記号と前記第4記号からなる第3の記号組み合わせと異なる鉄筋用スペーサーである。
【0008】
鉄筋用スペーサーは、第1-第4角部と第1、第3載置部を備える。第1載置部は、第1角部と第2角部の間に配置される。第3載置部は、第3角部と第4角部の間に配置される。鉄筋用スペーサーは、さらに、記号表示部を備える。記号表示部は、第1-第4記号を表示する。第1-第4記号はそれぞれ、第1-第4角部に配置される。このため、第1記号と第2記号は、第1載置部を挟む。第1記号と第2記号は、第1載置部の両側方に配置される。第3記号と第4記号は、第3載置部を挟む。第3記号と第4記号は、第3載置部の両側方に配置される。よって、第1-第4記号はそれぞれ、見え易い。第1-第2記号は、第1の記号組み合わせを構成する。第3-第4記号は、第3の記号組み合わせを構成する。第1の記号組み合わせも、見え易い。第3の記号組み合わせも、見え易い。ここで、第3の記号組み合わせは、第1の記号組み合わせと異なる。このため、第1、第3の記号組み合わせを識別することは、容易である。よって、記号表示部を利用することによって、第1、第3載置部を識別することは容易である。
【0009】
以上の通り、本鉄筋用スペーサーによれば、第1載置部と第3載置部は容易に識別される。
【0010】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第2記号は、前記第1記号と同じ形状を有し、前記第3記号および前記第4記号の少なくともいずれかは、第1記号と異なる形状を有することが好ましい。第1-第4記号は、第1の記号組み合わせと第3の記号組み合わせを好適に異ならせる。
【0011】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第3記号は、前記第1記号と異なる形状を有し、前記第4記号は、前記第1記号と異なる形状を有することが好ましい。第3-第4記号はいずれも、第1記号と異なる形状を有する。このため、第1の記号組み合わせと第3の記号組み合わせとの間の差異は、顕著である。よって、第1、第3の記号組み合わせを識別することは一層容易である。したがって、第1、第3載置部を識別することは一層容易である。
【0012】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第1記号、前記第2記号、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ、「○」、「◎」、「×」、「△」、「□」、「(ブランク)」のいずれか1つであることが好ましい。記号「○」は、数字よりも単純な形状である。同様に、記号「◎」、「×」、「△」、「□」および「(ブランク)」はそれぞれ、数字よりも単純な形状である。このため、第1-第4記号はそれぞれ、単純な形状を有する。よって、第1、第3の記号組み合わせを識別することは一層容易である。したがって、第1、第3載置部を識別することは一層容易である。
【0013】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第1記号、前記第2記号、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ、「○」、「◎」、「×」、「□」、「(ブランク)」のいずれか1つであることが好ましい。鉄筋用スペーサーが上下に反転しても、記号「○」は同じ形状を呈する。同様に、鉄筋用スペーサーが上下に反転しても、記号「◎」、「×」、「□」および「(ブランク)」はそれぞれ、同じ形状を呈する。このため、鉄筋用スペーサーの姿勢に関わらず、第1-第4記号はそれぞれ、高い可読性を有する。鉄筋用スペーサーの姿勢に関わらず、第1、第3の記号組み合わせもそれぞれ、高い可読性を有する。よって、第1、第3の記号組み合わせを識別することは一層容易である。したがって、第1、第3載置部を識別することは一層容易である。
【0014】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第1記号、前記第2記号、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ、「○」、「×」および「(ブランク)」のいずれか1つであることが好ましい。記号表示部は簡素である。
【0015】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第1記号、前記第2記号、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ、「○」および「×」のいずれか1つであることが好ましい。記号表示部は一層簡素である。
【0016】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、鉄筋が前記第1載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第1被り寸法は、鉄筋が前記第3載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第3被り寸法と異なることが好ましい。第1被り寸法と第3被り寸法が異なる場合、第1、第3載置部が互いに容易に識別されることは著しく有用である。すなわち、第1被り寸法と第3被り寸法が異なる場合、記号表示部は著しく有用である。
【0017】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、鉄筋が前記第1載置部に載置されるとき、前記第1載置部は上方を向き、鉄筋は前記第1載置部の上に載置され、前記第1角部と前記第2角部はそれぞれ前記第1載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第1記号および前記第2記号はそれぞれ前記第1載置部上の鉄筋の側方に位置し、鉄筋が前記第3載置部に載置されるとき、前記第3載置部は上方を向き、鉄筋は前記第3載置部の上に載置され、前記第3角部と前記第4角部はそれぞれ前記第3載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ前記第3載置部上の鉄筋の側方に位置することが好ましい。鉄筋が第1載置部に載置されても、第1、第2記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が第1載置部に載置されても、第1の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第1載置部に載置された後であっても、第1載置部を識別することは容易である。鉄筋が第3載置部に載置されても、第3、第4記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が第3載置部に載置されても、第3の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第3載置部に載置された後であっても、第3載置部を識別することは容易である。
【0018】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記鉄筋用スペーサーは、前記第2角部と前記第3角部の間に配置される第2載置部と、を備え、前記第2記号と前記第3記号からなる第2の記号組み合わせは、前記第1の記号組み合わせと異なり、かつ、前記第3の記号組み合わせと異なることが好ましい。鉄筋用スペーサーは、さらに第2載置部を備える。第2載置部は、第2角部と第3角部の間に配置される。このため、第2記号と第3記号は、第2載置部を挟む。第2記号と第3記号は、第2載置部の両側方に配置される。よって、第2記号と第3記号は、見え易い。第2記号と第3記号は、第2の記号組み合わせを構成する。第2の記号組み合わせも、見え易い。ここで、第2の記号組み合わせは、第1の記号組み合わせと異なる。第2の記号組み合わせは、第3の記号組み合わせと異なる。上述の通り、第3の記号組み合わせは、第1の記号組み合わせと異なる。このため、第1-第3の記号組み合わせを識別することは、容易である。よって、記号表示部を利用することによって、第1-第3載置部を識別することは容易である。
【0019】
以上の通り、本鉄筋用スペーサーによれば、第1載置部と第2載置部と第3載置部は容易に識別される。
【0020】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第2記号は、前記第1記号と同じ形状を有し、前記第3記号は、前記第1記号と異なる形状を有し、前記第4記号は、前記第1記号と異なる形状を有することが好ましい。第1-第4記号は、第1の記号組み合わせと第2の記号組み合わせと第3の記号組み合わせを好適に異ならせる。
【0021】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、鉄筋が前記第1載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第1被り寸法と、鉄筋が前記第2載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第2被り寸法と、鉄筋が前記第3載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第3被り寸法は、互いに異なることが好ましい。第1-第3被り寸法が互いに異なる場合、第1-第3載置部が互いに容易に識別されることは著しく有用である。すなわち、第1-第3被り寸法が互いに異なる場合、記号表示部は著しく有用である。
