IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニチコン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図1
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図2
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図3
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図4
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図5
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図6
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図7
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図8
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図9
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図10
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図11
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図12
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図13
  • 特開-収納ケース付きフィルムコンデンサ 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024080235
(43)【公開日】2024-06-13
(54)【発明の名称】収納ケース付きフィルムコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/224 20060101AFI20240606BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20240606BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20240606BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20240606BHJP
   H01G 4/32 20060101ALI20240606BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H01G4/224 200
H01G4/228 Q
H01G4/228 S
H01G2/10 K
H01G2/02 101E
H01G4/32 531
H01G4/32 540
H01G4/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193261
(22)【出願日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 吉峻
【テーマコード(参考)】
5E082
【Fターム(参考)】
5E082AB05
5E082CC06
5E082EE07
5E082FF05
5E082FG06
5E082FG34
5E082GG03
5E082GG08
5E082HH28
(57)【要約】
【課題】外部接続端子が収納ケースの外部に配置される収納ケース付きフィルムコンデンサにおいて、外部接続端子の引き出し経路を制御する技術を提供する。
【解決手段】ケースモールド型フィルムコンデンサ1は、金属化フィルムコンデンサ素子10Bと、金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bに接続される第3のバスバー40と、金属化フィルムコンデンサ素子10Bを収納する収納ケース60と、第3のバスバー40の引き出し経路を制御する固定部材80とを備える。このとき、第3のバスバー40は、金属化フィルムコンデンサ素子10Bに接続される接合部41aと、外部に接続される外部接続部43と、接合部41aを外部接続部43まで引き出す引き出し配線部42とを有し、引き出し配線部42の第3の延出部42cが、固定部材80と収納ケース60の外壁面630とにより囲まれる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子の電極に接続されるバスバーと、
開口部を有し、前記コンデンサ素子および前記バスバーの一部を収容する収納ケースと、
前記収納ケースに装着され、前記バスバーの引き出し経路を制御する固定部材と、
を備え、
前記コンデンサ素子は、前記収納ケースに充填された樹脂で封止されており、
前記バスバーは、前記コンデンサ素子の前記電極に接続される電極接続部と、前記収納ケースの収納空間の外側に配置された外部接続部と、前記電極接続部と前記外部接続部とを接続する引き出し配線部とを有し、
前記引き出し配線部は、前記収納ケースの前記開口部から前記収納ケースの収納空間側の内壁面と反対側の外壁面に沿って引き出される外側延出部を有し、
前記固定部材は、
それぞれ前記収納ケースの前記開口部から前記収納ケースを超えて前記外壁面に対して遠ざかる方向に延出し、前記引き出し配線部の前記外側延出部の前記外壁面と平行な方向の移動を規制する第1の規制部と、
前記収納ケースの前記外壁面とで前記引き出し配線部の前記外側延出部の前記外壁面と直交する方向の移動を規制する第2の規制部と、
を有する
ことを特徴とする収納ケース付きフィルムコンデンサ。
【請求項2】
前記収納ケースは、前記外壁面から張り出した鍔部を有し、
前記バスバーの前記外部接続部が、前記鍔部に載置されることを特徴とする請求項1に記載の収納ケース付きフィルムコンデンサ。
【請求項3】
前記固定部材は、
前記第1の規制部として、前記外側延出部を両側から挟む一対のガイド部を有し、前記第2の規制部は、前記一対のガイド部を連結する連結部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納ケース付きフィルムコンデンサ。
【請求項4】
前記第1の規制部は、前記収納ケースの前記内壁面に沿って延出する一対の延出部を有し、
前記一対のガイド部は、それぞれ前記連結部に接続されない側の端部が前記一対の延出部に接続され、
前記一対の延出部は、いずれも前記収納ケースと接していない
ことを特徴とする請求項3に記載の収納ケース付きフィルムコンデンサ。
【請求項5】
前記収納ケースには、前記第1の規制部に対応して設けられ、前記第1の規制部が嵌合する嵌合凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の収納ケース付きフィルムコンデンサ。
【請求項6】
前記収納ケースには、嵌合突起が設けられ、
