(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080058
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】電圧生成回路
(51)【国際特許分類】
G05F 3/24 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
G05F3/24 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192931
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 弘治
(72)【発明者】
【氏名】黒川 亮一
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420NA16
5H420NB02
5H420NB12
5H420NB25
5H420NE04
(57)【要約】
【課題】電圧生成回路において起動時間を短縮する。
【解決手段】第1電位端と第1ノード(ND1)との間に第1MOSFET(11)を設ける。第1ノードと第2電位端との間に1以上の第2MOSFET(12)を有する前段トランジスタ回路(20)を設ける。第1電位端と第2ノード(ND2)との間に第3MOSFET(13)を設ける。第2ノードと第2電位端との間に1以上の第4MOSFET(14)を有する後段トランジスタ回路(40)を設ける。第1及び第3MOSFETはゲート-ソース間電圧が0Vであるときに導通状態となる特性を有し、第2及び第4MOSFETはゲート-ソース間電圧が0Vであるときに遮断状態となる特性を有する。第3MOSFETのゲートは第1ノードに接続される。第2ノードに出力電圧(Vout1)が発生する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ノードに共通接続されたソース、バックゲート及びゲート、並びに、第1基準電圧が加わる第1電位端に接続されたドレインを有する第1MOSFETと、
1以上の第2MOSFETを有し、前記第1ノードと第2基準電圧が加わる第2電位端との間に接続された前段トランジスタ回路と、
第2ノードに共通接続されたソース及びバックゲート、前記第1ノードに接続されたゲート、並びに、前記第1電位端に接続されたドレインを有する第3MOSFETと、
1以上の第4MOSFETを有し、前記第2ノードと前記第2電位端との間に接続された後段トランジスタ回路と、を備え、
前記第1MOSFET及び前記第3MOSFETは、夫々に、ゲート-ソース間電圧が0Vであるときに導通状態となる特性を有し、
前記第2MOSFET及び前記第4MOSFETは、夫々に、ゲート-ソース間電圧が0Vであるときに遮断状態となる特性を有し、
前記第1MOSFET及び前記前段トランジスタ回路により、前記第1基準電圧と前記第2基準電圧との間の電圧が前記第1ノードに発生し、
前記第3MOSFET及び前記後段トランジスタ回路により、前記第1基準電圧と前記第2基準電圧との間の出力電圧が前記第2ノードに発生する
、電圧生成回路。
【請求項2】
前記前段トランジスタ回路は単一の第2MOSFETを有し、
前記後段トランジスタ回路は単一の第4MOSFETを有し、
前記単一の第2MOSFETのドレインは前記第1ノードに接続され、
前記単一の第4MOSFETのドレインは前記第2ノードに接続され、
前記単一の第2MOSFETのソース及びバックゲート並びに前記単一の第4MOSFETのソース及びバックゲートは前記第2電位端に接続され、
前記単一の第2MOSFETのゲートは前記第1ノードに接続され、
前記単一の第4MOSFETのゲートは前記第2ノードに接続される
、請求項1に係る電圧生成回路。
【請求項3】
前記前段トランジスタ回路は単一の第2MOSFETを有し、
前記後段トランジスタ回路は単一の第4MOSFETを有し、
前記単一の第2MOSFETのドレインは前記第1ノードに接続され、
前記単一の第4MOSFETのドレインは前記第2ノードに接続され、
前記単一の第2MOSFETのソース及びバックゲート並びに前記単一の第4MOSFETのソース及びバックゲートは前記第2電位端に接続され、
前記単一の第2MOSFET及び前記単一の第4MOSFETの各ゲートは前記第2ノードに接続される
、請求項1に係る電圧生成回路。
【請求項4】
前記前段トランジスタ回路は複数の第2MOSFETを有し、前記複数の第2MOSFETは前記第1ノードと前記第2電位端との間にて互いに直列接続され、
前記後段トランジスタ回路は複数の第4MOSFETを有し、前記複数の第4MOSFETは前記第2ノードと前記第2電位端との間にて互いに直列接続される
、請求項1に係る電圧生成回路。
【請求項5】
前記複数の第2MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたソース及びバックゲートを有し、
前記複数の第2MOSFETにおいて、互いに隣接する2つの第2MOSFETの内、一方の第2MOSFETのドレインは他方の第2MOSFETのソースに接続され、
前記複数の第2MOSFETの内、特定の第2MOSFETのドレインは前記第1ノードに接続され、
前記複数の第4MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたソース及びバックゲートと、互いに短絡されたドレイン及びゲートと、を有し、
前記複数の第4MOSFETにおいて、互いに隣接する2つの第4MOSFETの内、一方の第4MOSFETのドレインは他方の第4MOSFETのソースに接続され、
前記複数の第4MOSFETの内、特定の第4MOSFETのドレインは前記第2ノードに接続される
、請求項4に係る電圧生成回路。
【請求項6】
前記複数の第2MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたドレイン及びゲートを有する
、請求項5に係る電圧生成回路。
【請求項7】
前記複数の第2MOSFETは、前記特定の第2MOSFETと、他の1つの第2MOSFETを含み、
前記他の1つの第2MOSFETは、互いに短絡されたドレイン及びゲートを有し、
前記特定の第2MOSFETのゲートは前記第2ノードに接続される
、請求項5に係る電圧生成回路。
【請求項8】
前記複数の第2MOSFETは、前記特定の第2MOSFETと、他の2以上の第2MOSFETを含み、
前記他の2以上の第2MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたドレイン及びゲートを有し、
前記特定の第2MOSFETのゲートは前記第2ノードに接続される
、請求項5に係る電圧生成回路。
【請求項9】
前記複数の第2MOSFETは、第1~第Nの前段トランジスタであり、
前記複数の第4MOSFETは、第1~第Nの後段トランジスタであり、
第iの前段トランジスタのゲートは第iの後段トランジスタのゲートに接続され、
Nは2以上の整数を表し、iはN以下の自然数を表す
、請求項5に係る電圧生成回路。
【請求項10】
前記第1MOSFET、前記第2MOSFET、前記第3MOSFET及び前記第4MOSFETは、Nチャネル型のMOSFETであり、
前記第1基準電圧は前記第2基準電圧よりも高い
、請求項1~9の何れかに係る電圧生成回路。
【請求項11】
前記第1MOSFET、前記第2MOSFET、前記第3MOSFET及び前記第4MOSFETは、Pチャネル型のMOSFETであり、
前記第1基準電圧は前記第2基準電圧よりも低い
、請求項1~9の何れかに係る電圧生成回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電圧生成回路に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子回路において電圧生成回路が設けられる。電圧生成回路は、与えられた電圧を元に、所望の電圧値を有する出力電圧を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電圧生成回路においては起動時間の短縮が要求されることも多い。
【0005】
