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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080082
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】フィルタユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/00 20060101AFI20240606BHJP
   G02B 5/28 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G02B26/00
G02B5/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192973
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】大山 泰生
(72)【発明者】
【氏名】柴山 勝己
(72)【発明者】
【氏名】能野 隆文
(72)【発明者】
【氏名】笠原 隆
(72)【発明者】
【氏名】蔵本 有未
【テーマコード(参考)】
2H141
2H148
【Fターム(参考)】
2H141MA22
2H141MB28
2H141MC06
2H141MD04
2H141MD38
2H141ME01
2H141ME22
2H141ME23
2H141MF05
2H141MF08
2H141MF16
2H141MF26
2H141MF28
2H141MG09
2H141MZ02
2H148GA01
2H148GA30
2H148GA48
(57)【要約】
【課題】ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向に狭い領域への配置に適したフィルタユニットを提供する。
【解決手段】フィルタユニット1は、開口部23を有する支持体2と、Z軸方向において互いに向かい合っており且つ互いの距離が可変である一対のミラー部を含み、Z軸方向から見た場合に開口部23と重なるように支持体2上に配置されたファブリペロー干渉フィルタ10と、Z軸方向から見た場合にファブリペロー干渉フィルタ10と重ならないように支持体2上に配置されており、ファブリペロー干渉フィルタ10と電気的に接続された配線基板4と、を備える。支持体2には、Z軸方向を深さ方向として第2凹部22が形成されている。第2凹部22は、Z軸方向から見た場合に支持体2の外縁に至っている。配線基板4は、第2凹部22内に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通過部を有する支持体と、
第1方向において互いに向かい合っており且つ互いの距離が可変である一対のミラー部を含み、前記第1方向から見た場合に前記光通過部と重なるように前記支持体上に配置されたファブリペロー干渉フィルタと、
前記第1方向から見た場合に前記ファブリペロー干渉フィルタと重ならないように前記支持体上に配置されており、前記ファブリペロー干渉フィルタと電気的に接続された配線基板と、を備え、
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として凹部が形成されており、
前記凹部は、前記第1方向から見た場合に前記支持体の外縁に至っており、
前記配線基板は、前記凹部内に配置されている、フィルタユニット。
【請求項2】
前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記支持体の中心に位置している、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項3】
前記第1方向から見た場合に、前記支持体の外縁は、円形状を呈している、請求項2に記載のフィルタユニット。
【請求項4】
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、
前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタの外縁及び前記別の凹部の内縁のそれぞれは、矩形状を呈している、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項5】
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記支持体の第1載置面に配置されており、
前記配線基板は、前記支持体の第2載置面に配置されており、
前記第1載置面及び前記第2載置面は、同一平面上に位置している、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項6】
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、
前記支持体は、前記凹部と前記別の凹部との間に配置された仕切部を含む、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項7】
光透過部材と、
接着部材と、を更に備え、
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、
前記光透過部材は、少なくとも前記別の凹部の開口を覆っており、
前記接着部材は、前記配線基板と前記支持体との間、及び前記配線基板と前記光透過部材との間に配置されている、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項8】
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、
前記第1方向から見た場合に、一方向における前記別の凹部の内縁から前記支持体の外縁までの距離は、前記一方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの幅よりも大きい、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項9】
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、
前記光通過部は、前記支持体に形成された開口部であり、
前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタの外縁は、矩形状を呈しており、
前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタの前記外縁の一辺に垂直な方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの前記外縁から前記支持体の前記外縁までの距離は、前記ファブリペロー干渉フィルタの前記外縁の対角線の長さよりも大きく、
前記第1方向から見た場合に、前記開口部の幅は、前記一辺に垂直な前記方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの幅よりも小さい、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項10】
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、
前記凹部及び前記別の凹部は、前記第1方向に垂直な第2方向に並んでおり、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、
前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの幅をWfとし、前記第3方向における前記配線基板の幅をWsとし、前記第3方向における前記別の凹部の幅をW1とし、前記第3方向における前記凹部の幅をW2とすると、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係、又は「Ws≦W2<Wf≦W1」の関係が成立する、請求項1に記載のフィルタユニット。
【請求項11】
「Wf=W1」の関係が成立する、請求項10に記載のフィルタユニット。
【請求項12】
「Ws=W2」の関係が成立する、請求項10に記載のフィルタユニット。
【請求項13】
前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、
前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、
前記支持体には、前記別の凹部の内面及び前記支持体の外面に開口する貫通孔が形成されている、請求項1に記載のフィルタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファブリペロー干渉フィルタを備えるフィルタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
互いの距離が可変である一対のミラー部を含むファブリペロー干渉フィルタを用いてフィルタユニットを構成するために、次のような構造を利用することが考えられる。すなわち、ステム及びキャップを有するCANパッケージと、CANパッケージ内においてステム上に配置された配線基板と、CANパッケージ内において配線基板上に配置されたファブリペロー干渉フィルタと、ステムを貫通している複数のリードピンと、を備える構造である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0350760号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した構造が適用されたフィルタユニットには、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向(すなわち、一対のミラー部が互いに向かい合っている方向)においてフィルタユニットを薄くすることが難しく、また、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向に対して側方から電気的な接続を実施することが難しいため、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向に狭い領域(例えば、鏡筒内におけるレンズの間の領域)への配置に適さないという課題がある。
【0005】
