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特開2024-80195可搬型タンパク質分子構造解析装置によるウイルス又は抗原又は抗体即時検査システム
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  • 特開-可搬型タンパク質分子構造解析装置によるウイルス又は抗原又は抗体即時検査システム 図1
  • 特開-可搬型タンパク質分子構造解析装置によるウイルス又は抗原又は抗体即時検査システム 図2
  • 特開-可搬型タンパク質分子構造解析装置によるウイルス又は抗原又は抗体即時検査システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080195
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】可搬型タンパク質分子構造解析装置によるウイルス又は抗原又は抗体即時検査システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240606BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20240606BHJP
   G01N 24/08 20060101ALI20240606BHJP
   G01R 33/465 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A61B5/055 390
G01N33/68
G01N24/08 510P
G01R33/465
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193178
(22)【出願日】2022-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】521081148
【氏名又は名称】津村 徹也
(72)【発明者】
【氏名】津村 徹也
【テーマコード(参考)】
2G045
4C096
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045AA28
2G045DA36
2G045DA80
2G045FA12
2G045FA36
4C096AA13
4C096AB42
4C096AB46
4C096AB47
4C096AD14
4C096DA21
4C096DC33
4C096DE07
(57)【要約】
【課題】タンパク質分子構造解析装置を可搬型にすることで、ウイルス又は抗原又は抗体を、被検査対象者の所在場所において、即時に、血液を採取しなくても検出することを可能とする。
【解決手段】各装置に接続した携帯電話12で解析システム14に蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を返送されるしくみにより、極少量のスペクトル構造パターンデータを測定するために必要な大きさまで小型化された可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11を被検査対象者5の所在場所6に運搬することにより、ウイルス又は抗原又は抗体の検出結果を、また、可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11を被検査対象者5の所在場所6に運搬することにより、指などの体の一部15を挿入するだけで抗体の検出結果を、被検査対象者5の所在場所6において即時に得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置により被検査対象者の所在場所において、ウイルス又は抗原又は抗体を即時に、または抗体を血液を採取せず即時に検出することを可能とするため、タンパク質分子のスペクトル構造パターンデータを解析装置に接続した携帯電話で解析システムに送り、蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を返送するしくみにより、レーザー照射測定装置部またはNMR測定装置部を極少量のスペクトル構造パターンデータを測定するために充分な解像度を得るための出力と焦点距離を有するに必要な大きさまで小型化することによって、タンパク質分子構造解析装置を可搬型にすることを最も主要な特徴とする、可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型タンパク質分子解析装置により被検査対象者所在場所においてウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1の1に示すように、従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置2によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システムは、レーザー照射測定装置部3またはNMR測定装置部4が分子構造を測定するために充分な解像度を得るための出力と焦点距離を有することのため、従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置2は屋内に設置する大きさを持つ必要があり、持ち運びが可能な大きさまで小型化することはできなかった。
【0003】
よって感染症対策のために、 従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置2によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する場合は、被検査対象者5の所在場所6において被検査対象者5から抽出した検体を入れた容器7を従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置2が設置されている場所8に運ぶか、または被検査対象者5が従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置2が設置されている場所8に移動し、そこで検体を抽出しウイルス又は抗原又は抗体を検出する必要があり、被検査対象者5の所在場所6において即時にウイルス又は抗原又は抗体を検出することができない、また、抗体はほぼ血液中にしか存在しないため、抗体を即時に検出する場合は、血液を採取しなければ抗体を検出することができない、という欠点があった。
【0004】
感染症対策としてウイルス又は抗原又は抗体の検出を行う用途において、この欠点は大きな障害である。具体的には、被検査対象者から抽出した検体を入れた容器を各解析装置が設置されている場所に運ぶ場合、そのための時間がかかり、対策が遅れる可能性が増大する、また被検査対象者が各解析装置が設置されている場所に移動して検出する場合、そのためのコストと負荷が被検査対象者にかかるとともに、自己感染や他者に感染させるリスクが増大する、また、抗体の検出を行う場合は、被検査対象者から血液を採取するプロセス又は要員の確保が必要、などの問題があった。
【0005】
この改善策として、図1の9に示すように、可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システムでは、これらの各可搬解析装置で測定したウイルス又は抗原又は抗体のタンパク質分子のスペクトル構造パターンデータを、各可搬解析装置に接続した携帯電話12で伝送網13越しに解析システム14に送り、蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を算出し、伝送網13越しに各可搬解析装置に接続した携帯電話12で返送するしくみとなっている。そのため、各可搬解析装置で取得するタンパク質分子構造データは極少量のスペクトル構造パターンデータでよく、その結果レーザー照射測定装置部3またはNMR測定装置部4は極少量のスペクトル構造パターンデータを測定するために充分な解像度を得るための出力と焦点距離を有するに必要な大きさまで小型化することができる。よって可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11は持ち運びが可能な大きさまで小型化することができ、これらの各可搬解析装置を被検査対象者5の所在場所6に運搬することによりウイルス又は抗原又は抗体の検出結果を被検査対象者5の所在場所6において即時に得られる。また、可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11では、抗体の検出を行う場合、被検査対象者5から血液を採取する必要がなく、指などの体の一部15を挿入するだけで検出結果を被検査対象者5の所在場所6において即時に得られる。図2は小型化したレーザー照射測定装置部3を内蔵する可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10によりウイルス又は抗原又は抗体を被検査対象者5の所在場所6において即時に検出する検査システムを示す。