(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080127
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】パッシブセンサの点検器具および点検方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20240606BHJP
G08B 29/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G01R31/00
G08B29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193047
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 宏記
【テーマコード(参考)】
2G036
5C087
【Fターム(参考)】
2G036AA14
2G036AA19
2G036BA35
2G036CA08
5C087AA02
5C087AA11
5C087AA23
5C087AA37
5C087CC02
5C087CC27
5C087DD05
5C087DD49
5C087EE11
5C087FF02
5C087FF04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パッシブセンサを含む監視システムの点検作業の作業効率をより高められる点検器具および点検方法を提供する。
【解決手段】点検器具11は、点検台座12と、電源装置13と、コネクタ14と、検出器15と、を備える。点検台座12は、パッシブセンサ5を保持する。電源装置13は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5に電力を供給する。検出器15は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5の開閉状態を検出する。検出器15のプローブ16は、コネクタ14に着脱自在に接続される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線に基づく人の検知の有無によって一対のセンサ端子の間の開閉状態を切り替え、前記開閉状態が監視システムのコントローラに監視されるパッシブセンサの点検器具であり、
前記パッシブセンサを保持する点検台座と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに電力を供給する電源装置と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態を検出する検出器と、
を備える、点検器具。
【請求項2】
前記検出器は、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態が切り替えられるときに、音声によって報知を行う、
請求項1に記載の点検器具。
【請求項3】
赤外線に基づく人の検知の有無によって一対のセンサ端子の間の開閉状態を切り替え、前記開閉状態が監視システムのコントローラに監視されるパッシブセンサの点検器具であり、
前記パッシブセンサを保持する点検台座と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに電力を供給する電源装置と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態を検出する検出器のプローブが着脱自在に接続されるコネクタと、
を備える、点検器具。
【請求項4】
前記コネクタは、前記検出器の前記プローブを脱落しないように保持する、
請求項3に記載の点検器具。
【請求項5】
前記電源装置は、
前記コントローラが前記コントローラに接続されている前記パッシブセンサの前記一対のセンサ端子の間に印加する電圧と同一の電圧を、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記一対のセンサ端子の間に印加するように、前記パッシブセンサに電力を供給する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の点検器具。
【請求項6】
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサを覆うカバー
を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の点検器具。
【請求項7】
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに向くように配置され、スイッチの操作によって赤外線の発生の有無が切り替え可能な赤外線発生器
を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の点検器具。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、
前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、
前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに手をかざすことで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、
を備える、点検方法。
【請求項9】
請求項6に記載の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、
前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、
前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサを前記カバーで覆うことで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、
を備える、点検方法。
【請求項10】
