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特開2024-80199エレベーター制御システム、遠隔制御サーバ及び遠隔制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080199
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】エレベーター制御システム、遠隔制御サーバ及び遠隔制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20240606BHJP
   B66B 1/06 20060101ALI20240606BHJP
   B66B 13/14 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
B66B3/00 R
B66B1/06 M
B66B13/14 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193187
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薛 祺
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】西江 聡
(72)【発明者】
【氏名】小池 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】吉村 卓馬
【テーマコード(参考)】
3F303
3F307
3F502
【Fターム(参考)】
3F303BA01
3F303CB46
3F303EA03
3F307EA27
3F502HB02
3F502JA54
3F502JA59
(57)【要約】
【課題】戸開時間推奨値を集計して出力するエレベーター制御システムを提供する。
【解決手段】エレベーター制御システム100は、ドアが戸開する度に測定された戸開時間と、予め設定された戸開時間設定値とに基づいて選択した戸開時間推奨値を出力するエレベーター10と、戸開時間設定値に基づいてエレベーター10の戸開の動作を制御する遠隔制御端末20と、戸開時間設定値を遠隔制御端末20に送信する遠隔制御サーバ30と、を備え、遠隔制御サーバ30は、端末装置を通じて指定された時間範囲内における戸開時間設定値と、戸開時間推奨値とを比較した比較結果に基づいて、端末装置を通じて指定された時間間隔で戸開時間推奨値を集計する集計部と、エレベーター10に戸開時間設定値として設定可能な推奨値に関する情報を出力する出力部と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアが戸開する度に測定された戸開時間と、予め設定された戸開時間設定値とに基づいて選択した戸開時間推奨値を出力するエレベーターと、
前記戸開時間設定値に基づいて前記エレベーターの戸開の動作を制御する遠隔制御端末と、
前記戸開時間設定値を前記遠隔制御端末に送信する遠隔制御サーバと、を備えるエレベーター制御システムであって、
前記遠隔制御サーバは、端末装置を通じて指定された時間範囲内における前記戸開時間設定値と、前記戸開時間推奨値とを比較した比較結果に基づいて、前記端末装置を通じて指定された時間間隔で前記戸開時間推奨値を集計する集計部と、
前記エレベーターに前記戸開時間設定値として設定可能な推奨値に関する情報を出力する出力部と、を有する
エレベーター制御システム。
【請求項2】
前記推奨値に関する情報は、前記推奨値、及び、前記戸開時間設定値の変更を推奨しないことを示す情報を含む
請求項1に記載のエレベーター制御システム。
【請求項3】
前記遠隔制御サーバは、前記比較結果に基づいて、前記戸開時間設定値が前記戸開時間推奨値より時間閾値以上短い戸開件数である第1件数が、前記時間範囲内の戸開の全件数に対する割合が件数閾値以上であると判定した場合、前記時間間隔に従って集計した、前記第1件数に対応する前記戸開時間推奨値の平均値を前記推奨値として出力する
請求項2に記載のエレベーター制御システム。
【請求項4】
前記遠隔制御サーバは、前記比較結果に基づいて、前記戸開時間設定値が前記戸開時間推奨値より時間閾値以上長い戸開件数である第2件数が、前記時間範囲内の戸開の全件数に対する割合が件数閾値以上と判定した場合、前記時間間隔に従って集計した、前記第2件数に対応する前記戸開時間推奨値の平均値を前記推奨値として出力する
請求項3に記載のエレベーター制御システム。
【請求項5】
前記遠隔制御サーバは、前記第1件数の前記全件数に対する割合、及び、前記第2件数の前記全件数に対する割合のいずれもが前記件数閾値未満であると判定した場合、戸開時間設定値が戸開時間推奨値より時間閾値以上長くない、かつ、戸開時間設定値が戸開時間推奨値より時間閾値以上短くない戸開件数である第3件数に対応する前記推奨値を出力しない
請求項4に記載のエレベーター制御システム。
【請求項6】
前記遠隔制御サーバは、前記第1件数の前記全件数に対する割合、及び、前記第2件数の前記全件数に対する割合のいずれもが前記件数閾値未満であると判定した場合、戸開時間設定値が戸開時間推奨値より時間閾値以上長くない、かつ、戸開時間設定値が戸開時間推奨値より時間閾値以上短くない戸開件数である第3件数に対応する前記戸開時間設定値の変更を推奨しないことを示す情報を出力する
請求項4に記載のエレベーター制御システム。
【請求項7】
