(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080218
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04886 20220101AFI20240606BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240606BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G06F3/04886
G06F3/041 580
G06F3/023 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193227
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】平井 敦士
【テーマコード(参考)】
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
5B020AA02
5B020AA03
5B020DD04
5B020DD12
5B020DD30
5E555AA04
5E555AA13
5E555AA14
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA08
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB08
5E555BC19
5E555BE12
5E555CA11
5E555CA12
5E555CA13
5E555CA16
5E555CA42
5E555CB09
5E555CB22
5E555CB23
5E555DC07
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】制御装置において、更なる改善を実現する技術を提供する。
【解決手段】制御装置12において、座標取得部26は、ディスプレイ14の表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得する。設定部32は、表示面において第1文字情報グループに関する情報が表示される第1表示領域の座標と、検知対象物により第1表示領域が指定された時刻である基準時刻の検知対象物の空間座標と、に基づいて、第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定する。判定部30は、第1判定領域が設定された後、検知対象物が第1判定領域内に位置するか否かを判定する。表示出力部36は、検知対象物が第1判定領域内に位置すると判定部30が判定した場合、第1文字情報を第1表示領域に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、
前記表示面において第1文字情報グループに関する情報が表示される第1表示領域の座標と、前記検知対象物により前記第1表示領域が指定された時刻である基準時刻の前記検知対象物の空間座標と、に基づいて、前記第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定する設定部と、
前記第1判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、
前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記第1表示領域に表示させる表示出力部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記基準時刻における前記検知対象物の空間座標と、前記第1表示領域と、を結ぶ直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記基準時刻における前記検知対象物の空間座標と、前記表示面と、を結ぶ直線であって、前記表示面の法線である直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記第1文字情報グループに含まれる第2文字情報に対応付けられた第2判定領域を、前記直線に交差するように設定し、
前記判定部は、前記第2判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記第1表示領域に表示させる、
請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示出力部は、第2文字情報グループに関する情報を前記表示面の第2表示領域に表示させ、
前記判定部は、前記検知対象物の空間座標と、前記第1表示領域の座標と、前記第2表示領域の座標と、に基づいて、前記検知対象物が前記第1表示領域と前記第2表示領域のいずれかを指定しているか否かを判定し、
前記設定部は、
前記検知対象物が前記第1表示領域を指定していると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記第1判定領域に対応付け、前記第1判定領域を設定し、
前記検知対象物が前記第2表示領域を指定していると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報グループに含まれる第2文字情報を前記第1判定領域に対応付け、前記検知対象物により前記第2表示領域が指定された時刻である前記基準時刻の前記検知対象物の空間座標に基づいて、前記第1判定領域を設定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記第1表示領域に表示させ、かつ、前記第1文字情報に関連付けられた第2文字情報を前記第1表示領域に隣接する第2表示領域に表示させる、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記第1文字情報グループに含まれる第3文字情報に対応付けられた第2判定領域を、前記直線に交差するように設定し、
前記判定部は、前記第2判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第3文字情報を前記第1表示領域に表示させ、かつ、前記第3文字情報に関連付けられた第4文字情報を前記第2表示領域に表示させる、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記表示面は、入力された文字が表示される入力表示領域を有し、
前記判定部は、前記検知対象物によって第1決定動作または第2決定動作が行われたか否か、および、前記検知対象物が前記第2表示領域を指定しているか否かを判定し、
前記表示出力部は、
前記検知対象物が前記第1判定領域に位置し、かつ第1決定動作が行われたと前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記入力表示領域に表示させ、
前記検知対象物が前記第2表示領域を指定し、かつ第2決定動作が行われたと前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記入力表示領域に表示させる、
請求項6または7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記設定部は、前記基準時刻から所定時間後における前記検知対象物の移動速度が速いほど、前記第1判定領域と前記第2判定領域との前記直線に沿った間隔を広く設定する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項10】
前記第1文字情報と前記第2文字情報は、それぞれ数字の情報であり、
前記設定部は、前記基準時刻から前記所定時間後における前記検知対象物の移動速度が速いほど、前記第1文字情報の数字と、前記第2文字情報の数字との差を大きく設定する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第2判定領域は、前記第1判定領域よりも前記表示面側に位置し、
前記第2判定領域の体積は、前記第1判定領域の体積よりも大きい、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第1判定領域と前記第2判定領域は、前記直線に沿って隣接し、
前記設定部は、前記検知対象物が前記第2判定領域に位置する場合、前記第2判定領域を前記第1判定領域側に広げ、かつ、前記第1判定領域を狭める、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項13】
前記表示面は、入力された文字が表示される入力表示領域を有し、
前記判定部は、前記検知対象物によって決定動作が行われたか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第1判定領域に位置し、かつ決定動作が行われたと前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記入力表示領域に表示させる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
ディスプレイの表示面の前に位置する第1検知対象物と第2検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、
所定の入力開始条件が満たされた時刻である基準時刻の前記第1検知対象物の空間座標に基づいて、第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定し、前記基準時刻の前記第2検知対象物の空間座標に基づいて、第2文字情報グループに含まれる第2文字情報に対応付けられた第2判定領域を設定する設定部と、
前記第1判定領域と前記第2判定領域が設定された後、前記第1検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否か、および、前記第2検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、
前記第1検知対象物が前記第1判定領域に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記表示面の第1表示領域に表示させ、前記第2検知対象物が前記第2判定領域に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記表示面の第2表示領域に表示させる表示出力部と、
を備える制御装置。
【請求項15】
前記設定部は、
前記基準時刻における前記第1検知対象物の空間座標と、前記第1表示領域と、を結ぶ第1直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定し、
前記基準時刻における前記第2検知対象物の空間座標と、前記第2表示領域と、を結ぶ第2直線に前記第2判定領域が交差するように、前記第2判定領域を設定する、
請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記設定部は、
前記基準時刻における前記第1検知対象物の空間座標と、前記表示面と、を結ぶ第1直線であって、前記表示面の法線である第1直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定し、
前記基準時刻における前記第2検知対象物の空間座標と、前記表示面と、を結ぶ第2直線であって、前記表示面の法線である第2直線に前記第2判定領域が交差するように、前記第2判定領域を設定する、
請求項14に記載の制御装置。
【請求項17】
前記設定部は、
前記第1文字情報グループに含まれる第3文字情報に対応付けられた第3判定領域を、前記第1直線に交差するように設定し、
前記第2文字情報グループに含まれる第4文字情報に対応付けられた第4判定領域を、前記第2直線に交差するように設定し、
前記判定部は、
前記第3判定領域が設定された後、前記第1検知対象物が前記第3判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記第4判定領域が設定された後、前記第2検知対象物が前記第4判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、
前記第1検知対象物が前記第3判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第3文字情報を前記第1表示領域に表示させ、
前記第2検知対象物が前記第4判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第4文字情報を前記第2表示領域に表示させる、
請求項15または16に記載の制御装置。
【請求項18】
ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、
前記検知対象物が所定の入力空間に入ったときの前記検知対象物の空間座標を基準として、第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定する設定部と、
前記第1判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、
前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記表示面に表示させる表示出力部と、
を備える制御装置。
【請求項19】
前記設定部は、前記表示面に平行な面内、または、前記表示面に交差する面内に、前記第1判定領域と、第2文字情報に対応付けられた第2判定領域と、を設定し、
前記判定部は、前記第2判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記表示面に表示させる、
請求項18に記載の制御装置。
【請求項20】
前記第1判定領域と前記第2判定領域は、隣接し、
前記設定部は、前記検知対象物が前記第1判定領域に位置する場合、前記第1判定領域を前記第2判定領域側に広げ、かつ、前記第2判定領域を狭める、
