(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080227
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】ガイド部材及び遮光装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/58 20060101AFI20240606BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
E06B9/58 A
E06B9/42 B
E06B9/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193250
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】椎名 宣博
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042CA01
2E042DA01
(57)【要約】
【課題】 2つのファスナーを適切にスライダーにガイドするガイド部材及びガイド部材を備える遮光装置が提供を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガイド部材40は、それぞれが第1方向に延在する第1ガイドレール41及び第2ガイドレール42を備え、第1ガイドレール41は、第1スクリーン11が巻き下ろされる際に、第1スクリーン11の側縁部に設けられた第1ファスナー14をスライダー50に向かってガイドし、第2ガイドレール42は、第2スクリーン21が巻き下ろされる際に、第2スクリーン21の側縁部に設けられた第2ファスナー24をスライダー50に向かってガイドし、第1ガイドレール41及び第2ガイドレール42は、第1ファスナー14と第2ファスナー24との位置関係を、第1ファスナー14と第2ファスナー24とがスライダー50において結合される位置関係に調整する。遮光装置1は、ガイド部材40を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パイプの回転に伴い第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第1スクリーンと、前記第1方向から見る場合に前記第1パイプに対して所定の角度で配置された第2パイプの回転に伴い前記第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第2スクリーンと、を含む遮光装置に用いられるガイド部材であって、
それぞれが前記第1方向に延在する第1ガイドレール及び第2ガイドレールを備え、
前記第1ガイドレールは、前記第1スクリーンが巻き下ろされる際に、前記第1スクリーンの側縁部に設けられた第1ファスナーをスライダーに向かってガイドし、
前記第2ガイドレールは、前記第2スクリーンが巻き下ろされる際に、前記第2スクリーンの側縁部に設けられた第2ファスナーを前記スライダーに向かってガイドし、
前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールは、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとの位置関係を、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとが前記スライダーにおいて結合される位置関係に調整する、ガイド部材。
【請求項2】
前記第1方向において、前記スライダーに対して前記第1ガイドレールの側及び前記第2ガイドレールの側とは反対側に配置される第3ガイドレールをさらに備え、
前記第3ガイドレールは、前記スライダーによって結合された前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとの結合部を前記第1方向に沿ってガイドする、請求項1に記載のガイド部材。
【請求項3】
前記第3ガイドレールは、前記第1方向から見る場合における前記結合部の両側で、前記第1方向に延在する1対の板部を含む、請求項2に記載のガイド部材。
【請求項4】
前記第3ガイドレールは、前記1対の板部を連結するとともに前記第1方向に延在する連結板部を含む、請求項3に記載のガイド部材。
【請求項5】
前記第1方向から見る場合に、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールは、前記第1方向に垂直な第2方向に延びる同一直線上に並んでいる、請求項1から4のいずれか1項に記載のガイド部材。
【請求項6】
前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールのそれぞれは、前記第1方向に沿って直線状に延在している、請求項5に記載のガイド部材。
【請求項7】
前記第1方向から見る場合に、
前記第1ガイドレールの前記第1パイプ側の端部と、前記第2ガイドレールの前記第2パイプ側の端部とがなす角度が、0°よりも大きく180°よりも小さく又は180°よりも大きく360°よりも小さく、
前記第1ガイドレールの前記スライダー側の端部及び前記第2ガイドレールの前記スライダー側の端部は、前記第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に並んでおり、
前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールが互いに対称にツイストしている、
請求項1から4のいずれか1項に記載のガイド部材。
【請求項8】
前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールの少なくとも一方の内部空間において、前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとの境界側とは反対側が開放されており、前記内部空間のうち開放されている側には、当該内部空間の他の領域よりも狭隘な狭隘空間が形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のガイド部材。
【請求項9】
前記狭隘空間は、前記内部空間を画定する前記ガイド部材の内面から前記内部空間に向かって突出する凸部によって形成される、請求項8に記載のガイド部材。
【請求項10】
前記第1方向における前記凸部の少なくとも一方側の端部は、前記第1方向に対して傾斜する傾斜面となっている、請求項9に記載のガイド部材。
【請求項11】
第1パイプの回転に伴い第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第1スクリーンと、
前記第1方向から見る場合に前記第1パイプに対して所定の角度で配置された第2パイプの回転に伴い前記第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第2スクリーンと、
請求項1に記載のガイド部材と、
を備える、遮光装置。
【請求項12】
前記第1スクリーンの前記第1方向における前記第1パイプ側とは反対側の縁部に配置される第1フレームと、前記第2スクリーンの前記第1方向における前記第2パイプ側とは反対側の縁部に配置される第2フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとを連結する連結部と、を含むフレーム材をさらに備える、請求項11に記載の遮光装置。
【請求項13】
前記連結部は、前記第1スクリーン及び前記第2スクリーンのそれぞれから離間して前記第1スクリーンと前記第2スクリーンとに跨っている、請求項12に記載の遮光装置。
【請求項14】
前記連結部は、前記第1方向から見る場合における前記第1フレームと前記第2フレームとがなす角度を調整可能に構成されている、請求項12に記載の遮光装置。
【請求項15】
前記第1パイプと前記第2パイプとは、前記第1方向において位置をずらして配置されている、請求項11から14のいずれか1項に記載の遮光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド部材及びガイド部材を備えた遮光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプが回転することによって巻き上げ又は巻き下げがされるスクリーンを並べて構成した遮光装置が知られている。このような遮光装置の中には、並べられた2つのスクリーンのそれぞれの側縁部にファスナーを設け、これらのファスナーを結合させることによって、スクリーン間に隙間が生じないようにした遮光装置がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたような遮光装置では、2つのスクリーンのそれぞれのファスナーを結合させるために、2つのファスナーを適切にスライダーにガイドする必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、2つのファスナーを適切にスライダーにガイドし得るガイド部材及びガイド部材を備えた遮光装置を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガイド部材は、第1パイプの回転に伴い第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第1スクリーンと、前記第1方向から見る場合に前記第1パイプに対して所定の角度で配置された第2パイプの回転に伴い前記第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第2スクリーンと、を含む遮光装置に用いられるガイド部材であって、それぞれが前記第1方向に延在する第1ガイドレール及び第2ガイドレールを備え、前記第1ガイドレールは、前記第1スクリーンが巻き下ろされる際に、前記第1スクリーンの側縁部に設けられた第1ファスナーをスライダーに向かってガイドし、前記第2ガイドレールは、前記第2スクリーンが巻き下ろされる際に、前記第2スクリーンの側縁部に設けられた第2ファスナーを前記スライダーに向かってガイドし、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールは、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとの位置関係を、前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとが前記スライダーにおいて結合される位置関係に調整する。