前記時間間隔は、前記推奨値の出力時間範囲である第1時間間隔と、前記第1時間間隔における前記推奨値の出力間隔である第2時間間隔とを含み、
前記第2時間間隔は、前記第1時間間隔より小さい時間単位である
請求項4に記載のエレベーター制御システム。
【請求項8】
前記推奨値の出力数は、前記第1時間間隔を前記第2時間間隔で除した数である
請求項7に記載のエレベーター制御システム。
【請求項9】
前記端末装置は、前記遠隔制御サーバ及び前記遠隔制御端末を介して前記エレベーターに前記戸開時間設定値を設定し、前記遠隔制御サーバが出力した前記推奨値に関する情報を表示する
請求項1~8のいずれか一項に記載のエレベーター制御システム。
【請求項10】
エレベーターの戸開の動作を制御する遠隔制御端末に戸開時間設定値を送信する遠隔制御サーバであって、
ドアが戸開する度に前記エレベーターが測定した戸開時間と、前記遠隔制御端末により前記エレベーターに予め設定された前記戸開時間設定値とに基づいて、前記エレベーターが選択した戸開時間推奨値を前記遠隔制御端末から取得して格納する格納部と、
端末装置を通じて指定された時間範囲内における前記戸開時間設定値と、前記戸開時間推奨値とを比較した比較結果に基づいて、前記端末装置を通じて指定された時間間隔で前記戸開時間推奨値を集計する集計部と、
前記エレベーターに前記戸開時間設定値として設定可能な推奨値に関する情報を出力する出力部と、を備える
遠隔制御サーバ。
【請求項11】
エレベーターの戸開の動作を制御する遠隔制御端末に戸開時間設定値を送信する遠隔制御サーバで行われる遠隔制御方法であって、
ドアが戸開する度に前記エレベーターが測定した戸開時間と、前記遠隔制御端末により前記エレベーターに予め設定された前記戸開時間設定値とに基づいて、前記エレベーターが選択した戸開時間推奨値を前記遠隔制御端末から取得して格納部に格納するステップと、
端末装置を通じて指定された時間範囲内における前記戸開時間設定値と、前記戸開時間推奨値とを比較した比較結果に基づいて、前記端末装置を通じて指定された時間間隔で前記戸開時間推奨値を集計するステップと、
前記エレベーターに前記戸開時間設定値として設定可能な推奨値に関する情報を前記端末装置に出力する推奨値に関する情報を出力するステップと、を含む
遠隔制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーター制御システム、遠隔制御サーバ及び遠隔制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターの運行場所や、運行時間帯などの運行状況に応じて、ドアが開いてから閉じるまでの時間(以下では、「戸開時間」と称する)は、短くなったり、長くなったりする。例えば、車いすの利用者は、かごの乗降に時間がかかる。このため、車いす呼びに応じて、戸開時間が、予め設定された所定の固定時間、すなわち、戸開時間設定値より長くなる。あるいは、通勤時間帯であれば、かごに乗車する利用者の人数が多くなる。このため、戸開時間が戸開時間設定値より長くなることもある。そこで、エレベーターの運行状況に応じて、エレベーターの戸開時間を制御する技術が以下の特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1には、「乗降客を検出してエレベータードアの開閉の制御を行い、無駄な開放時間を短縮するドアタイム短縮エレベーターにおいて、かご内のエレベータードアに近づいた乗降客を検出するかご側ドアセンサと、ドアの開閉時に乗降客を検出するマルチビームドアセンサ、乗り場のドア近傍の乗降客を検出する乗り場側ドアセンサ、かご内の荷重センサと、を備え、かご側ドアセンサ、マルチビームドアセンサ、乗り場側ドアセンサの出力に基づいて、ドア開完了時から閉動作を始めるまでの時間であるドアタイムを決定する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-218907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1に記載の技術は、かご側ドアセンサ、マルチビームドアセンサ、乗り場側ドアセンサにより検出された、乗降客がエレベータードアを通過する時間に応じて、戸開時間を制御するものである。すなわち、特許文献1に記載のエレベーターは、ユーザーがエレベーターを利用する際、ドアが開く度に戸開時間を制御する。ところで、エレベーターの管理者、いわゆる、エレベーター制御システムのユーザーが戸開時間を設定する際、エレベーター制御システムにより推奨される時間を戸開時間設定値として設定することが多い。また、エレベーターは、ドアの戸開時間に基づいて戸開時間推奨値を生成することが一般的である。