本開示は、起動時間の短縮に寄与する電圧生成回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電圧生成回路は、第1ノードに共通接続されたソース、バックゲート及びゲート、並びに、第1基準電圧が加わる第1電位端に接続されたドレインを有する第1MOSFETと、1以上の第2MOSFETを有し、前記第1ノードと第2基準電圧が加わる第2電位端との間に接続された前段トランジスタ回路と、第2ノードに共通接続されたソース及びバックゲート、前記第1ノードに接続されたゲート、並びに、前記第1電位端に接続されたドレインを有する第3MOSFETと、1以上の第4MOSFETを有し、前記第2ノードと前記第2電位端との間に接続された後段トランジスタ回路と、を備え、前記第1MOSFET及び前記第3MOSFETは、夫々に、ゲート-ソース間電圧が0Vであるときに導通状態となる特性を有し、前記第2MOSFET及び前記第4MOSFETは、夫々に、ゲート-ソース間電圧が0Vであるときに遮断状態となる特性を有し、前記第1MOSFET及び前記前段トランジスタ回路により、前記第1基準電圧と前記第2基準電圧との間の電圧が前記第1ノードに発生し、前記第3MOSFET及び前記後段トランジスタ回路により、前記第1基準電圧と前記第2基準電圧との間の出力電圧が前記第2ノードに発生する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、起動時間の短縮に寄与する電圧生成回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態に係る電圧生成回路の構成図である。
【
図2】
図2は、第1参考例に係る電圧生成回路の構成図である。
【
図3】
図3は、第1参考例に係る電圧生成回路の起動特性を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Aに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図5】
図5は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Aに係り、電圧生成回路の起動時の挙動を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1参考例に係る電圧生成回路の起動特性と、本開示の第1実施形態に係る電圧生成回路の起動特性と、を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Bに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図8】
図8は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Cに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図9】
図9は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Cに係り、電圧生成回路の構成図である(但しm=n=2)。
【
図10】
図10は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Dに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図11】
図11は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Dに係り、電圧生成回路の構成図である(但しm=n=2)。
【
図12】
図12は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Eに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図13】
図13は、本開示の第1実施形態に属する実施例EX1Eに係り、電圧生成回路の構成図である(但しm=n=2)。
【
図14】
図14は、本開示の第2実施形態に係る電圧生成回路の構成図である。
【
図15】
図15は、第2参考例に係る電圧生成回路の構成図である。
【
図16】
図16は、第2参考例に係る電圧生成回路の起動特性を示す図である。
【
図17】
図17は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Aに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図18】
図18は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Aに係り、電圧生成回路の起動時の挙動を説明するための図である。
【
図19】
図19は、第2参考例に係る電圧生成回路の起動特性と、本開示の第2実施形態に係る電圧生成回路の起動特性と、を示す図である。
【
図20】
図20は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Bに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図21】
図21は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Cに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図22】
図22は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Cに係り、電圧生成回路の構成図である(但しm=n=2)。
【
図23】
図23は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Dに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図24】
図24は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Dに係り、電圧生成回路の構成図である(但しm=n=2)。
【
図25】
図25は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Eに係り、電圧生成回路の構成図である。
【
図26】
図26は、本開示の第2実施形態に属する実施例EX2Eに係り、電圧生成回路の構成図である(但しm=n=2)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。
【0010】
まず、本開示の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。MOSFETを含むFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通している状態を指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通となっている状態(遮断状態)を指す。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。また、特に記述なき限り、任意のMOSFETにおいて、バックゲートはソースに短絡されていると考えて良い。
【0011】
MOSFETの電気的特性にはゲート閾電圧が含まれる。Nチャネル型且つエンハンスメント型のMOSFETである任意のトランジスタについて、当該トランジスタのゲート電位が当該トランジスタのソース電位よりも高く、且つ、当該トランジスタのゲート-ソース間電圧の大きさが当該トランジスタのゲート閾電圧以上であるとき、当該トランジスタはオン状態となり、そうでないとき、当該トランジスタはオフ状態となる。Pチャネル型且つエンハンスメント型のMOSFETである任意のトランジスタについて、当該トランジスタのゲート電位が当該トランジスタのソース電位よりも低く、且つ、当該トランジスタのゲート-ソース間電圧の大きさが当該トランジスタのゲート閾電圧以上であるとき、当該トランジスタはオン状態となり、そうでないとき、当該トランジスタはオフ状態となる。デプレッション型のMOSFETでも同様である。但し、エンハンスメント型のMOSFETが正のゲート閾電圧を有するのに対し、デプレッション型のMOSFETは負のゲート閾電圧を有する。