前記第1の規制部には、前記嵌合突起に嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の収納ケース付きフィルムコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ素子を収納する収納ケースを備えた収納ケース付きフィルムコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、P極電極とN極電極とが両端部に形成された複数のコンデンサ素子が収納ケースに収納されたフィルムコンデンサがある。例えば、特許文献1に記載のフィルムコンデンサでは、各コンデンサ素子のP極電極が略同一面に配置されるとともに、各コンデンサ素子のN極電極が略同一面に配置された状態で収納ケースに収納される。各コンデンサ素子のP極電極は共通の端子(P極用のバスバー)で接続され、各コンデンサ素子のN極電極もP極用のバスバーとは異なる共通の端子(N極用のバスバー)で接続される。P極用のバスバーは、各コンデンサ素子のP極電極が接続される電極端子部と、外部に接続するための外部接続部と、電極端子部と外部接続部とを繋ぐ中継部とを有し、N極用のバスバーも、各コンデンサ素子のN極電極が接続される電極端子部と、外部に接続するための外部接続部と、電極端子部と外部接続部とを繋ぐ中継部とを有する。P極用のバスバーの外部接続部と、N極用のバスバーの外部接続部は、それぞれ収納ケースにおけるコンデンサ素子の収納部の外側に設けられた端子配置部に横並びに配置される。つまり、各電極(P極電極、N極電極)は、バスバーの中継部を介して外部接続部が配置される端子配置部まで引き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/016349号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のフィルムコンデンサでは、収納ケースの端子配置部とバスバーの外部接続部それぞれに貫通孔が設けられ、端子配置部の貫通孔と外部接続部の貫通孔とが重なった状態でネジ等を用いて締結される。中継部は、板状の金属からなり、折り曲げ加工が施されて電極端子部と外部接続部とを接続する。ここで、外部応力や中継部の寸法精度、折り曲げの加工精度のばらつきなどにより、想定されている折り曲げ角度からズレたり、想定されていない箇所で屈曲する場合がある。この場合、バスバーの電極端子部から外部接続部までの引き出す経路が想定している経路からズレてしまう。引き出し経路が想定からズレると、外部接続部の貫通孔の位置がズレ、収納ケースの端子配置部において、外部接続部の締結が困難になるおそれがある。また、外部接続部の貫通孔を、端子配置部の貫通孔の位置に無理やり合わせようとすると、バスバーに作用する残留応力により、コンデンサ素子の性能が劣化するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、外部接続端子が収納ケースの外部に配置される収納ケース付きフィルムコンデンサにおいて、バスバーによる外部接続部の引き出し経路を制御することにより、外部接続部での接続を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明に係る収納ケース付きフィルムコンデンサは、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子の電極に接続されるバスバーと、開口部を有し、前記コンデンサ素子および前記バスバーの一部を収容する収納ケースと、前記収納ケースに装着され、前記バスバーの引き出し経路を制御する固定部材と、を備え、前記コンデンサ素子は、前記収納ケースに充填された樹脂で封止されており、前記バスバーは、前記コンデンサ素子の前記電極に接続される電極接続部と、前記収納ケースの収納空間の外側に配置された外部接続部と、前記電極接続部と前記外部接続部とを接続する引き出し配線部とを有し、前記引き出し配線部は、前記収納ケースの前記開口部から前記収納ケースの収納空間側の内壁面と反対側の外壁面に沿って引き出される外側延出部を有し、前記固定部材は、それぞれ前記収納ケースの前記開口部から前記収納ケースを超えて前記外壁面に対して遠ざかる方向に延出し、前記引き出し配線部の前記外側延出部の前記外壁面と平行な方向の移動を規制する第1の規制部と、前記収納ケースの前記外壁面とで前記引き出し配線部の前記外側延出部の前記外壁面と直交する方向の移動を規制する第2の規制部と、を有することを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、第1の規制部、第2の規制部、収納ケースの外壁面により、バスバーの外側延出部が囲まれる構造になるため、バスバーによる引き出し経路を制御することができ、外部接続部での接続が容易になる。
【0008】
また、前記収納ケースは、前記外壁面から張り出した鍔部を有し、前記バスバーの前記外部接続部が、前記鍔部に載置されていてもよい。
【0009】
この構成によれば、バスバーの外側延出部を囲む固定部材により、バスバーによる引き出し経路を所望の経路に制御できる。これにより、バスバーの外部接続部の収納ケースの鍔部上の位置精度が向上するため、バスバーの外部接続部の鍔部での締結を確実に行うことができる。また、バスバーの引き出し配線部が傾いた状態で外部接続部が鍔部で締結されると、バスバーに作用する残留応力により、充填樹脂が割れるおそれがあり、この場合は、当該割れ目から水分等が侵入し、コンデンサ素子の性能が劣化するおそれがある。この構成によれば、バスバーに作用する残留応力を低減できるため、コンデンサ素子の性能の劣化を抑えることができる。
【0010】
また、前記固定部材は、前記第1の規制部として、前記外側延出部を両側から挟む一対のガイド部を有し、前記第2の規制部は、前記一対のガイド部を連結する連結部を有することが好ましい。ここで、前記第1の規制部は、前記収納ケースの前記内壁面に沿って延出する一対の延出部を有し、前記一対のガイド部は、それぞれ前記連結部に接続されない側の端部が前記一対の延出部に接続され、前記一対の延出部は、いずれも前記収納ケースと接していなくてもよい
ことを特徴とする請求項3に記載の収納ケース付きフィルムコンデンサ。
【0011】
これによれば、延出部が、収納ケースに接しないため、収納ケースの収納空間に充填樹脂を構成する樹脂を充填する際に延出部から樹脂が這い上がって溢れるのを防止できる。
【0012】
また、前記収納ケースには、前記第1の規制部に対応して設けられ、前記第1の規制部が嵌合する嵌合凹部が設けられていてもよい。
【0013】
これによれば、固定部材を収納ケースに位置精度よく装着できる。
【0014】
また、前記収納ケースには、嵌合突起が設けられ、前記第1の規制部には、前記嵌合突起に嵌合する嵌合凹部が形成されてもよい。
【0015】
これによれば、固定部材を収納ケースに位置精度よく装着できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1の規制部、第2の規制部、収納ケースの外壁面により、バスバーの外側延出部を囲む構造になるため、バスバーのがたつきを抑えることができ、外部接続部での接続が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明の第1実施形態に係るケースモールド型フィルムコンデンサの斜視図であり、(b)は(a)のモールド樹脂を除いた状態の斜視図である。
図2図1の収納ケースの斜視図である。
図3図2の収納ケースに収納された状態の各コンデンサ素子の斜視図である。
図4図1の第1のバスバーの斜視図である。
図5図1の第2のバスバーの斜視図である。
図6図1の第3のバスバーの斜視図である。
図7図1の固定部材の斜視図である。
図8図1の第1バスバーと第2バスバーの間に配置される絶縁スペーサの斜視図である。
図9図1の第3のバスバーと固定部材とカラー部の周辺を示する部分斜視図である。
図10図2の収納ケースのカラー部の周辺を示す部分斜視図である。
図11】固定部材と収納ケースのクリアランスを説明するための図である。
図12】本発明の第2実施形態に係るケースモールド型フィルムコンデンサの第2バスバーと固定部材とカラー部の周辺を示す部分斜視図である。
図13図12の収納ケースのカラー部の周辺を示す部分斜視図である。
図14図12の固定部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
≪第1の実施形態≫
以下、本発明の第1の実施形態について、図1から図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
1.ケースモールド型フィルムコンデンサの構造