そこで、特許文献1に記載の技術では、ユーザーがエレベーターを利用する度に生成された戸開時間推奨値を管理者が確認して戸開時間設定値を設定する作業量は膨大であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、戸開時間推奨値を集計して出力するエレベーター制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るエレベーター制御システムは、ドアが戸開する度に測定された戸開時間と、予め設定された戸開時間設定値とに基づいて選択した戸開時間推奨値を出力するエレベーターと、戸開時間設定値に基づいてエレベーターの戸開の動作を制御する遠隔制御端末と、戸開時間設定値を遠隔制御端末に送信する遠隔制御サーバと、を備え、遠隔制御サーバは、端末装置を通じて指定された時間範囲内における戸開時間設定値と、戸開時間推奨値とを比較した比較結果に基づいて、端末装置を通じて指定された時間間隔で戸開時間推奨値を集計する集計部と、エレベーターに戸開時間設定値として設定可能な推奨値に関する情報を端末装置に出力する出力部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、端末装置を通じて指定された時間間隔に従って集計された戸開時間推奨値が端末装置に出力され、ユーザーが集計された戸開時間の推奨値を確認することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るエレベーター制御システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るエレベーター制御システムの画面表示端末に表示されるエレベーター遠隔制御メイン画面の表示例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るエレベーター制御システムの画面表示端末に表示される戸開時間設定画面の表示例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るエレベーター制御システムにおける戸開時間設定画面の戸開時間分析表示部の表示例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るエレベーター制御システムにおける戸開時間設定画面の戸開時間設定表示部の表示例1を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るエレベーター制御システムにおける戸開時間設定画面の戸開時間設定表示部の表示例2を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るエレベーター制御システムにおける戸開時間推奨値の集計処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
<実施形態>
[エレベーター制御システムの構成例]
まず、本実施形態に係るエレベーター制御システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るエレベーター制御システム100の構成例を示すブロック図である。エレベーター制御システム100は、図1に示すように、エレベーター10と、遠隔制御端末20と、遠隔制御サーバ30と、画面表示端末40とを備える。エレベーター10は、通信回線50により遠隔制御端末20に接続される。遠隔制御端末20は、通信回線60により遠隔制御サーバ30に接続される。遠隔制御サーバ30は、通信回線70を介してと画面表示端末40に接続される。通信回線50は、エレベーター10が設置される建屋に構築されたLANが用いられ、通信回線60,70はインターネット等が用いられる。
【0012】
エレベーター10は、図1に示すように、戸開制御部11と、戸開時間測定部12と、戸開時間判定部13と、格納部14と、通信部15を有する。戸開時間判定部13及び格納部14は、通信部15に接続される。また、戸開制御部11及び戸開時間判定部13は、格納部14に接続される。また、戸開時間測定部12は、戸開時間判定部13に接続される。
【0013】
戸開制御部11は、格納部14に保存される戸開時間設定値14aに基づいてエレベーター10のドアの開閉を制御する。
【0014】
戸開時間測定部12は、センサ動作部16を有する。センサ動作部16は、例えば、赤外線センサ等で構成され、ドアが開く度に乗客がエレベーター10のドアを通過することを検知する。そして、戸開時間測定部12は、センサ動作部16の検知結果に基づいて、ドアが開く度に戸開時間を測定し、測定した戸開時間を戸開時間判定部13に出力する。
【0015】
戸開時間判定部13は、ドアが戸開する度に戸開時間測定部12が測定した戸開時間と、格納部14に保存されている戸開時間設定値14aとに基づいて、戸開時間設定値14aが適切であるか否かを判定する。戸開時間設定値14aは、画面表示端末40により、遠隔制御サーバ30及び遠隔制御端末20を介してエレベーター10に予め設定される値である。戸開時間判定部13は、戸開時間設定値14aが適切でないと判定した場合には、戸開時間測定部12により測定された戸開時間及び戸開時間設定値14aに基づいて、適切な戸開時間を戸開時間推奨値として通信部15に出力する。すなわち、戸開時間判定部13を有するエレベーター10は、ドアが戸開する度に測定した戸開時間と、予め設定された戸開時間設定値14aとに基づいて選択した戸開時間推奨値を遠隔制御端末20に出力できる。
【0016】
なお、適切な戸開時間(戸開時間推奨値)としては、例えば、測定された戸開時間が3秒であり、かつ、戸開時間設定値14aが7秒である場合、4秒又は5秒が想定される。また、例えば、測定された戸開時間が6秒であり、かつ戸開時間設定値14aが4秒である場合、適切な戸開時間を7秒又は8秒とする。なお、戸開時間推奨値を算出するアルゴリズムにより、測定された戸開時間及び戸開時間設定値14aに基づいて算出される戸開時間推奨値は異なる可能性がある。
【0017】
格納部14は、通信部15により遠隔制御端末20から取得した戸開時間設定値22aを戸開時間設定値14aとして格納する。
【0018】