本発明は、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向に狭い領域への配置に適したフィルタユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフィルタユニットは、[1]「光通過部を有する支持体と、第1方向において互いに向かい合っており且つ互いの距離が可変である一対のミラー部を含み、前記第1方向から見た場合に前記光通過部と重なるように前記支持体上に配置されたファブリペロー干渉フィルタと、前記第1方向から見た場合に前記ファブリペロー干渉フィルタと重ならないように前記支持体上に配置されており、前記ファブリペロー干渉フィルタと電気的に接続された配線基板と、を備え、前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として凹部が形成されており、前記凹部は、前記第1方向から見た場合に前記支持体の外縁に至っており、前記配線基板は、前記凹部内に配置されている、フィルタユニット」である。
【0007】
上記[1]に記載のフィルタユニットでは、配線基板が、第1方向から見た場合に支持体上においてファブリペロー干渉フィルタと重なっておらず、第1方向を深さ方向として支持体に形成された凹部内に配置されている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向(すなわち、一対のミラー部が互いに向かい合っている方向)である第1方向においてフィルタユニットを薄くすることができる。また、配線基板が配置された凹部が、第1方向から見た場合に支持体の外縁に至っている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向に対して側方から電気的な接続を実施することができる。よって、上記[1]に記載のフィルタユニットは、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向に狭い領域への配置に適している。
【0008】
本発明のフィルタユニットは、[2]「前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記支持体の中心に位置している、上記[1]に記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[2]に記載のフィルタユニットによれば、第1方向に対して側方から支持体に外力が作用したとしても、当該外力がファブリペロー干渉フィルタに及ぶのを抑制することができる。また、例えば、鏡筒等の筒体の内側に支持体を嵌め合わせることで、筒体の中心線上にファブリペロー干渉フィルタを配置することができる。
【0009】
本発明のフィルタユニットは、[3]「前記第1方向から見た場合に、前記支持体の外縁は、円形状を呈している、上記[2]に記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[3]に記載のフィルタユニットによれば、第1方向に対して側方から支持体に外力が作用したとしても、当該外力がファブリペロー干渉フィルタに及ぶのをバランス良く抑制することができる。また、例えば、筒体が円筒状である場合に、円筒状の筒体の中心線上にファブリペロー干渉フィルタを容易に且つ精度良く配置することができる。
【0010】
本発明のフィルタユニットは、[4]「前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタの外縁及び前記別の凹部の内縁のそれぞれは、矩形状を呈している、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[4]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタが、第1方向を深さ方向として支持体に形成された別の凹部内に配置されているため、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向においてフィルタユニットをより薄くすることができる。また、第1方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタの外縁及び別の凹部の内縁のそれぞれが矩形状を呈しているため、支持体に対するファブリペロー干渉フィルタの位置決めを容易に且つ精度良く実施することができる。
【0011】
本発明のフィルタユニットは、[5]「前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記支持体の第1載置面に配置されており、前記配線基板は、前記支持体の第2載置面に配置されており、前記第1載置面及び前記第2載置面は、同一平面上に位置している、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[5]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向においてフィルタユニットをより薄くすることができる。
【0012】
本発明のフィルタユニットは、[6]「前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、前記支持体は、前記凹部と前記別の凹部との間に配置された仕切部を含む、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[6]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタが、第1方向を深さ方向として支持体に形成された別の凹部内に配置されているため、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向においてフィルタユニットをより薄くすることができる。また、仕切部を基準とすることで、支持体に対するファブリペロー干渉フィルタ及び配線基板の位置決めを容易に且つ精度良く実施することができる。
【0013】
本発明のフィルタユニットは、[7]「光透過部材と、接着部材と、を更に備え、前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、前記光透過部材は、少なくとも前記別の凹部の開口を覆っており、前記接着部材は、前記配線基板と前記支持体との間、及び前記配線基板と前記光透過部材との間に配置されている、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[7]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向における厚さの増大を抑制しつつ、支持体、配線基板、光透過部材及び接着部材によって、ファブリペロー干渉フィルタを収容するパッケージを構成することができる。これにより、湿気やパーティクル等からファブリペロー干渉フィルタを保護することができる。
【0014】
本発明のフィルタユニットは、[8]「前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、前記第1方向から見た場合に、一方向における前記別の凹部の内縁から前記支持体の外縁までの距離は、前記一方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの幅よりも大きい、上記[1]~[7]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[8]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタが、第1方向を深さ方向として支持体に形成された別の凹部内に配置されているため、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向においてフィルタユニットをより薄くすることができる。また、第1方向から見た場合に、一方向における別の凹部の内縁から支持体の外縁までの距離が、当該一方向におけるファブリペロー干渉フィルタの幅よりも大きいため、第1方向に対して側方から支持体に外力が作用したとしても、当該外力がファブリペロー干渉フィルタに及ぶのを抑制することができる。
【0015】
本発明のフィルタユニットは、[9]「前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、前記光通過部は、前記支持体に形成された開口部であり、前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタの外縁は、矩形状を呈しており、前記第1方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタの前記外縁の一辺に垂直な方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの前記外縁から前記支持体の前記外縁までの距離は、前記ファブリペロー干渉フィルタの前記外縁の対角線の長さよりも大きく、前記第1方向から見た場合に、前記開口部の幅は、前記一辺に垂直な前記方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの幅よりも小さい、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[9]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタが、第1方向を深さ方向として支持体に形成された別の凹部内に配置されているため、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向においてフィルタユニットをより薄くすることができる。また、第1方向から見た場合に、支持体に比べて開口部が非常に小さくなるため、ファブリペロー干渉フィルタに迷光が入射するのを抑制することができる。
【0016】