請求項19に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空間上に配置される仮想のキーボードのキーである仮想キーを、複数の階層に対応付けて記憶する情報処理装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。この情報処理装置では、指示媒体の空間上の位置を特定し、指示媒体が階層に対応する領域に位置する場合、階層に対応付けて記憶された仮想キーを表示画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザによる操作入力を受け付ける制御装置において、更なる改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の制御装置は、ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、表示面において第1文字情報グループに関する情報が表示される第1表示領域の座標と、検知対象物により第1表示領域が指定された時刻である基準時刻の検知対象物の空間座標と、に基づいて、第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定する設定部と、第1判定領域が設定された後、検知対象物が第1判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、検知対象物が第1判定領域内に位置すると判定部が判定した場合、第1文字情報を第1表示領域に表示させる表示出力部と、を備える。
【0006】
本開示の別の態様もまた、制御装置である。この装置は、ディスプレイの表示面の前に位置する第1検知対象物と第2検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、所定の入力開始条件が満たされた時刻である基準時刻の第1検知対象物の空間座標に基づいて、第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定し、基準時刻の第2検知対象物の空間座標に基づいて、第2文字情報グループに含まれる第2文字情報に対応付けられた第2判定領域を設定する設定部と、第1判定領域と第2判定領域が設定された後、第1検知対象物が第1判定領域内に位置するか否か、および、第2検知対象物が第2判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、第1検知対象物が第1判定領域に位置すると判定部が判定した場合、第1文字情報を表示面の第1表示領域に表示させ、第2検知対象物が第2判定領域に位置すると判定部が判定した場合、第2文字情報を表示面の第2表示領域に表示させる表示出力部と、を備える。
【0007】
本開示のさらに別の態様もまた、制御装置である。この装置は、ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、検知対象物が所定の入力空間に入ったときの検知対象物の空間座標を基準として、第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定する設定部と、第1判定領域が設定された後、検知対象物が第1判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、検知対象物が第1判定領域内に位置すると判定部が判定した場合、第1文字情報を表示面に表示させる表示出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様により、更なる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態の情報処理システムのブロック図である。
【
図2】
図1の情報処理システムにおける文字入力動作を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図3】
図2に続く、文字入力動作を説明するための図である。
【
図4】
図3に続く、文字入力動作を説明するための図である。
【
図5】
図1の情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の情報処理システムにおける表示領域の指定動作の別の例を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図7】
図1の情報処理システムにおける判定領域の別の例を示す図である。
【
図8】第2の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作を説明するための図である。
【
図9】第3の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図10】
図9に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図11】第3の実施の形態の情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図12】第4の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作を説明するためのディスプレイの斜視図である。
【
図13】
図12に続く、文字入力動作を説明するための図である。
【
図14】第4の実施の形態の情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図15】第5の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図16】
図15に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図17】
図16に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図18】第5の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作の別の例を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図19】
図18に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図20】第5の実施の形態の情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図22】第6の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作の第1の例を説明するための図である。
【
図23】第6の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作の第2の例を説明するための図である。
【
図24】第6の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作の第3の例を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図25】第6の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作の第4の例を説明するためのディスプレイの平面図である。
【
図26】第6の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作の第5の例を説明するための図である。
【
図27】情報処理システムにおける判定領域の各種の設定例を示す図である。
【
図28】情報処理システムにおける判定領域の別の設定例を示す図である。
【
図29】情報処理システムにおける判定領域のさらに別の設定例を示す図である。
【
図30】第7の実施の形態の情報処理システムにおける文字入力動作を説明するためのディスプレイの斜視図である。
【
図31】
図30に続く、文字入力動作を説明するための図である。
【
図32】第7の実施の形態の複数の判定領域の別の設定例を示す図である。
【
図33】第7の実施の形態の情報処理システムにおける判定領域のサイズ変更処理を説明するための図である。
【
図34】第1の実施の形態の変形例の情報処理システムにおける文字入力動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、工程には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の情報処理システム1のブロック図である。情報処理システム1は、センサ10、制御装置12、およびディスプレイ14を備える。
【0012】
情報処理システム1は、室内等に設置されてもよく、自動車などの車両に搭載されてもよく、用途は特に限定されない。ユーザは、ディスプレイ14に触れず空中で手の指先を動かす文字入力動作を行うことで、文字を選択し、選択した文字を制御装置12に入力できる。文字入力動作は、空中タッチ動作またはジェスチャー動作とも呼べる。
【0013】
センサ10は、例えば深度カメラであり、ディスプレイ14の表示面の前に位置するユーザを撮像可能な位置に設置される。センサ10は、ユーザを定期的に撮像し、撮像した時系列の距離画像を制御装置12に出力する。撮像する頻度は、実験やシミュレーションにより適宜定めることができ、例えば、1秒間に複数回であってよい。距離画像は、画像内の各位置の空間座標の情報を含む。この空間座標は、センサ10に固有の3次元直交座標系における座標である。
【0014】
制御装置12は、センサ10から供給された時系列の距離画像に基づいて、ユーザの指先の動きを認識し、指先の動きに応じて文字入力を受け付ける。制御装置12は、受け付けた文字に基づいて処理を実行する。
【0015】
指先は操作入力に利用される検知対象物の一例であり、検知対象物は指先には限られない。検知対象物の他の一例として、ユーザの身体の一部分である握り拳などが挙げられる。検知対象物は、ユーザの身体の一部分に限らず、ユーザの手に保持された物体またはユーザの身体に装着された物体であってもよい。
【0016】
ディスプレイ14は、制御装置12の制御に従い画像を表示する。ディスプレイ14は、例えば、室内設置用の数十インチ以上の画面サイズのものでもよいし、車載用のより小さい画面サイズのものでもよい。
【0017】
図1に示すように、制御装置12は、制御部20および記憶部22を備える。制御部20は、画像取得部24、座標取得部26、算出部28、判定部30、設定部32、機能実行部34、および表示出力部36を有する。
【0018】
制御部20の構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。制御装置12は、例えばプロセッサとメモリとを備え、プロセッサがメモリにロードされたプログラムを実行することによって、制御部20および制御部20が有する各機能ブロックの機能を実現する。
【0019】
記憶部22は、各種情報を記憶する。記憶部22は、メモリまたはストレージのような、情報(言い換えるとデータ)を記憶するためのハードウェアにより実現される。記憶部22は、座標情報、文字情報、表示領域情報、および判定領域情報を保持する。座標情報は、センサ10の設置位置の空間座標、センサ10の取り付け角度、およびディスプレイ14の設置位置の空間座標を含む。文字情報は、複数の文字情報グループを識別するための情報と、複数の文字情報グループのそれぞれに含まれる文字情報と、を含む。表示領域情報は、複数の表示領域のそれぞれの中心座標およびサイズの情報と、表示領域と文字情報グループとの対応関係の情報と、を含む。判定領域情報は、複数の判定領域のサイズの情報を含む。座標情報、文字情報、表示領域情報、および判定領域情報の詳細は後述する。
【0020】
図2は、
図1の情報処理システム1における文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の平面図である。
図2では、ディスプレイ14の表示面15の一部を示し、センサ10と制御装置12の図示を省略する。
【0021】
以下、制御装置12は、日本語のひらがなの文字の入力を受け付ける一例を説明する。入力可能な文字は特に限定されず、制御装置12は、日本語の片仮名の入力を受け付けてもよいし、後述するように、数字の入力を受け付けてもよいし、英語などの任意の言語の文字の入力を受け付けてもよい。
【0022】
「あ」行の5文字「あ」、「い」、「う」、「え」、および「お」を第1文字情報グループの文字情報とする。「か」行の5文字を第2文字情報グループの文字情報とする。「さ」行の5文字を第3文字情報グループの文字情報とする。「た」行の5文字を第4文字情報グループの文字情報とする。「な」行の5文字を第5文字情報グループの文字情報とする。「は」行の5文字を第6文字情報グループの文字情報とする。「ま」行の5文字を第7文字情報グループの文字情報とする。「や」行の3文字を第8文字情報グループの文字情報とする。「ら」行の5文字を第9文字情報グループの文字情報とする。半濁点「゜」と濁点「゛」を第10文字情報グループの文字情報とする。「わ」行の文字「わ」と「を」、および「ん」を第10文字情報グループの文字情報とする。記号「?」、「。」、「、」、および「!」を第11文字情報グループの文字情報とする。
【0023】
図2では、表示面15は、初期状態の画像を表示している。表示面15は、第1表示領域40_1、第2表示領域40_2、第3表示領域40_3、第4表示領域40_4、第5表示領域40_5、第6表示領域40_6、第7表示領域40_7、第8表示領域40_8、第9表示領域40_9、第10表示領域40_10、第11表示領域40_11、第12表示領域40_12、および入力表示領域42を有する。これらの第1表示領域40_1等を区別しない場合には、表示領域40と呼ぶ。複数の表示領域40は、スクリーンキーボードとも呼べる。表示領域40と、文字情報グループは、予め1対1に対応付けられている。
【0024】
表示出力部36は、記憶部22に記憶された表示領域40と文字情報グループとの対応関係の情報に基づいて、初期状態の画像において、複数の文字情報グループのそれぞれについて、文字情報グループに関する情報を、対応する表示領域40に表示させる。初期状態の画像では、文字情報グループに関する情報は、例えば、文字情報グループを代表する文字の情報である。文字情報グループを代表する文字の情報は、文字情報グループを識別するための情報とも呼べる。
【0025】
第1表示領域40_1には、第1文字情報グループを代表する文字「あ」が表示される。第2表示領域40_2には、第2文字情報グループを代表する文字「か」が表示される。第3表示領域40_3には、第3文字情報グループを代表する文字「さ」が表示される。第4表示領域40_4から第12表示領域40_12も同様である。後述するように、それぞれの表示領域40に表示される文字は、ユーザの文字入力動作に応じて変化し得る。
【0026】
また、後述するように、入力表示領域42には、ユーザの文字入力動作に応じて入力された文字が表示される。
【0027】
図2では、情報処理システム1の3次元直交座標系のX軸、Y軸、Z軸を示す。Z軸は、ディスプレイ14の表示面15の法線方向に延びる。X軸は、表示面15の横方向に延びる。Y軸は、表示面15の縦方向に延びる。