本発明の第1の実施形態に係るケースモールド型フィルムコンデンサ1の構造について図1から図11を参照して説明する。なお、図1図14のx軸、y軸、z軸は同一であり、ケースモールド型フィルムコンデンサ1が完成した状態での収納ケース60の側部63の主要部の外面がxz平面およびyz平面となり、収納ケース60の開口60Aの開口面がxy面となるようにしている。
【0021】
本発明の第1実施形態に係るケースモールド型フィルムコンデンサ1(本発明の「収納ケース付きフィルムコンデンサ」に相当)は、複数の金属化フィルムコンデンサ素子(本発明の「コンデンサ素子」に相当。本実施形態では、10個の金属化フィルムコンデンサ素子10A,10B:図3参照)、第1のバスバー20(図4参照)、第2のバスバー30(図5参照)、第3のバスバー40(図6参照)、絶縁スペーサ50(図8参照)、充填樹脂部70(図1参照)、収納ケース60(図2参照)、及び固定部材80(図7参照)を備える。
【0022】
(収納ケース)
図2に示すように、収納ケース60(本発明の「収納ケース」に相当)は、一方の面(図1のz軸正方向の面)が開放された開口60A(本発明の「開口部」に相当)を有する箱状をしており、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bそれぞれの第2の端面電極13A,13Bと対向する板状の底部61と、底部61の周端縁から、当該底部61に対して垂直な方向に張り出した板状の側部63を含む。底部61と側部63とにより、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bを収納する収納空間が形成される。
【0023】
収納ケース60の側部63は、図2においてx軸正方向の最端に位置し、垂線がx軸と平行となる第1側板63Aと、x軸負方向の最端に位置し、垂線がx軸と平行となる第2側板63Bと、y軸負方向の最端に位置し、垂線がy軸と平行となる第3側板63Cと、y軸正方向の最端に位置し、垂線がy軸と平行となる第4側板63Dとを含む。
【0024】
また、収納ケース60には、側部63の外壁面(各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの収納空間側に位置する内壁面と反対側の壁面)から、当該収納空間とは反対側(x軸負方向)に張り出したカラー部67(本発明の「鍔部」に相当)が形成される。カラー部67には、第3のバスバー40の外部接続部43が載置される載置面67aが設けられている。カラー部67については後述する。収納ケース60(カラー部67を含む)は、例えば、PPS(ポリフェニレンスルファイド)などの樹脂材料で形成されている。
【0025】
(金属化フィルムコンデンサ素子)
金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bは、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた2枚の金属化フィルムを重ね、重ねた金属化フィルムを巻回または積層し、扁平状に押圧することにより形成される。なお、本実施形態の金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bは、それぞれ同じサイズで形成された9つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aと、該コンデンサ素子10Aよりも小さい1つの金属化フィルムコンデンサ素子10Bとで構成されている。
【0026】
この実施形態では、金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bが、誘電体フィルム上にアルミニウムを蒸着させた金属化フィルムにより形成されるとしたが、これに限定されるものではなく、亜鉛、マグネシウム等の他の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよく、これらの金属のうち、複数の金属を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよく、これらの金属同士の合金を蒸着させた金属化フィルムにより形成されてもよい。
【0027】
各金属化フィルムコンデンサ素子10Aには、一方の端面に、亜鉛等の金属の吹き付けにより第1の端面電極12Aが形成され、他方の端面に、同じく亜鉛等の金属の吹き付けにより第2の端面電極13Aが形成される(図3参照)。
【0028】
図3に示すように、各金属化フィルムコンデンサ素子10Aそれぞれの一方の端面電極12Aは四隅が円弧状に形成された略矩形状をなし、それぞれの他方の端面電極13Aも一方の端面電極12Aと略同一形状で略矩形状をなしている。各金属化フィルムコンデンサ素子10Aそれぞれは、一方の端面電極12Aと、他方の端面電極13AとはZ方向から見たときに重なっており、それぞれ一方の端面電極12Aと他方の端面電極13Aの周端縁同士を繋ぐ側面14Aを含む。
【0029】
金属化フィルムコンデンサ素子10Bは、金属化フィルムコンデンサ素子10Aと同様の構造をしており、金属化フィルムコンデンサ素子10Bの一方の端面に形成された第1の端面電極12B及び他方の端面に形成された第2の端面電極13Bとを含む(第1の端面電極は図3参照、第2の端面電極13Bは図9図11参照)。
【0030】
図3に示すように、各金属化フィルムコンデンサ素子10Bの一方の端面電極12Bは四隅が円弧状に形成された略矩形状をなし、他方の端面電極13Bも一方の端面電極12Bと同一形状で略矩形状をなしている。各金属化フィルムコンデンサ素子10Bは、一方の端面電極12Bと、他方の端面電極13BとはZ方向から見たときに重なっており、それぞれ一方の端面電極12Bと他方の端面電極13Bの周端縁同士を繋ぐ側面14Bを含む。
【0031】
各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bは、図3のように配列された状態で収納ケース60に収納される。9つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aのうちの6つは、収納ケース60の側部63における、底部61のx軸正方向の端部から張り出した部分63A(以下、第1側板63Aという。)に沿って(第1側板63Aに近接して)一列に配列される。当該6つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aは、それぞれの第1の端面電極12A(または第2の端面電極13A)の短辺がy軸と平行になった状態で配置される。
【0032】
このとき、当該6つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aそれぞれの第2の端面電極13Aは収納ケース60の底部61に対向し、それぞれの第1の端面電極12Aは収納ケース60の開口60A側に位置する。
【0033】
9つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aのうちの3つは、収納ケース60の側部63における、底部61のx軸負方向の端部から張り出した部分63B(以下、第2側板63Bという。)に沿って(第2側板63Bに近接して)一列に配列される。当該3つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aは、それぞれの第1の端面電極12A(または第2の端面電極13A)の長辺がy軸と平行になった状態で配置される。このとき、当該3つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aそれぞれの第2の端面電極13Aは収納ケース60の底部61に対向し、それぞれの第1の端面電極12Aは収納ケース60の開口60A側に位置する。
【0034】