本発明のフィルタユニットは、[10]「前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、前記凹部及び前記別の凹部は、前記第1方向に垂直な第2方向に並んでおり、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向における前記ファブリペロー干渉フィルタの幅をWfとし、前記第3方向における前記配線基板の幅をWsとし、前記第3方向における前記別の凹部の幅をW1とし、前記第3方向における前記凹部の幅をW2とすると、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係、又は「Ws≦W2<Wf≦W2」の関係が成立する、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[10]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタが、第1方向を深さ方向として支持体に形成された別の凹部内に配置されているため、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向においてフィルタユニットをより薄くすることができる。また、別の凹部の幅W1及び凹部の幅W2が互いに異なっているため、別の凹部と凹部との境界部を基準(例えば、機械的な位置決め部、又は、基準座標)とすることで、支持体に対するファブリペロー干渉フィルタ及び配線基板の位置決めを容易に且つ精度良く実施することができる。また、別の凹部の幅W1及び凹部の幅W2のうち大きい方の幅に小さい方の幅を合わせた場合に比べて、支持体の強度を確保することができる。更に、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係が成立する場合には、第1方向に対して側方から配線基板に外力が作用したとしても、当該外力を第1凹部と第2凹部との境界部から支持体に逃がすことができ、当該外力がファブリペロー干渉フィルタに及ぶのを抑制することができる。一方、「Ws≦W2<Wf≦W1」の関係が成立する場合には、配線基板が配置された第2凹部を介してファブリペロー干渉フィルタに迷光が入射するのを抑制することができる。
【0017】
本発明のフィルタユニットは、[11]「「Wf=W1」の関係が成立する、上記[10]に記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[11]に記載のフィルタユニットによれば、支持体に対するファブリペロー干渉フィルタの位置決めをより容易に且つより精度良く実施することができる。
【0018】
本発明のフィルタユニットは、[12]「「Ws=W2」の関係が成立する、上記[10]又は[11]に記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[12]に記載のフィルタユニットによれば、支持体に対する配線基板の位置決めをより容易に且つより精度良く実施することができる。
【0019】
本発明のフィルタユニットは、[13]「前記支持体には、前記第1方向を深さ方向として前記光通過部とは反対側に開口する別の凹部が形成されており、前記ファブリペロー干渉フィルタは、前記別の凹部内に配置されており、前記支持体には、前記別の凹部の内面及び前記支持体の外面に開口する貫通孔が形成されている、上記[1]~[12]のいずれか一つに記載のフィルタユニット」であってもよい。当該[13]に記載のフィルタユニットによれば、ファブリペロー干渉フィルタが、第1方向を深さ方向として支持体に形成された別の凹部内に配置されているため、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向である第1方向においてフィルタユニットをより薄くすることができる。また、例えば、フィルタユニットの製造時に、何らかの部材によって別の凹部の開口が覆われた状態で、別の凹部内でガスが発生したとしても、当該ガスを貫通孔から外部に逃がすことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ファブリペロー干渉フィルタの光軸方向に狭い領域への配置に適したフィルタユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態のフィルタユニットが備えるファブリペロー干渉フィルタの斜視図である。
図2図1に示されるII-II線に沿ってのファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
図3】一実施形態のフィルタユニットの平面図である。
図4図3に示されるIV-IV線に沿ってのフィルタユニットの断面図である。
図5】一実施形態のフィルタユニットの一部分の平面図である。
図6】一実施形態のフィルタユニットの一部分の平面図である。
図7】一実施形態のフィルタユニットの底面図である。
図8】一実施形態のフィルタユニットを備える鏡筒の断面図である。
図9】変形例のフィルタユニットの一部分の平面図である。
図10】変形例のフィルタユニットを備える鏡筒の一部分の断面図である。
図11】変形例のファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[フィルタユニットが備えるファブリペロー干渉フィルタの構成]
【0023】
図1に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10は、光透過領域10aを有している。ファブリペロー干渉フィルタ10は、Z軸方向を厚さ方向とする矩形板状の素子である。光透過領域10aは、Z軸方向に平行な中心線を有する円柱状の領域である。Z軸方向から見た場合に、光透過領域10aの中心は、ファブリペロー干渉フィルタ10の中心に一致している。
【0024】
図2に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10は、Z軸方向を厚さ方向とする基板11を備えている。基板11の材料は、例えば、シリコン、石英、ガラス等である。基板11は、一対の表面11a,11bを有している。一対の表面11a,11bは、Z軸方向において互いに向かい合っている。基板11の表面11aには、第1積層構造12が積層されている。基板11の表面11bには、第2積層構造13が積層されている。
【0025】
第1積層構造12は、反射防止層121、第1積層体122、中間層123及び第2積層体124を含んでいる。反射防止層121、第1積層体122、中間層123及び第2積層体124は、この順序で基板11の表面11a上に積層されている。第1積層体122と第2積層体124との間には、枠状の中間層123によって空隙(エアギャップ)Sが形成されている。基板11の材料がシリコンである場合、反射防止層121及び中間層123のそれぞれの材料は、例えば、酸化シリコン等である。中間層123の厚さは、例えば、設計中心波長の1/2の整数倍である。なお、中間層123の厚さは、必要に応じて、設計中心波長の1/2の整数倍よりも大きくされてもよい。
【0026】
第1積層体122のうち光透過領域10aに対応する部分は、ミラー部14として機能する。ミラー部14は、反射防止層121を介して基板11に支持されている。一例として、第1積層体122は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。ミラー部14を構成する各層の光学厚さは、例えば、設計中心波長の1/4の整数倍である。なお、窒化シリコン層の代わりに酸化シリコン層が用いられてもよい。
【0027】
第2積層体124のうち光透過領域10aに対応する部分は、ミラー部15として機能する。ミラー部15は、反射防止層121、第1積層体122及び中間層123を介して基板11に支持されており、空隙Sを介してミラー部14と向かい合っている。一例として、第2積層体124は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。ミラー部15を構成する各層の光学厚さは、例えば、設計中心波長の1/4の整数倍である。なお、窒化シリコン層の代わりに酸化シリコン層が用いられてもよい。なお、第2積層体124のうち空隙Sに対応する部分には、ミラー部15の機能に実質的に影響を与えない程度に、複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、エッチングによって中間層123の一部を除去することで空隙Sを形成する際に用いられたものである。
【0028】
ミラー部14には、第1電極125及び第2電極126が形成されている。第1電極125は、Z軸方向から見た場合に光透過領域10aを包囲している。第2電極126は、Z軸方向から見た場合に光透過領域10aと重なっている。Z軸方向から見た場合における第2電極126の形状は、Z軸方向から見た場合における光透過領域10aの形状と略同一である。第1電極125及び第2電極126のそれぞれは、ポリシリコン層の一部分に不純物をドープして当該一部分を低抵抗化することで形成されている。
【0029】
ミラー部15には、第3電極127が形成されている。第3電極127は、空隙Sを介して第1電極125及び第2電極126と向かい合っている。第3電極127は、ポリシリコン層の一部分に不純物をドープして当該一部分を低抵抗化することで形成されている。一例として、第2電極126と第3電極127との間の距離は、第1電極125と第3電極127との間の距離と略同一である。
【0030】
第1積層構造12には、光透過領域10aを挟むように一対の端子16が設けられている(図1参照)。各端子16は、基板11とは反対側に開口し且つ第1積層体122に至るように第2積層体124及び中間層123に形成された貫通孔内に配置されている。各端子16は、配線125aを介して第1電極125と電気的に接続されている。
【0031】
第1積層構造12には、光透過領域10aを挟むように一対の端子17が設けられている(図1参照)。各端子17は、基板11とは反対側に開口し且つ中間層123に至るように第2積層体124及び中間層123に形成された貫通孔内に配置されている。各端子17は、配線126aを介して第2電極126と電気的に接続されていると共に、配線127aを介して第3電極127と電気的に接続されている。なお、一対の端子17が光透過領域10aを挟んでいる方向は、一対の端子16が光透過領域10aを挟んでいる方向に垂直な方向である(図1参照)。
【0032】
第1積層体122には、一対のトレンチ122aが形成されている。各トレンチ122aは、配線126aのうち各端子17からZ軸方向に延在している部分を包囲するように、環状に延在している。各トレンチ122aは、第1電極125と配線126aとを電気的に絶縁している。第1積層体122には、トレンチ122bが形成されている。トレンチ122bは、第1電極125の内縁に沿って環状に延在している。トレンチ122bは、第1電極125と第2電極126とを電気的に絶縁している。各トレンチ122a,122b内の領域は、絶縁材料で埋められていてもよいし、空隙であってもよい。
【0033】
第2積層体124には、一対のトレンチ124aが形成されている。各トレンチ124aは、各端子16を包囲するように環状に延在している。各トレンチ124aは、各端子16と第3電極127とを電気的に絶縁している。各トレンチ124a内の領域は、絶縁材料で埋められていてもよいし、空隙であってもよい。