【0028】
以下、ユーザが「あ」行の文字「い」を入力する一例を説明する。
図2に示すように、まず、ユーザは、ディスプレイ14に触れずに指先50で、文字「あ」が表示された第1表示領域40_1を指定する。次に、ユーザは、第1表示領域40_1に表示された文字「あ」が文字「い」に変わるまで、指先50を第1表示領域40_1に近づける。ユーザは、第1表示領域40_1に文字「い」が表示された場合、指先で所定の決定動作を行う。これにより、文字「い」が入力表示領域42に表示され、かつ、制御装置12に入力される。ユーザは、これらの動作を繰り返すことで、複数の文字を入力できる。以下、より詳細に説明する。
【0029】
画像取得部24は、ディスプレイ14の前に位置するユーザを撮像した時系列の距離画像をセンサ10から取得し、取得したそれぞれの距離画像を画像認識することで、ユーザの指先50と目52を検出する。指先50と目52の検出には公知の画像認識技術を利用できる。画像取得部24は、検出した指先50と目52のそれぞれの空間座標を時系列に取得し、座標取得部26に出力する。
【0030】
座標取得部26は、画像取得部24から供給されたセンサ10の座標系でのユーザの指先50と目52のそれぞれの空間座標と、記憶部22に記憶された座標情報に含まれるセンサ10の設置位置の空間座標およびセンサ10の取り付け角度とに基づいて、情報処理システム1の3次元直交座標系でのユーザの指先50と目52のそれぞれの時系列の空間座標を演算し、取得する。座標取得部26は、取得した空間座標を算出部28と判定部30に出力する。算出部28の処理は後述する。
【0031】
判定部30は、座標取得部26から供給された指先50と目52のそれぞれの空間座標と、記憶部22に記憶された複数の表示領域40のそれぞれの中心座標およびサイズの情報と、に基づいて、指先50が複数の表示領域40のいずれかを指定しているか否かを判定する。
【0032】
判定部30は、目52と指先50を通る直線L0上に表示領域40がある場合、指先50が当該直線L0上の表示領域40を指定していると判定する。判定部30は、目52と指先50を通る直線L0上に表示領域40がない場合、指先50が表示領域40を指定していないと判定する。判定部30は、判定結果を設定部32に出力する。判定部30は、指先50が複数の表示領域40のいずれかを指定していると判定した場合、判定に用いられた指先50の空間座標も設定部32に出力する。判定に用いられた指先50の空間座標は、指先50により表示領域40が指定された時刻である基準時刻の指先50の空間座標である。
【0033】
図2の例では、ユーザは、第1表示領域40_1を指定するために、直線L0上に第1表示領域40_1が位置するように、指先50と目52の少なくとも何れかを動かす。判定部30は、直線L0に交差する第1表示領域40_1が指定されたと判定する。
【0034】
図3は、
図2に続く、文字入力動作を説明するための図である。
図3(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図3(b)は、ディスプレイ14の側面図であり、
図3(c)は、ディスプレイ14の上面図である。
図3(a)では、第1表示領域40_1、第2表示領域40_2、および第3表示領域40_3を
図2より拡大して示し、他の表示領域40は図示を省略する。
【0035】
nを表示領域40の数とし、iを1からnまでの整数の何れかとする。設定部32は、指先50が第i表示領域40_iを指定していると判定部30が判定した場合、第i表示領域40_iの座標と、判定部30から供給された基準時刻における指先50の空間座標と、に基づいて、第i表示領域40_iと指先50との間に第1判定領域44_1、第2判定領域44_2、第3判定領域44_3、第4判定領域44_4、および第5判定領域44_5を設定する。これらの第1判定領域44_1等を区別しない場合には、判定領域44と呼ぶ。
【0036】
設定部32は、基準時刻における指先50の空間座標と、第i表示領域40_iと、を結ぶ操作用の直線L1を設定し、直線L1に複数の判定領域44が交差するように、複数の判定領域44を設定する。設定部32は、基準時刻における目52の空間座標と、基準時刻における指先50の空間座標と、第i表示領域40_iと、を結ぶ操作用の直線L1を設定してもよい。この場合、操作用の直線L1は、直線L0と同一である。設定部32は、基準時刻における目52の空間座標と、第i表示領域40_iと、を結ぶ操作用の直線L1を設定してもよい。
【0037】
設定部32は、記憶部22に記憶された複数の判定領域44のサイズの情報に基づいて、例えば、同じサイズの複数の判定領域44を、表示面15に平行に等間隔に設定する。判定領域44は、任意の立体形状を有し、例えば、
図3に示す例のように板状であってよい。表示面15に平行な断面における、判定領域44の断面積および形状は、特に限定されないが、例えば、
図3に示す例のように表示領域40の面積および形状と同等であってよい。指先50側から表示面15側に、第1判定領域44_1、第2判定領域44_2、第3判定領域44_3、第4判定領域44_4、第5判定領域44_5の順に並ぶ。設定部32は、第i文字情報グループに含まれる複数の文字情報と複数の判定領域44とを1対1に対応付ける。
【0038】
図3の例では、指先50が第1表示領域40_1を指定したため、設定部32は、基準時刻における指先50の空間座標と、第1表示領域40_1の中心座標と、を結ぶ直線L1に交差する複数の判定領域44を設定する。第1判定領域44_1は、文字「あ」に対応し、第2判定領域44_2は、文字「い」に対応し、第3判定領域44_3は、文字「う」に対応し、第4判定領域44_4は、文字「え」に対応し、第5判定領域44_5は、文字「お」に対応する。
【0039】
また、設定部32は、判定領域44を設定した場合、
図3(b)と
図3(c)に示す選択領域R1を設定する。選択領域R1は、複数の判定領域44を含み、立体形状を有する。表示面15に平行な断面における、選択領域R1の断面積および形状は、特に限定されないが、例えば、
図3に示す例のように判定領域44の面積および形状と同等であってよい。判定部30は、指先50が選択領域R1内に位置するか否か判定する。指先50が選択領域R1内に位置すると判定部30が判定した場合、設定部32は、複数の判定領域44を維持する。
【0040】
指先50が選択領域R1内に位置しないと判定部30が判定した場合、設定部32は、複数の判定領域44の設定を解除する。判定部30は、指先50が選択領域R1内に位置しないと判定した場合、指先50が複数の表示領域40のいずれかを指定しているか否かを再び判定する。この場合、ユーザは、指先50により表示領域40を新たに指定できる。
【0041】
図4は、
図3に続く、文字入力動作を説明するための図である。
図4(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図4(b)は、ディスプレイ14の側面図である。
図4に示すように、ユーザは、指先50を第1表示領域40_1に近づけ、指先50が文字「い」の第2判定領域44_2に入っている。
【0042】
判定部30は、複数の判定領域44が設定された後、指先50が何れかの判定領域44内に位置するか否かを判定し、判定結果を機能実行部34に出力する。判定結果は、指先50が位置する判定領域44を識別するための情報を含む。
【0043】
判定部30が、指先50が何れかの判定領域44内に位置すると判定した場合、機能実行部34は、記憶部22に保持された文字情報に基づき、第i表示領域40_iの文字情報を変更する処理を表示面15に表示された画像に対して実行する。機能実行部34は、画像データを生成し、表示出力部36に供給する。
【0044】
表示出力部36は、機能実行部34から供給された画像データをディスプレイ14に出力し、ディスプレイ14に画像を表示させる。
【0045】
つまり、mを判定領域の数とし、jを1からmまでの整数の何れかとして、表示出力部36は、指先が第j判定領域44_j内に位置すると判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を第i表示領域40_iに表示させる。
【0046】
機能実行部34は、指先が第j判定領域44_jに位置している間、第i表示領域40_iの文字を強調表示してもよい。強調表示として、例えば、文字の色を変えること、文字のサイズを変えることなどが挙げられる。複数の判定領域44が間隔を空けて設定されている場合でも、強調表示により、指先50が判定領域44に位置しているか否か、即ち指先50の位置において文字を入力可能か否かをユーザに認識させることができる。
【0047】
図4の例では、指先50が第2判定領域44_2に位置するため、表示出力部36は、第1表示領域40_1に文字「あ」に替えて文字「い」を表示させる。
【0048】
算出部28は、座標取得部26から供給された空間座標に基づいて、所定の単位時間における指先50の軌跡を算出し、算出した軌跡の情報を判定部30に供給する。指先50の軌跡は、決定動作が行われたか判定するために用いられる。決定動作が、一定時間の間、指先50を停止する動作である場合、算出部28を設けなくてもよい。
【0049】
判定部30は、座標取得部26から供給された空間座標と、算出部28から供給された指先50の軌跡の情報とに基づいて、第j判定領域44_jで、指先50によって決定動作が行われたか否かを判定する。
【0050】
機能実行部34は、指先50が第j判定領域44_jに位置し、かつ決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を決定し、当該文字情報の入力を受け付ける。機能実行部34は、受け付けた文字情報を用いて、所定のアプリケーションの処理を実行してもよいし、受け付けた文字情報を図示しない他の処理装置に供給してもよい。
【0051】
機能実行部34は、受け付けた文字情報を入力表示領域42に追加する処理を、表示面15に表示された画像に対して実行する。
【0052】
つまり、表示出力部36は、指先50が第j判定領域44_jに位置し、かつ決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を入力表示領域42に表示させる。
【0053】
図4の例では、ユーザは、入力したい文字「い」が第1表示領域40_1に表示されたとき、即ち指先50が第1判定領域44_1に位置するとき、指先50で決定動作を行う。これに応じて、機能実行部34は、第1判定領域44_1に対応付けられた文字情報である文字「い」の入力を受け付け、表示出力部36は、文字「い」を入力表示領域42に表示させる。
【0054】
このように、実施の形態によれば、ユーザが指先50で指定した表示領域40に対応する判定領域44を、指先50と、指定した表示領域40との間の空間に設定できる。よって、ディスプレイ14の表示面15のサイズによらず、文字情報を選択しやすい。
【0055】
また、ユーザは、表示領域40を指定したときの指先50の位置から、指定した表示領域40に指先50を近づけることで、その表示領域40に対応付けられた文字情報グループに含まれる文字情報を選択し、決定できる。つまり、指定した表示領域40に対して斜め方向または垂直方向に指先50を移動させることで、文字情報を入力できる。よって、直感的に操作可能であり、操作性が良い。
【0056】
次に、以上の構成による情報処理システム1の全体的な動作を説明する。
図5は、
図1の情報処理システム1の処理を示すフローチャートである。判定部30は、目52と指先50を通る直線L0上に表示領域40があるか判定する(S10)。直線L0上に表示領域40がなければ(S10のN)、判定部30は、S10の処理に戻る。
【0057】
直線L0上に表示領域40がある場合(S10のY)、判定部30は、特定された第i表示領域40_iに対応する第i文字情報グループを決定する(S12)。設定部32は、操作用の直線L1を設定し(S14)、操作用の直線L1上に判定領域44と選択領域R1を設定する(S16)。
【0058】
判定部30は、指先50が何れかの判定領域44内に位置するか判定する(S18)。指先50が何れかの判定領域44内に位置する場合(S18のY)、表示出力部36は、特定された第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を第i表示領域40_iに表示させる(S20)。
【0059】
判定部30は、第j判定領域44_jで決定動作があるか判定する(S22)。決定動作があった場合(S22のY)、機能実行部34は、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を決定する(S24)。判定部30は、指先50が選択領域R1から外れたか判定する(S26)。指先50が選択領域R1から外れていない場合(S26のN)、判定部30は、S18の処理に戻る。
【0060】
指先50が選択領域R1から外れた場合(S26のY)、表示出力部36は、第i文字情報グループを代表する文字情報を第i表示領域40_iに表示させ(S28)、情報処理システム1の処理は、判定部30によるS10の処理に戻る。
【0061】
S18で、指先50が何れかの判定領域44内に位置しない場合(S18のN)、判定部30は、S26の処理に移る。S22で、第j判定領域44_jで決定動作がない場合(S22のN)、判定部30は、S26の処理に移る。
【0062】
なお、判定部30は、ユーザの目52の位置を用いずに、指先50が複数の表示領域40のいずれかを指定しているか否かを判定してもよい。
【0063】
図6は、
図1の情報処理システム1における表示領域40の指定動作の別の例を説明するためのディスプレイ14の平面図である。
図6では、入力表示領域42の図示を省略する。
図6(a)は、指先50の方向による表示領域40の指定動作を説明するための図である。座標取得部26は、ユーザの指先50と指の所定位置54のそれぞれの時系列の空間座標を取得する。指の所定位置54は、例えば、指の第1関節、第2関節、または指の付け根などである。判定部30は、指先50と指の所定位置54とを通る直線L1上に表示領域40がある場合、指先50が当該直線L1上の表示領域40を指定していると判定する。
図6(a)の例では、指先50が第1表示領域40_1を指定していると判定される。直線L1は、操作用の直線としても用いられる。
【0064】
図6(b)は、指先50の移動方向による表示領域40の指定動作を説明するための図である。判定部30は、時刻t1の指先50の空間座標と、時刻t1の後の時刻t2の指先50の空間座標とを通る直線L1上に表示領域40がある場合、指先50が当該直線L1上の表示領域40を指定していると判定する。