図3は小型化したNMR測定装置部4を内蔵する可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11によりウイルス又は抗原又は抗体を被検査対象者5の所在場所6において即時に検出し、抗体を検出する場合は被検査対象者5から血液を採取する必要がない検査システムを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-153219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、感染症対策のために、タンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する際は、解析装置が可搬型でないため、被検査対象者の所在場所において検出することができない、また、抗体を即時に検出する際は、血液を採取しなければ検出することができない、という点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、感染症対策のために、 被検査対象者の所在場所においてタンパク質分子構造解析装置により、ウイルス又は抗原又は抗体を即時に、または抗体を血液を採取せず即時に検出することを可能とするため、タンパク質分子のスペクトル構造パターンデータを解析装置に接続した携帯電話で解析システムに送り、蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を返送するしくみにより、レーザー照射測定装置部またはNMR測定装置部を極少量のスペクトル構造パターンデータを測定するために充分な解像度を得るための出力と焦点距離を有するに必要な大きさまで小型化し、タンパク質分子構造解析装置を可搬型にすることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システムでは、タンパク質分子構造解析装置を持ち運ぶことができるため、被検査対象者の所在場所においてウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出することができ、また可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置を使用すれば、血液を採取しなくても体の一部を挿入するだけで抗体を検出することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システムと可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システムのしくみを表す概要図である。
図2図2は小型化したレーザー照射測定装置部を内蔵する可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を、被検査対象者の所在場所において即時に検出する検査システムのしくみを表す概要図である。
図3図3は小型化したNMR測定装置部を内蔵する可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を、被検査対象者の所在場所において即時に検出し、抗体を検出する場合は被検査対象者から血液を採取する必要がない検査システムのしくみを表す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1の9は、本発明の可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システムのしくみを表す概要図である。可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11を被検査対象者5の所在場所6に運搬し各装置で取得したタンパク質分子のスペクトル構造パターンデータを各装置に接続した携帯電話12で伝送網13越しに解析システム14に送り、蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を算出し、伝送網13越しに各装置に接続した携帯電話12で返送することにより、ウイルス又は抗原又は抗体の検出結果を被検査対象者5の所在場所6において即時に得られる。また、可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11を被検査対象者5の所在場所6に運搬し、指などの体の一部15を装置に挿入し取得したタンパク質分子のスペクトル構造パターンデータを各装置に接続した携帯電話12で伝送網13越しに解析システム14に送り、蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を算出し、伝送網13越しに各装置に接続した携帯電話12で返送することにより、抗体の検出結果を被検査対象者5の所在場所6において血液の採取なしに即時に得られる。
【0012】
図2は、本発明の小型化したレーザー照射測定装置部3を内蔵する可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10によりウイルス又は抗原又は抗体を被検査対象者5の所在場所6に
おいて即時に検出する検査システムのしくみを表す概要図である。可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置10を被検査対象者5の所在場所6に運搬し各装置で取得したタンパク質分子のスペクトル構造パターンデータを各装置に接続した携帯電話12で伝送網13越しに解析システム14に送り、蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を算出し、伝送網13越しに各装置に接続した携帯電話12で返送することにより、ウイルス又は抗原又は抗体の検出結果を被検査対象者5の所在場所6において即時に得られる。
【0013】
図3は、本発明の小型化したNMR測定装置部4を内蔵する可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11によりウイルス又は抗原又は抗体を被検査対象者5の所在場所6において即時に検
出し、抗体を検出する場合は被検査対象者5から血液を採取する必要がない検査システムのしくみを表す概要図である。可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置11を被検査対象者5の所在場所6に運搬し、各装置で取得したタンパク質分子のスペクトル構造パターンデータを各装置に接続した携帯電話12で伝送網13越しに解析システム14に送り、蓄積された解析パターン情報と照合して解析結果を算出し、伝送網13越しに各装置に接続した携帯電話12で返送することにより、ウイルス又は抗原又は抗体の検出結果を被検査対象者5の所在場所6において即時に、血液の採取なしに得られる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
感染症対策のために、レーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を検出する際、可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置による検出システムを用いれば、被検査対象者が解析装置が設置されている場所に移動できない場合でも、被検査対象者の所在場所において検出結果を即時に得られる。また可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置による検出システムを用いれば、被検査対象者の血液の採取が不可な場合でも、抗体の検出結果を被検査対象者の所在場所において即時に得られる。
【符号の説明】
【0015】
1 従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システム
2 従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置
3 レーザー照射測定装置部
4 NMR測定装置部
5 被検査対象者
6 被検査対象者の所在場所
7 被検査対象者から抽出した検体を入れた容器
8 従来のレーザー照射型またはNMR型のタンパク質分子構造解析装置が設置されている場所
9 可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置によりウイルス又は抗原又は抗体を即時に検出する検査システム
10 可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置
11 可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置
12 可搬レーザー照射型タンパク質分子構造解析装置または可搬NMR型タンパク質分子構造解析装置に接続した携帯電話
13 伝送網
14 解析システム
15 指などの体の一部
図1
図2
図3