【0034】
第2積層構造13は、反射防止層131、第3積層体132、中間層133及び第4積層体134を含んでいる。反射防止層131、第3積層体132、中間層133及び第4積層体134は、この順序で基板11の表面11bに積層されている。反射防止層131及び中間層133は、それぞれ、反射防止層121及び中間層123と同様の構成を有している。第3積層体132及び第4積層体134は、それぞれ、基板11を基準として第1積層体122及び第2積層体124と対称の積層構造を有している。反射防止層131、第3積層体132、中間層133及び第4積層体134は、基板11の反りを抑制する機能を有している。
【0035】
第3積層体132、中間層133及び第4積層体134には、光透過領域10aを含むように開口部18が形成されている。開口部18は、Z軸方向から見た場合に光透過領域10aと重なっている。Z軸方向から見た場合における開口部18の形状は、Z軸方向から見た場合における光透過領域10aの形状と略同一である。つまり、開口部18の中心線は、光透過領域10aの中心線に一致している。開口部18は、基板11とは反対側に開口しており、反射防止層131に至っている。
【0036】
第4積層体134における基板11とは反対側の表面には、遮光層135が形成されている。遮光層135の材料は、例えば、アルミニウム等である。遮光層135の表面及び開口部18の内面には、保護層136が形成されている。保護層136の材料は、例えば、酸化アルミニウム等である。なお、保護層136の厚さを100nm以下(好ましくは、30nm程度)にすることで、保護層136による光学的な影響を無視することができる。
【0037】
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10では、複数の端子16,17を介して第1電極125及び第3電極127に電圧が印加されることで第1電極125と第3電極127との間に電位差が発生すると、当該電位差に応じた静電気力が第1電極125と第3電極127との間に発生する。第1電極125と第3電極127との間に静電気力が発生することでミラー部14にミラー部15が引き付けられ、ミラー部14とミラー部15との間の距離が調整される。このとき、第3電極127と同電位である第2電極126が補償電極として機能し、光透過領域10aにおいてミラー部15が平坦に保たれる。
【0038】
このように、ファブリペロー干渉フィルタ10では、Z軸方向において互いに向かい合っている一対のミラー部14,15が、互いの距離が可変である一対のミラー部として機能する。ここで、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過する光の波長は、ミラー部14とミラー部15との間の距離に依存する。したがって、第1電極125及び第3電極127に印加する電圧(第1電極125と第3電極127との間に発生する電位差)を調整することで、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過する光の波長を選択することができる。
[フィルタユニットの構成]
【0039】
図3及び図4に示されるように、フィルタユニット1は、支持体2と、光透過部材3と、配線基板4と、コネクタ5と、カバー6と、上述したファブリペロー干渉フィルタ10と、を備えている。なお、図3では、光透過部材3、及び後述する接着部材73,75が二点鎖線で示されている。
【0040】
支持体2は、Z軸方向(第1方向)を厚さ方向とする円形板状の部材である。つまり、Z軸方向から見た場合に、支持体2の外縁2Eは、円形状を呈している。支持体2は、一対の表面2a,2b、及び側面2cを有している。一対の表面2a,2bは、Z軸方向において互いに向かい合っている。側面2cは、表面2aの外縁と表面2bの外縁とを結んでいる。支持体2の材料は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料、又は樹脂材料である。支持体2の外径は、例えば、20mm~50mmである。Z軸方向における支持体2の厚さは、例えば、2mm~5mmである。
【0041】
図4及び図5に示されるように、支持体2には、第1凹部(別の凹部)21及び第2凹部(凹部)22が形成されている。第1凹部21及び第2凹部22は、それぞれ、Z軸方向を深さ方向として表面2a側に開口している。第1凹部21の底面(第1載置面)21a及び第2凹部22の底面(第2載置面)22aは、Z軸方向に垂直な同一平面上に位置している。Z軸方向における底面21a,22aから支持体2の表面2bまでの厚さは、例えば100μm程度である。第1凹部21及び第2凹部22は、X軸方向(第1方向に垂直な第2方向)に並んでいる。なお、図5では、光透過部材3、及び後述する接着部材73,75の図示が省略されている。
【0042】
第1凹部21は、Z軸方向から見た場合に支持体2の中心Cを含んでいる。第1凹部21は、Z軸方向から見た場合に支持体2の外縁2Eに至っていない。Z軸方向から見た場合に、第1凹部21の内縁21Eは、矩形状を呈している。本実施形態では、Z軸方向から見た場合に、第1凹部21の内縁21Eは、X軸方向を長手方向とする矩形状を呈している。X軸方向における第1凹部21の幅は、例えば、5mm~20mmである。Y軸方向における第1凹部21の幅は、例えば、2.2mm~22mmである。Z軸方向における第1凹部21の深さは、例えば、0.2mm~2mmである。
【0043】
第2凹部22は、Z軸方向から見た場合に支持体2の中心Cを含んでいない。第2凹部22は、Z軸方向から見た場合に支持体2の外縁2Eに至っている。Z軸方向から見た場合に、第2凹部22の内縁22Eは、矩形状を呈している。本実施形態では、Z軸方向から見た場合に、第2凹部22の内縁22Eは、X軸方向を長手方向とする矩形状を呈している。本実施形態では、第2凹部22は、X軸方向における第1凹部21とは反対側において、支持体2の側面2cに至っている。第2凹部22は、Z軸方向から見た場合に、第2凹部22の短辺側において支持体2の外縁2Eに至っている。Z軸方向から見た場合に第2凹部22が支持体2を横断していないため、第2凹部22が支持体2を横断している構成に比べ、支持体2の剛性が高い。X軸方向における第2凹部22の幅は、例えば、8mm~23mmである。Y軸方向における第2凹部22の幅は、例えば、3mm~24mmである。Z軸方向における第2凹部22の深さは、例えば、0.2mm~2mmである。
【0044】
Y軸方向(第1方向及び第2方向の両方向に垂直な第3方向)における第2凹部22の幅W2は、Y軸方向における第1凹部21の幅W1よりも大きい。本実施形態では、Z軸方向から見た場合に、X軸方向に平行な第1凹部21の中心線は、支持体2の中心Cを通っている。本実施形態では、Z軸方向から見た場合に、X軸方向に平行な第2凹部22の中心線は、X軸方向に平行な第1凹部21の中心線に一致している。
【0045】
支持体2には、開口部(光通過部)23及び貫通孔24が形成されている。開口部23及び貫通孔24は、それぞれ、第1凹部21の底面(内面)21a及び支持体2の表面(外面)2bに開口している。つまり、第1凹部21は、Z軸方向を深さ方向として開口部23とは反対側に開口している。開口部23及び貫通孔24は、X軸方向に並んでいる。開口部23は、Z軸方向に平行な中心線を有する円柱状の空間を画定している。Z軸方向から見た場合に、開口部23の中心は、支持体2の中心Cに一致している。開口部23の内径は、例えば、2mm~15mmである。
【0046】
支持体2には、拡幅部25が形成されている。拡幅部25は、第1凹部21の開口に対して、X軸方向における第2凹部22とは反対側、及びY軸方向における両側に拡幅されている。拡幅部25は、Z軸方向を深さ方向として表面2a側に開口し且つ第1凹部21の開口に至るように支持体2に形成された凹部である。本実施形態では、Y軸方向における拡幅部25の幅は、Y軸方向における第2凹部22の幅W2に等しい。
【0047】
支持体2は、仕切部26を含んでいる。仕切部26は、第1凹部21と第2凹部22との間に配置されている。仕切部26は、支持体2の一部分として支持体2の他の部分と一体で形成されている。本実施形態では、仕切部26は、第1凹部21の底面21aと第2凹部22の底面22aとの間においてY軸方向に延在している壁部である。本実施形態では、底面21a及び底面22aが位置する平面を基準とすると、Z軸方向における仕切部26の高さは、Z軸方向における支持体2の表面2aの高さよりも低く、Z軸方向における拡幅部25の底面25aの高さよりも低い。X軸方向における仕切部26の幅は、例えば、0.5mm~5mmである。Z軸方向における仕切部26の高さは、例えば、0.1mm~2mmである。
【0048】
ファブリペロー干渉フィルタ10は、Z軸方向から見た場合に開口部23と重なるように、Z軸方向を厚さ方向として支持体2上に配置されている。より具体的には、ファブリペロー干渉フィルタ10は、Z軸方向から見た場合に開口部23と重なるように、Z軸方向を厚さ方向として第1凹部21内に配置されている。ファブリペロー干渉フィルタ10は、第1凹部21内において仕切部26と接触している。本実施形態では、第1凹部21の底面21aを基準とすると、Z軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の高さは、Z軸方向における支持体2の表面2aの高さよりも低く、Z軸方向における拡幅部25の底面25aの高さよりも低い。本実施形態では、第1凹部21の底面21aを基準とすると、Z軸方向における仕切部26の高さは、Z軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の高さ以下である。X軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅は、例えば、2mm~20mmである。Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅は、例えば、2mm~20mmである。Z軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の厚さは、例えば、300μm~650μmである。
【0049】