【0007】
このようなガイド部材は、以下の構成の少なくとも1つをさらに備えてもよい。
【0008】
上記ガイド部材は、前記第1方向において、前記スライダーに対して前記第1ガイドレールの側及び前記第2ガイドレールの側とは反対側に配置される第3ガイドレールをさらに備え、前記第3ガイドレールは、前記スライダーによって結合された前記第1ファスナーと前記第2ファスナーとの結合部を前記第1方向に沿ってガイドしてもよい。この場合、前記第3ガイドレールは、前記第1方向から見る場合における前記結合部の両側で、前記第1方向に延在する1対の板部を含んでもよい。また、前記第3ガイドレールは、前記1対の板部を連結するとともに前記第1方向に延在する連結板部を含んでもよい。
【0009】
また、前記第1方向から見る場合に、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールは、前記第1方向に垂直な第2方向に延びる同一直線上に並んでいてもよい。また、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールのそれぞれは、前記第1方向に沿って直線状に延在していてもよい。
【0010】
また、前記第1方向から見る場合に、前記第1ガイドレールの前記第1パイプ側の端部と、前記第2ガイドレールの前記第2パイプ側の端部とがなす角度が、0°よりも大きく180°よりも小さく又は180°よりも大きく360°よりも小さく、かつ、前記第1ガイドレールの前記スライダー側の端部及び前記第2ガイドレールの前記スライダー側の端部は、前記第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に並んでいてもよい。この場合、前記第1方向から見る場合に、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールは互いに対称にツイストしていてもよい。
【0011】
また、前記第1ガイドレールの内部には、前記第2ガイドレールとの境界側とは反対側が開放された第1内部空間が形成されており、前記第1内部空間の開放されている側には、前記第1内部空間の他の領域よりも狭隘な第1狭隘空間が形成されていてもよい。また、前記第2ガイドレールの内部には、前記第1ガイドレールとの境界側とは反対側が開放された第2内部空間が形成されており、前記第2内部空間の開放されている側には、前記第2内部空間の他の領域よりも狭隘な第2狭隘空間が形成されていてもよい。すなわち、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールの少なくとも一方の内部空間において、前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとの境界側とは反対側が開放されており、前記内部空間のうち開放されている側には、当該内部空間の他の領域よりも狭隘な狭隘空間が形成されていてもよい。
【0012】
また、前記第1狭隘空間は、前記第1内部空間を画定する前記第1ガイドレールの内面から前記第1内部空間に向かって突出する凸部によって形成されてもよい。また、前記第2狭隘空間は、前記第2内部空間を画定する前記第2ガイドレールの内面から前記第2内部空間に向かって突出する凸部によって形成されていてもよい。すなわち、前記狭隘空間は、前記内部空間を画定する前記ガイド部材の内面から前記内部空間に向かって突出する凸部によって形成されていてもよい。また、前記第1方向における前記凸部の少なくとも一方側の端部は、前記第1方向に対して傾斜する傾斜面となっていてもよい。
【0013】
また、本発明に係る遮光装置は、第1パイプの回転に伴い第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第1スクリーンと、前記第1方向から見る場合に前記第1パイプに対して所定の角度で配置された第2パイプの回転に伴い前記第1方向に沿って巻き上げられ又は巻き下ろされる第2スクリーンと、上述のいずれかのガイド部材と、を備える遮光装置である。
【0014】
このような遮光装置は、以下の構成の少なくとも1つをさらに備えてもよい。
【0015】
上記遮光装置は、前記第1スクリーンの前記第1方向における前記第1パイプ側とは反対側の縁部に配置される第1フレームと、前記第2スクリーンの前記第1方向における前記第2パイプ側とは反対側の縁部に配置される第2フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとを連結する連結部と、を含むフレーム材をさらに備えてもよい。この場合、前記連結部は、前記第1スクリーン及び前記第2スクリーンのそれぞれから離間して前記第1スクリーンと前記第2スクリーンとに跨っていてもよい。また、前記連結部は、前記第1方向から見る場合における前記第1フレームと前記第2フレームとがなす角度を調整可能に構成されていてもよい。また、前記第1フレーム及び前記第2フレームの少なくとも一方は、全長を調整可能に構成されていてもよい。
【0016】
また、前記第1パイプと前記第2パイプとは、前記第1方向において位置をずらして配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、2つのファスナーを適切にスライダーにガイドし得るガイド部材及びこのガイド部材を備える遮光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示される遮光装置が備えるスライダー及びその近傍を床面側から見て概略的に示す図である。
【
図3】
図1に示される遮光装置が備えるガイド部材を天井側かつ室内側から見た平面斜視図である。
【
図4】
図3に示されるガイド部材を床側から見た底面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
【
図7】
図6に示される遮光装置が備えるスライダー及びその近傍を床面側から見て概略的に示す図である。
【
図8】
図6に示される遮光装置が備えるガイド部材を天井側かつ室内側から見た平面斜視図である。
【
図9】
図8に示されるガイド部材を床側かつ壁側から見た底面斜視図である。
【
図10】
図8に示されるガイド部材をスライダーとともに示す側面図である。
【
図11】
図8に示されるガイド部材をスクリーンの一部とともに示す底面図である。
【
図12】
図8に示されるガイド部材の変形例を天井側かつ室内側から見た平面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るガイド部材及び遮光装置を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、上記添付図面では、理解を容易にするために各部材の寸法が誇張又は縮小して示されていたり、形状が簡略化されて示されていたり、ハッチングが省略されて示されていたりする場合がある。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態における遮光装置1は、第1パイプ10と、第1パイプ10に並んで配置された第2パイプ20と、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11と、第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21と、ガイド部材40と、スライダー50とを主な構成として備えている。
【0021】
第1パイプ10と第2パイプ20とのそれぞれには、不図示のモータが組み込まれており、これらのモータは、不図示の操作装置が操作されることによって、同期して回転するように構成されている。したがって、操作装置に対する操作に応じて各モータが回転すると、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して回転する。そして、これに応じて、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11と、第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21とが、同期して、第1パイプ10及び第2パイプ20が位置する側である天井側に向かって巻き上げられ、又は、床側に向かって巻き下ろされる。なお、第1パイプ10及び第2パイプ20が巻き上げられ又は巻き下ろされる方向は概ね鉛直方向であり、以下、第1パイプ10及び第2パイプ20が巻き上げられ又は巻き下ろされる方向を第1方向と記載する場合がある。
【0022】