前述の6つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aと、当該3つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aとは隣接して配置される。具体的には、当該3つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aそれぞれの側面14Aの一部(第1の端面電極12Aの第2側板63Bに遠い側の長辺と第2の端面電極13Aの第2側板63Bに遠い側の長辺とを繋ぐ部分)と、前述の6つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aそれぞれの側面14Aの一部(第1の端面電極12Aの第1側板63Aから遠い側の短辺と第2の端面電極13Aの第1側板63Aから遠い側の短辺とを繋ぐ部分)とが隣接した状態で収納ケース60に収納される。
【0035】
金属化フィルムコンデンサ素子10Bは、収納ケース60の第1側板63Aに沿って配列された6つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aのうち、y軸負方向の最端に位置する金属化フィルムコンデンサ素子10Aに隣接して配置される(当該金属化フィルムコンデンサ素子10Aのy軸負方向側に隣接して配置される)。
【0036】
また、当該金属化フィルムコンデンサ素子10Bは、第1の端面電極12B(または第2の端面電極13B)の長辺それぞれがx軸と平行になった状態で配置される。このとき、金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bは収納ケース60の底部61に対向し、それぞれの第1の端面電極12Bは収納ケース60の開口60A側に位置する。
【0037】
サイズが大きい方の9つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aは、それぞれ第1の端面電極12Aが第1のバスバー20に電気的に接続され、それぞれの第2の端面電極13Aが第2のバスバー30に電気的に接続される。サイズが小さい方の1つの金属化フィルムコンデンサ素子10Bは、第1の端面電極12Bが第1のバスバー20に電気的に接続され、第2の端面電極13Bが第3のバスバー40に電気的に接続される。第1のバスバー20、第2のバスバー30、第3のバスバー40は、それぞれ銅などの導電性材料により形成される。
【0038】
この実施形態では、各第1の端面電極12A,12BをそれぞれP極側とし、第2の端面電極13A,13BをそれぞれN極側とする。この場合、第1のバスバー20がP極側となり、第2のバスバー30がN極側となる。なお、各第1の端面電極12A,12BをN極側とし、各第2の端面電極13A,13BをP極側とし、第1のバスバーがN極側となり、第2のバスバーがP極側となるようにしてもよい。
【0039】
第1のバスバー20、第2のバスバー30、第3のバスバー40は、上述したように、銅などの導電性材料により形成されており、以下の形状をしている。
【0040】
(第1のバスバー)
図4に示すように、第1のバスバー20は、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの第1の端面電極12A,12Bに当接する板状の端面電極接触部21と、端面電極接触部21のx軸正方向の端縁から、当該端面電極接触部21に対して垂直な方向(z軸正方向)に延在する板状の引き出し配線部22と、引き出し配線部22の端面電極接触部21と反対側の端部(z軸正方向の端部)から当該引き出し配線部22に対して垂直な方向(x軸正方向)に延びる3つの外部接続部23、24、25とを有する。
【0041】
第1のバスバー20の端面電極接触部21には、短冊状の複数の接合部21aが端面電極接触部21の一部のくり抜きや切り欠きにより形成されている。この実施形態では、各接合部21aは、大きい方の9つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aに対してはそれぞれ2つずつ割り当てられ、小さい方の1つの金属化フィルムコンデンサ素子10Bに対しては1つ割り当てられており、対応する金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの第1の端面電極12A,12Bに接触する箇所にそれぞれ形成される。各接合部21aと、第1の端面電極12A,12Bとは、例えばはんだにより接合され、第1のバスバー20と、10個の金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの第1の端面電極12A,12Bの各々とが電気的に接続される。
【0042】
外部接続部23は、引き出し配線部22のy軸負方向の最端部、かつ、z軸正方向の最端部から、当該引き出し配線部22に対して垂直な方向(x軸正方向)に延在し、短冊状に形成されている。また、その先端部(引き出し配線部22とは反対側の端部)には円形の貫通孔23aが形成されており、当該貫通孔23aを含んだ螺合構造により第1のバスバー20(第1の端面電極12A,12B)と外部との接続が行われる。
【0043】
外部接続部24は、引き出し配線部22のz軸正方向の最端部であって、y軸方向の中央部付近から、当該引き出し配線部22に対して垂直な方向(x軸正方向)に延在し、短冊状に形成されている。また、その先端部(引き出し配線部22とは反対側の端部)には円形の貫通孔24aが形成されており、当該貫通孔24aを含んだ螺合構造により第1のバスバー20(第1の端面電極12A,12B)と外部との接続が行われる。
【0044】
外部接続部25は、引き出し配線部22のz軸正方向の最端部であって、y軸方向の中央よりもy軸正方向寄りの位置から、当該引き出し配線部22に対して垂直な方向(x軸正方向)に延在し、短冊状に形成されている。また、その先端部(引き出し配線部22とは反対側の端部)には円形の貫通孔25aが形成されており、当該貫通孔25aを含んだ螺合構造により第1のバスバー20(第1の端面電極12A,12B)と外部との接続が行われる。
【0045】
なお、第1のバスバー20は、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bや、第2のバスバー30、第3のバスバー40とともに収納ケース60に配置された状態において、端面電極接触部21および各外部接続部23、24、25は、収納ケース60の底部61と略平行になる。一方、引き出し配線部22は、収納ケース60の底部61に対して垂直、および、収納ケース60の第1側板63A(図2参照)と平行になる。
【0046】
(第2のバスバー)
図5に示すように、第2のバスバー30は、金属化フィルムコンデンサ素子10Aの第2の端面電極13Aに当接する板状の端面電極接触部31と、端面電極接触部31のx軸正方向の端縁から、当該端面電極接触部31に対して垂直な方向(z軸正方向)に延在する板状の引き出し配線部32と、引き出し配線部32の端面電極接触部31と反対側の端部(z軸正方向の端部)から当該引き出し配線部32に対して垂直な方向(x軸正方向)に延びる3つの外部接続部33、34、35とを有する。
【0047】
第2のバスバー30の端面電極接触部31には、短冊状の複数の接合部31aが端面電極接触部31の一部のくり抜きや切り欠きにより形成されている。この実施形態では、各接合部31aは、大きい方の9つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aに対しそれぞれ2つずつ割り当てられており、対応する金属化フィルムコンデンサ素子10Aの第2の端面電極13Aに接触する箇所にそれぞれ形成される。各接合部31aと、第1の端面電極12Aとは、例えばはんだにより接合され、第2のバスバー30と、9つの金属化フィルムコンデンサ素子10Aの第2の端面電極13Aの各々とが電気的に接続される。
【0048】