上述したように、ファブリペロー干渉フィルタ10は、Z軸方向を厚さ方向とする矩形板状の素子である。したがって、Z軸方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eは、矩形状を呈している。ファブリペロー干渉フィルタ10は、Z軸方向から見た場合に外縁10Eの各辺がX軸方向又はY軸方向に平行となり且つ開口部18が開口部23と向かい合うように、第1凹部21の底面21a上に配置されている。開口部18の中心線は、開口部23の中心線に一致している。つまり、Z軸方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10は、支持体2の中心Cに位置している。Z軸方向から見た場合に、開口部18は、開口部23の内側に位置している。
【0050】
ファブリペロー干渉フィルタ10は、接着部材71によって底面21aに固定されている。接着部材71は、底面21aとファブリペロー干渉フィルタ10の一つの角部との間にドット状に配置されている。これにより、温度変化に伴う支持体2及び/又は接着部材71の変形に起因する応力がファブリペロー干渉フィルタ10に及ぶのを抑制することができる。接着部材71の材料は、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、又はこれらのハイブリット系樹脂等である。
【0051】
図4及び図6に示されるように、光透過部材3は、第1凹部21の開口を覆うように、Z軸方向を厚さ方向として支持体2上に配置されている。より具体的には、光透過部材3は、第1凹部21の開口を覆うように、Z軸方向を厚さ方向として拡幅部25内に配置されている。本実施形態では、光透過部材3は、第1凹部21の開口と共に、第2凹部22の開口の一部を覆っている。本実施形態では、拡幅部25の底面25aを基準とすると、Z軸方向における光透過部材3の高さは、Z軸方向における支持体2の表面2aの高さよりも低い。
【0052】
光透過部材3は、Z軸方向を厚さ方向とし且つX軸方向を長手方向とする矩形板状の部材である。したがって、Z軸方向から見た場合に、光透過部材3の外縁3Eは、X軸方向を長手方向とする矩形状を呈している。光透過部材3は、Z軸方向から見た場合に外縁3Eの各辺がX軸方向又はY軸方向に平行となるように、拡幅部25の底面25a上に配置されている。一例として、光透過部材3は、所定の波長範囲の光を透過させるバンドパスフィルタである。
【0053】
光透過部材3は、接着部材72,73によって拡幅部25の底面25a及び側面25bに固定されている。接着部材72は、底面25aと光透過部材3の一つの角部との間にドット状に配置されている。接着部材73は、側面25bと光透過部材3の表面3aとによって形成された隅部に沿って配置されている。表面3aは、光透過部材3における第1凹部21とは反対側の表面である。接着部材73の一部は、拡幅部25の側面25bと光透過部材3の側面との間にも入り込んでいる。接着部材72,73の材料は、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、又はこれらのハイブリット系樹脂等である。
【0054】
図4及び図5に示されるように、配線基板4は、Z軸方向から見た場合にファブリペロー干渉フィルタ10と重ならないように、Z軸方向を厚さ方向として支持体2上に配置されている。より具体的には、配線基板4は、Z軸方向から見た場合にファブリペロー干渉フィルタ10と重ならないように、Z軸方向を厚さ方向として第2凹部22内に配置されている。配線基板4は、第2凹部22内において仕切部26と接触している。本実施形態では、第2凹部22の底面22aを基準とすると、Z軸方向における配線基板4の高さは、Z軸方向における支持体2の表面2aの高さよりも低く、Z軸方向における拡幅部25の底面25aの高さよりも低い。本実施形態では、第2凹部22の底面22aを基準とすると、Z軸方向における仕切部26の高さは、Z軸方向における配線基板4の高さ以下である。
【0055】
配線基板4は、Z軸方向を厚さ方向とし且つX軸方向を長手方向とする矩形板状の基板である。したがって、Z軸方向から見た場合に、配線基板4の外縁4Eは、X軸方向を長手方向とする矩形状を呈している。配線基板4は、Z軸方向から見た場合に外縁4Eの各辺がX軸方向又はY軸方向に平行となるように、第2凹部22の底面22a上に配置されている。
【0056】
配線基板4は、接着部材74によって第2凹部22の底面22aに固定されている。接着部材74は、一対の第1部分74a、及び第2部分74bを含んでいる。一対の第1部分74aは、底面22aと配線基板4との間において互いに向かい合っており、それぞれ、X軸方向に延在している。各第1部分74aの一部は、第2凹部22の側面と配線基板4の側面との間にも入り込んでいる。第2部分74bは、底面22aと配線基板4との間において仕切部26と向かい合っており、Y軸方向に延在している。接着部材74の材料は、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、又はこれらのハイブリット系樹脂等である。
【0057】
配線基板4は、ファブリペロー干渉フィルタ10と電気的に接続されている。より具体的には、配線基板4の端子41が、ファブリペロー干渉フィルタ10の一対の端子16のうち仕切部26に近い端子16とワイヤ8によって電気的に接続されており、配線基板4の端子42が、ファブリペロー干渉フィルタ10の一対の端子17のうち仕切部26に近い端子17とワイヤ8によって電気的に接続されている。一対の端子41,42は、配線基板4における光透過部材3側の表面4aのうち仕切部26に沿った領域に配置されている。各ワイヤ8は、仕切部26と光透過部材3との間の隙間を通っている。X軸方向から見た場合に、各ワイヤ8は、第1凹部21及び第2凹部22内に収まっている。X軸方向における仕切部26の幅は、X軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅よりも小さい。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10と配線基板4との間の距離を短くすることができる。
【0058】
コネクタ5は、配線基板4の表面4aに実装されており、配線基板4と電気的に接続されている。コネクタ5の一部5aは、第2凹部22のうち支持体2の側面2cに至っている領域を介して、支持体2の側面2cよりも外側に位置している。コネクタ5の一部5aには、支持体2の中心Cとは反対側に開口する接続ポート51が設けられている。コネクタ5は、Z軸方向においては第2凹部22内に収まっている。フィルタユニット1では、コネクタ5に接続された外部の配線から、配線基板4及び一対のワイヤ8を介して、一対の端子16,17に電圧が印加される。
【0059】
図4及び図6に示されるように、配線基板4と光透過部材3との間には、接着部材75が配置されている。接着部材75は、Z軸方向から見た場合に光透過部材3の外縁3Eのうち配線基板4と重なっている部分に沿って延在している。接着部材75は、一対の端子41,42よりも外側(支持体2の中心Cとは反対側)において、配線基板4と光透過部材3との間の隙間を封止している。接着部材75の材料は、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、又はこれらのハイブリット系樹脂等である。なお、本実施形態では、接着部材74,75によって、「配線基板4と支持体2との間、及び配線基板4と光透過部材3との間に配置された接着部材7」が構成されている。
【0060】
図4及び図7に示されるように、カバー6は、開口部23及び貫通孔24を覆うように、支持体2の表面2b上に配置されている。カバー6は、光透過性を有する板状の部材であり、Z軸方向を厚さ方向として支持体2の表面2b上に配置されている。一例として、カバー6は、円形板状を呈しており、Z軸方向から見た場合に、カバー6の外縁6Eは、支持体2の外縁2Eの内側に位置している。カバー6は、カバー6の外縁6Eに沿って配置された接着部材76によって、表面2bに固定されている。接着部材76の材料は、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、又はこれらのハイブリット系樹脂等である。カバー6における支持体2とは反対側の表面6aには、遮光膜61が設けられている。遮光膜61は、Z軸方向から見た場合に貫通孔24と重なっている。遮光膜61は、カバー6を介して貫通孔24に光が入射するのを防止するのに十分な大きさを有している。遮光膜61は、例えば、クロムメッキ膜等である。
【0061】
図4に示されるように、フィルタユニット1では、支持体2及び光透過部材3が、第1壁部210、第2壁部220及び包囲部230を含む筐体200を構成している。より具体的には、支持体2の一部が第1壁部210230を構成しており、光透過部材3の一部が第2壁部220を構成している。支持体2の他の一部及び光透過部材3の他の一部が包囲部230を構成している。第1壁部210は、開口部23を有する壁部であり、具体的には、支持体2のうち、Z軸方向から見た場合に第1凹部21内の領域と重なっている部分(すなわち、第1凹部21の底壁部)である。第2壁部220は、Z軸方向において第1壁部210と向かい合っている壁部であり、具体的には、光透過部材3のうち、Z軸方向から見た場合に第1凹部21内の領域と重なっている部分である。包囲部230は、第1壁部210と第2壁部220との間の領域を包囲している部分であり、具体的には、支持体2及び光透過部材3のうち、Z軸方向から見た場合に第1凹部21内の領域を包囲している部分である。
【0062】
したがって、フィルタユニット1では、次のことがいえる。第1凹部21は、第1壁部210及び包囲部230によって画定されている。第1凹部21内の領域は、筐体200内の領域に相当する。第2凹部22は、Z軸方向を深さ方向として第2壁部220側に開口するように、包囲部230に形成されている。Z軸方向から見た場合に、筐体200の外縁200Eは、支持体2の外縁2Eに一致している(図3参照)。配線基板4は、Z軸方向から見た場合にファブリペロー干渉フィルタ10と重ならないように筐体200に取り付けられている。配線基板4は、配線基板4の全体が包囲部230に埋設されるように筐体200に取り付けられている。なお、「配線基板4の全体が包囲部230に埋設される」とは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のいずれの方向から見た場合にも、配線基板4の全体が包囲部230と重なっていることを意味する。配線基板4の少なくとも一部は、筐体200の外部に露出している。本実施形態では、配線基板4の少なくとも一部が、第2凹部22の開口のうち光透過部材3に覆われていない領域、及び第2凹部22のうち支持体2の側面2cに至っている領域を介して、筐体200の外部に露出している。