本実施形態において、第1パイプ10と第2パイプ20とは、互いの長手方向が平行になるように並んでいる。別言すれば、第1方向から見る場合に、第1パイプ10と第2パイプ20とは、いずれも第1方向に垂直な第2方向において延在しており、第2パイプ20は第1パイプ10に対して180°の角度で配置されている。すなわち、遮光装置1は、第1方向及び第2方向に延在する壁面90に沿って配置されており、この壁面90に設けられた窓などの透光部91を第1スクリーン11及び第2スクリーン21によって室内側で遮光するように配置されている。第2方向において、第1パイプ10の第2パイプ20側の端部10E1と第2パイプ20の第1パイプ10側の端部20E1とは、同じ位置にある。また、第1パイプ10及び第2パイプ20は、第1方向及び第2方向に垂直な(すなわち、壁面90に垂直な)第3方向において同じ位置にある。一方、第1方向において、第1パイプ10と第2パイプ20とは、位置をずらして配置されている。具体的には、本実施形態では、第1パイプ10が第2パイプ20よりも天井側に配置されている。なお、第2パイプ20を第1パイプ10よりも天井側に配置してもよい。このように第1方向において第1パイプ10と第2パイプ20とが位置をずらして配置されていることによって、第2方向において第1パイプ10の端部10E1と第2パイプ20の端部20E1とを同じ位置にすることができ、その結果、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11と第2パイプに巻回された第2スクリーン21とを互いにより近接させることが可能となる。
【0023】
本実施形態では、壁面90に板状部材30が取り付けられている。第1パイプ10の端部10E1と第2パイプ20の端部20E1とは、この板状部材30に固定されている(すなわち、壁面90に間接的に固定されている)。第1パイプ10の端部10E1とは反対側の端部10E2及び第2パイプ20の端部20E1とは反対側の端部20E2は、それぞれ、壁面90に直接的に固定されている。
【0024】
第1スクリーン11は、巻き下ろされた部分が長方形又は正方形になるように形成されており、本体部12と、可撓部13と、第1ファスナー14と含んでいる。第2スクリーン21は、巻き下ろされた部分が長方形又は正方形になるように形成されており、本体部22と、可撓部23と、第2ファスナー24とを含んでいる。本体部12及び本体部22のそれぞれは、透光部91を透過して室内に入った光を少なくとも一定程度遮光できる材料から形成されており、本体部12は第1スクリーン11の大部分を、本体部22は第2スクリーン21の大部分を、それぞれ占めている。本実施形態において、第1スクリーン11は第1パイプ10の中心軸に対して室内側で、第2スクリーン21は第2パイプ20の中心軸に対して室内側で、それぞれ巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置されている。ただし、これに限定されず、第1スクリーン11及び第2スクリーン21がパイプ10,20の中心軸に対して壁面90側で巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置してもよい。
【0025】
第1スクリーン11の第1ファスナー14は、第2方向における第1スクリーン11の一方側(第2スクリーン21側)の側縁部に第1方向に沿って形成されている。第1スクリーン11の可撓部13は、可撓性を有する材料で形成されており、第1ファスナー14と本体部12とを連結している。第1ファスナー14と本体部12との間に可撓部13が介在することによって、第1ファスナー14は、本体部12に対して柔軟に動くことができる。第2スクリーン21の第2ファスナー24は、第2方向における第2スクリーン21の他方側(第1スクリーン11側)の側縁部に第1方向に沿って形成されている。第2スクリーン21の可撓部23は、可撓性を有する材料で形成されており、第2ファスナー24と本体部22とを連結している。第2ファスナー24と本体部22との間に可撓部23が介在することによって、第2ファスナー24は本体部22に対して柔軟に動くことができる。
【0026】
スライダー50は、壁面90に間接的に固定されている。具体的には、板状部材30には、板状部材30から室内側に向かって第3方向に延びる連結部51が固定されており、スライダー50は、この連結部51の端部に、連結部51に対して概ね垂直な状態(すなわち、第1方向に概ね平行な状態)で固定されている。
図2は、スライダー50及びその近傍を床面側(下側)から見て概略的に示す図である。
図2に示すように、スライダー50には、スライダー50を第1方向に貫通する貫通空間50Pが形成されている。第1方向から見る場合に、貫通空間50Pは第2方向に沿って概ね直線状に延在している。貫通空間50Pの第3方向における厚みは、第1ファスナー14及び第2ファスナー24のそれぞれの第3方向の厚みよりもやや大きい。第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き下ろされる際、第1ファスナー14及び第2ファスナー24が、互いに近接する状態でかつ第2方向に延びる同一直線上に概ね位置する状態で貫通空間50Pを通過することによって、この貫通空間50Pにおいて両者が互いに結合され、ファスナー結合部FC(結合部)が形成される。反対に、第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き上げられる場合、このスライダー50においてファスナー結合部FCが第1ファスナー14と第2ファスナー24とに分離される。
【0027】
図1において、第1ファスナー14のうちスライダー50よりも床側の部分と、第2ファスナー24のうちスライダー50よりも床側の部分とは、互いに結合してファスナー結合部FCを形成している。したがって、ファスナー結合部FCにおいて、第1スクリーン11と第2スクリーン21とは一体化しており、第1スクリーン11と第2スクリーン21との間の隙間が塞がれている。本実施形態では、第1方向において、第1スクリーン11の床側の縁部(下端)と第2スクリーン21の床側の縁部(下端)とは同じ位置にあり、ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている。ただし、ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている必要はなく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端よりも天井側(上側)にファスナー結合部FCの下端が位置してもよい。
【0028】
上記のように、第1パイプ10及び第2パイプ20のそれぞれは第2方向に平行に配置されており、かつ、第3方向における位置が同じである。このため、第1パイプ10から巻き下ろされた第1スクリーン11及び第2パイプ20から巻き下ろされた第2スクリーン21は、それぞれ、壁面90(及び透光部91)と平行であり、かつ、第3方向において概ね同じ位置にある。すなわち、第1パイプ10から巻き下ろされた第1スクリーン11及び第2パイプ20から巻き下ろされた第2スクリーン21は、ファスナー結合部FCを介して一体化しているとともに、壁面90に平行な概ね面一の状態にある。
【0029】
第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端(パイプ側とは反対側の縁部)には、フレーム材60が取り付けられている。このフレーム材60は、第1スクリーン11の下端に配置される第1フレーム61と、第2スクリーン21の下端に配置される第2フレーム62と、第1フレーム61と第2フレーム62とを連結する連結部63とを含んでいる。第1フレーム61と第2フレーム62とは、第2方向に延びる同一直線上に配置されている。すなわち、第1方向から見る場合の第1フレーム61と第2フレーム62とがなす角度θ1は180°である。なお、角度θ1は、第1方向から見た場合の第1フレームと第2フレームとがなす角度のうち室内側の角度である。このようなフレーム材60が設けられることにより、第1スクリーン11及び第2スクリーン21にウエイトが付与されるとともに、第1スクリーン11と第2スクリーン21とが、壁面90に平行な面一の状態に維持されている。また、本実施形態において、連結部63は、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれから離間して第1スクリーン11と第2スクリーン21とに跨っている。すなわち、連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空間が介在している。このため、ファスナー結合部FCは、この連結部63に干渉されることなく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端部まで延在している。
【0030】
第2方向において、第1スクリーン11の第1ファスナー14側とは反対側の側縁部の一部には、第1方向に沿って延びる側縁フレーム70Aが任意に取り付けられてもよい。同様に、第2方向において、第2スクリーン21の第2ファスナー24側とは反対側の側縁部の一部には、第1方向に沿って延びる側縁フレーム70Bが任意に取り付けられてもよい。これらの側縁フレーム70A,70Bは、同様の構成を有しており、内部に第1方向に延在するインナーレールが設けられている。第1スクリーン11の第1ファスナー14側とは反対側の側縁部及び第2スクリーン21の第2ファスナー24側とは反対側の側縁部は、このインナーレールを通過するように側縁フレーム70A,70Bに取り付けれている。したがって、これらの側縁部は、側縁フレーム70A,70Bによって第1方向にガイドされ、また、第1スクリーン11及び第2スクリーン21は、側縁フレーム70A,70Bによって安定して支持される。
【0031】
次に、ガイド部材40について説明する。
【0032】
図1に示すように、第1方向において、ガイド部材40は、スライダー50の直上かつ第2パイプ20よりも下側(床側)かつ第1パイプ10よりも下側(床側)に配置されている。また、本実施形態において、ガイド部材40及びスライダー50は、第1方向に延びる同一直線上に整列している。ガイド部材40は、不図示の構成により、板状部材30を介して又は直接的に壁面90に固定されている。なお、
図1では、ガイド部材40の形状は概略的にしか示されておらず、ガイド部材40の実際の形状は
図1に示すものとは異なっている。
【0033】