図6(b)の例では、指先50が第1表示領域40_1を指定していると判定される。直線L1は、操作用の直線としても用いられる。これらの変形例では、ユーザは、目52の位置を考慮せずに表示領域40を指定できる。
【0065】
また、複数の判定領域44のサイズは、異なってもよい。
図7は、
図1の情報処理システム1における判定領域44の別の例を示す。
図7(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図7(b)は、ディスプレイ14の側面図であり、
図7(c)は、ディスプレイ14の上面図である。
【0066】
設定部32は、基準時刻における指先50の位置に近いほど、表示面15に平行な断面における、判定領域44の断面積を小さく設定する。表示面15に平行な断面における、第2判定領域44_2の断面積は、表示面15に平行な断面における、第1判定領域44_1の断面積よりも大きい。表示面15に平行な断面における、第3判定領域44_3の断面積は、表示面15に平行な断面における、第2判定領域44_2の断面積よりも大きい。表示面15に平行な断面における、第4判定領域44_4の断面積は、表示面15に平行な断面における、第3判定領域44_3の断面積よりも大きい。表示面15に平行な断面における、第5判定領域44_5の断面積は、表示面15に平行な断面における、第4判定領域44_4の断面積よりも大きい。
【0067】
それぞれの判定領域44において、表示面15に平行な断面における、判定領域44の断面積は、表示面15に平行な断面の位置によらず等しい。
【0068】
また、第2判定領域44_2の体積は、第1判定領域44_1の体積よりも大きい。第3判定領域44_3の体積は、第2判定領域44_2の体積よりも大きい。第4判定領域44_4の体積は、第3判定領域44_3の体積よりも大きい。第5判定領域44_5の体積は、第4判定領域44_4の体積よりも大きい。
【0069】
この変形例では、判定領域44の設定の自由度を高めることができる。
【0070】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、判定領域44の設定方向が第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0071】
図8は、第2の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作を説明するための図である。
図8(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図8(b)は、ディスプレイ14の側面図であり、
図8(c)は、ディスプレイ14の上面図である。
【0072】
設定部32は、基準時刻における指先50の空間座標と、表示面15と、を結ぶ直線L1であって、表示面15の法線である直線L1に複数の判定領域44が交差するように、複数の判定領域44を設定する。つまり、直線L1は、直線L0とは異なる。
【0073】
図8の例では、指先50が第2表示領域40_2を指定したため、設定部32は、文字「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」に対応する複数の判定領域44を指先50と表示面15との間の空間に設定する。
【0074】
本実施の形態によれば、ユーザは、表示領域40を指定したときの指先50の位置から、表示面15の法線方向に沿って指先50を移動させることで、文字情報を選択できる。
【0075】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、文字情報の選択および決定方法が第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0076】
図9は、第3の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の平面図である。第1文字情報グループは、5文字「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」の文字情報を含む。第2文字情報グループは、5文字「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の文字情報を含む。第1文字情報グループに含まれる各文字は、当該文字の行の複数の文字に関連付けられている。つまり、文字「あ」は、「あ」行の他の文字「い」、「う」、「え」、「お」に関連付けられている。文字「か」は、「か」行の他の文字「き」、「く」、「け」、「こ」に関連付けられている。文字「さ」等も同様である。
【0077】
第1表示領域40_1には、第1文字情報グループが対応付けられており、第1文字情報グループを代表する文字「あ」が表示される。
図9に示すように、第1表示領域40_1が指先50で指定されると、設定部32は、5つの判定領域44を直線L1に交差するように設定し、第1文字情報グループの5文字を5つの判定領域44に1文字ずつ対応付ける。
【0078】
図9では、第1判定領域44_1は、文字「あ」に対応し、第2判定領域44_2は、文字「か」に対応し、第3判定領域44_3は、文字「さ」に対応し、第4判定領域44_4は、文字「た」に対応し、第5判定領域44_5は、文字「な」に対応する。
【0079】
図示は省略するが、表示面15内の第6表示領域には、第2文字情報グループが対応付けられており、第2文字情報グループを代表する文字「は」が表示される。第6表示領域が指先50で指定されると、設定部32は、5つの判定領域44を設定し、第2文字情報グループの5文字を5つの判定領域44に1文字ずつ対応付ける。
【0080】
判定部30は、複数の判定領域44が設定された後、指先50が何れかの判定領域44内に位置するか否かを判定する。
【0081】
表示出力部36は、指先50が第j判定領域44_j内に位置すると判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を第1表示領域40_1に表示させ、かつ、第1表示領域40_1に表示させた当該文字情報に関連付けられた4つの文字情報を第2表示領域40_2、第3表示領域40_3、第4表示領域40_4、および第5表示領域40_5に1文字ずつ表示させる。
【0082】
第2表示領域40_2、第3表示領域40_3、第4表示領域40_4、第5表示領域40_5は、それぞれ、第1表示領域40_1に隣接する。第2表示領域40_2は、第1表示領域40_1の左に位置する。第3表示領域40_3は、第1表示領域40_1の上に位置する。第4表示領域40_4は、第1表示領域40_1の右に位置する。第5表示領域40_5は、第1表示領域40_1の下に位置する。
【0083】
図9では、指先50は第1判定領域44_1内に位置するため、第1表示領域40_1に文字「あ」が表示され、第2表示領域40_2に文字「い」が表示され、第3表示領域40_3に文字「う」が表示され、第4表示領域40_4に文字「え」が表示され、第5表示領域40_5に文字「お」が表示される。
【0084】
図10は、
図9に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の平面図である。
図10では、第2判定領域44_2以外の判定領域44を省略する。
図10では、指先50は第2判定領域44_2内に位置するため、第1表示領域40_1に文字「か」が表示され、第2表示領域40_2に文字「き」が表示され、第3表示領域40_3に文字「く」が表示され、第4表示領域40_4に文字「け」が表示され、第5表示領域40_5に文字「こ」が表示される。
【0085】
このように、指先50の動作により選択した文字情報の周囲に、入力可能な、関連する文字情報を表示できる。
【0086】
判定部30は、指先50によって第1決定動作または第2決定動作が行われたか否かを判定する。表示出力部36は、指先50が第j判定領域44_jに位置し、かつ第1決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を入力表示領域42に表示させる。つまり、第1文字情報グループの文字情報は、第1決定動作で入力できる。第1決定動作は、第1の実施の形態の決定動作と同じであってよい。
【0087】
表示出力部36は、指先50が第1表示領域40_1の周囲の表示領域40のいずれかを指定し、かつ第2決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第2決定動作の対象の文字情報を入力表示領域42に表示させる。第2決定動作は、第1表示領域40_1の周囲の表示領域40の文字情報に対する決定動作であり、例えば、指先50を第1表示領域40_1から周囲の表示領域40のいずれかに向けて所定速度以上で動かす動作である。この動作は、空中でのフリック動作とも呼べる。
【0088】
第2決定動作は、第1決定動作と同じでもよい。つまり、指先50で周囲の表示領域40を指定した状態で第1決定動作を行ってもよい。
【0089】
図10では、指先50により空中でのフリック動作が行われて、指先50が第3表示領域40_3を指定したため、第3表示領域40_3に表示された文字「く」が入力される。
【0090】
このように、第1の実施の形態とは異なる文字入力動作で文字情報を入力できる。
【0091】
なお、第1文字情報グループと第2文字情報グループを1つの文字情報グループにまとめてもよい。この場合、第1表示領域40_1が指先50で指定されると、設定部32は、10個の判定領域44を設定し、文字情報グループの10文字を10個の判定領域44に1文字ずつ対応付ける。
【0092】
図11は、第3の実施の形態の情報処理システム1の処理を示すフローチャートである。S10からS18の処理は、
図5の第1の実施の形態と同じである。S18で、指先50が何れかの判定領域44内に位置する場合(S18のY)、表示出力部36は、特定された第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を第i表示領域40_iに表示させ、当該文字情報に関連付けられた文字情報を第i表示領域40_iの周囲に表示させる(S40)。
【0093】
判定部30は、第j判定領域44_jで第1決定動作があるか判定する(S42)。第1決定動作があった場合(S42のY)、機能実行部34は、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を決定する(S44)。判定部30は、指先50が選択領域R1から外れたか判定する(S50)。選択領域R1は、第1の実施の形態と同様に設定される。指先50が選択領域R1から外れていない場合(S50のN)、判定部30は、S18の処理に戻る。
【0094】
指先50が選択領域R1から外れた場合(S50のY)、表示出力部36は、第i文字情報グループを代表する文字情報を第i表示領域40_iに表示させ、第i表示領域40_iの周囲の文字情報を非表示にさせ(S52)、情報処理システム1の処理は、判定部30によるS10の処理に戻る。
【0095】
S18で、指先50が何れかの判定領域44内に位置しない場合(S18のN)、判定部30は、S50の処理に移る。S42で、第j判定領域44_jで決定動作がない場合(S42のN)、判定部30は、第i表示領域40_iの周囲の文字情報に対する第2決定動作があるか判定する(S46)。第2決定動作があった場合(S46のY)、機能実行部34は、第2決定動作の対象の文字情報を決定し(S48)、情報処理システム1の処理は、判定部30によるS50の処理に戻る。S46で第2決定動作がない場合(S46のN)、判定部30は、S50の処理に移る。
【0096】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、5本の指のそれぞれの文字入力動作により文字を入力可能なことが、第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0097】
図12は、第4の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の斜視図である。ディスプレイ14の表示面15上に所定の入力空間48が設定されている。ユーザは、文字入力を開始する場合、片手の5つの指先を表示面15の前にかざし、入力空間48に入れる。
【0098】
座標取得部26は、表示面15の前に位置する手の第1指先50_1、第2指先50_2、第3指先50_3、第4指先50_4、および第5指先50_5のそれぞれの空間座標を取得する。例えば、第1指先50_1は、親指の指先であり、第2指先50_2は、人差し指の指先であり、第3指先50_3は、中指の指先である。第4指先50_4は、薬指の指先であり、第5指先50_5は、小指の指先である。以下、第1指先50_1から第5指先50_5を区別しない場合には、指先50と呼ぶ。5つの指先50は操作入力に利用される5つの検知対象物の一例であり、5つの検知対象物は5つの指先50には限られない。
【0099】
判定部30は、5つの指先50のそれぞれの空間座標に基づいて、5つの指先50が入力空間48に入ったか否か判定する。5つの指先50が入力空間48に入ったことは、所定の入力開始条件が満たされたことに相当する。判定部30は、判定結果を表示出力部36に出力する。判定部30は、判定結果と、入力開始条件が満たされた時刻である基準時刻における5つの指先50のそれぞれの空間座標と、を設定部32に出力する。
【0100】
図13は、
図12に続く、文字入力動作を説明するための図である。
図13(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図13(b)は、ディスプレイ14の上面図である。
【0101】
表示出力部36は、入力開始条件が満たされたと判定部30が判定した場合、5つの指先50のそれぞれの基準時刻の空間座標に基づいて、第1表示領域40_1、第2表示領域40_2、第3表示領域40_3、第4表示領域40_4、および第5表示領域40_5を含む画像を表示面15に表示させる。kを1から5までの整数として、例えば、第k表示領域40_kは、基準時刻における第k指先50_kの空間座標と、表示面15と、を結ぶ直線であって、表示面15の法線である直線に交差する。
【0102】
表示出力部36は、初期状態の画像において、第k文字情報グループに関する情報である第k文字情報グループを代表する文字情報を、第k表示領域40_kに表示させる。
【0103】
