(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080120
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】農作業機
(51)【国際特許分類】
A01C 7/12 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
A01C7/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193032
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】吉村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】伊東 邦晃
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA06
2B054BA01
2B054BB01
2B054CA04
2B054CB03
2B054DA07
2B054DB03
2B054DB09
2B054DC06
2B054DD07
2B054DD22
2B054DD25
2B054DD29
2B054DE05
(57)【要約】
【課題】余剰の種子を排出するのを防止できる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機の播種装置11は、種子Wを収納する収納体22と、この収納体22内の種子Wを繰り出す繰出用孔部51を有する繰出体25とを備える。また、この播種装置11は、繰出体25の繰出用孔部51内の種子Wに重なった余剰の種子Wを擦り切る擦切板30を備える。そして、擦切板30は、余剰の種子Wを側方側に案内する案内端部を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に被播き物を播く作業を行うことが可能な農作業機であって、
被播き物が収納される収納体と、
前記収納体内の被播き物を繰り出す繰出用孔部を有する繰出体と、
前記繰出用孔部内の被播き物に重なった余剰の被播き物を擦り切る擦切体とを備え、
前記擦切体は、前記余剰の被播き物を案内する案内部を有する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
前記案内部は、前記繰出用孔部内の被播き物の移動方向に対して傾斜状に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
前記擦切体は、板状に形成された擦切板である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の農作業機。
【請求項4】
前記擦切板は、
取付板部分と、
前記取付板部分に設けられた案内板部分とを有し、
前記案内部は、前記案内板部分のうち前記取付板部分側とは反対側の端部に形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の農作業機。
【請求項5】
前記案内板部分は、前記案内部が前記繰出体側に接近するように折り曲げられている
ことを特徴とする請求項4記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に被播き物を播く作業を行うことが可能な農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された農作業機(播種機)が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、例えば種子や肥料等の被播き物が収納される収納体と、この収納体内の被播き物を繰り出す繰出用孔部を有する繰出体と、余剰の被播き物を擦り切るための擦切ブラシとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の農作業機では、例えば余剰の被播き物である種子が擦切ブラシを通り抜けて収納体外に排出されてしまうことがある。
【0006】
すなわち、例えば
図10(a)に示すように、繰出体101の繰出用孔部102内の排出予定の種子W(W1)に重なった余剰の種子W(W2)が、その排出予定の種子W(W1)によって押されることで擦切ブラシ105を通り抜けて、収納体106外に排出されることがある。
【0007】
また、例えば
図10(b)に示すように、余剰の種子W(W3)が繰出体101の繰出用孔部102の縁103によって押されることで擦切ブラシ105を通り抜けて、収納体106外に排出されることもある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、余剰の被播き物が排出されることを防止できる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る農作業機は、圃場に被播き物を播く作業を行うことが可能な農作業機であって、被播き物が収納される収納体と、前記収納体内の被播き物を繰り出す繰出用孔部を有する繰出体と、前記繰出用孔部内の被播き物に重なった余剰の被播き物を擦り切る擦切体とを備え、前記擦切体は、前記余剰の被播き物を案内する案内部を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、余剰の被播き物が排出されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【