【0022】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、鉄筋が前記第1載置部に載置されるとき、前記第1載置部は上方を向き、鉄筋は前記第1載置部の上に載置され、前記第1角部と前記第2角部はそれぞれ前記第1載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第1記号および前記第2記号はそれぞれ前記第1載置部上の鉄筋の側方に位置し、鉄筋が前記第2載置部に載置されるとき、前記第2載置部は上方を向き、鉄筋は前記第2載置部の上に載置され、前記第2角部と前記第3角部はそれぞれ前記第2載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第2記号および前記第3記号はそれぞれ前記第2載置部上の鉄筋の側方に位置し、鉄筋が前記第3載置部に載置されるとき、前記第3載置部は上方を向き、鉄筋は前記第3載置部の上に載置され、前記第3角部と前記第4角部はそれぞれ前記第3載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ前記第3載置部上の鉄筋の側方に位置することが好ましい。鉄筋が第1載置部に載置されても、第1、第2記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が前記第1載置部に載置されても、第1の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第1載置部に載置された後であっても、第1載置部を識別することは容易である。鉄筋が第2載置部に載置されても、第2、第3記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が第2載置部に載置されても、第2の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第2載置部に載置された後であっても、第2載置部を識別することは容易である。鉄筋が第3載置部に載置されても、第3、第4記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が第3載置部に載置されても、第3の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第3載置部に載置された後であっても、第3載置部を識別することは容易である。
【0023】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記鉄筋用スペーサーは、前記第4角部と前記第1角部の間に配置される第4載置部と、を備え、前記第4記号と前記第1記号からなる第4の記号組み合わせは、前記第1の記号組み合わせと異なり、かつ、前記第3の記号組み合わせと異なることが好ましい。鉄筋用スペーサーは、さらに第4載置部を備える。第4載置部は、第4角部と第1角部の間に配置される。このため、第4記号と第1記号は、第4載置部を挟む。第4記号と第1記号は、第4載置部の両側方に配置される。よって、第4記号と第1記号は、見え易い。第4記号と第1記号は、第4の記号組み合わせを構成する。第4の記号組み合わせも、見え易い。ここで、第4の記号組み合わせは、第1の記号組み合わせと異なる。第4の記号組み合わせは、第3の記号組み合わせと異なる。上述の通り、第3の記号組み合わせは、第1の記号組み合わせと異なる。このため、第1、第3、第4の記号組み合わせを識別することは、容易である。よって、記号表示部を利用することによって、第1、第3、第4載置部を識別することは容易である。
【0024】
以上の通り、本鉄筋用スペーサーによれば、第1載置部と第3載置部と第4載置部は容易に識別される。
【0025】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、鉄筋が前記第1載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第1被り寸法と、鉄筋が前記第2載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第2被り寸法と、鉄筋が前記第3載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第3被り寸法は、互いに異なり、前記第1被り寸法と前記第3被り寸法と、鉄筋が前記第4載置部に載置されるときに確保される鉄筋の第4被り寸法は、互いに異なることが好ましい。第1-第3被り寸法が互いに異なる場合、第1-第3載置部が互いに容易に識別されることは著しく有用である。すなわち、第1-第3被り寸法が互いに異なる場合、記号表示部は著しく有用である。第1、第3、第4被り寸法が互いに異なる場合、第1、第3、第4載置部が互いに容易に識別されることは著しく有用である。すなわち、第1、第3、第4被り寸法が互いに異なる場合、記号表示部は著しく有用である。
【0026】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第4の記号組み合わせは、前記第2の記号組み合わせと異なることが好ましい。このため、第2、第4の記号組み合わせを識別することは、容易である。よって、記号表示部を利用することによって、第2、第4載置部を識別することは容易である。
【0027】
以上の通り、本鉄筋用スペーサーによれば、第2載置部と第4載置部は容易に識別される。
【0028】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第2記号は、前記第1記号と同じ形状を有し、前記第3記号は、前記第1記号と異なる形状を有し、前記第4記号は、前記第1記号と異なる形状であって前記第3記号と異なる形状を有することが好ましい。第1-第4記号は、第1の記号組み合わせと第2の記号組み合わせと第3の記号組み合わせと第4の記号組み合わせを好適に異ならせる。
【0029】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第4被り寸法は、前記第2被り寸法と異なることが好ましい。第2、第4被り寸法が互いに異なる場合、第2、第4載置部が互いに容易に識別されることは著しく有用である。具体的には、第2、第4被り寸法が互いに異なる場合、第2の記号組み合わせが第4の記号組み合わせと異なることは有用である。
【0030】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第4の記号組み合わせは、前記第2の記号組み合わせと共通であることが好ましい。このため、第2の記号組み合わせと第4の記号組み合わせを識別することは、容易ではない。よって、記号表示部を利用しても、第2載置部と第4載置部を識別することは、容易ではない。
【0031】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第2記号は、前記第1記号と同じ形状を有し、前記第3記号は、前記第1記号と異なる形状を有し、前記第4記号は、前記第3記号と同じ形状を有することが好ましい。第1-第4記号は、第1の記号組み合わせと第2の記号組み合わせと第3の記号組み合わせを好適に異ならせる。さらに、第1-第4記号は、第2の記号組み合わせと第4の記号組み合わせを好適に等しくさせる。
【0032】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、前記第4被り寸法は、前記第2被り寸法と等しいことが好ましい。第2、第4被り寸法が互いに同じ場合、第2の記号組み合わせと第4の記号組み合わせが共通であることは有用である。
【0033】
上述の鉄筋用スペーサーにおいて、鉄筋が前記第1載置部に載置されるとき、前記第1載置部は上方を向き、鉄筋は前記第1載置部の上に載置され、前記第1角部と前記第2角部はそれぞれ前記第1載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第1記号および前記第2記号はそれぞれ前記第1載置部上の鉄筋の側方に位置し、鉄筋が前記第2載置部に載置されるとき、前記第2載置部は上方を向き、鉄筋は前記第2載置部の上に載置され、前記第2角部と前記第3角部はそれぞれ前記第2載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第2記号および前記第3記号はそれぞれ前記第2載置部上の鉄筋の側方に位置し、鉄筋が前記第3載置部に載置されるとき、前記第3載置部は上方を向き、鉄筋は前記第3載置部の上に載置され、前記第3角部と前記第4角部はそれぞれ前記第3載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第3記号および前記第4記号はそれぞれ前記第3載置部上の鉄筋の側方に位置し、鉄筋が前記第4載置部に載置されるとき、前記第4載置部は上方を向き、鉄筋は前記第4載置部の上に載置され、前記第4角部と前記第1角部はそれぞれ前記第4載置部よりも上方に突出し、かつ、前記第4記号および前記第1記号はそれぞれ前記第4載置部上の鉄筋の側方に位置することが好ましい。鉄筋が第1載置部に載置されても、第1、第2記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が前記第1載置部に載置されても、第1の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第1載置部に載置された後であっても、第1載置部を識別することは容易である。鉄筋が第2載置部に載置されても、第2、第3記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が第2載置部に載置されても、第2の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第2載置部に載置された後であっても、第2載置部を識別することは容易である。鉄筋が第3載置部に載置されても、第3、第4記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が第3載置部に載置されても、第3の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第3載置部に載置された後であっても、第3載置部を識別することは容易である。鉄筋が第4載置部に載置されても、第4、第1記号はそれぞれ見え易い。よって、鉄筋が第4載置部に載置されても、第4の記号組み合わせは見え易い。したがって、鉄筋が第4載置部に載置された後であっても、第4載置部を識別することは容易である。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る鉄筋用スペーサーによれば、第1載置部と第3載置部を識別することは容易である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの正面図である。