図13(a)に示すように、ユーザから見て、第1指先50_1に文字「あ」が重なり、第2指先50_2に文字「か」が重なり、第3指先50_3に文字「さ」が重なり、第4指先50_4に文字「た」が重なり、第5指先50_5に文字「な」が重なる。よって、ユーザは、どの指先50を動かせばどの行の文字を入力可能であるか、容易に把握できる。
【0104】
設定部32は、第k表示領域40_kの座標と、基準時刻における第k指先50_kの空間座標と、に基づいて、第k表示領域40_kと第k指先50_kとの間に複数の判定領域44を設定する。
【0105】
設定部32は、基準時刻における第k指先50_kの空間座標と、第k表示領域40_kと、を結ぶ操作用の第k直線Lkを設定し、第k直線Lkに5つの判定領域44が交差するように、5つの判定領域44を設定する。
【0106】
設定部32は、第1文字情報グループから第5文字情報グループに含まれる25個の文字情報と25個の判定領域44とを1対1に対応付ける。
【0107】
図13(b)に示すように、第1直線L1に、第1判定領域44_1から第5判定領域44_5が交差する。第2直線L2に、第6判定領域44_6から第10判定領域44_10が交差する。第3直線L3に、第11判定領域44_11から第15判定領域44_15が交差する。第4直線L4に、第16判定領域44_16から第20判定領域44_20が交差する。第5直線L5に、第21判定領域44_21から第25判定領域44_25が交差する。
【0108】
判定部30は、複数の判定領域44が設定された後、第1指先50_1が第1判定領域44_1から第5判定領域44_5の何れかに位置するか否か、および、第2指先50_2が第6判定領域44_6から第10判定領域44_10の何れかに位置するか否かを判定する。判定部30は、複数の判定領域44が設定された後、第3指先50_3が第11判定領域44_11から第15判定領域44_15の何れかに位置するか否か、第4指先50_4が第16判定領域44_16から第20判定領域44_20の何れかに位置するか否か、および、第5指先50_5が第21判定領域44_21から第25判定領域44_25の何れかに位置するか否かを判定する。
【0109】
mを1から5までの整数の何れかとする。表示出力部36は、第m指先50_mが第j判定領域44_j内に位置すると判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を第m表示領域40_mに表示させる。
【0110】
判定部30は、第j判定領域44_jで、第m指先50_mによって決定動作が行われたか否かを判定する。
【0111】
機能実行部34は、第m指先50_mが第j判定領域44_jに位置し、かつ決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を決定し、当該文字情報の入力を受け付ける。
【0112】
表示出力部36は、第m指先50_mが第j判定領域44_jに位置し、かつ決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を入力表示領域42に表示させる。
【0113】
ユーザは、入力したい文字が属する行に対応する表示領域40上の指先50を表示領域40に近づけ、入力したい文字を選択し、指先50による決定動作を行うことで、選択した文字を入力できる。
【0114】
また、判定部30は、少なくとも1つの指先50により、入力空間48で所定の文字切り替え動作が行われたか否か判定する。文字切り替え動作が行われたと判定部30が判定した場合、表示出力部36は、初期状態の画像において、第(k+5)文字情報グループに関する情報を第k表示領域40_kに表示させる。表示面15には、文字「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」が表示される。
【0115】
文字切り替え動作が行われたと判定部30が判定した場合、設定部32は、第6文字情報グループから第10文字情報グループに含まれる複数の文字情報と複数の判定領域44とを1対1に対応付ける。
【0116】
図14は、第4の実施の形態の情報処理システム1の処理を示すフローチャートである。判定部30は、5つの指先50が入力空間48に位置するか否かを判定する(S60)。5つの指先50が入力空間48に位置しなければ(S60のN)、判定部30は、S60の処理に戻る。
【0117】
5つの指先50が入力空間48に位置する場合(S60のY)、表示出力部36は、各文字情報グループを代表する文字情報を表示させる(S62)。設定部32は、各指先50を文字情報グループに割り当て(S64)、各指先50について判定領域44を設定する(S66)。
【0118】
判定部30は、何れかの指先50が何れかの判定領域44内に位置するか判定する(S68)。この条件が満たされる場合(S68のY)、表示出力部36は、特定された第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を第m表示領域40_mに表示させる(S70)。
【0119】
判定部30は、第j判定領域44_jで決定動作があるか判定する(S72)。決定動作があった場合(S72のY)、機能実行部34は、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を決定する(S74)。判定部30は、5つの指先50が入力空間48から外れたか判定する(S76)。5つの指先50が入力空間48から外れていない場合(S76のN)、判定部30は、S68の処理に戻る。
【0120】
5つの指先50が入力空間48から外れた場合(S76のY)、表示出力部36は、各文字情報グループを代表する文字情報を非表示にさせ(S78)、情報処理システム1の処理は、判定部30によるS60の処理に戻る。
【0121】
S68で、何れかの指先50が何れかの判定領域44内に位置しない場合(S68のN)、判定部30は、S76の処理に移る。S72で、第j判定領域44_jで決定動作がない場合(S72のN)、判定部30は、S76の処理に移る。
【0122】
本実施の形態によれば、5本の指を用いて文字情報を入力できる。
【0123】
なお、複数の表示領域40は、基準時刻における5つの指先50のそれぞれの空間座標によらず、表示面15上の所定位置に表示されてもよい。
【0124】
また、第2の実施の形態と同様に、それぞれの指先50に対して、複数の判定領域44を表示面15の法線に沿って設定してもよい。つまり、設定部32は、基準時刻における第k指先50_kの空間座標と、表示面15と、を結ぶ操作用の第k直線Lkであって、表示面15の法線である第k直線Lkに5つの判定領域44が交差するように、5つの判定領域44を設定してもよい。ユーザは、表示面15の法線方向に沿ってそれぞれの指先50を移動させることで、文字情報を選択できる。
【0125】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、入力された文字から始まる単語を選択および入力可能なことが、第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0126】
図15は、第5の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の平面図である。まず、ユーザは、第1の実施の形態と同様に、指先50で文字入力動作を行う。ここでは、文字「あ」が入力されたことを想定する。
【0127】
図16は、
図15に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の平面図である。記憶部22は、複数の単語情報を記憶している。機能実行部34は、文字情報の入力を受け付けた場合、記憶部22に保持された単語情報から、受け付けた文字から始まる単語を選択し、選択した単語を単語の表示領域60に表示させるための画像データを生成する。例えば、
図15に示すように、単語「あさ」が単語の表示領域60に表示される。
【0128】
ユーザは、単語を入力したい場合、指先50で単語の表示領域60を指定する。設定部32は、指先50が単語の表示領域60を指定していると判定部30が判定した場合、単語の表示領域60の座標と、判定部30から供給された基準時刻における指先50の空間座標と、に基づいて、単語の表示領域60と指先50との間に複数の単語の判定領域44を設定する。
【0129】
設定部32は、記憶部22に保持された単語情報から、受け付けた文字から始まる複数の単語を選択し、選択した複数の単語と複数の判定領域44とを1対1に対応付ける。選択された複数の単語は、文字情報グループを構成する。
【0130】
図17は、
図16に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の平面図である。ユーザは、指先50を単語の表示領域60に近づけ、指先50が第2判定領域44_2に入っている。第2判定領域44_2には、単語「あき」が対応付けられている。
【0131】
表示出力部36は、指先50が第j判定領域44_j内に位置すると判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた単語を単語の表示領域60に表示させる。第2判定領域44_2に、単語「あさ」に替えて単語「あき」が表示される。
【0132】
ユーザは、入力したい単語「あき」が単語の表示領域60に表示されたとき、即ち指先50が第2判定領域44_2に位置するとき、指先50で決定動作を行う。これに応じて、機能実行部34は、第2判定領域44_2に対応付けられた文字情報である単語「あき」の入力を受け付け、表示出力部36は、単語「あき」を入力表示領域42に表示させる。本実施の形態によれば、単語を入力できる。
【0133】
単語の表示領域60に複数の単語を表示してもよい。
図18は、第5の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作の別の例を説明するためのディスプレイ14の平面図である。
【0134】
機能実行部34は、文字情報の入力を受け付けた場合、記憶部22に保持された単語情報から、受け付けた文字から始まる複数の単語を選択し、選択した複数の単語を単語の表示領域60に表示させるための画像データを生成する。例えば、
図18に示すように、3つの単語「あさ」、「あき」、「あめ」が単語の表示領域60に表示される。
【0135】
設定部32は、指先50が単語の表示領域60を指定していると判定部30が判定した場合、単語の表示領域60と指先50との間に複数の単語の判定領域44を設定する。
【0136】
設定部32は、記憶部22に保持された単語情報から、受け付けた文字から始まる複数の単語を選択し、選択した複数の単語と複数の判定領域44とを複数対1に対応付ける。例えば、設定部32は、1つの判定領域44に3つの単語を対応付ける。選択された複数の単語は、文字情報グループを構成する。文字情報グループに含まれる複数の文字情報は、それぞれ、所定の文字から始まる複数の単語を含む。
【0137】
図19は、
図18に続く、文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の平面図である。ユーザは、指先50を単語の表示領域60に近づけ、指先50が第2判定領域44_2に入っている。第2判定領域44_2には、文字情報として3つの単語「あり」、「あじ」、「あす」が対応付けられている。
【0138】
表示出力部36は、指先50が第j判定領域44_j内に位置すると判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた複数の単語を単語の表示領域60に表示させる。第2判定領域44_2には、3つの単語「あさ」、「あき」、「あめ」に替えて、3つの単語「あり」、「あじ」、「あす」が表示される。
【0139】
ユーザは、入力したい単語「あす」が単語の表示領域60に表示されたとき、即ち指先50が第2判定領域44_2に位置するとき、指先50で、入力したい単語に対する決定動作を行う。入力したい単語に対する決定動作とは、例えば、単語の表示領域60に表示された単語に指先50を向けて、第1の実施の形態の決定動作を行うことである。これに応じて、機能実行部34は、決定動作の対象の文字情報である単語「あす」の入力を受け付け、表示出力部36は、単語「あす」を入力表示領域42に表示させる。この例では、複数の単語が表示されるので、単語を選択しやすい。
【0140】
図20は、第5の実施の形態の情報処理システム1の処理を示すフローチャートである。
図21は、
図20に続くフローチャートである。判定部30は、目52と指先50を通る直線上に文字の表示領域40があるか判定する(S80)。当該直線上に文字の表示領域40がある場合(S80のY)、判定部30は、S12の処理に移る。S12からS24の処理は、
図5の第1の実施の形態と同じである。S24の次に、表示出力部36は、決定された文字から始まる複数の単語を表示させる(S82)、判定部30は、S26の処理に移る。S26とS28の処理は、
図5の第1の実施の形態と同じである。
【0141】
S80において、目52と指先50を通る直線上に文字の表示領域40がなければ(S80のN)、判定部30は、目52と指先50を通る直線上に単語の表示領域60があるか判定する(S84)。当該直線上に単語の表示領域60がなければ(S84のN)、判定部30は、S10の処理に戻る。当該直線上に単語の表示領域60がある場合(S84のY)、設定部32は、操作用の直線L1上に判定領域44と選択領域R1を設定する(S86)。
【0142】
判定部30は、指先50が何れかの判定領域44内に位置するか判定する(S88)。指先50が何れかの判定領域44内に位置する場合(S88のY)、表示出力部36は、特定された第j判定領域44_jに対応付けられた複数の単語を単語の表示領域60に表示させる(S90)。
【0143】
判定部30は、単語の何れかに対する決定動作があるか判定する(S92)。決定動作があった場合(S92のY)、機能実行部34は、決定動作の対象の単語を決定する(S94)。表示出力部36は、複数の単語を非表示にして(S98)、情報処理システム1の処理は、判定部30によるS80の処理に戻る。
【0144】
S88において指先50が何れかの判定領域44内に位置しない場合(S88のN)、または、S92において決定動作がない場合(S92のN)、判定部30は、指先50が選択領域R1から外れたか判定する(S96)。指先50が選択領域R1から外れていない場合(S96のN)、判定部30は、S88の処理に移る。指先50が選択領域R1から外れた場合(S96のY)、表示出力部36は、S98の処理を実行する。