【0063】
図5に示されるように、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタの幅Wfは、Y軸方向における第1凹部の幅W1以下である。Y軸方向における配線基板の幅Wsは、Y軸方向における第1凹部の幅W1よりも大きく、Y軸方向における第2凹部の幅W2以下である。したがって、フィルタユニット1では、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係が成立している。本実施形態では、「Wf=W1」の関係、及び「Ws=W2」の関係が成立している。フィルタユニット1では、「W1<2Wf」の関係が成立していることが好ましい。また、フィルタユニット1では、「W2<2Ws」の関係が成立していることが好ましい。
【0064】
なお、「Wf=W1」は、WfとW1とが実質的に等しいことを意味し、「Ws=W2」は、WsとW2とが実質的に等しいことを意味する。一例として、「Wf=W1」は、W1が「Wf」以上「1.1Wf」以下の値であることを意味し、「Ws=W2」は、W2が「Ws」以上「1.1Ws」以下の値であることを意味する。
【0065】
図3に示されるように、Z軸方向から見た場合に、Y軸方向(一方向)における「第1凹部21の内縁21Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D1」は、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wfよりも大きい。Y軸方向における「第1凹部21の内縁21Eから支持体2の外縁2Eまでの部分」の厚さは、ファブリペロー干渉フィルタ10の厚さよりも大きい。Z軸方向から見た場合に、Y軸方向(ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eの一辺に垂直な方向)における「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D2」は、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eの対角線の長さLよりも大きい。Y軸方向における「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D2」は、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eの対角線の長さLの2~3倍程度であってもよい。Z軸方向から見た場合に、開口部23の幅W3は、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wfよりも小さい。「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D2」は、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eの対角線の長さLの2~3倍程度であって、幅広な「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D2」は、開口部23を包囲している。複数の部品が組み合わされることなく一体で形成された支持体2は、第1凹部21及び第2凹部22を包囲している肉厚部を含んでいる。肉厚部は、支持体2のうち、Z軸方向における厚さがZ軸方向における第1凹部21の深さよりも大きい部分である。Z軸方向から見た場合における肉厚部の面積は、Z軸方向から見た場合における支持体2の面積の50%以上である。
【0066】
なお、所定方向における「第1凹部21の内縁21Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D1」は、所定方向における「包囲部230の内縁から包囲部230の外縁までの距離」に相当する。また、所定方向における「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D2」は、所定方向における「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから包囲部230の外縁までの距離」に相当する。
[フィルタユニットの製造方法]
【0067】
上述したフィルタユニット1の製造方法について、図4を参照して説明する。まず、支持体2が用意され、第1凹部21の底面21aに硬化前の接着部材71が配置されると共に、第2凹部22の底面22aに硬化前の接着部材74が配置される。続いて、第1凹部21の底面21aにファブリペロー干渉フィルタ10が配置されると共に、第2凹部22の底面22aに配線基板4が配置される。コネクタ5は、配線基板4の表面4aに予め実装されている。続いて、接着部材71,74が硬化させられる。このとき、ファブリペロー干渉フィルタ10は、仕切部26に接触させられつつ第1凹部21内に嵌め合わされるため、開口部23に対して精度良く位置決めされる。また、配線基板4は、仕切部26に接触させられつつ第2凹部22内に嵌め合わされるため、ファブリペロー干渉フィルタ10に対して精度良く位置決めされる。続いて、配線基板4の端子41がワイヤ8によってファブリペロー干渉フィルタ10の端子16と電気的に接続されると共に、配線基板4の端子42がワイヤ8によってファブリペロー干渉フィルタ10の端子17と電気的に接続される。配線基板4がファブリペロー干渉フィルタ10に対して精度良く位置決めされていることは、ファブリペロー干渉フィルタ10と配線基板4との間におけるワイヤボンディングを確実に実施する上で重要である。一対の端子16のうちワイヤ8が接続される端子16は、ファブリペロー干渉フィルタ10の中心よりも仕切部26(配線基板4)の近くに位置している。同様に、一対の端子17のうちワイヤ8が接続される端子17は、ファブリペロー干渉フィルタ10の中心よりも仕切部26(配線基板4)の近くに位置している。これにより、各ワイヤ8の長さを短くすることができる。
【0068】
続いて、拡幅部25の底面25aに硬化前の接着部材72が配置される。続いて、拡幅部25の底面25aに光透過部材3が配置される。続いて、接着部材72が硬化させられる。続いて、拡幅部25の側面25bと光透過部材3の表面3aとによって形成された隅部に沿って硬化前の接着部材73が配置されると共に、配線基板4と光透過部材3との間に硬化前の接着部材75が配置される。続いて、接着部材73,75が硬化させられる。このとき、接着部材73,75から発生したガスは、第1凹部21内から貫通孔24を介して外部に逃がされる。続いて、支持体2の表面2bにカバー6が配置される。続いて、カバー6の外縁6Eに沿って硬化前の接着部材76が配置される。続いて、接着部材76が硬化させられる。遮光膜61は、カバー6の表面6aに予め設けられている。以上により、フィルタユニット1が得られる。
[フィルタユニットを備える鏡筒の構造]
【0069】
図8に示されるように、鏡筒300は、筒体310と、複数のレンズを含む集光光学系320と、複数のレンズを含む結像光学系330と、上述したフィルタユニット1と、を備えている。鏡筒300は、ハイパースペクトルカメラの交換レンズとして用いられる。ハイパースペクトルカメラとは、光を数十バンド~数百バンドに分光してバンドごとの像を取得することができるカメラである。
【0070】
筒体310は、本体部311及び基端部312を含んでいる。本体部311は、集光光学系320、結像光学系330及びフィルタユニット1を保持している。基端部312は、ハイパースペクトルカメラのカメラボディに対して着脱可能となるように構成されている。
【0071】
集光光学系320は、本体部311の内側の領域のうち基端部312とは反対側の領域に配置されている。結像光学系330は、本体部311の内側の領域のうち基端部312側の領域に配置されている。フィルタユニット1は、本体部311の内側の領域のうち集光光学系320と結像光学系330との間の領域に配置されている。集光光学系320の光軸、結像光学系330の光軸、及びフィルタユニット1の光軸(すなわち、開口部18,23の中心線)は、筒体310の中心線に一致している。
【0072】
集光光学系320及び結像光学系330は、非テレセントリック光学系を構成している。集光光学系320は、軸上入射光及び軸外入射光を集光する光学系である。フィルタユニット1は、集光光学系320において軸上入射光と軸外入射光とが交わる位置に配置されている。フィルタユニット1は、当該位置において絞りとして機能する。結像光学系330は、フィルタユニット1を通過した光をハイパースペクトルカメラのイメージセンサ上に結像する。なお、集光光学系320及び結像光学系330は、テレセントリック光学系を構成していてもよい。
【0073】
フィルタユニット1は、本体部311に設けられたフランジ面311aと固定リング313とによって挟まれることで、本体部311の内側に固定されている。フランジ面311aは、集光光学系320側に向くように本体部311に設けられた内向きのフランジ面である。フィルタユニット1は、ファブリペロー干渉フィルタ10に対して開口部23が集光光学系320側に位置した状態で、本体部311の内側に固定されている。一例として、フィルタユニット1の開口部23が、集光光学系320の軸上入射光と軸外入射光とが交わる位置に位置している。
【0074】
コネクタ5は、本体部311に形成された開口部311b内に配置されている。コネクタ5の接続ポート51は、開口部311bを介して筒体310の外部に露出している。コネクタ5の側面と開口部311bの内面との間には、接着部材77が配置されている。これにより、コネクタ5の側面と開口部311bの内面との間の隙間が封止されている。
[作用及び効果]
【0075】
フィルタユニット1では、配線基板4が、Z軸方向から見た場合に支持体2上においてファブリペロー干渉フィルタ10と重なっておらず、Z軸方向を深さ方向として支持体2に形成された第2凹部22内に配置されている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10の光軸方向(すなわち、一対のミラー部14,15が互いに向かい合っている方向)であるZ軸方向においてフィルタユニット1を薄くすることができる。また、配線基板4が配置された第2凹部22が、Z軸方向から見た場合に支持体2の外縁2Eに至っている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10の光軸方向であるZ軸方向に対して側方から電気的な接続を実施することができる。よって、フィルタユニット1は、ファブリペロー干渉フィルタ10の光軸方向に狭い領域への配置に適している。