【
図2】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの背面図である。
【
図3】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの平面図である。
【
図4】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの底面図である。
【
図5】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの右側面図である。
【
図10】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの斜視図である。
【
図11】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す正面図である。
【
図12】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す斜視図である。
【
図13】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す正面図である。
【
図14】第1実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す斜視図である。
【
図15】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの正面図である。
【
図16】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの背面図である。
【
図17】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの平面図である。
【
図18】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの底面図である。
【
図19】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの右側面図である。
【
図20】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの左側面図である。
【
図25】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの斜視図である。
【
図26】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す正面図である。
【
図27】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す斜視図である。
【
図28】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す正面図である。
【
図29】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す斜視図である。
【
図30】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第3使用例を示す正面図である。
【
図31】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第3使用例を示す斜視図である。
【
図32】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第4使用例を示す正面図である。
【
図33】第2実施形態の鉄筋用スペーサーの第4使用例を示す斜視図である。
【
図34】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの正面図である。
【
図35】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの背面図である。
【
図36】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの平面図である。
【
図37】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの底面図である。
【
図38】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの右側面図である。
【
図39】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの左側面図である。
【
図44】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの斜視図である。
【
図45】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す正面図である。
【
図46】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す斜視図である。
【
図47】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す正面図である。
【
図48】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す斜視図である。
【
図49】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第3使用例を示す正面図である。
【
図50】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第3使用例を示す斜視図である。
【
図51】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第4使用例を示す正面図である。
【
図52】第3実施形態の鉄筋用スペーサーの第4使用例を示す斜視図である。
【
図53】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの正面図である。
【
図54】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの背面図である。
【
図55】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの平面図である。
【
図56】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの底面図である。
【
図57】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの右側面図である。
【
図62】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの斜視図である。
【
図63】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す正面図である。
【
図64】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの第1使用例を示す斜視図である。
【
図65】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す正面図である。
【
図66】変形実施形態の鉄筋用スペーサーの第2使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図面を参照して、本発明の鉄筋用スペーサーを説明する。鉄筋用スペーサーは、鉄筋の被り寸法を確保するためのものである。「被り寸法」は、「被り厚さ」とも呼ばれる。鉄筋用スペーサーは、複数の載置部を備える。鉄筋用スペーサーは、複数の向きで使用される。鉄筋は、いずれかの載置部に載置される。
【0037】
1.第1実施形態
図1-
図10はそれぞれ、第1実施形態の鉄筋用スペーサー1を示す。なお、鉄筋用スペーサー1の左側面図は、
図5の鉄筋用スペーサー1の右側面図と対称にあらわれる。第1実施形態の鉄筋用スペーサー1は、2つの載置部を備える。第1実施形態の鉄筋用スペーサー1は、2つの向きで使用可能である。第1実施形態の鉄筋用スペーサー1は、2種類の鉄筋の被り寸法を選択的に確保可能である。
【0038】
鉄筋用スペーサー1の材質は、例えば、コンクリート、モルタル、樹脂、セラミックおよび金属の少なくともいずれかである。
【0039】
鉄筋用スペーサー1は、略ボックス形状を有する。鉄筋用スペーサー1は、略直方体形状を有する。鉄筋用スペーサー1は、前面5および裏面6を有する。前面5および裏面6はそれぞれ、略矩形形状を有する。前面5の少なくとも一部は、平坦である。例えば、裏面6の全部は、平坦である。鉄筋用スペーサー1は、貫通孔7を備える。貫通孔7は、前面5から裏面6に、貫通する。貫通孔7は、前面5の略中心と裏面6の略中心を通る。