図6】(a)及び(b)は同上播種装置の部分平面図である。
【
図7】(a)及び(b)は擦切板を示す図で、(a)がその斜視図であり、(b)がその平面図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の播種装置の部分平面図である。
【
図9】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の播種装置の部分平面図である。
【
図10】(a)及び(b)は従来の播種装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態について
図1ないし
図7を参照して説明する。
【0013】
図1において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、そのトラクタの走行により圃場を前方(進行方向)に移動しながら農作業、すなわち例えば耕耘整地作業及び播種作業を行う播種機である。
【0014】
つまり、農作業機1は、畑等の圃場に被播き物、すなわち例えば球形の粒状の種子(例えば大豆等)Wを播く作業である播種作業を行うことが可能なものである。
【0015】
そして、農作業機1は、
図1に示すように、トラクタの後部に着脱可能に連結される耕耘整地部(ロータリー部)2と、この耕耘整地部2に取付部3を介して取り付けられた多条式の播種部4とを備えている。
【0016】
前側作業部である耕耘整地部2は、トラクタの後部の3点リンク部に着脱可能に連結される機体6と、この機体6に回転可能に設けられ、トラクタ側からの動力によって所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体7と、機体6に上下方向に回動可能に設けられ、耕耘体7の後方で整地作業をする整地体8とを備えている。なお、圃場面に対する整地体8の接地圧は、整地体用の調整手段9で調整可能となっている。
【0017】
後側作業部である播種部4は、
図2ないし
図6等にも示すように、左右方向に並ぶ複数(例えば4つ)の播種装置11と、これら複数の播種装置11を同時に駆動する駆動装置12とを備えている。
【0018】
各播種装置11は、耕耘整地部2による耕耘整地後の圃場面に播き溝を形成する溝形成体16と、その播き溝内に種子Wを播種する播種手段17と、土を寄せて播き溝を埋め戻す土寄せ体18と、その土を鎮圧する鎮圧輪19と、この鎮圧輪19に付着した土を除去するスクレーパ20とを備えている。なお、溝形成体16は、例えば円板状をなす左右1対の溝形成板15で構成されている。
【0019】
そして、播種手段(圃場の播き溝に被播き物を播く播き手段)17は、所定量の被播き物である種子Wが上面開口である種子投入口21から投入されて内部に収納される容器状の収納体(ホッパー)22と、この収納体22の種子投入口21を開閉可能に閉鎖する蓋体23と、駆動装置12からの動力によって所定方向に回転しながら収納体22内の種子Wを順次繰り出す回転可能な繰出体(穴ロール式の繰出ロール)25とを備えている。
【0020】
また、播種手段17は、収納体22の下面開口である種子排出口26から排出された種子Wを受け入れて下方へ案内して圃場の播き溝内に供給する筒状の案内体27を備え、この案内体27の下部は、溝形成体16の両溝形成板15間に位置している。そして、案内体27の下端部の種子落下口28から落下した種子Wは、両溝形成板15間を通って播き溝内に播かれる。
【0021】
さらに、播種手段17は、収納体22内において繰出体25の繰出用孔部(穴部)51内の種子Wに重なって接触した余剰の種子Wを擦り切る板状の擦切体である擦切板30を備えている。
【0022】
この擦切板30は、繰出体25の繰出用孔部51内に入り込んだ繰り出す予定の種子(穴部内の排出予定の被播き物)Wのみが収納体22外に排出されて播き溝内に播かれるように、繰出体25の繰出用孔部51内の種子W上に乗った余剰の種子Wに対して擦り切りを行う板状部材である(
図7参照)。
【0023】
収納体22は、所定量の種子Wを内部に収納可能な収納本体部31を上部に有するとともに、繰出体収納部32を下部に有し、この繰出体収納部32内に繰出体25が出し入れ可能に収納されている。そして、繰出体収納部32は、例えば複数のねじ33で収納本体部31に着脱可能に取り付けられた繰出体押え部材35を有し、この繰出体押え部材35を取り外すことで繰出体25を繰出体収納部32内から取り出すことが可能となる。
【0024】
また、繰出体25及び収納体22には、左右方向に延在する駆動装置12の回転軸(例えば六角軸等)41が抜き差し可能に挿通されている。この回転軸41は、繰出体収納部32内に位置する繰出体取付部40に嵌挿され、この繰出体取付部40は当該回転軸41と一体となって回転する。また、この繰出体取付部40には、繰出体25が取付ボルト(取付具)39で着脱可能に取り付けられている。
【0025】