請求項7に記載の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、
前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、
前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、
前記赤外線発生器の前記スイッチを操作することで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、
を備える、点検方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パッシブセンサの点検器具および点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、監視システムの例を開示する。監視システムは、複数の防犯センサを備える。防犯センサは、例えば赤外線により人を検出するパッシブセンサなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の監視システムにおいて、複数の防犯センサは、直列に接続される。このため、いずれかの防犯センサに故障などの異常が生じた場合に、どの防犯センサにおいて異常が生じたか特定されない。このため、異常に対処する点検作業の作業効率が悪くなることがある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、パッシブセンサを含む監視システムの点検作業の作業効率をより高められる点検器具および点検方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る点検器具は、赤外線に基づく人の検知の有無によって一対のセンサ端子の間の開閉状態を切り替え、前記開閉状態が監視システムのコントローラに監視されるパッシブセンサの点検器具であり、前記パッシブセンサを保持する点検台座と、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに電力を供給する電源装置と、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態を検出する検出器と、を備える。
本開示に係る点検器具は、赤外線に基づく人の検知の有無によって一対のセンサ端子の間の開閉状態を切り替え、前記開閉状態が監視システムのコントローラに監視されるパッシブセンサの点検器具であり、前記パッシブセンサを保持する点検台座と、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに電力を供給する電源装置と、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態を検出する検出器のプローブが着脱自在に接続されるコネクタと、を備える。
【0007】
本開示に係る点検方法は、上記の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに手をかざすことで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、を備える。
本開示に係る点検方法は、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサを覆うカバーをさらに備える上記の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサを前記カバーで覆うことで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、を備える。
本開示に係る点検方法は、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに向くように配置され、スイッチの操作によって赤外線の発生の有無が切り替え可能な赤外線発生器をさらに備える上記の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、前記赤外線発生器の前記スイッチを操作することで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る点検器具または点検方法によれば、パッシブセンサを含む監視システムの点検作業の作業効率がより高められる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る監視システムの構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る点検器具の斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る点検器具の、点検台座がパッシブセンサを保持している状態の斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係るパッシブセンサの点検方法の例を説明する図である。
【
図5】実施の形態2に係る点検器具の構成図である。
【
図6】実施の形態3に係る点検器具の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る監視システム1の構成図である。
【0012】
監視システム1は、監視対象領域2における人の有無を監視するシステムである。監視対象領域2は、例えば建物の内部または外部の領域などである。監視システム1は、例えば、監視対象領域2への人の侵入を監視するセキュリティシステム、または監視対象領域2における人の在否に基づいて照明の点灯および消灯を管理する照明管理システムなどであってもよい。監視システム1は、監視回路3と、コントローラ4と、を備える。
【0013】