【0012】
任意のFETについて、ゲート閾電圧とは、所定の周辺温度環境下において、当該FETのドレイン及びソース間に所定電圧を印加している際に所定の大きさのドレイン電流を流すために必要なゲート-ソース間電圧として定義される。MOSFETとして構成された任意のトランジスタにおいて、ゲート-ソース間電圧とはソース電位から見たゲート電位を指す。以下、任意のトランジスタについて、オン状態、オフ状態は、単に、オン、オフと称され得る。
【0013】
任意の回路素子、配線、ノードなど、回路を形成する複数の部位間についての接続とは、特に記述なき限り、電気的な接続を指すと解して良い。
【0014】
<<第1実施形態>>
本開示の第1実施形態を説明する。
図1は第1実施形態に係る電圧生成回路1の構成図である。電圧生成回路1は直流の電源電圧VDDから直流の出力電圧Vout1を生成する直流電圧源(基準電圧源)であり、リニアレギュレータに属する。電源電圧VDDは正の直流電圧値を有する。電圧生成回路1は、出力電圧Vout1が所定の目標電圧Vtg1にて安定化されるよう、出力電圧Vout1を生成する。目標電圧Vtg1は電源電圧VDDよりも低い正の直流電圧である。
【0015】
尚、本実施形態及び後述の他の実施形態において、電源端とは電源電圧VDDが加わる端子を指し、グランド端とは0Vの電圧が加わる端子を指す。本実施形態及び後述の他の実施形態において、0Vの電圧はグランド電圧とも称される。
【0016】
電圧生成回路1は、トランジスタ11と、1以上のトランジスタ12(前段トランジスタ)から成る前段トランジスタ回路20と、トランジスタ13と、1以上のトランジスタ14(後段トランジスタ)から成る後段トランジスタ回路40と、を備える。
【0017】
トランジスタ11及び13は夫々にNチャネル型且つデプレッション型のMOSFETである。従って、トランジスタ11のゲート-ソース間電圧が0Vであっても、トランジスタ11のドレイン-ソース間は導通状態となり、このときトランジスタ11のソース電位よりもトランジスタ11のドレイン電位が高ければトランジスタ11にドレイン電流が流れる。同様に、トランジスタ13のゲート-ソース間電圧が0Vであっても、トランジスタ13のドレイン-ソース間は導通状態となり、このときトランジスタ13のソース電位よりもトランジスタ13のドレイン電位が高ければトランジスタ13にドレイン電流が流れる。
【0018】
トランジスタ12及び14は夫々にNチャネル型且つエンハンスメント型のMOSFETである。従って、トランジスタ12のゲート-ソース間電圧が0Vであれば、トランジスタ12のドレイン-ソース間は遮断状態となり、このときトランジスタ12のソース電位よりもトランジスタ12のドレイン電位が高かったとしてもトランジスタ12にドレイン電流は流れない。同様、トランジスタ14のゲート-ソース間電圧が0Vであれば、トランジスタ14のドレイン-ソース間は遮断状態となり、このときトランジスタ14のソース電位よりもトランジスタ14のドレイン電位が高かったとしてもトランジスタ14にドレイン電流は流れない。
【0019】
トランジスタ11のドレインは電源端に接続される。トランジスタ11のソース、ゲート及びバックゲートはノードND1に共通接続される。前段トランジスタ回路20はノードND1とグランド端との間に接続される。トランジスタ11及び前段トランジスタ回路20は、電源電圧VDDより低く且つグランド電圧よりも高い電圧をノードND1に発生させる。
【0020】
トランジスタ13のドレインは電源端に接続される。トランジスタ13のソース及びバックゲートはノードND2に共通接続される。トランジスタ13のゲートはノードND1に接続される。後段トランジスタ回路40はノードND2とグランド端との間に接続される。トランジスタ13及び後段トランジスタ回路40は、電源電圧VDDより低く且つグランド電圧よりも高い電圧を出力電圧Vout1としてノードND2に発生させる。
【0021】
ノードND2は出力配線WRout1に接続される。故に、出力配線WRout1に出力電圧Vout1が加わる。負荷容量CL1は、出力配線WRout1とグランド電圧が加わる配線(以下、グランド配線と称する)との間に形成される寄生容量である。負荷容量CL1は、出力電圧Vout1を受ける各種の負荷回路(不図示)の入力容量を含む。出力電圧Vout1を受ける各種の負荷回路において、出力電圧Vout1は基準電圧として利用されて良い。
【0022】
電圧生成回路1が起動すると、出力電圧Vout1が0Vから所定の目標電圧Vtg1に向けて上昇する。電圧生成回路1の起動時において、出力電圧Vout1が0Vから所定の目標電圧Vtg1に向けて上昇する期間を、以下、起動期間と称する。
【0023】
出力電圧Vout1が目標電圧Vtg1にて安定化されている状態において、電源端からトランジスタ11及び前段トランジスタ回路20を通じグランド端に向けてバイアス電流が流れ、電源端からトランジスタ13及び後段トランジスタ回路40を通じグランド端に向けて他のバイアス電流が流れる。出力電圧Vout1が目標電圧Vtg1にて安定化されている状態において、ノードND1にトランジスタ12のゲート閾電圧に応じた電圧が加わり、ノードND2にトランジスタ14のゲート閾電圧に応じた電圧が加わる。
【0024】
第1実施形態は、以下の実施例EX1A~EX1Eを含む。第1実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の実施例EX1A~EX1Eに適用される。但し、各実施例において、第1実施形態で上述した事項と矛盾する事項については各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、実施例EX1A~EX1Eの内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0025】
[第1参考例]
実施例EX1A~EX1Eの説明に先立ち、
図2を参照して、第1参考例に係る電圧生成回路1001の構成を説明する。電圧生成回路1001は、電源端とグランド端との間に設けられたトランジスタ1011及び1012の直列回路を有する。トランジスタ1011はNチャネル型且つデプレッション型のMOSFETである。トランジスタ1012はNチャネル型且つエンハンスメント型のMOSFETである。トランジスタ1011が電源端側に設けられ、トランジスタ1012がグランド端側に設けられる。
【0026】
トランジスタ1011のドレインは電源端に接続され、トランジスタ1011のゲート、ソース及びバックゲートは出力配線WRout1’に共通接続される。トランジスタ1012のゲート及びドレインは出力配線WRout1’に接続され、トランジスタ1012のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。
【0027】
出力電圧Vout1’が未だ0V近辺であるとき、電源端からトランジスタ1011を通じ出力配線WRout1’に向けて電流が流れて出力電圧Vout1’が上昇してゆく。出力電圧Vout1’の上昇過程において、負荷容量CL1’はトランジスタ1011のドレイン電流により駆動される。但し、電圧生成回路1001では、出力電圧Vout1’の高低に依らず、トランジスタ1011のゲート-ソース間電圧が小さいので(0Vに固定されているので)、負荷容量CL1’の駆動電流も小さい。結果、
図3に示す如く、電圧生成回路1001の起動時において出力電圧Vout1’が所望の安定化電圧に達するまでの時間が長くなる。
図3において、破線波形511は電圧生成回路1001の起動時における出力電圧Vout1’の波形を表す。
【0028】
[実施例EX1A]
実施例EX1Aを説明する。
図4は実施例EX1Aに係る電圧生成回路1に相当する電圧生成回路1Aの構成図である。電圧生成回路1Aでは、前段トランジスタ回路20にトランジスタ12が1つだけ設けられ、且つ、後段トランジスタ回路40にトランジスタ14が1つだけ設けられる。
【0029】
電圧生成回路1Aにおいて、単一のトランジスタ12のドレインはノードND1に接続され、単一のトランジスタ14のドレインはノードND2に接続される。電圧生成回路1Aにおいて、単一のトランジスタ12のソース及びバックゲート並びに単一のトランジスタ14のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。電圧生成回路1Aにおいて、単一のトランジスタ12のゲートはノードND1に接続され、単一のトランジスタ14のゲートはノードND2に接続される。