そして、圃場での作業時において、駆動装置12の回転軸41は、圃場面に接地した接地輪42の回転に連動して動く動力伝達部材43からの動力によって繰出体25とともに駆動回転し、その結果、収納体22内の種子Wが繰り出されて収納体22外に排出されて播き溝内に落下する。なお、圃場面に対する接地輪42の接地圧は、接地輪用の調整手段44で調整可能となっている。また、収納体22には、前方側に向かって開口する開口部45が形成されている。そして、擦切板30は、その開口部45を介して収納体22内に対して出し入れ可能となっている。
【0026】
繰出体25は、例えば円筒状をなすもので、この繰出体25の外周側には、当該繰出体25の回転時に収納体22内の種子Wを繰り出す複数の繰出用孔部51が複数列状に形成されている。
【0027】
すなわち例えば、左右方向に軸方向を有する円筒状の繰出体25の外周面における軸方向両端側である左右両側には、繰出体25の回転方向である周方向に互いに等間隔をおいて並んで位置する複数(例えば8つ)の繰出用孔部51が凹設されている。
【0028】
各繰出用孔部51は、例えば繰出予定である排出予定の種子Wが所定個数、すなわち例えば1個だけ入り込む大きさのすり鉢状に形成されている。つまり、各繰出用孔部51は、球状をなす1粒の種子Wに対応した形状に形成されている。
【0029】
擦切板30は、
図5ないし
図7に示すように、例えば弾性変形可能な合成樹脂(金属等でもよい)によって1枚の屈曲板状に形成されたものである。そして、擦切板30は、略矩形状の取付板部分61と、この取付板部分61の端部に一体に連設され、当該取付板部分61に対して略直角に屈曲した状態で位置する案内板部分62とを有している。
【0030】
取付板部分61には、前方側に向かって開口する長孔状の取付孔66が形成されている。そして、取付板部分61は、取付孔66に挿入したボルト67にナット68が螺合されることにより、収納体22の取付部70に着脱可能でかつ前後位置調整可能に取り付けられている。
【0031】
つまり、例えばボルト67及びナット68等からなる取付手段69を用いることにより、取付板部分61は、案内板部分62の先端側下面が繰出体25の外周面に接触(摺接)するように収納体22の取付部70に対して所望位置に位置決めされて取り付けられている。
【0032】
また、
図5からみて明らかなように、平板状の取付板部分61は、収納体22の取付部70の下面に沿って前高後低の傾斜状に配置され、かつ、この取付板部分61の後端部からは、屈曲板状の案内板部分62が斜め後上方に向かって突出している。さらに、案内板部分62は、先端側である後端側(案内端部)が繰出体25の上部の外周面に接近するように左右方向の折曲線65に沿って折り曲げられている。
【0033】
案内板部分62には、後方側に向かって開口する略台形状の切欠部(空間)71が形成されている。そして、案内板部分62は、繰出体25の繰出用孔部51内の種子Wに重なった余剰の種子Wを側方側(斜め前側方を含む)に向けて案内して当該余剰の種子Wが収納体22外に排出されるのを防止する複数(例えば2つ)の排出防止用の案内部である案内端部72を後端側(先端側)に有している。
【0034】
つまり、切欠部71を介して互いに離間対向する左右一対で平面視ハ字状をなす内向きの案内端部72が、案内板部分62のうち取付板部分61側とは反対側の端部である後端面に傾斜状に形成されている。そして、両案内端部72は連結端部73で連結されており、この連結端部73は左右方向長手状の直線面74で構成されている。
【0035】
また、案内端部72は、平面視で繰出体25の繰出用孔部51内の種子Wの移動方向(前方)に対して傾斜状(湾曲状を含む)に形成されている。それゆえ、案内端部72は、主として、平面視で繰出用孔部51内の種子Wに重なった余剰の種子Wを斜め前側方に向けて案内する(
図6(a)参照)。
【0036】
ただし、余剰の種子Wは、案内端部72にて案内されずに繰出用孔部51内の種子Wと一緒に前方に移動して、案内板部分62上に乗り上げることもある(
図6(b)参照)。
【0037】
ここで、
図7に示すように、案内端部72は、平面視で前後方向に対して側方側に所定の傾斜角度αをもって傾斜する方向に沿って位置する長手状の直線面76と、この直線面76と連結端部73の直線面74とを繋ぐ湾曲状の曲線面77とで構成されている。
【0038】
なお、所定の傾斜角度αは、例えば90度未満であり、好ましくは略30度である。また、案内端部72の直線面76は、案内板部分62のうち折曲線65よりも後方に位置する三角状部78の内面(切欠部71に臨んだ面)に形成されている。さらに、案内端部72の曲線面77及び連結端部73の直線面74は、案内板部分62のうち折曲線65よりも前方に位置する長手状部79の後面(切欠部71に臨んだ面)に形成されている。
【0039】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0040】
トラクタの走行により農作業機1を進行方向である前方に移動させると、耕耘整地部2が耕耘整地作業を行い、その後方では、播種部4が播種作業を行う。
【0041】
つまり、その播種部4においては、左右方向に並んだ複数(例えば4つ)の播種装置11の播種手段17の繰出体25が所定の回転方向に回転しながら収納体22内の種子Wを繰り出し、この繰り出されて収納体22外に排出された種子Wが圃場の播き溝内に播かれる。
【0042】