図3は、ガイド部材40を天井側(上側)かつ室内側から見た平面斜視図である。
図4は、ガイド部材40を床側(下側)から見た底面図である。
図5は、ガイド部材40を後述する第2ガイドレール42側から見た側面図である。
【0034】
図3から
図5に示すように、ガイド部材40は、本体部40Aと、連結部40Bと、固定部40Cと、を有している。
【0035】
本実施形態において、固定部40Cは、矩形の板状部材であり、具体的には、第3方向から見る場合に、第2方向を長辺が延びる方向かつ第1方向を短辺が延びる方向とする矩形に形成されている。固定部40Cの第2方向におけるそれぞれの縁部近傍には、ガイド部材40を壁面90に固定するためのネジ等の固定部材を挿通するための挿通孔40Hが形成されている。固定部40Cの第2方向における中央からは、連結部40Bが第3方向に沿って延在している。連結部40Bは、第1方向及び第3方向に延在する板状部材であり、側面視において、直角台形状に形成されている。すなわち、
図5に示すように、連結部40Bの上面40Buは、第3方向に沿って延在しており、固定部40Cの上面40Cu及び本体部40Aの上面40Auと面一に形成されている。一方、連結部40Bの下面40Bbは、第1方向に対して傾斜しており、固定部40Cの下面40Cbから下側に延びて本体部40Aの下面40Abに連結している。このように、連結部40Bは、固定部40Cと本体部40Aとを連結している。なお、連結部40B及び固定部40Cの構成はこれらに限定されるものではない。
【0036】
本体部40Aは、第3方向から見る場合に、第1方向を長辺が延びる方向かつ第2方向を短辺が延びる方向とする矩形状に形成されている。本体部40Aの第2方向における中央に連結部40Bが接続されている。本体部40Aは、本体部40Aの第2方向における中央を境界Brとして一方側にある第1ガイドレール41と、他方側にある第2ガイドレール42とを含んでいる。本実施形態では、第1ガイドレール41は第1パイプ10側にあり、第2ガイドレール42は第2パイプ20側にある。
図4には、便宜上、第1ガイドレール41と第2ガイドレール42との境界Brが破線で示されているが、本実施形態では、第1ガイドレール41と第2ガイドレール42とは、一体的に形成されている。第1ガイドレール41と第2ガイドレール42とは、境界Brに対して対称に形成されている。第1ガイドレール41及び第2ガイドレール42は、第1方向に沿って直線状に延在しており、また、第1方向から見る場合に、180°の角度をなして第2方向に延びる同一直線上に並んでいる。
【0037】
第1ガイドレール41は、第1方向から見る場合に扁平U字状の形状を有しており、この扁平U字状の形状が第1方向に沿って連続している。第1ガイドレール41の内面41iによって、第2方向における境界Br側が閉じられ、境界Br側とは反対側が開放されている第1内部空間45が画定されている。この第1内部空間45は、本体部40Aの上面40Auから下面40Abに亘って延在している。内面41iのうち開放されている側の縁部には、それぞれが第1内部空間45に向かって突出する1対の凸部43,43が形成されている。したがって、第1内部空間45のうち開放されている側の領域は、1対の凸部43,43によって、第1内部空間45の他の領域よりも狭隘な第1狭隘空間45Aとなっている。1対の凸部43,43のそれぞれにおける上端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面43A,43Aとなっている。したがって、第1内部空間45のうち開放されている側の上側には、この1対の傾斜面43A,43Aによって、第1ガイドレール41の上端から下側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間45Aへと至るV字状の変化領域47Aが形成されている。また、1対の凸部43,43のそれぞれにおける下端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面43B,43Bとなっている。したがって、第1内部空間45のうち開放されている側には、この1対の傾斜面43B,43Bによって、第1ガイドレール41の下端から上側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間45Aへと至る逆V字状の変化領域47Bが形成されている。
【0038】
上記のように、第2ガイドレール42は第1ガイドレール41と対称であるため、説明を簡略化する。すなわち、第2ガイドレール42の内面42iによって、境界Br側が閉じられ、境界Br側とは反対側が開放されている第2内部空間46が画定されている。なお、第2方向において、第2内部空間46の解放されている側は、第1内部空間45の解放されている側とは反対側である。
図5に示すように、内面42iのうち開放されている側の縁部には、1対の凸部44,44が形成されている。したがって、第2内部空間46のうち開放されている側の領域は、第2狭隘空間46Aとなっている。1対の凸部44,44の上端は傾斜面44A,44Aとなっており、これら傾斜面44A,44AによってV字状の変化領域48Aが形成されている。また、1対の凸部44,44のそれぞれにおける下端は傾斜面44B,44Bとなっており、第2ガイドレール42の下端から上側に行くに従って次第に第2狭隘空間46Aへと至る逆V字状の変化領域48Bが形成されている。
【0039】
図1に示すように、第1ガイドレール41の第1内部空間45には、第1スクリーン11の第1ファスナー14及び可撓部13が挿通されている。また、可撓部13における第1ファスナー14側とは反対側の縁部は、第1内部空間45の第1狭隘空間45Aから第1ガイドレール41の外にはみ出している。また、第2ガイドレール42の第2内部空間46には、第2スクリーン21の第2ファスナー24及び可撓部23が挿通されている。また、可撓部23における第2ファスナー24側とは反対側の縁部は、第2内部空間46の第2狭隘空間46Aから第2ガイドレール42の外にはみ出している。
【0040】
遮光装置1では、このようなガイド部材40がスライダー50の直上に配置されている。本実施形態では、第1ガイドレール41と第2ガイドレール42との境界Brと、スライダー50の第2方向における中央とが第1方向に延びる同一直線上にあるように、ガイド部材40及びスライダー50が配置されている。
【0041】
この遮光装置1を室内に設置する際には、第1パイプ10及び第2パイプ20を壁面90に上記のように第1方向においてずらして固定し、次いで、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11及び第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21を巻き下ろす。次に、ガイド部材40を準備する。そして、巻き下ろされた第1スクリーン11の第1ファスナー14の下端部における第1ファスナー14及び可撓部13を、第1ガイドレール41の第1狭隘空間45Aを介してガイド部材40の第1内部空間45に嵌め入れる。また、巻き下ろされた第2スクリーン21の第2ファスナー24の下端部における第2ファスナー24及び可撓部23をガイド部材40の第2内部空間46に嵌め入れる。この際、上記のように、フレーム材60の連結部63が第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれから離間して第1スクリーン11と第2スクリーン21とに跨っているため、連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空隙がある。そのため、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部を、フレーム材60に干渉されることなくガイド部材40に嵌め入れることができる。次いで、このガイド部材40を所定の位置(例えば、窓などの透光部91の上端近傍)まで上昇させた後、第1方向におけるその位置において、ガイド部材40を壁面90に対して固定する。次いで、巻き下ろされた第1スクリーン11の第1ファスナー14の下端部と巻き下ろされた第2スクリーン21の第2ファスナー24の下端部とを、スライダー50に通す。この際、上記のように、フレーム材60の連結部63と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空隙がある。そのため、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部を、フレーム材60に干渉されることなくスライダー50に挿通させることができる。次いで、スライダー50を上昇させ、第1ファスナー14と第2ファスナー24とを結合させていく。そして、ガイド部材40の概ね直下の位置までスライダー50を上昇させた後、スライダー50を壁面90に対して固定する。こうして、遮光装置1の設置が完了する。
【0042】
なお、上記では、ガイド部材40を取り付けた後にスライダー50を取り付ける例を説明した。しかし、この工程を逆にしてもよい。すなわち、第1方向の所定の位置において、第1ファスナー14及び可撓部13と第2ファスナー24及び可撓部23とをガイド部材40に嵌め入れて、そのガイド部材40を上記所定の位置に固定した後に、スライダー50を下側から上側に移動させて第1ファスナー14と第2ファスナー24とを結合させるようにしてもよい。
【0043】