【0030】
図5を参照し、電圧生成回路1Aにおける起動期間の挙動を説明する。起動期間において、トランジスタ11にドレイン電流Id11が流れ、ドレイン電流Id11はノードND1の電位を上昇させる。トランジスタ11のゲート-ソース間電圧は小さいため(0Vであるため)、トランジスタ11のドレイン電流Id11は、第1参考例に係るトランジスタ1011のドレイン電流と同様に、大きくはない。但し、ノードND1及びグランド配線間の寄生容量は負荷容量CL1と比べて十分に小さいため、起動期間においてノードND1の電位(従ってトランジスタ13のゲート電位)は素早く上昇する。
【0031】
加えて、起動期間において、出力電圧Vout1が目標電圧Vtg1より低い状態では(特に例えば出力電圧Vout1が0Vに近い状態では)、トランジスタ13のゲート-ソース間電圧が0Vよりも顕著に大きくなる。結果、トランジスタ13のゲート-ソース間電圧が0Vであるときと比べて、トランジスタ13のドレイン電流Id13は大きくなる。故に、起動期間において負荷容量CL1の駆動電流が第1参考例と比べて大きくなり、出力電圧Vout1が短時間で目標電圧Vtg1まで上昇する(即ち、起動に必要な時間が短縮される)。
【0032】
図6に第1参考例及び実施例EX1Aにおける出力電圧の波形を示す。破線波形511は
図3に示したものと同様である。実線波形512は電圧生成回路1Aの起動時における出力電圧Vout1の波形を表す。
【0033】
[実施例EX1B]
実施例EX1Bを説明する。
図7は実施例EX1Bに係る電圧生成回路1に相当する電圧生成回路1Bの構成図である。電圧生成回路1Bでは、前段トランジスタ回路20にトランジスタ12が1つだけ設けられ、且つ、後段トランジスタ回路40にトランジスタ14が1つだけ設けられる。電圧生成回路1Bでは単一のトランジスタ12のゲートがノードND1に接続されることなくノードND2に接続されており、この点を除き、
図7の電圧生成回路1Bは
図4の電圧生成回路1Aと同一の構成を有する。
【0034】
図7の電圧生成回路1Bでは、出力電圧Vout1がトランジスタ12のゲート閾電圧以下である状態においてトランジスタ12がオフであり、故に、トランジスタ11のドレイン電流が全てトランジスタ13のゲート電位上昇に寄与する。このため、電圧生成回路1Aと比べて、電圧生成回路1Bでは起動時におけるトランジスタ13のゲート電位が急峻に上昇し、これに連動して出力電圧Vout1が素早く上昇する(即ち起動に必要な時間が短縮される)。
【0035】
[実施例EX1C]
実施例EX1Cを説明する。
図8は実施例EX1Cに係る電圧生成回路1に相当する電圧生成回路1Cの構成図である。
図8の電圧生成回路1Cは
図4の電圧生成回路1Aを基準に、前段トランジスタ回路20を構成するトランジスタ12を複数とし且つ後段トランジスタ回路40を構成するトランジスタ14を複数としたものに相当する。電圧生成回路1Cによっても電圧生成回路1Aと同様の作用効果が得られ、また、出力電圧Vout1を必要なだけ高めることができる。
【0036】
詳細には電圧生成回路1Cでは、前段トランジスタ回路20にトランジスタ12がm個設けられ、且つ、後段トランジスタ回路40にトランジスタ14がn個設けられる。ここで、m及びnは夫々に2以上の整数を表す。“m=n”であっても良いし、“m>n”又は“m<n”であっても良い。
図9に“m=n=2”であるときの電圧生成回路1Cの構成を示す。
【0037】
前段トランジスタ回路20におけるm個のトランジスタ12をトランジスタ12[1]~12[m]と称する。トランジスタ12[1]~12[m]はノードND1とグランド端との間にて互いに直列接続される。後段トランジスタ回路40におけるn個のトランジスタ14をトランジスタ14[1]~14[n]と称する。トランジスタ14[1]~14[n]はノードND2とグランド端との間にて互いに直列接続される。
【0038】
前段トランジスタ回路20において、ノードND1からグランド端に向けて、トランジスタ12[1]~12[m]が、この順番で設けられる。従って、トランジスタ12[i]とトランジスタ12[i+1]は互いに隣接する。後段トランジスタ回路40において、ノードND2からグランド端に向けて、トランジスタ14[1]~14[n]が、この順番で設けられる。従って、トランジスタ14[i]とトランジスタ14[i+1]は互いに隣接する。iは任意の整数を表す。
【0039】
トランジスタ12[1]~12[m]は夫々に互いに短絡されたソース及びバックゲートを有する。即ち、“1≦i≦m”を満たす各整数iについて、トランジスタ12[i]のソース及びバックゲートは互いに短絡される。トランジスタ12[1]~12[m]において、互いに隣接する2つのトランジスタ12[i]及び12[i+1]の内、一方のトランジスタ12[i+1]のドレインは他方のトランジスタ12[i]のソースに接続される。トランジスタ12[1]のドレインはノードND1に接続される。トランジスタ12[m]のソースはグランド端に接続される。
【0040】
電圧生成回路1Cにおいて、トランジスタ12[1]~12[m]は夫々に互いに短絡されたゲート及びドレインを有する。即ち、“1≦i≦m”を満たす各整数iについて、トランジスタ12[i]のゲート及びドレインは互いに短絡される。
【0041】
トランジスタ14[1]~14[n]は夫々に互いに短絡されたソース及びバックゲートを有する。即ち、“1≦i≦n”を満たす各整数iについて、トランジスタ14[i]のソース及びバックゲートは互いに短絡される。トランジスタ14[1]~14[n]は夫々に互いに短絡されたドレイン及びゲートを有する。即ち、“1≦i≦n”を満たす各整数iについて、トランジスタ14[i]のドレイン及びゲートは互いに短絡される。トランジスタ14[1]~14[n]において、互いに隣接する2つのトランジスタ14[i]及び14[i+1]の内、一方のトランジスタ14[i+1]のドレインは他方のトランジスタ14[i]のソースに接続される。トランジスタ14[1]のドレインはノードND2に接続される。トランジスタ14[n]のソースはグランド端に接続される。
【0042】
従って、電圧生成回路1Cにおいて“m=2”であれば(
図9参照)、トランジスタ12[1]のドレイン及びゲートはノードND1に接続され、トランジスタ12[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ12[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ12[2]のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。電圧生成回路1Cにおいて“n=2”であれば(
図9参照)、トランジスタ14[1]のドレイン及びゲートはノードND2に接続され、トランジスタ14[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ14[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ14[2]のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。
【0043】
[実施例EX1D]
実施例EX1Dを説明する。
図10は実施例EX1Dに係る電圧生成回路1に相当する電圧生成回路1Dの構成図である。実施例EX1Aに係る電圧生成回路1A(
図4参照)を実施例EX1Bに係る電圧生成回路1B(
図7参照)へと変形するのと同様に、実施例EX1Cに係る電圧生成回路1C(
図8参照)を変形して得られる電圧生成回路が、電圧生成回路1D(
図10参照)である。
【0044】
即ち、電圧生成回路1Dでは、電圧生成回路1Cと同様、前段トランジスタ回路20にトランジスタ12がm個設けられ、且つ、後段トランジスタ回路40にトランジスタ14がn個設けられる。但し、電圧生成回路1Dではトランジスタ12[1]のゲートがノードND1に接続されることなくノードND2に接続されており、この点を除き、