監視回路3は、監視対象領域2における人の有無を検出する回路である。監視回路3は、1つ以上のパッシブセンサ5を含む。この例において、監視回路3は、複数のパッシブセンサ5を含む。パッシブセンサ5は、人から発せられる赤外線に基づいて、当該人がいることを検知するセンサである。パッシブセンサ5は、一対の電力端子6、および一対のセンサ端子7を備える。電力端子6は、電力の供給を受ける端子である。センサ端子7は、人がいることの検知結果の取得に用いられる端子である。パッシブセンサ5は、例えば焦電素子などを用いた赤外線に基づく人の検知の有無によって、一対のセンサ端子7の間の開閉状態を切り替える。ここで、一対のセンサ端子7の間の開閉状態は、機械的な開閉に限られず、スイッチング素子を用いた通電の有無の切換えなどであってもよい。監視回路3は、複数のパッシブセンサ5のセンサ端子7を直列に接続する。
【0014】
パッシブセンサ5は、例えば監視対象領域2の天井などに配置される。パッシブセンサ5は、台座8に取り付けられる。台座8は、パッシブセンサ5を保持する装置である。パッシブセンサ5および台座8の一方は、取付具9を備える。パッシブセンサ5および台座8の他方において、取付具9を保持する取付孔10が設けられる。この例において、パッシブセンサ5に取付具9が設けられる。このとき、台座8において取付孔10が設けられる。取付具9は、例えば掛け爪などの突出部である。取付孔10は、例えばダルマ孔などである。パッシブセンサ5は、取付具9を台座8の取付孔10に挿し入れて回すことで、台座8に保持される。台座8に保持されているときに、パッシブセンサ5の一対のセンサ端子7および一対の電力端子6は、台座8の対応する各端子に接続される。
【0015】
コントローラ4は、パッシブセンサ5の開閉状態を監視することで、監視対象領域2における人の有無を監視する装置である。コントローラ4は、監視回路3に直列に接続された複数のパッシブセンサ5の開閉状態を監視する。コントローラ4は、各々のパッシブセンサ5の電力端子6を通じて、パッシブセンサ5に電力を供給する。これにより、各々のパッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間に予め設定された信号電圧が印加される。信号電圧は、例えば直流12Vなどである。コントローラ4は、各々のパッシブセンサ5においてこのように印加された信号電圧に基づく信号により、複数のパッシブセンサ5の開閉状態を監視する。
【0016】
ここで、監視システム1において、例えばいずれかのパッシブセンサ5において断線または短絡などの故障が発生する場合がある。このとき、監視システム1の点検作業が行われる。ここで、複数のパッシブセンサ5はセンサ端子7が直接に接続されているため、コントローラ4はどのパッシブセンサ5において異常が生じたかを特定しない。このため、監視システム1の点検作業を行う作業員は、点検器具を用いて異常が生じたパッシブセンサ5の特定を行う。
【0017】
図2は、実施の形態1に係る点検器具11の斜視図である。
【0018】
点検器具11は、点検台座12と、電源装置13と、コネクタ14と、を備える。
【0019】
点検台座12は、点検対象のパッシブセンサ5を保持する機器である。点検台座12は、例えば監視システム1に用いられている台座8と同様の構成の機器である。この例の点検台座12において、取付孔10として環状に配置されたダルマ孔が設けられる。パッシブセンサ5は、取付具9が点検台座12の取付孔10に挿し込まれて回されることで、点検台座12に保持される。点検台座12に保持されているときに、パッシブセンサ5の一対のセンサ端子7および一対の電力端子6は、点検台座12の対応する各端子に接続される。
【0020】
電源装置13は、点検台座12の端子のうち、パッシブセンサ5の電力端子6に対応する端子に接続される。電源装置13は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5に電力を供給する機器である。電源装置13は、例えば電池ボックスなどである。電源装置13は、監視システム1において設定された信号電圧を点検台座12に保持されているパッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間に印加するように、パッシブセンサ5に電力を供給する。
【0021】
コネクタ14は、点検台座12の端子のうち、パッシブセンサ5のセンサ端子7に対応する端子に接続される。コネクタ14は、例えば挿し込まれた電線または電極などを脱落しないように保持する機能を搭載する。コネクタ14は、レバーなどによって電線などの保持および解放を切り替える機能を搭載していてもよい。
【0022】
図3は、実施の形態1に係る点検器具11の、点検台座12がパッシブセンサ5を保持している状態の斜視図である。
【0023】
点検器具11は、検出器15を備える。検出器15は、例えば、電流または電圧などの電気信号、ならびに抵抗値などの電気的な特性を検出する、汎用で可搬なテスタなどである。検出器15のプローブ16は、コネクタ14に接続される。検出器15のプローブ16は、コネクタ14から脱落しないようにコネクタ14に保持される。検出器15は、検出した信号の変化を音声によって報知する報知器を備えていてもよい。また、検出器15は、検出した信号の変化を点灯、消灯、または点滅などによって報知する表示灯を備えていてもよい。
【0024】
続いて、
図4を用いて、パッシブセンサ5の点検方法の例を説明する。
図4は、実施の形態1に係るパッシブセンサ5の点検方法の例を説明する図である。
【0025】
作業員は、点検器具11を持って点検現場に向かう。点検現場において、作業員は、検出器15のプローブ16をコネクタ14に接続する。
【0026】
次に、作業員は、監視対象領域2に配置されたいずれかのパッシブセンサ5を、台座8から取り外す。これにより、当該パッシブセンサ5およびコントローラ4との接続が解除される。
【0027】
次に、作業員は、台座8から取り外されてコントローラ4との接続が解除されたパッシブセンサ5を、点検台座12に取り付けて保持させる。このとき、当該パッシブセンサ5の電力端子6およびセンサ端子7は、点検台座12の対応する端子に接続される。
【0028】