このような遮光装置1において、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して一方側に回転すると、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれが天井側に巻き上げられていく。そして、このように巻き上げられる都度、ファスナー結合部FCの上端がスライダー50を下側から上側に向かって通過して、スライダー50において第1ファスナー14と第2ファスナー24とが分離される。ここで、スライダー50よりも上側には上述のガイド部材40が配置されているため、分離した第1ファスナー14は第1ガイドレール41によって第1方向に沿って上側へとスムーズにガイドされ、分離した第2ファスナー24は第2ガイドレール42によって第1方向に沿って上側へとスムーズにガイドされる。したがって、たとえ第1スクリーン11に第1ファスナー14が設けられていたとしても、第1ファスナー14の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第1スクリーン11が第1パイプ10に巻回される。同様に、たとえ第2スクリーン21に第2ファスナー24が設けられていたとしても、第2ファスナー24の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第2スクリーン21が第2パイプ20に巻回される。
【0044】
次に、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して他方側に回転すると、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれが床側に巻き下ろされていく。この際、ガイド部材40の直上に位置する第1ファスナー14は、ガイド部材40の第1ガイドレール41によって第1方向に沿って下側にスムーズにガイドされ、スライダー50に対する位置ずれが抑制された状態でスライダー50内に進入することができる。同様に、ガイド部材40の直上に位置する第2ファスナー24は、ガイド部材40の第2ガイドレール42によって第1方向に沿って下側にスムーズにガイドされ、スライダー50に対する位置ずれが抑制された状態でスライダー50内に進入することができる。
【0045】
このように、第1ファスナー14及び第2ファスナー24は、ガイド部材40によってガイドされることによって、スライダー50に適切に進入することができ、スライダー50において適切にファスナー結合部FCが形成される。このように、ガイド部材40の第1ガイドレール41及び第2ガイドレール42は、第1ファスナー14と第2ファスナー24との位置関係を、第1ファスナー14と第2ファスナー24とがスライダー50において結合される位置関係に調整している。
【0046】
なお、本実施形態では、第1ガイドレール41には第1内部空間45の他の領域よりも間隔が狭い第1狭隘空間45Aが形成されているため、この第1狭隘空間45Aによって、第1ファスナー14がスライダー50を通過する際における第1ファスナー14の第3方向への位置ずれがより効果的に抑制される。同様に、第2狭隘空間46Aによって、第2ファスナー24がスライダー50を通過する際における第2ファスナー24の第3方向への位置ずれがより効果的に規制される。
【0047】
また、本実施形態では、第1ガイドレール41には上述の変化領域47A,47Bが形成されているため、第1ファスナー14及び可撓部13は傾斜面43A,43A又は傾斜面43B,43Bによって、より滑らかに第1内部空間45へとガイドされる。そのため、第1ファスナー14及び可撓部13が第1ガイドレール41に進入する際またはが第1ガイドレール41から出る際に第1ファスナー14及び可撓部13に過度な負荷がかかることが抑制される。同様に、第2ガイドレール42には上述の変化領域48A,48Bが形成されているため、傾斜面44A,44A又は傾斜面44B,44Bによって、より滑らかに第2内部空間46へとガイドされる。そのため、第2ファスナー24及び可撓部23が第2ガイドレール42に進入する際またはが第2ガイドレール42から出る際に第2ファスナー24及び可撓部23に過度な負荷がかかることが抑制される。
【0048】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る遮光装置及びガイド部材について説明する。本実施形態の遮光装置及びガイド部材は、部屋のコーナーに配置できるように構成されている点において第1実施形態に係る遮光装置及びガイド部材と異なっている。以下、本実施形態では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同様の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0049】
図6は、本実施形態における遮光装置が室内に取り付けられている様子を天井側かつ室内側から見て概略的に示す図である。
図6に示すように、本実施形態における遮光装置2は、第1パイプ10と、第2パイプ20と、第1パイプ10に巻回された第1スクリーン11と、第2パイプ20に巻回された第2スクリーン21と、ガイド部材340と、スライダー50とを主な構成として備えている。
【0050】
本実施形態において、第1パイプ10と第2パイプ20とは、第1方向から見て互いの長手方向が垂直になるように並んでいる。具体的には、第1パイプ10は第2方向に沿って延在しており、第2パイプ20は第3方向に沿って延在している。このように、第1パイプ10と第2パイプ20とは、第1方向から見る場合に90°の角度で配置されている。遮光装置2は、第1方向及び第2方向に延在する第1壁面191と、第1方向及び第3方向に延在する第2壁面192と、第1壁面191と第2壁面192とが交わるコーナーとを覆うように配置されている。第1スクリーン11は、第1壁面191に設けられた窓などの透光部191Aを室内側(第3方向における第1壁面191を基準とする室外側とは反対側)で遮光するように配置されており、第2スクリーン21は、第2壁面192に設けられた窓などの透光部192Aを第2方向における室内側(第2方向におけるだい2へ壁面192を基準とする室外側とは反対側)で遮光するように配置されている。第1パイプ10及び第2パイプ20は、第1方向において位置をずらして配置されている。本実施形態では、第2パイプ20が第1パイプ10よりも天井側に配置されているが、第1パイプ10を第2パイプよりも天井側に配置してもよい。
【0051】
本実施形態では、第1壁面191には、第1板状部材131が取り付けられている。第1パイプ10の端部10E1は第1板状部材131に固定されており、第1パイプ10の端部10E2は第1壁面191に直接取り付けられている。また、第2壁面192には、第2板状部材132が取り付けられている。第2パイプ20の端部20E1は第2板状部材132に固定されており、第2パイプ20の端部20E2は第2壁面192に直接取り付けられている。
【0052】
本実施形態において、第1スクリーン11は第1パイプ10の中心軸に対して室内側で、第2スクリーン21は第2パイプ20の中心軸に対して室内側で、それぞれ巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置されている。ただし、これに限定されず、第1スクリーン11が第1パイプ10の中心軸に対して第1壁面191側で、第2スクリーン21が第2パイプ20の中心軸に対して第2壁面192側で、それぞれ巻き上げられ又は巻き下ろされるように配置してもよい。
【0053】
スライダー50は、第1壁面191に間接的に固定されている。具体的には、第1板状部材131には、第1板状部材131から室内側に向かって第3方向に延びる連結部材180が固定されている。連結部材180は、第1板状部材131から第3方向に延びる第1部分181と、第1部分181の途中から第1方向の天井側(上側)に向かって延びる第2部分182と、第2部分182から室内側に向かって第3方向に延びる第3部分183とを含んでいる。スライダー50は、第1部分181の第1板状部材131側とは反対側の端部に、第1部分181に対して垂直に(すなわち、第1方向に平行に)固定されている。
【0054】
図7は、スライダー50及びその近傍を床面側(下側)から見て概略的に示す図である。
図7に示すように、第1方向から見る場合に、スライダー50は、第1方向に垂直な第4方向に沿って延在している。この第4方向は、第1方向から見る場合に第2方向及び第3方向の双方に対して45°の角度をなしている。したがって、第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き下ろされる際、第1ファスナー14及び第2ファスナー24が、互いに近接する状態でかつ第4方向に延びる同一直線上に概ね位置する状態で貫通空間50Pを通過することによって、この貫通空間50Pにおいて両者が互いに結合され、ファスナー結合部FCが形成される。反対に、第1スクリーン11及び第2スクリーン21が巻き上げられる場合、このスライダー50においてファスナー結合部FCが第1ファスナー14と第2ファスナー24とに分離される。
【0055】
図6において、第1ファスナー14のうちスライダー50よりも床側の部分と、第2ファスナー24のうちスライダー50よりも床側の部分とは、互いに結合してファスナー結合部FCを形成している。したがって、ファスナー結合部FCにおいて、第1スクリーン11と第2スクリーン21とは一体化しており、第1スクリーン11と第2スクリーン21との間の隙間が塞がれている。本実施形態では、第1方向において、第1スクリーン11の床側の縁部(下端)と第2スクリーン21の床側の縁部(下端)とは同じ位置にある。ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている。ただし、ファスナー結合部FCは、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端の位置まで延びている必要なく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端よりも天井側(上側)にファスナー結合部FCの下端が位置してもよい。
【0056】