【0145】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、アルファベットまたは数字の入力が受け付けられることが、第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0146】
図22は、第6の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作の第1の例を説明するための図である。
図22(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図22(b)は、ディスプレイ14の側面図である。
【0147】
制御装置12は、アルファベットの入力を受け付ける。複数の文字情報グループは、異なるアルファベットを含む。それぞれの文字情報グループは、同じアルファベットの大文字と小文字を含む。
【0148】
第1表示領域40_1に対応付けられた第1文字情報グループは、文字「a」と「A」を含む。第2表示領域40_2に対応付けられた第2文字情報グループは、文字「b」と「B」を含む。第3表示領域40_3に対応付けられた第3文字情報グループは、文字「c」と「C」を含む。図示しない他の複数の表示領域40のそれぞれに対応付けられた他の文字情報グループも同様である。
【0149】
ユーザが文字「A」を入力する一例を説明する。
図22(a)に示すように、まず、ユーザは、文字「a」が表示された第1表示領域40_1を指先50で指定する。設定部32は、文字「a」に対応付けられた第1判定領域44_1と、文字「A」に対応付けられた第2判定領域44_2と、を設定する。
【0150】
次に、ユーザは、第1表示領域40_1に表示された文字「a」が文字「A」に変わるまで、指先50を第1表示領域40_1に近づける。指先50が第2判定領域44_2に入り、第1表示領域40_1に文字「A」が表示された場合、ユーザは、指先50で決定動作を行う。これにより、文字「A」が図示しない入力表示領域に表示され、かつ、制御装置12に入力される。ユーザは、これらの動作を繰り返すことで、複数の文字を入力できる。
【0151】
図23は、第6の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作の第2の例を説明するための図である。
図23(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図23(b)は、ディスプレイ14の側面図である。
【0152】
複数の文字情報グループのそれぞれは、アルファベットの複数の大文字を含む。第1表示領域40_1に対応付けられた第1文字情報グループは、文字「A」、「B」、および「C]を含む。第2表示領域40_2に対応付けられた第2文字情報グループは、文字「D」、「E」、および「F]を含む。第3表示領域40_3に対応付けられた第3文字情報グループは、文字「G」、「H」、および「I]を含む。説明を省略するが、
図23(a)に示すように、他の複数の表示領域40のそれぞれに対応付けられた他の文字情報グループに含まれる文字も同様である。
【0153】
初期状態の画像では、第1表示領域40_1には、第1文字情報グループに含まれる複数の文字「ABC」が表示される。第2表示領域40_2には、第2文字情報グループに含まれる複数の文字「DEF」が表示される。第3表示領域40_3には、第3文字情報グループに含まれる複数の文字「GHI」が表示される。説明を省略するが、
図23(a)に示すように、他の複数の表示領域40のそれぞれにおいても、対応付けられた文字情報グループに含まれる複数の文字が表示される。これにより、ユーザは、どの表示領域40でどの文字が選択可能であるか容易に把握できる。
【0154】
ユーザが文字「A」を入力する一例を説明する。
図23(a)に示すように、まず、ユーザは、文字「ABC」が表示された第1表示領域40_1を指先50で指定する。設定部32は、複数の文字「ABC」に対応付けられた第1判定領域44_1と、文字「A」に対応付けられた第2判定領域44_2と、文字「B」に対応付けられた第3判定領域44_3と、文字「C」に対応付けられた第4判定領域44_4と、を設定する。
【0155】
次に、ユーザは、第1表示領域40_1に表示された文字「ABC」が文字「A」に変わるまで、指先50を第1表示領域40_1に近づける。指先50が第2判定領域44_2に入り、第1表示領域40_1の表示が文字「A」に変わった場合、ユーザは、指先50で決定動作を行う。これにより、文字「A」が図示しない入力表示領域に表示され、かつ、制御装置12に入力される。ユーザは、これらの動作を繰り返すことで、複数の文字を入力できる。
【0156】
なお、複数の文字「ABC」に対応付けられた第1判定領域44_1に指先50が位置した場合、第1表示領域40_1には文字「ABC」が表示される。第1判定領域44_1に指先50が位置した状態で、決定動作が行われた場合、文字は制御装置12に入力されなくてもよいし、文字「ABC」が入力されてもよい。
【0157】
また、
図22の文字入力動作の第1の例、および、
図23の文字入力動作の第2の例において、第5の実施の形態と同様に、入力された文字から始まる単語を選択および入力可能に構成してもよい。基本的な文字入力動作と処理は、第5の実施の形態と同様である。例えば、最初に文字「C」が入力された場合、文字「C」から始まる1または複数の単語が単語の表示領域に表示され、指先50による動作に応じて表示された単語を選択および入力可能である。
【0158】
図24は、第6の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作の第3の例を説明するためのディスプレイ14の平面図である。基本的な文字入力動作と処理は、第3の実施の形態と同様である。
【0159】
文字情報グループは、6文字「A」、「F」、「K」、「P」、「U」、「Z」の文字情報を含む。文字情報グループに含まれる各文字は、当該文字にアルファベット順に続く4つの文字に関連付けられている。つまり、文字「A」は、「A」に続く4文字「B」、「C」、「D」、「E」に関連付けられている。文字「F」は、「F」に続く4文字「G」、「H」、「I」、「J」に関連付けられている。文字「K」等も同様である。
【0160】
第1表示領域40_1には、上記文字情報グループが対応付けられており、初期状態では、文字情報グループを代表する文字「A」が表示される。第1表示領域40_1が指先50で指定されると、設定部32は、6つの判定領域44を設定し、文字情報グループの6文字を6つの判定領域44に対応付ける。
図24に示すように、例えば、第2表示領域40_2が指先50で指定されると、第1表示領域40_1には文字「F」が表示され、その周囲に文字「G」、「H」、「I」、「J」が表示される。第3の実施の形態と同様の文字入力動作により、アルファベットを入力できる。
【0161】
図25は、第6の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作の第4の例を説明するためのディスプレイ14の平面図である。基本的な文字入力動作と処理は、第4の実施の形態と同様である。この例では、QWERTY配列のキーボードを模擬している。ユーザから見て、第1指先50_1に文字「Q」が重なり、第2指先50_2に文字「W」が重なり、第3指先50_3に文字「E」が重なり、第4指先50_4に文字「R」が重なり、第5指先50_5に文字「T」が重なる。
【0162】
設定部32は、第k表示領域40_kと第k指先50_kとの間に、例えば3つの判定領域44を設定する。図示しないが、第1表示領域40_1と第1指先50_1との間には、例えば、文字「Q」に対応する第1判定領域44_1、文字「A」に対応する第2判定領域44_2、および文字「Z」に対応する第3判定領域44_3が設定される。第2表示領域40_2と第2指先50_2との間には、例えば、文字「W」に対応する第4判定領域44_4、文字「S」に対応する第5判定領域44_5、および文字「X」に対応する第6判定領域44_6が設定される。
【0163】
ユーザは、入力したい文字に対応する表示領域40上の指先50を表示領域40に近づけ、入力したい文字を選択し、指先50による決定動作を行うことで、選択した文字を入力できる。
【0164】
図26は、第6の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作の第5の例を説明するための図である。
図26(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図26(b)は、ディスプレイ14の側面図である。
【0165】
制御装置12は、数字の入力を受け付ける。
図26(a)では、表示面15は、例えば、4文字のパスワードの入力画面を表示している。4つの表示領域40は、それぞれ、入力された数字を表示する入力表示領域として機能する。
【0166】
4つの表示領域40のそれぞれには、同じ文字情報グループが対応付けられている。文字情報グループは、複数の数字の情報を含む。例えば、文字情報グループは、0から9までの整数の情報を含む。
【0167】
ユーザは、ディスプレイ14に触れずに指先50で、例えば第1表示領域40_1を指定する。設定部32は、数字「0」に対応付けられた第1判定領域44_1、数字「1」に対応付けられた第2判定領域44_2、数字「2」に対応付けられた第3判定領域44_3等を設定する。
【0168】
次に、ユーザは、第1表示領域40_1に表示された数字が、入力したい数字に変わるまで、指先50を第1表示領域40_1に近づける。第1表示領域40_1に入力したい数字が表示された場合、ユーザは、指先50で決定動作を行う。これにより、入力したい数字が制御装置12に入力される。ユーザは、4つの表示領域40のそれぞれで、これらの動作を行うことで、4つの数字を入力できる。
【0169】
(第1から第6の実施の形態における判定領域44の各種の例)
図27は、情報処理システム1における判定領域44の各種の設定例を示す。
図27(a)は、判定領域44の第1設定例を示す。直線L1と表示面15のなす角度によらず、複数の判定領域44は、表示面15に平行である。直線L1と表示面15のなす角度によらず、隣り合う2つの判定領域44の表示面15の法線に沿った間隔s1は等しい。例えば、表示面15の法線に沿った第1判定領域44_1と第2判定領域44_2との間隔s1は、表示面15の法線に沿った第2判定領域44_2と第3判定領域44_3との間隔s1と等しい。
【0170】
図27(b)は、判定領域44の第2設定例を示す。直線L1と表示面15のなす角度によらず、複数の判定領域44は、直線L1に垂直である。直線L1と表示面15のなす角度によらず、隣り合う2つの判定領域44の直線L1に沿った間隔s2は等しい。例えば、第1判定領域44_1と第2判定領域44_2との直線L1に沿った間隔s2は、第2判定領域44_2と第3判定領域44_3との直線L1に沿った間隔s2と等しい。この例では、指先50を動かす方向によらず、隣り合う2つの判定領域44の間における指先50の移動距離を同等にできる。
【0171】
図28は、情報処理システム1における判定領域44の別の設定例を示す。
図28(a)は、判定領域44の第3設定例を示す。設定部32は、直線L1に沿って隣接するように複数の判定領域44を配置する。
【0172】
設定部32は、基準時刻における指先50の位置から離れた判定領域44ほど、直線L1に沿った判定領域44の長さを長く設定する。例えば、直線L1に沿った第2判定領域44_2の長さa2は、直線L1に沿った第1判定領域44_1の長さa1よりも長い。また、第2判定領域44_2の体積は、第1判定領域44_1の体積よりも大きい。
【0173】
腕を伸ばして指先50がユーザの身体から離れるほど、指先50の位置のぶれが大きくなりやすいが、その状況でも判定領域44を選択しやすい。そのため、表示面15に近い判定領域44を選択しやすい。
【0174】
図28(b)は、判定領域44の第4設定例を示す。
図28(b)から
図28(d)に示す例では、文字は数字である。設定部32は、基準時刻における指先50の位置から離れるほど、直線L1に沿った隣り合う2つの判定領域44の間隔を広く設定する。
【0175】
第2判定領域44_2と第3判定領域44_3との直線L1に沿った間隔s2は、第1判定領域44_1と第2判定領域44_2との直線L1に沿った間隔s1より広い。第3判定領域44_3と第4判定領域44_4との直線L1に沿った間隔s3は、間隔s2より広い。第4判定領域44_4と第5判定領域44_5との直線L1に沿った間隔s4は、間隔s3より広い。
【0176】
第1判定領域44_1に対応する第1文字情報は、所定数を第1指数で累乗した数字である。例えば、所定数は「10」であり、第1指数は「0」である。第2判定領域44_2に対応する第2文字情報は、所定数を第1指数より大きい第2指数で累乗した数字である。例えば、第2指数は「1」である。
【0177】
第3判定領域44_3に対応する第3文字情報は、所定数を第2指数より大きい第3指数で累乗した数字である。例えば、第3指数は「2」である。第4判定領域44_4に対応する第4文字情報は、所定数を第3指数より大きい第4指数で累乗した数字である。例えば、第4指数は「3」である。第5判定領域44_5に対応する第5文字情報は、所定数を第4指数より大きい第5指数で累乗した数字である。例えば、第5指数は「4」である。
【0178】
この設定例では、累乗で変化する数字を選択できる。より大きい数字を選択するためには、指先50をより長い距離動かす必要があるため、直感的に選択できる。
【0179】
図28(c)は、指先50の移動速度が相対的に速い場合の判定領域の設定例を示す。
図28(d)は、指先50の移動速度が相対的に遅い場合の判定領域の設定例を示す。算出部28は、指先50の移動速度を定期的に算出し、算出した移動速度を判定部30に出力する。判定部30は、算出部28から供給された指先50の移動速度を速度しきい値と比較し、比較結果を設定部32に出力する。1つ以上の速度しきい値が予め設定されている。
【0180】
設定部32は、判定部30から供給された比較結果に基づき、基準時刻から所定時間後における指先50の移動速度が速いほど、複数の判定領域44の直線L1に沿った間隔を広く設定し、かつ判定領域44の数を減らす。所定時間は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。これにより、指先50の移動速度が速い場合に判定領域44を選択しやすい。
【0181】
設定部32は、基準時刻における指先50の位置から離れた判定領域44ほど、大きい数字を対応付ける。設定部32は、基準時刻から所定時間後における指先50の移動速度が速いほど、隣り合う2つの判定領域44のうち一方の判定領域44に対応付ける数字と、他方の判定領域44に対応付ける数字との差を大きく設定する。これにより、指先50の移動速度が速い場合、移動速度が遅い場合よりも大きな数字を選択できる。