通信部15は、通信回線50を介して、遠隔制御端末20から戸開時間設定値22aを取得して格納部14に出力する。また、通信部15は、通信回線50を介して、戸開時間判定部13により出力される戸開時間推奨値を、遠隔制御端末20に送信する。
【0019】
遠隔制御端末20は、エレベーター10の動作を遠隔制御する端末であり、図1に示すように、通信部21と、格納部22と、監視制御部23とを有する。遠隔制御端末20は、例えば、戸開時間設定値22aに基づいてエレベーター10の戸開の動作を制御する。格納部22及び監視制御部23のそれぞれは、通信部21に接続される。また、監視制御部23は、格納部22にも接続される。
【0020】
通信部21は、通信回線50を介して、エレベーター10から戸開時間推奨値を受信し、通信回線60を介して、遠隔制御サーバ30からユーザーが設定した戸開時間設定値32aを受信する。また、通信部21は、エレベーター10から受信した戸開時間推奨値を、通信回線60を介して、遠隔制御サーバ30に送信する。また、通信部21は、遠隔制御サーバ30から受信した戸開時間設定値32a、及び、エレベーター10から受信した戸開時間推奨値を格納部22に出力する。
【0021】
格納部22は、通信部21から出力される戸開時間設定値32aを戸開時間設定値22aとして格納し、通信部21から出力される戸開時間推奨値を戸開時間推奨値22bとして格納する。なお、格納部22には、戸開時間設定値22a及び戸開時間推奨値22bの他、監視制御部23がエレベーター10を制御するために用いられる不図示の各種データも記憶される。
【0022】
監視制御部23は、エレベーター10を制御するための各種の指示データを、通信部21及び通信回線50を介してエレベーター10に出力して、エレベーター10の各種動作を遠隔制御し、監視する。
【0023】
遠隔制御サーバ30は、図1に示すように、通信部31と、格納部32と、戸開時間解析部33と、画面構成部34とを有する。通信部31は、格納部32及び画面構成部34のそれぞれに接続される。また、画面構成部34は、戸開時間解析部33に接続され、戸開時間解析部33は、格納部32に接続される。
【0024】
通信部31は、通信回線70を介して、画面表示端末40を通じてユーザーが設定した戸開時間設定値を受信する。また、通信部31は、通信回線60を介して、遠隔制御端末20から戸開時間推奨値22bを受信する。また、通信部31は、ユーザーが設定した戸開時間設定値32aを遠隔制御端末20に送信する。また、通信部31は、画面構成部34から入力した、画面表示端末40に表示させる各画面の構成情報を画面表示端末40に送信する。また、通信部31は、画面表示端末40から受信した戸開時間設定値、及び、遠隔制御端末20から受信した戸開時間推奨値22bを格納部32に出力する。
【0025】
格納部32は、画面表示端末40から通信部31を介して入力される戸開時間設定値を戸開時間設定値32aとし、遠隔制御端末20から通信部31を介して入力される戸開時間推奨値22bを戸開時間推奨値32bとして、戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bを時系列で格納する。なお、戸開時間推奨値32bは、エレベーター10が測定した戸開時間と、戸開時間設定値14aとに基づいて、エレベーター10が選択した値である。
【0026】
戸開時間解析部33(集計部の一例)は、格納部32から、ユーザーにより画面表示端末40を通じて指定された時間範囲内における戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bを取得する。また、戸開時間解析部33は、画面表示端末40を通じて指定された時間範囲内における戸開時間設定値32aと、戸開時間推奨値32bとを比較した比較結果に基づいて、画面表示端末40を通じて指定された時間間隔で戸開時間推奨値32bを集計する。なお、戸開時間解析部33における処理、すなわち、戸開時間推奨値32bの集計処理について、後述の図7で詳述する。また、戸開時間解析部33は、戸開時間推奨値32bの集計処理で生成した、戸開時間設定値に設定する推奨値に関する情報を画面構成部34に出力する。
【0027】
画面構成部34(出力部の一例)は、エレベーター10に戸開時間設定値として設定可能な推奨値に関する情報を出力する。この際、画面構成部34は、格納部32に記憶される戸開時間設定値32a、及び、戸開時間解析部33から出力される、エレベーター10に戸開時間設定値として設定可能な推奨値に関する情報を用いて、画面表示端末40に表示する後述のエレベーター遠隔制御メイン画面200(後述する図2を参照)及び戸開時間設定画面300(後述する図3を参照)の構成情報を生成する。また、画面構成部34は、生成したエレベーター遠隔制御メイン画面200及び戸開時間設定画面300の構成情報を通信部31に出力する。
【0028】
画面表示端末40は、ユーザーが遠隔でエレベーター10に対する各種設定や運行情報の確認等を行うための端末装置の一例であり、例えば、スマートフォン、タブレット等の移動端末で構成される。画面表示端末40は、遠隔制御サーバ30及び遠隔制御端末20を介してエレベーター10に戸開時間設定値を設定することが可能である。また、画面表示端末40は、例えば、後述の戸開時間設定画面300(後述の図2図5参照)において、遠隔制御サーバ30が出力した戸開時間設定値に設定する推奨値に関する情報を表示する。また、ユーザーは、画面表示端末40に表示される、後述の戸開時間設定画面300において、エレベーター10の戸開時間を設定することができる。なお、画面表示端末40は、移動端末に限定されず、例えば、デスクトップパソコン、プリンター等で構成されてもよい。