上記のように、第1パイプ10及び第2パイプ20は、第1方向から見る場合に垂直に配置されている。このため、第1パイプ10から巻き下ろされた第1スクリーン11及び第2パイプ20から巻き下ろされた第2スクリーン21は、第1方向から見る場合に90°の角度をなしており、第1スクリーン11は第1方向及び第2方向に延在し、第2スクリーン21は第1方向及び第3方向に延在している。より具体的には、
図7に示すように、ファスナー結合部FCは、第4方向に延在するスライダー50の貫通空間50Pを通って形成されたことに起因して、第1方向から見る場合に第4方向に延在している。そして、第1スクリーン11の可撓部13が概ね45°屈曲することによって、第1スクリーン11の本体部12が第1方向から見る場合に第2方向に延在している。また、第2スクリーン21の可撓部23が概ね45°屈曲することによって、第2スクリーン21の本体部22が第1方向から見る場合に第3方向に延在している。
【0057】
第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端(パイプ側とは反対側の縁部)には、フレーム材160が取り付けられている。このフレーム材160は、第1スクリーン11の下端に配置される第1フレーム161と、第2スクリーン21の下端に配置される第2フレーム162と、第1フレーム161と第2フレーム162とを連結する連結部163とを含んでいる。第1フレーム161は第2方向に沿って延びており、第2フレーム162は第3方向に沿って延びている。すなわち、第1方向から見る場合の第1フレーム161と第2フレーム162とがなす角度θ1は90°である。このようなフレーム材160が設けられることにより、第1スクリーン11及び第2スクリーン21にウエイトが付与されるとともに、第1スクリーン11と第2スクリーン21とが、第1方向から見て90°の角度をなしている状態が維持されている。また、本実施形態において、連結部163は、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれから離間して第1スクリーン11と第2スクリーン21とに跨っている。すなわち、連結部163と、第1ファスナー14の下端部及び第2ファスナー24の下端部との間には空間が介在している。このため、ファスナー結合部FCは、連結部163に干渉されることなく、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれの下端部まで延在している。
【0058】
次に、ガイド部材340について説明する。
【0059】
図6に示すように、ガイド部材340は、第1部分140と、第2部分240とを含んでいる。ガイド部材340の第1部分140は、スライダー50の直上かつ第1パイプ10よりも下側(床側)に配置されている。また、本実施形態において、ガイド部材340及びスライダー50は、第1方向に延びる同一直線上で整列している。ガイド部材340の第1部分140は、連結部材180の第3部分183の第2部分182側とは反対側の端部に固定されている。なお、
図6では、ガイド部材340の形状は概略的にしか示されておらず、ガイド部材340の実際の形状は
図6に示すものとは異なっている。
【0060】
図8は、ガイド部材340を天井側(上側)かつ室内側から見た平面斜視図である。
図9は、ガイド部材340を床側(下側)かつ第1壁面191側及び第2壁面192側から見た底面斜視図である。
図10は、ガイド部材340をスライダー50とともに示す側面図であり、後述する第1ガイドレール141側から見た側面図である。
図11は、ガイド部材340をファスナー結合部FC及びその近傍とともに示す底面図である。なお、
図8、
図9、及び
図11においては、便宜上、スライダー50の図示が省略されている。
【0061】
図8から
図11に示すように、ガイド部材340は、第1部分140と、第1部分140に接続されかつ第1部分140から下側に第1方向に延在する第2部分240とを含んでいる。
【0062】
ガイド部材340の第1部分140は、本体部140Aと、連結部140Bと、固定部140Cとを含んでいる。本実施形態において、固定部140Cは、板状部材であり、具体的には、第4方向を長辺が延びる方向としかつ第1方向を短辺が延びる方向とする矩形に形成されている。第1方向から見る場合に、固定部140Cの第4方向における中央からは、連結部140Bが、第1方向及び第4方向に垂直な第5方向に沿って延在している。固定部140Cのうち、連結部140Bが固定部140Cに連結する部分に対して両側の部分には、固定部140Cを第5方向に貫通する貫通孔140Hが形成されていてもよい。すなわち、この貫通孔140Hに締結具を挿通させることによって、ガイド部材340を壁面などに固定してもよい。連結部140Bは、第1方向及び第5方向に延在する板状部材であり、
図10に示すように、第4方向から見る場合に直角台形状に形成されている。連結部140Bの上面140Buは、第5方向に沿って延在しており、固定部140Cの上面140Cu及び本体部140Aの上面140Auと面一に形成されている。一方、連結部140Bの下面140Bbは、第1方向に対して傾斜しており、固定部140Cの下面140Cbから下側に延びて本体部140Aの下面140Abに連結している。このように、連結部140Bは、固定部140Cと本体部140Aとを連結している。なお、連結部140B及び固定部140Cの構成はこれらに限定されるものではない。
【0063】
本体部140Aは、第1方向の上側(天井側)から見る場合に略L字状の形成されており(
図8参照)、第1方向の下側(床側)から見る場合に略矩形状に形成されている(
図9参照)。すなわち、本体部140Aの上面140Auは、上面140Auの中心部140Auoを起点として、第2方向における室内側及び第3方向における室内側に延びている(
図8参照)。また、本体部140Aの下面140Abは、下面140Abの中心部140Aboを起点として第4方向の一方側(第1パイプ10側)及び第4方向における他方側(第2パイプ20側)に延びている(
図9及び
図11参照)。
【0064】
本体部140Aは、第1方向から見る場合に本体部140Aの中心部140Acに対して一方側(第1パイプ10側)にある第1ガイドレール141と、第1方向から見る場合に中心部140Acに対して他方側(第2パイプ20側)にある第2ガイドレール142とを含んでいる。第1ガイドレール141及び第2ガイドレール142のそれぞれは第1方向に沿って延在している。なお、本体部140Aの中心部140Acは、本体部140Aの上面140Auの中心部140Auoを上面として有し、本体部140Aの下面140Abの中心部140Aboを下面として有し、かつ、第1方向に延在している。
図8及び
図11では、便宜上、第1ガイドレール141と中心部140Acとの境界及び第2ガイドレール142と中心部140Acとの境界がそれぞれ点線で示されているが、本実施形態では、第1ガイドレール141と第2ガイドレール142と中心部140Acとは、一体的に形成されている。連結部140Bは、本体部140Aの中心部140Acに接続している。
【0065】
図8に示すように、第1方向の上側(天井側又は第1パイプ10側)から見る場合、第1ガイドレール141は、第2方向における室内側に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の上側から見る場合、第1ガイドレール141では、第2方向における室内側が開放されており、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。一方、第1方向の上側(天井側又は第2パイプ20側)から見る場合、第2ガイドレール142は、第3方向における室内側に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の上側から見る場合、第2ガイドレール142では、第3方向における室内側が開放され、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。第1方向の上側から見る場合、第1ガイドレール141の上側(第1パイプ10側)の端部と第2ガイドレール142の上側(第2パイプ20側)の端部とがなす角度θ2は、0°よりも大きく180°よりも小さい90°である。なお、角度θ2は、第1方向から見た場合の第1ガイドレールの上側の端部と第2ガイドレールの上側の端部とがなす角度のうち室内側の角度である。
【0066】
図9に示すように、第1方向の下側(床側)から見る場合、第1ガイドレール141は、第4方向における一方側(第1パイプ10側)に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の下側から見る場合、第4方向における一方側(第1パイプ10側)が開放され、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。一方、第1方向の下側(床側)から見る場合、第2ガイドレール142は、第4方向における他方側(第2パイプ20側)に延びる扁平U字状の形状をしている。また、第1方向の下側から見る場合、第4方向における他方側(第2パイプ20側)が開放され、開放されている側とは反対側が中心部140Acに接続している。
図10に示すように、本体部140Aの下面140Ab(すなわち、第1ガイドレール141の下側の端部と、第2ガイドレール142の下側の端部と、中心部140Aboとを含む面)の直下には、スライダー50が配置されている。
図11に示すように、第1ガイドレール141の下側(スライダー50側)の端部と第2ガイドレール142の下側(スライダー50側)の端部とは、第4方向に延びる同一直線上に並んでいる。
【0067】
上記のような扁平U字状の形状の第1ガイドレール141の内側には、第1ガイドレール141の内面141iによって画定される第1内部空間145が形成されている。また、上記のような扁平U字状の形状の第2ガイドレール142の内側には、第2ガイドレール142の内面142iによって画定される第2内部空間146が形成されている。内部空間145,146のそれぞれは第1方向に沿って延在している。