【0182】
図29は、情報処理システム1における判定領域44のさらに別の設定例を示す。
図29では、第1判定領域44_1と第2判定領域44_2以外の判定領域44の図示を省略する。
図29(a)は、基準サイズの判定領域44を示す。
図29(b)は、サイズが変更された判定領域44を示す。
【0183】
設定部32は、直線L1に沿って隣接するように複数の判定領域44を配置する。設定部32は、指先50が第2判定領域44_2に位置する場合、第2判定領域44_2を第1判定領域44_1側に広げ、かつ第1判定領域44_1を狭める。
【0184】
設定部32は、その後、指先50が第2判定領域44_2から第1判定領域44_1に移動した場合、第1判定領域44_1と第2判定領域44_2のサイズを元に戻す。つまり、設定部32は、
図29(a)の基準サイズの判定領域44に戻す。
【0185】
この例では、指先50が基準サイズの第1判定領域44_1と第2判定領域44_2の境界に位置する場合に、表示領域40に表示される文字が頻繁に切り替わり、不安定になることを抑制できる。
【0186】
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態では、指先50を表示領域40に向けることなく文字を選択可能なことが、第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0187】
図30は、第7の実施の形態の情報処理システム1における文字入力動作を説明するためのディスプレイ14の斜視図である。ディスプレイ14の表示面15に重ならない位置に所定の入力空間48が設定されている。ユーザは、文字入力を開始する場合、指先50を入力空間48に入れる。
【0188】
判定部30は、指先50が入力空間48に入ったか否か判定する。指先50が入力空間48に入ったことは、入力開始条件が満たされたことに相当する。判定部30は、判定結果と、入力開始条件が満たされた時刻である基準時刻における指先50の空間座標と、を設定部32に出力する。
【0189】
図31は、
図30に続く、文字入力動作を説明するための図である。設定部32は、基準時刻の指先50の空間座標を基準として、表示面15に平行な面60内に、最上層の複数の判定領域44を設定する。面60内の判定領域44の数は、表示領域40の数と等しく、この例では「12」である。設定部32は、基準時刻の指先50の空間座標に重なる第1判定領域44_1を設定し、面60内に他の複数の判定領域44をマトリクス状に設定する。設定部32は、下層の複数層の判定領域44をZ軸に平行な方向に設定する。例えば、第1判定領域44_1、第2判定領域44_2、第3判定領域44_3、第4判定領域44_4、第5判定領域44_5がZ軸に平行な方向に離間して設定される。
図31では、下層の判定領域44の一部を示す。
【0190】
複数の文字情報グループに含まれる複数の文字情報は、複数の判定領域44に予め1対1に対応付けられている。
【0191】
ユーザは、面60内およびZ軸に平行な方向に指先50を動かすことで、複数の判定領域44の何れかに対応付けられた文字情報を選択する。
【0192】
判定部30は、複数の判定領域44が設定された後、指先50が複数の判定領域44の何れかに位置するか否かを判定する。
【0193】
表示出力部36は、指先50が第j判定領域44_j内に位置すると判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を、当該文字情報を含む文字情報グループに対応付けられた表示領域40に表示させる。例えば、指先50が第3判定領域44_3内に位置する場合、文字「う」が文字「あ」に替えて第1表示領域40_1に表示される。
【0194】
機能実行部34は、指先50が第j判定領域44_jに位置し、かつ決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を決定し、当該文字情報の入力を受け付ける。
【0195】
表示出力部36は、指先50が第j判定領域44_jに位置し、かつ決定動作が行われたと判定部30が判定した場合、第j判定領域44_jに対応付けられた文字情報を入力表示領域42に表示させる。
【0196】
このように、入力空間48におけるユーザの所望の位置に第1判定領域44_1を設定できる。よって、空中動作により文字情報を選択しやすい。
【0197】
図32は、第7の実施の形態の複数の判定領域44の別の設定例を示す。
図32(a)は、複数の判定領域44がXZ平面に平行に設定される例を説明するための図である。
【0198】
設定部32は、表示面15に交差する面62であって、XZ平面に平行な面62内に、最上層の複数の判定領域44を設定する。設定部32は、下層の複数層の判定領域44をY軸に平行な方向に設定する。例えば、第1判定領域44_1、第2判定領域44_2、第3判定領域44_3、第4判定領域44_4、第5判定領域44_5がY軸に平行な方向に離間して設定される。
図32では、最上層と下層の判定領域44の一部を示す。
【0199】
図32(b)は、複数の判定領域44がXY平面、XZ平面、およびZY平面に非平行に設定される例を説明するための図である。
図32(b)では、表示面15の図示を省略している。
【0200】
設定部32は、表示面15、XZ平面、およびZY平面に交差する面64内に、最上層の複数の判定領域44を設定する。設定部32は、下層の複数層の判定領域44を面64の法線方向に設定する。例えば、第1判定領域44_1、第2判定領域44_2、第3判定領域44_3、第4判定領域44_4、第5判定領域44_5が面64の法線方向に離間して設定される。
【0201】
図32の例では、表示面15に交差する面62内および面62の法線方向に指先50を動かすことで、文字情報を選択できる。
【0202】
なお、指先50が入力空間48に入った場合、設定部32は、指先50の位置を基準とせず、複数の判定領域44を所定位置に設定してもよい。
【0203】
図33は、第7の実施の形態の情報処理システム1における判定領域44のサイズ変更処理を説明するための図である。
図33では、
図31の面60内の複数の判定領域44のうち、X軸方向に隣接する第1判定領域44_1、第6判定領域44_6、および第11判定領域44_11を示す。
【0204】
図33(a)は、基準サイズの判定領域44を示す。
図33(b)は、
図33(a)に続く、サイズが変更された判定領域44を示す。
図33(c)は、
図33(b)に続く、サイズが変更された判定領域44を示す。
図33(d)は、
図33(c)に続く、サイズが変更された判定領域44を示す。
【0205】
図33(a)と
図33(b)に示すように、設定部32は、指先50が第1判定領域44_1に位置する場合、第1判定領域44_1を第6判定領域44_6側と第6判定領域44_6の反対側とに広げ、かつ、第6判定領域44_6を狭める。
【0206】
設定部32は、その後、指先50が、広がった第1判定領域44_1から狭まった第6判定領域44_6に移動した場合、第6判定領域44_6を第1判定領域44_1側と第11判定領域44_11側に広げ、かつ、第1判定領域44_1を狭める。
【0207】
設定部32は、指先50が複数の判定領域44のいずれかに位置する場合、上記の処理を実行する。
【0208】
この例では、指先50が基準サイズの第1判定領域44_1と第6判定領域44_6の境界に位置する場合に、誤入力を抑制できる。
【0209】
なお、設定部32は、指先50が第1判定領域44_1に位置する場合、第1判定領域44_1を第6判定領域44_6側のみに広げてもよく、第1判定領域44_1を上下方向に広げてもよく、第1判定領域44_1を上下方向および左右方向に広げてもよい。
【0210】
以上、本開示について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0211】
例えば、第5の実施の形態を第3の実施の形態に組み合わせてもよい。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
【0212】
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第5の実施の形態、および第6の実施の形態のそれぞれにおいて、表示面15に平行な断面における、判定領域44と選択領域R1のそれぞれの断面積は、表示領域40の面積より大きくてもよい。
図34は、第1の実施の形態の変形例の情報処理システム1における文字入力動作を説明するための図である。
図34(a)は、ディスプレイ14の平面図であり、
図34(b)は、ディスプレイ14の側面図であり、
図34(c)は、ディスプレイ14の上面図である。
【0213】
図34に示すように、表示面15に平行な断面において、判定領域44と選択領域R1のそれぞれは、X軸の方向に表示領域40より長い。そのため、
図3の例と比較して、指先50が判定領域44と選択領域R1から左右方向に外れにくい。よって、例えば、入力する文字を迷うことなどで指先50が第2表示領域40_2側に意図せず移動しても、
図3の例と比較して、意図しない第2表示領域40_2が指定され難くできる。また、決定動作時に指先50の位置が左右方向にぶれてしまっても、
図3の例と比較して、入力ミスを抑制できる。
【0214】
なお、表示面15に平行な断面において、判定領域44と選択領域R1のそれぞれは、Y軸の方向に表示領域40より長くてもよい。この場合、
図3の例と比較して、指先50が判定領域44と選択領域R1から上下方向に外れにくい。また、表示面15に平行な断面において、判定領域44と選択領域R1のそれぞれは、X軸とY軸のそれぞれの方向に表示領域40より長くてもよい。この場合、
図3の例と比較して、指先50が判定領域44と選択領域R1から上下方向と左右方向に外れにくい。
【0215】
本開示の一態様は、次の通りである。
【0216】
[項目1]
ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、
前記表示面において第1文字情報グループに関する情報が表示される第1表示領域の座標と、前記検知対象物により前記第1表示領域が指定された時刻である基準時刻の前記検知対象物の空間座標と、に基づいて、前記第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定する設定部と、
前記第1判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、
前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記第1表示領域に表示させる表示出力部と、
を備える制御装置。
この態様によれば、ユーザが指定した表示領域に関する判定領域を所望の位置に設定できる。よって、ディスプレイの表示面のサイズによらず、空中動作により文字情報を選択しやすい。
【0217】
[項目2]
前記設定部は、前記基準時刻における前記検知対象物の空間座標と、前記第1表示領域と、を結ぶ直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定する、
項目1に記載の制御装置。
この場合、表示面に対して任意の方向から第1表示領域に検知対象物を近づけることで、第1文字情報を選択できる。
【0218】
[項目3]
前記設定部は、前記基準時刻における前記検知対象物の空間座標と、前記表示面と、を結ぶ直線であって、前記表示面の法線である直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定する、
項目1に記載の制御装置。
この場合、表示面の法線方向に沿って表示面に検知対象物を近づけることで、第1文字情報を選択できる。
【0219】
[項目4]
前記設定部は、前記第1文字情報グループに含まれる第2文字情報に対応付けられた第2判定領域を、前記直線に交差するように設定し、
前記判定部は、前記第2判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記第1表示領域に表示させる、
項目2または3に記載の制御装置。
この場合、表示面に検知対象物を近づけることで、第1文字情報または第2文字情報を選択できる。
【0220】
[項目5]
前記表示出力部は、第2文字情報グループに関する情報を前記表示面の第2表示領域に表示させ、
前記判定部は、前記検知対象物の空間座標と、前記第1表示領域の座標と、前記第2表示領域の座標と、に基づいて、前記検知対象物が前記第1表示領域と前記第2表示領域のいずれかを指定しているか否かを判定し、
前記設定部は、
前記検知対象物が前記第1表示領域を指定していると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記第1判定領域に対応付け、前記第1判定領域を設定し、
前記検知対象物が前記第2表示領域を指定していると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報グループに含まれる第2文字情報を前記第1判定領域に対応付け、前記検知対象物により前記第2表示領域が指定された時刻である前記基準時刻の前記検知対象物の空間座標に基づいて、前記第1判定領域を設定する、
項目1から3のいずれかに記載の制御装置。
この場合、所望の文字情報グループを指定できる。
【0221】
[項目6]
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記第1表示領域に表示させ、かつ、前記第1文字情報に関連付けられた第2文字情報を前記第1表示領域に隣接する第2表示領域に表示させる、
項目2に記載の制御装置。
この場合、選択した第1文字情報の隣に、関連する第2文字情報を表示できる。
【0222】
[項目7]
前記設定部は、前記第1文字情報グループに含まれる第3文字情報に対応付けられた第2判定領域を、前記直線に交差するように設定し、
前記判定部は、前記第2判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第3文字情報を前記第1表示領域に表示させ、かつ、前記第3文字情報に関連付けられた第4文字情報を前記第2表示領域に表示させる、
項目6に記載の制御装置。
この場合、第1文字情報または第3文字情報を選択でき、選択した文字情報の隣に、関連する文字情報を表示できる。
【0223】
[項目8]
前記表示面は、入力された文字が表示される入力表示領域を有し、