【0029】
[エレベーター遠隔制御メイン画面の表示例]
次に、エレベーター制御システム100の画面表示端末40に表示される戸開時間設定画面の表示例について説明する。図2は、本実施形態に係るエレベーター制御システム100の画面表示端末40に表示されるエレベーター遠隔制御メイン画面200の表示例を示す図である。
【0030】
エレベーター遠隔制御メイン画面200は、図2に示すように、「戸開時間設定画面」のボタン201を有する。ユーザーが「戸開時間設定画面」のボタン201を押下すると、戸開時間設定画面300(後述の図3を参照)が開く。なお、図2では、本実施形態に係るエレベーター遠隔制御メイン画面200の構成要素のみが表示され、その他の構成要素(例えば、操作ボタン等)及び説明を省略する。
【0031】
[戸開時間設定画面の表示例]
図3は、本実施形態に係るエレベーター制御システム100の画面表示端末40に表示される戸開時間設定画面300の表示例を示す図である。戸開時間設定画面300は、図3に示すように、戸開時間分析表示部400と、戸開時間設定表示部500とを有する。戸開時間分析表示部400及び戸開時間設定表示部500は、戸開時間設定画面300において、上から順に並んで表示される。なお、戸開時間分析表示部400及び戸開時間設定表示部500の具体的な表示内容は、図4及び図5のそれぞれに示されている。
【0032】
[戸開時間分析表示部の表示例]
図4は、本実施形態に係るエレベーター制御システム100における戸開時間設定画面300の戸開時間分析表示部400の表示例を示す図である。図4に示すように、戸開時間分析表示部400の右上に、時間範囲設定部401が設けられている。また、時間範囲設定部401の真下に、時間間隔設定部402が設けられている。また、戸開時間分析表示部400の下半分に、戸開時間分析結果表示部403が設けられている。
【0033】
時間範囲設定部401では、ユーザーが戸開時間を分析したい「時間範囲」を指定できる。時間範囲設定部401には、「時間範囲」の起点を指定するための「YYYY年MM月DD日 HH時MM分SS秒」のプルダウンリストと、「時間範囲」の終点を指定するための「YYYY年MM月DD日 HH時MM分SS秒」のプルダウンリストとが設けられている。なお、本発明はこれに限定されず、「時間範囲」の起点及び終点の入力方式は、手入力等の他の入力方式であってもよい。また、「時間範囲」の起点及び終点を指定することでなく、「時間範囲」の起点と長さを指定するようにしてもよい。
【0034】
時間間隔設定部402では、時間範囲設定部401において設定された「時間範囲」に対して戸開時間を分析する際、どの間隔(単位)で戸開時間を分析して分析結果を出力するかを設定できる。時間間隔設定部402は、「時間間隔1」の設定部及び「時間間隔2」の設定部を有する。なお、「時間間隔1」の設定部及び「時間間隔2」の設定部は、プルダウンリストで構成されてもよいし、ユーザーが手入力できるテキストボックスで構成されてもよい。
【0035】
「時間間隔1」の設定部は、時間範囲設定部401において設定された「時間範囲」に対する第1分析単位である第1時間間隔を設定する。例えば、ユーザーが「時間範囲」の長さを1週間に指定し、1週間の戸開時間を「1日」の単位で分割して分析したい場合に、「時間間隔1」(第1時間間隔)を「1日」に設定する。それゆえ、第1時間間隔は、「時間範囲」より小さい時間単位である。例えば、「時間範囲」の長さが1か月間に設定された場合、第1時間間隔が1か月間より短い1週間、1日等に設定可能である。また、この第1時間間隔は、戸開時間分析結果表示部403の分析結果の出力時間範囲(例えば、0時~23時)、及び、後述の図5及び図6の戸開時間設定表示部500における現在設定値及び推奨値の出力時間範囲(例えば、0時~23時)である。
【0036】
「時間間隔2」の設定部は、設定された「時間間隔1」(第1時間間隔)より小さい第2分析単位である第2時間間隔を設定する。例えば、ユーザーが指定した「時間間隔1」(第1時間間隔)の長さが「1日」であり、「1日」の戸開時間を「1時間」の単位で分割して分析したい場合に、「時間間隔2」(第2時間間隔)を「1時間」に設定する。それゆえ、第2時間間隔は、第1時間間隔より小さい時間単位である。例えば、第1時間間隔が1週間に設定された場合、第2時間間隔が1週間より短い1日又は1時間等に設定可能である。また、この第2時間間隔は、戸開時間分析結果表示部403の分析結果の出力間隔(例えば、1時間ごと)、並びに、後述の図5及び図6の戸開時間設定表示部500における現在設定値及び推奨値の出力間隔(例えば、1時間ごと)である。
【0037】
戸開時間分析結果表示部403では、戸開時間設定値32aと戸開時間推奨値32bとの棒グラフが表示される。戸開時間分析結果表示部403に示す棒グラフの横軸は時間である。この横軸は、「時間間隔1」(第1時間間隔)を「時間間隔2」(第2時間間隔)で分割して、「時間間隔1」を「時間間隔2」単位で表されている。戸開時間分析結果表示部403に示す棒グラフの縦軸は、時間範囲設定部401において設定された「時間範囲」に対して「時間間隔2」(第2時間間隔)ごとに集計された戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bの平均値を秒(s)単位で表されている。また、「戸開時間設定値」は黒色の棒で表され、「戸開時間推奨値」は灰色の棒で表されている。