【0068】
図8及び
図10に示すように、第1ガイドレール141の第1内部空間145は、本体部140Aの上面140Auから下面140Abに亘って延在している。第1内部空間145を画定する第1ガイドレール141の内面141iのうち開放されている側の縁部には、それぞれが第1内部空間145に向かって突出する1対の凸部143,143が形成されている。したがって、第1内部空間145のうち開放されている側の領域は、1対の凸部143,143によって、第1内部空間145の他の領域よりも狭隘な第1狭隘空間145Aとなっている。1対の凸部143,143のそれぞれにおける上端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面143A,143Aとなっている。したがって、第1内部空間145のうち開放されている側の上側の領域は、この1対の傾斜面143A,143Aによって、第1ガイドレール141の上端から下側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間145Aへと至るV字状の変化領域147となっている。一方、本実施形態では、
図11に示すように、1対の凸部143,143のそれぞれの下端は、本体部140Aの下面140Abと面一になっている。ただし、1対の凸部143,143のそれぞれの下端を傾斜面とすることによって、1対の凸部143,143のそれぞれの下端に、上側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第1狭隘空間145Aへと至る逆V字状の変化領域を形成してもよい。
【0069】
図8及び
図9に示すように、第2ガイドレール142の第2内部空間146は、本体部140Aの上面140Auから下面140Abに亘って延在している。第2内部空間146を画定する第2ガイドレール142の内面142iのうち開放されている側の縁部には、それぞれが第2内部空間146に向かって突出する1対の凸部144,144が形成されている。したがって、第2内部空間146のうち開放されている側の領域は、1対の凸部144,144によって、第2内部空間146の他の領域よりも狭隘な第2狭隘空間146Aとなっている。1対の凸部144,144のそれぞれにおける上端は、第1方向に対して滑らかに傾斜する傾斜面144A,144Aとなっている。したがって、第2内部空間146のうち開放されている側の上側の領域は、この1対の傾斜面144A,144Aによって、第1ガイドレール141の上端から下側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第2狭隘空間146Aへと至るV字状の変化領域148となっている。一方、本実施形態では、
図11に示すように、1対の凸部144,144のそれぞれの下端は、本体部140Aの下面140Adと面一になっている。ただし、1対の凸部144,144のそれぞれの下端を傾斜面とすることによって、1対の凸部144,144のそれぞれの下端に、上側に行くに従って次第に間隔が狭まりやがて第2狭隘空間146Aへと至る逆V字状の変化領域を形成してもよい。
【0070】
本実施形態では、
図8に示すように、第1方向から見る場合に、第1ガイドレール141(第1内部空間145)及び第2ガイドレール142(第2内部空間146)は、互いに対称にツイストしている。具体的には、ガイド部材340は、本体部140Aの上端において90°の角度をなしていた第1ガイドレール141及び第2ガイドレール142が、下側に行くに従って対称にツイストしていき、やがて本体部140Aの下端において同一直線上に並ぶ(180°の角度をなす)ように形成されている。
【0071】
図8及び
図9において便宜上一点鎖線で示すように、第1ガイドレール141の第1内部空間145には、第1スクリーン11の第1ファスナー14及び可撓部13が挿通されている。また、可撓部13における第1ファスナー14側とは反対側の縁部は、第1内部空間145の第1狭隘空間145Aから第1ガイドレール141の外にはみ出している。また、第2ガイドレール142の第2内部空間146には、第2スクリーン21の第2ファスナー24及び可撓部23が挿通されている。また、可撓部23における第2ファスナー24側とは反対側の縁部は、第2内部空間146の第2狭隘空間146Aから第2ガイドレール142の外にはみ出している。
【0072】
図10に示すように、遮光装置2では、ガイド部材340の第1部分140の本体部140Aの直下に、第1方向から見る場合に第4方向に延在するスライダー50が配置されている。
【0073】
このような遮光装置2において、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して一方側に回転すると、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれが天井側に巻き上げられていく。そして、このように巻き上げられる都度、第1方向から見る場合に第4方向に延在するファスナー結合部FC(
図7参照)の上端がスライダー50を下側から上側に向かって通過して、スライダー50において第1ファスナー14と第2ファスナー24とが分離される。ここで、スライダー50の直上には、第1ガイドレール141の下端及び第2ガイドレール142の下端がある。上記のように、第1ガイドレール141の下端及び第2ガイドレール142の下端は第4方向に沿って延びる同一直線上にある。このため、
図8において一点鎖線で示すように、第2ファスナー24から分離した第1ファスナー14は、第1ガイドレール141の下端から第1ガイドレール141の第1内部空間145に入り、第1ガイドレール141によってツイストしながら上側へとスムーズにガイドされ、やがて、第1ガイドレール141の上端に至ると、第1方向から見る場合に第2方向に延在するように45°方向転換される。また。
図8において一点鎖線で示すように、第1ファスナー14から分離した第2ファスナー24は、第2ガイドレール142の下端から第2ガイドレール142の第2内部空間146に入り、第2ガイドレール142によってツイストしながら上側へとスムーズにガイドされ、やがて、第2ガイドレール142の上端に至ると、第1方向から見る場合に第3方向に延在するように45°方向転換される。したがって、たとえ第1スクリーン11にファスナー14が設けられていたとしても、ファスナー14の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第1スクリーン11が第1パイプ10に巻回される。同様に、たとえ第2スクリーン21にファスナー24が設けられていたとしても、ファスナー24の剛性や重量に起因する巻き乱れ等の発生が抑制された状態で、第2スクリーン21が第2パイプ20に巻回される。
【0074】
次に、第1パイプ10及び第2パイプ20が同期して他方側に回転すると、第1スクリーン11及び第2スクリーン21のそれぞれが床側に巻き下ろされていく。この際、ガイド部材340の第1部分140の直上に位置する第1ファスナー14は、第1方向から見る場合に第2方向における室内側に延在している。また、第1方向から見る場合に、第1ガイドレール141の上端は、第2方向における室内側に延在している。したがって、
図8において一点鎖線で示すように、第1部分140の直上に位置する第1ファスナー14は、第1ガイドレール141の上端から第1内部空間145へとスムーズに入っていく。そして、第1ファスナー14は、第1ガイドレール141によってツイストしながら下側へとスムーズにガイドされ、やがて、第1ガイドレール141の下端に至ると、第1方向から見る場合に第4方向における一方側(第1パイプ10側)に延在するように45°方向転換される。また、第1部分140の直上に位置する第2ファスナー24は、第1方向から見る場合に第3方向における室内側に延在している。また、第1方向から見る場合に、第2ガイドレール142の上端は、第3方向における室内側に延在している。したがって、
図8において一点鎖線で示すように、第1部分140の直上に位置する第2ファスナー24は、第2ガイドレール142の上端から第2内部空間146へとスムーズに入っていく。そして、第2ファスナー24は、第2ガイドレール142によってツイストしながら下側へとスムーズにガイドされ、やがて、第2ガイドレール142の下端に至ると、第1方向から見る場合に第4方向における他方側(第2パイプ20側)に延在するように45°方向転換される。したがって、第1ファスナー14及び第2ファスナー24は、ガイド部材340によってガイドされることによって、スライダー50に適切に進入することができ、スライダー50において適切にファスナー結合部FCが形成される。このように、ガイド部材340の第1ガイドレール141及び第2ガイドレール142は、第1ファスナー14と第2ファスナー24との位置関係を、第1ファスナー14と第2ファスナー24とがスライダー50において結合される位置関係に調整している。
【0075】
また、本実施形態では、第1ガイドレール141に第1狭隘空間145Aが形成されており、第2ガイドレール142に第2狭隘空間146Aが形成されているため、第1ファスナー14が第1内部空間145を通過する際に第1ファスナー14が第1方向に垂直な方向にずれることがより効果的に抑制されるとともに、第2ファスナー24が第2内部空間146を通過する際に第2ファスナー24が第1方向に垂直な方向にずれることがより効果的に抑制される。
【0076】