前記判定部は、前記検知対象物によって第1決定動作または第2決定動作が行われたか否か、および、前記検知対象物が前記第2表示領域を指定しているか否かを判定し、
前記表示出力部は、
前記検知対象物が前記第1判定領域に位置し、かつ第1決定動作が行われたと前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記入力表示領域に表示させ、
前記検知対象物が前記第2表示領域を指定し、かつ第2決定動作が行われたと前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記入力表示領域に表示させる、
項目6または7に記載の制御装置。
この場合、第1文字情報または第2文字情報を入力できる。
【0224】
[項目9]
前記第1文字情報と前記第2文字情報は、それぞれ、所定の文字から始まる1または複数の単語の情報を含む、
項目4に記載の制御装置。
この場合、単語を選択できる。
【0225】
[項目10]
前記設定部は、前記第1文字情報グループに含まれる第3文字情報に対応付けられた第3判定領域を、前記直線に交差するように設定し、
前記検知対象物側から前記表示面側に、前記第1判定領域、前記第2判定領域、前記第3判定領域の順に並び、
前記第1判定領域と前記第2判定領域との前記直線に沿った間隔は、前記第2判定領域と前記第3判定領域との前記直線に沿った間隔と等しい、
項目4に記載の制御装置。
この場合、基準時刻の検知対象物の位置によらず、隣り合う2つの判定領域の間における検知対象物の移動距離を同等にできる。
【0226】
[項目11]
前記設定部は、前記基準時刻から所定時間後における前記検知対象物の移動速度が速いほど、前記第1判定領域と前記第2判定領域との前記直線に沿った間隔を広く設定する、
項目4に記載の制御装置。
この場合、検知対象物の移動速度が速い場合に判定領域を選択しやすい。
【0227】
[項目12]
前記第1文字情報と前記第2文字情報は、それぞれ数字の情報であり、
前記設定部は、前記基準時刻から前記所定時間後における前記検知対象物の移動速度が速いほど、前記第1文字情報の数字と、前記第2文字情報の数字との差を大きく設定する、
項目11に記載の制御装置。
この場合、検知対象物の移動速度に応じて選択可能な数字を変更できる。
【0228】
[項目13]
前記第2判定領域は、前記第1判定領域よりも前記表示面側に位置し、
前記第2判定領域の体積は、前記第1判定領域の体積よりも大きい、
項目4に記載の制御装置。
この場合、表示面に近い判定領域を選択しやすい。
【0229】
[項目14]
前記第2判定領域は、前記第1判定領域よりも前記表示面側に位置し、
前記表示面に平行な断面における、前記第2判定領域の断面積は、前記表示面に平行な断面における、前記第1判定領域の断面積よりも大きい、
項目4に記載の制御装置。
この場合、表示面に近い判定領域を選択しやすい。
【0230】
[項目15]
前記第2判定領域は、前記第1判定領域よりも前記表示面側に位置し、
前記直線に沿った前記第2判定領域の長さは、前記直線に沿った前記第1判定領域の長さよりも長い、
項目4に記載の制御装置。
この場合、表示面に近い判定領域を選択しやすい。
【0231】
[項目16]
前記設定部は、前記第1文字情報グループに含まれる第3文字情報に対応付けられた第3判定領域を、前記直線に交差するように設定し、
前記検知対象物側から前記表示面側に、前記第1判定領域、前記第2判定領域、前記第3判定領域の順に並び、
前記第2判定領域と前記第3判定領域との前記直線に沿った間隔は、前記第1判定領域と前記第2判定領域との前記直線に沿った間隔より広く、
前記第1文字情報は、所定数を第1指数で累乗した数字であり、
前記第2文字情報は、前記所定数を前記第1指数より大きい第2指数で累乗した数字であり、
前記第3文字情報は、前記所定数を前記第2指数より大きい第3指数で累乗した数字である、
項目4に記載の制御装置。
この場合、累乗で変化する数字を選択できる。
【0232】
[項目17]
前記第1判定領域と前記第2判定領域は、前記直線に沿って隣接し、
前記設定部は、前記検知対象物が前記第2判定領域に位置する場合、前記第2判定領域を前記第1判定領域側に広げ、かつ、前記第1判定領域を狭める、
項目4に記載の制御装置。
この場合、検知対象物が第1判定領域と第2判定領域の境界に位置する場合に文字情報の表示が不安定になることを抑制できる。
【0233】
[項目18]
前記表示面は、入力された文字が表示される入力表示領域を有し、
前記判定部は、前記検知対象物によって決定動作が行われたか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第1判定領域に位置し、かつ決定動作が行われたと前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記入力表示領域に表示させる、
項目1から項目5、項目9から項目17のいずれか一項に記載の制御装置。
この場合、文字情報を入力できる。
【0234】
[項目19]
ディスプレイの表示面の前に位置する第1検知対象物と第2検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、
所定の入力開始条件が満たされた時刻である基準時刻の前記第1検知対象物の空間座標に基づいて、第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定し、前記基準時刻の前記第2検知対象物の空間座標に基づいて、第2文字情報グループに含まれる第2文字情報に対応付けられた第2判定領域を設定する設定部と、
前記第1判定領域と前記第2判定領域が設定された後、前記第1検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否か、および、前記第2検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、
前記第1検知対象物が前記第1判定領域に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記表示面の第1表示領域に表示させ、前記第2検知対象物が前記第2判定領域に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記表示面の第2表示領域に表示させる表示出力部と、
を備える制御装置。
この態様によれば、複数の検知対象物により文字情報を選択できる。
【0235】
[項目20]
前記設定部は、
前記基準時刻における前記第1検知対象物の空間座標と、前記第1表示領域と、を結ぶ第1直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定し、
前記基準時刻における前記第2検知対象物の空間座標と、前記第2表示領域と、を結ぶ第2直線に前記第2判定領域が交差するように、前記第2判定領域を設定する、
項目19に記載の制御装置。
この場合、表示面に対して任意の方向から第1表示領域に第1検知対象物を近づけることで、第1文字情報を選択できる。表示面に対して任意の方向から第2表示領域に第2検知対象物を近づけることで、第2文字情報を選択できる。
【0236】
[項目21]
前記設定部は、
前記基準時刻における前記第1検知対象物の空間座標と、前記表示面と、を結ぶ第1直線であって、前記表示面の法線である第1直線に前記第1判定領域が交差するように、前記第1判定領域を設定し、
前記基準時刻における前記第2検知対象物の空間座標と、前記表示面と、を結ぶ第2直線であって、前記表示面の法線である第2直線に前記第2判定領域が交差するように、前記第2判定領域を設定する、
項目19に記載の制御装置。
この場合、表示面の法線方向に沿って表示面に第1検知対象物を近づけることで、第1文字情報を選択できる。表示面の法線方向に沿って表示面に第2検知対象物を近づけることで、第2文字情報を選択できる。
【0237】
[項目22]
前記設定部は、
前記第1文字情報グループに含まれる第3文字情報に対応付けられた第3判定領域を、前記第1直線に交差するように設定し、
前記第2文字情報グループに含まれる第4文字情報に対応付けられた第4判定領域を、前記第2直線に交差するように設定し、
前記判定部は、
前記第3判定領域が設定された後、前記第1検知対象物が前記第3判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記第4判定領域が設定された後、前記第2検知対象物が前記第4判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、
前記第1検知対象物が前記第3判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第3文字情報を前記第1表示領域に表示させ、
前記第2検知対象物が前記第4判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第4文字情報を前記第2表示領域に表示させる、
項目20または21に記載の制御装置。
この場合、表示面に第1検知対象物を近づけることで、第1文字情報または第3文字情報を選択できる。表示面に第2検知対象物を近づけることで、第2文字情報または第4文字情報を選択できる。
【0238】
[項目23]
ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得する座標取得部と、
前記検知対象物が所定の入力空間に入ったときの前記検知対象物の空間座標を基準として、第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定する設定部と、
前記第1判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否かを判定する判定部と、
前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記表示面に表示させる表示出力部と、
を備える制御装置。
この態様によれば、入力空間におけるユーザの所望の位置に第1判定領域を設定できる。よって、空中動作により文字情報を選択しやすい。
【0239】
[項目24]
前記設定部は、前記表示面に平行な面内、または、前記表示面に交差する面内に、前記第1判定領域と、第2文字情報に対応付けられた第2判定領域と、を設定し、
前記判定部は、前記第2判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定し、
前記表示出力部は、前記検知対象物が前記第2判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第2文字情報を前記表示面に表示させる、
項目23に記載の制御装置。
この場合、表示面に平行な面内、または、表示面に交差する面内で文字情報を選択できる。
【0240】
[項目25]
前記第1判定領域と前記第2判定領域は、隣接し、
前記設定部は、前記検知対象物が前記第1判定領域に位置する場合、前記第1判定領域を前記第2判定領域側に広げ、かつ、前記第2判定領域を狭める、
項目24に記載の制御装置。
この場合、検知対象物が第1判定領域と第2判定領域の境界に位置する場合に文字情報の表示が不安定になることを抑制できる。
【0241】
[項目26]
ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得するステップと、
前記表示面において第1文字情報グループに関する情報が表示される第1表示領域の座標と、前記検知対象物により前記第1表示領域が指定された時刻である基準時刻の前記検知対象物の空間座標と、に基づいて、前記第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定するステップと、
前記第1判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否かを判定するステップと、
前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると判定された場合、前記第1文字情報を前記第1表示領域に表示させるステップと、
を備える制御方法。
この態様によれば、ディスプレイの表示面のサイズによらず、空中動作により文字情報を選択しやすい。
【0242】
[項目27]
ディスプレイの表示面の前に位置する第1検知対象物と第2検知対象物の空間座標を取得するステップと、
所定の入力開始条件が満たされた時刻である基準時刻の前記第1検知対象物の空間座標に基づいて、第1文字情報グループに含まれる第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定し、前記基準時刻の前記第2検知対象物の空間座標に基づいて、第2文字情報グループに含まれる第2文字情報に対応付けられた第2判定領域を設定するステップと、
前記第1判定領域と前記第2判定領域が設定された後、前記第1検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否か、および、前記第2検知対象物が前記第2判定領域内に位置するか否かを判定するステップと、
前記第1検知対象物が前記第1判定領域に位置すると判定された場合、前記第1文字情報を前記表示面の第1表示領域に表示させ、前記第2検知対象物が前記第2判定領域に位置すると判定された場合、前記第2文字情報を前記表示面の第2表示領域に表示させるステップと、
を備える制御方法。
この態様によれば、複数の検知対象物により文字情報を選択できる。
【0243】
[項目28]
ディスプレイの表示面の前に位置する検知対象物の空間座標を取得するステップと、
前記検知対象物が所定の入力空間に入ったときの前記検知対象物の空間座標を基準として、第1文字情報に対応付けられた第1判定領域を設定するステップと、
前記第1判定領域が設定された後、前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置するか否かを判定するステップと、
前記検知対象物が前記第1判定領域内に位置すると前記判定部が判定した場合、前記第1文字情報を前記表示面に表示させるステップと、
を備える制御方法。
この態様によれば、空中動作により文字情報を選択しやすい。
【符号の説明】
【0244】
1…情報処理システム、10…センサ、12…制御装置、14…ディスプレイ、15…表示面、20…制御部、22…記憶部、24…画像取得部、26…座標取得部、28…算出部、30…判定部、32…設定部、34…機能実行部、36…表示出力部、40…表示領域、42…入力表示領域、44…判定領域、48…入力空間、60…表示領域。