【0040】
鉄筋用スペーサー1は、第1角部11と第2角部12と第3角部13と第4角部14を有する。第1-第4角部11-14はそれぞれ、前面5/裏面6の四隅に位置する。
【0041】
鉄筋用スペーサー1は、第1載置部21と第3載置部23を備える。第1載置部21は、第1角部11と第2角部12の間に配置される。第1角部11と第2角部12は、第1載置部21を挟む。第1角部11と第2角部12は、第1載置部21の両側方に配置される。第3載置部23は、第3角部13と第4角部14の間に配置される。第3角部13と第4角部14は、第3載置部23を挟む。第3角部13と第4角部14は、第3載置部23の両側方に配置される。
【0042】
第1-第4角部11-14はそれぞれ、正面視および背面視において、鉄筋用スペーサー1の外方に向かって膨らむように湾曲する。第1、第3載置部21、23はそれぞれ、正面視および背面視において、鉄筋用スペーサー1の中心に向かって凹むように、湾曲する。第1角部11と第1載置部21と第2角部12は、滑らかに連続している。第3角部13と第3載置部23と第4角部14も、滑らかに連続している。第1、第3載置部21、23はそれぞれ、鉄筋を載置可能である。
【0043】
前面5は、平坦部Fと第1-第4溝部G1、G2、G3、G4を含む。平坦部Fは、前面5の中心と第1-第4角部11-14に及ぶ。第1溝部G1は、正面視において、前面5の中心と第1載置部21の間に配置される。第2溝部G2は、正面視において、前面5の中心と第2角部12と第3角部13の間に配置される。第3溝部G3は、正面視において、前面5の中心と第3載置部23の間に配置される。第4溝部G4は、正面視において、前面5の中心と第4角部14と第1角部11の間に配置される。
【0044】
鉄筋用スペーサー1は、数字表示部30を備える。数字表示部30は、前面5に配置される。数字表示部30は、第1数字31と第3数字33を表示する。第1数字31は、第1載置部21の近傍に配置される。例えば、第1数字31は、正面視において、鉄筋用スペーサー1の中心と第1載置部21の間に配置される。例えば、第1数字31は、第1溝部G1に配置される。第3数字33は、第3載置部23の近傍に配置される。例えば、第3数字33は、正面視において、鉄筋用スペーサー1の中心と第3載置部23の間に配置される。例えば、第3数字33は、第3溝部G3に配置される。第1数字31および第3数字33はそれぞれ、例えば、凹凸形状、印刷、塗装などによって、表示される。
【0045】
第1数字31は、例えば、「70」である。第3数字33は、例えば、「75」である。
【0046】
鉄筋用スペーサー1は、記号表示部40を備える。記号表示部40は、前面5に配置される。記号表示部40は、第1記号41と第2記号42と第3記号43と第4記号44を表示する。第1-第4記号41-44はそれぞれ、第1-第4角部11-14に配置される。例えば、第1-第4記号41-44はそれぞれ、平坦部Fに配置される。第1記号41と第2記号42は、第1載置部21を挟む。第1記号41と第2記号42は、第1載置部21の両側方に配置される。第3記号43と第4記号44は、第3載置部23を挟む。第3記号43と第4記号44は、第3載置部23の両側方に配置される。
【0047】
例えば、第1-第4記号41-44はそれぞれ、簡単な図形である。例えば、第1-第4記号41-44はそれぞれ、符号である。例えば、第1記号41は、文字を含まない。同様に、第2-4記号42-44もそれぞれ、文字を含まない。例えば、第1記号41は、数字を含まない。同様に、第2-4記号42-44もそれぞれ、数字を含まない。
【0048】
図7、
図9に示す通り、第1-第4記号41-44はそれぞれ、凹凸形状によって、表示される。第1-第4記号41-44はそれぞれ、例えば、細長い凹溝によって、表示される。凹溝は、平坦部Fから凹む。凹溝は、凹条とも呼ばれる。但し、これに限られない。例えば、第1-第4記号41-44の少なくとも一部は、細長い凸条によって、表示されてもよい。凸条は、畝状に連なった凸部である。凸条は、平坦部Fから隆起する。あるいは、第1-第4記号41-44の少なくとも一部は、印刷、塗装などによって、表示されてもよい。
【0049】
第2記号42は、第1記号41と同じ形状を有する。第3記号43は、第1記号41と異なる形状を有する。第4記号44は、第3記号43と同じ形状を有する。具体的には、第1記号41と第2記号42はともに、「○」である。第3記号43と第4記号44はともに、「×」である。
【0050】
第1記号41と第2記号42からなる記号の組み合わせを、「第1の記号組み合わせK1」と呼ぶ。第3記号43と第4記号44からなる記号の組み合わせを、「第3の記号組み合わせK3」と呼ぶ。第1の記号組み合わせK1は、具体的には、「○○」である。第3の記号組み合わせK3は、具体的には、「××」である。第3の記号組み合わせK3は、第1の記号組み合わせK1と異なる。
【0051】
鉄筋用スペーサー1の製造方法を例示する。例えば、鉄筋用スペーサー1の製造方法は、主として、4つの工程を含む。第1の工程では、成形型を準備する。成形型は、鉄筋用スペーサーと同じ形状のキャビティを有する。第2の工程では、成形型に生コンクリートを流し込む。第3の工程では、成形型内の生コンクリートを固化させる。これにより、成形型内に鉄筋用スペーサーが生成される。第4の工程では、成形型から鉄筋用スペーサーを外す。
【0052】
図11、12は、鉄筋用スペーサー1の第1の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。接地面Sは、例えば、型枠の内面や土間コンクリートの上面である。第3角部13と第4角部14はそれぞれ、接地面Sに接地する。第1載置部21は上方を向く。鉄筋Tは第1載置部21の上に載置される。第1角部11と第2角部12はそれぞれ第1載置部21よりも上方に突出する。第1記号41および第2記号42はそれぞれ第1載置部21上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの被り寸法H1を確保する。ここで、鉄筋Tが第1載置部21に載置されるときに確保される鉄筋Tの被り寸法を、「第1被り寸法H1」と呼ぶ。第1被り寸法H1は、第1載置面21上の鉄筋Tと接地面Sとの間の離隔距離である。第1被り寸法H1は、例えば、70mmである。上述した第1数字31は、第1被り寸法H1と等しい。
【0053】
図13、14は、鉄筋用スペーサー1の第2の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第1角部11と第2角部12はそれぞれ、接地面Sに接地する。第3載置部23は上方を向く。鉄筋Tは第3載置部23の上に載置される。第3角部13と第4角部14はそれぞれ第3載置部23よりも上方に突出する。第3記号43および第4記号44はそれぞれ第3載置部23上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの被り寸法H3を確保する。ここで、鉄筋Tが第3載置部23に載置されるときに確保される鉄筋Tの被り寸法を、「第3被り寸法H3」と呼ぶ。第3被り寸法H3は、第3載置面23上の鉄筋Tと接地面Sとの間の離隔距離である。第3被り寸法H3は、第1被り寸法H1と異なる。第3被り寸法H3は、例えば、75mmである。上述した第3数字33は、第3被り寸法H3と等しい。
【0054】
第1実施形態の鉄筋用スペーサー1の効果を説明する。鉄筋用スペーサー1は、第1-第4角部11-14と第1、第3載置部21、23を備える。第1載置部21は、第1角部11と第2角部12の間に配置される。第3載置部23は、第3角部13と第4角部14の間に配置される。記号表示部40は、第1-第4記号41-44を表示する。第1-第4記号41-44はそれぞれ、第1-第4角部11-14に配置される。このため、第1記号41と第2記号42は、第1載置部21を挟む。第1記号41と第2記号42は、第1載置部21の両側方に配置される。第3記号43と第4記号44は、第3載置部23を挟む。第3記号43と第4記号44は、第3載置部23の両側方に配置される。よって、第1-第4記号41-44はそれぞれ、見え易い。第1-第2記号41-42は、第1の記号組み合わせK1を構成する。第3-第4記号43-44は、第3の記号組み合わせK3を構成する。第1の記号組み合わせK1も、見え易い。第3の記号組み合わせK3も、見え易い。ここで、第3の記号組み合わせK3は、第1の記号組み合わせK1と異なる。このため、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3を識別することは、容易である。第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3を見分けることは、容易である。よって、記号表示部40を利用することによって、第1、第3載置部21、23を識別することは容易である。記号表示部40を利用することによって、第1、第3載置部21、23を見分けることは容易である。
【0055】
具体的には、第1数字31は、「70」である。第3数字33は、「75」である。第1の記号組み合わせK1は、「○○」である。第3の記号組み合わせK3は、「××」である。このように、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3を見分けることは、第1数字31と第3数字33を見分けることよりも、一層容易であり、一層簡単である。
【0056】
例えば、第1載置部21に鉄筋Tを載置することを作業者に指示する場合、「70」の近傍の載置部に鉄筋Tを載置するように指示するよりも、「○」と「○」の間の載置部に鉄筋Tを載置するように指示する方が、簡単明瞭で、作業者に伝わり易く、作業者に誤解されにくい。