【0038】
具体的には、例えば、時間範囲設定部401において設定された「時間範囲」は、「2022年10月01日 00時00分00秒」から「2022年10月07日 23時59分59秒」まで、すなわち、7日間である。時間間隔設定部402において設定された「時間間隔1」が「1日」であり、「時間間隔2」が「1時間」である。この場合、「2022年10月01日 00時00分00秒」から「2022年10月07日 23時59分59秒」までの7日間の範囲内で設定されている戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bが、遠隔制御サーバ30の格納部32から抽出される。そして、抽出された7日間の戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bは、戸開時間解析部33により「1日」(第1時間間隔)ごとに、7つに分割される。そして、7つに分割された1日ごとの戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bは、戸開時間解析部33により「1時間」(第2時間間隔)を単位に集計され、集計された結果(24時間毎の結果)は、図4に示すように、戸開時間分析結果表示部403に表示される。
【0039】
なお、ユーザーは、戸開時間分析表示部400において、時間範囲、及び、第1時間間隔と第2時間間隔とを含む時間間隔を設定して、戸開時間分析結果表示部403に表示される棒グラフを確認することにより、設定した時間範囲内の戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bの集計情報を把握することができる。このため、ユーザーは、現在の戸開時間設定値を、戸開時間推奨値に変更して設定するかどうかを判断しやすくなる。
【0040】
[戸開時間設定表示部の表示例1]
図5は、本実施形態に係るエレベーター制御システム100における戸開時間設定画面300の戸開時間設定表示部500の表示例1を示す図である。戸開時間設定表示部500は、図5に示すように、現在設定値表示部501と推奨値表示部502とを有する。現在設定値表示部501及び推奨値表示部502は、戸開時間設定表示部500において、左から順に並べて表示される。
【0041】
現在設定値表示部501では、図4の「時間間隔1」で選択された第1時間間隔(例えば、1日)が「時間間隔2」で選択された第2時間間隔単位で表示され(例えば、1時間ごとに0時~23時)、各時間単位に対応する戸開時間の「現在設定値」として、戸開時間設定値32aが表示されている。推奨値表示部502は、現在設定値表示部501に表示される各時間単位に対応する「推奨値」を表示する。すなわち、「推奨値」の出力数(戸開時間設定表示部500に表示される「推奨値」の数)は、第1時間間隔を第2時間間隔で除した数である。ここで表示される「推奨値」は、後述の戸開時間推奨値の集計処理(図7を参照)の出力結果である。
【0042】
図5に示すように、推奨値表示部502において、「3時」に対応する推奨値が表示されていない。これは、後述の戸開時間推奨値の集計処理において、「3時」に対応する現在設定値が適切であり、変更する必要がないと判定されると、「推奨値」が出力されないためである。すなわち、推奨値表示部502は、変更する必要のない現在設定値に対応する推奨値を表示しない。
【0043】
なお、戸開時間設定表示部500の表示範囲の大きさによっては、現在設定値表示部501と推奨値表示部502に表示される値を全て表示しきれない。この場合、一定範囲の値だけを表示させ、スクロールバーにより、一定範囲の値をスクロールして表示できるようにしてよい。また、本実施形態はこれに限定されず、推奨値表示部502は、戸開時間設定値の変更を推奨しないことを表せる表示態様であれば、任意の表示態様にしてもよい。例えば、図6に示す表示態様でもよい。
【0044】
[戸開時間設定表示部の表示例2]
図6は、本実施形態に係るエレベーター制御システム100における戸開時間設定画面300の戸開時間設定表示部500の表示例2を示す図である。図6図5とを比較して分かるように、図6に示す戸開時間設定表示部500の推奨値表示部502では、「3時」に対応する推奨値を表示しない表示態様の代わりに、「変更を推奨しない」というメッセージが表示されている。
【0045】
なお、図5及び図6の推奨値表示部502に示す推奨値、及び、戸開時間設定値の変更を推奨しないことを示す情報を、「推奨値に関する情報」と総称する。ユーザーは、推奨値に関する情報により、現在設定値から戸開時間を変更するか否かを判断することが容易となる。
【0046】
[戸開時間推奨値の集計処理]
次に、本実施形態に係るエレベーター制御システム100における戸開時間推奨値の集計処理について説明する。図7は、本実施形態に係るエレベーター制御システム100における戸開時間推奨値の集計処理の手順を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、遠隔制御サーバ30の戸開時間解析部33により実施され、遠隔制御サーバ30が画面表示端末40から、ユーザーにより指定された時間範囲及び時間間隔(図4を参照)を受信すると開始する。
【0047】