図10の電圧生成回路1Dは
図8の電圧生成回路1Cと同一の構成を有する。
【0045】
従って、電圧生成回路1Dにおいて、トランジスタ12[2]~12[m]は夫々に互いに短絡されたゲート及びドレインを有する。即ち、“2≦i≦m”を満たす各整数iについて、トランジスタ12[i]のゲート及びドレインは互いに短絡される。
【0046】
図10の電圧生成回路1Dでは、出力電圧Vout1がトランジスタ12[1]~12[m]のゲート閾電圧の総和以下である状態において前段トランジスタ回路20に電流が流れず、故に、トランジスタ11のドレイン電流が全てトランジスタ13のゲート電位上昇に寄与する。このため、電圧生成回路1Cと比べて、電圧生成回路1Dでは起動時におけるトランジスタ13のゲート電位が急峻に上昇し、これに連動して出力電圧Vout1が目標電圧Vtg1に向けて素早く上昇する(即ち起動に必要な時間が短縮される)。
【0047】
図11に“m=n=2”であるときの電圧生成回路1Dの構成を示す。電圧生成回路1Dにおいて“m=2”であれば、トランジスタ12[1]のドレインはノードND1に接続され、トランジスタ12[1]のゲートはノードND1に接続されることなくノードND2に接続され、トランジスタ12[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ12[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ12[2]のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。電圧生成回路1Dにおいて“n=2”であれば、トランジスタ14[1]のドレイン及びゲートはノードND2に接続され、トランジスタ14[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ14[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ14[2]のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。
【0048】
[実施例EX1E]
実施例EX1Eを説明する。実施例EX1Dに係る電圧生成回路1Dに対して、以下の変形MD1Eを施して良い。電圧生成回路1Dに変形MD1Eを施して得られる電圧生成回路1Eの構成を
図12に示す。電圧生成回路1Eは実施例EX1Eに係る電圧生成回路1に相当する。
【0049】
変形MD1Eでは、“m=n=N”に設定した上で“2≦i≦N”を満たす各整数iについて、トランジスタ12[i]のゲートをトランジスタ12[i]のドレイン並びにトランジスタ12[i-1]のソース及びバックゲートに接続することなく、トランジスタ14[i]のゲート及びドレインに接続する。Nは2以上の任意の整数である。変形MD1Eを除き、
図12の電圧生成回路1Eは
図10の電圧生成回路1Dと同一の構成を有する。故に、電圧生成回路1Dと同様、電圧生成回路1Eではトランジスタ12[1]のゲートがノードND1に接続されることなくノードND2に接続される。電圧生成回路1Eによっても電圧生成回路1Dと同様の効果が得られる。
【0050】
図13に“m=n=N=2”であるときの電圧生成回路1Eの構成を示す。電圧生成回路1Eにおいて“m=n=N=2”であれば、トランジスタ12[1]のドレインはノードND1に接続され、トランジスタ12[1]のゲートはノードND1に接続されることなくノードND2に接続され、トランジスタ12[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ12[2]のドレインにのみ接続され、トランジスタ12[2]のゲートはトランジスタ12[2]のドレインに接続されることなくトランジスタ14[2]のゲートに接続され、且つ、トランジスタ12[2]のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。電圧生成回路1Eにおいて“m=n=N=2”であれば、トランジスタ14[1]のドレイン及びゲートはノードND2に接続され、トランジスタ14[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ14[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ14[2]のソース及びバックゲートはグランド端に接続される。
【0051】
<<第2実施形態>>
本開示の第2実施形態を説明する。第1実施形態に係る電圧生成回路1をPチャネル型のMOSFETにて構成するようにしても良い。但し、この場合、グランド端と電源端との関係を入れ替える必要がある。第2実施形態では、Pチャネル型のMOSFETを用いて形成される電圧生成回路を説明する。
【0052】
図14は第2実施形態に係る電圧生成回路2の構成図である。電圧生成回路2は直流の電源電圧VDDから直流の出力電圧Vout2を生成する直流電圧源(基準電圧源)であり、リニアレギュレータに属する。電源電圧VDDは正の直流電圧値を有する。電圧生成回路2は、出力電圧Vout2が所定の目標電圧Vtg2にて安定化されるよう、出力電圧Vout2を生成する。目標電圧Vtg2は電源電圧VDDよりも低い正の直流電圧である。
【0053】
尚、第1実施形態における出力電圧Vout1は電圧生成回路1の起動前において0Vであり、電圧生成回路1の起動に伴って出力電圧Vout1が0Vから所定の正の目標電圧Vtg1に向けて上昇した後、当該目標電圧Vtg1にて安定化する。これに対し、第2実施形態における出力電圧Vout2は電圧生成回路2の起動前において電源電圧VDDの値を有し、電圧生成回路2の起動に伴って出力電圧Vout2が電源電圧VDDから所定の正の目標電圧Vtg2に向けて低下した後、当該目標電圧Vtg2にて安定化する。
【0054】
電圧生成回路2は、トランジスタ61と、1以上のトランジスタ62(前段トランジスタ)から成る前段トランジスタ回路70と、トランジスタ63と、1以上のトランジスタ64(後段トランジスタ)から成る後段トランジスタ回路90と、を備える。
【0055】
トランジスタ61及び63は夫々にPチャネル型且つデプレッション型のMOSFETである。従って、トランジスタ61のゲート-ソース間電圧が0Vであっても、トランジスタ61のドレイン-ソース間は導通状態となり、このときトランジスタ61のドレイン電位よりもトランジスタ61のソース電位が高ければトランジスタ61にドレイン電流が流れる。同様に、トランジスタ63のゲート-ソース間電圧が0Vであっても、トランジスタ63のドレイン-ソース間は導通状態となり、このときトランジスタ63のドレイン電位よりもトランジスタ63のソース電位が高ければトランジスタ63にドレイン電流が流れる。
【0056】
トランジスタ62及び64は夫々にPチャネル型且つエンハンスメント型のMOSFETである。従って、トランジスタ62のゲート-ソース間電圧が0Vであれば、トランジスタ62のドレイン-ソース間は遮断状態となり、このときトランジスタ62のドレイン電位よりもトランジスタ62のソース電位が高かったとしてもトランジスタ62にドレイン電流は流れない。同様、トランジスタ64のゲート-ソース間電圧が0Vであれば、トランジスタ64のドレイン-ソース間は遮断状態となり、このときトランジスタ64のドレイン電位よりもトランジスタ64のソース電位が高かったとしてもトランジスタ64にドレイン電流は流れない。
【0057】
トランジスタ61のドレインはグランド端に接続される。トランジスタ61のソース、ゲート及びバックゲートはノードNDaに共通接続される。前段トランジスタ回路70はノードNDaと電源端との間に接続される。トランジスタ61及び前段トランジスタ回路70は、電源電圧VDDより低く且つグランド電圧よりも高い電圧をノードNDaに発生させる。
【0058】
トランジスタ63のドレインはグランド端に接続される。トランジスタ63のソース及びバックゲートはノードNDbに共通接続される。トランジスタ63のゲートはノードNDaに接続される。後段トランジスタ回路90はノードNDbと電源端との間に接続される。トランジスタ63及び後段トランジスタ回路90は、電源電圧VDDより低く且つグランド電圧よりも高い電圧を出力電圧Vout2としてノードNDbに発生させる。