【0057】
例えば、作業者が鉄筋用スペーサー1を手に取って第1載置部21を特定する場合、記号表示部40を利用すれば、一目見ただけで瞬時に第1載置部21を特定できる。例えば、「70」の近傍に位置する載置部を特定するよりも、「○」と「○」の間に位置する載置部を特定する方が、簡単便利であり、短時間で済み、ミスが少ない。
【0058】
以上の通り、第1実施形態の鉄筋用スペーサー1によれば、第1載置部21と第3載置部23は容易に識別される。
【0059】
第2記号42は、第1記号41と同じ形状を有する。第3記号43および第4記号44の少なくともいずれかは、第1記号41と異なる形状を有する。このため、第1-第4記号41-44は、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3を好適に異ならせる。
【0060】
第3記号43は第1記号41と異なる形状を有し、第4記号44は第1記号41と異なる形状を有する。すなわち、第3-第4記号43-44のいずれも、第1記号41と異なる形状を有する。このため、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3との間に、共通点は無い。すなわち、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3との間の差異は、顕著である。よって、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3を識別することは一層容易である。したがって、第1、第3載置部21、23を識別することは一層容易である。
【0061】
第4記号44は、第3記号43と同じ形状を有する。このため、記号表示部40が表示する記号は、2種類の形状で足りる。すなわち、記号表示部40が表示する記号の種類は、少ない。よって、記号表示部40は簡素である。
【0062】
第1-第4記号41-44はそれぞれ、「○」および「×」のいずれか1つである。よって、記号表示部40は簡素である。
【0063】
鉄筋用スペーサー1が上下に反転しても、記号「○」は、同じ形状を呈する。同様に、鉄筋用スペーサー1が上下に反転しても、記号「×」は、同じ形状を呈する。このため、第1、第3載置部21、23のいずれが上方を向く場合であっても、第1-第4記号41-44はそれぞれ、同じように見える。よって、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4記号41-44はそれぞれ、容易に可読される。すなわち、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4記号41-44はそれぞれ、高い可読性を有する。したがって、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1、第3の記号組み合わせK1、K3もそれぞれ、高い可読性を有する。よって、第1、第3の記号組み合わせK1、K3を識別することは一層容易である。したがって、第1、第3載置部21、23を識別することは一層容易である。
【0064】
他方、鉄筋用スペーサー1の姿勢に応じて、第1数字31および第3数字33はそれぞれ、異なる形状を呈する。例えば、第1載置部21が上方を向くとき、第3数字33は「75」を上下逆さまにした形状を呈するので、第3数字33の可読性は高くない。第3載置部23が上方を向くとき、第1数字31は、「70」を上下逆さまにした形状を呈するので、第1数字31の可読性は高くない。よって、第1数字31と第3数字33を識別するよりも、第1、第3の記号組み合わせK1、K3を識別する方が、容易である。
【0065】
第1被り寸法H1は、第3被り寸法H3と異なる。第1被り寸法H1と第3被り寸法H3が異なる場合、第1載置部21と第3載置部23が互いに容易に識別されることは著しく有用である。すなわち、第1被り寸法H1と第3被り寸法H3が異なる場合、記号表示部40は著しく有用である。
【0066】
鉄筋Tが第1載置部21に載置されるとき、第1載置部21は上方を向き、鉄筋Tは第1載置部21の上に載置され、第1角部11と第2角部12はそれぞれ第1載置部21よりも上方に突出し、かつ、第1記号41および第2記号42はそれぞれ第1載置部21上の鉄筋Tの側方に位置する。このため、鉄筋Tが第1載置部21に載置されても、第1、第2記号41、42はそれぞれ、第1載置部21に載置される鉄筋Tに隠れ難く、見え易い。よって、鉄筋Tが第1載置部21に載置されても、第1の記号組み合わせK1は見え易い。したがって、鉄筋Tが第1載置部21に載置された後であっても、第1載置部21を識別することは容易である。
【0067】
同様に、鉄筋Tが第3載置部23に載置されるとき、第3載置部23は上方を向き、鉄筋Tは第3載置部23の上に載置され、第3角部13と第4角部14はそれぞれ第3載置部23よりも上方に突出し、かつ、第3記号43および第4記号44はそれぞれ第3載置部23上の鉄筋Tの側方に位置する。このため、鉄筋Tが第3載置部23に載置されても、第3、第4記号43、44はそれぞれ、第3載置部23に載置される鉄筋Tに隠れ難く、見え易い。よって、鉄筋Tが第3載置部23に載置されても、第3の記号組み合わせK3は見え易い。したがって、鉄筋Tが第3載置部23に載置された後であっても、第3載置部23を識別することは容易である。
【0068】
このため、鉄筋Tが鉄筋用スペーサー1に載置された後であっても、記号表示部40を利用することによって、鉄筋Tが第1載置部21および第2載置部23のいずれに載置されているかを確認/検査することは容易である。例えば、鉄筋用スペーサー1に鉄筋Tを載置する作業が行われた後に、鉄筋Tが第1載置部21に載置されているかをチェックする場合、鉄筋Tの両側方に表示される2つの記号の組み合わせが「○○」であるかをチェックすれば足りる。上述の通り、鉄筋Tが第1載置部21に載置されても、第1の記号組み合わせK1は見え易い。このため、鉄筋Tの両側方に表示される2つの記号の組み合わせが「○○」であるかは、一目見ただけで瞬時に分かる。
【0069】
他方、鉄筋Aが第1載置部21に載置されるとき、数字表示部30は第1載置部21に載置される鉄筋Aの下方に配置される。鉄筋Aが第3載置部23に載置されるときも、数字表示部30は第3載置部23に載置される鉄筋Aの下方に配置される。このため、鉄筋Aが第1載置部21および第3載置部23のいずれに載置されても、数字表示部30は鉄筋Aに隠れ易く、見えにくい。よって、鉄筋Tが鉄筋用スペーサー1に載置された後では、第1数字31と第3数字33を識別することは一層困難である。したがって、鉄筋Tが鉄筋用スペーサー1に載置された後では、第1数字31と第2数字33を識別するよりも、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3を識別する方が、著しく容易である。このため、記号表示部40を利用することによって、鉄筋Tが鉄筋用スペーサー1に載置された後に行われる確認/検査の作業を大幅に改善できる。
【0070】
2.第2実施形態
図面を参照して、第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0071】
図15-25はそれぞれ、第2実施形態の鉄筋用スペーサー1を示す。第2実施形態の鉄筋用スペーサー1は、4つの載置部を備える。第2実施形態の鉄筋用スペーサー1は、4つの向きで使用可能である。第2実施形態の鉄筋用スペーサー1は、3種類の鉄筋の被り寸法を選択的に確保可能である。
【0072】
鉄筋用スペーサー1は、第1、第3載置部21、23に加えて、第2載置部22と第4載置部24を備える。第2載置部22は、第2角部12と第3角部13の間に配置される。第2角部12と第3角部13は、第2載置部22を挟む。第2角部12と第3角部13は、第2載置部22の両側方に配置される。第4載置部24は、第4角部14と第1角部11の間に配置される。第4角部14と第1角部11は、第4載置部24を挟む。第4角部14と第1角部11は、第4載置部24の両側方に配置される。
【0073】
第2、第4載置部22、24はそれぞれ、正面視および背面視において、鉄筋用スペーサー1の中心に向かって凹むように、湾曲する。第2角部12と第2載置部22と第3角部13は、滑らかに連続している。第4角部14と第4載置部24と第1角部11も、滑らかに連続している。第2、第4載置部22、24はそれぞれ、鉄筋を載置可能である。
【0074】
数字表示部30は、第1数字31と第3数字33に加えて、第2数字32と第4数字34を表示する。第2数字32は、第2載置部22の近傍に配置される。第2数字32は、正面視において、鉄筋用スペーサー1の中心と第2載置部22の間に配置される。第2数字32は、第2溝部G2に配置される。第4数字34は、第4載置部24の近傍に配置される。第4数字34は、正面視において、鉄筋用スペーサー1の中心と第4載置部24の間に配置される。第4数字34は、第4溝部G4に配置される。第2数字32および第4数字34はそれぞれ、例えば、凹凸形状、印刷、塗装などによって、表示される。
【0075】
第1数字31は、例えば、「25」である。第3数字33は、例えば、「30」である。第2数字32および第4数字34はともに、例えば、「35」である。
【0076】
第2記号42と第3記号43は、第2載置部22を挟む。第2記号42と第3記号43は、第2載置部22の両側方に配置される。第4記号41と第1記号41は、第4載置部24を挟む。第4記号44と第1記号41は、第4載置部24の両側方に配置される。
【0077】
第2記号42は、第1記号41と同じ形状を有する。第3記号43は、第1記号41と異なる形状を有する。第4記号44は、第3記号43と同じ形状を有する。具体的には、第1記号41と第2記号42はともに、記号「○」である。第3記号43と第4記号44はともに、記号「×」である。