次に、作業員は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5に手をかざす。このとき、作業員の手から体温に応じて放射される赤外線により、当該パッシブセンサ5が正常であれば、当該パッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間の開閉状態が切り替えられる。作業員は、検出器15の指示、表示、または報知などによってパッシブセンサ5の開閉状態の変化が確認できるときに、当該パッシブセンサ5を正常と判定する。一方、作業員は、パッシブセンサ5の開閉状態の変化が検出器15によって確認できないときに、当該パッシブセンサ5を異常と判定する。
【0029】
次に、作業員は、異常の有無を確認したパッシブセンサ5を点検台座12から取り外す。その後、作業員は、異常の有無をまだ確認していない他のパッシブセンサ5についても同様に、点検台座12に取り付けて検出器15によって異常の有無を確認する。作業員は、監視回路3に接続されている各々のパッシブセンサ5について、このように異常の有無を順次確認することで、異常が生じたパッシブセンサ5の特定を行う。なお、作業員は、異常が生じたパッシブセンサ5が無かった場合に、コントローラ4または監視回路3の配線などの通信経路に異常があると判定してもよい。
【0030】
以上に説明したように、実施の形態1に係る点検器具11は、点検台座12と、電源装置13と、コネクタ14と、検出器15と、を備える。点検台座12は、パッシブセンサ5を保持する。電源装置13は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5に電力を供給する。検出器15は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5の開閉状態を検出する。検出器15のプローブ16は、コネクタ14に着脱自在に接続される。
【0031】
このような構成により、パッシブセンサ5を点検台座12に取り付けることで動作確認が可能になるので、パッシブセンサ5の動作確認が容易になる。特に、複数のパッシブセンサ5の動作確認を容易に続けて行うことができるようになる。これにより、パッシブセンサ5を含む監視システム1の点検作業の作業効率がより高められる。なお、検出器15は、点検器具11の外部の機器であってもよい。また、点検器具11は、コネクタ14を有していなくてもよい。このとき、検出器15は、点検台座12の対応する端子に直接接続される。
【0032】
また、コネクタ14は、検出器15のプローブ16を脱落しないように保持する。
【0033】
このような構成により、点検作業中に検出器15のプローブ16が脱落しにくくなるので、パッシブセンサ5の動作確認がより容易に行われるようになる。
【0034】
また、電源装置13は、接続されているパッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間にコントローラ4が印加する電圧と同一の電圧を、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間に印加するように、当該パッシブセンサ5に電力を供給する。
【0035】
このような構成により、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5の動作条件がコントローラ4に接続されているパッシブセンサ5と同一になるので、動作確認の信頼性がより高められる。
【0036】
なお、検出器15は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5の開閉状態が切り替えられるときに、音声によって報知を行ってもよい。
【0037】
このような構成により、作業員は検出器15の表示または指示などを読むことなく開閉状態の変化の有無を確認できるようになるので、点検作業の作業効率がより高められる。また、検出器15は、報知に光などの電磁波を用いないので、報知によるパッシブセンサ5の誤動作などが生じにくくなる。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0039】
図5は、実施の形態2に係る点検器具11の構成図である。
【0040】
点検器具11は、カバー17を備える。カバー17は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5を覆う機器である。
【0041】
続いて、パッシブセンサ5の点検方法の例を説明する。
【0042】
作業員は、監視対象領域2に配置されたいずれかのパッシブセンサ5を、点検台座12に取り付けて保持させる。
【0043】
次に、作業員は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5をカバー17で覆う。このとき、作業員は、例えば手などで温めたカバー17でパッシブセンサ5を覆ってもよい。これにより、温められたカバー17から放射される赤外線により、当該パッシブセンサ5が正常であれば、当該パッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間の開閉状態が切り替えられる。作業員は、検出器15の指示、表示、または報知などによってパッシブセンサ5の開閉状態の変化が確認できるときに、当該パッシブセンサ5を正常と判定する。一方、作業員は、パッシブセンサ5の開閉状態の変化が検出器15によって確認できないときに、当該パッシブセンサ5を異常と判定する。
【0044】
また、作業員は、温めていないカバー17でパッシブセンサ5を覆ってもよい。このとき、カバー17は、作業員の手などから体温に応じて放射される赤外線を遮る。このため、作業員がカバー17の上からパッシブセンサ5に手をかざしても、当該パッシブセンサ5が正常であれば、当該パッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間の開閉状態は切り替えられない。作業員は、温めていないカバー17をかぶせたパッシブセンサ5の開閉状態の変化が検出器15で確認できるときに、当該パッシブセンサ5を異常と判定する。これにより、作業員は、パッシブセンサ5の断線および短絡のいずれによる異常であっても特定できるようになる。
【0045】
実施の形態3.