【0076】
フィルタユニット1では、配線基板4が第2凹部22内に配置された構成が採用されているため、ファブリペロー干渉フィルタ10に対して、Z軸方向における配線基板4の位置を調整することが可能である。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10と配線基板4との間におけるワイヤボンディングの容易化を図ることができる。
【0077】
フィルタユニット1では、Z軸方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10が、支持体2の中心Cに位置している。これにより、Z軸方向に対して側方から支持体2に外力が作用したとしても、当該外力がファブリペロー干渉フィルタ10に及ぶのを抑制することができる。また、例えば、鏡筒300の筒体310の内側に支持体2を嵌め合わせることで、筒体310の中心線上にファブリペロー干渉フィルタ10を配置することができる。
【0078】
フィルタユニット1では、Z軸方向から見た場合に、支持体2の外縁2Eが、円形状を呈している。これにより、Z軸方向に対して側方から支持体2に外力が作用したとしても、当該外力がファブリペロー干渉フィルタ10に及ぶのをバランス良く抑制することができる。また、例えば、筒体310が円筒状である場合に、円筒状の筒体310の中心線上にファブリペロー干渉フィルタ10を容易に且つ精度良く配置することができる。
【0079】
フィルタユニット1では、支持体2が円形板状の部材であるため、フィルタユニット1を円筒状の筒体310内に設置する際に、円筒状の筒体310内においてフィルタユニット1が転げ落ちるのを防止することができる。
【0080】
フィルタユニット1では、ファブリペロー干渉フィルタ10が、第1凹部21内に配置されており、Z軸方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10E及び第1凹部21の内縁21Eのそれぞれが、矩形状を呈している。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10の光軸方向であるZ軸方向においてフィルタユニット1をより薄くすることができる。また、Z軸方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10E及び第1凹部21の内縁21Eのそれぞれが矩形状を呈しているため、支持体2に対するファブリペロー干渉フィルタ10の位置決めを容易に且つ精度良く実施することができる。
【0081】
フィルタユニット1では、ファブリペロー干渉フィルタ10及び配線基板4が、同一平面(底面21a,22aが位置する平面)上に配置されている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10の光軸方向であるZ軸方向においてフィルタユニット1をより薄くすることができる。
【0082】
フィルタユニット1では、支持体2が、第2凹部22と第1凹部21との間に配置された仕切部26を含んでいる。これにより、仕切部26を基準とすることで、支持体2に対するファブリペロー干渉フィルタ10及び配線基板4の位置決めを容易に且つ精度良く実施することができる。
【0083】
フィルタユニット1では、光透過部材3が、第1凹部21の開口を覆っており、接着部材7(接着部材74,75)が、配線基板4と支持体2との間、及び配線基板4と光透過部材3との間に配置されている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10の光軸方向であるZ軸方向における厚さの増大を抑制しつつ、支持体2、配線基板4、光透過部材3及び接着部材7によって、ファブリペロー干渉フィルタ10を収容するパッケージを構成することができる。これにより、湿気やパーティクル等からファブリペロー干渉フィルタ10を保護することができる。
【0084】
フィルタユニット1では、Z軸方向から見た場合に、Y軸方向における「第1凹部21の内縁21Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D1」が、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wfよりも大きい。これにより、Z軸方向に対して側方から支持体2に外力が作用したとしても、当該外力がファブリペロー干渉フィルタ10に及ぶのを抑制することができる。
【0085】
フィルタユニット1では、Y軸方向における「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから支持体2の外縁2Eまでの距離D2」が、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eの対角線の長さLよりも大きく、Z軸方向から見た場合に、開口部23の幅W3が、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wfよりも小さい。これにより、Z軸方向から見た場合に、支持体2に比べて開口部23が非常に小さくなるため、ファブリペロー干渉フィルタ10に迷光が入射するのを抑制することができる。
【0086】
フィルタユニット1は、上述した鏡筒300では、集光光学系320と結像光学系330との間において絞りとして機能する。これにより、鏡筒300が取り付けられたハイパースペクトルカメラにおいて被写界深度を深くすることができる。
【0087】
フィルタユニット1では、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wf、Y軸方向における配線基板4の幅Ws、Y軸方向における第1凹部21の幅W1、及びY軸方向における第2凹部22の幅W2について、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係が成立している。これにより、第1凹部21の幅W1及び第2凹部22の幅W2が互いに異なっているため、第1凹部21と第2凹部22との境界部を基準(例えば、機械的な位置決め部、又は、基準座標)とすることで、支持体2に対するファブリペロー干渉フィルタ10及び配線基板4の位置決めを容易に且つ精度良く実施することができる。また、第2凹部22の幅W2に第1凹部21の幅W1を合わせた場合に比べて、支持体2の強度を確保することができる。更に、Z軸方向に対して側方から配線基板4に外力が作用したとしても、当該外力を第1凹部21と第2凹部22との境界部から支持体2に逃がすことができ、当該外力がファブリペロー干渉フィルタ10に及ぶのを抑制することができる。
【0088】
フィルタユニット1では、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wf、及びY軸方向における第1凹部21の幅W1について、「Wf=W1」の関係が成立している。これにより、支持体2に対するファブリペロー干渉フィルタ10の位置決めをより容易に且つより精度良く実施することができる。
【0089】
フィルタユニット1では、Y軸方向における配線基板4の幅Ws、及びY軸方向における第2凹部22の幅W2について、「Ws=W2」の関係が成立している。これにより、支持体2に対する配線基板4の位置決めをより容易に且つより精度良く実施することができる。
【0090】
フィルタユニット1では、支持体2に、第1凹部21の底面21a及び支持体2の表面2bに開口する貫通孔24が形成されている。これにより、フィルタユニット1の製造時に、光透過部材3によって第1凹部21の開口が覆われた状態で、第1凹部21内でガスが発生したとしても、当該ガスを貫通孔24から外部に逃がすことができる。
[変形例]
【0091】
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wf、Y軸方向における配線基板4の幅Ws、Y軸方向における第1凹部21の幅W1、及びY軸方向における第2凹部22の幅W2について、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係が成立している場合(図5に示される場合)に、「Wf<W1」の関係が成立していてもよい。同様に、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係が成立している場合(図5に示される場合)に、「Ws<W2」の関係が成立していてもよい。
【0092】
また、図9に示されるように、Y軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅Wf、Y軸方向における配線基板4の幅Ws、Y軸方向における第1凹部21の幅W1、及びY軸方向における第2凹部22の幅W2について、「Ws≦W2<Wf≦W1」の関係が成立していてもよい。この場合にも、支持体2に対するファブリペロー干渉フィルタ10及び配線基板4の位置決めを容易に且つ精度良く実施することができる。また、第1凹部21の幅W1に第2凹部22の幅W2を合わせた場合に比べて、支持体2の強度を確保することができる。また、配線基板4が配置された第2凹部22を介してファブリペロー干渉フィルタ10に迷光が入射するのを抑制することができる。更に、支持体2のうちY軸方向における第2凹部22の両側の部分が、第1凹部21の幅W1に第2凹部22の幅W2を合わせた場合に比べて、配線基板4に近付くことになるため、配線基板4で発生した熱を支持体2に効率良く逃がすことができる。
【0093】
また、拡幅部25は、少なくとも第1凹部21の開口に対して少なくともY軸方向に拡幅されていればよい。一例として、図9に示されるように、拡幅部25は、第1凹部21の開口から第2凹部22の開口に渡って延在しており、第1凹部21の開口及び第2凹部22の開口に対して少なくともY軸方向に拡幅されていてもよい。これのことは、「Ws≦W2<Wf≦W1」の関係が成立している場合(図9に示される場合)だけでなく、「Wf≦W1<Ws≦W2」の関係が成立している場合(図5に示される場合)にも同様である。拡幅部25が第1凹部21の開口から第2凹部22の開口に渡って延在していると、ファブリペロー干渉フィルタ10の光軸方向であるZ軸方向における厚さの増大を抑制しつつ、支持体2上において光透過部材3をより安定的に支持することができる。
【0094】