【0078】
ここで、第2記号42と第3記号43からなる記号の組み合わせを、「第2の記号組み合わせK2」と呼ぶ。第4記号44と第1記号41からなる記号の組み合わせを、「第4の記号組み合わせK4」と呼ぶ。
【0079】
第1の記号組み合わせK1は、具体的には、「○○」である。第2の記号組み合わせK2は、具体的には、「○×」である。第3の記号組み合わせK3は、具体的には、「××」である。第4の記号組み合わせK4は、具体的には、「×○」である。このように、第1の記号組み合わせK1と第2の記号組み合わせK2と第3の記号組み合わせK3は、相互に異なる。第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3と第4の記号組み合わせK4は、相互に異なる。第4の記号組み合わせK4は、第2の記号組み合わせK2と共通である。第4の記号組み合わせK4は、第3の記号組み合わせK2と実質的に同じである。
【0080】
図26、27は、鉄筋用スペーサー1の第1の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第3角部13と第4角部14はそれぞれ、接地面Sに接地する。第1載置部21は上方を向く。鉄筋Tは第1載置部21の上に載置される。第1角部11と第2角部12はそれぞれ第1載置部21よりも上方に突出する。第1記号41および第2記号42はそれぞれ第1載置部21上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は第1被り寸法H1を確保する。第1被り寸法H1は、例えば、25mmである。第1数字31は、第1被り寸法H1と等しい。
【0081】
図28、29は、鉄筋用スペーサー1の第2の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第4角部14と第1角部11はそれぞれ、接地面Sに接地する。第2載置部22は上方を向く。鉄筋Tは第2載置部22の上に載置される。第2角部12と第3角部13はそれぞれ第2載置部22よりも上方に突出する。第2記号42および第3記号43はそれぞれ第2載置部22上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの被り寸法H2を確保する。ここで、鉄筋Tが第2載置部22に載置されるときに確保される鉄筋Tの被り寸法を、「第2被り寸法H2」と呼ぶ。第2被り寸法H2は、第2載置面22上の鉄筋Tと接地面Sとの間の離隔距離である。第2被り寸法H2は、第1被り寸法H1と異なる。第2被り寸法H2は、例えば、35mmである。第2数字32は、第2被り寸法H2と等しい。
【0082】
図30、31は、鉄筋用スペーサー1の第3の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第1角部11と第2角部12はそれぞれ、接地面Sに接地する。第3載置部23は上方を向く。鉄筋Tは第3載置部23の上に載置される。第3角部13と第4角部14はそれぞれ第3載置部23よりも上方に突出する。第3記号43および第4記号44はそれぞれ第3載置部23上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの第3被り寸法H3を確保する。第3被り寸法H3は、第1被り寸法H1および第2被り寸法H2のいずれとも異なる。第3被り寸法H3は、例えば、30mmである。第3数字33は、第3被り寸法H3と等しい。
【0083】
図32、33は、鉄筋用スペーサー1の第4の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第2角部12と第3角部13はそれぞれ、接地面Sに接地する。第4載置部24は上方を向く。鉄筋Tは第4載置部24の上に載置される。第4角部14と第1角部11はそれぞれ第4載置部24よりも上方に突出する。第4記号44および第1記号41はそれぞれ第4載置部24上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの被り寸法H4を確保する。ここで、鉄筋Tが第4載置部24に載置されるときに確保される鉄筋Tの被り寸法を、「第4被り寸法H4」と呼ぶ。第4被り寸法H4は、第4載置面24上の鉄筋Tと接地面Sとの間の離隔距離である。第4被り寸法H4は、第1被り寸法H1および第3被り寸法H3のいずれとも異なる。第4被り寸法H4は、第2被り寸法H2と同じである。第4被り寸法H4は、例えば、35mmである。第4数字34は、第4被り寸法H4と等しい。
【0084】
第2実施形態の鉄筋用スペーサー1の効果を説明する。第2実施形態の鉄筋用スペーサー1も、第1実施形態の鉄筋用スペーサー1と同じ効果を奏する。例えば、第2実施形態の鉄筋用スペーサー1によっても、第1載置部21と第3載置部23は、容易に識別される。さらに、第2実施形態の鉄筋用スペーサー1は、以下の効果を奏する。
【0085】
鉄筋用スペーサー1は、さらに、第2載置部22を備える。第2載置部22は、第2角部12と第3角部13の間に配置される。第2記号42と第3記号43は、第2載置部22を挟む。第2記号42と第3記号43は、第2載置部22の両側方に配置される。よって、第2-第3記号42-43はそれぞれ、見え易い。第2-第3記号42-43は、第2の記号組み合わせK2を構成する。第2の記号組み合わせK2も、見え易い。ここで、第1-第3の記号組み合わせK1-K3は、互いに異なる。このため、第1-第3の記号組み合わせK1-K3を識別することは、容易である。第1-第3の記号組み合わせK1-K3を見分けることは、容易である。よって、記号表示部40を利用することによって、第1-第3載置部21-23を識別することは容易である。記号表示部40を利用することによって、第1-第3載置部21-23を見分けることは容易である。
【0086】
以上の通り、第2実施形態の鉄筋用スペーサー1によれば、第1載置部21と第2載置部22と第3載置部23は容易に識別される。
【0087】
第2記号42は第1記号41と同じ形状を有する。第3記号43は第1記号41と異なる形状を有する。第4記号44は第1記号41と異なる形状を有する。このため、第1-第4記号41-44は、第1-第3の記号組み合わせK1-K3を好適に異ならせる。
【0088】
第1実施形態で説明した通り、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4記号41-44はそれぞれ、高い可読性を有する。このため、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1、第3の記号組み合わせK1、K3のみならず、第2の記号組み合わせK2も、高い可読性を有する。よって、第1-第3の記号組み合わせK1-K3を識別することは一層容易である。したがって、第1-第3載置部21-23を識別することは一層容易である。
【0089】
第1被り寸法H1と第2被り寸法H2と第3被り寸法H3は、互いに異なる。第1被り寸法H1と第2被り寸法H2と第3被り寸法H3が互いに異なる場合、第1載置部21と第2載置部22と第3載置部23が互いに容易に識別されることは著しく有用である。すなわち、第1被り寸法H1と第2被り寸法H2と第3被り寸法H3が互いに異なる場合、記号表示部40は著しく有用である。
【0090】
鉄筋Tが第2載置部22に載置されるとき、第2載置部22は上方を向き、鉄筋Tは第2載置部22の上に載置され、第2角部12と第3角部13はそれぞれ第2載置部22よりも上方に突出し、かつ、第2記号42および第3記号43はそれぞれ第2載置部22上の鉄筋Tの側方に位置する。このため、鉄筋Tが第2載置部22に載置されても、第2記号42および第3記号43はそれぞれ、第2載置部22に載置される鉄筋Tに隠れ難く、見え易い。よって、鉄筋Tが第2載置部22に載置されても、第2の記号組み合わせK2は見え易い。したがって、鉄筋Tが第2載置部22に載置された後であっても、第2載置部22を識別することは容易である。
【0091】
第1実施形態で説明したが、同様に、鉄筋Tが第1載置部21に載置された後であっても、第1載置部21を識別することは容易である。鉄筋Tが第3載置部23に載置された後であっても、第3載置部23を識別することは容易である。
【0092】
鉄筋用スペーサー1は、さらに、第4載置部24を備える。第4載置部24は、第4角部14と第1角部11の間に配置される。第4記号44と第1記号41は、第4載置部24を挟む。第4記号44と第1記号41は、第4載置部24の両側方に配置される。よって、第4、第1記号44、41はそれぞれ、見え易い。第4、第1記号44、41は、第4の記号組み合わせK4を構成する。第4の記号組み合わせK4も、見え易い。ここで、第1、第3、第4の記号組み合わせK1、K3、K4は、互いに異なる。このため、第1、第3、第4の記号組み合わせK1、K3、K4を識別することは、容易である。第1、第3、第4の記号組み合わせK1、K3、K4を見分けることは、容易である。よって、記号表示部40を利用することによって、第1、第3、第4載置部21、23、24を識別することは容易である。記号表示部40を利用することによって、第1、第3、第4載置部21、23、24を見分けることは容易である。
【0093】
以上の通り、第2実施形態の鉄筋用スペーサー1によれば、第1載置部21と第3載置部23と第4載置部24は容易に識別される。
【0094】
第1被り寸法H1と第3被り寸法H3と第4被り寸法H4は、互いに異なる第1被り寸法H1と第3被り寸法H3と第4被り寸法H4が互いに異なる場合、第1載置部21と第2載置部22と第4載置部24が互いに容易に識別されることは著しく有用である。すなわち、第1被り寸法H1と第2被り寸法H2と第4被り寸法H4が互いに異なる場合、記号表示部40は著しく有用である。