まず、戸開時間解析部33は、ユーザーが指定した時間範囲における戸開時間設定値32aと戸開時間推奨値32bとを集計する(ステップS101)。この処理では、戸開時間解析部33は、ユーザーが指定した時間範囲(例えば、7日)に基づいて、格納部32に保存されている戸開時間設定値32aと戸開時間推奨値32bとを取得する。また、戸開時間解析部33は、取得した戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bを第1時間間隔(例えば、1日)で分割し、分割された戸開時間設定値32a及び戸開時間推奨値32bを第2時間間隔単位(例えば、1時間)で集計する。
【0048】
次いで、戸開時間解析部33は、集計した時間範囲内の戸開時間設定値32aと戸開時間推奨値32bとを比較して、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上短いか否かを判定する(ステップS102)。この処理では、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより短い、かつ、その差分が一定の時間閾値以上である場合、ステップS102の処理はYES判定となる。一方、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより短い、かつ、その差分が時間閾値以上でない場合、ステップS102の処理はNO判定となる。
【0049】
ステップS102の処理において、戸開時間解析部33は、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上短いと判定した場合(ステップS102のYES判定の場合)、ステップS103の処理を行う。ステップS103の処理では、戸開時間解析部33は、戸開時間を短縮する設定件数である第1件数に「1」をプラスする。なお、第1件数は、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上短い戸開件数が集計される数であり、初期値は「0」である。
【0050】
一方、ステップS102の処理において、戸開時間解析部33は、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上短くないと判定した場合(ステップS102のNO判定の場合)、戸開時間解析部33は、ステップS104の処理を行う。ステップS104の処理では、戸開時間解析部33は、戸開時間設定値32aと戸開時間推奨値32bとを比較して、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上長いか否かを判定する。戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより長い、かつ、その差分が時間閾値以上である場合、ステップS104の処理はYES判定となる。一方、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより長い、かつ、その差分が時間閾値以上でない場合、ステップS104の処理はNO判定となる。
【0051】
ステップS104の処理において、戸開時間解析部33は、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上長いと判定した場合(ステップS104がYES判定の場合)、ステップS105の処理を行う。ステップS105の処理では、戸開時間解析部33は、戸開時間を延長する設定件数である第2件数に「1」をプラスする。なお、第2件数は、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上長い戸開件数が集計される数であり、初期値は「0」である。
【0052】
一方、ステップS104の処理において、戸開時間解析部33は、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上長くないと判定した場合(ステップS104がNO判定の場合)、ステップS106の処理を行う。ステップS106の処理では、戸開時間解析部33は、戸開時間の設定不変件数である第3件数に「1」をプラスする。なお、第3件数は、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上長くない、かつ、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上短くない戸開件数が集計される数であり、初期値は「0」である。
【0053】
ステップS103、ステップS105、またはステップS106の処理後、戸開時間解析部33は、指定された時間範囲の戸開全件が集計完了したか否かを判定する(ステップS107)。この処理では、ユーザーが指定した時間範囲内で集計された戸開時間設定値32aと戸開時間推奨値32bとの比較が全て完了した場合、ステップS107はYES判定となる。一方、ユーザーが指定した時間範囲内で集計された戸開時間設定値32aと戸開時間推奨値32bとの比較が全て完了していない場合、ステップS107はNO判定となる。
【0054】
ステップS107の処理において、戸開時間解析部33は、指定された時間範囲内の戸開全件が集計完了でないと判定した場合(ステップS107がNO判定の場合)、ステップS102の処理に戻し、ステップS102~S106の処理を繰り返して実行する。
【0055】