外部接続部33は、引き出し配線部32のy軸負方向の最端部であって、z軸正方向の最端部から、当該引き出し配線部32に対して垂直な方向(x軸正方向)に延在し、短冊状に形成されている。また、その先端部(引き出し配線部32とは反対側の端部)には円形の貫通孔33aが形成されており、当該貫通孔33aを含んだ螺合構造により第2のバスバー30(第2の端面電極13A)と外部との接続が行われる。
【0049】
外部接続部34は、引き出し配線部32のz軸正方向の最端部であって、y軸方向の中央部付近から、当該引き出し配線部32に対して垂直な方向(x軸正方向)に延在し、短冊状に形成されている。また、その先端部(引き出し配線部32とは反対側の端部)には円形の貫通孔34aが形成されており、当該貫通孔34aを含んだ螺合構造により第2のバスバー30(第2の端面電極13A)と外部との接続が行われる。
【0050】
外部接続部35は、引き出し配線部32のz軸正方向の最端部であって、y軸方向の中央よりもy軸正方向寄りの位置から、当該引き出し配線部32に対して垂直な方向(x軸正方向)に延在し、短冊状に形成されている。また、その先端部(引き出し配線部32とは反対側の端部)には円形の貫通孔35aが形成されており、当該貫通孔35aを含んだ螺合構造により第2のバスバー30(第2の端面電極13A)と外部との接続が行われる。
【0051】
なお、第2のバスバー30は、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bや、第1のバスバー20、第3のバスバー40ともに収納ケース60に配置された状態において、端面電極接触部31および各外部接続部33、34、35は、収納ケース60の底部61と略平行になる。一方、引き出し配線部32は、収納ケース60の底部61に対して垂直、および、収納ケース60の第1側板63A(図2参照)と平行になる。
【0052】
(第3のバスバー)
図6に示すように、第3のバスバー40(本発明の「バスバー」に相当)は、小さい方の金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bに当接する板状の端面電極接触部41(本発明の「電極接続部」に相当)と、板状の外部接続部43(本発明の「外部接続部」に相当)と、端面電極接触部41と外部接続部43とを接続する板状の引き出し配線部42(本発明の「引き出し配線部」に相当)とを有する。
【0053】
第3のバスバー40の端面電極接触部41の先端(x軸正方向の端部)には、x軸正方向に延びる短冊状の1つの接合部41aが形成されている。接合部41aと、第2の端面電極13Bとは、例えばはんだにより接合され、第3のバスバー40と、金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bとが電気的に接続される。
【0054】
引き出し配線部42は、端面電極接触部41における接合部41aと反対側の端部(x軸負方向の端部)からz軸正方向に延在する第1の延在部42aと、第1の延在部42aにおける端面電極接触部41と反対側の端部(z軸正方向の端部)からx軸負方向に延在する第2の延在部42bと、第2の延在部42bにおける第1の延在部42aと反対側の端部(x軸負方向の端部)からz軸負方向に延在する第3の延在部42c(本発明の「外側延出部」に相当)とで構成されている。
【0055】
外部接続部43は、引き出し配線部42の第3の延在部42cにおける第2の延在部42bと反対側の端部(z軸負方向の端部)から、当該第3の延在部42cに対して垂直な方向(x軸負方向)に延在する。また、その先端部(第3の延在部42cと反対側の端部)には、円形の貫通孔43aが形成されており、当該貫通孔43aを含んだ螺合構造により第3のバスバー40(第2の端面電極13B)と外部との接続が行われる。
【0056】
なお、第3のバスバー40は、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bや、第1のバスバー20、第2のバスバー30とともに収納ケース60に配置された状態において、端面電極接触部41、引き出し配線部42の第2の延在部42bおよび外部接続部43は、それぞれ収納ケース60の底部61と略平行になる。一方、引き出し配線部32の第1の延在部42aおよび第3の延在部42cは、それぞれ収納ケース60の底部61に対して垂直、および、収納ケース60の第2側板63B(図2参照)と平行になる。
【0057】
(収納した状態のバスバーと収納ケース、外部接続部の位置関係)
10個の金属化フィルムコンデンサ素子10A,10B、第1のバスバー20、第2のバスバー30、第3のバスバー40、絶縁スペーサ50は組み立てられ、金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの端面電極12A,12Bと第1のバスバー20とがはんだ付けされ、金属化フィルムコンデンサ素子10Aの端面電極13Aと第2のバスバー30とがはんだ付され、金属化フィルムコンデンサ素子10Bの端面電極13Bと第3のバスバー40とがはんだ付けされてなるユニット(以下、結線ユニットという場合もある。)が収納ケース60に収納される。
【0058】
このとき、図1に示すように、収納ケース60の内側(収納空間側)において、第1のバスバー20の引き出し配線部22と、第2のバスバー30の引き出し配線部32とが、収納ケース60の第1側板63A(図2参照)に近接して配置される。具体的には、第1のバスバー20の引き出し配線部22および第2のバスバー30の引き出し配線部32は、それぞれ第1側板63Aと略平行に配置されており、第1側板63Aに対して、第2のバスバー30の引き出し配線部32、第1のバスバー20の引き出し配線部22の順に近接して配置される。なお、第2のバスバー30の引き出し配線部32は、収納ケース60の第1側板63Aに隣接していてもよいし、所定の間隔が空いた状態で収納されるようにしてもよい。
【0059】
第1のバスバー20の引き出し配線部22と第2のバスバー30の引き出し配線部32との間には、第1のバスバー20と第2のバスバー30との短絡を防止するために、板状の絶縁スペーサ50が配置される。
【0060】
また、第1のバスバー20の引き出し配線部22のz軸正方向の最端は、収納ケース60の開口60A付近に位置し、そこからL字状に略90°に屈曲して各外部接続部23,24,25が配置される。すなわち、第1のバスバー20の引き出し配線部22は収納ケース60の収納空間内に配置される一方、各外部接続部23,24,25に形成された各貫通孔23a,24a,25aは、図1において開口60Aを上側からz軸負方向に見たときに、それぞれ収納ケース60の収納空間の外側に配置される。
【0061】
また、第2のバスバー30の引き出し配線部32のz軸正方向の最端は、収納ケース60の開口60Aに位置し、そこから略90°に屈曲して各外部接続部33,34,35が配置される。すなわち、第2のバスバー30の引き出し配線部32は収納ケース60の収納空間内に配置される一方、各外部接続部33,34,35に形成された各貫通孔33a,34a,35aは、図1において開口60Aを上側からz軸負方向に見たときに、それぞれ収納ケース60の収納空間の外側に配置される。
【0062】
第1のバスバー20の外部接続部23と第2のバスバー30の外部接続部33とは、図1において開口60Aを上側からz軸負方向に見たときに、横並びに近接して配置される。第1のバスバー20の外部接続部24と第2のバスバー30の外部接続部34とは、外部接続部23および外部接続部33に対してy軸正方向に所定間隔を空けて横並びに近接して配置される。第1のバスバー20の外部接続部25と第2のバスバー30の外部接続部35とは、それぞれ外部接続部24および外部接続部34に対してy軸正方向に所定間隔を空けて横並びに近接して配置される。
【0063】
(絶縁スペーサ)
絶縁スペーサ50は図8に示すように、板状の本体部51と、3つの屈曲片52,53,54とで構成され、第1のバスバー20の引き出し配線部22と第2のバスバー30の引き出し配線部32との間には配置される。本体部51のz軸正方向の端部は、結線ユニットが収納ケース60の収納空間に配置された状態で、収納ケース60の開口60Aから若干はみ出る(図1参照)。