【0095】
第4の記号組み合わせK4は、第2の記号組み合わせK2と共通である。このため、第2の記号組み合わせK2と第4の記号組み合わせK4を識別することは容易でない。よって、記号表示部40を利用しても、第2載置部22と第4載置部24を識別することは容易でない。
【0096】
第4被り寸法H4は、第2被り寸法H2と等しい。第2被り寸法H2と第4被り寸法H4が互いに同じ場合、第2の記号組み合わせK2と第4の記号組み合わせK4が容易に識別されないことは有用である。具体的には、第2被り寸法H2と第4被り寸法H4が互いに同じ場合、第2の記号組み合わせK2と第4の記号組み合わせK4が共通であることは有用である。
【0097】
第2記号42は、第1記号41と同じ形状を有する。第3記号43は、第1記号41と異なる形状を有する。第4記号44は、第3記号43と同じ形状を有する。このため、第1-第4記号41-44は、第1の記号組み合わせK1と第3の記号組み合わせK3と第4の記号組み合わせK4を好適に異ならせる。さらに、第1-第4記号41-44は、第2の記号組み合わせK2と第4の記号組み合わせK4を好適に等しくさせる。
【0098】
第1実施形態で説明した通り、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4記号41-44はそれぞれ、高い可読性を有する。このため、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1、第3の記号組み合わせK1、K3のみならず、第4の記号組み合わせK4も、高い可読性を有する。よって、第1、第3、第4の記号組み合わせK1、K3、K4を識別することは一層容易である。したがって、第1、第3、第4載置部21、23、24を識別することは一層容易である。
【0099】
鉄筋Tが第4載置部24に載置されるとき、第4載置部24は上方を向き、鉄筋Tは第4載置部24の上に載置され、第4角部14と第1角部11はそれぞれ第4載置部24よりも上方に突出し、かつ、第4記号44および第1記号41はそれぞれ第4載置部24上の鉄筋Tの側方に位置する。このため、鉄筋Tが第4載置部24に載置されても、第4記号44および第1記号41はそれぞれ、第4載置部24に載置される鉄筋Tに隠れ難く、見え易い。よって、鉄筋Tが第4載置部24に載置されても、第4の記号組み合わせK4は見え易い。したがって、鉄筋Tが第4載置部24に載置された後であっても、第4載置部24を識別することは容易である。
【0100】
3.第3実施形態
図面を参照して、第3実施形態を説明する。なお、第1、第2実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0101】
図34-44はそれぞれ、第3実施形態の鉄筋用スペーサー1を示す。第3実施形態の鉄筋用スペーサー1は、4つの載置部を備える。第3実施形態の鉄筋用スペーサー1は、4つの向きで使用可能である。第3実施形態の鉄筋用スペーサー1は、4種類の鉄筋の被り寸法を選択的に確保可能である。
【0102】
第1数字31は、例えば、「50」である。第2数字32は、例えば、「42.5」である。第3数字33は、例えば、「47.5」である。第4数字34は、例えば、「45」である。
【0103】
第2記号42は、第1記号41と同じ形状を有する。第3記号43は、第1記号41と異なる形状を有する。第4記号44は、第1記号41と異なる形状であって、第3記号43と異なる形状を有する。具体的には、第1記号41と第2記号42はともに、記号「○」である。第3記号43は、「(ブランク)」である。ここで、「(ブランク)」は、無地または無模様からなる記号を意味する。第4記号44は、記号「×」である。なお、記号「(ブランク)」は、記号「○」と異なる。記号「(ブランク)」は、記号「×」とも異なる。
【0104】
第1の記号組み合わせK1は、具体的には、「○○」である。第2の記号組み合わせK2は、具体的には、「○(ブランク)」である。第3の記号組み合わせK3は、具体的には、「(ブランク)×」である。第4の記号組み合わせK4は、具体的には、「×○」である。このように、第1の記号組み合わせK1と第2の記号組み合わせK2と第3の記号組み合わせK3と第4の記号組み合わせK4は、相互に異なる。
【0105】
鉄筋用スペーサー1の使用例を説明する。
【0106】
図45、46は、鉄筋用スペーサー1の第1の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第3角部13と第4角部14はそれぞれ、接地面Sに接地する。第1載置部21は上方を向く。鉄筋Tは第1載置部21の上に載置される。第1角部11と第2角部12はそれぞれ第1載置部21よりも上方に突出する。第1記号41および第2記号42はそれぞれ第1載置部21上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの第1被り寸法H1を確保する。第1被り寸法H1は、例えば、50mmである。第1数字31は、第1被り寸法H1と等しい。
【0107】
図47、48は、鉄筋用スペーサー1の第2の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第4角部14と第1角部11はそれぞれ、接地面Sに接地する。第2載置部22は上方を向く。鉄筋Tは第2載置部22の上に載置される。第2角部12と第3角部13はそれぞれ第2載置部22よりも上方に突出する。第2記号42および第3記号43はそれぞれ第2載置部22上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの第2被り寸法H2を確保する。第2被り寸法H2は、第1被り寸法H1と異なる。第2被り寸法H2は、例えば、42.5mmである。第2数字32は、第2被り寸法H2と等しい。
【0108】
図49、50は、鉄筋用スペーサー1の第3の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第1角部11と第2角部12はそれぞれ、接地面Sに接地する。第3載置部23は上方を向く。鉄筋Tは第3載置部23の上に載置される。第3角部13と第4角部14はそれぞれ第3載置部23よりも上方に突出する。第3記号43および第4記号44はそれぞれ第3載置部23上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの第3被り寸法H3を確保する。第3被り寸法H3は、第1被り寸法H1および第2被り寸法H2のいずれとも異なる。第3被り寸法H3は、例えば、47.5mmである。第3数字33は、第3被り寸法H3と等しい。
【0109】
図51、52は、鉄筋用スペーサー1の第4の使用例を示す図である。鉄筋用スペーサー1は、接地面Sの上に設置される。第2角部12と第3角部13はそれぞれ、接地面Sに接地する。第4載置部24は上方を向く。鉄筋Tは第4載置部24の上に載置される。第4角部14と第1角部11はそれぞれ第4載置部24よりも上方に突出する。第4記号44および第1記号41はそれぞれ第4載置部24上の鉄筋Tの側方に位置する。鉄筋用スペーサー1は鉄筋Tの第4被り寸法H4を確保する。第4被り寸法H4は、第1被り寸法H1、第2被り寸法H2および第3被り寸法H3のいずれとも異なる。第4被り寸法H4は、例えば、45mmである。第4数字34は、第4被り寸法H4と等しい。
【0110】
第3実施形態の鉄筋用スペーサー1の効果を説明する。第3実施形態の鉄筋用スペーサー1も、第1、第2実施形態の鉄筋用スペーサー1と同じ効果を奏する。例えば、第3実施形態の鉄筋用スペーサー1によっても、第1載置部21と第2載置部23と第3載置部23は容易に識別される。例えば、第3実施形態の鉄筋用スペーサー1によっても、第1載置部21と第3載置部23と第4載置部24は容易に識別される。さらに、第3実施形態の鉄筋用スペーサー1は、以下の効果を奏する。
【0111】
第4の記号組み合わせK4は、第2の記号組み合わせK2と異なる。このため、第2の記号組み合わせK2と第4の記号組み合わせK4を識別することは容易である。よって、記号表示部40を利用することによって、第2載置部22と第4載置部24を識別することは容易である。
【0112】
以上の通り、第3実施形態の鉄筋用スペーサー1によれば、第2載置部22と第4載置部24は容易に識別される。まとめると、第3実施形態の鉄筋用スペーサー1によれば、第1-第4載置部21-24は容易に識別される。
【0113】
第2記号42は、第1記号41と同じ形状を有する。第3記号43は、第1記号41と異なる形状を有する。第4記号44は、第1記号41と異なる形状であって第3記号43と異なる形状を有する。このため、第1-第4記号41-44は、第1の記号組み合わせK1と第2の記号組み合わせK2と第3の記号組み合わせK3と第4の記号組み合わせK4を好適に異ならせる。
【0114】
記号表示部40が表示する記号は、3種類の形状で足りる。すなわち、記号表示部40が表示する記号の種類は、少ない。よって、記号表示部40は簡素である。
【0115】
第1-第4記号41-44はそれぞれ、「○」、「×」および「(ブランク)」のいずれか1つである。よって、記号表示部40は簡素である。
【0116】