また、本実施形態では、第1ガイドレール141に変化領域147が形成されるとともに、第2ガイドレール142に変化領域148が形成されているため、第1ファスナー14及び可撓部13は傾斜面143A,143Aによって、第2ファスナー24及び可撓部23は傾斜面144A,144Aによって、より滑らかに内部空間145,146へとガイドされる。そのため、第1ファスナー14及び可撓部13が第1ガイドレール141に進入及び第1ガイドレール141から出る際、かつ、第2ファスナー24及び可撓部23が第2ガイドレール142に進入及び第2ガイドレール142から出る際、第1ファスナー14及び可撓部13に過度な負荷がかかること、及び、第2ファスナー24及び可撓部23に過度な負荷がかかることが抑制される。
【0077】
次に、ガイド部材340の第2部分240について説明する。
【0078】
図8から
図11に示すように、ガイド部材340の第2部分240は、1対の板部241,241と、連結板部242とを含んでいる。
図10に示すように、第4方向から見る場合に、1対の板部241,241のそれぞれは、第1方向を長手方向とし第5方向を短手方向とする板状部材である。1対の板部241,241のそれぞれの上端部は、第1部分140の固定部140C側とは反対側の面(すなわち、室内側の面)に固定されている。
図8に示すように、第5方向から見る場合に、連結板部242は、第1方向を長辺方向とし第4方向を短辺方向とする矩形の板状部材であり、1対の板部241,241に連結している。連結板部242は、1対の板部241,241の第1方向における概ね中央から1対の板部241,241の下端まで延在している。
【0079】
図9に示すように、1対の板部241,241のうち連結板部242が連結される部分のそれぞれには、連結板部242に対して第5方向における固定部140C側に突出する突出部241A,241Aが形成されている。したがって、第2部分240の第5方向における固定部140C側には、連結板部242と1対の突出部241A,241Aとによって画定される第3ガイドレール243が形成されている。第5方向において、第3ガイドレール243の固定部140C側(連結板部242側とは反対側)は開放されている。
【0080】
図6及び
図10に示すように、第1方向における第1部分140と第3ガイドレール243との間であって、第5方向における1対の板部241,241よりも固定部140C側に、スライダー50が配置されている。本実施形態では、スライダー50の第4方向における中心と連結板部242の第4方向における中心(すなわち、第3ガイドレール243の第4方向における中心)とが第1方向に沿って延びる同一直線上にあるように、第2部分240及びスライダー50が配置されている。したがって、
図11に示すように、スライダー50の下端から下側に導出されるファスナー結合部FC又はスライダー50の下端に向かって上側に移動するファスナー結合部FCは、第3ガイドレール243の第4方向における概ね中央を通過する。そのため、ファスナー結合部FCは、スライダー50の下端から下側に向かう一定の区間において、第3ガイドレール243によって室内側から3方を囲まれた状態で下側(床側)又は上側(スライダー50側)にガイドされる。このように、本実施形態では、ガイド部材340が第3ガイドレール243を備えるため、スライダー50から出た又はスライダー50に入るファスナー結合部FCの位置ずれが抑制される。
【0081】
なお、第3ガイドレール243が固定部140C側(壁面側)からファスナー結合部を囲うようにしてもよい。また、連結板部242を省略して、1対の板部241,241によってファスナー結合部FCを2方向から囲うようにしてもよい。すなわち、第1方向から見る場合にファスナー結合部FCを第4方向における両側から囲うようにしてもよい。
【0082】
以上、本発明について上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】
例えば、上述のフレーム材60の連結部63やフレーム材160の連結部163を変形可能に構成して、第1フレーム61と第2フレーム62とがなす角度θ1や第1フレーム161と第2フレーム162とがなす角度θ1を適宜調整できるようにしてもよい。これにより、例えば、第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度に応じて、第1フレームと第2フレームとがなす角度を調整することが可能になり、第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度によらず1種類のフレーム材で対応可能となる。
【0084】
また、第1フレーム61及び第2フレーム62の少なくとも一方、あるいは、第1フレーム161及び第2フレーム162の少なくとも一方が、全長(長手方向の長さ)を調整可能に構成されてもよい。これにより、第1スクリーン11及び第2スクリーン21の少なくとも一方の幅(第1方向から見る場合のスクリーンの第1方向に垂直な方向における長さ)に応じて、第1フレーム及び第2フレームの少なくとも一方の全長を適宜調整することが可能となり、第1スクリーン11及び第2スクリーン21の幅に応じてフレームを交換する必要を無くし得る。
【0085】
また、上述の実施形態では、1対の凸部43,44,143,144を設けることによって内部空間45,46,145,146に狭隘空間45A,46A,145A,146Aを形成する例を説明したが、このような狭隘空間は、1つの凸部によって形成してもよい。また、上述の実施形態では、第1内部空間と第2内部空間との双方(例えば、第1内部空間45と第2内部空間46との双方)に狭隘空間(例えば、第1狭隘空間45A及び第2狭隘空間46A)を形成する例を説明したが、第1内部空間及び第2内部空間の一方の内部空間のみに(例えば、第1内部空間45のみに)狭隘空間(例えば、狭隘空間45A)を形成してもよい。また、ガイド部材40,340の内部空間45,46,145,146に狭隘空間45A,46A,145A,146Aを形成することは必須ではない。
【0086】
また、上述の実施形態では、凸部(例えば、凸部43)の少なくとも一方側の端部に傾斜面(例えば、傾斜面43A)を設ける例を示したが、このような傾斜面を設けることは必須ではない。すなわち、狭隘空間(例えば、狭隘空間45A)に変化領域(例えば、変化領域47A)を形成することは必須ではない。
【0087】
また、上述の実施形態では、壁面にガイド部材40,340を固定した例を説明したが、室内側でガイド部材40,340を固定してもよい。
【0088】
また、上述の第2実施形態では、第1方向から見る場合に、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2が90°である例を説明したが、この角度θ2は、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度に応じて適宜変更することができる。具体的には、第2実施形態の変形例として、角度θ2は、0°<θ2<180°又は180°<θ2<360°の範囲で適宜変更することができる。例えば、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度が45°である場合、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2を45°にして、かつ、第1ガイドレール141のスライダー50側(上側)の端部と、第2ガイドレール142のスライダー50側(下側)の端部とを第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に配置してもよい。また、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度が120°である場合、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2を120°にして、かつ、第1ガイドレール141のスライダー50側(上側)の端部と、第2ガイドレール142のスライダー50側(下側)の端部とを第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に配置してもよい。また、第1方向から見る場合の第1パイプ10と第2パイプ20とがなす角度が210°である場合、第1ガイドレール141の第1パイプ10側(上側)の端部と、第2ガイドレール142の第2パイプ20側(上側)の端部とがなす角度θ2を210°にして、かつ、第1ガイドレール141のスライダー50側(上側)の端部と、第2ガイドレール142のスライダー50側(下側)の端部とを第1方向に垂直な方向に延びる同一直線上に配置してもよい。
【0089】
また、上述の第2実施形態では、ガイド部材が第2部分240を備える例を説明したが、第2実施形態において第2部分240(すなわち、第3ガイドレール243)を設けることは必須ではない。例えば、
図12に示すように、第2部分240を省略したガイド部材340Aを構成してもよい。一方、第1実施形態において、ガイド部材が第3ガイドレールを備えるようにしてもよい。
【0090】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のガイド部材及び遮光装置を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
1,2…遮光装置、10…第1パイプ、11…第1スクリーン、14…第1ファスナー、20…第2パイプ、21…第2スクリーン、40,340,340A…ガイド部材、41,141…第1ガイドレール、42,142…第2ガイドレール、43,44,143,144…凸部、43A,43B,44A,44B,143A,144A…傾斜面、45,145…第1内部空間(内部空間)、45A,145A…第1狭隘空間、46,146…第2内部空間(内部空間)、46A,146A…第2狭隘空間、50…スライダー、60,160…フレーム材、61,161…第1フレーム、62,162…第2フレーム、63,163…連結部、241…板部、242…連結板部、243…第3ガイドレール、FC…ファスナー結合部(結合部)