【0064】
屈曲片52は、本体部51のz軸正方向の端部であって、第2のバスバー30の外部接続部33と第1のバスバー20の外部接続部24の間に相当する位置において、本体部51に対して、収納空間の外側方向に略90°に屈曲して設けられる(図1図8参照)。
【0065】
屈曲片53は、本体部51のz軸正方向の端部であって、第2のバスバー30の外部接続部34と第1のバスバー20の外部接続部25の間に相当する位置において、本体部51に対して、収納空間の外側方向に略90°に屈曲して設けられる(図1図8参照)。
【0066】
屈曲片54は、本体部51のz軸正方向の端部であって、第2のバスバー30の外部接続部35のy軸正方向に隣接して、本体部51に対して、収納空間の外側方向に略90°に屈曲して設けられる(図1図8参照)。
【0067】
(カラー部の周辺構造)
次に、収納ケース60に形成されたカラー部67の周辺の構造について、図1図9図10等を参照して説明する。
【0068】
図1に示すように、カラー部67は、収納ケース60の側部63における、第2側板63Bと第3側板63Cの境界に設けられる。カラー部67は、当該境界において収納ケース60の収納空間側の内壁面631(図11参照)と反対側の外壁面630(図10図11参照)から外側(収納空間とは反対側)に張り出している。図10に示すように、カラー部67は、第3のバスバー40の外部接続部43が載置される載置面67aを含む。載置面67aは、収納ケース60の側部63の前記外壁面630に対して略90°をなし、その先端部(x軸負方向の端部)には、第3のバスバー40の外部接続部43と外部のハーネスの端子とをネジ等で締結するのに利用される貫通孔67bが形成される。貫通孔67bは、z軸方向に貫通する(図2図10等参照)。
【0069】
また、図10に示すように、収納ケース60の側部63における、カラー部67が形成される箇所の開口60A側の端部(z軸正方向の端部)には、底部61から開口60Aに向かう方向(z軸正方向)に延出し、第3のバスバー40を挟む2つの挟持部63E(本発明の「嵌合突起」に相当)が形成される。この実施形態において、挟持部63Eは、断面(図10のおけるxy平面の断面)が矩形の角柱状に形成されている。2つの挟持部63Eの間は、第3のバスバー40の幅(y軸方向の長さ)よりも若干広く、両挟持部63Eの間に第3のバスバー40の第2の延在部42bが配置可能に構成されている。
【0070】
(第3のバスバーによる引き出し経路)
ここで、結束ユニットが収納ケース60に収納された状態の第3のバスバー40の接合部41aから外部接続部43の貫通孔43aまでの引き出し経路について説明する。小さい方の金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bに接合される端面電極接触部41は、当該第2の端面電極13Bと平行に配置される。端面電極接触部41の接合部41aと反対側の端部(x軸負方向の端部)は、当該端面電極接触部41に対して略90°屈曲した第1の延在部42a(引き出し配線部42の一部)に接続されており、端面電極接触部41と第1の延在部42aとにより、接合部41aは、収納ケース60の開口60Aの位置まで引き出される。このとき、第1の延在部42aは、収納ケース60の収納空間側であって、外壁面630と反対側の内壁面631(図11参照)に沿った状態で配置される。
【0071】
引き出し配線部42の第1の延在部42aにおける、端面電極接触部41と反対側の端部(z軸正方向の端部)は、当該第1の延在部42aに対して略90°屈曲した第2の延在部42b(引き出し配線部42の一部)に接続されており、端面電極接触部41、第1の延在部42aおよび第2の延在部42bにより、接合部41aは、収納ケース60の収納空間の外側の位置まで引き出される。このとき、第2の延在部42bは、その幅方向(y軸方向)で収納ケース60の2つの挟持部63Eで挟まれた状態で配置される。また、第2の延在部42bは、収納ケース60の内側面のうち、底部61により形成される面と略平行(xy平面に略平行)に配置される。換言すると、第2の延在部42bは、図1において開口60Aを上側からz軸負方向に見たときに、収納ケース60の側部63と交差して、接合部41aを収納空間の内側から外側に引き出す。
【0072】
引き出し配線部42の第2の延在部42bにおける、第1の延在部42aと反対側の端部(x軸負方向の端部)は、当該第2の延在部42bに対して略90°(z軸負方向)屈曲した第3の延在部42c(引き出し配線部42の一部)に接続されており、接合部41aは、端面電極接触部41、第1の延在部42a、第2の延在部42bおよび第3の延在部42cにより、収納ケース60のカラー部67の載置面67aの位置まで引き出される。このとき、第3の延在部42cは、収納ケース60の収納空間の外側であって、外壁面630(図9図10参照)に沿った状態で配置される。
【0073】
引き出し配線部42の第3の延在部42cにおける、第2の延在部42bと反対側の端部(z軸負方向の端部)は、当該第3の延在部42cに対して略90°(x軸負方向)屈曲した外部接続部43に接続されており、接合部41aは、端面電極接触部41、第1の延在部42a、第2の延在部42b、第3の延在部42cおよび外部接続部43により、収納ケース60のカラー部67の貫通孔67bの位置まで引き出される。このとき、外部接続部43は、カラー部67の載置面67aと略平行(xy平面と略平行)であって、当該載置面67aに当接した状態(または、略当接した状態)で配置される。
【0074】
(固定部材)
この実施形態では、第3のバスバー40の引き出し経路を制御するための固定部材80(本発明の「固定部材」に相当)が収納ケース60に装着される。固定部材80は、図7に示すように、収納ケース60に装着された状態で、それぞれz軸方向と平行であって所定間隔を空けて配置された2つの柱状の延出部81(本発明の「延出部」に相当)と、延出部81それぞれの一方端部(z軸正方向の端部)からx軸負方向(支持部81に対して90°)に延出した柱状の一対のガイド部82(本発明の「ガイド部」に相当)と、一対のガイド部82における、延出部81と反対側の端部(x軸負方向の端部)同士を連結する柱状の連結部83(本発明の「第2の規制部」に相当)とで構成されている。
【0075】
一対のガイド部82は所定間隔を空けて平行に配置されている。一対のガイド部82の当該所定間隔は、第3のバスバー40の第3の延在部42cの幅よりも若干広く、一対のガイド部82の間に第3のバスバー40の第3の延在部42cを配置可能に構成されている。
【0076】
一対のガイド部82には、それぞれ収納ケース60に装着するための切り欠き部82aが形成されている。切り欠き部82aは、それぞれガイド部82の長さ方向(x軸方向)の中央部付近に向かい合うように形成されている。固定部材80は、両切り欠き部82aが、それぞれ収納ケース60に形成された挟持部63Eに嵌合することにより、収納ケース60に装着される。なお、収納ケース60の挟持部63Eと、固定部材80の切り欠き部82aは、それぞれ1つずつ形成される構成であってもよい。このようにしても、固定部材80を収納ケース60に装着(固定)可能である。
【0077】
図9から図11に示すように、固定部材80が収納ケース60に装着された状態では、2つの延出部81が収納ケース60の収納空間側に配置される。一方、一対のガイド部82は、図1において開口60Aを上側からz軸負方向に見たときに、それぞれ収納ケース60の側部63に交差し、連結部83は、収納ケース60の外側に配置される。
【0078】
また、固定部材80が収納ケース60に装着された状態では、固定部材80の2つの延出部81は、それぞれ収納ケース60の側部63と所定距離のクリアランス(図11のW1)が確保されるとともに、収納ケース60の底部61とも所定距離のクリアランス(図11のW2)が確保されている。したがって、固定部材80の延出部81は、収納ケース60の内側面とは接しないように設計されている。