第1実施形態で説明した通り、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、記号「○」、「×」はそれぞれ、高い可読性を有する。このため、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1、第2、第4記号41、42、44はそれぞれ、高い可読性を有する。同様に、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、記号「(ブランク)」は、同じ形状を呈する。このため、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第3記号43は同じように見える。よって、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第3記号43は高い可読性を有する。まとめると、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4記号41-44はそれぞれ、高い可読性を有する。このため、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4の記号組み合わせK1-K4はそれぞれ、高い可読性を有する。よって、第1-第4の記号組み合わせK1-K4を識別することは一層容易である。したがって、第1-第4載置部21-24を識別することは一層容易である。
【0117】
第4被り寸法H4は、第2被り寸法H2と異なる。第2被り寸法H2と第4被り寸法H4が互いに異なる場合、第2載置部22と第4載置部24が互いに容易に識別されることは著しく有用である。具体的には、第2被り寸法H2と第4被り寸法H4が互いに異なる場合、第2の記号組み合わせK2が第4の記号組み合わせK4と異なることは有用である。
【0118】
4.変形実施形態
本発明は、第1-第3実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0119】
(1)第1-第2実施形態では、第1-第4記号41-44はそれぞれ、「○」および「×」のいずれか1つであった。第3実施形態では、第1-第4記号41-44はそれぞれ、「○」、「×」および「(ブランク)」のいずれか1つであった。但し、これに限られない。
【0120】
例えば、第1-第4記号41-44はそれぞれ、「○」、「◎」、「×」、「□」、「(ブランク)」のいずれか1つであってもよい。本変形実施形態によっても、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4記号41-44はそれぞれ、同じ形状を呈する。よって、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4記号41-44はそれぞれ、高い可読性を有する。したがって、鉄筋用スペーサー1の姿勢に関わらず、第1-第4の記号組み合わせK1-K4はそれぞれ、高い可読性を有する。よって、第1-第4の記号組み合わせK1-K4を識別することは一層容易である。したがって、第1-第4載置部21-24を識別することは一層容易である。
【0121】
あるいは、第1-第4記号41-44はそれぞれ、「○」、「◎」、「×」、「△」、「□」、「(ブランク)」のいずれか1つであってもよい。本変形実施形態によっても、第1-第4記号41-44はそれぞれ、数字よりも単純な形状を有する。このため、第1-第4記号41-44を識別することは一層容易である。よって、第1-第4の記号組み合わせK1-K4を識別することは一層容易である。したがって、第1-第4載置部21-24を識別することは一層容易である。
【0122】
例えば、第1-第4記号41-44の少なくともいずれかを、適宜に他の記号に変更してもよい。ここで、他の記号は、例えば、ジグザグの形状(稲妻を模式的に示す形状)であってもよい。他の記号は、例えば、トランプのマーク(スペード、ハート、ダイヤ、クラブ)であってもよい。他の記号は、例えば、プラスの符号または足し算の記号(具体的には「+」)であってもよい。他の記号は、例えば、マイナスの符号または引き算の記号(具体的には「-」)であってもよい。
【0123】
(2)第1-第3実施形態では、記号「○」は、円周部分のみが凹む。言い換えれば、記号「○」は、環状に連なる凹溝で構成された。但し、これに限られない。記号「○」は、円の全体が凹んでもよい。言い換えれば、記号「○」は、円形の凹部で構成されてもよい。あるいは、記号「○」は、円の全体が突出していてもよい。記号「○」は、円の全体が隆起していてもよい。言い換えれば、記号「○」は、円形の凸部で構成されてもよい。
【0124】
(3)第1-第3実施形態では、前面5は、第1-第4溝部G1-G4を含む。但し、これに限られない。前面5は、第1-第4溝部G1-G4の少なくともいずれかを含まなくてもよい。例えば、前面5は、第1-第4溝部G1-G4の全部を含まなくてもよい。
【0125】
図53-
図66はそれぞれ、変形実施形態の鉄筋用スペーサー1を示す。なお、鉄筋用スペーサー1の左側面図は、
図57の鉄筋用スペーサー1の右側面図と対称にあらわれる。変形実施形態の鉄筋用スペーサー1は、2つの載置部を備える。変形実施形態の鉄筋用スペーサー1は、2つの向きで使用可能である。変形実施形態の鉄筋用スペーサー1は、2種類の鉄筋の被り寸法を選択的に確保可能である。なお、第1実施形態と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0126】
前面5は、第1、第3溝部G1、G3を含む。但し、前面5は、第2、第4溝部G2、G4を含まない。本変形実施形態によれば、鉄筋用スペーサー1はより高い強度を有する。
【0127】
(4)第1―第3実施形態の鉄筋用スペーサー1の使用例において、鉄筋用スペーサー1に載置される鉄筋Tは、不図示の結束線材によって、鉄筋用スペーサー1に留められてもよい。例えば、結束線材は、貫通孔7に挿入されてもよい。
【0128】
(5)第1―第3実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、1つの貫通孔7を備えた。但し、これに限られない。例えば、鉄筋用スペーサー1は、複数の貫通孔7を備えてもよい。例えば、
図53-66に示される変形実施形態のように、鉄筋用スペーサー1は、2つの貫通孔7を備えてもよい。あるいは、鉄筋用スペーサー1は、貫通孔7を備えなくてもよい。
【0129】
(6)第1―第3実施形態では、第1-第4角部11-14はそれぞれ、正面視および背面視において、湾曲した。但し、これに限られない。第1-第4角部11-14の少なくとも1つは、正面視および背面視において、折れ曲がっていてもよい。第1-第4角部11-14の少なくとも1つは、正面視および背面視において、直角であってもよい。本変形実施形態では、例えば、第1載置部21は、第1角部11および第2角部12の少なくともいずれかと、滑らかに連続していなくてもよい。あるいは、第3載置部23は、第3角部13および第4角部14の少なくともいずれかと、滑らかに連続していなくてもよい。
【0130】
(7)第2、第3実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、第1-第4載置部21-24を備えた。但し、これに限られない。例えば、鉄筋用スペーサー1は、第1-第4載置部21-24のいずれか1つを備えなくてもよい。すなわち、第1-第4載置部21-24のいずれか1つを省略してもよい。本変形実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、3つの載置部を備える。本変形実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、3つの向きで使用可能である。
【0131】
例えば、鉄筋用スペーサー1は、第2載置部22および第4載置部24のいずれかを備えなくてもよい。すなわち、第2載置部22および第4載置部24のいずれかは、省略されてもよい。本変形実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、3つの載置部を備える。本変形実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、3つの向きで使用可能である。本変形実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、3種類の鉄筋の被り寸法を選択的に確保可能である。
【0132】
あるいは、鉄筋用スペーサー1は、第1-第4載置部21-24のいずれか2つを備えなくてもよい。すなわち、第1-第4載置部21-24のいずれか2つを省略してもよい。本変形実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、2つの載置部を備える。本変形実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、2つの向きで使用可能である。
【0133】
(8)第1-第3実施形態では、鉄筋用スペーサー1は、数字表示部30を備えた。但し、これに限られない。例えば、鉄筋用スペーサー1は、数字表示部30を備えなくてもよい。すなわち、数字表示部30は省略されてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 … 鉄筋用スペーサー
5 … 前面
F … 前面の平坦部
G1 … 前面の第1溝部
G2 … 前面の第2溝部
G3 … 前面の第3溝部
G4 … 前面の第4溝部
6 … 背面
7 … 貫通孔
11 … 第1角部
12 … 第2角部
13 … 第3角部
14 … 第4角部
21 … 第1載置部
22 … 第2載置部
23 … 第3載置部
24 … 第4載置部
30 … 数字表示部
31 … 第1数字
32 … 第2数字
33 … 第3数字
34 … 第4数字
40 … 記号表示部
41 … 第1記号
42 … 第2記号
43 … 第3記号
44 … 第4記号
K1 … 第1の記号組み合わせ
K2 … 第2の記号組み合わせ
K3 … 第3の記号組み合わせ
K4 … 第4の記号組み合わせ
H1 … 第1被り寸法
H2 … 第2被り寸法
H3 … 第3被り寸法
H4 … 第4被り寸法
T … 鉄筋
S … 接地面