一方、ステップS107の処理において、戸開時間解析部33は、指定された時間範囲の戸開全件は集計完了であると判定した場合(ステップS107がYES判定の場合)、ステップS108の処理を行う。ステップS108の処理では、戸開時間解析部33は、戸開時間の短縮設定件数(第1件数)または戸開時間の延長設定件数(第2件数)が全件数に対する割合が件数閾値以上であるか否かを判定する。
【0056】
ステップS108の処理において、戸開時間解析部33は、戸開時間の短縮設定件数(第1件数)の割合が件数閾値以上であると判定した場合、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上短いと判定された全件の戸開時間推奨値32bを集計する(ステップS109)。この処理では、戸開時間解析部33は、時間間隔に従って集計した、第1件数に対応する戸開時間推奨値32bの平均値を戸開時間設定値に設定する推奨値として画面構成部34に出力する。画面構成部34は、戸開時間解析部33から入力した戸開時間の推奨値を、通信部31を介して画面表示端末40に送信して表示させる。
【0057】
また、ステップS108の処理において、戸開時間解析部33は、戸開時間の延長設定件数(第2件数)の割合が件数閾値以上であると判定した場合、戸開時間設定値32aが戸開時間推奨値32bより時間閾値以上長いと判定された全件の戸開時間推奨値32bを集計する(ステップS110)。この処理では、戸開時間解析部33は、時間間隔に従って集計した、第2件数に対応する戸開時間推奨値32bの平均値を戸開時間設定値に設定する推奨値として画面構成部34に出力する。画面構成部34は、戸開時間解析部33から入力した戸開時間の推奨値を、通信部31を介して画面表示端末40に送信して表示させる。
【0058】
また、ステップS108の処理において、戸開時間解析部33は、第1件数が全件数に対する割合、及び、第2件数が全件数に対する割合のいずれも件数閾値未満であると判定した場合、第3件数に対応する戸開時間設定値に設定する推奨値を出力しない(ステップS111)。この処理では、戸開時間解析部33は、第3件数に対応する戸開時間設定値の変更を推奨しないことを示す情報を画面構成部34に出力してもよい。なお、画面構成部34は、戸開時間解析部33から推奨値を入力しなかった場合、推奨値を表示しないようにする(図5を参照)。また、画面構成部34は、戸開時間解析部33から戸開時間設定値の変更を推奨しないことを示す情報を入力した場合、戸開時間設定値の変更を推奨しないことを示す情報を表示してもよい(図6を参照)。
【0059】
ステップS109、ステップS110、またはステップS111の処理後、戸開時間推奨値の集計処理は終了する。
【0060】
[効果]
上述したように、本実施形態に係るエレベーター制御システム100では、戸開時間解析部33は、ユーザーにより指定された時間範囲内の戸開全件に対して、短縮設定が必要な件数(第1件数)、及び延長設定が必要な件数(第2件数)を集計する。また、戸開時間解析部33は第1件数及び第2件数のそれぞれが戸開の全件に対する割合に基づいて、戸開時間設定値に設定する推奨値を画面表示端末40に出力する否かを判定する。また、戸開時間解析部33は、ユーザーが指定した時間間隔に従って戸開時間推奨値32bを集計し、推奨値を出力して画面表示端末40に表示させる。また、戸開時間解析部33は、戸開時間設定値32aを変更不要と判定した場合(第1件数の割合、及び、第2件数の割合のいずれも件数閾値未満である場合)、画面表示端末40に推奨値を表示させないか、変更を推奨しないことを示す情報を表示させるかにする。それゆえ、本実施形態に係るエレベーター制御システム100は、ユーザーが指定した時間範囲内の戸開時間推奨値を集計して出力することができるため、ドアが開く度に生成された戸開時間推奨値を確認して戸開時間設定値を変更する手間を外すことができる。
【0061】
なお、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するためにエレベーター制御システムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0062】
上述した実施形態では、画面表示端末40に表示される戸開時間設定画面300の戸開時間設定表示部500において、戸開時間の「現在設定値」に対応する「推奨値」が1つだけ表示されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザーが戸開時間設定値を決めやすくさせるため、戸開時間の「現在設定値」に対応する「推奨値」を、所定の数値でなく、「推奨値」の範囲を示す情報にしてもよい。例えば、図5に示す3時の現在設定値「5.0」に対応する推奨値「3.0」の代わりに、「推奨値」の範囲を示す「0.2~0.4」を表示させ、表示された範囲内で推奨値をユーザーが選択可能としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10…エレベーター、11…戸開制御部、12…戸開時間測定部、13…戸開時間判定部、14,22,32…格納部、15,21,31…通信部、16…センサ動作部、20…遠隔制御端末、23…監視制御部、30…遠隔制御サーバ、33…戸開時間解析部、34…画面構成部、40…画面表示端末、100…エレベーター制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7