【0079】
なお、固定部材80が収納ケース60に装着された状態では、固定部材80の切り欠き部82aと、収納ケース60の挟持部63Eとの嵌合により、固定部材80のx軸方向とy軸方向の移動が規制される。また、固定部材80の一対のガイド部82が、収納ケース60の側部63の端部(側部63のz軸正方向の端部)に当接することで、固定部材80のz軸負方向への移動が規制される。
【0080】
固定部材80は、切り欠き部82aの収納ケース60の挟持部63Eとの嵌合のほか、延出部81の一部が充填樹脂部70に埋まることで固定される。このとき、固定部材80の固定は、延出部81の長さz軸方向の長さに対して10%以上が充填樹脂部70に埋まっていれば、樹脂硬化後に第3のバスバー40の引き出し経路の制御が可能であるが、より確実な制御を行う上では、50%以上が充填樹脂部70に埋まっているのが好ましい。また、収納ケース60の第2側板63Bおよび/または底部60に固定部材80の延出部81の移動を規制する突出部を設けてもよい。
【0081】
なお、この実施形態において、固定部材80は、PPS(ポリフェニレンスルファイド)で形成されているが、固定部材80を形成する材料は、これに限らず、PPSと同等の耐熱、強度を備えた樹脂材料で形成することができる。
【0082】
(引き出し経路の制御)
第3のバスバー40によって引き出される、金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bから外部接続部43への経路の制御に関して、図9を参照して説明する。
【0083】
まず、第3のバスバー40の第2の延在部42bは、収納ケース60に形成された2つの挟持部63Eに挟まれることから、第2の延在部42bのy軸方向の移動が規制される。また、第3のバスバー40の第3の延在部42cは、固定部材80の一対のガイド部82により挟まれることから、第3の延在部42cのy軸方向の移動が規制される。当該第3の延在部42cは、さらに収納ケース60の外壁面630と固定部材80の連結部83とにより挟まれることから、第3の延在部42cのx軸方向の移動が規制される。すなわち、第3のバスバー40の第3の延在部42cは、その周囲が収納ケース60の外壁面630、ガイド部82、連結部83で囲まれるため、これにより第3の延在部42cのx軸方向とy軸方向の移動が規制される。
【0084】
このように、第3のバスバー40の第2の延在部42bと第3の延在部42cの移動を規制(制御)することで、外部応力や、第3のバスバー40の寸法精度や屈曲精度のばらつきなどに起因して外部接続部43の浮きや貫通孔43aの位置ズレを軽減可能になっている。
【0085】
(ケースモールド型フィルムコンデンサの製造方法)
ケースモールド型フィルムコンデンサ1の製造手順の一例について簡単に説明する。まず、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bを所定の配列に並べて保持し、第1のバスバー20の端面電極接触部21を各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの第1の端面電極12A,12Bに当接させた状態で、端面電極接触部21の各接合部21aと、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの第1の端面電極12A,12Bとの位置合わせを行う。位置合わせを行った後は、各接合部21aそれぞれにおいて、対応する金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの第1の端面電極12A,12Bとのはんだ接合を行う。
【0086】
続いて、第2のバスバー30の端面電極接触部31を各金属化フィルムコンデンサ素子10Aの第2の端面電極13Aに当接させた状態で、端面電極接触部31の各接合部31aと、各金属化フィルムコンデンサ素子10Aの第2の端面電極13Aとの位置合わせを行う。位置合わせを行った後は、各接合部31aそれぞれにおいて、対応する金属化フィルムコンデンサ素子10Aの第2の端面電極13Aとのはんだ接合を行う。
【0087】
続いて、第3のバスバー40の端面電極接触部41を小さい方の金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bに当接した状態で位置合わせを行い、端面電極接触部41の接合部41aと金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bとのはんだ接合を行う。これにより、結線ユニットが完成する。なお、第1のバスバー20、第2のバスバー30、第3のバスバー40と、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bとを接続する順序は、これに限らず、適宜変更可能である。
【0088】
次に、完成した結線ユニットを、収納ケース60の収納空間に収納し、固定部材80を収納ケース60に装着する。次に、収納ケース60の開口60Aから、液体のエポキシ樹脂を注入し、所定の硬化温度で硬化させることで充填樹脂部70を形成し、図1(a)のケースモールド型フィルムコンデンサ1が完成する。
【0089】
(効果)
したがって、上記した実施形態によれば、収納ケース60の2つの挟持部63Eにより第3のバスバー40の第2の延在部42bが挟まれることにより、当該第2の延在部42bのy軸方向の移動が規制される。また、第3のバスバー40の第3の延在部42cが固定部材80の一対のガイド部82、連結部83および収納ケース60の外壁面630により囲まれることにより、当該第3の延在部42cのx軸方向とy軸方向の移動が規制される。これらにより、第3のバスバー40による引き出し経路を、所望の経路に制御することができる。
【0090】
例えば、第3のバスバー40が傾くなど、引き出し経路が所望の経路からズレた場合は、収納ケース60のカラー部67の貫通孔67bと、第3のバスバー40の外部接続部43の貫通孔43aとの位置がズレる。この場合、カラー部67の貫通孔67bの位置において、第3のバスバー40の外部接続部43と外部の接続端子との締結が不能になるおそれがある。また、締結ができたとしても、カラー部67の貫通孔67bと第3のバスバー40の貫通孔43aとの位置を無理やり合わすことにより、残留応力が発生し、金属化フィルムコンデンサ素子10Bの性能が劣化するおそれがある。また、当該残留応力の影響で、第3のバスバー40と充填樹脂部70との境界でクラックが発生するおそれもある。充填樹脂部70にクラックが発生した場合は、各金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bが水分などに侵される可能性があり、この場合は、金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの性能が劣化する。しかしながら、この実施形態では、第3のバスバー40の引き出し経路を所望の経路に制御できるため、第3のバスバー40の外部接続部43と外部の接続端子との締結を確実に行うことができるとともに、前述の残留応力に起因した金属化フィルムコンデンサ素子10A,10Bの性能の劣化を防止することができる。
【0091】
また、仮に、固定部材80の延出部81が収納ケース60の内壁面631に接触した状態で、固定部材80が収納ケース60に装着される構成の場合、充填樹脂部70を形成する樹脂を収納ケース60の収納空間に充填したときに、樹脂の這い上がりが生じて樹脂漏れが発生するおそれがある。しかしながら、この実施形態では、固定部材80の延出部81と収納ケース60の内壁面631との間に所定のクリアランス(図11のW1)が確保されているため、樹脂を充填する際の樹脂漏れを防止することができる。または、図11のように開口部にかけて、固定部材80の延出部81と収納ケース60の内壁面631の空間が広がるような収納ケースの設計をすることによっても、樹脂漏れを防止することができる。