実施の形態3において、実施の形態1または実施の形態2で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0046】
図6は、実施の形態3に係る点検器具11の構成図である。
【0047】
点検器具11は、赤外線発生器18を備える。赤外線発生器18は、パッシブセンサ5が検出可能な赤外線を発生させる機器である。赤外線発生器18は、例えばヒータ、または赤外線LED(Light Emitting Diode)などである。赤外線発生器18は、点検台座12に保持されているパッシブセンサ5に向くように配置される。赤外線発生器18は、赤外線の発生の有無を切り替えるスイッチ19を備える。
【0048】
続いて、パッシブセンサ5の点検方法の例を説明する。
【0049】
作業員は、監視対象領域2に配置されたいずれかのパッシブセンサ5を、点検台座12に取り付けて保持させる。
【0050】
次に、作業員は、赤外線発生器18のスイッチ19を操作する。赤外線発生器18が発生させる赤外線により、当該パッシブセンサ5が正常であれば、当該パッシブセンサ5の一対のセンサ端子7の間の開閉状態が切り替えられる。作業員は、検出器15の指示、表示、または報知などによってパッシブセンサ5の開閉状態の変化が確認できるときに、当該パッシブセンサ5を正常と判定する。一方、作業員は、パッシブセンサ5の開閉状態の変化が検出器15によって確認できないときに、当該パッシブセンサ5を異常と判定する。このように、パッシブセンサ5の動作確認のための赤外線の発生の有無が明確になるので、パッシブセンサ5の異常の有無がより明確に判断できるようになる。
【0051】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
赤外線に基づく人の検知の有無によって一対のセンサ端子の間の開閉状態を切り替え、前記開閉状態が監視システムのコントローラに監視されるパッシブセンサの点検器具であり、
前記パッシブセンサを保持する点検台座と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに電力を供給する電源装置と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態を検出する検出器と、
を備える、点検器具。
(付記2)
前記検出器は、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態が切り替えられるときに、音声によって報知を行う、
付記1に記載の点検器具。
(付記3)
赤外線に基づく人の検知の有無によって一対のセンサ端子の間の開閉状態を切り替え、前記開閉状態が監視システムのコントローラに監視されるパッシブセンサの点検器具であり、
前記パッシブセンサを保持する点検台座と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに電力を供給する電源装置と、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記開閉状態を検出する検出器のプローブが着脱自在に接続されるコネクタと、
を備える、点検器具。
(付記4)
前記コネクタは、前記検出器の前記プローブを脱落しないように保持する、
付記3に記載の点検器具。
(付記5)
前記電源装置は、
前記コントローラが前記コントローラに接続されている前記パッシブセンサの前記一対のセンサ端子の間に印加する電圧と同一の電圧を、前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサの前記一対のセンサ端子の間に印加するように、前記パッシブセンサに電力を供給する、
付記1から付記4のいずれか一項に記載の点検器具。
(付記6)
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサを覆うカバー
を備える、付記1から付記5のいずれか一項に記載の点検器具。
(付記7)
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに向くように配置され、スイッチの操作によって赤外線の発生の有無が切り替え可能な赤外線発生器
を備える、付記1から付記6のいずれか一項に記載の点検器具。
(付記8)
付記1から付記7のいずれか一項に記載の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、
前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、
前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサに手をかざすことで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、
を備える、点検方法。
(付記9)
付記6に記載の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、
前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、
前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、
前記点検台座に保持されている前記パッシブセンサを前記カバーで覆うことで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、
を備える、点検方法。
(付記10)
付記7に記載の点検器具を用いた前記パッシブセンサの点検方法であり、
前記パッシブセンサの前記コントローラとの接続を解除することと、
前記コントローラとの接続が解除された前記パッシブセンサを、前記点検台座に取り付けて保持させることと、
前記赤外線発生器の前記スイッチを操作することで、前記検出器による前記パッシブセンサの前記開閉状態の変化の検出を確認することと、
を備える、点検方法。
【符号の説明】
【0052】
1 監視システム、 2 監視対象領域、 3 監視回路、 4 コントローラ、 5 パッシブセンサ、 6 電力端子、 7 センサ端子、 8 台座、 9 取付具、 10 取付孔、 11 点検器具、 12 点検台座、 13 電源装置、 14 コネクタ、 15 検出器、 16 プローブ、 17 カバー、 18 赤外線発生器、 19 スイッチ