【0059】
ノードNDbは出力配線WRout2に接続される。故に、出力配線WRout2に出力電圧Vout2が加わる。負荷容量CL2は、出力配線WRout2と電源電圧VDDが加わる配線(以下、電源配線と称する)との間に形成される寄生容量である。負荷容量CL2は、出力電圧Vout2を受ける各種の負荷回路(不図示)の入力容量を含む。出力電圧Vout2を受ける各種の負荷回路において、出力電圧Vout2は基準電圧として利用されて良い。
【0060】
電圧生成回路2が起動すると、出力電圧Vout2が電源電圧VDDから所定の目標電圧Vtg2に向けて低下する。第2実施形態における起動期間は、電圧生成回路2の起動時において出力電圧Vout2が電源電圧VDDから所定の目標電圧Vtg2に向けて低下する期間である。
【0061】
出力電圧Vout2が目標電圧Vtg2にて安定化されている状態において、電源端から前段トランジスタ回路70及びトランジスタ61を通じグランド端に向けてバイアス電流が流れ、電源端から後段トランジスタ回路90及びトランジスタ63を通じグランド端に向けて他のバイアス電流が流れる。出力電圧Vout2が目標電圧Vtg2にて安定化されている状態において、ノードNDaにトランジスタ62のゲート閾電圧に応じた電圧が加わり、ノードNDbにトランジスタ64のゲート閾電圧に応じた電圧が加わる。
【0062】
第2実施形態は、以下の実施例EX2A~EX2Eを含む。第2実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の実施例EX2A~EX2Eに適用される。但し、各実施例において、第2実施形態で上述した事項と矛盾する事項については各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、実施例EX2A~EX2Eの内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0063】
[第2参考例]
実施例EX2A~EX2Eの説明に先立ち、
図15を参照して、第2参考例に係る電圧生成回路1002の構成を説明する。電圧生成回路1002は、グランド端と電源端との間に設けられたトランジスタ1061及び1062の直列回路を有する。トランジスタ1061はPチャネル型且つデプレッション型のMOSFETである。トランジスタ1062はPチャネル型且つエンハンスメント型のMOSFETである。トランジスタ1061がグランド端側に設けられ、トランジスタ1062が電源端側に設けられる。
【0064】
トランジスタ1061のドレインはグランド端に接続され、トランジスタ1061のゲート、ソース及びバックゲートは出力配線WRout2’に共通接続される。トランジスタ1062のゲート及びドレインは出力配線WRout2’に接続され、トランジスタ1062のソース及びバックゲートは電源端に接続される。
【0065】
出力電圧Vout2’が未だ電源電圧VDD近辺であるとき、出力配線WRout2’からトランジスタ1061を通じて電流が流れて出力電圧Vout2’が低下してゆく。出力電圧Vout2’の低下過程において、負荷容量CL2’はトランジスタ1061のドレイン電流により駆動される。但し、電圧生成回路1002では、出力電圧Vout2’の高低に依らず、トランジスタ1061のゲート-ソース間電圧が小さいので(0Vに固定されているので)、負荷容量CL2’の駆動電流も小さい。結果、
図16に示す如く、電圧生成回路1002の起動時において出力電圧Vout2’が所望の安定化電圧に達するまでの時間が長くなる。
図16において、破線波形521は電圧生成回路1002の起動時における出力電圧Vout2’の波形を表す。
【0066】
[実施例EX2A]
実施例EX2Aを説明する。
図17は実施例EX2Aに係る電圧生成回路2に相当する電圧生成回路2Aの構成図である。電圧生成回路2Aでは、前段トランジスタ回路70にトランジスタ62が1つだけ設けられ、且つ、後段トランジスタ回路90にトランジスタ64が1つだけ設けられる。
【0067】
電圧生成回路2Aにおいて、単一のトランジスタ62のドレインはノードNDaに接続され、単一のトランジスタ64のドレインはノードNDbに接続される。電圧生成回路2Aにおいて、単一のトランジスタ62のソース及びバックゲート並びに単一のトランジスタ64のソース及びバックゲートは電源端に接続される。電圧生成回路2Aにおいて、単一のトランジスタ62のゲートはノードNDaに接続され、単一のトランジスタ64のゲートはノードNDbに接続される。
【0068】
図18を参照し、電圧生成回路2Aにおける起動期間の挙動を説明する。電圧生成回路2Aの起動直前において負荷容量CL2の両端間電圧は0Vであるとする。起動期間において、出力電圧Vout2が電源電圧VDDに近い状態では、トランジスタ63のゲート-ソース間電圧が0Vよりも顕著に大きくなる。結果、トランジスタ63のゲート-ソース間電圧が0Vであるときと比べて、トランジスタ63のドレイン電流Id63は大きくなる。故に、起動期間において負荷容量CL2の駆動電流が第2参考例と比べて大きくなり、出力電圧Vout2が短時間で目標電圧Vtg2まで低下する(即ち、起動に必要な時間が短縮される)。
【0069】
図19に第2参考例及び実施例EX2Aにおける出力電圧の波形を示す。破線波形521は
図16に示したものと同様である。実線波形522は電圧生成回路2Aの起動時における出力電圧Vout2の波形を表す。
【0070】
[実施例EX2B]
実施例EX2Bを説明する。
図20は実施例EX2Bに係る電圧生成回路2に相当する電圧生成回路2Bの構成図である。電圧生成回路2Bでは、前段トランジスタ回路70にトランジスタ62が1つだけ設けられ、且つ、後段トランジスタ回路90にトランジスタ64が1つだけ設けられる。電圧生成回路2Bでは単一のトランジスタ62のゲートがノードNDaに接続されることなくノードNDbに接続されており、この点を除き、
図20の電圧生成回路2Bは
図17の電圧生成回路2Aと同一の構成を有する。
【0071】
図20の電圧生成回路2Bでは、出力電圧Vout2が電源電圧VDDに近い状態においてトランジスタ62がオフであり、故に、トランジスタ63のゲート電位がトランジスタ61により略0Vとされる。このため、電圧生成回路2Aと比べて、起動期間におけるトランジスタ63のドレイン電流が大きくなり、これに連動して出力電圧Vout2が目標電圧Vtg2に向けて素早く低下する(即ち起動に必要な時間が短縮される)。
【0072】
[実施例EX2C]
実施例EX2Cを説明する。
図21は実施例EX2Cに係る電圧生成回路2に相当する電圧生成回路2Cの構成図である。
図21の電圧生成回路2Cは
図17の電圧生成回路2Aを基準に、前段トランジスタ回路70を構成するトランジスタ62を複数とし且つ後段トランジスタ回路90を構成するトランジスタ64を複数としたものに相当する。電圧生成回路2Cによっても電圧生成回路2Aと同様の作用効果が得られ、また、電源電圧VDD及び出力電圧Vout2間の差(換言すれば電源電圧VDD及び目標電圧Vtg2間の差)を必要なだけ高めることができる。
【0073】
詳細には電圧生成回路2Cでは、前段トランジスタ回路70にトランジスタ62がm個設けられ、且つ、後段トランジスタ回路90にトランジスタ64がn個設けられる。ここで、m及びnは夫々に2以上の整数を表す。“m=n”であっても良いし、“m>n”又は“m<n”であっても良い。
図22に“m=n=2”であるときの電圧生成回路2Cの構成を示す。
【0074】
前段トランジスタ回路70におけるm個のトランジスタ62をトランジスタ62[1]~62[m]と称する。トランジスタ62[1]~62[m]はノードNDaと電源端との間にて互いに直列接続される。後段トランジスタ回路90におけるn個のトランジスタ64をトランジスタ64[1]~64[n]と称する。トランジスタ64[1]~64[n]はノードNDbと電源端との間にて互いに直列接続される。
【0075】
前段トランジスタ回路70において、ノードNDaから電源端に向けて、トランジスタ62[1]~62[m]が、この順番で設けられる。従って、トランジスタ62[i]とトランジスタ62[i+1]は互いに隣接する。後段トランジスタ回路90において、ノードNDbから電源端に向けて、トランジスタ64[1]~64[n]が、この順番で設けられる。従って、トランジスタ64[i]とトランジスタ64[i+1]は互いに隣接する。iは任意の整数を表す。