具体的には、収納体22内の種子Wは、回転中の繰出体25の繰出用孔部51内に入り込み、この入り込んだ種子W、すなわち繰出用孔部51内の排出予定の種子Wは、擦切板30と接触することなく当該擦切板30との近接対向位置を通過し、その通過後、自重で繰出用孔部51内から出て落下して収納体22外に排出され、圃場の播き溝内に播かれる。
【0043】
ここで、
図5に示すように、繰出用孔部51内の排出予定の種子W(W1)に重なって接触した余剰の種子W(W2,W3)は、擦切板30によって擦り切られることで、排出予定の種子W(W1)から離されて収納体22内に残る。その結果、余剰の種子W(W2,W3)は、収納体22外に排出されず、排出予定の種子W(W1)のみが収納体22外に排出される。
【0044】
つまり、余剰の種子W(W2)は、排出予定の種子W(W1)で押されても、
図6(a)に示すように、擦切板30の案内板部分62の案内端部72と当接して斜め前側方(平面視で排出予定の種子の移動方向に対して傾斜した傾斜方向)に向かって案内され、収納体22内に残る。換言すると、排出予定の種子W(W1)上に乗った余剰の種子W(W2)は、案内端部72に当接して移動方向(押される方向)が変化することにより収納体22内に残る。
【0045】
また、
図6(b)に示すように、余剰の種子W(W2)が前方に移動して擦切板30の案内板部分62上に乗り上げる場合もある。この場合、案内端部72が余剰の種子W(W2)の下部に当接し、この当接により余剰の種子W(W2)が持ち上げられて排出予定の種子W(W1)上から案内板部分62上に乗り移る。
【0046】
余剰の種子W(W3)についても同様であり、この種子W(W3)は、繰出用孔部51の縁52で押されても、擦切板30の案内板部分62の案内端部72に当接して斜め前側方へ案内されて収納体22内に残り、また擦切板30の案内板部分62上に乗り上げることにより、余剰の被播き物(種子W)が排出されることを防止する。
【0047】
なお、
図6(a)及び(b)では、余剰の種子Wが左側の案内端部72に当接した際の様子が図示されているが、余剰の種子Wが右側の案内端部72に当接した際も同様である。
【0048】
そして、上記農作業機1によれば、繰出体25の繰出用孔部51内の排出予定の種子Wに重なって接触した余剰の種子Wを擦り切る板状の擦切板30を備え、この擦切板30は余剰の種子Wを案内する排出防止用の案内端部72を有するため、余剰の種子Wが収納体22外に排出されるのを適切に防止でき、よって、種子Wの超過排出がなくなり、播種精度の向上を図ることができる。
【0049】
また、擦切板30の案内端部72は、平面視で繰出体25の繰出用孔部51内の種子Wの移動方向(前後方向に沿った方向)に対して傾斜状に形成されているため、余剰の種子Wを側方側に案内でき、余剰の種子Wが収納体22外に排出されるのをより一層適切に防止できる。
【0050】
さらに、擦切板30は、取付板部分61と、この取付板部分61に連設された案内板部分62とを有し、案内端部72は、案内板部分62のうち取付板部分61側とは反対側の端部に形成されているため、簡単な構成であるにも拘わらず、余剰の種子Wが収納体22外に排出されるのを効果的に防止できる。
【0051】
なお、上述した第1の実施の形態では、擦切板30は、平面視ハ字状をなす内向きの案内端部72を有する構成について説明したが、例えば
図8に示す第2の実施の形態の如く、平面視逆ハ字状をなす外向きの案内端部72を有する構成でもよい。つまり、この
図8に示す擦切板30は、山形の案内板部分62を有し、この案内板部分62の後端部に左右一対で2つの案内端部72が傾斜状に形成されている。
【0052】
また、擦切板30は、例えば
図9に示す第3の実施の形態の如く、案内板部分62の後端部に1つの案内端部72のみが傾斜状に形成された構成でもよい。なお、この
図9に図示した案内端部72は、擦切板30の幅方向一端から他端に亘って位置する直線面76のみで構成されているが、例えば図示しないが、直線面と曲線面とで構成してもよく、曲線面のみで構成してもよい。つまり、擦切体の案内部は、直線面及び曲線面からなるものでもよく、直線面のみからなるものでもよく、曲線面のみからなるもの等でもよい。
【0053】
また一方、擦切体の案内部は、例えば平面視で繰出用孔部内の被播き物の移動方向に対して直交状に形成されたもの等でもよい。
【0054】
さらに、擦切体は、板状に形成されたものには限定されず、板状以外の他の形状でもよく、その形状は任意である。
【0055】
また、農作業機は、耕耘整地部及び播種部を備えたものについて説明したが、例えば耕耘整地部を備えていない不耕起播種機等でもよい。
【0056】
さらに、圃場に播く被播き物は、種子以外に、例えば肥料や薬剤等でもよくその種類は任意である。
【0057】
また、繰出体を回転させるための駆動装置は、トラクタの走行に基づいて従動回転する接地輪を用いたものには限定されず、例えばモータ等の駆動源を用いたものでもよく、この場合、例えば回転軸の端部側に駆動源を接続すればよい。
【0058】
さらに、繰出体の繰出用孔部についてもその数や形状等は任意である。
【符号の説明】
【0059】
1 農作業機
22 収納体
25 繰出体
30 擦切体である擦切板
51 繰出用孔部
61 取付板部分
62 案内板部分
72 案内部である案内端部
W 被播き物である種子