また、図10の(a)及び(b)に示されるように、フィルタユニット1は、外部に配線と接続するために、フレキシブル配線基板9を備えていてもよい。図10の(a)に示される鏡筒の例では、フレキシブル配線基板9の一端部が配線基板4に接続されており、フレキシブル配線基板9の他端部に接続されたコネクタ5が筒体310の開口部311b内に配置されている。この場合には、コネクタ5の側面と開口部311bの内面との間に接着部材77が配置されている。図10の(b)に示される鏡筒の例では、フレキシブル配線基板9の一端部が配線基板4に接続されており、フレキシブル配線基板9の他端部が筒体310の開口部311bを介して外部に引き出されている。この場合には、フレキシブル配線基板9と開口部311bの内面との間に接着部材77が配置されている。
【0095】
また、フィルタユニット1は、図11に示されるようなファブリペロー干渉フィルタを備えていてもよい。図11に示されるファブリペロー干渉フィルタ400について説明する。ファブリペロー干渉フィルタ400は、基板層411と、ミラー部412と、駆動電極413と、を備えている。基板層411は、互いに向かい合っている表面411a及び表面411bを有している。基板層411は、光透過性材料によって形成されている。ミラー部412は、例えば、金属膜、誘電体多層膜、又はそれらの複合膜である。駆動電極413は、例えば、金属材料によって形成されている。
【0096】
ファブリペロー干渉フィルタ400は、基板層421と、ミラー部422と、駆動電極423と、を更に備えている。基板層421は、互いに向かい合っている表面421a及び表面421bを有している。基板層421は、光透過性材料によって形成されている。ミラー部422は、例えば、金属膜、誘電体多層膜、又はそれらの複合膜である。駆動電極423は、例えば、金属材料によって形成されている。
【0097】
基板層411の表面411aには、凹部414が形成されている。凹部414の底面414aには、凸部415が設けられている。底面414aを基準とすると、凸部415の端面415aの高さは、基板層411の表面411aの高さよりも低い。ミラー部412は、凸部415の端面415aに設けられている。駆動電極413は、凸部415を包囲するように凹部414の底面414aに設けられている。駆動電極413は、例えば、基板層411に設けられた配線(図示省略)を介して、電極パッド(図示省略)と電気的に接続されている。当該電極パッドは、例えば、基板層411のうち外部からアクセス可能な領域に設けられている。
【0098】
基板層421の表面421bは、例えば、プラズマ接合等によって、基板層411の表面411aと接合されている。基板層421の表面421bには、ミラー部422及び駆動電極423が設けられている。ミラー部422は、空隙Sを介してミラー部412と向かい合っている。駆動電極423は、ミラー部422を包囲するように基板層421の表面421bに設けられており、空隙Sを介して駆動電極413と向かい合っている。駆動電極423は、例えば、基板層421に設けられた配線(図示省略)を介して、電極パッド(図示省略)と電気的に接続されている。当該電極パッドは、例えば、基板層421のうち外部からアクセス可能な領域に設けられている。
【0099】
基板層421の表面421aには、Z軸方向から見た場合に、ミラー部422及び駆動電極423を包囲するように溝424が形成されている。溝424は、円環状に延在している。基板層421のうち溝424に包囲された部分は、溝424が形成された部分をダイヤフラム状の保持部425として、一対のミラー部412,422が互いに向かい合っている方向に移動可能である。
【0100】
なお、ダイヤフラム状の保持部425は、Z軸方向から見た場合にミラー部422及び駆動電極423を包囲する溝が、基板層421の表面421a及び表面421bの少なくとも一方に形成されることで、構成されていてもよい。Z軸方向から見た場合にミラー部412及び駆動電極413を包囲する溝が、基板層411に形成されることで、基板層411においてダイヤフラム状の保持部が構成されていてもよい。ダイヤフラム状の保持部に代えて、放射状に配置された複数の梁によって保持部が構成されていてもよい。
【0101】
図11に示されるファブリペロー干渉フィルタ400では、駆動電極413及び駆動電極423に電圧が印加されることで駆動電極413と駆動電極423との間に電位差が発生すると、当該電位差に応じた静電気力が駆動電極413と駆動電極423との間に発生する。駆動電極413と駆動電極423との間に静電気力が発生することで、基板層421のうち溝424に包囲された部分が基板層411側に引き付けられ、ミラー部412とミラー部422との間の距離が調整される。これにより、ミラー部412とミラー部422との間の距離に応じた波長を有する光が透過する。
【0102】
また、フィルタユニット1では、Z軸方向から見た場合に、支持体2の外縁2Eが、矩形状等、円形状以外の形状を呈していてもよい。フィルタユニット1では、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10E、配線基板4の外縁4E、第1凹部21の内縁21E、及び第2凹部22の内縁22Eのそれぞれが、矩形状以外の形状を呈していてもよい。
【0103】
フィルタユニット1では、Z軸方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10が、支持体2の中心Cからずれていてもよい。フィルタユニット1では、ファブリペロー干渉フィルタ10が配置される支持体2の載置面が、第1凹部21の底面21aでなくてもよい。フィルタユニット1では、配線基板4が配置される支持体2の載置面が、第2凹部22の底面22aでなくてもよい。フィルタユニット1では、ファブリペロー干渉フィルタ10が配置される支持体2の載置面、及び配線基板4が配置される支持体2の載置面が、同一平面上に位置していなくてもよい。
【0104】
フィルタユニット1では、ファブリペロー干渉フィルタ10の全体が、第1凹部21内に配置されていなくてもよい。フィルタユニット1では、光透過部材3の全体が、拡幅部25内に配置されていなくてもよい。フィルタユニット1では、配線基板4の全体が、第2凹部22内に配置されていなくてもよい。フィルタユニット1では、配線基板4の一部が包囲部230に埋設されるように、配線基板4が筐体200に取り付けられていてもよい。なお、「配線基板4の一部が包囲部230に埋設される」とは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のいずれの方向から見た場合にも、配線基板4の当該一部が包囲部230と重なっていることを意味する。
【0105】
フィルタユニット1では、支持体2が、第1凹部21と第2凹部22との間に配置された仕切部26を含んでいなくてもよい。フィルタユニット1では、第1凹部21及び第2凹部22が、互いに繋がっていてもよい。支持体2が仕切部26を含んでいる場合、仕切部26は、第1凹部21と第2凹部22と完全に仕切っておらず、部分的に仕切っていてもよい。支持体2が仕切部26を含んでいる場合、Z軸方向における仕切部26の高さは、上述したものに限定されない。例えば、Z軸方向における仕切部26の高さは、第1凹部21の底面21aを基準として、Z軸方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の高さよりも高くてもよい。Z軸方向における仕切部26の高さは、第2凹部22の底面22aを基準として、Z軸方向における配線基板4の高さよりも高くてもよい。仕切部26は、支持体2とは別体で形成されたものであって、支持体2に取り付けられたものであってもよい。
【0106】
フィルタユニット1では、Z軸方向から見た場合に、Y軸方向以外の一方向における「第1凹部21の内縁21Eから支持体2の外縁2Eまでの距離」が、当該一方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅よりも大きくてもよい。フィルタユニット1では、Y軸方向以外の「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eの一辺に垂直な方向」における「ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eから支持体2の外縁2Eまでの距離」が、ファブリペロー干渉フィルタ10の外縁10Eの対角線の長さよりも大きく、Z軸方向から見た場合に、開口部23の幅が、当該一辺に垂直な方向におけるファブリペロー干渉フィルタ10の幅よりも小さくてもよい。
【0107】
フィルタユニット1では、開口部23が光通過部として支持体2に形成されていたが、例えば、開口部23内の領域が光透過性材料で埋められていたり、光学素子(例えば、レンズ、フィルタ等)が開口部23内に配置されていたりする等、光透過部が光通過部として支持体2に形成されていてもよい。いずれの場合にも、光通過部は、ファブリペロー干渉フィルタ10(又はファブリペロー干渉フィルタ400)から出射された光を通過させるものであってもよいし、或いは、ファブリペロー干渉フィルタ10(又はファブリペロー干渉フィルタ400)に入射する光を通過させるものであってもよい。フィルタユニット1では、貫通孔24は、第1凹部21の内面、及び支持体2の外面に開口していればよい。フィルタユニット1では、支持体2の表面2bに、カバー6が配置されていなくてもよい。フィルタユニット1では、支持体2の表面2b及び開口部23の内面の少なくとも一方に光反射防止膜が形成されていてもよい。一例として、支持体2がステンレス鋼で形成されている場合、光反射防止膜は、支持体2の表面にクロムメッキ処理が施されることにより形成されてもよい。
【0108】
フィルタユニット1では、配線基板4は、第2凹部22内に配置されている必要があるが、ファブリペロー干渉フィルタ10は、支持体2上に配置されていれば、第1凹部21内に配置されている必要はない。つまり、支持体2には、ファブリペロー干渉フィルタ10が配置される第1凹部21が形成されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1…フィルタユニット、2…支持体、2E…外縁、2b…表面(外面)、3…光透過部材、4…配線基板、7…接着部材、10,400…ファブリペロー干渉フィルタ、10E…外縁、14,15,412,422…ミラー部、21…第1凹部(別の凹部)、21E…内縁、21a…底面(第1載置面、内面)、22…第2凹部(凹部)、22a…底面(第2載置面)、23…開口部(光通過部)、24…貫通孔、26…仕切部。
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