【0076】
トランジスタ62[1]~62[m]は夫々に互いに短絡されたソース及びバックゲートを有する。即ち、“1≦i≦m”を満たす各整数iについて、トランジスタ62[i]のソース及びバックゲートは互いに短絡される。トランジスタ62[1]~62[m]において、互いに隣接する2つのトランジスタ62[i]及び62[i+1]の内、一方のトランジスタ62[i+1]のドレインは他方のトランジスタ62[i]のソースに接続される。トランジスタ62[1]のドレインはノードNDaに接続される。トランジスタ62[m]のソースは電源端に接続される。
【0077】
電圧生成回路2Cにおいて、トランジスタ62[1]~62[m]は夫々に互いに短絡されたゲート及びドレインを有する。即ち、“1≦i≦m”を満たす各整数iについて、トランジスタ62[i]のゲート及びドレインは互いに短絡される。
【0078】
トランジスタ64[1]~64[n]は夫々に互いに短絡されたソース及びバックゲートを有する。即ち、“1≦i≦n”を満たす各整数iについて、トランジスタ64[i]のソース及びバックゲートは互いに短絡される。トランジスタ64[1]~64[n]は夫々に互いに短絡されたドレイン及びゲートを有する。即ち、“1≦i≦n”を満たす各整数iについて、トランジスタ64[i]のドレイン及びゲートは互いに短絡される。トランジスタ64[1]~64[n]において、互いに隣接する2つのトランジスタ64[i]及び64[i+1]の内、一方のトランジスタ64[i+1]のドレインは他方のトランジスタ64[i]のソースに接続される。トランジスタ64[1]のドレインはノードNDbに接続される。トランジスタ64[n]のソースは電源端に接続される。
【0079】
従って、電圧生成回路2Cにおいて“m=2”であれば(
図22参照)、トランジスタ62[1]のドレイン及びゲートはノードNDaに接続され、トランジスタ62[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ62[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ62[2]のソース及びバックゲートは電源端に接続される。電圧生成回路2Cにおいて“n=2”であれば(
図22参照)、トランジスタ64[1]のドレイン及びゲートはノードNDbに接続され、トランジスタ64[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ64[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ64[2]のソース及びバックゲートは電源端に接続される。
【0080】
[実施例EX2D]
実施例EX2Dを説明する。
図23は実施例EX2Dに係る電圧生成回路2に相当する電圧生成回路2Dの構成図である。実施例EX2Aに係る電圧生成回路2A(
図17参照)を実施例EX2Bに係る電圧生成回路2B(
図20参照)へと変形するのと同様に、実施例EX2Cに係る電圧生成回路2C(
図21参照)を変形して得られる電圧生成回路が、電圧生成回路2D(
図23参照)である。
【0081】
即ち、電圧生成回路2Dでは、電圧生成回路2Cと同様、前段トランジスタ回路70にトランジスタ62がm個設けられ、且つ、後段トランジスタ回路90にトランジスタ64がn個設けられる。但し、電圧生成回路2Dではトランジスタ62[1]のゲートがノードNDaに接続されることなくノードNDbに接続されており、この点を除き、
図23の電圧生成回路2Dは
図21の電圧生成回路2Cと同一の構成を有する。
【0082】
従って、電圧生成回路2Dにおいて、トランジスタ62[2]~62[m]は夫々に互いに短絡されたゲート及びドレインを有する。即ち、“2≦i≦m”を満たす各整数iについて、トランジスタ62[i]のゲート及びドレインは互いに短絡される。
【0083】
図23の電圧生成回路2Dでは、差電圧(VDD-Vout2)がトランジスタ62[1]~62[m]のゲート閾電圧の総和以下である状態において前段トランジスタ回路70に電流が流れず、故に、トランジスタ61によりトランジスタ63のゲート電位が略0Vに維持される。このため、電圧生成回路2Cと比べて、電圧生成回路2Dでは起動時におけるトランジスタ63のゲート電位が低く保たれ易く、故に出力電圧Vout2が素早く目標電圧Vtg2に向けて低下する(即ち起動に必要な時間が短縮される)。
【0084】
図24に“m=n=2”であるときの電圧生成回路2Dの構成を示す。電圧生成回路2Dにおいて“m=2”であれば、トランジスタ62[1]のドレインはノードNDaに接続され、トランジスタ62[1]のゲートはノードNDaに接続されることなくノードNDbに接続され、トランジスタ62[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ62[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ62[2]のソース及びバックゲートは電源端に接続される。電圧生成回路2Dにおいて“n=2”であれば、トランジスタ64[1]のドレイン及びゲートはノードNDbに接続され、トランジスタ64[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ64[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ64[2]のソース及びバックゲートは電源端に接続される。
【0085】
[実施例EX2E]
実施例EX2Eを説明する。実施例EX2Dに係る電圧生成回路2Dに対して、以下の変形MD2Eを施して良い。電圧生成回路2Dに変形MD2Eを施して得られる電圧生成回路2Eの構成を
図25に示す。電圧生成回路2Eは実施例EX2Eに係る電圧生成回路2に相当する。
【0086】
変形MD2Eでは、“m=n=N”に設定した上で“2≦i≦N”を満たす各整数iについて、トランジスタ62[i]のゲートをトランジスタ62[i]のドレイン並びにトランジスタ62[i-1]のソース及びバックゲートに接続することなく、トランジスタ64[i]のゲート及びドレインに接続する。Nは2以上の任意の整数である。変形MD2Eを除き、
図25の電圧生成回路2Eは
図23の電圧生成回路2Dと同一の構成を有する。故に、電圧生成回路2Dと同様、電圧生成回路2Eではトランジスタ62[1]のゲートがノードNDaに接続されることなくノードNDbに接続される。電圧生成回路2Eによっても電圧生成回路2Dと同様の効果が得られる。
【0087】
図26に“m=n=N=2”であるときの電圧生成回路2Eの構成を示す。電圧生成回路2Eにおいて“m=n=N=2”であれば、トランジスタ62[1]のドレインはノードNDaに接続され、トランジスタ62[1]のゲートはノードNDaに接続されることなくノードNDbに接続され、トランジスタ62[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ62[2]のドレインにのみ接続され、トランジスタ62[2]のゲートはトランジスタ62[2]のドレインに接続されることなくトランジスタ64[2]のゲートに接続され、且つ、トランジスタ62[2]のソース及びバックゲートは電源端に接続される。電圧生成回路2Eにおいて“m=n=N=2”であれば、トランジスタ64[1]のドレイン及びゲートはノードNDbに接続され、トランジスタ64[1]のソース及びバックゲートはトランジスタ64[2]のドレイン及びゲートに接続され、且つ、トランジスタ64[2]のソース及びバックゲートは電源端に接続される。
【0088】
<<付記>>
上述の各実施形態にて具体的構成例が示された本開示について付記を設ける。
【0089】
本開示の一側面に係る電圧生成回路(
図1及び