【0092】
また、仮に、固定部材80の延出部81が収納ケース60の底部61に接触する構成の場合、延出部81の寸法ばらつきによっては、固定部材80の切り欠き部82aと、収納ケース60の挟持部63Eとの嵌合が不完全になり、固定部材80の収納ケース60への固定力が低下する。しかしながら、この実施形態では、固定部材80の延出部81と収納ケース60の底部61との間にも所定のクリアランス(図11のW2)が確保されているため、固定部材80の収納ケース60への固定を確実に行うことができる。
【0093】
また、第3のバスバー40による引き出し経路は、充填樹脂部70の形成前に固定部材80により所望の経路に制御され、外部接続部43の貫通孔43aとカラー部67の貫通孔67bとが合った状態で充填樹脂部70により第3のバスバー40が固定される。このようにすると、第3のバスバー40が傾いた状態(引き出し経路が変形した状態)で、充填樹脂部70で固定されることにより、第3のバスバー40の貫通孔43aの位置が修正不能となって不良が発生するのを防止できる。
【0094】
また、固定部材80は、そのガイド部82に形成された切り欠き部82aと、収納ケース60に形成された挟持部63Eとの嵌合した状態で収納ケース60に装着されるため、固定部材80を収納ケース60に対して位置精度よく装着できる。
【0095】
≪第2の実施形態≫
本発明の第2の実施形態に係るケースモールド型フィルムコンデンサ1について、図12図14を参照して説明する。
【0096】
この実施形態に係るケースモールド型フィルムコンデンサ1が、図1図11を参照して説明した第1の実施形態のケースモールド型フィルムコンデンサ1と異なるところは、固定部材の構成と、固定部材の収納ケースへの装着方法が異なることである。その他の構成は、第1の実施形態と同じであるため、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0097】
この実施形態にかかる固定部材800は、図14に示すように、収納ケース60に装着された状態で、それぞれz軸方向と平行であって所定間隔を空けて配置された2つの柱状の延出部801と、延出部801それぞれの一方端部(z軸正方向の端部)からx軸負方向(延出部801に対して90°)に延出した柱状の一対のガイド部802と、一対のガイド部802における延出部801と反対側の端部(x軸負方向の端部)同士を接続する柱状の連結部803とで構成されている。また、一対のガイド部802は、それぞれ延出部801と接続される側の端部(x軸正方向の端部)が他の部分よりも太く形成されており、両部分の境界で段差が形成されている。
【0098】
一対のガイド部802は所定間隔を空けて平行に配置されている。一対のガイド部802の当該所定間隔は、第3のバスバー40の第3の延在部42cの幅よりも若干広く、一対のガイド部802の間に第3のバスバー40の第3の延在部42cを配置可能に構成されている。
【0099】
図13に示すように、収納ケース60のカラー部67が配置される箇所の側部63の開口60A側の端部(z軸正方向の端部)には、固定部材800を装着するための2つの嵌合溝63F(本発明の「嵌合凹部」に相当)が一対のガイド部802の間隔に合わせて形成される。嵌合溝63Fの幅(y軸方向の幅)は、それぞれガイド部802の細い部分が嵌合可能な幅に設定されている。
【0100】
固定部材800は、ガイド部802の細い部分を対応する収納ケース60の嵌合溝63Fに嵌合させることにより、収納ケース60に装着される。このとき、固定部材800は、両ガイド部802の細い部分が収納ケース60の嵌合溝63Fに嵌合することで、y軸方向の移動が規制される。また、両ガイド部802それぞれの太い部分は、収納ケース60の収納空間側に配置されることから、当該太い部分が、収納ケース60の外壁面630(図13参照)の裏側の内壁面に当接することで、固定部材800のx軸負方向の移動が規制される。
【0101】
固定部材800が収納ケース60に装着された状態では、図12に示すように、2つの延出部801が収納ケース60の収納空間側に配置される。一方、2つのガイド部802は、図12における上側からz軸負方向に見たときに、それぞれ収納ケース60の側部63に交差し、連結部803は、収納ケース60の外側に配置される。
【0102】
また、固定部材800が収納ケース60に装着された状態では、固定部材800の2つの延出部801は、上記した第1の実施形態と同様に、それぞれ収納ケース60の側部63と所定距離のクリアランス(図11のW1参照)が設定されるとともに、収納ケース60の底部61とも所定距離のクリアランス(図11のW2参照)が設定されている。したがって、固定部材800の延出部801は、収納ケース60の内側面とは接しないように設計されている。
【0103】
固定部材800は、両ガイド部802の細い部分の収納ケース60の嵌合溝63Fとの嵌合のほか、延出部801の一部が充填樹脂部70に埋まることで固定される。
【0104】
第3のバスバー40による金属化フィルムコンデンサ素子10Bの第2の端面電極13Bから外部接続部43への引き出し経路の制御に関して、図12を参照して説明する。
【0105】
第3のバスバー40の第3の延在部42cは、固定部材800の一対のガイド部802(細く形成された部分)により挟まれることから、第3の延在部42cのy軸方向の移動が規制される。当該第3の延在部42cは、さらに収納ケース60の外壁面630と固定部材800の連結部803とにより挟まれることから、第3の延在部42cのx軸方向の移動が規制される。すなわち、第3のバスバー40の第3の延在部42cは、その周囲が収納ケース60の外壁面630、ガイド部802、連結部803で囲まれるため、これにより第3の延在部42cのx軸方向とy軸方向の移動が規制される。
【0106】
このように、第3のバスバー40の第2の延在部42bと第3の延在部42cの移動を規制(制御)することで、第3のバスバー40の寸法精度や屈曲精度や外部応力などに起因して外部接続部43の浮きや貫通孔43aの位置ズレを軽減可能になっている。
【0107】
この実施形態によれば、第3のバスバー40の第3の延在部42cが、収納ケース60の外壁面630、ガイド部802、連結部803で囲まれるため、第3のバスバー40の引き出し経路を制御することができ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0109】
例えば、固定部材80,800は、第3のバスバー40の第3の延在部43cのx軸方向とy軸方向の移動を規制できる構成であれば、その形状は問わない。
【0110】
また、上記した実施形態では、第3のバスバー40にのみ固定部材80,800を設けたが、第1のバスバー20、第2のバスバー30の少なくとも一方の外部接続部が収納ケースのカラー部の載置面に載置される構成であれば、そのバスバーに対しても固定部材を設けるようにしてもよい。
【0111】
また、上記の実施形態で説明した内容や上記の変形例で説明した内容を適宜組み合わせるようにしてもよい。
【0112】
本発明は、多極性の極性間を絶縁するケースモールド型フィルムコンデンサに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1:ケースモールド型フィルムコンデンサ
10A,10B:金属化フィルムコンデンサ素子
12A,12B:第1の端面電極
13A,13B:第2の端面電極
40:第3のバスバー
41:端面電極接触部
42:引き出し配線部
42c:第3の延出部
43:外部接続部
60:収納ケース
60A:開口
63E:挟持部
63F:嵌合溝
67:カラー部
70:充填樹脂部
80、800:固定部材
81、801:延出部
82、802:ガイド部
83、803:連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14