図14参照)は、第1ノード(ND1又はNDa)に共通接続されたソース、バックゲート及びゲート、並びに、第1基準電圧が加わる第1電位端に接続されたドレインを有する第1MOSFET(11又は61)と、1以上の第2MOSFET(12又は62)を有し、前記第1ノードと第2基準電圧が加わる第2電位端との間に接続された前段トランジスタ回路(20又は70)と、第2ノード(ND2又はNDb)に共通接続されたソース及びバックゲート、前記第1ノードに接続されたゲート、並びに、前記第1電位端に接続されたドレインを有する第3MOSFET(13又は63)と、1以上の第4MOSFET(14又は64)を有し、前記第2ノードと前記第2電位端との間に接続された後段トランジスタ回路(40又は90)と、を備え、前記第1MOSFET及び前記第3MOSFETは、夫々に、ゲート-ソース間電圧が0Vであるときに導通状態となる特性を有し、前記第2MOSFET及び前記第4MOSFETは、夫々に、ゲート-ソース間電圧が0Vであるときに遮断状態となる特性を有し、前記第1MOSFET及び前記前段トランジスタ回路により、前記第1基準電圧と前記第2基準電圧との間の電圧が前記第1ノードに発生し、前記第3MOSFET及び前記後段トランジスタ回路により、前記第1基準電圧と前記第2基準電圧との間の出力電圧(Vout1又はVout2)が前記第2ノードに発生する構成(第1の構成)である。
【0090】
これにより、電圧生成回路の起動時間の短縮が図られる。即ち、出力電圧を短時間で所望の目標電圧に向かわせることができる。
【0091】
尚、第1実施形態においては電源電圧VDDが第1基準電圧に対応し、グランド電圧が第2基準電圧に対応する。第2実施形態においてはグランド電圧が第1基準電圧に対応し、電源電圧VDDが第2基準電圧に対応する。
【0092】
上記第1の構成に係る電圧生成回路において(
図4及び
図17参照)、前記前段トランジスタ回路は単一の第2MOSFET(12又は62)を有し、前記後段トランジスタ回路は単一の第4MOSFET(14又は64)を有し、前記単一の第2MOSFETのドレインは前記第1ノードに接続され、前記単一の第4MOSFETのドレインは前記第2ノードに接続され、前記単一の第2MOSFETのソース及びバックゲート並びに前記単一の第4MOSFETのソース及びバックゲートは前記第2電位端に接続され、前記単一の第2MOSFETのゲートは前記第1ノードに接続され、前記単一の第4MOSFETのゲートは前記第2ノードに接続される構成(第2の構成)であっても良い。
【0093】
上記第1の構成に係る電圧生成回路において(
図7及び
図20参照)、前記前段トランジスタ回路は単一の第2MOSFET(12又は62)を有し、前記後段トランジスタ回路は単一の第4MOSFET(14又は64)を有し、前記単一の第2MOSFETのドレインは前記第1ノードに接続され、前記単一の第4MOSFETのドレインは前記第2ノードに接続され、前記単一の第2MOSFETのソース及びバックゲート並びに前記単一の第4MOSFETのソース及びバックゲートは前記第2電位端に接続され、前記単一の第2MOSFET及び前記単一の第4MOSFETの各ゲートは前記第2ノードに接続される構成(第3の構成)であっても良い。
【0094】
これにより、起動時間の更なる短縮化が図られる。
【0095】
上記第1の構成に係る電圧生成回路において(
図8~
図13及び
図21~
図26参照)、前記前段トランジスタ回路は複数の第2MOSFET(12[1]~12[m]又は62[1]~62[m])を有し、前記複数の第2MOSFETは前記第1ノードと前記第2電位端との間にて互いに直列接続され、前記後段トランジスタ回路は複数の第4MOSFET(14[1]~14[n]又は64[1]~64[n])を有し、前記複数の第4MOSFETは前記第2ノードと前記第2電位端との間にて互いに直列接続される構成(第4の構成)であっても良い。
【0096】
上記第4の構成に係る電圧生成回路において(
図8~
図13及び
図21~
図26参照)、前記複数の第2MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたソース及びバックゲートを有し、前記複数の第2MOSFETにおいて、互いに隣接する2つの第2MOSFETの内、一方の第2MOSFETのドレインは他方の第2MOSFETのソースに接続され、前記複数の第2MOSFETの内、特定の第2MOSFET(12[1]又は62[1])のドレインは前記第1ノードに接続され、前記複数の第4MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたソース及びバックゲートと、互いに短絡されたドレイン及びゲートと、を有し、前記複数の第4MOSFETにおいて、互いに隣接する2つの第4MOSFETの内、一方の第4MOSFETのドレインは他方の第4MOSFETのソースに接続され、前記複数の第4MOSFETの内、特定の第4MOSFET(14[1]又は64[1])のドレインは前記第2ノードに接続される構成(第5の構成)であっても良い。
【0097】
上記第5の構成に係る電圧生成回路において(
図8及び
図21参照)、前記複数の第2MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたドレイン及びゲートを有する構成(第6の構成)であっても良い。
【0098】
上記第5の構成に係る電圧生成回路において(
図11及び
図24参照)、前記複数の第2MOSFETは、前記特定の第2MOSFET(12[1]又は62[1])と、他の1つの第2MOSFET(12[2]又は62[2])を含み、前記他の1つの第2MOSFETは、互いに短絡されたドレイン及びゲートを有し、前記特定の第2MOSFETのゲートは前記第2ノードに接続される構成(第7の構成)であっても良い。
【0099】
これにより、起動時間の更なる短縮化が図られる。
【0100】
上記第5の構成に係る電圧生成回路において(
図10及び
図23参照)、前記複数の第2MOSFETは、前記特定の第2MOSFET(12[1]又は62[1])と、他の2以上の第2MOSFET(12[2]~12[m]又は62[2]~62[m])を含み、前記他の2以上の第2MOSFETは、夫々に、互いに短絡されたドレイン及びゲートを有し、前記特定の第2MOSFETのゲートは前記第2ノードに接続される構成(第8の構成)であっても良い。
【0101】
これにより、起動時間の更なる短縮化が図られる。
【0102】
上記第5の構成に係る電圧生成回路において(
図12及び
図25参照)、前記複数の第2MOSFETは、第1~第Nの前段トランジスタであり、前記複数の第4MOSFETは、第1~第Nの後段トランジスタであり、第iの前段トランジスタのゲートは第iの後段トランジスタのゲートに接続され、Nは2以上の整数を表し、iはN以下の自然数を表す構成(第9の構成)であっても良い。
【0103】
これにより、起動時間の更なる短縮化が図られる。
【0104】
上記第1~第9の構成の何れかに係る電圧生成回路において(
図1~
図13参照)、前記第1MOSFET、前記第2MOSFET、前記第3MOSFET及び前記第4MOSFETは、Nチャネル型のMOSFETであり、前記第1基準電圧は前記第2基準電圧よりも高い構成(第10の構成)であっても良い。
【0105】
上記第1~第9の構成の何れかに係る電圧生成回路において(
図14~
図26参照)、前記第1MOSFET、前記第2MOSFET、前記第3MOSFET及び前記第4MOSFETは、Pチャネル型のMOSFETであり、前記第1基準電圧は前記第2基準電圧よりも低い構成(第11の構成)であっても良い。
【0106】
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【0107】
電圧生成回路1及び2を半導体集積回路にて構成してよい。電圧生成回路1又は2を組み込んだ任意の種類の半導体装置を構成して良い。
【符号の説明】
【0108】
1、1A~1E、2、2A~2E 電圧生成回路
11~14、21~24 トランジスタ
20、70 前段トランジスタ回路
40、90 後段トランジスタ回路
ND1、ND2、NDa、NDb ノード
WRout1、WRout2 出力配線
Vout1、Vout2 出力電圧
CL1、CL2 負荷容量
VDD 電源電圧
1001、1002 電圧生成回路
1011、1012、1061、1062 トランジスタ
WRout1’、WRout2’ 出力配線
Vout1’、Vout2’ 出力電圧
CL1’、CL2’ 負荷容量